説明

半導体メモリカード

【課題】応答性の向上、低消費電力化を図るとともに、基板配線間のクロストークを低減することが可能な半導体メモリカードを提供する。
【解決手段】半導体メモリカード100は、下面に入出力カード端子22、電源カード端子23、および、グランドカード端子24が設けられた回路基板3と、回路基板3上面に形成された複数の第1の基板端子1とがワイヤボンディングされた略矩形の不揮発性メモリチップ6と、回路基板3上面に形成された複数の第2の基板端子2とがワイヤボンディングされた、コントローラチップ9と、を備える。電源カード端子23またはグランドカード端子24が、回路基板3を介して第1の基板端子1と第2の基板端子2とに沿うように、外部装置に接続される接続部23a、24aと、この接続部23a、24aから延びた延長部23b、24bと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源を供給するための電源カード端子、および、グランド電位に接続されるグランドカード端子を有する半導体メモリカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、不揮発性メモリチップを搭載した携帯電話やパソコンは小型軽量化が進んでおり、さらに、メモリの高容量化や様々な機能を有する製品に対する要求が高まっている。
【0003】
xD−Picture(TM)カードをはじめとする半導体メモリカードは、主にデジタルスチルカメラの記憶媒体として用いられる。この半導体メモリカードの半導体チップ構成は、記憶装置として使用される不揮発性メモリであるフラッシュメモリと、各種機器との互換性を持たせる為に互換性機能を有したコントローラチップと、を必要とする。
【0004】
そして、近年では、デジタルスチルカメラの画素の高解像度化や、長時間動画の取り込みに伴い、半導体メモリカードの高容量化が進んでいる。記憶媒体として用いられる半導体メモリチップは、メモリセルのサイズを小さくすることにより高容量化されるが、メモリセルのさらなる微細化は困難になるとともに、チップサイズをより小さくすることが難しくなってきている。
【0005】
一方、半導体メモリカードのパッケージの外形寸法は規格が決まっているが、半導体メモリカードの外形寸法より十分小さいチップを搭載する場合は、カード基板に十分なスペースが有り基板配線の自由度は高く、配線デザインは容易である。しかし、大容量チップを搭載した場合は、配線スペースが減少し、基板配線デザインの自由度が制限されることとなる。
【0006】
また、メモリの高容量化や様々な機能を持たせるためには、多くの半導体チップを搭載する必要がある。しかし、製品の小型化が進むにつれて、半導体チップを実装する回路基板の大きさも小型になり、多数の半導体チップを積層し実装することが難しくなってきている。
【0007】
従来の半導体メモリカードには、例えば、上部に開口部が形成されたベースカードと、所望のデータを記憶する半導体メモリ含み、上面にこの半導体メモリと電気的に接続されるとともに外部装置に接続して信号を入出力するための入出力カード端子、電源カード端子、およびグランドカード端子が形成され、この入出力カード端子、電源カード端子、およびグランドカード端子が開口部を介して露出するようにベースカード内に載置された半導体パッケージと、ベースカードの上部に接着され、入出力カード端子の少なくとも一部が露出するように半導体パッケージを被覆するシール状のラベルとを備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
ここで、上記従来技術では、板状の入出力カード端子、電源カード端子、およびグランドカード端子は、半導体パッケージの回路基板の基板配線の長さや基板端子の位置に関係なく、例えば、xD−Picture(TM)カードに要求される規格に基づいて単に並んで配置されているのみである。
【0009】
したがって、例えば、基板端子と電源カード端子またはグランドカード端子とが離れて配置された場合、基板端子から電源カード端子またはグランドカード端子のスルーホール配線までの配線長が長くなり、半導体メモリカードの応答性の向上や低消費電力化を図ることができないという問題が生じ得る。さらに、基板配線構造の複雑化等により、基板配線間のクロストークが生じ得るという問題があった。
【特許文献1】特開2003−346109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであり、応答性の向上、低消費電力化を図るとともに、基板配線間のクロストークを低減することが可能な半導体メモリカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る半導体メモリカードは、
外部装置に接続して信号を入出力する半導体メモリカードであって、
上面に基板配線に接続された基板端子が形成されるとともに、下面に前記外部装置に信号を入出力するための入出力カード端子、電源を供給するための電源カード端子、および、グランド電位に接続されるグランドカード端子が設けられた回路基板と、
前記回路基板の上面に載置され、その第1の辺に近接して複数の第1のボンディングパッドが形成されるとともに、この第1のボンディングパッドと前記第1の辺に沿って前記回路基板上に形成された複数の第1の基板端子とがワイヤボンディングされた不揮発性メモリチップと、
前記不揮発性メモリチップ上に載置され、複数の第2のボンディングパッドが形成されるとともに、この複数の第2のボンディングパッドと前記第1の辺に隣接する前記不揮発性メモリチップの第2の辺に沿って前記回路基板上に形成された複数の第2の基板端子とがワイヤボンディングされた、前記不揮発性メモリチップを制御するコントローラチップと、を備え、
前記電源カード端子または前記グランドカード端子は、前記回路基板を介して前記第1の基板端子と前記第2の基板端子とに沿うように、前記外部装置に接続される接続部と、この接続部から延びた延長部と、を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る半導体メモリカードによれば、不揮発性メモリチップのサイズが半導体メモリカードの基板サイズに近づいても、大容量の不揮発性メモリチップを搭載することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用した各実施例について図面を参照しながら説明する。なお、簡単のため、1個の不揮発性メモリチップと1個のコントローラチップを積層した場合を例に採って説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る半導体メモリカードの要部の構成を示す上面図である。なお、図1では説明のため不揮発性メモリチップ、コントローラチップ等を回路基板上で封止する封止樹脂を省略している。
【0015】
図1に示すように、外部装置(図示せず)に接続して信号を入出力する半導体メモリカード100は、上面に基板配線に接続された第1、第2の基板端子1、2が形成された略矩形の回路基板3と、この回路基板3の上面に載置され、その第1の辺6aに近接して複数の第1のボンディングパッド4が形成されるとともに、この第1のボンディングパッド4と第1の辺6aに沿って回路基板3上に形成された複数の第1の基板端子1とがボンディングワイヤ5でワイヤボンディングされた略矩形の不揮発性メモリチップ6と、この不揮発性メモリチップ6上に載置され、複数の第2のボンディングパッド7が形成されるとともに、この複数の第2のボンディングパッド7と第1の辺6aに隣接する不揮発性メモリチップ6の第2の辺6bに沿って回路基板3上に形成された複数の第2の基板端子2とがボンディングワイヤ8でワイヤボンディングされた、不揮発性メモリチップ6を制御する略矩形のコントローラチップ9と、を備えている。
【0016】
第1の基板端子1は、不揮発性メモリチップ6にアドレス、コマンド、および入出力データを含むデータ入出力信号を入出力するための不揮発性メモリ入出力基板端子1aと、コントローラチップ9から不揮発性メモリチップ6を制御する制御信号を不揮発性メモリチップ6に入力するための不揮発性メモリコントロール基板端子1bと、外部から不揮発性メモリチップ6に電力を供給するための電源基板端子1cと、を含んでいる。
【0017】
例えば、不揮発性メモリチップ6がNAND型フラッシュメモリの場合、不揮発性メモリチップ6を制御する制御信号には、書き込み、及び消去を強制的に禁止させるためのWP(Write Protect)信号、データを書き込むためのWE(Write Enable)信号、アドレス、データの取り込みを制御するためのALE(Address Latch Enable)信号、コマンドの取り込みを制御するためのCLE(Command Latch Enable)信号、動作状態にするCE(Chip Enable)信号、データを出力させるRE(Read Enable)信号、および動作状態を外部に知らしめるためのRB(Ready Busy)信号が含まれる。
【0018】
また、第2のボンディングパッド7は、コントローラチップ9の長辺9aの一辺に沿って形成されている。なお、第2のボンディングパッド7を設けることが可能な場合は、不揮発性メモリチップ6の両側に配線できるように、さらに長辺9aに対向する辺に沿って形成してもよい。
【0019】
第2の基板端子2は、外部からコントローラチップ9に電力を供給するための電源基板端子2aと、グランド電位に接続されるグランド基板端子2bと、不揮発性メモリコントロール基板端子1bに回路基板3上で配線された第1のメモリ側インターフェイス基板端子2cと、外部端子と接続され、データ入出力信号および制御信号を入出力するホスト側インターフェイス基板端子2dと、不揮発性メモリ入出力基板端子1aに回路基板1上で配線された第2のメモリ側インターフェイス基板端子2eと、を含んでいる。
【0020】
また、第2の基板端子2は、回路基板3上で第2の辺6bに沿って略扇状に並んで配置されている。これにより、各々の第2基板端子2から第2のボンディングパッド8までの配線距離をより均等にすることが可能である。
【0021】
また、第2の基板端子2は、接続された各々のボンディングワイヤ8が接しないように回路基板3上で第2の辺6bに沿って2列に交互に並んで千鳥配置されている。これにより、1列に配置する場合よりも、第2の基板端子2に必要な面積を確保しつつ、コントローラチップ9の長辺9aに近接する領域に配置することができる。
【0022】
ここで、例えば読み出し動作の場合、コントローラチップ9から出力されたデータ入出力信号は、既述のようにアドレス、コマンドを含み、このデータ入出力信号に基づいて、不揮発性メモリチップ6の物理的なアドレスブロックが指定され、当該アドレスブロックを読み出し可能な状態に設定される。そして、コントローラチップ9から出力された制御信号に基づいて、不揮発性メモリチップ6は、指定された当該アドレスブロックから所定のデータを不揮発性メモリ入出力基板端子1aから出力する。
【0023】
このような一連の読み出し動作を制御する場合、制御信号よりも先にデータ入出力信号が不揮発性メモリチップ6に入力される必要がある。そして、他の書き込み等の動作を制御する場合も同様の要求がある。
【0024】
そこで、第2のメモリ側インターフェイス基板端子2eは、第1のメモリ側インターフェイス基板端子2cよりも不揮発性メモリチップ6の第1の辺6aの近くに配置されている。これにより、不揮発性メモリ入出力基板端子1aと第2のメモリ側インターフェイス基板端子2eとの間の配線長を短くすることができ、データ入出力信号の信号遅延を低減することができる。
【0025】
回路基板3の上面には、第1の基板端子1、第2の基板端子2等のボンディング、配線される領域を除いて、ソルダレジスト10が成膜され、回路基板3に形成された基板配線等が絶縁されている。
【0026】
ボンディングワイヤ5、8には、例えば、金ワイヤが選択される。これらのボンディングワイヤ5、8のワイヤボンディング時には、超音波振動が各々の第1、第2のボンディングパッド4、7に印加される。
【0027】
次に、上記回路基板3の配線構造について説明する。
【0028】
図2は、本発明の実施例1に係る半導体メモリカードの回路基板の基板配線の要部の構成を示す上面図である。ここでは、基板配線が1層である場合について説明する。なお、図2において、説明のため、ソルダレジスト、本発明の構成に関係のない基板配線、スルーホール配線等は省略している。
【0029】
図2に示すように、電源基板端子1cとスルーホール配線11とが基板配線12により接続されている。電源基板端子2aとスルーホール配線13とが基板配線14により接続されている。また、グランド基板端子2bとスルーホール配線15、16とが基板配線17により接続されている。
【0030】
また、第1のメモリ側インターフェイス基板端子2cと不揮発性メモリコントロール基板端子1bとが基板配線18により接続されているとともに、第2のメモリ側インターフェイス基板端子2eと不揮発性メモリ入出力基板端子1aとが基板配線19により接続されている。また、ホスト側インターフェイス基板端子2dとスルーホール配線20とが基板配線21により接続されている。
【0031】
既述のように、第2のメモリ側インターフェイス基板端子2eが第1のメモリ側インターフェイス基板端子2cよりも不揮発性メモリチップ6の第1の辺6aの近くに配置されているので基板配線19の配線長を基板配線18の配線長よりも短くすることができる。
【0032】
なお、第2のメモリ側インターフェイス基板端子2eはできるだけ第1の辺6aに近く配置されるのがよいが、ここでは、半導体メモリカードの規格上スルーホール20の配置が限定されるため、配線を考慮し、第2のメモリ側インターフェイス基板端子2eの間にホスト側インターフェイス基板端子2dが配置されている。このホスト側インターフェイス基板端子2dで入出力される信号は、スルーホール20を介して回路基板1の裏面側に入出力される。
【0033】
次に、ホスト側インターフェイス基板端子から回路基板の裏面側に配置されるカード端子の構成およびこのカード端子に入出力される信号等について説明する。
【0034】
図3は、本発明の実施例1に係る半導体メモリカードの回路基板の裏面側に形成されるカード端子の概要を示す上面図である。ここでは、不揮発性メモリをNAND型フラッシュメモリとした場合について説明する。
【0035】
回路基板3の裏面側(下面)には、図3に示すように、外部装置に信号を入出力するための入出力カード端子22、電源を供給するための電源カード端子23、および、グランド電位に接続されるグランドカード端子24が設けられている。
【0036】
電源カード端子23は、図2の回路基板3を介して第1の基板端子1に沿う外部装置に接続される接続部23aと、回路基板3を介して第2の基板端子2に沿う接続部23aから延びた延長部23bと、を有し、略L字型に形成されている。なお、電源カード端子23は、半導体メモリカードの規格、回路基板の配線構造等に応じて、接続部23aが回路基板3を介して第2の基板端子2に沿うように、そして延長部23bが回路基板3を介して第1の基板端子1に沿うように略L字型に形成されていてもよい。
【0037】
グランドカード端子24も略L字型の形状に形成され、外部装置に接続される接続部24aと、回路基板3を介して第2の基板端子2に沿うようにこの接続部24aから延びた延長部24bと、を有する。
【0038】
また、グランドカード端子24は外部装置に接続される接続部24aの幅Xよりも延長部24bの幅Yが広くなるように形成されている。
【0039】
これにより、基板配線が形成された信号配線層である回路基板3に対して片面のみグランド配線層であるグランドカード端子22を配置したマイクロストリップ構造が得られる。このマイクロストリップ構造におけるグランドカード端子22は安定した特性インピーダンス値を実現し、また低ノイズ化(基板配線間のクロストークの低減)のために重要な働きがある。
【0040】
グランドカード端子24の延長部24bは櫛歯状になるように複数のスリット24cが形成されている。ここでは、例えば、半導体メモリカードの規格に応じて配置される各入出力端子22の間隔に揃うようにスリット24cが形成されている。このように、延長部24bの隣接するスリット24c間の距離Aが入出力カード端子22の幅Bと同じである。
【0041】
これにより、他の端子よりも面積が広くなり得るグランドカード端子24の延長部24bにおいて、例えば、ワイヤボンディング時の加熱により生じ得る応力が低減される。すなわち、延長部24bの幅を広くして既述のマイクロストリップ構造を実現しつつ、加熱により生じ得る応力を低減し、ボンディング性の向上や回路基板と不揮発性メモリチップとの密着性の向上を図ることができる。
【0042】
また、グランドカード端子24の延長部24bの幅が接続部24aの幅よりも広くなっているので、配線抵抗を低減することができる。
【0043】
また、既述のように、回路基板3には、電源カード端子23、グランドカード端子24と第1、第2の基板端子1、2とを接続するためのスルーホール配線11、13、15、16が形成されている。そして、第1の基板端子1の電源基板端子1cと電源カード端子23の接続部23aとが基板配線12、近接するスルーホール配線11を介して接続されている。さらに、第2の基板端子2の電源基板端子2aと電源カード端子23の延長部23bとが基板配線14、近接するスルーホール配線13を介して接続されている。
【0044】
また、第2の基板端子2のグランド基板端子2bとグランドカード端子24の接続部24aとが、基板配線17、近接するスルーホール配線16を介して接続されている。さらに、第2の基板端子2のグランド基板端子2bとグランドカード端子24の延長部24bとが、基板配線17、近接するスルーホール配線15を介して接続されている。
【0045】
このように、各基板端子1、2と電源カード端子23、グランドカード端子24とがより短い距離で接続されるため、基板配線12、14、16、17における損失を低減することができる。
【0046】
なお、半導体メモリカードの規格、回路基板の配線構造等に応じて、グランドカード端子が第1の基板端子と第2の基板端子とに沿うように、接続部および延長部を設けてもよい。
【0047】
ここで、図3に示すように、各カード端子には、例えば、VCC、VSS、I/O−0〜I/O−7、RB(Ready/Busy)、RE(Read Enable)、CE(Chip Enable)、CLE(Command Latch Enable)、ALE(Address Latch Enable)、WE(Write Enable)、WP(Write Protect)が割り付けられている。
【0048】
VCCが割り付けられた電源カード端子23は、電源電位(VCC)を供給するためのVCC入力用カード端子である。VSSが割り付けられたグランドカード端子24であるカード端子は、接地電位(VSS)を供給するためのVSS入力用カード端子である。
【0049】
また、I/O−0〜I/O−7が割り付けられた入出力カード端子22は、アドレス、コマンド、および、入出力データを入出力するためのカード端子である。
【0050】
また、RBが割り付けられた入出力カード端子22は、半導体メモリカードの内部の動作状態を外部に知らしめるための出力用カード端子である。REが割り付けられた入出力カード端子22は、データをシリアル出力するための出力用カード端子である。CEが割り付けられた入出力カード端子22は、デバイス選択用の信号を取り込むための入力用カード端子である。
【0051】
また、CLEが割り付けられた入出力カード端子22は、半導体メモリカードの内部のコマンドレジスタ(図示せず)への動作コマンドの取り込みをコントロールするための信号が入力されるカード端子である。ALEが割り付けられた入出力カード端子22は、半導体メモリカードの内部のアドレスレジスタおよびデータレジスタ(いずれも図示せず)へのアドレスデータおよび入力データの取り込みをコントロールするための信号が入力されるカード端子である。
【0052】
また、WEが割り付けられた入出力カード端子22は、I/Oの入出力カード端子から各データを半導体メモリカードの内部に取り込むための信号が入力されるカード端子である。WPが割り付けられた入出力カード端子22は、書き込み・消去動作を強制的に禁止させるための信号が入力されるカード端子である。
【0053】
なお、I/O−0〜I/O−7の入出力カード端子22に入出力される信号が既述のデータ入出力信号に相当する。また、RB、RE、CE、CLE、ALE、WE、およびWPのカード端子にそれぞれ入力される信号は、コントローラチップにより処理され、この処理結果に基づいて既述の制御信号が生成される。
【0054】
次に、以上の内部構成を有する半導体メモリカード100の外観について説明する。図4は、本発明の実施例1に係る半導体メモリカードの外観(下面側)を示す図である。
【0055】
図4に示すように、半導体メモリカード100は、入出力カード端子22、電源カード端子23、および、グランドカード端子24が接続された回路基板をカバーケース25に収納し、絶縁性のシート26等を所定の位置に添付することにより完成する。
【0056】
既述のように、入出力カード端子22は、外部装置の外部端子と接続され、所望の信号を入出力する。また、外部装置から供給された電力は、電源カード端子23、回路基板の基板配線、及び電源カード端子等を介して不揮発性メモリチップ、コントローラチップに供給される。また、グランドカード端子24は、外部装置の外部端子と接続されることにより、接地される。
【0057】
以上のように、本実施例に係る半導体メモリカードによれば、応答性の向上、低消費電力化を図るとともに、基板配線間のクロストークを低減することができる。
【0058】
なお、本実施例においては、回路基板上に不揮発性メモリチップ1つが搭載された場合について説明したが、不揮発性メモリチップが複数積層された場合であっても同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
また、本実施例においては、電源カード端子、グランドカード端子が略L字型の形状を有する場合について説明したが、カード端子の規格、配線等に応じて、例えば、略T字型等の形状を有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施例1に係る半導体メモリカードの要部の構成を示す上面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る半導体メモリカードの回路基板の配線の要部の構成を示す上面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る半導体メモリカードの回路基板の端子の構成を示す上面図である。
【図4】本発明の実施例1に係る半導体メモリカードの外観を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 第1の基板端子
1a 不揮発性メモリ入出力基板端子
1b 不揮発性メモリコントロール基板端子
1c 電源基板端子
2 第2の基板端子
2a 電源基板端子
2b グランド基板端子
2c 第1のメモリ側インターフェイス基板端子
2d ホスト側インターフェイス基板端子
2e 第2のメモリ側インターフェイス基板端子
3 回路基板
4 第1のボンディングパッド
5 ボンディングワイヤ
6 不揮発性メモリチップ
7 第2のボンディングパッド
8 ボンディングワイヤ
9 コントローラチップ
10 ソルダレジスト
11 スルーホール配線
12 基板配線
13 スルーホール配線
14 基板配線
15 スルーホール配線
16 スルーホール配線
17 基板配線
18 基板配線
19 基板波線
20 スルーホール波線
21 基板配線
22 入出力カード端子
23 電源カード端子
23a 接続部
23b 延長部
24 グランドカード端子
24a 接続部
24b 延長部
24c スリット
25 カバーケース
26 シート
100 半導体メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に接続して信号を入出力する半導体メモリカードであって、
上面に基板配線に接続された基板端子が形成されるとともに、下面に前記外部装置に信号を入出力するための入出力カード端子、電源を供給するための電源カード端子、および、グランド電位に接続されるグランドカード端子が設けられた回路基板と、
前記回路基板の上面に載置され、その第1の辺に近接して複数の第1のボンディングパッドが形成されるとともに、この第1のボンディングパッドと前記第1の辺に沿って前記回路基板上に形成された複数の第1の基板端子とがワイヤボンディングされた不揮発性メモリチップと、
前記不揮発性メモリチップ上に載置され、複数の第2のボンディングパッドが形成されるとともに、この複数の第2のボンディングパッドと前記第1の辺に隣接する前記不揮発性メモリチップの第2の辺に沿って前記回路基板上に形成された複数の第2の基板端子とがワイヤボンディングされた、前記不揮発性メモリチップを制御するコントローラチップと、を備え、
前記電源カード端子または前記グランドカード端子は、前記回路基板を介して前記第1の基板端子と前記第2の基板端子とに沿うように、前記外部装置に接続される接続部と、この接続部から延びた延長部と、を有する
ことを特徴とする半導体メモリカード。
【請求項2】
前記電源カード端子は、前記回路基板を介して前記第1の基板端子に沿う前記外部装置に接続される接続部と、前記回路基板を介して前記第2の基板端子に沿う前記接続部から延びた延長部と、を有し、
前記グランドカード端子は、前記外部装置に接続される接続部と、前記回路基板を介して前記第2の基板端子に沿う延長部と、を有し、この延長部の幅が前記グランドカード端子の前記接続部の幅よりも広くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体メモリカード。
【請求項3】
前記グランドカード端子の前記延長部には櫛歯状になるように複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体メモリカード。
【請求項4】
前記延長部の隣接する前記スリット間の幅が前記入出力カード端子の幅と同じであることを特徴とする請求項3に記載の半導体メモリカード。
【請求項5】
前記回路基板には、前記電源カード端子または前記グランドカード端子の接続部と前記第1の基板端子とを接続するための第1のスルーホール配線と、前記電源カード端子または前記グランドカード端子の延長部と前記第2の基板端子とを接続するための第2のスルーホール配線と、が形成されていることを特徴とする請求項2ないし4の何れかに記載の半導体メモリカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−199803(P2007−199803A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14616(P2006−14616)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】