説明

半導体処理装置

【課題】デバイス1がホストコンピュータ5と物理的に接続されている限り、実際にデバイス1を使用していないときでも、ホストコンピュータ5は実際にデバイス1を使用しているときと同様の通信処理等が必要となり、ホストコンピュータ5の処理負担を低減することができないという課題があった。
【解決手段】CPU14によりデバイス11を使用する旨の設定がされると、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間を電気的に接続し、CPU14によりデバイス11を使用しない旨の設定がされると、グランドとプルアップ抵抗21間を電気的に接続するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、USB(Universal Serial Bus Spesification version1.0,1996年1月19日)規格の元でホストコンピュータと接続されるデバイスの使用又は不使用の状況等を伝達する半導体処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9はUSB規格におけるホストコンピュータとデバイス間の接続関係を示す回路図であり、図において、1は例えばマウス,キーボード,ペンタブレットやゲームパッドなどのデバイス、2はプルアップ電源、3はUSB規格の信号線D-をプルアップするUSB規格のプルアップ抵抗、4はホストコンピュータ5とデバイス1を接続するコネクタ、5は例えばパソコンなどのホストコンピュータ、6はデバイス1から信号線D-及び信号線D+を介してデータを受信するとともに、信号線D-及び信号線D+を介してデータをデバイス1に送信するホストコンピュータ5の入出力部、7は信号線D-をプルダウンするUSB規格のプルダウン抵抗、8は信号線D+をプルダウンするUSB規格のプルダウン抵抗である。
【0003】
次に動作について説明する。
まず、USB規格による通信方式では、図9に示すように、ホストコンピュータ5とデバイス1間を4つの信号線(信号線D-,信号線D+,5V電源線VCC,グランド線GND)で接続する。
【0004】
そして、USB規格による通信方式では、デバイス1がホストコンピュータ5にデータを伝送する場合には、デバイス1が信号線D-と信号線D+間に差動信号を出力することにより(具体的には、信号線D-にLレベルの信号を出力するときは信号線D+にHレベルの信号を出力し、信号線D-にHレベルの信号を出力するときは信号線D+にLレベルの信号を出力する)、データをホストコンピュータ5に送信する。これにより、ホストコンピュータ5の入出力部6がデバイス1からのデータを受信し、図示せぬホストコンピュータ5のCPUがデータの内容を解析する。
【0005】
なお、従来はデバイス1がホストコンピュータ5に接続されている状態において、デバイス1の使用又は不使用の状況を伝達することができる使用状況伝達装置がなく、ホストコンピュータ5はデバイス1が物理的に接続されている限り、現在使用中であるとして、例えば、ホストコンピュータ5のCPUが周期的に入出力部6の受信状況を監視するなどの処理が行われていた。
【0006】
因みに、デバイス1がホストコンピュータ5と物理的に接続されている場合、プルアップ電源2及びプルアップ抵抗3が信号線D-の電位VMをプルアップすることにより、信号線D-の電位VMが設定値VTH1より高くなり(図10(a)参照)、一方、デバイス1がホストコンピュータ5と物理的に接続されていない場合、信号線D-の電位VMはプルアップされず、信号線D-の電位VMが設定値VTH2より低くなる(図10(b)参照)。
【0007】
従って、ホストコンピュータ5は信号線D-の電位VMを設定値VTH1及び設定値VTH2と比較することにより、デバイス1が物理的に接続されているか否かを判断することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来は使用状況伝達装置が存在していなかったので、デバイス1がホストコンピュータ5と物理的に接続されているか否かを判断できても、デバイス1が現在使用中であるか否かの判断ができず、デバイス1がホストコンピュータ5と物理的に接続されている限り、実際にデバイス1を使用していないときでも、ホストコンピュータ5は実際にデバイス1を使用しているときと同様の通信処理等が必要となり、ホストコンピュータ5の処理負担を低減することができない課題があった。
【0009】
また、デバイス1がホストコンピュータ5と物理的に接続されている限り、実際にデバイス1を使用していないときでも、プルアップ電源2からプルアップ抵抗3及びプルダウン抵抗7を介してグランドに電流が流れるため、消費電流を低減することができないなどの課題もあった。
【0010】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、デバイスが現在使用中であるか否かを示す情報をホストコンピュータに伝達することができる半導体処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る半導体処理装置は、別の半導体処理装置から電力供給を受けるために用いられる第1および第2の電源端子と、それぞれ第1および第2のデータ信号線を介して別の半導体処理装置に接続され、差動信号としてデータの入出力を行なって別の半導体処理装置と通信を行なうための第1および第2のデータ端子とを備えたものである。第1のデータ線と外部電源線との間にスイッチ回路が接続される。この半導体処理装置は、さらに、スイッチ回路の制御電極に接続される制御端子と、半導体処理装置が使用されている場合は、制御端子を介してスイッチ回路を導通させ、半導体処理装置が使用されていない場合は、制御端子を介してスイッチ回路を非導通にする制御回路とを備える。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば、第1のデータ線に所定電圧を供給するか、または所定電圧の供給を停止するためにスイッチ回路の導通制御が可能になっているので、デバイスがホストコンピュータと物理的に接続されている状態において、デバイスが現在使用中であるか否かを示す情報をホストコンピュータに伝達することができるようになり、その結果、ホストコンピュータは実際にデバイスを使用していないときは、デバイスとの通信処理等が不要となり、ホストコンピュータの処理負担を低減することができる効果がある。
【0013】
また、実際にデバイスを使用していないときは、電源からスイッチ回路を介してグランドに流れる電流がスイッチ回路により遮断されるため、消費電流を低減することができるなどの効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1による使用状況伝達装置を示す回路図である。
【図2】信号線D-の電位VMの変化を示すグラフ図である。
【図3】この発明の実施の形態2による使用状況伝達装置を示す回路図である。
【図4】この発明の実施の形態3による使用状況伝達装置を示す回路図である。
【図5】デバイスの状態を説明する表図である。
【図6】この発明の実施の形態7による使用状況伝達装置を示す回路図である。
【図7】この発明の実施の形態8による使用状況伝達装置を示す回路図である。
【図8】バッファの状態を説明する表図である。
【図9】USB規格におけるホストコンピュータとデバイス間の接続関係を示す回路図である。
【図10】信号線D-の電位VMの変化を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による使用状況伝達装置を示す回路図であり、図において、11は例えばマウス,キーボード,ペンタブレットやゲームパッドなどのデバイス、12はホストコンピュータ13とデバイス11を接続するコネクタ、13は例えばパソコンなどのホストコンピュータである。
【0016】
また、14は実際にデバイス11を使用する場合は、ホストコンピュータ13に伝送するデータに応じてLレベルの信号又はHレベルの信号をレジスタ15及びレジスタ17に格納するとともに、Lレベルの信号をレジスタ19に格納し、実際にデバイス11を使用しない場合は、Hレベルの信号をレジスタ19に格納するCPU(設定手段)、15はCPU14から出力された信号を格納するレジスタ、16はレジスタ15に格納されている信号をUSB規格の信号線D-に出力するバッファ、17はCPU14から出力された信号を格納するレジスタ、18はレジスタ17に格納されている信号をUSB規格の信号線D+に出力するバッファである。
【0017】
また、19はデバイス11を使用する場合にはCPU14からLレベルの信号を受信して格納し、デバイス11を使用しない場合にはCPU14からHレベルの信号を受信して格納するレジスタ(設定手段)、20はプルアップ電源(電源)、21は一端が信号線D-に接続され、信号線D-をプルアップするUSB規格のプルアップ抵抗、22は一端がプルアップ電源20に接続される一方、他端がプルアップ抵抗21の他端に接続され、レジスタ19にLレベルの信号が格納されると導通状態となり、レジスタ19にHレベルの信号が格納されると非導通状態となるPチャネルMOSトランジスタなどのゲート(切換手段)である。
【0018】
さらに、23はデバイス11から信号線D-及び信号線D+を介してデータを受信するとともに、信号線D-及び信号線D+を介してデータをデバイス11に送信するホストコンピュータ13の入出力部、24は信号線D-をプルダウンするUSB規格のプルダウン抵抗、25は信号線D+をプルダウンするUSB規格のプルダウン抵抗である。
【0019】
次に動作について説明する。
まず、USB規格による通信方式では、図1に示すように、ホストコンピュータ13とデバイス11間を4つの信号線(信号線D-,信号線D+,5V電源線VCC,グランド線GND)で接続する。
【0020】
そして、USB規格による通信方式では、デバイス11がホストコンピュータ13にデータを伝送する場合には、デバイス11が信号線D-と信号線D+間に差動信号を出力することにより(具体的には、信号線D-にLレベルの信号を出力するときは信号線D+にHレベルの信号を出力し、信号線D-にHレベルの信号を出力するときは信号線D+にLレベルの信号を出力する)、データをホストコンピュータ13に送信する。これにより、ホストコンピュータ13の入出力部23がデバイス11からのデータを受信し、図示せぬホストコンピュータ13のCPUがデータの内容を解析する。
【0021】
その逆に、ホストコンピュータ13がデバイス11にデータを伝送する場合には、ホストコンピュータ13の入出力部23が信号線D-と信号線D+間に差動信号を出力することにより、データをデバイス11に送信する。これにより、デバイス11のCPU14がホストコンピュータ13からのデータをバスを介して受信し、データの内容を解析する。
【0022】
このように、デバイス11がホストコンピュータ13と物理的に接続されて、実際に使用されるときは、CPU14はレジスタ19にLレベルの信号を格納する。これにより、ゲート22は導通状態となるため、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間が電気的に接続されて、信号線D-の電位VMがプルアップされることになる。
【0023】
従って、レジスタ15にHレベルの信号が格納された場合には、図2(a)に示すように、信号線D-の電位VMが設定値VTH1より高くなるので、ホストコンピュータ13はこの状態を検知することにより、デバイス11が現在使用中であると判断することができる。
【0024】
ただし、デバイス11からホストコンピュータ13に伝送するデータによってはレジスタ15に格納される信号がLレベルとなるため、デバイス11を現在使用していても、信号線D-の電位VMが設定値VTH1より高くならなくなり、ホストコンピュータ13は信号線D-の電位VMを監視しても、デバイス11が現在使用中であることを検知できなくなる。
【0025】
しかし、USB規格の通信方式では、信号線D-と信号線D+間に差動信号が出力されるので、レジスタ15に格納される信号がLレベルの信号であるときは、一部の例外を除き、レジスタ17に格納される信号はHレベルの信号となるため(パケットの送信が終了するときは双方のレジスタにLレベルの信号が格納される)、信号線D+の電位VNが図示せぬ設定値VTH3より高くなる。
【0026】
従って、上記のようなデータを伝送する場合でも、ホストコンピュータ13は信号線D+の電位VNを監視することによりデバイス11が現在使用中であると判断することができる。
【0027】
即ち、ホストコンピュータ13は、信号線D-の電位VM又は信号線D+の電位VNの何れか一方が設定値より高い場合には、デバイス11が現在使用中であると判断することができる。
【0028】
一方、デバイス11がホストコンピュータ13と物理的に接続されているが、実際に使用されていないときは、CPU14はレジスタ19にHレベルの信号を格納する。これにより、ゲート22は非導通状態となるため、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間が電気的に非接続となり、信号線D-の電位VMがプルアップされない状態となる。
【0029】
そして、デバイス11が実際に使用されないときは、通常デバイス11にはデータが何も入力されないので、レジスタ15及びレジスタ17は初期状態となり(Lレベルの信号が格納されているのと等価な状態)、信号線D-の電位VM及び信号線D+の電位VNは0Vとなってそれぞれ設定値VTH2,VTH4(図示せず)より低くなる。
【0030】
従って、ホストコンピュータ13はこの状態を検知することにより、デバイス11が現在使用されていないと判断することができる。
【0031】
なお、パケットの送信が終了するときはレジスタ15及びレジスタ17の双方にLレベルの信号が格納されて、信号線D-の電位VM及び信号線D+の電位VNがそれぞれ0Vとなるが、かかる信号の出力は約1.3μS程度の短い期間であり、USB規格では、2.5μS以上の期間連続して0Vであることをもってデバイス11の接続状態を判断するように定めているので、パケット送信の終了を示す信号によってデバイス11が不使用であると判断するおそれはない。
【0032】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、CPU14によりデバイス11を使用する旨の設定がされると、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間を電気的に接続し、CPU14によりデバイス11を使用しない旨の設定がされると、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間を電気的に非接続とするようにしたので、デバイス11がホストコンピュータ13と物理的に接続されている状態において、デバイス11が現在使用中であるか否かを示す情報をホストコンピュータ13に伝達することができるようになり、その結果、ホストコンピュータ13は実際にデバイス11を使用していないときは、デバイス11との通信処理等が不要となり、ホストコンピュータ13の処理負担を低減することができる効果を奏する。
【0033】
また、実際にデバイス11を使用していないときは、プルアップ電源20からプルアップ抵抗21及びプルダウン抵抗24を介してグランドに流れる電流がゲート22により遮断されるため、消費電流を低減することができるなどの効果も奏する。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による使用状況伝達装置を示す回路図であり、図において、図1のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0034】
26は一端がプルアップ抵抗21の他端に接続される一方、他端がグランドに接続され、レジスタ19にLレベルの信号が格納されると非導通状態となり、レジスタ19にHレベルの信号が格納されると導通状態となるNチャネルMOSトランジスタなどのゲート(スイッチ手段)である。
【0035】
次に動作について説明する。
ゲート26を設けた以外は上記実施の形態1と同様であるので、ゲート26の動作についてのみ説明する。
【0036】
実際にデバイス11を使用する場合は、上述したように、レジスタ19にLレベルの信号が格納されるので、ゲート26は非導通状態となり、信号線D-の電位VMは、上記実施の形態1の場合と同様に、プルアップされて設定値VTH1より高くなる。
【0037】
一方、実際にデバイス11を使用しない場合は、上述したように、レジスタ19にHレベルの信号が格納されるので、ゲート26は導通状態となり、プルアップ抵抗21はグランドと電気的に接続された状態となる。
【0038】
従って、この実施の形態2によれば、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間の電気的な接続関係を単に非接続とする実施の形態1と異なり、信号線D-の電位VMが強制的に0Vとされるので(実施の形態1における信号線D-の電位VMは徐々に低下して0Vとなる)、ホストコンピュータ13は実施の形態1の場合よりも素早くデバイス11の不使用状態を認識することができる効果を奏する。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による使用状況伝達装置を示す回路図であり、図において、図1のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0039】
27は実際にデバイス11を使用する場合は、Lレベルの信号をレジスタ19に格納するとともに、Hレベルの信号(またはLレベルの信号)をレジスタ28に格納し、実際にデバイス11を使用しない場合は、Hレベルの信号をレジスタ19及びレジスタ28に格納し、デバイス11を待機させる場合は、Hレベルの信号をレジスタ19に格納するとともに、Lレベルの信号をレジスタ28に格納するCPU(設定手段)、28はCPU27が出力する信号を格納するレジスタ(設定手段)、29はレジスタ28にLレベルの信号が格納されると、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間にインピーダンスを付加したのと等価な状態となる高インピーダンスをもつPチャネルMOSトランジスタなどのゲートであり、ゲート22と共に切換手段を構成する。
【0040】
次に動作について説明する。
上記実施の形態1,2では、使用又は不使用を設定するものについて説明したが、不使用を設定した場合、上述したように、信号線D-の電位VMは0Vとなるので、次に信号線D-の電位VMを設定値VTH1より高くしてデバイス11の使用を設定する際、信号線D-の電位VMが設定値VTH1より高くなるまで、ある程度の時間待つ必要がある。
【0041】
そこで、この実施の形態3では、デバイス11を現在使用していないが、近い将来使用の予定がある場合には、信号線D-の電位VMを0Vとせずに、信号線D-の電位VMを設定値VTH1よりわずかに低い電位にして、直ちにデバイス11の使用を開始することができる待機状態(アイドリング状態)の設定を可能にしたものである。
【0042】
即ち、図5に示すように、レジスタ19及びレジスタ28に格納する信号の組合せにより、デバイス11の使用,不使用又は待機を設定することができる。
【0043】
具体的には、実際にデバイス11を使用する場合には、CPU27がレジスタ19にLレベルの信号を格納するとともに、レジスタ28にHレベルの信号(またはLレベルの信号)を格納すると、ゲート22が導通状態となるため、ゲート29の状態に拘わらず、プルアップ電源20がプルアップ抵抗21と電気的に接続され、使用状態となる。
【0044】
次に、実際にデバイス11を使用しない場合には、CPU27がレジスタ19にHレベルの信号を格納するとともに、レジスタ28にHレベルの信号を格納すると、ゲート22及びゲート29が非導通状態となるため、プルアップ電源20がプルアップ抵抗21と電気的に非接続され、不使用状態となる。
【0045】
そして、デバイス11を待機させる場合には、CPU27がレジスタ19にHレベルの信号を格納するとともに、レジスタ28にLレベルの信号を格納すると、ゲート22が非導通状態となり、ゲート29がインピーダンス状態となるため、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間にインピーダンスを付加したのと等価な状態とされ、待機状態となる。
【0046】
なお、USB規格では、プルアップ電源20が約3.3V、プルアップ抵抗21が1.5KΩ、プルダウン抵抗24が15KΩ、バッファ16が出力するLレベルの信号の電位VMが最大0.3V、設定値VTH2が最大0.8Vに設定されるので、ゲート29はON抵抗値が150KΩのものが採用される。
【0047】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、CPU27によりデバイス11を待機させる旨の設定がされると、プルアップ電源20とプルアップ抵抗21間にインピーダンスを付加するようにしたので、デバイス11の不使用時の消費電流を低減しつつ(ゲート29は高インピーダンスを有しているがプルアップ電源20とプルアップ抵抗21は電気的には接続されているので、多少の電流は流れる)、デバイス11の使用を開始する際、デバイス11の使用を早期に開始することができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態1では、ゲート22等の状態を切り換えることにより、デバイス11の使用又は不使用を設定するものについて示したが、実際にデバイス11を使用しない場合には、CPU14がレジスタ15,17にLレベルの信号を格納するように、プログラムを作成することができる場合には、信号線D-(第1の信号線)及び信号線D+(第2の信号線)に対してLレベルの信号を出力することができるので、デバイス11がホストコンピュータ13と物理的に接続されている状態において、デバイス11が現在使用中であるか否かを示す情報をホストコンピュータ13に伝達することができるようになり、その結果、ホストコンピュータ13は実際にデバイス11を使用していないときは、デバイス11との通信処理等が不要となり、ホストコンピュータ13の処理負担を低減することができる効果がある。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、CPU27等がレジスタ19等に設定内容を格納するものについて示したが、外部スイッチ等を設け、その外部スイッチ等の状態がレジスタ19等に格納されるようにしてもよい。
実施の形態6.
上記実施の形態1〜4では、信号線D-にプルアップ抵抗21やゲート22等を接続して信号線D-の電位VMを制御するものについて示しが、信号線D+にプルアップ抵抗21やゲート22等を接続して信号線D+の電位VNを制御するようにしてもよい。
実施の形態7.
上記実施の形態1〜4では、デバイス11の中にプルアップ電源20やゲート22を設けたものについて示したが、図6に示すように、デバイス11の外にプルアップ電源20やゲート22を設けてもよい。
実施の形態8.
上記実施の形態1〜4では、デバイス11がホストコンピュータ13と物理的に接続されているが、実際に使用されないときは、レジスタ15及びレジスタ17が初期状態となって、信号線D-の電位VM及び信号線D+の電位VNが0Vとなるものについて示したが、図7に示すように、実際に使用されないときは、レジスタ30及びレジスタ31にLレベルの信号を格納することにより、強制的にバッファ16及びバッファ18が何も出力しない状態(ハイインピーダンス状態)に遷移させるようにしてもよい(図8参照)。
【0048】
これにより、上記実施の形態1等では、実際に使用されないときでもバッファ16等を通じて電流がグランドに流れていたが、この実施の形態8によれば、バッファ16,18がハイインピーダンス状態となるため、バッファ16等を通じてグランドに流れる電流が遮断され、さらに消費電流を低減することができる。
【0049】
なお実施の形態1〜8では、信号線D+,D-の入力をバスに直接入力する形態であるが、必要に応じてバスへの入力データを保持する回路を設けてもよい。
【符号の説明】
【0050】
11 デバイス、14,27 CPU(設定手段)、19,28 レジスタ(設定手段)、20 プルアップ電源(電源)、21 プルアップ抵抗、22,29 ゲート(切換手段)、26 ゲート(スイッチ手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置であって、
別の半導体処理装置から電力供給を受けるために用いられる第1および第2の電源端子と、
それぞれ第1および第2のデータ信号線を介して前記別の半導体処理装置に接続され、差動信号としてデータの入出力を行なって前記別の半導体処理装置と通信を行なうための第1および第2のデータ端子とを備え、
前記第1のデータ線と外部電源線との間にスイッチ回路が接続され、
さらに、前記スイッチ回路の制御電極に接続される制御端子と、
前記半導体処理装置が使用されている場合は、前記制御端子を介して前記スイッチ回路を導通させ、前記半導体処理装置が使用されていない場合は、前記制御端子を介して前記スイッチ回路を非導通にする制御回路とを備える、半導体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−27073(P2010−27073A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250431(P2009−250431)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【分割の表示】特願2009−106602(P2009−106602)の分割
【原出願日】平成9年9月29日(1997.9.29)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【出願人】(391024515)株式会社ルネサスデザイン (11)
【Fターム(参考)】