半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法および当該方法の利用
【課題】 半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法および当該方法の利用を提供する。
【解決手段】 本発明は、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法および当該方法に従って生産されたドーピングおよび酸化が施された半導体基板に関する。さらに、本発明は、太陽電池を生産するための当該方法の利用に関する。
【解決手段】 本発明は、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法および当該方法に従って生産されたドーピングおよび酸化が施された半導体基板に関する。さらに、本発明は、太陽電池を生産するための当該方法の利用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法に関する。本発明はまた、当該方法に従って生産されるドーピングおよび酸化が施された半導体基板にも関する。本発明はさらに、太陽電池を生産するための当該方法の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の太陽電池では、pn接合またはいわゆる表面電界または裏面電界を生成すること等を目的として、表面に近接してドーピング領域を設ける。エミッタを生成するためには、例えば、p型ドーピングシリコンにリン光体を拡散させるとしてもよい。また、好適な太陽電池は、誘電パッシベーションが施された表面領域を有し、この表面領域によって、発生した電荷−キャリア対の再結合が抑制されるとともに半導体素子の光学特性が改善される。このタイプの積層は、PVD方法または熱処理によって形成され得る。シリコンの上に二酸化シリコンを設ける場合には、酸素中で熱酸化を実施し、湿式酸化については、さらに水蒸気を加えて実行する。現在、当該処理の各ステップは順次実行されている。このため、太陽電池等の生産プロセスは、少なくとも1つの熱拡散プロセスと1つの酸化プロセスとを含むので、複雑になっている。これらのステップが順次実行される場合、その目的のために提供されるウェハ領域のみをプロセスステップで処理できるようにするためのステップ、例えばマスキングステップまたはエッチングステップ、を追加する必要が出てくる。
【0003】
太陽電池生産方法の重要な各ステップを、以下で簡単に説明する。
【0004】
ドーピング原子の拡散は、複数の異なる方法で実現され得る。現在の技術水準で公知のプロセス全てに共通する点としては、適切な条件下でシリコンにドーピング剤を搬送するドーピング剤ソースを設けることが挙げられる。このドーピングソースは、例えばPOCl3のガス雰囲気中にあるとしてもよく、または、例えばリン酸を吹き付ける等の適切な方法によって堆積されるとしてもよい。また、CVDプロセスを用いてドーピング層を形成するとしてもよい。
【0005】
イオン注入プロセスにおいて、ドーピング原子がウェハに注入される。このため、ウェハには、ドーピング原子を含む高エネルギー粒子ビームが照射される。ドーピング原子はウェハに入り込み、続くアニールステップで温度が上昇するとドーピングが活性化され、所望通りに分散する。活性化において、結晶格子に押し込められた原子は、任意の格子位置に向かって移動して、ドーピング剤として機能し得る。分散において、ドーピング原子の拡散によって、ドーピング原子の濃度プロファイルが、半導体内の拡散に起因して変化する。どちらの場合も、外部のドーピング原子ソースは、熱処理において存在せず、粒子ビームはOFFに制御される。
【0006】
シリコンの熱酸化は、半導体技術分野で広く利用されている。本質的に、Si結晶の表面にあるシリコンは、温度が上昇すると、酸素含有雰囲気において酸化される。こうして形成される酸化物は、その下方に設けられているシリコン基板との間に、SiO2/Si界面を形成する。酸化物が成長するにつれて、シリコンが酸化物に変化し、SiO2層の厚みが大きくなるように上記界面が移動する。継続して厚くなっていく酸化物層内で、SiO2/Si界面に向かって、酸化雰囲気成分が拡散しなければならないので、成長率は低下する。この反応の速度は、結晶配向、ドーピングおよび酸化雰囲気成分によって変わる。例えば、水蒸気を加えることによって(湿式酸化)、酸化を加速することができる。DCE(トランス−1,2−ジクロロエチレン)もまた反応速度を変化させることができる(オー・シュルツ(O.Schultz.)、高効率の多結晶シリコン太陽電池、コンスタンツ(Konstanz)大学論文集、物理学部(2005年)、103ページ)。さらに、速度は、酸化中の温度によっても非常に大きく影響される。
【0007】
SiO2/Si界面は、適切に処理を制御することによって、不動態化され得る。つまり、少数電荷キャリアの再結合率は、不動態化されていない表面に比べて、低くなる(オー・シュルツ(O.Schultz.)、高効率の多結晶シリコン太陽電池、コンスタンツ(Konstanz)大学論文集、物理学部(2005年)、104ページ)。
【0008】
具体的に半導体のある領域から別の領域に不純物を移すプロセスを、ゲッタリング(gettering)と呼ぶ(エー・エー・イストラトフ他(A.A.Istratov et al.)、UL−SI技術における高度なゲッタリング技術、MRS会報(2000)、pp33−38)。当該プロセスは、複数の異なる方法で実施され得る。その1つは、リン光体ゲッタリングである。リン光体を拡散させると、シリコン格子間原子が発生し、多くの種類の不純物の移動度が高くなる。この成分は、ドーピング濃度が高いシリコン領域の方が溶解度が高いので、高温ステップにおいて当該領域に集まり、その結果、半導体がクリーニングされる。
【0009】
純粋な酸化ではゲッタリングが見られず、当該プロセスは、汚染された処理デバイスおよびハンドリングデバイス、または汚染された処理ガスまたは加工助剤において、基板に存在する、不純物に特に反応しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、公知の太陽電池製造方法の各ステップを最適化することと、より簡単に太陽電池を製造できるようにすることとを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、請求項1に記載の特徴を持つ方法、および、当該方法に従って生産され、請求項29に記載の特徴を持つ、ドーピングおよび酸化が施された半導体基板によって達成される。さらに、請求項30に記載の特徴を持つ利用を提供する。残りの従属項は、有利な発展例を明らかにする。
【0012】
本発明に係る、半導体基板に対してドーピングおよび酸化を同時に実行する方法によると、半導体基板の少なくとも一面の少なくとも複数の領域を、1つのドーピング剤を含む少なくとも1つの層でコーティングする。ドーピング剤を含む少なくとも1つの層には、複数のドーピング剤が含まれるとしてもよい。続いて、半導体材料用の酸化剤を含む雰囲気中において熱処理が実行される。この熱処理を実行することによって、ドーピング剤が半導体基板の体積中に拡散し得る。熱処理中において、ドーピング剤を含む層によってコーティングされていない、半導体基板の表面領域が部分的に酸化される。このように、2つのプロセスステップを簡単に組み合わせることができるので、プロセス全体を簡略化し得る。
【0013】
ドーピング剤を含む層は、アモルファスシリコン、二酸化シリコン、炭化ケイ素、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、誘電材料、拡散プロセスにおいて化学変化し得る有機化合物を含むセラミック材料、これらの材料を非化学量論的に変形したもの、およびこれらの材料の混合物から成る群から選択される材料から成ることが、または選択される材料を含むことが好ましい。「非化学量論的に変形されたもの」とは、例えば窒化シリコンについて、化学量論比Si3N4から派生する化合物を指すと理解されたい。
【0014】
半導体技術では公知のように、例えば最初は液体またはペーストの状態である物質を利用することも可能である。このような物質は、例えば、遠心分離法、スプレー法、浸漬被覆法、印刷法またはCVD法を用いて、半導体に堆積させられる。この後に乾燥ステップが実行され、有機化合物の一部が脱出する。次のステップでは、この物質を、ガラスのようなコンシステンシーに変化させて、後続の高温プロセスにおいて拡散ソースまたはバリアとして機能させる。このタイプの物質は、公知のゾル・ゲル法に従って生産および処理され得る。
【0015】
ドーピング剤は、リン光体、ホウ素、ヒ素、アルミニウムおよびガリウムから成る群から選択されることが好ましい。
【0016】
ドーピング剤を含む層ではドーピング剤の濃度勾配があることが好ましく、半導体基板に向かって配向されている領域の方がドーピング剤濃度が高い。
【0017】
半導体基板のコーティングにはさまざまな変形例がある。ここで、第1の好ましい変形例によると、半導体基板の一面は、ドーピング剤を含む層によって一体的なコーティングが施され、続いて、酸化剤を含む雰囲気中での熱処理によって、コーティングが施されていない表面、例えば半導体基板の裏面、を部分的に酸化させる。別の変形例によると、半導体基板の1以上の表面の複数の領域を、ドーピング剤を含む層でコーティングし、コーティングしていない領域も残す。その次の酸化ステップでは、半導体基板のコーティングされていない表面を部分的に酸化させる。
【0018】
基本的に、本発明に係る方法は、半導体基板処理で公知のプロセスステップであればどのようなステップにどの時点において組み合わせるとしてよい。特に、太陽電池生産ステップと組み合わせるとしてよい。このため、例えば、半導体基板の少なくとも複数の領域を、ドーピング剤を含む層でコーティングを施す前に、処理しておくことが可能である。しかしまた、ドーピング剤を含む層でコーティングを施した後且つ熱処理前に処理を行うことも同様に可能である。処理ステップは、湿式化学プロセスまたは乾式化学プロセス、熱プロセス、コーティング、機械プロセス、レーザ技術プロセス、メタライゼーション、シリコンプロセス、クリーニング、湿式化学テクスチャリングまたは乾式化学テクスチャリング、テクスチャリングの除去、および上述した処理ステップの組み合わせから成る群から選択されるのが好ましい。上述した処理ステップには数多くの組み合わせがある。例えば、半導体基板は、ドーピング剤によってコーティングされた後、コーティングされていない領域を熱処理に対して準備させることを目的として、処理されるとしてもよい。これには、例えば、既に形成されているテクスチャを完全または部分的に水平にすること、または複数の異なるクリーニングプロセスを実行することが含まれるとしてもよい。クリーニングは、湿式化学クリーニングおよび乾式化学クリーニングのどちらであってもよい。別の例を挙げると、コーティングを構成すること、または、例えば裏面に存在する寄生コーティングを除去することを目的として、既に設けられているコーティングの少なくとも一部の領域を除去するとしてもよい。
【0019】
別の好ましい変形例によると、コーティングが施された半導体基板を、熱処理の前に湿式化学法または乾式化学法で処理する。同様に、コーティングが半導体の一部をマスクしている一方で、半導体のコーティングが施されていない部分をエッチングすることができる。このように、熱酸化に対して適切な開始条件を整えることができる。特に、不動態化の質を非常に高いものとすることができる。
【0020】
好ましい変形例によると、別のコーティングを半導体基板に形成する。このように、例えば、ドーピング剤を含む層には、半導体基板とは反対側に、ドーピング剤の脱出を防止するための拡散バリアとしての被覆層が設けられるとしてもよい。この被覆層は、アモルファスシリコン、二酸化シリコン、炭化ケイ素、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、誘電材料、セラミック材料、拡散プロセスにおいて化学変化し得る有機化合物を含む材料、これらの材料を非化学量論的に変形したもの、およびこれらの材料の混合物から成る群から選択される材料を含むことが好ましい。別の好ましい変形例によると、被覆層は、複数の異なる層が複数の異なる材料を含む、多層構造を有するとしてもよい。
【0021】
好ましい変形例によると、少なくとも1つのコーティングは、半導体基板または半導体基板上に既に形成されているコーティングの上に液体またはペーストの状態のコーティング材料が堆積されて、設けられるとしてもよい。遠心分離法、スプレー法、浸漬被覆法、印刷法またはCVD法を用いて堆積させるのが好ましい。この後で、乾燥ステップを実行して、有機化合物の一部が除去される。次のステップでは、コーティング材料を、ガラスのようなコンシステンシーに変化させて、後続の高温プロセスにおいて拡散ソースまたはバリアとして機能させる。このタイプのコーティング材料は、ゾル・ゲル法に従って生産および処理され得る。しかし、現在の技術水準で公知のコーティング方法およびドーピング方法を用いるとしてもよい。この点については、「エス・ケー、ガンディ(S.K.Ghandi)、VLSI製造の原則:シリコンおよびガリウムヒ素、第2版(1994)、第8章、510−586ページ」を参照されたい。
【0022】
本発明の別の変形例によると、半導体基板とドーピング剤を含む少なくとも1つの層との間に、少なくとも1つの別の層が形成され、当該別の層を介した半導体基板の体積へのドーピング剤の拡散は、完全には抑制または遮蔽されない。例えば、通常、天然の二酸化シリコン層がシリコン上に形成され、当該二酸化シリコン層は非常に薄いのでシリコンのドーピングをマスクすることができない。また、先行するプロセスまたはプロセスステップに起因して他の層が残っているが、拡散はこれらの層では抑制されない場合もある。
【0023】
本発明に係る方法で実施される熱処理は、管状炉または連続加熱炉において実行されるのが好ましい。しかし、熱処理をPECVD反応炉で直接実施することも基本的に可能である。熱処理は、摂氏600度から摂氏1150度の範囲内の温度で実施されるのが好ましい。
【0024】
酸化ステップに関しては、さまざまな変形例が考えられる。酸素を酸化剤として用いて乾式酸化を実行するとしてもよい。別の好ましい変形例によると、湿式酸化を実行する。つまり、水蒸気と共に酸素を酸化剤として用いる。酸化に用いられる雰囲気はさらに、酸化プロセスを制御する別の化合物を含むとしてもよい。同様に、雰囲気の清浄度を維持することを目的として雰囲気に化合物を追加するとしてもよい。この目的のために、特に、トランス−1,2−ジクロロエタンを含む。
【0025】
半導体基板は、シリコン、ゲルマニウム、またはガリウムヒ素から成ることが好ましい。また、例えばリン光体、ホウ素、ヒ素、アルミニウム、および/または、ガリウムによってドーピングされている、既にドーピングが施された半導体基板を利用するとしてもよい。しかし、半導体基板の表面に近接している領域は、既に設けられているドーピングに加えて、先立って堆積されたドーピング剤ソースに起因する、同時に行われる拡散および酸化の前の別の熱処理によって形成されている、わずかなドーピングを有することが特に好ましい。最後の熱処理は、これらのドーピング剤の拡散を強化する。
【0026】
また、本発明に係る方法を実施する前の時点で、半導体基板は、少なくとも複数の領域において、例えばマスキングの形状で、半導体基板の熱酸化を抑制または防止する構造を有することも可能である。
【0027】
本発明の別の変形例によると、プロセス中において、半導体基板のドーピング領域において不純物の濃度を高くすることによってゲッタリングプロセスを実施する。ゲッタリングは、リン光体によるドーピングの場合に熱処理において、実施することができる。ゲッタリングは、リン光体の拡散の二次作用として、生じる。不純物は、リン光体の濃度が低い部分よりもリン光体の濃度が高い部分でより良好に溶解するので、リン光体の濃度が高い領域に拡散する。不純物が半導体素子に及ぼす影響は、不純物がリン光体の濃度が高い領域にある場合の方が小さい。純粋な酸化プロセスの場合、現在の技術水準から公知であるように、ゲッタリングプロセスは発生しないので、非常に高い純度要件が満たされなければならない。このため、本発明に係る方法は、現在の技術水準に比べると、並行して発生するゲッタリングプロセスのおかげで、このように高い要件が純度条件について維持される必要はないという利点がある。
【0028】
本発明は同様に、上記の方法に従って生産され得るドーピングおよび酸化が施された半導体基板を提供する。
【0029】
上記の方法は特に、太陽電池の生産に利用される。
【0030】
以下では、半導体基板としてホウ素がドーピングされたシリコン基板を利用し、ドーピング剤ソースとしてリン光体含有二酸化シリコンを利用する具体例を参照しつつ、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0032】
【図2】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0033】
【図3】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0034】
【図4】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0035】
【図5】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0036】
【図6】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0037】
【図7】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0038】
【図8】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0039】
【図9】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0040】
【図10】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0041】
【図11】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
シリコンウェハ1は、その一面に対して、例えばいわゆるPECVDコーティングプラントにおいて、リン光体含有酸化シリコン2がコーティングされる(図1)。
【0043】
酸化シリコン2はリン光体ソースとして機能し、層3は脱出するリン光体に対するバリアとして機能する。ウェハの反対側は、コーティングが施されないままとする。このようにコーティングが施されないウェハについては、再度クリーニングを施して、コーティングされていない面を、続く熱処理に対して前処理する。このクリーニングは、湿式技術または乾式技術によって実施され得る。層3に影響を及ぼすステップがこのクリーニングに含まれるとすると、これらのステップは、拡散バリアとして機能する層3の特性を損なわないようにするべく、短時間で済むように選択しなければならない。これに適切に対応して、当該層は厚く形成されるとしてもよい。
【0044】
この後に高温ステップが実行される。このステップの基本的な特徴は、層2からのリン光体が、層2がコーティングされている側からシリコンに侵入し、ウェハ内で適切なドーピング濃度4に到達する。同時に、熱的に成長した二酸化シリコン5がウェハの、コーティングがない領域に形成される(図2を参照)。この二酸化シリコンは、高温プロセスが実行される炉の雰囲気が酸素を含む場合に形成される。酸素に加えて、水蒸気またはその他の適切な物質を、当該雰囲気中に含めるとしてもよい。このような物質を追加することによって、酸化プロセスが可能になったり、または、例えば酸化プロセスを加速したりという有利な効果が得られる。上述した層2および3を組み合わせて、ドーピング剤が当該1つの層からプロセス雰囲気中へと望ましくない程度まで脱出しないようにドーピング剤の濃度構成が適切な1つの層を形成することもできる。本質的には、この層は、酸化される対象の面がドーピング剤の脱出によって悪影響を被らないようにしなければならない。
【0045】
前述したように、複数の領域にコーティングを設けることも可能である。このコーティングの形成は、対応するマスクを用いて、またはターゲット裏面エッチングによって実行するとしてもよい。図3には、同時に拡散および酸化を実行するための熱処理の前のシリコンウェハ1を示す。第1の面には、リン光体を含む酸化シリコン層2を有する領域が設けられている。酸化シリコン2は、リン光体ソースとして機能する。同時に、二酸化シリコン3から形成される被覆層が、これらの領域に堆積されている。拡散および酸化を行うための熱処理を実行することによって、図4に示すような構造が得られる。この高温ステップによって、層2からのリン光体が層2によってコーティングされた側からシリコンウェハ1に侵入し、ウェハ内で適切なドーピング濃度4を達成するという効果が得られる。同時に、熱的に成長した二酸化シリコン5が、ウェハのコーティングが施されていない領域に形成される。
【0046】
上述した発明は、例えば太陽電池の生産など、さまざまに利用され得る。以下で、処理の変形例を2つ説明する。
【0047】
<処理の変形例A>
まず、適切な裏面被覆層を形成して、その後にエッチングステップを実行する。当該エッチングステップによって、層2および3が除去される。被覆層は、その下に位置している層5を保護する。この層の材料には、非常に幅広い選択肢がある。この層は、例えば、誘電材料、金属材料、セラミック材料または層構造を有するとしてもよい。続いて、ウェハの表面に反射防止コーティング7が堆積される(図5)。
【0048】
この後、裏面層構造を、例えばレーザ等の適切な方法を用いて、局所的に露出させる(図6)。
【0049】
続いて、表面および裏面に自由に順序を選択しつつ、適切な方法、例えばスクリーン印刷を用いて、適切なコンタクトペーストを堆積させる。裏面では、モジュール式の太陽電池を簡単に後で配線接続できるようなペーストもまた組み合わせるとしてよい(図7)。
【0050】
この後、シリコンウェハに対して適切な熱処理が実行され、コンタクトが形成される。この処理はコンタクト焼結と呼ばれ、現在の太陽電池生産技術において公知であるように、例えば焼結炉で実施され得る(図8)。
【0051】
太陽電池生産プロセスは、ここで実質的に完了する。素子を仕上げるプロセスステップをさらに導入または追加するとしてもよい。例えば、いわゆるテクスチャリングによるシリコンウェハの反射をまず低減するべく、湿式化学処理を表面に対して実行するとしてもよい。また、エッジ絶縁のためのレーザプロセスまたは熱回復ステップを適用するとしてもよい。
【0052】
<処理の変形例B>
変形例Aにおいて図3に係る反射防止コーティングを堆積させた後、コンタクトペーストを表面に堆積させる。続いて、ウェハは適切な熱処理で処理され、表面コンタクトが形成される(図9)。
【0053】
この後、太陽電池の裏側に適切な金属層を堆積させる。このステップは、先行するステップと組み合わせるとしてもよい。ここでは、当該金属層がその下に設けられている積層構造を貫通してシリコンまで侵入しないようにしなければならない(図10)。
【0054】
最後に、裏面に設けられている金属層をレーザで処理して、金属層が、電気コンタクト形成のために準備されている領域においてその下に設けられている積層構造を貫通して、シリコンに対する電気コンタクトを実現する構成とする。金属層は、例えばアルミニウムを含む場合、レーザ処理の箇所において局所的にp++ドーピングを形成し得る。
【0055】
太陽電池生産プロセスは、ここで実質的に完了する。素子を仕上げるプロセスステップをさらに導入または追加するとしてもよい。例えば、いわゆるテクスチャリングによるシリコンウェハの反射をまず低減するべく、湿式化学処理を表面に対して実行するとしてもよい。また、エッジ絶縁のためのレーザプロセスまたは熱回復ステップを適用するとしてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法に関する。本発明はまた、当該方法に従って生産されるドーピングおよび酸化が施された半導体基板にも関する。本発明はさらに、太陽電池を生産するための当該方法の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の太陽電池では、pn接合またはいわゆる表面電界または裏面電界を生成すること等を目的として、表面に近接してドーピング領域を設ける。エミッタを生成するためには、例えば、p型ドーピングシリコンにリン光体を拡散させるとしてもよい。また、好適な太陽電池は、誘電パッシベーションが施された表面領域を有し、この表面領域によって、発生した電荷−キャリア対の再結合が抑制されるとともに半導体素子の光学特性が改善される。このタイプの積層は、PVD方法または熱処理によって形成され得る。シリコンの上に二酸化シリコンを設ける場合には、酸素中で熱酸化を実施し、湿式酸化については、さらに水蒸気を加えて実行する。現在、当該処理の各ステップは順次実行されている。このため、太陽電池等の生産プロセスは、少なくとも1つの熱拡散プロセスと1つの酸化プロセスとを含むので、複雑になっている。これらのステップが順次実行される場合、その目的のために提供されるウェハ領域のみをプロセスステップで処理できるようにするためのステップ、例えばマスキングステップまたはエッチングステップ、を追加する必要が出てくる。
【0003】
太陽電池生産方法の重要な各ステップを、以下で簡単に説明する。
【0004】
ドーピング原子の拡散は、複数の異なる方法で実現され得る。現在の技術水準で公知のプロセス全てに共通する点としては、適切な条件下でシリコンにドーピング剤を搬送するドーピング剤ソースを設けることが挙げられる。このドーピングソースは、例えばPOCl3のガス雰囲気中にあるとしてもよく、または、例えばリン酸を吹き付ける等の適切な方法によって堆積されるとしてもよい。また、CVDプロセスを用いてドーピング層を形成するとしてもよい。
【0005】
イオン注入プロセスにおいて、ドーピング原子がウェハに注入される。このため、ウェハには、ドーピング原子を含む高エネルギー粒子ビームが照射される。ドーピング原子はウェハに入り込み、続くアニールステップで温度が上昇するとドーピングが活性化され、所望通りに分散する。活性化において、結晶格子に押し込められた原子は、任意の格子位置に向かって移動して、ドーピング剤として機能し得る。分散において、ドーピング原子の拡散によって、ドーピング原子の濃度プロファイルが、半導体内の拡散に起因して変化する。どちらの場合も、外部のドーピング原子ソースは、熱処理において存在せず、粒子ビームはOFFに制御される。
【0006】
シリコンの熱酸化は、半導体技術分野で広く利用されている。本質的に、Si結晶の表面にあるシリコンは、温度が上昇すると、酸素含有雰囲気において酸化される。こうして形成される酸化物は、その下方に設けられているシリコン基板との間に、SiO2/Si界面を形成する。酸化物が成長するにつれて、シリコンが酸化物に変化し、SiO2層の厚みが大きくなるように上記界面が移動する。継続して厚くなっていく酸化物層内で、SiO2/Si界面に向かって、酸化雰囲気成分が拡散しなければならないので、成長率は低下する。この反応の速度は、結晶配向、ドーピングおよび酸化雰囲気成分によって変わる。例えば、水蒸気を加えることによって(湿式酸化)、酸化を加速することができる。DCE(トランス−1,2−ジクロロエチレン)もまた反応速度を変化させることができる(オー・シュルツ(O.Schultz.)、高効率の多結晶シリコン太陽電池、コンスタンツ(Konstanz)大学論文集、物理学部(2005年)、103ページ)。さらに、速度は、酸化中の温度によっても非常に大きく影響される。
【0007】
SiO2/Si界面は、適切に処理を制御することによって、不動態化され得る。つまり、少数電荷キャリアの再結合率は、不動態化されていない表面に比べて、低くなる(オー・シュルツ(O.Schultz.)、高効率の多結晶シリコン太陽電池、コンスタンツ(Konstanz)大学論文集、物理学部(2005年)、104ページ)。
【0008】
具体的に半導体のある領域から別の領域に不純物を移すプロセスを、ゲッタリング(gettering)と呼ぶ(エー・エー・イストラトフ他(A.A.Istratov et al.)、UL−SI技術における高度なゲッタリング技術、MRS会報(2000)、pp33−38)。当該プロセスは、複数の異なる方法で実施され得る。その1つは、リン光体ゲッタリングである。リン光体を拡散させると、シリコン格子間原子が発生し、多くの種類の不純物の移動度が高くなる。この成分は、ドーピング濃度が高いシリコン領域の方が溶解度が高いので、高温ステップにおいて当該領域に集まり、その結果、半導体がクリーニングされる。
【0009】
純粋な酸化ではゲッタリングが見られず、当該プロセスは、汚染された処理デバイスおよびハンドリングデバイス、または汚染された処理ガスまたは加工助剤において、基板に存在する、不純物に特に反応しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、公知の太陽電池製造方法の各ステップを最適化することと、より簡単に太陽電池を製造できるようにすることとを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、請求項1に記載の特徴を持つ方法、および、当該方法に従って生産され、請求項29に記載の特徴を持つ、ドーピングおよび酸化が施された半導体基板によって達成される。さらに、請求項30に記載の特徴を持つ利用を提供する。残りの従属項は、有利な発展例を明らかにする。
【0012】
本発明に係る、半導体基板に対してドーピングおよび酸化を同時に実行する方法によると、半導体基板の少なくとも一面の少なくとも複数の領域を、1つのドーピング剤を含む少なくとも1つの層でコーティングする。ドーピング剤を含む少なくとも1つの層には、複数のドーピング剤が含まれるとしてもよい。続いて、半導体材料用の酸化剤を含む雰囲気中において熱処理が実行される。この熱処理を実行することによって、ドーピング剤が半導体基板の体積中に拡散し得る。熱処理中において、ドーピング剤を含む層によってコーティングされていない、半導体基板の表面領域が部分的に酸化される。このように、2つのプロセスステップを簡単に組み合わせることができるので、プロセス全体を簡略化し得る。
【0013】
ドーピング剤を含む層は、アモルファスシリコン、二酸化シリコン、炭化ケイ素、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、誘電材料、拡散プロセスにおいて化学変化し得る有機化合物を含むセラミック材料、これらの材料を非化学量論的に変形したもの、およびこれらの材料の混合物から成る群から選択される材料から成ることが、または選択される材料を含むことが好ましい。「非化学量論的に変形されたもの」とは、例えば窒化シリコンについて、化学量論比Si3N4から派生する化合物を指すと理解されたい。
【0014】
半導体技術では公知のように、例えば最初は液体またはペーストの状態である物質を利用することも可能である。このような物質は、例えば、遠心分離法、スプレー法、浸漬被覆法、印刷法またはCVD法を用いて、半導体に堆積させられる。この後に乾燥ステップが実行され、有機化合物の一部が脱出する。次のステップでは、この物質を、ガラスのようなコンシステンシーに変化させて、後続の高温プロセスにおいて拡散ソースまたはバリアとして機能させる。このタイプの物質は、公知のゾル・ゲル法に従って生産および処理され得る。
【0015】
ドーピング剤は、リン光体、ホウ素、ヒ素、アルミニウムおよびガリウムから成る群から選択されることが好ましい。
【0016】
ドーピング剤を含む層ではドーピング剤の濃度勾配があることが好ましく、半導体基板に向かって配向されている領域の方がドーピング剤濃度が高い。
【0017】
半導体基板のコーティングにはさまざまな変形例がある。ここで、第1の好ましい変形例によると、半導体基板の一面は、ドーピング剤を含む層によって一体的なコーティングが施され、続いて、酸化剤を含む雰囲気中での熱処理によって、コーティングが施されていない表面、例えば半導体基板の裏面、を部分的に酸化させる。別の変形例によると、半導体基板の1以上の表面の複数の領域を、ドーピング剤を含む層でコーティングし、コーティングしていない領域も残す。その次の酸化ステップでは、半導体基板のコーティングされていない表面を部分的に酸化させる。
【0018】
基本的に、本発明に係る方法は、半導体基板処理で公知のプロセスステップであればどのようなステップにどの時点において組み合わせるとしてよい。特に、太陽電池生産ステップと組み合わせるとしてよい。このため、例えば、半導体基板の少なくとも複数の領域を、ドーピング剤を含む層でコーティングを施す前に、処理しておくことが可能である。しかしまた、ドーピング剤を含む層でコーティングを施した後且つ熱処理前に処理を行うことも同様に可能である。処理ステップは、湿式化学プロセスまたは乾式化学プロセス、熱プロセス、コーティング、機械プロセス、レーザ技術プロセス、メタライゼーション、シリコンプロセス、クリーニング、湿式化学テクスチャリングまたは乾式化学テクスチャリング、テクスチャリングの除去、および上述した処理ステップの組み合わせから成る群から選択されるのが好ましい。上述した処理ステップには数多くの組み合わせがある。例えば、半導体基板は、ドーピング剤によってコーティングされた後、コーティングされていない領域を熱処理に対して準備させることを目的として、処理されるとしてもよい。これには、例えば、既に形成されているテクスチャを完全または部分的に水平にすること、または複数の異なるクリーニングプロセスを実行することが含まれるとしてもよい。クリーニングは、湿式化学クリーニングおよび乾式化学クリーニングのどちらであってもよい。別の例を挙げると、コーティングを構成すること、または、例えば裏面に存在する寄生コーティングを除去することを目的として、既に設けられているコーティングの少なくとも一部の領域を除去するとしてもよい。
【0019】
別の好ましい変形例によると、コーティングが施された半導体基板を、熱処理の前に湿式化学法または乾式化学法で処理する。同様に、コーティングが半導体の一部をマスクしている一方で、半導体のコーティングが施されていない部分をエッチングすることができる。このように、熱酸化に対して適切な開始条件を整えることができる。特に、不動態化の質を非常に高いものとすることができる。
【0020】
好ましい変形例によると、別のコーティングを半導体基板に形成する。このように、例えば、ドーピング剤を含む層には、半導体基板とは反対側に、ドーピング剤の脱出を防止するための拡散バリアとしての被覆層が設けられるとしてもよい。この被覆層は、アモルファスシリコン、二酸化シリコン、炭化ケイ素、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、誘電材料、セラミック材料、拡散プロセスにおいて化学変化し得る有機化合物を含む材料、これらの材料を非化学量論的に変形したもの、およびこれらの材料の混合物から成る群から選択される材料を含むことが好ましい。別の好ましい変形例によると、被覆層は、複数の異なる層が複数の異なる材料を含む、多層構造を有するとしてもよい。
【0021】
好ましい変形例によると、少なくとも1つのコーティングは、半導体基板または半導体基板上に既に形成されているコーティングの上に液体またはペーストの状態のコーティング材料が堆積されて、設けられるとしてもよい。遠心分離法、スプレー法、浸漬被覆法、印刷法またはCVD法を用いて堆積させるのが好ましい。この後で、乾燥ステップを実行して、有機化合物の一部が除去される。次のステップでは、コーティング材料を、ガラスのようなコンシステンシーに変化させて、後続の高温プロセスにおいて拡散ソースまたはバリアとして機能させる。このタイプのコーティング材料は、ゾル・ゲル法に従って生産および処理され得る。しかし、現在の技術水準で公知のコーティング方法およびドーピング方法を用いるとしてもよい。この点については、「エス・ケー、ガンディ(S.K.Ghandi)、VLSI製造の原則:シリコンおよびガリウムヒ素、第2版(1994)、第8章、510−586ページ」を参照されたい。
【0022】
本発明の別の変形例によると、半導体基板とドーピング剤を含む少なくとも1つの層との間に、少なくとも1つの別の層が形成され、当該別の層を介した半導体基板の体積へのドーピング剤の拡散は、完全には抑制または遮蔽されない。例えば、通常、天然の二酸化シリコン層がシリコン上に形成され、当該二酸化シリコン層は非常に薄いのでシリコンのドーピングをマスクすることができない。また、先行するプロセスまたはプロセスステップに起因して他の層が残っているが、拡散はこれらの層では抑制されない場合もある。
【0023】
本発明に係る方法で実施される熱処理は、管状炉または連続加熱炉において実行されるのが好ましい。しかし、熱処理をPECVD反応炉で直接実施することも基本的に可能である。熱処理は、摂氏600度から摂氏1150度の範囲内の温度で実施されるのが好ましい。
【0024】
酸化ステップに関しては、さまざまな変形例が考えられる。酸素を酸化剤として用いて乾式酸化を実行するとしてもよい。別の好ましい変形例によると、湿式酸化を実行する。つまり、水蒸気と共に酸素を酸化剤として用いる。酸化に用いられる雰囲気はさらに、酸化プロセスを制御する別の化合物を含むとしてもよい。同様に、雰囲気の清浄度を維持することを目的として雰囲気に化合物を追加するとしてもよい。この目的のために、特に、トランス−1,2−ジクロロエタンを含む。
【0025】
半導体基板は、シリコン、ゲルマニウム、またはガリウムヒ素から成ることが好ましい。また、例えばリン光体、ホウ素、ヒ素、アルミニウム、および/または、ガリウムによってドーピングされている、既にドーピングが施された半導体基板を利用するとしてもよい。しかし、半導体基板の表面に近接している領域は、既に設けられているドーピングに加えて、先立って堆積されたドーピング剤ソースに起因する、同時に行われる拡散および酸化の前の別の熱処理によって形成されている、わずかなドーピングを有することが特に好ましい。最後の熱処理は、これらのドーピング剤の拡散を強化する。
【0026】
また、本発明に係る方法を実施する前の時点で、半導体基板は、少なくとも複数の領域において、例えばマスキングの形状で、半導体基板の熱酸化を抑制または防止する構造を有することも可能である。
【0027】
本発明の別の変形例によると、プロセス中において、半導体基板のドーピング領域において不純物の濃度を高くすることによってゲッタリングプロセスを実施する。ゲッタリングは、リン光体によるドーピングの場合に熱処理において、実施することができる。ゲッタリングは、リン光体の拡散の二次作用として、生じる。不純物は、リン光体の濃度が低い部分よりもリン光体の濃度が高い部分でより良好に溶解するので、リン光体の濃度が高い領域に拡散する。不純物が半導体素子に及ぼす影響は、不純物がリン光体の濃度が高い領域にある場合の方が小さい。純粋な酸化プロセスの場合、現在の技術水準から公知であるように、ゲッタリングプロセスは発生しないので、非常に高い純度要件が満たされなければならない。このため、本発明に係る方法は、現在の技術水準に比べると、並行して発生するゲッタリングプロセスのおかげで、このように高い要件が純度条件について維持される必要はないという利点がある。
【0028】
本発明は同様に、上記の方法に従って生産され得るドーピングおよび酸化が施された半導体基板を提供する。
【0029】
上記の方法は特に、太陽電池の生産に利用される。
【0030】
以下では、半導体基板としてホウ素がドーピングされたシリコン基板を利用し、ドーピング剤ソースとしてリン光体含有二酸化シリコンを利用する具体例を参照しつつ、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0032】
【図2】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0033】
【図3】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0034】
【図4】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0035】
【図5】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0036】
【図6】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0037】
【図7】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0038】
【図8】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0039】
【図9】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0040】
【図10】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【0041】
【図11】本発明に係る、半導体基板に対して同時にドーピングおよび酸化を実行する方法のステップを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
シリコンウェハ1は、その一面に対して、例えばいわゆるPECVDコーティングプラントにおいて、リン光体含有酸化シリコン2がコーティングされる(図1)。
【0043】
酸化シリコン2はリン光体ソースとして機能し、層3は脱出するリン光体に対するバリアとして機能する。ウェハの反対側は、コーティングが施されないままとする。このようにコーティングが施されないウェハについては、再度クリーニングを施して、コーティングされていない面を、続く熱処理に対して前処理する。このクリーニングは、湿式技術または乾式技術によって実施され得る。層3に影響を及ぼすステップがこのクリーニングに含まれるとすると、これらのステップは、拡散バリアとして機能する層3の特性を損なわないようにするべく、短時間で済むように選択しなければならない。これに適切に対応して、当該層は厚く形成されるとしてもよい。
【0044】
この後に高温ステップが実行される。このステップの基本的な特徴は、層2からのリン光体が、層2がコーティングされている側からシリコンに侵入し、ウェハ内で適切なドーピング濃度4に到達する。同時に、熱的に成長した二酸化シリコン5がウェハの、コーティングがない領域に形成される(図2を参照)。この二酸化シリコンは、高温プロセスが実行される炉の雰囲気が酸素を含む場合に形成される。酸素に加えて、水蒸気またはその他の適切な物質を、当該雰囲気中に含めるとしてもよい。このような物質を追加することによって、酸化プロセスが可能になったり、または、例えば酸化プロセスを加速したりという有利な効果が得られる。上述した層2および3を組み合わせて、ドーピング剤が当該1つの層からプロセス雰囲気中へと望ましくない程度まで脱出しないようにドーピング剤の濃度構成が適切な1つの層を形成することもできる。本質的には、この層は、酸化される対象の面がドーピング剤の脱出によって悪影響を被らないようにしなければならない。
【0045】
前述したように、複数の領域にコーティングを設けることも可能である。このコーティングの形成は、対応するマスクを用いて、またはターゲット裏面エッチングによって実行するとしてもよい。図3には、同時に拡散および酸化を実行するための熱処理の前のシリコンウェハ1を示す。第1の面には、リン光体を含む酸化シリコン層2を有する領域が設けられている。酸化シリコン2は、リン光体ソースとして機能する。同時に、二酸化シリコン3から形成される被覆層が、これらの領域に堆積されている。拡散および酸化を行うための熱処理を実行することによって、図4に示すような構造が得られる。この高温ステップによって、層2からのリン光体が層2によってコーティングされた側からシリコンウェハ1に侵入し、ウェハ内で適切なドーピング濃度4を達成するという効果が得られる。同時に、熱的に成長した二酸化シリコン5が、ウェハのコーティングが施されていない領域に形成される。
【0046】
上述した発明は、例えば太陽電池の生産など、さまざまに利用され得る。以下で、処理の変形例を2つ説明する。
【0047】
<処理の変形例A>
まず、適切な裏面被覆層を形成して、その後にエッチングステップを実行する。当該エッチングステップによって、層2および3が除去される。被覆層は、その下に位置している層5を保護する。この層の材料には、非常に幅広い選択肢がある。この層は、例えば、誘電材料、金属材料、セラミック材料または層構造を有するとしてもよい。続いて、ウェハの表面に反射防止コーティング7が堆積される(図5)。
【0048】
この後、裏面層構造を、例えばレーザ等の適切な方法を用いて、局所的に露出させる(図6)。
【0049】
続いて、表面および裏面に自由に順序を選択しつつ、適切な方法、例えばスクリーン印刷を用いて、適切なコンタクトペーストを堆積させる。裏面では、モジュール式の太陽電池を簡単に後で配線接続できるようなペーストもまた組み合わせるとしてよい(図7)。
【0050】
この後、シリコンウェハに対して適切な熱処理が実行され、コンタクトが形成される。この処理はコンタクト焼結と呼ばれ、現在の太陽電池生産技術において公知であるように、例えば焼結炉で実施され得る(図8)。
【0051】
太陽電池生産プロセスは、ここで実質的に完了する。素子を仕上げるプロセスステップをさらに導入または追加するとしてもよい。例えば、いわゆるテクスチャリングによるシリコンウェハの反射をまず低減するべく、湿式化学処理を表面に対して実行するとしてもよい。また、エッジ絶縁のためのレーザプロセスまたは熱回復ステップを適用するとしてもよい。
【0052】
<処理の変形例B>
変形例Aにおいて図3に係る反射防止コーティングを堆積させた後、コンタクトペーストを表面に堆積させる。続いて、ウェハは適切な熱処理で処理され、表面コンタクトが形成される(図9)。
【0053】
この後、太陽電池の裏側に適切な金属層を堆積させる。このステップは、先行するステップと組み合わせるとしてもよい。ここでは、当該金属層がその下に設けられている積層構造を貫通してシリコンまで侵入しないようにしなければならない(図10)。
【0054】
最後に、裏面に設けられている金属層をレーザで処理して、金属層が、電気コンタクト形成のために準備されている領域においてその下に設けられている積層構造を貫通して、シリコンに対する電気コンタクトを実現する構成とする。金属層は、例えばアルミニウムを含む場合、レーザ処理の箇所において局所的にp++ドーピングを形成し得る。
【0055】
太陽電池生産プロセスは、ここで実質的に完了する。素子を仕上げるプロセスステップをさらに導入または追加するとしてもよい。例えば、いわゆるテクスチャリングによるシリコンウェハの反射をまず低減するべく、湿式化学処理を表面に対して実行するとしてもよい。また、エッジ絶縁のためのレーザプロセスまたは熱回復ステップを適用するとしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板のドーピングおよび酸化を同時に実行する方法であって、
前記半導体基板の少なくとも1つの表面の少なくとも複数の領域が、少なくとも1つのドーピング剤を含む少なくとも1つの層によってコーティングされ、続いて、半導体材料に対する酸化剤を含む雰囲気中での熱処理によって、前記ドーピング剤を前記半導体基板の中へと拡散させ、前記ドーピング剤を含む前記層によってコーティングされていない前記半導体基板の表面領域を酸化させる
方法。
【請求項2】
前記ドーピング剤を含む前記層は、アモルファスシリコン、二酸化シリコン、炭化ケイ素、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、誘電材料、セラミック材料、前記拡散プロセスにおいて化学変化し得る有機化合物を含む材料、これらの材料を非化学量論的に変形したもの、およびこれらの材料の混合物から成る群から選択される材料から成る、または選択される材料を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドーピング剤は、リン光体、ホウ素、ヒ素、アルミニウムおよびガリウムから成る群から選択される
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ドーピング剤を含む前記層においては、前記ドーピング剤が濃度勾配を有し、ドーピング剤濃度は前記半導体基板側の領域の方が高い
請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記半導体基板の1つの表面が少なくとも1つのドーピング剤を含む少なくとも1つの層でコーティングされ、続いて、前記半導体材料に対する酸化剤を含む雰囲気中での熱処理によって、前記ドーピング剤を前記半導体基板の中へと拡散させ、前記ドーピング剤を含む前記層でコーティングされていない前記半導体基板の表面を酸化させる
請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記半導体基板の少なくとも1つの表面の複数の領域が、少なくとも1つのドーピング剤を含む少なくとも1つの層によってコーティングされ、続いて、前記半導体材料に対する酸化剤を含む雰囲気中での熱処理によって、前記ドーピング剤を前記半導体基板の中へと拡散させ、前記半導体基板のコーティングされていない表面領域を酸化させる
請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記半導体基板の少なくとも複数の領域は、前記ドーピング剤を含む前記層によってコーティングされる前に、処理される
請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ドーピング剤を含む前記層によるコーティングの後、且つ、前記熱処理の前に、前記半導体基板に対して少なくとも1つの処理ステップをさらに実行する
請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの処理ステップは、湿式化学プロセスまたは乾式化学プロセス、熱プロセス、コーティング、機械プロセス、レーザ技術プロセス、メタライゼーション、シリコンプロセス、クリーニング、湿式化学テクスチャリングまたは乾式化学テクスチャリング、テクスチャリングの除去、および上述した処理ステップの組み合わせから成る群から選択される
請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの別のコーティングが前記半導体基板に形成される
請求項1から請求項9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ドーピング剤を含む前記層には、前記半導体基板とは反対側に、前記ドーピング剤に対する拡散バリアとして機能する被覆層が設けられる
請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記被覆層は、アモルファスシリコン、二酸化シリコン、炭化ケイ素、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、誘電材料、セラミック材料、前記拡散プロセスにおいて化学変化し得る有機化合物を含む材料、これらの材料を非化学量論的に変形したもの、およびこれらの材料の混合物から成る群から選択される材料から成る、または選択される材料を含む
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記被覆層は多層構造を有する
請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコーティングは、前記半導体基板または既に形成されているコーティングの上に、液体またはペーストの状態の前記少なくとも1つのコーティングの材料を堆積させることによって形成される
請求項1から請求項13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記堆積された層を、乾燥させて、ガラスのようなコンシステンシーへと変化させる
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコーティングの材料の堆積は、遠心分離法、スプレー法、浸漬被覆法、印刷法、および/または、CVD法を用いて実行される
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つのコーティング材料は、ゾルゲルから成る
請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記半導体基板と前記ドーピング剤を含む前記層との間には、少なくとも1つの別の層が形成され、前記少なくとも1つの別の層は、前記半導体基板の中への前記ドーピング剤の拡散を完全には抑制しない
請求項1から請求項17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記熱処理は、管状炉または連続加熱炉において実行される
請求項1から請求項18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記熱処理は、摂氏600度から摂氏1150度の範囲内の温度で実行される
請求項1から請求項19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
酸化剤として酸素を用いて乾式酸化を実行する
請求項1から請求項20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
水蒸気の存在下で、酸化剤として酸素を用いて湿式酸化を実行する
請求項1から請求項21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記酸化に用いられる前記雰囲気はさらに、前記酸化を制御する化合物または前記雰囲気を清浄に維持するための化合物、特に、トランス−1,2−ジクロロエタンを含む
請求項1から請求項22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記半導体基板は、シリコン、ゲルマニウム、またはガリウムヒ素から成る
請求項1から請求項23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記半導体基板は、リン光体、ホウ素、ヒ素、アルミニウム、および/またはガリウムによってドーピングされる
請求項1から請求項24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記半導体基板の前記表面に近接する複数の領域は、既に設けられているドーピングに加えて、先立って堆積されたドーピング剤ソースに起因する、前記同時に行われる拡散および酸化の前の別の熱処理によって形成されている、わずかなドーピングを有する
請求項1から請求項25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記半導体基板の少なくとも複数の領域には、前記半導体基板の熱酸化を抑制または防止する構造が設けられている
請求項1から請求項26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記プロセスにおいて、前記半導体基板の前記ドーピング領域内の不純物を増やすことによってゲッタリングプロセスが実行される
請求項1から請求項27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
請求項1から請求項28のいずれかに記載の方法に従って生産可能な、ドーピングおよび酸化が施された半導体基板。
【請求項30】
太陽電池を生産するための、請求項1から請求項28のいずれかに記載の方法の利用。
【請求項1】
半導体基板のドーピングおよび酸化を同時に実行する方法であって、
前記半導体基板の少なくとも1つの表面の少なくとも複数の領域が、少なくとも1つのドーピング剤を含む少なくとも1つの層によってコーティングされ、続いて、半導体材料に対する酸化剤を含む雰囲気中での熱処理によって、前記ドーピング剤を前記半導体基板の中へと拡散させ、前記ドーピング剤を含む前記層によってコーティングされていない前記半導体基板の表面領域を酸化させる
方法。
【請求項2】
前記ドーピング剤を含む前記層は、アモルファスシリコン、二酸化シリコン、炭化ケイ素、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、誘電材料、セラミック材料、前記拡散プロセスにおいて化学変化し得る有機化合物を含む材料、これらの材料を非化学量論的に変形したもの、およびこれらの材料の混合物から成る群から選択される材料から成る、または選択される材料を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドーピング剤は、リン光体、ホウ素、ヒ素、アルミニウムおよびガリウムから成る群から選択される
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ドーピング剤を含む前記層においては、前記ドーピング剤が濃度勾配を有し、ドーピング剤濃度は前記半導体基板側の領域の方が高い
請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記半導体基板の1つの表面が少なくとも1つのドーピング剤を含む少なくとも1つの層でコーティングされ、続いて、前記半導体材料に対する酸化剤を含む雰囲気中での熱処理によって、前記ドーピング剤を前記半導体基板の中へと拡散させ、前記ドーピング剤を含む前記層でコーティングされていない前記半導体基板の表面を酸化させる
請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記半導体基板の少なくとも1つの表面の複数の領域が、少なくとも1つのドーピング剤を含む少なくとも1つの層によってコーティングされ、続いて、前記半導体材料に対する酸化剤を含む雰囲気中での熱処理によって、前記ドーピング剤を前記半導体基板の中へと拡散させ、前記半導体基板のコーティングされていない表面領域を酸化させる
請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記半導体基板の少なくとも複数の領域は、前記ドーピング剤を含む前記層によってコーティングされる前に、処理される
請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ドーピング剤を含む前記層によるコーティングの後、且つ、前記熱処理の前に、前記半導体基板に対して少なくとも1つの処理ステップをさらに実行する
請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの処理ステップは、湿式化学プロセスまたは乾式化学プロセス、熱プロセス、コーティング、機械プロセス、レーザ技術プロセス、メタライゼーション、シリコンプロセス、クリーニング、湿式化学テクスチャリングまたは乾式化学テクスチャリング、テクスチャリングの除去、および上述した処理ステップの組み合わせから成る群から選択される
請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの別のコーティングが前記半導体基板に形成される
請求項1から請求項9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ドーピング剤を含む前記層には、前記半導体基板とは反対側に、前記ドーピング剤に対する拡散バリアとして機能する被覆層が設けられる
請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記被覆層は、アモルファスシリコン、二酸化シリコン、炭化ケイ素、窒化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、誘電材料、セラミック材料、前記拡散プロセスにおいて化学変化し得る有機化合物を含む材料、これらの材料を非化学量論的に変形したもの、およびこれらの材料の混合物から成る群から選択される材料から成る、または選択される材料を含む
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記被覆層は多層構造を有する
請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコーティングは、前記半導体基板または既に形成されているコーティングの上に、液体またはペーストの状態の前記少なくとも1つのコーティングの材料を堆積させることによって形成される
請求項1から請求項13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記堆積された層を、乾燥させて、ガラスのようなコンシステンシーへと変化させる
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコーティングの材料の堆積は、遠心分離法、スプレー法、浸漬被覆法、印刷法、および/または、CVD法を用いて実行される
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つのコーティング材料は、ゾルゲルから成る
請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記半導体基板と前記ドーピング剤を含む前記層との間には、少なくとも1つの別の層が形成され、前記少なくとも1つの別の層は、前記半導体基板の中への前記ドーピング剤の拡散を完全には抑制しない
請求項1から請求項17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記熱処理は、管状炉または連続加熱炉において実行される
請求項1から請求項18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記熱処理は、摂氏600度から摂氏1150度の範囲内の温度で実行される
請求項1から請求項19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
酸化剤として酸素を用いて乾式酸化を実行する
請求項1から請求項20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
水蒸気の存在下で、酸化剤として酸素を用いて湿式酸化を実行する
請求項1から請求項21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記酸化に用いられる前記雰囲気はさらに、前記酸化を制御する化合物または前記雰囲気を清浄に維持するための化合物、特に、トランス−1,2−ジクロロエタンを含む
請求項1から請求項22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記半導体基板は、シリコン、ゲルマニウム、またはガリウムヒ素から成る
請求項1から請求項23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記半導体基板は、リン光体、ホウ素、ヒ素、アルミニウム、および/またはガリウムによってドーピングされる
請求項1から請求項24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記半導体基板の前記表面に近接する複数の領域は、既に設けられているドーピングに加えて、先立って堆積されたドーピング剤ソースに起因する、前記同時に行われる拡散および酸化の前の別の熱処理によって形成されている、わずかなドーピングを有する
請求項1から請求項25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記半導体基板の少なくとも複数の領域には、前記半導体基板の熱酸化を抑制または防止する構造が設けられている
請求項1から請求項26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記プロセスにおいて、前記半導体基板の前記ドーピング領域内の不純物を増やすことによってゲッタリングプロセスが実行される
請求項1から請求項27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
請求項1から請求項28のいずれかに記載の方法に従って生産可能な、ドーピングおよび酸化が施された半導体基板。
【請求項30】
太陽電池を生産するための、請求項1から請求項28のいずれかに記載の方法の利用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−503190(P2010−503190A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525991(P2009−525991)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007703
【国際公開番号】WO2008/028625
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(598080163)フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァー フェーデルング デア アンゲバンテン フォルシュング エー ファー (30)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007703
【国際公開番号】WO2008/028625
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(598080163)フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァー フェーデルング デア アンゲバンテン フォルシュング エー ファー (30)
【Fターム(参考)】
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