説明

半導体基板に金属を無電界堆積する装置

【課題】 最小限の欠陥しかない均一な層を堆積することのできる一体型無電界堆積装置を提供する。
【解決手段】 無電界堆積システム及び無電界堆積ステーションが提供される。このシステムは、処理メインフレームと、メインフレームに位置された少なくとも1つの基板洗浄ステーションと、メインフレームに位置された無電界堆積ステーションとを備えている。無電界堆積ステーションは、環境的に制御される処理エンクロージャーと、基板の面を洗浄し活性化するように構成された第1処理ステーションと、基板の面に層を無電界堆積するように構成された第2処理ステーションと、第1及び第2の処理ステーション間で基板を移送するように位置された基板シャトルとを備えている。また、無電界堆積ステーションは、汚染のない均一な無電界堆積プロセスを遂行するために種々の流体配送及び基板温度制御装置も備えている。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般に、半導体処理のための無電界堆積システムに係る。
【0002】
関連技術の説明
[0002]100ナノメータ未満のサイズの特徴部を金属化することは、現在及び将来の世代の集積回路製造プロセスに対する基礎的な技術である。より詳細には、超大規模集積型のデバイス、即ち数百万の論理ゲートを伴う集積回路を有するデバイスでは、これらデバイスの中心に存在する多レベルの相互接続部が、一般に、高いアスペクト比、即ち約25:1より大きいアスペクト比の相互接続特徴部に、銅のような導電性材料を充填することにより形成される。これらの寸法では、化学気相堆積及び物理気相堆積のような従来の堆積技術を使用して、相互接続特徴部を確実に充填することはできない。その結果、集積回路製造プロセスにおいて100ナノメータ以下のサイズの高アスペクト比相互接続特徴部をボイドなく充填するための有望なプロセスとして、メッキ技術、即ち電気化学的メッキ及び無電界メッキが出現した。更に、キャッピング層のような他の層を堆積するための有望なプロセスとしても、電気化学的及び無電界メッキプロセスが出現した。
【0003】
[0003]しかしながら、無電界メッキプロセスに関しては、従来の無電界処理システム及び方法は、堆積プロセス及びそれにより生じる堆積層における欠陥比を正確に制御する等の多数の難題に直面している。より詳細には、従来のシステムは、基板の温度制御が不充分なことで悩まされている。というのは、従来の無電界セルに使用される抵抗ヒータ及び加熱ランプが基板の表面にわたって均一な温度を一貫して与えないからであり、これは、無電界堆積プロセスの均一性にとって重大なことである。更に、従来の無電界システムは、無電界堆積チャンバ内の環境に対して制御を実施せず、これは、欠陥比に著しい影響を及ぼすことが最近示されている。
【0004】
[0004]また、環境及び所有者コスト(CoO)の問題のために、基板の受け取り面上に充分均一なカバレージを得るに必要な流量を減少することで高価な無電界メッキ処理化学物質の浪費を低減することが望まれる場合がある。無電界処理溶液を基板面へ配送する速度及び均一性が堆積プロセスの結果に影響し得るので、種々の処理溶液を均一に配送する装置及び方法が要望される。また、液体が基板及びそれを支持するベースプレート部材に接触してそれらの間に流れるときに基板の背面に伝導及び対流熱伝達を使用することで基板の温度を制御することも要望される。
【0005】
[0005]更に、最小限の欠陥で均一な層を堆積することのできる無電界堆積プロセスのための機能的で且つ効率的な一体型プラットホームは開発されていない。従って、最小限の欠陥しかない均一な層を堆積することのできる一体型無電界堆積装置が要望される。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明の実施形態は、基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、処理領域に位置されたプラテンアセンブリを備え、このプラテンアセンブリは、流体アパーチャーが貫通形成されたベース部材と、そのベース部材にシール可能に位置され、上流側と下流側を有する流体拡散部材であって、それら上流側及び下流側に流体連通する複数の流体通路を有する流体拡散部材と、上記ベース部材と上記流体拡散部材の上流側との間に形成された流体体積部と、上記拡散部材の下流側の上に第1距離だけ突出する特徴部とを含み、更に、処理領域に位置されて、基板支持面を有している回転可能な基板支持アセンブリであって、上記プラテンアセンブリに対して回転するように適応される回転可能な基板支持アセンブリも備えた無電界処理チャンバを提供する。
【0007】
[0007]また、本発明の実施形態は、基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、処理領域に位置されたプラテンアセンブリを備え、このプラテンアセンブリは、流体アパーチャーが貫通形成されたベース部材と、そのベース部材にシール可能に位置されて、上流側と下流側を有する流体拡散部材と、上記ベース部材と上記流体拡散部材の上流側との間に形成された流体体積部と、上記流体拡散部材に形成された複数の流体通路とを含み、これら複数の流体通路は、上記流体拡散部材の下流側及び上流側と流体連通し、上記複数の流体通路の少なくとも1つは、更に、上記上流側と流体連通し且つ第1の断面積を有する第1特徴部と、第2の断面積を有する第2特徴部とを含み、これら第1特徴部及び第2特徴部は、流体連通し、更に、処理領域に位置されて、基板支持面を有している回転可能な基板支持アセンブリであって、上記プラテンアセンブリに対して回転するように適応される回転可能な基板支持アセンブリも備えた無電界処理チャンバを提供する。
【0008】
[0008]また、本発明の実施形態は、基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、この無電界処理チャンバの処理領域に位置されて、1つ以上の基板支持面を有している回転可能な基板支持アセンブリと、上記処理領域に位置されて、第1面を有しているエッジダムであって、このエッジダム、及び/又は上記1つ以上の基板支持面に位置された基板を、上記第1面と基板の縁との間にギャップを形成するように配置できるエッジダムと、上記基板支持体に位置された基板の面に無電界処理溶液を配送するように適応された流体源と、を備えた無電界処理チャンバを提供する。
【0009】
[0009]また、本発明の実施形態は、基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、この無電界処理チャンバの処理領域に位置されて、基板支持面を各々有する1つ以上の半径方向に離間された基板支持特徴部を有している回転可能な基板支持アセンブリと、上記処理領域に位置されるボウルアセンブリであって、上記1つ以上の半径方向に離間された基板支持特徴部及びそこに位置される流体を受け入れるように適応される流体体積部を形成する1つ以上の壁を有しているボウルアセンブリと、上記流体体積部、及び上記1つ以上の基板支持面に位置された基板と流体連通する流体源と、上記流体体積部に位置された流体と熱連通する流体ヒータと、を備えた無電界処理チャンバを提供する。
【0010】
[0010]また、本発明の実施形態は、基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、処理領域に位置されたプラテンアセンブリを備え、このプラテンアセンブリは、上流側及び下流側を有し且つその上流側と下流側との間に流体連通する複数の流体通路を有する流体拡散部材と、第1流体アパーチャーが貫通形成された第1ベース部材であって、この第1ベース部材が上記流体拡散部材にシール可能に位置され、且つ上記第1流体アパーチャーが上記流体拡散部材に形成された複数の流体通路の少なくとも1つと流体連通するような第1ベース部材と、第2流体アパーチャーが貫通形成された第2ベース部材であって、この第2ベース部材が上記流体拡散部材にシール可能に位置され、且つ上記第2流体アパーチャーが上記流体拡散部材に形成された複数の流体通路の少なくとも1つと流体連通するような第2ベース部材と、を含み、更に、処理領域に位置されて、基板支持面を有している回転可能な基板支持アセンブリであって、上記プラテンアセンブリに対して回転するように適応される回転可能な基板支持アセンブリも備えた無電界処理チャンバを提供する。
【0011】
[0011]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つか示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0012】
[0039]図1は、システム100の実施形態を示す。システム100は、基板収容カセットとインターフェイスするように構成された複数の基板ロードステーション134を備えたファクトリインターフェイス130を備えている。ファクトリインターフェイス130には、ファクトリインターフェイスロボット132が位置され、これは、基板ロードステーション134に位置されたカセットにアクセスして、そこへ及びそこから基板126を移送するように構成される。また、このファクトリインターフェイスロボット132は、ファクトリインターフェイス130をメインフレーム113に接続するリンクトンネル115へ延びている。ファクトリインターフェイスロボット132のこの位置は、基板ロードステーション134へアクセスして、そこから基板を回収し、次いで、メインフレーム113に位置された処理セル位置114、116の1つ或いはアニールチャンバ135へ基板126を配送するのを許容する。同様に、ファクトリインターフェイスロボット132は、基板処理シーケンスが完了した後に、処理セル位置又はアニールチャンバ135から基板126を回収するのにも使用できる。この状態では、ファクトリインターフェイスロボット132は、基板ロードステーション134に位置されたカセットの1つへ基板126を配送して戻し、システム100から取り出すことができる。
【0013】
[0040]また、ファクトリインターフェイス130は、システム100での処理の前及び/又は後に基板を点検するのに使用できる計測点検ステーション105も備えることができる。この計測点検ステーション105は、例えば、基板に堆積される材料の厚み、平坦さ、粒子構造、トポグラフィー等の特性を分析するのに使用できる。本発明の実施形態に使用できる計測点検ステーションは、例えば、BX−30アドバンスド・インターコネクト・メジャーメント・システム、及びCD−SEM又はDR−SEM点検ステーションを含み、これらは、全て、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインクから商業的に入手できるものである。また、計測点検ステーションの一例が、2003年10月21日に出願された「PlatingSystem with Integrated Substrate Inspection」と題する共通に譲渡された米国特許出願第60/513,310号に示されており、この出願は、本発明と矛盾しない程度に参考としてここにその全体を援用する。
【0014】
[0041]アニールチャンバ135は、一般に、2位置アニールチャンバで、冷却プレート136及び加熱プレート137が互いに隣接して位置され、それらの付近に、例えば、2つのステーション間に、基板移送ロボット140が位置されている。この基板移送ロボット140は、一般に、加熱プレート137と冷却プレート136との間で基板を移動するように構成される。システム100は、複数のアニールチャンバ135を備えてもよく、それらアニールチャンバ135をスタック構成としてもよい。更に、アニールチャンバ135は、リンクトンネル115からアクセスされるように位置されて示されているが、本発明の実施形態は、アニールチャンバ135の特定の構成又は配置に限定されない。従って、アニールチャンバ135は、メインフレーム113と直接連通するように位置され、即ちメインフレームロボット120によりアクセスされてもよいし、或いは又、アニールチャンバ135は、メインフレーム113と連通するように位置されてもよく、即ちアニールチャンバは、メインフレーム113と同じシステムに位置されるが、メインフレーム113に直接接触されず、即ちメインフレームロボット120からアクセスされなくてもよい。例えば、図1に示すように、アニールチャンバ135は、リンクトンネル115と直接連通するように位置されて、ロボット132及び/又は120を経てメインフレーム113へのアクセスを許容するようにしてもよい。アニールチャンバ135及びその動作の更なる説明は、2004年4月13日に出願された「TwoPosition Anneal Chamber」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/823,849号に見ることができ、この出願は、本発明と矛盾しない程度に参考としてここにその全体を援用する。
【0015】
[0042]メインフレーム113は、中央に位置されたメインフレームロボット120を備えている。このメインフレームロボット120は、一般に、基板を支持及び移送するように構成された1つ以上のブレード122、124を備えている。更に、メインフレームロボット120及びそれに付随するブレード122、124は、一般に、独立して延長し、回転し、枢着運動し、及び垂直に移動するように構成され、従って、メインフレームロボット120は、メインフレーム113に位置された複数の処理セル位置102、104、106、108、110、112、114、116へ同時に基板を挿入したりそこから基板を除去したりすることができる。同様に、ファクトリインターフェイスロボット132も、ファクトリインターフェイス130からメインフレーム113へと延びるロボットトラック150に沿って直線的に進行するのを許しながら、その基板支持ブレードを回転し、延長し、枢着運動し、及び垂直に移動する能力を備えている。
【0016】
[0043]一般に、処理セル位置102、104、106、108、110、112、114、116は、基板処理システムに使用されるいかなる数の処理セルでもよい。より詳細には、これらの処理セル又は位置は、電気化学的メッキセル、すすぎセル、ベベル洗浄セル、スピンすすぎ乾燥セル、基板面洗浄セル(これは、洗浄、すすぎ及びエッチングセルを集合的に含む)、無電界メッキセル(これは、前洗浄セル及び後洗浄セル、活性化セル、堆積セル等を含む)、計測点検ステーション、及び/又は堆積処理システム及び/又はプラットホームに関連して有利に使用できる他の処理セルとして構成されてもよい。
【0017】
[0044]各処理セル位置102、104、106、108、110、112、114、116及びロボット132、120の各々は、一般に、システムコントローラ111と通信し、このコントローラは、ユーザ及び/又はシステム100に位置された種々のセンサの両方から入力を受信し、それら入力及び/又は所定の処理レシピに基づいてシステム100のオペレーションを適切に制御するように構成されたマイクロプロセッサベースの制御システムでよい。コントローラ111は、一般に、メモリ装置(図示せず)及びCPU(図示せず)を備え、これらは、種々のプログラムを保有し、プログラムを処理し、また、必要に応じてプログラムを実行するために、コントローラ111により使用される。メモリは、CPUに接続されるもので、容易に入手できるメモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、或いは他の形式のデジタル記憶装置、ローカル又はリモート、の1つ以上でよい。CPUに命令するために、ソフトウェア命令及びデータをコード化してメモリ内に記憶することができる。また、プロセッサを従来のようにサポートするためにCPUにはサポート回路(図示せず)も接続される。これらサポート回路は、この技術で全て良く知られたキャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステム等を含むことができる。コントローラ111により読み取ることのできるプログラム(又はコンピュータ命令)は、処理チャンバにおいてどのタスクを実行できるか決定する。好ましくは、プログラムは、コントローラ111により読み取りできるソフトウェアであり、規定のルール及び入力データに基づいて無電界プロセスをモニタし、制御するための命令を含む。
【0018】
[0045]更に、処理セル位置102、104、106、108、110、112、114、116は、以下に述べる流体導入システム1200のような流体配送システムとも連通し、このシステムは、処理中に各処理セル位置へ必要な処理流体を供給するように構成される。一般に、流体配送システム(1つ又は複数)は、システムコントローラ111により制御される。処理流体配送システムの一例が、2003年5月14日に出願された「」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/438,624号に見ることができ、この出願は、本発明と矛盾しない程度に参考としてここにその全体を援用する。
【0019】
[0046]図1に例示されたシステム100では、処理セル位置102、104、106、108、110、112、114、116は、次のように構成することができる。処理セル位置114及び116は、メインフレーム113の湿式処理ステーションと、リンクトンネル115、アニールチャンバ135及びファクトリインターフェイス130における一般的な乾燥処理ステーション又は領域との間のインターフェイスとして構成することができる。このインターフェイスに置かれる処理セル位置114、116は、例えば、スピンすすぎ乾燥セル及び/又は基板洗浄セルでよい。処理セル位置114及び116の各々は、スピンすすぎ乾燥セル及び基板洗浄セルをスタック構成で含んでもよい。或いは又、処理セル位置114がスピンすすぎ乾燥セルを含む一方、処理セル位置116が基板洗浄セルを含んでもよい。更に別の実施形態では、セル位置114、116の各々がスピンすすぎ乾燥セル及び基板洗浄セルの組合せを含んでもよい。本発明の実施形態に使用できるスピンすすぎ乾燥セルの一例の詳細な説明が、2003年10月6日に出願された「SpinRinse Dry Cell」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/680,616号の見ることができ、この出願は、本発明と矛盾しない程度に参考としてここにその全体を援用する。
【0020】
[0047]処理セル位置106、108は、基板洗浄セルとして構成されてもよく、より詳細には、処理セル位置106、108は、基板ベベル洗浄セル、即ち堆積プロセスが完了された後に基板の周囲、及び任意であるが、背面から過剰堆積物を除去するように構成されたセル、として構成されてもよい。ベベル洗浄セルの一例が、2004年4月16日に出願された「IntegratedBevel Clean Chamber」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/826,492号に説明されており、この出願は、本発明と矛盾しない程度に参考としてここにその全体を援用する。本発明の実施形態は、更に、もし必要であれば、処理セル位置106、108をシステム100から省いてもよいことも意図する。更に、処理セル位置106、108は、以下に詳細に述べるように、無電界処理セル又はセル対として構成されてもよい。
【0021】
[0048]処理セル位置102、104及び110、112は、無電界処理セルとして構成されてもよい。これらの無電界処理セル位置102、104、110、112は、2つの処理セルが各処理エンクロージャー302に位置されるという構成で、メインフレーム113において処理エンクロージャー302内に位置されてもよく、即ち処理セル位置110及び112は、第1処理エンクロージャー302において第1及び第2の処理セルとして動作してもよく、また、処理セル位置102及び104は、第2処理エンクロージャー302において第3及び第4処理セルとして動作してもよい。更に上述したように、本発明の実施形態は、処理セル位置106及び108が、これら処理セル位置106、108の上に処理エンクロージャー302を位置させてもよいと共に、これら処理セル位置106、108が、必要に応じて、処理セル位置102、104、110、112と同様に動作するよう構成されてもよいことも意図している。
【0022】
[0049] 処理エンクロージャー302に位置された無電界処理セルは、メッキ又はメッキ支持セル、例えば、電気化学的メッキセル、無電界メッキセル、無電界活性化セル、及び/又は基板すすぎ又は洗浄セルを含んでもよい。ここに例示する無電界システム100では、システム100における各セル対の一方の流体処理セルが活性化セルとなり、また、その対の他方の処理セルが無電界堆積セルとなる。この構成は、一般に、システム100の反対側でも、反対の処理エンクロージャー302において複製される。例えば、本発明は、特定の構成に限定されないが、処理セル位置102は、無電界活性化セルとして構成されてもよく、一方、処理セル位置104は、無電界堆積セルとして構成される。同様に、処理セル位置112は、無電界活性化セルとして構成されてもよく、一方、処理セル位置110は、無電界堆積セルとして構成される。各処理エンクロージャー302における処理セルは、一般に、システムコントローラ111の制御のもとで互いに独立して動作する。
【0023】
[0050]図2は、無電界堆積システム100と、例えば、処理セル位置110、112に示されたエンクロージャー302とを例示する斜視図である。処理セル位置110、112のハードウェアは、明瞭化のために図2から省かれている。処理エンクロージャー302は、一対の処理セル位置110、112の周りの制御された処理環境を画成する。処理エンクロージャー302は、処理体積部を2つの実質的に等しいサイズの処理体積部312、313へと一般的に二分する中央内壁308を含むことができる。中央内壁308は任意であるが、これが実施されるときには、この中央内壁308は、一般に、処理セル位置110の上の第1処理体積部312と、処理セル位置112の上の第2処理体積部313とを形成する。これらの第1及び第2の処理体積部312、313は、中央内壁308により互いに実質的に分離されるが、中央内壁308の下部には、ノッチ即ちスロット310が形成される。このスロット310は、処理セル位置110、112間に位置される基板移送シャトル305を受け容れるサイズにされる。この基板移送シャトル305は、一般に、メインフレームロボット120の使用を必要とせずに、各処理セル間(110←→112)で基板を移送するように構成される。また、基板移送シャトル305は、真空チャック型の基板支持部材で、ある点の周りで枢着運動するように構成されて、基板移送シャトル305の遠方の基板支持端が矢印303(図1に示す)の方向に移動して、各処理セル位置110、112間で基板を移送することができる。また、処理体積部312、313の各々は、シール可能なアクセスポート304を含んでもよく、これは、メインフレームロボット120のようなロボットが各処理体積部312、313にアクセスして、基板をそこに挿入したり取り出したりするのを許容するように構成される。
【0024】
[0051]また、処理体積部312、313の各々は、各処理体積部312、313の上部に位置された環境制御アセンブリ315(図2には、明瞭化のために処理エンクロージャーとの接触から外れて示されている)も備えている。この環境制御アセンブリ315は、プロセスガス源(図示せず)を備え、これは、処理体積部312、313と流体連通すると共に、各処理体積部312、313へプロセスガスを供給するように構成される。このプロセスガス源は、一般に、窒素、ヘリウム、水素、アルゴン、及び/又はそれらの混合物、或いは半導体処理に通常使用される他のガスのような不活性ガスの制御された流れを各処理体積部312、313へ供給するように構成される。環境制御アセンブリ315は、更に、粒子濾過システム、例えば、高効率微粒子エア(HEPA)型濾過システムを備えている。この粒子濾過システムは、処理体積部312、313に入るガス流から汚染微粒子を除去するのに使用される。また、粒子濾過システムは、その下の処理セル位置に向かうプロセスガスの一般的に線形の等しい流れを発生するのに使用される。更に、環境制御アセンブリ315は、各処理体積部312、313における湿度、温度、圧力等を制御するように構成された装置を含んでもよい。システムコントローラ111は、環境制御アセンブリ及び排出ポート314の動作を、システム100の他のコンポーネント共に調整して、処理体積部312、313内の酸素含有量を、処理体積部312、313に位置されたセンサ又は検出器(図示せず)から受け取られる入力又は処理レシピのいずれかに基づいて制御するように使用されてもよい。
【0025】
[0052]動作中に、プロセスガスは、一般に、環境制御アセンブリ315により処理体積部312、313へ供給される。プロセスガスを各処理体積部312、313へ導入することは、包囲された処理環境の内部に不活性ガスを充填するように作用し、従って、無電界メッキプロセスの質低下を招くことのある例えば酸素のようなガスを処理体積部312、313の内部からパージする。一般に、プロセスガス源は、プロセスガスを、処理体積部312、313に向かって、処理セル位置110、112の上の処理体積部312、313の頂部又は上部付近に及び各処理体積部312、313の中央付近に導入する。プロセスガスは、一般に、空気随伴粒子を最小にすると共にプロセスガスの流量及び方向の両方を等化するように構成されたHEPA型濾過システムを通して処理体積部312、313へ導入され、ガスが処理セル位置に向かって均一に且つ連続する流量で流れるようにする。
【0026】
[0053]また、処理セル位置110、112の各々は、環境制御アセンブリ315内のガス供給源から処理セル位置110、112に向かいプロセスガスを容易に均一に流すように位置された少なくとも1つの排出ポート314(又は必要に応じて多数の半径方向に位置された排出ポート314)も備えている。この排出ポート314は、各処理セル位置110、112で処理される基板の下に位置されてもよいし、或いは排出ポート314は、各処理セル位置110、112から半径方向外方に位置されてもよい。その位置に関わりなく、排出ポート314は、各処理セル位置110、112から流体及び化学的蒸気を任意に抜きながら、プロセスガスを容易に均一に流すように構成される。
【0027】
[0054]処理体積部312、313へ不活性ガスを供給するための典型的なプロセスは、約10slm乃至約300slm、又はより詳細には、約12slm乃至約80slmの流量で不活性ガスを供給することを含む。一般に、流量は、発生され又は存在し又は処理体積部へと漏れる望ましからぬガスの量を最小にするに充分なものでなければならない。各処理体積部312、313が閉じたとき、即ちアクセスポート304が閉じたときには、不活性ガスの流量を減少してもよい。アクセスポート304が開いたとき、即ち基板を処理エンクロージャー302へ又はそこから移送するときには、プロセスガスの流量を増加して、処理エンクロージャー302からのガスの流出を生じさせる。このガスの流出は、周囲ガス、特に、酸素が、処理エンクロージャーの内部へ入り込むのを防止するように構成される。アクセスポート304が閉じると、プロセスガスの流量を、基板の処理を受け容れる流量へと減少してもよい。この流量を、基板の処理を開始する前に、ある時間周期中維持して、到来する酸素を処理シーケンスの開始前に処理体積部312、313から除去することができる。排出ポート314は、プロセスガス供給源と協働作用して、処理体積部312、313から酸素を除去する。排出ポート314は、一般に、標準的な製造ファシリティ排出システムと連通し、プロセスガスを処理体積部312、313から除去するように使用される。本発明の別の実施形態では、処理体積部312、313は、この処理体積部312、313と流体連通して位置された真空ポンプを備えてもよい。この真空ポンプは、処理体積部312、313における望ましからぬガスの存在を更に減少するように使用できる。排出構成又はポンプ構成に関わらず、環境制御アセンブリ315は、一般に、処理体積部312、313の内部の酸素含有量を、基板処理中に約500ppmより低く、より詳細には、基板処理中に約100ppmより低く維持するように構成される。
【0028】
[0055]また、環境制御アセンブリ315、排出ポート314、及びシステムコントローラ111を組み合せることで、システム100が特定の処理ステップ中に処理体積部312、313の酸素含有量を制御できるようにし、ここで、1つの処理ステップは、最適な結果のために第1酸素含有量を必要とするものであり、第2処理ステップは、最適な結果のために第2酸素含有量を必要とするものであり、更に、これら第1及び第2酸素含有量は互いに異なるものである。酸素含有量に加えて、システムコントローラ111は、特定の処理シーケンスに対して望まれる処理エンクロージャーの他のパラメータ、例えば、温度、湿度、圧力等を制御するように構成されてもよい。これら特定のパラメータは、ヒータ、冷却装置、加湿器、除湿器、真空ポンプ、ガス源、エアフィルタ、ファン等により変更することができ、これらは、全て、環境制御アセンブリ315に含まれて、処理体積部312、313と流体連通するように位置され、且つシステムコントローラ111により制御することができる。
【0029】
[0056]処理体積部312、313は、一般に、無電界メッキプロセスを容易にするサイズとされ、即ち処理体積部312、313は、環境制御アセンブリ315のガス供給源が処理ステップ中に低い酸素含有量(一般に、約500ppm未満、又はより詳細には、約100ppm未満)を維持できる一方、処理体積部312、313を蒸気飽和させずに体積部内の流体溶液の蒸発を支援するに充分な体積を許容するようなサイズとされる。蒸気飽和を防止するのに一般に必要とされるヘッドスペースの体積について、本発明者は、各処理位置110、112に対するヘッドスペースが、一般に、300mm基板の処理位置に対して約1000立方インチ乃至約5000立方インチであることが分かった。従って、300mm基板の処理用に構成されたときの本発明の処理体積部312、313のヘッドスペースは、一般に、例えば、約1500平方インチ乃至5000平方インチ、又は約2000平方インチ乃至約4000平方インチ、或いは約2000平方インチ乃至約3000平方インチとなる。従って、処理位置のエリアにわたり処理セル位置110、112の1つに位置された基板の上面から処理体積部312、313の頂部へ至る垂直方向距離(この体積を一般にヘッドスペースと称する)は、一般に、約6インチ乃至約40インチの高さで、且つ処理位置110、112の直径又は断面積を有する。より詳細には、ヘッドスペースは、高さが約12インチ乃至約36インチでよく、処理体積部312、313の水平方向寸法は、一般に、各処理セル位置110、112の周囲を近似し、これらは、一般に、各処理セル位置110、112で処理される基板の直径より約10%ないし約50%大きいサイズとされる。これらの寸法は、本発明の装置の動作にとって重要である。というのは、それより小さい処理体積部は、蒸気飽和を生じる傾向があって、無電界メッキプロセスに否定的な影響を及ぼすことが示されているからである。従って、本発明者は、蒸気飽和及びそれに関連し得る欠陥を防止するためには、充分なヘッドスペース(処理位置の断面積が基板からエンクロージャーの頂部までの距離にわたる)が重要であると決定した。
【0030】
[0057]処理体積部312、313は、一般に、互いに分離されるが、スロット310は、一方の処理体積部のガスが隣接処理体積部へ通過するのを許容する。従って、本発明の実施形態は、一方の処理体積部に、隣接処理体積部より高い圧力を与える。この圧力差は、各処理体積部312、313間の混和(crosstalk)に対する制御を許容する。というのは、圧力差が維持された場合には、処理体積部間のガス流が同じ方向及び同じ流量となるからである。従って、処理セルの一方は、活性化セルのような冷たい処理セルとして構成することができ、また、他方の処理セルは、無電界堆積セルのような加熱処理セルとして構成することができる。この実施形態では、加熱処理セルが高い圧力に加圧され、従って、加熱流体処理セルは、常に、スロット310を通して冷たい流体処理セルへガスを流す。この構成は、冷たい処理セルが加熱処理セルの温度を下げるのを防止する。というのは、加熱処理セル、即ち無電界堆積セルの方が、一般に、温度変動の結果として、冷たい流体処理セル、即ち活性化セルより、欠陥を受け易いからである。
【0031】
[0058]別の実施形態では、各処理体積部312、313は、中央内壁308により互いに完全に分離されてもよく、即ち基板移送シャトル305及びスロット310が除去されてもよい。この実施形態では、メインフレームロボット120を使用して、各アクセスポート304を経てその分離された処理体積部312、313の各々にサービスし又はそこにアクセスすることができると共に、メインフレームロボットを操作して、各処理体積部312、313間で基板を移送することができる。
【0032】
[0059]図3は、処理エンクロージャー302を除去した状態で堆積ステーション400を例示する斜視図である。堆積ステーション400は、一般に、図1及び2に示された処理セルの実施形態を表わす。堆積ステーション400に示された処理セルは、無電界活性化ステーション402及び無電界堆積ステーション404でよい。これらステーション402、404間には基板移送シャトル305が位置され、これは、各ステーション402、404間で基板を移送するように構成される。ステーション402、404の各々は、回転可能な基板支持アセンブリ414を備え、これは、基板401を各ステーションにおいてフェースアップした向きで処理するよう支持する構成とされ、即ち基板401の処理面は、基板支持アセンブリ414から離れた方を向く。図3において、ステーション402は、基板401が基板支持アセンブリ414上に示されておらず、一方、ステーション404は、基板401が基板支持アセンブリ414上に支持され、各ステーションをロード状態及び空き状態の両方で示している。一般に、各ステーション402、404のハードウェア構成は同じであるが、本発明の実施形態は、ステーション402、404が同一のハードウェアを有するような構成に限定されない。例えば、本発明者は、堆積ステーション404が、ここに詳細に説明するプラテンアセンブリ403を有してもよく、一方、無電界活性化ステーション402は、プラテンアセンブリ403をもたずに構成されてもよいことを意図する。
【0033】
[0060]図4の断面図にも示された基板支持アセンブリ414は、複数の垂直方向に延びる基板支持フィンガー412が延び出しているリング411を備えている。基板支持フィンガー412は、図3の処理位置404に及び図4の断面図に一般的に示されたように、基板401の縁又はベベルを支持するように構成された水平上面を一般に含む。基板支持フィンガー412は、更に、各支持フィンガー412に基板401をセンタリングするように位置された垂直ポスト部材415を含んでもよい。基板支持アセンブリ414は、更に、図4に示され且つそれを参照してここに詳細に述べるリフトアセンブリ413も備え、これは、リング411、ひいては、支持フィンガー412を垂直方向に操作して、基板401を各ステーション402、404へロードしたりアンロードしたりするように構成される。
【0034】
[0061]ステーション402、404の各々は、処理中に基板401の上へ枢着回転して基板401の前側即ち製造面に処理流体を吐出(dispense)するように構成されたディスペンスアーム406、408を備えている。また、この流体ディスペンスアーム406、408は、基板に対して垂直方向に位置されるように構成されてもよく、即ちディスペンスアーム406、408の流体吐出部分は、処理されている基板401の表面から、約0.5mm乃至約30mm、又はより詳細には、約5mm乃至約15mm、或いは約4mm乃至約10mmに位置されてもよい。ディスペンスアーム406、408の流体吐出部分の垂直及び/又は角度位置は、基板の処理中に、必要に応じて調整されてもよい。ディスペンスアーム406、408は、2つ以上の流体コンジットを含んでもよく、従って、ディスペンスアーム406、408は、そこから多数の処理流体を基板401に吐出するように構成されてもよい。一実施形態では、図9及び図9A−Bを参照して以下に述べる1つ以上の流体導入システム1200がディスペンスアーム406及び/又は408に接続され、処理流体を基板401の面に配送する。
【0035】
[0062]ディスペンスアーム406又は408のいずれかのアームにより吐出できる溶液は、例えば、すすぎ溶液、洗浄溶液、活性化溶液、無電界メッキ溶液、及び無電界堆積プロセスをサポートするのに必要な他の流体溶液を含む。更に、各ディスペンスアーム406、408の流体コンジット(図示せず)を加熱/冷却して、そこから吐出される流体の温度を制御することができる。アームのコンジットの加熱/冷却は、流体が基板へと吐出される前に冷える時間がないという効果を与える。それ故、この構成は、温度に依存する無電界堆積の均一性を改善するように働く。更に、本発明の実施形態では、流体ディスペンスアーム406、408の終端、即ち処理流体が吐出される場所が、移動可能に位置される。従って、ディスペンスアーム406、408の流体吐出部分と基板面との間の間隔を調整することができる。この間隔は、処理溶液の飛散を最小にするように働き、且つ基板の製造面に対する流体吐出動作の位置付けを制御するのを許容する。
【0036】
[0063]図4は、一対の処理ステーション402、404を例示する断面図である。また、図4の断面図は、図2を参照して上述したように、中央内壁308により分割される第1及び第2の処理体積部312、313を画成する処理エンクロージャー302も示している。処理ステーション402、404の各々は、処理中に基板の真下に位置されるように構成された実質的に水平の上面を形成する基板処理プラテンアセンブリ403を備えている。図5Aの詳細な断面図にも示されたこのプラテンアセンブリ403は、ベースプレート部材417の上に位置された流体拡散部材405を集合的に備え、流体拡散部材405及びベースプレート部材417は、それらの間に流体体積部410を形成する。
【0037】
[0064]図4及び図5Aを参照すれば、流体供給コンジット409は、流体体積部410及び流体拡散部材405と流体連通するように位置される。1つの態様において、脱イオン(DI)水源又は不活性ガス源のような流体源409Bは、流体供給コンジット409を通して流体体積部410へ流体を配送するように適応される。別の態様では、流体源409Bから配送される流体は、流体体積部410に入る前にこの流体を流体ヒータ409Aに通すことにより、加熱されてもよい。流体ヒータ409Aは、流体体積部410へ配送される流体の温度を制御するように使用される。流体ヒータ409Aは、温度制御される流体にエネルギーを与えるいかなる形式の装置でもよい。ヒータは、浸漬型ヒータ(例えば、ヒータ素子が溶液に接触する)ではなく、ジャケット被覆された形式の抵抗ヒータ(例えば、ヒータが入口管路の壁を通して流体を加熱する)であるのが好ましい。コントローラ111及び温度プローブ(図示せず)に関連して使用される流体ヒータ409Aは、流体体積部410に入る流体の温度が希望の温度であることを保証するように使用できる。
【0038】
[0065]1つの態様において、ベースプレート部材417には、任意の流体流バッフル416が取り付けられ、これは、流体供給コンジット409の終端と流体拡散部材405の下面との間で流体体積部410に位置される。この流体バッフル416は、流体源409B及び流体ヒータ409Aから配送された温度制御された流体を流体拡散部材405へ均一に配送するのを許容するように適応される。
【0039】
[0066]ベースプレート部材417及び流体拡散部材405は、セラミック材料(例えば、完全にプレスされた窒化アルミニウム、アルミナAl、炭化シリコン(SiC))、ポリマー被覆金属(例えば、TeflonTMポリマー被覆アルミニウム又はステンレススチール)、ポリマー材料、又は半導体流体処理に適した他の材料から製造することができる。好ましいポリマー被覆又はポリマー材料は、フッ素処理されたポリマー、例えば、Tefzel(ETFE)、Halar(ECTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等である。本発明の流体処理セル500の構成、要素及び動作の更に詳細な説明は、2003年10月6日に出願された「Apparatusto Improve Wafer Temperature Uniformity for Face-up Wet Processing」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/680,325号に見ることができ、この出願は、本発明と矛盾しない程度に参考としてここにその全体を援用する。
【0040】
[0067]図5Aを参照すれば、動作中に、基板401は、支持フィンガー412により固定され、垂直方向に流体拡散部材405のすぐ上に位置される。流体拡散部材405と基板401との間のスペース450には、流体源409B及び流体ヒータ409Aから配送された温度制御された流体が充填され、これは、流体供給コンジット409及び流体拡散部材405を通して吐出される。この温度制御された流体は、基板401の背面に接触し、そこに熱を伝達して基板を加熱する。この実施形態では、基板は、流体拡散部材405の上面に対して平行関係で、流体拡散部材405の上面から約0.1mm乃至約15mm離れて、より詳細には、流体拡散部材405の上面から約0.5mm乃至約2mm離れて、一般的に位置される。1つの態様において、基板401は、基板支持アセンブリ414に取り付けられた支持モータ443(図4)の使用により、拡散部材405及びそこから流れる温度制御される流体に対して回転される。流体拡散部材405及び温度制御された流体に対する基板401の回転は、温度制御された流体と基板401との間の熱伝達を改善するのに効果的である。
【0041】
[0068]別の実施形態では、プラテンアセンブリ403の内部に、抵抗形式のヒータでよいヒータ433を含むことができ、これは、プラテンアセンブリ403の温度を増加して、処理されている基板401へ熱を伝達するように構成される。1つの態様では、流体供給源409B及び流体ヒータ409Aは、温度制御された流体を、流体供給コンジット409を通して配送し、その後に流体が支持フィンガー412に位置された基板401に接触するように構成されてもよい。この構成では、ヒータ(例えば、素子433及び409A)がシステムコントローラ111と通信し、システムコントローラ111が各ヒータの動作を調整して、温度制御される流体及び処理されている基板の温度を制御することができる。
【0042】
[0069]流体拡散部材405には、複数のホール407が貫通形成されて、流体拡散部材405の下流側即ち頂面453を、流体拡散部材405の下面即ち上流側405Aに接続している。流体拡散部材405周辺部は、一般に、ベースプレート部材417とシール状態で連通し、従って、流体は、流体供給コンジット409により流体体積部410へ導入され、この流体導入によりシール状態の流体体積部410に発生する流体背圧圧力の結果として、流体拡散部材405に形成されたホール407を経て均一に流れるようにされ得る。従って、流体体積部410は、流体拡散部材405の上流側405Aと、ベースプレート部材417の内面417Aとで包囲される。
【0043】
[0070]一実施形態では、流体拡散部材405は、約10乃至約200個のホール407を含んでもよく、これらホールは、一般に、直径が約0.5mm乃至約15mm、又はより詳細には、直径が約0.7mm乃至約3mmである。ホール407は、垂直方向に位置されてもよいし、或いは又流体拡散部材405の頂面453に対してある角度で位置されてもよい。また、ホール407は、流体拡散部材405の面を横切る外向きの流体流パターンを促進するために、垂直から約5°乃至約45°の角度に位置されてもよい。更に、角度付けされたホール407は、流体の乱流を減少するように構成することもできる。
【0044】
[0071]図5Bは、支持フィンガー412に位置された基板の面にわたる温度制御された流体の分布均一性を改善するために複数の多小面付き(multifaceted)ホール452及びダム451を有する流体拡散部材405の別の実施形態を示す。図5B−図5Dに示すように、一実施形態では、多小面付きホール452は、その入口区分452Aの直径(図5CのエレメントD)がその出口区分452Bの直径(図5CのエレメントD)より小さくされている。この構成では、多小面付きホール452の小さい入口区分452Aは、多小面付きホール452を通る流れを制限して、流体拡散部材405及び基板の面にわたる流れの均一性を改善するサイズとされる。更に、出口区分452Bを出る温度制御された流体の速度を減少すると共に、流体拡散部材405の頂面453(図5C)即ち下流側の表面積も減少するために、出口区分452B(アイテム#D)は、入口区分452A(アイテム#D)より大きくされる。頂面453の表面積の、この減少は、流動する温度制御された流体と接触しないエリア即ち「乾燥領域」を基板の背面に形成する機会を減少するので、効果的であることが分かった。これら「乾燥領域」の形成は、流動する温度制御された流体の表面張力と、温度制御された流体が基板面及び/又は流体拡散部材405の頂面453を「濡らす」能力とにより影響されると考えられる。1つの態様において、流体が頂面を「濡らす」能力を改善するために、流体拡散部材405の頂面453を、約1.6マイクロメータ(μm)乃至約20マイクロメータ(μm)の粗面度(R)に粗面化することが望まれてもよい。「乾燥領域」が充分に大きい場合には、基板にわたる温度均一性は、温度制御された流体から基板へ伝達される熱の欠如により影響され、ひいては、堆積プロセスの結果に影響を及ぼす。1つの態様において、頂面453は、ビードブラスティング又は砂粒ブラスティングプロセスの使用により粗面化される。上記説明では「直径」を有するホールの使用について述べたが、多小面付きホールの他の実施形態は、拡散部材405を貫通する一定又は可変断面積を有する他の形状の領域(例えば、方形、八角形等)の使用も意図している。本発明の1つの態様において、多小面付きホール452のサイズ及び形状は、希望の流体カバレージ、熱伝達プロフィール及び/又はプロセス結果を得るように、拡散部材405の面にわたって変更し得る。
【0045】
[0072]ダム451即ち「持ち上がった部分」は、流体拡散部材405の頂面453の上に突出する環状リングであり、流動する温度制御された流体(図5Bのアイテム“A”)が基板と頂面453との間に形成されたスペース450を出るときにその流れを収集して限定するように一般的に使用される。従って、ダム451は、「乾燥領域」の形成を最小にするか又は排除するように使用される。というのは、多小面付きホール452を出る温度制御された流体を収集した後に、それがダム451を越えて流れるようにするからである。従って、ダム451は、温度制御された流体を、流体拡散部材405の頂面453に保持し、又は「貯留」させる傾向がある。図5Cを参照すれば、1つの態様において、ダム451は、頂面453の上に距離「X」突出し、ここで、距離「X」は、約0.5mm乃至約25mmである。
【0046】
[0073]また、図5Cは、図5Bに示す断面図の縁を拡大した図である。プラテンアセンブリ403の1つの態様において、ダム451及び流体拡散部材405の外径D(即ち外面)は、基板の直径(アイテム#D)より小さい。この構成が望ましいのは、基板の頂面(アイテム#W)に吐出された流体が温度制御された流体に接触する機会を最小にし、基板の頂面に吐出された流体の成分が基板の背面(アイテム#W)を汚染しないよう保つからである。
【0047】
[0074]図5Cは、上述したように入口区分452A及び出口区分452Bの2つの特徴部を有する多小面付きホール452を距離「L」だけ等離間して含むプラテンアセンブリ403の一実施形態を示す。図5Cに示すように、入口区分452Aは、深さがHであり、出口区分452Bは、深さがHである。図5Dは、入口区分452Aから出口区分452Bへより穏やかに移行するように面(アイテム#454A−C)が互いに直角ではない多小面付きホール542を有する流体拡散部材405の別の実施形態を示す。例えば、一実施形態において、面454Bとホールの中心線との間の角度を約60°にするのが効果的である。図5Dに示す面(図示されたアイテム#454A−C)の数と、面の形状(即ち直線的又は非直線的(例えば、指数関数、二次曲線、等))は、本発明の範囲を限定することを意図していない。図5C−Dは、同軸的な特徴部、例えば、対称軸が一致する特徴部を有する多小面付きホールを示しているが、他の実施形態は、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、対称的でないか又は一致する対称の中心をもたない特徴部を有してもよい。
【0048】
[0075]図5Eは、プラテンアセンブリ403の等寸断面図で、流体拡散部材405にわたる多小面付きホールパターンの一実施形態を示す。図5Eに示す一実施形態では、多小面付きホール452のパターンは、方形タイプのホールパターン(例えば、LxL)に配列されている。他の実施形態では、流体拡散部材405は、基板にわたる温度プロフィールを改善又は調整して、基板面で実行される無電界堆積プロセスの均一性を改善するために、六角形の密接パックパターン(即ち、単一のホールの周りに6つの等離間されたホールがある繰り返しパターン)、長方形ホールパターン、半径方向対称的ホールパターン、及び/又は他の非均一ホールパターンで配列されたホールのアレイを有するセクタ、象限又は全面を有してもよい。
【0049】
[0076]図5Fは、流体体積部410を2つのゾーンに分割して、これらゾーンが、異なる温度の1つ以上の温度制御された流体を流体拡散部材405と基板401との間のスペース450へ配送できるようにするプラテンアセンブリ403の一実施形態を示す断面図である。この構成は、基板にわたり希望の温度プロフィールを達成し、ひいては、無電界堆積プロセスの希望の結果を達成するのに有用であろう。この構成では、プラテンアセンブリ403は、第1ゾーンハードウェアアセンブリ447と、第2ゾーンハードウェアアセンブリ448とを含んでもよい。第1ゾーンハードウェアアセンブリ447は、第1流体供給コンジット446Aと、第1流体ヒータ446Bと、第1流体源446Cと、第1ベース部材446Dとを含んでもよい。第2ゾーンハードウェアアセンブリ447は、第2流体供給コンジット445Aと、第2流体ヒータ445Bと、第2流体源445Cと、第2ベース部材445Dとを含んでもよい。図5Fに示す構成では、第2ベース部材445Dは、図5A及び図7に示すベース部材417である。1つの態様において、第1ゾーンハードウェアアセンブリ447は、第1の温度制御された流体(エレメント“B”)を配送するように構成され、また、第2ゾーンハードウェアアセンブリ448は、第2の温度制御された流体(エレメント“A”)を、支持フィンガー412に位置された基板401へ配送するように構成され、ここで、第1及び第2の温度制御された流体は、異なる温度である。本発明の別の実施形態において、プラテンアセンブリ403の内部は、第1ゾーンハードウェアアセンブリ447の第1ベース部材446D及び/又は第2ゾーンハードウェアアセンブリ448の第2ベース部材445Dにおける流体の温度を上昇するように適応される1つ以上の抵抗形式のヒータ(図示せず)を含んでもよい。この構成では、ヒータ(例えば、抵抗ヒータ、エレメント445B、エレメント446B)は、システムコントローラ111と通信し、このシステムコントローラ111は、各ヒータの動作を調整して、温度制御される流体、ひいては、処理される基板の温度を制御することができる。図5Fは、2つのゾーンを含むプラテンアセンブリ403の一実施形態を示しているが、本発明の他の実施形態では、流体体積部410を3つ以上のゾーンに分割し、これらゾーンが基板に接触する流体の温度を別々に制御できることが望まれる場合もある。1つの態様において、個別の加熱流体が、個々のホール407又はそのグループを経て基板の背面の異なるエリアへ供給され、従って、個々のホール407の位置及び個々のホール407を経て流れる加熱流体の温度の結果として基板にわたる温度変動の制御を与える。この実施形態は、例えば、処理中に基板の中心又は縁付近に高い温度を発生するのに使用できる。
【0050】
[0077]本発明の別の実施形態において、流体拡散部材405は、流体が貫通して流れるのを許容するように構成された例えば多孔性セラミックのような多孔性材料で構成されてもよい。1つの態様において、多孔性セラミック材料は、例えば、アルミナ酸化物材料である。この実施形態では、ホール407が一般的に要求されないが、本発明者は、必要に応じて流体流量を増加するために、多孔性の流体拡散部材405に関連して幾つかのホール407を実施することも意図している。1つの態様において、流体拡散部材405は、多孔性プラスチック材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVDF、PTFE、Teflon、又は他の適合し得る多孔性プラスチック材料で構成されてもよい。親水性の表面を有するプラスチック材料は、流体拡散部材405の面の「濡れ」を促進するために効果的であろう。
【0051】
[0078]一実施形態において、流体拡散部材405は、寸法が約0.1マイクロメータから約500マイクロメータの孔をもつように設計される。流体拡散部材405を通る流体の流れ抵抗は、流れ流体拡散部材405を通して流体が進行する距離の関数であるから、流体拡散部材405の垂直方向高さを変更して、希望の流体流れ特性を与えることができる。
【0052】
[0079]図4及び7を参照すれば、処理のために基板を位置させるプロセスは、一般に、リフトアセンブリ413をロード位置と処理位置との間で移動することを含む。リフトアセンブリ413は、図4の左側処理ステーション402ではロード位置で示されており、ここで、リフトアセンブリは、垂直位置にあって、支持フィンガー412が上部キャッチリング418の上に延びている。この位置では、ディスペンスアーム406が垂直方向に支持フィンガー412の上に離間され、基板401をロードするのを許容する。ディスペンスアーム406(及び無電界堆積システムの他の流体ディスペンスアーム)は、上部アーム部材425を伸縮自在に受け入れる固定ベース部材426を備えている。駆動モータは、その上部アーム部材425をベース部材426に対して伸縮自在に移動して、ディスペンスアーム406の垂直位置を調整する。基板401は、メインフレームロボット120又は基板移送シャトル305により支持フィンガー412の上に位置され、次いで、支持フィンガー412を垂直方向に操作して基板401を各ロボット/シャトル120、305から移動することができる。基板401が支持フィンガー412によりロボット/シャトル120、305より上に支持されると、ロボット/シャトル120、305を基板401の下から除去できると共に、支持フィンガー412を処理位置へ下げることができる。
【0053】
[0080]リフトアセンブリ413は、図4の右側の処理ステーション404では処理位置で示されており、ここでは、リフトアセンブリ413は、支持フィンガー412が基板401をキャッチリング418、419の1つの付近の垂直位置に位置づけるように、垂直方向に位置される。処理位置では、図4の処理ステーション404に示されたように、流体ディスペンスアーム408が下げられて、基板401の上面付近に位置される。リフトアセンブリ413は、該リフトアセンブリ413及びこれに取り付けられたコンポーネントを垂直方向に操作するように構成された動力ジャッキスクリューアセンブリ427により一般的に操作される。より詳細には、流体処理セルの下部がリフトアセンブリ413に取り付けられ、それと協働して移動する。処理セルの下部は、一般に、基板支持アセンブリ414(支持フィンガー412及びリング411を含む)、下部のインターリーブ壁424、及び排出ポート314を備えている。
【0054】
[0081]図4及び図7を参照すれば、一実施形態において、プラテンアセンブリ403は、静止したままであり、リフトアセンブリ413のコンポーネント(例えば、支持フィンガー412、リング411)と共に移動しない。この構成では、ベースプレート部材417及び流体拡散部材405に接続されたベースプレート支持体442は、1つ以上の構造上の支持体(図示せず)を介してメインフレーム113に装着される。従って、この実施形態では、ベースプレート支持体442、ベースプレート部材417及び流体拡散部材405は、基板リフトアセンブリ413が基板支持アセンブリ414を持ち上げるときに並進移動せず、又は支持モータ443が基板支持アセンブリ414を回転するときに回転しない。1つの態様において、基板支持アセンブリ414は、1つ以上のベアリング(図示せず、図9のエレメント1054A−Bを参照)を使用して、ベースプレート支持体442に整列され、また、それらベアリングは、基板支持アセンブリ414のコンポーネントをベースプレート支持体442に対して支持し且つガイドする。この実施形態は効果的である。というのは、ベースプレート部材417及び流体拡散部材405の回転が要求されると、一般的に信頼性が低く且つ粒子を発生する回転流体シール(図示せず)の使用が必要になり、デバイス収率性能にとって有害となり得るからである。1つの態様において、ベースプレート支持体442は、電気ワイヤ(図示せず)及び流体供給コンジット(1つ又は複数)409(図5A及び7)も収容する。
【0055】
[0082]図6を参照すれば、基板支持アセンブリ414は、一般に、支持フィンガー412、垂直ポスト部材415、基板支持面415A、及びリング411を備えている。基板支持面415Aにのせられた基板は、垂直ポスト部材415により捕獲され又は保持される。本発明の1つの態様において、基板支持アセンブリ414は、種々のコンポーネントの熱膨張が、基板支持面415Aにのせられた基板を保持するための基板支持アセンブリ414の能力に影響しないように、設計される。基板支持アセンブリ414の熱膨張は、垂直ポスト部材415間にのせられる基板の置き違え及び/又はダメージを招くことがある。熱膨張を減少する1つの方法は、熱膨張係数の低い材料、例えば、タングステン、アルミナ又は炭化ホウ素を使用して基板支持アセンブリ414を設計することである。別の態様において、リング411は、支持フィンガー412及び垂直ポスト部材415の移動を最小にする幾何学形状をもつように設計されてもよい。
【0056】
[0083]図4及び図7を参照すれば、各処理ステーション402、404の下部は、複数のインターリーブ壁アセンブリ422を各々備えている。このインターリーブ壁アセンブリ422は、図4の位置402に示されたロード位置と、図4の位置404に示された処理位置との間でリフトアセンブリ413と協働して移動するように構成される。インターリーブ壁アセンブリ422は、一般に、メインフレーム113に堅牢に取り付けられた上部インターリーブ壁423と、リフトアセンブリ413に取り付けられてそれと共に移動するように構成された下部インターリーブ壁424とを備えている。下部インターリーブ壁424(より詳細には、セルに最も接近して位置された最も内側の一対のインターリーブ壁424)には、脱イオン水のような流体を充填することができ、これは、処理ステーション402、404の下部を包囲環境の外側の環境からシールするように働く。脱イオン水は、一般に、例えば、従来の「ドリップ」メカニズムを通して下部インターリーブ壁424間のスペースへ連続的に供給される。流体シールのインターリーブ壁アセンブリ422を使用すると、本発明の処理ステーション402、404は、信頼性の高いシールを形成すると共に、構造体が回転し及び直線的に移動する間に単一のシール428でシールする必要性を除去するのを許容する。従来の用途では、共通のガイドシャフトに位置された回転及び直線の両シールとして働くシールを使用することが一般的である。インターリーブ壁アセンブリ422は、図7に示すシール428が、単に回転用シールであり、流体処理システムにおいて確実に動作することがしばしば困難な回転シール及び垂直スライドシールの組合せでないことを許容する。
【0057】
[0084]上述したように、ステーション402、404の各々は、図4、5及び7に示すように、上部キャッチリング418及び下部流体キャッチリング419を含んでもよい。各キャッチリング418、419は、一般に、各ステーション402、404の内壁から内方及び上方に延びる環形状の部材で構成される。リング418、419は、セルの内壁に取り付けられてもよいし、或いはセルの内壁の一体的部分であってもよい。キャッチリング418、419の内終縁421a、421bは、一般に、その直径が、処理されている基板401の直径より約5mm乃至約50mm大きいサイズにされる。従って、基板401は、処理中に各リング418、419を通して垂直方向に上昇及び下降することができる。更に、キャッチリング418、419の各々は、これら流体キャッチリング418、419(図7)に到着する処理流体を収集するように各々構成された流体ドレイン420a、420bも備えている。これらの流体ドレイン420a、420bは、図7に示すように、排出ポート314と流体連通する。排出ポート314は、分離ボックス429(図4)へ接続され、ここで、ガス及び流体を互いに分離することができる。分離ボックス429は、この分離ボックス429の上部に位置されたガス排出ポート430と、このボックスの下部に位置された流体ドレイン431とを備えている。分離ボックス429は、更に、キャッチリング418の流体ドレイン420a又はキャッチリング419の流体ドレイン420bに収集された処理流体を、収集及び再使用のための回収装置(図示せず)へ配送するように構成された再捕獲ポート432(図4)も備えている。
【0058】
[0085]図7を参照すれば、キャッチリング418及び419は、各処理ステーション402、404内の多数の垂直方向位置で基板401の流体処理を許容するように構成される。例えば、1つの位置において、基板401は、該基板401の上面が第1の流体処理ステップのために上部キャッチリング418の終縁421aの若干上に位置されるように配置できる。この構成では、第1処理流体をディスペンスアーム406、408により基板401に吐出しながら、基板支持アセンブリ414、ひいては、基板401を、支持モータ443を使用して、約5rpm乃至約120rpmの速度で回転することができる。基板401の回転は、基板に吐出された流体を基板から半径方向外方に流動させる。流体は、基板の縁を越えて流れると、外方及び下方に進行し、上部キャッチリング418に受け取られる。流体は、流体ドレイン420aにより捕獲され、再捕獲ポート432へ送られるか、又はもし必要であれば、その後の処理のために再循環されてもよい。第1の流体処理ステップが完了すると、基板401は、第2の処理位置へと垂直方向に移動され、そこで、基板401の上面を、第2の流体処理ステップのために下部流体キャッチリング419の終端421bの若干上に位置することができる。基板401は、この構成では、第1の流体処理ステップと同様に処理され、そのプロセスに使用された流体を流体ドレイン420bにより収集することができる。この構成の効果は、単一の処理ステーションにおいて多数の流体処理化学物質を使用してもよいことである。更に、独立した流体ドレイン420a、420bを各々有する個別の流体キャッチリング418、419が、非適合性処理流体の個別の収集を許容するので、流体処理化学物質は適合性のものでも又は非適合性のものでもよい。
【0059】
[0086]図8Aは、本発明の種々の態様を実行するように適応できる流体処理チャンバ800を例示する断面図である。この流体処理チャンバ800は、図1に示された処理セル位置102、104、106、108、110、112、114、116のいずれの1つに位置されてもよい。或いは又、流体処理チャンバ800は、スタンドアローンのメッキセルとして実施されてもよいし、又は別の基板処理プラットホームに関連して実施されてもよい。また、流体処理チャンバ800は、一般に、頂部(任意のもので、図示されていない)、側壁10及びベース27を含む処理コンパートメント28を備えている。円形側壁を有すると共に底部4Cの中央にアパーチャー4Aを有するボウル4が、一般的に、ベース27の中央位置に配置される。スピンドル13が一般にボウル4のアパーチャー4Aに配置される。ボウル4のアパーチャー4A内に位置されたスピンドル13には、複数の基板支持フィンガー18が接続される。これら基板支持フィンガー18は、摩擦によるか、及び/又は基板Wの基板背面W2に真空を付与することで基板を「チャック」することにより、基板Wを保持するように構成される。スピンドル13及び基板支持フィンガー18は、リニアスライダ30の使用によりボウル4に対して上昇又は下降することができる。図8Aに示すように、処理位置にあるときには、基板支持フィンガー18に保持された基板Wは、リニアスライダ30の使用により、ボウル4の側壁頂部4Dと基板Wの基板背面W2との間に調整可能なギャップ33を形成するように位置される。このギャップ33は、一般に、基板背面W2とボウル4との間に形成された流体体積部25からの温度制御された流体の流れを制限及び制御するように調整される。流体源3は、温度制御された流体を流体体積部25へ配送する。
【0060】
[0087]一実施形態において、エッジダム1が、基板Wの周囲の半径方向外方に位置される。エッジダム1は、一般に、基板Wを取り巻く連続的な環状リングで、側壁10に直接取り付けられてもよいし(図8Bに示すように)、或いはエッジダム1を垂直に上下できる垂直リフトアセンブリ2に取り付けられてもよい。エッジダム1は、一般に、流体ディスペンスポート26から基板Wの処理面W1へ配送される流体の量を保持するように構成される。1つの態様において、基板Wの処理面W1及びエッジダム1の内壁1Aは、処理面W1に保持される流体が収集される流体体積部領域29を画成する。1つの態様において、エッジダム1は、その内径が基板Wの外径より大きくなるように構成され、基板Wの周囲とエッジダム1の内壁との間にギャップ32が形成される。このギャップ32は、一般に、そのサイズ、及び基板Wと、エッジダム1と、流体体積部領域29に保持された流体との間に生じる表面張力により、ギャップ32を通して流れる流体の量を最小にするサイズとされる。
【0061】
[0088]1つの態様において、エッジダム1は、基板の処理面W1に流体を収集するのを許し、その流体が基板Wの基板背面W2を汚染するのを防止し、更に、流体体積部領域29へ吐出される処理溶液の消費を制限するのに使用される。1つの態様において、ギャップ32は、約0.5mm乃至約2mmである。
【0062】
[0089]一実施形態において、エッジダム1は、このエッジダム1を2つ以上の垂直位置に位置させるように適応される垂直リフトアセンブリ2により上昇又は下降させることができる。この垂直リフトアセンブリ2は、リードスクリュー(図示せず)に取り付けられた従来の空気アクチュエータ又はDCサーボモータでよい。1つの態様において、エッジダム1の上昇又は下降を利用して、流体体積部領域29に保持される処理流体の量、ひいては、基板Wの処理面W1に存在する流体の量を調整することができる。別の態様において、エッジダム1の頂部が基板Wより低くなるような位置へエッジダム1が下降されるか、又はエッジダム1の底部が基板Wより高くなるような位置へエッジダム1が上昇されると、基板Wに保持された流体は、基板の回転により生じる遠心力又は重力により、基板Wの面から半径方向外方に流れることが許される。すすぎプロセス及び乾燥プロセスのような他のプロセスも、エッジダム1が下降又は上昇されたときに実行することができる。
【0063】
[0090]図8C及び図8Dは、細長い部分1Cが基板Wの下に位置されたエッジダム1の一実施形態を示す。1つの態様において、細長い部分1Cは、エッジダム1の内壁1Aから内方に延び、ひいては、エッジダム1に“L”字型断面を与える。また、細長い部分1Cは、一般に、その内径が基板Wの外径より小さくなるように構成される。1つの態様において、図8Cに示すように、エッジダム1は、処理中に流体体積部領域29に保持された流体の流れを制限するためのギャップ32を形成するように位置される。
【0064】
[0091]1つの態様において、図8Dに示すように、エッジダム1は、該エッジダム1の細長い部分1Cが基板Wの面に接触して、吐出された流体の静的な「プール」を基板Wに形成するのを許容するに充分な高さに上昇される(図8D)。別の態様では、細長い部分1Cを使用して、基板支持フィンガー18から基板Wを持ち上げ、流体体積部25に収容された温度制御された流体により基板背面W2を加熱せずに基板Wを処理することが許される。別の態様では、垂直リフトアセンブリ2の使用により、エッジダム1を、エッジダム1の頂部が基板Wより低くなる位置まで下げて、基板に保持された処理流体を、重力又は基板の回転により、基板Wから半径方向外方へ流すことができる。すすぎプロセス及び乾燥プロセスのような他のプロセスも、エッジダム1が下降されたときに実行することができる。
【0065】
[0092]図8Aを参照すれば、一般的に、基板を支持するためにスピンドル13の頂部には3つ以上の基板支持フィンガー18が半径方向に取り付けられてもよい。1つの態様では、3つの基板支持フィンガー18が半径方向に均一に配列され、即ちフィンガー間の角度は、120度離される。基板支持フィンガー18は、一般に、スピンドル13に形成されたスピンドルポート13Aと流体連通する中心チャンネル17を有している。1つの態様では、スピンドルポート13A及び中心チャンネル17は、真空ベンチュリーのような真空源15と流体連通される。この構成では、基板の処理面W1の上の大気圧と、真空源15により中心チャンネル17に形成される真空との間に圧力降下を形成することにより、基板支持フィンガー18上のシール16(例えば、Oリング16A、エラストマーダイアフラム16B)に基板を保持することができる。真空を使用して基板を保持することは、基板W及び支持フィンガー18が基板支持フィンガーモータ20により回転され及び/又は基板支持リフトアセンブリ50により垂直方向に移動されるときに、基板が基板支持フィンガー18から滑り落ちるのを防止するのに使用できる。
【0066】
[0093]図8Eは、基板Wを支持するためにO−リング16Aが位置される基板支持フィンガー18の尖端をより詳細に示す図である。O−リング16Aの形状及び材料の硬度は、半導体ウェハにしばしば見られる平坦さの問題や表面の不規則性を補償するために基板支持フィンガー18の各々において最適化することができる。大きな断面積を有し、「非滑り」材料(例えば、VitonTM、buna−N、等)で作られた軟エラストマーシールは、O−リング16Aにとって望ましい選択肢である。この構成では、シール16Aは、基板Wをフィンガー18に保持するために真空源15により真空が印加されるときに一次シールとして働く。また、O−リング16Aは、流体体積部25に保持された流体が中心チャンネル17へ漏れるのを防止することもできる。
【0067】
[0094]図8Fは、エラストマーダイアフラム16Bに基板を保持させる基板支持フィンガー18の別の実施形態を示す。この構成では、エラストマーダイアフラム16Bは、基板支持フィンガー18の端に流体密シールを設けて流体が真空源15へ進行するのを防止するために、基板支持フィンガー18の各々に位置させることができる。エラストマーダイアフラム16Bは、基板背面W2とエラストマーダイアフラム16Bの上面16Cとの間に形成された領域16Fに生じる大気圧より低い圧力又は真空を使用することで、そこに位置された基板を保持するように適応される。大気圧より低い圧力又は真空は、真空源15の使用によりエラストマーダイアフラム16Bの背面16Dの後方に大気圧より低い圧力が発生することでエラストマーダイアフラム16Bが変位(例えば、伸張又は歪み)されたときに形成される。エラストマーダイアフラム16Bのこの変位は、基板背面W2との間に「真空」を形成させると共に、エラストマーダイアフラム16Bの上面16Cの接点16E間にシールを形成させる。一般的に、エラストマーダイアフラム16Bは、柔軟な「非滑り」材料、例えば、VitonTM及びbuna−Nで形成されるのが望ましい。
【0068】
[0095]図8Aを参照すれば、流体処理チャンバ800は、更に、基板支持フィンガーモータ20を備え、これは、スピンドル13に接続されると共に、基板支持フィンガー18及びスピンドル13を回転及び支持するように一般的に構成される。スピンドル13と真空源15との間に回転シールを設けるためにロータリシールアセンブリ14が位置されてもよい。モータ20からスピンドル13及び基板支持フィンガー18を経て基板Wへ回転運動が与えられる。基板支持フィンガー及びスピンドル13の回転速度は、実行されている特定のプロセス、例えば、堆積、すすぎ及び乾燥に基づいて変化することができる。堆積の場合には、基板支持フィンガーは、処理流体の粘性に基づき、比較的低い速度、例えば、約5rpm乃至約150rpmで回転するように適応されてもよい。すすぎプロセス中には、基板支持フィンガー18は、比較的適度な速度、例えば、約5rpm乃至約1000rpmでスピンするように適応されてもよい。乾燥の場合には、基板支持フィンガーは、そこに位置された基板Wをスピン乾燥するために、比較的速い速度、例えば、約500rpm乃至約3000rpmでスピンするように適応されてもよい。
【0069】
[0096]基板支持フィンガーモータ20は、基板支持リフトアセンブリ50に接続することができ、これは、一般に、リードスクリュー31に結合されたリニアスライダ30と、基板支持リフトモータ19とを備えている。1つの構成において、基板支持リフトモータ19は、リードスクリュー31に回転運動を伝達する高精度モータである。リードスクリュー31の回転運動は、リニアスライダ30の直線運動に変換され、これは、スピンドル13の移動に変換される。
【0070】
[0097]図8Aを参照すれば、ボウル4は、複数のボルトアセンブリ12でベース27に装着されてもよい。ボウル4の形状は、ボウル4の底部の1つ以上の入口4Bを経て流体源3と流体連通する流体体積部25を形成する。流体源3は、加熱されたDI水のような流体を配送するように適応されてもよい。1つの態様において、流体源3は、1つ以上の入口4Bを通り、次いで、流体体積部25を通り、更に、ボウル4の側壁頂部4Dを越えて流体を通流させるように適応される。1つの態様において、基板背面W2と、流体源3から配送され又は流れる流体との間を確実に接触させるために、基板背面W2とボウル4の側壁頂部4Dとの間にギャップ33が形成されるように基板Wが位置される。このギャップ33のサイズは、側壁頂部4Dを越えて流体が流れるのを許し(“A”で示された矢印を参照されたい)、且つ流体が基板背面W2に確実に接触するように構成される。1つの態様において、ボウル4は、流体体積部25内に、特に、基板背面W2の付近に、均一温度の流体を発生して維持するように構成される。一般に、これは、流体体積部25のサイズ及び形状を最適化し、及び/又は1つ以上の入口を基板背面W2から離れて位置することにより達成される。均一な基板温度を達成するための流体体積部25の最適なサイズは、流体体積部25へ配送される流体の形式、流体体積部25を通る流体の流量、流体の設定点温度、基板支持フィンガー18の物理的サイズ、及び基板支持フィンガー18の回転速度に基づいて変化し得る。層流機構は、不充分な熱伝達特性を示すことが分かっているので、基板支持フィンガー18の回転は、流体体積部25に乱流を維持するように適応されてもよい。1つの態様において、流体体積部25へ配送される流体は、流体ヒータ41の使用により温度制御される。この流体ヒータ41は、流体源3に取り付けられたインライン流体ヒータ42、及び/又はボウル4に取り付けられ又は埋設されたヒータ素子43を含んでもよい。
【0071】
[0098]1つの態様において、流体源3からギャップ33を通る流体の外方への流れは、流体体積部領域29から流出する処理流体が基板Wの背面に望ましからず接触するのを防止し又はそれを最小にするように設計される。処理流体と基板の背面との接触を防止することで、粒子や望ましからぬ材料が基板の背面に堆積して半導体デバイスの収率に影響し得るのを防止する。
【0072】
[0099]一実施形態において、スピンドル13とボウル4のアパーチャー4Aとの間には、ボウル4に対するスピンドル13の回転運動を許容するためにギャップ5が構成されてもよい。このギャップ5は、巾が約0.1mm乃至約0.5mmでよい。しかしながら、それより大きな又は小さなギャップが使用されてもよい。ボウル4の下で、スピンドル13の周りに、アパーチャー9Aを有するキャッチ部材9が位置される。このキャッチ部材9の内部には、シールド7とキャッチ部材9との間に迷路シールが形成される。迷路シールとは、一般に、オーバーラップ特徴部(即ち、図8Aのエレメント7及び8)のグループとして定義され、これは、オーバーラップ特徴部の幾何学形状及び構成により流体がシールを貫通して進行するのを防止する。ギャップ5を通して流れる流体は、キャッチ部材9により収集領域8に収集され、次いで、キャッチ部材9の底部付近に位置されたドレイン6に向けられる。或いは又、スピンドル13とボウル4のアパーチャー4Aとの間にシールを使用して、迷路シールの必要性を排除してもよい。
【0073】
[00100]エッジダム1、ボウル4、基板支持フィンガー18及びスピンドル13は、セラミック材料(例えば、完全にプレスされた窒化アルミニウム、アルミナAl、炭化シリコン(SiC))、ポリマー被覆金属(例えば、TeflonTMポリマー被覆アルミニウム又はステンレススチール)、ポリマー材料、又は半導体流体処理に適した他の材料から製造することができる。好ましいポリマー被覆又はポリマー材料は、フッ素処理されたポリマー、例えば、Tefzel(ETFE)、Halar(ECTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン(FEP)、PVDF、等である。
【0074】
[00101]流体処理チャンバ800は、更に、ベース27の上で、ボウル4の外壁4Eと側壁10の内面との間に位置させることのできる穿孔プレート11を備えている。ボウル4の側壁4Eと、ベース27と、側壁10と、穿孔プレート11とで、コンパートメント34が画成される。このコンパートメント34は、穿孔プレート11の複数のホール11Aを経て処理コンパートメント28と流体連通する。ベース27にはドレインポート24が一般的に位置されて、排出ポート21に接続され、これは、従来の集塵排出システム23及び流体ドレイン22に接続できる。
【0075】
[00102]1つの態様において、堆積プロセス中に、処理コンパートメント28における酸素又は他のガスの量は、プロセスガス、例えば、窒素、ヘリウム、水素、アルゴン、及び/又はそれらの混合物、或いは半導体処理に一般に使用される他のガスを配送することにより制御される。プロセスガスは、HEPA型の濾過システム(図2のエレメント313を参照)を通して処理コンパートメント28へ導入し、また、排出ポート21から除去することができる。複数のホール11Aが貫通形成された穿孔プレート11の存在は、処理コンパートメント28を通るプロセスガス流の均一性を改善する。
【0076】
[00103]流体処理チャンバ800は、更に、基板Wが基板支持フィンガー18に位置されている間に基板Wに処理流体を吐出するように構成された流体ディスペンスポート26を備えている。この流体ディスペンスポート26は、流体導入システム1200(図9、9A、9B等を参照して以下に述べる)と同様に、少なくとも1つの流体供給バルブ(例えば、図9に示すバルブ1209)を経て少なくとも1つの流体供給源(例えば、図9に示す溶液源1202、1204、1206)と一般的に流体連通する。従って、多数の化学物質を混合して流体ディスペンスポート26から供給し、以下に述べる種々の無電界メッキプロセスを実行することができる。
【0077】
システムの動作
[00104]動作に際し、本発明のシステム100の実施形態は、無電界前洗浄プロセス、無電界活性化プロセス、無電界メッキプロセス、無電界後洗浄プロセス、及び/又は無電界プロセスに使用できる他の処理ステップを実施するのに使用できる。本発明の実施形態を使用して無電界メッキプロセスを実施するためのプロセスシーケンス例を、ここに述べる本発明の実施形態に関して以下に説明する。無電界メッキプロセスは、一般に、包囲された処理エンクロージャー302(図2を参照)へ基板を挿入することで始まる。この挿入プロセスは、一般に、バルブ付きのアクセスポート304を開き、メインフレームロボット120で処理エンクロージャー302へ基板401を挿入することを含む。基板401は、フェースアップした向きで挿入され、即ちメッキされるべき基板401の面が上に向けられる。
【0078】
[00105]包囲された処理エンクロージャー302に基板が挿入されると、メインフレームロボット120は、基板を処理ステーション404の支持フィンガー412に位置させ、次いで、メインフレームロボットは、処理エンクロージャー302から引っ込む。次いで、支持フィンガー412は、バルブ付きのアクセスポート304が閉じている間に、基板401を処理のために垂直方向に位置することができる。挿入プロセス中に、即ちバルブ付きのアクセスポート304が開いている時間周期中に、環境制御アセンブリ315のガス供給源が「オン」となり、包囲された処理エンクロージャー302に不活性のプロセスガスを充填するようにされる。処理体積部へ不活性ガスを流し込むプロセスは、アクセスポート304を経てプロセスガスを外方に流させ、これは、周囲のガス、特に、酸素が、包囲された処理エンクロージャー302に入るのを防止するように構成される。というのは、酸素は、メッキされる材料、特に、銅に、有害な影響(酸化)を及ぼすことが知られているからである。プロセスガスの流れは、バルブ付きのアクセスポート304が閉じた後も続けられ、一般的に、バルブ付きのアクセスポート304が開くまでオンである。プロセスガスの流れは、無電界洗浄、活性化及びメッキシーケンス中に続けられ、また、バルブ付きのアクセスポート304が閉じると、排出ポート314、ガス通気口、及び/又は真空ポンプを使用して、包囲された処理エンクロージャー302に希望の処理圧力を維持することができる。また、ガス供給源、HEPAフィルタ、及び排出ポート314の組合せを使用して、特定の処理ステップ中に、包囲された処理エンクロージャー302内の酸素含有量を制御し、即ち必要に応じて個々の処理ステップごとに処理エンクロージャー302内の酸素含有量を制御し最適なものとすることができる。
【0079】
[00106]基板が処理セルに位置されると、本発明の無電界メッキプロセスは、一般に、基板前洗浄プロセスで開始される。この前洗浄プロセスは、基板の上面が上部キャッチリング418の終縁421aより若干上に位置され、一般的に、約2mm乃至約10mm上に位置された状態で、開始される。この洗浄プロセスは、ディスペンスアーム406により基板面に吐出される洗浄溶液により遂行される。この洗浄溶液は、処理時間を節減し且つセルのスループットを高めるために、下降プロセス中に基板面に吐出されてもよい。また、洗浄溶液は、希望の洗浄特性に基づいて酸性溶液でも塩基性溶液でもよく、更に、洗浄溶液の温度は、処理レシピに基づいて制御(加熱又は冷却)されてもよい。更に、洗浄溶液は、表面活性剤添加物を含んでもよい。一般的に約10rpm乃至約60rpmで基板を回転すると、洗浄溶液は、基板から半径方向外方に上部キャッチリング418へと流され、そこで、洗浄溶液は、捕獲され、ドレイン420aへ送り込まれ、次いで、必要に応じて分離及びリサイクルのために排出ポート314を経て分離ボックス429へ連通される。
【0080】
[00107]基板が洗浄されると、基板面のすすぎが一般的に行われる。すすぎプロセスは、基板を回転しながら基板面に脱イオン水のようなすすぎ溶液を吐出することを含む。すすぎ溶液は、基板面から残留洗浄溶液を効率的に除去するように構成された流量及び温度で吐出される。基板は、基板面からすすぎ溶液を押し流すに充分な速度、即ち、例えば、約5rpm乃至約120rpmで回転される。
【0081】
[00108]基板のすすぎが終わると、第2のすすぎステップが使用されてもよい。より詳細には、酸性の活性化溶液を基板面に付与することを一般的に含む活性化ステップの前に、最初に、酸性のコンディショニングすすぎ溶液で基板面を処理してもよい。コンディショニングすすぎ溶液は、一般に、酸性の活性化溶液の付与に対して基板面をコンディショニングするように作用する酸、例えば、活性化溶液に使用される酸を含む。コンディショニング溶液として使用できる酸は、例えば、硝酸、塩化物系の酸、メチルスルフォン酸、及び無電界活性化溶液に通常使用される他の酸を含む。基板コンディショニングプロセスは、上部キャッチリング418付近の処理位置で行われてもよいし、或いはコンディショニングプロセスに使用される化学物質と、前洗浄プロセスに使用される化学物質との適合性に基づいて、下部キャッチリング419付近の処理位置へ基板が下降されてもよい。
【0082】
[00109]基板がコンディショニングされると、基板が下部キャッチリング419付近に位置された状態で基板面に活性化溶液が付与される。活性化溶液は、一般に、その後の堆積プロセスに対する触媒層として働き、及び/又は基板面とその後に堆積される層との間の接着を促進するように使用される。活性化溶液は、アーム408により基板に吐出され、次いで、基板が回転される結果として基板の縁を越えて半径方向外方へキャッチリング419へと流れるようにされる。活性化溶液は、次いで、流体ドレイン420により再循環のために収集される。活性化溶液は、一般に、酸性ファンデーションを有するパラジウム系溶液を含む。活性化ステップ中に、一般的に円形で且つ直径が流体拡散部材405と同様の基板背面は、一般的に、流体拡散部材405の上面から約0.5mm乃至約10mmに位置される。基板の背面と流体拡散部材405との間のスペースには、形成されたホール407から流体拡散部材405へと吐出される脱イオン水でよい温度制御された流体が充填される。ホール407から吐出される温度制御された流体(一般的に加熱流体であるが、冷却流体でもよい)は、基板の背面に接触し、流体への/流体からの熱を基板に伝達して、基板を処理のために加熱/冷却する。温度制御された流体は、連続的に供給されてもよいし、或いは又所定量の流体が供給され、次いで、流体の供給が終了されてもよい。基板の背面に接触する温度制御された流体の流量は、活性化プロセス中に一定の基板温度を維持するように制御されてもよい。更に、活性化プロセス中に、均一な加熱/冷却及び流体拡散を容易にするために、基板を約10rpm乃至約100rpmで回転してもよい。
【0083】
[00110]基板面が活性化されると、付加的なすすぎ及び/又は洗浄溶液を基板面に付与して、そこから活性化溶液を洗浄することができる。活性化の後に使用できる第1のすすぎ及び/又は洗浄溶液は、好ましくは活性化溶液の酸に一致するように選択された別の酸を含む。酸性の後すすぎの後、脱イオン水のような中性溶液で基板をすすいで、残留する酸を基板面から除去することもできる。後活性化洗浄及びすすぎステップは、化学物質の適合性に基づいて、上部処理位置又は下部処理位置のいずれかで行うことができる。
【0084】
[00111]活性化ステップが完了すると、基板を無電界活性化ステーション402から堆積ステーション404へ基板移送シャトル305により移送することができる。移送プロセスは、基板を支持フィンガー412で無電界活性化ステーション402から持ち上げ、基板移送シャトル305を基板の下に移動し、基板を基板移送シャトル305へと下降し、次いで、基板を無電界活性化ステーション402から堆積ステーション404へ移送することを含む。基板が堆積ステーション404に来ると、堆積ステーション404の基板支持フィンガー412を使用して、基板移送シャトル305から基板を取り出し、基板を処理のために位置させることができる。
【0085】
[00112]基板の位置付けは、一般に、基板を前洗浄プロセスのために上部キャッチリング418付近に位置させることを含む。前洗浄プロセスは、前洗浄溶液をアーム408で基板に吐出することを含み、ここで、前洗浄溶液は、一般に、その後に付与される無電界メッキ溶液と同様のpHを有するように選択され、前洗浄溶液が堆積溶液のpHに対して基板面をコンディショニングできるようにする。また、前洗浄溶液は、コンディショニングステップの後に付与されるべき無電界堆積溶液のファンデーションと同じである塩基性溶液でよい。メッキ溶液と同じpHを有する溶液で基板面を前洗浄することで、堆積プロセスに対する基板面の「濡れ性」も改善する。前洗浄溶液は、処理レシピにより必要に応じて加熱されても冷却されてもよい。
【0086】
[00113]基板面が塩基性溶液によりコンディショニングされると、無電界堆積プロセスにおける次のステップは、メッキ溶液を基板面に付与することである。メッキ溶液は、一般に、純粋な金属又は多数の金属の合金の形態で基板面に堆積されるべきコバルト、タングステン及び/又は燐、等の金属を含む。また、メッキ溶液は、一般に、pHが塩基性で、無電界メッキプロセスを容易にするように構成された表面活性剤及び/又は還元剤を含んでもよい。基板は、一般に、堆積ステップのために下部流体キャッチリング419の若干上の位置まで下降される。従って、アーム408により付与された堆積溶液は、基板の縁を越えて外方に流れて、キャッチリング419により受け取られ、そこで、考えられるリサイクルのためにドレイン420bにより収集することができる。更に、基板の背面は、一般に、堆積ステップ中に流体拡散部材405の上面から約0.5mm乃至約10mm、又は約1mm乃至約5mm離れて位置される。基板の背面と流体拡散部材405との間のスペースには、形成されたホール407を通して流体拡散部材405へ吐出される脱イオン水でよい温度制御された(一般に加熱された)流体が充填される。ホール407から吐出される温度制御された流体は、基板の背面に接触して、流体から基板へ熱を伝達し、堆積プロセスのために基板を加熱する。温度制御された流体は、一般に、堆積プロセス全体にわたり連続的に供給される。堆積プロセス中に基板の背面に接触する温度制御された流体の流量は、堆積プロセス中に一定の基板温度を維持するように制御される。更に、基板面に付与される堆積溶液の均一な加熱及び拡散を容易にするために、堆積プロセス中に基板を約10rpm乃至約100rpmで回転することができる。
【0087】
[00114]堆積プロセスが完了すると、堆積後洗浄溶液を基板に付与することを含む堆積後洗浄プロセスにおいて基板面が一般に洗浄される。この堆積後洗浄プロセスは、処理化学物質の適合性に基づいて上部又は下部の処理位置で行うことができる。堆積後洗浄溶液は、一般に、メッキ溶液とほぼ同じpHを有する塩基性溶液を含む。洗浄溶液を基板面から押しやるために洗浄プロセス中に基板が回転される。洗浄プロセスが完了すると、基板面を、例えば、脱イオン水ですすぎ、次いで、スピン乾燥して、残留化学物質を基板面から除去することができる。或いは又、アセトンやアルコール等の溶媒を高い蒸気圧で付与することにより基板を蒸気乾燥してもよい。
【0088】
[00115]ここに例示する本発明のシステム100では、処理セル位置102及び112は、無電界前洗浄プロセス、無電界活性化プロセス、及び無電界活性化後洗浄プロセスを行うように構成されてもよく、一方、処理セル位置104、110は、無電界堆積セル及び無電界堆積後洗浄セルとして構成されてもよい。この構成においては、各活性化及び堆積化学物質が各処理位置で分離されるので、各プロセスから化学物質を再生利用することが考えられる。この構成の別の効果は、流体処理セル位置102、104、110、112の処理スペースが包囲された処理エンクロージャー302内にあるので、基板が不活性環境において活性化溶液から無電界堆積溶液へと移送されることである。更に、処理エンクロージャーは、ロード及び処理中に不活性ガスが溢れ、従って、包囲された処理エンクロージャー302の内部は、酸素の割合が実質的に減少し、例えば、約100ppm未満の酸素であり、より詳細には、約50ppm未満の酸素、更には、約10ppm未満の酸素である。実質的に減少された酸素含有量と、活性化セルとメッキセルとの間の密接接近性及び高速移送時間(一般的に約10秒未満)とが結合されることで、活性化ステップと堆積ステップとの間での基板面の酸化を防止するように働き、これは、従来の無電界システムにとって顕著な問題であった。
【0089】
[00116]本発明の流体処理ステップ全体にわたり、基板の位置が変更されてもよい。より詳細には、流体拡散部材405に対する基板の垂直位置が変更されてもよい。例えば、基板の温度を処理中に必要に応じて下げるために、流体拡散部材405からの距離を増加してもよい。同様に、処理中に基板の温度を上げるために、流体拡散部材405に対する基板の接近性を減少してもよい。
【0090】
[00117]本発明の実施形態の別の効果は、適合性のある化学物質又は非適合性の化学物質をシステム100に使用できることである。例えば、非適合性の化学物質、例えば、酸性の活性化溶液と塩基性のメッキ溶液を使用する処理シーケンスでは、酸性溶液が一般に1つのセル又はステーションに排他的に使用され、一方、塩基性溶液が別のセルに排他的に使用される。これらセルは隣接して位置させることができ、且つシャトル305の1つにより各セル間で基板を移送することができる。基板は、一般に、各セルにおいて洗浄された後に、その隣接セルへと移送され、これは、あるセルからの化学物質が別のセルを汚染するのを防止する。更に、各処理ステーション又はセル内の多数の処理場所、例えば、キャッチリング418、419の位置は、単一セル又はステーションに非適合性の化学物質を使用するのを許容する。というのは、各化学物質を異なるキャッチリング418、419で収集して、互いに分離状態に保つことができるからである。
【0091】
[00118]また、本発明の実施形態は、単一使用形式の化学物質セルとして構成されてもよく、即ち処理化学物質の単一ドーズを単一基板に使用し、次いで、溶液を再生利用せずに、即ち付加的な基板の処理に使用せずに、廃棄してもよい。例えば、システム100は、基板を活性化し、洗浄し及び/又は後処理するのに共通のセルを使用する一方、無電界堆積及び/又は堆積後洗浄プロセスを行うのに他のセルを使用してもよい。これらプロセスの各々が異なる化学物質を使用してもよいので、セルは、一般に、所要の化学物質の各々を必要なときに基板へ供給し、次いで、プロセスが完了したときに使用済み化学物質をそこから排出するように構成される。しかしながら、セルは、一般に、化学物質を再捕獲するようには構成されない。というのは、単一のセルから異なる化学物質を再捕獲することにより実質的な汚染の問題が生じるからである。
【0092】
[00119]本発明の実施形態に使用できる付加的な処理セルが、2001年7月10日発行の「In-SituElectroless Copper Seed Layer Enhancement in an Electroplating System」と題する共通に譲渡された米国特許第6,258,223号、及び2001年12月26日出願の「ElectrolessPlating System」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/036,321号に見ることができ、これらの両方は、本発明と矛盾しない程度に参考としてここにその全体を援用する。
【0093】
スプレーディスペンスシステム
[00120]図9は、上述した各ステーション402、404と同様のフェースアップ型の流体処理セル1010の一実施形態を示す断面側面図である。図9では、フェースアップした向きにされた基板1250が見られる。ここに示す種々の実施形態は、フェースアップ状態で処理を完了するように構成された処理セル1010を示しているが、本発明の種々の態様に関して基板の向きを制限することは意図していない。「無電界プロセス」(又は無電界堆積プロセス)という用語は、一般に、無電界堆積膜を基板に堆積するために行われるプロセスステップであって、例えば、1つ以上の前洗浄プロセスステップ(基板準備ステップ)、無電界活性化プロセスステップ、無電界堆積ステップ、並びに堆積後洗浄及び/又はすすぎステップを含む全てのプロセスステップを包含することを意味する。
【0094】
[00121]流体処理セル1010は、セル本体1015を備えている。このセル本体1015は、流体処理(無電界又は電気化学的メッキ)溶液と反応しないと分かっている種々の物質から製造されてもよい。このような物質は、プラスチック、ポリマー及びセラミックを含む。図9の構成において、セル本体1015は、セル1010の側壁を形成する円形又は長方形の本体を画成する。セル本体1015は、その上端に蓋アセンブリ1033を受け入れて支持する。セル本体1015には、その底端に沿って一体的な底壁1016が設けられる。この底壁1016は、基板支持アセンブリ1299を受け入れるための開口を有する。基板支持アセンブリ1299の特徴は、以下に説明する。
【0095】
[00122]一実施形態において、基板支持アセンブリ1299は、一般に、ベースプレート部材1304と、これに取り付けられた流体拡散部材1302とを備えている。図9−図12に示す基板支持アセンブリ1299は、上述したプラテンアセンブリ403の別の実施形態を示す。O−リング型シールのような環状シール1121が流体拡散部材1302の周囲付近に位置される。この環状シール1121は、一般に、ベースプレート部材1304の頂部外縁に係合して、流体拡散部材1302とベースプレート部材1304との間に流体密シールを生成し、流体配送プロセスを容易にするように構成される。
【0096】
[00123]ベースプレート部材1304は、一般に、該ベースプレート部材1304の中央部分又は別の場所を貫通して流体入口1308が形成された内実の円板状部材を画成する。ベースプレート部材1304は、セラミック材料又は被覆された金属で製造されるのが好ましい。また、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)材料が使用されてもよい。ベースプレート部材1304の上で且つ流体拡散部材1302の下には、流体体積部1310が形成される。このように、流体拡散部材1302がベースプレート部材1304の上に位置される。流体体積部1310は、一般に、流体拡散部材1302とベースプレート部材1304との間に約2mm乃至約15mmの間隔をもつことができるが、それより大きな又は小さな間隔を使用してもよい。
【0097】
[00124]流体拡散部材1302は、図4、図5A−E及び図7に関連して上述したように、複数の流体通路1306が貫通形成されている。使用中に、流体は、流体入口1308からシールされた流体体積部1310へ流され、次いで、流体拡散部材1302に形成された流体通路1306を通して、基板1250の背面と流体拡散部材1302との間の熱伝達領域1312へと流される。1つの態様において、流体ヒータ1164をコントローラ111及び温度プローブ(図示せず)に関連して使用して、流体源1203から熱伝達領域1312に入る流体の温度が希望の温度となるように確保する。1つの態様において、流体源1203は、脱イオン(DI)水を配送するように適応される。従って、基板1250の後方に暖かい流体が存在すると、基板1250の背面が暖められる。均一で且つ高い基板温度は、無電界メッキ動作を容易にする。任意であるが、複数の加熱コイル1112をベースプレート部材1304に埋設し、必要に応じて個々に制御して、熱伝達領域1312に流れ込むDI水の温度、ひいては、処理中の基板温度をより正確に制御することができる。より詳細には、加熱コイル1112を個々に制御することで、基板面を正確に制御することが許され、これは、無電界メッキプロセスにとって重要である。
【0098】
[00125]図9Bを参照すれば、上述した加熱構成体とは別に、任意の加熱コイル1112をベースプレート部材1304から除去して、流体拡散部材1302へ設置することができる。この再設計を受け容れるために、ベースプレート部材1304を薄くする一方、流体拡散部材1302の幾何学形状を増加してもよい。脱イオン水は、流体入口1308を通して流れると、加熱された流体拡散部材1302の下を通り、流体通路1306を通り、次いで、基板1250の背面と流体拡散部材1302との間の熱伝達領域1312へと流れ込む。この配置では、個別の流体ヒータ1164が任意に除去されてもよい。基板1250の背面に対してDI水を向けるように流体通路1306を構成できることを追加しておく。基板1250の背面に水が存在すると、基板1250を暖めるだけでなく、無電界流体が基板1250の背面に望ましからず接触するのを防止する。
【0099】
[00126]ベースプレート部材1304及び流体拡散部材1302は、セラミック材料(例えば、完全にプレスされた窒化アルミニウム、アルミナ(Al)、炭化シリコン(SiC))、ポリマー被覆金属(例えば、TeflonTMポリマー被覆アルミニウム又はステンレススチール)、ポリマー材料、又は半導体流体処理に適した他の材料から製造することができる。好ましいポリマー被覆又はポリマー材料は、フッ素処理されたポリマー、例えば、Tefzel(ETFE)、Halar(ECTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン(FEP)、PVDF、等である。
【0100】
[00127]流体拡散部材1302の周囲付近には、複数の基板支持フィンガー1300が一般的に位置される。この基板支持フィンガー1300は、流体拡散部材1302上の希望の距離に基板1250を支持するように構成されて、熱伝達領域1312を形成する。基板除去及び/又は挿入プロセスの間に、ロボットブレード(図示せず)を基板1250の下及び基板支持フィンガー1300間に挿入して基板1250を持ち上げ及び除去することができる。別の構成では、基板支持フィンガー1300に代わって連続リング(図示せず)を使用して基板を支持してもよい。この構成では、連続リングから基板を持ち上げるのにリフトピンアセンブリ(図示せず)を使用してもよい。このようにして、ここでも、ロボットブレードが基板1250の底部にアクセスして、基板をセル1010内へ及びセルから移送することができる。流体処理セル1010は、更に、スロット1108も備えている。このスロットは、側壁1015を貫通して形成された開口を画成し、ロボット(図示せず)が基板1250をセル1010内へ配送し及びセルから回収するためのアクセス口を形成する。
【0101】
[00128]図9のセル1010の構成では、基板支持アセンブリ1299は、上部ベアリング1054A及び下部ベアリング1054Bの使用により、ベースプレート支持体1301に対して選択的に軸方向に並進移動すると共に回転することができる。これらの目的のために、基板リフトアセンブリ1060が最初に設けられる。この基板リフトアセンブリ1060は、基板支持アセンブリモータ1062を備えている。1つの構成において、基板支持アセンブリモータ1062は、リードスクリュー1061を回転する高精度モータである。支持アセンブリモータ1062の回転運動は、フィンガースライド1064の直線運動に変換される。フィンガースライド1064は、溝付きハウジング1066に沿ってまたがり、スライドを上下に駆動させる。この実施例では、支持アセンブリモータ1062は、電気的に動作されるのが好ましい。或いは又、基板支持アセンブリモータ1062は、空気圧で動作されるエアシリンダーでもよい。
【0102】
[00129]また、基板リフトアセンブリ1060は、基板支持フィンガーモータ1052も備えている。このフィンガーモータ1052は、基板支持フィンガー1300及びそれに支持された基板1250を回転させる。基板支持フィンガー1300は、非回転のベースプレート支持体1301により形成された軸の周りで回転する。基板支持フィンガー1300の回転速度は、実行されている特定プロセス(例えば、堆積、すすぎ、乾燥)に基づいて変更されてもよい。堆積の場合には、基板支持部材は、流体の粘性に基づいて約5rpm乃至約150rpmの比較的遅い速度で回転し、流体の慣性により基板1250の面を横切って流体を拡散するように適応されてもよい。すすぎの場合には、基板支持フィンガー1300は、約5rpm乃至約1000rpmの比較的中間の速度でスピンするように適応されてもよい。乾燥の場合には、基板支持体は、約500rpm乃至約3000rpmの比較的速い速度でスピンして基板1250をスピン乾燥するように適応されてもよい。
【0103】
[00130]ベースプレート支持体1301は、ベース部材1013及び1014を通してチャンバベース又はプラットホーム1012に装着される。従って、好ましい実施形態では、ベースプレート部材1304は、基板リフトアセンブリ1060によって並進移動されず、基板支持フィンガー1300のガイドとして働く。上部ベアリング1054A及び下部ベアリング1054Bは、このような支持を可能にするために設けられている。また、ベースプレート支持体1301は、電気ワイヤ(図示せず)及び管1166により供給される流体入口1308に対するコンジットとしても働く。ワイヤ及び配管は、ベース部材1014におけるベースプレートコンジット1305に通される。
【0104】
[00131]図9Aは、図9のフェースアップ型無電界処理チャンバの断面側面図である。この図では、基板リフトアセンブリ1060は、その持ち上がった位置にある。基板1250は、流体処理セル1010の周囲温度での処理を許容するために、ベースプレート部材1304の面から持ち上げられる。というのは、流体体積部1310及びベースプレート部材1304に接触する流体により基板が暖められないからである。これは、ロボットが処理済基板1250をピックアップするために入って来る前に基板1250が通常置かれる位置でもある。
【0105】
[00132]流体処理セル1010は、流体導入システム1200も備えている。この流体導入システム1200は、種々の処理流体(例えば、溶液源1202、溶液源1204及び溶液源1206、等)を基板1250の受け取り面へ配送するように動作する。流体処理セル1010に使用できる処理流体の数は、用途に基づいて変化し、図9に示す3個よりおそらく多くなろう。各溶液源1202、1204、1206に関連して計量ポンプ1208が設けられる。更に、各溶液源1202、1204、1206を各フォアライン(foreline)1210へ解放するのを制御するためにディスペンス1209が設けられている。溶液源1202、1204、1206からの処理流体は、フォアライン1210から入口管路1225を経てセル1010へ選択的に導入される。図9に一般的に示されたように、ディスペンスバルブ1209は、該ディスペンスバルブ1209の上流の処理流体源から化学物質が配送された後にフォアライン1210をすすぐように構成できる。1つの態様において、入口管路1225は、該入口管路1225に接続されたガス源1207からのガスの注入により残留流体を洗浄することができる。
【0106】
[00133]流体導入システム1200にはフィルタ1162が任意に組み込まれ、該フィルタ1162の上流で発生した粒子が、流体処理セル1010、及び最終的には、基板1250を汚染するのを防止する。基板を取り出す前、又はプロセスステップとプロセスステップとの間に、入口管路1225をすすぐ必要がある場合には、フィルタを追加すると、フィルタメンブレーンの表面積が大きいために管路をすすぐに要する時間が著しく増加することになり、従って、これを使用しなくてもよい。
【0107】
[00134]本発明の別の態様では、流体が処理エリア1025に入る前にそれを加熱するために、流体導入システム1200にヒータ1161が組み込まれる。本発明に意図されたヒータ1161は、処理流体にエネルギーを与えるものであれば、いかなる形式の装置でもよい。ヒータ1161は、浸漬型ヒータ(例えば、ヒータ素子が溶液に接触する)ではなく、ジャケット被覆された形式の抵抗ヒータ(例えば、ヒータが入口管路の壁を通して流体を加熱する)であるのが好ましい。コントローラ111に関連して使用されるヒータ1161は、流体処理セル1010の処理エリア1025に入る処理流体の温度が希望の温度であることを保証するように使用できる。
【0108】
[00135]本発明の別の態様では、ヒータ1161は、処理流体にエネルギーを迅速に与えるように使用されるマイクロ波電源及びフロースルーマイクロ波キャビティである。一実施形態において、マイクロ波電源は、2.54GHzにおいて約500W乃至約2000Wの電力で動作される。インラインマイクロ波キャビティヒータの一実施形態では、種々の溶液(例えば、洗浄化学物質、すすぎ溶液及び後洗浄溶液)の温度が、処理セルに入る直前に、最適なレベルまで上昇される。一実施形態において、2つ以上の個別のマイクロ波ヒータを使用して、流体導入システム1200から到来する個別の流体管路で配送される個別の流体を選択的に加熱することができる。それ故、使用中に、溶液源1202、1204、1206の各々から配送される異なる流体を、異なる温度で基板の面に配送することができる。
【0109】
[00136]本発明の別の態様において、処理流体中に捕獲され又は溶解したガスを、それが処理エリア1025に入る前に除去するために、流体導入システム1200に流体ガス抜きユニット1170が組み込まれる。溶解した酸素は、無電界堆積反応を阻止し、露出した金属面を酸化させ、且つ無電界洗浄プロセス中にエッチングレートに影響を及ぼす傾向があるので、流体ガス抜きユニットを使用すると、処理流体中に存在する溶解した酸素により引き起こされる浸食及び/又はプロセス変動を減少する上で助けとなり得る。流体ガス抜きユニットとは、一般に、例えば、ガス透過性メンブレーン及び真空源の使用により、溶解したガスを溶液から抽出することのできるユニットとして定義される。流体ガス抜きユニットは、例えば、マサチューセッツ州ビレリカのマイクロリス・コーポレーションから購入することができる。
【0110】
[00137]流体処理セル1010の一実施形態では、図9、9A及び9Bに示すように、流体導入システム1200は、1つ以上のスプレーノズル1402を通して基板1250の面へ処理流体(1つ又は複数)を配送するように適応される。より詳細には、溶液源1202、1204、1206からの処理流体は、流体配送アーム1406を経て基板1250の受け取り面へ選択的に配送される。複数のノズル1402が流体配送アーム1406に沿って形成される。これらノズル1402は、入口管路1225から流体を受け入れ、その処理流体を基板1250の受け取り面へ向ける。ノズル1402は、配送アーム1406の端に配置されてもよいし、又は流体配送アーム1406の長さに沿って配置されてもよい。図9、図9A及び図9Bの構成では、一対のノズル1402が等距離離間された配列で置かれる。一実施形態では、1つ以上の流体導入システム1200及び/又はノズル1402が、図3及び図4に示されたディスペンスアーム406及び/又は408に接続される。
【0111】
[00138]図9の構成では、流体配送アーム1406は、その遠方端が基板1250の中心を越えて延び得るような長さを有する。ノズル1402の少なくとも1つが流体配送アーム1406の遠方端に位置されるのが好ましい。また、流体配送アーム1406がディスペンスアームモータ1404の周りで移動可能であり、該モータが流体配送アーム1406を基板1250の中心へ及び中心から枢着回転させるように適応されるのが好ましい。図9、図9A及び図9Bにおいて、流体配送アーム1406は、ディスペンスアームモータ1404の動きに応答して枢着回転する。ディスペンスアームモータ1404は、このディスペンスアームモータ1404をチャンバの処理エリア1025から部分的に分離させるために、ガード部材1410の後方に配置されるのが好ましい。
【0112】
[00139]一実施形態において、流体配送アーム1406は、枢着回転だけでなく、軸方向に移動もするように適応される(図9)。図9Bは、図9のフェースアップ型無電界処理チャンバを別の実施形態において示す断面側面図である。ここでは、流体配送アーム1406は、軸方向モータ1080(例えば、リニアモータ)に接続される。軸方向における流体配送アーム1406の移動は、流体配送アーム1406を、必要に応じて、基板1250に接近して選択的に位置させるのを許容する。
【0113】
[00140]図10は、図9のフェースアップ型無電界処理チャンバの上面図である。ここでは、流体導入システム1200の流体配送アーム1406は、装着された基板1250に対して見ることができる。説明上、支持フィンガー1300は、基板1250を支持して示されている。流体配送アーム1406は、この図では、基板1250から離れるように回転されている。この位置では、上述した基板リフトアセンブリ1060の使用によりリフトフィンガー1300を使用して基板1250を持ち上げることが許される。しかしながら、矢印1004は、流体配送アーム1406の回転移動経路を示し、流体配送アーム1406が処理中に基板1250の上にノズル1402を回転できることを立証している。1つの態様において、流体配送アーム1406の回転移動及び/又は垂直移動は、基板面にわたる処理溶液の均一な分布又は希望の分布を達成するように基板面に処理流体を吐出するプロセス中に完了される。回転及び/又は垂直移動は、ディスペンスアームモータ1404及び軸方向モータ1080の使用により完了されてもよい。基板1250上で流体配送アーム1406を移動することは、基板1250の希望の面の流体カバレージの均一性及び速度を改善する上で助けとなり得る。ノズル1402から流体を吐出する間に基板支持フィンガー1330及び基板1250を回転して、流体分布均一性及びシステムのスループットを高めるのが好ましい。
【0114】
[00141]別の実施形態では、基板の回転軸に接近して流体配送アーム1406に配置された1つ以上のノズルを通して処理流体が配送されると同時に、基板の外縁付近に位置されて流体配送アーム1406に配置されたノズルを通してキャリアガス(例えば、N又はアルゴン)が配送される。流体配送動作中に、基板を回転するのが好ましい。基板1250の縁の周りにキャリアガスを注入することで、処理エリア1025の周りにガスブランケットが形成される。ガスブランケットは、処理領域内に居残ることのある残留Oを押しのける。無電界堆積プロセスの当業者であれば、酸素が、化学的活性化ステップのようなある処理ステップに有害な影響を及ぼし得ることが明らかであろう。
【0115】
[00142]一実施形態において、ノズル1402は、超音波スプレーノズルであるか、又は「エア噴霧ノズル」である。図13は、エア噴霧ノズルの1つの設計を示す断面図である。これは、内部流体混合型ノズルである。これは、流体が内部で混合されて、完全に霧化されたスプレー、即ち処理流体の霧を発生することを意味する。従って、この構成では、キャリアガスは、基板面に向けられる処理溶液の小滴を含む。一実施形態では、キャリアガスは、霧化された処理流体を基板面へ搬送するのに使用されるアルゴン、窒素、又はヘリウムのような不活性ガスである。
【0116】
[00143]図13のノズル設計において、ノズル1402は、本体1426と、尖端1424とを含む。尖端1424は、一般に、直径が約10μm乃至約200μmである。一実施形態では、尖端1424は、直径が約10μm乃至約50μmである。ノズルガス供給源1244から高圧ガスが配送されるときに生じるベンチュリー効果で形成される吸引により、流体が先端1424を通して配送される。図13の構成では、本体1426は、個別の液体及びガス流を各々受け取るための個別のチャンネル1422、1420を備えている。流体チャンネル1422及びガスチャンネル1420は、尖端1424で合流し、2つの流れの混合を許容する。これは、「同心的ベンチュリー設計」と称することができる。この配置では、ノズル1402から分布される流体は、予め混合されて、完全に霧化されたスプレーを形成する。図13の特定尖端1424の設計は、丸みのあるスプレーパターンを発生する。しかしながら、他の先端構成を使用して、他のスプレーパターン、例えば、フラット又は扇状のスプレーパターンも発生できることを理解されたい。
【0117】
[00144]図14は、異なる設計のエア噴霧ノズル1402の断面図である。これは、外部流体混合ノズルである。図14のノズル設計でも、ノズル1402は、本体1426と、尖端1424とを備えている。尖端1424は、この場合も、一般的に直径が約10μm乃至約200μmであり、或いは別の実施形態では、直径が約10μm乃至約50μmである。図14の配置でも、本体1426は、個別の液体及びガス流を各々受け取るための個別のチャンネル1422、1420を備えている。しかしながら、この配置では、流体チャンネル1422は、ガスチャンネル1420とは独立してノズル1402を通して液体を配送し、2つの流れは本体1426内では混合せず、尖端1424の外部で混合する。これは、「並列ベンチュリー設計」と称される。この配置は、ガス及び液体の流れを独立して制御できるという利点を有し、これは、粘性の高い液体及び研磨材懸濁液に対して有効である。これは、ガス流の変化が液体流に影響する内部混合型ノズル1402とは対照的である。
【0118】
[00145]1つの態様において、図13及び14のノズルと同様の従来の超音波ノズルの使用が、基板の受け取り面に向けられる処理流体の霧化された霧を発生するように適応される。液体流とは反対の、霧の方向は、高価な無電界処理流体を保存するように働く。また、これは、受け取り面にわたりより均一なカバレージも与える。また、基板1250が基板支持フィンガーモータ1052の使用により回転されるときに生成される流体力学境界層は、基板1250の面における霧化された処理流体の分布を改善することができる。というのは、回転する円板の表面における乱流境界層の形状が一般的にフラットであるか又は基板面に対していかなる方向にも平行だからである。霧化された処理流体から見た境界層の作用は、流体の流れを基板の面に当てさせる従来のスプレー設計に勝る効果となり得る。というのは、1つ以上のノズルにより生成される非均一なスプレーパターンを、基板面への霧化された流体の搬送に対する境界層の制御によって最小にできるからである。
【0119】
[00146]ノズル1402へ配送される流体のための流体供給源が設けられる。図13及び図14には、タンク1212が示されている。このタンク1212は、流体入口1218と、通気口1214とを備えている。通気口1214は、大気圧と流体連通する。更に、流体出口1216が設けられる。流体配送中に、ノズルガス供給源1244からのガスが高速度でノズル1402へ配送される。これは、通気口1214を経て大気圧と連通するために流体チャンネル1422に相対的に負の圧力を形成する。次いで、流体が流体出口1216を経てノズル1402へ押し出される。
【0120】
[00147]一般に、流体導入システム1200から配送される処理流体は、処理中に基板面に吐出される活性化溶液、無電界堆積溶液及び/又は洗浄溶液でよい。一実施形態では、処理流体が活性化溶液である。活性化溶液は、例えば、パラジウム塩を含み、これは、塩化物、臭化物、フッ化物、フルオボレート、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、カルボニル、金属酸の塩、及びその組合せを含む。一実施形態において、パラジウム塩は、塩化パラジウム(PdCl)のような塩化物である。別の実施形態では、パラジウム塩は、Pd+2の硝酸塩、アルカンサルフォネート、又は別の可溶性派生物で、溶液中でも金属面でもクラスター形成の傾向がない非配位結合アニオンを含むものである。一実施形態では、銅洗浄溶液が付与されるときの終了時と、活性化溶液が付与されるときの開始時との間の待ち時間(又は待機時間)が、一般に、約15秒未満であり、好ましくは、約5秒未満である。活性化溶液は、一般に、活性化された金属種子層を、露出した特徴部の露出した銅に堆積するように働く。洗浄後に銅層の露出部分が酸化すると、その後のプロセスステップにとって有害なことがある。というのは、銅の酸化物は、銅より電気抵抗率が高いことが知られているからである。銅の洗浄と活性化との間の待ち時間が短いと、酸化を最小にするが、流体処理セルの周りにキャリアガス環境を使用することも、上述したように、銅層の露出部分の酸化を防止する上で助けとなろう。
【0121】
[00148]一実施形態において、処理流体は、無電界堆積溶液である。一実施形態において、無電界堆積キャッピング層が堆積され、これは、CoP、CoWP、CoB、CoWB、CoWPB、NiB、又はNiWBを含む合金であり、CoWP又はCoWPBを含むのが好ましい。キャッピング層を形成するのに使用される無電界堆積溶液は、堆積されるべきキャッピング層材料に基づいて、1つ以上の金属塩及び1つ以上の還元剤を含むことができる。また、無電界堆積溶液は、この技術で一般的に知られたように、酸又は塩基のようなpH調整剤を含んでもよい。選択されたキャッピング層がコバルトを含むときには、無電界堆積溶液は、一般に、コバルト塩を含む。コバルト塩は、例えば、塩化物、臭化物、フッ化物、アセテート、フルオボレート、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、他の強い又は弱い酸の塩、及び/又はその組合せを含む。コバルト塩は、硫酸コバルト、塩化コバルト、又はその組合せを含むのが好ましい。タングステン含有のキャッピング材料を堆積すべき場合には、無電界堆積溶液は、タングステン酸塩を含む。好ましくは、タングステン酸塩は、タングステン酸の塩、例えば、タングステン酸アンモニウム又はタングステン酸テトラメチルアンモニウムを含み、又はタングステン酸の中性化により発生されてもよい。ニッケル含有のキャッピング材料を堆積すべき場合には、無電界溶液は、一般に、ニッケル塩を含む。ニッケル塩は、例えば、塩化物、臭化物、フッ化物、アセテート、フルオボレート、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、カルボニル、強い又は弱い酸の塩、及び/又はその組合せを含む。
【0122】
[00149]選択されたキャッピング層材料が、燐、例えば、CoP、CoWP又はCoWPBを含むときには、還元剤は、燐化合物、例えば、次燐酸塩アニオン(HPO)を含むのが好ましい。キャッピング材料が、ホウ素、例えば、CoB、CoWB、CoWPBを含む場合には、還元剤は、一般に、ホウ素化合物、ジメチルアミン−ボラン(DMAB)、ボロヒドライド(BH)アニオンの非アルカリ金属塩、又はその組合せを含む。上述した還元剤に加えて又はそれとは別に、ヒドラジンのような他の還元剤を使用してもよい。一実施形態では、銅において開始されるプロセスに対してボラン共還元剤が使用される。
【0123】
[00150]上述したように、無電界堆積溶液(処理流体)及び/又は基板は、ある温度に加熱されてもよい。温度は、例えば、約40℃乃至約95℃である。1つの態様では、無電界堆積溶液及び/又は基板構造体を加熱して、無電界堆積率を高める。これは、処理流体がノズル1402を出るときに経験する温度降下を相殺する上で役立つ。一実施形態では、キャッピング材料の堆積率は、約100Å/分以上である。一実施形態では、キャッピング材料は、約100Å乃至300Å、好ましくは約150Å乃至約200Åの厚みに堆積される。しかしながら、無電界プロセスの堆積率は、温度に依存することが知られているので、基板にわたる温度を均一の温度に維持することが望ましい。従って、図9に示すベースプレート部材1304の加熱コイル1112、及び/又はヒータ1164を使用することができる。
【0124】
[00151]流体処理セル1010は、流体放出システム1240も備えている。この流体放出システム1240は、一般に、流体ドレイン1249に接続された出口管路1227を含む。任意であるが、セル1010を通してより均一に流体を排出するために、セル1010の周りに2つ以上の出口管路1227が配置されてもよい。図10において、一般的に等距離に離間された4つの出口管路1227が設けられていることが明らかである。多数の出口管路1227を単一の排出充満部及び流体ドレイン1249に結合してもよい。流体ドレイン1249は、次いで、チャンバの排水を廃棄物収集ドレイン(図示せず)へ配送する。要約すれば、処理流体は、一般に、入口管路1225を通り、次いで、流体配送アーム1406に装着されたノズル1402を通り、次いで、外方に処理エリア1025を経て基板1250に向かい、更に、1つ以上の出口管路1227から流出される。
【0125】
[00152]流体放出システム1240は、ガス排出口を含む。側壁1015を貫通して排出口1246が延びている。排出システム1248が処理エリア1025からガスを引き出す。一実施形態では、排出口1246は、基板1250の面の下に均一にガスを引き込んで、基板1250の面付近のガスの流れを改善するリング/充満部である。
【0126】
[00153]図11は、フェースアップ型流体処理セル1010の別の実施形態を示す断面側面図である。この場合も、基板1250の受け取り面に流体を配送するために流体吸い込みシステム1200が設けられる。この場合も、処理流体は、1つ以上のノズル1402を経て配送される。しかしながら、この実施形態では、ノズル1402は、チャンバ蓋アセンブリ1033内の多孔性プレート1030に配置される。
【0127】
[00154]図9、図9A−B、図11及び図11A−Bを参照すれば、チャンバ蓋アセンブリ1033は、先ず、多孔性プレート1030を備えている。この多孔性プレート1030は、これを貫通して流体を移動するのを許容するためにホール又は孔が形成されたプレートであるのが好ましい。多孔性プレートの材料は、例えば、流体連通を許容するために孔が形成されるか又はホールが製造されたセラミック材料(例えば、アルミナ)、ポリエチレン(PE)、及びポリプロピレン、PVDFを含む。一実施形態では、HEPAフィルタ構成体が使用されてもよい。一般に、HEPAフィルタは、ガラスファイバをペーパー状の材料へとロール化したものを使用する。図9、9A−B、11及び11A−Bの多孔性プレート1030は、上部支持リング1031により支持される。次いで、チャンバ蓋アセンブリ1033は、一般に、蓋1032、上部支持リング1031、及び多孔性プレート1030を備えている。蓋1032は、蓋アセンブリ1033と多孔性プレート1030との間の体積部に充満部1034を形成する。1つの態様において、多孔性プレート1030は、2つのO−リングシール(エレメント1036及び1037)の使用により蓋1032に対してシールされる。蓋1032は、図11の構成では、多孔性プレート1030及び上部支持リング1031の両方により支持される。
【0128】
[00155]蓋アセンブリ1033の一実施形態では、図11に示すように、処理溶液が、溶液源1202、1204、1206から、蓋1032を貫通して延びる入口管路1225を通り、次いで、マニホールドを通して多孔性プレート1030の1つ以上のノズル1402へ至り、これが、処理溶液を基板面へ向けることで、基板1250へ配送される。1つの態様では、処理領域1025に均一なガスの流れを与えるために、管路1040を使用して、ガス供給源1038から充満部1034及び多孔性プレート1030を通して処理領域1025へガスを配送するための流路が与えられる。バルブ1035は、充満部1034とガス供給源1038との間の流体連通を選択的に開閉するように適応される。1つの態様では、ガス供給源1038は、アルゴン、窒素、ヘリウム又はその組合せのような不活性ガスを処理領域1025に与える。別の態様では、ガス供給源1038は、酸素含有ガスを処理領域1025に与える。酸素は、無電界堆積プロセスのある段階では問題がなく、例えば、活性化ステップ中には酸素を添加してもよいことに注意されたい。この構成では、水素及び酸素を希望の比率で含むキャリアガスを形成し、又はそれを、多孔性プレート1030を経て処理領域1025へ配送するのが好ましい。
【0129】
[00156]充満部1034及び多孔性プレート1030は、基板1250の上に位置され、キャリアガスの層流が基板1250の上に配送されるのを許容する。ガスの層流は、基板1250に均一で且つ垂直のガス流を形成する。このようにして、基板1250の半径に沿って均一の境界層が設けられる。これは、ひいては、ウェハの半径にわたるより均一な熱ロスを許し、ウェハ上及びそれより上で水及び化学蒸気が凝縮するのを減少するように働く。多孔性プレート1030は、ガス流ディフューサーとして働く。従って、多孔性プレート1030を通して流れるガスは、ノズル1402から流れる処理流体の霧を基板1250の受け取り面へ向け且つ均一に分布させる上で助けとなり得る。最終的に、ガスは、排出システム1248により排出口1246を経て排出される。排出システム1248は、一般に、流体処理セル1010からガスを引き出すために排出ファン又は真空ポンプを含んでもよい。排出口1246は、基板1250を通り過ぎるガス流が層流となるように確保する上で助けとなることに注意されたい。
【0130】
[00157]一実施形態では、充満部1034付近で蓋アセンブリ1033に加熱素子(図示せず)が置かれる。例えば、多孔性プレート1030内に加熱コイル(図示せず)が配置されてもよい。これは、管路1040から配送されるガスの加熱を行い、ひいては、基板1250の上の凝縮及び小滴形成を最小にする。
【0131】
[00158]一実施形態では、管路1040は、ガスではなく流体(例えば、処理流体)を、多孔性プレート1030を経て押し出すのを許容するために、流体導入システム1200に接続される。このように、多孔性プレート1030は、シャワーヘッドのように作用して、処理流体を基板1250の面へ配送する。
【0132】
[00159]一実施形態において、管路1040は、真空源1039の使用で充満部1034に真空圧力を形成することにより、流体配送管路として働くと共に流体除去管路として働くこともできる。真空源1039は、基板1250をセル1010から移送する直前に、多孔性プレート1030に残留する流体が滴下するのを防止するのに使用されてもよい。この点に関して、真空ベンチュリーのような真空源1039は、充満部1034に真空を生成するように操作され、これは、ひいては、多孔性プレート1030の下面の流体を充満部1034に向かって「吸い上げる」用にさせる。
【0133】
[00160]図11Aは、図11のフェースアップ型無電界処理チャンバの断面側面図である。この図において、セル1010内にガス流転向器1102が設けられる。このガス流転向器1102は、従来のリフトメカニズム(図示せず)を使用することにより選択的に上昇及び下降される。図11Aに示すように、ガス流転向器1102は、その下降位置にあって、基板1250を流体処理セル1010へ及び/又はそこから移送するのを許容することができる。
【0134】
[00161]図11Bは、ガス流転向器1102を有する図11のフェースアップ型無電界処理チャンバの別の断面図である。ここでは、ガス流転向器1102は、その上昇位置にあり、ノズル1402から通過するときの処理溶液の流れ(例えば、処理溶液の霧)を、且つガス供給源1038及び多孔性プレート1030から通過するときのガスの流れを、処理中に基板1250に向けて「直線化」し及び/又は指向するように使用できる。従って、ガス流転向器1102は、障害物の数を制限すると共に、到着する流体の流れパターンを制御することにより、処理中の処理流体及びガス流パターンの再現性及び粒子性能を改善するのに使用される。
【0135】
[00162]基板1250に吐出される流体の進行をセル1010の外部から視覚点検するための手段を設けることが望まれる。図11の構成では、セル1010の内部にカメラ1360が設けられる。このカメラは、側壁1015に沿って、又は多孔性プレート1030の下に、又は上部支持リング1031に沿って、或いは基板1250の充分な視覚化を得ることのできる他の場所に配置することができる。カメラ1360は、蓋の固定部分に置くのが好ましい。図11の実施形態では、カメラ1360は、上部支持リング1031に固定される。カメラ1360は、コントローラ111と通信し、一連のピクセルを使用してデジタル映像を記録する電荷結合表示カメラ(CCDカメラ)であるのが好ましい。基板1250の面の光学的視覚化を与えるためにセル1010の外部にモニタ(図示せず)が設定される。このように、処理流体の吐出プロセス中、又は堆積プロセス中に、基板1250の無電界処理流体のカバレージのタイミング及び適切さに関して視覚確認を行うことができる。
【0136】
[00163]カメラ1360の助けとして、光源(図示せず)を設けることが望ましい。また、光源は、蓋の固定部分に置くのが好ましいが、処理エリア1025付近のいかなる位置に位置されてもよい。光源は、処理中に基板1250を照明するように働く。1つの態様において、カメラ1360は、可視スペクトル内の光を検出するように使用される。
【0137】
[00164]視覚確認は、人間の監視により行われるのが好ましい。しかしながら、1つの構成では、視覚確認プロセスが、マシン視覚制御型プロセスにより行われる。この配置では、充分にカバーされた基板1250の映像がコントローラ111へプログラムされる(上記エレメント111を参照)。1つの態様において、コントローラ111は、次いで、流体吐出プロセス中にカメラ1360により発生されるピクセル映像を監視し、それら映像を、予め記録された映像又は他のデータと比較して、プロセスに関する種々の判断をコントローラ111により行えるようにする。例えば、流体吐出プロセスは、少なくとも、カメラ1360のピクセルで検出された実際の基板映像が、予め記録された映像に一致するまで、「時間切れ」又は終了することが許されない。
【0138】
[00165]1つの態様において、カメラ1360は赤外線カメラである。赤外線カメラは、可視波長をフィルタ除去するが、熱波長を確認する。温度の差は、主題、即ち基板1250における温度差の指示として、検出された映像内で検出された信号のカラー又は強度に変換することができる。吐出されている流体が、基板1250の面とは異なる温度にある場合には、温度差がカラーの差として記録される。流体の吐出は、温度差が消えて、基板1250の完全なカバレージの指示が与えられるまで、続けられる。また、コントローラ及びカメラ1360の使用により形成されるマシン視覚型制御により温度差が監視されるのが好ましい。それ故、基板の完全なカバレージを保証することができる。
【0139】
[00166]別の態様において、カメラ1360は、到来する光を受けて、種々の光波長及びそれらの強度を示すデータを出力するのに使用される分光計でよい。例えば、赤い光は、可視スペクトルの低い波長内でグループ編成される大きな光成分強度を有する。分光計は、通常、光学プリズム(又は格子)界面を備えていて、到来する信号をその成分に光学的に分割し、これが、次いで、直線的CCD検出器アレイに投影される。分光計の一実施形態は、プリズム(又は格子)から合成スペクトルを受け取るために数千の個々の検出素子(例えば、ピクセル)で構成されるCCD検出アレイを備えてもよい。強度対波長データを収集すると、カメラ1360と通信するコントローラ111は、次いで、現在受信される情報を、過去の値又はユーザが定義した値と比較して、プロセス結果を最適なものとするように、無電界堆積プロセスステップ及びプロセス変数(例えば、流体カバレージ、処理時間、基板温度、基板回転速度)を制御することができる。
【0140】
[00167]1つの構成において、カメラ1360を閉ループ制御のもとで動作し、流体配送アーム1406の動き及び化学的ノズル1402からの流れ構成をソフトウェアで最適化して、基板1250の面が連続的な化学的カバレージをもつように保証することができる。この閉ループ制御は、カメラ1360、ディスペンスアームモータ1404、及び流体導入システム1200内のコンポーネントを使用することで実行でき、これらは、全て、コントローラ111により接続されて制御される。
【0141】
[00168]図12は、フェースアップ型流体処理セル1010の更に別の実施形態を示す断面図である。ここでも、処理流体は、多孔性プレート1030に配置されたノズル1402を通して流体をスプレーすることにより基板1250の受け取り面に付与される。この実施形態では、多孔性プレート1030は、基板1250に対して選択的に上昇及び下降される。より詳細には、チャンバ蓋アセンブリ1033が基板1250に対して軸方向に移動する。この軸方向移動を達成するために、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079が使用される。チャンバ蓋アセンブリ1033に接続されたチャンバ蓋アクチュエータ(アイテム1080’で概略的に表わされた)は、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079の一部分として使用されてもよい。アクチュエータ1080’は、電気的アクチュエータであるのが好ましく、一実施形態では、リニアDCサーボモータである。しかしながら、アクチュエータ1080’は、空気圧作動式のエアシリンダーでもよい。この構成では、モータ1080’を作動することにより、チャンバ蓋リフトアセンブリ1079は、多孔性プレート1030と、その下の基板1250との間の処理エリア1025の体積を制御する。このような構成は、基板1250の面付近のガス流及び酸素レベルを制御するのに有用である。
【0142】
[00169]上述したフェースアップ型無電界メッキセルに対する種々の実施形態は、基板1250の処理に関して説明した。しかしながら、あるメンテナンス活動中に、支持フィンガー1300(又は支持リング)に基板をのせずに処理セル1010の動作を希望する場合があることに注意されたい。より詳細には、流体導入システム1200及び流体放出システム1240は、処理領域1025内に基板を配置せずに動作することができる。例えば、脱イオン水又は他の洗浄又はすすぎ流体を、流体配送アーム(図9の流体配送アーム1406のような)又は流体配送プレート(図11の多孔性プレート1030のような)を通して、基板支持フィンガー1300及び他のチャンバコンポーネントへ注入することができる。このステップは、基板支持フィンガー1300及び他のチャンバ部品を洗浄して、処理セル1010の粒子レベルを下げるように完了することができる。この洗浄ステップを更に助けるために、流体配送アームを下降してもよく(図9B)、流体配送ヘッドを下降してもよく(図12)、又は基板支持アセンブリを上昇してもよい(図9A)。
【0143】
[00170]以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、他の及び更に別の実施形態を案出することもでき、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】基板処理システムを例示する平面図である。
【図2】基板処理システムに含まれる無電界堆積システム及びエンクロージャーを例示する斜視図である。
【図3】エンクロージャーを除去した無電界堆積システムを例示する斜視図である。
【図4】無電界堆積システム及びエンクロージャーを例示する縦断面図である。
【図5A】流体処理ステーションを例示する縦断面図である。
【図5B】図5Aに示す流体処理ステーションに位置されるプラテンアセンブリを例示する断面図である。
【図5C】図5Bに例示したプラテンアセンブリの一部分の拡大縦断面図である。
【図5D】流体処理ステーションに位置されたプラテンアセンブリの別の実施形態の一部分を例示する拡大縦断面図である。
【図5E】図5Aに示す流体処理ステーションに位置されたプラテンアセンブリを例示する縦断面図である。
【図5F】流体処理ステーションを例示する縦断面図である。
【図6】基板支持アセンブリを例示する等寸図である。
【図7】流体処理ステーションを例示する縦断面図である。
【図8A】流体処理ステーションを例示する拡大断面図である。
【図8B】図8Aに示す流体処理ステーションに位置されるエッジダムを例示する縦断面図である。
【図8C】図8Aに示す流体処理ステーションに位置されるエッジダムの別の実施形態を示す縦断面図である。
【図8D】図8Cに示すエッジダムを例示する断面図で、エッジダムが基板に接触する状態を示す図である。
【図8E】図8Aに示す流体処理ステーションに位置されるウェハホルダーアセンブリのフィンガーの尖端を例示する断面図である。
【図8F】図8Aに示す流体処理ステーションに位置されるウェハホルダーアセンブリのフィンガーの尖端の別の実施形態を示す断面図である。
【図9】フェースアップした無電界処理チャンバの縦断面図で、チャンバ内の流体配送アームに配置されたノズルを使用するものを示す図である。
【図9A】図9に示す無電界処理チャンバの縦断面図で、基板支持アセンブリがその持ち上がった位置にある状態を示す図である。
【図9B】図9の無電界処理チャンバの別の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】図9の無電界処理チャンバの横断面図である。
【図11】無電界処理チャンバの別の実施形態の縦断面図である。
【図11A】図11の無電界処理チャンバの断面図で、チャンバ内にガス流転向器が位置されたところを示す図である。
【図11B】図11Aの無電界処理チャンバの別の縦断面図で、ガス流転向器がその持ち上がった位置にある状態を示す図である。
【図12】チャンバ蓋アセンブリを除去できるような無電界処理チャンバの別の実施形態を示す縦断面図である。
【図13】処理流体配送システムの実施形態を示す図で、ここに述べる無電界処理チャンバに関連して使用できるノズルの実施形態を断面で示した図である。
【図14】処理流体配送システムの実施形態を示す図で、ここに述べる無電界処理チャンバに関連して使用できるノズルの実施形態を断面で示した図である。
【符号の説明】
【0145】
23…従来の集塵排出システム、24…ドレインポート、25…流体体積部、26…流体ディスペンスポート、27…ベース、28…処理コンパートメント、29…流体体積部領域、30…リニアスライダ、31…リードスクリュー、32…ギャップ、33…ギャップ、34…コンパートメント、41…流体ヒータ、42…インライン流体ヒータ、43…加熱素子、50…基板支持リフトアセンブリ、100…システム、102…処理セル位置、104…処理セル位置、105…計測点検ステーション、106…処理セル位置、108…処理セル位置、110…処理セル位置、111…システムコントローラ、112…処理セル位置、113…メインフレーム、114…処理セル位置、115…リンクトンネル、116…処理セル位置、120…メインフレームロボット、122…ブレード、124…ブレード、126…基板、130…ファクトリインターフェイス、132…ファクトリインターフェイスロボット、134…基板ロードステーション、135…アニールチャンバ、136…冷却プレート、137…加熱プレート、140…基板移送ロボット、150…ロボットトラック、302…処理エンクロージャー、303…矢印、304…バルブ付きアクセスポート、305…基板移送シャトル、308…中央内壁、310…スロット、312…第1処理体積部、313…第2処理体積部、314…排出ポート、315…環境制御アセンブリ、400…堆積ステーション、401…基板、402…処理ステーション、403…プラテンアセンブリ、404…処理位置、405…流体拡散部材、405A…上流側、406…ディスペンスアーム、407…ホール、408…流体ディスペンスアーム、409…流体供給コンジット、409A…流体ヒータ、409B…流体供給源、410…流体体積部、411…リング、412…基板支持フィンガー、413…リフトアセンブリ、414…基板支持アセンブリ、415…垂直ポスト部材、415A…基板支持面、416…流体流バッフル、417…ベースプレート部材、417A…内面、418…上部キャッチリング、419…下部流体キャッチリング、420…流体ドレイン、420a…流体ドレイン、420b…流体ドレイン、421a…終縁、421b…終端、422…インターリーブ壁アセンブリ、423…上部インターリーブ壁、424…下部インターリーブ壁、425…上部アーム部材、426…ベース部材、427…動力ジャッキスクリューアセンブリ、428…シール、429…分離ボックス、430…ガス排出ポート、431…流体ドレイン、432…再捕獲ポート、433…ヒータ、442…ベースプレート支持体、443…支持モータ、445A…第2流体供給コンジット、445B…ヒータ、445C…第2流体源、445D…第2ベース部材、446A…第1流体供給コンジット、446B…ヒータ、446C…第1流体源、446D…第1ベース部材、447…ハードウェアアセンブリ、448…ハードウェアアセンブリ、450…スペース、451…ダム、452…多小面付きホール、452A…入口区分、452B…出口区分、453…頂面、454A…面、454B…面、454C…面、542…多小面付きホール、800…流体処理チャンバ、1004…矢印、1010…セル、1012…プラットホーム、1013…ベース部材、1014…ベース部材、1015…側壁、1016…底壁、1025…チャンバ処理エリア、1030…多孔性プレート、1031…上部支持リング、1032…蓋、1033…チャンバ蓋アセンブリ、1034…充満部、1035…バルブ、1036…O−リングシール、1037…O−リングシール、1038…ガス供給源、1039…真空源、1040…管路、1052…基板支持フィンガーモータ、1054A…上部ベアリング、1054B…下部ベアリング、1060…基板リフトアセンブリ、1061…リードスクリュー、1062…基板支持アセンブリモータ、1064…フィンガースライド、1066…溝付きハウジング、1079…チャンバ蓋リフトアセンブリ、1080…軸方向モータ、1080’…アクチュエータ、1102…ガス流転向器、1108…スロット、1112…加熱コイル、1121…環状シール、1161…ヒータ、1162…フィルタ、1164…流体ヒータ、1166…管、1170…流体ガス抜きユニット、1200…流体導入システム、1202…溶液源、1203…流体源、1204…溶液源、1206…溶液源、1207…ガス源、1208…計測ポンプ、1209…ディスペンスバルブ、1210…フォアライン、1212…タンク、1214…通気口、1216…流体出口、1218…流体入口、1225…入口管路、1227…出口管路、1240…流体放出システム、1244…ノズルガス供給源、1246…排出口、1248…排出システム、1249…流体ドレイン、1250…基板、1299…基板支持アセンブリ、1300…基板支持フィンガー、1301…ベースプレート支持体、1302…流体拡散部材、1304…ベースプレート部材、1305…ベースプレートコンジット、1306…流体通路、1308…流体入口、1310…流体体積部、1312…熱伝達領域、1330…基板支持フィンガー、1360…カメラ、1402…ノズル、1404…ディスペンスアームモータ、1406…流体配送アーム、1410…ガード部材、1420…チャンネル、1422…チャンネル、1424…尖端、1426…本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するように適応される処理領域を有する無電界(electroless)処理チャンバにおいて、
上記処理領域に位置されたプラテンアセンブリであって、
流体アパーチャーが貫通形成されたベース部材、
上記ベース部材にシール可能に位置されて、上流側と下流側を有する流体拡散部材であって、その上流側と下流側の間を流体連通する複数の流体通路を有する流体拡散部材、
上記ベース部材と上記流体拡散部材の上流側との間に形成された流体体積部、
上記流体拡散部材の下流側の上に第1距離だけ突出する特徴部、
を含むようなプラテンアセンブリと、
上記処理領域に位置されて、基板支持面を有する回転可能な基板支持アセンブリであって、上記プラテンアセンブリに対して回転するように適応される回転可能な基板支持アセンブリと、
を備えた無電界処理チャンバ。
【請求項2】
上記流体拡散部材は、実質的に円板形状であり、上記特徴部の面は、上記円板形状の流体拡散部材の外縁と一致する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記第1距離は、約0.5mm乃至約25mmである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
上記流体拡散部材の下流面は、表面の粗面度(R)が約1.6μm乃至約20μmである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
基板を処理するように適応される処理領域を有する無電界処理チャンバにおいて、
上記処理領域に位置されたプラテンアセンブリであって、
流体アパーチャーが貫通形成されたベース部材、
上記ベース部材にシール可能に位置されて、上流側と下流側を有する流体拡散部材、
上記ベース部材と上記流体拡散部材の上流側との間に形成された流体体積部、及び
上記流体拡散部材に形成された複数の流体通路、
を含み、上記複数の流体通路は、上記流体拡散部材の下流側と上流側との間に流体連通し、また、上記複数の流体通路の少なくとも1つは、更に、
上記上流側と流体連通し且つ第1の断面積を有する第1特徴部、及び
第2の断面積を有する第2特徴部、
を含み、該第1特徴部及び第2特徴部が流体連通するようなプラテンアセンブリと、
上記処理領域に位置されて、基板支持面を有している回転可能な基板支持アセンブリであって、上記プラテンアセンブリに対して回転するように適応される回転可能な基板支持アセンブリと、
を備えた無電界処理チャンバ。
【請求項6】
上記第2断面積は上記第1断面積より大きい、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
上記複数の流体通路は、
上記下流側にわたり実質的に均一に分布された少なくとも4つの流体通路のアレイと、
上記下流面の上に第1距離だけ突出する環状特徴部であって、上記第1距離が約0.5mm乃至約25mmであるような環状特徴部と、
を含む請求項5に記載の装置。
【請求項8】
上記流体通路のアレイは、方形、長方形、半径方向、又は六角形の密接にパックされた配向で配列される、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
上記複数の流体通路の少なくとも2つ以上は、更に、上記上流側から延びるその長さの一部分に対する第1円筒形状と、該第1円筒形状と流体連通する第2円筒形状とを含み、該第2円筒形状は、その断面積が上記第1円筒形状より大きい、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、
無電界処理チャンバの処理領域に位置されて、1つ以上の基板支持面を有している回転可能な基板支持アセンブリと、
上記処理領域に位置されて、第1面を有しているエッジダムであって、該エッジダム、及び/又は上記1つ以上の基板支持面に位置された基板を、上記エッジダムの上記第1面と基板の縁との間にギャップを形成するように配置することのできるエッジダムと、
上記基板支持体に位置された基板の面に無電界処理溶液を配送するように適応される流体源と、
を備えた無電界処理チャンバ。
【請求項11】
上記流体源は、更に、上記流体源から配送される無電界処理溶液と熱連通する流体ヒータを備えた、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
上記エッジダムは、更に、上記1つ以上の基板支持面に位置された基板の面に対して上記エッジダムを位置させるように適応されるリフトアセンブリを備えた、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、
上記無電界処理チャンバの処理領域に位置された回転可能な基板支持アセンブリであって、基板支持面を各々有する1つ以上の基板支持特徴部を有している回転可能な基板支持アセンブリと、
上記処理領域に位置されて、流体体積部を形成する1つ以上の壁を有するボウルアセンブリであって、上記流体体積部は、該流体体積部に位置された流体に上記1つ以上の基板支持特徴部を浸漬するのを許容するサイズにされているボウルアセンブリと、
上記流体体積部、及び上記1つ以上の基板支持面に位置された基板と流体連通する流体源と、
を備えた無電界処理チャンバ。
【請求項14】
上記無電界処理チャンバは、更に、上記流体体積部に位置された流体と熱連通する流体ヒータを備えた、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
上記無電界処理チャンバは、更に、上記ボウルアセンブリの1つ以上の壁に対して上記回転可能な基板支持アセンブリを位置させるように適応されるリフトアセンブリを備えた、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
上記回転可能な基板支持アセンブリは、更に、
上記基板支持面と流体連通する充満部と、
上記充満部、及び上記基板支持面に位置された基板と流体連通する真空源と、
を備えた請求項13に記載の装置。
【請求項17】
基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、
上記無電界処理チャンバの処理領域に位置された基板支持アセンブリであって、基板支持面を各々有する1つ以上の離間された基板支持特徴部を有する基板支持アセンブリと、
上記処理領域に位置されて、流体体積部を形成する1つ以上の壁を有するボウルアセンブリであって、上記流体体積部は、該流体体積部に位置された流体に上記1つ以上の離間された基板支持特徴部を浸漬するのを許容するサイズにされているボウルアセンブリと、
上記1つ以上の離間された基板支持特徴部を回転するように適応されるモータと、
上記1つ以上の離間された基板支持特徴部に位置された基板の面と、上記ボウルの1つ以上の壁の面との間に形成されたギャップと、
上記流体体積部、及び上記1つ以上の基板支持面に位置された基板の面と流体連通する流体源と、
を備えた無電界処理チャンバ。
【請求項18】
基板を処理するように適応される無電界処理チャンバにおいて、
処理領域に位置されたプラテンアセンブリであって、
上流側及び下流側を有し、且つその上流側と下流側との間に流体連通を与えるよう適応された複数の流体通路を有する流体拡散部材、
第1流体アパーチャーが貫通形成された第1ベース部材であって、この第1ベース部材が上記流体拡散部材にシール可能に位置され、且つ上記第1流体アパーチャーが上記流体拡散部材に形成された複数の流体通路の少なくとも1つと流体連通するような第1ベース部材、及び
第2流体アパーチャーが貫通形成された第2ベース部材であって、この第2ベース部材が上記流体拡散部材にシール可能に位置され、且つ上記第2流体アパーチャーが上記流体拡散部材に形成された複数の流体通路の少なくとも1つと流体連通するような第2ベース部材、
を含むようなプラテンアセンブリと、
上記処理領域に位置されて、基板支持面を有している回転可能な基板支持アセンブリであって、上記プラテンアセンブリに対して回転するように適応される回転可能な基板支持アセンブリと、
を備えた無電界処理チャンバ。
【請求項19】
無電界処理チャンバで基板を処理する方法において、
基板支持体の基板受け取り面に基板を位置させるステップと、
上記基板支持体を拡散部材からある距離に位置させるステップと、
上記拡散部材に形成された複数の流体通路を通して温度制御された流体を流して、その温度制御された流体が上記基板の第1面に接触するようにするステップと、
上記基板及び基板支持体を上記拡散部材に対して回転するステップと、
上記基板の第2面に無電界堆積処理流体を吐出して、上記第2面に無電界層を堆積するステップと、
を備えた方法。
【請求項20】
無電界堆積処理流体を吐出する上記ステップは、更に、
無電界堆積処理流体をその供給源から流す段階と、
移動可能なアームアセンブリを使用して上記基板の上記第2面の上にノズルを位置させる段階と、
ノズルから上記基板に無電界堆積処理流体を吐出する段階と、
を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
上記基板の第2面に無電界堆積処理流体を吐出する前に無電界堆積処理流体をガス抜きするステップを更に備えた、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
処理領域を有する無電界処理チャンバで基板を処理する方法において、
上記処理領域に保持された基板支持体の基板受け取り面に基板を位置させるステップと、
上記処理領域に保持された拡散部材からある距離に上記基板受け取り面を位置させるステップと、
上記基板及び基板支持体を上記拡散部材に対して回転するステップと、
処理ガス源から上記処理領域へガスを流し込むステップと、
上記拡散部材に形成された複数の流体通路を通して流体を流すステップと、
拡散部材からある距離に上記基板受け取り面を位置させて、上記基板の第1面が上記流れる流体に接触するようにさせるステップと、
上記基板の第2面に第1無電界堆積処理流体を吐出するステップと、
を備えた方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図9】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−46156(P2007−46156A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−186953(P2006−186953)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】