説明

半導体基板の表面において電気化学反応を実施するためのデバイスおよび方法

本発明は、半導体基板(S)の表面において電気化学反応を実施するためのデバイスであって、電解質(E)を含有するように意図された容器(10)、容器内に配設された支持体(20)であって、支持体(20)上に半導体基板を取り付けるように適合された支持体(20)、容器(10)内に配設された対向電極(30)、光線を放出するための発光源(51)および半導体基板(S)の前記表面の全面に光線を均一化して、半導体基板(S)の表面を活性化するための手段(52)を備えた照明手段(50)、ならびに半導体基板および対向電極に連結して、電気化学反応を可能にする電位で前記半導体基板(S)の前記表面を分極するための連結手段を備えた給電源(40)を備えることを特徴とする、デバイスに関する。本発明はまた、対応する半導体基板の表面において、電気化学反応を実施するための方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板上における電気化学に関する。
【0002】
さらに正確には、半導体基板の表面において電気化学反応を実施するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体基板の表面において電気化学反応を実施することは公知である。
【0004】
従来、半導体基板および対向電極を、前記基板の表面において反応することが可能な化学種を含有する電解質中に浸漬させる。
【0005】
次に、電源を使用して、想定される反応が可能となる電位で基板の表面を分極させる。
【0006】
想定される反応がアノード的であるかまたはカソード的であるか、および半導体基板の伝導性のタイプ、すなわちNであるかまたはPであるかに応じて、半導体基板を照明することによって反応を活性化することが必要となる場合がある。
【0007】
照明の目的は、半導体価電子帯の電荷キャリアを励起して伝導帯を占有させることであり、これはいわゆる半導体基板の表面の活性化に相当する。
【0008】
照明により半導体の価電子帯と伝導帯との間の差、すなわちギャップよりも大きなエネルギーが供給されると、電荷キャリアは電気化学反応に参加することができる。
【0009】
こうしたアノード反応またはカソード反応の実施は、多くの特許出願および科学出版物の主題となっている。
【0010】
もっともよく知られている反応のなかで、n−またはp−ドープされた基板上におけるシリコンの多孔化に関する反応について言及されている場合があり、これらの反応はJ.N.Chazalviel、「Porous Silicon Science and Technology」、VialおよびDerrien(編)、Springer、ベルリン 1995年、17〜32頁に記載されているように、フッ化水素酸媒体中でほとんど実施されている。
【0011】
半導体基板の表面における周知の電気化学反応の一つは、有機分子とポリマーのグラフト化である。これらの中で、以下のものを挙げることができる。
−メタノールからのメトキシ基のグラフト化。
−RMgX型の有機マグネシウム化合物からアノード的に形成されたラジカルを経る、または−RX型のハロゲン化アルカン(alkane halides)からカソード的に形成されたラジカルを経るアルキル基の電気化学的なグラフト化反応。
−ジアゾニウム塩からのフェニル基のグラフト化。
−ジアゾニウム塩からのビニルポリマーのグラフト化。
−RMgX型の不飽和有機マグネシウム化合物からのポリマーのグラフト化。
【0012】
このような反応を実施するために使用されるデバイスは、一般に、基板を電解質、対向電極および光源に接触させるための槽を備える。
【0013】
しかし、前記デバイスは以下の欠点を有する。
−これらのデバイスは、基板の表面に均一な照明ができず、したがって反応が均一に実施されない。
−直径が50mmのディスクよりも大きなサイズの基板表面を照明することによって活性化される電気化学反応を実施可能な公知のデバイスがない。
−基板と対向電極との間の電解質中の電気力線を実質的に乱すことなく、半導体基板に均一な照明ができるデバイスがない。
【0014】
原則として、マイクロエレクトロニクス産業において使用されるような半導体基板の表面における前記電気化学反応に関して、均一性という概念がどの従来技術文献にも記載されていない。
【0015】
従来技術のデバイスについての記載は、依然として非常に簡単であり、かつ反応は数cmのサイズを有する基板の規模で考え得るものに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第2007/099218号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】J.N.Chazalviel「Porous Silicon Science and Technology」VialおよびDerrien(編)、Springer、ベルリン 1995年、17〜32頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、これらの欠点の少なくとも1つの改善を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的のために、第1の態様による本発明は、半導体基板の表面において電気化学反応を実施するためのデバイスであって、
−電解質を収容するように意図された容器、
−容器内に配設された支持体であって、前記支持体上に半導体基板を取り付けるように適合された支持体、
−容器内に配設された対向電極、
−光線を放出する光源、および半導体基板の前記表面の全面に光線を均一化して、半導体基板の表面を活性化するための手段を備えた照明手段、ならびに
−電気化学反応を可能にする電位で前記半導体基板の前記表面を分極するための、半導体基板および対向電極への連結手段を備えた給電源
を備えているデバイスを提示する。
【0020】
本発明の第1の態様によるデバイスは、単独または任意の技術的に可能な組合せをとる以下の特徴によって、有利に完成される。
−容器および支持体が、50mmから450mmの間の所与の直径のディスク形状の基板を収容するように適合されている。
−容器が、照明手段からの光放射を反射する少なくとも1つの反射性内壁を備えている。
−対向電極が対称軸に関して対称性を有し、容器および支持体が軸に関して対称性を有する半導体基板を収容するように適合されており、支持体が、半導体基板の対称軸が対向電極の対称軸と一直線となるように半導体基板を固定するように適合されている。
−半導体基板の前記表面の全面に光線が均一化するための手段が、半導体基板を固定して軸を中心に回転させるための手段を備えている。
−デバイスは、2つの面を備えた流体力学的拡散器(hydrodynamic diffuser)をさらに備えており、前記流体力学的拡散器は、第1の面が対向電極に対向して容器内に配設されており、支持体は、流体力学的拡散器の第2の面に対向している基板を固定するように適合されている。
−流体力学的拡散器が、照明手段からの光線に透過性の材料で形成されている。
−対向電極が、照明手段と支持体との間に配設されており、照明手段によって半導体基板の方向に放出された放射の少なくとも一部が通過できるように適合された形状を有する。
−照明手段が容器内に配設されている。
−照明手段が容器内に、流体力学的拡散器と対向電極との間に配設されている。
−照明手段が流体力学的拡散器上に配設されている。
−容器が、照明手段からの光放射に透過性の外側側壁を備えており、照明手段が容器の外側にあって、側壁の近傍に配設されている。
−対向電極が、中央に開口部を有するリング形状をしており、照明手段が、対向電極の中央の開口部を通じて光放射を放出するように配設されている。
−照明手段が、リング形状の対向電極に対して同軸となるように、実質的に対向電極の中央の開口部の内側に配設されている。
−照明手段が、半導体基板の表面の全面に均一に分散される光放射を放出するように、容器内に配設された複数の光源を備えている。
−照明手段が中央の開口部を有する表面を備えた構造体を備えており、対向電極が中央の開口部に対して同軸となるように配設されており、光源が中央の開口部の周辺部の構造体の表面に分布している。
−対向電極が、照明手段の構造体の中央の開口部の内側に配設されている。
−照明手段が表面を備えた構造体を備えており、対向電極が構造体の表面に固定されており、光源が対向電極の周辺部の構造体の表面に分布している。
−照明手段からの光線を均一化するための手段が、光源からの光放射を半導体基板の表面に均一に分散するように適合されたディフレクターを備えている。
−光源が支持体上に配設されている。および、
−光源が、対向電極の方向に光線を放出するように向けられて、対向電極が光源からの光線を反射する材料でできている。
【0021】
第2の態様による本発明はまた、半導体基板の表面において電気化学反応を実施するための方法であって、
−半導体基板を電解質に接触させるステップ、
−半導体基板の前記表面の方向に光放射を放出するステップ、
−半導体基板(S)の前記表面の全面に放出された光線を均一化して、半導体基板の表面を活性化するステップ、および
−電気化学反応を可能にする電位で前記半導体基板の前記表面を分極するステップ
を含む方法を提示する。
【0022】
本発明の第2の態様による方法は、単独、または任意の技術的に可能な組合せをとる以下の特徴によって、有利に完成される。
−電解質が電気化学的に活性な化学種を含有し、電気化学反応が前記化学種を必要とする。
−50mmから450mmの間の所与の直径を有するディスク形状の基板を使用する。
−化学種が金属性であり、その結果、電気化学反応により基板の表面に金属膜の形成をもたらす。および、
−化学種が有機性であり、その結果、電気化学反応により基板の表面に有機膜の形成をもたらす。
【0023】
第3の態様による本発明はまた、本発明の第2の態様による方法を用いて得られた金属膜で被膜された半導体基板にも関する。
【0024】
第4の態様によれば、本発明はさらに、本発明の第2の態様による方法を用いて得られた有機膜で被膜された半導体基板に関する。
【0025】
本発明は多くの利点を提供する。
【0026】
均一な電気化学反応を達成するために、本発明の第1の態様によるデバイスは、特に特定の均一化手段を介して半導体基板の表面に均一な照明を可能にする。
【0027】
本発明の第1の態様によるデバイスはまた、半導体基板と対向電極との間の電気力線の乱れがほとんどないことを保証しながら、このような均一な照明を可能にする。
【0028】
本発明はまた、特に直径が50mmのディスクよりも大きな大型サイズの基板表面において、前記反応の実施をも可能にする。
【0029】
本発明の他の特徴、目的および長所は以下の記載から明らかとなり、その記載は単に例示的かつ非限定的であり、また添付の図面を参照しながら一読されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1a】本発明の一実施形態によるデバイスの一部の概略図である。
【図1b】本発明の一実施形態によるデバイスの一部の概略図である。
【図2a】照明手段が容器内に配設され、またデバイスが流体力学的拡散器を備えている、本発明の実施形態によるデバイスの一部を正面から見た断面図である。
【図2b】照明手段が容器内に配設され、またデバイスが流体力学的拡散器を備えている、本発明の実施形態によるデバイスの一部を正面から見た断面図である。
【図2c】照明手段が容器内に配設され、またデバイスが流体力学的拡散器を備えている、本発明の実施形態によるデバイスの一部を下面から見た断面図である。
【図2d】照明手段が容器内に配設され、またデバイスが流体力学的拡散器を備えている、本発明の実施形態によるデバイスの一部を正面から見た断面図である。
【図3】照明手段が、その光放射に透過性である容器の側壁の周辺の、容器の外側に配設されている、本発明の一実施形態によるデバイスの一部を正面から見た断面図である。
【図4】対向電極が照明手段と支持体との間に配設されている、本発明の一実施形態によるデバイスの一部を正面から見た断面の概略図である。
【図5】対向電極がリング形状をしており、照明手段が対向電極の中央の開口部の内側に実質的に配設されている、本発明の一実施形態によるデバイスの一部を正面から見た断面の概略図である。
【図6】照明手段が容器内に配設された複数の光源を備えている、本発明の一実施形態によるデバイスを側面から見た概略図である。
【図7】光源が対向電極上に配設されており、デバイスが流体力学的拡散器をさらに備えている、本発明の一実施形態によるデバイスの一部を正面から見た断面の概略図である。
【図8a】その上に対向電極が固定されている構造体の表面に、かつその周辺部に光源が分布している、本発明の一実施形態によるデバイスの一部の正面図である。
【図8b】その上に対向電極が固定されている構造体の表面に、かつその周辺部に光源が分布している、本発明の一実施形態によるデバイスの一部の側面図である。
【図9】光源が支持体に配設されている、本発明の一実施形態によるデバイスの一部を正面から見た断面の概略図である。
【図10】本発明の一実施形態による方法のブロック図である。
【図11a】本発明の第3の態様による膜で被膜された半導体基板を正面から見た断面の概略図である。
【図11b】本発明の第4の態様による膜で被膜された半導体基板を正面から見た断面の概略図である。
【図12a】本発明の第2の態様による方法の適用例に従う基板S向けの電気化学的な分極プロトコルの図である。
【図12b】本発明の第2の態様による方法の適用例に従う基板S向けの電気化学的な分極プロトコルの図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
異なる図面において、同様の部分は同一の参照番号を保持する。
【0032】
本発明において、自然に起こる反応および強制的な反応の2種類の電気化学反応が考えられる。
【0033】
自然に起こる反応とは、基板の多数の電荷キャリアによって電気的伝導性が確保される電気化学反応を意味する。
【0034】
自然に起こる反応とは、N−伝導性基板の表面でのカソード反応であり、またアノード反応はP−伝導性基板の表面で起こる。
【0035】
自然に起こる反応にとって、照明は反応の触媒効果を有する。
【0036】
強制的な反応とは、電気的伝導性が基板の少数電荷キャリアによって確保される電気化学反応を意味する。
【0037】
強制的な反応とは、P−伝導性基板の表面でのカソード反応であり、またN−伝導性基板の表面でのアノード反応である。
【0038】
強制的な反応にとって、照明は反応を活性化するために必要である。
【0039】
図1aおよび図1bを参照すると、本発明の第1の態様の第1の考えられる実施形態によるデバイスは、容器10、ならびに容器内に配設された支持体20および対向電極30を備える。
【0040】
支持体は、支持体20上に基板Sを取り付けるように適合される。容器10は、電解質Eを収容するように意図されて、基板Sと対向電極との間の電気的伝導性を確実にする。
【0041】
これらに限定されないが、電解質Eは電気化学的に活性な化学種、すなわち特定の電位状態において、基板Sの表面で反応することが可能な化学種を好ましくは含有する。これ以降において、単に「化学種」と呼ぶことにする。
【0042】
化学種は、伝導が望まれる反応に関連して好ましく選択される。
【0043】
したがって、容器10は化学種を含有する電解質Eと基板Sの接触を可能にする。
【0044】
想定される反応はまた、電解質の化学種に何ら依存し得ず、また単に基板Sの表面の構成要素に関係するに過ぎない。
【0045】
デバイスはまた、光線を放出する光源51および半導体基板Sの前記表面の全面にわたり光線を均一化して前記表面を活性化するための手段52を備えた照明手段50を備えている。
【0046】
本発明において、「半導体基板の表面を活性化する」とは、その価電子帯由来の電荷キャリアで伝導帯を占有させることを意味する。
【0047】
所望の電気化学反応を可能にする電位で半導体基板Sの前記表面を分極するために、デバイスは半導体基板Sおよび対向電極30に連結するための手段を備えた給電源40をさらに備えている。
【0048】
基板Sの表面における電気化学反応の均一性は、表面の照明の均一性、および印加される電位、特に基板Sと対向電極30との間の電気力線に依存する。
【0049】
したがって、基板方向の光放射の均一性、および基板Sと対向電極30との間の電気力線の均一性との間に、最適な妥協(compromise)が得られるように、照明手段50および対向電極30は配設されるべきである。
【0050】
図1aおよび図1bに示されたデバイスの第1の実施形態によれば、光源51は基板に向けて、容器10の外側に配置される。
【0051】
図1bを参照すると、光線を均一化するための手段52は、基板Sの表面方向への均一な光放射としての光源によって放出された光線を散乱できるように、光源51と容器10との間に配設された光拡散用シールドを備える。次いで、容器は均一な光放射に透過性の外壁11を備える。
【0052】
本発明において、「光線に透過性の」対象物とは、光線の少なくとも一部を通過させることができる対象物を意味する。
【0053】
例えば、対象物は完全に透過性にすることができ、かつ光線のすべてを通過させることができる、または光線を反射する、または部分的に吸収することができる。
【0054】
対象物はまた、光線に半透過性(translucent)とすることもでき、この場合、対象物によって光線は散乱する。
【0055】
これは、「光線に透過性」の対象物と同様に呼ばれることになる。
【0056】
本実施形態において、具体的には、これらに限定されないが、例示的な例として容器10はガラスの平行六面体の槽とすることができる。図1aに示されたように、対向電極30は次に、基板Sに向かう均一な光放射の経路からずらされる。この方法では、基板Sの均一な照明が対向電極によって妨げられない。
【0057】
有利には、照明手段50は、光源51を固定して移動させるための手段(図示せず)を備える。
【0058】
固定して移動する手段は、照明の均一性を改善するために、軸中心の光源51の回転または基板Sの表面の走査を可能にする。
【0059】
一般に、光線を均一化するための手段52は、光源51によって照明される光線に半透過性の対象物を有利に備えており、これは基板Sの表面に向かう均一な光放射としての光線が散乱するように、光源51と支持体20との間に配設される。
【0060】
対向電極をずらしたために、電気力線は均一ではなく、特に非対称性となる。対向電極30は、電気力線ができる限り均一となるように、基板Sに向かう均一な照明経路の外側に好ましくは配置される。
【0061】
一般に、容器10および支持体20は、所与の直径のディスク形状の基板を収容するように適合されるのが有利である。好ましくは、所与の直径は50mmから450mmの間にある。
【0062】
また一般に、容器10は照明手段50からの光放射に反射性の内壁を少なくとも1つ有利に備えている。したがって、光放射は容器の内壁によって反射され、これにより基板Sの表面に向かう光放射の均一性、したがって照明の均一性が改善される。
【0063】
本発明において、「光線に反射性の」対象物または材料とは、直入射に対する反射係数が、これらの光に対して0.8以上を有する任意の対象物または材料を意味する。
【0064】
これらに限定されないが、容器10の内壁全体が、照明手段50からの光放射に対して反射性であることが好ましい。
【0065】
特に、本発明の第1の態様によるデバイスの本実施形態では、壁11は光放射に対して外部では透過性であることが好ましく、かつ内部では反射性であることが好ましい。非限定的な例として、壁11は容器内部に向いている、スズを含まない鏡を備えてもよい。
【0066】
電気力線の優れた均一性を確実なものとするためには、図2aから図9に例示されたように、基板Sが使用されて、さらに対向電極30と基板Sは、それぞれ軸に関して対称性を有しており、かつ基板Sおよび対向電極は対向して配設されるか、または互いに実質的に対向して配設されるのが有利である。
【0067】
したがって、対向電極30が対称軸に関して対称性を有するのが有利であり、軸に関して対称性を有する基板Sを収容するように容器10および支持体20が適合され、さらに支持体20が基板Sを固定するように適合されて、基板Sの対称軸が対向電極30の対称軸と一直線になる。
【0068】
図2aから図2dに例示された本発明の第1の態様におけるデバイスの第2の実施形態によれば、対向電極30および基板Sはディスク形状である。
【0069】
本実施形態における容器は、当業者には公知の噴水セル型のものである。
【0070】
対向電極30は容器10の主槽12の底部に配設されて、容器の上部に支持体20が配設され、基板Sが取り付けられる。
【0071】
ダクト13が槽12の底部の一部を介して電解質Eの供給を可能にし、2次槽14は主槽12の上部にてオーバーフローする電解質Eを収容するよう意図される。2次槽14は、主槽12を囲繞するように配設されて、これによって2重壁の容器10を形成する。
【0072】
基板Sおよび対向電極は水平方向、すなわち電解質Eの循環のために通常の位置に配設される。
【0073】
これらに限定されないが、容器10は実質的に軸対称性を有するのが好ましい。
【0074】
一般に、本発明の第1の態様によるデバイスは、有利には、電解質Eの循環を確実にするための液体ポンプを備えている。
【0075】
本実施形態において具体的には、液体ポンプ(図示せず)は、槽12から槽14の方向に、対向電極30および基板Sに対して垂直な電解質Eの循環を確保する。
【0076】
本発明の第1の態様によるデバイスは、容器10内に配設された流体力学的拡散器70をさらに備えるのが有利である。拡散器70は2つの面を有しており、第1の面が対向電極30に対向して容器10内に配設され、支持体20が流体力学的拡散器70の第2の面に対向している基板Sを固定するように適合される。
【0077】
拡散器70により、電解質Eに乱流が生じて、対向電極30と基板Sとの間の流体力学動態(hydrodynamics)を乱す。
【0078】
この方法において、基板Sの表面の、電気化学反応の均一性が依存する電気化学的に活性な化学種の流れが、均一化される。図2cは、槽に配設された例示的な拡散器の、図2a中の点線で記された領域から見た下側の断面を例示している。この例では、拡散器70はダクト13によって運ばれる電解質Eの乱流を確実にするための穴を備えている。
【0079】
本実施形態では、照明手段50は容器10内に配設されている。
【0080】
一般に、光源51はハロゲンランプ、例えば光ファイバ、ネオン、発光ダイオードまたは当業者に公知の他の任意の同等の手段を備えている。
【0081】
光線を均一にするための手段52は、光拡散器、発散光学レンズまたは任意の同等の手段を備えてよい。
【0082】
光線を均一にするための手段52は、リング形状をして例えば光源51上に配設され、照明手段50が基板Sに向けて均一な光放射を放出する。
【0083】
光線を均一にするための手段52は、基板Sを固定して軸を中心に回転させるための手段を備えるのが有利である。
【0084】
これらに限定されないが、好ましくは、基板Sが対称軸を中心に回転できるように、支持体20は容器10内に可動様式で配設され、光源51は実質的にこの対称軸上に配設される。
【0085】
したがって、基板Sの表面における照明の均一性がさらに改善される。
【0086】
図2aおよび図2bに示された本実施形態の第1の変形によれば、照明手段50は拡散器70と支持体20との間に配設される。
【0087】
この方法では、均一な光放射が基板Sに向かって直接放出される。
【0088】
図2aに例示されたように、照明手段50は、槽12の内壁上に配設された光のリングの形態にすることができる。
【0089】
照明手段50はまた、拡散器70上に、好ましくは基板に対向して配設し得る。
【0090】
照明手段50は照射の均一性を改善するために、軸対称性を有するのが有利である。
【0091】
照明手段50は穴を遮らず、かつ電気化学反応を推進する流体力学動態を乱さないように、拡散器70上に配設されるのが有利である。
【0092】
図2dに示された本実施形態の第2の変形によれば、照明手段50は対向電極30と拡散器70との間に配設される。次に、拡散器70は照明手段50からの光放射に対して透過性材料であるのが有利である。
【0093】
図3を参照すると、本発明の第1の態様におけるデバイスの第3の実施形態によれば、基板Sは、容器10の1つまたは複数の側壁を通して照明される。
【0094】
したがって、容器10は照明手段50からの光放射に透過性の外側側壁15を備え、照明手段50は容器10の外側にあって、壁15の近傍に配設されている。
【0095】
本実施形態では、容器は噴水セル型であり、主槽12が手段50からの光放射に透過性の外壁を有するのが有利である。
【0096】
これらに限定されないが、光放射が確実に基板Sの表面に均一に分散されるように、照明手段50は容器10の周辺に軸対称的に配設されるのが好ましい。
【0097】
図4は、対向電極30が照明手段50と支持体20との間に配設されている、本発明の第1の態様の第4の実施形態を示す。
【0098】
次に、照明手段50によって基板Sに向かって放出された光放射の少なくとも一部が通過できるように、対向電極30は適切に成形されていることが有利である。
【0099】
本実施形態では、具体的には、照明手段50は容器10の外側に配設されており、かつ光源51、および基板Sに向かう均一な光放射を放出するための光拡散用シールド52を備えている。
【0100】
容器10は、上記のような噴水セルと実質的に同様である。
【0101】
容器の外壁は、基板Sに向かって光が照射されるように、照明手段50からの光放射に透過性の材料でできている。
【0102】
ダクト13は、光放射の通過を可能にするように中心を外れている。
【0103】
これらに限定されないが、基板S、光源51、拡散用シールド52および対向電極30は、一直線上にあるのが好ましい。
【0104】
対向電極30は、基板Sの表面に向かう均一な光放射の通過を可能にする、中央に開口部を有するリング形状をしている。
【0105】
図5は、照明手段50が容器10内に配設されている、第4の実施形態と同様の、本発明の第1の態様によるデバイスの第5の実施形態を示す。
【0106】
容器10は噴水セル型である。
【0107】
対向電極が中央に開口部を有するリング形状をしており、また照明手段50がこの中央の開口部を通じて光放射を放出するように配設されている。
【0108】
照明手段はリング形状の対向電極に対して同軸方向に、実質的に対向電極の中央の開口部の内側に有利に配設されている。
【0109】
次に、本発明の第1の態様によるデバイスの第6の実施形態を、基板Sの表面に均一に分散される光放射を放出するために、照明手段50が容器10内に配設された複数の光源53を備えている、図6から図8bを参照しながら説明する。
【0110】
非限定的な例として、光源53は発光ダイオード、光ファイバ、ネオンランプなどの放電管、または当業者に公知の任意の同等な手段とすることができる。
【0111】
これらに限定されないが、各光源は光放射の均一性を改善するために、光線を均一化するための1つの手段52と関連するのが好ましい。
【0112】
各光源53と関連する、光線を均一化するための手段52は、例えば関連する光源53によって放出される光線を拡散するように適合された材料でできたランプを備えている。
【0113】
例えば、照明手段50は発散用レンズ52を有する発光ダイオード53を備えてよい。
【0114】
光源は電解質Eとのいかなる接触によっても劣化する恐れがないように、好ましくは封止される。
【0115】
図6に例示した本実施形態の1つの変形形態によれば、光源53は対向電極30上に配設される。
【0116】
「対向電極上に配設された」とは、光源53が対向電極の表面と同一平面をなしていることを意味する。
【0117】
例えば、光源53は対向電極の表面上に配設し得る。
【0118】
代わりに、光源53は対向電極に深く一体化して、表面に突き出ることもできる。
【0119】
本変形では、容器はそれ自体公知の縦型の噴水セル型である。
【0120】
したがって、基板Sおよび対向電極30は、容器10の内壁上の縦方向、すなわち電解質Eの循環に対する接線の位置に配設される。
【0121】
次に、支持体20は容器10の内壁を備える。
【0122】
基板Sおよび対向電極30は、電解質E中の電気力線の良好な均一性を確実にするために、互いに対向して配設されるのが好ましい。
【0123】
本変形によるデバイスは、容器内の電解質Eの循環を確実にするために、液体ポンプ60を備えているのが有利である。
【0124】
図7に例示された本実施形態の第2の変形によれば、容器は噴水セル型である。
【0125】
照明手段50は、中央の開口部を有するリング形状の、その上に光源53が配設されている支持体を備えている。
【0126】
対向電極は、前記中央の開口部に配設されたディスク、および前記ディスク周りに配設されたリングからなる。
【0127】
本変形によるデバイスは、透過性材料でできた流体力学的拡散器70を備えているのが有利である。
【0128】
本実施形態の第3の実施形態によれば(図示せず)、照明手段50は中央に開口部を有する構造体を備えている。
【0129】
対向電極30は、前記構造体の中央の開口部に対して同軸となるように配設されて、光源53が中央の開口部の周辺部の構造体表面の一つの上に分布している。
【0130】
対向電極30は、前記構造体の中央の開口部の内側に配設されているのが有利である。
【0131】
図8aに示された本実施形態の第4の変形によれば、照明手段50は表面を有する構造体55を備えている。
【0132】
対向電極30は構造体55の表面に固定されており、さらに、光源53が構造体の表面の、対向電極の周辺部に分布している。
【0133】
好ましくは、その上に光源53が分布している表面は、基板Sに対向している。
【0134】
光線を均一化するための手段52は、図8bに例示したように、光源53からの光放射を基板Sの表面に均一に分散するように適合されたディフレクター54を備えているのが有利である。
【0135】
ディフレクター54は、基板Sの表面に光線を向かわせるための、例えば光源53の周辺に配設された鏡とすることができる。
【0136】
次に、本発明の第1の態様によるデバイスの第7の実施形態を、光源51が支持体20上に配設されている図9を参照しながら説明する。
【0137】
容器10は噴水セル型である。
【0138】
本実施形態の第1の変形によれば(図示せず)、光源は光線を放出してこれらの光線に反射性を示す1つまたは複数の内壁に向かうように向けられる。
【0139】
本実施形態の第2の変形によれば、光源は光線を対向電極30に向かって放出するように向けられており、この対向電極は前記光線を反射する材料で形成される。
【0140】
対向電極は好ましくは金属でできている。本発明に適し得る金属は、任意の物理/化学の入門書をよって手に入れることができる。
【0141】
本発明において、反射性の対向電極の材料として使用することができない金属は、例えばダイヤモンド型炭素、ゲルマニウム、ハフニウム、マンガン、セレン、シリコン、テルルおよびジルコニウムである。
【0142】
次に、図10を参照しながら、本発明の第2の態様による方法を説明する。
【0143】
本発明の第2の態様による方法は、基板Sを電解質Eに接触させるためのステップS1を含む。
【0144】
電解質Eは特定の電位状態において、基板Sの表面で反応することが可能な電気化学的に活性な化学種を含んでいるのが有利である。
【0145】
したがって、本発明において、基板Sの表面での電気化学的に活性な化学種の電気化学的な還元反応および酸化反応が想定される。
【0146】
基板Sの表面の構成成分の電気化学的な還元反応および酸化反応も同様に想定され、この場合、電気化学的に活性な化学種を含有する電解質Eを必要とはしない。
【0147】
本発明の第2の態様による方法は、前記表面を活性化するために基板Sの前記表面に均一な光放射を放出するための放出ステップS2、および想定される電気化学反応の実施を可能にする電位における前記表面の分極ステップS3をさらに含む。
【0148】
ステップS2の間に放出された光放射は、基板Sのタイプに関連づけて選択される。
【0149】
強制的な反応の場合、光放射は半導体材料の伝導帯を占有するだけの十分なエネルギーを有することが有利である。
【0150】
したがって、光放射は半導体のギャップに少なくとも等しいエネルギーを有するのが有利である。例えば、シリコンの基板に関すると、光放射は少なくとも1.12eVに等しいエネルギーを有するのが有利である。
【0151】
分極ステップS3は、定電位パルスモードまたは定電流パルスモードで所定の時間実施し得る。
【0152】
基板Sの表面の電気化学反応の均一性は、本発明の第1の態様によるデバイスの上記の様々な実施形態を経て達成されるステップS2の間に、特定の電位を印加した条件および特定の光放射条件でのみ得ることができる。
【0153】
特に、反応の均一性は、基板Sの表面の照明の均一性および照明の強度に、非常に依存する。
【0154】
基板Sの表面に痕跡を残す、ある電気化学反応の場合、反応の均一性は帰納的に定量し得る。
【0155】
これは特に、基板Sの表面における有機膜または金属膜の堆積反応の場合である。この場合、堆積させた膜の均一性の分析は、この堆積を可能にした電気化学反応の均一性に解釈される。
【0156】
したがって、電解質Eは金属性の電気化学的な化学種を有利に含み、また電気化学反応は、図11aに示したように、基板Sの表面に金属膜MFの形成をもたらす。
【0157】
次に、例えば当業者に周知の、電気抵抗率を測定するための4点自乗法(four−point square method)を利用して、MF膜の電気的均一性を測定することができる。
【0158】
本発明の第3の態様による基板Sは、1シグマにおいて少なくとも6%と測定された電気的均一性を有する金属膜で被膜される。
【0159】
代替的には、または累積的には、電解質Eは有機性の電気化学的な化学種を含んでもよく、また電気化学反応は、図11bに示したように、基板Sの表面に有機膜OFの形成をもたらす。
【0160】
次に、例えば、当業者に周知の偏光解析法を用いて、有機膜の均一な厚みを測定し得る。
【0161】
本発明の第4の態様による基板Sは、有機膜で被膜され、1シグマにおいて測定されたその厚みの均一性は、少なくとも6%である。
【0162】
本発明の方法は、基板Sの表面に、均一な厚みを有する電気絶縁性の有機膜を堆積するために有利に実施される。
【0163】
前記反応のための非限定的な例として、電解質Eは有利には、
−プロトン性溶媒、
−少なくとも1種のジアゾニウム塩、
−前記プロトン性溶媒に可溶な、少なくとも1種の鎖重合可能なモノマー、
−前記溶液を7未満、好ましくは2.5未満の値にpH調節することによって、前記ジアゾニウム塩を安定化するために十分な量の少なくとも1種の酸
を含有する。
【0164】
上記の例において使用されるプロトン性溶媒は、水、好ましくは脱イオン水または蒸留水、水酸化溶媒、特に炭素原子を1から4個有するアルコール、炭素原子を2から4個有するカルボン酸、特にギ酸および酢酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択されるのが有利である。
【0165】
一般に、本発明の第2の態様による方法を実施するために、多数のジアゾニウム塩、特に文献の国際公開第2007/099218号に引用されているジアゾニウム塩を使用し得る。
【0166】
したがって、ある特定の特徴によると、ジアゾニウム塩は以下の式(I)、
【0167】
【化1】

【0168】
[式中、
−Aは1価の陰イオンであり、
−Rはアリール基である。]
の化合物の中から選択されるアリールジアゾニウム塩である。
【0169】
アリール基Rの例として、それぞれが3から8個の原子を有する1つまたは複数の芳香環またはヘテロ芳香環からなり、非置換または一置換または多置換のいずれかである芳香族またはヘテロ芳香族炭素構造を特に挙げることができ、ヘテロ原子はN、O、SまたはPの中から選択され、任意選択の置換基は、好ましくは、NO、COH、ケトン、CN、COH、NH、エステルおよびハロゲンなどの電子吸引性基(electron attractor group)から選択される。
【0170】
特に好ましいR基は、ニトロフェニル基およびフェニル基である。
【0171】
上記の式(I)の化合物の範囲において、Aは例えばI、BrおよびClのハライドなどの無機陰イオン、テトラフルオロボランなどのハロゲン化ボラン、ならびにアルコレート、カルボキシレート、パークロレートおよびサルフェートなどの有機陰イオンの中から特に選択し得る。
【0172】
上記の式(I)のジアゾニウム塩は、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−ニトロフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−ブロモフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−4−クロロフェニルジアゾニウムクロリド、4−ベンゾイルベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−シアノフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−カルボキシフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−アセタミドフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−フェニル酢酸ジアゾニウムテトラフルオロボレート、2−メチル−4−[(2−メチルフェニル)−ジアゼニル]ベンゼンジアゾニウムサルフェート、9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−1−アントラセンジアゾニウムクロリド、4−ニトロフタレンジアゾニウムテトラフルオロボレートおよびナフタレンジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−アミノフェニルジアゾニウムクロリドの中から選択される。
【0173】
好ましくは、ジアゾニウム塩は、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレートおよび4−ニトロフェニル−ジアゾニウムテトラフルオロボレートから選択される。
【0174】
ジアゾニウム塩は、一般に電解質E中、10−3Mから10−1M、好ましくは、5.10−3Mから3.10−2Mの量で存在する。
【0175】
一般に、電解質Eは、プロトン性溶媒に可溶な鎖重合可能なモノマーを含有することができる。「プロトン性溶媒に可溶な」とは、ここでは、プロトン性溶媒中におけるその溶解度が、少なくとも0.5Mである任意のモノマーまたはモノマーの混合物を意味する。
【0176】
これらのモノマーは、プロトン性溶媒に可溶なビニルモノマーの中から有利に選択され、かつ以下の一般式(II)、
【0177】
【化2】

【0178】
[式中、R基からR基は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子もしくは水素原子などの非金属1価原子、またはC〜Cのアルキル基、アリール基、−COOR基(式中、Rは水素原子またはC〜Cのアルキル基である。)、ニトリル、カルボニル、アミンもしくはアミドなどの飽和または不飽和の化学基である。]
を満足する。
【0179】
好ましくは、水溶性モノマーを使用する。前記モノマーは、4−ビニルピリジンもしくは2−ビニルピリジンなどのピリジン基を含むエチレンモノマー、またはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩、これらのカルボン酸のアミドを含むエチレンモノマー、特に、アクリルアミドおよびメタクリルアミドおよびそれらのN−置換誘導体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノもしくはジエチルアミノ(エチルまたはプロピル)(メタ)アクリレートなどのエステルおよびそれらの塩、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドなどのこれらの陽イオン性エステルの四級化誘導体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、ビニルスルホン酸、ビニルリン酸、ビニル乳酸およびそれらの塩、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、N−ビニルイミダゾリンおよびその誘導体、N−ビニルイミダゾール、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジアリルアンモニウムブロミド、ジエチルジアリルアンモニウムクロリドなどのジアリルアンモニウム型の誘導体の中から有利に選択される。電解質Eの量的組成は、幅広い範囲で変化し得る。
【0180】
一般に、電解質Eは、
−少なくとも0.3Mの重合可能なモノマー、
−少なくとも5.10−3Mのジアゾニウム塩、
を含有し、重合可能なモノマーとジアゾニウム塩のモル比は10から300の間である。
【0181】
一般に、電気絶縁性の膜で被覆されるべき基板Sの表面のステップS2の間の分極は、パルスモードで実施され、その各サイクルは以下に特徴付けられる。
−10msから2sの合計時間P、好ましくは0.6s程度、
−0.01sから1sの分極時間Ton、好ましくは0.36s程度であり、この間に基板の表面に電位差または電流がかけられ、また、
−0電位または0電流の静止時間を0.01sから1s、好ましくは0.24s程度続ける。
【0182】
明確にする理由のために、本発明は基板の表面の照明について記載する。記載および特許請求されているなどの本発明が、本出願に限定されることはなく、かつ基板の表面の電気化学反応を活性化する、または触媒するように適合された任意の照明に拡張されることを読者は理解するものとする。
【0183】
特に、照明手段50は、均一な照明を放出するための任意の手段によって代替することができる、すなわち基板Sの表面への光放射を必要とするものではない。
【0184】
本発明において想定される光放射は、半導体材料のギャップに関連するそれらの波長によって選択される。
【0185】
次に、その厚みの均一性が測定された有機膜の堆積反応に関して、本発明を適用した実施例を記載する。
【0186】
本実施例では、「膜」または「層」という用語は、本発明の第2の態様による方法を実施することによって、基板Sの表面に堆積された膜を呼ぶために区別なく使用される。
【実施例1】
【0187】
3,000luxから3,500luxで照明したP−ドープしたシリコン(これ自体公知)の平板のウエハ型基板200mm上におけるポリ−4−ビニルピリジン(P4VP)膜の調製
基板
本実施例で使用した基板Sは、直径が200mm、および厚みが750μm、および抵抗率が50Ω.cmのP−ドープしたシリコンディスクである。
【0188】
電解質
本実施例で使用した電解質Eは、2.8Lの1.5MのHClに、195mlの4−ビニルピリジン(4−VP、1.83mol)を添加し、次にこの混合物に、電気化学的に活性な化学種を形成する4−ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートを4.95g(DNO2、2.10−2mol)を添加することによって調製された水溶液である。
【0189】
デバイス
P4VP膜を調製するために使用したデバイスは、図1に例示した本発明の第1の態様によるデバイスであり、
−容器10は、サイズが30cm×30cm×10cmの平行六面体の槽である、
−支持体20はテフロン(登録商標)製である、
−対向電極30は、サイズが20cm×5cm×2mmのグラファイト製の長方形のアノードである、
−光源51は、Sの表面に最大の光強度が得られるように、基板の前に配置された、出力が150Wのハロゲンランプである。ランプは、この目的のために、Sの表面から約35cmの距離に位置している、
−光線を均一化するための手段52は、基板Sの表面に3,000luxから3,500luxに測定される照明量を有する、光源51から約5cmの距離に配置された光拡散用シールドからなる。
【0190】
照明量は、容器10を電解質Eで満たす前の、基板Sを支持体20に取り付けた後に測定された。
【0191】
プロトコル
P4VP膜を調製するためのプロトコルは、以下のステップを含む。
−S1、基板Sを容器10内の電解質Eに接触するステップ、
−S2、基板Sの表面に均一な光放射を放出するステップ、
−S3、基板Sの表面を、図12aに例示されており、また
−70msの時間P
−10msの分極時間Tonで、その間に、50Vから80V(本実施例では80V)の電位差E(V)をアノードおよび基板S間に印加し、さらに
−Toffを示すE(V)=0Vにおいて60msの静止時間、
を含む、上で定義された電気化学的プロトコルに従って分極するステップ。
【0192】
電気化学的プロトコルは、定電位パルスモードで20分間実施した。
【0193】
理解されるように、一般に、電気化学的プロトコルの時間は、絶縁性ポリマー層の所望の厚みに依存する。この時間は、当業者によって容易に決定することができ、層の成長は基板Sに印加される電荷の関数となる。
【0194】
所望の厚みに到達すると、基板Sおよび支持体20はデバイスから取り除かれ、組立体は水およびジメチルホルムアミド(DMF)で数回洗浄された後、窒素気流中で乾燥される。
【0195】
上記条件下では、140nmから180nmの厚みを有するP4VP層が得られた。
【0196】
物性評価
偏光解析による分析によって、基板Sの表面に堆積されたP4VP層の厚みの均一性を測定することが可能であった。49点で測定を行い、基板Sの縁部から10mmで止めた。
得られた結果は、
−平均厚みは160nm、
−最大厚みは180nm、
−最小厚みは140nm、
−1シグマにおいて測定されたP4VP層の均一性:3.7%
であった。
【実施例2】
【0197】
4,000luxから4,500luxで照明したP−ドープしたシリコンの平板のウエハ200mm上におけるポリ−4−ビニルピリジン(P4VP)膜の調製
基板
使用した基板Sは、実施例1に記載される。
【0198】
電解質
本実施例で使用した電解質Eは、実施例1に記載したものである。
【0199】
デバイス
P4VP膜を調製するために使用したデバイスは、図1に例示した本発明の第1の態様によるデバイスであり、
−容器10は、サイズが30cm×30cm×10cmの平行六面体の槽である、
−支持体20はテフロン(登録商標)製である、
−対向電極30は、サイズが20cm×5cm×2mmのグラファイト製の長方形のアノードである、
−光源51は、Sの表面に最大の光強度が得られるように、基板Sの前に配置された、出力が150Wのハロゲンランプである。ランプは、この目的のために、Sの表面から約30cmの距離に位置している、
−光線を均一化するための手段52は、基板Sの表面に4,000luxから4,500luxに測定される照明量を有する、光源51から約5cmの距離に配置された光拡散用シールドからなる。
【0200】
プロトコル
P4VP膜を調製するためのプロトコルは、実施例1に記載されている。
【0201】
上記条件下では、160nmから210nmの厚みを有するP4VP層が得られた。
【0202】
物性評価
偏光解析による分析によって、基板Sの表面に堆積されたP4VP層の厚みの均一性を測定することが可能となる。49点で測定を行い、基板Sの縁部から10mmのところで止めた。
得られた結果は、
−平均厚みは190nm、
−最大厚みは210nm、
−最小厚みは160nm、
−1シグマにおいて測定されたP4VP層の均一性:5%
であった。
【実施例3】
【0203】
7,000luxから8,000luxで照明したP−ドープしたシリコンの平板のウエハ200mm上におけるポリ−4−ビニルピリジン(P4VP)膜の調製
基板
使用した基板Sは、実施例1で記載したものであった。
【0204】
電解質
本実施例で使用した電解質Eは、実施例1で記載したものである。
【0205】
デバイス
P4VP薄膜を調製するために使用したデバイスは、図1に例示した本発明の第1の態様によるデバイスであり、
−容器10は、サイズが30cm×30cm×10cmの平行六面体の槽である、
−支持体20はテフロン(登録商標)製である、
−対向電極30は、サイズが20cm×5cm×2mmのグラファイト製の長方形のアノードである、
−光源51は、Sの表面に最大の光強度が得られるように、基板Sの前に配置された、出力が150Wのハロゲンランプである。ランプは、この目的のために、Sの表面から約35cmの距離に位置し、また基板の表面で測定された照明量は7,000luxから8,000luxである。
【0206】
プロトコル
P4VP膜を調製するためのプロトコルは、実施例1に記載されている。
【0207】
上記条件下では、120nmから370nmの厚みを有するP4VP層が得られた。
【0208】
物性評価
偏光解析による分析によって、基板Sの表面に堆積されたP4VP層の厚みの均一性を測定することが可能となる。49点で測定を行い、基板Sの縁部から10mmのところで止めた。
得られた結果は、
−平均厚みは230nm、
−最大厚みは370nm、
−最小厚みは120nm、
−1シグマにおいて測定されたP4VP層の均一性:27%
であった。
【実施例4】
【0209】
12,000luxから15,000luxで照明したP−ドープしたシリコンの平板のウエハ200mm上におけるポリ−4−ビニルピリジン(P4VP)膜の調製
基板
使用した基板Sは、実施例1で記載したものであった。
【0210】
電解質
本実施例で使用した電解質Eは、実施例1で記載したものであった。
【0211】
デバイス
P4VP薄膜を調製するために使用したデバイスは、図1に例示した本発明の第1の態様によるデバイスであり、
−容器10は、サイズが30cm×30cm×10cmの平行六面体の槽である、
−支持体20はテフロン(登録商標)製である、
−対向電極30は、サイズが20cm×5cm×2mmのグラファイト製の長方形のアノードである、
−光源51は、Sの表面に最大の光強度が得られるように、基板Sの前に配置された、出力が500Wのハロゲンランプである。ランプは、この目的のために、Sの表面から約80cmの距離に位置し、また基板の表面で測定された照明量は12,000luxから15,000luxである。
【0212】
プロトコル
P4VP膜を調製するためのプロトコルは、実施例1に記載されている。
【0213】
上記条件下では、90nmから550nmの厚みを有するP4VP層が得られた。
【0214】
物性評価
偏光解析による分析によって、基板Sの表面に堆積されたP4VP層の厚みの均一性を測定することが可能となる。49点で測定を行い、基板Sの縁部から10mmのところで止めた。
得られた結果は、
−平均厚みは260nm、
−最大厚みは550nm、
−最小厚みは90nm、
−1シグマにおいて測定されたP4VP層の均一性:55%
であった。
【実施例5】
【0215】
2,500luxから3,000luxで照明したP−ドープしたシリコン(これ自体公知)の平板のウエハ50mm上におけるポリ−4−ビニルピリジン(P4VP)膜の調製
基板
本実施例で使用した基板Sは、厚みが750μmおよび抵抗率が50Ω.cmを有する、直径が50mmのP−ドープしたシリコンディスクである。
【0216】
電解質
本実施例で使用した電解質Eは、280mlの1.5MのHClに、19.5mlの4−ビニルピリジン(4−VP、0.183mol)を添加し、次にこの混合物に、電気化学的に活性な化学種を形成する4−ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートを0.495g(DNO2、2.10−3mol)を添加することによって調製された水溶液である。
【0217】
デバイス
P4VP薄膜を調製するために使用したデバイスは、本発明の第1の態様によるデバイスであり、
−容器10は、サイズが直径12cm×高さ5cmの円柱槽である、
−支持体20は、固定して回転することができ、テフロン(登録商標)製である、
−対向電極30は、サイズが5cm×2cm×2mmのグラファイト製の長方形のアノードである、
−光源51は、Sの表面に最大の光強度が得られるように、基板Sの前に配置された、出力が75Wのハロゲンランプである。ランプは、この目的のために、Sの表面から約12cmの距離に位置する、
−光線を均一化するための手段52は、基板Sの表面において2,500luxから3,000luxに測定される照明量を有する、光源51から約5cmの距離に配置された光拡散用シールドからなる。
【0218】
プロトコル
P4VP膜を調製するためのプロトコルは、以下のステップを含む。
−S1、半導体基板Sを容器10内の電解質Eに接触する、
−S2、基板Sの表面に均一な光放射を放出する、
−S3、基板Sの表面を、図12bに例示されており、また
−70msの時間P、
−10msの分極時間Tonで、その間に、10Vから20V(本実施例では15V)の電位差E(V)をアノードおよび基板S間に印加し、さらに
−Toffを示すE(V)=0Vにおいて時間60msの静止時間、
を含む、上に定義された電気化学的プロトコルに従って分極する。
【0219】
電気化学的プロトコルは、定電位パルスモードで20分間適用された。
【0220】
その上に基板Sが取り付けられている支持体20を固定して、電気化学的プロトコルS3の全時間中、50rpm(ラジアン/分)の速度で回転させる。
【0221】
理解されるように、電気化学的プロトコルの時間は、絶縁性ポリマー層の所望の厚みに依存する。この時間は、当業者によって容易に決定することができ、層の成長は基板Sに印加される電荷の関数となる。
【0222】
所望の厚みに到達すると、基板Sおよび支持体20はデバイスから取り除かれ、組立体は水およびジメチルホルムアミド(DMF)で数回洗浄された後、窒素気流中で乾燥される。
【0223】
上記条件下では、284nmから300nmの厚みを有するP4VP層が得られた。
【0224】
物性評価
偏光解析による分析によって、基板Sの表面に堆積されたP4VP層の厚みの均一性を測定することが可能であった。9点で測定を行い、基板Sの縁部から6mmのところで止めた。
得られた結果は、
−平均厚みは286nm、
−最大厚みは300nm
−最小厚みは284nm
−1シグマにおいて測定されたP4VP層の均一性:3%
であった。
【符号の説明】
【0225】
S 半導体基板、基板
E 電解質
10 容器
11 外壁、壁
12 主槽、槽
13 ダクト
14 2次槽、槽
15 外側側壁、壁、側壁
20 支持体
30 対向電極
40 給電源
50 照明手段
51 光源
52 光線を均一化するための手段、光散乱用シールド、発散用レンズ
53 光源、発光ダイオード
54 ディフレクター
55 構造体
60 液体ポンプ
70 流体力学的拡散器、拡散器
S1 半導体基板を電解質に接触させるステップ
S2 半導体基板の表面に光放射を放出するステップ
S3 半導体基板(S)の表面を分極するステップ
MF 金属膜
OF 有機膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板(S)の表面において電気化学反応を実施するためのデバイスであって、
−電解質(E)を収容するように意図された容器(10)、
−容器(10)内に配設された支持体(20)であって、支持体(20)上に半導体基板(S)を取り付けるように適合された支持体(20)、
−容器(10)内に配設された対向電極(30)、
−光線を放出する光源(51)、および半導体基板(S)の前記表面の全面において光線を均一化して半導体基板(S)の表面を活性化するための手段(52)を備えた照明手段(50)、ならびに
−半導体基板および対向電極に連結して、電気化学反応を可能にする電位で前記半導体基板(S)の前記表面を分極するための連結手段を備えた給電源(40)
を備えていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
容器(10)および支持体(20)が、50mmから450mmの間の所与の直径のディスク形状の基板(S)を収容するように適合されている請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
容器(10)が、照明手段(50)からの光放射を反射する少なくとも1つの反射性内壁を備えている、請求項1または2のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項4】
対向電極(30)が対称軸に関して対称性を有し、容器(10)および支持体(20)が軸に関して対称性を有する半導体基板を収容するように適合されており、支持体(20)が、半導体基板の対称軸が対向電極の対称軸と一直線となるように半導体基板を取り付けるように適合されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
半導体基板(S)の前記表面の全面で光線を均一化するための手段(52)が、半導体基板(S)を固定して軸を中心に回転させるための手段を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
2つの面を備えた流体力学的拡散器(70)をさらに備えており、前記流体力学的拡散器(70)は、第1の面が対向電極(30)に対向して容器(10)内に配設されており、支持体(20)は、流体力学的拡散器(70)の第2の面に対向するように基板(S)を取り付けるように適合されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
流体力学的拡散器(70)が、照明手段(50)からの光放射に対して透過性の材料で形成されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
対向電極(30)が、照明手段(50)と支持体(20)との間に配設されており、照明手段(50)によって半導体基板(S)に向かって放出された放射の少なくとも一部が通過できるように適合された形状を有している、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
照明手段(50)が容器(10)内に配設されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
照明手段(50)が容器(10)内にあって、流体力学的拡散器(70)と対向電極(30)との間に配設されている、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
照明手段(50)が流体力学的拡散器(70)上に配設されている、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
容器(10)が、容器(10)の外側にあって、側壁(15)の近傍に配設されている照明手段(50)からの光放射に透過性の外側側壁(15)を備えている、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
対向電極(30)が、中央に開口部を有するリング形状をしており、照明手段(50)が、対向電極の中央の開口部を通じて光放射を放出するように配設されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
照明手段が、リング形状の対向電極に対して同軸となるように、実質的に対向電極の中央の開口部の内側に配設されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
照明手段(50)が、半導体基板(S)の表面に均一に分散される光放射を放出するように、容器(10)内に配設された複数の光源(53)を備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
照明手段(50)が、中央の開口部を有する表面を備えた構造体を備えており、対向電極(30)が中央の開口部に対して同軸となるように配設されており、光源(53)が中央の開口部の周辺部の構造体の表面に分布している、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
対向電極(30)が、照明手段(50)の構造体の中央の開口部の内側に配設されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
照明手段(50)が、表面を有する構造体(55)を備えており、対向電極(30)が構造体(55)の表面に取り付けられており、光源(53)が対向電極(30)の周辺部の構造体の表面に分布している、請求項15に記載のデバイス。
【請求項19】
照明手段(50)の光線を均一化するための手段(52)が、光源(53)からの光放射を半導体基板(S)の表面に均一に分散するように適合されたディフレクター(54)を備えている、請求項15から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
光線を放出する光源(51)が支持体(20)上に配設されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
光線を放出する光源(51)が、光線を対向電極(30)の方向に放出するように向けられており、対向電極が光源(51)からの光線を反射する材料でできている、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
半導体基板の表面上において電気化学反応を実施するための方法であって、
−(S1)半導体基板(S)を電解質(E)に接触させるステップ、
−(S2)半導体基板(S)の前記表面の方向に光放射を放出するステップ、
−半導体基板(S)の前記表面の全面に放出された光放射を均一化して、半導体基板(S)の表面を活性化するステップ、および
−(S3)電気化学反応を可能にする電位で前記半導体基板(S)の前記表面を分極するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
電解質(E)が電気化学的に活性な化学種を含有し、電気化学反応が前記化学種を必要とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
50mmから450mmの間の所与の直径を有するディスク形状の基板(S)を使用する、請求項22および23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
化学種が金属性であり、その結果、電気化学反応により基板(S)の表面に金属膜(MF)の形成をもたらす、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
化学種が有機性であり、その結果、電気化学反応により基板(S)の表面に有機膜(OF)の形成をもたらす、請求項23に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【公表番号】特表2012−522126(P2012−522126A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501312(P2012−501312)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053955
【国際公開番号】WO2010/108996
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(305036171)
【Fターム(参考)】