半導体装置および半導体装置の製造方法
【課題】製造時における熱応力や温度サイクルによる熱応力によって、リード端子にワイヤボンディングされたワイヤが断線することを阻止可能な半導体装置、およびその製造方法を提供する
【解決手段】一方表面20上に複数の電極部21が形成された半導体チップ2と、半導体チップ2側に一方端部4bが配置された複数のリード端子4と、各電極部21と各リード端子4とを電気的に接続する複数のワイヤ5と、少なくとも半導体チップ2、リード端子4の一方端部4bおよびワイヤ5を封止する封止樹脂層6とを備えており、ワイヤ5は、リード端子4の一方端部4bの表面に接続された第1圧着部51aと、リード端子4の一方端部4b表面において、リード端子4の他方端部4a側に離間した第2圧着部51bとを有している。
【解決手段】一方表面20上に複数の電極部21が形成された半導体チップ2と、半導体チップ2側に一方端部4bが配置された複数のリード端子4と、各電極部21と各リード端子4とを電気的に接続する複数のワイヤ5と、少なくとも半導体チップ2、リード端子4の一方端部4bおよびワイヤ5を封止する封止樹脂層6とを備えており、ワイヤ5は、リード端子4の一方端部4bの表面に接続された第1圧着部51aと、リード端子4の一方端部4b表面において、リード端子4の他方端部4a側に離間した第2圧着部51bとを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関し、特に、ワイヤボンディングを利用して形成された樹脂封止型の半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂封止型の半導体装置としの一例として、図11に示したようなQFP(Quad Flat Package)型の半導体装置9が知られている。この半導体装置9は、たとえば、図11に示したように、半導体チップ90、アイランド91、リード端子92、半導体チップ90とリード端子92とを電気的に接続するワイヤ93、およびこれらを封止する封止樹脂層94を備えている。
【0003】
半導体チップ90とリード端子92との電気的な接続は、具体的には、半導体チップ90に形成された電極パッド90aおよびリード端子92の端部92aの各々にワイヤ93をいわゆるワイヤボンディング法によって接合することにより達成される。
【0004】
ワイヤボンディング法では、たとえば、キャピラリ(図示せず)の先端から導出されたワイヤ93の先端部が溶融されてボール形状に形成される。その後、電極パッド90aにワイヤ93の先端部が押しつけられるとともに、キャピラリ(図示せず)に超音波振動が印加されて電極パッド90aとワイヤ93の先端部とが接合される。次いで、ワイヤ93を導出させつつキャピラリ(図示せず)を移動させた後、ワイヤ93の他端がリード端子92の端部92aに押しつけられつつ、キャピラリ(図示せず)に超音波振動が印加されることにより、ワイヤ93の他端がリード端子92の端部92aに接合される。
【0005】
【特許文献1】特開2001−7146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のワイヤボンディング法によりリード端子92の端部92aに接合されたワイヤ93のテール部93aは、図12に示すように、厚みが薄くなっている。そのため、リード端子92の端部92aのワイヤ93との間にできる隙間に樹脂が入り込む場合、封止樹脂層形成時の熱応力、あるいは半導体装置9使用時の熱応力によって、リード端子92の端部92aとワイヤ93のテール部93aとの接合界面に亀裂が生じ、ひいてはワイヤ93のテール部93aがリード端子92の端部92a表面から剥がれてしまい、導通不良を起こすといった問題が生じる。
【0007】
本発明は、製造時における熱応力や温度サイクルによる熱応力によって、リード端子にワイヤボンディングされたワイヤが断線することを阻止可能な半導体装置、およびその製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面では、一方表面上に複数の電極部が形成された半導体チップと、前記半導体チップ側に一方端部が配置された複数のリード端子と、前記各電極部と前記各リード端子とを電気的に接続する複数のワイヤと、少なくとも前記半導体チップ、前記リード端子の一方端部および前記ワイヤを封止する封止樹脂層とを備え、前記ワイヤは、前記リード端子における一方端部の表面に接続された第1圧着部と、前記リード端子における一方端部の表面において、前記リード端子の他方端部側に離間した第2圧着部とを有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【0009】
前記ワイヤは、たとえば前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に、前記第1圧着部および前記第2圧着部の厚みよりも厚みが大きい肉厚部を有する。
【0010】
前記肉厚部は、前記リード端子における一方端部の表面と接しているのが好ましい。
【0011】
本発明の第2の側面では、半導体チップの一方表面上に形成された複数の電極部とワイヤの一方端部とを接続させる第1ボンディング工程と、前記半導体チップ側に一端部が配置されたリード端子と前記ワイヤの他方端部とを接続する第2ボンディング工程と、少なくとも前記半導体チップ、前記リード端子の一方端部および前記ワイヤを封止樹脂により封止する樹脂封止工程とを備える半導体装置の製造方法において、前記第2ボンディング工程は、前記ワイヤと前記リード端子の一方端部表面とが接続する第1圧着部を形成する第1圧着工程と、前記第1圧着部より前記リード端子の他方端部側に離間した位置で前記ワイヤと前記リード端子の一方端部表面とが接続する第2圧着部を形成する第2圧着工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0012】
前記第2ボンディング工程は、たとえば前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に、前記第1圧着部および前記第2圧着部よりも厚みが大きい肉厚部を形成する工程を含む。
【0013】
前記肉厚部は、前記リード端子における一方端部の表面と接するように形成されるのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1および図2に示した半導体装置1は、樹脂封止型の半導体装置の一例であるQFP型の半導体装置であり、半導体チップ2と、半導体チップ2を固定するためのアイランド3と、複数のリード端子4と、半導体チップ2とリード端子4とを電気的に接続するための複数のワイヤ5と、封止樹脂層6とを備えている。
【0016】
半導体チップ2は、たとえば、シリコン基板から構成されており、主面20に集積回路などが形成されている。この半導体チップ2は、図1および図2に示したように、半田などからなる接着層31を介して、アイランド3の上面に固定されている。また、半導体チップ2は複数の電極パッド21を有している。
【0017】
電極パッド21は、リード端子4と導通接続されるものであり、たとえば、半導体チップ2の主面20において、周縁に沿って所定間隔を隔てて並ぶように形成されている。
【0018】
アイランド3は、半導体チップ2を固定するためのものである。アイランド3は、図2および図4に示したように、平面的に見て、略矩形状に形成されているとともに、一体的に連結された4つの吊りリード32を有している。吊りリード32は、アイランド3の4つの角部の各々に1つずつ配置されており、平面的に見て、放射状に拡がるように形成されている。また、これらの4つの吊りリード32は、後述するリードフレーム40にアイランド3を保持するために設けられている。これらの吊りリード32の各々は、たとえば、アイランド3がダウンセットされるように折り曲げられている。したがって、本実施形態のアイランド3は、後述するインナーリード部4b(リード端子の一方端部)よりも下方側に配置されている。
【0019】
複数のリード端子4は、たとえば、図1に示したような配線基板7と半導体チップ2との電気的信号を伝達するためのものである。複数のリード端子4は、たとえば、燐青銅や無酸素銅などの銅系(銅または銅合金)材料から構成される。また、複数のリード端子4は、図1および図3に示したように、封止樹脂層6から導出された部分であるアウターリード部4aと、半導体チップ2とともに封止樹脂層6に覆われているインナーリード部4bとを有している。アウターリード部4aは、図1に示したように、リード端子4がガルウイング形状となるように折り曲げられており、たとえば、半田層70を介して配線基板7に表面実装される。
【0020】
また、複数のリード端子4は、図2に示したように、互いに分離されているとともに、アイランド3を4方向から囲むように配置されている。具体的には、複数のリード端子4は、所定数のリード端子4をそれぞれ含む4つのグループに分けられている。そして、その所定数のリード端子4をそれぞれ含む4つのグループは、アイランド3を4方向から囲むように配置されている。また、複数のリード端子4の各々は、そのインナーリード部4bが半導体チップ2と対向するように配置されている。上記のようにリード端子4を配置することにより、ガルウイング形状の複数のリード端子4が4方向に所定数ずつ取り出される。
【0021】
ワイヤ5は、半導体チップ2とリード端子とを電気的に接続するためのものであり、図1および図2に示したように、ワイヤ5の一方端部50が電極パッド21に接続されおり、ワイヤ5の他方端部51がリード端子4のインナーリード部4bに接続されている。このワイヤ5は、たとえば、金、銅、あるいはアルミニウムの金属材料により形成されている。また、ワイヤ5は、たとえば、径が10μm〜50μmとされている。
【0022】
ワイヤ5は、図3に良く表れているように、他方端部51において、半導体チップ2側にインナリード部4bに圧着された第1圧着部51aと、この第1圧着部51aからアウターリード部4a側に離間した位置においてインナーリード部4bに圧着された第2圧着部51bと、第1圧着部51aおよび第2圧着部51bとの間に位置し、第1圧着部51aおよび第2圧着部51bよりも厚い厚みを有する肉厚部51cとを備えている。また、肉厚部51cは、図3に示したように、インナーリード部4bの表面に接するように形成されている。好ましくは、肉厚部51cは、インナーリード部41bとの間に隙間が生じない程度に圧力をかけずに形成されている。
【0023】
封止樹脂層6は、たとえば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂によって構成されており、半導体チップ2やワイヤ5などを封止することにより、ガスや水分などから半導体チップ2やワイヤ5などを保護する機能を有している。また、封止樹脂層6は、図2に示したように、平面的に見て、4つの辺を有している。この四角形状の封止樹脂層6の4つの辺からは、それぞれ、所定数のリード端子4(アウターリード部4a)が突出している。
【0024】
次に、図1ないし図4を参照して説明した半導体装置1の製造方法を図5ないし図9を参照しつつ説明する。
【0025】
まず、図5に示したように、燐青銅や無酸素銅などの銅系(銅または銅合金)材料から構成される薄板に、打ち抜きプレス加工またはエッチング加工などを施すことによって、リードフレーム40を一体的に形成する。この際、リードフレーム40は、複数のリード端子4、ダム部41、および位置決め孔42などを含むように構成する。なお、リードフレーム40は、アイランド3を含まないように構成する。
【0026】
次に、燐青銅や無酸素銅などの銅系(銅または銅合金)材料から構成される薄板に、打ち抜きプレス加工またはエッチング加工などを施すことによって、リードフレーム40とは別体でアイランド3を形成する。この際、アイランド3は、平面的に見て、四角形状に形成するとともに、図4および図6に示したように、アイランド3の4つの角部に、平面的に見て、放射状に拡がる吊りリード32をそれぞれ一体的に形成する。
【0027】
続いて、図4に示したように、半導体チップ2を、たとえば、半田からなる接着層32を介してアイランド3の上面上に固定する。
【0028】
次いで、4つの吊りリード32を折り曲げるとともに、図6に示したように、吊りリード32の先端部をリードフレーム40の所定位置にそれぞれ接続する。
これにより、アイランド3がインナーリード部4bより下方側に配置された状態でリードフレーム40に接続される。
【0029】
次に、図7および図8に示したように、半導体チップ2の電極パッド21とインナーリード部4bとを、金、銅あるいはアルミニウムなどの金属材料からなるワイヤ5を介して互いに電気的に接続する。具体的には、まず、キャピラリ8から導出されたワイヤ5の先端部(一方端部)50を溶融させてボール形状とする。次いで、図7(a)に示したように、ボール形状に形成されたワイヤ5の先端部50は、半導体チップ2の電極パッド21に押しつけられて接合される。この工程では、たとえば、半導体チップ2がヒーターブロック(図示せず)により加熱されつつ、ワイヤ5の先端部50が電極パッド21に押しつけられて熱圧着される。このとき、キャピラリ8からワイヤ5の先端部50に加えられる荷重は、たとえば、30〜60gf程度とされる。また、このとき、ワイヤ5の先端部50へのキャピラリ8からの押圧と同時に超音波振動が付与されてもよい。
【0030】
次に、図7(b)に示したように、ワイヤ5をキャピラリ8から導出させつつ、キャピラリ8をインナーリード部4bの上方に移動させる。その後、ワイヤ5の他方端部51を、あらかじめ加熱しておいたインナーリード4bの上面に対して20〜50gf程度の荷重で押付けることにより第1圧着部51aが形成される。
【0031】
次いで、図7(c)に示したように、ワイヤ5をキャピラリ8から導出させつつ、キャピラリ8をアウターリード部4a側に水平移動させるとともに、上昇および下降させることにより肉厚部51cが形成される。このとき、好ましくは、肉厚部51cはインナーリード部4bの上面に接するように形成される。この場合、キャピラリ8からワイヤ5に加える荷重は、0〜10gf程度とされる。
【0032】
続いて、図7(c)に示したように、ワイヤ5をキャピラリ8から導出させつつ、キャピラリ8をアウターリード部4a側に移動させた後、ワイヤ5の他方端部51を、インナーリード4bの上面に対して100〜150gf程度の荷重で押付けることにより、第2圧着部51bが第1圧着部からアウターリード部4a側に所定距離だけ離間した位置に形成される。
【0033】
次いで、図7(d)に示したように、ワイヤクランパ(図示せず)を閉じてキャピラリ8を上昇させることによりワイヤ5が切断されて、ワイヤ5のリード端子4へのワイヤボンディングが終了する。これらの一連の工程を繰り返すことにより複数の電極パッド21と対応するリード端子4との電気的接続が行われる。
【0034】
続いて、トランスファ成形装置などを用いて、図9に示したように、封止樹脂層6で、半導体チップ2、アイランド3、リード端子4のインナーリード部4b、およびワイヤ5を樹脂封止する。
【0035】
その後、吊りリード32の封止樹脂層6からの突出部、リード端子4(アウターリード部4a)、およびダム部41をそれぞれ切断する。最後に、アウターリード部4aを樹脂封止層6の外部でガルウイング形状に折り曲げる。このようにして、図1に示した本発明の一実施形態による半導体装置が製造される。
【0036】
本実施形態では、上述のように、ワイヤ5の他方端部51において、半導体チップ2側にインナーリード部4bと圧着された第1圧着部51aと、この第1圧着部51aからアウターリード部側に離間した位置においてインナーリード部4bに圧着された第2圧着部とを備えている。そのため、インナーリード部4bとワイヤ5の他方端部51との間にできる隙間に封止樹脂が入り込んだ場合であっても、封止樹脂工程時の熱応力あるいは半導体チップ2の配線基板7に実装後の熱応力に起因するリード端子4からのワイヤ5の剥がれを阻止することができる。具体的には、ワイヤ5の他方端部51における第1圧着部51aおよび第2圧着部51bのいずれかがインナーリード部4bから剥がれた場合でも、もう一方の圧着部がインナーリード部4bと圧着接続されているために、ワイヤ5とリード端子4との接続状態が保持され、ワイヤ5がリード端子4から剥がれてしまうことを阻止することができる。したがって、リード端子4からのワイヤ5の断線を阻止することができ、ひいては半導体チップ2とリード端子4とが導通不良してしまうという問題を阻止することができる。
【0037】
さらに、本実施形態においては、第1圧着部51aと第2圧着部51bとの間に肉厚部が、インナーリード部4bと接するように形成されている。そのため、第1圧着部51aと第2圧着部51bとの間に隙間が生じないために、樹脂が隙間に入り込まず、第1圧着部51aと第2圧着部51bとのインナーリード部4bからの熱応力に起因する剥がれを抑制することができる。加えて、肉厚部51cは、インナーリード部4bに対して圧力がかからないように形成されているために、ワイヤ5における第1圧着部51aおよび第2圧着部51bのいずれか一方が剥がれても、剥がれた際の応力が剥がれていない他方の圧着部に伝わることを抑制することができ、剥がれていない他方の圧着部のインナーリード4bに対する接続状態を保持することができるために、よりワイヤ5のリード端子4からの断線を阻止することができる。
【0038】
本発明は、上述した半導体装置には限定されない。たとえば、QFP型の半導体装置の代わりにQFN(Quad Flat Non−Leadeid Package)型の半導体装置やBGA(Ball Grid Array)型の半導体装置を本発明に適用してもよい。また、半導体装置を、QFP型、QFN型およびBGA型以外のパッケージ形態に構成してもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、ワイヤ5が第1圧着部51aおよび第2圧着部51bの2つの圧着部を有するように構成されているが、圧着部を3以上設けるように構成してもよい。なお、このような構成にした場合は、よりワイヤ5のリード端子4からの剥がれを阻止することができる。さらに、各圧着部の間に肉厚部をインナーリード部4bの上面上に接するように形成すれば、ワイヤ5のリード端子4からの断線を阻止するという効果をより発揮することができる。
【0040】
本発明はさらに、図10に示したように、ワイヤ5の第2圧着部51b上に接続補助部51dを形成してもよい。この接続補助部51dは、たとえば、ワイヤ5の先端部を溶融させてボール形状とし、第2圧着部51bに圧着することにより形成することができる。このような接続補助部51dを形成した場合には、第2圧着部51bのインナーリード部4bに対する接合強度が向上するため、ワイヤ5のリード端子4からの断線をさらに阻止することができる。
【0041】
また、上記実施形態においては、アイランドを、リードフレームと同じ材料から構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、アイランドをリードフレームと異なる材料から構成してもよい。たとえば、42Alloy合金やコバール(Kovar)合金から構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る半導体装置の一例を説明するための断面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の一例を説明するための平面図である。
【図3】本発明に係る半導体装置の一例を説明するための部分断面図である。
【図4】本発明に係る半導体装置のアイランド構造を説明するための斜視図である。
【図5】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図6】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図7A】図7Aは、本発明に係る半導体装置のワイヤボンディング方法を説明するための模式的な断面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図7C】図7Cは、図7Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図7D】図7Dは、図7Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図8】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図9】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図10】本発明に係る半導体装置の他の例を説明するための部分断面図である。
【図11】従来の半導体装置の一例を説明するための断面図である。
【図12】従来の半導体装置の一例を説明するための部分断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 半導体装置
2 半導体チップ
20 一方表面(主面)
21 電極部
4 リード端子
4a リード端子の他方端部(アウターリード部)
4b リード端子の一方端部(インナーリード部)
5 ワイヤ
50 ワイヤの一方端部
51 ワイヤの他方端部
51a 第1圧着部
51b 第2圧着部
51c 肉厚部
6 封止樹脂層
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関し、特に、ワイヤボンディングを利用して形成された樹脂封止型の半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂封止型の半導体装置としの一例として、図11に示したようなQFP(Quad Flat Package)型の半導体装置9が知られている。この半導体装置9は、たとえば、図11に示したように、半導体チップ90、アイランド91、リード端子92、半導体チップ90とリード端子92とを電気的に接続するワイヤ93、およびこれらを封止する封止樹脂層94を備えている。
【0003】
半導体チップ90とリード端子92との電気的な接続は、具体的には、半導体チップ90に形成された電極パッド90aおよびリード端子92の端部92aの各々にワイヤ93をいわゆるワイヤボンディング法によって接合することにより達成される。
【0004】
ワイヤボンディング法では、たとえば、キャピラリ(図示せず)の先端から導出されたワイヤ93の先端部が溶融されてボール形状に形成される。その後、電極パッド90aにワイヤ93の先端部が押しつけられるとともに、キャピラリ(図示せず)に超音波振動が印加されて電極パッド90aとワイヤ93の先端部とが接合される。次いで、ワイヤ93を導出させつつキャピラリ(図示せず)を移動させた後、ワイヤ93の他端がリード端子92の端部92aに押しつけられつつ、キャピラリ(図示せず)に超音波振動が印加されることにより、ワイヤ93の他端がリード端子92の端部92aに接合される。
【0005】
【特許文献1】特開2001−7146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のワイヤボンディング法によりリード端子92の端部92aに接合されたワイヤ93のテール部93aは、図12に示すように、厚みが薄くなっている。そのため、リード端子92の端部92aのワイヤ93との間にできる隙間に樹脂が入り込む場合、封止樹脂層形成時の熱応力、あるいは半導体装置9使用時の熱応力によって、リード端子92の端部92aとワイヤ93のテール部93aとの接合界面に亀裂が生じ、ひいてはワイヤ93のテール部93aがリード端子92の端部92a表面から剥がれてしまい、導通不良を起こすといった問題が生じる。
【0007】
本発明は、製造時における熱応力や温度サイクルによる熱応力によって、リード端子にワイヤボンディングされたワイヤが断線することを阻止可能な半導体装置、およびその製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面では、一方表面上に複数の電極部が形成された半導体チップと、前記半導体チップ側に一方端部が配置された複数のリード端子と、前記各電極部と前記各リード端子とを電気的に接続する複数のワイヤと、少なくとも前記半導体チップ、前記リード端子の一方端部および前記ワイヤを封止する封止樹脂層とを備え、前記ワイヤは、前記リード端子における一方端部の表面に接続された第1圧着部と、前記リード端子における一方端部の表面において、前記リード端子の他方端部側に離間した第2圧着部とを有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【0009】
前記ワイヤは、たとえば前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に、前記第1圧着部および前記第2圧着部の厚みよりも厚みが大きい肉厚部を有する。
【0010】
前記肉厚部は、前記リード端子における一方端部の表面と接しているのが好ましい。
【0011】
本発明の第2の側面では、半導体チップの一方表面上に形成された複数の電極部とワイヤの一方端部とを接続させる第1ボンディング工程と、前記半導体チップ側に一端部が配置されたリード端子と前記ワイヤの他方端部とを接続する第2ボンディング工程と、少なくとも前記半導体チップ、前記リード端子の一方端部および前記ワイヤを封止樹脂により封止する樹脂封止工程とを備える半導体装置の製造方法において、前記第2ボンディング工程は、前記ワイヤと前記リード端子の一方端部表面とが接続する第1圧着部を形成する第1圧着工程と、前記第1圧着部より前記リード端子の他方端部側に離間した位置で前記ワイヤと前記リード端子の一方端部表面とが接続する第2圧着部を形成する第2圧着工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0012】
前記第2ボンディング工程は、たとえば前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に、前記第1圧着部および前記第2圧着部よりも厚みが大きい肉厚部を形成する工程を含む。
【0013】
前記肉厚部は、前記リード端子における一方端部の表面と接するように形成されるのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1および図2に示した半導体装置1は、樹脂封止型の半導体装置の一例であるQFP型の半導体装置であり、半導体チップ2と、半導体チップ2を固定するためのアイランド3と、複数のリード端子4と、半導体チップ2とリード端子4とを電気的に接続するための複数のワイヤ5と、封止樹脂層6とを備えている。
【0016】
半導体チップ2は、たとえば、シリコン基板から構成されており、主面20に集積回路などが形成されている。この半導体チップ2は、図1および図2に示したように、半田などからなる接着層31を介して、アイランド3の上面に固定されている。また、半導体チップ2は複数の電極パッド21を有している。
【0017】
電極パッド21は、リード端子4と導通接続されるものであり、たとえば、半導体チップ2の主面20において、周縁に沿って所定間隔を隔てて並ぶように形成されている。
【0018】
アイランド3は、半導体チップ2を固定するためのものである。アイランド3は、図2および図4に示したように、平面的に見て、略矩形状に形成されているとともに、一体的に連結された4つの吊りリード32を有している。吊りリード32は、アイランド3の4つの角部の各々に1つずつ配置されており、平面的に見て、放射状に拡がるように形成されている。また、これらの4つの吊りリード32は、後述するリードフレーム40にアイランド3を保持するために設けられている。これらの吊りリード32の各々は、たとえば、アイランド3がダウンセットされるように折り曲げられている。したがって、本実施形態のアイランド3は、後述するインナーリード部4b(リード端子の一方端部)よりも下方側に配置されている。
【0019】
複数のリード端子4は、たとえば、図1に示したような配線基板7と半導体チップ2との電気的信号を伝達するためのものである。複数のリード端子4は、たとえば、燐青銅や無酸素銅などの銅系(銅または銅合金)材料から構成される。また、複数のリード端子4は、図1および図3に示したように、封止樹脂層6から導出された部分であるアウターリード部4aと、半導体チップ2とともに封止樹脂層6に覆われているインナーリード部4bとを有している。アウターリード部4aは、図1に示したように、リード端子4がガルウイング形状となるように折り曲げられており、たとえば、半田層70を介して配線基板7に表面実装される。
【0020】
また、複数のリード端子4は、図2に示したように、互いに分離されているとともに、アイランド3を4方向から囲むように配置されている。具体的には、複数のリード端子4は、所定数のリード端子4をそれぞれ含む4つのグループに分けられている。そして、その所定数のリード端子4をそれぞれ含む4つのグループは、アイランド3を4方向から囲むように配置されている。また、複数のリード端子4の各々は、そのインナーリード部4bが半導体チップ2と対向するように配置されている。上記のようにリード端子4を配置することにより、ガルウイング形状の複数のリード端子4が4方向に所定数ずつ取り出される。
【0021】
ワイヤ5は、半導体チップ2とリード端子とを電気的に接続するためのものであり、図1および図2に示したように、ワイヤ5の一方端部50が電極パッド21に接続されおり、ワイヤ5の他方端部51がリード端子4のインナーリード部4bに接続されている。このワイヤ5は、たとえば、金、銅、あるいはアルミニウムの金属材料により形成されている。また、ワイヤ5は、たとえば、径が10μm〜50μmとされている。
【0022】
ワイヤ5は、図3に良く表れているように、他方端部51において、半導体チップ2側にインナリード部4bに圧着された第1圧着部51aと、この第1圧着部51aからアウターリード部4a側に離間した位置においてインナーリード部4bに圧着された第2圧着部51bと、第1圧着部51aおよび第2圧着部51bとの間に位置し、第1圧着部51aおよび第2圧着部51bよりも厚い厚みを有する肉厚部51cとを備えている。また、肉厚部51cは、図3に示したように、インナーリード部4bの表面に接するように形成されている。好ましくは、肉厚部51cは、インナーリード部41bとの間に隙間が生じない程度に圧力をかけずに形成されている。
【0023】
封止樹脂層6は、たとえば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂によって構成されており、半導体チップ2やワイヤ5などを封止することにより、ガスや水分などから半導体チップ2やワイヤ5などを保護する機能を有している。また、封止樹脂層6は、図2に示したように、平面的に見て、4つの辺を有している。この四角形状の封止樹脂層6の4つの辺からは、それぞれ、所定数のリード端子4(アウターリード部4a)が突出している。
【0024】
次に、図1ないし図4を参照して説明した半導体装置1の製造方法を図5ないし図9を参照しつつ説明する。
【0025】
まず、図5に示したように、燐青銅や無酸素銅などの銅系(銅または銅合金)材料から構成される薄板に、打ち抜きプレス加工またはエッチング加工などを施すことによって、リードフレーム40を一体的に形成する。この際、リードフレーム40は、複数のリード端子4、ダム部41、および位置決め孔42などを含むように構成する。なお、リードフレーム40は、アイランド3を含まないように構成する。
【0026】
次に、燐青銅や無酸素銅などの銅系(銅または銅合金)材料から構成される薄板に、打ち抜きプレス加工またはエッチング加工などを施すことによって、リードフレーム40とは別体でアイランド3を形成する。この際、アイランド3は、平面的に見て、四角形状に形成するとともに、図4および図6に示したように、アイランド3の4つの角部に、平面的に見て、放射状に拡がる吊りリード32をそれぞれ一体的に形成する。
【0027】
続いて、図4に示したように、半導体チップ2を、たとえば、半田からなる接着層32を介してアイランド3の上面上に固定する。
【0028】
次いで、4つの吊りリード32を折り曲げるとともに、図6に示したように、吊りリード32の先端部をリードフレーム40の所定位置にそれぞれ接続する。
これにより、アイランド3がインナーリード部4bより下方側に配置された状態でリードフレーム40に接続される。
【0029】
次に、図7および図8に示したように、半導体チップ2の電極パッド21とインナーリード部4bとを、金、銅あるいはアルミニウムなどの金属材料からなるワイヤ5を介して互いに電気的に接続する。具体的には、まず、キャピラリ8から導出されたワイヤ5の先端部(一方端部)50を溶融させてボール形状とする。次いで、図7(a)に示したように、ボール形状に形成されたワイヤ5の先端部50は、半導体チップ2の電極パッド21に押しつけられて接合される。この工程では、たとえば、半導体チップ2がヒーターブロック(図示せず)により加熱されつつ、ワイヤ5の先端部50が電極パッド21に押しつけられて熱圧着される。このとき、キャピラリ8からワイヤ5の先端部50に加えられる荷重は、たとえば、30〜60gf程度とされる。また、このとき、ワイヤ5の先端部50へのキャピラリ8からの押圧と同時に超音波振動が付与されてもよい。
【0030】
次に、図7(b)に示したように、ワイヤ5をキャピラリ8から導出させつつ、キャピラリ8をインナーリード部4bの上方に移動させる。その後、ワイヤ5の他方端部51を、あらかじめ加熱しておいたインナーリード4bの上面に対して20〜50gf程度の荷重で押付けることにより第1圧着部51aが形成される。
【0031】
次いで、図7(c)に示したように、ワイヤ5をキャピラリ8から導出させつつ、キャピラリ8をアウターリード部4a側に水平移動させるとともに、上昇および下降させることにより肉厚部51cが形成される。このとき、好ましくは、肉厚部51cはインナーリード部4bの上面に接するように形成される。この場合、キャピラリ8からワイヤ5に加える荷重は、0〜10gf程度とされる。
【0032】
続いて、図7(c)に示したように、ワイヤ5をキャピラリ8から導出させつつ、キャピラリ8をアウターリード部4a側に移動させた後、ワイヤ5の他方端部51を、インナーリード4bの上面に対して100〜150gf程度の荷重で押付けることにより、第2圧着部51bが第1圧着部からアウターリード部4a側に所定距離だけ離間した位置に形成される。
【0033】
次いで、図7(d)に示したように、ワイヤクランパ(図示せず)を閉じてキャピラリ8を上昇させることによりワイヤ5が切断されて、ワイヤ5のリード端子4へのワイヤボンディングが終了する。これらの一連の工程を繰り返すことにより複数の電極パッド21と対応するリード端子4との電気的接続が行われる。
【0034】
続いて、トランスファ成形装置などを用いて、図9に示したように、封止樹脂層6で、半導体チップ2、アイランド3、リード端子4のインナーリード部4b、およびワイヤ5を樹脂封止する。
【0035】
その後、吊りリード32の封止樹脂層6からの突出部、リード端子4(アウターリード部4a)、およびダム部41をそれぞれ切断する。最後に、アウターリード部4aを樹脂封止層6の外部でガルウイング形状に折り曲げる。このようにして、図1に示した本発明の一実施形態による半導体装置が製造される。
【0036】
本実施形態では、上述のように、ワイヤ5の他方端部51において、半導体チップ2側にインナーリード部4bと圧着された第1圧着部51aと、この第1圧着部51aからアウターリード部側に離間した位置においてインナーリード部4bに圧着された第2圧着部とを備えている。そのため、インナーリード部4bとワイヤ5の他方端部51との間にできる隙間に封止樹脂が入り込んだ場合であっても、封止樹脂工程時の熱応力あるいは半導体チップ2の配線基板7に実装後の熱応力に起因するリード端子4からのワイヤ5の剥がれを阻止することができる。具体的には、ワイヤ5の他方端部51における第1圧着部51aおよび第2圧着部51bのいずれかがインナーリード部4bから剥がれた場合でも、もう一方の圧着部がインナーリード部4bと圧着接続されているために、ワイヤ5とリード端子4との接続状態が保持され、ワイヤ5がリード端子4から剥がれてしまうことを阻止することができる。したがって、リード端子4からのワイヤ5の断線を阻止することができ、ひいては半導体チップ2とリード端子4とが導通不良してしまうという問題を阻止することができる。
【0037】
さらに、本実施形態においては、第1圧着部51aと第2圧着部51bとの間に肉厚部が、インナーリード部4bと接するように形成されている。そのため、第1圧着部51aと第2圧着部51bとの間に隙間が生じないために、樹脂が隙間に入り込まず、第1圧着部51aと第2圧着部51bとのインナーリード部4bからの熱応力に起因する剥がれを抑制することができる。加えて、肉厚部51cは、インナーリード部4bに対して圧力がかからないように形成されているために、ワイヤ5における第1圧着部51aおよび第2圧着部51bのいずれか一方が剥がれても、剥がれた際の応力が剥がれていない他方の圧着部に伝わることを抑制することができ、剥がれていない他方の圧着部のインナーリード4bに対する接続状態を保持することができるために、よりワイヤ5のリード端子4からの断線を阻止することができる。
【0038】
本発明は、上述した半導体装置には限定されない。たとえば、QFP型の半導体装置の代わりにQFN(Quad Flat Non−Leadeid Package)型の半導体装置やBGA(Ball Grid Array)型の半導体装置を本発明に適用してもよい。また、半導体装置を、QFP型、QFN型およびBGA型以外のパッケージ形態に構成してもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、ワイヤ5が第1圧着部51aおよび第2圧着部51bの2つの圧着部を有するように構成されているが、圧着部を3以上設けるように構成してもよい。なお、このような構成にした場合は、よりワイヤ5のリード端子4からの剥がれを阻止することができる。さらに、各圧着部の間に肉厚部をインナーリード部4bの上面上に接するように形成すれば、ワイヤ5のリード端子4からの断線を阻止するという効果をより発揮することができる。
【0040】
本発明はさらに、図10に示したように、ワイヤ5の第2圧着部51b上に接続補助部51dを形成してもよい。この接続補助部51dは、たとえば、ワイヤ5の先端部を溶融させてボール形状とし、第2圧着部51bに圧着することにより形成することができる。このような接続補助部51dを形成した場合には、第2圧着部51bのインナーリード部4bに対する接合強度が向上するため、ワイヤ5のリード端子4からの断線をさらに阻止することができる。
【0041】
また、上記実施形態においては、アイランドを、リードフレームと同じ材料から構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、アイランドをリードフレームと異なる材料から構成してもよい。たとえば、42Alloy合金やコバール(Kovar)合金から構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る半導体装置の一例を説明するための断面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置の一例を説明するための平面図である。
【図3】本発明に係る半導体装置の一例を説明するための部分断面図である。
【図4】本発明に係る半導体装置のアイランド構造を説明するための斜視図である。
【図5】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図6】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図7A】図7Aは、本発明に係る半導体装置のワイヤボンディング方法を説明するための模式的な断面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図7C】図7Cは、図7Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図7D】図7Dは、図7Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図8】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図9】本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【図10】本発明に係る半導体装置の他の例を説明するための部分断面図である。
【図11】従来の半導体装置の一例を説明するための断面図である。
【図12】従来の半導体装置の一例を説明するための部分断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 半導体装置
2 半導体チップ
20 一方表面(主面)
21 電極部
4 リード端子
4a リード端子の他方端部(アウターリード部)
4b リード端子の一方端部(インナーリード部)
5 ワイヤ
50 ワイヤの一方端部
51 ワイヤの他方端部
51a 第1圧着部
51b 第2圧着部
51c 肉厚部
6 封止樹脂層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方表面上に複数の電極部が形成された半導体チップと、
前記半導体チップ側に一方端部が配置された複数のリード端子と、
前記各電極部と前記各リード端子とを電気的に接続する複数のワイヤと、
少なくとも前記半導体チップ、前記リード端子の一方端部および前記ワイヤを封止する封止樹脂層とを備え、
前記ワイヤは、前記リード端子における一方端部の表面に接続された第1圧着部と、前記リード端子における一方端部の表面において、前記リード端子の他方端部側に離間した第2圧着部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ワイヤは、前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に、前記第1圧着部および前記第2圧着部の厚みよりも厚みが大きい肉厚部を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記肉厚部は、前記リード端子における一方端部の表面と接することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体チップの一方表面上に形成された複数の電極部とワイヤの一方端部とを接続させる第1ボンディング工程と、
前記半導体チップ側に一端部が配置されたリード端子と前記ワイヤの他方端部とを接続する第2ボンディング工程と、
少なくとも前記半導体チップ、前記リード端子の一方端部および前記ワイヤを封止樹脂により封止する樹脂封止工程とを備える半導体装置の製造方法において、
前記第2ボンディング工程は、前記ワイヤと前記リード端子の一方端部表面とが接続する第1圧着部を形成する第1圧着工程と、前記第1圧着部より前記リード端子の他方端部側に離間した位置で前記ワイヤと前記リード端子の一方端部表面とが接続する第2圧着部を形成する第2圧着工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2ボンディング工程は、前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に、前記第1圧着部および前記第2圧着部よりも厚みが大きい肉厚部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記肉厚部は、前記リード端子における一方端部の表面と接するように形成されることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
一方表面上に複数の電極部が形成された半導体チップと、
前記半導体チップ側に一方端部が配置された複数のリード端子と、
前記各電極部と前記各リード端子とを電気的に接続する複数のワイヤと、
少なくとも前記半導体チップ、前記リード端子の一方端部および前記ワイヤを封止する封止樹脂層とを備え、
前記ワイヤは、前記リード端子における一方端部の表面に接続された第1圧着部と、前記リード端子における一方端部の表面において、前記リード端子の他方端部側に離間した第2圧着部とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ワイヤは、前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に、前記第1圧着部および前記第2圧着部の厚みよりも厚みが大きい肉厚部を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記肉厚部は、前記リード端子における一方端部の表面と接することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体チップの一方表面上に形成された複数の電極部とワイヤの一方端部とを接続させる第1ボンディング工程と、
前記半導体チップ側に一端部が配置されたリード端子と前記ワイヤの他方端部とを接続する第2ボンディング工程と、
少なくとも前記半導体チップ、前記リード端子の一方端部および前記ワイヤを封止樹脂により封止する樹脂封止工程とを備える半導体装置の製造方法において、
前記第2ボンディング工程は、前記ワイヤと前記リード端子の一方端部表面とが接続する第1圧着部を形成する第1圧着工程と、前記第1圧着部より前記リード端子の他方端部側に離間した位置で前記ワイヤと前記リード端子の一方端部表面とが接続する第2圧着部を形成する第2圧着工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2ボンディング工程は、前記第1圧着部と前記第2圧着部との間に、前記第1圧着部および前記第2圧着部よりも厚みが大きい肉厚部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記肉厚部は、前記リード端子における一方端部の表面と接するように形成されることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−153676(P2010−153676A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331778(P2008−331778)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
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