半導体装置の製造方法、測定装置、送出装置、及び、プログラム
【課題】仲介部材を介して被測定装置と測定装置を接続した状態で実行される所定の試験の精度を高める。
【解決手段】コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程S10と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程S20と、抵抗算出工程S10で算出された抵抗値を利用して、測定工程S20で取得された応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程S30と、を有する半導体装置の製造方法。
【解決手段】コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程S10と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程S20と、抵抗算出工程S10で算出された抵抗値を利用して、測定工程S20で取得された応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程S30と、を有する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、測定装置、送出装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(Large Scale Integration)などの半導体装置は、製品の製造後、所定の試験が実行され、合否判定がなされる。当該試験においては、テストボード等の仲介部材を介して、被測定装置が測定装置に接続される。そして、試験信号が、仲介部材を介して、測定装置から被測定装置に入力され、その後、当該試験信号に対する応答信号が、仲介部材を介して、被測定装置から測定装置に入力される。次いで、当該応答信号が予め定められた規格値と比較されるなどし、その結果に応じて合否判定がなされる。
【0003】
特許文献1には、上記技術において、(1)テストボード内の配線抵抗が試験結果に影響する可能性があること、および、(2)複数のテストボードを用いて複数の被測定装置を並列的に試験する場合があるが、複数のテストボード内において配線抵抗のバラつきが生じる可能性があること、に着目してなされた次のような発明が開示されている。
【0004】
すなわち、被測定装置が装着された装着テストボードを介して被測定装置に電流を印加し、被測定装置の所定部位の電圧を測定する測定部と、測定部による測定結果を取得し、規格値と比較することにより、被測定装置の合否を判定する判定部と、を具備し、判定部は、装着テストボードに対して固有である固有抵抗値を取得し、固有抵抗値に基づいて、合否を判定するテスト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−38920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、テストボード等の仲介部材の内部抵抗(接触抵抗)は経時変化を起こすこと、及び、当該内部抵抗の経時変化が、上記半導体装置の合否判定の精度に影響を及ぼす可能性があることを見出した。特許文献1に記載の技術の場合、当該課題を解決可能には構成されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程と、前記抵抗算出工程で算出された前記抵抗値を利用して、前記測定工程で取得された前記応答信号を補正後、補正後の前記応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程と、前記抵抗算出工程で算出された前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の前記規格値と、前記測定工程で取得された前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定する測定装置であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出部と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定部と、前記抵抗算出部が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定部が取得した前記応答信号を補正後、補正後の前記応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定部と、を有する測定装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定する測定装置であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出部と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定部と、前記抵抗算出部が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の前記規格値と、前記測定部が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定部と、を有する測定装置が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、仲介部材を介して測定装置に接続され、合否を判定される複数の被測定装置を、連続的に前記測定装置に向けて送り出す送出装置であって、前記被測定装置において、前記被測定装置が有する半導体チップに代えて、導電板を配置したショート装置を、複数個の前記被測定装置の中に所定間隔おきに混じり込ませて前記測定装置に送り出す送出装置が提供される。
【0012】
また、本発明よれば、仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、コンピュータを、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定手段が取得した前記応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0013】
また、本発明によれば、仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、コンピュータを、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の規格値と、前記測定手段が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0014】
このような本発明によれば、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置を測定するごと)に仲介部材の内部抵抗を算出(測定)することができる。そして、当該値を利用して、被測定装置が出力した応答信号、または、当該応答信号と比較処理するために予め定められた規格値のいずれかを補正し、補正後の値を利用して、被測定装置の合否判定を行うことができる。
【0015】
このような本発明によれば、仲介部材の内部抵抗、及び、その経時変化を考慮した精度の高い試験を実現することが可能となる。すなわち、半導体装置の製造方法における検査工程の精度を向上させることができ、結果、出荷する半導体装置の品質信頼度を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、仲介部材を介して被測定装置と測定装置を接続した状態で実行される所定の試験の精度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の半導体装置の製造方法に含まれる測定工程における、各種装置の接続状態を示す機能ブロック図の一例である。
【図2】本実施形態の測定装置の機能ブロック図の一例である。
【図3】本実施形態の半導体装置の製造方法に含まれる抵抗算出工程における、各種装置の接続状態を示す機能ブロック図の一例である。
【図4】図3の機能ブロック図の等価回路図の一例である。
【図5】本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の測定装置の機能ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0019】
なお、本実施形態の各部は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム(あらかじめ機器を出荷する段階からメモリ内に格納されているプログラムのほか、CD等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムも含む)、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、機器にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0020】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の半導体装置の製造方法の概要について説明する。
【0021】
本実施形態では、図1に示すように、仲介部材20を介して、測定装置30に被測定装置10を接続し、被測定装置10の合否を判定する工程を有する。すなわち、図1に示す状態で、試験信号が、仲介部材20を介して、測定装置30から被測定装置10に入力され、その後、当該試験信号に対する応答信号が、仲介部材20を介して、被測定装置10から測定装置20に入力される。例えば、測定装置30は、試験信号として、被測定装置10に所定値の電流を流し、応答信号として、被測定装置10の所定部位の電圧値を取得する。
【0022】
また、本実施形態では、仲介部材20の内部抵抗(接触抵抗)を測定する工程を有する。当該測定は、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置20を測定するごと)に行われる。
【0023】
そして、本実施形態では、上記工程で測定した仲介部材20の内部抵抗値を利用して、応答信号を補正する。その後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値とを比較し、当該比較結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。
【0024】
なお、本実施形態では、上記応答信号を補正する処理に代えて、次の処理を行うこともできる。すなわち、仲介部材20の内部抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正する。その後、補正後の規格値と、応答信号とを比較し、当該比較結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。
【0025】
以下、本実施形態について詳細に説明する。
【0026】
<被測定装置10>
被測定装置10は、例えば、LSI等の半導体装置である。被測定装置10は、例えば、半導体チップをパッケージに実装した態様であり、複数の入力用端子、及び、複数の出力用端子(以下、まとめて「被測定装置端子」)を有する。
【0027】
<仲介部材20>
仲介部材20は、例えば、テストボード、及び、ソケットの少なくとも一方を含んで構成することができる。仲介部材20は、被測定装置10が有する複数の被測定装置端子と接続する複数の被測定側仲介端子、及び、測定装置30が有する複数の測定装置端子と接続する複数の測定側仲介端子を有する。複数の被測定側仲介端子各々と複数の測定側仲介端子各々は、仲介部材20内に設けられた複数のチャネルで繋がっている。当該チャネルは、例えば配線等で構成される。このような仲介部材20を介して被測定装置10と測定装置30を接続することで、被測定装置端子各々と、測定装置端子各々とが接続される。
【0028】
なお、仲介部材20の内部抵抗(接触抵抗)は、経時変化を起こす。当該内部抵抗には、I(Input)/O(Output)の抵抗、電源のDC抵抗、及び、配線の抵抗等が含まれる。
【0029】
<測定装置30>
図2に、測定装置30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、測定装置30は、抵抗算出部31と、測定部32と、判定部33とを有する。
【0030】
抵抗算出部31は、仲介部材20の内部抵抗を算出する。抵抗算出部31は、仲介部材20が有する複数のチャネルごとに、内部抵抗を算出することができる。内部抵抗の値を算出する手段は、以下のようなものであってもよい。
【0031】
例えば、仲介部材20が測定装置30と接続し、かつ、被測定装置10とは接続していない状態で、仲介部材20の被測定側仲介端子をショートさせる。抵抗算出部31は、当該状態で、仲介部材20に電圧を印加し、流れる電流を測定後、測定値を利用して抵抗を算出する。
【0032】
仲介部材20の内部抵抗の算出は、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置20を測定するごと)に行われる。そして、算出された抵抗値は、記憶装置に記憶される。
【0033】
なお、上記被測定側仲介端子のショートを実現する手段は、例えば図3に示すように、仲介部材20にショート装置40を接続することで実現してもよい。
【0034】
ショート装置40は、仲介部材20の被測定側仲介端子各々と接続する複数の端子を有し、これらが互いに接続した状態(ショート装置40と仲介部材20とが接続した状態)で、被測定側仲介端子をショートさせるよう構成されている。例えば、ショート装置40は、被測定装置10の構成において、被測定装置10が有する半導体チップに代えて銅板などの導電板を配置し、その他は被測定装置10と同様な構成とすることができる。ショート装置40が有する複数の端子は、当該導電板と接続している。
【0035】
図4に、上記構成の等価回路図の一例を示す。なお、図4は、測定装置30が有する複数の測定装置端子の中の一部と、仲介部材20が有する複数のチャネルの中の一部と、ショート装置40が有する導電板とにより構成された等価回路を示す。
【0036】
図示するように、仲介部材20にショート装置40を接続することで、仲介部材20の被測定側仲介端子が、ショート装置40に設けられた導電板を介してショートする。当該状態で、測定装置30のPMU(Parametric Measurement Unit)にて電圧を印加する。この時、ショート装置40は測定装置のグランド(GND)に接続されており、電圧を印加すると、仲介部材の抵抗に応じた電流が流れる。この電流を測定することにより、仲介部材20の内部抵抗値を算出する。なお、このようなショート装置40を仲介部材20に接続した場合、仲介部材20が有する複数のチャネルのすべてが、ショート装置40に設けられた導電板によりショートすることとなる。しかし、あるチャネルを測定中は、測定装置30の測定ユニットによりリレーを切り離す等の処理により、他のチャネルを実質的にオープンな状態にすることができる。このため、複数のチャネルを個別に測定することが可能である。
【0037】
図2に戻り、測定部32は、仲介部材20を介して測定装置30が被測定装置10と接続した状態で(図1参照)、被測定装置10に試験信号を入力し、その後、当該被測定装置10から出力された応答信号を取得する。例えば、測定部32は、試験信号として所定値の電流を被測定装置10に流し、応答信号として、被測定装置10の所定部位の電圧値を取得する。
【0038】
なお、測定装置30が有する複数の測定装置端子各々は、コンピュータにより、固別に識別可能になっている。また、被測定装置10が有する複数の被測定装置端子各々も同様に、コンピュータにより、固別に識別可能になっている。そして、測定装置30と被測定装置10の接続においては、予め、どの測定装置端子と被測定装置端子を接続するかが定義されており、当該定義に従い、接続が行われる。
【0039】
判定部33は、抵抗算出部31が算出した仲介部材20の内部抵抗の値を利用して、測定部32が取得した応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値とを比較する。そして、比較結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。例えば、補正後の応答信号の値が、予め定められた規格値の範囲内に含まれる場合は、合格と判定し、含まれてない場合は、不合格と判定する。
【0040】
その他、判定部33は、抵抗算出部31が算出した仲介部材20の内部抵抗の値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の規格値と、測定部32が取得した応答信号とを比較することもできる。そして、比較結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。例えば、応答信号の値が、補正後の規格値の範囲内に含まれる場合は、合格と判定し、含まれてない場合は、不合格と判定する。
【0041】
上記「仲介部材20の内部抵抗の値を利用した補正」の内容は、以下のようなものであってもよい。例えば、判定部33は、抵抗算出部31が算出した抵抗値を基に、仲介部材20での電圧降下を算出する。そして、算出した電圧降下分が反映されるように、応答信号または規格値を補正する。
【0042】
なお、抵抗算出部31は、所定間隔おきに、仲介部材20の内部抵抗の値を算出し、その値を記憶装置に記憶する。判定部33は、例えば、抵抗算出部31が算出した複数の抵抗値の中の、最新のものを利用して、上記補正を行うことができる。判定部33が最新の抵抗値を判断できるように、抵抗算出部31が算出した複数の抵抗値は、算出された時間を関連付けて記憶装置に記憶されてもよいし、または、古い抵抗値は記憶装置から削除され、最新の抵抗値のみが記憶されるようにしてもよい。
【0043】
以上説明した本実施形態の測定装置は、例えば、以下のプログラムをコンピュータにインストールすることで実現することができる。
【0044】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、
前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定手段が取得した前記応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
【0045】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、
前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の規格値と、前記測定手段が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
【0046】
<半導体装置の製造方法>
次に、上記装置及び部材を利用して実現される本実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
【0047】
本実施形態では、まず、いわゆる前工程が行われ、ウエハに複数の半導体チップが作り込まれる。その後、いわゆる後工程に進む。後工程では、例えば、当該ウエハから半導体チップが切り出され、切り出された半導体チップが、パッケージに搭載される。次いで、捺印等の所定の処理が行われた後、半導体装置各々の合否判定を行う工程に進む。以下、図5のフローチャートを用いて、当該合否判定を行う工程に含まれる1つの工程、すなわち、コンピュータが、仲介部材20を介して測定装置30に接続された被測定装置10(半導体装置)の合否を判定する工程について説明する。
【0048】
図5に示すように、当該工程には、抵抗算出工程S10と、測定工程S20と、判定工程S30とが含まれる。
【0049】
抵抗算出工程S10では、測定装置30の抵抗算出部31が、仲介部材20の内部抵抗の値を算出する(S10)。例えば、図3に示すように、仲介部材20に測定装置30を接続するとともに、ショート装置40を接続し、仲介部材20の被測定側仲介端子をショートさせる。その後、抵抗算出部31が仲介部材20に電圧を印加し、当該状態で流れる電流値を測定する。そして、当該測定結果を利用して、仲介部材20の内部抵抗を算出する。算出された内部抵抗の値は、記憶装置に記憶される。
【0050】
このような抵抗算出工程S10は、測定工程S20の前に少なくとも1回行われる。その後、抵抗算出工程S10は、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置20を測定するごと)に行われ、算出された抵抗値は、記憶装置に記憶される。
【0051】
測定工程S20では、測定装置30の測定部32が被測定装置10に試験信号を入力し、その後、被測定装置10から出力された応答信号を取得する(S20)。例えば、図1に示すように、仲介部材20を介して被測定装置10と測定装置30を接続した状態で、測定部32が、試験信号として所定値の電流を被測定装置10に流し、応答信号として、被測定装置10の所定部位の電圧値を取得(測定)する。
【0052】
判定工程S30では、測定装置30の判定部33が、S10で算出された仲介部材20の内部抵抗の値を利用して、S20で取得された応答信号を補正する。そして、判定部33は、補正後の応答信号と、予め保持している規格値とを比較処理し、その結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。例えば、規格値は一定の幅を有する数値範囲で規格されており、補正後の応答信号の値が当該数値範囲内に含まれる場合は合格と判定し、含まれない場合は不合格と判定する。
【0053】
なお、判定工程S30は以下のような処理とすることもできる。すわなち、測定装置30の判定部33が、S10で算出された仲介部材20の内部抵抗の値を利用して、予め保持している規格値を補正する。そして、判定部S33は、補正後の規格値と、S20で取得された応答信号とを比較処理し、その結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。例えば、規格値は一定の幅を有する数値範囲で規格されており、応答信号が補正後の規格値の数値範囲内に含まれる場合は合格と判定し、含まれない場合は不合格と判定する。
【0054】
なお、抵抗算出工程S10が少なくとも1回行われた後、測定工程S20及び判定工程S30は、被測定装置10(半導体装置)を取り替えながら繰り返し行われる。抵抗算出工程S10は、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置20を測定するごと)に行われ、算出された抵抗値は、記憶装置に記憶される。そして、判定工程S30では、最新の抵抗値を利用して、上記補正処理を行う。
【0055】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0056】
本実施形態の半導体装置では、所定間隔おきに仲介部材20の内部抵抗を算出(測定)する。そして、当該値を利用して、被測定装置10が出力した応答信号、または、当該応答信号と比較処理するために予め定められた規格値のいずれかを補正し、補正後の値を利用して、被測定装置10の合否判定を行う。
【0057】
このような本実施形態によれば、仲介部材の内部抵抗、及び、その経時変化を考慮した精度の高い試験を実現することが可能となる。すなわち、半導体装置の製造方法における検査工程の精度を向上させることができ、結果、出荷する半導体装置の品質信頼度を高めることができる。
【0058】
<第2の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態の構成に加えて、さらに、以下のような特徴的な構成を有する。
【0059】
本実施形態においては、複数の被測定装置10は、送出装置50により測定装置30に向けて送り出される。また、当該複数の被測定装置10に混じって、所定間隔おきに、複数のショート装置40が、測定装置30に向けて送り出される。
【0060】
そして、送出装置50により送り出されてきた被測定装置10及びショート装置40は順にピックアックされ、仲介部材20を介して測定装置10に接続される。その後、ピックアックされた装置がショート装置40の場合は、第1の実施形態で説明した抵抗算出工程S10が実行され、被測定装置10の場合は、測定工程S20が実行される。
【0061】
以下、このような本実施形態について詳細に説明する。なお、被測定装置10及び仲介部材20の構成は、第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0062】
<ショート装置40>
本実施形態のショート装置40は、被測定装置10の構成において、被測定装置10が有する半導体チップに代えて銅板などの導電板を配置し、その他は被測定装置10と同様な構成である。ショート装置40が有する複数の端子は、当該導電板と接続している。
【0063】
また、本実施形態のショート装置40は、コンピュータが、被測定装置10とショート装置40とを識別できるような構成を有する。当該構成は特段制限されないが、例えば、ショート装置40には、被測定装置10と識別可能なロット番号が捺印されていてもよいし、または、その他の何らかのマークが付されていてもよい。
【0064】
<送出装置50>
送出装置50は、複数の被測定装置10を、連続的に測定装置30に向けて送り出す。また、送出装置50は、測定装置30に向けて送り出している複数個の被測定装置10の中に、ショート装置40を所定間隔おきに混じり込ませて、測定装置30に送り出す。このような機能を実現するため、送出装置50は、送出部51と、載置部52とを有してもよい。
【0065】
送出部51は、例えばベルトコンベアー等で構成され、ベルトコンベアー上に載置された物体を測定装置30に向けて移動させる。載置部52は、ベルトコンベアー上に複数の被測定装置10を順次載置するとともに、所定間隔おき(設計的事項)にショート装置40を載置し、複数個の被測定装置10の中に混じり込ませる。
【0066】
<測定装置30>
図6に、測定装置30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、測定装置30は、抵抗算出部31と、測定部32と、判定部33と、判別部34と、選択部35とを有する。以下、判別部34及び選択部35について説明する。なお、抵抗算出部31、測定部32、及び、判定部33の構成は第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0067】
判別部34は、送出装置50により混合して送出されている複数の被測定装置10及びショート装置40の中から1つを取り出した後、取り出した装置が、被測定装置10及びショート装置40のいずれであるかを判別する。
【0068】
判別の手段は特段制限されず、例えば、被測定装置10にロット番号等の識別番号が捺印等されている場合には、当該情報を利用して判別してもよい。または、被測定装置10及びショート装置40の少なくとも一方に、当該判別用のマークを新たに付しておき、当該マークを読み取ることで判別してもよい。
【0069】
選択部35は、判別部34の判別結果に基づいて、抵抗算出部31及び測定部32のいずれに処理を実行させるか決定する。
【0070】
例えば、判別部34がピックアップした装置がショート装置40であった場合、当該ショート装置40が仲介部材20を介して測定装置30に接続されると、選択部35は、抵抗算出部31に処理を実行させるよう決定し、処理を実行するよう抵抗算出部31に命令する。すると、抵抗算出部31は、第1の実施形態で説明した処理を実行し、仲介部材20の内部抵抗の値を算出して、記憶装置に記憶する。
【0071】
一方、判別部34がピックアップした装置が被測定装置10であった場合、当該被測定装置10が仲介部材20を介して測定装置30に接続されると、選択部35は、測定部32に処理を実行させるよう決定し、処理を実行するよう測定部32に命令する。すると、測定部32は、第1の実施形態で説明した処理を実行し、被測定装置10が出力した応答信号を取得する。その後、判定部33による第1の実施形態で説明した処理が行われる。
【0072】
このような本実施形態によれば、第1の実施形態で説明した作用効果に加えて、以下のような作用効果を実現することができる。
【0073】
すなわち、本実施形態によれば、所定間隔おきに仲介部材20の内部抵抗を算出(測定)する工程を、自動化することができる。結果、作業員の負担の軽減や、作業効率の向上等の効果が期待される。
【0074】
<第3の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態または第2の実施形態の構成に加えて、さらに、以下のような特徴的な構成を有する。
【0075】
本実施形態の仲介部材20は、被測定装置端子の構成が異なる複数種類の被測定装置10と接続可能に構成されている。「被測定装置端子の構成が異なる」とは、被測定装置端子の数、出力端子の数、入力端子の数、出力端子と入力端子の数の比率等が異なることを意味する。
【0076】
そして、本実施形態の測定部32は、同一種類の被測定装置10を所定個連続的に測定する。
【0077】
そして、本実施形態の抵抗算出部31は、仲介部材20の内部抵抗を算出する際、仲介部材20が備える複数のチャネル全ての抵抗を算出するのでなく、その時点で測定されている被測定装置10の測定において利用されるチャネルのみを対象にして、抵抗の算出を行う。
【0078】
以下、このような本実施形態について詳細に説明する。なお、被測定装置10、ショート装置40、及び、送出装置50の構成は、第1又は第2の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0079】
<仲介部材20>
仲介部材20は、被測定装置端子の構成が異なる複数種類の被測定装置10と接続可能に構成されている。すなわち、仲介部材20は、M個(M:自然数)の被測定側仲介端子を有し、当該個数より少ない被測定装置端子を有する複数種類の被測定装置10と接続することができる。
【0080】
<測定装置30>
本実施形態の測定装置30の機能ブロック図の一例は、第1の実施形態(図2)または第2の実施形態(図3)と同様である。なお、判定部33、判別部34、及び、選択部35の構成は、第1及び第2の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、抵抗算出部31及び測定部32の構成について説明する。
【0081】
測定部32は、被測定装置端子の構成が異なる複数種類の被測定装置10を測定し、応答信号を取得する。なお、測定部32は、同一種類の被測定装置10を所定個連像的に測定し、応答信号を取得する。
【0082】
抵抗算出部31は、仲介部材20の内部抵抗の値を算出する時点において測定対象の被測定装置10を特定後、当該被測定装置10が有する複数の被測定装置端子と、測定装置30が有する複数の測定装置端子とを接続するために利用するチャネルのみを対象として、抵抗値の算出を行う。
【0083】
内部抵抗の値を算出する時点において測定対象の被測定装置10を特定する手段は特段制限されず、例えば、その直前に測定された被測定装置10を特定することで、その種類を特定してもよいし、または、その直後に測定される被測定装置10を特定することで、その種類を特定してもよい。
【0084】
なお、測定装置30が有する複数の測定装置端子各々は、コンピュータにより、固別に識別可能になっている。また、被測定装置10が有する複数の被測定装置端子各々も同様に、コンピュータにより、固別に識別可能になっている。そして、測定装置30と被測定装置10の接続においては、予め、どの測定装置端子と被測定装置端子を接続するかが定義されており、当該定義に従い、接続が行われる。かかる場合、コンピュータは、仲介部材20が有する複数のチャネルの各々を、例えば、各々が接続している測定装置端子に基づいて、個別に識別することができる。
【0085】
抵抗算出部31は、内部抵抗の値を算出する時点において測定対象の被測定装置10を特定すると、当該被測定装置10の種類に応じた上記定義を利用して、当該被測定装置10との接続に利用される測定装置端子を特定する。そして、特定した当該測定装置端子のみから電圧を印加することで、特定のチャネルのみを対象とした抵抗の算出(測定)を実現する。そして、各チャネルに対応付けて、算出した抵抗の値を記憶装置に記憶する。
【0086】
このような本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態で説明した作用効果に加えて、以下のような作用効果を実現することができる。
【0087】
すなわち、本実施形態によれば、仲介部材が有する複数のチャネルの中の、その時点で必要なチャネルのみを対象として抵抗の算出を行うことができるので、すべてのチャネルの抵抗を算出する場合に比べて、コンピュータの処理負担を軽減でき、処理時間の短縮等の効果を実現することができる。
【0088】
<第4の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態乃至第3の実施形態の構成に加えて、さらに、以下のような特徴的な構成を有する。
【0089】
すなわち、本実施形態の測定装置は、抵抗値算出部31が算出した抵抗値を出力する出力部36をさらに有する。出力手段は特段制限されず、ディスプレイ、スピーカ、印刷装置等のあらゆる出力装置により実現される。
【0090】
出力部36が出力する情報の内容は、例えば、抵抗値算出部31が算出した抵抗値そのものであってもよい。または、当該仲介部材20の最初に算出された抵抗値からの変化を示す情報(変化率、差分等)を併せて出力してもよい。その他、予め最初に算出された抵抗値からの変化の上限(変化率の上限、差分の上限等)を定めておき、当該上限を超えると、その旨を示す警告を出力するようにしてもよい。
【0091】
出力部36から出力された情報は、作業員に閲覧等される。そして、作業員は、必要に応じて、仲介部材20のメンテナンス作業を行うことができる。
【0092】
このような本実施形態によれば、第1乃至第3の実施形態で説明した作用効果に加えて、以下のような作用効果を実現することができる。
【0093】
すなわち、本実施形態によれば、適切なタイミングで、仲介部材20の修理、または、取替等のメンテナンス作業を行うことができるので、仲介部材20の劣化に起因して、半導体装置の製造方法における検査工程の精度が悪化する不都合を軽減することができる。結果、出荷する半導体装置の品質信頼度を高めることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 被測定装置
20 仲介部材
30 測定装置
31 抵抗算出部
32 測定部
33 判定部
34 判別部
35 選択部
36 出力部
40 ショート装置
50 送出装置
51 送出部
52 載置部
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、測定装置、送出装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(Large Scale Integration)などの半導体装置は、製品の製造後、所定の試験が実行され、合否判定がなされる。当該試験においては、テストボード等の仲介部材を介して、被測定装置が測定装置に接続される。そして、試験信号が、仲介部材を介して、測定装置から被測定装置に入力され、その後、当該試験信号に対する応答信号が、仲介部材を介して、被測定装置から測定装置に入力される。次いで、当該応答信号が予め定められた規格値と比較されるなどし、その結果に応じて合否判定がなされる。
【0003】
特許文献1には、上記技術において、(1)テストボード内の配線抵抗が試験結果に影響する可能性があること、および、(2)複数のテストボードを用いて複数の被測定装置を並列的に試験する場合があるが、複数のテストボード内において配線抵抗のバラつきが生じる可能性があること、に着目してなされた次のような発明が開示されている。
【0004】
すなわち、被測定装置が装着された装着テストボードを介して被測定装置に電流を印加し、被測定装置の所定部位の電圧を測定する測定部と、測定部による測定結果を取得し、規格値と比較することにより、被測定装置の合否を判定する判定部と、を具備し、判定部は、装着テストボードに対して固有である固有抵抗値を取得し、固有抵抗値に基づいて、合否を判定するテスト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−38920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、テストボード等の仲介部材の内部抵抗(接触抵抗)は経時変化を起こすこと、及び、当該内部抵抗の経時変化が、上記半導体装置の合否判定の精度に影響を及ぼす可能性があることを見出した。特許文献1に記載の技術の場合、当該課題を解決可能には構成されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程と、前記抵抗算出工程で算出された前記抵抗値を利用して、前記測定工程で取得された前記応答信号を補正後、補正後の前記応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程と、前記抵抗算出工程で算出された前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の前記規格値と、前記測定工程で取得された前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定する測定装置であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出部と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定部と、前記抵抗算出部が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定部が取得した前記応答信号を補正後、補正後の前記応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定部と、を有する測定装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定する測定装置であって、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出部と、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定部と、前記抵抗算出部が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の前記規格値と、前記測定部が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定部と、を有する測定装置が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、仲介部材を介して測定装置に接続され、合否を判定される複数の被測定装置を、連続的に前記測定装置に向けて送り出す送出装置であって、前記被測定装置において、前記被測定装置が有する半導体チップに代えて、導電板を配置したショート装置を、複数個の前記被測定装置の中に所定間隔おきに混じり込ませて前記測定装置に送り出す送出装置が提供される。
【0012】
また、本発明よれば、仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、コンピュータを、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定手段が取得した前記応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0013】
また、本発明によれば、仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、コンピュータを、前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の規格値と、前記測定手段が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0014】
このような本発明によれば、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置を測定するごと)に仲介部材の内部抵抗を算出(測定)することができる。そして、当該値を利用して、被測定装置が出力した応答信号、または、当該応答信号と比較処理するために予め定められた規格値のいずれかを補正し、補正後の値を利用して、被測定装置の合否判定を行うことができる。
【0015】
このような本発明によれば、仲介部材の内部抵抗、及び、その経時変化を考慮した精度の高い試験を実現することが可能となる。すなわち、半導体装置の製造方法における検査工程の精度を向上させることができ、結果、出荷する半導体装置の品質信頼度を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、仲介部材を介して被測定装置と測定装置を接続した状態で実行される所定の試験の精度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の半導体装置の製造方法に含まれる測定工程における、各種装置の接続状態を示す機能ブロック図の一例である。
【図2】本実施形態の測定装置の機能ブロック図の一例である。
【図3】本実施形態の半導体装置の製造方法に含まれる抵抗算出工程における、各種装置の接続状態を示す機能ブロック図の一例である。
【図4】図3の機能ブロック図の等価回路図の一例である。
【図5】本実施形態の半導体装置の製造方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の測定装置の機能ブロック図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0019】
なお、本実施形態の各部は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム(あらかじめ機器を出荷する段階からメモリ内に格納されているプログラムのほか、CD等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムも含む)、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、機器にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0020】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の半導体装置の製造方法の概要について説明する。
【0021】
本実施形態では、図1に示すように、仲介部材20を介して、測定装置30に被測定装置10を接続し、被測定装置10の合否を判定する工程を有する。すなわち、図1に示す状態で、試験信号が、仲介部材20を介して、測定装置30から被測定装置10に入力され、その後、当該試験信号に対する応答信号が、仲介部材20を介して、被測定装置10から測定装置20に入力される。例えば、測定装置30は、試験信号として、被測定装置10に所定値の電流を流し、応答信号として、被測定装置10の所定部位の電圧値を取得する。
【0022】
また、本実施形態では、仲介部材20の内部抵抗(接触抵抗)を測定する工程を有する。当該測定は、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置20を測定するごと)に行われる。
【0023】
そして、本実施形態では、上記工程で測定した仲介部材20の内部抵抗値を利用して、応答信号を補正する。その後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値とを比較し、当該比較結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。
【0024】
なお、本実施形態では、上記応答信号を補正する処理に代えて、次の処理を行うこともできる。すなわち、仲介部材20の内部抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正する。その後、補正後の規格値と、応答信号とを比較し、当該比較結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。
【0025】
以下、本実施形態について詳細に説明する。
【0026】
<被測定装置10>
被測定装置10は、例えば、LSI等の半導体装置である。被測定装置10は、例えば、半導体チップをパッケージに実装した態様であり、複数の入力用端子、及び、複数の出力用端子(以下、まとめて「被測定装置端子」)を有する。
【0027】
<仲介部材20>
仲介部材20は、例えば、テストボード、及び、ソケットの少なくとも一方を含んで構成することができる。仲介部材20は、被測定装置10が有する複数の被測定装置端子と接続する複数の被測定側仲介端子、及び、測定装置30が有する複数の測定装置端子と接続する複数の測定側仲介端子を有する。複数の被測定側仲介端子各々と複数の測定側仲介端子各々は、仲介部材20内に設けられた複数のチャネルで繋がっている。当該チャネルは、例えば配線等で構成される。このような仲介部材20を介して被測定装置10と測定装置30を接続することで、被測定装置端子各々と、測定装置端子各々とが接続される。
【0028】
なお、仲介部材20の内部抵抗(接触抵抗)は、経時変化を起こす。当該内部抵抗には、I(Input)/O(Output)の抵抗、電源のDC抵抗、及び、配線の抵抗等が含まれる。
【0029】
<測定装置30>
図2に、測定装置30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、測定装置30は、抵抗算出部31と、測定部32と、判定部33とを有する。
【0030】
抵抗算出部31は、仲介部材20の内部抵抗を算出する。抵抗算出部31は、仲介部材20が有する複数のチャネルごとに、内部抵抗を算出することができる。内部抵抗の値を算出する手段は、以下のようなものであってもよい。
【0031】
例えば、仲介部材20が測定装置30と接続し、かつ、被測定装置10とは接続していない状態で、仲介部材20の被測定側仲介端子をショートさせる。抵抗算出部31は、当該状態で、仲介部材20に電圧を印加し、流れる電流を測定後、測定値を利用して抵抗を算出する。
【0032】
仲介部材20の内部抵抗の算出は、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置20を測定するごと)に行われる。そして、算出された抵抗値は、記憶装置に記憶される。
【0033】
なお、上記被測定側仲介端子のショートを実現する手段は、例えば図3に示すように、仲介部材20にショート装置40を接続することで実現してもよい。
【0034】
ショート装置40は、仲介部材20の被測定側仲介端子各々と接続する複数の端子を有し、これらが互いに接続した状態(ショート装置40と仲介部材20とが接続した状態)で、被測定側仲介端子をショートさせるよう構成されている。例えば、ショート装置40は、被測定装置10の構成において、被測定装置10が有する半導体チップに代えて銅板などの導電板を配置し、その他は被測定装置10と同様な構成とすることができる。ショート装置40が有する複数の端子は、当該導電板と接続している。
【0035】
図4に、上記構成の等価回路図の一例を示す。なお、図4は、測定装置30が有する複数の測定装置端子の中の一部と、仲介部材20が有する複数のチャネルの中の一部と、ショート装置40が有する導電板とにより構成された等価回路を示す。
【0036】
図示するように、仲介部材20にショート装置40を接続することで、仲介部材20の被測定側仲介端子が、ショート装置40に設けられた導電板を介してショートする。当該状態で、測定装置30のPMU(Parametric Measurement Unit)にて電圧を印加する。この時、ショート装置40は測定装置のグランド(GND)に接続されており、電圧を印加すると、仲介部材の抵抗に応じた電流が流れる。この電流を測定することにより、仲介部材20の内部抵抗値を算出する。なお、このようなショート装置40を仲介部材20に接続した場合、仲介部材20が有する複数のチャネルのすべてが、ショート装置40に設けられた導電板によりショートすることとなる。しかし、あるチャネルを測定中は、測定装置30の測定ユニットによりリレーを切り離す等の処理により、他のチャネルを実質的にオープンな状態にすることができる。このため、複数のチャネルを個別に測定することが可能である。
【0037】
図2に戻り、測定部32は、仲介部材20を介して測定装置30が被測定装置10と接続した状態で(図1参照)、被測定装置10に試験信号を入力し、その後、当該被測定装置10から出力された応答信号を取得する。例えば、測定部32は、試験信号として所定値の電流を被測定装置10に流し、応答信号として、被測定装置10の所定部位の電圧値を取得する。
【0038】
なお、測定装置30が有する複数の測定装置端子各々は、コンピュータにより、固別に識別可能になっている。また、被測定装置10が有する複数の被測定装置端子各々も同様に、コンピュータにより、固別に識別可能になっている。そして、測定装置30と被測定装置10の接続においては、予め、どの測定装置端子と被測定装置端子を接続するかが定義されており、当該定義に従い、接続が行われる。
【0039】
判定部33は、抵抗算出部31が算出した仲介部材20の内部抵抗の値を利用して、測定部32が取得した応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値とを比較する。そして、比較結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。例えば、補正後の応答信号の値が、予め定められた規格値の範囲内に含まれる場合は、合格と判定し、含まれてない場合は、不合格と判定する。
【0040】
その他、判定部33は、抵抗算出部31が算出した仲介部材20の内部抵抗の値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の規格値と、測定部32が取得した応答信号とを比較することもできる。そして、比較結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。例えば、応答信号の値が、補正後の規格値の範囲内に含まれる場合は、合格と判定し、含まれてない場合は、不合格と判定する。
【0041】
上記「仲介部材20の内部抵抗の値を利用した補正」の内容は、以下のようなものであってもよい。例えば、判定部33は、抵抗算出部31が算出した抵抗値を基に、仲介部材20での電圧降下を算出する。そして、算出した電圧降下分が反映されるように、応答信号または規格値を補正する。
【0042】
なお、抵抗算出部31は、所定間隔おきに、仲介部材20の内部抵抗の値を算出し、その値を記憶装置に記憶する。判定部33は、例えば、抵抗算出部31が算出した複数の抵抗値の中の、最新のものを利用して、上記補正を行うことができる。判定部33が最新の抵抗値を判断できるように、抵抗算出部31が算出した複数の抵抗値は、算出された時間を関連付けて記憶装置に記憶されてもよいし、または、古い抵抗値は記憶装置から削除され、最新の抵抗値のみが記憶されるようにしてもよい。
【0043】
以上説明した本実施形態の測定装置は、例えば、以下のプログラムをコンピュータにインストールすることで実現することができる。
【0044】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、
前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定手段が取得した前記応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
【0045】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、
前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の規格値と、前記測定手段が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
【0046】
<半導体装置の製造方法>
次に、上記装置及び部材を利用して実現される本実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
【0047】
本実施形態では、まず、いわゆる前工程が行われ、ウエハに複数の半導体チップが作り込まれる。その後、いわゆる後工程に進む。後工程では、例えば、当該ウエハから半導体チップが切り出され、切り出された半導体チップが、パッケージに搭載される。次いで、捺印等の所定の処理が行われた後、半導体装置各々の合否判定を行う工程に進む。以下、図5のフローチャートを用いて、当該合否判定を行う工程に含まれる1つの工程、すなわち、コンピュータが、仲介部材20を介して測定装置30に接続された被測定装置10(半導体装置)の合否を判定する工程について説明する。
【0048】
図5に示すように、当該工程には、抵抗算出工程S10と、測定工程S20と、判定工程S30とが含まれる。
【0049】
抵抗算出工程S10では、測定装置30の抵抗算出部31が、仲介部材20の内部抵抗の値を算出する(S10)。例えば、図3に示すように、仲介部材20に測定装置30を接続するとともに、ショート装置40を接続し、仲介部材20の被測定側仲介端子をショートさせる。その後、抵抗算出部31が仲介部材20に電圧を印加し、当該状態で流れる電流値を測定する。そして、当該測定結果を利用して、仲介部材20の内部抵抗を算出する。算出された内部抵抗の値は、記憶装置に記憶される。
【0050】
このような抵抗算出工程S10は、測定工程S20の前に少なくとも1回行われる。その後、抵抗算出工程S10は、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置20を測定するごと)に行われ、算出された抵抗値は、記憶装置に記憶される。
【0051】
測定工程S20では、測定装置30の測定部32が被測定装置10に試験信号を入力し、その後、被測定装置10から出力された応答信号を取得する(S20)。例えば、図1に示すように、仲介部材20を介して被測定装置10と測定装置30を接続した状態で、測定部32が、試験信号として所定値の電流を被測定装置10に流し、応答信号として、被測定装置10の所定部位の電圧値を取得(測定)する。
【0052】
判定工程S30では、測定装置30の判定部33が、S10で算出された仲介部材20の内部抵抗の値を利用して、S20で取得された応答信号を補正する。そして、判定部33は、補正後の応答信号と、予め保持している規格値とを比較処理し、その結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。例えば、規格値は一定の幅を有する数値範囲で規格されており、補正後の応答信号の値が当該数値範囲内に含まれる場合は合格と判定し、含まれない場合は不合格と判定する。
【0053】
なお、判定工程S30は以下のような処理とすることもできる。すわなち、測定装置30の判定部33が、S10で算出された仲介部材20の内部抵抗の値を利用して、予め保持している規格値を補正する。そして、判定部S33は、補正後の規格値と、S20で取得された応答信号とを比較処理し、その結果に基づいて、被測定装置10の合否を判定する。例えば、規格値は一定の幅を有する数値範囲で規格されており、応答信号が補正後の規格値の数値範囲内に含まれる場合は合格と判定し、含まれない場合は不合格と判定する。
【0054】
なお、抵抗算出工程S10が少なくとも1回行われた後、測定工程S20及び判定工程S30は、被測定装置10(半導体装置)を取り替えながら繰り返し行われる。抵抗算出工程S10は、所定間隔おき(例:所定時間おき、所定個数の被測定装置20を測定するごと)に行われ、算出された抵抗値は、記憶装置に記憶される。そして、判定工程S30では、最新の抵抗値を利用して、上記補正処理を行う。
【0055】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0056】
本実施形態の半導体装置では、所定間隔おきに仲介部材20の内部抵抗を算出(測定)する。そして、当該値を利用して、被測定装置10が出力した応答信号、または、当該応答信号と比較処理するために予め定められた規格値のいずれかを補正し、補正後の値を利用して、被測定装置10の合否判定を行う。
【0057】
このような本実施形態によれば、仲介部材の内部抵抗、及び、その経時変化を考慮した精度の高い試験を実現することが可能となる。すなわち、半導体装置の製造方法における検査工程の精度を向上させることができ、結果、出荷する半導体装置の品質信頼度を高めることができる。
【0058】
<第2の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態の構成に加えて、さらに、以下のような特徴的な構成を有する。
【0059】
本実施形態においては、複数の被測定装置10は、送出装置50により測定装置30に向けて送り出される。また、当該複数の被測定装置10に混じって、所定間隔おきに、複数のショート装置40が、測定装置30に向けて送り出される。
【0060】
そして、送出装置50により送り出されてきた被測定装置10及びショート装置40は順にピックアックされ、仲介部材20を介して測定装置10に接続される。その後、ピックアックされた装置がショート装置40の場合は、第1の実施形態で説明した抵抗算出工程S10が実行され、被測定装置10の場合は、測定工程S20が実行される。
【0061】
以下、このような本実施形態について詳細に説明する。なお、被測定装置10及び仲介部材20の構成は、第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0062】
<ショート装置40>
本実施形態のショート装置40は、被測定装置10の構成において、被測定装置10が有する半導体チップに代えて銅板などの導電板を配置し、その他は被測定装置10と同様な構成である。ショート装置40が有する複数の端子は、当該導電板と接続している。
【0063】
また、本実施形態のショート装置40は、コンピュータが、被測定装置10とショート装置40とを識別できるような構成を有する。当該構成は特段制限されないが、例えば、ショート装置40には、被測定装置10と識別可能なロット番号が捺印されていてもよいし、または、その他の何らかのマークが付されていてもよい。
【0064】
<送出装置50>
送出装置50は、複数の被測定装置10を、連続的に測定装置30に向けて送り出す。また、送出装置50は、測定装置30に向けて送り出している複数個の被測定装置10の中に、ショート装置40を所定間隔おきに混じり込ませて、測定装置30に送り出す。このような機能を実現するため、送出装置50は、送出部51と、載置部52とを有してもよい。
【0065】
送出部51は、例えばベルトコンベアー等で構成され、ベルトコンベアー上に載置された物体を測定装置30に向けて移動させる。載置部52は、ベルトコンベアー上に複数の被測定装置10を順次載置するとともに、所定間隔おき(設計的事項)にショート装置40を載置し、複数個の被測定装置10の中に混じり込ませる。
【0066】
<測定装置30>
図6に、測定装置30の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、測定装置30は、抵抗算出部31と、測定部32と、判定部33と、判別部34と、選択部35とを有する。以下、判別部34及び選択部35について説明する。なお、抵抗算出部31、測定部32、及び、判定部33の構成は第1の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0067】
判別部34は、送出装置50により混合して送出されている複数の被測定装置10及びショート装置40の中から1つを取り出した後、取り出した装置が、被測定装置10及びショート装置40のいずれであるかを判別する。
【0068】
判別の手段は特段制限されず、例えば、被測定装置10にロット番号等の識別番号が捺印等されている場合には、当該情報を利用して判別してもよい。または、被測定装置10及びショート装置40の少なくとも一方に、当該判別用のマークを新たに付しておき、当該マークを読み取ることで判別してもよい。
【0069】
選択部35は、判別部34の判別結果に基づいて、抵抗算出部31及び測定部32のいずれに処理を実行させるか決定する。
【0070】
例えば、判別部34がピックアップした装置がショート装置40であった場合、当該ショート装置40が仲介部材20を介して測定装置30に接続されると、選択部35は、抵抗算出部31に処理を実行させるよう決定し、処理を実行するよう抵抗算出部31に命令する。すると、抵抗算出部31は、第1の実施形態で説明した処理を実行し、仲介部材20の内部抵抗の値を算出して、記憶装置に記憶する。
【0071】
一方、判別部34がピックアップした装置が被測定装置10であった場合、当該被測定装置10が仲介部材20を介して測定装置30に接続されると、選択部35は、測定部32に処理を実行させるよう決定し、処理を実行するよう測定部32に命令する。すると、測定部32は、第1の実施形態で説明した処理を実行し、被測定装置10が出力した応答信号を取得する。その後、判定部33による第1の実施形態で説明した処理が行われる。
【0072】
このような本実施形態によれば、第1の実施形態で説明した作用効果に加えて、以下のような作用効果を実現することができる。
【0073】
すなわち、本実施形態によれば、所定間隔おきに仲介部材20の内部抵抗を算出(測定)する工程を、自動化することができる。結果、作業員の負担の軽減や、作業効率の向上等の効果が期待される。
【0074】
<第3の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態または第2の実施形態の構成に加えて、さらに、以下のような特徴的な構成を有する。
【0075】
本実施形態の仲介部材20は、被測定装置端子の構成が異なる複数種類の被測定装置10と接続可能に構成されている。「被測定装置端子の構成が異なる」とは、被測定装置端子の数、出力端子の数、入力端子の数、出力端子と入力端子の数の比率等が異なることを意味する。
【0076】
そして、本実施形態の測定部32は、同一種類の被測定装置10を所定個連続的に測定する。
【0077】
そして、本実施形態の抵抗算出部31は、仲介部材20の内部抵抗を算出する際、仲介部材20が備える複数のチャネル全ての抵抗を算出するのでなく、その時点で測定されている被測定装置10の測定において利用されるチャネルのみを対象にして、抵抗の算出を行う。
【0078】
以下、このような本実施形態について詳細に説明する。なお、被測定装置10、ショート装置40、及び、送出装置50の構成は、第1又は第2の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0079】
<仲介部材20>
仲介部材20は、被測定装置端子の構成が異なる複数種類の被測定装置10と接続可能に構成されている。すなわち、仲介部材20は、M個(M:自然数)の被測定側仲介端子を有し、当該個数より少ない被測定装置端子を有する複数種類の被測定装置10と接続することができる。
【0080】
<測定装置30>
本実施形態の測定装置30の機能ブロック図の一例は、第1の実施形態(図2)または第2の実施形態(図3)と同様である。なお、判定部33、判別部34、及び、選択部35の構成は、第1及び第2の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、抵抗算出部31及び測定部32の構成について説明する。
【0081】
測定部32は、被測定装置端子の構成が異なる複数種類の被測定装置10を測定し、応答信号を取得する。なお、測定部32は、同一種類の被測定装置10を所定個連像的に測定し、応答信号を取得する。
【0082】
抵抗算出部31は、仲介部材20の内部抵抗の値を算出する時点において測定対象の被測定装置10を特定後、当該被測定装置10が有する複数の被測定装置端子と、測定装置30が有する複数の測定装置端子とを接続するために利用するチャネルのみを対象として、抵抗値の算出を行う。
【0083】
内部抵抗の値を算出する時点において測定対象の被測定装置10を特定する手段は特段制限されず、例えば、その直前に測定された被測定装置10を特定することで、その種類を特定してもよいし、または、その直後に測定される被測定装置10を特定することで、その種類を特定してもよい。
【0084】
なお、測定装置30が有する複数の測定装置端子各々は、コンピュータにより、固別に識別可能になっている。また、被測定装置10が有する複数の被測定装置端子各々も同様に、コンピュータにより、固別に識別可能になっている。そして、測定装置30と被測定装置10の接続においては、予め、どの測定装置端子と被測定装置端子を接続するかが定義されており、当該定義に従い、接続が行われる。かかる場合、コンピュータは、仲介部材20が有する複数のチャネルの各々を、例えば、各々が接続している測定装置端子に基づいて、個別に識別することができる。
【0085】
抵抗算出部31は、内部抵抗の値を算出する時点において測定対象の被測定装置10を特定すると、当該被測定装置10の種類に応じた上記定義を利用して、当該被測定装置10との接続に利用される測定装置端子を特定する。そして、特定した当該測定装置端子のみから電圧を印加することで、特定のチャネルのみを対象とした抵抗の算出(測定)を実現する。そして、各チャネルに対応付けて、算出した抵抗の値を記憶装置に記憶する。
【0086】
このような本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態で説明した作用効果に加えて、以下のような作用効果を実現することができる。
【0087】
すなわち、本実施形態によれば、仲介部材が有する複数のチャネルの中の、その時点で必要なチャネルのみを対象として抵抗の算出を行うことができるので、すべてのチャネルの抵抗を算出する場合に比べて、コンピュータの処理負担を軽減でき、処理時間の短縮等の効果を実現することができる。
【0088】
<第4の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態乃至第3の実施形態の構成に加えて、さらに、以下のような特徴的な構成を有する。
【0089】
すなわち、本実施形態の測定装置は、抵抗値算出部31が算出した抵抗値を出力する出力部36をさらに有する。出力手段は特段制限されず、ディスプレイ、スピーカ、印刷装置等のあらゆる出力装置により実現される。
【0090】
出力部36が出力する情報の内容は、例えば、抵抗値算出部31が算出した抵抗値そのものであってもよい。または、当該仲介部材20の最初に算出された抵抗値からの変化を示す情報(変化率、差分等)を併せて出力してもよい。その他、予め最初に算出された抵抗値からの変化の上限(変化率の上限、差分の上限等)を定めておき、当該上限を超えると、その旨を示す警告を出力するようにしてもよい。
【0091】
出力部36から出力された情報は、作業員に閲覧等される。そして、作業員は、必要に応じて、仲介部材20のメンテナンス作業を行うことができる。
【0092】
このような本実施形態によれば、第1乃至第3の実施形態で説明した作用効果に加えて、以下のような作用効果を実現することができる。
【0093】
すなわち、本実施形態によれば、適切なタイミングで、仲介部材20の修理、または、取替等のメンテナンス作業を行うことができるので、仲介部材20の劣化に起因して、半導体装置の製造方法における検査工程の精度が悪化する不都合を軽減することができる。結果、出荷する半導体装置の品質信頼度を高めることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 被測定装置
20 仲介部材
30 測定装置
31 抵抗算出部
32 測定部
33 判定部
34 判別部
35 選択部
36 出力部
40 ショート装置
50 送出装置
51 送出部
52 載置部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程と、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程と、
前記抵抗算出工程で算出された前記抵抗値を利用して、前記測定工程で取得された前記応答信号を補正後、補正後の前記応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程と、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程と、
前記抵抗算出工程で算出された前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の前記規格値と、前記測定工程で取得された前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記抵抗算出工程では、前記仲介部材を前記測定装置に接続し、前記仲介部材の前記被測定装置と接続する側の入力端子と出力端子をショートさせた状態で、前記測定装置が前記仲介部材に電圧を印加して、前記仲介部材の抵抗値を算出する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記抵抗算出工程では、前記仲介部材に接続された状態で前記仲介部材の前記入力端子と前記出力端子をショートさせるショート装置を準備し、前記ショート装置を前記仲介部材に接続することで、前記入力端子と出力端子をショートさせた状態を形成する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ショート装置は、前記被測定装置において、前記被測定装置が有する半導体チップに代えて、導電板を配置したものである半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法において、
混合して送出されている複数の前記被測定装置及び複数の前記ショート装置の中から1つを取り出した後、取り出した装置が前記被測定装置及び前記ショート装置のいずれであるかを判別する判別工程と、
前記判別工程の結果に基づいて、前記抵抗算出工程及び前記測定工程のいずれを実行するか決定する選択工程と、
をさらに有する半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記選択工程で前記抵抗算出工程が決定された場合、前記抵抗算出工程が実行され、算出された抵抗値が記憶装置に記憶される半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
前記選択工程で前記測定工程が決定された場合、前記測定工程が実行され、前記記憶装置に記憶されている最新の前記抵抗値を利用して、前記補正が行われる半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記仲介部材は、端子の構成が異なる複数種類の前記被測定装置と、前記測定装置とを接続可能に構成され、前記被測定装置の端子と前記測定装置の端子とを接続するチャネルを、複数種類の前記被測定装置が有する前記端子の数以上備え、
前記測定工程は、同一種類の前記被測定装置を連続的に測定し、
前記抵抗算出工程では、
抵抗値の算出時点において測定対象の被測定装置を特定後、当該被測定装置の端子と前記測定装置の端子とを接続するために利用するチャネルのみを対象として、前記抵抗値を算出する半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記仲介部材は、テストボード及びソケットの少なくとも一方を含む半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記測定工程では、前記試験信号として、前記被測定装置に電流を流し、前記応答信号として、前記被測定装置の所定部位の電圧値を取得する半導体装置の製造方法。
【請求項12】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定する測定装置であって、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出部と、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定部と、
前記抵抗算出部が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定部が取得した前記応答信号を補正後、補正後の前記応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定部と、
を有する測定装置。
【請求項13】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定する測定装置であって、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出部と、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定部と、
前記抵抗算出部が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の前記規格値と、前記測定部が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定部と、
を有する測定装置。
【請求項14】
請求項13または14に記載の測定装置において、
前記抵抗算出部は、前記仲介部材が当該測定装置と接続し、かつ、前記仲介部材の前記被測定装置と接続する側の入力端子と出力端子がショートした状態で、前記仲介部材に電圧を印加して、前記仲介部材の抵抗値を算出する測定装置。
【請求項15】
請求項14に記載の測定装置において、
前記抵抗算出部は、前記仲介部材に接続された状態で前記仲介部材の前記入力端子と前記出力端子をショートさせるショート装置を準備し、前記ショート装置を前記仲介部材に接続することで、前記入力端子と前記出力端子をショートさせた状態を形成する測定装置。
【請求項16】
請求項15に記載の測定装置において、
前記ショート装置は、前記被測定装置において、前記被測定装置が有する半導体チップに代えて、導電板を配置したものである測定装置。
【請求項17】
請求項15または16に記載の測定装置において、
混合して送出されている複数の前記被測定装置及び複数の前記ショート装置の中から1つを取り出した後、取り出した装置が前記被測定装置及び前記ショート装置のいずれであるかを判別する判別部と、
前記判別部の結果に基づいて、前記抵抗算出部及び前記測定部のいずれに処理を実行させるか決定する選択部と、
を有する測定装置。
【請求項18】
請求項17に記載の測定装置において、
前記選択部が前記抵抗算出部に処理を実行させると決定した場合、前記抵抗算出部は抵抗値を算出し、算出した抵抗値を記憶装置に記憶する測定装置。
【請求項19】
請求項18に記載の測定装置において、
前記選択部が前記測定部に処理を実行させると決定した場合、前記記憶装置に記憶されている最新の前記抵抗値を利用して、前記補正を行う測定装置。
【請求項20】
請求項12から19のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記仲介部材は、端子の構成が異なる複数種類の前記被測定装置と、当該測定装置とを接続可能に構成され、前記被測定装置の端子と当該測定装置の端子とを接続するチャネルを、複数種類の前記被測定装置が有する前記端子の数以上備え、
前記測定部は、同一種類の前記被測定装置を連続的に測定し、
前記抵抗算出部は、抵抗値を算出する時点における測定対象の被測定装置を特定後、当該被測定装置の端子と前記測定装置の端子とを接続するために利用するチャネルのみを対象として、前記抵抗値を算出する測定装置。
【請求項21】
請求項12から20のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記仲介部材は、テストボード及びソケットの少なくとも一方を含む測定装置。
【請求項22】
請求項12から21のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記測定部は、前記試験信号として、前記被測定装置に電流を流し、前記応答信号として、前記被測定装置の所定部位の電圧値を取得する測定装置。
【請求項23】
仲介部材を介して測定装置に接続され、合否を判定される複数の被測定装置を、連続的に前記測定装置に向けて送り出す送出装置であって、
前記被測定装置において、前記被測定装置が有する半導体チップに代えて、導電板を配置したショート装置を、複数個の前記被測定装置の中に所定間隔おきに混じり込ませて前記測定装置に送り出す送出装置。
【請求項24】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、
前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定手段が取得した前記応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項25】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、
前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の規格値と、前記測定手段が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程と、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程と、
前記抵抗算出工程で算出された前記抵抗値を利用して、前記測定工程で取得された前記応答信号を補正後、補正後の前記応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
コンピュータが、仲介部材を介して測定装置に接続された被測定装置の合否を判定する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出工程と、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定工程と、
前記抵抗算出工程で算出された前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の前記規格値と、前記測定工程で取得された前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、
前記抵抗算出工程では、前記仲介部材を前記測定装置に接続し、前記仲介部材の前記被測定装置と接続する側の入力端子と出力端子をショートさせた状態で、前記測定装置が前記仲介部材に電圧を印加して、前記仲介部材の抵抗値を算出する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記抵抗算出工程では、前記仲介部材に接続された状態で前記仲介部材の前記入力端子と前記出力端子をショートさせるショート装置を準備し、前記ショート装置を前記仲介部材に接続することで、前記入力端子と出力端子をショートさせた状態を形成する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ショート装置は、前記被測定装置において、前記被測定装置が有する半導体チップに代えて、導電板を配置したものである半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法において、
混合して送出されている複数の前記被測定装置及び複数の前記ショート装置の中から1つを取り出した後、取り出した装置が前記被測定装置及び前記ショート装置のいずれであるかを判別する判別工程と、
前記判別工程の結果に基づいて、前記抵抗算出工程及び前記測定工程のいずれを実行するか決定する選択工程と、
をさらに有する半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記選択工程で前記抵抗算出工程が決定された場合、前記抵抗算出工程が実行され、算出された抵抗値が記憶装置に記憶される半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
前記選択工程で前記測定工程が決定された場合、前記測定工程が実行され、前記記憶装置に記憶されている最新の前記抵抗値を利用して、前記補正が行われる半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記仲介部材は、端子の構成が異なる複数種類の前記被測定装置と、前記測定装置とを接続可能に構成され、前記被測定装置の端子と前記測定装置の端子とを接続するチャネルを、複数種類の前記被測定装置が有する前記端子の数以上備え、
前記測定工程は、同一種類の前記被測定装置を連続的に測定し、
前記抵抗算出工程では、
抵抗値の算出時点において測定対象の被測定装置を特定後、当該被測定装置の端子と前記測定装置の端子とを接続するために利用するチャネルのみを対象として、前記抵抗値を算出する半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記仲介部材は、テストボード及びソケットの少なくとも一方を含む半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記測定工程では、前記試験信号として、前記被測定装置に電流を流し、前記応答信号として、前記被測定装置の所定部位の電圧値を取得する半導体装置の製造方法。
【請求項12】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定する測定装置であって、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出部と、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定部と、
前記抵抗算出部が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定部が取得した前記応答信号を補正後、補正後の前記応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定部と、
を有する測定装置。
【請求項13】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定する測定装置であって、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出部と、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定部と、
前記抵抗算出部が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の前記規格値と、前記測定部が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定部と、
を有する測定装置。
【請求項14】
請求項13または14に記載の測定装置において、
前記抵抗算出部は、前記仲介部材が当該測定装置と接続し、かつ、前記仲介部材の前記被測定装置と接続する側の入力端子と出力端子がショートした状態で、前記仲介部材に電圧を印加して、前記仲介部材の抵抗値を算出する測定装置。
【請求項15】
請求項14に記載の測定装置において、
前記抵抗算出部は、前記仲介部材に接続された状態で前記仲介部材の前記入力端子と前記出力端子をショートさせるショート装置を準備し、前記ショート装置を前記仲介部材に接続することで、前記入力端子と前記出力端子をショートさせた状態を形成する測定装置。
【請求項16】
請求項15に記載の測定装置において、
前記ショート装置は、前記被測定装置において、前記被測定装置が有する半導体チップに代えて、導電板を配置したものである測定装置。
【請求項17】
請求項15または16に記載の測定装置において、
混合して送出されている複数の前記被測定装置及び複数の前記ショート装置の中から1つを取り出した後、取り出した装置が前記被測定装置及び前記ショート装置のいずれであるかを判別する判別部と、
前記判別部の結果に基づいて、前記抵抗算出部及び前記測定部のいずれに処理を実行させるか決定する選択部と、
を有する測定装置。
【請求項18】
請求項17に記載の測定装置において、
前記選択部が前記抵抗算出部に処理を実行させると決定した場合、前記抵抗算出部は抵抗値を算出し、算出した抵抗値を記憶装置に記憶する測定装置。
【請求項19】
請求項18に記載の測定装置において、
前記選択部が前記測定部に処理を実行させると決定した場合、前記記憶装置に記憶されている最新の前記抵抗値を利用して、前記補正を行う測定装置。
【請求項20】
請求項12から19のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記仲介部材は、端子の構成が異なる複数種類の前記被測定装置と、当該測定装置とを接続可能に構成され、前記被測定装置の端子と当該測定装置の端子とを接続するチャネルを、複数種類の前記被測定装置が有する前記端子の数以上備え、
前記測定部は、同一種類の前記被測定装置を連続的に測定し、
前記抵抗算出部は、抵抗値を算出する時点における測定対象の被測定装置を特定後、当該被測定装置の端子と前記測定装置の端子とを接続するために利用するチャネルのみを対象として、前記抵抗値を算出する測定装置。
【請求項21】
請求項12から20のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記仲介部材は、テストボード及びソケットの少なくとも一方を含む測定装置。
【請求項22】
請求項12から21のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記測定部は、前記試験信号として、前記被測定装置に電流を流し、前記応答信号として、前記被測定装置の所定部位の電圧値を取得する測定装置。
【請求項23】
仲介部材を介して測定装置に接続され、合否を判定される複数の被測定装置を、連続的に前記測定装置に向けて送り出す送出装置であって、
前記被測定装置において、前記被測定装置が有する半導体チップに代えて、導電板を配置したショート装置を、複数個の前記被測定装置の中に所定間隔おきに混じり込ませて前記測定装置に送り出す送出装置。
【請求項24】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、
前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、前記測定手段が取得した前記応答信号を補正後、補正後の応答信号と、予め定められた規格値との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項25】
仲介部材を介して接続された被測定装置の合否を判定するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記仲介部材の抵抗値を算出する抵抗算出手段、
前記被測定装置に試験信号を入力し、その後、前記被測定装置から出力された応答信号を取得する測定手段、
前記抵抗算出手段が算出した前記抵抗値を利用して、予め定められた規格値を補正後、補正後の規格値と、前記測定手段が取得した前記応答信号との比較結果に基づいて、当該被測定装置の合否を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2013−61288(P2013−61288A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200936(P2011−200936)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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