説明

半導体装置の製造方法及びワイヤボンディング装置

【課題】高信頼性、且つ微細加工が可能な半導体装置の製造方法を実現させる。
【解決手段】キャピラリの先端から引き出されたワイヤの一端に、ボール部を形成し、ボール部に連通するワイヤを第1の被接合部材の主面に対し、斜め方向に屈曲させる。次いで、当該ボール部を圧着用ユニットにより第1の被接合部材に接合し、ワイヤが連続したループを形成するように、キャピラリから繰り出す。そして、繰り出されたワイヤの他の一端を上記キャピラリにより、第2の被接合部材に接合する。これにより、高信頼性、且つ微細加工が可能な半導体装置の製造方法が実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法及びワイヤボンディング装置に関し、特にワイヤボンディングに係る半導体装置の製造方法及びワイヤボンディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップを樹脂封止して半導体パッケージを構成する前に、半導体チップと外部接続端子とを導通させる手段の一つとして、当該半導体チップの主面(電子回路層などの形成面)に配設された電極パッドから、外部接続端子(例えば、インナーリード)に複数の金属ワイヤを配線する所謂ワイヤボンディング工程がとられている。
【0003】
かかるワイヤボンディングの実施工程を、図16乃至図20を用いて説明する。
図16にはワイヤボンディングの基本的な工程を説明するフロー図が示されている。先ず、キャピラリから引き出された金属ワイヤの先端に、金属ボール部(1stボール)を形成し(ステップS10)、続いて、当該1stボールと、半導体チップに配設された電極パッドとのボンディングを行う(ステップS11)。当該ボンディングを1stボンディングと称する。
【0004】
次に、金属ワイヤのルーピングを施す(ステップS12)。そして、金属ワイヤを外部接続端子にボンディングする(ステップS13)。当該ボンディングを2ndボンディングと称する。
【0005】
続いて、図17乃至図20には、ワイヤボンディングの実施工程の要部図が示されている。
半導体チップ500の主面(電子回路層などの形成面)には、複数の電極パッド(図示しない)が配設されている。また、半導体チップ500近傍には、インナーリード700が配置されている。そして、当該電極パッドの上方には、ワイヤボンディング装置に備えられたキャピラリ100が配置されている。また、このキャピラリ100内には、ボンディングワイヤとなる金属ワイヤ200が挿通されている。
【0006】
そして、キャピラリ100の先端から繰り出された金属ワイヤ200の先端と、スパーク電極300との間に、スパーク放電を発生させ、金属ワイヤ200の先端に、金属ボール部200a(1stボール)を形成する(図17参照)。
【0007】
次に、上記金属ボール部200aを電極パッド上に、キャピラリ100を用いて押圧し、超音波接合により接合を行う。これにより、電極パッド上に、金属ボール部200bが接合される(図18参照)。
【0008】
この様な方法により、金属ワイヤ200の一端が電極パッドに接合される(1stボンディングの完了)。
次に、キャピラリ100を半導体チップ500から上方に移動させると共に、金属ワイヤ200を繰り出す。そして、当該繰り出しを続けながら、金属ワイヤ200がループを形成するようにキャピラリ100を移動させる(図19参照)。
【0009】
次に、キャピラリ100の先端をインナーリード700のボンディング位置の上方に位置させる。そして、キャピラリ100の先端を、金属ワイヤ200を介し、インナーリード700に押圧し、超音波接合により金属ワイヤ200の他の一端をインナーリード700に接合させる(図20参照)。
【0010】
そして、この後に於いては、キャピラリ100を上方へ移動させ(図示しない)、キャピラリ100内に挿通されている金属ワイヤと、繰り出した金属ワイヤ200とが切断される。
【0011】
この様な方法により、金属ワイヤ200の他の一端がインナーリード700に接合される(2ndボンディングの完了)。
ところで、半導体装置の高密度・高集積化に伴い、半導体チップの主面に配設された電極パッドのピッチは、益々狭ピッチになる傾向にある。
【0012】
しかしながら、上記キャピラリ100は、1stボンディングと2ndボンディングを共に実施する構造を兼ね備えていることから、キャピラリ100自体の小型化を図ることができない。これにより、狭ピッチ化技術には、限界が生じていた。
【0013】
これに対し、1stボンディングに於いて、電極パッドに接合する金属ボール部の形状を電極パッドの形状に合わせ、狭ピッチを図る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平08−008290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところが、上記先行例に於いても、キャピラリ100に於いて、1stボンディングと2ndボンディングを共に実施する構造であることには変わりがない。この様な構造では、1stボンディングと2ndボンディングの双方を実施し得る構造を兼ね備えているために、益々進行する狭ピッチ化に於いて、より困難な微細加工化と設計的妥協が強いられている。
【0015】
この様な設計的妥協により、キャピラリに於いては、金属ワイヤの繰出性が向上しないという問題が生じている。即ち、金属ワイヤを繰り出す際に、キャピラリ内部に於いて引っ掛かり易く、この引っ掛かりにより、金属ワイヤが劣化、断線等するという現象が起きている。
【0016】
更に、キャピラリが1stボンディングと2ndボンディングの双方を実施し得る構造を兼ね備えているために、キャピラリ外形に限界が生じ、キャピラリ自体が最近の狭ピッチ化に追従できないという問題が生じている。
【0017】
また、1stボンディング後の外部接続端子に接合された金属ボール部に於いて、その接合性が悪いという問題も生じている。
本発明は、上記の点を含む従来のワイヤボンディングの問題点について鑑みてなされたものであり、高信頼性、且つ微細加工が可能な半導体装置の製造方法、及び当該半導体装置の製造方法を実施するワイヤボンディング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明では上記課題を解決するために、キャピラリ先端から引き出されたワイヤの一端に、ボール部を形成する工程と、前記ワイヤをキャピラリ先端部において屈曲させる工程と、前記ボール部を圧着用ユニットにより第1の被接合部材に接合する工程と、前記ワイヤが連続したループを形成するように、前記ワイヤを前記キャピラリから繰り出す工程と、繰り出した前記ワイヤを前記キャピラリにより、第2の被接合部材に接合する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0019】
この様な半導体装置の製造方法では、キャピラリ先端から引き出されたワイヤの一端に、ボール部が形成され、ワイヤがキャピラリ先端部において屈曲され、ボール部が圧着用ユニットにより第1の被接合部材に接合され、ワイヤが連続したループを形成するように、ワイヤがキャピラリから繰り出され、繰り出したワイヤがキャピラリにより、第2の被接合部材に接合される。
【0020】
また、本発明では、キャピラリ先端からワイヤを引き出し、前記ワイヤの先端を加熱し、ボール部を形成する形成手段と、前記ワイヤをキャピラリ先端部において屈曲させる手段と、前記ボール部を前記第1の被接合部材に接合する接合手段と、前記ワイヤが連続したループを形成するように、前記ワイヤを繰り出す繰出手段と、繰り出した前記ワイヤを第2の被接合部材に接合する接合手段と、を備えたことを特徴とするワイヤボンディング装置が提供される。
【0021】
この様なワイヤボンディング装置では、キャピラリ先端からワイヤが引き出され、ワイヤの先端が加熱され、ボール部が形成される。そして、ワイヤがキャピラリ先端部において屈曲され、ボール部が第1の被接合部材に接合される。そして、ワイヤが連続したループを形成するように、ワイヤが繰り出され、繰り出したワイヤが第2の被接合部材に接合される。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、高信頼性、且つ微細加工が可能な半導体装置の製造方法、及び当該半導体装置の製造方法を実施するワイヤボンディング装置が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0024】
当該第1の実施の形態に於ける、半導体装置の製造方法の特徴的な製造工程フローを図1に示す。
先ず、キャピラリの先端から、引き出された金属ワイヤの先端に、スパーク放電により、金属ボール部(1stボール)を形成する(ステップS1)。
【0025】
次いで、当該金属ボール部を、例えば、クランパにより挟持し、引き出された部分の金属ワイヤを斜め方向に屈曲させる(ステップS2)。
次いで、金属ワイヤが屈曲した状態で、金属ボール部を、半導体チップの主面(電子回路層などの形成面)に配設された被接合部材、例えば、電極パッドに、圧着専用のユニットを用いて押圧し、超音波接合により金属ボール部と電極パッドとの接合を行う(ステップS3)。これにより、1stボンディングが完了する。
【0026】
次いで、金属ワイヤの繰り出しを行いながらキャピラリを別の被接合部材、例えば、外部接続端子にまで移動させることにより、金属ワイヤのループ形成を行う(ステップS4)。
【0027】
そして、半導体チップに隣接する外部接続端子に金属ワイヤの他の一端を接合するため、キャピラリの先端を外部接続端子に押圧し、超音波接合により金属ワイヤの他の一端と外部接続端子とを接合させる(ステップS5)。これにより、2ndボンディングが完了する。
【0028】
この様な形態をもって、半導体チップの主面に配設された電極パッドと外部接続端子とが金属ワイヤによりワイヤボンディングされる。
次に、半導体チップの主面に配設された電極パッドと外部接続端子とが金属ワイヤによりワイヤボンディングされる半導体装置の製造方法を、図2乃至図5を用いてより詳細に説明する。
【0029】
先ず、キャピラリ10内に挿通された金属ワイヤ20がキャピラリ10の先端部から所定の距離だけ下方に繰り出され、金属ワイヤ繰出用のクランパ(図示しない)にて、当該金属ワイヤ20が固定された状態で、金属ワイヤ20とスパーク電極30との間にスパーク放電を起こす。当該スパーク放電により、金属ワイヤ20の先端に、金属ボール部20a(1stボール)が形成される。ここで、金属ワイヤ20は、例えば、金(Au)を主たる成分とする材質により構成されている。なお、金属ボール部20aの形成に於いて、キャピラリ10の先端部から金属ボール部20aの下端までの距離dは、約5mm程度に調整される。かかる状態を図2に示す。
【0030】
次に、キャピラリ10の先端部から、略垂直に垂れ下がった金属ボール部20aを、2つのブロック体40a,40bで構成されるクランパ40内に挿入・配置する。この段階では、2つのブロック体40a,40bは、互いに離れた状態にある。そして、当該金属ボール部20aをクランパ40にて挟持するために、ブロック体40a,40b同士を、移動機構(図示しない)により、互いに近接するように水平方向(図の矢印の方向)に移動させる。かかる状態を図3(A)に示す。
【0031】
続いて、クランパ40により、上記金属ボール部20aの挟持を維持した状態で、キャピラリ10を移動機構(図示しない)により水平方向(図の左から右)に所定の距離移動させる。
【0032】
この段階では、キャピラリ10内に挿通した金属ワイヤ20が上記繰出用のクランパにて固定されているので、金属ボール部20aを支点として、キャピラリ10先端部から引き出された金属ワイヤ20が斜めに傾くまで屈曲する。かかる状態を図3(B)に示す。
【0033】
次に、クランパ40による金属ボール部20aの挟持を開放し、クランパ40を金属ボール部20aから離反させた後(図示しない)、半導体チップ50の主面(電子回路層などの形成面)に配設された被接合部材、例えば、電極パッド(図示しない)上方に、金属ボール部20aが位置するようにキャピラリ10を固定する。
【0034】
ここで、半導体チップ50に於いては、シリコン(Si)またはガリウム砒素(GaAs)等の半導体基材の一方の主面に、ウエハプロセスが適用されて、トランジスタ等の能動素子、容量素子等の受動素子、並びにこれらの素子を接続する配線層をもって、上記電子回路層が形成されている。
【0035】
そして、キャピラリ10とは別部材として、ワイヤボンディング装置(後述)に搭載されている圧着専用ユニット60を移動機構(図示しない)により上方から金属ボール部20aに近接するように降下させる。かかる状態を図4(A)に示す。
【0036】
続いて、圧着専用ユニット60により、上記金属ボール部20aを半導体チップ50の主面に配設された電極パッドに押圧する。そして、超音波振動子(図示しない)からの超音波振動が圧着専用ユニット60先端に伝動されることにより、半導体チップ50の主面に配設された電極パッドと金属ワイヤ20が金属ボール部20bを介して接合される。なお、当該接合時には、必要に応じて、半導体チップ50を所定の温度まで加熱してもよい。かかる状態を図4(B)に示す。
【0037】
この様な工程により、金属ワイヤ20の一端は、金属ボール部20bを介し、半導体チップ50の電極パッドにボンディングされる(以上のボンディング処理により、1stボンディングが完了する)。
【0038】
次に、キャピラリ10を、前工程に於いて固定させた位置から、水平方向に所定の距離だけ移動させる。この段階のキャピラリ10の移動中、金属ワイヤ20は、繰出用のクランパによる固定から開放されている。そして、順次、金属ワイヤ20がキャピラリ10内に送り込まれ、キャピラリ10先端部から繰り出される。かかる状態を図5(A)に示す。
【0039】
続いて、別の被接合部材、例えば、外部接続端子を構成するインナーリード70のボンディング位置の上方まで、キャピラリ10を移動・下降させる。この際のキャピラリ10の移動は、半導体チップ50の主面から若干高い位置から、インナーリード70のボンディング位置の上方位置に至るまで行われる。
【0040】
なお、この段階でのキャピラリ10の移動中に於いても、金属ワイヤ20は、繰出用のクランパによる固定から開放されている。そして、順次、金属ワイヤ20がキャピラリ10内に送り込まれ、キャピラリ10の先端部から繰り出される。
【0041】
そして、キャピラリ10をインナーリード70のボンディング位置の上方に位置させた後、キャピラリ10の先端をインナーリード70に押圧し、上記と同様の超音波接合法により、金属ワイヤ20の他の一端をインナーリード70に接合する。なお、当該接合時には、必要に応じて、インナーリード70を所定の温度まで加熱してもよい。かかる状態を図5(B)に示す。
【0042】
この様なキャピラリ10の移動により、金属ワイヤ20は、金属ボール部20bから斜めに傾いて立ち上がり、当該立ち上がり先端から、水平方向に延出し、さらに、インナーリード70のボンディング位置まで延出されたループ形状を構成する。
【0043】
そして、この後に於いては、繰出用のクランパによる固定を解除し、所定の距離だけ金属ワイヤ20をキャピラリ10から繰り出した後、再び、繰出用のクランパにより金属ワイヤ20を固定し、キャピラリ10を上方へ移動させる(図示しない)。そして、キャピラリ10を上方へ移動させることにより、押し潰しにより機械的強度が低下している金属ワイヤ20部分が切断される。
【0044】
この様な方法により、金属ワイヤ20の他の一端がインナーリード70のボンディング位置に接合される(以上のボンディング処理により、2ndボンディングが完了する)。
そして、この様な処理を他の電極パッド並びにインナーリードに対しても、繰り返すことにより、半導体チップ50に配設されている他の電極パッド並びにインナーリードが金属ワイヤにより電気的に接続される。
【0045】
なお、外部接続端子に於いては、インナーリードに限ることはなく、例えば、回路基板に配設された回路パターンであってもよい。即ち、回路基板上に搭載された半導体チップの電極パッドと、当該回路基板に配設された回路パターンとを上記と同様の方法により、ワイヤボンディング接続してもよい。なお、この回路基板は、配線基板、インターポーザ或いはパッケージ基板とも称される。
【0046】
次に、上記半導体装置の製造方法を実施するためのワイヤボンディング装置について詳細に説明する。
図6には、ワイヤボンディング装置1を構成する各構成要素が示されている。なお、この図に於いて、図2乃至図5で示した同一の部材には同一の符号を付し、その説明の詳細については、省略する。
【0047】
ワイヤボンディング装置1にあっては、キャピラリ10内部に、金属ワイヤ20が挿通されている。キャピラリ10は、キャピラリ支持部11によって支持されている。また、金属ワイヤ20は、金属ワイヤ繰出用のクランパ80内を貫通している。当該クランパ80は、クランパ支持部81により支持されている。また、キャピラリ10の近傍には、スパーク電極(トーチ電極)30が配置されている。
【0048】
さらに、ワイヤボンディング装置1にあっては、上記部材のほか、キャピラリ10の近傍に圧着専用ユニット60を配置している。また、当該圧着専用ユニット60は、圧着専用ユニット支持部61により支持されている。
【0049】
また、ワイヤボンディング装置1にあっては、金属ボール部用のクランパ40がキャピラリ10の先端部より下の位置に配置されている。当該クランパ40は、クランパ支持部41により支持されている。なお、クランパ支持部41と、圧着専用ユニット支持部61とは、例えば、キャピラリ支持部11に対向するように構成されている。
【0050】
そして、キャピラリ10、圧着専用ユニット60、クランパ40等は、夫々の支持部と連通する移動機構(図示しない)により、半導体チップ50の近傍に於いて、3次元的に自由に可動できる。
【0051】
また、圧着専用ユニット60並びにキャピラリ10には、超音波振動子が接続されており(図示しない)、この超音波振動子が発生する超音波振動により、金属ワイヤ20の端を被接続部材に超音波接合しうる構成となっている。
【0052】
この様なワイヤボンディング装置1により、例えば、ダイステージ51上に搭載された半導体チップ50の電極パッドと、外部接続端子とが、上記方法の如く、金属ワイヤ20を介して電気的に接続される(図示しない)。
【0053】
なお、この図に於いては、金属ワイヤ20の先端に金属ボール部20aが形成され、当該金属ワイヤ20が金属ボール部用のクランパ40によって、斜めに曲げられた後の状態が示されている。
【0054】
また、半導体チップ50を搭載する基板は、ダイステージ51に限ることはなく、例えば、上記回路基板であってもよい。
次に、ワイヤボンディング装置1を用いて、上記の半導体装置の製造方法によりワイヤボンディングを行った場合に得られる有利な効果について説明する。
【0055】
先ず、本実施の形態にあっては、キャピラリ10に挿通させた金属ワイヤ20の繰出性が著しく向上する。
例えば、図7には、キャピラリ先端部における従来の構造と本実施の形態の比較例が示されている。ここで、破線は、従来の構造のキャピラリ100の先端部の片側の外形を示し、実線は、本実施の形態の構造のキャピラリ10の先端部の片側の外形を示している。
【0056】
破線で示す従来のキャピラリ100の先端部形状では、上述した如く、1stボンディングと2ndボンディングの双方を実施し得る構造を兼ね備えている。
例えば、キャピラリ100の先端部に於いては、1stボンディングでの押圧用のエッジ部100aと、平坦面100bが設けられ、更に、2ndボンディングでの押圧用の斜面100cが設けられている。
【0057】
この様な構造では、ルーピング時に、金属ワイヤをキャピラリ100内に送り込み、その先端部から繰り出すと、当該エッジ部100a両端の角に於いて、金属ワイヤが引っ掛かる現象が起きていた。これにより、金属ワイヤの劣化、歪曲や断線が度々発生していた。
【0058】
然るに、実線で示す本実施の形態のキャピラリ10の先端部構造では、1stボンディングを上記圧着専用ユニット60により実施するため、上記エッジ部100aを設ける必要がない。従って、図に示すように、上記部分に於いて、滑らかな曲面部10aを構成することができる。
【0059】
この滑らかな曲面部10aの存在により、ルーピング時に、金属ワイヤをキャピラリ10内に送り込み、その先端部から金属ワイヤを繰り出しても、金属ワイヤがキャピラリ10先端部内で引っ掛かることなく、金属ワイヤの劣化、歪曲や断線が発生することがない。
【0060】
従って、本実施の形態のキャピラリ10内に挿通させた金属ワイヤの繰出性は、著しく向上する。
更に、従来のキャピラリ100の先端部構造では、1stボンディングと2ndボンディングの双方を実施し得る構造を兼ね備えているために、キャピラリ100の下端に押圧用の平坦面100bを設ける必要があるが、本実施の形態では、1stボンディングを上記圧着専用ユニット60により実施するため、キャピラリ10の先端部構造に於いて、当該平坦面100bを設ける必要がない。
【0061】
これにより、本実施の形態のキャピラリ10に於いては、2ndボンディングでの押圧用の斜面10bの面積をより拡大させることができる。これにより、2ndボンディングに於ける金属ワイヤと外部接続端子との圧着性を大きく向上させることができる。
【0062】
さらに、本実施の形態にあっては、狭ピッチの金属ワイヤの配線に於いて、当該金属ワイヤ径を太くすることができる。
例えば、図8には、1stボンディングにおける従来の方法(図(A)参照)と、本実施の形態での方法(図(B)参照)の比較が示されている。
【0063】
図(A)に示す従来の方法では、1stボンディングに於いて、金属ボール部200bを半導体チップ500の主面に配設された電極パッド500aに接合する際、電極パッド500a上に、キャピラリを位置させる必要があるため、図の破線Aで囲む領域内に、キャピラリを据え置く必要がある。従って、当該キャピラリの外径が電極パッド500aのピッチにより制約を受けてしまう。従って、当該外径の制限により、キャピラリの構造に於いて、金属ワイヤ200をキャピラリ内に挿通させるためのホール径に上限が生じてしまう。
【0064】
然るに、図(B)に示す本実施の形態では、1stボンディングに於いて、金属ボール部20bを半導体チップ50の主面に配設された電極パッド50aに接合する際、キャピラリを電極パッド50a上に位置させる必要がないため、図の破線Bで囲む領域内に、キャピラリを据え置くことで足りる。即ち、互いに隣接するループ形状をなした金属ワイヤ20に接触しない程度にまで、キャピラリの外径を太く設計できる。この外径の拡大化と共に、金属ワイヤ20をキャピラリ内に挿通させるためのホール径を太く設計することができる。
【0065】
これにより、電極パッド50aの配列が狭ピッチながらも、より太い金属ワイヤ20を電極パッド50aに接合させることができる。
また、上記ホール径拡大により、より太い金属ワイヤ20をキャピラリ10内に挿通させることができ、金属ワイヤの引っ掛かりがより抑制される。更に、キャピラリ10外径の拡大化と共に、キャピラリ10自体の強度(剛性)を増加させることができる。また、2ndボンディングに於ける圧着性が向上する。
【0066】
さらに、本実施の形態にあっては、1stボンディングに於いて、金属ボール部20bと電極パッドとの圧着性が大きく向上する。
例えば、図9には、1stボンディングにおける従来の方法と、本実施の形態での方法の比較が示されている。ここで、図(A)には、従来の方法の如く、キャピラリ100を用いて、1stボンディングを行う形態が示され、図(B)には、本実施の形態での圧着専用ユニット60を用いて、1stボンディングを行う形態が示されている。
【0067】
図(A)に示す、従来のキャピラリ100を用いた場合には、キャピラリ100先端部内にエッジ部100aが設けられているために、当該部分に接触する金属ボール部200bに充分な荷重が印加されないという現象が生じる。
【0068】
その結果、金属ボール部200bの中央部cと半導体チップの主面に配設された電極パッドとが充分に接合しないという現象が生じる。
これに対し、図(B)に示す、本実施の形態の圧着専用ユニット60を用いた場合には、圧着専用ユニット60内に設けた凹部(窪み)60aにより、圧着領域の全てに超音波振動並びに荷重を均等に印加させることができる。
【0069】
従って、本実施の形態では、金属ボール部20bと半導体チップ50の主面に配設した電極パッドとの接触面全面が均等に圧着する。その結果、金属ボール部20bと半導体チップ50の主面に配設した電極パッドと接合性が大きく向上する。
【0070】
さらに、本実施の形態にあっては、1stボンディング並びに2ndボンディングを実施するための部材を別個に分け、1stボンディングを実施するための圧着専用ユニット60を独自に備えていることから、半導体チップ50に配設した電極パッドに接合する金属ボール部の表面形状並びに体積を自在に変更することができる。
【0071】
例えば、図10には、圧着専用ユニット60により電極パッドに接合された種々の金属ボール部の上面図が示されている。例えば、図(A)では、電極パッド50aに、標準的な円形形状の金属ボール部20bが接合された状態が示されている。これに対し、図(B)には、図(A)より圧着面積を稼ぐために、楕円形の金属ボール部20cが電極パッド50aに接合された状態が示されている。さらに、図(C)には、図(B)より更なる圧着面積を稼ぐために、矩形状の金属ボール部20dが電極パッド50aに接合された状態が示されている。また、図(D)に示すように、多角形の金属ボール部20eを電極パッド50aに接合し、少ない体積で接合面積を稼ぐことも可能である。
【0072】
即ち、これらの金属ボール部20b,20c,20d,20eの外部形状に対応する凹部(窪み)を、圧着専用ユニット60先端部の内面に備えることにより、電極パッド50aに接合する金属ボール部の表面形状並びに体積を自在に変更することができる。
【0073】
この様に、金属ボール部の電極パッド50aに対する接合面積、体積を調整することにより、電極パッド50aに接合された金属ボール部の密着力、金属ボール部自体の剛性を自在に調整することができる。
【0074】
さらに、本実施の形態にあっては、上述した如く、キャピラリ10、圧着専用ユニット60、クランパ40等は、夫々の支持部と連通する移動機構により、半導体チップ50の近傍に於いて、3次元的に可動できることから、更に狭ピッチに配列された、長方形の電極パッド50bに対し、楕円形状の金属ボール部20cを当該電極パッド50bに対し、斜め方向(対角線方向)に接合することも可能である。
【0075】
例えば、図11には、長方形の電極パッド50bに接合された楕円形状の金属ボール部20cの上面図が示されている。
ところで、半導体チップ50の電極パッドに接合させた金属ボール部は、実使用若しくはストレスにより、金属ボール部を構成する金属の一部が成長し、隣接する電極パッド同士が短絡する場合がある。
【0076】
これを防止するために、従来の1stボンディングでは、金属ボール部自体の体積を小さくし、接合面積を小さくさせることで、金属ボール部間を所定の距離(金属が成長しても、短絡しない距離)だけ、離間させていた。このため、接合面積が必然的に小さくなり、半導体装置の信頼性を向上させることができなかった。
【0077】
然るに、本実施の形態では、長方形の電極パッド50bに対し、楕円形状の金属ボール部20cを、斜め方向(対角線方向)に接合することが可能であることから、接合面積が大きく、且つ、上記所定の距離離間させて、金属ボール部20cを電極パッド50b上に配置することが可能になる。これにより、半導体装置の信頼性を大きく向上させることができる。
【0078】
さらに、本実施の形態にあっては、1stボンディング後に於いて、半導体チップ50の主面に配設された電極パッドに接合された金属ボール部20bから、金属ワイヤ20を半導体チップ50の主面に対し、斜め方向に立ち上げるので、低ループ化が図れる。
【0079】
例えば、図12には、1stボンディングにおける従来の方法(図(A)参照)と、本実施の形態での方法(図(B)参照)の比較が示されている。
特に、1stボール形成後の金属ワイヤ200,20には、再結晶領域rcが存在する。この再結晶領域rcは、1stボール形成時のスパーク熱により、金属ワイヤ200,20を構成する金属の一部が溶解し、再結晶化する領域である。この様な領域の金属は、物性的に硬く、充分な可塑性を有していない。従って、金属ワイヤのルーピングを行う際には、この領域の上方を始点としてループ形成をしなければならない。再結晶領域rcで金属ワイヤを屈曲させると、金属ワイヤが断線等するからである。
【0080】
従って、図(A)に示す、従来のワイヤボンディング方法では、1stボンディング後の繰り出しに於いて、金属ワイヤ200を金属ボール部200bから垂直に立ち上げるため、ルーピング開始の始点を図のb位置から上に設けなければならない。
【0081】
従って、従来のワイヤボンディング方法では、ループ形成をするための屈曲部がb位置から必然的に高くなってしまい、低ループ化が図れなかった。
然るに、図(B)に示す、本実施の形態に於いては、金属ボール部20bから金属ワイヤ20を斜め方向に立ち上げることから、再結晶領域rcがb位置より更に低いa位置から下方に位置する。
【0082】
従って、ループ形成するための屈曲部の始点をa位置から上方に設けることができ、更なる低ループ化を図ることができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の実施の形態の変形例について説明する。この実施の形態では、ワイヤボンディング装置の変形例を説明する。図13に、当該ワイヤボンディング装置の構成を示す。なお、この図に於いて、図2乃至図5で示した同一の部材には同一の符号を付し、その説明の詳細については、省略する。
【0083】
ワイヤボンディング装置2にあっては、キャピラリ10内部に、金属ワイヤ20が挿通されている。キャピラリ10は、キャピラリ支持部11によって支持されている。また、金属ワイヤ20は、金属ワイヤ繰出用のクランパ80内を貫通している。当該クランパ80は、クランパ支持部81により支持されている。また、キャピラリ10の近傍には、スパーク電極(トーチ電極)30が配置されている。
【0084】
さらに、ワイヤボンディング装置2にあっては、上記部材のほか、キャピラリ10の近傍に圧着専用ユニット60を配置している。また、当該圧着専用ユニット60は、圧着専用ユニット支持部61により支持されている。
【0085】
また、ワイヤボンディング装置2にあっては、金属ボール部用のクランパ40がキャピラリ10の先端部より下の位置に配置されている。当該クランパ40は、クランパ支持部41により支持されている。なお、クランパ支持部41と、圧着専用ユニット支持部61とは、例えば、キャピラリ支持部11の下方に位置するように構成されている。
【0086】
そして、キャピラリ10、圧着専用ユニット60、クランパ40等は、夫々の支持部と連通する移動機構(図示しない)により、半導体チップ50の近傍に於いて、3次元的に自由に可動できる。
【0087】
また、圧着専用ユニット60並びにキャピラリ10には、超音波振動子が接続されており(図示しない)、この超音波振動子が発生する超音波振動により、金属ワイヤ20の端を被接続部材に超音波接合しうる構成となっている。
【0088】
この様なワイヤボンディング装置2により、例えば、ダイステージ51上に搭載された半導体チップ50の電極パッドと、外部接続端子とが、上記方法の如く、金属ワイヤ20を介して電気的に接続される(図示しない)。
【0089】
なお、この図に於いては、金属ワイヤ20の先端に金属ボール部20aが形成され、当該金属ワイヤ20が金属ボール部用のクランパ40によって、斜めに曲げられた後の状態が示されている。
【0090】
また、半導体チップ50を搭載する基板は、ダイステージ51に限ることはなく、例えば、上記回路基板であってもよい。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の実施の形態の別の変形例について説明する。この実施の形態では、1stボール形成後の金属ワイヤの屈曲方法の変形例を説明する。図14に、当該屈曲方法を説明するための図を示す。
【0091】
先ず、キャピラリ10を移動機構(図示しない)により、水平方向(図(A)の矢印の方向)に移動させ、キャピラリ10の先端部から略垂直に垂れ下がった金属ボール部20aを楔(くさび)型のクランパ42内に挿入・配置する。そして、当該挿入・配置後、キャピラリ10の水平方向の移動を停止させ、金属ボール部20aと、クランパ42内壁とが接触しない状態を維持する。かかる状態を図14(A)に示す。
【0092】
続いて、金属ボール部20aが斜め上方向(図(B)の矢印の方向)に移動するように、キャピラリ10を移動機構により、所定の距離移動させる。
ここで、クランパ42内壁は、図示するように、図の右側ほど、狭く構成されている。従って、当該移動中に、金属ボール部20aは、クランパ42内壁の所定の箇所で接触する。また、この段階では、キャピラリ10内に挿通した金属ワイヤ20は、繰出用のクランパにて固定されている。
【0093】
そして、金属ボール部20aが斜め上方向に移動すると共に、クランパ42内壁と接触した金属ボール部20aを支点として、キャピラリ10から引き出された金属ワイヤ20が図示する如く屈曲する。かかる状態を図14(B)に示す。
【0094】
そして、この後に於いては、キャピラリ10の更なる移動により、クランパ42内から金属ボール部20aが表出する。
この様な形態でも、金属ワイヤ20を屈曲させることができる。
【0095】
なお、クランパ42に於いては、上記、クランパ支持部41に支持されている。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の実施の形態の更に別の変形例について説明する。この実施の形態では、1stボール形成後の金属ワイヤの屈曲方法の変形例を説明する。図15に、当該屈曲方法を説明するための図を示す。
【0096】
先ず、キャピラリ10を移動機構(図示しない)により、下方(例えば、図(A)の矢印の方向)に降下させる。かかる状態を図15(A)に示す。
続いて、金属ボール部20aが当該降下によって基板43表面に載置した後、キャピラリ10の垂直方向の移動を停止させる。そして、キャピラリ10が斜め下上方向(図(B)の矢印の方向)に移動するように、キャピラリ10を所定の距離移動させる。
【0097】
これにより、金属ボール部20aが斜め下方向に移動すると共に、基板43表面と接触した金属ボール部20aを支点として、キャピラリ10から引き出された金属ワイヤ20が図示する如く屈曲する。かかる状態を図15(B)に示す。
【0098】
そして、この後に於いては、キャピラリ10を基板43から上方に移動させる。
この様な形態でも、金属ワイヤ20を屈曲させることができる。
なお、基板43は、半導体チップの主面でもよく、外部接続端子の主面でもよい。さらに、回路基板の主面でもよい。また、冶具として、別途、ワイヤボンディング装置に備えた平面状基板でもよい。
【0099】
(付記1) キャピラリ先端から引き出されたワイヤの一端に、ボール部を形成する工程と、
前記ワイヤをキャピラリ先端部において屈曲させる工程と、
前記ボール部を圧着用ユニットにより第1の被接合部材に接合する工程と、
前記ワイヤが連続したループを形成するように、前記ワイヤを前記キャピラリから繰り出す工程と、
繰り出した前記ワイヤを前記キャピラリにより、第2の被接合部材に接合する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0100】
(付記2) 前記ボール部をクランパにより挟持し、挟持された前記ボール部を支点として、前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記3) 前記ボール部を基板に接触させ、接触させた前記ボール部を支点として、前記キャピラリを移動して前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
【0101】
(付記4) 前記ボール部を前記圧着ユニットにより円形状、楕円状、矩形状または多角形状のいずれかに変形させることを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記5) キャピラリ先端からワイヤを引き出し、前記ワイヤの先端を加熱し、ボール部を形成する形成手段と、
前記ワイヤをキャピラリ先端部において屈曲させる手段と、
前記ボール部を前記第1の被接合部材に接合する接合手段と、
前記ワイヤが連続したループを形成するように、前記ワイヤを繰り出す繰出手段と、
繰り出した前記ワイヤを第2の被接合部材に接合する接合手段と、
を備えたことを特徴とするワイヤボンディング装置。
【0102】
(付記6) 前記ボール部を前記ワイヤボンディング装置に備えられたクランパにより挟持し、挟持された前記ボール部を支点として、前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする付記5記載のワイヤボンディング装置。
【0103】
(付記7) 前記クランパが2つのブロック体から構成されていることを特徴とする付記6記載のワイヤボンディング装置。
(付記8) 前記クランパがV字状の楔で構成されていることを特徴とする付記6記載のワイヤボンディング装置。
【0104】
(付記9) 前記ボール部を基板に接触させ、接触させた前記ボール部を支点として、前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする付記5記載のワイヤボンディング装置。
(付記10) 前記ボール部を前記第1の被接合部材に接合する際には、前記ワイヤボンディング装置に備えられた圧着ユニットにより接合することを特徴とする付記5記載のワイヤボンディング装置。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施の形態の半導体装置の製造方法のフロー図である。
【図2】本実施の形態の半導体装置の製造工程の一工程を説明するための要部図である(その1)。
【図3】本実施の形態の半導体装置の製造工程の一工程を説明するための要部図である(その2)。
【図4】本実施の形態の半導体装置の製造工程の一工程を説明するための要部図である(その3)。
【図5】本実施の形態の半導体装置の製造工程の一工程を説明するための要部図である(その4)。
【図6】本実施の形態のワイヤボンディング装置の構成を説明するための要部図である。
【図7】本実施の形態の効果を説明するための図である(その1)。
【図8】本実施の形態の効果を説明するための図である(その2)。
【図9】本実施の形態の効果を説明するための図である(その3)。
【図10】本実施の形態の効果を説明するための図である(その4)。
【図11】本実施の形態の効果を説明するための図である(その5)。
【図12】本実施の形態の効果を説明するための図である(その6)。
【図13】本実施の形態の変形例を説明する図である(その1)。
【図14】本実施の形態の変形例を説明する図である(その2)。
【図15】本実施の形態の変形例を説明する図である(その3)。
【図16】従来の半導体装置の製造方法のフロー図である。
【図17】従来の半導体装置の製造工程の一工程を説明するための要部図である(その1)。
【図18】従来の半導体装置の製造工程の一工程を説明するための要部図である(その2)。
【図19】従来の半導体装置の製造工程の一工程を説明するための要部図である(その3)。
【図20】従来の半導体装置の製造工程の一工程を説明するための要部図である(その4)。
【符号の説明】
【0106】
1,2 ワイヤボンディング装置
10 キャピラリ
10a 曲面部
10b 斜面
11 キャピラリ支持部
20 金属ワイヤ
20a,20b,20c,20d,20e 金属ボール部
30 スパーク電極
40,42,80 クランパ
40a,40b ブロック体
41,81 クランパ支持部
43 基板
50 半導体チップ
50a,50b 電極パッド
51 ダイステージ
60 圧着専用ユニット
61 圧着専用ユニット支持部
70 インナーリード
c 中央部
d 距離
rc 再結晶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャピラリ先端から引き出されたワイヤの一端に、ボール部を形成する工程と、
前記ワイヤをキャピラリ先端部において屈曲させる工程と、
前記ボール部を圧着用ユニットにより第1の被接合部材に接合する工程と、
前記ワイヤが連続したループを形成するように、前記ワイヤを前記キャピラリから繰り出す工程と、
繰り出した前記ワイヤを前記キャピラリにより、第2の被接合部材に接合する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記ボール部をクランパにより挟持し、挟持された前記ボール部を支点として、前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記ボール部を基板に接触させ、接触させた前記ボール部を支点として、前記キャピラリを移動して前記ワイヤを屈曲させることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記ボール部を前記圧着ユニットにより円形状、楕円状、矩形状または多角形状のいずれかに変形させることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
キャピラリ先端からワイヤを引き出し、前記ワイヤの先端を加熱し、ボール部を形成する形成手段と、
前記ワイヤをキャピラリ先端部において屈曲させる手段と、
前記ボール部を前記第1の被接合部材に接合する接合手段と、
前記ワイヤが連続したループを形成するように、前記ワイヤを繰り出す繰出手段と、
繰り出した前記ワイヤを第2の被接合部材に接合する接合手段と、
を備えたことを特徴とするワイヤボンディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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