説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】解読、偽造、捏造等が困難な安全性の高い識別情報を付与した半導体装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体素子5と配線基板のリード2とを電気的に接続する複数のボンディングワイヤ3を用いて、半導体装置1に識別情報を付与する。各ボンディングワイヤ3は、所定の複数の形態のうちのいずれかの形態を有すると共に識別情報を構成する識別要素の1つである。識別情報は、ボンディングワイヤ3の複数の形態の所定の配列ないし組み合わせにより形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤボンディング方式によって半導体素子を実装する半導体装置及びその製造方法に関し、特に、識別情報(コード)を付与した半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置が搭載される機器において、偽造防止等のセキュリティ対策を施す場合には、半導体装置に固有の識別情報を付与することがある。
【0003】
従来の半導体装置においては、半導体装置表面、例えば封止樹脂表面、に識別文字を視認可能に捺印することにより識別情報を付与していた。また、薄膜集積回路の半導体膜、絶縁膜又は導電膜のパターンにより文字、図形、記号及び数字で構成した識別情報を付与した半導体装置も知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−244132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置に付与する識別情報は、視認、解読、改ざん、偽造等が不可能であることが要求される。識別情報として半導体装置の樹脂表面に付与された識別文字では、解読されやすく、またスキャナ等の読み込みによって偽造することも容易である。特許文献1に記載の半導体装置のように、半導体素子上に識別情報を付与するものでは、識別情報を記すためのスペースが必要であり、半導体装置の小型化の観点において好ましくない。また、レーザ照射による識別情報を形成する工程が必要になることも製造コストの観点において好ましくない。したがって、安全性の高い識別情報を容易に付与可能であることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1視点によれば、半導体素子が配線基板にワイヤボンディング方式で実装された半導体装置において、半導体素子のパッドと配線基板のリードとを電気的に接続する複数のボンディングワイヤと、識別情報とを有し、各ボンディングワイヤは、所定の複数の形態のうちのいずれかの形態を有すると共に識別情報を構成する識別要素の1つであり、識別情報は、ボンディングワイヤの複数の形態の所定の配列ないし組み合わせにより形成される半導体装置を提供する。
【0007】
本発明の第2視点によれば、半導体素子のパッドと配線基板のリードとをボンディングワイヤによって電気的に接続するボンディング工程を含む半導体装置の製造方法において、各ボンディングワイヤは、所定の複数の形態のうちのいずれかの形態を有し、複数の形態の配列ないし組み合わせが所定の識別情報を形成するように、複数のボンディングワイヤを接続する半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、識別情報(コード)を構成する識別要素として、半導体素子のパッドと配線基板のリードとを接続するボンディングワイヤを使用しているので、識別情報の改ざんは困難である。また、識別情報は、ボンディングワイヤの形態の配列によって形成されるので、識別情報の解読、偽造等も困難である。さらに、ボンディングワイヤは半導体素子上に放射状に配列されるため、第三者には識別情報の開始点の判別も困難である。
【0009】
また、通常ボンディングワイヤは1つの半導体素子に数十本使用されるので、本発明によれば、多種の識別情報を作成することが可能となる。例えば、1つのボンディングワイヤに対してn個の形態が形成可能であり、ボンディングワイヤをm本使用する半導体装置においては、最大「nのm乗」種類の識別情報を作成することが可能である。
【0010】
本発明によれば、識別情報は、半導体素子と配線基板とのワイヤボンディング工程時に作成することができる。したがって、識別情報作成のための新たな工程を設ける必要がないので、製造コストの増大を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の半導体装置においては、半導体素子をワイヤボンディング方式によって配線基板に接続する際に、半導体素子のパッドと配線基板リードとの接続に使用するボンディングワイヤを用いて識別情報(コード)を作成する。識別情報を構成する識別要素は、各ボンディングワイヤの形態であり、識別情報は、ボンディングワイヤの形態の配列ないし組み合わせによって形成される。したがって、識別要素となるボンディングワイヤは、識別情報を形成する所定の複数の形態のうちのいずれかの形態に形成される。
【0012】
本発明において、「ボンディングワイヤの形態」には、ボンディングワイヤ自体の形態のみならず、ボンディングワイヤのパッドとリード間の接続形態も含まれる。ボンディングワイヤ自体の形態とは、ボンディングワイヤの形体、ボンディングワイヤの長さ、ボンディングワイヤの太さ、ボンディングワイヤの着色もしくはコーティング等のことである。また、ボンディングワイヤの接続形態とは、ボンディングワイヤの端部部分における接続面からの距離(ボンディングワイヤの端部とパッド又はリードとの接続角度)、パッド又はリードとの接続部におけるバンプの有無及び金属ボールの有無等のことである。
【0013】
本発明の半導体装置における半導体素子実装状態の平面図を図1に示し、図1のA−A断面図を図2に示す。図1及び図2に示す半導体装置1においては、半導体素子5は配線基板のアイランド4上に搭載され、半導体素子5のパッドと配線基板のリード2とはボンディングワイヤ3で接続されている。半導体素子5は、36本のボンディングワイヤ3で配線基板と接続されており、識別情報は、この36本のうちいずれか(又は全部)のボンディングワイヤ3を用いて作成される。以下に、識別情報を構成するボンディングワイヤの形態について説明する。
【0014】
本発明の第1実施形態においては、ボンディングワイヤの形態は、ボンディングワイヤにおいてパッド側の端部とリード側の端部のどちらが接続面より高いかにより区別される。図3に、本発明の第1実施形態に係るボンディングワイヤ接続部分の断面図を示す。図3は、ボンディングワイヤで接続されているバッド−リード間部分の断面図である。図3(a)と図3(b)は、ボンディングワイヤの形態の区別、すなわち識別要素としての差異、を示している。識別情報は、例えば、図3(a)の形態と図3(b)の形態とを所定の規則で配列して作成することができる。分かりやすくするために図3(a)の形態を「1」として、図3(b)の形態を「2」として考えると、この識別情報は、記数法(例えば二進法)のような方式で表記されることになる。
【0015】
第1実施形態に係るボンディングワイヤの形態の差異(図3(a)と図3(b))の差異について説明する。図3(a)に示す形態においては、パッド7に接続しているボンディングワイヤ3の端部3a(以下「パッド側端部3a」とする)において接続点から第1の所定長さLにある部分におけるパッド7面(接続面)からの高さHは、リード2に接続しているボンディングワイヤ3の端部3b(以下「リード側端部3b」とする)において接続点から第2の所定長さLにある部分におけるリード2面(接続面)からの高さHより高くなっている。一方、図3(b)に示す形態においては、パッド2側の高さHは、リード2側の高さHより低くなっている。
【0016】
第1実施形態に係るボンディングワイヤの形態の差異(図3(a)と図3(b))の差異を別の観点で表現すれば、パッド側端部3aとパッド7との接続角度(仰角)は、リード側端部3bとリード2との接続角度(仰角)より高角的になっている。一方、図3(b)に示す形態においては、パッド側端部3aとパッド7との接続角度は、リード側端部3bとリード2との接続角度より低角的になっている。すなわち、図3(a)のパッド側端部3a及び図3(b)のリード側端部3bの形体は、接続面に対して垂直状になっており(以下「垂直状端部」とする)、図3(a)のリード側端部3b及び図3(b)のパッド側端部3aの形体は、接続面に対して斜傾状になっている(以下「斜傾状端部」とする)。なお、厳密にはパッド側端部3aとリード側端部3bは直線ではないので、「高角的」、「低角的」と表記している。
【0017】
第1実施形態における垂直状端部及び斜傾状端部の好ましい形態について図4を参照して説明する。垂直状端部においては、接続面の水平方向からの視点において、接続点から長さL又はLが100μm〜230μm、好ましくは120μm〜140μm、の範囲にあるワイヤ部分と接続面とのなす角α又はβが70°〜120°、好ましくは80°〜100°、の範囲内にある。また、斜傾状端部においては、接続面の水平方向からの視点において、接続点から長さL又はLが100μm〜300μmの範囲にあるワイヤ部分と接続面とのなす角α又はβが5°〜45°、好ましくは5°〜15°、の範囲内にある。
【0018】
ボンディングワイヤが図3(a)の形態になるか、又は図3(b)の形態になるかは、ボンディングワイヤの接続順序によって決定される。ボンディングワイヤを接続する場合、一方の端部を最初にパッド又はリードのどちらか一方と接続し、次に他方の端部をパッド又はリードのどちらか他方と接続することになる。このとき、接続開始点の端部が垂直状端部となり、接続終了点の端部が斜傾状端部となる。図3(a)の形態においては、パッド→リードの順に接続しており、図3(b)の形態においては、リード→パッドの順に接続している。したがって、ボンディングワイヤの接続順序を変更するだけで、ボンディングワイヤの形態を変更することができる。
【0019】
本発明の第2実施形態においては、ボンディングワイヤの形態は、斜傾状端部が金属バンプを介して接続されているか否かにより区別される。図5に、本発明の第2実施形態に係るボンディングワイヤ接続部分の断面図を示す。図5に示す形態においては、リード側端部3bが斜傾状端部になっている。リード2上にはバンプ8が形成されており、斜傾状端部は、バンプ8上に接続されている。この図5に示す形態と区別される対をなす形態(バンプ8を有していない形態)は、図3(a)に示す形態であり、この2種類の形態を使用して識別情報を作成することができる。
【0020】
第2実施形態におけるバンプの好ましい形態においては、バンプ8の幅Wは、好ましくは70μm〜150μm、より好ましくは80μm〜110μm、である。また、バンプ8の高さHは、好ましくは10μm〜30μm、より好ましくは15μm〜20μmである。
【0021】
バンプ8は、ボンディングワイヤ3の接続前に予め接続部分に形成しておく。まず、ボンディングワイヤに高電圧を加え、ボンディングワイヤの先端を線香花火にようにボール状に溶融させる。このボール状の溶融体をパッド7又はリード2の斜傾状端部の接続部分に接合し、ボンディングワイヤを切断してボール状溶融体を切り離す。これにより、ボール状の溶融体がバンプとなる。バンプ8を図5に示すようにリード2上に形成した場合は、ボンディングワイヤ3は、一方の端部を最初にパッド7に接続した後に、他方の端部をバンプ8上に接続する。
【0022】
本発明の第3実施形態においては、ボンディングワイヤの形態は、斜傾状端部上に金属ボールを有するか否かにより区別される。図6に、本発明の第3の実施形態に係るボンディングワイヤ接続部分の断面図を示す。図6に示す形態においては、リード側端部3bが斜傾状端部になっている。斜傾状端部は、リード2に直接接続されているが、その接続部分上には、ボール9が形成されている。この図6に示す形態と区別される対をなす形態(ボール9を有していない形態)は、図3(a)に示す形態であり、この2種類の形態を使用して識別情報を作成することができる。
【0023】
第3実施形態におけるボール9の好ましい形態においては、ボール9の幅Wは、好ましくは70μm〜150μm、より好ましくは80μm〜110μmであり、高さHは、好ましくは10μm〜30μm、より好ましくは15μm〜20μmである。
【0024】
ボール9は、ボンディングワイヤ3をパッド7−リード2間に接続した後に、パッド7又はリード2の斜傾状端部の接続部分上に形成する。ボール9の形成方法は、第2実施形態のバンプ8と基本的に同様である。第2実施形態と同様にして形成したボール状の溶融体を、斜傾状端部の接続部分上に接合し、ボンディングワイヤを切断してボール状溶融体を切り離す。これにより、ボール状の溶融体がボール9となる。
【0025】
本発明の第4実施形態においては、ボンディングワイヤの形態は、ボンディングワイヤの長さにより区別される。例えば、長さが異なる2種類のボンディングワイヤを使用して、識別情報を作成することができる。このとき、ボンディングワイヤの長さの差は、200μm〜1000μmにすると好ましい。また、長さが異なる3種類以上のボンディングワイヤを使用することも可能である。例えば、長さが200μmずつ異ならせて、6種類の長さのボンディングワイヤを使用してもよい。
【0026】
本発明の第5実施形態においては、ボンディングワイヤの形態は、ボンディングワイヤの太さ(径)により区別される。例えば、太さが異なる2種類のボンディングワイヤを使用して、識別情報を作成することができる。ボンディングワイヤの太さは、2μm〜3μmずつ異ならせることができ、例えば、現在、径が15μm、18μm、21μm、23μm、25μm、28μm、30μm及び33μmのボンディングワイヤ(金線)が市販されている。したがって、この8種類のボンディングワイヤのうち、いずれか複数のボンディングワイヤを配列ないし組み合わせて識別情報を作成することができる。
【0027】
本発明の第6実施形態においては、ボンディングワイヤの形態は、ボンディングワイヤに施された着色、模様ないしコーティングにより区別される。例えば、色の異なる樹脂をコーティングしたボンディングワイヤを使用して、半導体素子と配線基板とを接続することができる。
【0028】
本発明の第7実施形態においては、ボンディングワイヤの形態は、上記で説明した第1〜第6実施形態のいずれか又は全部を複合させて区別される。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせると、図3(a)の形態、図3(b)形態、図5の形態、及び図7に示す形態の合わせて4種類の形態を使用して識別情報を作成することができる。
【0029】
第1実施形態〜第5実施形態によるボンディングワイヤの形態によれば、第1実施形態による垂直状端部と斜傾状端部の位置(図3(a)と図3(b))による区別、第2実施形態によるバンプの有無(図5と図3(a))による区別、及び第3実施形態によるボールの有無(図6と図3(a))による区別を複合させれば、8種類のボンディングワイヤの形態を作製することができる。さらに、第4実施形態によるボンディングワイヤの長さによる区別(例えば6種類)、及び第5実施形態によるボンディングワイヤの太さによる区別(例えば8種類)を第1〜第3実施形態に複合させると、384種類の形態のボンディングワイヤを作製することができる。この場合において、1つの半導体素子の接続に、例えば40本のボンディングワイヤが使用されていれば、「384の40乗」種類の識別情報を作成することができることになる。
【0030】
本発明に係る識別情報は、ボンディングワイヤの形態によって構成されているので、ボンディングワイヤの各形態に文字(アルファベット、ひらがな、カタカナ)、数字、記号等を対応させておくと、記数法式に半導体装置が有する識別情報を容易に表記(復号)することができる。また、半導体素子を封止する樹脂に、ボンディングワイヤによって作成された識別情報が意味する識別番号を捺印することもできる。この場合、樹脂に捺印された識別番号の偽造・捏造を行ったとしても、樹脂中のボンディングワイヤを偽造・捏造することは困難である。
【0031】
本発明においては、ボンディングワイヤの配列によって作成された識別情報の第三者による解読・復号を困難にするためにダミーの形態を使用することもできる。例えば、識別情報を構成するいくつかのボンディングワイヤに、ダミーの形態としてバンプを形成することができる。この場合、識別情報は、バンプの有無を考慮することなく復号化することができる。
【0032】
また、本発明においては、第三者による解読・復号を困難にするために、識別情報の識別要素とならないダミーのボンディングワイヤを設けることもできる。例えば、識別情報を構成していないボンディングワイヤに上記で説明したいずれかの形態を施すことができる。この場合、第三者には、どのボンディングワイヤが、又はどの配列ないし組み合わせが識別情報を構成しているのかが判別困難になる。
【実施例】
【0033】
識別要素として3種類のボンディングワイヤの形態を使用して、識別情報を有する半導体装置を製造した。使用した形態は、パッド側端部が垂直状端部である図3(a)に示す形態、斜傾状端部であるリード側端部にバンプを形成した図5に示す形態、及び斜傾状端部であるパッド側端部にバンプを形成した図7に示す形態である。ここで、バンプ8を有していない図3(a)に示すボンディングワイヤに「0」、リード2側にバンプ8を有する図5に示すボンディングワイヤに「1」、及び半導体素子5側にバンプ8を有する図7に示すボンディングワイヤに「2」を割り当てて、識別情報を作成した。図8に、半導体素子実装部分の平面図を示す。図8において、ボンディングワイヤ3の端部に示した黒丸はバンプ8を示している。また、ボンディングワイヤ3は36本使用しており、リード2の横に示している数字は、各ボンディングワイヤに付けられた番号(要素番号)を示している。本実施例においては、図8の左中央のボンディングワイヤ3を開始点として、反時計回りに識別情報を形成した。これにより、図8の下部に示す表のように、三進法によって36桁の数字で表記される識別情報を半導体装置1に作成した。その後、半導体素子5等を樹脂10で封止し、半導体装置1の製品を製造した。図9に半導体装置1の製品の上面図と側面図を示す。樹脂10の表面には、製造番号やボンディングワイヤ3の識別情報から導き出される情報を捺印した。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、ボンディングワイヤを識別要素として識別情報を作成するものであれば、いずれの半導体装置及び半導体装置以外の装置にも適用することができる。特に、ボンディングワイヤの形態は、上記実施形態に限定されることなく、他の種々の形態が適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の半導体素子実装状態の平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の第1実施形態に係るボンディングワイヤ接続部分の断面図。
【図4】本発明の第1実施形態の好ましい形態を説明するための断面図。
【図5】本発明の第2実施形態に係るボンディングワイヤ接続部分の断面図。
【図6】本発明の第3実施形態に係るボンディングワイヤ接続部分の断面図。
【図7】本発明の第7実施形態の一例を示すボンディングワイヤ接続部分の断面図。
【図8】実施例1に係る半導体素子実装状態の平面図。
【図9】実施例1に係る半導体装置の製品の上面図と側面図。
【符号の説明】
【0036】
1 半導体装置
2 リード
3 ボンディングワイヤ
3a パッド側端部
3b リード側端部
4 アイランド
5 半導体素子
6 絶縁層
7 パッド
8 バンプ
9 ボール
10 樹脂
11 捺印文字

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子が配線基板にワイヤボンディング方式で実装された半導体装置において、
半導体素子のパッドと配線基板のリードとを電気的に接続する複数のボンディングワイヤと、識別情報とを有し、
各ボンディングワイヤは、所定の複数の形態のうちのいずれかの形態を有すると共に前記識別情報を構成する識別要素の1つであり、
前記識別情報は、ボンディングワイヤの前記複数の形態の所定の配列ないし組み合わせにより形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記形態は、ボンディングワイヤにおいて、前記パッドとの接続点から第1の所定長さの部分における前記パッドからの高さが、前記リードとの接続点から第2の所定長さの部分における前記リードからの高さより高いか又は低いかにより区別されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記形態は、ボンディングワイヤにおいて、前記パッドとの接続点から第1の所定長さの部分における前記パッドからの高さが、前記リードとの接続点から第2の所定長さの部分における前記リードからの高さより低いほうの端部が、バンプを介して前記パッド又は前記リードに接続されているか否かにより区別されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記形態は、ボンディングワイヤにおいて、前記パッドとの接続点から第1の所定長さの部分における前記パッドからの高さが、前記リードとの接続点から第2の所定長さの部分における前記リードからの高さより低いほうの端部上に金属ボールを有するか否かにより区別されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記形態は、ボンディングワイヤの長さにより区別されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記形態は、ボンディングワイヤの太さにより区別されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記形態は、請求項2〜6に記載された前記ボンディングワイヤの前記形態のうち少なくとも2つの組み合わせにより区別されることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
半導体素子のパッドと配線基板のリードとをボンディングワイヤによって電気的に接続するボンディング工程を含む半導体装置の製造方法において、
各ボンディングワイヤは、所定の複数の形態のうちのいずれかの形態を有し、
前記複数の形態の配列ないし組み合わせが所定の識別情報を形成するように、複数のボンディングワイヤを接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記ボンディング工程において、
前記複数のボンディングワイヤのうち一部のボンディングワイヤにおいては、一方の端部を前記パッドに接続した後に、他方の端部を前記リードに接続し、
その他のボンディングワイヤにおいては、一方の端部を前記リードに接続した後に、他方の端部を前記パッドに接続することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記ボンディング工程において、
前記複数のボンディングワイヤのうち一部のボンディングワイヤにおいては、前記ボンディングワイヤの接続前に、前記パッド又は前記リードにおける前記ボンディングワイヤの接続部にバンプを形成し、次に、前記ボンディングワイヤの一方の端部を、前記バッド又は前記リードのうち前記バンプが形成されていないほうに接続してから、他方の端部を前記バンプ上に接続し、
その他のボンディングワイヤにおいては、バンプを形成せずに前記パッド又は前記リードに接続することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記ボンディング工程において、
前記複数のボンディングワイヤのうち一部のボンディングワイヤにおいては、一方の端部を前記パッド又は前記リードのいずれか一方に接続した後に、他方の端部を前記パッド又は前記リードの他方に接続し、さらに前記他方の端部の接続部上に金属ボールを形成し、
その他のボンディングワイヤにおいては、金属ボールを形成しないことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記ボンディング工程において、
長さの異なるボンディングワイヤを使用することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ボンディング工程において、
太さの異なるボンディングワイヤを使用することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項9〜13に記載された方法のうち少なくとも2つの組み合わせを使用して前記ボンディングワイヤを接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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