半導体装置用配線基板および半導体装置用配線基板を用いた半導体装置
【課題】 ボンディングワイヤで結線する際の誤配線の発生を減らし、誤配線が発生した場合でも、誤配線を確実に認識することが可能な半導体装置用配線基板および半導体装置を提供する。
【解決手段】 半導体装置用配線基板2に、半導体素子4の外周を囲むように環状に形成されたグランド配線5と、グランド配線5の外周を囲むように環状に形成された電源配線6とが設けられ、グランド配線5の内周側と電源配線6の内周側とにはそれぞれ、半導体素子4に向かって突出し且つワイヤボンディングの位置に対応した凸部5a,6aが形成されている。
【解決手段】 半導体装置用配線基板2に、半導体素子4の外周を囲むように環状に形成されたグランド配線5と、グランド配線5の外周を囲むように環状に形成された電源配線6とが設けられ、グランド配線5の内周側と電源配線6の内周側とにはそれぞれ、半導体素子4に向かって突出し且つワイヤボンディングの位置に対応した凸部5a,6aが形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤボンド技術を用いて半導体素子と半導体装置用配線基板とを接続する半導体装置に関するものであり、特にワイヤボンド座標入力およびワイヤボンド配線の確認に有効な半導体装置用配線基板および半導体装置用配線基板を用いた半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の高速化、高機能化及び多機能化への要求がますます強まっている。これに対応するため半導体装置用配線基板を用いたBGA(Ball Grid Array)等の形態の半導体装置が用いられている。
【0003】
従来の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置においては、図11に示すように 半導体装置用配線基板31の中央部には半導体素子32が搭載され、 半導体装置用配線基板31上には、半導体素子32を包囲するようにリング状に形成されたグランド配線33と、グランド配線33の周りに所定の距離をおいてリング状に形成された電源配線34と、電源配線34の外側に形成された複数の基板側ボンディングパッド35とが設けられている。
【0004】
上記半導体素子32の上面に設けられた電極36とグランド配線33、および、上記電極36と電源配線34、および、上記電極36と基板側ボンディングパッド35は、それぞれ、ボンディングワイヤ37により接続されている。
【0005】
尚、下記特許文献1には、上記のような構成を有するBGA型半導体装置が開示されている。
【特許文献1】特開平11−31756
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の形式では下記のような課題がある。
図11に示すように、グランド配線33と電源配線34とをリング状に形成しており、グランド配線33上或いは電源配線34上のボンディング位置が明確でないため、入出力ピン数が増加するに従って、ボンディングワイヤ37で、半導体素子32の上面の電極36とグランド配線33或いは上記電極36と電源配線34を結線する際の座標入力時に誤配線を起こす危険性があるといった問題があり、また、ワイヤボンディング後の配線に問題がないかを確認する際、誤配線が起こっていても見逃す危険性があるといった問題がある。
【0007】
本発明は、ボンディングワイヤで結線する際の誤配線の発生を減らすことができ、誤配線が発生した場合でも、誤配線を確実に認識することが可能な半導体装置用配線基板および半導体装置用配線基板を用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本第1発明は、半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、半導体素子に向かって突出し且つワイヤボンディング位置に対応した凸部が形成されているものである。
【0009】
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間および半導体素子の電極と電源配線との間をそれぞれボンディングワイヤにより接続する際、グランド配線に形成された凸部は、ボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、電源配線に形成された凸部は、ボンディングワイヤと電源配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。これにより、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0010】
本第2発明は、グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、凸部の反対側に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した反対側凸部が形成されているものである。
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間および半導体素子の電極と電源配線との間をそれぞれボンディングワイヤにより接続する際、グランド配線に形成された凸部と反対側凸部とは、ボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、電源配線に形成された凸部と反対側凸部とは、ボンディングワイヤと電源配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。これにより、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0011】
本第3発明は、グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、凸部の反対側に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した凹部が形成されているものである。
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間および半導体素子の電極と電源配線との間をそれぞれボンディングワイヤにより接続する際、グランド配線に形成された凸部と凹部とは、ボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、電源配線に形成された凸部と凹部とは、ボンディングワイヤと電源配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。
【0012】
本第4発明は、上記第1発明から第3発明のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、凸部上を通過して上記電極とグランド配線および上記電極と電源配線に結線され、樹脂封止されているものである。
【0013】
本第5発明は、半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記半導体素子とグランド配線との間に、グランド配線のワイヤボンディング位置に対応した第1のパターンが形成されているものである。
【0014】
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間をボンディングワイヤにより接続する際、第1のパターンがボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。これにより、半導体素子とグランド配線とをワイヤボンディングする際、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0015】
本第6発明は、グランド配線を挟んで第1のパターンの反対側に対向して配置され且つグランド配線のワイヤボンディング位置に対応した反対側第1のパターンが形成されているものである。
【0016】
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間をボンディングワイヤにより接続する際、第1のパターンと反対側第1のパターンとがボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。
【0017】
本第7発明は、半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記半導体素子と電源配線との間に、電源配線のワイヤボンディング位置に対応した第2のパターンが形成されているものである。
【0018】
これによると、半導体素子の電極と電源配線との間をボンディングワイヤにより接続する際、第2のパターンがボンディングワイヤと電源配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。これにより、半導体素子と電源配線とをワイヤボンディングする際、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0019】
本第8発明は、電源配線を挟んで第2のパターンの反対側に対向して配置され且つ電源配線のワイヤボンディング位置に対応した反対側第2のパターンが形成されているものである。
【0020】
これによると、半導体素子の電極と電源配線との間をボンディングワイヤにより接続する際、第2のパターンと反対側第2のパターンとがボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。
【0021】
本第9発明は、各パターンは、円形状と三角形状と四角形状とのいずれかの形状を有しているものである。
本第10発明は、上記第5発明と第6発明と第9発明とのいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、第1のパターン上を通過して上記電極とグランド配線とに結線され、樹脂封止されているものである。
【0022】
本第11発明は、上記第7発明から第9発明のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、第2のパターン上を通過して上記電極と電源配線とに結線され、樹脂封止されているものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1,図2に基づいて説明する。
BGA等の形態の半導体装置1の半導体装置用配線基板2上には、複数の電極3を有する半導体素子4と、グランドにつながるグランド配線5と、電源につながる電源配線6と、複数の基板側ボンディングパッド7とが設けられている。
【0025】
上記グランド配線5は半導体素子4の周囲を外側より連続して囲むように四角環状に形成され、電源配線6はグランド配線5の周囲を外側より連続して囲むように四角環状に形成されている。また、各基板側ボンディングパッド7は電源配線6の外側の周囲に配置されている。これにより、グランド配線5と電源配線6とは半導体素子4と各基板側ボンディングパッド7との間に配置されている。
【0026】
上記半導体素子4の複数の電極3のうち、一部の電極3はボンディングワイヤ8によりグランド配線5と接続されて接地され、また、別の電極3はボンディングワイヤ8により電源配線6と接続されて電源が供給され、さらに、残りの電極3はボンディングワイヤ8により各基板側ボンディングパッド7と接続されている。
【0027】
上記グランド配線5の内周側には、半導体素子4に向かって突出し且つワイヤボンディング位置に対応した凸部5aが複数形成されている。同様に、電源配線6の内周側には、半導体素子4に向かって突出し且つワイヤボンディング位置に対応した凸部6aが複数形成されている。尚、図2(a)においてA−A矢視で示したグランド配線5と凸部5aとの断面は図2(b)のような形状になり、さらに、電源配線6と凸部6aとの断面形状も同様である。
【0028】
上記電極3とグランド配線5との間に配設されたボンディングワイヤ8は凸部5a上を通過して結線され、上記電極3と電源配線6との間に配設されたボンディングワイヤ8は凸部6a上を通過して結線されている。上記半導体素子4とグランド配線5と電源配線6と基板側ボンディングパッド7とボンディングワイヤ8とは樹脂(図示せず)で封止されている。
【0029】
以下、上記構成における作用を説明する。
上記各凸部5aは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各凸部6aは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となるため、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤ8を結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0030】
次に、本発明における第2の実施の形態を図3に基づいて説明する。
上記グランド配線5の外周側には反対側凸部5bが複数形成され、各反対側凸部5bは、各凸部5aの反対側に対向するとともに、ワイヤボンディング位置に対応している。また、電源配線6の外周側には反対側凸部6bが複数形成され、各反対側凸部6bは、各凸部6aの反対側に対向するとともに、ワイヤボンディング位置に対応している。
【0031】
これによると、上記各凸部5aと反対側凸部5bとは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各凸部6aと反対側凸部6bとは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。このため、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤ8を結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0032】
次に、本発明における第3の実施の形態を図4に基づいて説明する。
上記グランド配線5の外周側には凹部5cが複数形成されており、各凹部5cは、各凸部5aの反対側に対向するとともに、半導体素子4に向かって退入し且つワイヤボンディング位置に対応している。また、電源配線6の外周側には凹部6cが複数形成されており、各凹部6cは、各凸部6aの反対側に対向するとともに、半導体素子4に向かって退入し且つワイヤボンディング位置に対応している。
【0033】
これによると、上記各凸部5aと凹部5cとは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各凸部6aと凹部6cとは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。
【0034】
次に、本発明における第4の実施の形態を図5に基づいて説明する。
半導体素子4とグランド配線5との間のグランド配線5寄りの箇所には、ワイヤボンディング位置に対応した第1のパターン21aが複数形成されている。また、グランド配線5と電源配線6との間の電源配線6寄りの箇所には、ワイヤボンディング位置に対応した第2のパターン22aが複数形成されている。上記第1および第2のパターン21a,22aはそれぞれ平面視において円形状に形成されている。尚、図5(a)においてA−A矢視で示したグランド配線5と第1のパターン21aとの断面は図5(b)のような形状になり、さらに、電源配線6と第2のパターン22aとの断面形状も同様である。
【0035】
半導体素子4の電極3とグランド配線5との間に配設されたボンディングワイヤ8は第1のパターン21a上を通過して結線され、上記電極3と電源配線6との間に配設されたボンディングワイヤ8は第2のパターン22a上を通過して結線されている。
【0036】
これによると、上記各第1のパターン21aは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各第2のパターン22aは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となるため、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤ8を結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0037】
次に、本発明における第5の実施の形態を図6に基づいて説明する。
半導体装置用配線基板2には、グランド配線5を挟んで各第1のパターン21aの反対側(すなわち外周側)に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した反対側第1のパターン21bが複数形成され、また、電源配線6を挟んで各第2のパターン22aの反対側(すなわち外周側)に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した反対側第2のパターン22bが複数形成されている。
【0038】
これによると、上記各第1のパターン21aと反対側第1のパターン21bとは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各第2のパターン22aと反対側第2のパターン22bとは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。このため、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤ8を結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0039】
先述した第4の実施の形態では、図5に示すように、第1および第2のパターン21a,22aをそれぞれ平面視において円形状に形成しているが、第6の実施の形態として、図7に示すように、第1および第2のパターン21a,22aをそれぞれ四角形状に形成してもよい。
【0040】
先述した第5の実施の形態では、図6に示すように、第1のパターン21aと反対側第1のパターン21bと第2のパターン22aと反対側第2のパターン22bとをそれぞれ平面視において円形状に形成しているが、第7の実施の形態として、図8に示すように、上記各々のパターン21a,21b,22a,22bをそれぞれ四角形状に形成してもよい。
【0041】
同様に、第8の実施の形態として、図9に示すように、第1および第2のパターン21a,22aをそれぞれ三角形状に形成してもよく、或いは、第9の実施の形態として、図10に示すように、第1のパターン21aと反対側第1のパターン21bと第2のパターン22aと反対側第2のパターン22bとをそれぞれ平面視において三角形状に形成してもよい。
【0042】
上記各実施の形態では、半導体素子4の外側周囲にグランド配線5を形成し、このグランド配線5の外側周囲に電源配線6を形成しているが、半導体素子4の外側周囲に電源配線6を形成し、この電源配線6の外側周囲にグランド配線5を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の半導体装置用配線基板および半導体装置用配線基板を用いた半導体装置は、特に入出力ピンの多いパッケージにおけるワイヤボンディング座標入力及び誤配線の防止に有効であることから、高機能化及び多機能化の進むデジタルテレビやDVDレコーダ等に搭載する半導体装置用配線基板および半導体装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の平面図である。
【図2】同、半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A矢視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A矢視図である。
【図6】本発明の第5の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図7】本発明の第6の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図8】本発明の第7の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図9】本発明の第8の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図10】本発明の第9の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図11】従来の半導体装置の平面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 半導体装置
2 半導体装置用配線基板
3 電極
4 半導体素子
5 グランド配線
5a 凸部
5b 反対側凸部
5c 凹部
6 電源配線
6a 凸部
6b 反対側凸部
6c 凹部
7 基板側ボンディングパッド
8 ボンディングワイヤ
21a 第1のパターン
21b 反対側第1のパターン
22a 第2のパターン
22b 反対側第2のパターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤボンド技術を用いて半導体素子と半導体装置用配線基板とを接続する半導体装置に関するものであり、特にワイヤボンド座標入力およびワイヤボンド配線の確認に有効な半導体装置用配線基板および半導体装置用配線基板を用いた半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の高速化、高機能化及び多機能化への要求がますます強まっている。これに対応するため半導体装置用配線基板を用いたBGA(Ball Grid Array)等の形態の半導体装置が用いられている。
【0003】
従来の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置においては、図11に示すように 半導体装置用配線基板31の中央部には半導体素子32が搭載され、 半導体装置用配線基板31上には、半導体素子32を包囲するようにリング状に形成されたグランド配線33と、グランド配線33の周りに所定の距離をおいてリング状に形成された電源配線34と、電源配線34の外側に形成された複数の基板側ボンディングパッド35とが設けられている。
【0004】
上記半導体素子32の上面に設けられた電極36とグランド配線33、および、上記電極36と電源配線34、および、上記電極36と基板側ボンディングパッド35は、それぞれ、ボンディングワイヤ37により接続されている。
【0005】
尚、下記特許文献1には、上記のような構成を有するBGA型半導体装置が開示されている。
【特許文献1】特開平11−31756
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の形式では下記のような課題がある。
図11に示すように、グランド配線33と電源配線34とをリング状に形成しており、グランド配線33上或いは電源配線34上のボンディング位置が明確でないため、入出力ピン数が増加するに従って、ボンディングワイヤ37で、半導体素子32の上面の電極36とグランド配線33或いは上記電極36と電源配線34を結線する際の座標入力時に誤配線を起こす危険性があるといった問題があり、また、ワイヤボンディング後の配線に問題がないかを確認する際、誤配線が起こっていても見逃す危険性があるといった問題がある。
【0007】
本発明は、ボンディングワイヤで結線する際の誤配線の発生を減らすことができ、誤配線が発生した場合でも、誤配線を確実に認識することが可能な半導体装置用配線基板および半導体装置用配線基板を用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本第1発明は、半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、半導体素子に向かって突出し且つワイヤボンディング位置に対応した凸部が形成されているものである。
【0009】
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間および半導体素子の電極と電源配線との間をそれぞれボンディングワイヤにより接続する際、グランド配線に形成された凸部は、ボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、電源配線に形成された凸部は、ボンディングワイヤと電源配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。これにより、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0010】
本第2発明は、グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、凸部の反対側に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した反対側凸部が形成されているものである。
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間および半導体素子の電極と電源配線との間をそれぞれボンディングワイヤにより接続する際、グランド配線に形成された凸部と反対側凸部とは、ボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、電源配線に形成された凸部と反対側凸部とは、ボンディングワイヤと電源配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。これにより、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0011】
本第3発明は、グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、凸部の反対側に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した凹部が形成されているものである。
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間および半導体素子の電極と電源配線との間をそれぞれボンディングワイヤにより接続する際、グランド配線に形成された凸部と凹部とは、ボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、電源配線に形成された凸部と凹部とは、ボンディングワイヤと電源配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。
【0012】
本第4発明は、上記第1発明から第3発明のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、凸部上を通過して上記電極とグランド配線および上記電極と電源配線に結線され、樹脂封止されているものである。
【0013】
本第5発明は、半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記半導体素子とグランド配線との間に、グランド配線のワイヤボンディング位置に対応した第1のパターンが形成されているものである。
【0014】
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間をボンディングワイヤにより接続する際、第1のパターンがボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。これにより、半導体素子とグランド配線とをワイヤボンディングする際、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0015】
本第6発明は、グランド配線を挟んで第1のパターンの反対側に対向して配置され且つグランド配線のワイヤボンディング位置に対応した反対側第1のパターンが形成されているものである。
【0016】
これによると、半導体素子の電極とグランド配線との間をボンディングワイヤにより接続する際、第1のパターンと反対側第1のパターンとがボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。
【0017】
本第7発明は、半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記半導体素子と電源配線との間に、電源配線のワイヤボンディング位置に対応した第2のパターンが形成されているものである。
【0018】
これによると、半導体素子の電極と電源配線との間をボンディングワイヤにより接続する際、第2のパターンがボンディングワイヤと電源配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。これにより、半導体素子と電源配線とをワイヤボンディングする際、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0019】
本第8発明は、電源配線を挟んで第2のパターンの反対側に対向して配置され且つ電源配線のワイヤボンディング位置に対応した反対側第2のパターンが形成されているものである。
【0020】
これによると、半導体素子の電極と電源配線との間をボンディングワイヤにより接続する際、第2のパターンと反対側第2のパターンとがボンディングワイヤとグランド配線とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。
【0021】
本第9発明は、各パターンは、円形状と三角形状と四角形状とのいずれかの形状を有しているものである。
本第10発明は、上記第5発明と第6発明と第9発明とのいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、第1のパターン上を通過して上記電極とグランド配線とに結線され、樹脂封止されているものである。
【0022】
本第11発明は、上記第7発明から第9発明のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、第2のパターン上を通過して上記電極と電源配線とに結線され、樹脂封止されているものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤを結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1,図2に基づいて説明する。
BGA等の形態の半導体装置1の半導体装置用配線基板2上には、複数の電極3を有する半導体素子4と、グランドにつながるグランド配線5と、電源につながる電源配線6と、複数の基板側ボンディングパッド7とが設けられている。
【0025】
上記グランド配線5は半導体素子4の周囲を外側より連続して囲むように四角環状に形成され、電源配線6はグランド配線5の周囲を外側より連続して囲むように四角環状に形成されている。また、各基板側ボンディングパッド7は電源配線6の外側の周囲に配置されている。これにより、グランド配線5と電源配線6とは半導体素子4と各基板側ボンディングパッド7との間に配置されている。
【0026】
上記半導体素子4の複数の電極3のうち、一部の電極3はボンディングワイヤ8によりグランド配線5と接続されて接地され、また、別の電極3はボンディングワイヤ8により電源配線6と接続されて電源が供給され、さらに、残りの電極3はボンディングワイヤ8により各基板側ボンディングパッド7と接続されている。
【0027】
上記グランド配線5の内周側には、半導体素子4に向かって突出し且つワイヤボンディング位置に対応した凸部5aが複数形成されている。同様に、電源配線6の内周側には、半導体素子4に向かって突出し且つワイヤボンディング位置に対応した凸部6aが複数形成されている。尚、図2(a)においてA−A矢視で示したグランド配線5と凸部5aとの断面は図2(b)のような形状になり、さらに、電源配線6と凸部6aとの断面形状も同様である。
【0028】
上記電極3とグランド配線5との間に配設されたボンディングワイヤ8は凸部5a上を通過して結線され、上記電極3と電源配線6との間に配設されたボンディングワイヤ8は凸部6a上を通過して結線されている。上記半導体素子4とグランド配線5と電源配線6と基板側ボンディングパッド7とボンディングワイヤ8とは樹脂(図示せず)で封止されている。
【0029】
以下、上記構成における作用を説明する。
上記各凸部5aは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各凸部6aは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となるため、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤ8を結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0030】
次に、本発明における第2の実施の形態を図3に基づいて説明する。
上記グランド配線5の外周側には反対側凸部5bが複数形成され、各反対側凸部5bは、各凸部5aの反対側に対向するとともに、ワイヤボンディング位置に対応している。また、電源配線6の外周側には反対側凸部6bが複数形成され、各反対側凸部6bは、各凸部6aの反対側に対向するとともに、ワイヤボンディング位置に対応している。
【0031】
これによると、上記各凸部5aと反対側凸部5bとは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各凸部6aと反対側凸部6bとは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。このため、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤ8を結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0032】
次に、本発明における第3の実施の形態を図4に基づいて説明する。
上記グランド配線5の外周側には凹部5cが複数形成されており、各凹部5cは、各凸部5aの反対側に対向するとともに、半導体素子4に向かって退入し且つワイヤボンディング位置に対応している。また、電源配線6の外周側には凹部6cが複数形成されており、各凹部6cは、各凸部6aの反対側に対向するとともに、半導体素子4に向かって退入し且つワイヤボンディング位置に対応している。
【0033】
これによると、上記各凸部5aと凹部5cとは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各凸部6aと凹部6cとは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。
【0034】
次に、本発明における第4の実施の形態を図5に基づいて説明する。
半導体素子4とグランド配線5との間のグランド配線5寄りの箇所には、ワイヤボンディング位置に対応した第1のパターン21aが複数形成されている。また、グランド配線5と電源配線6との間の電源配線6寄りの箇所には、ワイヤボンディング位置に対応した第2のパターン22aが複数形成されている。上記第1および第2のパターン21a,22aはそれぞれ平面視において円形状に形成されている。尚、図5(a)においてA−A矢視で示したグランド配線5と第1のパターン21aとの断面は図5(b)のような形状になり、さらに、電源配線6と第2のパターン22aとの断面形状も同様である。
【0035】
半導体素子4の電極3とグランド配線5との間に配設されたボンディングワイヤ8は第1のパターン21a上を通過して結線され、上記電極3と電源配線6との間に配設されたボンディングワイヤ8は第2のパターン22a上を通過して結線されている。
【0036】
これによると、上記各第1のパターン21aは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各第2のパターン22aは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となるため、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤ8を結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0037】
次に、本発明における第5の実施の形態を図6に基づいて説明する。
半導体装置用配線基板2には、グランド配線5を挟んで各第1のパターン21aの反対側(すなわち外周側)に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した反対側第1のパターン21bが複数形成され、また、電源配線6を挟んで各第2のパターン22aの反対側(すなわち外周側)に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した反対側第2のパターン22bが複数形成されている。
【0038】
これによると、上記各第1のパターン21aと反対側第1のパターン21bとは、ボンディングワイヤ8とグランド配線5とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となり、さらに、上記各第2のパターン22aと反対側第2のパターン22bとは、ボンディングワイヤ8と電源配線6とを結ぶボンディング位置の目安(目印)となる。このため、ボンディング座標入力作業を間違いなく容易に実施することができ、ボンディングワイヤ8を結線する際の誤配線の発生を減らすことができる。また、誤配線が発生した場合でも、ワイヤボンディング後の配線確認作業において、ボンディングされるべき位置が目視で明確に判断できるため、誤配線を確実に認識することが可能である。
【0039】
先述した第4の実施の形態では、図5に示すように、第1および第2のパターン21a,22aをそれぞれ平面視において円形状に形成しているが、第6の実施の形態として、図7に示すように、第1および第2のパターン21a,22aをそれぞれ四角形状に形成してもよい。
【0040】
先述した第5の実施の形態では、図6に示すように、第1のパターン21aと反対側第1のパターン21bと第2のパターン22aと反対側第2のパターン22bとをそれぞれ平面視において円形状に形成しているが、第7の実施の形態として、図8に示すように、上記各々のパターン21a,21b,22a,22bをそれぞれ四角形状に形成してもよい。
【0041】
同様に、第8の実施の形態として、図9に示すように、第1および第2のパターン21a,22aをそれぞれ三角形状に形成してもよく、或いは、第9の実施の形態として、図10に示すように、第1のパターン21aと反対側第1のパターン21bと第2のパターン22aと反対側第2のパターン22bとをそれぞれ平面視において三角形状に形成してもよい。
【0042】
上記各実施の形態では、半導体素子4の外側周囲にグランド配線5を形成し、このグランド配線5の外側周囲に電源配線6を形成しているが、半導体素子4の外側周囲に電源配線6を形成し、この電源配線6の外側周囲にグランド配線5を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の半導体装置用配線基板および半導体装置用配線基板を用いた半導体装置は、特に入出力ピンの多いパッケージにおけるワイヤボンディング座標入力及び誤配線の防止に有効であることから、高機能化及び多機能化の進むデジタルテレビやDVDレコーダ等に搭載する半導体装置用配線基板および半導体装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の平面図である。
【図2】同、半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A矢視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A矢視図である。
【図6】本発明の第5の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図7】本発明の第6の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図8】本発明の第7の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図9】本発明の第8の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図10】本発明の第9の実施形態における半導体装置の配線基板に設けられた半導体素子とグランド配線と電源配線とのワイヤボンディングを示す平面図である。
【図11】従来の半導体装置の平面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 半導体装置
2 半導体装置用配線基板
3 電極
4 半導体素子
5 グランド配線
5a 凸部
5b 反対側凸部
5c 凹部
6 電源配線
6a 凸部
6b 反対側凸部
6c 凹部
7 基板側ボンディングパッド
8 ボンディングワイヤ
21a 第1のパターン
21b 反対側第1のパターン
22a 第2のパターン
22b 反対側第2のパターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、半導体素子に向かって突出し且つワイヤボンディング位置に対応した凸部が形成されていることを特徴とする半導体装置用配線基板。
【請求項2】
グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、凸部の反対側に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した反対側凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用配線基板。
【請求項3】
グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、凸部の反対側に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用配線基板。
【請求項4】
上記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、凸部上を通過して上記電極とグランド配線および上記電極と電源配線に結線され、樹脂封止されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記半導体素子とグランド配線との間に、グランド配線のワイヤボンディング位置に対応した第1のパターンが形成されていることを特徴とする半導体装置用配線基板。
【請求項6】
グランド配線を挟んで第1のパターンの反対側に対向して配置され且つグランド配線のワイヤボンディング位置に対応した反対側第1のパターンが形成されていることを特徴とする請求項5記載の半導体装置用配線基板。
【請求項7】
半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記半導体素子と電源配線との間に、電源配線のワイヤボンディング位置に対応した第2のパターンが形成されていることを特徴とする半導体装置用配線基板。
【請求項8】
電源配線を挟んで第2のパターンの反対側に対向して配置され且つ電源配線のワイヤボンディング位置に対応した反対側第2のパターンが形成されていることを特徴とする請求項7記載の半導体装置用配線基板。
【請求項9】
各パターンは、円形状と三角形状と四角形状とのいずれかの形状を有していることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板。
【請求項10】
上記請求項5と請求項6と請求項9とのいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、第1のパターン上を通過して上記電極とグランド配線とに結線され、樹脂封止されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
上記請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、第2のパターン上を通過して上記電極と電源配線とに結線され、樹脂封止されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、半導体素子に向かって突出し且つワイヤボンディング位置に対応した凸部が形成されていることを特徴とする半導体装置用配線基板。
【請求項2】
グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、凸部の反対側に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した反対側凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用配線基板。
【請求項3】
グランド配線と電源配線とにはそれぞれ、凸部の反対側に対向して配置され且つワイヤボンディング位置に対応した凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置用配線基板。
【請求項4】
上記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、凸部上を通過して上記電極とグランド配線および上記電極と電源配線に結線され、樹脂封止されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記半導体素子とグランド配線との間に、グランド配線のワイヤボンディング位置に対応した第1のパターンが形成されていることを特徴とする半導体装置用配線基板。
【請求項6】
グランド配線を挟んで第1のパターンの反対側に対向して配置され且つグランド配線のワイヤボンディング位置に対応した反対側第1のパターンが形成されていることを特徴とする請求項5記載の半導体装置用配線基板。
【請求項7】
半導体素子の周囲に基板側ボンディングパッドが配置され、
半導体素子と基板側ボンディングパッドとの間に、半導体素子の周囲を連続して囲むように環状に形成されたグランド配線と電源配線とが配置された半導体装置用配線基板であって、
上記半導体素子と電源配線との間に、電源配線のワイヤボンディング位置に対応した第2のパターンが形成されていることを特徴とする半導体装置用配線基板。
【請求項8】
電源配線を挟んで第2のパターンの反対側に対向して配置され且つ電源配線のワイヤボンディング位置に対応した反対側第2のパターンが形成されていることを特徴とする請求項7記載の半導体装置用配線基板。
【請求項9】
各パターンは、円形状と三角形状と四角形状とのいずれかの形状を有していることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板。
【請求項10】
上記請求項5と請求項6と請求項9とのいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、第1のパターン上を通過して上記電極とグランド配線とに結線され、樹脂封止されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
上記請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の半導体装置用配線基板を用いた半導体装置であって、
半導体素子に設けられた電極とグランド配線および上記電極と電源配線がそれぞれボンディングワイヤにより接続され、
上記ボンディングワイヤは、第2のパターン上を通過して上記電極と電源配線とに結線され、樹脂封止されていることを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−216725(P2006−216725A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27117(P2005−27117)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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