説明

半導体装置用配線基板及び半導体装置用配線基板の製造方法

【課題】配線幅や配線間隔に余裕を持たせ、配線パターンの形成を容易にすることが可能な半導体装置用配線基板及び半導体装置用配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁基板10と、絶縁基板10を貫通する複数のハンダボール搭載用孔11と、絶縁基板10上に形成され、ハンダボール搭載用孔11の一方の開口部11aを覆う複数の配線31a,31bを備える配線パターン30pと、を有し、ハンダボール搭載用孔11の一方の開口部11aの直径D1は、一方の開口部11aを覆う配線31a,31bの配線幅W1,W2以下に設定され、ハンダボール搭載用孔11の他方の開口部11bの直径D2は、一方の開口部11aの直径D1よりも大きくなるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁基板を貫通する複数のハンダボール搭載用孔を有する半導体装置用配線基板及び半導体装置用配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置等に用いられる配線基板には、可撓性を有する絶縁基板に銅層等により配線パターンを形成した、TAB(Tape Automated Bonding)方式やTCP(Tape Carrier Package)方式等の半導体装置用配線基板(以降、これらを代表してTABテープと記す)がある。現在、TABテープはICパッケージ等の一部用途で活用され、量産されている。
【0003】
上述のTABテープは、図3(a),(b)に示すように、絶縁基板510を貫通する
よう例えばプレス加工された複数のハンダボール搭載用孔511と、接着材層520を介して絶縁基板510上に形成された配線パターン530pと、を有していた。配線パターン530pは、例えばハンダボール搭載用孔511の開口部を覆う複数のランド532と、ランド532に接続される配線531と、を有していた。複数のランド532の直径は、絶縁基板510と充分な密着強度が得られるよう、例えばハンダボール搭載用孔511の直径よりも0.1mm以上大きく設定されていた。このように構成されたハンダボール搭載用孔511には、図3(c)に示すように、ハンダボール500が搭載され、例えば図示しないプリント基板等に接続されていた。
【0004】
なお、本発明の関連技術として、例えば特許文献1及び2には、絶縁基板にレーザ光でテーパ付きビアホール(貫通孔)を形成する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−217551号公報
【特許文献2】特開2004−193520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のランド532を備えるTABテープにおいては、大きな直径を有するランド532のために、配線パターン530pの形成が困難になっていた。特に、互いに隣り合うランド532の間を通る配線531を形成する場合には、配線531の配線幅や、ランド532との間隔が小さくなり、高度な配線形成技術が必要となってしまう。図3(b)を参照して具体例を挙げると、ハンダボール搭載用孔511の直径D51を0.3mm、ハンダボール搭載用孔511間のピッチP5を0.5mm、ランド532の直径D52を0.4mmとすると、ランド532,532間の距離は0.1mmとなってしまい、間を通る配線531は、例えば配線幅W5を0.03mmに、配線間隔S5を0.035mmに、形成する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、配線幅や配線間隔に余裕を持たせ、配線パターンの形成を容易にすることが可能な半導体装置用配線基板及び半導体装置用配線基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、絶縁基板と、前記絶縁基板を貫通する複数のハンダボー
ル搭載用孔と、前記絶縁基板上に形成され、前記ハンダボール搭載用孔の一方の開口部を覆う複数の配線を備える配線パターンと、を有し、前記ハンダボール搭載用孔の前記一方の開口部の直径は、前記一方の開口部を覆う前記配線の配線幅以下に設定され、前記ハンダボール搭載用孔の他方の開口部の直径は、前記一方の開口部の直径よりも大きくなるように設定されている半導体装置用配線基板が提供される。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、前記配線パターンは、互いに隣り合う一部の前記ハンダボール搭載用孔上に位置する前記配線の間を通る配線を少なくとも1つ備える第1の態様に記載の半導体装置用配線基板が提供される。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、前記ハンダボール搭載用孔内の前記一方の開口部側には、メッキが施されている第1又は第2の態様に記載の半導体装置用配線基板が提供される。
【0011】
本発明の第4の態様によれば、絶縁基板に、前記絶縁基板を貫通する複数のハンダボール搭載用孔を形成するハンダボール搭載用孔形成工程と、前記ハンダボール搭載用孔の一方の開口部を覆う複数の配線を備える配線パターンを前記絶縁基板上に形成する配線パターン形成工程と、を有し、前記ハンダボール搭載用孔形成工程では、前記ハンダボール搭載用孔の前記一方の開口部の直径が、前記一方の開口部を覆う前記配線の配線幅以下となり、前記ハンダボール搭載用孔の他方の開口部の直径が、前記一方の開口部の直径よりも大きくなるように、前記ハンダボール搭載用孔を形成する半導体装置用配線基板の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、配線幅や配線間隔に余裕を持たせ、配線パターンの形成を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置用配線基板の一部を示す図であって、(a)は半導体装置用配線基板の上面図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)はハンダボールが搭載された半導体装置用配線基板を表す(a)のA−A断面と同方向側の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る半導体装置用配線基板の製造方法の各工程を、図1(a)のA−A断面と同方向側の断面図で示す工程図である。
【図3】従来例に係る半導体装置用配線基板の一部を示す図であって、(a)は半導体装置用配線基板の上面図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)はハンダボールが搭載された半導体装置用配線基板を表す(a)のA−A断面と同方向側の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明の一実施形態に係る半導体装置用配線基板について説明する。
【0015】
(1)半導体装置用配線基板の構造
まずは、本発明の一実施形態に係る半導体装置用配線基板としてのTABテープの構造について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るTABテープの一部を示す図であって、(a)は半導体装置用配線基板の上面図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)はハンダボールが搭載された半導体装置用配線基板を表す(a)のA−A断面と同方向側の断面図である。
【0016】
図1(a),(b)に示すように、TABテープは、絶縁基板10と、絶縁基板10を貫通する複数のハンダボール搭載用孔11と、絶縁基板10上に形成され、ハンダボール搭載用孔11の一方の開口部11aを覆う複数の配線31a,31bを備える配線パターン30pと、を有する。
【0017】
絶縁基板10は、例えば可撓性を有するポリイミド(PI)等の樹脂から構成される。また、絶縁基板10には、絶縁基板10を貫通する複数のハンダボール搭載用孔11が形成されている。
【0018】
ハンダボール搭載用孔11は、配線パターン30pが形成された側の絶縁基板10の表面に開口する一方の開口部11aと、配線パターン30pが形成された側とは反対側の絶縁基板10の表面に開口する他方の開口部11bとを有する。ハンダボール搭載用孔11の開口部11aの直径D1は、開口部11aを覆う配線31a,31bの配線幅W1,W2以下に設定されている。また、ハンダボール搭載用孔11の開口部11bの直径D2は、後にハンダボール搭載用孔11へと搭載されるハンダボール100(図1(c)を参照)の直径に合わせて、開口部11aの直径D1よりも大きくなるように設定されている。つまり、ハンダボール搭載用孔11は、例えば開口部11aから開口部11bに向かって内径が大きくなるテーパ形状となっている。
【0019】
また、互いに隣り合うハンダボール搭載用孔11は、後に搭載されるハンダボール100同士が接触しないよう、所定のピッチP(各ハンダボール搭載用孔11の中心を通る線間の距離)で形成されている。
【0020】
また、ハンダボール搭載用孔11の一方の開口部11a側の、少なくとも開口部11aから露出した配線31a,31bの底部には、例えば銅(Cu)などによるメッキ50が施されている。これにより、後に搭載されるハンダボール100と配線31a,31bとの電気的な接続をより確実なものとし、機械強度を向上させることができる。よって、ハンダボール100と配線31a,31bとの接続信頼性が向上する。
【0021】
ハンダボール搭載用孔11の一方の開口部11a側の絶縁基板10上には、例えば銅層等がパターニングされた配線パターン30pが形成されている。配線パターン30pの表面には、例えば金(Au)又は金(Au)/ニッケル(Ni)等のメッキ40が施され、例えば配線パターン30p上に実装される図示しない半導体装置等と、Auワイヤ等によるワイヤボンディング接続が可能なように構成されている。
【0022】
配線パターン30pは、ハンダボール搭載用孔11の開口部11a上を通る位置に、開口部11aを覆う複数の配線31a,31bを有している。各配線31a,31bは、例えば各配線31a,31bの端部近傍の位置で開口部11aを覆うよう配置される。
【0023】
また、配線パターン30pが備えるパターンによっては、図1(b)に示すように、互いに隣り合う一部のハンダボール搭載用孔11上に位置する配線31a,31aの間を、これとは異なる配線31bが少なくとも1つ通る配置となる。この場合、配線31bの配線幅W2及び配線31a,31b間の配線間隔Sは、配線31bの両側の2つの配線31a,31a間の距離に応じて決定される。
【0024】
上述の図3に示す従来例においては、互いに隣り合うランド532の間を通る配線531の配線幅W5及びランド532と配線531との配線間隔S5は、配線531の両側の2つのランド532,532間の距離に応じて決定されていた。直径の大きいランド532,532間の距離はとても狭く、配線幅W5及び配線間隔S5も非常に小さくする必要があった。このような微細で狭ピッチの配線531を形成するには高度な配線形成技術が
要求され、歩留まりが低下してしまったり、或いは、係る配線形成技術を適用可能な高価な生産装置を用いることで、TABテープの製造コストが増大してしまったりしていた。
【0025】
そこで、本実施の形態においては、ハンダボール搭載用孔11の開口部11aの直径D1を配線31a,31bの配線幅W1,W2以下とし、配線パターン30pからランドを廃したので、配線31a,31a間の比較的広い距離に応じて配線31bを設定することができる。これにより、配線幅W2や配線間隔Sに余裕を持たせることができ、高価な配線形成技術を適用しなくとも、配線パターン30pを容易に形成することができる。よって、TABテープの歩留まりが向上し、また、製造コストを低減することが可能となる。本実施形態の構成は、設計上、配線パターン30pの配置に充分なスペースを確保することが困難な2層以下の多層配線基板において、特に有用性が高い。
【0026】
なお、各配線31a,31bがそれぞれ有する配線幅W1,W2は、絶縁基板10との密着強度が充分得られる幅となっており、例えば配線31a,31bの全長を通して略一定とすることができる。配線幅W1,W2及び配線間隔Sをすべて同一の値に設定してもよい。或いは、配線幅W1,W2を長さ方向で異ならせる場合には、開口部11aの直径D1を基準として、ハンダボール搭載用穴11の一方の開口部11a付近に位置する配線31a,31bの配線幅W1,W2を設定する。
【0027】
以下に、TABテープの設計に係る数値を例示する。例えば、絶縁基板10の厚さが0.0125mm以上0.075mm以下、配線パターン30pの高さが0.004mm以上0.075mm以下のとき、ハンダボール搭載用孔11間のピッチPを0.2mm以上0.4mm以下とすると、ハンダボール搭載用孔11の一方の開口部11aの直径D1を0.01mm以上0.02mm以下、他方の開口部11bの直径D2を0.15mm以上0.30mm以下、配線幅W1,W2及び配線間隔Sを全て等しい値、例えばピッチPの値を略4等分した0.05mm以上0.1mm以下の値などとすることができる。
【0028】
以上により、ハンダボール100が搭載されるTABテープが構成される。すなわち、所定の直径を有するハンダボール100がハンダボール搭載用孔11内に挿入され、リフロー等の加熱処理によって、開口部11aから露出した配線31a,31bの底部と接合されるように構成される。TABテープにハンダボール100が搭載された様子を図1(c)に示す。
【0029】
(2)半導体装置用配線基板の製造方法
次に、本発明の一実施形態に係る半導体装置用配線基板としてのTABテープの製造方法について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係るTABテープの製造方法の各工程を、図1(a)のA−A断面と同方向側の断面図で示す工程図である。
【0030】
(配線パターン形成工程)
まずは、図2(a)に示すように、絶縁基板10に設けられた銅層30等の上に、例えばフォトレジストパターン35pを形成する。
【0031】
続いて、図2(b)に示すように、フォトレジストパターン35pをマスクとして、例えばエッチング液により銅層30の露出した部分をウェットエッチングして、後に形成されるハンダボール搭載用孔11の、一方の開口部11a上を通る位置に複数の配線31a,31bを備える配線パターン30pを形成する。すなわち、ハンダボール搭載用孔11の開口部11aを覆う複数の配線31a,31bを備える配線パターン30pを形成する。配線パターン30pの形成後、フォトレジストパターン35pを剥離する。
【0032】
(ハンダボール搭載用孔形成工程)
次に、図2(c)に示すように、絶縁基板10の、配線パターン30pが形成された側とは反対側の面に、例えばフォトレジストパターン36pを形成する。
【0033】
続いて、図2(d)に示すように、フォトレジストパターン36pをマスクとして、例えばエッチング液により絶縁基板10の露出した部分をウェットエッチングして、絶縁基板10を貫通する複数のハンダボール搭載用孔11を形成する。このとき、ウェットエッチングが等方的に進むとともに、エッチング液に曝される時間の長いフォトレジストパターン36p近傍の絶縁基板10に、徐々にアンダーカットが入っていく。これにより、例えば開口部11aから開口部11bに向かって内径が大きくなるテーパ形状のハンダボール搭載用孔11が形成される。
【0034】
形成されるハンダボール搭載用孔11のテーパ形状の度合いは、例えばウェットエッチング時間の長い開口部11b付近のエッチング量と、ウェットエッチング時間の短い開口部11a付近のエッチング量と、を規定した以下の式、
エッチング率R=2t/(D2−D1)・・・(式1)
により算出することができる。ここで、tは絶縁基板10の厚さ、D1は開口部11aの直径、D2は開口部11bの直径である。ハンダボール搭載用孔11の形状は、エッチング率Rが小さいほど、テーパ形状が顕著となり、エッチング率Rが大きいほど、垂直に近づく。所定のエッチング率Rとなるよう、エッチング液の種類や濃度、エッチング時間、エッチング温度等のエッチング条件を調整することで、所定の寸法を有するハンダボール搭載用孔11が得られる。
【0035】
すなわち、ハンダボール搭載用孔11の一方の開口部11aの直径D1が、開口部11aを覆うように形成される配線31a,31bの配線幅W1,W2(図1(b)を参照)以下となり、他方の開口部11bの直径D2が、開口部11aの直径D1よりも大きくなったハンダボール搭載用孔11が形成される。ハンダボール搭載用孔11を形成した後、フォトレジストパターン36pを剥離する。
【0036】
(メッキ工程)
次に、図2(e)に示すように、ハンダボール搭載用孔11内の開口部11a側の、少なくとも開口部11aから露出した配線31a,31bの底部に、例えば銅(Cu)などのメッキ50を施す。また、配線パターン30pの表面に、例えばAu又はAu/Ni等のメッキ40を施す。
【0037】
以上により、本実施形態に係るTABテープが製造される。
【0038】
この後、所定の直径を有するハンダボール100をハンダボール搭載用孔11に挿入し、リフロー等の加熱処理を行う。これにより、ハンダボール100が一部溶解し、ハンダボール搭載用孔11内がハンダボール100で充填されるとともに、ハンダボール搭載用孔11内に形成されたメッキ50を介して、ハンダボール100と配線31a,31bの底部とが電気的に接合される。このようにして、TABテープにハンダボール100が搭載された様子を図2(f)に示す。
【0039】
なお、TABテープへのハンダボール100の搭載は、上記TABテープの製造工程に引き続いて行われてもよく、或いは、上記TABテープの出荷後、半導体装置の実装メーカー等において行われてもよい。半導体装置の実装メーカーでは、絶縁基板10の、ハンダボール100が搭載された側とは反対の面から、配線パターン30p上に、図示しない半導体装置を例えばAuワイヤ等により接続する。これにより、半導体装置がTABテープ上に実装される。また、ハンダボール100には、例えば図示しないプリント基板等を接続し、ICパッケージ等となる。
【0040】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0041】
例えば、上述の実施形態においては、配線31a,31bの配線幅W1,W2は、配線31a,31bの全長を通して略一定としたが、配線内や配線間において、異なる配線幅を有していてもよい。例えば、ハンダボール搭載用孔上に位置する配線の配線幅を他の部分より太くし、そこへ半導体装置の接続パッド等を接合することで、半導体装置のTABテープへの実装が容易となる。
【0042】
また、上述の実施形態においては、ハンダボール搭載用孔11はテーパ形状を有することとしたが、他方の開口部が一方の開口部よりも大きくなるように設定されていれば、ハンダボール搭載用孔の形状は、等方的なエッチングによる樽型形状や、段階的な加工による階段状の段差を有する形状等であってもよい。
【0043】
また、上述の実施形態においては、ハンダボール搭載用孔11をウェットエッチングにより形成することとしたが、ドライエッチングやレーザ光等により形成してもよい。エッチング法を用いる場合、上述の実施形態のフォトレジストパターン36pに代えて、ドライフィルム等を用いることもできる。
【0044】
また、レーザ光を用いる場合、絶縁基板が貫通し、レーザ光が銅層の底面に到達した直後にレーザ光の照射を停止する等、レーザ光の照射時間を調整することで、例えばテーパ形状等の所定の形状を有するハンダボール搭載用孔を形成することができる。レーザ光としては、例えばYAGレーザや炭酸ガスレーザ等を用いることができる。
【0045】
また、上述の実施形態においては、ハンダボール搭載用孔形成工程を、配線パターン形成工程の後に実施することとしたが、配線パターン形成工程の前に実施してもかまわない。この場合、ハンダボール搭載用孔11内のメッキ50を、配線パターン形成工程の前に施してもよい。
【0046】
また、上述の実施形態においては、銅層30が設けられた絶縁基板10を用いている。このような絶縁基板10としては、例えば銅箔の上に絶縁材料を一定厚で塗布して硬化させた、所謂キャスティング材や、絶縁材の上に種層として金属層をスパッタリングにより薄く形成した後、メッキ等により銅層を形成した、所謂メタライジング材を用いることができる。なお、接着材を介して銅箔を貼り合わせた絶縁基板を用いてもよい。
【0047】
また、上述の実施形態においては、絶縁基板10はポリイミド(PI)から構成されるとしたが、これに限られず、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリマ(LCP)、アラミド、ガラスエポキシ樹脂等の有機樹脂により、絶縁基板が構成されていてもかまわない。
【符号の説明】
【0048】
10 絶縁基板
11 ハンダボール搭載用孔
11a,11b 開口部
30p 配線パターン
31a,31b 配線
50 メッキ
D1,D2 開口部の直径
S 配線間隔
P ハンダボール搭載用孔間のピッチ
W1,W2 配線幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板を貫通する複数のハンダボール搭載用孔と、
前記絶縁基板上に形成され、前記ハンダボール搭載用孔の一方の開口部を覆う複数の配線を備える配線パターンと、を有し、
前記ハンダボール搭載用孔の前記一方の開口部の直径は、前記一方の開口部を覆う前記配線の配線幅以下に設定され、
前記ハンダボール搭載用孔の他方の開口部の直径は、前記一方の開口部の直径よりも大きくなるように設定されている
ことを特徴とする半導体装置用配線基板。
【請求項2】
前記配線パターンは、
互いに隣り合う一部の前記ハンダボール搭載用孔上に位置する前記配線の間を通る配線を少なくとも1つ備える
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置用配線基板。
【請求項3】
前記ハンダボール搭載用孔内の前記一方の開口部側には、メッキが施されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置用配線基板。
【請求項4】
絶縁基板に、前記絶縁基板を貫通する複数のハンダボール搭載用孔を形成するハンダボール搭載用孔形成工程と、
前記ハンダボール搭載用孔の一方の開口部を覆う複数の配線を備える配線パターンを前記絶縁基板上に形成する配線パターン形成工程と、を有し、
前記ハンダボール搭載用孔形成工程では、
前記ハンダボール搭載用孔の前記一方の開口部の直径が、前記一方の開口部を覆う前記配線の配線幅以下となり、
前記ハンダボール搭載用孔の他方の開口部の直径が、前記一方の開口部の直径よりも大きくなるように、前記ハンダボール搭載用孔を形成する
ことを特徴とする半導体装置用配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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