半導体装置
【課題】焦点検出用の半導体装置に含まれる一対のセンサ部において、信号用として用いる一方のセンサ部の制御信号を切替えることによって、検知用として用いる他方のセンサ部の信号にノイズが混入する事を防ぐ。
【解決手段】半導体装置は、光電変換部、信号保持部、および転送部TXを有し信号保持部が保持する信号に応じた信号を出力する一対のセンサ部と、検知部を備える。第1モードとして動作するセンサ部は、検知部により出力される信号が所定値に達したことが検知されると、転送部を非導通状態にして信号の転送を終了し、第2モードとして動作するセンサ部は、第1モードとして動作するセンサ部において信号の保持がされた後に、転送部を導通状態とすることによって発生した電荷に応じた信号の転送を開始し、その後、転送部を非導通状態とすることによって信号の転送を終了し信号保持部に保持された信号を確定する。
【解決手段】半導体装置は、光電変換部、信号保持部、および転送部TXを有し信号保持部が保持する信号に応じた信号を出力する一対のセンサ部と、検知部を備える。第1モードとして動作するセンサ部は、検知部により出力される信号が所定値に達したことが検知されると、転送部を非導通状態にして信号の転送を終了し、第2モードとして動作するセンサ部は、第1モードとして動作するセンサ部において信号の保持がされた後に、転送部を導通状態とすることによって発生した電荷に応じた信号の転送を開始し、その後、転送部を非導通状態とすることによって信号の転送を終了し信号保持部に保持された信号を確定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
焦点検出用の半導体装置として、一対のセンサ部を有し、検知用として用いる一方のセンサ部の出力が所定値に達したことを検知して、信号用として用いる他方のセンサ部における焦点検出用の信号の処理を制御するものがある。具体的には、一対のセンサ部のそれぞれは光電変換部を含み、この半導体装置は、検知用のセンサ部の光電変換部において発生した電荷に応じた信号にしたがって、信号用のセンサ部の光電変換部において発生した電荷の蓄積動作を制御する。電荷の蓄積動作の制御は、例えば、電荷の蓄積時間の制御、または蓄積される電荷量の制御である。より具体的には、被写体の輝度が暗い場合は、電荷の蓄積時間を長くし、または蓄積される電荷量を多くする。また、被写体の輝度が明るい場合は、電荷の蓄積時間を短くし、または蓄積される電荷量を少なくする。このようにして、信号用のセンサ部の光電変換部における電荷の蓄積動作を制御することができる。
【0003】
その後、信号用のセンサ部において蓄積された電荷に応じた信号は、焦点検出のための情報として焦点検出処理を実行する演算部に出力されうる。実際には、センサ部のそれぞれは30〜80個程度がライン状またはアレイ状に配置された光電変換部を含みうる。この一対のセンサ部を2つ用意し、これらにより形成される2つの像を用いて位相差検出法による焦点検出が行われうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−150686号公報
【特許文献2】特開2001−305415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の一連の焦点検出とは別に、検知用のセンサ部において発生した電荷に応じた信号を焦点検出のための情報として利用し、別途、他の焦点検出を行う方法が考えられる。これにより、より精度の高い焦点検出がなされることが期待される。しかし、信号用のセンサ部の制御信号を切替えることによって、検知用のセンサ部の信号にノイズが混入する場合がある。例えば、信号配線間の配線容量カップリングにより、クロストークノイズが混入しうる。また、例えば、信号用のセンサ部において蓄積された電荷に応じた信号の処理が開始されることにより、ノイズが混入しうる。
【0006】
本発明の目的は、検知用のセンサ部において発生した電荷に応じた信号を焦点検出のための情報として利用するために有利な半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの側面は半導体装置にかかり、前記半導体装置は、光電変換部、信号保持部、および転送部を有し前記信号保持部が保持する信号に応じた信号を出力する一対のセンサ部を含み、検知部を備え、前記信号保持部は、前記光電変換部において発生した電荷に応じた信号を保持し、前記転送部は、導通状態においては前記光電変換部において発生した電荷に応じた信号を前記信号保持部に転送し、前記一対のセンサ部のうち一方は第1モードとして動作し、他方は第2モードとして動作し、前記検知部は、前記第1モードとして動作する前記センサ部において、導通状態の前記転送部により信号の転送が開始された後、当該センサ部から出力される信号が所定値に達したことを検知し、前記第1モードとして動作する前記センサ部は、前記検知にしたがって、前記転送部を非導通状態にして当該信号の転送を終了し、これにより前記信号保持部に保持された信号を確定し、前記第2モードとして動作する前記センサ部は、当該センサ部の前記転送部を非導通状態とすることによって、前記光電変換部において発生した電荷を蓄積し、前記第1モードとして動作する前記センサ部の前記信号保持部において前記信号の保持がされた後に、前記第2モードとして動作する前記センサ部の前記転送部を導通状態とすることによって、発生した電荷に応じた信号の転送を開始し、その後、前記転送部を非導通状態とすることによって当該信号の転送を終了し、これにより前記信号保持部に保持された信号を確定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検知用のセンサ部において発生した電荷に応じた信号を焦点検出のための情報として利用するために有利な半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の半導体装置の構成の一例を説明する図。
【図2】センサ部の第1の回路構成例を説明する図。
【図3】ノイズが混入しうる動作タイミングチャート。
【図4】第1実施形態の動作タイミングチャート。
【図5】センサ部の第2の回路構成例を説明する図。
【図6】第2実施形態の動作タイミングチャート。
【図7】センサ部の第3の回路構成例を説明する図。
【図8】第3実施形態の動作タイミングチャート。
【図9】センサ部の第4の回路構成例を説明する図。
【図10】第4実施形態の動作タイミングチャート。
【図11】本発明の半導体装置を適用したカメラの合焦システムを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1〜4を参照しながら、本発明の第1実施形態を説明する。図1に例示する半導体装置10は、焦点検出のために用いられる。半導体装置10は、制御系100と、互いに隣接して配置されうる一対のセンサ部20と、を含む。制御系100は、センサ部20のそれぞれの出力が所定値に達したことを検知する検知部110と、センサ部20のそれぞれに制御信号を出力する信号制御部120と、を含む。また、制御系100は、前述の機能ブロックのそれぞれと通信して動作の指示を出すコントローラ130をさらに含みうる。また、検知部110は、例えば、このコントローラ130からの指示により、一対のセンサ部20のうち一方を検知しうる。
【0011】
センサ部20は、図2に例示されるように、ライン状に配置された複数のセンサ1を含みうる。センサ1は、光電変換部としてフォトダイオードPD、及びフォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号を保持する信号保持部として容量Cmを含む。また、センサ1は、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号を容量Cmに転送する転送部として、転送トランジスタTXを含む。転送トランジスタTXは、例えば、制御信号cnt_txがHi状態になることによって導通状態になりうる。また、センサ1は、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号を増幅する増幅トランジスタSFをさらに含みうる。フォトダイオードPDにおいて受光した光のエネルギーにより発生した電荷は、導通状態の転送トランジスタTXを介して、増幅トランジスタSFのゲートに転送されうる。その後、増幅トランジスタSFにより増幅された信号は、容量Cmにより保持され、出力端子outより出力される。また、センサ1は、増幅トランジスタSFのゲートの電位を所定の電圧にリセットするリセットトランジスタRESを含みうる。リセットトランジスタRESは、例えば、制御信号cnt_resがHi状態になることによって導通状態になりうる。制御信号cnt_res及びcnt_txは、例えば、信号制御部120により出力されうる。
【0012】
制御系100は、互いに隣接する2つのセンサ部20の一方において発生した電荷量を検知することにより、他方のセンサ部20において発生した電荷の蓄積動作を制御する。具体的には、制御系100は、第1モードとして動作する一方のセンサ部20については、フォトダオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号が所定値に達したことを検知部110によって検知する。この検知部110は、例えば、このセンサ部20の出力を予め設定された基準電位と比較することにより検知しうる。一方で、制御系100は、第2モードとして動作する他方のセンサ部20については、フォトダオードPDにおいて発生した電荷を蓄積させる。この電荷の蓄積動作は、前述の検知部110による検知にしたがって、終了される。この電荷の蓄積動作の終了は、例えば、この検知の通知を受けたコントローラ130からの指示によって、信号制御部120を介してなされうる。このように、制御系100は、検知用として用いる第1モードとして動作するセンサ部20については、発生した電荷に応じた信号の出力を検知部110によって監視し所定値に達したことを検知する。一方で、制御系100は、信号用として用いる第2モードとして動作するセンサ部20については、発生した電荷を蓄積させ、前述の検知にしたがって電荷蓄積を終了させ、この蓄積された電荷に応じた信号を焦点検出において使用する。
【0013】
この一連の焦点検出とは別に、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた検知用の信号を、別途、他の焦点検出を行うために利用し、焦点検出の精度を向上させたい。そのためには、この検出用の信号に、図3に例示するようなノイズが混入することを防ぐ必要がある。図3は、半導体装置10の動作タイミングチャートの一例であり、第2モードとして動作するセンサ部20の制御信号を切り替えることにより、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号にノイズが混入する場合を示す。図3には、制御信号(cnt_res、cnt_tx)のそれぞれの状態、及びセンサ部20の出力outのタイミングチャートを表す。図中の上段には第1モードとして動作するセンサ部20についてのそれぞれの状態を示し、下段には第2モードとして動作するセンサ部20についてのそれぞれの状態を示す。図中の記号の括弧内の数字(1)は第1モードとして動作するセンサ部20ついてのそれぞれの状態を示し、(2)は第2モードとして動作するセンサ部20についてのそれぞれの状態を示す。以下、後述の実施形態においても同様である。
【0014】
時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_res(2)、及びcnt_tx(2)は、それぞれHi状態になる。これにより、第1モードと第2モードのいずれのセンサ部20についてもリセット処理が開始される。
【0015】
時刻t2において、リセット処理は終了し、cnt_res(1)及びcnt_res(2)は、それぞれLow状態になる。また、この時刻t2においては、cnt_tx(2)もLow状態になり、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXは非導通状態になる。これにより、このセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷の蓄積が開始される。一方で、cnt_tx(1)はHi状態のままであり、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXは導通状態である。このセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷は、この転送トランジスタTXを介し、増幅トランジスタSFのゲートに転送される。そして、この電荷量に応じた信号が増幅トランジスタSFによって増幅されて出力され、容量Cmに保持される。容量Cmに保持されるこの信号は、その後、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じて、時間の経過とともに上昇し、out(1)より出力される。
【0016】
ある時刻において、検知部110は、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号out(1)が所定値に達したことを検知する。この時刻を時刻t3とする。この検知は、例えば、検知部110がセンサ部20の出力と予め設定された基準電位(不図示)とを比較することによってなされうる。
【0017】
時刻t4において、時刻t3でなされた検知に応じて、cnt_tx(1)はLow状態になる。これは、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にして信号の転送を終了し、これにより容量Cmに保持された信号を確定するためである。また、この時刻t4においては、cnt_tx(2)はHi状態になる。これは、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを導通状態にし、このセンサ部のフォトダイオードPDにおいて発生し蓄積された電荷に応じた信号の容量Cmへの転送を開始するためである。
【0018】
しかしながら、この時刻t4において、cnt_tx(2)がHi状態に切り替わることにより、out(1)にノイズが混入しうる。例えば、out(1)が接続された配線とcnt_tx(2)の制御信号配線の間の配線間容量によるクロストークノイズが混入しうる。また、例えば、第2モードとして動作するセンサ部20において、信号の転送が開始されることによる熱雑音のノイズが混入しうる。これにより、容量Cmに保持された信号(容量Cmに充電されている電荷量)が変動しうる。このとき、例えば、配線遅延などにより、このノイズの影響を受けてcnt_tx(1)がLow状態になると、容量Cmに充電されている電荷量が変動した状態のまま、転送トランジスタTXは非導通状態になる。転送トランジスタTXが非導通状態になると、容量Cmに充電された電荷量は不変となり、即ち、容量Cmに保持された信号が確定される。したがって、容量Cmに保持された信号は、ノイズにより崩された状態で確定され得、out(1)は、本来の信号(図3の破線)から外れた信号(図3の実線)となりうる。
【0019】
そこで、本実施形態では、第1モードとして動作するセンサ部20の容量Cmに保持された信号を確定した後に、第2モードとして動作するセンサ部20の制御信号を切り替える。図4は、センサ部20にセンサ1を用いた場合における半導体装置10の本実施形態にかかる制御タイミングチャートである。時刻t1〜t3については、図3と同様であるため説明を省略する。時刻t4においては、cnt_tx(1)をLow状態にし、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にし、容量Cmに保持された信号を確定する。次に、時刻t5において、cnt_tx(2)をHi状態にし、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを導通状態にする。これによって、このセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生し蓄積された電荷に応じた信号の、容量Cmへの転送が開始される。また、この時刻t5において、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXが既に非導通状態であり、容量Cmに保持された信号が確定しているため、out(1)はノイズによる影響を受けない。その後、時刻t6において、cnt_tx(2)をLow状態にし、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にし、容量Cmに保持された信号を確定する。以上の動作によって、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号へのノイズの混入を防ぐことが可能となる。
【0020】
<第2実施形態>
以下では、図5に示すような回路構成のセンサ2を、半導体装置10に含まれるセンサ部20に用いた第2実施形態について説明する。センサ2は、センサ1の増幅トランジスタSFと容量Cmの間にスイッチトランジスタSW、及び容量Cmの後段に増幅トランジスタSF2を含む点で、第1実施形態と異なる。スイッチトランジスタSWは、増幅トランジスタSFの動作により発生する熱雑音のノイズの容量Cmへの混入を防ぎうる。また、スイッチトランジスタSWは、例えば、制御信号cnt_swがHi状態になることにより導通状態になりうる。増幅トランジスタSF2は、容量Cmと出力端子outの間に配され、前述の配線間容量によるクロストークノイズの容量Cmへの混入を防ぎうる。しかし、この回路構成においても、これらのノイズの容量Cmへの混入を完全に免れることは容易ではない。
【0021】
図6は、センサ部20にセンサ2を用いた場合における半導体装置10の本実施形態にかかる制御タイミングチャートである。ここで、図1には、cnt_res及びcnt_txの制御信号のみ図示しているが、図5に示す他の制御信号(cnt_sw)についても、信号制御部120から適宜制御されうる。
【0022】
時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_sw(1)、cnt_res(2)、cnt_tx(2)、及びcnt_sw(2)は、それぞれHi状態になる。時刻t2において、cnt_res(1)及びcnt_res(2)は、それぞれLow状態になる。また、この時刻t2においては、cnt_tx(2)及びcnt_sw(2)もLow状態になる。一方で、cnt_tx(1)及びcnt_sw(1)はHi状態のままである。ある時刻において、検知部110は、out(1)が所定値に達したことを検知する。この時刻を時刻t3とする。時刻t4においては、cnt_sw(1)をLow状態にし、第1モードとして動作するセンサ部20のスイッチトランジスタSWを非導通状態にする。時刻t5において、cnt_tx(2)及びcnt_sw(2)をHi状態にし、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTX及びスイッチトランジスタSWを導通状態にする。時刻t6においてcnt_tx(2)をLow状態にし、このセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にする。時刻t7においてcnt_sw(2)をLow状態にし、このセンサ部20のスイッチトランジスタSWを非導通状態にする。以上、この一連の動作によって、第1実施形態と同様の動作が行われ、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号へのノイズの混入を防ぐことが可能となる。また、時刻t6〜t7については、cnt_tx(2)及びcnt_sw(2)をLow状態にする順番は逆でもよい。
【0023】
<第3実施形態>
以下では、図7に示すような回路構成のセンサ3を、半導体装置10に含まれるセンサ部20に用いた第3実施形態について説明する。センサ3は、センサ1の容量Cmの後段に、増幅器AMP、クランプ容量Cclmp、及び複数のトランジスタ(TN1、TN2、TS1、TS2、GR)を含む点で、第1実施形態と異なる。クランプ容量Cclmpは、増幅トランジスタSFのゲートがリセット(後述)されたときの増幅トランジスタSFの出力をノイズレベルとしてクランプしうる。トランジスタTN1、TN2は、クランプ容量Cclmpを充電するためのスイッチである。トランジスタTS1、TS2は、容量Cmに保持された信号を増幅器AMPに入力するためのスイッチである。トランジスタGRは、増幅器AMPとクランプ容量Cclmpの間の経路を、基準電圧Vgrと電気的に接続するためのスイッチである。これらのトランジスタのそれぞれは、例えば、制御信号cnt_tn1、cnt_tn2、cnt_ts1、cnt_ts2、cnt_grがHi状態になることにより導通状態になりうる。
【0024】
図8は、センサ部20にセンサ3を用いた場合における半導体装置10の本実施形態にかかる制御タイミングチャートである。ここで、図1には、cnt_res及びcnt_txの制御信号のみ図示しているが、図7に示す他の制御信号(cnt_tn1、cnt_tn2、cnt_ts1、cnt_ts2、及びcnt_gr)についても信号制御部120から出力されうる。
【0025】
時刻t1〜t8においては、第1モードとして動作するセンサ部20における検知用の信号処理が開始され、一方で、第2モードとして動作するセンサ部20における電荷の蓄積動作が開始される。まず、時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_res(2)、及びcnt_tx(2)は、それぞれHi状態になり、第1モードと第2モードのいずれのセンサ部20についてもリセット処理が開始される。また、この時刻t1においては、cnt_tn1(1)、cnt_tn2(1)、cnt_gr(1)、cnt_tn1(2)、cnt_tn2(2)、及びcnt_gr(2)もHi状態になる。これにより、基準電圧Vgrに対する容量Cmの初期レベルがクランプ容量Cclmpに保持されうる。時刻t2において、リセット処理は終了し、cnt_res(1)及びcnt_res(2)は、それぞれLow状態になる。また、この時刻t2においては、cnt_tx(2)もLow状態になり、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXは非導通状態になる。これにより、このセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷の蓄積が開始される。時刻t3において、cnt_tn1(1)、cnt_tn2(1)、cnt_tn1(2)、及びcnt_tn2(2)はLow状態になる。これにより、クランプ容量Cclmpにおいては、このときの増幅トランジスタSFの出力がノイズレベルとしてクランプされうる。時刻t4において、cnt_ts1(1)及びcnt_ts1(2)をHi状態にすることで、増幅器AMPにおける入力レベルを基準電圧Vgrにする。その後、時刻t5において、cnt_gr(1)及びcnt_gr(2)をLow状態にし、増幅器AMPの入力と基準電圧Vgrとの電気的な接続は遮断される。その後、増幅器AMPにおける入力レベルは基準電圧Vgrに維持される。時刻t6において、cnt_ts2(1)はHi状態になる。これにより、第1モードとして動作するセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号が出力端子out(1)より出力されうる。このとき、クランプ容量Cclmpにおいては、増幅トランジスタSFにより増幅された信号と前述のノイズレベルとの差分が読み出されることによりノイズが除去されうる。その後、out(1)は、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷量に応じて、時間の経過とともに上昇する。ある時刻において、検知部110は、out(1)が所定値に達したことを検知する。この時刻を時刻t7とする。時刻t8において、時刻t7でなされた検知に応じて、cnt_tx(1)はLow状態になる。これにより、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にして信号の転送を終了し、容量Cmに保持された信号が確定される。
【0026】
時刻t9〜t16おいては、第1モードとして動作するセンサ部20の容量Cmに保持された信号が確定した後、第2モードとして動作するセンサ部20における電荷の蓄積動作の制御処理が開始されうる。まず、時刻t9〜t14にわたって、第2モードとして動作するセンサ部20においては、時刻t1〜t6と同様の動作(cnt_tx(2)を除く。)が行われうる。その後、時刻t15において、cnt_tx(2)はHi状態になる。これにより、このセンサ部20の転送トランジスタTXは導通状態になり、このセンサ部20において蓄積された電荷に応じた信号の容量Cmへの転送が開始されうる。時刻t16において、cnt_tx(2)はLow状態になる。これにより、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にし、容量Cmに保持された信号を確定する。
【0027】
このとき、時刻t9〜t16においては、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXは既に非導通状態であり、容量Cmに保持された信号が確定している。したがって、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号へのノイズの混入を防ぐことが可能となる。
【0028】
<第4実施形態>
以下では、図9に示すような回路構成のセンサ4を、半導体装置10に含まれるセンサ部20に用いた第4実施形態について説明する。センサ4は、センサ2の増幅トランジスタSF2の後段に、増幅器AMP、クランプ容量Cclmp、及び複数のトランジスタ(TN1、TN2、TS1、TS2、GR、AGC)を含む点で、第2実施形態と異なる。トランジスタAGCは、増幅器AMPの出力と出力端子outとの間に配されたスイッチである。トランジスタAGCは、例えば、制御信号cnt_agcがHi状態になることにより導通状態になりうる。その他については、第3実施形態と同様であるため説明を省く。
【0029】
図10は、センサ部20にセンサ4を用いた場合における半導体装置10の本実施形態にかかる制御タイミングチャートである。ここで、図1には、cnt_res及びcnt_txの制御信号が図示しているが、図9に示す他の制御信号(cnt_tx、cnt_sw等)についても信号制御部120から出力されうる。
【0030】
時刻t1〜t8においては、第1モードとして動作するセンサ部20における検知用の信号処理が開始され、一方で、第2モードとして動作するセンサ部20における電荷の蓄積動作が開始される。まず、時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_res(2)、及びcnt_tx(2)は、それぞれHi状態になり、第1モードと第2モードのいずれのセンサ部20についてもリセット処理が開始される。また、この時刻t1においては、cnt_sw(1)、及びcnt_sw(2)もHi状態になり、容量Cmが初期化されうる。また、さらに、この時刻t1においては、cnt_tn1(1)、cnt_tn2(1)、cnt_gr(1)、cnt_tn1(2)、cnt_tn2(2)、及びcnt_gr(2)もHi状態になる。これにより、基準電圧Vgrに対する容量Cmの初期レベルがクランプ容量Cclmpに保持されうる。その後、時刻t2〜t5においては、第3実施形態の時刻t2〜t5と同様の動作が行われうる。時刻t6において、cnt_ts2(1)及びcnt_agc(1)はHi状態になる。これにより、第1モードとして動作するセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号が出力端子out(1)より出力されうる。このとき、クランプ容量Cclmpにおいては、増幅トランジスタSFにより増幅された信号と前述のノイズレベルとの差分が読み出されることによりノイズが除去されうる。その後、out(1)は、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷量に応じて、時間の経過とともに上昇する。ある時刻において、検知部110は、out(1)が所定値に達したことを検知する。この時刻を時刻t7とする。時刻t8において、時刻t7でなされた検知に応じて、cnt_sw(1)はLow状態になる。これにより、第1モードとして動作するセンサ部20のトランジスタSWを非導通状態にして信号の転送を終了し、容量Cmに保持された信号が確定される。また、時刻t8においては、cnt_agc(1)もLow状態にされ得、トランジスタAGCを非導通状態にして容量Cmに保持された信号の出力を中止しうる。
【0031】
時刻t9〜t17おいては、第1モードとして動作するセンサ部20の容量Cmに保持された信号の確定がされた後、第2モードとして動作するセンサ部20における電荷の蓄積動作の制御処理が開始されうる。まず、時刻t9〜t14にわたって、第2モードとして動作するセンサ部20においては、時刻t1〜t6と同様の動作(cnt_tx(2)を除く。)が行われうる。その後、時刻t15において、cnt_tx(2)はHi状態になる。これにより、このセンサ部20の転送トランジスタTXは導通状態になり、このセンサ部20において蓄積された電荷に応じた信号の容量Cmへの転送が開始されうる。時刻t16においてcnt_tx(2)をLow状態にし、このセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態する。時刻t17においてcnt_sw(2)をLow状態にし、このセンサ部20のスイッチトランジスタSWを非導通状態する。これにより、容量Cmに保持された信号を確定する。
【0032】
このとき、時刻t9〜t17においては、第1モードとして動作するセンサ部20のトランジスタSWは既に非導通状態であり、容量Cmに保持された信号が確定している。したがって、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号へのノイズの混入を防ぐことが可能となる。また、本実施形態においては、時刻t4〜t9にわたって、cnt_sw(2)はLow状態になってもよい。また、例えば、時刻t8においては、cnt_tx(1)はLow状態になってもよい。また、時刻t16〜t17については、cnt_tx(2)及びcnt_sw(2)をLow状態にする順番は逆でもよい。
【0033】
以上の4つの実施形態を述べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、目的、状態、用途、機能、およびその他の仕様の変更が適宜可能であり、他の実施形態によっても実施されうることは言うまでもない。センサ部は、例えば、CMOSイメージセンサとして構成され、その他の如何なるセンサでもよい。また、上記の各機能ブロックの動作制御は、コンピュータ上で稼動しているOS等が、コントローラと共に、または、コントローラに代わって、その一部または全部を行ってもよい。
【0034】
図11に例示するシステムブロック図は、半導体装置10を焦点検出装置に適用した場合のカメラの合焦システムである。図11に示すシステムは、光学系200、焦点検出装置210、及びCPU230を含みうる。光学系200は、固定レンズ、焦点を合わせるための可動式レンズ、ミラー、及び位相差検出のためのセパレータレンズを含みうる。焦点検出装置210は、半導体装置10及び演算部220を含みうる。また、演算部220は、半導体装置10から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器221、及びこのデジタル信号を処理する信号処理部222を含みうる。演算部220においてデフォーカス量が算出され、この結果にしたがって、例えば、CPU230からの指示により光学系200が制御され、カメラの焦点は合わせられる。また、CPU230は、引き続き半導体装置10を制御しうる。
【0035】
以上の内容は、カメラに含まれる焦点検出用の半導体装置について述べたが、カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末)も含まれる。カメラは、上記の実施形態として例示された本発明に係る半導体装置を含む焦点検出装置、固体撮像装置と、この固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部と、を含みうる。この処理部は、例えば、A/D変換器、および、このA/D変換器から出力されるデジタルデータを処理するプロセッサを含みうる。焦点検出処理はこの処理部によってなされてもよいし、焦点検出処理を実行する演算部が半導体装置に含まれてもよく、適宜変更が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
焦点検出用の半導体装置として、一対のセンサ部を有し、検知用として用いる一方のセンサ部の出力が所定値に達したことを検知して、信号用として用いる他方のセンサ部における焦点検出用の信号の処理を制御するものがある。具体的には、一対のセンサ部のそれぞれは光電変換部を含み、この半導体装置は、検知用のセンサ部の光電変換部において発生した電荷に応じた信号にしたがって、信号用のセンサ部の光電変換部において発生した電荷の蓄積動作を制御する。電荷の蓄積動作の制御は、例えば、電荷の蓄積時間の制御、または蓄積される電荷量の制御である。より具体的には、被写体の輝度が暗い場合は、電荷の蓄積時間を長くし、または蓄積される電荷量を多くする。また、被写体の輝度が明るい場合は、電荷の蓄積時間を短くし、または蓄積される電荷量を少なくする。このようにして、信号用のセンサ部の光電変換部における電荷の蓄積動作を制御することができる。
【0003】
その後、信号用のセンサ部において蓄積された電荷に応じた信号は、焦点検出のための情報として焦点検出処理を実行する演算部に出力されうる。実際には、センサ部のそれぞれは30〜80個程度がライン状またはアレイ状に配置された光電変換部を含みうる。この一対のセンサ部を2つ用意し、これらにより形成される2つの像を用いて位相差検出法による焦点検出が行われうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−150686号公報
【特許文献2】特開2001−305415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の一連の焦点検出とは別に、検知用のセンサ部において発生した電荷に応じた信号を焦点検出のための情報として利用し、別途、他の焦点検出を行う方法が考えられる。これにより、より精度の高い焦点検出がなされることが期待される。しかし、信号用のセンサ部の制御信号を切替えることによって、検知用のセンサ部の信号にノイズが混入する場合がある。例えば、信号配線間の配線容量カップリングにより、クロストークノイズが混入しうる。また、例えば、信号用のセンサ部において蓄積された電荷に応じた信号の処理が開始されることにより、ノイズが混入しうる。
【0006】
本発明の目的は、検知用のセンサ部において発生した電荷に応じた信号を焦点検出のための情報として利用するために有利な半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの側面は半導体装置にかかり、前記半導体装置は、光電変換部、信号保持部、および転送部を有し前記信号保持部が保持する信号に応じた信号を出力する一対のセンサ部を含み、検知部を備え、前記信号保持部は、前記光電変換部において発生した電荷に応じた信号を保持し、前記転送部は、導通状態においては前記光電変換部において発生した電荷に応じた信号を前記信号保持部に転送し、前記一対のセンサ部のうち一方は第1モードとして動作し、他方は第2モードとして動作し、前記検知部は、前記第1モードとして動作する前記センサ部において、導通状態の前記転送部により信号の転送が開始された後、当該センサ部から出力される信号が所定値に達したことを検知し、前記第1モードとして動作する前記センサ部は、前記検知にしたがって、前記転送部を非導通状態にして当該信号の転送を終了し、これにより前記信号保持部に保持された信号を確定し、前記第2モードとして動作する前記センサ部は、当該センサ部の前記転送部を非導通状態とすることによって、前記光電変換部において発生した電荷を蓄積し、前記第1モードとして動作する前記センサ部の前記信号保持部において前記信号の保持がされた後に、前記第2モードとして動作する前記センサ部の前記転送部を導通状態とすることによって、発生した電荷に応じた信号の転送を開始し、その後、前記転送部を非導通状態とすることによって当該信号の転送を終了し、これにより前記信号保持部に保持された信号を確定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検知用のセンサ部において発生した電荷に応じた信号を焦点検出のための情報として利用するために有利な半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の半導体装置の構成の一例を説明する図。
【図2】センサ部の第1の回路構成例を説明する図。
【図3】ノイズが混入しうる動作タイミングチャート。
【図4】第1実施形態の動作タイミングチャート。
【図5】センサ部の第2の回路構成例を説明する図。
【図6】第2実施形態の動作タイミングチャート。
【図7】センサ部の第3の回路構成例を説明する図。
【図8】第3実施形態の動作タイミングチャート。
【図9】センサ部の第4の回路構成例を説明する図。
【図10】第4実施形態の動作タイミングチャート。
【図11】本発明の半導体装置を適用したカメラの合焦システムを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1〜4を参照しながら、本発明の第1実施形態を説明する。図1に例示する半導体装置10は、焦点検出のために用いられる。半導体装置10は、制御系100と、互いに隣接して配置されうる一対のセンサ部20と、を含む。制御系100は、センサ部20のそれぞれの出力が所定値に達したことを検知する検知部110と、センサ部20のそれぞれに制御信号を出力する信号制御部120と、を含む。また、制御系100は、前述の機能ブロックのそれぞれと通信して動作の指示を出すコントローラ130をさらに含みうる。また、検知部110は、例えば、このコントローラ130からの指示により、一対のセンサ部20のうち一方を検知しうる。
【0011】
センサ部20は、図2に例示されるように、ライン状に配置された複数のセンサ1を含みうる。センサ1は、光電変換部としてフォトダイオードPD、及びフォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号を保持する信号保持部として容量Cmを含む。また、センサ1は、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号を容量Cmに転送する転送部として、転送トランジスタTXを含む。転送トランジスタTXは、例えば、制御信号cnt_txがHi状態になることによって導通状態になりうる。また、センサ1は、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号を増幅する増幅トランジスタSFをさらに含みうる。フォトダイオードPDにおいて受光した光のエネルギーにより発生した電荷は、導通状態の転送トランジスタTXを介して、増幅トランジスタSFのゲートに転送されうる。その後、増幅トランジスタSFにより増幅された信号は、容量Cmにより保持され、出力端子outより出力される。また、センサ1は、増幅トランジスタSFのゲートの電位を所定の電圧にリセットするリセットトランジスタRESを含みうる。リセットトランジスタRESは、例えば、制御信号cnt_resがHi状態になることによって導通状態になりうる。制御信号cnt_res及びcnt_txは、例えば、信号制御部120により出力されうる。
【0012】
制御系100は、互いに隣接する2つのセンサ部20の一方において発生した電荷量を検知することにより、他方のセンサ部20において発生した電荷の蓄積動作を制御する。具体的には、制御系100は、第1モードとして動作する一方のセンサ部20については、フォトダオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号が所定値に達したことを検知部110によって検知する。この検知部110は、例えば、このセンサ部20の出力を予め設定された基準電位と比較することにより検知しうる。一方で、制御系100は、第2モードとして動作する他方のセンサ部20については、フォトダオードPDにおいて発生した電荷を蓄積させる。この電荷の蓄積動作は、前述の検知部110による検知にしたがって、終了される。この電荷の蓄積動作の終了は、例えば、この検知の通知を受けたコントローラ130からの指示によって、信号制御部120を介してなされうる。このように、制御系100は、検知用として用いる第1モードとして動作するセンサ部20については、発生した電荷に応じた信号の出力を検知部110によって監視し所定値に達したことを検知する。一方で、制御系100は、信号用として用いる第2モードとして動作するセンサ部20については、発生した電荷を蓄積させ、前述の検知にしたがって電荷蓄積を終了させ、この蓄積された電荷に応じた信号を焦点検出において使用する。
【0013】
この一連の焦点検出とは別に、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた検知用の信号を、別途、他の焦点検出を行うために利用し、焦点検出の精度を向上させたい。そのためには、この検出用の信号に、図3に例示するようなノイズが混入することを防ぐ必要がある。図3は、半導体装置10の動作タイミングチャートの一例であり、第2モードとして動作するセンサ部20の制御信号を切り替えることにより、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号にノイズが混入する場合を示す。図3には、制御信号(cnt_res、cnt_tx)のそれぞれの状態、及びセンサ部20の出力outのタイミングチャートを表す。図中の上段には第1モードとして動作するセンサ部20についてのそれぞれの状態を示し、下段には第2モードとして動作するセンサ部20についてのそれぞれの状態を示す。図中の記号の括弧内の数字(1)は第1モードとして動作するセンサ部20ついてのそれぞれの状態を示し、(2)は第2モードとして動作するセンサ部20についてのそれぞれの状態を示す。以下、後述の実施形態においても同様である。
【0014】
時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_res(2)、及びcnt_tx(2)は、それぞれHi状態になる。これにより、第1モードと第2モードのいずれのセンサ部20についてもリセット処理が開始される。
【0015】
時刻t2において、リセット処理は終了し、cnt_res(1)及びcnt_res(2)は、それぞれLow状態になる。また、この時刻t2においては、cnt_tx(2)もLow状態になり、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXは非導通状態になる。これにより、このセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷の蓄積が開始される。一方で、cnt_tx(1)はHi状態のままであり、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXは導通状態である。このセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷は、この転送トランジスタTXを介し、増幅トランジスタSFのゲートに転送される。そして、この電荷量に応じた信号が増幅トランジスタSFによって増幅されて出力され、容量Cmに保持される。容量Cmに保持されるこの信号は、その後、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じて、時間の経過とともに上昇し、out(1)より出力される。
【0016】
ある時刻において、検知部110は、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号out(1)が所定値に達したことを検知する。この時刻を時刻t3とする。この検知は、例えば、検知部110がセンサ部20の出力と予め設定された基準電位(不図示)とを比較することによってなされうる。
【0017】
時刻t4において、時刻t3でなされた検知に応じて、cnt_tx(1)はLow状態になる。これは、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にして信号の転送を終了し、これにより容量Cmに保持された信号を確定するためである。また、この時刻t4においては、cnt_tx(2)はHi状態になる。これは、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを導通状態にし、このセンサ部のフォトダイオードPDにおいて発生し蓄積された電荷に応じた信号の容量Cmへの転送を開始するためである。
【0018】
しかしながら、この時刻t4において、cnt_tx(2)がHi状態に切り替わることにより、out(1)にノイズが混入しうる。例えば、out(1)が接続された配線とcnt_tx(2)の制御信号配線の間の配線間容量によるクロストークノイズが混入しうる。また、例えば、第2モードとして動作するセンサ部20において、信号の転送が開始されることによる熱雑音のノイズが混入しうる。これにより、容量Cmに保持された信号(容量Cmに充電されている電荷量)が変動しうる。このとき、例えば、配線遅延などにより、このノイズの影響を受けてcnt_tx(1)がLow状態になると、容量Cmに充電されている電荷量が変動した状態のまま、転送トランジスタTXは非導通状態になる。転送トランジスタTXが非導通状態になると、容量Cmに充電された電荷量は不変となり、即ち、容量Cmに保持された信号が確定される。したがって、容量Cmに保持された信号は、ノイズにより崩された状態で確定され得、out(1)は、本来の信号(図3の破線)から外れた信号(図3の実線)となりうる。
【0019】
そこで、本実施形態では、第1モードとして動作するセンサ部20の容量Cmに保持された信号を確定した後に、第2モードとして動作するセンサ部20の制御信号を切り替える。図4は、センサ部20にセンサ1を用いた場合における半導体装置10の本実施形態にかかる制御タイミングチャートである。時刻t1〜t3については、図3と同様であるため説明を省略する。時刻t4においては、cnt_tx(1)をLow状態にし、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にし、容量Cmに保持された信号を確定する。次に、時刻t5において、cnt_tx(2)をHi状態にし、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを導通状態にする。これによって、このセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生し蓄積された電荷に応じた信号の、容量Cmへの転送が開始される。また、この時刻t5において、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXが既に非導通状態であり、容量Cmに保持された信号が確定しているため、out(1)はノイズによる影響を受けない。その後、時刻t6において、cnt_tx(2)をLow状態にし、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にし、容量Cmに保持された信号を確定する。以上の動作によって、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号へのノイズの混入を防ぐことが可能となる。
【0020】
<第2実施形態>
以下では、図5に示すような回路構成のセンサ2を、半導体装置10に含まれるセンサ部20に用いた第2実施形態について説明する。センサ2は、センサ1の増幅トランジスタSFと容量Cmの間にスイッチトランジスタSW、及び容量Cmの後段に増幅トランジスタSF2を含む点で、第1実施形態と異なる。スイッチトランジスタSWは、増幅トランジスタSFの動作により発生する熱雑音のノイズの容量Cmへの混入を防ぎうる。また、スイッチトランジスタSWは、例えば、制御信号cnt_swがHi状態になることにより導通状態になりうる。増幅トランジスタSF2は、容量Cmと出力端子outの間に配され、前述の配線間容量によるクロストークノイズの容量Cmへの混入を防ぎうる。しかし、この回路構成においても、これらのノイズの容量Cmへの混入を完全に免れることは容易ではない。
【0021】
図6は、センサ部20にセンサ2を用いた場合における半導体装置10の本実施形態にかかる制御タイミングチャートである。ここで、図1には、cnt_res及びcnt_txの制御信号のみ図示しているが、図5に示す他の制御信号(cnt_sw)についても、信号制御部120から適宜制御されうる。
【0022】
時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_sw(1)、cnt_res(2)、cnt_tx(2)、及びcnt_sw(2)は、それぞれHi状態になる。時刻t2において、cnt_res(1)及びcnt_res(2)は、それぞれLow状態になる。また、この時刻t2においては、cnt_tx(2)及びcnt_sw(2)もLow状態になる。一方で、cnt_tx(1)及びcnt_sw(1)はHi状態のままである。ある時刻において、検知部110は、out(1)が所定値に達したことを検知する。この時刻を時刻t3とする。時刻t4においては、cnt_sw(1)をLow状態にし、第1モードとして動作するセンサ部20のスイッチトランジスタSWを非導通状態にする。時刻t5において、cnt_tx(2)及びcnt_sw(2)をHi状態にし、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTX及びスイッチトランジスタSWを導通状態にする。時刻t6においてcnt_tx(2)をLow状態にし、このセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にする。時刻t7においてcnt_sw(2)をLow状態にし、このセンサ部20のスイッチトランジスタSWを非導通状態にする。以上、この一連の動作によって、第1実施形態と同様の動作が行われ、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号へのノイズの混入を防ぐことが可能となる。また、時刻t6〜t7については、cnt_tx(2)及びcnt_sw(2)をLow状態にする順番は逆でもよい。
【0023】
<第3実施形態>
以下では、図7に示すような回路構成のセンサ3を、半導体装置10に含まれるセンサ部20に用いた第3実施形態について説明する。センサ3は、センサ1の容量Cmの後段に、増幅器AMP、クランプ容量Cclmp、及び複数のトランジスタ(TN1、TN2、TS1、TS2、GR)を含む点で、第1実施形態と異なる。クランプ容量Cclmpは、増幅トランジスタSFのゲートがリセット(後述)されたときの増幅トランジスタSFの出力をノイズレベルとしてクランプしうる。トランジスタTN1、TN2は、クランプ容量Cclmpを充電するためのスイッチである。トランジスタTS1、TS2は、容量Cmに保持された信号を増幅器AMPに入力するためのスイッチである。トランジスタGRは、増幅器AMPとクランプ容量Cclmpの間の経路を、基準電圧Vgrと電気的に接続するためのスイッチである。これらのトランジスタのそれぞれは、例えば、制御信号cnt_tn1、cnt_tn2、cnt_ts1、cnt_ts2、cnt_grがHi状態になることにより導通状態になりうる。
【0024】
図8は、センサ部20にセンサ3を用いた場合における半導体装置10の本実施形態にかかる制御タイミングチャートである。ここで、図1には、cnt_res及びcnt_txの制御信号のみ図示しているが、図7に示す他の制御信号(cnt_tn1、cnt_tn2、cnt_ts1、cnt_ts2、及びcnt_gr)についても信号制御部120から出力されうる。
【0025】
時刻t1〜t8においては、第1モードとして動作するセンサ部20における検知用の信号処理が開始され、一方で、第2モードとして動作するセンサ部20における電荷の蓄積動作が開始される。まず、時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_res(2)、及びcnt_tx(2)は、それぞれHi状態になり、第1モードと第2モードのいずれのセンサ部20についてもリセット処理が開始される。また、この時刻t1においては、cnt_tn1(1)、cnt_tn2(1)、cnt_gr(1)、cnt_tn1(2)、cnt_tn2(2)、及びcnt_gr(2)もHi状態になる。これにより、基準電圧Vgrに対する容量Cmの初期レベルがクランプ容量Cclmpに保持されうる。時刻t2において、リセット処理は終了し、cnt_res(1)及びcnt_res(2)は、それぞれLow状態になる。また、この時刻t2においては、cnt_tx(2)もLow状態になり、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXは非導通状態になる。これにより、このセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷の蓄積が開始される。時刻t3において、cnt_tn1(1)、cnt_tn2(1)、cnt_tn1(2)、及びcnt_tn2(2)はLow状態になる。これにより、クランプ容量Cclmpにおいては、このときの増幅トランジスタSFの出力がノイズレベルとしてクランプされうる。時刻t4において、cnt_ts1(1)及びcnt_ts1(2)をHi状態にすることで、増幅器AMPにおける入力レベルを基準電圧Vgrにする。その後、時刻t5において、cnt_gr(1)及びcnt_gr(2)をLow状態にし、増幅器AMPの入力と基準電圧Vgrとの電気的な接続は遮断される。その後、増幅器AMPにおける入力レベルは基準電圧Vgrに維持される。時刻t6において、cnt_ts2(1)はHi状態になる。これにより、第1モードとして動作するセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号が出力端子out(1)より出力されうる。このとき、クランプ容量Cclmpにおいては、増幅トランジスタSFにより増幅された信号と前述のノイズレベルとの差分が読み出されることによりノイズが除去されうる。その後、out(1)は、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷量に応じて、時間の経過とともに上昇する。ある時刻において、検知部110は、out(1)が所定値に達したことを検知する。この時刻を時刻t7とする。時刻t8において、時刻t7でなされた検知に応じて、cnt_tx(1)はLow状態になる。これにより、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にして信号の転送を終了し、容量Cmに保持された信号が確定される。
【0026】
時刻t9〜t16おいては、第1モードとして動作するセンサ部20の容量Cmに保持された信号が確定した後、第2モードとして動作するセンサ部20における電荷の蓄積動作の制御処理が開始されうる。まず、時刻t9〜t14にわたって、第2モードとして動作するセンサ部20においては、時刻t1〜t6と同様の動作(cnt_tx(2)を除く。)が行われうる。その後、時刻t15において、cnt_tx(2)はHi状態になる。これにより、このセンサ部20の転送トランジスタTXは導通状態になり、このセンサ部20において蓄積された電荷に応じた信号の容量Cmへの転送が開始されうる。時刻t16において、cnt_tx(2)はLow状態になる。これにより、第2モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態にし、容量Cmに保持された信号を確定する。
【0027】
このとき、時刻t9〜t16においては、第1モードとして動作するセンサ部20の転送トランジスタTXは既に非導通状態であり、容量Cmに保持された信号が確定している。したがって、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号へのノイズの混入を防ぐことが可能となる。
【0028】
<第4実施形態>
以下では、図9に示すような回路構成のセンサ4を、半導体装置10に含まれるセンサ部20に用いた第4実施形態について説明する。センサ4は、センサ2の増幅トランジスタSF2の後段に、増幅器AMP、クランプ容量Cclmp、及び複数のトランジスタ(TN1、TN2、TS1、TS2、GR、AGC)を含む点で、第2実施形態と異なる。トランジスタAGCは、増幅器AMPの出力と出力端子outとの間に配されたスイッチである。トランジスタAGCは、例えば、制御信号cnt_agcがHi状態になることにより導通状態になりうる。その他については、第3実施形態と同様であるため説明を省く。
【0029】
図10は、センサ部20にセンサ4を用いた場合における半導体装置10の本実施形態にかかる制御タイミングチャートである。ここで、図1には、cnt_res及びcnt_txの制御信号が図示しているが、図9に示す他の制御信号(cnt_tx、cnt_sw等)についても信号制御部120から出力されうる。
【0030】
時刻t1〜t8においては、第1モードとして動作するセンサ部20における検知用の信号処理が開始され、一方で、第2モードとして動作するセンサ部20における電荷の蓄積動作が開始される。まず、時刻t1において、cnt_res(1)、cnt_tx(1)、cnt_res(2)、及びcnt_tx(2)は、それぞれHi状態になり、第1モードと第2モードのいずれのセンサ部20についてもリセット処理が開始される。また、この時刻t1においては、cnt_sw(1)、及びcnt_sw(2)もHi状態になり、容量Cmが初期化されうる。また、さらに、この時刻t1においては、cnt_tn1(1)、cnt_tn2(1)、cnt_gr(1)、cnt_tn1(2)、cnt_tn2(2)、及びcnt_gr(2)もHi状態になる。これにより、基準電圧Vgrに対する容量Cmの初期レベルがクランプ容量Cclmpに保持されうる。その後、時刻t2〜t5においては、第3実施形態の時刻t2〜t5と同様の動作が行われうる。時刻t6において、cnt_ts2(1)及びcnt_agc(1)はHi状態になる。これにより、第1モードとして動作するセンサ部20のフォトダイオードPDにおいて発生した電荷に応じた信号が出力端子out(1)より出力されうる。このとき、クランプ容量Cclmpにおいては、増幅トランジスタSFにより増幅された信号と前述のノイズレベルとの差分が読み出されることによりノイズが除去されうる。その後、out(1)は、フォトダイオードPDにおいて発生した電荷量に応じて、時間の経過とともに上昇する。ある時刻において、検知部110は、out(1)が所定値に達したことを検知する。この時刻を時刻t7とする。時刻t8において、時刻t7でなされた検知に応じて、cnt_sw(1)はLow状態になる。これにより、第1モードとして動作するセンサ部20のトランジスタSWを非導通状態にして信号の転送を終了し、容量Cmに保持された信号が確定される。また、時刻t8においては、cnt_agc(1)もLow状態にされ得、トランジスタAGCを非導通状態にして容量Cmに保持された信号の出力を中止しうる。
【0031】
時刻t9〜t17おいては、第1モードとして動作するセンサ部20の容量Cmに保持された信号の確定がされた後、第2モードとして動作するセンサ部20における電荷の蓄積動作の制御処理が開始されうる。まず、時刻t9〜t14にわたって、第2モードとして動作するセンサ部20においては、時刻t1〜t6と同様の動作(cnt_tx(2)を除く。)が行われうる。その後、時刻t15において、cnt_tx(2)はHi状態になる。これにより、このセンサ部20の転送トランジスタTXは導通状態になり、このセンサ部20において蓄積された電荷に応じた信号の容量Cmへの転送が開始されうる。時刻t16においてcnt_tx(2)をLow状態にし、このセンサ部20の転送トランジスタTXを非導通状態する。時刻t17においてcnt_sw(2)をLow状態にし、このセンサ部20のスイッチトランジスタSWを非導通状態する。これにより、容量Cmに保持された信号を確定する。
【0032】
このとき、時刻t9〜t17においては、第1モードとして動作するセンサ部20のトランジスタSWは既に非導通状態であり、容量Cmに保持された信号が確定している。したがって、第1モードとして動作するセンサ部20において発生した電荷に応じた信号へのノイズの混入を防ぐことが可能となる。また、本実施形態においては、時刻t4〜t9にわたって、cnt_sw(2)はLow状態になってもよい。また、例えば、時刻t8においては、cnt_tx(1)はLow状態になってもよい。また、時刻t16〜t17については、cnt_tx(2)及びcnt_sw(2)をLow状態にする順番は逆でもよい。
【0033】
以上の4つの実施形態を述べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、目的、状態、用途、機能、およびその他の仕様の変更が適宜可能であり、他の実施形態によっても実施されうることは言うまでもない。センサ部は、例えば、CMOSイメージセンサとして構成され、その他の如何なるセンサでもよい。また、上記の各機能ブロックの動作制御は、コンピュータ上で稼動しているOS等が、コントローラと共に、または、コントローラに代わって、その一部または全部を行ってもよい。
【0034】
図11に例示するシステムブロック図は、半導体装置10を焦点検出装置に適用した場合のカメラの合焦システムである。図11に示すシステムは、光学系200、焦点検出装置210、及びCPU230を含みうる。光学系200は、固定レンズ、焦点を合わせるための可動式レンズ、ミラー、及び位相差検出のためのセパレータレンズを含みうる。焦点検出装置210は、半導体装置10及び演算部220を含みうる。また、演算部220は、半導体装置10から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器221、及びこのデジタル信号を処理する信号処理部222を含みうる。演算部220においてデフォーカス量が算出され、この結果にしたがって、例えば、CPU230からの指示により光学系200が制御され、カメラの焦点は合わせられる。また、CPU230は、引き続き半導体装置10を制御しうる。
【0035】
以上の内容は、カメラに含まれる焦点検出用の半導体装置について述べたが、カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末)も含まれる。カメラは、上記の実施形態として例示された本発明に係る半導体装置を含む焦点検出装置、固体撮像装置と、この固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部と、を含みうる。この処理部は、例えば、A/D変換器、および、このA/D変換器から出力されるデジタルデータを処理するプロセッサを含みうる。焦点検出処理はこの処理部によってなされてもよいし、焦点検出処理を実行する演算部が半導体装置に含まれてもよく、適宜変更が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換部、信号保持部、および転送部を有し前記信号保持部が保持する信号に応じた信号を出力する一対のセンサ部を含む半導体装置であって、
検知部を備え、
前記信号保持部は、前記光電変換部において発生した電荷に応じた信号を保持し、
前記転送部は、導通状態においては前記光電変換部において発生した電荷に応じた信号を前記信号保持部に転送し、
前記一対のセンサ部のうち一方は第1モードとして動作し、他方は第2モードとして動作し、
前記検知部は、前記第1モードとして動作する前記センサ部において、導通状態の前記転送部により信号の転送が開始された後、当該センサ部から出力される信号が所定値に達したことを検知し、
前記第1モードとして動作する前記センサ部は、前記検知にしたがって、前記転送部を非導通状態にして当該信号の転送を終了し、これにより前記信号保持部に保持された信号を確定し、
前記第2モードとして動作する前記センサ部は、当該センサ部の前記転送部を非導通状態とすることによって、前記光電変換部において発生した電荷を蓄積し、前記第1モードとして動作する前記センサ部の前記信号保持部において前記信号の保持がされた後に、前記第2モードとして動作する前記センサ部の前記転送部を導通状態とすることによって、発生した電荷に応じた信号の転送を開始し、その後、前記転送部を非導通状態とすることによって当該信号の転送を終了し、これにより前記信号保持部に保持された信号を確定する、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置と、
前記半導体装置から出力される信号に基づいて焦点検出処理を実行する演算部と、
を備えることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の焦点検出装置と、
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項1】
光電変換部、信号保持部、および転送部を有し前記信号保持部が保持する信号に応じた信号を出力する一対のセンサ部を含む半導体装置であって、
検知部を備え、
前記信号保持部は、前記光電変換部において発生した電荷に応じた信号を保持し、
前記転送部は、導通状態においては前記光電変換部において発生した電荷に応じた信号を前記信号保持部に転送し、
前記一対のセンサ部のうち一方は第1モードとして動作し、他方は第2モードとして動作し、
前記検知部は、前記第1モードとして動作する前記センサ部において、導通状態の前記転送部により信号の転送が開始された後、当該センサ部から出力される信号が所定値に達したことを検知し、
前記第1モードとして動作する前記センサ部は、前記検知にしたがって、前記転送部を非導通状態にして当該信号の転送を終了し、これにより前記信号保持部に保持された信号を確定し、
前記第2モードとして動作する前記センサ部は、当該センサ部の前記転送部を非導通状態とすることによって、前記光電変換部において発生した電荷を蓄積し、前記第1モードとして動作する前記センサ部の前記信号保持部において前記信号の保持がされた後に、前記第2モードとして動作する前記センサ部の前記転送部を導通状態とすることによって、発生した電荷に応じた信号の転送を開始し、その後、前記転送部を非導通状態とすることによって当該信号の転送を終了し、これにより前記信号保持部に保持された信号を確定する、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置と、
前記半導体装置から出力される信号に基づいて焦点検出処理を実行する演算部と、
を備えることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の焦点検出装置と、
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−58938(P2013−58938A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196499(P2011−196499)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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