説明

半溶融押出成形装置及び方法

本発明は、半溶融押出成形装置及び方法に関し、解決しようとする技術的課題は、低い押出圧力で成形でき、装置の寿命及び製品の強度を向上させ、製造工程中の発火現象を抑制し、保護ガスの使用量を減少させ、また溶接線の形成を抑制することにある。そのために、本発明は、10から30重量%部の半溶融ビレットが格納されるように第1の貫通孔が形成され、第1の貫通孔の外部には半溶融ビレットが等温維持されるようにヒータが設けられたコンテナと、コンテナの前方から第1の貫通孔に挿入されて、半溶融ビレットを後方に加圧するステムと、コンテナの後方に結合され、円周方向の熱変形を防止するために多数の冷却材流出入孔が形成されたダイリングと、ダイリングの内部でコンテナの第1の貫通孔と連通されるとともに相対的に小さい直径を有し、半溶融ビレットを押出する第2の貫通孔が形成され、温度測定のための多数の熱電対挿入孔が形成されたダイ本体と、ダイリングの内部でダイ本体の後方に結合され、押出される半溶融ビレットを固相押出材に相変化させるように、多数の冷却材流出入孔が形成されたダイ本体支持台と、ダイ本体支持台と密着するとともに、ダイリングの後方に結合されたダイ平衡支持台と、ダイ平衡支持台に結合されて、固相押出材を冷却する冷却部と、を含む半溶融押出成形装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半溶融押出成形装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車、航空機、高速電鉄など輸送産業分野において、燃料の節約及び環境汚染の問題などから軽量化の重要性が大きくなっている。このような輸送機械の軽量化のために、主にアルミニウムまたはマグネシウム素材がその材料として広く利用されている。
【0003】
アルミニウムまたはマグネシウム素材を利用した部品は、主に熱間押出(hot extrusion)方法によって製造される。この熱間押出方法は、一回の変形で高い精密度及び複雑な形状の製品を製造することができるので、生産原価の側面で非常に有利である。
【0004】
しかし、A2XXX、A7XXXで代表される高力、難加工性アルミニウム合金及びMg‐Al‐Zn系またはZrを添加した高強度ZK60及び銅を含有するZC63合金の場合、他のアルミニウム合金またはマグネシウム合金に比べて比強度及び比剛性が優れているが、著しい押出性の低下によって、その生産性が1/5〜1/6程度の水準であり、高い初期押出圧力によって押出成形装置の寿命が大きく低下する問題がある。さらに、このような従来の熱間押出方法は、成形された金属の組織が所定方向に延伸(elongation)され、異方性(anisotropy)を示して、強度が低下する問題もある。
【0005】
一方、アルミニウムまたはマグネシウム合金の製造方法として、ダイカスト(die−casting)の外に半溶融押出成形方法が知られている。このような半溶融押出成形方法は、液相と固相が共存する領域で金属材料を押出成形することで、既存の鋳造と鍛造工程の利点を取ることができる新規な相変換成形工程である。
【0006】
しかし、このような半溶融押出成形方法は、押出成形工程中、半溶融金属が発火する問題がある。したがって、このような発火を抑えるために保護ガスを使用するが、このような保護ガスは、人体に有害で、鉄製装備を腐食させるか、または地球温暖化を誘発する二次的問題を引き起こす。
さらに、このような押出成形装置を通じて、金属棒だけでなく金属チューブも製造されることができる。金属チューブの製造方法としては、固体状態の金属を高圧で押出して製造するか、またはポートホールダイを持つ押出成形装置で製造する方法がある。しかし、高圧押出方法は原材料の損失が大きいし、ポートホールダイを用いる押出方法は溶接線(welding seam)が形成される問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来の問題点を解消するためのものであって、本発明の目的は、低い押出圧力で金属を成形できることで、生産性を向上させ且つ装置の寿命を高めることができる半溶融押出成形装置及び方法を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、押出成形中、金属製品の延伸(elongation)及び異方性(anisotropy)現象を抑えて、金属の強度を向上させることができる半溶融押出成形装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、押出成形の際に発火せず、保護ガスの使用量を減少させることができる半溶融押出成形装置及び方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、溶接線の形成を抑えて、耐圧及び拡管による破壊を防止することができる半溶融押出成形装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明による半溶融押出成形装置は、10から30重量%部の半溶融ビレットが格納されるように第1の貫通孔が形成され、第1の貫通孔の外部には半溶融ビレットが等温維持されるようにヒータが設けられたコンテナと、コンテナの前方から第1の貫通孔に挿入されて、半溶融ビレットを後方に加圧するステムと、コンテナの後方に結合され、円周方向の熱変形を防止するために多数の冷却材流出入孔が形成されたダイリングと、ダイリングの内部でコンテナの第1の貫通孔と連通されるとともに相対的に小さい直径を有し、半溶融ビレットを押出する第2の貫通孔が形成され、温度測定のための多数の熱電対挿入孔が形成されたダイ本体と、ダイリングの内部でダイ本体の後方に結合され、押出される半溶融ビレットを固相押出材に相変化させるように、多数の冷却材流出入孔が形成されたダイ本体支持台と、ダイ本体支持台と密着するとともに、ダイリングの後方に結合されたダイ平衡支持台と、ダイ平衡支持台に結合されて、固相押出材を冷却する冷却部と、を含む。
【0011】
熱電対挿入孔は、ダイ本体の温度を測定する第1の熱電対挿入孔と、半溶融ビレットの温度を測定する第2の熱電対挿入孔と、を含んでよい。
半溶融ビレットは、アルミニウム合金またはマグネシウム合金から選択された何れか一つであってよい。
【0012】
半溶融ビレットは、添加剤が添加されたマグネシウム合金であってよい。
添加剤は、アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属化合物から選択された少なくとも何れか一つであってよい。
【0013】
添加剤は、マグネシウム合金100重量%部に対して0.0001から30重量%部が添加されてよい。
コンテナに設けられたヒータによって、半溶融ビレットは590から650℃の温度に維持されることができる。
【0014】
上述の目的を達成するために、本発明による半溶融押出成形装置は、10から30重量%部の半溶融ビレットが格納されるコンテナと、コンテナから半溶融ビレットを多数本に分割押出する多数の押出孔、押出孔を通過した半溶融ビレットを収容するチャンバに連通されたベアリング、及びベアリングの中心軸に位置するメンドロルを有する押出ダイと、コンテナに格納された半溶融ビレットを等温維持するためのヒータと、ヒータによって加熱されたコンテナの内部側の半溶融ビレットの温度を感知する温度センサと、温度センサによって感知された温度値を設定値と比べて、ヒータのオン/オフ動作を制御する制御部と、を含む。
【0015】
半溶融ビレットは、アルミニウム合金またはマグネシウム合金から選択された何れか一つであってよい。
半溶融ビレットは、添加剤が添加されたマグネシウム合金であってよい。
【0016】
添加剤は、アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属化合物から選択された少なくとも何れか一つであってよい。
【0017】
添加剤は、マグネシウム合金100重量%部に対して0.0001から30重量%部が添加されてよい。
コンテナに設けられたヒータによって、半溶融ビレットは590〜650℃の温度に維持されることができる。
【0018】
上述の目的を達成するために、本発明による半溶融押出成形方法は、10から30重量%部の半溶融ビレットを半溶融押出成形装置のコンテナ内に半溶融状態に等温維持するステップと、半溶融ビレットを押出成形するダイ本体の温度を等温維持するステップと、半溶融ビレットをダイ本体内で加圧押出して、固相押出材を成形するステップと、押出成形される固相押出材を冷却するステップと、を含む。
【0019】
半溶融ビレットは、アルミニウム合金またはマグネシウム合金から選択された何れか一つであってよい。
半溶融ビレットは、添加剤が添加されたマグネシウム合金であってよい。
【0020】
添加剤は、アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属化合物から選択された少なくとも何れか一つであってよい。
【0021】
添加剤は、マグネシウム合金100重量%部に対して0.0001から30重量%部が添加されてよい。
コンテナに設けられたヒータによって、半溶融ビレットは590から650℃の温度に維持されることができる。
【0022】
上述の目的を達成するために、本発明による半溶融押出成形方法は、半溶融ビレットを格納するコンテナと、コンテナで圧入される半溶融ビレットを多数本に分割押出する多数の押出孔と、押出孔を通過した半溶融ビレットを収容するチャンバに連通されたベアリングと、ベアリングの中心軸に位置したメンドレルを有する押出ダイとを含んで押出を行う押出成形方法であって、コンテナに格納された半溶融ビレットをヒータによって半溶融状態に加熱維持するステップと、ヒータによって加熱されたコンテナの内部側の半溶融ビレットの温度を温度センサによって感知するステップと、温度センサによって感知された測定温度と設定温度とを比べて、ヒータのオン/オフ動作を制御部によって制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明は、固液共存領域で半溶融ビレット(billet:半製品)を等温維持した後、押出成形することで、低い圧力で固相押出材(棒形状またはチューブ形状)を形成することができる。
【0024】
また、本発明は、初期押出圧力を大きく減少させることで、押出成形装置の寿命を向上させることができる。
また、本発明は、押出方向に結晶質の延伸及び軸対称現象が発生しないことで、押出材の機械的強度を向上させることができる。
【0025】
また、本発明は、金属合金に少量の添加剤を添加することで、押出成形工程中に発火現象を抑え、保護ガスの使用量を減少させることができる。
また、本発明は、多数の押出孔を通過した半溶融金属がベアリングとマンドレルを通過しながら継ぎ目なく融合されるようにすることで、押出材チューブの拡管または耐圧試験の際に破壊が発生しないようにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明で使用された金属は、A7003アルミニウム合金、A7075アルミニウム合金及びその等価物から選択された何れか一つであってもよい。しかし、これで金属の材質を限定するものではない。
【0027】
A7003アルミニウム合金は、マグネシウム(Mg)及び亜鉛(Zn)を主材料にし、これに銅(Cu)0.2重量%、ケイ素(Si)0.3重量%、鉄(Fe)0.35重量%、マンガン(Mn)0.3重量%及びその他の微量の不純物が含まれたものであって、高強度を要求する自動車用ホイールの製造に広く用いられる合金である。
【0028】
A7075アルミニウム合金は、マグネシウム(Mg)及び亜鉛(Zn)を主材料にし、これに銅(Cu)2.0重量%、ケイ素(Si)0.4重量%、鉄(Fe)0.5重量%、マンガン(Mn)0.3重量%及びその他の微量の不純物が含まれたものであって、高強度を要求する航空機用構造材などに広く用いられる合金である。
【0029】
A7003アルミニウム合金及びA7075アルミニウム合金は、本発明の一例に過ぎず、本発明はA7003アルミニウム合金及びA7075アルミニウム合金だけでなく、全てのアルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金及びセラミック系の各種複合材料及びリサイクルされた低品位材料などにも適用される。
【0030】
一例として、本発明には、AZ91D、AM20、AM30、AM50、AM60、AZ31、Mg‐Al、Mg‐Al‐Re、Mg‐Al‐Sn、Mg‐Zn‐Sn、Mg‐Si、SiCp/MgまたはMg‐Zn‐Yのようなマグネシウム合金または純粋マグネシウムを用いることができる。
【0031】
さらに、マグネシウム合金には、発火温度を高め酸化を防止するために少量の添加剤がさらに添加されてよい。添加剤としては、アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属化合物及びその等価物と、これらの混合物が可能である。
【0032】
アルカリ金属酸化物は、酸化ナトリウム、酸化カリウム及びその等価物から選択された少なくとも何れか一つであってよい。アルカリ土類金属酸化物は、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム及びその等価物から選択された少なくとも何れか一つであってよい。アルカリ土類金属化合物は、カルシウムカーバイド(CaC2)、カルシウムシアナミド(CaCN2)、カルシウムカーボネート(CaCO3)、カルシウム硫酸塩半水化物(CaSO4)及びその等価物から選択された少なくとも何れか一つであってよい。しかし、このような種類で添加剤を限定するものではない。すなわち、添加剤としては、マグネシウム合金の発火温度を高め、酸化力を減少させ、また保護ガスの必要量を減少させることができるものであれば何れでも用いることができる。
【0033】
添加剤は、マグネシウム合金100重量%部に対して0.0001〜30重量%部が添加されてよい。添加剤が0.0001重量%部未満である場合は、添加剤による効果(発火温度の増加、酸化の減少及び保護ガスの減少)が小さい。また、添加剤が30重量%部を超えると、本来のマグネシウムまたはマグネシウム合金の特性が現れない。
【0034】
また、添加剤の粒径は1〜500umであってよい。添加剤の粒径が1um未満であるものは、実質的に製造が困難であり、その費用が高い。また、添加剤の粒径が500umを超える場合は、添加剤がマグネシウム溶湯に混合され難い。
さらに、本発明では、10〜30重量%部の半溶融ビレットを押出成形装置に投入する。ここで、半溶融ビレットが10重量%部未満であれば、相対的に大きい圧力を提供する必要があるため、押出成形装置の寿命が著しく低下する問題がある。すなわち、熱間押出に対する半溶融押出の利点が無くなる。また、半溶融ビレットが30重量%部を超えると、殆ど液相に近くなるため、半溶融ビレットを押出成形装置に投入し難い問題がある。すなわち、本発明で上述したように10〜30重量%部の半溶融ビレットを提供する場合、低い圧力で押出材を形成できるだけでなく取り扱いも容易である。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による半溶融押出成形装置を概略的に示す側面図である。図2は、本発明による半溶融押出成形装置のコンテナなどを示す拡大断面図である。図3は、本発明による半溶融押出成形装置のダイリング及びダイ本体を示す結合斜視図である。図4は、本発明による半溶融押出成形装置のダイリング、ダイ本体及びダイ本体支持台を示す分解斜視図である。
【0036】
図1〜図4に示すように、本発明による半溶融押出成形装置100は、外観を形成し、内部にヒータ112が具備された中空の第1の貫通孔111が形成されたコンテナ110と、コンテナ110の第1の貫通孔111に挿入され、コンテナ110の前方から半溶融状態の押出ビレット200を圧縮するためのステム120と、コンテナ110の後方に結合され、内部にコンテナ110の第1の貫通孔111よりも小さい直径を有する中空の第2の貫通孔141が形成されたダイ本体140と、ダイ本体140の後方に位置し、ダイ本体140の長さ方向の熱変形を防止するためのダイ本体支持台150及びダイ本体支持台150の後方に結合されるダイ平衡支持台160と、ダイ本体140及びダイ本体支持台150の外観を囲み、ダイ本体140の円周方向の熱変形を防止するためのダイリング130と、ダイ本体支持台150の後方に結合され、半溶融押出ビレット200から押出形成される高温の固相押出材210を冷却するための冷却部170とからなる。
【0037】
切断装置300は、半溶融押出ビレット200と、この半溶融押出ビレット200から押出形成された固相押出材210とを切断し、駆動装置400は、押出成形装置100を駆動する。
【0038】
本発明をより詳細に説明すると、ダイ本体140の外周面には、ダイ本体140の温度測定のための第1の熱電対挿入孔142が形成され、押出工程の際に半溶融押出ビレットから押出形成される押出材210の温度測定のための第2の熱電対挿入孔143がその内側に深く形成されている。また、ダイ本体140の温度の上昇を防止し、一定に等温維持するための循環流体(オイルまたは冷却水)が循環/流動する第1の流出入孔144がダイ本体140の外周面に形成されている。
【0039】
また、ダイリング130の外周面には、ダイ本体140に形成される第1の流出入孔144と対応して貫通/形成される第2の流出入孔131、及びダイ本体140を通過した押出材210の酸化防止及び冷却のためのガスまたは冷却水が流動する第3の流出入孔132が形成される。
【0040】
また、ダイ本体支持台150の外周面には、第3の流出入孔132と対応して固相押出材210の酸化防止及び冷却のためのガスまたは冷却水が流動する第4の流出入孔151が貫通/形成される。
このように構成された押出成形装置によって固相の押出材が製造される過程では、半溶融押出ビレットを固液共存領域温度に加熱するか予め固液共存領域に加熱された半溶融押出ビレットを、固液共存領域に等温維持するコンテナ110の中に投入した後、ステム120で加圧する。
【0041】
このとき、ダイ本体140内で押出される過程で、押出装置の等温維持が可能であるようにダイ本体140が構成される必要がある。これは、押出の際に半溶融押出ビレットとダイ本体140の間の摩擦によってダイ本体140及び固相押出材210の表面温度が増加すると、固相押出材210の品質が低下するためである。
【0042】
特に、固液(高熱で加熱されて固相と液相が共存する)共存区間に加熱された半溶融押出ビレットの場合、温度が精密に制御されないと、材料の結晶質の大きさが不均一になるだけでなく、断面の不均一な固相率のため成形途中に中心偏析及び液相偏析が発生して均一な機械的性質を得ることができなくなる。
【0043】
ダイ本体140を通過した固相押出材210は、冷却部170によって固相粒子粗大化が防止される。
図5は、本発明による半溶融押出成形装置で、押出材の部位別温度を測定するための熱電対の設置位置を示す図である。より具体的に、図5は、再加熱過程の間A7003アルミニウム押出ビレットの部位別温度を測定するための熱電対の位置を示しており、これによって、押出ビレット全体において温度分布がどのように変化するかを調べる。本発明では、正確な温度制御のために熱電対によって直接押出ビレットの温度を測定して制御する方式を利用し、これによって得られた本発明の加熱過程時間に対する各地点での温度及び温度偏差を確認する。
【0044】
図6は、本発明による半溶融押出成形装置において押出材の各部位で時間‐温度偏差を示すグラフである。
図6に示すように、再加熱初期には、半溶融押出ビレット各部分で多少の温度差が存在するが、時間の経過とともに半溶融押出ビレットの固液共存領域(約620℃)に到達した後は、半溶融押出ビレットの各地点での温度が等温維持されることが確認できる。
【0045】
図7は、本発明による半溶融押出成形方法を示すフローチャートである。
図7に示すように、本発明による半溶融押出成形方法は、押出ビレットを半溶融状態に等温維持するステップ1(S1)と、ダイ本体を等温維持するステップ2(S2)と、押出材を成形するステップ3(S3)と、押出材を1次冷却するステップ4(S4)と、押出材を2次冷却するステップ5(S5)とを含む。
ステップ1(S1)では、押出ビレット200を半溶融押出成形装置のコンテナ110に投入し、内蔵されたヒータ112によって略590〜650℃の温度に加熱して、固液共存領域の半溶融状態に等温維持する。このとき、押出ビレット200を、外部で固液共存領域の温度に加熱された状態で、固液共存領域に等温維持されるコンテナ110の中に投入してもよい。ここで、押出ビレット200を構成する半溶融状態の金属に、上述したような添加剤が添加されていると、固液共存領域の半溶融状態で酸化及び発火がより効果的に抑えられる。
【0046】
押出ビレット200をコンテナ110に投入した状態で固液共存領域の半溶融状態に等温維持するとき、押出ビレット200が発火することを防止するために、SF6などの保護ガスを使用することもできる。しかし、このように押出ビレット200を構成する金属合金に添加剤が添加されていると発火温度が上昇するので、保護ガスの使用を抑制するかまたは使用せず等温維持することも可能である。
【0047】
ステップ2(S2)では、ダイ本体140の温度を熱電対によって測定し、それによって循環流体を循環流動させて、ダイ本体140を590〜650℃の温度に等温維持する。ここで、ダイ本体140は、外周面に形成された第1の流出入孔144にオイルまたは冷却水などの循環流体を循環流動させることによって、温度上昇が防止され且つ等温維持される。
【0048】
ステップ3(S3)では、コンテナ110の中に投入された固液共存領域の半溶融状態の押出ビレット200をダイ本体140内でステム120で加圧押出して、固相の押出材210を成形する。ここで、押出ビレット200が固液共存領域の半溶融状態にあるので、低い圧力によっても押出される。よって、押出性(extrudability)が向上して生産性が向上するだけでなく、複雑な形状及び精密な寸法の部品を成形することができる。
【0049】
ここで、半溶融押出ビレット200を加圧押出して固相の押出材210を成形するとき、押出ビレット200が発火することを防止するために、SF6などの保護ガスを使用してよい。しかし、押出ビレット200を構成する金属合金に上述したように添加剤が添加されていて発火温度が上昇するので、保護ガスの使用を抑制するかまたは使用せずに加圧押出することもできる。また、押出ビレット200を成す金属合金に添加剤が添加されていると、加圧押出によって成形された押出材210はより高い等方性を有する結晶粒微細化(grain refinement)構造となる。
【0050】
ステップ4(S4)では、第3及び第4の流出入孔132、151に冷却ガスまたは冷却水を流動させて、ダイ本体140で押出成形される押出材210の酸化を防止し、1次冷却する。ここで、押出成形中、押出材210はダイ本体140との摩擦によって表面温度が上昇し、酸化され、結果的に品質が低下するおそれがある。特に、高熱で加熱されて固相と液相が共存する固液共存区間に加熱された押出ビレット200の場合、温度制御が精密に行われないと、材料の結晶粒子の大きさが不均一になるだけでなく、断面の不均一な固相率のため、成形途中に中心偏析及び液相偏析が発生して、均一な機械的性質を得ることができなくなる。
【0051】
したがって、第3及び第4の流出入孔132、151に冷却ガスまたは冷却水を流動させて、押出成形中に押出材210を1次冷却することで、表面温度の増加を防止する。
ステップ5(S5)では、冷却部170で冷却ガスを噴射して、ダイ本体140で1次冷却された固相の押出材210を2次冷却する。これによって、押出成形された固相押出材210の固相粒子粗大化を防止する。ここで、固相押出材210は棒形状を有する。
【0052】
図8は、従来技術と本発明によるアルミニウム合金押出材の最大押出圧力を示すグラフである。
ここで、Aは、A7003アルミニウム合金の熱間押出時の最大押出圧力であり、Bは、A7075アルミニウム合金の熱間押出時の最大押出圧力であり、Cは、A7003アルミニウム合金の半溶融押出時の最大押出圧力であり、Dは、A7075アルミニウム合金の半溶融押出時の最大押出圧力である。
【0053】
熱間押出では、略800トンの水平型熱間押出装置を用いて直接押出方式で高力アルミニウム合金材部品を押出した。熱間押出及び半溶融押出は1:1の押出比にした。
本発明による場合、A7003アルミニウム合金は、従来技術による場合の押出圧力417MPaより略69%以上減少した131MPaであり、A7075アルミニウム合金は、押出圧力729MPaより略85%以上減少した107MPaであり、大きい減少を確認できる。
【0054】
図9は、従来技術と本発明によるマグネシウム合金押出材の最大押出圧力を示すグラフである。より具体的に、図9mは、AZ31マグネシウム合金の熱間押出と半溶融押出時の最大押出圧力を示すグラフである。
図9に示すように、押出圧力が従来技術の場合の614MPaより略82%以上大きく減少した110MPaであった。
【0055】
図10は、従来技術と本発明によるアルミニウム合金押出材の断面を示す組職写真である。より具体的に、図10は、A7003アルミニウム合金の半溶融押出材と熱間押出材の押出方向と平行な断面での外郭(edge)地点、中間(inter)地点、中央(center)部分の組職写真を示す。
【0056】
図11は、従来技術と本発明によるマグネシウム合金押出材の断面を示す組職写真である。より具体的に、図11は、AZ31マグネシウム合金の半溶融押出材と熱間押出材の押出方向と平行な断面での外郭地点、中間地点、中央部分の組職写真を示す。
【0057】
図10及び図11に示すように、従来の熱間押出材の場合、結晶粒の押出方向への延伸(elongation)が観察され、典型的な異方性(anisotropy)現象が発生することを確認できる。このような現象によって、押出方向とそれの直角方向において、機械的性質が異なるため、押出材の機械的性質を全体的に不均一にする結果をもたらす。
【0058】
しかし、本発明による半溶融押出方法によっては、結晶粒の延伸が観察されず、また軸対称現象が発生しないことを確認できる。
したがって、本発明による半溶融押出成形装置及び方法を通じて製造された半溶融押出材の結晶粒の押出方向への延伸及び異方性現象を制御して、押出材の強度をより向上させるようになる。
【0059】
図12は、本発明による半溶融押出成形装置に投入される添加剤が添加されたマグネシウム合金の大気雰囲気での発火温度を示すグラフである。より具体的に、図12は、添加済の一つである酸化カルシウム(CaO)が添加されたAZ31マグネシウム合金の大気雰囲気で発火する温度を示すグラフである。
【0060】
酸化カルシウム(CaO)が添加されていないAZ31マグネシウム合金は、半溶融押出の際に固液共存領域温度である590〜650℃以前の温度、すなわち、570℃で発火が進行される。したがって、酸化カルシウム(CaO)が添加されていないAZ31マグネシウム合金は、半溶融押出時の発火を防止するために多量の保護ガスが必要である。
【0061】
しかし、添加済の一つである酸化カルシウム(CaO)が添加されたAZ31マグネシウム合金は、大気雰囲気での発火温度が上昇する。ここで、AZ31マグネシウム合金の大気雰囲気での発火温度は、酸化カルシウム(CaO)が0.05wt%添加された場合は略30℃、0.3wt%添加された場合は略40℃、それぞれ上昇する。したがって、酸化カルシウム(CaO)が添加されたAZ31マグネシウム合金は、半溶融押出時に発火温度が大きく上昇して、保護ガスの使用が抑制されるかまたは使用されないこともできる。
ここでは、添加剤として酸化カルシウムを例に挙げているが、このような添加剤で本発明を限定するものではなく、上述した全ての添加剤を使用することが可能である。
【0062】
図13は、熱間押出成形されたマグネシウム合金押出材を示す組職写真である。図14は、本発明によって半溶融押出成形されたマグネシウム合金押出材を示す組職写真である。図15は、添加剤の添加下で半溶融押出成形されたマグネシウム合金押出材を示す組職写真である。
【0063】
より具体的に、図13、図14及び図15は、熱間押出成形されたマグネシウム合金押出材、半溶融押出成形されたマグネシウム合金押出材、及び0.001〜30wt%の酸化カルシウム(CaO)の添加下で半溶融押出成形されたマグネシウム合金押出材のそれぞれの微細構造断面を示す。
【0064】
図13は、従来技術による熱間押出成形されたマグネシウム合金押出材の微細構造を示し、(a)、(b)及び(c)はそれぞれ外郭(edge)、中間(inter)及び中央(center)地点を示し、押出方向に不均衡構造の延伸された結晶粒構造を有する。ここで、結晶粒の延伸によって、押出方向とそれの直角方向において機械的特性が異なるため、押出材の機械的特性を全体的に不均一にする結果をもたらす。
【0065】
これに比べて、図14の半溶融押出成形されたマグネシウム合金と、図15の0.001〜30wt%酸化カルシウム(CaO)の添加下で半溶融押出成形されたマグネシウム合金は、(a)、(b)及び(c)それぞれの外郭、中間及び中央で微細な等方性粒子構造を有するので、押出材の強度が向上する。
【0066】
特に、図15の0.001〜30wt%酸化カルシウム(CaO)の添加下で半溶融押出成形されたマグネシウム合金は、図14のマグネシウムよりもっと微細な構造を有する。ここで、0.5〜1wt%酸化カルシウム(CaO)の添加下で半溶融押出成形されたマグネシウムにカルシウム(Ca)が存在することによって、安定したAl2Ca化合物を形成して、合金の微細構造を安定させ、結晶粒微細化となる。
【0067】
図16は、図13〜図15に示された各押出材の断面での結晶粒に対する縦横比を示すグラフである。
縦横比は、主軸と従軸の間の映像分析システムによって測定されるものであって、図13の熱間押出された押出材の縦横比は略3〜4程度で、中央、中間及び外郭それぞれの縦横比が不均一であり互いに異なる。
【0068】
これに比べて、図14及び図15の半溶融押出成形された押出材の縦横比は、2以下に制御される。特に、図15の0.001〜30wt%酸化カルシウム(CaO)の添加下で半溶融押出成形されたマグネシウムの棒の縦横比は、中央、中間及び外郭それぞれで1.5程度で殆ど均一である。これによって、0.001〜30wt%の酸化カルシウム(CaO)の添加下で半溶融押出されたマグネシウムの棒が、酸化カルシウム(CaO)によって等方性の微細化構造に制御されながら、保護ガスの使用を抑制するかまたは使用しないことが可能である。
【0069】
図17は、本発明の別の実施形態による半溶融押出成形装置を示す断面図である。
図17に示すように、本発明の別の実施形態による半溶融押出成形装置も、半溶融押出ビレット5を格納するコンテナ12を含む。半溶融押出ビレット5は、コンテナ12の内部で圧力を受けて、押出ダイ20を通過するようになっている。
【0070】
押出ダイ20は、コンテナ12で圧入されるビレット5を多数本に分割押出する多数の押出孔22と、押出孔22を通過したビレットを収容するチャンバ24と、チャンバ24に連通されて押出材(すなわち、チューブ)100の外周面を形成するベアリング26と、ベアリング26内の中心に位置して押出チューブ100の内周面を形成するメンドレル28とを有する。
【0071】
また、コンテナ12に格納されたビレットを半溶融状態に加熱維持するためのヒータ30が設けられる。ヒータ30は、コンテナ12に内設され、コイル形状に配置されている。したがって、ヒータ30で発生した熱はコンテナ12内部の温度を上昇させて、ビレットを半溶融状態に維持する。
【0072】
ヒータ30によって加熱されたコンテナ12の内部側ビレットの温度は、温度センサ40によって感知される。温度センサ40は、ステム10に設けられるかコンテナ12側に設けられてもよい。
【0073】
温度センサ40によって感知された測定温度(T)と設定温度(T0)とを比べてヒータ30のオン(on)/オフ(off)動作を制御するために、制御部50が具備される。制御部50は温度センサ40とヒータ30に電気的に連結されている。
【0074】
図18は、本発明による半溶融押出成形方法のうち等温維持方法を示すフローチャートである。
先ず、温度センサ40で押出ビレット5の温度を検出する(S10)。ビレット5がコンテナ12に投入されるとき、半溶融状態にあることが好ましい。ここで、半溶融状態とは、固相と液相の中間形態を意味する。
【0075】
このとき、温度センサ40で感知されたビレットの測定温度(T)は制御部50に送信され、制御部50は、感知された測定温度(T)と設定温度(T0)とを比べる(S12)。
【0076】
もし、測定温度(T)が設定温度(T0)より高ければ、制御部50はヒータ30をオフ(off)動作させて(S14)、ビレットが液相に変化することを予め防止する。
一方、制御部50は、測定温度(T)が設定温度(T0)より低ければ、制御部50はヒータ30をオン(on)動作させて(S16)、ビレットが固相に変化することを予め防止する。
【0077】
このように、本発明は、温度センサ40で温度を感知してヒータ30を作動させることで、ビレットを半溶融状態に維持した状態で押出する。これによって、ビレットが押出孔22を通過しながら分割された部分がベアリング26とメンドレル28を通過しながら半溶融状態に再融合されて、接合ラインが無くなる。
【0078】
このとき、ビレットがアルミニウムである場合、半溶融押出温度が630℃〜650℃を維持すると、溶接線のない、すなわち継ぎ目のない押出材チューブが製作されることを確認した。
【0079】
図19は、本発明による図17及び図18に示された装置及び方法によって製造された押出材チューブの接合部の顕微鏡写真である。
図19の顕微鏡写真に示すように、溶接線が発見されず、耐圧試験や拡管時に破壊を防止することができる。
【0080】
本発明は、アルミニウムの他にもシームレスチューブ(seamless tube)によく用いられるAg、Cu、Al、Mg、Tiなどにも適用可能である。
このように、継ぎ目のない押出材(チューブ)の製造方法によって、全体製品の機械的特性が均一になり、よって、製品設計の自由度を高めるようになる。また、耐圧と拡管及びベンディングはもちろん、一般機械物(構造物)の場合にもより高い特性を具現することができる。したがって、シーム(seam)部位の低い特性のために厚くしなければならなかったことに対して、より薄型で軽量性を具現することができる。さらに、既存の単純な継ぎ目のない押出に比べて、複雑な形状のプロファイル押出も可能になる。
以上で説明したものは本発明による半溶融押出成形装置及びその方法を実施するための一つの実施形態に過ぎないものであって、本発明は上記の実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求するように本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば誰でも様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神がある。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態による半溶融押出成形装置を概略的に示す側面図である。
【図2】本発明による半溶融押出成形装置のコンテナなどを示す拡大断面図である。
【図3】本発明による半溶融押出成形装置のダイリング及びダイ本体を示す結合斜視図である。
【図4】本発明による半溶融押出成形装置のダイリング、ダイ本体及びダイ本体支持台を示す分解斜視図である。
【図5】本発明による半溶融押出成形装置における設置位置であって押出材の部位別温度測定のための熱電対の設置位置を示す図である。
【図6】本発明による半溶融押出成形装置において、押出材の各部位での時間‐温度偏差を示すグラフである。
【図7】本発明による半溶融押出成形方法を示すフローチャートである。
【図8】従来技術と本発明によるアルミニウム合金押出材の最大押出圧力を示すグラフである。
【図9】従来技術と本発明によるマグネシウム合金押出材の最大押出圧力を示すグラフである。
【図10】従来技術と本発明によるアルミニウム合金押出材の断面を示す組職写真である。
【図11】従来技術と本発明によるマグネシウム合金押出材の断面を示す組職写真である。
【図12】本発明による半溶融押出成形装置に投入される添加剤が添加されたマグネシウム合金の大気雰囲気での発火温度を示すグラフである。
【図13】熱間押出成形されたマグネシウム合金押出材を示す組職写真である。
【図14】本発明によって半溶融押出成形されたマグネシウム合金押出材を示す組職写真である。
【図15】添加剤が添加された半溶融押出成形されたマグネシウム合金押出材を示す組職写真である。
【図16】図13〜図15に示された各押出材の断面での結晶粒に対する縦横比を示すグラフである。
【図17】本発明の別の実施形態による半溶融押出成形装置を示す断面図である。
【図18】本発明による半溶融押出成形方法のうち等温維持方法を示すフローチャートである。
【図19】図17に示された本発明による装置によって製造されたチューブの接合部の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0082】
110 コンテナ
111 第1の貫通孔
112 ヒータ
120 ステム
130 ダイリング
131 第2の流出入孔
132 第3の流出入孔
140 ダイ本体
141 第2の貫通孔
142 第1の熱電対挿入孔
143 第2の熱電対挿入孔
144 第1の流出入孔
150 ダイ本体支持台
151 第4の流出入孔
160 ダイ平衡支持台
170 冷却部
200 ビレット
210 押出材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
10から30重量%部の半溶融ビレットが格納されるように第1の貫通孔が形成され、前記第1の貫通孔の外部には前記半溶融ビレットが等温維持されるようにヒータが設けられたコンテナと、
前記コンテナの前方から前記第1の貫通孔に挿入されて、前記半溶融ビレットを後方に加圧するステムと、
前記コンテナの後方に結合され、円周方向の熱変形を防止するために多数の冷却材流出入孔が形成されたダイリングと、
前記ダイリングの内部で前記コンテナの第1の貫通孔と連通されるとともに相対的に小さい直径を有し、前記半溶融ビレットを押出する第2の貫通孔が形成され、温度測定のための多数の熱電対挿入孔が形成されたダイ本体と、
前記ダイリングの内部で前記ダイ本体の後方に結合され、押出される半溶融ビレットを固相押出材に相変化させるように、多数の冷却材流出入孔が形成されたダイ本体支持台と、
前記ダイ本体支持台と密着するとともに、前記ダイリングの後方に結合されたダイ平衡支持台と、
前記ダイ平衡支持台に結合されて、前記固相押出材を冷却する冷却部と、
を含むことを特徴とする半溶融押出成形装置。
【請求項2】
前記熱電対挿入孔は、
前記ダイ本体の温度を測定する第1の熱電対挿入孔と、
前記半溶融ビレットの温度を測定する第2の熱電対挿入孔と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項3】
前記半溶融ビレットは、
アルミニウム合金またはマグネシウム合金から選択された何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項4】
前記半溶融ビレットは、
添加剤が添加されたマグネシウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項5】
前記添加剤は、
アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属化合物から選択された少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項4に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項6】
前記添加剤は、
マグネシウム合金100重量%部に対して0.0001から30重量%部が添加されたことを特徴とする請求項4に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項7】
前記コンテナに設けられたヒータによって、前記半溶融ビレットは590から650℃の温度に維持されることを特徴とする請求項1に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項8】
10から30重量%部の半溶融ビレットが格納されるコンテナと、
前記コンテナから前記半溶融ビレットを多数本に分割押出する多数の押出孔、前記押出孔を通過した前記半溶融ビレットを収容するチャンバに連通されたベアリング、及び前記ベアリングの中心軸に位置するメンドロルを有する押出ダイと、
前記コンテナに格納された前記半溶融ビレットを等温維持するためのヒータと、
前記ヒータによって加熱された前記コンテナの内部側の半溶融ビレットの温度を感知する温度センサと、
前記温度センサによって感知された温度値を設定値と比べて、ヒータのオン/オフ動作を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする半溶融押出成形装置。
【請求項9】
前記半溶融ビレットは、
アルミニウム合金またはマグネシウム合金から選択された何れか一つであることを特徴とする請求項8に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項10】
前記半溶融ビレットは、
添加剤が添加されたマグネシウム合金であることを特徴とする請求項8に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項11】
前記添加剤は、
アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属化合物から選択された少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項10に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項12】
前記添加剤は、
マグネシウム合金100重量%部に対して0.0001から30重量%部が添加されたことを特徴とする請求項10に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項13】
前記コンテナに設けられたヒータによって、前記半溶融ビレットは590〜650℃の温度に維持されることを特徴とする請求項8に記載の半溶融押出成形装置。
【請求項14】
10から30重量%部の半溶融ビレットを半溶融押出成形装置のコンテナ内に半溶融状態に等温維持するステップと、
前記半溶融ビレットを押出成形するダイ本体の温度を等温維持するステップと、
前記半溶融ビレットを前記ダイ本体内で加圧押出して、固相押出材を成形するステップと、
押出成形される前記固相押出材を冷却するステップと、
を含むことを特徴とする半溶融押出成形方法。
【請求項15】
前記半溶融ビレットは、
アルミニウム合金またはマグネシウム合金から選択された何れか一つであることを特徴とする請求項14に記載の半溶融押出成形方法。
【請求項16】
前記半溶融ビレットは、
添加剤が添加されたマグネシウム合金であることを特徴とする請求項14に記載の半溶融押出成形方法。
【請求項17】
前記添加剤は、
アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属化合物から選択された少なくとも何れか一つであることを特徴とする請求項16に記載の半溶融押出成形方法。
【請求項18】
前記添加剤は、
マグネシウム合金100重量%部に対して0.0001から30重量%部が添加されたことを特徴とする請求項16に記載の半溶融押出成形方法。
【請求項19】
前記コンテナに設けられたヒータによって、前記半溶融ビレットは590から650℃の温度に維持されることを特徴とする請求項14に記載の半溶融押出成形方法。
【請求項20】
半溶融ビレットを格納するコンテナと、前記コンテナで圧入される半溶融ビレットを多数本に分割押出する多数の押出孔と、前記押出孔を通過した半溶融ビレットを収容するチャンバに連通されたベアリングと、前記ベアリングの中心軸に位置したメンドレルを有する押出ダイとを含んで押出を行う押出成形方法であって、
前記コンテナに格納された半溶融ビレットをヒータによって半溶融状態に加熱維持するステップと、
前記ヒータによって加熱された前記コンテナの内部側の半溶融ビレットの温度を温度センサによって感知するステップと、
前記温度センサによって感知された測定温度と設定温度とを比べて、前記ヒータのオン/オフ動作を制御部によって制御するステップと、
を含むことを特徴とする半溶融押出成形方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図12】
image rotate

【図16】
image rotate

【図18】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図17】
image rotate

【図19】
image rotate


【公表番号】特表2011−511711(P2011−511711A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543042(P2010−543042)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005654
【国際公開番号】WO2009/091109
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(505214010)コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー (20)
【Fターム(参考)】