説明

卒業記念写真撮影システム

【課題】学生の卒業記念写真において、一見して当該学生の所属学校を認識できる卒業記念写真撮影システムおよび撮影方法を提供する。
【解決手段】学生の識別情報を当該学生の所属学校の特定情報と関連付けて取得し、学生の人物画像を撮影し、撮影された人物画像データを当該学生の識別情報と関連付けて保存し、複数の学校のシンボル画像を背景画像データとして、複数の背景画像データが学校の特定情報と関連付けて保存された背景画像データベースを用いて、当該学生の識別情報と関連付けられた所属学校の特定情報に基づいて、背景画像データベース内に保存された複数の背景画像データの中から、当該学生の所属学校の背景画像データを選択し、撮影された人物画像データと関連付ける工程と、関連付けられた背景画像データ上に、関連付けられた人物画像データを貼り付けて、卒業記念写真を合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学生の卒業記念写真の撮影システムおよび撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大学等の学校を卒業する(含む卒業予定の)学生の多くは、学生時代の思い出として、卒業記念写真を撮影している。この従来の卒業記念写真は、一般的に、撮影スタジオなどにて撮影され、例えば、スタジオ内のスクリーンの前に袴などの衣装を着用した状態の学生を立たせて、スクリーンを背景とした写真の撮影が行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、完成した卒業記念写真では、スクリーンを背景とした人物画像となっているため、別途説明等が無ければ、所属していた学校を他人が認識することができないという問題がある。また、所属学校名について別途説明等を行った場合であっても、あくまで人物写真とは別の説明であることから、他人の印象に残りづらいという問題もある。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、学生の卒業記念写真において、一見して当該学生の所属学校を認識できる卒業記念写真撮影システムおよび撮影方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0006】
本発明の第1態様によれば、学生の識別情報と、その学生の所属学校の特定情報とを取得する学生情報取得手段と、学生情報取得手段により取得された学生の識別情報がその学生の所属学校の特定情報と関連付けて保存される第1のデータベースと、学生の人物画像を撮影し、その学生の人物画像データを取得する人物画像データ取得手段と、人物画像データ取得手段により取得された学生の人物画像データが、その学生の識別情報と関連付けて保存される第2のデータベースと、複数の学校のシンボル画像を背景画像データとして、複数の背景画像データが学校の特定情報と関連付けて保存された第3のデータベースと、第1のデータベース内の学生の識別情報と関連付けられた所属学校の特定情報に基づいて、第3のデータベース内に保存されている複数の背景画像データの中から、当該学生の所属学校の背景画像データを選択するとともに、第1のデータベース内の学生の識別情報に基づいて、第2のデータベース内に保存されている複数の人物画像データの中から、当該学生の人物画像データを選択し、選択された人物画像データを選択された背景画像データと関連付ける画像データ関連付け手段と、画像データ関連付け手段にて関連付けられた背景画像データ上に、人物画像データを貼り付けて、卒業記念写真を合成する画像合成手段とを備える、卒業記念写真撮影システムを提供する。
【0007】
本発明の第2態様によれば、学生の識別情報を当該学生の所属学校の特定情報と関連付けて取得する工程と、学生の人物画像を撮影し、撮影された人物画像データを当該学生の識別情報と関連付けて保存する工程と、複数の学校のシンボル画像を背景画像データとして、複数の背景画像データが学校の特定情報と関連付けて保存された背景画像データベースを用いて、当該学生の識別情報と関連付けられた所属学校の特定情報に基づいて、背景画像データベース内に保存された複数の背景画像データの中から、当該学生の所属学校の背景画像データを選択し、撮影された人物画像データと関連付ける工程と、関連付けられた背景画像データ上に、関連付けられた人物画像データを貼り付けて、卒業記念写真を合成する工程と、を含む、卒業記念写真撮影方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の学校のシンボル画像を背景画像データとして、複数の背景画像データが学校の特定情報と関連付けて保存された背景画像データベースを予め準備するとともに、撮影された学生の人物画像データを当該学生の識別情報と関連付けて保存し、当該学生の識別情報と関連付けられた学生の所属学校の特定情報に基づいて、背景画像データベース内に保存されている複数の背景画像データの中から当該学生の所属学校の背景画像データを選択して、選択された背景画像データを撮影された人物画像データと関連付け、関連付けられた背景画像データ上に、関連付けられた人物画像データを貼り付けることにより、卒業記念写真が合成される。したがって、合成された卒業記念写真において、その背景画像として用いられた所属学校のシンボル画像を一見するだけで、その学生の出身学校を把握することができる。よって、出身学校についての別途説明等を行うことなく、卒業記念写真を一見するだけ、学生の出身学校を把握することが可能となる。
【0009】
また、このような所属学校のシンボル画像が学生の人物画像と一体的な状態とされていることにより、出身学校と学生自身との一体的なイメージを視覚的に写真の鑑賞者に与えることでき、写真の鑑賞者へ強い印象を与えることができる。
【0010】
さらに、このような出身学校のシンボル画像は、予め準備された画像データを用いることができるため、天候や季節などが好条件にて撮像された良質の画像を用いることができ、人物画像と合成されることで、学生自身の良い思い出を増幅させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一の実施形態にかかる卒業記念写真撮影システムの概略構成を示すブロック図
【図2】本実施形態の卒業記念写真撮影システムにおける画像合成手順のフローチャート
【図3】本実施形態の卒業記念写真撮影システムにおける第3のデータベースに保存されている背景画像データを示す模式図
【図4A】第3のデータベースより選択された背景画像データの模式図
【図4B】学生の人物画像データの模式図
【図5】本実施形態の卒業記念写真撮影システムにより作成された卒業記念写真の模式図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
本発明の一の実施形態にかかる卒業記念写真撮影システムの構成について、図1に示す概略構成のブロック図を用いて説明する。
【0014】
図1に示すように、卒業記念写真撮影システム10は、情報の入力手段として、学生情報取得手段1と、人物画像データ取得手段2とを備えており、情報保存用のデータベースとして、第1〜第3のデータベース3、4、5を備えており、さらに、第1〜第3のデータベース3、4、5に保存された情報を画像作成(合成)のために活用する手段として、画像データ関連付け手段6と、画像合成手段7とを備えている。
【0015】
まず、学生情報取得手段1は、学生の識別情報と、その学生が所属する学校(例えば、大学)の特定情報とを取得し、取得された学生の識別情報を、その学生の所属学校の特定情報と関連付けて、第1のデータベース3内に保存させる機能を有している。ここで、学生の識別情報としては、例えば、学生自身の氏名や学生自身に割り当てられる固有の識別番号などがある。また、学生の所属学校の特定情報としては、所属学校の名前や学校に割り当てられる固有の識別番号などがある。学生情報取得手段1としては、コンピュータの端末などの情報入力が可能な様々なツールを適用することができる。
【0016】
第1のデータベース3は、学生情報取得手段1により取得された学生の識別情報と、その学生の所属学校の特定情報とが、互いに関連付けられて保存されるデータベースである。
【0017】
人物画像データ取得手段2は、撮影スタジオなどで学生の人物画像データを撮影して取得する手段であり、例えば、デジタルカメラなどのデジタル画像の撮影装置である。
【0018】
第2のデータベース4は、人物画像データ取得手段2により取得された複数の学生の人物画像データが、その学生の識別情報と関連付けられて保存されるデータベースである。
【0019】
第3のデータベース5は、複数の学校のシンボル画像を背景画像データとして、複数の背景画像データが学校の特定情報と関連付けて保存されたデータベース(背景画像データベース)である。ここで、学校のシンボル画像は、その学校における固有かつ有名な建築物(例えば、時計台や校門など)や記念碑などのシンボル的な構造物あるいは風景など、多数の人が一見するだけでシンボル画像からその学校を連想できるような画像である。
【0020】
画像データ関連付け手段6は、第1〜第3のデータベース3〜5内に保存されている情報を取得可能にそれぞれのデータベース3〜5と接続され、各データベース3〜5に保存されている所定の情報を互いに関連付ける手段である。具体的には、第1のデータベース3内に保存されている対象となる学生の識別情報と関連付けられた所属学校の特定情報に基づいて、第3のデータベース5内に保存されている複数の背景画像データの中から、その学生の所属学校の背景画像データを選択する機能を有している。それとともに、第1のデータベース3内の学生の識別情報に基づいて、第2のデータベース4内に保存されている複数の人物画像データの中から、対象となる学生の人物画像データを選択し、選択された人物画像データを選択された背景画像データと関連付ける機能を有している。この画像データ関連付け手段6は、例えば、コンピュータにおけるソフトウェア(プログラム)として実現することができる。なお、画像データ関連付け手段6により互いに関連付けられた情報は、図示しない他のデータベースなどに一時的に保存してもよい。
【0021】
画像合成手段7は、画像データ関連付け手段6にて関連付けられた背景画像データ上に、人物画像データを貼り付けて、卒業記念写真を合成する手段である。具体的には、画像合成手段7は、人物画像データにおいて、人物の画像部分を切り取り、背景画像データ上に切り取られた人物の画像部分を貼り付けることで、両画像データを合成する機能を有している。なお、このような画像合成手段7は、コンピュータにおけるソフトウェアとして実現することができる。
【0022】
このような構成を有する卒業記念写真撮影システム10において、卒業記念写真を作成する手順の一例について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0023】
まず、大学の構内などに設置された卒業記念写真の受付にて申し込みを行った学生の氏名(学生の識別情報)を、その大学の名称(所属学校の特定情報)と関連付けて、コンピュータの端末(学生情報取得手段1)を用いて、第1のデータベース3(例えば、ハードディスクなど)に入力して(図2のステップS1)、複数の学生についてこれらの情報を第1のデータベース3に保存する(ステップS2)。このとき、申し込みを行ったそれぞれの学生には、別の場所である撮影スタジオにての撮影日時を伝える。
【0024】
後日、撮影日時にて、撮影スタジオにおいて、デジタルカメラ(人物画像データ取得手段2)を用いて、学生の人物画像の撮影を行う(ステップS3)。この撮影は、例えば、シンプルなスクリーンを背景として、学生の人物画像データの撮影が行われることが好ましく、図4Bに示すような学生の人物画像データ11がデジタルカメラにより取得される。また、学生自身は袴やスーツなど好みの衣類を着用して、好みのスタイルにて撮影することができる。さらに、人物画像データとして、複数の種類の画像データを取得するようにしても良い。
【0025】
人物画像データ取得手段2により取得された人物画像データ11は、学生の氏名(学生の識別情報)に関連付けられて、第2のデータベース4(例えば、ハードディスクなど)に保存される(ステップS4)。
【0026】
第3のデータベース5には、予め複数の種類の背景画像データが保存されている。例えば、図3(A)〜(C)に示すように、各大学の有名なシンボルとなる建築物等のシンボル画像データが背景画像データ12、13、14として、それぞれの学校の名称(所属学校の特定情報)と関連付けられて保存されている。このような背景画像データは、天候や季節などが良好な条件にて撮影が行われて取得された画像データである。また、このような背景画像データは、後の工程にて、人物画像データと合成されることになるため、人物画像データのフォーカス状態および合成レイアウトを考慮して、背景画像データのフォーカス状態が調整されていることが望ましい。例えば、人物画像データのフォーカス状態に合わせて、背景画像データのピントをぼかすような処理が施されるような場合であっても良い。
【0027】
次に、画像データ関連付け手段6により、学生の人物画像データと背景画像データとの関連付けが行われる(ステップS5)。具体的には、第1のデータベース3内に保存されている対象となる学生の氏名の情報と関連付けられた所属学校の名称の情報に基づいて、第3のデータベース5内に保存されている複数の背景画像データの中から、その学生の所属学校の背景画像データが選択される。例えば、第3のデータベース5内に保存されている背景画像データ12、13、14(図3参照)の中から、対象となる学生が所属する学校の名称に基づいて、背景画像データ12(図4A参照)が選択される。さらに、第1のデータベース3内の学生の氏名の情報に基づいて、第2のデータベース4内に保存されている複数の人物画像データの中から、対象となる学生の人物画像データ11(図4B参照)が選択される。その後、選択された人物画像データ11と選択された背景画像データ12とが互いに関連付けられる。
【0028】
その後、画像データ関連付け手段6により互いに関連付けられた人物画像データ11と背景画像データ12とが画像合成手段7により合成される(ステップS6)。具体的には、図4Bの人物画像データ11において、学生自身の画像部分が丁寧に切り取られ、切り取られた画像部分が、図4Aの背景画像データ12上に貼り合わせられる。これにより、図5に示すような卒業記念写真15を作成することができる。なお、この画像合成手段7による画像合成工程において、画像合成における違和感を少なくする、すなわち、人物画像データ11と背景画像データ12との一体感を高めるために、コントラスト処理、色彩処理、あるいは縁部処理などの各種調整を行うようにしても良い。
【0029】
また、このように合成された卒業記念写真15は、台紙などに貼り付けてアルバムとして学生に提供される。卒業記念写真15の他に、通常の人物画像のみの写真と合わせて1つのアルバムとして提供しても良い。
【0030】
本実施形態の卒業記念写真撮影システム10によれば、作成された卒業記念写真15において、その背景画像として用いられた所属学校のシンボル画像を一見するだけで、その学生の出身学校を判別することができる。よって、出身学校を判別するための別途説明等を行うことなく、卒業記念写真15を一見するだけ、学生の出身学校を把握することが可能となる。
【0031】
また、このような所属学校のシンボル画像が学生の人物画像と一体的な状態とされていることにより、出身学校と学生自身との一体的なイメージを視覚的に写真の鑑賞者に与えることでき、写真の鑑賞者へ強い印象を与えることができる。
【0032】
さらに、このような出身学校のシンボル画像は、予め準備された画像データを用いることができるため、天候や季節などが好条件にて撮像された良質の画像を用いることができ、人物画像と合成されることで、学生自身の良い思い出を増幅させることができる。
【0033】
また、学生自身は、学校内に設置された受付にて、写真の申し込みを行い、指定された日時に撮影スタジオを訪れるだけで良いため、余分な負担が増加することもない。
【0034】
特に、学校内に卒業記念写真の申し込み受付を設置することで、学生の識別情報と所属学校の特定情報との関連付けを簡便に行うことができるという利点もある。
【0035】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 学生情報取得手段
2 人物画像データ取得手段
3 第1のデータベース
4 第2のデータベース
5 第3のデータベース
6 画像データ関連付け手段
7 画像合成手段
10 卒業記念写真撮影システム
11 学生の人物画像データ
12 背景画像データ
13 背景画像データ
14 背景画像データ
15 合成された卒業記念写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
学生の識別情報と、その学生の所属学校の特定情報とを取得する学生情報取得手段と、
学生情報取得手段により取得された学生の識別情報がその学生の所属学校の特定情報と関連付けて保存される第1のデータベースと、
学生の人物画像を撮影し、その学生の人物画像データを取得する人物画像データ取得手段と、
人物画像データ取得手段により取得された学生の人物画像データが、その学生の識別情報と関連付けて保存される第2のデータベースと、
複数の学校のシンボル画像を背景画像データとして、複数の背景画像データが学校の特定情報と関連付けて保存された第3のデータベースと、
第1のデータベース内の学生の識別情報と関連付けられた所属学校の特定情報に基づいて、第3のデータベース内に保存されている複数の背景画像データの中から、当該学生の所属学校の背景画像データを選択するとともに、第1のデータベース内の学生の識別情報に基づいて、第2のデータベース内に保存されている複数の人物画像データの中から、当該学生の人物画像データを選択し、選択された人物画像データを選択された背景画像データと関連付ける画像データ関連付け手段と、
画像データ関連付け手段にて関連付けられた背景画像データ上に、人物画像データを貼り付けて、卒業記念写真を合成する画像合成手段とを備える、卒業記念写真撮影システム。
【請求項2】
学生の識別情報を当該学生の所属学校の特定情報と関連付けて取得する工程と、
学生の人物画像を撮影し、撮影された人物画像データを当該学生の識別情報と関連付けて保存する工程と、
複数の学校のシンボル画像を背景画像データとして、複数の背景画像データが学校の特定情報と関連付けて保存された背景画像データベースを用いて、当該学生の識別情報と関連付けられた所属学校の特定情報に基づいて、背景画像データベース内に保存された複数の背景画像データの中から、当該学生の所属学校の背景画像データを選択し、撮影された人物画像データと関連付ける工程と、
関連付けられた背景画像データ上に、関連付けられた人物画像データを貼り付けて、卒業記念写真を合成する工程と、を含む、卒業記念写真撮影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−71695(P2011−71695A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220340(P2009−220340)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(500237704)株式会社ソシャル企画 (2)
【Fターム(参考)】