説明

単一のカートリッジ本体内に配置された冗長化ホットメルト接着剤材料加熱素子および温度検出器

ホットメルト接着剤材料供給システムに関連して使用する電子制御回路は、塗布器ヘッド内に設けられた第1の空洞内部に配置される第1の単一の加熱素子カートリッジ本体内に共に配置される冗長化加熱素子対と、塗布器ヘッド内に設けられた第2の空洞内部に配置される第2の単一の温度検出器カートリッジ本体内に共に配置される冗長化温度検出器対とを有する。冗長化加熱素子対の双方を第1の単一の加熱素子カートリッジ本体内に配置することおよび冗長化温度検出器対の双方を第2の単一の加熱素子カートリッジ本体内に配置することにより、塗布器ヘッドの大きさを小さくし、より小型化することができるとともに、冗長化加熱素子対および冗長化温度検出器対と電源回路との電気的接続をより簡素化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国特許出願第11/123,053号「冗長化構成部品を有するホットメルト接着剤ホース組立体(HOT MELT ADHESIVE HOSE ASSEMBLY HAVING REDUNDANT COMPONENT)」(Daniel D.Bourgel他名義により2006年5月6日に出願)、および米国特許出願第11/123,028号「ホットメルト接着剤ホース組立体加熱器および温度検出器における冗長化制御回路(REDUNDANT CONTROL CIRCUIT FOR HOT MELT ADHESIVE HOSE ASSEMBLY HEATER CIRCUITS AND TEMPERATURE SENSORS(Daniel D.Bourgel他名義により2006年5月6日に出願)に関連している。
【0002】
本発明は、一般にホットメルト接着剤材料供給システムに関する。より詳細には、塗布器ヘッド内に配置されたホットメルト接着剤材料の主要な温度を制御するための、新規で改良された冗長化制御システムに関する。この新規で改良された冗長化制御システムは、加熱素子対と、温度検出器対、例えば、複数の抵抗温度検出器(RTDs)と、冗長化論理制御回路を有する。この回路は、加熱素子対のいずれか1つの加熱素子または温度検出器対のいずれか1つの温度検出器と、ホットメルト接着剤材料供給ユニットの電源回路とを接続する。さらに、加熱素子対は、塗布器ヘッド内に配置される単一の加熱素子カートリッジ本体または筐体内に配置される。また、温度検出器対は、塗布器ヘッド内に配置される単一の温度検出器カートリッジ本体または筐体内に配置される。このように、ホットメルト接着剤材料加熱素子または温度検出器の1つで故障が発生した場合、冗長化論理制御回路を有する論理制御スイッチ機構は、故障したホットメルト接着剤材料加熱素子または温度検出器を、電気制御回路における作用上または機能上の配置から効果的に離脱または除去するために、適切に動作して、実質的にそれと同時に、予備的または冗長化ホットメルト接着剤材料加熱素子または温度検出器を、電気制御回路に組み入れる。
【0003】
したがって、故障した加熱素子または温度検出器は、すぐに交換する必要がない。しかし、その後、例えば通常の定期的な保守手続きに従って交換することができる。このため、ホットメルト接着剤材料の分配処理ラインは、修理のために停止する必要はなく、故障した加熱素子または温度検出器を交換するための広範な休止時間を事実上設ける必要がない。加えて、単一の加熱素子カートリッジ筐体または本体内に配置された冗長化ホットメルト接着剤材料加熱素子対を有する単一の加熱素子カートリッジ構成部品だけを塗布器ヘッドに収容および組み込むことができ、また単一の温度検出器カートリッジ筐体または本体内に配置された冗長化ホットメルト接着剤材料温度検出器対を有する単一の温度検出器カートリッジ構成部品だけを塗布器ヘッドに収容および組み込むことができる。したがって、塗布器ヘッドの大きさは効果的に縮小でき、より小型化できる。加えて、多重化または冗長化加熱素子および温度検出器を電気的に結線するための電気的な接続点数も、同様に減少できる。またさらに、論理制御スイッチング機構の代わりに、手動スイッチング機構を使用できる。
【背景技術】
【0004】
ホットメルト接着剤材料供給システムに関連して、一般に故障は、2つの異なった部類で生じうる。すなわち、磨耗による機械的な故障と、電気的な機能不良による電気的な故障である。特に経験されうる電気的故障に関しては、例えば、塗布器ヘッドを還流するホットメルト接着剤材料を所定の温度レベルに維持するために使用される、加熱素子の内部で生じうる。また、塗布器ヘッドを還流するホットメルト接着剤材料の温度レベルを効果的に検出するために接着剤材料と動作的または熱的に関連している、温度検出器の内部で生じうる。塗布器ヘッドを還流するホットメルト接着剤材料の実際の温度レベルは、例えば温度検出器などで計測されて、温度制御器に有効に伝達され、温度制御器は順に加熱素子の通電を制御する。その結果、ホットメルト接着剤材料の温度レベルは、目標または適正な温度レベルに維持される。ホットメルト接着剤材料の温度レベルを目標または適正な温度レベルに維持することは、もちろん重要である。これは、ホットメルト接着剤材料が現に特定の基板の上に堆積されるときに、ホットメルト接着剤材料が適切に分配されていること、およびホットメルト接着剤材料が要求された接着特性を備えていることを確実にするためである。このため、一般には、ホットメルト接着剤材料加熱素子または温度検出器が故障した場合は、故障した素子などを修理または交換するために、ホットメルト接着剤材料の分配処理ラインが長期間停止することになり、製造のための貴重な時間が失われることが分かる。
【0005】
例えば、ホットメルト接着剤材料加熱素子または温度検出器の内部で故障が生じることにより、ホットメルト接着剤材料の分配処理ラインの上述の工程を、現に時期を早めて停止しないことが重要であるという観点から、冗長化または予備的加熱素子または温度検出器の使用について開発されてきた。このような冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料加熱素子または温度検出器の典型的なシステムは、上述の米国特許出願11/123,053号「冗長化構成部品を有するホットメルト接着剤ホース組立体(HOT MELT ADHESIVE HOSE ASSEMBLY HAVING REDUNDANT COMPONENT(Daniel D.Bourgel他名義により2006年5月6日に出願)、および米国特許出願第11/123,028号「ホットメルト接着剤ホース組立体加熱器および温度検出器における冗長化制御回路(REDUNDANT CONTROL CIRCUIT FOR HOT MELT ADHESIVE HOSE ASSEMBLY HEATER CIRCUITS AND TEMPERATURE SENSORS(Daniel D.Bourgel他名義により2006年5月6日に出願)において開示されている。
【0006】
なお、しかしながら、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料加熱素子および温度検出器が、稼動中のホットメルト接着剤材料供給システムの様々な構成部品のいずれかの部品に、例えば塗布器ヘッドに組み込まれる場合は、これらの素子は、それぞれ塗布器ヘッド内部に組み込まれなければならない。実際は、塗布器ヘッドは、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料加熱素子および温度検出器を収容するためのスペースを持つのに十分な大きさがなければならない。そしてこれらの素子を冗長化制御回路に組み込むためには、付加的な電気接続により、それぞれの素子と、冗長化制御回路を有する他の電気的な構成部品との間を結線する必要がある。このため、このようなシステムは、製造するための費用と労力が掛かる。
【0007】
そこで、ホットメルト接着剤材料供給システムに関連して使用する新規で改良された冗長化制御システムの技術についての必要性が存在する。この制御システムは、塗布器ヘッドなどに配置されたホットメルト接着剤材料の主要な温度を制御するものである。冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料温度検出器と同様に、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料加熱素子は、単一のカートリッジ筐体や本体の中に効率的に組み込める。このため、これらの素子を、それぞれ1つずつ塗布器ヘッド内に個別に組み込む必要がなくなり、塗布器ヘッドの大きさは、縮小され、より小型化できる。そして、これらの素子を冗長化制御回路に組み込むことにより、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料加熱素子または温度検出器のぞれぞれの素子と、冗長化電気回路に含まれている他の電気部品との間を結線する電気的な接続点数を実質的に減少させることができる。これによって、新規で改良された冗長化制御システムは、製造するためにそれほど価格的にも労力的にも掛かることはないだろう。
【発明の概要】
【0008】
前述の目的や他の目的は、ホットメルト接着剤材料供給システムに関連して使用する、新規で改良された冗長化制御システムの提供を通じて、本発明の教示および原理に従って実現される。冗長化または予備的加熱素子および温度検出器を有効に規定するために、この制御システムは、加熱素子対および温度検出器対を有する。冗長化加熱素子対の第1の加熱素子は、最初は、ホットメルト接着剤材料供給ユニットと動作可能なように接続されている冗長化制御回路と電気的に接続されている。同様に、冗長化温度検出器対の第1の温度検検出器もまた、ホットメルト接着剤材料供給ユニットと動作可能なように接続されている冗長化制御回路と電気的に接続されている。その後に、第1の加熱素子内で故障が生じた場合は、論理制御または手動制御のいずれかの制御により、第1の、故障した加熱素子を冗長化制御回路から効果的に切り離すために、第1の電気スイッチ機構が駆動され、実質的にそれと同時に、第2の加熱素子と冗長化制御回路とを電気的に接続するために、第2の電気スイッチ機構が駆動される。最初に冗長化制御回路内部に組み込まれていた温度検出器内で故障が生じた場合は、冗長化温度検出器対について、同様なスイッチング手順が実行される。さらに、本発明の特有な原理および教示に従って、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料温度検出器対と同様に、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料加熱素子対は、単一のカートリッジ筐体または本体に効果的に組み込まれる。このため、これらの素子を、それぞれ1つずつ塗布器ヘッドに組み込む必要はない。
【0009】
さらに、塗布器ヘッド内に、加熱素子対または温度検出器対を、個々にあるいは分離してカートリッジ筐体または本体に収容する必要ないので、塗布器ヘッドの大きさは、それに応じて小さくでき、より小型化できる。またさらに、冗長化制御回路と結線するまたは内部にある冗長化または予備的加熱素子および温度検出器との電気的接続は、その接続点数を実質的に減少させて実現される。これは、冗長化または予備的加熱素子対または温度検出器対を有する冗長化または予備的加熱素子または温度検出器カートリッジ筐体または本体の1つずつと、冗長化制御回路を有する他の電気的な構成部品との間でのみで、電気的に接続するためである。このように、システム内の電気的な接続点数は、さらに減少させ、簡略化でき、それにより、容易になり、新規で改良された冗長化制御システムの製造の費用効率がより高くなるようになる。
【0010】
本発明の他のさまざまな特徴や付随する利点は、以下の詳細な説明から十分に理解できるであろう。ここで、添付図面に関しては、図面を通じて、類似の参照数字が類似または一致している部分に付けてある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】新規で改良された冗長化制御システムの第1の実施形態を、概略的に説明している電子回路図である。このシステムは、ホットメルト接着剤材料供給システムと動作可能なように接続され、本発明の原理および教示に従って開発され、そしてそれらと協働して働く各部分を備えている。ここで、冗長化加熱素子対および温度検出器対は、それぞれ動作可能なように接続されている第1、第2のスイッチング機構とともに図示され、これらの素子は、新規で改良された冗長化制御システムを有する電気回路内部に動作可能なように組み込まれている。このため、冗長化加熱素子対の第1の加熱素子内で故障が生じた場合、適切な論理制御手段により、第1のスイッチング機構対が作動して、冗長化制御システムを有する電気回路から第1の、故障した加熱素子を効果的に除去し、実質的にこれと同時に、加熱素子対の第2の加熱素子を、冗長化制御システムを有する電気回路に電気的に接続する。同様に、冗長化温度検出器対の第1の温度検出器内で故障が生じた場合、適切な論理制御手段により、第2のスイッチング機構対が作動して、冗長化制御システムを有する電気回路から第1の、故障した温度検出器を効果的に除去し、実質的にこれと同時に、温度検出器対の第2の温度検出器を、冗長化制御システムを有する電気回路に電気的に接続する。
【図2】図1と同様に、新規で改良された冗長化制御システムの第2の実施形態を概略的に説明している電子回路図である。このシステムは、ホットメルト接着剤材料供給システムと動作可能なように接続され、本発明の原理および教示に従って開発され、そしてそれらと協働して働く各部分を備えている。ここで、冗長化加熱素子対および温度検出器対は、それぞれ動作可能なように接続されている第1、第2のスイッチング機構とともに図示され、これらの素子は、新規で改良された冗長化制御システムを有する電気回路内部に動作可能なように組み込まれている。このため、冗長化加熱素子対の第1の加熱素子内で故障が生じた場合、適切な手動制御手段により、第1のスイッチング機構対が作動して、冗長化制御システムを有する電気回路から第1の、故障した加熱素子を効果的に除去し、実質的にこれと同時に、加熱素子対の第2の加熱素子を、冗長化制御システムを有する電気回路に電気的に接続する。同様に、冗長化温度検出器対の第1の温度検出器内で故障が生じた場合、適切な手動制御手段により、第2のスイッチング機構対が作動して、冗長化制御システムを有する電気回路から第1の、故障した温度検出器を効果的に除去し、実質的にこれと同時に、温度検出器対の第2の温度検出器を、冗長化制御システムを有する電気回路に電気的に接続する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、図面、特に図1を参照する。新規で改良された冗長化制御システムまたは回路の第1の実施形態は、本発明の原理および教示に従って開発されたものであり、協働して動作する各部分を備え、例えばホットメルト接着剤材料供給システムの塗布器ヘッドと関連して動作可能なようになされている。本実施形態は、図1に開示されていて、参照数字10で示されている。より詳細には、新規で改良された冗長化制御システムまたは回路10は、ホットメルト接着剤材料供給ユニット12を有しており、このユニット12内には、温度制御器14が配置されている。メス型・電気コネクタ16もまた、ホットメルト接着剤材料供給ユニット12に配置されており、主電源(図時せず)から電源を供給される。塗布器ヘッド18は、ホットメルト接着剤材料供給ユニット12からホットメルト接着剤材料の供給を受けるようになされている。そして、温度検出器対24、26と同様に、加熱素子対20、22は、塗布器ヘッド18の中に配置されている。ここで、加熱素子対20、22は、いずれかの加熱素子に操作上の故障が生じた場合には、それぞれの加熱素子が効果的に冗長化または予備的加熱素子としての役目を果たす第1、第2の加熱素子を有する。そして、同様に、温度検出器対24、26は、いずれかの温度検出器に操作上の故障が生じた場合には、それぞれ温度検出器が効果的に冗長化または予備的温度検出器としての役目を果たす第1、第2の温度検出器を有する。
【0013】
本発明の他の原理および教示に従って、冗長化または予備的加熱素子20、22は双方ともに、単一の加熱素子カートリッジ本体または筐体28の内部に配置される。このカートリッジ本体または筐体28は、塗布器ヘッド18の内部に形成または設けられる適切な単一の空洞、凹部、または穴30の中に配置されている。そして、同様に、冗長化または予備的温度検出器24、26は双方ともに、単一の温度検出器カートリッジ本体または筐体32の内部に配置されていて、このカートリッジ本体または筐体32は、塗布器ヘッド18の内部に形成または設けられる適切な単一の空洞、凹部、または穴34の中に配置されている。これらの2重の、冗長化、または予備の加熱素子20、22の構造配置を考慮して、同一の素子が、塗布器ヘッド18の内部に形成または設けられる単一の空洞、凹部、または穴30の中に配置されている単一の加熱素子カートリッジ本体または筐体28の内部に配置されている。2重の、冗長化、または予備の温度検出器24、26の構造配置も同様に、同一の検出器が、塗布器ヘッド18の内部に形成または設けられる単一の空洞、凹部、または穴34の中に配置されている単一の温度検出器カートリッジ本体または筐体32の内部に配置されている。塗布器ヘッド18の内部に設けられる空洞、凹部、または穴に必ず配置される加熱素子または温度検出器カートリッジの筐体または本体内部に冗長化または予備的加熱素子対20、22または温度検出器対24、26の各々の素子を個々にあるいは分離して収容する必要がないので、塗布器ヘッド18の大きさは、大幅に縮小でき、より小型化できる。
【0014】
さらに、オス型・電気コネクタ36がホットメルト接着剤材料供給ユニット12内に配置されたメス型・電気コネクタ16と電気的に結合するようになされていることが分かる。これはメス型・電気コネクタ16及び主電源(図示せず)から冗長化または予備的加熱素子対20、22および温度検出器対24、26に電力を導電するためである。より詳細には、オス型・電気コネクタ36は、第1の電力線対38,40によって、冗長化または予備的加熱素子対20、22と電気的に接続するようになされている。同様に、第2の電力線対42,44によって、冗長化または予備的温度検出器対24、26と接続するようになされている。加えて、冗長化または予備的加熱素子対20、22について、冗長化または予備的加熱素子対の第1の加熱素子20は、第1の電気配線対46、48と、あわせて4つの端子を有する第1の2位置スイッチ機構対50、52とを介して、第1の電力線対38、40と電気的に接続するようになされていることが分かる。そして同様に、冗長化または予備的加熱素子対の第2の加熱素子22は、第2の電気配線対54、56と4つの端子を有する2位置スイッチ機構50、52とを介して、第1の電力線対38,40と電気的に接続するようになされている。図1に示すように、第1の2位置スイッチ機構対50、52が、第1の位置に配置されているとき、すなわち、第1の2位置スイッチ機構対50、52が電気的に第1、第3端子と接続する位置にあるときは、ホットメルト接着剤材料供給ユニット12内部で電気的にお互いに接続された電気コネクタ16、36を介して受電するように、冗長化または予備的加熱素子対の第1の加熱素子20は、電源回路と電気的に接続されることになる。一方、反対にまたは代替的には、第1の2位置スイッチ機構対50、52を、有効に切り替えたとき、すなわち、第1の2位置スイッチ機構対50、52が、第2、第4端子と接続する第2の位置するときは、ホットメルト接着剤材料供給ユニット12内部で電気的にお互いに接続された電気コネクタ16、36を介して受電するように、冗長化または予備的加熱素子対の第2の素子22は、電源回路と電気的に接続されることになる。
【0015】
同様に、冗長化または予備的温度検出器対24、26との接続について、冗長化または予備的温度検出器対の第1の温度検出器24は、第3の電気配線対58、60と、合わせて4つの端子を有する第2の2位置スイッチ機構対62、64とを介して、第2の電力線対42、44と電気的に接続されるようになることが分かる。加えて、冗長化または予備的温度検出器対の第2の温度検出器26は、第4の電気配線対66、68と第2の2位置スイッチ機構対62、64とを介して、第2の電力線対42、44と電気的に接続されるようになる。
【0016】
したがって、図1に示すように、第2の2位置スイッチ機構対62、64が第1の位置にあるとき、すなわち第2の2位置スイッチ機構対62、64が第1、第3端子を電気的に接続しているときは、ホットメルト接着剤材料供給ユニット12内部で電気的にお互いに接続された電気コネクタ16、36を介して受電するように、冗長化または予備的温度検出器対の第1の温度検出器24は、電源回路と電気的に接続されることが理解できる。一方、反対にまたは代替的には、第2の2位置スイッチ機構対62、64を有効に切り替えたとき、すなわち、第2の2位置スイッチ機構対62、64が第2、4端子を接続する第2の位置にあるときは、ホットメルト接着剤材料供給ユニット12内部でお互いに電気的に接続されたコネクタ16、36から受電するように、冗長化または予備的温度検出器対の第2の温度検出器26は、電源回路と電気的に接続される。さらにまた、ふさわしい論理制御システム70は、例えば、マイクロコントローラ、EEPROMなどを有し、より詳細には、参酌することによりこの出願に取込まれる米国特許出願第11/123,028号「ホットメルト接着剤ホース組立体加熱器および温度検出器における冗長化制御回路(REDUNDANT CONTROL CIRCUIT FOR HOT MELT ADHESIVE HOSE ASSEMBLY HEATER CIRCUITS AND TEMPERATURE SENSORS(Daniel D.Bourgel他名義により2006年5月6日に出願)に開示されている。論理制御システム70は、第1の2位置スイッチ機構50、52および第2の2位置スイッチ機構62、64の位置を制御するようにされている。なお、第1の2位置スイッチ機構50、52および第2の2位置スイッチ機構62、64の位置の制御は、例えば冗長化または予備的加熱素子対22、24および温度検出器対24、26から得る適当な電圧、電流のフィードバック値によって達成される。これらも、上述の特許出願により詳細に公開されている。
【0017】
したがって、冗長化または予備的加熱素子20、22の双方を、1つの加熱素子カートリッジ筐体または本体28の内部に効率よく組み込むことにより、例えば、1つの加熱素子カートリッジ筐体または本体28と動作可能なように結びつけられた、全ての電気配線46、48、54、56を、事実上、第1の2位置スイッチ機構対50、52の4つの端子とそれぞれ電気的に接続している、単一のワイヤハーネスまたは電気コネクタに集めまたはまとめることになることが理解できる。冗長化または予備的加熱素子対20、22と、2位置スイッチ機構50、52との電気的な接続点数は、事実上減少、簡素化できる。これによって、本発明の新規で改良された冗長化制御システム10はより費用効率が高くなる。同じ特性は、冗長化または予備的温度検出器24、26の双方を、1つの温度検出器カートリッジ本体または筐体32に効果的に組み入れた場合の特徴となり、例えば、1つの温度検出器カートリッジ筐体または本体32と、動作可能なように結びつけられた、全ての電気配線58、60、66、68を、事実上、第2の2位置スイッチ機構対62、64の4つの端子とそれぞれ電気的に接続している、1つのワイヤハーネスまたは電気コネクタに集めまたはまとめることになる。
【0018】
図2を参照すると、新規で改良された冗長化制御システムまたは回路の第2の実施形態が開示され、参照数字110で概略的に示されている。本実施形態は、本発明の原理および教示に従って開発されたものであり、協働して働く各部分を備え、例えばホットメルト接着剤材料供給システムの塗布器ヘッドと関連して動作可能なようにされている。なお、図1に開示した第1の実施形態である冗長化制御システムまたは回路10と比較した場合、図2に開示した第2の実施形態である冗長化制御システムまたは回路110の類似性を考慮して、第2の実施形態である冗長化制御システムまたは回路110の詳細な説明では、図2に開示した第2の実施形態である冗長化制御システムまたは回路110と、図1に開示した第1の実施形態である冗長化制御システムまたは回路10との特別な相違点に言及することにして、それ以外は省略する。図2に開示した第2の実施形態である冗長化制御システムまたは回路110の構造上の構成部品が、図1に開示した第1の実施形態である冗長化制御システムまたは回路10の同一の構成部品に相当するときは、第2の実施形態では100番台の同様なまたは対応する参照数字により指定されている。さらに、図2に開示した第2の実施形態である冗長化制御システムまたは回路110と、図1に開示した第1の実施形態である冗長化制御システムまたは回路10との重要な唯一の相違点は、論理制御機構70の代わりに、第1の2位置スイッチ機構対50、52および第2の2位置スイッチ機構対62、64の切り替えが、適当な手動制御170により機能または実現されることであることが分かる。より詳細には、参酌することによりこの出願に取込まれる米国特許出願第11/123,053号「冗長化構成部品を有するホットメルト接着剤ホース組立体(HOT MELT ADHESIVE HOSE ASSEMBLY HAVING REDUNDANT COMPONENT)」(Daniel D.Bourgel他名義により2006年5月6日に出願)に開示されている。
【0019】
本発明の原理および教示に従って、ホットメルト接着剤材料供給システムに関連して使用する、新規で改良された冗長化制御システムが開示され、説明されていることが分かる。冗長化または予備的加熱素子と温度検出器を効果的に規定するために、新規で改良された冗長化制御システムは、加熱素子対と温度検出器対を有する。冗長化または予備的加熱素子の第1の加熱素子は、最初はホットメルト接着剤材料供給ユニットと動作可能なように接続されている冗長化制御回路と電気的に接続されている。同様に、冗長化または予備的温度検出器の第1の温度検出器は、最初はホットメルト接着剤材料供給ユニットと動作可能なように接続されている冗長化制御回路と電気的に接続されている。その後、第1の加熱素子内で故障が生じた場合には、論理制御または手動制御により、第1の電気スイッチ機構対を始動させ、第1の、故障した加熱素子を冗長化制御回路から除去し、続いてほぼ同時に、第2の電気スイッチ機構対を始動させ、第2の加熱素子を冗長化制御回路に接続する。最初に冗長化制御回路と接続されている第1の温度検出器で故障が発生した場合には、同様なスイッチングの手順により、冗長化温度検出器対の接続が実行される。
【0020】
さらに、本発明の特別な教示および原理に従って、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料温度検出器対と同様に、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料加熱素子対は、単一のカートリッジ筐体または本体の中に動作可能なように組み込まれるようになっている。このため、冗長化または予備的ホットメルト接着剤材料加熱素子および温度検出器は、それぞれ1つずつ塗布器ヘッド内に組み込む必要がない。塗布器ヘッド内に、冗長化または予備的加熱素子対または温度検出器対を個々のあるいは分離してカートリッジ筐体または本体に入れて収納するスペースを要しないため、塗布器ヘッドの大きさは、それに応じて縮小させ、小型化できる。またさらに、冗長化または予備的加熱素子または温度検出器と、冗長化制御電気回路と結線するまたは内部にある電気的接続においては、実際に電気的な接続点数を減らして実現される。これは、冗長化または予備的加熱素子対を含むそれぞれの加熱素子カートリッジ筐体または本体と、冗長化制御回路を含むスイッチング構成部品との間のみで、電気的に接続し、また冗長化または予備的温度検出器対を含むそれぞれの温度検出器カートリッジ筐体または本体と冗長化制御回路を含むスイッチング構成要素との間のみで、電気的に接続するためである。このように、電気的な接続点数を、減少させ、簡素化できる。それによって、新規で改良された冗長化制御システムは、より費用効率が高くなる。
【0021】
本発明の多くの変更や修正が、上記の教示から可能になることは明らかである。それ故に、添付の特許請求の範囲内において、本明細書で具体的に説明されたもとのは異なる方法で本発明が実施可能であることが理解されるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト接着剤材料供給装置のために使用する電子制御システムであって、
電源と、
ホットメルト接着剤材料が内部で加熱される構成部品と、
前記構成部品内に設けられる空洞と、
前記構成部品に配置される前記ホットメルト接着剤材料を所定の温度レベルに加熱するために前記構成部品内に配置される冗長化加熱素子対であって、前記加熱素子対の双方は、前記構成部品内に設けられる前記空洞内に配置されている単一の加熱素子カートリッジ筐体本体内に配置されている加熱素子対と、
前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルを検出するために前記構成部品内に配置される、少なくとも1つの温度検出器と、
前記冗長化加熱素子対のいずれか1つの加熱素子と前記電源とを、選択的かつ二者択一的に、電気的に接続するためのスイッチング手段と、
を有する電子制御システム。
【請求項2】
前記構成部品は、ホットメルト接着剤材料塗布器ヘッドを有する請求項1に記載の電子制御システム。
【請求項3】
前記スイッチング手段は、
4つの端子を有する2位置スイッチ対を有し、
前記2位置スイッチ対の各2位置スイッチが前記4つの端子の第1、第3端子と前記電源とが電気的に接続する第1の位置に配置されたときは、前記冗長化加熱素子対の第1の加熱素子は、前記電源と電気的に接続され、
一方、前記2位置スイッチ対の各2位置スイッチが前記4つの端子の第2、第4端子と前記電源とが電気的に接続する第2の位置に配置されたときは、前記冗長化加熱素子対の第2の加熱素子は、前記電源と電気的に接続されることを特徴とする、
請求項1に記載の電子制御システム。
【請求項4】
前記第1、第2の位置の間で前記スイッチング手段を個々に切り替える前記スイッチング手段を制御する制御手段をさらに有する請求項1に記載の電子制御システム。
【請求項5】
前記第1のスイッチング手段を制御する制御手段は、論理制御手段を有する請求項4に記載の電子制御システム。
【請求項6】
前記スイッチング手段を制御する制御手段は、手動制御手段を有する請求項4に記載の電子制御システム。
【請求項7】
前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルを指示する少なくとも1つの前記温度検出器から信号を受信し、
少なくとも1つの前記温度検出器によって検出された、前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルに応じて、前記冗長化加熱素子対の通電を制御する温度制御手段、
をさらに有する請求項1に記載の電子制御システム。
【請求項8】
ホットメルト接着剤材料供給装置のために使用する電子制御システムであって、
電源と、
ホットメルト接着剤材料が内部で加熱される構成部品と、
前記構成部品内に設けられる空洞と、
前記構成部品内に配置されて、前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料を所定の温度に加熱するための、少なくとも1つの加熱素子と、
前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルを検出するために前記構成部品内に配置される冗長化温度検出器対であって、前記温度検出器対の双方が、前記構成部品内に設けられる前記空洞内に配置されている単一の温度検出器カートリッジ筐体本体内に配置されている温度検出器対と、
前記冗長化温度検出器対のいずれか1つの温度検出器と前記電源とを、選択的かつ二者択一的に、電気的に接続するためのスイッチング手段と、
を有する電子制御システム。
【請求項9】
前記構成部品は、ホットメルト接着剤材料塗布器ヘッドを有する請求項8に記載の電子制御システム。
【請求項10】
前記スイッチング手段は、
4つの端子を有する2位置スイッチ対を有し、
前記2位置スイッチ対の各2位置スイッチが前記4つの端子の第1、第3端子と前記電源とが電気的に接続する第1の位置に配置されたときは、前記冗長化温度検出器対の第1の素子は前記電源と電気的に接続され、
一方、前記2位置スイッチ対の各2位置スイッチが前記4つの端子の第2、第4端子と前記電源とが電気的に接続する第2の位置に配置されたときは、前記冗長化温度検出器対の第2の素子は前記電源と電気的に接続されることを特徴とする、
請求項8に記載の電子制御システム。
【請求項11】
前記第1、第2の位置の間で前記スイッチング手段を個々に切り替える前記スイッチング手段を制御する制御手段をさらに有する請求項8に記載の電子制御システム。
【請求項12】
前記第1のスイッチング手段を制御する制御手段は、論理制御手段を有する請求項11に記載の電子制御システム。
【請求項13】
前記スイッチング手段を制御する制御手段は、手動制御手段を有する請求項11に記載の電子制御システム。
【請求項14】
前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルの表示する前記温度検出器から信号を受信し、
前記温度検出器対によって検出された、前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルに応じて、少なくとも1つの前記冗長化加熱素子対の通電を制御する温度制御手段、
をさらに有する請求項10に記載の電子制御システム。
【請求項15】
ホットメルト接着剤材料供給装置のために使用する電子制御システムであって、
電源と、
ホットメルト接着剤材料が内部で加熱される構成部品と、
前記構成部品内に設けられる第1の空洞と、
前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料を所定の温度レベルに加熱するために前記構成部品内に配置される冗長化加熱素子対であって、前記加熱素子対の双方は、前記構成部品内に設けられる前記第1の空洞内に配置されている単一の加熱素子カートリッジ筐体本体に配置されている加熱素子対と、
前記冗長化加熱素子対のいずれか1つの加熱素子と前記電源とが、選択的かつ二者択一的に、電気的に接続するための第1のスイッチング手段と、
前記構成部品内に設けられる第2の空洞と、
前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルを検出するために前記構成部品内に配置される冗長化温度検出器対であって、前記温度検出器対の双方が、前記構成部品内に設けられる前記第2の空洞内に配置されている単一の温度検出器カートリッジ筐体本体に配置されている温度検出器対と、
前記冗長化温度検出器対のいずれか1つの温度検出器と前記電源とが、選択的かつ二者択一的に、電気的に接続するための第2のスイッチング手段と、
を有する電子制御システム。
【請求項16】
前記構成部品は、ホットメルト接着剤材料塗布器ヘッドを有する請求項15に記載の電子制御システム。
【請求項17】
前記第1、第2のスイッチング手段は、
4つの端子を有する第1の2位置スイッチ対であって、
前記第2の2位置スイッチ対の各2位置スイッチが、前記4つの端子の第1、第3端子と前記電源とを電気的に接続する第1の位置に配置されるときに、前記冗長化加熱素子対の第1の加熱素子が前記電源と電気的に接続され、
一方、前記第2の2位置スイッチ対の各2位置スイッチが、前記4つの端子の第2、第4端子と前記電源とを電気的に接続する第2の位置に配置されるときに、前記冗長化加熱素子対の第2の加熱素子が前記電源と電気的に接続されることを特徴とする、
第1の2位置スイッチ対と、
4つの端子を有する第2の2位置スイッチ対であって、
前記第2の2位置スイッチ対の各2位置スイッチが、前記4つの端子の第1、第3端子と前記電源とを電気的に接続する第1の位置に配置されるときに、前記冗長化温度検出器対の第1の温度検出器が前記電源と電気的に接続され、
前記第2の2位置スイッチ対の各2位置スイッチが、前記4つの端子の第2、第4端子と前記電源とを電気的に接続する第2の位置に配置されるときに、前記冗長化温度検出器対の第2の温度検出器が前記電源と電気的に接続されることを特徴とする、
第2の2位置スイッチ対と、
を有する請求項15に記載の電子制御システム。
【請求項18】
前記第1、第2の位置の間で前記スイッチング手段を個々に切り替える前記第1、第2のスイッチング手段を制御する制御手段をさらに有する請求項15に記載の電子制御システム。
【請求項19】
前記第1のスイッチング手段および第2のスイッチング手段の制御手段は、論理制御手段と手動制御手段を有する群から選択される制御手段である請求項18に記載の電子制御システム。
【請求項20】
前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルの表示する前記冗長化温度検出器対から信号を受信し、
前記温度検出器対によって検出された、前記構成部品内に配置される前記ホットメルト接着剤材料の前記温度レベルに応じて、前記冗長化加熱素子対の通電を制御する温度制御手段、
をさらに有する請求項15に記載の電子制御システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−500172(P2010−500172A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524597(P2009−524597)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/015537
【国際公開番号】WO2008/020929
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(591203428)イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド (309)
【Fターム(参考)】