説明

単一チューブ、既製のアッセイキットおよびそれらの使用方法

【課題】ポリヌクレオチドとデオキシリボ核酸(DNA)の複合体を増幅するための技術の提供。
【解決手段】コンピューターシステムによって読み出し可能なプログラム記憶デバイスであって、該コンピューターシステムにより実行可能な遺伝子分析のための指示のプログラムを具体化し、該指示のプログラムが、該コンピューターシステムに方法工程を実施させ、該方法工程は、以下:(i)データ記憶デバイスから該コンピューターシステムへの複数のアッセイ混合物に関する電子情報をアップロードする工程、(ii)該情報を使用し、サーマルサイクラーの操作のための指示を含むファイルを作成する工程;
(iii)該ファイルを実行のために、該サーマルサイクラーへ伝達する工程を包含する、工程である、デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)項の下で、以前の米国仮特許出願第60/352,039号(2002年1月25日出願);同第60/352,356号(2002年1月28日出願);同第60/369,127号(2002年4月1日出願);同第60/369,657号(2002年4月3日出願);同第60/370,921号(2002年4月9日出願);同第60/376,171号(2002年4月26日出願);同第60/380,057号(2002年5月6日出願);同第60/383,627号(2002年5月28日出願);同第60/383,954号(2002年5月29日出願);同第60/390,708号(2002年6月21日出願);同第60/394,115号(2002年7月5日出願);および同第60/399,860号(2002年7月31日);米国非仮特許出願第10/335,707号(2003年1月2日出願);同第10/335,690号(2003年1月2日出願);同第10/334,793号(2003年1月2日出願);国際特許出願番号PCT/US03/00128(2003年1月2日出願);ならびに本出願と同時に出願された「Methods of Validating SNPs and Compiling Libraries of Assays」と題される国際特許出願(これらの全ては、その全体が参考として本明細書中に援用される)の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、ポリヌクレオチドとデオキシリボ核酸(DNA)の複合体を増幅するための一般的な科学技術である。PCRは、いくつかのアッセイ試薬および標的分析物(例えば、標的ポリヌクレオチド)の使用を必要とする。標的分析物は、PCRプロセスの間、サンプル中に含まれそして増幅され得る。反応過程の間、標的分析物は、何度も増幅され得る。現在、アッセイ試薬は、代表的には、サンプルをPCRに供する直前に収集され、そして混合されなければならない。多くのアッセイ試薬は、代表的に、複数の供給源から得られ、そして代表的に、PCRを実行するのに必要な実験機器に通常収容される物理的配置において、実験台上で一緒に混合される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によって、以下が提供される:
(項目1)
アッセイキットであって、以下:
容器であって、該容器は、少なくとも1つの標的ポリヌクレオチド配列と混合された場合に、対立遺伝子識別反応または発現分析反応を実施するよう適合されている試薬を含む混合物を含む、容器、および
データ記憶媒体であって、該第1の容器の中身についてのデータを含む、媒体
を含む、アッセイキット。
(項目2)
項目1に記載のアッセイキットであって、アッセイ試薬を含む第2の容器をさらに含む、アッセイキット。
(項目3)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記容器が、該容器の中身についての情報を提供する機械読み出し可能な標識を有する、アッセイキット。
(項目4)
項目1に記載のアッセイキットであって、少なくとも1つの第1のプローブをさらに含み、ここで該少なくとも1つの第1のプローブは、第1のマーカー色素を有する、アッセイキット。
(項目5)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記容器が、密封されている、アッセイキット。
(項目6)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで該キットは、標的ポリヌクレオチドをさらに含む、アッセイキット。
(項目7)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記試薬が、前記反応の実行の間に蛍光発生5’ヌクレアーゼ化学を利用する、アッセイキット。
(項目8)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記混合物が、DNAポリメラーゼ、1種以上のポリヌクレオチドモノマー、少なくとも1種の塩、および緩衝液をさらに含む、アッセイキット。
(項目9)
項目8に記載のアッセイキットであって、ここで前記ポリヌクレオチドモノマーが、ペプチド核酸である、アッセイキット。
(項目10)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記容器が、チューブである、アッセイキット。
(項目11)
項目5に記載のアッセイキットであって、ここで前記密封されている容器が、取り外し可能なキャップで密封されている、アッセイキット。
(項目12)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、コンパクトディスク(CD)であり、前記データが、電子的にフォーマット化されている、アッセイキット。
(項目13)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記データが、少なくとも1つの第1のプローブおよび少なくとも1つのプライマーのうちの少なくとも1つについての配列情報を含む、アッセイキット。
(項目14)
項目4に記載のアッセイキットであって、ここで前記データが、前記第1のマーカー色素についての情報を含む、アッセイキット。
(項目15)
項目4に記載のアッセイキットであって、ここで前記データが、少なくとも1つの科学実験室器具を制御することが可能な情報を含む、アッセイキット。
(項目16)
項目15に記載のアッセイキットであって、ここで前記少なくとも1つの器具が、ポリメラーゼ連鎖反応およびポリヌクレオチド配列決定反応のうちの少なくとも1つを実施するよう設計されている器具である、アッセイキット。
(項目17)
項目15に記載のアッセイキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、コンパクトディスク(CD)であり、前記データが、電子的にフォーマット化されている、アッセイキット。
(項目18)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、ソフトウェアプログラムを含み、該ソフトウェアプログラムは、少なくとも1つの科学器具または実験室器具を制御するために該データ記憶媒体に含まれるデータと一緒に利用され得る、アッセイキット。
(項目19)
項目18に記載のアッセイキットであって、ここで前記ソフトウェアプログラムが、少なくとも1つの科学器具または実験室器具からの出力データを受け取るように適合されている、アッセイキット。
(項目20)
項目1に記載のアッセイキットであって、第2のデータ記憶媒体をさらに含み、そして該第2のデータ記憶媒体は、少なくとも1つの科学器具または実験室器具を制御するために用いられ得るソフトウェアプログラムを含む、アッセイキット。
(項目21)
項目20に記載のアッセイキットであって、ここで前記ソフトウェアプログラムが、少なくとも1つの器具からの出力データを受け取るように適合されている、アッセイキット。
(項目22)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、前記容器から分離している、アッセイキット。
(項目23)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、前記容器に添付されている、アッセイキット。
(項目24)
項目23に記載のアッセイキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、光学的に検出可能なコードを含む、アッセイキット。
(項目25)
項目23に記載のアッセイキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、2次元バーコードの形態である、アッセイキット。
(項目26)
項目1に記載のアッセイキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、前記容器中でエッチングされている、アッセイキット。
(項目27)
アッセイを実施する方法であって、以下:
項目1に記載のアッセイキットを提供する工程、
前記データを用いて器具を制御して、前記アッセイ試薬を処理する工程、および
アッセイを実施する工程
を包含する、方法。
(項目28)
項目27に記載の方法であって、前記データをソフトウェアプログラムを用いて処理して、前記器具を制御する工程をさらに包含する、方法。
(項目29)
方法であって、以下:
項目1に記載のアッセイキットを提供する工程;および
該アッセイキットを消費者に出荷する工程を包含する、方法。
(項目30)
項目29に記載の方法であって、ここで前記アッセイキットが、均質なアッセイを行うための試薬を含む、方法。
(項目31)
遺伝子分析キットであって、以下:
第1の容器;
該第1の容器中に保持されている反応混合物であって、該反応混合物は、対立遺伝子識別または発現分析のために適合されている、反応混合物;
データ記憶媒体であって、電子形態にて情報を含み、該情報は、該反応混合物に少なくとも一部は関係する、データ記憶媒体;および
第2の容器であって、該第1の容器および該データ記憶媒体をユニットとしての出荷のために保持する、第2の容器
を含む、遺伝子分析キット。
(項目32)
項目31に記載のキットであって、ここで前記第1の容器が、チューブを含む、キット。
(項目33)
項目31に記載のキットであって、ここで前記第2の容器が、パッケージを含む、キット。
(項目34)
項目31に記載のキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、ディスクを含む、キット。
(項目35)
項目34に記載のキットであって、ここで前記ディスクが、取り外し可能なディスクを含む、キット。
(項目36)
項目31に記載のキットであって、ここで前記反応混合物が、均質な反応混合物を含む、キット。
(項目37)
項目36に記載のキットであって、ここで前記均質な反応混合物が、蛍光発生5’ヌクレアーゼアッセイを行うための成分を含む、キット。
(項目38)
項目31に記載のキットであって、ここで前記情報が、情報交換用米国標準コード(ascii)フォーマット化テキストから、少なくとも一部は構成される、キット。
(項目39)
項目31に記載のキットであって、ここで前記データ記憶媒体が、機械読み出し可能なコードをさらに含む、キット。
(項目40)
遺伝子分析を容易にするための方法であって:
ユーザーから1つ以上の遺伝子分析アッセイについての要望を受ける工程;および
消費者に(i)該1つ以上のアッセイであって、各々のアッセイが、単一のチューブフォーマットで提供される、アッセイおよび(ii)該1つ以上のアッセイに関する情報であって、該情報は、電子形態である、情報を提供する工程を包含する、方法。
(項目41)
項目40に記載の方法であって、ここで前記1つ以上のアッセイが各々、均質な反応混合物を含む、方法。
(項目42)
項目41に記載の方法であって、ここで前記均質な反応混合物が、蛍光発生5’ヌクレアーゼアッセイを行うための成分を含む、方法。
(項目43)
項目40に記載の方法であって、ここで前記情報が、ディスク上にて提供される、方法。
(項目44)
項目43に記載の方法であって、ここで前記ディスクが、取り外し可能なディスクである、方法。
(項目45)
項目40に記載の方法であって、ここで前記情報が、コンピューターネットワークを介して提供される、方法。
(項目46)
項目45に記載の方法であって、ここで前記情報が、電子メールを介して前記消費者に伝達される、方法。
(項目47)
項目45に記載の方法であって、ここで前記情報が、ファイル転送プロトコル(FTP)を介して提供される、方法。
(項目48)
項目40に記載の方法であって、ここで前記情報が、asciiフォーマット化されたテキストから、少なくとも一部は構成される、方法。
(項目49)
項目40に記載の方法であって、ここで前記1つ以上のアッセイのうちの少なくとも1つおよび前記情報が、1つのパッケージで一緒に前記消費者に出荷される、方法。
(項目50)
遺伝子分析のための方法であって、以下:
供給者から遺伝子分析のための複数のアッセイ混合物を要求する工程;
該供給者から(i)該複数のアッセイ混合物、および(ii)各アッセイ混合物に関係する電子形態の情報を受け取る、工程;
電子情報の少なくとも一部を、サーマルサイクラーとの電気的連絡のために適合されたコンピューターシステムに伝達する工程;および
該コンピューターシステムおよび該情報の少なくとも一部を使用し、器具の操作を指示し、これにより該アッセイ混合物の各々が分析される工程
を包含する、方法。
(項目51)
項目50に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイの各々が、均質な反応混合物を含む、方法。
(項目52)
項目51に記載の方法であって、ここで前記均質な反応混合物が、蛍光発光5’ヌクレアーゼアッセイを行うための成分を含む、方法。
(項目53)
項目50に記載の方法であって、ここで前記情報が、取り外し可能なディスクで提供される、方法。
(項目54)
項目50に記載の方法であって、ここで前記サーマルサイクラーが、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を実施するように構成される、方法。
(項目55)
項目50に記載の方法であって、ここで前記情報が、コンピューターネットワークを介して提供される、方法。
(項目56)
項目55に記載の方法であって、ここで前記情報が、電子メールを介して前記供給者に伝達される、方法。
(項目57)
項目55に記載の方法であって、ここで前記情報が、前記消費者によってサーバーからダウンロードされる、方法。
(項目58)
項目50に記載の方法であって、ここで前記情報が、情報交換用米国標準コード(ascii)フォーマット化テキストから、少なくとも一部は、構成される、方法。
(項目59)
項目50に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイのうちの少なくとも1つおよび前記情報が、1つのパッケージで一緒に前記ユーザーに出荷される、方法。
(項目60)
項目50に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイ混合物の各々が、単一のチューブ中に含まれる、方法。
(項目61)
項目50に記載の方法であって、ここで前記要求する工程が、インターネットを介して実行される、方法。
(項目62)
遺伝子分析を容易にする方法であって、以下:
消費者から遺伝子分析のための複数のアッセイ混合物についての要求を受ける工程;ならびに
該ユーザーに(i)該複数のアッセイ混合物、(ii)各アッセイ混合物に関係する電子形態の、情報、および(iii)コンピューターシステムによって読み出し可能なプログラム記憶デバイスを供給する工程を包含し、
該デバイスは、遺伝子分析のための方法工程を実施するための、コンピューターシステムによって実行可能な指示のプログラムを具体化し、
該方法工程は、(a)該電子情報の少なくとも一部を、該コンピューターシステムのメモリに移す工程、(b)該情報の少なくとも一部を利用し、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を実施するよう適合されたサーマルサイクラーの操作のための指示を作成する工程、および(c)該サーマルサイクラーに該指示を送ることにより、該サーマルサイクラーが、該アッセイ混合物に対して作用する工程を包含する、方法。
(項目63)
項目62に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイ混合物および前記情報が、同時に、前記ユーザーに一緒に供給される、方法。
(項目64)
項目62に記載の方法であって、ここで前記情報が、取り外し可能なディスクで提供される、方法。
(項目65)
項目64に記載の方法であって、ここで前記取り外し可能なディスクが、コンパクトディスク(CD)を含む、方法。
(項目66)
項目62に記載の方法であって、ここで前記情報が、コンピューターネットワークを介して提供される、方法。
(項目67)
項目62に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイ混合物が、均質な反応混合物を含む、方法。
(項目68)
項目67に記載の方法であって、ここで各々の均質な反応混合物が、蛍光発生5’ヌクレアーゼアッセイを含む、方法。
(項目69)
項目62に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイ混合物の各々が、単一のチューブに含まれる、方法。
(項目70)
項目62に記載の方法であって、ここで前記プログラム記憶デバイスが、取り外し可能なディスクを含む、方法。
(項目71)
項目62に記載の方法であって、遺伝子分析のためのアッセイ混合物についての消費者からの要求を受け取るために構成されたウェブサイトを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目72)
コンピューターシステムによって読み出し可能なプログラム記憶デバイスであって、該コンピューターシステムにより実行可能な遺伝子分析のための指示のプログラムを具体化し、該方法工程は、以下:
(i)データ記憶デバイスから該コンピューターシステムへの複数のアッセイ混合物に関する電子情報をアップロードする工程、
(ii)該情報を使用し、サーマルサイクラーの操作のための指示を含むファイルを作成する工程;
(iii)該ファイルを実行のために、該サーマルサイクラーへ伝達する工程
を包含する、工程である、デバイス。
(項目73)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
アップロードする準備が出来た電子情報をモニタリングする工程
をさらに包含する、デバイス。
(項目74)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
サーマルサイクラーから結果ファイルを受け取り、そして結果ファイルを保存させる工程
をさらに包含する、デバイス。
(項目75)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
アッセイ情報データベースを構築する工程をさらに包含する、デバイス。
(項目76)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
プレート文書を作成し、前記サーマルサイクラーへの伝達のためにファイルにて該プレート文書を提供する工程
をさらに包含する、デバイス。
(項目77)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
作業ログを作成するかまたはアップデートする工程
をさらに包含する、デバイス。
(項目78)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
印刷のためにプリンターへの指示を出力する工程
をさらに包含する、デバイス。
(項目79)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
前記アッセイ混合物に有害に影響し得る、前記情報または指示におけるエラーを決定する工程、
を包含する、デバイス。
(項目80)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記データ記憶デバイスが、取り外し可能なディスクである、デバイス。
(項目81)
項目72に記載のデバイスであって、ここで前記サーマルサイクラーが、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を実施するのに適合されている、デバイス。
(要旨)
種々の実施形態にしたがって、以下を備えるアッセイキットが提供される:アッセイ試薬を含む容器;およびアッセイ試薬についてのデータを含む別個のデータ記憶媒体。少なくとも1つの標的ポリヌクレオチドと混合された場合、アッセイ試薬は、対立遺伝子の識別または発現分析反応を実施するために適合され得る。他の試薬は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のために慣習的に使用される成分であり得、そしてこれは、非反応成分を含み得る。この容器は、密封され得、そしてパッケージ(例えば、箱)内に別個データ記憶媒体と共にパッケージングされ得る。容器は、この容器の内容物についての情報を提供する機器読み取り可能な標識を有し得る。
【0004】
種々の実施形態にしたがって、データ記憶媒体上に記録されたデータには、装置(例えば、科学機器または実験機器)を、調節、較正、指示、設定、可動、または制御するために使用され得る、コンピュータ読み取り可能なコードが含まれ得る。種々の実施形態にしたがって、アッセイ試薬と混合される標的分析物のポリメラーゼ連鎖反応を装置に自動的に実施させるためにデータを使用する方法が提供される。キットが顧客に出荷される方法もまた提供される。
【0005】
明細書および実施例は、単なる例示として考慮されることが意図される。本教示の真の範囲および精神は、多様な実施形態を含む。
【0006】
(種々の実施形態の説明)
種々の実施形態にしたがって、以下を備え得るアッセイキットが提供される:例えば、アッセイ試薬を含む容器;およびアッセイ試薬についてのデータを含む別個のデータ記憶媒体。少なくとも1つの標的ポリヌクレオチドと混合された場合、アッセイ試薬は、対立遺伝子の識別または発現分析反応を実施するために適合された試薬を含み得る。試薬は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、リガーゼ連鎖反応(LCR)、オリゴヌクレオチド反応アッセイ(OLA)、自立的配列複製、酵素反応速度研究、均質リガンド結合アッセイ、デオキシリボ核酸またはアミノ酸の配列決定、および/または他の化学反応もしくは生化学反応のために使用され得、そしてこれは、非反応成分を含み得る。容器は、密封され得、そしてパッケージ(例えば、箱)内に別個データ記憶媒体と共にパッケージングされ得る。容器は、この容器の内容物についての情報を提供する、機器読み取り可能な標識を有し得る。
【0007】
種々の実施形態に従って、用語「ポリヌクレオチド」および「DNA」は、本明細書で使用される場合、核酸に追加して、または核酸の代わりに使用され得る核酸アナログを含み得る。核酸アナログの例としては、ペプチド核酸(PNA)のファミリーが挙げられ、ここで、DNAまたはRNAの糖/リン酸骨格は、非環式連鎖、アキラル連鎖、および中性ポリアミド連鎖で置換される。例えば、プローブまたはプライマーは、DNAポリマーの代わりにPNAポリマーを有し得る。アミド結合を介する連鎖に結合された核酸塩基により2−アミノエチルグリシンポリアミド結合は、PNAの実施形態として十分に研究されており、そして異常なハイブリダイゼーション特異性および親和性を保有することが示されている。PNAの例が、カルボキシ末端アミドを有する部分構造で以下に示される:
【0008】
【化1】

「核酸塩基」は、本明細書で使用される場合、相補的な核酸塩基または核酸塩基アナログ(例えば、プリン、7−デアザプリン、またはピリミジン)と対合する際に、Watson−Crick水素結合を形成することが出来る任意の窒素含有ヘテロ環式部分を意味する。代表的な核酸塩基は、天然に存在する核酸塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン)および天然に存在する核酸塩基のアナログ(例えば、7−デアザアデニン、7−デアザグアニン、7−デアザ−8−アザグアニン、7−デアザ−8−アザアデニン、イノシン、ネブラリン、ニトロピロール、ニトロインドール、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、プソイドウリジン、プソイドシトシン、プソイドイソシトシン、5−プロピニルシトシン、イソシトシン、イソグアニン、7−デアザグアニン、2−アザプリン、2−チオピリミジン、6−チオグアニン、4−チオチミン、4−チオウラシル、O−メチルグアニン、N−メチルアデニン、O−メチルチミン、5,6−ジヒドロチミン、5,6−ジヒドロウラシル、4−メチルインドール、ピラゾール[3,4−D]ピリミジン、「PPG」、およびエタノアデニン(ethenoadenine)である。
【0009】
「ヌクレオシド」とは、本明細書で使用される場合、糖(例えば、天然のβアノマー配座またはαアノマー配座におけるリボース、アラビノース、キシロース、およびピラノース)のC−1’炭素と結合する核酸塩基からなる化合物をいう。糖は、置換され得るか、または置換され得ない。置換されたリボース糖としては、1つ以上の炭素原子(例えば2’−炭素原子)が、1つ以上の同じか、または異なるCl、F、−R、−OR、−NRもしくはハロゲン群(各Rが、独立してH、C−CアルキルまたはC−C14アリールである)で置換されるリボースが挙げられるが、これらに限定されない。リボースの例としては、リボース、2’−デオキシリボース、2’,3’−ジデオキシリボース、2’−ハロリボース、2’−フルオロリボース、2’−クロロリボース、および2’−アルキルリボース(例えば、2’−O−メチル、4’−α−アノマーヌクレオチド、1’−α−アノマーヌクレオチド、2’−4’−および3’−4’結合し、そして他の「ロックされた」二環式の糖改変体または「LNA」二環式の糖改変体)が挙げられ得る。ポリヌクレオチド内の例示的なLNA糖アナログとしては、以下の構造を含み得:
【0010】
【化2】

ここでBは、任意の核酸塩基である。
【0011】
糖は、2’位または3’位での改変(例えば、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、メトキシエチル、アルコキシ、フェノキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、フルオロ、クロロおよびブロモ)を有し得る。ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、天然のD配座異性体(D体)ならびにL配座異性体(L体)を有し得る。核酸塩基がプリン(例えば、アデニンまたはグアニン)である場合、リボース糖は、この核酸塩基のN位に結合する。核酸塩基がピリミジン(例えば、シトシン、ウラシルまたはチミン)である場合、ペントース糖は、この核酸塩基のN位に結合する。
【0012】
「ヌクレオチド」とは、本明細書で使用される場合、ヌクレオシドのリン酸エステルをいい、モノマーユニットの形態であってもよいし、核酸内にあってもよい。「ヌクレオチド5’−三リン酸」とは、本明細書で使用される場合、5’位での三リン酸エステル基を有するヌクレオチドをいい、そして「NTP」、またはこのリボース糖の構造的特徴を特に指摘するように「dNTP」および「ddNTP」として示される。この三リン酸エステル基は、種々の酸素に対する硫黄置換(例えば、α−チオ−ヌクレオチド5’−三リン酸)を含み得る。
【0013】
本明細書中で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、例えば、ヌクレオチドモノマーの一本鎖ポリマーおよび二本鎖ポリマーを意味し、これには、ヌクレオチド間ホスホジエステル結合連鎖(例えば、3’−5’および2’−5’)および逆連鎖(例えば、3’−3’および5’−5’)によって結合する2’−デオキシリボヌクレオチド(DNA)およびリボヌクレオチド(RNA)、分枝構造、またはヌクレオチド間アナログが挙げられる。ポリヌクレオチドは、関連する対イオン(例えば、H、NH、トリアルキルアンモニウム、Mg2+、Naなど)を有し得る。ポリヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド全体、リボヌクレオチド全体、またはそれらのキメラ混合物から構成され得る。ポリヌクレオチドは、ヌクレオチド間の核酸塩基および糖アナログからなり得る。例えば、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、PNAポリマーであり得る。ポリヌクレオチドは、数個のモノマーユニット(例えば、それらが当該分野でより一般的で頻繁にオリゴヌクレオチドとして称される場合、5〜40個)から数千個のモノマーヌクレオチドユニットの範囲にわたり得る。他の点で示されない限り、ポリヌクレオチド配列が示される場合はいつでも、ヌクレオチドは、左から右へ5’→3’の順序で、そして他の点で記述されない限り、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジンを示し、「G」はデオキシグアノシンを示し、そして「T」はチミジンを示すことが理解される。
【0014】
「ヌクレオチド間アナログ」は、本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドのリン酸エステルアナログまたは非リン酸アナログを意味する。リン酸エステルアナログとしては:(i)C−Cアルキルホスホネート(例えば、メチルホスホネート);(ii)ホスホルアミデート;(iii)C−Cアルキル−ホスホトリエステル;(iv)ホスホロチオエート;および(v)ホスホロジチオエートが挙げられ得る。非リン酸アナログとしては、糖/ホスフェート部分が、通常PNAとして称される2−アミノエチルグリシンユニットのようなアミド連鎖によって置換される化合物が挙げられ得る。
【0015】
「ヘテロ接合」とは、本明細書で使用される場合、遺伝子の1対の対立遺伝子の両方のメンバーが、単一の供給源から得られるサンプル中に存在することを意味し、ここで、遺伝子は、例えば、遺伝子に対する2つの相違する配偶子の融合に起因して、2つの対立遺伝子を有し得る。
【0016】
「ヘテロ接合アッセイ」は、本明細書で使用される場合、1対の対立遺伝子の一方または両方のメンバーを有する遺伝子の対立遺伝子状態を同定するように適合されるアッセイを意味する。
【0017】
「ホモ接合」とは、本明細書で使用される場合、1対の対立遺伝子の1つのメンバーが、単一の供給源から得られるサンプル中に存在することを意味し、ここで、遺伝子は、例えば、遺伝子に対する2つの同一の配偶子の融合に起因して、1つの対立遺伝子を有し得る。
【0018】
「ホモ接合アッセイ」は、本明細書で使用される場合、1対の対立遺伝子の一方のメンバーまたは両方のメンバーを有する遺伝子の2つの可能な対立遺伝子状態のうちの1つのみを同定するように適合されたアッセイを意味する。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「顧客」および「ユーザー」は、交換可能であり得る。
【0020】
多様な実施形態に従って、この容器は、標的ポリヌクレオチド(標的核酸配列または標的DNAとも呼ばれる)を除く、PCRを行うのに必要な全てのアッセイ試薬および構成要素を含み得る。この標的ポリヌクレオチドは、ユーザーによって提供され、そしてアッセイ試薬と混合され得るか、またはこの標的ポリヌクレオチドは、第二容器中でユーザーに提供され、アッセイ試薬と混合され得る。例えば、このキットは、標的ポリヌクレオチドを含む容器および標的ポリヌクレオチドを含まない容器を備え得る。
【0021】
多様な実施形態に従って、この容器は、チューブ、バイアル、瓶、カプセル、アンプル、または容器(vessel)のようなものであり得る。このチューブは、取り外し可能なキャップおよび/または交換可能なキャップを有し得る。このキャップは、この容器が水密性および気密性であるように、容器を封印して維持し得る。この容器を、密閉して封印し得る。この容器を、第一端部で開き得、そして第二端部で閉じ得る。多様な実施形態に従って、この第一端部は、例えば容器の長さに沿って、テーパー状であり得る。多様な実施形態に従って、この容器は、アッセイ試薬を含む混合物を保持し得、そして少なくとも約5μLの容積を有し得る。この容器は、約10μL以下の容積を有し得る。この容器の最大容積は、約25μL以下であり得、そして他の実施形態に従って、この容積は、約25μLを超え得る。
【0022】
多様な実施形態に従って、標準化アッセイ設計を、慣習アッセイおよび/またはストックアッセイ(普遍的濃度または均一熱循環パラメータ(uniform thermal cycling parameter)のいずれか、あるいは両方を含む)のために提供し、その結果、他の研究者および研究室がより容易に比較しそして/または移動し得るようにする。また、いくつかの実施形態において、使用が便利且つ容易であり、調製または清浄化を必要とせずそしてより速く結果を提供する、単一のチューブ20X混合型(single−tube 20X mix format)中で、アッセイを構築する。
【0023】
多様な実施形態に従って、この容器中のアッセイ試薬は、1より多いそれぞれのアッセイのためのある容量のアッセイ試薬を含み得る。例えば、この容器中のアッセイ試薬を分割し、そして例えば、5つの同一のアッセイおよび/または異なるアッセイを行うために、5つのそれぞれの反応ウェル中に移し得る。別の例について、この容器中のアッセイ試薬を容器から取り出し得、そして10個のそれぞれの反応ウェル中に等分し得る。多様な実施形態に従って、この容器は、少なくとも1アッセイ、少なくとも5アッセイ、少なくとも10アッセイ、または少なくとも25アッセイを完結するのに十分な容量のアッセイ試薬を含み得る。
【0024】
多様な実施形態に従って、この容器は、この容器の内容についての情報を提供する標識を有し得る。キャップを含む実施形態について、この標識は、この容器に固定され得るか、または所望の場合、この容器のキャップに固定され得る。この標識は、バーコードを備え、そしてこの容器上に提供され得る2次元バーコードを含み得る。バーコードに加えて、またはバーコードの代わりに、この標識は、シリアル番号、ロット番号、日付、および/または他の識別印もしくは記述的印を含み得る。この標識は、この容器中のレポーター色素を識別し得る。この標識は、この容器中に提供されるポリヌクレオチド試薬またはペプチド試薬に関する配列情報を提供し得る。この標識は、標的ポリヌクレオチド配列についての情報(一般名または学名あるいは標的ポリヌクレオチドについての遺伝子名または標的分析物についての配列情報が挙げられる)を含み得る。このアッセイキットを、例えば箱の中にパッケージングし得る。カートンまたは箱のようなパッケージングを、標識の代わりにまたは標識に加えて、識別印および/または記述的印ならびに/あるいは上記のコーティングで標識し得る。
【0025】
ヒト読み取り可能標識に加え、例えば、アッセイ名を含む英語標識を、各チューブに取り付け得る。いくつかの実施形態において、2次元バーコードを、各アッセイチューブの底に、レーザーエッチングし得、そして1次元バーコードを、アッセイの各96チューブラック上にレーザーエッチングし得、これによって、これらのアッセイチューブおよびアッセイラックを機械識別可能にし、その結果、これらのアッセイを、ハイスループットアプリケーションのための自動化と両立し得る。
【0026】
種々の実施形態によれば、この容器は、標的ポリヌクレオチドと反応性である少なくとも1つのプローブを含み得、ここで、このプローブは、ポリヌクレオチド、マーカー化合物(例えば、マーカー色素、クエンチ可能色素または蛍光レポーター色素、非蛍光クエンチャー、副溝結合因子、またはこれらの組み合わせ)を含み得る。
【0027】
このプローブは、ポリヌクレオチドの5’末端に連結された、VICまたは6−FAMのようなレポーター色素を含み得る。VICおよび6−FAM色素で標識されたプローブは、Applied Biosystems,Foster City,CAから入手可能である。副溝結合因子は、ポリヌクレオチドの長さを増加させずに、融点Tを上昇させ得る。これは、一致したプローブと一致していないプローブとの間のT値のより大きい差異を生じ得、従って、より正確な対立遺伝子識別を可能にし得る。このプローブは、ポリヌクレオチドの3’末端に連結されたクエンチャー(例えば、非蛍光クエンチャー)を含み得る。このクエンチャーは、レポーター色素の蛍光のよりよい識別を促進し得る蛍光を阻害し得る。
【0028】
種々の実施形態によれば、この容器は、2つの異なる型のプローブを含み得、ここで、このポリヌクレオチドとレポーター色素とは異なる。例えば、第一の型のプローブは、第一のポリヌクレオチドの5’末端に結合したVIC色素を有する第一のポリヌクレオチドを有し得、そして第二の型のプローブは、第二のポリヌクレオチドの5’末端に結合した6−FAMレポーター色素を有する第二のポリヌクレオチドを有し得、そして、この第一および第二のポリヌクレオチドは、これらのポリヌクレオチドを、5’から3’の方向で整列させた場合に、このポリヌクレオチド中の同じ位置において、少なくとも1つのモノマー単位が異なる。色素標識プローブは、同種アッセイまたは異種アッセイを実施するように、適合され得る。
【0029】
このプローブは、順方向プライマー部位と逆方向プライマー部位との間の相補的配列にアニーリングし得る。アニーリングの時点で、プローブは、インタクトであり、かつクエンチャーに対してレポーター色素が近位であることは、レポーター色素の蛍光の抑制を生じ得る。ポリメラーゼは、プローブが標的ポリヌクレオチド配列に対して完全にか、大部分か、または実質的にハイブリダイズする場合にのみ、レポーター色素を切断し得る。レポーター色素がプローブから切断される場合、レポーター色素の相対的蛍光が、増大する。相対的蛍光における増大は、増幅された標的ポリヌクレオチド配列が、このプローブに対して相補的であるか、ほぼ相補的であるか、または実質的に相補的である場合にのみ、生じ得る。従って、PCR増幅によって生じる蛍光シグナルは、どの対立遺伝子がサンプル中に存在するかを示し得る。プローブと標的ポリヌクレオチド配列との間の不一致は、プローブハイブリダイゼーションの効率を低減させ得、そして/またはポリメラーゼは、レポーター色素を切断せずに、従って、蛍光シグナルを生じずに、不一致のプローブを置
き換える可能性がより高くあり得る。例えば、2つの可能なレポーター色素のうち1つがアッセイの間に蛍光を発する場合、同種の遺伝子の存在が示される。さらなる例について、両方の可能なレポーター色素がアッセイの間に蛍光を発する場合、異種遺伝子の存在が示される。
【0030】
種々の実施形態によれば、この容器は、少なくとも1つのプライマーを含み得、ここで、このプライマーは、標的ポリヌクレオチドよりも短い配列を含み得る。このプライマーは、ポリヌクレオチドおよび/または副溝結合因子を含み得る。このプライマーは、標的ポリヌクレオチドに対して相補的であるか、またはほぼ相補的な配列を含み得る。例えば、このプライマーは、標的ポリヌクレオチドの対応する長さに対して少なくとも90%相同であり得るか、標的ポリヌクレオチドの対応する長さに対して少なくとも80%相同であり得るか、標的ポリヌクレオチドの対応する長さに対して少なくとも70%相同であり得るか、または標的ポリヌクレオチドの対応する長さに対して少なくとも50%相同であり得る。
【0031】
種々の実施形態によれば、この容器は、熱安定性DNAポリメラーゼ(例えば、thermus aquaticus(Taq))およびデオキシリボ核酸の少なくとも4つの実体(例えば、アデノシン、チロシン、シトシンおよびグアニン)を含み得る。このポリメラーゼは、例えば、Applied Biosystems,Foster City,CAから入手可能な、AMPLITAQ GOLDであり得る。種々の実施形態によれば、この容器は、蛍光発生5’ヌクレアーゼアッセイ試薬または5’ヌクレアーゼ化学を使用する他のアッセイ試薬(例えば、Applied Biosystems,Foster City,CAから入手可能な、TAQMAN副溝結合因子プローブ)の成分を含み得る。上記の成分のいくつかまたは全ては、市販の製品(例えば、緩衝液またはAMPLITAQ GOLD PCR MASTER MIX(Applied Biosystems,Foster City,CA))によって置き換えられ得るか、またはこれと共に使用され得る。
【0032】
種々の実施形態によれば、このアッセイキットは、第一の容器または別の容器(例えば、ポジティブコントロールを調製するために使用され得るような)中に、標的ポリヌクレオチドをさらに含み得る。このアッセイキットは、1つより多い容器を含み得、そしてAssay Information File(AIF)および/またはElectronic Data Sheet(EDS)は、データ保存媒体上に提供され得、そして容器についての情報を含み得る。例えば、AIFまたはEDSは、96個の容器または384個の容器についての情報を含み得る。
【0033】
種々の実施形態によれば、マルチウェルプレートもまた、キット中に提供され得、そして例えば、容器の配置のための96個または384個の位置を含み得る。プレートは、プレート配向についての任意の一体的構造特徴を有して、実質的に矩形であり得る。プレートは、複数のウェルを有し得る。このアッセイキットは、複数の容器またはチューブを保持するように適合されたプレートを含み得る。このプレートは、単一構成のものであり得る。1つ以上の容器が、単一のプレートに一体化され得、そしてこのプレートは、互いに物理的に接触した複数の容器を有し得る。例えば、このプレートは、単一構成のものであり得、そしてレセプタクルの形態で96個の容器を有し得る。さらなる例について、このプレートは、単一構成のものであり得、そして384個の容器を有し得る。
【0034】
アッセイは、特定の配列情報とともに送達され得る。例えば、いくつかの配列コンテクスト情報(例えば、RefSeq配列における順方向プライマーの位置)は、このアッセイが、どのエキソン−エキソン接合部を網羅するのかを示し得、その結果、ユーザーは、このアッセイが転写物のどの場所に位置付けられるのかを判断し得る。所望の場合、さらなる情報が、提供され得る。
【0035】
例えば、種々の実施形態に従って、データは、以下の欄を有し得る(非限定的例は、項目以下の括弧(paratheticall)に列挙される):顧客名称(供給者によって割り当てられる);製造番号(いくつかの配置において、供給者によって割り当てられ、プレート上の1−Dバーコードでの番号に対応し得る);出荷日(供給者によって出荷される日);セットID(リクエスタの投入ファイルの記録情報から作成されるアッセイ名称(記録名称および標的部位座標からの標的部位名称を含む);この投入された配列記録が複数の標的部位を含んだ場合、そのセットIDの値を使用して、どの部位がアッセイを行うために使用されたかを決定し得る);セット番号(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);プレートID(これは、供給者によって割り当てられ、製造番号値を含み得、そして1−Dバーコードとしてプレートラック上に見られ得る);バイアルID(2−Dバーコード番号が、各チューブの底部に貼り付けられ;データシートにおけるエントリーは、いくつかの配置において、減少された先行ゼロを有し得る);ウェルロケーション(プレートラックにおけるアッセイチューブの位置);ラインアイテム(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);VICプローブ名称(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);VICプローブ配列(VIC色素で標識されたプローブの5’〜3’側の配列;いくつかの配置において、その3’側の非蛍光クエンチャー−副溝結合剤(NFQ−MGB)は、列挙され得ないが、このプローブ上に存在している);VIC(μM)濃縮物(プローブ濃縮物);ラインアイテム(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);6−FAMプローブ名称(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);6−FAMプローブ配列(6−FAM色素で標識されたプローブの5’〜3’側の配列;いくつかの配置において、その3’側のNFQ−MGBは、列挙され得ないが、そのプローブ上に存在している);6−FAM(μM)濃縮物(プローブ濃縮物);ラインアイテム(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);順方向プライマー名称(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);順方向プライマー配列;順方向(μM)プライマー濃縮物;ラインアイテム(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);逆方向プライマー名称(これは、供給者により、内部品質管理のために使用され得る);逆方向プライマー配列;逆方向(μM)プライマー濃縮物;および/または部品番号(この部品番号は、リクエスタによって番号付けされる)。
【0036】
出荷されたワークシートは、アッセイのユーザーが、これらのチューブがこのアッセイが出荷された場合と同じ、そのプレートラックにおける位置にあることを決定するのを可能にするように,提供され得る。例えば、種々の実施形態に従って、以下の欄が、この出荷されたワークシートに見られ得る:位置(プレートにおける位置);および/またはチューブの底部に張り付けられ得るバイアルID(2−Dバーコード番号;いくつかの配置において、先行ゼロは、減少される)。
【0037】
種々の実施形態に従って、アッセイキットが、顧客に出荷され得る。そのデータ記憶媒体は、容器および容器の内容物の出荷と一緒に、容器および容器の内容物の出荷と同時に、容器および容器の内容物の出荷と別に、容器および容器の内容物の出荷前に、または容器および容器の内容物の出荷後に、顧客に出荷され得る。あるいは、またはさらに、データは、顧客に電気的に伝達され得る。このデータは、電子メールによって、顧客に送信され得る。顧客は、コンピューターネットワーク(例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、または仮想私設ネットワーク)によって情報を検索またはダウンロードし得る。顧客は、ファイル転送プロトコルを使用してか、またはハイパーテキスト転送プロトコルによって、データを検索し得る。このプロトコルは、例えば、128ビット暗号化を使用して、確保され得る。
【0038】
種々の実施形態によれば、製造されたアッセイは、単一チューブフォーマットの均一アッセイとして出荷される。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、1つ以上の適用のためのABI PRISM(登録商標) Sequence Detection System(SDS)器具上での即時使用に適切である単一チューブの使用準備フォーマットが提供される。
【0039】
データ記憶媒体上に記憶されたデータは、例えば、ストック番号、アッセイID番号、プレート番号、ウェル位置、遺伝子シンボルもしくは名前、カテゴリーIDもしくは名前、グループIDもしくは名前、染色体番号、細胞遺伝学バンド識別、NCBI遺伝子参照、NCBI SNP参照、少数対立遺伝子頻度、特定の集団の少数対立遺伝子頻度、SNP型、コンテクスト配列、レポーター色素識別、バーコード情報、またはそれらの組合せの種々の項目についての情報を含み得る。コンテクスト配列は、例えば、20塩基まで、20塩基より多く、30塩基より多く、または40塩基より多くを含み得る。このデータ記憶媒体上に記憶されるデータは、先に述べた項目のいくつか、先に述べた項目の全部、または先に述べた項目のいずれでもないものについての情報を含み得る。さらに、この情報は、上記に列挙された情報より多くの情報および/またはその他の識別の印または記述的印を含み得る。
【0040】
種々の実施形態によれば、上記データ記憶媒体は、コンテナから分離され得るか、またはコンテナに固定され得る。このデータ記憶媒体は、例えば、感圧接着剤またはその他の接着剤で、コンテナに取り付けられたラベルであり得る。このコンテナまたはキャップは、データ記憶媒体として供され得、そしてこのデータはプリントされ、エッチングされ、刻まれ、またはコンテナまたはキャップの表面上にその他でコードされ得る。このデータ記憶媒体は、光学的に検出可能なコードを含み得るか、および/またはデータ記憶媒体は、二次元バーコードであり得る。
【0041】
種々の実施形態によれば、データは、データ記憶媒体上に電気的フォーマットで記憶され得る。このデータ記憶媒体は、コンパクトディスク(CD)であり得る。情報は、アッセイ情報ファイル(AIF)で含まれ得るか、および/またはこのアッセイ情報ファイルは、アスキー互換性テキストファイルの形態であり得る。データは、電子データシート(EDS)中に含まれ得るか、および/またはこのEDSは、アスキー互換性テキストファイルの形態であり得る。このEDSは、例えば、コンテナ上の二次元バーコード上に含まれる情報のようなコンテナ識別情報を、アッセイ識別情報にリンクする情報を含み得る。このリンクは、例えば、アッセイ情報ファイル中に含まれるアッセイ情報であり得る。このデータ記憶媒体上に含まれるか、または記憶されたAIF、EDS、またはその他のコンピューター読み取り可能なデータまたはコードは、科学的機器または実験室機器、例えば、サーマルサイクラー、または配列検出システムのような装置を制御するために適合され得る。
【0042】
種々の実施形態によれば、データ記憶媒体は、さらに、またはその代わりに、実行可能なコードを含み得る。この実行可能なコードは、スタンドアロンソフトウェア、スタンドアロンソフトウェアのアップデート版、またはサードパーティソフトウェアに対するモジュールの形態であり得る。このソフトウェアは、例えば、UNIX(登録商標)のようなSDS機器を制御するオペレーティングシステム上で動作するよう適合され得る。このソフトウェアは、アセンブリ言語またはマシン言語で書かれたコンピューターコードを含み得る。このソフトウェアは、コンピューターによってSDS機器に移植され得、そしてSDS機器中の記憶デバイス上に保管され、SDS機器のメモリデバイス中にロードされ、SDS機器上に先にロードされたソフトウェア上に組み込まれるか、またはSDS機器上の先にロードされたソフトウェア上にオーバーライトされ得る。この記憶デバイスは、ハードドライブまたは光学ドライブであり得る。上記メモリデバイスは、ランダムアクセス
メモリ(RAM)、または消去可能で、プログラム可能な読出し専用メモリ(EPROM)チップであり得る。ソフトウェアは、消費者に、データ記憶媒体上で提供され得るか、または消費者にコンピューターネットワーク上で移植され得る。
【0043】
種々の実施形態によれば、アッセイ情報ファイル(AIF)または電子データシート(EDS)は、アッセイ(単数または複数)とともに提供され得る。このAIFおよび/またはEDSは、いくつかの実施形態では、電子ファイルまたはデータ記憶媒体上の電子的に記憶されたデータであり得る。これらファイルまたはデータは、例えば、1つ以上のアッセイに関する情報、1つ以上のポリヌクレオチド配列に関する情報、ポリヌクレオチド配列を表す英数字配列などを含み得る。あるいは、またはさらに、AIF、EDSのプリントコピーもしくはプリントアウト、ならびに/またはAIFおよび/もしくはEDS中の情報が提供され得る。
【0044】
種々の実施形態によれば、AIFおよび/またはEDSのプリントされたコピーもまた提供され得、そして各アッセイに関する情報を含み得る。この情報は、とりわけ、プレートラック中の各アッセイの位置を含み得る。いくつかの実施形態は、AIFおよび/またはEDSのプリントされたコピーの代わりか、またはそれに加え、その上に記録された1つ以上のデータファイルをもつCD−ROMを提供する。データは、以下のファイルの
いずれか、またはすべてを含み得、そして同様にその他のファイルを含み得る:データシート(単数または複数)および出荷ワークシート(単数または複数)を含む、電子アッセイワークブック;設計により注文されるSNPアッセイプロトコールのための指示書の電子的に読み取り可能なコピーおよび/もしくはプリント可能なコピー;要求を提示するためのプロトコールの電子的に読み取り可能なコピーおよび/もしくはプリント可能なコピー;ならびに/または製品挿入物の電子的に読み取り可能なコピー。
【0045】
種々の実施形態によれば、データシートおよび/または電子アッセイワークブックは、注文アッセイとともに提供される。いくつかの実施形態では、電子アッセイワークブックは、各々が92アッセイまでの大きさで含まれる。ワークブックファイル名は、容易な訂正のために、バーコード上の数を含み得る。このワークブックは、2つのワークシート、すなわち、「データシート」ワークシートと、「出荷」ワークシートを含み得る。このワークブックは、マクロを含み得るか、および/またはパスワードで保護され得る、MICROSOFT EXCEL表計算ソフトソフトウェアファイルのような表計算ソフトファイルであり得る。ワークブックのセルは、新たなワークシートにコピーおよびペーストされ得、そして新たなワークシート中で改変され得る。電子ファイルからのデータのプリントされたコピーは、例えば、設計により注文されたアッセイの出荷とともに含められ得る。データは、対応するアッセイ名ならびにプライマーおよびプローブ特異的情報に対する、チューブ上の2−Dバーコードの関係を含み得る。
【0046】
種々の実施形態によれば、注文とともに含められたデータは、以下の情報の少なくともいくつかを含み得る:各チューブにおけるアッセイの識別;アッセイ名;1つ以上の標的部位を含んだ配列記録をリクエスターが提示した場合どの標的部位が用いられたか;アッセイラック中の各チューブの位置;プライマーおよびプローブの配列;ならびにプライマーおよびプローブの濃度(μM)。その他の形態は、必然的にこの情報のすべてを含み得、そしてより多くの情報を含み得る。
【0047】
種々の実施形態によれば、機械読み取り可能および/または実行可能なコンピューターコードの行から構成されるコンピュータープログラムは、AIF、EDS、またはその別のデータファイル中に含まれるデータを得ることができ、そしてこのデータを用いて科学的機器または実験室機器を制御する。例えば、AIFまたはEDSからコンピューター読み取り可能なデータをロードし得るマイクロコンピューターを基礎にしたソフトウェアプログラムが提供され得る。このAIFまたはEDSは、ユーザーへのアッセイキットの少なくとも1つのコンテナの出荷および提供とともに、それと同時に、それより先に、またはその後に出荷され得る、例えば、コンパクトディスク上に記憶され得る。種々の実施形態によれば、ソフトウェアプログラムは、PCR、配列決定、および/または配列検出を実施し得る機器、例えば、Applied Biosystems 7900HT Sequence Detection System(SDS)を構成、指示、または作動し得る。ソフトウェアプログラムは、例えば、PCR、配列決定、および/または配列検出を、ヒトの介入なくして実施する機器を制御し得る。このSDSは、ヒトとの相互作用なくして直接稼動および動作し得る。同一または異なるソフトウェアプログラムが、検出された配列データの塩基呼び出しを実施し得る。
【0048】
種々の実施形態によれば、キットは、データ記憶媒体上に記憶されたか、または第2のデータ記憶媒体上(例えば、CD)に別に記憶されたソフトウェアプログラムを含み得る。ソフトウェアプログラムは、AIFまたはEDSファイルから内部アッセイ情報データベースを構築し得、および/または少なくとも一部はSDS機器を制御するために適合されたプレート情報を生成し得る。ソフトウェアは、SDSにプレート情報を送達し得る。ソフトウェアプログラムは、プレート情報またはプレートセットアップデータとともに、問題をフラグするか、または記録し得る。ソフトウェアプログラムは、作業ログファイルを生成し得る。ソフトウェアは、新たなプレート情報セットアップファイル、新たなAIFファイル、新たなEDSファイル、またはそれらの組合せを検出し得る。ソフトウェアは、顧客により生成されたデータを読み込み得る。ソフトウェアプログラムは、AIFまたはEDSからのデータを追加、改変、または削除し得る。ソフトウェアプログラムは、SDS機器を、例えば、PCR、配列決定、配列検出、またはそれらの組合せを実施するように制御または指示し得る。ソフトウェアプログラムは、AIFまたはSDSから得たプロトコールを用いて、SDS機器を、PCR、配列決定、または配列検出を実施するように制御し得る。
【0049】
種々の実施形態によれば、ソフトウェアは、機器、例えば、リアルタイムPCR機器またはSDS機器からデータを受け得、ここで、このデータは、例えば、PCR、配列決定、または配列検出の経過の間に生成される。SDSデータファイルは、SDS機器によって発生され得、そしてソフトウェアプログラムに伝達され得る。SDSデータファイルは、SDS機器により発生された情報、またはデータ記憶媒体上に記憶されたAIFまたはEDSからの情報を含み得る。このSDSデータファイルは、SDS機器、AIF、および/またはEDSでの問題の結果として、SDS機器により発生されるエラーコードまたはエラー情報を含み得る。このデータファイルは、例えば、少なくとも1つの蛍光プローブを検出することの失敗、または加熱要素のようなSDS機器の部材の失敗に関するエラーコードを含み得る。SDS機器は、例えば、ソフトウェアプログラムから伝達されたAIFまたはEDSファイルに関する情報を含むログファイルを送り得る。検出器リストは、AIFまたはEDSから生成され得、そして、例えば、アスキー互換フォーマットのような、検出器マネジャーへの入力に適切なフォーマットで保存され得る。
【0050】
種々の実施形態によれば、ソフトウェアは、AIF、EDS、および/またはSDSデータファイル、またはその他のファイルを、例えば、マイクロコンピューター上のデータ記憶デバイス上の別個の個々のフォルダー中に保存し得る。このマイクロコンピューターは、例えば、ハードドライブ、光学的ドライブ、またはその両方を含み得る。ソフトウェアプログラムは、ソフトウェアプログラムへの、またはソフトウェアプログラムからのデータファイルの伝達の前、間、または後にマイクロコンピューターのメモリ中に保持し得る。このソフトウェアプログラムは、新たな、または改変されたAIF、EDS、および/またはSDSデータファイルについて、マイクロコンピューター上でデータを連続的にモニタリングし得る。
【0051】
種々の実施形態によれば、手動方法が、アッセイの顧客またはユーザーに用いられ、ラックプレート中の各チューブ位置を確証する。チューブ標識上のラックプレート位置およびアッセイ名は、ウェル位置およびデータの設定IDカラム中の値と比較され得る。この「確証」は、プレートラック中の各チューブ位置の確証がユーザーにより実施され、そして単にチューブが「出荷」ワークシートに合致する位置にあることを確認する点で、アッセイの確証とは異なる。チューブが正確な位置にない場合、それらは、ワークシートに合致するように再配列され得る。チューブ内に含まれるアッセイの操作性質は、提供者の工場で確証される。
【0052】
種々の実施形態によれば、自動化方法が顧客によって用いられ得、ラックプレート中の各チューブ位置を確証する。この方法は、2−Dバーコードリーダーを用いてプレートおよびチューブを走査すること、およびプレート確証表計算ソフトマクロ(例えば、MICROSOFT EXCEL表計算ソフトマクロ)を実行することを含む。プレートおよびチューブを走査するために、プレートラックは、標準的な配向で2−Dバーコードリーダー上に配置され得る。例えば、チューブ位置「A1」は、リーダーの上部左隅に配置される。次いで、プレートラック上の1−Dバーコードが走査され得る。バーコードリーダーは、必要であれば、1つのカラム中の位置を読み、そして位置するカラムの隣カラム中のバーコードを読むように構成され得る。次に、プレートラックが走査され、そして結果が、電子ファイルを含むコンピューターからアクセスされ得るディレクトリに保存される。いくつかの形態では、この走査結果は、タブ区切りファイルとして保存される。
【0053】
種々の実施形態によれば、「出荷された」ワークシートが表計算ソフトに開かれれ得、そしてマクロが実施可能であることを確証するため、確証マクロが実行され得る。MICROSOFT EXCEL表計算ソフトソフトウェアを利用するいくつかの実施形態では、この確証は、電子的ワークブックを開くこと、「出荷」タブ上をマウスでクリックし確証マクロを含むワークシートを見ること、「確証」ボタン上をクリックしプレート確証マクロを開始すること、および、「読み込みプレート走査」ダイアログボックスが存在するとき、「ブラウズ」を選択し2−Dバーコード走査からファイルを位置決めすることにより実施される。「ブラウズ」が選択された後、2−Dバーコード走査から得られたファイルが選択され、そして新たなワークシート中に読み込まれ、これは、いくつかの実施形態では「受容された」と呼ばれる。次にこのマクロは、各バーコードおよびプレートラック中のその位置を、「出荷」ワークシート中の対応するバーコード(例えば、「バイアルID」カラム中の値)と比較し得る。次に、マクロは、「出荷」ワークシート中の「確証」カラム中に結果を入れる。種々の実施形態によれば、各入力の結果は、「OK」(または任意の他の入力は適合を示すとして理解される)または「ERROR」(または任意の入力は非適合を示すとして理解される)のいずれかであり得る。次に、「出荷確証」ダイアログボックスが、確証が終了したことを警告し、そしてユーザーは「OK」をクリックし、ダイアログボックスを閉じる。
【0054】
プレート確認エラーは、そのチューブが、供給業者により請求者に出荷された位置と同じ位置にないことを示す。ユーザーは、それらのチューブを、「出荷された」ワークシートと一致するように再配置することにより、プレート確認エラーを解決し得る。次いで、ユーザーは、そのプレートを再スキャンし得、そして確認マクロを再び実行して、そのプレートを確認し得る。
【0055】
種々の実施形態によれば、ゲノム材料の対立遺伝子識別または発現分析のための少なくとも1つのアッセイを含むアッセイキットが提供され得る。電子データシート、アッセイ情報ファイル、および少なくとも1つのプリントされたデータシートならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを有する情報源が、提供さ
れ得る。このアッセイは、SNPアッセイまたは遺伝子発現アッセイであり得る。このアッセイは、単一のチューブで提供され得る。
【0056】
種々の実施形態によれば、このアッセイは、少なくとも1つのプローブおよび2つのプライマーを含み得る。このアッセイは、2つの対立遺伝子の各々に対する1つのプライマーおよび2つのプライマーを含むSNPアッセイであり得る。種々の実施形態によれば、このプローブは、少なくとも1つの蛍光団および少なくとも1つの蛍光クエンチャーを有し得る。この蛍光クエンチャーは、非蛍光性の蛍光クエンチャーであり得る。このプローブは、少なくとも1つの副溝結合因子を有し得る。このアッセイは、PCR試薬またはRT−PCR試薬を有し得る。このアッセイは、万能マスター混合物を有し得、この万能マスター混合物は、少なくとも1つの塩、緩衝剤およびDNAポリメラーゼを有する。
【0057】
種々の実施形態によれば、単一のチューブは、バーコード標識を有し得る。このバーコード標識は、2次元のバーコード標識であり得る。単一のチューブは、ヒトが読み取り可能なアッセイ番号を有し得る。キットは、複数のアッセイから構成され得、複数のアッセイの各々は、単一のチューブ内にあり、それにより複数のチューブを構成する。この複数のチューブは、ラックに収容され得、そしてこのラックは、バーコード識別子を有し得る。キットはまた、アッセイに対する情報を含む少なくとも1つのデータシートを有し得る。キットは、アッセイに対する情報を含む少なくとも1つの機械読み取り可能な媒体を有し得る。この少なくとも1つの機械読み取り可能な媒体は、アッセイに対する情報を含む少なくとも1つのデータシートであり得る。この機械読み取り可能な媒体は、コンパクトディスクであり得る。
【0058】
図面を参照して、図1は、トレイ12中の出荷のための適所に保持されたいくつかの容器10を有するアッセイキットの実施形態の平面断面図である。2次元バーコード14は、容器キャップ16の上部側に位置する。この2次元バーコード14は、機械読み取り可能であるように適合される。通し番号18は、この2次元バーコード14の隣に位置する。この通し番号18は、アラビア数字で印刷されている。
【0059】
図2は、図1に示される容器10の1つの側面図である。この容器10は、2次元バーコード14、および容器10のためのキャップ16に印刷された通し番号18を有する。この容器10の円筒形本体20は、アッセイ試薬の混合物を保持するように適合され、そして出荷および貯蔵のためのトレイ12中に嵌るように適合される。
【0060】
図3は、種々の実施形態によるアッセイキットに含まれ得るコンパクトディスク22であり、これは、アッセイ試薬を含む混合物を収容する容器(図3には示されない)と共にユーザーに提供され得る。
【0061】
図4は、一実施形態による容器およびデータ記憶媒体の使用方法を概説するフローチャートである。顧客は、供給業者から1つ以上のアッセイを要求し得る。この顧客は、供給業者から、電子データファイルを含むCDおよびアッセイ容器(単数または複数)を受け取り、そしてSDS機器(例えば、ABI 7900HTシステム)と通信し得るソフトウエアを有するコンピュータ(例えば、マイクロコンピュータ)のCDリーダーにそのCDをロードする。このマイクロコンピュータ上のソフトウエアは、CDの新しい電子データファイルを検出し、そしてその電子データファイルをメモリにロードする。このソフトウエアは、この電子データファイルの内容を読み出し得、そしてこの電子データファイルから内部アッセイ情報データベースを構築し得;SDS機器を実行するかまたは操作するために必要な任意のファイルで問題を停止し得;作業ログを作成するかまたはアップデートし得;そして任意の新しい電子データファイルをモニタリングし得る。次いで、このソフトウエアは、SDS機器をプログラミングし、そして操作するために必要なファイル(単数または複数)を作成し得る。次いで、このソフトウエアは、このファイルをSDS機器にエクスポートし得る。あるいはまたはさらに、このソフトウエアは、SDS機器をプログラミングするために使用されるプロトコールおよび/またはパラメーターの印刷されたコピーを出力し得る。次いで、SDS機器は、このファイルを受容しそして実行し、そしてアッセイ容器の内容物を使用してアッセイ(単数または複数)を行う。このアッセイ(単数または複数)が完了すると、SDS機器は、アッセイ(単数または複数)により生成されたデータの電子コピーを含む結果ファイルをソフトウエアにエクスポートし得る。次いで、ソフトウエアは、この結果ファイルを、将来の使用のために、ディスク(例えば、ハードドライブまたはCD)に保存し得る。所望の場合、顧客は、プロトコールおよび/またはパラメーターの印刷したコピーを例えば研究ノートにコピーし得るか、あるいはこの印刷されたコピーの情報を使用してSDS機器を手動でプログラミングし得る。
【0062】
図5a〜5eは、種々の実施形態に従う、遺伝的に相同な反応混合物を、少なくとも一部構成し得る成分の相互作用を示す模式図である。図5aにおいて、プライマー52は、テンプレート鎖54にアニールされている。プライマー52からのこのテンプレート鎖の複製は、5’から3’の方向で起こる。プローブ50(一般的レポーター色素R、クエンチャーQ、および副溝結合因子MGBを含む)は、テンプレート鎖54にアニーリングしている。矢印53は、相補鎖(示さず)が前者のプライマー52から開始してテンプレート鎖54から産生される場合に、この相補鎖が、プローブ50と接触することを示す。図5bは、プローブ50aと接触する場合の相補鎖55を示す。ポリメラーゼ60は、標的鎖54およびプローブ50aが完全に相補的であるためにプローブ50aが標的鎖54にアニールしている場合、相補鎖55の産生の間にVICレポーター色素Vを切断する。図5cは、プローブ50bと接触する場合の相補鎖55を示す。ポリメラーゼ60は、位置64におけるミスマッチした塩基対に起因してプローブ50bが標的鎖54にハイブリダイズしていない場合、相補鎖55の産生の間にFAMレポーター色素Fを切断しない。図5dは、プローブ50bと接触する場合の相補鎖55を示す。ポリメラーゼ60は、標的鎖54およびプローブ50bが完全に相補的であるためにプローブ50bが標的鎖54にアニールした場合に、相補鎖55の産生の間にFAMレポーター色素Fを切断する。図5eは、プローブ50aと接触する場合の相補鎖55を示す。ポリメラーゼ60は、位置66におけるミスマッチした塩基対に起因してプローブ50aが標的鎖54にハイブリダイズしていない場合、相補鎖55の産生の間にVICレポーター色素Vを切断しない。
【0063】
当業者は、本明細書における広範な教示が、種々の形態で実施され得ることを、前述の記載から理解し得る。従って、本教示は、種々の実施形態および実施例に関して記載されたが、本教示の範囲は、そのように限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、種々の実施形態によるキット中に含まれ得る出荷トレイおよび貯蔵トレイにおける複数の容器の上面断片図である。
【図2】図2は、図1に示される容器のうちの1つの側面図である。
【図3】図3は、種々の実施形態によるキット中に含まれ得るコンパクトディスクである。
【図4】図4は、1つの実施形態による容器およびデータ記憶媒体の使用の方法を概説するフローチャートである。
【図5】図5は、種々の実施形態による試薬の混合物の一部であり得る失活可能な色素の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターシステムによって読み出し可能なプログラム記憶デバイスであって、該コンピューターシステムにより実行可能な遺伝子分析のための指示のプログラムを具体化し、該指示のプログラムが、該コンピューターシステムに方法工程を実施させ、該方法工程は、以下:
(i)データ記憶デバイスから該コンピューターシステムへの複数のアッセイ混合物に関する電子情報をアップロードする工程、
(ii)該情報を使用し、サーマルサイクラーの操作のための指示を含むファイルを作成する工程;
(iii)該ファイルを実行のために、該サーマルサイクラーへ伝達する工程
を包含する、工程である、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
アップロードする準備が出来た電子情報をモニタリングする工程
をさらに包含する、デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
サーマルサイクラーから結果ファイルを受け取り、そして結果ファイルを保存させる工程
をさらに包含する、デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
アッセイ情報データベースを構築する工程をさらに包含する、デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
プレート文書を作成し、前記サーマルサイクラーへの伝達のためにファイルにて該プレート文書を提供する工程
をさらに包含する、デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
作業ログを作成するかまたはアップデートする工程
をさらに包含する、デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
印刷のためにプリンターへの指示を出力する工程
をさらに包含する、デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記方法工程が、
前記アッセイ混合物に有害に影響し得る、前記情報または指示におけるエラーを決定する工程、
を包含する、デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記データ記憶デバイスが、取り外し可能なディスクである、デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記サーマルサイクラーが、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を実施するのに適合されている、デバイス。
【請求項11】
遺伝子分析を容易にするための方法であって:
ユーザーから1つ以上の遺伝子分析アッセイについての要望を受ける工程;および
消費者に(i)該1つ以上のアッセイであって、各々のアッセイが、単一のチューブフォーマットで提供される、アッセイおよび(ii)該1つ以上のアッセイに関する情報であって、該情報は、電子形態である、情報を提供する工程を包含する、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、ここで前記1つ以上のアッセイが各々、均質な反応混合物を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、ここで前記均質な反応混合物が、蛍光発生5’ヌクレアーゼアッセイを行うための成分を含む、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、ここで前記情報が、電子メールを介して前記消費者に伝達される、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、ここで前記情報が、ファイル転送プロトコル(FTP)を介して提供される、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、ここで前記1つ以上のアッセイのうちの少なくとも1つおよび前記情報が、1つのパッケージで一緒に前記消費者に出荷される、方法。
【請求項17】
遺伝子分析のための方法であって、以下:
供給者から遺伝子分析のための複数のアッセイ混合物を要求する工程;
該供給者から(i)該複数のアッセイ混合物、および(ii)各アッセイ混合物に関係する電子形態の情報を受け取る、工程;
電子情報の少なくとも一部を、サーマルサイクラーとの電気的連絡のために適合されたコンピューターシステムに伝達する工程;および
該コンピューターシステムおよび該情報の少なくとも一部を使用し、器具の操作を指示し、これにより該アッセイ混合物の各々が分析される工程
を包含する、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイの各々が、均質な反応混合物を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、ここで前記均質な反応混合物が、蛍光発光5’ヌクレアーゼアッセイを行うための成分を含む、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法であって、ここで前記サーマルサイクラーが、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を実施するように構成される、方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法であって、ここで前記情報が、電子メールを介して前記供給者に伝達される、方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法であって、ここで前記情報が、前記消費者によってサーバーからダウンロードされる、方法。
【請求項23】
請求項11または17に記載の方法であって、ここで前記情報が、情報交換用米国標準コード(ascii)フォーマット化テキストから、少なくとも一部は、構成される、方法。
【請求項24】
請求項17に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイのうちの少なくとも1つおよび前記情報が、1つのパッケージで一緒に前記ユーザーに出荷される、方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイ混合物の各々が、単一のチューブ中に含まれる、方法。
【請求項26】
請求項17に記載の方法であって、ここで前記要求する工程が、インターネットを介して実行される、方法。
【請求項27】
遺伝子分析を容易にする方法であって、以下:
消費者から遺伝子分析のための複数のアッセイ混合物についての要求を受ける工程;ならびに
該ユーザーに(i)該複数のアッセイ混合物、(ii)各アッセイ混合物に関係する電子形態の、情報、および(iii)コンピューターシステムによって読み出し可能なプログラム記憶デバイスを供給する工程を包含し、
該デバイスは、遺伝子分析のための方法工程を実施するための、コンピューターシステムによって実行可能な指示のプログラムを具体化し、
該方法工程は、(a)該電子情報の少なくとも一部を、該コンピューターシステムのメモリに移す工程、(b)該情報の少なくとも一部を利用し、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を実施するよう適合されたサーマルサイクラーの操作のための指示を作成する工程、および(c)該サーマルサイクラーに該指示を送ることにより、該サーマルサイクラーが、該アッセイ混合物に対して作用する工程を包含する、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイ混合物および前記情報が、同時に、前記ユーザーに一緒に供給される、方法。
【請求項29】
請求項11、17または27のいずれか1つに記載の方法であって、ここで前記情報が、ディスクで提供される、方法。
【請求項30】
請求項11、17または27のいずれか1つに記載の方法であって、ここでディスクが、取り外し可能なディスクである、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、ここで前記取り外し可能なディスクが、コンパクトディスク(CD)を含む、方法。
【請求項32】
請求項11、17または27のいずれか1つに記載の方法であって、ここで前記情報が、コンピューターネットワークを介して提供される、方法。
【請求項33】
請求項27に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイ混合物が、均質な反応混合物を含む、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、ここで各々の均質な反応混合物が、蛍光発生5’ヌクレアーゼアッセイを含む、方法。
【請求項35】
請求項27に記載の方法であって、ここで前記複数のアッセイ混合物の各々が、単一のチューブに含まれる、方法。
【請求項36】
請求項27に記載の方法であって、ここで前記プログラム記憶デバイスが、取り外し可能なディスクを含む、方法。
【請求項37】
請求項27に記載の方法であって、遺伝子分析のためのアッセイ混合物についての消費者からの要求を受け取るために構成されたウェブサイトを提供する工程をさらに包含する、方法。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−294059(P2006−294059A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183943(P2006−183943)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【分割の表示】特願2003−564261(P2003−564261)の分割
【原出願日】平成15年1月27日(2003.1.27)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】