説明

単一蛍光標識オリゴヌクレオチドを用いた核酸の検出法

【目的】
蛍光法による核酸の検出法において、より高感度に、目的の核酸を検出できる方法およびそれに用いる試薬を提供することである。
【解決手段】
以下のオリゴヌクレオチドとそれを用いて生体試料中の標的核酸を検出する方法並びに試薬キット。
標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドで、その5’側(または3’側)に相補的でない塩基が付加されており、かつ5’末端(または3’末端)の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、該5’末端の塩基に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料中の核酸の有無を検出する方法で、特に単一蛍光標識プライマーを用いた核酸の検出法に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸塩基配列の相補性に基づく分析方法によって、その遺伝的な特徴を直接的に分析することが可能である。そのため、当該分析方法は遺伝的疾患、癌化、微生物の識別等には非常に有力な手段となっている。また、遺伝子そのものを検出対象とするために、例えば培養のような時間と手間のかかる操作を省略できる場合もある。しかしながら、試料中に存在する目的の核酸量が少ない場合の検出は一般に容易ではなく、標的核酸そのものを、あるいは検出シグナル等を増幅することが必要となる。
【0003】
ここで、標的核酸の検出法としては、検出感度が高い蛍光法による検出法がよく利用されている。その中で、古くから知られている方法は、標的核酸を増幅させ、増幅反応後の溶液をアガロースゲル電気泳動にアプライし、エチジウムブロマイド等の蛍光インターカレーターを結合させて特異的な蛍光を観察するというものである。しかし、電気泳動を利用した方法は、煩雑で、コンタミネーションの問題がある。ここで、他のDNAが混在するおそれがなく、増幅産物の有無のみを知りたい場合には、電気泳動を省略して増幅反応後の溶液に蛍光インターカレーターを加えて蛍光を観察する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
その他蛍光法を利用した検出法として、各種蛍光剤で標識したオリゴヌクレオチドプライマー(以下「プライマー」)を用いて増幅反応を行い、二本鎖増幅産物に取り込まれた蛍光剤を蛍光偏光法によって測定する方法が開示されている(特許文献2参照)。また、両端に蛍光剤と消光剤が標識されている線形プローブを標的核酸にハイブリダイズさせた後、別に用意したプライマーで標的核酸の増幅反応を行い、増幅に伴って起きる蛍光剤の遊離(DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性によるプローブの分解)によって蛍光を起こさせるTaqman法、さらにヘアピンループ構造を有する一本鎖オリゴヌクレオチドの両末端の一方に蛍光剤、他方には消光剤を標識し、標的核酸にハイブリダイズするとヘアピンループ構造が壊れ、それに伴って蛍光剤と消光剤の距離が大きくなるために蛍光が起こるようになるという分子ビーコン法が知られている。しかし、後の2つの方法は、いずれも蛍光剤と消光剤という2種類の色素を使用するため、コストが高くなるという問題は否めない。
【0005】
ここで、近年開発された蛍光プローブによる核酸の検出法の代表的なものを列挙する。標的配列に相補的な核酸配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドをプローブとして用い、このプローブの5’末端にインターカレーター性蛍光剤を標識したものをPCR核酸増幅用プライマーとして機能させ、増幅前後の蛍光変化を測定する方法が開示されている。この方法は、インターカレーター性蛍光剤を増幅反応後に単独で加える系と比較し、プライマーダイマーへの非特異的インターカレーションの影響がない、増幅から検出まで一段階で実施することが可能となる等のメリットがある(特許文献3参照)。
【0006】
また、蛍光剤が標識された核酸プローブを標的配列にハイブリダイズさせ、ハイブリダイゼーション前後の蛍光強度の減少量を測定する方法が開示されている。いわゆるQプローブと称されるプローブを使用するものであるが、この方法は、標識末端近傍のG(グアニン)が標的配列中のC(シトシン)と塩基対を形成することによって蛍光強度が減少する、すなわち消光現象を利用した方法である(特許文献4参照)。本技術は、特に一塩基の変異または置換等の遺伝子多型の解析に有用であり、標的配列に核酸プローブがハイブリダイズした後の蛍光強度の減少変化の確認によって目的の塩基が検出されるように、核酸プローブが設計される。
【0007】
さらに、蛍光剤が標識された核酸プライマーを標的配列にハイブリダイズさせた後、PCR反応に供し、増幅前後の蛍光剤の発光の増加量によって対立遺伝子を検出したり、また、プライマーダイマーの形成を除去する目的で、プライマーとしてヘアピンプライマー(5’側の塩基と3’側の塩基が相補的でありヘアピン構造を有する)も使用する技術が開示されている(特許文献5参照)。しかし、本技術で使用されるプライマーは、蛍光剤の標識される塩基の近隣の塩基配列に関しては何ら定義されていない。
【0008】
【特許文献1】特開平5−237000号公報
【特許文献2】特開平9−187275号公報
【特許文献3】特開平8−211050号公報
【特許文献4】特開2001−286300号公報
【特許文献5】特表2003−510017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、蛍光剤で標識されたオリゴヌクレオチドを用いた核酸の検出法において、より高感度に、目的の核酸を検出できる技術およびそれに用いる試薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、単一蛍光標識オリゴヌクレオチドによる核酸の検出法を見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、1種類の蛍光剤を標識したオリゴヌクレオチドを使用したホモジーニアス系の核酸の検出法において、5’末端または3’末端に標的核酸の塩基配列と相補的でない塩基を数個付加し、かつ5’末端または3’末端に蛍光剤を標識したオリゴヌクレオチドを使用して核酸増幅またはハイブリダイズを行うと、蛍光強度が増加するという効果が得られ、特に、該5’末端あるいは該3’末端がA(アデニン)またはT(チミン)であれば、該オリゴヌクレオチドが標的核酸と2本鎖核酸を形成した場合に蛍光強度が増加することを見い出した。
【0011】
ここで、蛍光標識オリゴヌクレオチドのうち、蛍光剤がG(グアニン)の近傍(;3次元的に位置が近い)に存在する場合は、特許文献4に記載されているように蛍光が消光することが知られているが、オリゴヌクレオチド配列上でG(グアニン)塩基の近くの塩基に蛍光剤を標識した場合に限らず、配列上の遠い位置に標識した場合、または別のオリゴヌクレオチドに標識した場合でも、立体構造的に蛍光剤がG(グアニン)の近くに位置していれば、この消光現象が観察される。例えば、C(シトシン)の近くの塩基を単一の蛍光剤で標識したオリゴヌクレオチドと、該オリゴヌクレオチドと相補的配列とがハイブリダイゼーションすると、C(シトシン)の相補的塩基であるG(グアニン)の近傍に蛍光剤が配置されることとなり、蛍光は消光する。このことは、単一蛍光標識オリゴヌクレオチドの蛍光強度や、該オリゴヌクレオチドが相補的配列とハイブリダイゼーションした場合の蛍光強度の変化が、オリゴヌクレオチドの一次配列に大きく依存する(;一次配列により高次構造も決定される)ことを意味している。したがって、相補的配列とハイブリダイゼーションした際に蛍光強度が変化するような単一の蛍光剤が標識されたオリゴヌクレオチドを作製する場合は、オリゴヌクレオチドの一次配列により制約を受けることとなる。
【0012】
本発明は、このような制約をを受けることなく、蛍光剤が標識された塩基の種類や標的核酸の塩基配列に応じたオリゴヌクレオチドを自由に設計できるという特徴を有している。その結果、核酸増幅またはハイブリダイズしただけでは蛍光強度がほとんど変化しない場合でも、オリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端に、標的核酸の塩基配列と相補的でない塩基を数個加えることで、蛍光強度が増大するという効果が得られるようになる。
【0013】
ここで、本発明は以下の構成からなる。
(1)生体試料中の1種類以上の標的核酸またはその断片を検出するために使用する、以下の(a)および/または(b)のオリゴヌクレオチド。
(a)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの5’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ5’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該5’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(b)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの3’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ3’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該3’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(2)相補的でない塩基の数が、1〜5塩基好ましくは1〜3塩基である(1)記載のオリゴヌクレオチド。
(3)相補的でない塩基が、A(アデニン)またはT(チミン)であることを特徴とする(1)または(2)記載のオリゴヌクレオチド。
(4)蛍光剤が、Alexa Flour 532、Cy3、HEX、R110、R6G、TAMRAまたはYakima Yellowなる群より選ばれる(1)記載のオリゴヌクレオチド。
(5)生体試料中の1種類以上の標的核酸またはその断片を検出する方法であって、以下の(a)および/または(b)のオリゴヌクレオチドと、前記標的核酸またはその断片を反応させ、反応後の蛍光強度の増加を測定することを特徴とする核酸の検出法。
(a)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの5’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ5’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該5’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(b)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの3’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ3’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該3’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(6)相補的でない塩基の数が、1〜5塩基好ましくは1〜3塩基である(5)記載の検出法。
(7)相補的でない塩基が、A(アデニン)またはT(チミン)であることを特徴とする(5)または(6)記載の検出法。
(8)蛍光剤が、Alexa Flour 532、Cy3、HEX、R110、R6G、TAMRAまたはYakima Yellowなる群より選ばれる(5)記載の検出法。
(9)(1)〜(4)記載のオリゴヌクレオチドを用いた核酸の検出法であって、生体試料中の1種類以上の標的核酸またはその断片の増幅工程における蛍光強度の変化を、リアルタイムで測定することを特徴とする検出法。
(10)(1)〜(4)記載のオリゴヌクレオチドを用いた核酸の検出法であって、生体試料中の1種類以上の標的核酸またはその断片の増幅工程後の増幅産物の有無を、蛍光で測定することを特徴とする検出法。
(11)オリゴヌクレオチドが、プライマーであることを特徴とする(5)〜(10)記載の検出法。
(12)標的核酸またはその断片を増幅する方法が、LAMP法である(9)または(10)記載の検出法。
(13)プライマーが、LAMP法で用いられるプライマーである(11)記載の検出法。
(14)Qプローブと組み合わせる、(5)〜(13)記載の検出法。
(15)生体試料中に1種類以上含む標的核酸またはその断片を検出するための試薬キットであって、以下の(a)および/または(b)のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする核酸検出用試薬キット。
(a)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの5’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ5’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該5’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(b)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの3’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ3’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該3’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(16)相補的でない塩基の数が、1〜5塩基好ましくは1〜3塩基である(15)記載の試薬キット。
(17)相補的でない塩基が、A(アデニン)またはT(チミン)である(15)または(16)記載の試薬キット。
(18)蛍光剤が、Alexa Flour 532、Cy3、HEX、R110、R6G、TAMRAまたはYakima Yellowなる群より選ばれる(15)記載の試薬キット。
(19)少なくとも、さらに核酸合成酵素、基質および反応緩衝剤を含むことを特徴とする(15)記載の試薬キット。
(20)Qプローブと組み合わせる、(15)または(19)記載の方法。

以下、本発明を詳細に説明する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、例えば、5’末端または3’末端にある特定の蛍光剤を標識したオリゴヌクレオチドを用いて核酸増幅反応を行うと、増幅に伴って蛍光強度の増加が観察される。また、5’末端に標的配列と相補的でない塩基を数個に付加させたプライマーを使用することで、付加なしでは蛍光強度が増大しない場合でも、増大させることができる。さらに、別の蛍光剤を適宜選択して標識することによって、各蛍光剤に適した波長での検出ができるため、試料中に存在する異なる標的核酸、例えばHBVとHCVをターゲットをした2項目同時測定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明で使用される「核酸試料」とは、動植物例えばヒトや家畜の遺伝子等の内在性のDNA、RNA等の核酸を含む生体試料や、細菌あるいはウイルスを含む微生物等の外来性の核酸を含む試料であり、血液、毛髪、細胞組織、汗、尿・糞等の排泄物、培養物等が挙げられる。また、部分的にあるいは完全に人工的の合成された核酸も本発明の核酸試料に含まれる。
【0016】
本発明における「標的核酸」とは、増幅に供する核酸または検出を目的とする核酸のことを言うが、精製の有無にも問われず、また核酸濃度の高低も問わず、さらには増幅または検出を目的とする核酸以外の核酸が含まれていてもよい。
【0017】
本発明の「オリゴヌクレオチド」は、プライマーまたは核酸プローブとして使用することができる。「プライマー」とは、3’末端から標的核酸に対して伸長反応が可能なオリゴヌクレオチドで、核酸増幅用プライマーや単に標的核酸とハイブリダイズする検出用プライマーいわゆる核酸プローブを含む。また、オリゴヌクレオチドの代わりにPNA(ペプチド核酸)も使用可能である。
【0018】
前記オリゴヌクレオチドは、5’末端または3’末端に蛍光剤が標識されているものが挙げられる。5’末端に蛍光剤が標識されているオリゴヌクレオチドの場合は、標的核酸配列と相補的な塩基配列を有しており、その相補的塩基配列の5’側には、相補的でない塩基が1〜5個好ましくは1〜3個付加されており、かつ5’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、該5’末端には蛍光剤が標識されている。一方、3’末端に蛍光剤が標識されているオリゴヌクレオチドの場合は、標的核酸配列と相補的な塩基配列を有しており、その相補的塩基配列の3’側には、相補的でない塩基が1〜5個好ましくは1〜3個付加されており、かつ3’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、該3’末端には蛍光剤が標識されている。
【0019】
本発明で使用される「核酸増幅法」としては、例えば、「LAMP( Loop−mediated isothermal amplification )法」が好適である。「LAMP法」は、納富らが開発した技術( Nucleic Acids Research, Vol.28, No.12, 2000 e63 )であり、鋳型となるヌクレオチドに自身の3’末端をアニールさせて相補鎖合成の起点とすると共に、このとき形成されるループにアニールするプライマーを組み合わせることにより、等温での相補鎖合成反応を可能とした核酸増幅法である。また、「LAMP法」では、プライマーの3’末端が常に試料に由来する領域に対してアニールするために、塩基配列の相補的結合によるチェック機構が繰り返し機能する。その結果、特異性の高い遺伝子配列の増幅反応を可能となる。
【0020】
LAMP法で使用される「プライマー」は、鋳型核酸の塩基配列上の計6領域の塩基配列を認識する少なくとも4種類のオリゴヌクレオチドからなるプライマー(「インナープライマーF(以下「IPF」)」、「インナープライマーR(以下「IPR」)」、「アウタープライマーF(以下「OPF」)」および「アウタープライマーR」(以下「OPR」)が使用されるが、増幅反応の進行に伴い、自己を鋳型としながら合成起点となる3’末端を有した、両端にそれぞれループ構造を有することを特徴とするダンベル型のヌクレオチドが形成される。そして、さらに、このダンベル構造の5’末端側のループ構造の一本鎖部分の塩基配列に相補的な塩基配列を持つプライマー(「ループプライマーF(以下「LPF」)」および/または「ループプライマーR(以下「LPR」)」)を用いた場合、核酸合成の起点が増え、反応時間の短縮と検出感度の上昇を図ることができる。
【0021】
標識する蛍光剤の種類としては、オリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズした後や、増幅反応に伴って蛍光強度が増加するものが好適である。例えば、Alexa Flour 532、Cy3、HEX、R110、R6G、TAMRAまたはYakima Yellow等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、核酸試料中の2つ以上の標的核酸(例えばHCVとHBV)を同時に検出しようとする場合は、各々の標的核酸に特異的にハイブリダイズする別々のオリゴヌクレオチドに、各々異なる蛍光波長を有する蛍光剤を標識することで、目的が達せられる。あるいは、一方のオリゴヌクレオチドをQプローブ(前出)にすることでも、目的が達せられる。
【0022】
本発明で、蛍光剤が標識される「オリゴヌクレオチド」の塩基数は、10〜100、好ましくは10〜30、特に好ましくは15〜25である。LAMP法のプライマーとして「IPF」または「IPR」で使用される場合は、20〜80であり、好ましくは30〜70、特に好ましくは、40〜60である。一方、「LPF」または「LPR」で使用される場合は、10〜40であり、好ましくは10〜30、特に好ましくは、15〜25である。
【0023】
本発明において核酸を検出する方法は、例えば、核酸増幅法と組み合わせることによって、蛍光法によるリアルタイムあるいはエンドポイント法が適用できる。
【実施例】
【0024】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0025】
実施例1.λDNA増幅系における検出
(1)プライマーの合成
鋳型にとなるλDNA配列(配列番号1)の一部から選ばれた塩基配列、またはそれと相補的な配列から選ばれた塩基配列として、以下の基本となる6種類のLAMP用プライマーを設計した。プライマーの合成は、DNA合成を専門に取り扱う機関に委託した。なお、この増幅系では、インナープライマーであるIPFに蛍光剤TAMRAを標識し、そのバリエーションとして、IPF−1〜12(配列番号8〜19)の標識プライマーを作製した。
・λDNA増幅系LAMP用プライマー
IPF:5'-ATGCGAAATGAAGTGGTCTGATCCTGTTTTGCTTTGCTCGACAT-3'(配列番号2)
IPR:5'-AACTCGTTGCCCGGTAACAAGCAGCAGAATCATCACCATGTT-3'(配列番号3)
OPF:5'-CAATGCTGTTGGGATGGC-3'(配列番号4)
OPR:5'-CGGCTGACGAATACCTGAAA-3'(配列番号5)
LPF:5'-GTCTGATATCGTAGATGGAT-3'(配列番号6)
LPR:5'-GCCAGTTCCATTGCAAGTCT-3'(配列番号7)
(2)試薬組成及び濃度
LAMP最終反応溶液25μL中の各試薬濃度が以下になるよう調整した。
・20mM Tris−HCl( pH8.8 )
・10mM KCl
・10mM (NH42SO4
・ 8mM MgSO4
・0.1% Tween20
・1.4mM each dNTP
・0.8M Betaine
・ 8U Bst DNAポリメラーゼ( New England Biolab 社 )
・108copies/反応 鋳型核酸
・LAMP用プライマー
1.6μM TAMRA標識IPF−1〜12(配列番号8〜19)のいずれか
1.6μM IPR(配列番号3)
0.4μM OPF(配列番号4)及びOPR(配列番号5)
0.8μM LPF(配列番号6)及びLPR(配列番号7)
(3)LAMP法による反応
0.2mLの専用チューブに、鋳型核酸およびLAMP反応溶液25μLを加え、ABI PRISMTM 7700 Sequnce Detector ( Applied Biosystems 社製 )を用いて、60℃で90分間リアルタイムによる蛍光測定を行った。
(4)ハイブリダイゼーション法
前記IPF−1〜12の各々とIPF(配列番号2)に相補的なオリゴヌクレオチドの混合物を、以下の反応液組成において、95℃で1分間熱変性させた後、30秒間で1℃の割合で5℃まで冷却させ、上記(3)と同様の機種で、蛍光値の変化を観察した。
(反応液組成)
・20mM Tris−HCl( pH8.8 )
・10mM KCl
・10mM (NH42SO4
・ 2mM MgSO4
・0.1% TritonX−100
【0026】
その結果を表1に示す。IPF(配列番号2)の5’末端の塩基を標識したIPF−6(配列番号13)を基準に考えると、5’末端から1塩基削ったIPF−5を使用した場合は蛍光の上昇が弱くなり、2〜4塩基削ったIPF−4〜2では蛍光は観察されなかった。しかし、5塩基削ったIPF−1では、新たに蛍光の上昇が確認された。また、5’末端側に1塩基ずつ伸ばしたIPF−7、8では、IPF−6と同程度の蛍光の増大が観察された。一方、IPF−6の3’末端側の塩基を1塩基ずつ削ったもの(IPF−9〜12)に関しては、蛍光の増大に差はみられなかった。また、LAMP反応による蛍光の増大は、ハイブリダイゼーション法の結果とよく一致していた。これらのことは、蛍光剤を、プライマーの5’末端に最も近いGから1から3塩基離れたAまたはTに標識しておけば、核酸増幅産物を蛍光により検出できることを示唆している。
なお、表中のハイブリダイゼーションおよびLAMP反応の「+」、「−」、「0」は、各々蛍光値が「増加」、「減少」、「変化無し」を示し、以下の表でも同様の意味として取り扱う。
【0027】
【表1】

【0028】
実施例2.haptoglobin 増幅系における検出
(1)プライマーの合成
haptoglobin 遺伝子の特定領域から選ばれた塩基配列、またはそれと相補的な配列から選ばれた塩基配列として、以下の基本となる6種類のLAMP用プライマーを設計した。なお、この系においては、ループプライマーであるLPRに蛍光剤TAMRAを標識し、そのバリエーションとして、LPR−1〜12(配列番号26〜37)の標識プライマーを作製した。
・haptoglobin 増幅系LAMP用プライマー
IPF:5'-TTCCTGGTACTTGGTGAGGCGGGGTCCAGCCTATCTTGAA-3'(配列番号20)
IPR:5'-GCAGTGCCTTTGCCATTCATTGTCAAAGCTCAGGATCCCA-3'(配列番号21)
OPF:5'-TGCCCGAGAAGAAAAACTTG-3'(配列番号22)
OPR:5'-CACACCATACTCAGCGACAG-3'(配列番号23)
LPF:5'-GCCAGCACAGAAGGTGTG-3'(配列番号24)
LPR:5'-GAGGAGGACACCTGGTACGC-3'(配列番号25)
(2)試薬組成及び濃度
LAMP用プライマーは以下を使用したが、試薬組成および濃度はすべて実施例1.(2)と同濃度で用いた。
1.6μM IPF(配列番号20)およびIPR(配列番号21)
0.4μM OPF(配列番号22)およびOPR(配列番号23)
0.8μM LPF(配列番号24)
0.8μM TAMRA標識LPR1〜12(配列番号26〜37)のいずれか
(3)LAMP法による反応
実施例1.(3)と同様に実施した。
(4)ハイブリダイゼーション法
前記LPF−1〜12の各々とLPR(配列番号25)に対し相補的なオリゴヌクレオチドを使用した以外、実施例1.(4)と同様に実施した。
【0029】
その結果を表2に示す。基準プライマーであるLPF−6(配列番号31)は、5’末端がGであるにもかかわらず若干の蛍光上昇が観察されたが、5’側にさらに3塩基伸ばし、かつGから2塩基離れたAに標識したLPF−5の蛍光は増大した。また、相補性にとらわれず、Aのみ3塩基またはTのみ3塩基付加したもの(LPF−4またはLPF−3)でも 、LPF−5と同程度の、さらにGのみ3塩基付加したもの(LPF−2)でも蛍光の上昇が観察された。これに対し、Cのみを3塩基付加したもの(LPF−1)については、相補鎖にあるGによる消光のため、蛍光は減少した。次に、5’末端塩基の違いによる影響を調べるために、5’側に付加する3塩基を、5’−CAA(LPF−7)、5’−GAA(LPF−8)、5’−TAA(LPF−9)または5’−AAA(LPF−4)と5’末端の塩基だけ異なるもので蛍光強度の比較を行った。その結果、5’末端がAまたはTの場合は蛍光値の増大が見られ、GあるいはCの場合は蛍光値の減少が観察された。末端がCの場合は、前述同様、相補鎖のGによる消光作用が関与していると考えられる。また、LPF−10〜12において、3’末端をリン酸化してプライマーとしての機能を消失させたところ、LPF−10および11については蛍光の上昇が観察されたが、これは、ハイブリダイズによる蛍光の上昇と考えられる。なお、LPF−12に関しては、G(グアニン)への標識であるため、蛍光の上昇は起こらなかった。
【0030】
【表2】

【0031】
実施例3.A(アデニン)またはT(チミン)の付加数の検討
実施例2.で使用したTAMRA標識LPR−12(配列番号37)の5’末端に最も近いG(グアニン)に、A(アデニン)を5’側に向かって1〜5塩基付加したLPR−13〜17と、T(チミン)を5’側に向かって1〜5塩基付加したLPR−18〜22を用い、実施例2.に準じて、LAMP反応を行い、各々の塩基の付加数による蛍光の変化を観察した。
【0032】
その結果を表3に示す。A(アデニン)に関しては、1〜3塩基の付加で蛍光値の増大が観察されたが、それ以上の付加では逆に蛍光値が減少する傾向にあった。一方、T(チミン)は、1〜5塩基の付加のいずれにおいても蛍光値の増大が観察された。これらの結果は、実施例1.および2の結果を示唆していると考えられた。
【0033】
【表3】

【0034】
実施例4.3’末端側の標識
実施例2.で使用したTAMRA標識LPR−6(配列番号31)の3’末端に最も近いG(グアニン)から、3’側に向かって1〜4塩基付加したLPR−23〜25とを用い、実施例2.に準じて、LAMP反応を行い、蛍光値の変化を観察した。
【0035】
その結果を表4に示す。実施例1.〜3.で、5’末端に蛍光剤を標識したプライマー同様、3’末端に蛍光剤を標識しても、蛍光の増大が確認された。
【0036】
【表4】

【0037】
実施例5.蛍光剤のスクリーニング
実施例2.に基づいたhaptoglobin 遺伝子増幅系で、蛍光剤標識プライマーはLPF−5(配列番号30)の5’末端のA(アデニン)に表5に示す種々の蛍光剤を標識したプライマーを作製し、実施例1.(3)同様にLAMP反応を行った。
【0038】
その結果を表5に示す。TAMRA以外の蛍光剤として、Alexa Flour 532、Cy3、HEX、R110、R6G、Yakima Yellowについて、蛍光値の上昇すなわちLAMP反応が観察された。このことより、TAMRA以外の蛍光剤でも適用できることが示唆された。
【0039】
【表5】

【0040】
実施例6.TAMRA標識プライマーによる遺伝子特異性検出の確認
実施例1.に基づいたλDNA増幅系(TAMRA標識プライマーはIPF−6を使用)を、一つはそのままの系で、もう一つはインターカレーター(YO)の系で、 ABI PRISM 7700 を用いたリアルタイムによる蛍光測定を行った。別に、後述の実施例7.に基づいたGAPDH増幅系(なお、LPRには蛍光剤は標識されていない)に、GAPDHと配列が無関係なTAMRA標識プライマー(IPF−6)を添加し、前述と同様に、一つはそのままの系で、もう一つはインターカレーターの系による蛍光測定を行った。
【0041】
その結果を図1に示す。λDNA増幅系(AおよびB)では、LAMP反応に伴うTAMRAおよびインターカレーターの蛍光値の上昇が観察された。一方、GAPDH増幅系(CおよびD)においては、GAPDHのLAMP反応に伴うインターカレーターの蛍光値の上昇(D)が確認されたが、GAPDHと配列が無関係なλDNA増幅系TAMRA標識プライマーを添加した系(C)においては、TAMRAの蛍光値の上昇は確認されなかった。このことより、蛍光剤を標識したプライマーは、目的遺伝子の増幅のみ特異的に検出できることが示唆された。
【0042】
実施例7.マルチプレックスLAMP法への応用
同一試料中の異なる遺伝子の同時検出の試みとして、以下の実験系を組んだ。
同一の反応チューブに、解糖系酵素の一種であるGAPDHおよび haptoglobin の鋳型を入れ、GAPDH増幅用には以下のプライマー(標識プライマーは、LPFの5’末端のA(アデニン)にTAMRAを標識したプライマー)、そして haptoglobin 増幅用には、実施例2.(1)で使用したプライマー(標識プライマーは、IPF−6のTAMRAをR110に換えたプライマー)を用いて、同一チューブ内で、同時にLAMP反応を行った。また、比較対照として、GAPDHの鋳型のみ、または haptoglobin の鋳型のみを含む試料について、それぞれLAMP反応を行った。なお、測定には、ABI PRISMTM 7700 Sequnce Detector を用い、TAMRA由来の蛍光は、Dye LayerをTAMRAに設定し、R110由来の蛍光は、Dye LayerをFAMに設定し、リアルタイム測定を行った。
・GDPDH増幅系LAMP用プライマー
IPF:5'-TGCATTGCTGACAATCTTGAGTGATGCCCCCATGTTTGTGAT-3'(配列番号51)
IPR:5'-CTGCACCACCAACTGCTTAGCCCTTCCACAATGCCAAAGT-3'(配列番号52)
OPF:5'-AAACGGGTCATCATCTCCG-3'(配列番号53)
OPR:5'-AGTGATGGCATGGACTGTG-3'(配列番号54)
LPF:5'-AGTTGTCATATTTCTCGTGGTTC-3'(配列番号55)
LPR:5'-CTGGCCAAGGTCATCCAT-3'(配列番号56)
・GDPDH増幅系LAMP用プライマー濃度
1.6μM IPF(配列番号51)およびIPR(配列番号52)
0.4μM OPF(配列番号53)およびOPR(配列番号54)
0.8μM TAMRA標識LPF(配列番号55)
0.8μM LPR(配列番号56)
【0043】
その結果を図2に示す。TAMRA由来の蛍光(A)は、GAPDHの鋳型のみを含む反応液とGAPDHおよび haptoglobin 両方の鋳型を含む反応液で観察され、R110由来の蛍光(B)は、 haptoglobinの鋳型のみを含む反応液とGAPDHおよび haptoglobin 両方の鋳型を含む反応液で観察された。このことから、波長の重ならない蛍光剤を組み合わせることで、LAMP法による同一試料中の異なる遺伝子の検出、すなわちマルチプレックスLAMP法への適用が可能であることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明は、従来のような煩雑な操作を必要とせず、簡単に、核酸を検出できる技術およびそれに用いる試薬を提供することによって、同一試料中の異なる遺伝子を同時に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】TAMRA標識プライマーによる遺伝子特異的検出を示すグラフである。
【図2】マルチプレックスLAMP法による遺伝子同時検出を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料中の1種類以上の標的核酸またはその断片を検出するために使用する、以下の(a)および/または(b)のオリゴヌクレオチド。
(a)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの5’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ5’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該5’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(b)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの3’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ3’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該3’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
相補的でない塩基の数が、1〜5塩基好ましくは1〜3塩基である請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
相補的でない塩基が、A(アデニン)またはT(チミン)であることを特徴とする請求項1または2記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
蛍光剤が、Alexa Flour 532、Cy3、HEX、R110、R6G、TAMRAまたはYakima Yellowなる群より選ばれる請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
生体試料中の1種類以上の標的核酸またはその断片を検出する方法であって、以下の(a)および/または(b)のオリゴヌクレオチドと、前記標的核酸またはその断片を反応させ、反応後の蛍光強度の増加を測定することを特徴とする核酸の検出法。
(a)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの5’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ5’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該5’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(b)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの3’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ3’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該3’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
相補的でない塩基の数が、1〜5塩基好ましくは1〜3塩基である請求項5記載の検出法。
【請求項7】
相補的でない塩基が、A(アデニン)またはT(チミン)であることを特徴とする請求項5または6記載の検出法。
【請求項8】
蛍光剤が、Alexa Flour 532、Cy3、HEX、R110、R6G、TAMRAまたはYakima Yellowなる群より選ばれる請求項5記載の検出法。
【請求項9】
請求項1〜4記載のオリゴヌクレオチドを用いた核酸の検出法であって、生体試料中の1種類以上の標的核酸またはその断片の増幅工程における蛍光強度の変化を、リアルタイムで測定することを特徴とする検出法。
【請求項10】
請求項1〜4記載のオリゴヌクレオチドを用いた核酸の検出法であって、生体試料中の1種類以上の標的核酸またはその断片の増幅工程後の増幅産物の有無を、蛍光で測定することを特徴とする検出法。
【請求項11】
オリゴヌクレオチドが、プライマーであることを特徴とする請求項5〜10記載の検出法。
【請求項12】
標的核酸またはその断片を増幅する方法が、LAMP法である請求項9または10記載の検出法。
【請求項13】
プライマーが、LAMP法で用いられるプライマーである請求項11記載の検出法。
【請求項14】
Qプローブと組み合わせる、請求項5〜13記載の検出法。
【請求項15】
生体試料中に1種類以上含む標的核酸またはその断片を検出するための試薬キットであって、以下の(a)および/または(b)のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする核酸検出用試薬キット。
(a)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの5’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ5’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該5’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
(b)標的核酸配列と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドの3’側に相補的でない塩基が付加されており、かつ3’末端の塩基がA(アデニン)またはT(チミン)であって、さらに該3’末端に蛍光剤が標識されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド。
【請求項16】
相補的でない塩基の数が、1〜5塩基好ましくは1〜3塩基である請求項15記載の試薬キット。
【請求項17】
相補的でない塩基が、A(アデニン)またはT(チミン)である請求項15または16記載の試薬キット。
【請求項18】
蛍光剤が、Alexa Flour 532、Cy3、HEX、R110、R6G、TAMRAまたはYakima Yellowなる群より選ばれる請求項15記載の試薬キット。
【請求項19】
少なくとも、さらに核酸合成酵素、基質および反応緩衝剤を含むことを特徴とする請求項15記載の試薬キット。
【請求項20】
Qプローブと組み合わせる、請求項15または19記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−75052(P2007−75052A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269626(P2005−269626)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000120456)栄研化学株式会社 (67)
【Fターム(参考)】