説明

単層プラスチック製試料培養ボトル

血液等の試料を培養するボトルは、単層のプラスチック材料で形成したプラスチック容器を含む。ボトルには、シリカまたはガラスコーティング等のガスバリア性コーティングを塗布したことを特徴とする。別の実施形態によれは、単層プラスチック製ボトルおよびボトルの円柱状側壁を被覆したガスバリア性粘着ラベルを備えたことを特徴とする。さらに別の実施形態においては、ガスバリアを、プラスチック容器を部分的または完全に被覆したプラスチック収縮包装として構成する。また、上記のボトルを2つ以上備えるキット、および上記のボトルを製造する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照] 本出願は、米国特許法119条(e)に基づき、2009年10月2日に出願された米国仮特許出願第61/278,159号の優先権を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に援用される。
c
【0002】
本発明は、例えば、血液、尿、またはその他の生物試料等の臨床試料および、食品等の非臨床試料等の試料を培養するためのボトルに関する。試料培養の目的としては様々なものがあるが、例えば、試料中に存在する微生物を検出もしくは特定すること、または試料の品質管理を行うこと等が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
血液およびその他の生物試料を採取または培養するためのボトルは、当該技術分野においては公知であり、例えば、特許文献1〜6に記載されている。ボトルを分析して生物存在の有無を確認する分析装置は、特許文献7〜11に記載されている。
【0004】
生物を確実に回収するため、血液培養ボトルは、特定のヘッドスペースガス組成を含んで構成する。血液培養コンテナは適切なガス不浸透性材料で形成して、ボトルのヘッドスペースにおけるガス組成の完全性(integrity)をボトルの品質保持期限まで確実に維持する必要がある。さらに理想的には、ボトルの内容物観察、ボトル使用時の充填レベルの測定、増殖後の内容物のユーザによる目視な観察、および、ボトル内に設けた微生物増殖検出センサの読み取り等を行うため、ボトルは品質保持期限までその透明性を維持する必要がある。
【0005】
ボトル内へのガス拡散を抑制する血液培養ボトルとして、現在2種類のボトルが使用されている。1つは、エラストマーシールを貼付したガラスバイアルである。ガラスバイアルは、それ自体がガスバリア性を有する。しかしながら、ガラスには固有の安全性リスクがある。ガラスバイアルは落下した際に破損する虞があり、ユーザはガラスの破片および生物学的に有害な物質による危険にさらされる。さらに、ガラス製造の性質として、検出不能な微小亀裂がガラス内に残ってしまうことがあり、バイアル内で微生物が増殖した際に生じる圧力でボトルが破裂し、人が生体有害物質にさらされる可能性がある。このように、ガラスバイアルを血液培養ボトルとして使用するにはいくつかの問題点がある。
【0006】
もう一つの血液培養ボトルは、多層プラスチック製バイアルである。例えば、特許文献12および13を参照されたい。多層プラスチック製バイアルは、それぞれ異なる機能を持つ2種類のプラスチック材料で作成する。例えば、バイアルの内外層をポリカーボネートで作成して、製品を使用する際に要求される強度および剛性を提供する。同様に、ポリカーボネートは、製造中に行う製品の加圧減菌(オートクレーブ)に要求される高温に対して耐性があり、透明性を維持する。しかしながら、ポリカーボネートは、ガスバリア性を示さない。材料の中間層をナイロンで作成してガスバリア性を与えることができるが、ナイロン自体は、血液培養ボトルの製造中に要求されるオートクレーブ温度に耐えうる十分な剛性および強度を有さないため、水分に触れたりオートクレーブした場合に透明性を維持できない。多層プラスチック製バイアルは、安全面でガラスよりも利点がある。もう一つの利点は、製品を軽量化できることである。しかしながら、多層プラスチック製バイアルにはいくつかの問題点がある。具体的には、バイアルの製造には比較的複雑な製造方法を用いる必要があり、結果的に、バイアルは比較的高価なものとなる。さらに、多層プラスチック製バイアルは、環境面でもいくつかの問題点がある。すなわち、多層プラスチック製バイアルは多種多様な材料で構成されるため、再生利用できないことである。例えば、製造した1バッチ分のボトルに欠陥があった場合に、各バイアル一式および廃棄バイアルは、粉砕して新しいボトルに再生利用することができない。
【0007】
以上、主に血液培養ボトルに関する問題点を中心に説明したが、本発明は血液培養ボトルに限定されない。本明細書に開示した方法およびボトルは、臨床および非臨床試料を含むその他の種類の試料の培養に使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,945,060号明細書
【特許文献2】米国特許第5,094,955号明細書
【特許文献3】米国特許第5,860,329号明細書
【特許文献4】米国特許第4,827,944号明細書
【特許文献5】米国特許第7,211,430号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0037165号明細書
【特許文献7】米国特許第4,945,060号明細書
【特許文献8】米国特許第5,094,955号明細書
【特許文献9】米国特許第6,709,857号明細書
【特許文献10】米国特許第5,770,394号明細書
【特許文献11】国際公開第94/26874号パンフレット
【特許文献12】米国特許第6,123,211号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0037165号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の一態様において、本明細書に開示する、試料培養のための改良ボトルは、多層プラスチック製バイアルの利点(軽量、耐破損性)を有する一方、製品製造時の複雑性およびコストを低下させたものである。このボトルは、単層プラスチック製ボトルまたはバイアルであること特徴とする。
【0010】
いくつかの実現可能な機能の1つにより、ボトルにガスバリア性を付与する。一実施形態において、単層プラスチック製ボトルに、例えば、シリカまたはガラス等のガスバリア性コーティングを設ける。そのコーティングにより、ガスバリア性を付与する。コーティングは、ボトルの外面または内面のいずれかに設けることができる。ボトルは、オートクレーブ可能なナイロンまたはポリカーボネート等の適切なプラスチックにより作成することができる。
【0011】
本発明のさらに別の態様により企図する試料培養デバイスを製造する方法は、内面および外面を有する単層プラスチック製ボトルを作成するステップと、ボトルの内面および外面の少なくとも一方にガスバリア性コーティングを塗布するステップと、ボトルに増殖培地を添加するステップと、ボトルに特定のヘッドスペースガス組成を添加するステップと、ボトルに閉止部(closure)を取り付けるステップと、を含む方法である。ガスバリア性コーティングは、シリカまたはガラスで構成することができる。コーティングは、溶射、プラズマ溶射、化学気相成長法、およびプラズマ誘起化学気相成長法からなる群から選択した方法で塗布することができる。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、以下に説明する試料を培養するデバイスは、収容したサンプル中に存在する微生物の増殖を促進および/または増強する培養媒地を包含し、円柱状側壁、底部、および頸部を有する単層プラスチック製ボトルと、単層プラスチック製ボトルの円柱状側壁に貼付したガスバリア性の粘着ラベルと、頸部に嵌合させた閉止部と、を備える。ガスバリア粘着ラベルは、ラベルの裏材等の光遮断剤を含むことができる。この粘着ラベルはガスバリア性材料で作成し、ガスバリア性材料としては、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)、アルミニウム箔、アルミニウム箔/プラスチック積層体、またはその他の適切な材料等を挙げることができる。このラベルにより、ボトルの底部、肩部、および/または頸部は露出したままボトルの円柱状側壁を実質的に完全に被覆する。また、試料を培養するデバイスを2つ以上備えた試料培養キットであって、これらデバイスの少なくとも1つを、ガスバリア性粘着ラベルを貼付した単層ボトルとして構成した、試料培養キットも企図される。
【0013】
さらに別の態様において、試料培養デバイスを製造する方法は、円柱状側壁を有する単層プラスチックボトルを作成するステップと、ボトルに増殖培地を添加するステップと、ボトルに特定のヘッドスペースガス組成を添加するステップと、外面を有するボトルに閉止部を取り付けるステップと、ガスバリア性粘着ラベルで円柱状側壁を被覆するステップと、を含む方法を開示する。
【0014】
単層プラスチック製ボトルの一部(ボトルの頸部、底部、および肩部等)を露出した実施形態においては、酸素ガスが多少浸透するが、ボトルを微生物学的検査目的で使用することができる期間である品質保持期間は十分長く確保することができる。
【0015】
一実施形態では、一対の血液培養ボトルを共に収縮包装して、血液サンプル等の試料の培養に使用可能な検査用キットを形成する。キットにおいて、各ボトルの一方は好気性微生物の存在を検査するための増殖培地を有して構成する。キットにおいて、もう一方のボトルは、嫌気性生物の存在を検査するための増殖培地を有して構成する。収縮包装は、例えば、キットのボトル間において収縮包装にミシン目を入れる等、ユーザにとって便利なように設計することができる。さらに、このキットを、収縮包装の連続長で構成し、箱等のコンテナ(container)から小出しにすることができる。検査用キットを形成する一対のボトルは、箱から小出しにすることができ、一つのボトル対を次のボトル対からを切り離せるように、収縮包装にはミシン目を設ける。検査用キットを構成する一対のボトルは、一回につき一本ずつ小出しにすることもできる。パッケージは、ラボ内慣行である「先入れ先出し」方式を容易に実行できるように設計して、最新のボトルが必ず最初に使用されるようにして、期限切れのボトルを使用してしまうリスクを最小限に抑えることができる。例えば、「新しい」ボトル(またはキット)を箱の一端部から装填し、箱の反対側の端部からボトルを取り出すように、パッケージを構成することができる。
【0016】
上記設計の利点の1つとして、多層バイアル製造時の複雑性を減少できることがある。このボトルは、例えば、比較的安価な製造プロセスであるブロー成形で形成することができる。一実施形態において、(収縮包装または粘着ラベルとして構成した)EVOH等の材料によりバリアを形成した場合、ナイロンと比べて非常に高いガスバリア特性を有する。さらに、本明細書に開示したボトルは、いずれも単層プラスチックで作成したため、再生利用が可能である。各ボトルに生じる製造欠陥またはそれ以外の理由で廃棄対象となるボトルは、通常、ガスバリア性収縮包装、粘着ラベル、またはシリカコーティングをボトルに貼付/塗布するより前に、分別される。これらのボトルは、粉砕して新しいボトルを形成することができる。このような効率性により、ボトルのコストをさらに削減する。
【0017】
血液培養ボトルを使用する際、現行では、患者の血液サンプルをボトルに注入する前にボトルの栓(stopper)を消毒することが一般に行われている。現行の血液培養ボトル製品は、栓の上に着脱可能なプラスチックキャップが付いている。このプラスチックキャップにより、栓の損傷および全般的な汚染をある程度機械的に保護するが、栓は無菌ではない。このキャップは、サンプル注入前に取り除く必要があり、一般に、栓の表面をアルコールで拭き取るなどして、消毒剤で洗浄する。ボトル全体を収縮包装した本実施形態においては、ガスバリア性材料(収縮包装)により栓を被覆するため、プラスチックキャップを設けたりアルコールによる拭き取りを行う必要がなく、その一方で、栓を無菌とすることも可能である。
【0018】
本発明による実施形態の代表的かつ非限定的な例を添付の図面に示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の開示による血液培養ボトルの斜視図であり、単層プラスチック製血液培養ボトルをガスバリア性収縮包装収縮包装プラスチックフィルムで完全に被覆したものである。
【図2】図2は、図1に示すタイプのボトルを複数被覆したガスバリア性収縮包装収縮包装フィルムの連続長を示す。
【図3】図3は、図1に示すタイプの各ボトルのキットを示す図であり、ボトルのうち一方は好気性微生物の増殖培地を含有し、もう一方は嫌気性微生物の増殖培地を含有する。
【図4】図4は、図3におけるボトルの線4−4断面図である。
【図5】図5は、例えば、図1に示すボトル、図4に示す各キット、または図2に示すような各ボトルの連続長等の本発明によるボトルを小出しにできる、例えば箱型の小出しコンテナ(dispensing container)を示す図である。
【図6】図6は、ボトルの内面にガスバリア性コーティング(例えば、シリカコーティングまたはガラスコーティング)を施した単層プラスチック製ボトルの断面図である。
【図7】図7は、ボトルの底面、頸部、および閉止部は露出したまま、円柱状側壁のみをガスバリア収縮包装しことを特徴とする培養ボトルの断面図である。本実施形態においては、ユーザは、ボトルを使用する際に、収縮包装を取り除く必要がない。
【図8】図8は、ボトルの円柱状側壁にガスバリア性の粘着ラベルを貼付した培養ボトルの断面図である。
【図9】図9は、図8に示すボトルの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、血液サンプルの培養用に構成した培養ボトルの好ましい実施形態について説明する。しかしながら、開示する実施形態についての特徴および利点は、臨床および非臨床試料を培養するボトルに広く適用可能であり、したがって、以下の説明は例示にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明の範囲に関しては、添付の特許請求の範囲を参照されたい。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による血液培養デバイス10の斜視図である。本デバイスは、単層のプラスチック材料で形成したプラスチック製容器(vessel)すなわちボトル12である。この容器すなわちボトル12の形成に使用するプラスチック材料は、以下の2つの条件を満たすことが好ましい。すなわち、オートクレーブ中に発生する高温により変化しないこと、およびボトル内に設置した比色センサを読み取るため、光透過性を有すること(ボトルを透明な材料で作成すること)である。好ましい実施形態によれば、ボトルをブロー成形により作成するが、それ以外の異なるボトル製造技術を用いることも可能である。ボトルはオートクレーブに耐えうる強度特性および機能性を備える必要があるため、ボトルの材料としては透明なポリカーボネートを用いることが好ましい。その他の有用なプラスチックとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等、プラスチックの技術分野において公知の材料が挙げられる。非晶質ナイロン等の非晶質プラスチックは透過性が高く、オートクレーブに耐えうる限り、好適に用いることができる。容器12は、ボトル内で微生物を培養するための増殖培地14を含有し、所望または特定のガス組成のヘッドスペース16を有する。ヘッドスペース16における各ガス成分は製造段階でボトル内に導入する。ボトル12は、さらに、プラスチック製容器12用の栓等の閉止部18を含む。増殖培地14およびヘッドスペースガス組成を導入して閉止部18を嵌合した後、容器12をオートクレーブすることにより、閉止部18の外面も含めて容器12を減菌する。
【0022】
図1〜5に示す実施形態において、ボトル12は、さらに、着脱可能なガスバリア性プラスチック収縮包装フィルム20によりプラスチック容器12を完全被覆することにより、ヘッドスペース16内におけるガス組成の完全性を維持する。さらに、収縮包装20で閉止部18を完全に被覆する。図4の断面図に、収縮包装20の最良の形態を示す。一実施形態において、ガスバリア性プラスチック収縮包装20は、エチレンビニルアルコールコポリマーのプラスチック収縮包装とすることができる。プラスチック製のガスバリア性材料の別の例としては、ポリエステル、ニトリルバリア樹脂類、ポリ塩化ビニル、ポリアミド類、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンを塗布したポリエチレン、ポリ塩化ビニリデンを塗布したポリエステル、およびポリ塩化ビニリデンを塗布したポリアミドフィルム類等が挙げられる。使用時は、ボトルから収縮包装20を完全に取り除き、栓である閉止部18をユーザに露出して、血液サンプルを容器12内部へ導入できるようにする。また、ボトルが比色センサまたは蛍光センサ21を備える場合は、検出機器によるセンサ21の読み取りの妨げとならぬよう、ボトルから収縮包装を除去した方がよい場合もある。図示の例においては、センサ21を模式的に示すが、その詳細は重要ではなく、その型や形状は異なっていてもよく、また、ボトル内の異なる位置に配置することができる。
【0023】
閉止部18の外面22(図4)は、収縮包装20で被覆する前に減菌する。そうすれば、収縮包装20を取り除いた際に、栓の表面22を別途アルコールで拭き取る必要なしに、ボトルを直接使用することができる。
【0024】
図2に、複数のボトル10を被覆したガスバリア性収縮包装フィルム20の連続長30を示すが、各ボトル10は図1に示すタイプのものである。フィルム20の連続長30にはミシン目32を入れ、ミシン目を切り離すことにより、各ボトルを隣り合うボトルから分離する。
【0025】
図3に、図1に示すタイプの2つの培養デバイス10Aおよび10Bを備える血液培養キット40を示す。図4に各デバイスの断面を示すが、デバイス構成はいずれも同一である。キット40は、第1のプラスチック製容器42および第1のプラスチック製容器用の閉止部18(図4)、第2のプラスチック製容器44および第2のプラスチック製容器用の閉止部18、ならびに第1および第2の単層プラスチック製容器42および44を一体として完全に被覆したガスバリア性プラスチック収縮包装20を含む。第1のプラスチック製容器42は、単層のプラスチック材料で形成され、第1の血液サンプルを収容し、嫌気性生物増殖培地およびヘッドスペースを有する。第2のプラスチック製容器44は、単層のプラスチック材料で形成され、第2血液サンプルを収容し、好気性生物増殖培地およびヘッドスペースを有する。一実施形態において、ガスバリア性プラスチック収縮包装は、第1のデバイス10Aおよび第2の置デバイス10Bを互いに切り離すためのミシン目32を含む。好ましい実施形態において、第1のプラスチック製容器42および第2のプラスチック容器44は、ブロー成形したプラスチック製ボトルであり、例えば、透明なポリカーボネートをブロー成形したものである。ガスバリア性プラスチック収縮包装20は、エチレンビニルアルコールコポリマーによるプラスチック収縮包装としてもよい。図4に示すように、ガスバリア性プラスチック収縮包装は、閉止部18を完全に被覆する。第1および第2ボトルのそれぞれの閉止部18は、ガスバリア性プラスチック収縮包装で被覆する前に減菌する。
【0026】
収縮包装20には、ボトルの種類を識別する印字46を施す。印字46により、その他のラベル情報をボトルの収縮包装に付加することができ、それにより、各ボトルのラベル面積自体を縮小して、顧客側でラベルを貼付する際に使用するボトル上の空きスペースをより大きくすることができる。
【0027】
ユーザは、収縮包装をボトルから完全に取り除き、被検体からのサンプルの1つをボトル42内に、被検体からの別のサンプルをボトル44内に導入する。ボトル42および44は、収縮包装に設けたミシン目32で互いに切り離すことができる。
【0028】
図5は、例えば、図1に示す装置10、図4に示す各キット40、または図2に示すような各装置10の連続長30等といった本発明による培養装置10を一つずつ取り出せる、例えば箱型の小出しコンテナ(dispensing container)を示す図である。
【0029】
図1〜4を参照すると、本発明の別の一態様によれば、血液培養デバイスを製造する方法は、単層プラスチック製ボトル12を作成するステップと、増殖培地14をボトルに添加するステップと、特定のヘッドスペースガス組成16をボトルに添加するステップと、外面22(図4)を有する閉止部18をボトルに取り付けるステップと、閉止部18の外面22を(例えば、オートクレーブにより)減菌するステップと、ガスバリア性プラスチック収縮包装20でボトル12および閉止部18を完全に被覆するステップと、を含む方法である。
【0030】
別の態様によれば、血液培養キットを製造する製造方法であって、ガスバリア性収縮包装20で嫌気性血液培養ボトル42および好気性血液培養ボトル44を完全に被覆して、収縮包装で各ボトルを一体として被覆するステップを含む製造方法において、嫌気性血液培養ボトルおよび好気性血液培養ボトルは、例えば、ブロー成形したポリカーボネート等の単層プラスチックにより形成したことを特徴とする、製造方法を提供する。
【0031】
本方法は、オプションとして、第1および第2のボトル用の閉止部18の外面22を、例えば、オートクレーブにより減菌するステップをさらに備える。
【0032】
本方法は、好気性ボトルと嫌気性ボトルとの間におけるガスバリア性プラスチック収縮包装22に、図3に示すミシン目32を入れるステップをさらに備えることができる。
【0033】
本方法は、図2および図5に示すようなキットの連続長をガスバリア性プラスチック収縮包装20の長さ30に形成して、ガスバリア性プラスチック収縮包装の長さにおいて、図5に示すようなミシン目32を入れて、連続長におけるキットをそれぞれ容易に切り離せるようにするステップをさらに含むことができる。本方法は、また、キット40の連続長32を、例えば小出しボックス(dispensing box)またはパウチ50等の小出しコンテナ内に入れるステップを含むこともできる。一実施形態によれば、ラボ慣行である先入れ先出し方式を容易に達成可能とした小出しボックスを構成する。すなわち、箱の一端部には新しいボトルまたはキットを挿入するための開口を設け、反対側の端部には、ユーザがボトルやキットを取り出すための第2の開口を設ける。ボトルまたはキットは、先入れ先出し順で小出しコンテナ内を連続的に通過する。この小出しデバイスは、例えば、自動販売機の技術分野において用いられる陳列タイプのコンテナとして構成することができる。
【0034】
ボトル12中の内容物(増殖培地14)は、光から保護する必要がある。収縮包装は、そのプラスチック材料内にアルミニウム箔の裏材または遮断材等の光バリアを含むことができ、それにより、内容物が光分解するのを防ぐ。
【0035】
場合により、血液培養ボトルのボトル閉止部18で漏れが発生することがある。収縮包装20により、この一次封止の完全性が向上する。
【0036】
本発明によるボトルの用途の一つとして、試料を培養して、微生物を含有すると思われる試料(例えば、血液サンプル)中における微生物の増殖を検出する方法を実施することがある。本方法は、以下のステップ(a)〜(f)を含む。すなわち、(a)微生物の増殖を促進および/または増強する培養培地14を含有し、(i)単層のプラスチック材料で形成したプラスチック製容器12と、(ii)プラスチック製容器用の閉止部18と、(iii)プラスチック製容器12を完全に被覆する、着脱可能なガスバリア性プラスチック収縮包装20と、を備える標本容器(デバイス10)を作成するステップと、(b)ガスバリア性プラスチック収縮包装を取り除くステップと、(c)標本容器10に試料を注入するステップと、(d)微生物の存在の有無を検査しようとする試料を含んだ標本容器を(例えば、培養装置内にボトルを配置することにより)培養するステップと、(e)センサを用いて手作業または自動で、微生物増殖に関して標本容器をモニタするステップと、を含むものである。
部分的に収縮包装したボトル
【0037】
図1〜5における設計の変形例は、ボトルを部分的に収縮包装するものである。本実施形態を、図7に示す。ボトル12の円柱状側面および頸部を、ガスバリア性収縮包装20で被覆する一方、ボトルの底部(比色センサ21の下部)および栓18の周辺領域は収縮包装で被覆しない。ユーザは、使用時に収縮包装20を取り除く必要がない。その代わり、栓18の外面22を洗浄し、ボトル12に試料を注入し、培養検出機器内にボトルを配置する。センサ21より下の領域に収縮包装が存在しないため、収縮包装の干渉を受けずに機器による比色センサ21の測定を行うことができる。センサ21の下部およびボトル21の最上端におけるごく一部の領域にガスバリア性収縮包装が存在しないため、これらの箇所から酸素ガスがボトル内部に多少侵入する可能性があるが、ボトル内に侵入する酸素ガス量はわずかなため、特に好気性微生物検出用に設計した培養ボトルの場合でも、ボトルのヘッドスペースガス16の組成基準が設計限界を外れることなく、長期の品質保持期間を確保できる。
【0038】
図7に示す実施形態におけるガスバリア収縮包装20は、エチレンビニルアルコールコポリマーのプラスチック製収縮包装とすることができ、オプションとして、例えば、収縮包装材料にアルミニウム箔の裏材または不透明な遮断材等の光バリアを含んで構成することができる。
【0039】
図7に示すような設計のボトルを2本ずつまとめて、図3および図5を参照して説明したキットを構成することができる。
【0040】
ボトル12の材料としては、好ましくは、ポリカーボネート等の光学的に透明で、オートクレーブ可能なプラスチックを好適に用いることができる。
【0041】
図7に示すボトルの用途の1つに、試料を培養して、微生物を含む可能性のある試料(例えば、血液サンプル)中における微生物の増殖を検出する方法を実施することがある。本方法は以下の(a)〜(f)のステップを含む。すなわち、(a)微生物の増殖を促進および/または増強する培養培地14を含有し、(i)単層のプラスチック材料で形成したプラスチック製容器12と、(ii)プラスチック製容器用の閉止部18と、(iii)プラスチック製容器12を部分的に被覆する、着脱可能なガスバリア性プラスチック収縮包装20と、を備えた標本容器(装置10)を作成するステップと、(b)標本容器10に試料を注入するステップと、(c)微生物の存在の有無を検査しようとする試料を含んだ標本容器を(例えば、培養装置内にボトルを配置することにより)培養するステップと、(d)センサを用いて手作業または自動で、標本容器内における微生物増殖を観察するステップと、を含むものである。
収縮包装を有さない単層プラスチック製ボトル
【0042】
本発明のさらに別の態様による試料培養用の単層プラスチック製ボトル12においては、図1〜4、および図7に示す収縮包装ガスバリア層20を設ける必要がない。本実施形態によれば、単層プラスチック製ボトルまたは容器12自体が、その透明性を損なうことなく、ガス不透過性、透明性、強度、およびオートクレーブ耐性といった特性を備える。一般に、本実施形態の実施にあたり、上記の特性を有する既知のプラスチック材料であれば、いかなるものを用いてもよい。容器12の材料として、例えば、Grivory(登録商標)Nylon FE 7105(EMS-Grivory(北米)Inc.,Sumter SC社製)を用いることができる。このプラスチック材を用いて容器12を製造する際は、ブロー成形等の適切な方法を用いることができる。微生物を培養するボトル内には、増殖培地14を添加する。ボトル10は、閉止部18を備え、またボトル内には所望のガス組成を有するヘッドスペース16を含む。このようなボトルも、任意の適切な収縮包装を使用して上述したように2個一対で包装すれば、本発明によるキットとして用いることができ、この場合、収縮包装は、各ボトル対を一体として結合するためだけに用いられる。
【0043】
本実施形態によるボトルにおいては、乳濁液用の比色センサ21をボトル内部に接着するための接着促進剤が必要な場合がある。
ガスバリア性コーティングを塗布した単層プラスチック製ボトル
【0044】
本発明のさらに別の態様においては、培養デバイス10は、図6においてコーティング25として示したガスバリア性の材料を塗布した単層のプラスチック材料で形成した容器またはボトル12を含む。例えば、単層のポリカーボネート製ボトル12に、シリカまたはガラス層25を塗布してガスバリアを可能とすることができる。ガスバリアを可能とする他の材料をコーティング25として用いることもでき、そのような材料の例としては、金属コーティング層、セラミックコーティング層、またはガスバリア性プラスチックコーティング層を挙げることができる。一実施形態において、ボトルの内壁を、図6に示すように塗膜する。ボトルの外部は、ボトル内側と同様に塗膜してもよく、または、ボトルの内側を塗膜せずに外側のみを塗膜してもよい。
【0045】
ボトルにシリカまたはガラスを塗布する際は、当該技術分野において既知の手段を用いることができる。コーティング25は、例えば、溶射、プラズマ溶射、または化学気相成長法で塗布することができる。シリカコーティングは、プラズマ誘起化学気相成長法で塗布することができる。本方法は、高酸素濃度環境下において、高周波エネルギーをヘキサメチルジシロキサンと共に用いることにより、ボトルの内面上にシリカ(SiO2)を蒸着させるものである。本実施形態によれば、図6のボトル10を収縮包装することによりガスバリアを可能とする必要はない。しかしながら、別の態様においては、例えばオートクレーブ後のボトルに、上述した図4または図7に示すような収縮包装によるガスバリアをさらに設けて、閉止部18の外面22の減菌性を維持するようにしてもよい。本明細書に開示される他の実施形態と同様に、試料(例えば、血液サンプル)中における微生物を培養する方法および/または微生物の増殖を検出する方法において、コーティングを施した単層ボトル12を用いることができる。この場合も、観察は、手作業または自動で行うことができ、例えば、米国特許第4,945,060号明細書および同第5,094,955号明細書に記載されるように、ボトル内に配置した比色センサをモニタすることにより、微生物増殖の兆候を示す色の変化について観測する。
ガスバリア性ラベルを有した単層プラスチック製ボトル
【0046】
ガスバリアを有した単層プラスチック製ボトル10のさらなる実施形態を、図8および図9に示す。本実施形態において、ガスバリアを、ボトル12の円柱状側壁90に貼付した粘着ラベル100として構成する。粘着ラベル100は、エチレンビニルアルコールコポリマー等のガスバリア性材料で作成し、オプションとして、例えば、ラベル材料100にアルミニウム箔の裏材または不透明な遮断材等の光バリアを含んで構成することができる。ラベルの大きさは、図8および図9に示すように、ボトル底部および頸部/頭部領域は露出したままボトル12の円柱状側壁90を実質的に完全に被覆するようなものとする。図7に示すような、部分的に収縮包装したボトルの場合と同様に、ボトルがガスバリア性材料により完全に被覆されていないため、ボトル内部へガスが多少透過する可能性があるが、このガスの侵入速度は十分に遅いため、ボトルのヘッドスペースガス16の組成基準が設計限界を外れることなく、ある程度長期の品質保持期間を確保することができる。
【0047】
ラベル100には、図9に示すように、例えば、ボトルを用いて培養することのできる微生物の種類、ロット番号、品質保持期限、バーコード、その他の事項を識別するための印字46を施す。
【0048】
試料培養キットは、図8および図9に示すようなボトルを1つ以上含むことができる。例えば、キットを、ボトルを2本有した血液培養キットとして構成し、ボトルのうち一方は嫌気性血液培養ボトルとし、もう一方は好気性血液培養ボトルとすることができる。好気性血液培養ボトルには、図8および図9に示すようなガスバリア性粘着ラベルを貼付する。嫌気性血液培養ボトルは、図4の収縮包装ボトル、または図4に示すようなガスバリアを塗布したボトル、または図8および図9に示すようなボトルとして構成することができる。
【0049】
図8および図9に示すように構成した試料培養装置の製造する方法としては、円柱状側壁を有する単層プラスチック製ボトル12を作成するステップと、ボトルに増殖培地14を添加するステップと、特定のヘッドスペースガス組成16をボトルに添加するステップと、ボトルに閉止部18を取り付けるステップと、円柱状側壁90をガスバリア性粘着ラベル100で被覆するステップと、を含む方法が企図される。
さらなる考察
【0050】
一般に、また、本発明の範囲を何ら限定するものではないが、ガスバリア(本明細書に記載したような部分的または完全なガスバリア性収縮包装、ガスバリア性コーティング、またはガスバリア性粘着ラベル)を有する任意の単層プラスチック性ボトルのガス透過率は、必ずしもゼロでなくともよい。すなわち、ガスバリア性収縮包装、ガスバリア性コーティング、またはガスバリア性粘着ラベルが存在していても、多少の酸素ガスが侵入する。従来の多層プラスチック製ボトル(先行技術)の、ボトル1本当たりのガス透過率は、酸素ガスの場合、1日につき約0.0038ccである。理想的には、本明細書に開示した実施形態はいずれも、従来のガス透過率に近似の、またはそれ以上のガス透過率を有する。
【0051】
ボトル内側にシリカコーティングを塗布した単層プラスチック性ボトル(図6)を最初にテストした結果、ボトル1本当たりのガス透過率は1日につき0.003〜0.005ccの範囲にあることがわかった。この値は、従来のボトルのガス透過率に近いという点で好ましい。シリカコーティングの配合を変えることによって、またはシリカコーティングの厚さを変えることによって、ガス透過率を減少することができる。
【0052】
EMS Grivory FE-7105で作成した単層ボトルをテストした結果、ガス透過率は、従来(先行技術)の多層プラスチック製ボトルの約2倍であることがわかった。過剰な酸素は、嫌気性生産物に悪影響を及ぼし、ボトルの品質保持期間が短縮してしまう。EMS Grivory 7105のナイロン組成、またはボトル壁の厚さを最適化すれば、ガス透過率を減少することができる。
【0053】
ガスバリア性収縮包装したボトルおよびガスバリア性粘着ラベルを有するボトルのガス透過率は、収縮包装およびラベルに使用した材料、当該材料の厚さ、および単層プラスチック製ボトルをどの程度被覆したか(完全に被覆したか、または図7に示すようにほぼ全体を被覆したか)によって変わる。このようなパラメータを最適化して、例えばボトル1本あたりのガス透過率を1日につき、例えば、0.003〜0.005ccとする設計目標を満たし、必要であれば、設計条件に合わせて品質保持期間または使用期限を調節することは、当業者がなしえる事項である。
【0054】
以下の各項目において、本発明をさらに説明する。
1.試料を培養するデバイスであって、
収容したサンプル中に存在する微生物の増殖を促進および/または増強する培養媒地を包含する単層プラスチック製ボトルと、
前記単層プラスチック製ボトルに塗布したガスバリア性コーティングと、
前記ボトル用の閉止部と、を備えたデバイス。
2.前記ガスバリア性コーティングはシリカコーティングであることを特徴とする、項目1に記載のデバイス。
3.前記酸素ガスバリアコーティングはガラスコーティングであることを特徴とする、項目1に記載のデバイス。
4.前記単層プラスチック性ボトルは内壁および外壁を備え、前記内壁にシリカまたはガラスコーティングを塗布したことを特徴とする、項目2または3に記載のデバイス。
5.前記単層プラスチック製ボトルは、内壁およびボトルの外部との境界を画定する外壁を備え、前記外壁にシリカまたはガラスコーティングを塗布したことを特徴とする、項目2または3に記載のデバイス。
6.前記単層プラスチック製ボトルは透明なポリカーボネート製ボトルであることを特徴とする、項目1〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
7.試料培養デバイスを製造する方法であって、
内面および外面を有する単層プラスチック製ボトルを作成するステップと、
前記ボトルの内面および外面の少なくとも一方にガスバリア性のコーティングを塗布するステップと、
前記ボトルに増殖培地を添加するステップと、
前記ボトルに特定のヘッドスペースガス組成を添加するステップと、
ボトルに閉止部を設けるステップと、を含む方法。
8.前記塗布するステップは、ボトルの内面にコーティングを塗布することを含む、項目7に記載の方法。
9.前記コーティングを塗布する方法は、溶射、プラズマ溶射、化学気相成長法、およびプラズマ誘起化学気相成長法からなる群から選択した方法であることを特徴とする、項目7または8に記載の方法。
10.前記単層プラスチック材料は透明なポリカーボネートである、項目7〜9のいずれか一項に記載の方法。
11.ボトルおよび閉止部の外面をオートクレーブし、その後、着脱可能なプラスチック収縮包装でボトルおよび閉止部を被覆するステップをさらに含む、項目7〜10記載の方法。
12.前記ボトルは単層プラスチック材料を用いてブロー成形により形成する、項目7〜11のいずれか一項に記載の方法。
13.項目7〜12のいずれか一項に記載の方法により製造したボトルを2つ以上備えた試料培養キット。
14.前記キットは血液培養キットであり、前記キットは2本のボトルを備え、その一方は嫌気性血液培養ボトルであり、他方は好気性血液培養ボトルであることを特徴とする、項目13に記載のキット。
15.試料を培養するデバイスであって、
収容したサンプル中に存在する微生物の増殖を促進および/または増強する培養媒地を包含し、円柱状側壁、底部、および頸部を有する単層プラスチック製ボトルと、
前記単層プラスチック製ボトルの前記円柱状側壁に貼付したガスバリア性の粘着ラベルと、
前記頸部に嵌合させた閉止部と、を備えたデバイス。
16.前記ガスバリア性の粘着ラベルは光遮断剤を含むことを特徴とする、項目15に記載のデバイス。
17.前記光遮断剤は前記粘着ラベルの裏材であることを特徴とする、項目16に記載の装置。
18.前記単層プラスチック製ボトルはブロー成形した透明なポリカーボネート製ボトルであることを特徴とする、項目15〜17のいずれか一項に記載のデバイス。
19.前記ボトルは、ボトル底部に隣接してボトル内部に設置した比色センサをさらに備えたことを特徴とする、項目15〜18のいずれか一項に記載のデバイス。
20.試料を培養するデバイスを2つ以上備えた試料培養キットであって、前記デバイスの少なくとも一方は項目15〜19のいずれか一項に記載したデバイスであることを特徴とする、試料培養キット。
21.前記キットは血液培養キットであり、前記キットは2本のボトルを備え、その一方は嫌気性血液培養ボトルであり、他方は好気性血液培養ボトルであり、前記好気性血液培養ボトルは項目15〜19のいずれか一項に記載したデバイスであることを特徴とする、項目20に記載のキット。
22.試料培養デバイスを製造する方法であって、
円柱状側壁を有する単層プラスチック製ボトルを作成するステップと、
前記ボトルに増殖培地を添加するステップと、
前記ボトルに特定のヘッドスペースガス組成を添加するステップと、
外面を有する前記ボトルに閉止部を設けるステップと、
前記円柱状側壁をガスバリア性粘着ラベルで被覆するステップと、を含む方法。
23.試料を培養するボトルであって、
単層のプラスチック材料で形成され、増殖培地を包含し所望のガス組成を有するヘッドスペースを有するプラスチック容器と、
前記プラスチック容器用の閉止部と、
前記ヘッドスペース内のガス組成の完全性を維持するように前記プラスチック容器を被覆した、着脱可能なガスバリア性の収縮包装と、を備えたボトル。
24.前記単層プラスチック容器は、ブロー成形したプラスチックボトルであることを特徴とする、項目23に記載のボトル。
25.前記ボトルは、ブロー成形したポリカーボネートであることを特徴とする、項目24に記載のボトル。
26.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、エチレンビニルアルコールコポリマーのプラスチック収縮包装であることを特徴とする、項目23〜25のいずれか一項に記載のボトル。
27.前記ボトルは血液培養ボトルであり、前記増殖培地は、特に、使用時にボトル内に導入した血液サンプルが含有する可能性のある微生物を培養するように構成したことを特徴とする、項目23〜26のいずれか一項に記載のボトル。
28.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、ボトル用の閉止部を含めて前記ボトルを被覆したことを特徴とする、項目23〜27のいずれか一項に記載のボトル。
29.前記ボトルは底部を有し、前記ガスバリア性のプラスチック収縮包装により、前記ボトルの底部および閉止部は露出したまま前記ボトルを部分的に被覆したことを特徴とする、項目23〜27のいずれか一項に記載のボトル。
30.前記収縮包装で被覆する前に前記閉止部を減菌することを特徴とする、項目23〜28のいずれか一項に記載のボトル。
31.血液培養キットであって、
単層のプラスチック材料で作成した第1のプラスチック容器であって、第1の血液サンプルを収容し、嫌気性生物の増殖培地を含有しヘッドスペースを有した第1のプラスチック容器、と、
前記第1のプラスチック容器用の閉止部と、
単層のプラスチック材料で作成した第2のプラスチック容器であって、第2の血液サンプルを収容し、好気性生物の増殖培地を含有しヘッドスペースを有した、第2のプラスチック容器と、
第2のプラスチック容器用の閉止部と、
前記第1および第2の単層プラスチック容器を被覆して、前記第1および第2の容器を互いに一体として保持した、着脱可能なガスバリア性収縮包装と、を備えたキット。
32.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、前記第1および第2のプラスチック容器を互いに切り離すためのミシン目をさらに備えたことを特徴とする、項目31に記載のキット。
33.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装に施した印字をさらに備えた、項目31または32に記載のキット。
34.前記第1および第2のプラスチック容器は、ブロー成形したプラスチックボトルであることを特徴とする、項目31〜33のいずれか一項に記載のキット。
35.前記ボトルはブロー成形した透明なポリカーボネートであることを特徴とする、項目34に記載のキット。
36.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、エチレンビニルアルコールコポリマーのプラスチック収縮包装であることを特徴とする、項目33に記載のキット。
37.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装で、前記ボトルの両方をボトル用の閉止部を含めて完全に被覆したことを特徴とする、項目31〜36のいずれか一項に記載のキット。
38.前記キットのボトルはそれぞれボトル底部を有し、前記ガスバリア性プラスチック収縮包装により、前記ボトルのうち少なくとも一方を、ボトルの底部および閉止部を露出したまま部分的に被覆したことを特徴とする、項目31〜36のいずれか一項に記載のキット。
39.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装で被覆する前に前記第1および第2のボトルそれぞれの閉止部を減菌したことを特徴とする、項目37に記載のキット。
40.試料培養デバイスを製造する方法であって、
単層プラスチック製ボトルを作成するステップと、
前記ボトルに増殖培地を添加するステップと、
前記ボトルに特定のヘッドスペースガス組成を添加するステップと、
外面を有する前記ボトルに閉止部を設けるステップと、
ボトルおよび閉止部の外面をオートクレーブして閉止部の外面を減菌する、オートクレーブするステップと、
前記ボトルおよび閉止部を、着脱可能なガスバリア性プラスチック収縮包装で完全に被覆するステップと、を含む方法。
41.前記ボトルはブロー成形したポリカーボネートであることを特徴とする、項目40に記載の方法。
42.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、エチレンビニルアルコールコポリマーのプラスチック収縮包装であることを特徴とする、項目40または41に記載の方法。
43.前記試料培養デバイスは血液培養ボトルであることを特徴とする、項目40〜42いずれか一項に記載の方法。
44.血液培養キットを製造する方法であって、
閉止部を有する嫌気性血液培養ボトルおよび閉止部を有する好気性血液培養ボトルをガスバリア性収縮包装で完全に被覆して、前記各ボトルを一体として収縮包装で被覆するステップと、
前記嫌気性血液培養ボトルおよび前記好気性血液培養ボトルを単層プラスチックで形成すると、を備える方法。
45.前記嫌気性血液培養ボトルおよび前記好気性血液培養ボトルはそれぞれ、外面を有する閉止部を含み、前記嫌気性血液培養ボトルおよび前記好気性血液培養ボトルを前記ガスバリア性収縮包装で被覆する前に前記閉止部の前記外面を減菌するステップをさらに含む、項目44に記載の方法。
46.前記嫌気性ボトルと前記好気性ボトルとの間におけるガスバリア性プラスチック収縮包装にミシン目を入れるステップをさらに含む、項目45に記載の方法。
47.前記ガスバリア性プラスチック収縮包装と同じ長さで項目44に記載のキットの連続長を形成するステップと、
前記連続長における各キットを互いに容易に分離できるように、前記ガスバリア性プラスチック収縮包装の長さにおいてミシン目を入れるステップと、を含む、項目46に記載の方法。
48.前記キットの連続長を小出しデバイス内に装填するステップをさらに含む、項目47に記載の方法。
49.前記小出しデバイスは、小出しデバイスにキットを装填してから小出しデバイスからキットを取り出すまでの間で、キットを先入れ先出し順に連続進行させることが容易となるように構成したことを特徴とする、項目48に記載の方法。
50.微生物を含有する可能性のある試料から微生物を検出する方法であって、
(a)前記微生物の増殖を促進および/または増強する培養媒地を含む標本コンテナであって、
(i)単層のプラスチック材料で形成したプラスチック容器と、
(ii)前記プラスチック容器用の閉止部と、
(iii)前記プラスチック容器を少なくとも部分的に被覆する、着脱可能なガスバリア性プラスチック収縮包装と、を備えた標本コンテナを作成するステップと、
(b)前記標本容器に前記試料を接種するステップと、
(c)微生物の存在の有無を検査しようとする試料を含有した前記標本容器を培養するステップと、
(d)微生物増殖に関して前記標本コンテナをモニタするステップと、を含む方法。
51.前記試料は血液サンプルであることを特徴とする、項目50に記載の方法。
52.前記ガスバリア性収縮包装は、前記閉止部を含めて前記ボトルを完全に被覆し、前記閉止部の外面は前記ガスバリア性収縮包装で被覆する前に減菌することを特徴とする、項目50または51に記載の方法。
53.前記モニタするステップは自動で行うことを特徴とする、項目49に記載の方法。
54.前記モニタするステップは、前記標本コンテナ内に設置したセンサを介して容易に行うことができることを特徴とする、項目53に記載の方法。
55.試料を培養する装置であって、
透明性を損なうことなく、ガス不透過性、透明性、強度、およびオートクレーブ耐性等の特性を備える単層プラスチック製ボトルであって、前記プラスチックはEMS-Grivory Nylon FE 7105またはその等価物であることを特徴とする、単層プラスチック製ボトルと、
前記微生物を培養するボトル内に包含した増殖培地と、
前記ボトル用の閉止部と、
前記ボトル内の、所望のガス組成を有するヘッドスペースと、
を備えた装置。
56.前記装置は、血液サンプル中に存在する可能性のある微生物を培養する増殖培地を有する血液培養ボトルであることを特徴とする、項目55に記載の装置。
57.項目55に記載の装置を2つ以上備えた、試料を培養するキット。
58.前記キットは、嫌気性血液培養ボトルおよび好気性血液培養ボトルを備え、前記嫌気性血液培養ボトルおよび前記好気性血液培養ボトルは、血液サンプル中に存在する可能性のある微生物を培養する増殖培地を含有したことを特徴とする、項目57に記載のキット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を培養するデバイスであって、
収容したサンプル中に存在する微生物の増殖を促進および/または増強する培養媒地を包含する単層プラスチック製ボトルと、
前記単層プラスチック製ボトルに塗布したガスバリア性コーティングと、
前記ボトル用の閉止部と、を備えたデバイス。
【請求項2】
前記ガスバリア性コーティングはシリカコーティングであることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記酸素ガスバリアコーティングはガラスコーティングであることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記単層プラスチック性ボトルは内壁および外壁を備え、前記内壁にシリカまたはガラスコーティングを塗布したことを特徴とする、請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記単層プラスチック製ボトルは、内壁およびボトルの外部との境界を画定する外壁を備え、前記外壁にシリカまたはガラスコーティングを塗布したことを特徴とする、請求項2または3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記単層プラスチック製ボトルは透明なポリカーボネート製ボトルであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
試料培養デバイスを製造する方法であって、
内面および外面を有する単層プラスチック製ボトルを作成するステップと、
前記ボトルの内面および外面の少なくとも一方にガスバリア性のコーティングを塗布するステップと、
前記ボトルに増殖培地を添加するステップと、
前記ボトルに特定のヘッドスペースガス組成を添加するステップと、
ボトルに閉止部を設けるステップと、を含む方法。
【請求項8】
前記塗布するステップは、ボトルの内面にコーティングを塗布することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コーティングを塗布する方法は、溶射、プラズマ溶射、化学気相成長法、およびプラズマ誘起化学気相成長法からなる群から選択した方法であることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記単層プラスチック材料は透明なポリカーボネートである、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ボトルおよび閉止部の外面をオートクレーブし、その後、着脱可能なプラスチック収縮包装でボトルおよび閉止部を被覆するステップをさらに含む、請求項7〜10記載のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ボトルは単層プラスチック材料を用いてブロー成形により形成する、請求項7〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれか一項に記載の方法により製造したボトルを2つ以上備えた試料培養キット。
【請求項14】
前記キットは血液培養キットであり、前記キットは2本のボトルを備え、その一方は嫌気性血液培養ボトルであり、他方は好気性血液培養ボトルであることを特徴とする、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
試料を培養するデバイスであって、
収容したサンプル中に存在する微生物の増殖を促進および/または増強する培養媒地を包含し、円柱状側壁、底部、および頸部を有する単層プラスチック製ボトルと、
前記単層プラスチック製ボトルの前記円柱状側壁に貼付したガスバリア性の粘着ラベルと、
前記頸部に嵌合させた閉止部と、を備えたデバイス。
【請求項16】
前記ガスバリア性の粘着ラベルは光遮断剤を含むことを特徴とする、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記光遮断剤は前記粘着ラベルの裏材であることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記単層プラスチック製ボトルはブロー成形した透明なポリカーボネート製ボトルであることを特徴とする、請求項15〜17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記ボトルは、ボトル底部に隣接してボトル内部に設置した比色センサをさらに備えたことを特徴とする、請求項15〜18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
試料を培養するデバイスを2つ以上備えた試料培養キットであって、前記デバイスの少なくとも一方は請求項15〜19のいずれか一項に記載したデバイスであることを特徴とする、試料培養キット。
【請求項21】
前記キットは血液培養キットであり、前記キットは2本のボトルを備え、その一方は嫌気性血液培養ボトルであり、他方は好気性血液培養ボトルであり、前記好気性血液培養ボトルは請求項15〜19のいずれか一項に記載したデバイスであることを特徴とする、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
試料培養デバイスを製造する方法であって、
円柱状側壁を有する単層プラスチック製ボトルを作成するステップと、
前記ボトルに増殖培地を添加するステップと、
前記ボトルに特定のヘッドスペースガス組成を添加するステップと、
外面を有する前記ボトルに閉止部を設けるステップと、
前記円柱状側壁をガスバリア性粘着ラベルで被覆するステップと、を含む方法。
【請求項23】
試料を培養するボトルであって、
単層のプラスチック材料で形成され、増殖培地を包含し所望のガス組成を有するヘッドスペースを有するプラスチック容器と、
前記プラスチック容器用の閉止部と、
前記ヘッドスペース内のガス組成の完全性を維持するように前記プラスチック容器を被覆した、着脱可能なガスバリア性の収縮包装と、を備えたボトル。
【請求項24】
前記単層プラスチック容器は、ブロー成形したプラスチックボトルであることを特徴とする、請求項23に記載のボトル。
【請求項25】
前記ボトルは、ブロー成形したポリカーボネートであることを特徴とする、請求項24に記載のボトル。
【請求項26】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、エチレンビニルアルコールコポリマーのプラスチック収縮包装であることを特徴とする、請求項23〜25のいずれか一項に記載のボトル。
【請求項27】
前記ボトルは血液培養ボトルであり、前記増殖培地は、特に、使用時にボトル内に導入した血液サンプルが含有する可能性のある微生物を培養するように構成したことを特徴とする、請求項23〜26のいずれか一項に記載のボトル。
【請求項28】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、ボトル用の閉止部を含めて前記ボトルを被覆したことを特徴とする、請求項23〜27のいずれか一項に記載のボトル。
【請求項29】
前記ボトルは底部を有し、前記ガスバリア性のプラスチック収縮包装により、前記ボトルの底部および閉止部は露出したまま前記ボトルを部分的に被覆したことを特徴とする、請求項23〜27のいずれか一項に記載のボトル。
【請求項30】
前記収縮包装で被覆する前に前記閉止部を減菌することを特徴とする、請求項23〜28のいずれか一項に記載のボトル。
【請求項31】
血液培養キットであって、
単層のプラスチック材料で作成した第1のプラスチック容器であって、第1の血液サンプルを収容し、嫌気性生物の増殖培地を含有しヘッドスペースを有した第1のプラスチック容器、と、
前記第1のプラスチック容器用の閉止部と、
単層のプラスチック材料で作成した第2のプラスチック容器であって、第2の血液サンプルを収容し、好気性生物の増殖培地を含有しヘッドスペースを有した、第2のプラスチック容器と、
第2のプラスチック容器用の閉止部と、
前記第1および第2の単層プラスチック容器を被覆して、前記第1および第2の容器を互いに一体として保持した、着脱可能なガスバリア性収縮包装と、を備えたキット。
【請求項32】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、前記第1および第2のプラスチック容器を互いに切り離すためのミシン目をさらに備えたことを特徴とする、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装に施した印字をさらに備えた、請求項31または32に記載のキット。
【請求項34】
前記第1および第2のプラスチック容器は、ブロー成形したプラスチックボトルであることを特徴とする、請求項31〜33のいずれか一項に記載のキット。
【請求項35】
前記ボトルはブロー成形した透明なポリカーボネートであることを特徴とする、請求項34に記載のキット。
【請求項36】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、エチレンビニルアルコールコポリマーのプラスチック収縮包装であることを特徴とする、請求項33に記載のキット。
【請求項37】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装で、前記ボトルの両方をボトル用の閉止部を含めて完全に被覆したことを特徴とする、請求項31〜36のいずれか一項に記載のキット。
【請求項38】
前記キットのボトルはそれぞれボトル底部を有し、前記ガスバリア性プラスチック収縮包装により、前記ボトルのうち少なくとも一方を、ボトルの底部および閉止部を露出したまま部分的に被覆したことを特徴とする、請求項31〜36のいずれか一項に記載のキット。
【請求項39】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装で被覆する前に前記第1および第2のボトルそれぞれの閉止部を減菌したことを特徴とする、請求項37に記載のキット。
【請求項40】
試料培養デバイスを製造する方法であって、
単層プラスチック製ボトルを作成するステップと、
前記ボトルに増殖培地を添加するステップと、
前記ボトルに特定のヘッドスペースガス組成を添加するステップと、
外面を有する前記ボトルに閉止部を設けるステップと、
ボトルおよび閉止部の外面をオートクレーブして閉止部の外面を減菌する、オートクレーブするステップと、
前記ボトルおよび閉止部を、着脱可能なガスバリア性プラスチック収縮包装で完全に被覆するステップと、を含む方法。
【請求項41】
前記ボトルはブロー成形したポリカーボネートであることを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装は、エチレンビニルアルコールコポリマーのプラスチック収縮包装であることを特徴とする、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記試料培養デバイスは血液培養ボトルであることを特徴とする、請求項40〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
血液培養キットを製造する方法であって、
閉止部を有する嫌気性血液培養ボトルおよび閉止部を有する好気性血液培養ボトルをガスバリア性収縮包装で完全に被覆して、前記各ボトルを一体として収縮包装で被覆するステップと、
前記嫌気性血液培養ボトルおよび前記好気性血液培養ボトルを単層プラスチックで形成するステップと、を備える方法。
【請求項45】
前記嫌気性血液培養ボトルおよび前記好気性血液培養ボトルはそれぞれ、外面を有する閉止部を含み、前記嫌気性血液培養ボトルおよび前記好気性血液培養ボトルを前記ガスバリア性収縮包装で被覆する前に前記閉止部の前記外面を減菌するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記嫌気性ボトルと前記好気性ボトルとの間におけるガスバリア性プラスチック収縮包装にミシン目を入れるステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ガスバリア性プラスチック収縮包装と同じ長さで請求項44に記載のキットの連続長を形成するステップと、
前記連続長における各キットを互いに容易に分離できるように、前記ガスバリア性プラスチック収縮包装の長さにおいてミシン目を入れるステップと、を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記キットの連続長を小出しデバイス内に装填するステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記小出しデバイスは、小出しデバイスにキットを装填してから小出しデバイスからキットを取り出すまでの間で、キットを先入れ先出し順に連続進行させることが容易となるように構成したことを特徴とする、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
微生物を含有する可能性のある試料から微生物を検出する方法であって、
(a)前記微生物の増殖を促進および/または増強する培養媒地を含む標本コンテナであって、
(i)単層のプラスチック材料で形成したプラスチック容器と、
(ii)前記プラスチック容器用の閉止部と、
(iii)前記プラスチック容器を少なくとも部分的に被覆する、着脱可能なガスバリア性プラスチック収縮包装と、を備えた標本コンテナを作成するステップと、
(b)前記標本容器に前記試料を接種するステップと、
(c)微生物の存在の有無を検査しようとする試料を含有した前記標本容器を培養するステップと、
(d)微生物増殖に関して前記標本コンテナをモニタするステップと、を含む方法。
【請求項51】
前記試料は血液サンプルであることを特徴とする、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ガスバリア性収縮包装は、前記閉止部を含めて前記ボトルを完全に被覆し、前記閉止部の外面は前記ガスバリア性収縮包装で被覆する前に減菌することを特徴とする、請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
前記モニタするステップは自動で行うことを特徴とする、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記モニタするステップは、前記標本コンテナ内に設置したセンサを介して容易に行うことができることを特徴とする、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
試料を培養する装置であって、
透明性を損なうことなく、ガス不透過性、透明性、強度、およびオートクレーブ耐性等の特性を備える単層プラスチック製ボトルであって、前記プラスチックはEMS-Grivory Nylon FE 7105またはその等価物であることを特徴とする、単層プラスチック製ボトルと、
前記微生物を培養するボトル内に包含した増殖培地と、
前記ボトル用の閉止部と、
前記ボトル内の、所望のガス組成を有するヘッドスペースと、
を備えた装置。
【請求項56】
前記装置は、血液サンプル中に存在する可能性のある微生物を培養する増殖培地を有する血液培養ボトルであることを特徴とする、請求項55に記載の装置。
【請求項57】
請求項55に記載の装置を2つ以上備えた、試料を培養するキット。
【請求項58】
前記キットは、嫌気性血液培養ボトルおよび好気性血液培養ボトルを備え、前記嫌気性血液培養ボトルおよび前記好気性血液培養ボトルは、血液サンプル中に存在する可能性のある微生物を培養する増殖培地を含有したことを特徴とする、請求項57に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−506422(P2013−506422A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532290(P2012−532290)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/050797
【国際公開番号】WO2011/041471
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(502073946)ビオメリュー・インコーポレイテッド (28)
【Fターム(参考)】