説明

単純化された設計を有する埋込無外傷型医療サイト

本発明は、流体の注入及び/又は採取を行うための埋込型デバイス(1)であって、該デバイス(1)は、中空の本体部(2)と該中空本体部(2)に装着された穿刺壁(3)とを含み、該穿刺壁(3)は、該中空本体部(2)及び該穿刺壁(3)がチャンバ(4)を構成するように該中空本体部(2)に装着されており、該穿刺壁(3)は、該チャンバ(4)内に流体を注入するため及び/又は該チャンバ(4)から流体を採取するために、中空の針によって貫通できるように設計されており、該デバイス(1)は、該穿刺壁を該中空本体部(2)に固定する固定手段(8)であって、該中空本体部(2)、該穿刺壁(3)及び該固定手段(8)が単位サブアセンブリ(9)を形成するように固定する固定手段(8)と、実質的に該穿刺壁(3)上を覆うケーシング(10)とを備えていることを特徴とする、埋込型デバイスに関する。本発明は、具体的には、医療用埋込型サイトに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一箇所の皮膚を繰り返し傷つけることを制限しつつ患者の体内に物質を注入するため且つ/又は患者の体内から物質を採取するために、後に患者の皮膚に中空の針を刺し通すことを目的として、ヒト又は動物の患者の皮下に挿入できるように設計されたデバイスを包括する技術分野に関する。そのようなデバイスは、一般に、「埋込型サイト」又は「アクセスポート」、若しくは、「輸液ポート」と実際に呼ばれている。
【0002】
本発明は、より詳細には、ヒト又は動物の患者の身体の器官又は血管若しくは外科インプラントの拡張可能且つ/又は収縮可能な隔室のいずれかに流体を注入するため且つ/又はそこから流体を採取するための埋込型デバイスであって、該デバイスは、中空の本体部と該中空本体部に装着された穿刺壁とを含み、該中空本体部と該穿刺壁とが該器官、血管又は隔室と連通するように設計されたチャンバを構成し、該穿刺壁は、該チャンバ内に流体を注入するため且つ/又は該チャンバから流体を採取するために、中空の針によって貫通できるように設計されている、埋込型デバイスに関する。
【0003】
本発明はまた、ヒト又は動物の患者の身体の器官又は血管若しくは外科インプラントの拡張可能且つ/又は収縮可能な隔室のいずれかに流体を注入するため且つ/又はそこから流体を採取するための埋込型デバイスを製造する方法であって、該方法は、中空の本体部に穿刺壁を装着する工程であって、該中空本体部及び該穿刺壁が該器官、血管又は隔室と連通するように設計されたチャンバを構成するように該穿刺壁を装着する工程を包含し、該穿刺壁は、該チャンバ内に流体を注入するため且つ/又は該チャンバから流体を採取するために、中空の針によって貫通できるように設計されている、埋込型デバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
公知の埋込型サイトは、円板形の底部及び該底部から延びた円筒側壁を有し、円筒側壁の自由端が近位開口部を構成しているハウジングを含む。底部及び側壁は、穿刺中空針によって貫通されないように、チタニウムなどの連続的な硬質材料で形成されている。近位開口部は、シリコーン製の厚いセルフシール膜によって閉じられ、それにより「隔壁」を形成している。
【0005】
従来技術から公知のそのようなサイトは、ハウジングの剛性及び硬度並びにハウジングが膜に接触する非平滑表面が原因で、外傷を引き起こし得る。つまり、その公知のサイトを患者の体内に挿入した場合、サイトがその周辺の生物組織を傷つけ得、それにより、患者に不快感や苦痛を生じる。
【0006】
その問題を解決するために、本出願人は、膜とハウジングとの間を実質的に固定することなく、シリコーンのクラッド部材をハウジング上に直接モールドしてその外周部で膜と融着させて、隔壁膜を近位開口部に配置しただけの埋込型サイトを提案している。その、ハウジングを埋設した、単体のオーバーモールドされたシリコーンのクラッド部材により、サイトは外傷を生じさせないという特徴を有する。クラッド部材は、ハウジングの側壁を覆うように設けられて、生物組織とチタンとの直接の接触を防止し、また隔壁膜の外周部に密接に結合されて、膜とハウジングとが接する部位の不連続な表面が隠される。
【0007】
クラッド部材はまた、膜をハウジングに固定する機能も果たす。
【0008】
そのようなサイトは、組織を損傷するリスク並びに膜がハウジングから外れて漏れが起こるリスクを大幅に低減できるので、略満足のいくものである。
【0009】
残念ながら、実施上、クラッド部材をオーバーモールドする動作は特に制御が困難であり、具体的には、隔壁とクラッド部材との界面における材料の配置、結合及び厚さを制御することが困難であるので、それらの従来技術のデバイスは、比較的製造が複雑である。そのような産業上の製造可能性についての困難のために、製造率が低下し、資格を有し且つ訓練を受けた労働力が要求される傾向にある。
【発明の開示】
【0010】
よって、本発明に割り当てられた目的は、上に挙げたさまざまな欠点を解消することができ、外傷を起こさない外形を有し且つ組み立てが特に容易で安価に行える、流体の注入及び/又は採取を行うための新規な埋込型デバイスを提案することである。
【0011】
本発明の別の目的は、特に単純な設計で、可能な限り少ない個数のパーツで実現可能な、流体の注入及び/又は採取を行うための新規な埋込型デバイスを提案することである。
【0012】
本発明の別の目的は、具体的には、患者が十分耐えることのできる、流体の注入及び/又は採取を行うための新規な埋込型デバイスを提案することである。
【0013】
本発明の別の目的は、特に頑丈な、流体の注入及び/又は採取を行うための新規な埋込型デバイスを提案することである。
【0014】
本発明の別の目的は、デバイスからの漏れが起こるリスクを最小化した、流体の注入及び/又は採取を行うための新規な埋込型デバイスを提案することである。
【0015】
本発明の別の目的は、特に強固で信頼性の高い、流体の注入及び/又は採取を行うための新規な埋込型デバイスを提案することである。
【0016】
本発明の別の目的は、外傷を起こさないという特徴を有する信頼性の高い埋込型デバイスを単純に、素早く且つ安価に得ることを可能にする、流体の注入及び/又は採取を行うための新規な埋込型デバイスの製造方法を提案することである。
【0017】
本発明の別の目的は、オーバーモールディングの技術を用いないことを可能にする、流体の注入及び/又は採取を行うための新規な埋込型デバイスの製造方法を提案することである。
【0018】
よって、本発明に割り当てられた目的は、ヒト又は動物の患者の身体の器官又は血管若しくは外科インプラントの拡張可能且つ/又は収縮可能な隔室のいずれかに流体を注入するため且つ/又はそこから流体を採取するための埋込型デバイスであって、該デバイスは、中空の本体部と該中空本体部に装着された穿刺壁とを含み、該穿刺壁は、該中空本体部及び該穿刺壁が該器官、血管又は隔室と連通するように設計されたチャンバを構成するように該中空本体部に装着され、該穿刺壁は、該チャンバ内に流体を注入するため且つ/又は該チャンバから流体を採取するために、中空の針によって貫通されるように設計されており、該デバイスは、該穿刺壁を該中空本体部に固定する固定手段であって、該中空本体部、該穿刺壁及び該固定手段が単位サブアセンブリを形成するように固定する固定手段と、該サブアセンブリから独立しており且つ実質的に該穿刺壁上を覆うように該サブアセンブリを被覆するケーシングとを備え、該サブアセンブリと該ケーシングとが組み合わされて該デバイスを形成することを特徴とする、埋込型デバイスによって達成される。
【0019】
また、本発明に割り当てられた目的は、ヒト又は動物の患者の身体の器官又は血管若しくは外科インプラントの拡張可能且つ/又は収縮可能な隔室のいずれかに流体を注入するため且つ/又はそこから流体を採取するための埋込型デバイスを製造する方法であって、該方法は、中空の本体部に穿刺壁を装着する工程であって、該中空本体部と該穿刺壁とが該器官、血管又は隔室と連通するように設計されたチャンバを構成するように該穿刺壁を装着する工程を包含し、該穿刺壁は、該チャンバ内に流体を注入するため且つ/又は該チャンバから流体を採取するために、中空の針によって貫通されるように設計されており、該方法は、
a)該穿刺壁、該固定手段及び該中空本体部が単位サブアセンブリを形成するように、固定手段を用いて該穿刺壁を該中空本体部に固定する工程と、
b)該サブアセンブリから独立したケーシングを製造又は供給する工程と、
c)該単位サブアセンブリと該ケーシングとを組み合わせることにより、該ケーシングが実質的に該穿刺壁上を覆うように、該ケーシング内の該単位サブアセンブリを被覆する工程とを包含することを特徴とする、製造方法によって達成される。
【0020】
本発明の他の目的及び利点は、以下の説明を読み、添付の図面を検討することにより明らかになる。但し、図面は単に説明のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、流体を注入且つ/又は採取するための埋込型デバイス1に関する。そのようなデバイス(「埋込型サイト」とも呼ぶ)は、患者(ヒト又は動物であり得る)の体内に流体物質を注入するため又は患者の体内から流体物質を採取するためのアクセスポートを構成するために、患者の体内に、具体的には患者の皮下に、例えば外科的に埋め込むことができるように設計されている。
【0022】
本発明の埋込型デバイス1は、さまざまな用途のために実施及び適合され得る。
【0023】
はじめに、患者の身体の器官又は血管、特に患者の静脈系及び/又は動脈系に流体を注入するため且つ/又ははそこから流体を採取するための、本発明の埋込型デバイス1を設計する。そのような用途(それ自体が公知である)において、本発明のデバイス1は、例えば、医薬液体物質を静脈又は動脈に注入することが可能である。
【0024】
本発明のデバイス1はまた、インシュリンポンプ又は鎮痛ポンプ型の埋め込まれたレザバ(reservoirs)への供給が行えるように適合され得る。
【0025】
本発明の埋込型デバイス1はまた、外科インプラント、具体的には肥満症を治療するために設計された胃形成バンドの、拡張可能且つ/又は収縮可能な隔室に流体を注入でき且つ/又はそこから流体を採取できるように適合され得る。そのような胃バンドはそれ自体が公知であり、一般に、胃にぐるりと巻き付けて、閉塞システムにより胃の両端部の略近傍を該端部を介して閉塞して、瘻孔の開口部の直径を縮小するように設計された可撓性ストリップによって形成される。該ストリップは、カテーテルを介して本発明の埋込型デバイス1に接続された、調節可能な容積を有する環状圧縮チャンバを有し得る。そのデバイスは、チャンバの内部容積を調節して、その直径方向の拡張を調節することが可能である。しかし、本発明のデバイスは、例えば人工括約筋又はバルーン等の、他の外科インプラントにおいて容量を調節するために使用し得る。
【0026】
皮下注射デバイス、つまり、患者の皮膚の直下に配置されるように設計されたデバイスについて、以下に詳細に説明する。しかし、本発明のデバイスは、患者の身体の別の場所(例えば、より深い位置)にも埋め込み得る。
【0027】
本発明によると、デバイス1は、中空の本体部2と、中空本体部2に装着された穿刺壁3とを備えており、中空本体部2及び穿刺壁3がチャンバ4を構成している。中空本体部2は、実質的に硬質であるのが望ましい。好適には、中空の針による貫通が実質的に不可能である材料で形成される。例えば、中空本体部2は、金属材料又はプラスチック材料などの、実質的に硬質の材料を基礎とし得る。好適には、中空本体部2はチタンで形成される。中空本体部2とは異なり、穿刺壁3は、チャンバ4内に流体(用途に応じて気体、液体、又は半流動体)を注入するため且つ/又はチャンバ4から流体を採取するために、中空の針によって貫通可能なように設計されている。穿刺壁3は、好適には、「回復」特性を有するシリコーン型のエラストマー材料で形成される。
【0028】
これらの特性によって、穿刺壁3を穿孔した後、その穿孔に対応する穴が再度自動的に閉じ、チャンバ4の密閉性が低下しない。図に示すように、穿刺壁3は、エラストマー材料(例えばシリコーン)を基礎とする厚い1枚の膜によって形成されるのが望ましい。そのような膜(一般に「隔壁」と呼ぶ)を設けることは、それ自体が周知である。単一の単体ブロックの材料を用いる代わりに、複数の膜を重畳して穿刺壁3を形成することも、本発明の範囲内で可能である。
【0029】
望ましくは、中空本体部2は、側壁2Aを有し、この側壁2Aが近位開口部2Bを構成している。穿刺壁3は、近位開口部2Bを閉鎖できるように側壁2Aに固定されている。好適には、側壁2Aは、軸X−X’の周りに円状の断面を有する略管状の形状を有する。換言すると、図に示すように、側壁2Aは、円筒バンドの形状を有し得る。
【0030】
穿刺壁3は、実質的に密閉状態に近位開口部2Bを閉鎖し、チャンバ4内の流体の漏れを防止するか又は少なくとも漏れを制限する。この目的のために、望ましくは、側壁2Aの内径よりもわずかに大きな直径を有する材料の円状ブロックを、側壁2A内に力で押し込むことによって形成された穿刺壁3を提供することができる。これにより、内側への圧縮力が穿刺壁3に加わり、この力が該穿刺壁に自己回復特性を与える。換言すると、穿刺壁3は、望ましくは、自己回復特性を有する。つまり、中空の針が該膜を貫通し、その後該膜から引き抜かれた後も、密閉状態を維持し続ける。
【0031】
当然ながら、本発明の範囲内で、当業者に公知の他の手段によって、穿刺壁3に自己回復特性を与えることができる。
【0032】
図に示す実施形態において、中空本体部2は、側壁2Aに加えて、円板形の底部2Cをさらに含む。側壁2Aは、この底部2Cから近位開口部2Bに向かって上方に延びている。底部2Cは、その後、中空本体部2と一体の一部分となり、中空本体部2は、おおよその形状が、略U字形の断面を有するボウルの形状(図4からわかり得る)であり、近位開口部2Bが穿刺壁3によって気密閉鎖され、実質的に密閉されたチャンバ4が形成される。好適には、特に図4に示すように、底部2Cは側壁2Aと一体に形成される。つまり、底部2C及び側壁2Aは、例えばチタニウムなどの略貫通不可能な材料から、単体の部材として形成される。本発明の範囲内で、中空本体部2の一部として形成した底部2Cを、側壁2A上に配置して、例えば溶接などの公知の手段によって側壁2Aに固定することが、当然可能である。図に示す変形例において、中空本体部2は、貫通不可能であり且つ近位開口部2Bが穿刺壁3によって実質密閉状態に閉鎖された、単一の中空ハウジングを形成する。その後、チャンバ4は、中空本体部2と穿刺壁3との組み合わせにより直接的に構成される。
【0033】
図示しないが完全に本発明の範囲に含まれる別の実施形態において、底部2Cは、中空本体部2の一部ではなく、中空本体部2に装着される。例えば、中空本体部2は、側壁2Aのみから形成され得る。側壁2Aは、第1には、穿刺壁3によって閉鎖される近位開口部2Bを構成し、第2には、反対側の遠位開口部を構成する。チャンバ4を完全に構成し、チャンバ4を実質的且つ気密的に閉鎖するために、この実施形態では、別個に形成した底部を中空本体部2に装着して遠位開口部を閉鎖し、それにより実質的に密閉状態のチャンバ4を形成する必要がある。チャンバ4は、中空本体部2と、穿刺壁3と、側壁2Aに装着された底部2Cとの組み合わせにより構成される。この具体的な実施形態(図示せず)において、中空本体部2及び穿刺壁3はチャンバ4を構成するのに寄与するが、(図示した変形例とは異なり)それらだけではチャンバ4を完全に構成することはできず、さらなる部材(この例の場合、底部2C)が必要であるということが理解され得る。
【0034】
したがって、チャンバ4は、患者の身体に注入する流体及び/又は患者の身体から採取された流体を貯留するのに適した内部容積を構成する。本発明によると、チャンバ4は、器官、血管、若しくは注入しようとする流体を貯留するか又は採取しようとする流体の流体源であるインプラントの隔室と連通できるように設計されている。
【0035】
この目的のために、埋込型デバイス1は、望ましくは、チャンバ4をデバイス1の外部と連通させるダクト5をさらに備えている。
【0036】
例えば、図に示すように、ダクト5は、その基礎部分に、つまり底部2Cの近傍に、側壁2Aを厚さ方向に貫通するように形成された側部オリフィス内に、例えばレーザ溶接によって、実質的に密閉状態となるように装着された直径の小さなパイプ5Aを備えている。パイプ5Aは、中空本体部2によって形成されたハウジングの内部をデバイス1の外側の穿刺壁3に接続することを可能にする。好適には、パイプ5Aは、略硬質であるという特徴を有する。
【0037】
中空本体部を形成するのに使用される材料と同じ材料で形成するのが望ましく、その材料は、チタニウムであり得る。パイプ5Aは、好適には、カテーテル(図示せず)の一方の端部に連結されるように設計され、カテーテルの他方の端部は、器官、血管、若しくは拡張可能/収縮可能な隔室に連結されるように設計されている。それ自体が周知であるように、カテーテルは、パイプ5A内に力で押し込んで、チャンバ4とカテーテルとの間を連結させることができる。カテーテル及びパイプ5Aが望ましくないタイミングで互いから外れるのを防止するために、パイプ5Aに従来の様態で脱落防止手段6を設け得る。
【0038】
カテーテルのパイプ5Aとの保持性をさらに向上するために、好ましくはカテーテルを覆って係合するように設計され且つカテーテルが脱落防止手段6から外れるリスクを限定するような様態でパイプ5Aにカテーテルを押しつける鞘の形状のロック7を設けるのも好適である。
【0039】
図1〜図3、図9及び図10のみに示すパイプ5A及び関連するロック7の好適な実施形態において、パイプ5A及びロック7には、協働して、ロック7がパイプ5Aに対して回転及び平行移動することを防止する補助ブロック手段が設けられている。より具体的には、上で言及した図面に示した例において、パイプ5Aには、フラット5Bが設けられている。フラット5Bは、例えば、矩形のブロック形状突起部によって構成されており、ロック7内に設けられた相補形状の凹部7Aに嵌め込むことができるように設計されている。ロック7は、好適には、シリコン等の可撓性材料で形成され、凹部7Aへのアクセスを提供し且つフラット5B全体のサイズよりもかなり小さなサイズのアクセス開口部7Bが設けられており、凹部7A内に配置されるまでフラット5Bをロック7内に力で押し込む必要がある。
【0040】
本発明によると、埋込型デバイス1は、固定手段8をさらに備えている。固定手段8は、中空本体部2、穿刺壁3及び固定手段8が単位サブアセンブリ9を形成するような様態で、穿刺壁3を中空本体部2に固定する。換言すると、固定手段8、穿刺壁3及び中空本体部2は、それ自体の固有の強度を有する単体の一体化されたアセンブリを形成する。具体的には、穿刺壁3を中空本体部2に固定する機能が、単位サブアセンブリ9の内側の、固定手段8を形成する部材によって排他的に実施される。固定手段8は、穿刺壁3を中空本体部2に十分強固に固定し、デバイス1の使用によって生じる機械的応力に確実に耐えることができるように設計される。
【0041】
図に示す実施形態に対応する有利な実施形態において、固定手段8、穿刺壁3及び中空本体部2は、独立した単位サブアセンブリを形成する。このアセンブリは、実効的であるという特徴を有する。つまり、該サブアセンブリは、埋込型デバイス1に割り当てられた流体注入機能及び/又は流体採取機能を実施するために、直接的に使用可能である。
【0042】
望ましくは、図に示すように、ダクト5はサブアセンブリ9の一部でもある。しかし、ダクト5がサブアセンブリ9の一部ではない構成も可能である。
【0043】
本発明によると、デバイス1は、単位サブアセンブリ9及び固定手段8とは別個のケーシング10をさらに備えている。
【0044】
換言すると、中空本体部2、穿刺壁3及び固定手段8は、全体がケーシング10から独立しているサブアセンブリ9を形成する。
【0045】
具体的には、中空本体部2、穿刺壁3及び固定手段8の結合は、ケーシング10によって得られるものではなく、単位サブアセンブリ9の内部の手段のみによって、つまりケーシング10とは別個のサブアセンブリの固定手段8のみによって得られるものである。
【0046】
望ましくは、固定手段8は、穿刺壁3を所定の位置にブロックするような様態で中空本体部2に圧着されたブロック部材8Aを備えている。図に示す、具体的には図4に示す、有利な実施形態において、側壁2Aは、上述のように、チャンバ4がその一部である内部容積2Dを構成する環状の概略形状を有する。側壁2Aには、望ましくは、穿刺壁3の支持部材を形成する内部ショルダ2Eが設けられる。この場合、穿刺壁3は、内部容積2D内に挿入され、ショルダ2Eに当接する。換言すると、穿刺壁3は、側壁2A内に押し込まれて、内側に向かって延びたショルダ2Eによって形成された狭窄部に当接して配置される。固定手段8は、望ましくは、圧着部材8Aとして、穿刺壁3に当接するように内側に延びたリップ12を有するバンド11を備えている。このバンド11は、側壁2Aに圧着されている。換言すると、穿刺壁3は、2つの対向するベアリング表面の間、つまり、ショルダ2Eによって構成された第1のベアリング表面とバンド11の内側に延びたリップ12によって構成された第2のベアリング表面との間に配置される。
【0047】
バンド11は、望ましくは、図4に示すような、略U字形の断面を有するボウルの形状である。より具体的には、ボウルの端部壁は、望ましくは、略円板形であり、端部壁の大部分を占める円形の中央オリフィス13を有する。
【0048】
中央オリフィス13の周りの材料は、内側に延びたリップ12を形成する。このリップ12は、環状の形状を有する。ボウルの端部壁から側壁が延びており、この側壁の自由端が、中空本体部2の側壁2Aの直径よりもわずかに大きな直径を有する開口部を構成している。これにより、バンド11は中空本体部2上に力で係合され得、したがって、オリフィス13を介した穿刺壁3へのアクセスを提供しつつ、穿刺壁3を強固且つ確実に保持できる。バンド11は、望ましくは、中空本体部2を形成する材料と同じ材料で構成される。この材料は、望ましくは、チタニウムなどの金属材料である。
【0049】
固定手段8は、本発明の範囲内で、図示した基本的に機械組立(上記の例では圧着)に基づく手段とは異なる構成で実現することも当然可能である。
【0050】
1つの変形例として、例えば、穿刺壁3をモールディングすること又は穿刺壁3を中空本体部2に接着することを含む固定手段8を実現することが可能である。例えば、好適には上記のような圧着による機械固定に加えて、接着層を設けるのが望ましい。接着層は、好適には、中空本体部2内で穿刺壁3をその外周部において確実に固定するために、側壁2Aの内部表面20と穿刺壁3の側壁30との間に略均一に設けられる。
【0051】
本発明によると、ケーシングは、穿刺壁3上に配置されるようにサブアセンブリ9を覆っており、サブアセンブリ9とケーシングとが組み合わされてデバイス1を形成する。
【0052】
換言すると、ケーシング10は、特に図2からわかるように、サブアセンブリ9の全体又は一部を覆う表面を形成しており、穿刺壁3の略全体を覆うように配置されている。
【0053】
好適には、図に示すように、ケーシング10は、ケーシング10を貫通する縫合穴16,17,18を有する。これら縫合穴は、ケーシング10の外周部に配置されており、デバイス1を皮下組織に縫合固定できるように設計されている。
【0054】
上述のように、ケーシング10は、中空本体部及び穿刺壁の上に直接オーバーモールディングすることによってケーシングを設ける従来技術とは異なり、サブアセンブリ9に組み合わされる。つまり、ケーシング10は、被覆処理の前に存在している。
【0055】
したがって、本発明は、オーバーモールディング処理を行う必要なく、且つ、穿刺壁3を中空本体部2に対して保持する強度を低下させることなく、サブアセンブリ9が外部からの損傷を受けないように被覆する又はケースで覆うことを可能にする。
【0056】
望ましくは、ケーシング10は、それ自体が単体のユニットである。つまり、好適には、例えばシリコーンなどのエラストマー材料を射出成型することにより、単一の部材として形成される。したがって、ケーシング10はまた、好適には、可撓性を有する部材であり、したがって、外部からの損傷を受けない。したがって、本発明は、上述のように、2つの独立した単体のサブアセンブリの組合せを実施するものであり、これらサブアセンブリはそれぞれ、互いに組み合わされる前、つまり、ケーシング10と単位サブアセンブリ9とを組み合わせる前には、別々に存在する。
【0057】
望ましくは、図に示すように、ケーシング10は、実質的に穿刺壁3上に配置された、つまり略完全に穿刺壁3をマスクする頂部膜10Aを備えている。ケーシング10は、望ましくは、例えば図に示すように実質的に中空本体部2の側壁2A全体に沿って、頂部膜10Aから下向きに延び且つ中空本体部2に沿って延びているスカート10Bをさらに備えている。
【0058】
望ましくは、図に示すように、スカート10Bは頂部膜10Aと一体に形成されている。
【0059】
図に示す例において、ケーシング10は、中空本体部2の底部2Cを除いて、サブアセンブリ9上に実質的に連続的に配置されている。底部2Cは、パイプ5Aと同様、(当然、動作上の理由で)外部と直接接触した状態である。しかし、本発明の範囲内で、ケーシングを底部2C上に配置することも可能である。
【0060】
望ましくは、図に示すように、ケーシング10は、中空本体部2、穿刺壁3及び固定手段8によって形成されたサブアセンブリ9を挿入する凹部10Cを構成する。望ましくは、ケーシング10によって構成される凹部10Cはサブアセンブリ9の形状と相補関係にある形状を有し、それにより、図2に示すように、サブアセンブリ9は凹部10C内にぴったりと嵌め込まれ、ケーシング10がサブアセンブリ9を抱持する。したがって、サブアセンブリ9は、ケーシング10内にぴったりと嵌め込まれるように係合している。換言すると、ケーシング10は、サブアセンブリ9のキャップとして機能する。特に図2からわかるように、頂部膜10Aは、穿刺壁3に対して略平行に延びており、且つ、穿刺壁3上に重畳されている。当然ながら、頂部膜10Aは、中空の針が穿刺壁3を通過してチャンバ4に達し得るように、該針によって貫通されるのに適するように設計されている。
【0061】
望ましくは、デバイス1は、ケーシング10と穿刺壁3との間に、穿刺壁3をケーシング10に結合する接着部を備えている。好適には、接着部は、頂部膜10Aと穿刺壁3との界面に配置される。接着部は、例えば、界面14において穿刺壁3上に略均一に設けられた層の形態であり得る。
【0062】
当然ながら、別の実施形態において、接着部は、界面14において、点の形状で局部的に配置され得る。また、界面14に、頂部膜10Aと穿刺壁3とを結合する手段を設けない構成も可能である。しかし、接着層などの結合手段を、頂部膜10Aと穿刺壁3との間に設けるのが好適である。なぜなら、そのような結合手段により、デバイス全体の強度を向上し、それによりデバイスの信頼度を向上することができるからである。
【0063】
有用な実施形態において、チャンバ4から流体が漏れるのを制限するために、注入しようとする流体及び/又は採取しようとする流体を吸収する層を、穿刺壁3とケーシング10との間、具体的には頂部膜10Aと穿刺壁3との界面に設ける。したがって、親水性材料の層を界面14に配置することができ、それにより、穿刺壁3の自己回復能力が低下しても、チャンバ4から漏れ出ようとする液体は、デバイス1の外に漏れる前に吸収層によって吸収される。吸収層は、例えば、高吸収性材料、ポリビニルアルコール(PVA)フォーム、及び親水性ゲル並びにそれらの誘導体のいずれか1つにより形成され得る。
【0064】
図6〜図8から具体的にわかるように、望ましくは、側部オリフィス15が、パイプ5Aが通過できるように、ケーシング10のスカート10Bに設けられている。ケーシング10及びサブアセンブリ9は、パイプ5Aを側部オリフィス15に斜に挿入し、その後、中空本体部2、穿刺壁3及びバンド11によって形成されたハウジングを、ケーシング10の可撓性及び弾性を利用して凹部10C内に押し込むことによって、組み合わされ得る。
【0065】
本発明は、また、ヒト又は動物の患者の身体の器官又は血管若しくは外科インプラントの拡張可能且つ/又は収縮可能な隔室のいずれかに流体を注入するため且つ/又はそこから流体を採取するための埋込型デバイス1を製造する方法に関する。該方法は、具体的には、上で説明したデバイスのような、本発明のデバイス1を製造するために実施され得る。
【0066】
本発明の製造方法は、中空の本体部2に穿刺壁3を装着する工程であって、該中空本体部2及び該穿刺壁3が器官、血管又は拡張可能/収縮可能な隔室と連通するように設計されたチャンバ4を構成するように穿刺壁3を装着する工程を包含し、該穿刺壁3は、該チャンバ内に流体を注入するため且つ/又は該チャンバから流体を採取するために、中空の針によって貫通されるように設計されている、埋込型デバイス製造方法に関する。
【0067】
本発明によると、本発明は、穿刺壁3、固定手段8及び中空本体部2が単位サブアセンブリ9を形成するように、固定手段8によって穿刺壁3を中空本体部2に固定する工程a)を包含する。
【0068】
好適には、工程a)は、穿刺壁3を中空本体部2に機械的に組み合わせるサブステップを包含する。換言すると、工程a)の間、穿刺壁3は、好適には、中空本体部2に機械的に固定され、この固定処理は、接着結合又はオーバーモールディングを実施する「化学」プロセスを行うことなく達成される。上述のように、この組合せサブステップは、バンド11を中空本体部2の側壁2Aに圧着することによって実施され得る。
【0069】
しかし、本発明の範囲内で、上述のように、穿刺壁3を中空本体部2に接着結合することも可能である。その場合、工程a)は、穿刺壁3を中空本体部2に接着結合するサブステップa’)を包含し、サブステップa’)は、機械組合せサブステップに追加して実施されるか、若しくは、機械組合せサブステップの代わりに実施される。
【0070】
本発明によると、該方法は、サブアセンブリ9とは別個のケーシング10を製造又は供給する工程b)をさらに包含する。好適には、工程b)は、単一のモールディング動作を含み、これにより、ケーシング10を単体の部材として形成することができる。
【0071】
本発明によると、該方法は、ケーシング10が実質的に穿刺壁3上に配置されるように単位サブアセンブリ9とケーシング10とを組み合わせることによって、サブアセンブリ9をケーシング10で覆う工程c)をさらに包含する。
【0072】
望ましくは、工程c)は、単位サブアセンブリ9をケーシング10内に係合させるサブステップを含む。望ましくは、ステップc)は、また、ケーシング10を穿刺壁3に接着結合するサブステップを含む。そのような係合及び接着結合を行うサブステップは、実質的には、上述の通りである。
【0073】
望ましくは、工程a)と工程c)とは別個の工程である。換言すると、固定工程a)は、ケーシング10を用いて単位サブアセンブリ9を覆うことによって実施されない。工程a)及び工程c)の各々は、好適には、別々に実施され、工程c)は、工程a)の後に実施される。
【0074】
望ましくは、工程b)と工程c)とは別個の工程である。これは、ケーシング10をハウジング上に直接オーバーモールディングする従来技術とは異なり、ケーシング10が単位サブアセンブリ9を被覆するのと同時に製造されないことを意味する。本発明の解釈の範囲内では、工程b)及び工程c)は独立して実施され、工程c)は工程b)の後に実施される。
【0075】
本発明によると、その動作部材の全てが、好適にはシリコーン等の可撓性の材料で形成され且つ生体組織を損傷し得る凹凸が実質的に無い平滑な連続する幾何的形状を呈する被覆ケーシング10内にカプセル化されるので、優れた無外傷特性を有する埋込型デバイス1が得られる。
【0076】
また、本発明のデバイス1は、オーバーモールディングが不要で、基本的に単純な機械組合せ動作に基づいているので、製造が容易であり且つ製造コストが高くない。機械組合せ動作は、デバイスを、2つの単体部材である、各々固有の強度を有する主サブアセンブリに分割することによって、非常に簡単になる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、流体の注入及び/又は採取を行う埋込型デバイスの形成及び使用における産業アプリケーションに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、カテーテルロックに関連付けられた、本発明の埋込型デバイスの平面図である。
【図2】図2は、図1のデバイスのA−A断面を示す図である。
【図3】図3は、ロックが無い状態の、図1及び図2のデバイスの概略斜視図である。
【図4】図4は、穿刺壁、中空本体部、穿刺壁を中空本体部に固定する固定手段によって形成されたサブアセンブリの組立方法を示す分解模式図である。
【図5】図5は、図4のサブアセンブリが動作状態にある様子を示す平面図である。
【図6】図6は、本発明はデバイスのケーシングの概略斜視図である。
【図7】図7は、図6のケーシングを下から見た場合の斜視図である。
【図8】図8は、図6及び図7に示すケーシングの断面図である。
【図9】図9は、図1に示すロックの概略斜視図である。
【図10】図10は、図9のロックのB−B断面を示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト又は動物の患者の身体の器官又は血管若しくは外科インプラントの拡張可能且つ/又は収縮可能な隔室のいずれかに流体を注入するため且つ/又はそこから流体を採取するための埋込型デバイス(1)であって、前記デバイス(1)は、中空の本体部(2)と前記中空本体部(2)に装着された穿刺壁(3)とを含み、前記穿刺壁(3)は、前記中空本体部(2)及び前記穿刺壁(3)が前記器官、血管又は隔室と連通するように設計されたチャンバ(4)を構成するように前記中空本体部(2)に装着され、前記穿刺壁(3)は、前記チャンバ(4)内に流体を注入するため且つ/又は前記チャンバ(4)から流体を採取するために、中空の針によって貫通されるように設計されており、前記デバイス(1)は、前記穿刺壁を前記中空本体部(2)に固定する固定手段(8)であって、前記中空本体部(2)、前記穿刺壁(3)及び前記固定手段(8)が単位サブアセンブリ(9)を形成するように固定する固定手段(8)と、前記サブアセンブリ(9)から独立しており且つ実質的に前記穿刺壁(3)上を覆うように前記サブアセンブリを被覆するケーシング(10)とを備え、前記サブアセンブリ(9)と前記ケーシング(10)とが組み合わされて前記デバイスを形成することを特徴とする、埋込型デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイス(1)において、
前記ケーシング(10)は単体のユニットを含む
ことを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデバイス(1)において、
前記ケーシング(10)は、実質的に前記穿刺壁(3)上を覆う頂部膜と、前記頂部膜(10A)から下向きに延び且つ前記中空本体部(2)に沿って延びているスカート(10B)とを含む
ことを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項2及び3に記載のデバイス(1)において、
前記スカート(10B)は、前記頂部膜(10A)と一体に形成されている
ことを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のデバイス(1)において、
前記ケーシング(10)は、前記中空本体部(2)、前記穿刺壁(3)及び前記固定手段(8)によって形成された前記サブアセンブリ(9)を挿入する凹部(10C)を有する
ことを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載のデバイス(1)において、
前記穿刺壁(3)を前記ケーシング(10)に取り付けるために前記ケーシング(10)と前記穿刺壁(3)との間に配置された接着部を備えている
ことを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載のデバイス(1)において、
前記チャンバ(4)から流体が漏れるのを制限するために、前記穿刺壁(3)と前記ケーシング(10)との間に流体吸収層が設けられている
ことを特徴とするデバイス。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載のデバイス(1)において、
前記中空本体部(2)は、近位開口部(2B)を構成する側壁(2A)を含み、前記穿刺壁(3)は、前記近位開口部(2B)を閉鎖するように前記側壁(2A)に固定されている
ことを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項8に記載のデバイス(1)において、
前記中空本体部(2)は底部(2C)をさらに備えており、前記側壁(2A)が前記底部(2C)から上向きに延びている
ことを特徴とするデバイス。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のデバイス(1)において、
前記側壁(2A)は、環状の概略形状を有し且つ内部容積(2D)を構成し、前記側壁は、前記穿刺壁(3)の支持部を形成する内部ショルダ(2E)を有し、前記穿刺壁は、前記内部容積(2D)内に挿入され、前記ショルダ(2E)に当接しており、前記固定手段(8)は、前記穿刺壁(3)に当接する内側に延びたリップ(12)を備えたバンド(11)を有し、前記バンド(11)は前記側壁(2A)に圧着されている
ことを特徴とするデバイス。
【請求項11】
ヒト又は動物の患者の身体の器官又は血管若しくは外科インプラントの拡張可能且つ/又は収縮可能な隔室のいずれかに流体を注入するため且つ/又はそこから流体を採取するための埋込型デバイス(1)を製造する方法であって、前記方法は、中空の本体部(2)に穿刺壁(3)を装着する工程であって、前記中空本体部(2)と前記穿刺壁(3)とが前記器官、血管又は隔室と連通するように設計されたチャンバを構成するように前記穿刺壁(3)を装着する工程を包含し、前記穿刺壁(3)は、前記チャンバ(4)内に流体を注入するため且つ/又は前記チャンバ(4)から流体を採取するために、中空の針によって貫通されるように設計されており、前記方法は、
a)固定手段(8)を用いて、前記穿刺壁(3)、前記固定手段(8)及び前記中空本体部(2)が単位サブアセンブリ(9)を形成するように、前記穿刺壁(3)を前記中空本体部(2)に固定する工程と、
b)前記サブアセンブリ(9)から独立したケーシング(10)を製造又は供給する工程と、
c)前記単位サブアセンブリ(9)と前記ケーシング(10)とを組み合わせることにより、前記ケーシング(10)が実質的に前記穿刺壁(3)上を覆うように、前記ケーシング(10)内の前記単位サブアセンブリ(9)を被覆する工程と
を包含することを特徴とする、製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
工程b)は、シングルモールディング動作を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の方法において、
工程c)は、前記単位サブアセンブリ(9)を前記ケーシング(10)内に係合させるサブステップを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか1つに記載の方法において、
工程c)は、前記ケーシング(10)を前記穿刺壁(3)に接着結合するサブステップを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11〜14のいずれか1つに記載の方法において、
工程a)及び工程c)は、互いに独立している
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか1つに記載の方法において、
工程b)及び工程c)は、互いに独立している
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項11〜16のいずれか1つに記載の方法において、
工程a)は、前記穿刺壁(3)を前記中空本体部(2)に機械的に組み合わせるサブステップを含む
ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−515626(P2009−515626A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540654(P2008−540654)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002530
【国際公開番号】WO2007/057567
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(502222430)
【Fターム(参考)】