説明

単芯線電線と撚線電線との接続方法

【課題】接触抵抗の増加を防止することができる単芯線電線と撚線電線との接続方法を提供すること。
【解決手段】単芯線電線10と撚線電線20との接続方法において、端部30aから軸線C方向奥側の所定位置まで単芯線11の直径d1に比して僅かに大きい内径D1の単芯線挿入部31が形成され、端部30bから軸線方向奥側の単芯線挿入部31まで撚線21の直径d2に比して僅かに大きい内径D2の撚線挿入部32が形成されてなる筒状ジョイント端子30の開口30c,30dから単芯線11および撚線21を挿入する筒内挿入工程と端面11aと端面21bとを圧接させつつ、単芯線電線10を撚線21の撚り方向Rに回転させる、あるいは撚線電線20を撚り方向Rと逆方向に回転させる、あるいは単芯線電線10を撚り方向Rに回転させ、かつ撚線電線20を撚り方向Rと逆方向に回転させることによって端面11aと端面21bとを金属結合させる金属結合工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一本の芯線が絶縁被覆部によって覆われてなる単芯線電線と、複数の素線が撚り合わされてなる撚線が絶縁被覆部によって覆われてなる撚線電線とを接続させる単芯線電線と撚線電線との接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属線等が絶縁被覆部に覆われてなる2本の電線を連結する方法としては、各電線の端部の絶縁被覆部を皮剥きして金属線を露出させ、ジョイント端子を用いて露出された金属線同士を接続させる方法が知られている。この接続方法で用いられるジョイント端子としては、圧着片を各電線の金属線に圧着させる、いわゆる圧着端子が主に用いられる。例えば、特許文献1には、一本の芯線(以下、単芯線という。)が絶縁被覆部によって覆われてなる単芯線電線と、複数の素線が撚り合わされてなる撚線が絶縁被覆部によって覆われてなる撚線電線とを、圧着端子であるジョイント端子を用いて接続させる単芯線電線と撚線電線との接続方法が提案されている。
【0003】
この特許文献1に記載されたジョイント端子は、少なくとも二つのかしめ片を有するジョイント端子に、単芯線の端面と、撚線の端面とを対面させて配設し、二つのかしめ片によって加締めることによって、単芯線電線と撚線電線とを連結するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−21148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたジョイント端子を用いた単芯線電線と撚線電線との接続方法では、ジョイント端子が単芯線および撚線に圧着される際、単芯線は荷重が分散され難いため、ジョイント端子との接触圧力が非常に高くなる部分が発生し、その部分が圧着後にクリープ変形し易くなることによって、ジョイント端子との接触圧力が低下し、結果的に接触抵抗が増加してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、接触抵抗の増加を防止することができる単芯線電線と撚線電線との接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1にかかる単芯線電線と撚線電線との接続方法は、単芯線が絶縁被覆部によって覆われてなる単芯線電線と、複数の素線が撚り合わされてなる撚線が絶縁被覆部によって覆われてなる撚線電線とを接続させる単芯線電線と撚線電線との接続方法において、筒状部材の一方の端部から軸線方向奥側の所定位置まで前記単芯線の直径に比して僅かに大きい内径の単芯線挿入部が形成され、他方の端部から軸線方向奥側の前記単芯線挿入部まで前記撚線の直径に比して僅かに大きい内径の撚線挿入部が形成されてなる筒状ジョイント端子の各端部の開口から単芯線および撚線を挿入する筒内挿入工程と、前記単芯線の端面と前記撚線の端面とを圧接させつつ、前記単芯線電線を前記撚線の撚り方向に回転させる、あるいは前記撚線電線を撚り方向と逆方向に回転させる、あるいは前記単芯線電線を撚り方向に回転させ、かつ前記撚線電線を撚り方向と逆方向に回転させることによって、前記単芯線の端面と前記撚線の端面とを金属結合させる金属結合工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2にかかる単芯線電線と撚線電線との接続方法は、上記の発明において、前記筒状ジョイント端子は、一体的に形成されてなる筒状部材であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3にかかる単芯線電線と撚線電線との接続方法は、上記の発明において、前記金属結合工程の後に、前記筒状ジョイント端子を加締める端子加締め工程をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4にかかる単芯線電線と撚線電線との接続方法は、上記の発明において、前記筒状ジョイント端子は、両端部に軸線方向で筒内から筒外に向けて内径が拡大されるようにテーパ状に形成されてなるテーパ部を有してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1にかかる単芯線電線と撚線電線との接続方法は、単芯線が絶縁被覆部によって覆われてなる単芯線電線と、複数の素線が撚り合わされてなる撚線が絶縁被覆部によって覆われてなる撚線電線とを接続させる単芯線電線と撚線電線との接続方法において、筒状部材の一方の端部から軸線方向奥側の所定位置まで前記単芯線の直径に比して僅かに大きい内径の単芯線挿入部が形成され、他方の端部から軸線方向奥側の前記単芯線挿入部まで前記撚線の直径に比して僅かに大きい内径の撚線挿入部が形成されてなる筒状ジョイント端子の各端部の開口から単芯線および撚線を挿入する筒内挿入工程と、前記単芯線の端面と前記撚線の端面とを圧接させつつ、前記単芯線電線を前記撚線の撚り方向に回転させる、あるいは前記撚線電線を撚り方向と逆方向に回転させる、あるいは前記単芯線電線を撚り方向に回転させ、かつ前記撚線電線を撚り方向と逆方向に回転させることによって、前記単芯線の端面と前記撚線の端面とを金属結合させる金属結合工程と、を含むので、前記単芯線と前記撚線とを金属結合させることによって接触抵抗の増加を防止することができる。
【0012】
本発明の請求項2にかかる単芯線電線と撚線電線との接続方法は、前記筒状ジョイント端子が一体的に形成されてなる筒状部材であるので、金属接合部の外周が継ぎ目なく覆われることによって、金属接合部を確実に保護することができる。
【0013】
本発明の請求項3にかかる単芯線電線と撚線電線との接続方法は、前記金属結合工程の後に、前記筒状ジョイント端子を加締める端子加締め工程をさらに含むので、前記筒状ジョイント端子を前記単芯線および前記撚線に強固に固定させることができる。
【0014】
本発明の請求項4にかかる単芯線電線と撚線電線との接続方法は、前記筒状ジョイント端子が軸線方向で筒内から筒外に向けて内径が拡大されるようにテーパ状に形成されてなるテーパ部を有してなるので、前記単芯線および前記撚線を容易に筒内に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る単芯線電線と撚線電線との接続方法によって接続された単芯線電線と撚線電線との接続構造を示した斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した単芯線電線の拡大斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した撚線電線の拡大斜視図である。
【図4】図4は、図1に示した筒状ジョイント端子の拡大斜視図である。
【図5】図5は、図4に示した筒状ジョイント端子の断面図に単芯線電線および撚線電線を仮想配置した図である。
【図6】図6は、本発明の実施例1に係る単芯線電線と撚線電線との接続方法の手順を示した図である。
【図7】図7は、本発明の実施例1に係る単芯線電線と撚線電線との接続方法の手順を示した図である。
【図8】図8は、本発明に係る実施例1の変形例の単芯線電線と撚線電線との接続方法によって接続された単芯線電線と撚線電線との接続構造であり、筒状ジョイント端子が断面で示された図である。
【図9】図9は、本発明の実施例2に係る単芯線電線と撚線電線との接続方法の手順を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る単芯線電線と撚線電線との接続方法の実施の形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の実施例1に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法によって接続された単芯線電線10と撚線電線20との接続構造を示した斜視図である。図2は、図1に示した芯線電線10の拡大斜視図である。図3は、図1に示した撚線電線20の拡大斜視図である。図4は、図1に示した筒状ジョイント端子30の拡大斜視図である。図5は、図4に示した筒状ジョイント端子30の断面図に単芯線電線10および撚線電線20を仮想配置した図である。
本発明の実施例1に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法は、筒状ジョイント端子30の各端部30a,30bの開口30c,30dから単芯線11および撚線21を挿入する筒内挿入工程と、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを圧接させつつ、単芯線電線10を撚線21の撚り方向Rに回転させることによって、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを金属結合させる金属結合工程とを含む方法である。
【0018】
まず、公知の単芯線電線10および撚線電線20について説明する。
単芯線電線10は、図2に示すように、アルミニウム合金等の導体からなる単芯線11が絶縁被覆部12によって覆われてなる電線である。この単芯線電線10は、単芯線電線10の端部10aの絶縁被覆部12が皮剥きされることによって、絶縁被覆部12から単芯線11が露出されている。
なお、この実施例1で用いられる単芯線電線10は、単芯線11の直径d1が撚線21の直径d2に等しい直径dであるものを用いている。
撚線電線20は、アルミニウム合金等の導体からなる複数の素線21aが、図3中の矢印の方向で示すように、所定の撚り方向Rに沿って撚り合わされてなる撚線21が絶縁被覆部22によって覆われてなる電線である。この撚線電線20は、撚線電線20の端部20aの絶縁被覆部22が皮剥きされることによって、絶縁被覆部22から撚線21が露出されている。
【0019】
次に、筒状ジョイント端子30について説明する。
筒状ジョイント端子30は、銅合金等の導体からなり、一体的に形成されてなる筒状部材である。この筒状ジョイント端子30は、図4および図5に示すように、一方の端部30aから軸線C方向奥側の所定位置まで単芯線11の直径d1に比して僅かに大きい内径D1を有してなる単芯線挿入部31が形成され、他方の端部30bから軸線C方向奥側の単芯線挿入部31まで撚線21の直径d2に比して僅かに大きい内径D2を有してなる撚線挿入部32が形成されてなる。
なお、この実施例1では、単芯線11の直径d1と、撚線21の直径d2とが等しい直径dであるので、筒状ジョイント端子30が単芯線11および撚線21の直径dに比して僅かに大きい内径Dを有してなる。すなわち、筒状ジョイント端子30の筒内は軸線C方向に沿って一定の内径Dに形成されている。
【0020】
また、筒状ジョイント端子30の軸線C方向の長さL1は、図5に示すように、露出された単芯線11および撚線21の長さを合わせた長さL2に比して短くなるように設定されている。このため、両端部30a,30bの各開口30c,30dから単芯線11および撚線21を筒内に挿入した場合、筒内で単芯線11と撚線21とが互いの端面11a,21bを当接できるようになっている。しかも、筒状端ジョイント端子30が一体的に形成されてなる筒状部材であるので、金属接合部40の外周が継ぎ目なく覆われることによって、金属接合部40が保護されるようになっている。
【0021】
また、筒状ジョイント端子30は、内径Dが単芯線11および撚線21の直径dに比して大きいので、筒内で単芯線11、あるいは撚線21が軸を中心として回転できるようになっている。しかも、内径Dが単芯線11および撚線21の直径dに比して僅かに大きいので、すなわち、単芯線11および撚線21の直径dに略等しいので、単芯線11および撚線21の径方向での動きが規制されるようになっている。
【0022】
また、筒状ジョイント端子30は、両端部30a,30bに軸線C方向で筒内から筒外に向けて内径が拡大されるようにテーパ状に形成されてなるテーパ部33を有してなる。このようなテーパ部33は、筒状ジョイント端子30の筒内に単芯線11および撚線21を挿入する際のガイド機能を有し、このテーパ部33によって、単芯線11および撚線21が筒内に挿入し易くなっている。
なお、筒状ジョイント端子30は、テーパ部33を有してなるものを例示したが、これに限らず、筒状ジョイント端子30は、テーパ部33が形成されず、筒状ジョイント端子30の両端面まで内径が一定に形成されるようになっていても構わない。
【0023】
ここで、図6および図7を用いて、単芯線電線10と撚線電線21との接続方法の手順について説明する。図6および図7は、本発明の実施例1に係る単芯線電線10と撚線電線21との接続方法の手順を示した図である。
まず、作業者は、単芯線電線10および撚線電線21のそれぞれの端部10a,20aの絶縁被覆部12,22を皮剥ぎし、単芯線11および撚線21を露出させる(図6(a),図7(a)参照)。
【0024】
その後、作業者は、筒状ジョイント端子30の各端部30a,30bの開口30c,30dから筒内に単芯線11および撚線21を挿入する(図6(b),図7(b)参照)。この際、単芯線11および撚線21は、テーパ部33にガイドされながら、滑らかに筒内に挿入される。
【0025】
その後、作業者は、固定冶具T等を用いて筒状ジョイント端子30を固定させた状態で、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを圧接させつつ、不図示の回転装置を用いて単芯線電線10を撚線21の撚り方向Rに回転させることによって、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを金属結合させる(図6(c),図7(c)参照)。
このように、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを圧接させながら回転させることによって、両端面11a,22bが加圧され、かつ摩擦熱によって加熱されるため、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとが金属結合される。
なお、単芯線電線10を回転させる際、撚り方向Rに回転させているので、撚線21が解けてしまうことを防ぐことができる。
また、単芯線電線10を回転させる際、筒状ジョイント端子30が単芯線11および撚線21の径方向での動きを規制する保持部材として機能するようになっている。
【0026】
本発明の実施例1に係る単芯線電線と撚線電線との接続方法は、筒状部材の一方の端部30aから軸線C方向奥側の所定位置まで単芯線11の直径dに比して僅かに大きい内径Dを有してなる単芯線挿入部31が形成され、他方の端部30bから軸線C方向奥側の単芯線挿入部31まで撚線21の直径dに比して僅かに大きい内径Dを有してなる撚線挿入部32が形成されてなる筒状ジョイント端子30の各端部30a,30bの開口30c,30dから単芯線11および撚線21を挿入する筒内挿入工程と、筒状ジョイント端子30を固定させた状態で、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを圧接させつつ、単芯線電線10を撚線21の撚り方向Rに回転させることによって、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを金属結合させる金属結合工程とを含むので、単芯線11と撚線21とを金属結合させることによって接触抵抗の増加を防止することができる。
【0027】
また、本発明の実施例1に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法は、筒状端ジョイント端子30が一体的に形成されてなる筒状部材であるので、金属接合部40の外周が継ぎ目なく覆われることによって、金属接合部40を確実に保護することができる。
【0028】
また、本発明の実施例1に係る単芯線電線と撚線電線との接続方法は、軸線C方向で筒内から筒外に向けて内径が拡大されるようにテーパ状に形成されてなるテーパ部33を有してなるので、単芯線11および撚線21を容易に筒内に挿入することができる。
【0029】
(変形例)
次に、図8を用いて本発明の実施例1に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法の変形例について説明する。図8は、本発明に係る実施例1の変形例の単芯線電線10と撚線電線20との接続方法によって接続された単芯線電線10と撚線電線20との接続構造であり、筒状ジョイント端子30が断面で示された図である。
なお、実施例と同一構成部分には同一符号を付している。
【0030】
この変形例の単芯線電線10と撚線電線20との接続方法は、単芯線11の直径d1が撚線21の直径d2に比して大きい点で実施例1の単芯線電線と撚線電線との接続方法と異なる。
【0031】
筒状ジョイント端子30は、単芯線挿入部31が筒状部材の一方の端部30aから軸線C方向奥側の所定位置まで単芯線11の直径d1に比して僅かに大きい内径D1を有してなり、撚線挿入部32が他方の端部30bから軸線C方向奥側の単芯線挿入部31まで撚線21の直径d2に比して僅かに大きい内径D2を有してなる。
なお、この変形例の筒状ジョイント端子30の筒内に、単芯線11および撚線21が挿入される場合、撚線21の端面21bが単芯線挿入部31内に位置されるようになっている。
この変形例に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法は、実施例1の単芯線電線10と撚線電線20との接続方法と同様な効果を奏する。
【0032】
なお、この変形例の単芯線電線10と撚線電線20との接続方法では、単芯線11の直径d1が撚線21の直径d2に比して大きいものを例示したが、これに限らない。すなわち、撚線21の直径d2が単芯線11の直径d1に比して大きいものであってもよい。この場合、この変形例と同様にして筒状ジョイント端子30の内径D1,D2が単芯線11および撚線21の直径d1,d2に応じて設定される。
【実施例2】
【0033】
次に、図9を用いて本発明の実施例2に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法について説明する。図9は、本発明の実施例2に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法の手順を示した図である。
なお、実施例1と同一構成部分には同一符号を付している。
また、実施例2の単芯線電線10と撚線電線20の接続方法は、単芯線電線10および撚線電線20のそれぞれの端部10a,20aの絶縁被覆部12,22を皮剥ぎしてから単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを金属結合させるまでの工程(図9(a)−図9(c))は実施例1と同様であるためその説明を省略する。
【0034】
本発明の実施例2に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法は、単芯線11の端面11aと撚線21の端面21bとを金属結合させた後に、不図示の加締め冶具によって筒状ジョイント端子30を加締めるようにしている(図9(d)参照)。
本発明の実施例2に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法は、実施例1の単芯線電線10と撚線電線20との接続方法と同様な効果を奏するとともに、筒状ジョイント端子30を単芯線11および撚線21に強固に固定させることができる。
【0035】
なお、本発明の実施例2に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法は、筒状ジョイント端子30が実施例1と同様に一体的に形成されてなる筒状部材であるものを例示したが、筒状ジョイント端子30は、筒状であればよく、加締め易いように切り込み等が形成されても構わない。
【0036】
なお、本発明の実施例1,2に係る単芯線電線10と撚線電線20との接続方法では、単芯線電線10が撚り方向Rに回転されるものを例示したが、これに限らない。すなわち、撚線電線20を撚り方向Rと逆方向に回転させる、あるいは単芯線電線10を撚り方向Rに回転させ、かつ撚線電線20を撚り方向Rと逆方向に回転させるようにしてもよい。
【0037】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0038】
10 単芯線電線
10a 端部
11 単芯線
11a 端面
12 絶縁被覆部
20 撚線電線
20a 端部
21 撚線
21a 素線
22b 端面
22 絶縁被覆部
30 筒状ジョイント端子
30a、30b 端部
30c、30d 開口
31 単芯線挿入部
32 撚線挿入部
33 テーパ部
40 金属接合部
C 軸線
d、d1、d2 直径
D、D1、D2 内径
R 撚り方向
L1、L2 長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単芯線が絶縁被覆部によって覆われてなる単芯線電線と、複数の素線が撚り合わされてなる撚線が絶縁被覆部によって覆われてなる撚線電線とを接続させる単芯線電線と撚線電線との接続方法において、
筒状部材の一方の端部から軸線方向奥側の所定位置まで前記単芯線の直径に比して僅かに大きい内径の単芯線挿入部が形成され、他方の端部から軸線方向奥側の前記単芯線挿入部まで前記撚線の直径に比して僅かに大きい内径の撚線挿入部が形成されてなる筒状ジョイント端子の各端部の開口から単芯線および撚線を挿入する筒内挿入工程と、
前記単芯線の端面と前記撚線の端面とを圧接させつつ、前記単芯線電線を前記撚線の撚り方向に回転させる、あるいは前記撚線電線を撚り方向と逆方向に回転させる、あるいは前記単芯線電線を撚り方向に回転させ、かつ前記撚線電線を撚り方向と逆方向に回転させることによって、前記単芯線の端面と前記撚線の端面とを金属結合させる金属結合工程と、
を含むことを特徴とする単芯線電線と撚線電線との接続方法。
【請求項2】
前記筒状ジョイント端子は、
一体的に形成されてなる筒状部材であることを特徴とする請求項1に記載の単芯線電線と撚線電線との接続方法。
【請求項3】
前記金属結合工程の後に、前記筒状ジョイント端子を加締める端子加締め工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の単芯線電線と撚線電線との接続方法。
【請求項4】
前記筒状ジョイント端子は、
両端部に軸線方向で筒内から筒外に向けて内径が拡大されるようにテーパ状に形成されてなるテーパ部を有してなることを特徴とする請求項1、2または3に記載の単芯線電線と撚線電線との接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−69623(P2013−69623A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208930(P2011−208930)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】