説明

印刷処理システム、画像形成装置、サーバ装置、印刷処理プログラム、及び印刷処理方法

【課題】携帯端末を含むクライアント端末に対して、印刷前に印刷画像を高速にプレビュー表示することができる印刷処理システムを提供する。
【解決手段】画像形成装置3は、クライアント端末2から印刷ジョブを受信する受信部11と、印刷データから印刷画像を生成する画像生成部12と、印刷画像を印刷する印刷実行部13と、サーバ装置4に印刷画像を送信するデータ送信部14と、プレビュー情報が含まれる場合は、サーバ装置4に印刷画像と、印刷ジョブを送信したクライアント端末2の識別情報とを送信することを指示し、一方、プレビュー情報が含まれない場合は印刷画像を印刷することを印刷実行部13に指示するプレビュー制御部16と、を備える。また、サーバ装置4は、印刷画像からプレビュー用データを生成するプレビュー生成部17と、クライアント端末2に、プレビュー用データの位置情報を送信するプレビュー送信部18と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を含むクライアント端末に対してプレビュー標示を高速に行うことができる印刷処理システム、画像形成装置、サーバ装置、印刷処理プログラム、及び印刷処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアント端末から送信された印刷ジョブ内のデータから印刷画像を生成し、これを印刷する複合機やプリンタなどの画像形成装置にあっては、印刷前に印刷画像をクライアント端末上にプレビュー標示させ、印刷結果を確認してから印刷するかどうかを決定したり、印刷条件を変更したりすることができるものが知られている。例えば特許文献1の画像形成装置においては、画像形成装置が印刷データを解析して印刷画像を生成し、この印刷画像のデータをネットワーク経由でクライアント端末に直接送信して、印刷前に表示させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の画像形成装置にあっては、プレビュー用の画像を直接クライアント端末に送信するため、スマートフォンなどの携帯端末から印刷指示を出すような場合においては、ネットワーク回線の速度が遅いため、高速にプレビュー表示を行うことができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、携帯端末を含むクライアント端末に対して、印刷前に印刷画像を高速にプレビュー表示することができる印刷処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像形成装置と、サーバ装置とを含む印刷処理システムであって、前記画像形成装置は、携帯端末を含むクライアント端末から印刷ジョブを、ネットワークを通じて受信する受信部と、前記印刷ジョブに含まれる印刷データから印刷画像を生成する画像生成部と、前記印刷画像を印刷する印刷実行部と、前記サーバ装置に前記印刷画像を送信するデータ送信部と、前記印刷ジョブにプレビューを指示するプレビュー情報が含まれるか否かを判断し、前記プレビュー情報が含まれる場合は、前記サーバ装置に前記印刷画像と、前記印刷ジョブを送信した前記クライアント端末の識別情報とを送信することを前記データ送信部へ指示し、一方、前記プレビュー情報が含まれない場合は前記印刷画像を印刷することを前記印刷実行部に指示するプレビュー制御部と、を備え、前記サーバ装置は、前記データ送信部より送信された前記印刷画像からプレビュー用データを生成するプレビュー生成部と、前記データ送信部より送信された前記識別情報の前記クライアント端末に、前記プレビュー用データの位置情報を送信するプレビュー送信部とを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、携帯端末を含むクライアント端末に対して、印刷前に印刷画像を高速にプレビュー表示することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、印刷処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、印刷時のデータフローを示す概略図である。
【図4】図4は、印刷時のデータフローを示す概略図である。
【図5】図5は、クライアント端末における印刷処理の流れを示すフロー図である。
【図6】図6は、画像形成装置における印刷処理の流れを示すフロー図である。
【図7】図7は、サーバ装置におけるプレビュー処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、印刷処理システムの実施の形態を詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる印刷処理システムの構成例を示すブロック図である。印刷処理システム1は、携帯端末などを含むクライアント端末2と、画像形成装置3と、サーバ装置4と、を含んでいる。
【0009】
クライアント端末2には、画像形成装置3やサーバ装置4に対して印刷に関する指令やデータを通信するためのプリンタドライブがインストールされている。なお、スマートフォンなどのクライアント端末の場合は、アプリの形式でインストールされていてもよい。
【0010】
画像形成装置3は、受信部11と、画像生成部12と、印刷実行部13と、データ送信部14と、第1記憶部15と、プレビュー制御部16とを備えている。画像形成装置3とクライアント端末2とは通信ネットワーク5を通じて互いに接続されている。なお、携帯端末の場合は、通信ネットワーク5としては、有線回線ではなく、Wi−Fiなどのワイヤレス回線、携帯電話回線などの無線回線が利用される。また、画像形成装置3とサーバ装置4とも通信ネットワーク6を通じて互いに接続されている。この回線はLANケーブルなどの有線回線を通じたものであっても、無線回線を通じたものであってもよい。また、クライアント端末2とサーバ装置4は、通信ネットワーク7を通じて互いに接続されている。クライアント端末2が携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末である場合、通信ネットワーク6は、通信ネットワーク5よりも高速な回線となっている。
【0011】
受信部11は、クライアント端末2やサーバ装置4から送信されたデータや印刷指令(印刷ジョブ)を受信する。また、これらのデータ等には、画像形成装置3の制御コマンドが含まれており、この制御コマンドの解析も受信部11が行う。制御コマンドは、例えばPJL(Printer Job Language)により記述されている。制御コマンドには、印刷前にクライアント端末に印刷状態を利用者が確認するためのプレビュー用データを表示する指令となるプレビュー指示コード(プレビュー情報)を含んでいる。例えば、プレビュー指示コードはPFLGとして定義されており、PFLG=1であれば、プレビューが実施され、PFLG=0であればプレビューは実施されずに印刷が行われる。
【0012】
画像生成部12は、送られてきた印刷データから印刷用のビットマップデータに変換された印刷画像を生成する。なお、印刷画像はビットマップデータ以外に、JPEGやPNG、GIFなどのフォーマットで生成されても良い。画像生成部12は、この印刷画像の生成にあたっては、印刷ジョブに含まれる印刷条件を解析して、これを反映する。画像生成部12は、印刷画像を生成するとこれと対応する画像識別IDを作成し、対応付けて第1記憶部15に保存する。
【0013】
印刷実行部13は、画像生成部12によって生成された印刷画像を印刷する制御を行う。具体的には、印刷実行部13は、所定の給紙トレイから印刷を画像定着部へと送り、用紙に印刷画像の潜像を転写した後に、加熱ローラによって潜像を定着させる制御を行う。
【0014】
データ送信部14は、画像生成部12によって生成された印刷画像などをサーバ装置4へと送信する。第1記憶部15は、画像形成装置3において生成された印刷画像や、画像識別IDなど印刷に必要なデータを記憶する。
【0015】
プレビュー制御部16は、プレビュー指示コードPFLGの値を解析し、プレビューに必要な処理を行う。ここで、「プレビュー」とは、印刷前にその印刷結果を事前に利用者が確認可能なようにクライアント端末2などに表示させることをさす。プレビュー指示コード=1、すなわちプレビューを実施する場合には、印刷画像と印刷ジョブを送信したクライアント端末の識別情報と、画像識別IDとをサーバ装置4へと送信するようデータ送信部14に指示を出す。なお、クライアント端末の識別情報としては、クライアント端末を特定できる情報であればよく、例えば端末のIDや、MACアドレス、IPアドレスなどの位置情報、メールアドレスなどが利用可能である。これらの識別情報は、クライアント端末2から印刷ジョブが送信される際に、印刷ジョブに含まれて送信されるようにしてもよい。また、メールアドレスなどは利用者のIDと対応付けられたアドレス帳の形式で記憶されていてもよい。
【0016】
サーバ装置4は、プレビュー生成部17と、プレビュー送信部18と、第2記憶部19と、印刷送信部20とを備えている。サーバ装置4は、プレビュー用データを生成して、クライアント端末2へと送信するための専用サーバとして設けられている。したがって、サーバ装置4は、画像形成装置3と比較してより高速な処理が可能となっている。プレビュー生成部17は、画像形成装置3から送信された印刷画像を埋め込んだプレビュー用データを生成する。プレビュー用データは例えばHTMLなどによって記載されており、そのHTMLデータのURLを通じてアクセス可能となっている。なお、クライアント端末2から容易、かつ高速にアクセスできるプロトコルであれば他の形式でプレビュー用データを作成することも出来る。
【0017】
プレビュー送信部18は、プレビュー生成部17によって生成されたプレビュー用データのURLをクライアント端末2へと送信する。この送信の際には、クライアント端末2の位置の特定のためには、画像形成装置3から送信されたクライアント端末2の識別情報が用いられる。
【0018】
第2記憶部19は、画像形成装置3から送信された画像識別IDと印刷画像とを対応付けて記憶する。印刷送信部20は、第2記憶部19に記憶された画像識別IDを画像形成装置3へと送信する。
【0019】
図2は、画像形成装置3のハードウェア構成を示したハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、画像形成装置3は、コントローラ21とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ21は、画像形成装置3全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0020】
コントローラ21は、CPU22と、ノースブリッジ(NB)24と、システムメモリ(MEM−P)23と、サウスブリッジ(SB)25と、ローカルメモリ(MEM−C)28と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)27と、ハードディスクドライブ(HDD)29とを有し、ノースブリッジ(NB)24とASIC27との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス26で接続した構成となる。また、MEM−P23は、ROM(Read Only Memory)23aと、RAM(Random Access Memory)23bと、をさらに有する。
【0021】
CPU22は、画像形成装置3の全体制御をおこなうものであり、NB24、MEM−P23およびSB25からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0022】
NB24は、CPU22とMEM−P23、SB25、AGP26とを接続するためのブリッジであり、MEM−P23に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0023】
MEM−P23は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM23aとRAM23bとからなる。ROM23aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM23bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0024】
SB25は、NB24とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB25は、PCIバスを介してNB24と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0025】
ASIC27は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP26、PCIバス、HDD29およびMEM−C28をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC27は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC27の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C28を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC27には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部31はASIC27に直接接続されている。
【0026】
MEM−C28は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)29は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0027】
AGP26は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P23に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0028】
図3、及び図4はクライアント端末2と、画像形成装置3と、サーバ装置4との間でのデータの送受信について示した概略図である。図3は、クライアント端末2からの印刷ジョブをプレビュー要求とともに送信した際のデータの流れである。
【0029】
図3に示されるように、まずクライアント端末2から画像形成装置3に対してプレビュー要求としてプレビュー指示コードPFLG(値は「1」に設定)と、印刷データが送信される。このとき、画像形成装置3は、クライアント端末2のIPアドレスも取得する。画像形成装置3は、この印刷データから画像生成部12によって生成された印刷画像を画像識別IDと対応付けて記憶する。そして、画像形成装置3は、印刷画像、画像識別ID、及びIPアドレスをサーバ装置4へと送信する。サーバ装置4は、これらのデータを受信すると、プレビュー用データを生成し、プレビュー用データのURLをクライアント端末2へと送信する。クライアント端末2は、このURLにWEBブラウザ等を通じてアクセスし、プレビュー用データを表示する。
【0030】
図4はクライアント端末2にてプレビュー表示がされた後に印刷指示がクライアント端末2より送られたときの処理を示している。図4に示されるように、印刷状態に問題がないことが利用者によって確認され、プレビュー表示画面から印刷を実行する指令が送信されると、この印刷指令は画像形成装置3ではなくサーバ装置4に対して送信される。サーバ装置4は、クライアント端末2から印刷指示を受信すると、その印刷画像の画像識別IDを取得して、この画像識別IDとともに印刷指令を画像形成装置3へと送信する。画像形成装置3は、受信した画像識別IDを用いて第1記憶部15に記憶された対応する印刷画像を取得し、印刷する。
【0031】
図5は、クライアント端末2において印刷指令がなされたときの処理の流れを示したフロー図である。クライアント端末2は、ユーザからプレビュー要求がなされたか否かを判断する(ステップS101)。プレビュー要求は、クライアント端末2にインストールされたプリンタドライバ等が提供するユーザインタフェースを通じて出される。プレビュー要求があった場合(ステップS101:Yes)、プレビュー指示コードPFLG=1をセットし、制御コマンドとして印刷データに付加する(ステップS102)。プレビュー要求がなされていない場合(ステップS101:Yes)、ステップS102の処理は行われない。そして、クライアント端末2は、印刷データを画像形成装置3へと送信し、処理を完了する(ステップS103)。
【0032】
図6は、画像形成装置3において印刷指令を受信したときの処理の流れを示すフロー図である。本処理は、画像形成装置3において印刷指令を受信したときにスタートする。図6に示されるように、受信部11は、印刷データを受信して解析する(ステップS201)。
【0033】
解析においては、まず受信部11において画像識別IDが含まれているか否かを判断する(ステップS202)。画像識別IDが含まれている場合は、その印刷データはサーバ装置4からプレビュー後に再度送信されたものであることがわかるため、既に生成された保存されている印刷画像が再利用される。画像識別IDが指定されている場合(ステップS202:Yes)、印刷実行部13は、指定された画像識別IDに対応する印刷画像が第1記憶部15に保存されているか否かを判断する(ステップS203)。
【0034】
画像識別IDに対応する印刷画像が第1記憶部15に保存されている場合(ステップS203:Yes)、印刷実行部13は、指定された画像識別IDに対応する印刷画像を読み出して印刷し、処理を終了する(ステップS204)。画像識別IDに対応する印刷画像が第1記憶部15に保存されていない場合(ステップS203:No)、印刷は行わずに処理を終了する。
【0035】
画像識別IDが指定されていない場合(ステップS202:No)、受信した印刷データはクライアント端末2から送信されたものであり、まだ印刷画像が生成されていないものであることから、受信部11は、制御コマンド内にプレビュー表示を行う制御コマンドが設定されているかどうかを判断する(ステップS205)。
【0036】
プレビュー表示を行う制御コマンドが設定されている、すなわちプレビュー指示コードPFLG=1の場合(ステップS205:Yes)、画像生成部12は印刷データからビットマップデータの印刷画像を生成し、これに対応する画像識別IDを割り当てる(ステップS206)。
【0037】
次いで、プレビュー制御部16は、画像生成部12が生成した印刷画像、画像識別ID、及びクライアント端末2のIPアドレスをサーバ装置4へと送信する指示をデータ送信部14へ出す(ステップS207)。そして、画像生成部12は、生成した印刷画像と画像識別IDとを対応付けて第1記憶部15に保存する(ステップS208)。
【0038】
一方、プレビュー標示を行う制御コマンドが設定されていない、すなわちプレビュー指示コードPFLG=0の場合(ステップS205:No)、プレビュー制御部16は、印刷実行部13に対して印刷画像を印刷するよう指示する(ステップS209)。
【0039】
図7は、サーバ装置4において、印刷画像を画像形成装置3から受信したときの流れを示すフロー図である。サーバ装置4は、データ送信部14によって送信された印刷画像を受信する(ステップS401)。続いて、プレビュー生成部17は、印刷画像を埋め込んだHTMLデータであるプレビュー用データを生成する(ステップS402)。そして、プレビュー送信部18は、生成されたプレビュー用データのURL情報をクライアント端末2へと送信する(ステップS403)。
【0040】
以上に示した、本実施形態の印刷処理システムによれば、印刷前のプレビュー用データをサーバ装置4において生成し、クライアント端末2にプレビュー用データを直接送るのではなく、プレビュー用データへとアクセス可能な位置情報を送ることとしたため、携帯端末などの回線速度が遅い端末によって印刷指示がなされた場合であっても、プレビュー表示を高速に行うことができるようになる。
【0041】
また、サーバ装置4は画像形成装置3と比較してより高速な処理が可能であり、プレビュー用データの生成をサーバ装置4において行うこととしたため、画像形成装置3が低性能なものであってもプレビュー表示を高速に行うことができる。
【0042】
さらには、プレビュー表示を行った後に印刷指令が出された場合においては、再び印刷画像を生成するのではなく、印刷画像と対応付けられた画像識別IDを取得し、この画像識別IDを用いて保存された印刷画像を検索して印刷することとしたため、印刷処理にかかる負荷を抑制することができるようになる。
【0043】
なお、本実施の形態の印刷処理システムで実行される印刷処理、及びプレビュー処理のプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の印刷処理システムで実行される印刷処理、及びプレビュー処理のプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供するように構成してもよい。
【0044】
さらに、本実施の形態の印刷処理システムで実行される印刷処理、及びプレビュー処理のプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の印刷処理システムで実行される印刷処理、及びプレビュー処理のプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0045】
本実施の形態の印刷処理システムで実行される印刷処理、及びプレビュー処理のプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから印刷処理、及びプレビュー処理のプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0046】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明したが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 印刷処理システム
2 クライアント端末
3 画像形成装置
4 サーバ装置
5 通信ネットワーク
6 通信ネットワーク
7 通信ネットワーク
11 受信部
12 画像生成部
13 印刷実行部
14 データ送信部
15 第1記憶部
16 プレビュー制御部
17 プレビュー生成部
18 プレビュー送信部
19 第2記憶部
20 印刷送信部
21 コントローラ
26 バス
50 インターフェース
60 エンジン部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開平09−207393号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、サーバ装置とを含む印刷処理システムであって、
前記画像形成装置は、
携帯端末を含むクライアント端末から印刷ジョブを、ネットワークを通じて受信する受信部と、
前記印刷ジョブに含まれる印刷データから印刷画像を生成する画像生成部と、
前記印刷画像を印刷する印刷実行部と、
前記サーバ装置に前記印刷画像を送信するデータ送信部と、
前記印刷ジョブにプレビューを指示するプレビュー情報が含まれるか否かを判断し、前記プレビュー情報が含まれる場合は、前記サーバ装置に前記印刷画像と、前記印刷ジョブを送信した前記クライアント端末の識別情報とを送信することを前記データ送信部へ指示し、一方、前記プレビュー情報が含まれない場合は前記印刷画像を印刷することを前記印刷実行部に指示するプレビュー制御部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記データ送信部より送信された前記印刷画像からプレビュー用データを生成するプレビュー生成部と、
前記データ送信部より送信された前記識別情報の前記クライアント端末に、前記プレビュー用データの位置情報を送信するプレビュー送信部と、
を備えることを特徴とする印刷処理システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記印刷画像と当該印刷画像と対応付けられた画像識別IDとを対応付けて記憶する第1画像記憶部をさらに備え、
前記画像生成部は、前記印刷画像を生成する際に前記画像識別IDを生成して前記印刷画像と対応付けて前記第1画像記憶部に記憶し、
前記プレビュー制御部は、前記プレビュー情報が含まれる場合は、前記画像識別IDを前記サーバ装置に送信することを前記データ送信部へ指示し、
前記サーバ装置は、
送信された前記画像識別IDと前記印刷画像とを対応付けて記憶する第2画像記憶部と、
前記クライアント端末から前記プレビュー用データに含まれる前記印刷画像に対する前記印刷ジョブを受信した際に、前記第2画像記憶部に記憶された前記画像識別IDを前記画像形成装置に送信する印刷送信部と、
を更に備え、
前記印刷実行部は、前記画像識別IDと対応する前記印刷画像を前記第1画像記憶部から取得して、印刷する
ことを特徴とする印刷処理システム。
【請求項3】
携帯端末を含むクライアント端末から印刷ジョブを、ネットワークを通じて受信する受信部と、
前記印刷ジョブに含まれる印刷データから印刷画像を生成する画像生成部と、
前記印刷画像を印刷する印刷実行部と、
サーバ装置に前記印刷画像を送信するデータ送信部と、
前記印刷ジョブにプレビューを指示するプレビュー情報が含まれるか否かを判断し、前記プレビュー情報が含まれる場合は、前記サーバ装置に前記印刷画像と、前記印刷ジョブを送信した前記クライアント端末の識別情報とを送信することを前記データ送信部へ指示し、一方、前記プレビュー情報が含まれない場合は前記印刷画像を印刷することを前記印刷実行部に指示するプレビュー制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項4】
画像形性装置から印刷画像と、クライアント端末の識別情報とを受信する受信部と、
前記画像形成装置より送信された印刷画像からプレビュー用データを生成するプレビュー生成部と、
前記画像形成装置より送信された前記識別情報の前記クライアント端末に、前記プレビュー用データの位置情報を送信するプレビュー送信部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
携帯端末を含むクライアント端末から印刷ジョブを、ネットワークを通じて受信するステップと、
前記印刷ジョブに含まれる印刷データから印刷画像を生成する画像生成ステップと、
サーバ装置に前記印刷画像を送信するデータ送信ステップと、
前記印刷ジョブにプレビューを指示するプレビュー情報が含まれるか否かを判断し、前記プレビュー情報が含まれる場合は、前記印刷画像と、前記印刷ジョブを送信した前記クライアント端末の識別情報とを送信するプレビュー指示ステップと、
前記印刷ジョブにプレビューを指示するプレビュー情報が含まれるか否かを判断し、前記プレビュー情報が含まれない場合は前記印刷画像を印刷する印刷指示ステップと、
を画像形成装置に実行させるとともに、
前記印刷画像からプレビュー用データを生成するプレビュー生成ステップと、
前記画像形成装置より送信された前記識別情報の前記クライアント端末に、前記プレビュー用データの位置情報を送信するプレビュー送信ステップと、
をサーバ装置に実行させる印刷処理プログラム。
【請求項6】
画像形成装置は、
携帯端末を含むクライアント端末から印刷ジョブを、ネットワークを通じて受信するステップと、
前記印刷ジョブに含まれる印刷データから印刷画像を生成する画像生成ステップと、
サーバ装置に前記印刷画像を送信するデータ送信ステップと、
前記印刷ジョブにプレビューを指示するプレビュー情報が含まれるか否かを判断し、前記プレビュー情報が含まれる場合は、前記印刷画像と、前記印刷ジョブを送信した前記クライアント端末の識別情報とを送信するプレビュー指示ステップと、
前記印刷ジョブにプレビューを指示するプレビュー情報が含まれるか否かを判断し、前記プレビュー情報が含まれない場合は前記印刷画像を印刷する印刷指示ステップと、
を実行するとともに、
サーバ装置は、
前記印刷画像からプレビュー用データを生成するプレビュー生成ステップと、
前記画像形成装置より送信された前記識別情報の前記クライアント端末に、前記プレビュー用データの位置情報を送信するプレビュー送信ステップと、
を実行する印刷処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−109737(P2013−109737A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256672(P2011−256672)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】