説明

印刷制御装置、印刷システム、印刷制御方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】 トナーや紙の使用量を抑制することができる装置や方法を提供する。
【解決手段】 この装置は、印刷ジョブを処理する画像形成装置を制御するための印刷制御装置である。この装置は、トナーや紙の使用量に影響を与える印刷設定の設定内容をトナーや紙の残量に応じて判断させるための要素制御条件をユーザ識別情報と対応付けて格納する条件格納部31と、画像形成装置から印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報とトナーや紙の残量情報を取得する情報取得部32と、取得したユーザ識別情報に基づき条件格納部31から要素制御条件を読み出し、その残量情報と読み出した要素制御条件とから印刷設定の設定内容を決定する内容決定部33と、その設定内容を画像形成装置へ送信し、印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を更新させる内容送信部34とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ等の画像形成装置からトナー残量や紙残量といった要素情報を取得し、その要素情報とその要素に関して予め設定された要素制御条件とから、印刷ジョブに含まれる印刷設定情報を自動で変更することを可能にする印刷制御装置、その印刷制御装置を含む印刷システム、印刷制御装置により実行される印刷制御方法、その方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク環境の整備に伴い、一つの事業所や支店等においても、複数のプリンタやMFP(Multi Function Peripheral)が導入され使用されている。近年、地球温暖化という環境問題から、温室ガスの排出量を削減するために省エネ機器が導入され、また、ゴミ排出量を削減し、資源の有効活用のために用紙削減やトナー使用量の削減が行われている。
【0003】
これらのことは、数多くのプリンタやMFPを抱える事業所等の事業主やその管理者が、それらプリンタやMFPを利用する全ての者に対し、紙利用をセーブし、トナー利用をセーブするように忠告することにより行われているが、それを徹底させることは困難である。社外に提出する資料等において、それらの利用をセーブすることから除外したい場合があるからである。
【0004】
PC等からプリンタに対し印刷データを送信して印刷指示する場合、そのプリンタを制御するためのプリンタドライバをPC等にインストールする必要がある。プリンタドライバは、PC等で作成された文書等を印刷データへ変換し、その印刷データをそのプリンタへ送信する。
【0005】
プリンタドライバの機能として、例えば、プリンタの機器情報を印刷実行開始前に取得し、印刷方法の変更を促す機能が知られている。また、プリンタにおいて、トナー残量があるレベルに達すると、エコモード印刷を促すメッセージを案内画面に表示する技術も知られている(特許文献1参照)。
【0006】
これらの技術は、トナー使用量の削減を可能にするものの、ユーザに対し、変更を促すものであるため、ユーザが設定変更しなければならず、負担であった。
【0007】
そこで、ユーザの負担を軽減するべく、自動的に設定変更する技術が提案されている(特許文献2参照)。この技術では、紙残量検知部からの検知出力を受けて用紙が所定量にまで減ったことを判断したとき、制御部が、両面印刷すべく用紙反転部に指令出力する構成としている。
【0008】
また、用紙残量が所定量にまで減ったとき、データの縮小展開、再配置を行い、1枚の用紙に数ページ分の印刷を可能にし、また、その用紙より大サイズの用紙に数ページ分の印刷を行うように複数の給紙トレイから大サイズ紙を選択することも可能にされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の技術では、印刷実行前に設定の変更を促すことは可能であるが、すでに実行中の印刷ジョブには適用されない。また、用紙残量が少なくなった際に自動的に両面印刷に切り替わる機能では、その機器を利用する全てのユーザに対し有効になってしまうという問題があった。これでは、様々なタイプのユーザに対して、それらのユーザが意図したような印刷を行わせるのは困難である。
【0010】
そこで、事業主や管理者が容易に設定を行うことができ、ユーザが意図した印刷を行うことを可能にするとともに、多くのユーザが意識することなく、トナー消費を抑制し、紙使用を抑制することができる装置および方法の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題に鑑み、印刷ジョブを処理する画像形成装置から、その印刷ジョブを画像形成装置に対し送信したユーザのユーザ名とトナー残量や紙残量といった要素情報とを取得し、その要素情報とユーザ名に対応して予め設定されたトナーや紙といった要素の使用量に影響を与える各設定項目につき設定された制御条件とから、それらの要素の各設定項目の設定内容を決定し、その設定内容を画像形成装置へ返信して、その印刷ジョブに含まれる印刷設定情報を更新させる印刷制御装置を設ける。
【0012】
このように、現状のトナー残量や紙残量とユーザ名に対応した制御条件とからトナーセーブや両面印刷等をするか否かを判断して、印刷ジョブに含まれる印刷設定情報を更新させるので、ユーザが意図した印刷を行うことを可能にするとともに、ユーザが意識することなく、トナー消費を抑制し、紙使用を抑制することができる。その結果、維持管理総経費TCO(Total Cost of Ownership)を抑えることができ、省資源化による温暖化ガス排出量の減少に貢献することができる。また、事業主や管理者は、ユーザが所望する設定条件を登録するのみであるため、容易に設定を行うことができる。
【0013】
したがって、上記課題は、本発明の印刷制御装置を提供することにより解決することができ、この印刷制御装置は、具体的に以下の各部を備える構成とされる。
【0014】
すなわち、印刷制御装置は、印刷ジョブを処理する画像形成装置の使用により変動する要素の使用量に影響を与える印刷設定の設定内容を当該要素の要素情報に応じて判断させるための要素制御条件をユーザ識別情報と対応付けて格納する条件格納部と、画像形成装置から印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報と要素情報とを取得する情報取得部と、取得したユーザ識別情報に基づき条件格納部から要素制御条件を読み出し、要素情報と読み出した要素制御条件とから、その要素の印刷設定の設定内容を決定する内容決定部と、決定された設定内容を画像形成装置へ送信し、印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を更新させる内容送信部とを含む。
【0015】
また、この装置は、ユーザ識別情報に対応付けて要素の1つである紙の上限枚数と使用枚数とを格納する紙情報格納部と、上限枚数と使用枚数とから紙使用割合を算出し、紙使用割合が閾値を超えるか否かを判断する紙使用割合判断部と、閾値を超える場合に、内容決定部により決定された設定内容を、紙の使用が少なくなるように変更する内容変更部とをさらに含むことができる。紙使用量が多いユーザに対し、両面印刷や集約印刷等の紙使用量を少なくする設定内容に強制的に変更することで、トナー消費量や紙使用量を抑制することができる。
【0016】
この装置は、さらに、内容変更部による設定内容の変更前に、変更する旨のメッセージを画像形成装置へ送信し、当該画像形成装置の表示部に表示させる変更通知部を含むことができる。これにより、ユーザは、印刷出力される前に、設定内容が変更されることを知ることができる。
【0017】
条件格納部は、室内が消灯されたか否かにより印刷不能にさせるか否かを判断させるための照明制御条件をさらに格納することができ、情報取得部は、室内電源を管理する電源管理装置から、照明装置への通電情報を取得することができる。内容決定部は、通電情報から消灯されたことを検知すると、照明制御条件に基づき印刷不能にさせる指示を内容送信部へ送り、その指示を内容送信部が画像形成装置へ送信する。これにより、すべての社員が帰宅してから翌朝一人の社員が出社するまでの間、印刷できないようにすることができる。
【0018】
条件格納部は、時間帯に応じて画像形成装置が使用可能であるか否かを判断させるための時間帯制御条件をさらに格納することができ、情報取得部は、印刷制御装置が備える時計機能または時計機能を備える外部装置から時刻情報を取得することができる。この場合、内容決定部は、時刻情報から使用可能な時間帯であるかを判断し、使用可能な時間帯である場合は設定内容を決定し、それを内容送信部へ送り、内容送信部は、その設定内容を画像形成装置へ送信する。一方、使用不能な時間帯である場合は、時間帯制御条件に基づき印刷を実行させない指示を内容送信部へ送り、その指示を内容送信部が画像形成装置へ送信する。これにより、使用可能な時間帯にのみ印刷することができ、印刷の渋滞を回避することができる。
【0019】
印刷制御装置は、印刷ジョブに設定内容を更新しないことを表す指定された情報が含まれるか否かを判断し、その情報が含まれる場合に、内容決定部に対し印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を変更しないように指示する情報判断部をさらに含むことができる。これにより、印刷ジョブが社外配布用の印刷等である場合、そのユーザに対して設定された要素制御条件を無視し、ユーザが設定したトナー消費量が多い高品質等の制御条件で印刷を行うことができる。
【0020】
また、印刷制御装置は、ユーザ識別情報と要素制御条件の変更内容とを受け付け、条件格納部に格納されているユーザ識別情報が対応付けられた要素制御条件を、変更内容を基に変更する条件変更部をさらに含むことができる。これにより、ユーザは、トナー消費量を抑制するために、例えば強制的にモノクロ印刷するように設定することが可能となる。
【0021】
本発明では、上記の印刷制御装置に加え、この印刷制御装置と画像形成装置とを含む印刷システムを提供することもできる。
【0022】
画像形成装置が複数のユーザにより共用されるものである場合、セキュリティの観点から、ユーザ識別情報の入力を受け付け、予め登録されたユーザ識別情報と一致するか否かを判断してユーザ認証を行う認証部をさらに含むことができる。
【0023】
この認証部は、ユーザ識別情報が記録されたICカードと、ユーザ識別情報を読み取るカードリーダとを含むことができ、印刷制御装置あるいは画像形成装置にこの認証部を備えていてもよいし、別途設けられる認証サーバを利用することもできる。
【0024】
画像形成装置は、印刷ジョブを受け付けてから所定時間が経過した後に当該印刷ジョブを削除するジョブ削除部を含むことができる。これにより、印刷を実行すべき印刷ジョブが少なくなり、トナー消費量や紙使用量を抑制することができる。
【0025】
また、画像形成装置は、印刷制御装置により決定された設定内容を、ユーザ識別情報と要素情報とを印刷制御装置へ送信してから指定時間内に受信していないことに応答して、エラー通知を提示するエラー提示部を含むことができる。これにより、ユーザは、印刷制御装置から画像形成装置へ設定内容を送信していないことを知ることができる。
【0026】
本発明では、印刷制御装置および印刷システムのほか、印刷制御装置および印刷システムで行われる処理を処理ステップとして含む印刷制御方法も提供することができる。また、この方法は、印刷制御装置および印刷システムを構成する各部により行われる各処理ステップを含むが、これらの処理ステップは、コンピュータ可読なプログラムを実行させることにより実現することができる。このため、本発明では、画像形成方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラムを提供することもできる。
【0027】
また、このプログラムは、記録媒体に記録して提供することができ、本発明では、このプログラムが記録された記録媒体を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の印刷制御装置としての制御サーバと画像形成装置とを含む印刷システムの構成例を示した図。
【図2】画像形成装置の1つの構成例を示す機能ブロック図。
【図3】制御サーバの1つの構成例を示す機能ブロック図。
【図4】制御サーバの別の構成例を示す機能ブロック図。
【図5】制御サーバの紙情報格納部に格納されるユーザ識別情報と紙の上限枚数と使用枚数とが対応付けられた対応テーブルを例示した図。
【図6】制御サーバの条件格納部に格納される要素制御条件の一例を示した図。
【図7】要素制御条件の1つである設定可能なトナーセーブ条件を例示した図。
【図8】要素制御条件の1つである設定可能な背景印刷条件を例示した図。
【図9】要素制御条件の1つである設定可能な集約印刷条件を例示した図。
【図10】要素制御条件の1つである設定可能な両面印刷条件を例示した図。
【図11】要素制御条件の1つである設定可能な白紙印刷条件を例示した図。
【図12】印刷システムにより行われる処理の流れを示したフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の印刷制御装置としての制御サーバと画像形成装置としてのMFPを含む印刷システムの構成例を示した図である。図1に示す印刷システムは、ユーザが利用するクライアント装置10と、MFP20と、制御サーバ30とがネットワーク40を介して互いに通信可能に接続された構成とされている。ネットワーク40は、インターネットやイントラネットとすることができる。なお、クライアント装置10とMFP20とは、直接ケーブルで接続されていてもよいし、無線LAN等により無線通信される構成であってもよい。また、MFP20と制御サーバ30も、直接ケーブルで接続されていてもよいし、無線LAN等により無線通信される構成であってもよい。
【0030】
クライアント装置10は、MFP20を制御するためのドライバがインストールされており、MFP20を利用することができるようになっている。このため、クライアント装置10は、ドライバを記憶するためのメモリ、ドライバを読み出し実行するためのプロセッサ、MFP20と通信するための通信デバイスを備える。また、クライアント装置10は、印刷対象となる印刷データを作成するために、文書作成アプリケーションや表計算アプリケーション等のアプリケーションも記憶し、文字を入力等するためのキーボードやマウス等の入力装置と、入力した文字等を表示するための表示装置とを備える。クライアント装置10は、例えばPC等とすることができる。
【0031】
クライアント装置10に実装されるドライバは、MFP20を制御するためのドライバとすることができるが、機種に依存しない印刷データを出力可能な機種共通ドライバとすることもできる。この機種共通ドライバは、概ね機種間で共通する機能について互換性を有するものである。ドライバを用いて出力された印刷データは、部数、印刷対象、印刷範囲、フォント、余白、行数、列数等について、印刷設定情報として設定された通りに印刷出力することができ、機種共通ドライバを用いて出力された印刷データにおいても、ほぼ印刷設定情報として設定された通りに印刷出力することができる。
【0032】
これらのドライバは、クライアント装置10が備えるアプリケーションを使用して作成された文書等のファイルを印刷データへ変換する。この印刷データは、印刷ジョブとしてMFP20へ送信される。印刷ジョブは、それを送信したユーザ名等のユーザ識別情報と、印刷設定の設定内容とを含む。印刷設定には、設定項目として、集約印刷、両面印刷、モノクロ/カラー印刷、用紙サイズ、部数、白紙印刷、トナーセーブモード、パンチ、ステープル等を含み、その設定内容として、集約印刷に対し1枚の用紙に印刷するページ数、両面印刷に対し両面印刷の有無、モノクロ/カラー印刷に対しモノクロ印刷かカラー印刷かの選択、用紙サイズに対し用紙サイズの選択、部数に対し部数の選択、白紙印刷に対し白紙印刷するか否か、トナーセーブモードに対しトナーセーブするか否か、パンチに対しパンチするか否かとその位置、ステープルに対しステープル止めするか否かとその位置に関する情報を含む。
【0033】
MFP20は、クライアント装置10から受け付けた印刷ジョブを処理し、印刷を行う。このため、MFP20は、プリンタ等の印刷装置を備える。印刷装置は、電子写真式のカラープリンタとすると、感光体ドラムと、感光体ドラムを帯電させるための帯電ユニットと、感光体ドラム上に潜像を形成するためにレーザ光を照射させる露光装置と、感光体ドラム上に形成された潜像を現像するためのトナーカートリッジ等を含む現像ユニットと、感光体ドラムに形成されたトナー像を転写ベルトに転写させる一次転写ユニットと、用紙を給紙するための給紙ユニットと、転写ベルト上のトナー像を用紙へ転写させる二次転写ユニットと、用紙へ転写されたトナー像をその用紙に定着させるための定着ユニットとを備える。
【0034】
また、MFP20は、露光装置におけるレーザ光の照射位置、強度、照射時間、転写ベルトの搬送速度、給紙速度、定着温度等の装置全体を制御するためのプロセッサ、その制御をプロセッサに実行させるためのプログラムを記憶するメモリ、クライアント装置10との間で通信を行うための通信デバイスを備える。その他、排紙トレイ、パンチやステープル機能を実現するためのフィニッシャ等を備える。
【0035】
また、MFP20は、複合機であるため、印刷装置の他、コピー機能、FAX機能、スキャナ機能を実現するために必要な読み取り装置や原稿を搬送するためのフィーダ等をさらに備える。クライアント装置10とMFP20との間の通信は、HTTPやFTP等のプロトコルを使用して行うことができる。図1では、1つのクライアント装置10と1つのMFP20とが示されているが、これに限られるものではなく、2以上のクライアント装置、2以上のMFPやプリンタがネットワーク40に接続された構成であってもよい。
【0036】
ユーザは、クライアント装置10においてアプリケーションを使用して文書等を作成し、文字サイズ、行数、列数、余白、拡大や縮小、部数、用紙サイズ、印刷ページ番号、集約印刷におけるページ数、両面印刷の有無等の印刷設定を行い、MFP20に対し印刷を指示する。MFP20は、クライアント装置10から受信した印刷ジョブをスプールし、印刷実行を待つ。
【0037】
その間、制御サーバ30は、MFP20からユーザ識別情報と、使用により変更する要素、具体的にはトナーや紙に関する要素情報とを取得し、要素情報であるトナー残量や紙残量と、各ユーザにつき予め設定されている要素制御条件とから、トナーセーブすべきか、両面印刷や集約印刷すべきかを判断し、自動的にそれらの設定内容を決定し、MFP20へ送信する。
【0038】
MFP20は、受信した設定内容に基づき、印刷ジョブに含まれる対応する設定内容を書き換えて更新する。そして、MFP20は、更新された設定内容に基づき印刷を実行する。すなわち、紙残量が一定枚数以下となり、紙使用量の抑制のため、両面印刷が設定されれば、両面印刷が実行される。
【0039】
図2を参照して、図1に示したMFP20が備える機能について説明する。図2に示すMFP20は、クライアント装置10で作成され、ドライバにより変換された印刷データを印刷ジョブとして受け取る受信部21と、受け取った印刷ジョブをスプールするスプール部22と、印刷ジョブを解析するジョブ解析部23とを備える。ジョブ解析部23は、印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報、印刷設定、後述する指定情報等を解析する。
【0040】
また、MFP20は、印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報等を取得するジョブ情報取得部24と、MFP20を構成する各構成機器に対して問い合わせを行い、機器情報やその構成機器が備える要素の要素情報を取得する機器情報取得部25と、ユーザ識別情報と要素情報とを制御サーバ30へ送信する情報送信部26とを備える。要素情報は、上記のトナー残量や紙残量を含むものである。
【0041】
MFP20は、制御サーバ30から受信部21により受信した設定内容を基に、印刷ジョブに含まれる設定内容を更新する内容更新部27と、更新された印刷設定に基づき画像を形成する画像形成部28と、形成された画像を用紙に印刷して出力する印刷実行部29とを備える。
【0042】
MFP20は、入力部および表示部としての操作パネルを備えており、印刷状況やエラー通知等を表示することができる。機器情報取得部25は、各構成機器に対して問い合わせをする場合、ジョブ情報取得部24がユーザ識別情報を取得するのに伴って問い合わせをすることもできるし、一定時間間隔で問い合わせを行い、定期的に機器情報を取得することもできる。
【0043】
図3を参照して、図1に示した制御サーバ30が備える機能について説明する。制御サーバ30は、上記の要素制御条件をユーザ識別情報と対応付けて格納する条件格納部31と、MFP20からユーザ識別情報と要素情報とを取得する情報取得部32と、取得したユーザ識別情報に基づき条件格納部31から対応する要素制御条件を読み出し、取得した要素情報と読み出した要素制御条件とから、印刷設定の設定内容を決定する内容決定部33と、決定された設定内容をMFP20へ送信する内容送信部34とを含む。
【0044】
要素制御条件は、MFP20において、使用により変動する要素の使用量に影響を与える印刷設定の設定内容を、それら要素の要素情報に応じて判断させるための条件である。すなわち、トナーや紙の使用量に影響を与えるトナーセーブ、背景印刷、集約印刷、両面印刷、白紙印刷といった印刷設定を「する」に設定するか「しない」に設定するかを判断させるための条件である。
【0045】
トナーセーブはトナーの使用量を減少させるという影響を与え、背景印刷も、背景印刷しなければトナーの使用量を減少させるという影響を与えるものである。集約印刷、両面印刷、白紙印刷は紙の使用量を減少させるという影響を与えるものである。なお、集約印刷は、文字等が縮小されることにより、トナー使用量を減少させることもできるものである。
【0046】
カラー/モノクロ印刷の場合にはモノクロ印刷に「する」に設定するか「しない」に設定するかを判断させるための条件となる。要素情報は、要素であるトナーや紙の残量が挙げられる。なお、使用により変動する要素には、そのほか、ステープル等がある。
【0047】
条件格納部31は、MFP20の管理者により入力された、各ユーザにつき、ユーザ名等のユーザ識別情報と要素制御条件とを対応付けて格納する。この条件は、予め管理者が入力を行い、登録することにより格納することができる。入力は、管理者が使用するPC等を制御サーバ30に接続することにより行うことができる。その際、管理者になりすまし、要素制御条件が勝手に変更されないようにするために、管理者IDおよびパスワード等の入力を要求し、認証を受けることにより、入力を許可するような構成を採用することが好ましい。
【0048】
MFP20が印刷ジョブを受信し、その印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報を取得し、また、構成機器に対し問い合わせを行い、その構成機器から要素情報を取得し、それらを送信したことを受けて、情報取得部32は、それらの情報を取得する。
【0049】
情報取得部32がそれらの情報を取得したことを受けて、内容決定部33は、情報取得部32が取得したユーザ識別情報に基づき、条件格納部31からそのユーザ識別情報が対応付けられた要素制御条件を読み出す。そして、内容決定部33は、情報取得部32が取得した要素情報と、読み出した要素制御条件とから、その要素の印刷設定の設定内容を決定する。例えば、要素情報としてトナー残量が使用開始時の40%という情報を取得し、要素制御条件が、トナー残量が50%以下のときトナーセーブモードに設定という条件であるならば、これらから、トナーに関する印刷設定のトナーセーブモードの設定内容を「トナーセーブする」に決定する。
【0050】
この要素制御条件は、トナーセーブモードだけではなく、背景印刷、集約印刷、両面印刷、白紙印刷、カラー/モノクロ印刷にも存在するため、内容決定部33は、これらの印刷設定についても設定内容を決定する。
【0051】
内容送信部34は、決定された設定内容をMFP20へ送信し、対応する印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を更新させる。すなわち、MFP20にスプールされた印刷ジョブに含まれるトナーセーブモード、背景印刷、集約印刷、両面印刷、白紙印刷、カラー/モノクロ印刷という印刷設定の設定内容が、内容決定部33により決定された設定内容となるように、設定内容を更新する。
【0052】
その後は、MFP20が更新された設定内容に基づき印刷ジョブを処理する。すなわち、「トナーセーブする」に設定された場合、通常のトナー消費量より少ないトナー消費量で印刷を実行する。例えば、通常のトナー消費量を10とすると、トナーセーブした場合のトナー消費量を5〜7等とすることができる。なお、これらの処理は、プログラムにより構成し、このプログラムをプロセッサに実行させることにより各部として機能させることができる。ただし、条件格納部についてはメモリ等がこの格納部として用いられる。
【0053】
制御サーバ30は、図3に示す構成に加えてさらに、図4に示すような、紙情報格納部35と、紙使用割合判断部36と、内容変更部37とを含むことができる。
【0054】
紙情報格納部35は、ユーザ名等のユーザ識別情報に対応付けて紙の上限枚数と使用枚数とを格納する。使用枚数は、カウンタによってカウントされる枚数で、紙が1枚使用されるたびに1ずつ増加する。このため、紙情報格納部35は、情報取得部32を介して随時情報を更新し、上書きすることができるが、これに限られるものではなく、例えば10増加した段階で一時に情報を更新することもできる。
【0055】
紙使用割合判断部36は、使用枚数を上限枚数で除して紙使用割合を算出し、その算出された紙使用割合が閾値を超えるか否かを判断する。閾値はいかなる値であってもよいが、例えば0.8や0.9とすることができる。この紙使用割合は、そのユーザがどの程度の紙を使用しているかを表す目安となるもので、この割合が高いほど多くの紙を使用していることを示す。
【0056】
紙使用量は、このような紙使用割合が高いユーザがその使用を抑制するほど効果的である。このため、内容変更部37が、閾値を超えるユーザに対し、内容決定部33により決定された設定内容を、紙の使用が少なくなるように変更する。内容変更部37は、内容決定部33が決定した設定内容において、例えば「両面印刷しない」となっていても、紙の使用が少なくなるように、「両面印刷する」へ変更する。また、内容変更部37は、内容決定部33が決定した設定内容において、例えば、「集約印刷する」に設定され、集約ページが「2」となっていても、紙の使用が少なくなるように、集約ページを「4」や「6」等へ変更する。このように、紙使用量が多いユーザに対し、両面印刷や集約印刷等の紙使用量を少なくする設定内容に強制的に変更することで、トナー消費量や紙使用量を抑制することができる。
【0057】
この内容変更は、内容変更部37により自動的に行われるが、その設定内容の変更前に、変更する旨のメッセージをMFP20へ送信し、操作パネルに表示させることもできる。この場合、その処理を実行させるための変更通知部を含むことができる。ユーザは、操作パネルを見ることで、印刷出力される前に設定内容が変更されることを知ることができる。
【0058】
紙情報格納部35に格納される紙情報は、ユーザ名と紙の上限枚数と使用枚数とを対応付けた対応テーブルとすることができる。図5は、その対応テーブルの一例である。ここでは、各ユーザに対し、権限グループが割り当てられている。権限グループは、意図する印刷を同じくするグループといい、同じグループに属するユーザは、トナーセーブや背景印刷等の要素制御条件を同じくする。これにより、管理者は各ユーザにつき要素制御条件を設定するのが容易となり、その管理も容易になる。
【0059】
図5を参照すると、ユーザAは、権限グループ1Gに属し、これまでの紙の使用量は10000枚で、ユーザAに対して設定されている紙の使用上限が20000枚とされている。同様に、ユーザBは2G、ユーザCは3Gにそれぞれ属し、これまでの紙の使用量がそれぞれ7000枚、8000枚とされ、使用上限がそれぞれ、15000枚、10000枚とされている。
【0060】
紙使用割合は、紙使用量を使用上限で除して、ユーザAが0.5、ユーザBが約0.47、ユーザCが0.8となり、ユーザCの紙使用割合が高くなっている。閾値が0.9である場合、いずれのユーザも達していないので、内容変更部37により変更されることはない。しかしながら、閾値が0.75である場合、ユーザCは超えているため、内容変更部37により紙使用量を少なくする設定内容に変更される。
【0061】
具体的に、各ユーザに対して設定される要素制御条件の一例を図6に示す。ユーザ毎に設定することもできるが、上記のように、権限グループによって設定するほうが、格納すべきデータが少なく、管理が容易であるため、ここでは権限グループに対して各要素制御条件が設定されている。
【0062】
各グループに対し、要素の使用量に影響を与える設定項目として、トナーセーブ、背景印刷、集約印刷、両面印刷、白紙印刷、モノクロ印刷があり、それらに対する条件が数値として入力されている。この数値は、制御レベルとされ、後述する各レベル表内の制御レベルに一致する条件に対応するものである。
【0063】
図5で示されるグループ1Gに属するユーザAは、図6に示すテーブルから、トナーセーブのレベルが4、背景印刷については3、集約印刷については2、両面印刷については4、白紙印刷については3、モノクロ印刷については2とされている。これらのレベルは、このシステムの管理者により設定することができる。
【0064】
これらのレベルが何を示すかについて以下に説明する。トナーセーブについては、図7に示すように、1から4までのレベルがあり、レベル1から3はそれぞれ、要素情報として取得したトナー残量が80%、50%、30%以下のとき、トナーセーブすることを示す。レベル4は「常に高品質」とされ、これは常にトナーセーブしないことを示す。
【0065】
ユーザAは、トナーセーブのレベルが4であるため、トナーセーブはせず、常に高品質で印刷出力するように設定される。
【0066】
背景印刷についても、図8に示すように、1から4までのレベルがある。レベル1から3はそれぞれ、要素情報として取得したトナー残量が80%、50%、30%以下のとき、背景印刷しないことを示す。背景印刷は、印刷対象の画像の背景にあるイメージや色を印刷するか否かを設定するもので、背景印刷しないことで、トナー消費量を抑制することができるものである。
【0067】
レベル4は「個人の設定を優先」とされ、これは印刷ジョブを送信したユーザがその印刷ジョブに設定した背景印刷の設定内容を優先することを示す。したがって、そのユーザが、印刷ジョブにおいて「背景印刷する」に設定していれば、背景印刷され、「背景印刷しない」に設定していれば、背景印刷はされない。
【0068】
ユーザAは、背景印刷のレベルが3であるため、トナー残量が30%以下のとき、背景印刷しないように設定される。すなわち、MFP20から取得した要素情報においてトナー残量が30%を超えていれば、ユーザAが設定した設定内容のままとされ、30%以下の場合に、背景印刷をしないように設定される。
【0069】
集約印刷についても、図9に示すように、1から4までのレベルがある。レベル1は、「常に2-up印刷」とされ、これは常に1枚の紙に2ページ分印刷することを示す。レベル2、3はそれぞれ、要素情報として取得した紙残量が50%、30%以下のとき、1枚の紙に2ページ分印刷することを示す。レベル4は「個人の設定を優先」とされ、これは印刷ジョブを送信したユーザがその印刷ジョブに設定した集約印刷の設定内容を優先することを示す。
【0070】
ここでは1枚の紙に2ページ分印刷するように設定されているが、これに限られるものではなく、例えば、レベル2が、紙残量が50%以下のとき、1枚の紙に4ページ分印刷するという条件、レベル1が、紙残量が80%以下のとき、1枚の紙に6ページ分印刷するという条件であってもよい。
【0071】
ユーザAは、集約印刷のレベルが2であるため、紙残量が50%以下のとき、1枚の紙に2ページ分印刷するように設定される。すなわち、MFP20から取得した要素情報において紙残量が50%を超えていれば、ユーザAが設定した設定内容のままとされ、50%以下の場合に、1枚の紙に2ページ分の集約印刷をするように設定される。
【0072】
また、両面印刷についても、図10に示すように、1から4までのレベルがある。レベル1は、「常に両面印刷」とされ、これは常に両面印刷することを示す。レベル2、3はそれぞれ、要素情報として取得した紙残量が50%、30%以下のとき、両面印刷することを示す。レベル4は「個人の設定を優先」とされ、これは印刷ジョブを送信したユーザがその印刷ジョブに設定した両面印刷の設定内容を優先することを示す。したがって、そのユーザが、印刷ジョブにおいて「両面印刷する」に設定していれば、両面印刷され、「両面印刷しない」に設定していれば、両面印刷はされない。
【0073】
ユーザAは、両面印刷のレベルが4であるため、ユーザAが設定した設定内容のままとされる。
【0074】
また、白紙印刷についても、図11に示すように、1から4までのレベルがある。レベル1は、「常に白紙印刷しない」とされ、これは常に白紙印刷しないことを示す。白紙印刷は、印刷データに含まれる白紙のページを印刷するか否かを設定するものである。
【0075】
レベル2、3はそれぞれ、要素情報として取得した紙残量が50%、30%以下のとき、白紙印刷しないことを示す。レベル4は「個人の設定を優先」とされ、これは印刷ジョブを送信したユーザがその印刷ジョブに設定した白紙印刷の設定内容を優先することを示す。したがって、そのユーザが、印刷ジョブにおいて「白紙印刷する」に設定していれば、白紙のページも印刷され、「白紙印刷しない」に設定していれば、白紙のページは印刷されない。
【0076】
ユーザAは、白紙印刷のレベルが3であるため、紙残量が30%以下のとき、白紙印刷をしないように設定される。すなわち、MFP20から取得した要素情報において紙残量が30%を超えていれば、ユーザAが設定した設定内容のままとされ、30%以下の場合に、白紙印刷をしないように設定される。
【0077】
モノクロ印刷は、モノクロ印刷するか否かを設定するもので、1と2のレベルがあり、レベル1がモノクロ印刷することを示し、レベル2が個人の設定を優先することを示す。これは反対の、レベル1が個人の設定を優先することを示し、レベル2がモノクロ印刷することを示すものであってもよい。
【0078】
ユーザAは、モノクロ印刷のレベルが2であるため、ユーザAが設定した設定内容のままとされる。
【0079】
ここで、MFP20と制御サーバ30との間で行われる処理を、図12に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。まず、MFP20の受信部21がクライアント装置10から印刷ジョブを受け取ることにより、この処理を開始する(ステップ1200)。印刷ジョブは、ステップ1205で、スプール部22が印刷ジョブをスプールする。
【0080】
ステップ1210で、ジョブ情報取得部24が印刷ジョブに含まれるユーザ名等のユーザ識別情報を取得する。また、ステップ1215で、機器情報取得部25が各構成機器に問い合わせ、機器情報を取得し、その中から要素情報を取得する。ステップ1220で、情報送信部26が、ユーザ識別情報と要素情報とを制御サーバ30へ送信する。
【0081】
ステップ1225で、制御サーバ30の情報取得部32がそれらの情報を取得し、内容決定部33と紙使用割合判断部36とにそれらの情報を送る。ステップ1230で、内容決定部33は、受け取ったユーザ識別情報から権限グループを特定し、その権限グループから特定される各印刷設定のレベルとその条件を条件格納部31から読み出す。具体的には、図5に示すテーブルを使用して権限グループを特定し、図6に示すテーブルを使用して各印刷設定のレベルを特定し、図7〜図11に示すレベル表から対応するレベルの条件を読み出す。
【0082】
ステップ1235で、内容決定部33は、要素情報に含まれるトナー残量や紙残量を、読み出した条件に当てはめ、各印刷設定の設定内容を決定する。ステップ1240で、紙使用割合判断部36は、ユーザ識別情報に対応付けられた紙の使用枚数と上限枚数とから紙使用割合を算出し、その紙使用割合が閾値を超えているか否かを判断する。
【0083】
紙使用割合が閾値を超えている場合、ステップ1245へ進み、内容変更部37は、強制的に紙使用量が少なくなる設定内容へ変更する。例えば、決定された設定内容が両面印刷なしである場合、強制的に両面印刷するに変更し、決定された設定内容が集約印刷なしであった場合、強制的に集約印刷するに変更する。
【0084】
紙使用量が少なくなる設定内容へ変更できれば1つの設定内容を変更してもよいし、2以上の設定内容を変更することもできる。一般に、すべての印刷設定が紙使用量を少なくする設定内容になっていることは稀であるが、仮にすべての印刷設定が紙使用量を少なくする設定内容になっている場合、それ以上に紙使用量を少なくすることはできないため、変更されない。
【0085】
その変更後、ステップ1250へ進むが、紙使用割合が閾値を超えていない場合も、ステップ1250へ進む。ステップ1250では、内容送信部34が決定された設定内容または変更された設定内容をMFP20へ送信する。
【0086】
MFP20の受信部21は、決定または変更された設定内容を受信し、ステップ1255において、内容更新部27が、決定または変更された設定内容に、印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を書き換えて更新する。この書き換えは、ユーザ識別情報をキーとして、スプール部22にスプールされている印刷ジョブを検索し、特定された印刷ジョブに含まれる印刷設定のうち、決定または変更された設定内容に対応する要素の設定項目の設定内容を、その決定または変更された設定内容に置換することにより行われる。
【0087】
このようにして自動的に設定内容が変更された印刷ジョブは、スプール部22から順に取り出され、画像形成部28へ送られる。ステップ1260では、画像形成部28が、印刷ジョブに含まれる印刷設定に基づき、画像形成を行い、印刷実行部29が、その印刷設定に基づき、紙に印刷して出力する。ここでは、画像形成に必要とされる印刷設定を使用して画像形成を行い、紙に印刷する際に必要とされる印刷設定を使用して出力を行う。出力が完了したところで、ステップ1265で、この処理を終了する。
【0088】
図12は、図4に示す構成の制御サーバを用いて行われる処理について説明したが、図3に示す構成の制御サーバである場合、ステップ1240および1245の処理が行われないだけである。
【0089】
これまで要素制御条件のみで設定内容を決定したが、それ以外の条件によってMFP20を制御することも可能である。1つの例では、制御サーバ30の条件格納部31が、室内が消灯されたか否かにより印刷不能にさせるか否かを判断させるための照明制御条件をさらに格納し、情報取得部32が、室内電源を管理する電源管理装置から、照明装置への通電情報を取得する構成を採用することができる。
【0090】
電源管理装置は、室内にあるすべての電源状態を管理し、照明電源の管理のほか、エアコンやファン等の電源も管理することができる。この電源管理装置は、照明やエアコン等へ電源が供給されているか否か、供給されている場合にはどれだけの電力が供給されているか等の情報を取得し、電源断となっている箇所があるか、過電流が流れていないか等を管理する。
【0091】
ここでは、照明装置へ電源が供給されているか否かの通電情報を取得し、電源が供給されていない場合に消灯されたと判断するようにされている。この場合、内容決定部33は、通電情報から消灯されたことを検知すると、照明制御条件に基づき印刷不能にさせる指示を内容送信部34へ送り、その指示を内容送信部34がMFP20へ送信する。MFP20は、その指示を受け取り、それまでにスプールされた印刷ジョブの実行を中止させ、印刷できないようにする。
【0092】
具体的には、MFP20の受信部21が、その指示を受け取り、各部へ送り、各部による処理を停止させる。これにより、その後に印刷ジョブが送られてきても、処理することができなくなる。このように室内を消灯したことに応答して、印刷できなくすることで、すべての社員が帰宅してから翌朝一人の社員が出社するまでの間、印刷処理を行わせないようにすることができる。
【0093】
MFP20が、メインCPUとサブCPUの両方を備え、省エネモードを備える機種である場合、夜間、印刷ジョブを受信してもスプールすることができないので、印刷ジョブを受け取ることができず、このため、夜間はメインCPUへの通電を停止した省エネモードに維持することが可能となり、トナー消費や紙使用の抑制とともに、消費電力を抑制することも可能となる。なお、この場合、サブCPUが、印刷ジョブを受け付けることができず、印刷を実行することができない旨のメッセージを、その印刷ジョブを送信した者に対し、送ることができる。
【0094】
ここでは照明電源断についてのみ説明したが、これに限られるものではなく、トナーや紙の使用量、さらにはMFP20の消費電力を抑制することができれば、外部環境のいかなる条件を制御条件としてもよい。
【0095】
MFP20は、印刷ジョブが大量にスプールされると、印刷効率が低下することから、印刷ジョブを分散させるべくMFP20が使用可能な時間帯を条件として設定することができる。具体的には、条件格納部31が、時間帯に応じてMFP20が使用可能であるか否かを判断させるための時間帯制御条件をさらに格納し、情報取得部32が、制御サーバ30が備える時計機能または時計機能を備える外部装置から時刻情報を取得する構成を採用することができる。
【0096】
時間帯制御条件は、この時間帯であればMFP20が使用可能で、それ以外は使用できないという条件である。この場合の処理は、内容決定部33が、情報取得部32が取得した時刻情報から使用可能な時間帯であるかを判断し、使用可能な時間帯である場合は、上記のようにして設定内容を決定し、それを内容送信部34へ送り、内容送信部34が、その設定内容をMFP20へ送信する。
【0097】
その一方、使用不能な時間帯であると判断した場合は、時間帯制御条件に基づき印刷を実行させない指示を内容送信部34へ送り、その指示を内容送信部34がMFP20へ送信する。MFP20は、この指示を受け取ると、その印刷ジョブを削除するか、他の保存場所へ移動し、スプール部22から削除する。このようにMFP20が使用可能な時間帯にのみ印刷を実行することから、印刷スケジュールに従った処理が可能となり、印刷の渋滞を回避することができる。なお、この印刷可能な時間帯は、管理者がPC等を使用して登録することができる。また、この時間帯は、時刻をもってするものに限らず、日をもってすることもでき、この場合、カレンダー機能により日の情報を取得し、使用可能な日であるかを判断することができる。
【0098】
印刷ジョブの中には、社外に配布するために、トナーセーブせず、両面印刷せず、集約印刷しないことを要求するものがある。しかしながら、上記のように要素制御条件で設定され、その条件に当てはまると、自動的に変更されるため、ユーザが望む印刷を得ることができない場合がある。
【0099】
そこで、このような印刷の場合には、クライアント装置10からMFP20へ印刷ジョブを送信する際、その印刷ジョブにある情報を含めて送信することができる。この情報はいかなる情報であってもよく、予め指定しておくことができる。例えば、ある特定の文字、記号、数字等とすることができ、キーワードであってもよい。具体的には、電子印鑑がある場合や、「契約」、「請求」、「見積」、「注文」等の文字が含まれている場合等を挙げることができる。
【0100】
このため、制御サーバ30は、印刷ジョブに設定内容を更新しないことを表す指定された情報が含まれるか否かを判断し、その情報が含まれる場合に、内容決定部33に対し印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を変更しないように指示する情報判断部を備えることができる。これにより、指定された情報を含む印刷ジョブについては、その印刷ジョブを送信したユーザに対して設定された要素制御条件を無視し、ユーザが設定したトナー消費量が多い高品質等の条件で印刷を行うことができる。
【0101】
MFP20は、その印刷ジョブを受信すると、ユーザ識別情報と要素情報とを制御サーバ30へ送信するが、情報判断部は、その印刷ジョブの中に、指定された情報が含まれているか否かを判断するために、ジョブ解析部23へ問い合わせを行い、ジョブ解析部23に印刷ジョブを解析させ、その解析結果を返信させる。
【0102】
制御サーバ30の情報取得部32は、ジョブ解析部23から返信された解析結果を基に、指定された情報の有無を判断し、その指定された情報がある場合、内容決定部33に対し印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を変更しないように指示する。
【0103】
制御サーバ30は、MFP20からユーザ識別情報と要素情報とを受け取るだけではなく、ユーザ識別情報と要素制御条件の変更内容とを受け付けることができる。受け付けた変更内容を処理するために、条件変更部をさらに備えることができる。この条件変更部は、条件格納部31に格納されているユーザ識別情報が対応付けられた要素制御条件を、その変更内容を基に変更することができる。この条件変更部を備えることにより、ユーザは、トナー消費量を抑制するために、例えば、強制的にモノクロ印刷するように設定することが可能となる。
【0104】
この変更内容は、MFP20の管理者によってPC等を使用して制御サーバ30へ入力することができる。なお、権限グループで要素制御条件が管理されている場合には、そのユーザ識別情報から特定される権限グループに属するユーザすべてを、例えば、強制的にモノクロ印刷するように設定することが可能である。
【0105】
MFP20は、印刷ジョブを受け付けてから所定時間が経過した後に、その印刷ジョブを削除するジョブ削除部をさらに備えることができる。印刷ジョブは、受信部21が受け付け、スプール部22に蓄積されるが、その受け付けから所定時間が経過した後に、ジョブ削除部がスプールされているその印刷ジョブを削除する。所定時間は、いかなる時間であってもよく、MFP20の管理者が任意に設定することができる。
【0106】
ジョブ削除部は、タイマ等を備え、各印刷ジョブにつき、各印刷ジョブを受け付けてからの経過時間を計測することができる。これにより、印刷を実行すべき印刷ジョブが少なくなり、トナー消費量や紙使用量を抑制することができる。
【0107】
また、MFP20は、制御サーバ30の内容決定部33により決定された設定内容を、ユーザ識別情報と要素情報とをその制御サーバ30へ送信してから指定時間内に受信していないことに応答して、エラー通知を提示するエラー提示部をさらに備えることができる。
【0108】
これは、ユーザに対し、制御サーバ30からMFP20へ設定内容が送信されていないことを知らせるためのものである。高品質で印刷する設定にして印刷ジョブを送信したが、MFP20のトナー残量が少ない場合に、その設定内容が自動変更されないことを印刷出力される前に知ることで、その印刷ジョブを中止する等の適切な処置をとることができる。なお、指定時間も、いかなる時間であってもよいが、上記の所定時間より短い時間とされる。印刷ジョブが削除された後に、その印刷ジョブの設定内容についてエラー通知を受けても意味がないからである。
【0109】
ユーザ識別情報は、印刷ジョブから得ることができるが、上述した制御サーバ30による処理を実行させるサービスを利用するために、ユーザ認証を行う認証部をさらに設けることができる。この場合、ユーザ識別情報を、ユーザが入力した認証情報から取得することもできる。
【0110】
認証部は、ユーザ識別情報の入力を受け付け、予め登録されたユーザ識別情報と一致するか否かを判断してユーザ認証を行うことができる。この認証部は、ユーザ識別情報が記録されたICカードと、ユーザ識別情報を読み取るカードリーダとを含むことができる。
【0111】
MFP20を利用する際、ユーザ認証が要求される場合、ユーザは、クライアント装置10が備えるキーボード等の入力装置を使用してユーザ識別情報を入力する。認証部は、予め登録され、メモリ等に格納されているユーザ認証情報を基に、入力されたユーザ識別情報が登録されている情報と一致するものがあるか否かを判断し、一致するものがある場合、そのユーザを認証し、そのユーザによる利用を許可する。
【0112】
認証部は、一致するものがない場合、そのユーザに新規登録を要求するか、そのユーザの利用を拒否する。利用を拒否する場合、そのユーザから送信された印刷ジョブを受け付けないようにすることができる。
【0113】
カードリーダを備える場合、ICチップが実装されたICカードをその上に配置し、ICチップに記録されたユーザ情報を読み取り、そのユーザ情報からユーザ識別情報を取得することができる。ICチップは、ユーザ情報として、ユーザ名、ユーザID、パスワード、生年月日、所属する部署等の情報を記録することができる。認証部は、その中から、ユーザ名やユーザIDといったユーザ識別情報を取得することができる。
【0114】
企業等では、セキュリティを強化するために認証サーバを備えるところが多くなってきている。このため、ユーザ認証を、この認証サーバを利用して行うこともできる。この場合のユーザ認証は、ユーザがユーザIDやパスワードを入力する場合のほか、ユーザ情報が記録されたICチップを実装したICカードを用いて行うことができる。ユーザは、ICカードをカードリーダの上に配置し、カードリーダがICチップに記録されたユーザ情報を読み取ると、それを認証サーバへ送る。認証サーバは、送られてきたユーザ情報が登録されているユーザ情報と一致するか否かを判断することにより認証を行う。
【0115】
これまで本発明を上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、印刷制御方法は、図12に示された処理に限定されるものではなく、照明制御条件等を用いて行われる処理、情報判断部や認証部等により行われる処理も含むものであり、また、その方法をコンピュータ等に実行させるプログラムにより実現することもできるものである。
【0116】
このプログラムは、FD、CD、DVD、SDカード等の記録媒体に格納して提供することもでき、コンピュータ等がこの記録媒体から読み出し実行することにより、印刷制御方法を実現することができる。
【符号の説明】
【0117】
10…クライアント装置、20…MFP、21…受信部、22…スプール部、23…ジョブ解析部、24…ジョブ情報取得部、25…機器情報取得部、26…情報送信部、27…内容更新部、28…画像形成部、29…印刷実行部、30…制御サーバ、31…条件格納部、32…情報取得部、33…内容決定部、34…内容送信部、35…紙情報格納部、36…紙使用割合判断部、37…内容変更部、40…ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【特許文献1】特開2005−208339号公報
【特許文献2】特開平6−316123号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを処理する画像形成装置を制御するための印刷制御装置であって、
前記画像形成装置の使用により変動する要素の使用量に影響を与える印刷設定の設定内容を当該要素の要素情報に応じて判断させるための要素制御条件をユーザ識別情報と対応付けて格納する条件格納部と、
前記画像形成装置から前記印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報と前記要素情報とを取得する情報取得部と、
取得した前記ユーザ識別情報に基づき前記条件格納部から前記要素制御条件を読み出し、前記要素情報と読み出した前記要素制御条件とから、前記要素の前記印刷設定の設定内容を決定する内容決定部と、
決定された前記設定内容を前記画像形成装置へ送信し、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷設定の設定内容を更新させる内容送信部とを含む、印刷制御装置。
【請求項2】
前記ユーザ識別情報に対応付けて前記要素の1つである紙の上限枚数と使用枚数とを格納する紙情報格納部と、前記上限枚数と前記使用枚数とから紙使用割合を算出し、前記紙使用割合が閾値を超えるか否かを判断する紙使用割合判断部と、前記閾値を超える場合に、前記内容決定部により決定された設定内容を、紙の使用が少なくなるように変更する内容変更部とをさらに含む、請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記内容変更部による前記設定内容の変更前に、変更する旨のメッセージを前記画像形成装置へ送信し、当該画像形成装置の表示部に表示させる変更通知部を含む、請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記条件格納部は、室内が消灯されたか否かにより印刷不能にさせるか否かを判断させるための照明制御条件をさらに格納し、前記情報取得部は、室内電源を管理する電源管理装置から、照明装置への通電情報を取得する、請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記条件格納部は、時間帯に応じて前記画像形成装置が使用可能であるか否かを判断させるための時間帯制御条件をさらに格納し、前記情報取得部は、前記印刷制御装置が備える時計機能または時計機能を備える外部装置から時刻情報を取得する、請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記印刷ジョブに前記設定内容を更新しないことを表す指定された情報が含まれるか否かを判断し、前記情報が含まれる場合に、前記内容決定部に対し前記印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を変更しないように指示する情報判断部をさらに含む、請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
ユーザ識別情報と前記要素制御条件の変更内容とを受け付け、前記条件格納部に格納されている前記ユーザ識別情報が対応付けられた前記要素制御条件を、前記変更内容を基に変更する条件変更部をさらに含む、請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷制御装置と、印刷ジョブを処理する画像形成装置とを含む、印刷システム。
【請求項9】
ユーザ識別情報の入力を受け付け、予め登録されたユーザ識別情報と一致するか否かを判断してユーザ認証を行う認証部を含む、請求項8に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記画像形成装置は、前記印刷ジョブを受け付けてから所定時間が経過した後に当該印刷ジョブを削除するジョブ削除部を含む、請求項8に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記画像形成装置は、前記印刷制御装置により決定された前記設定内容を、前記ユーザ識別情報と前記要素情報とを前記印刷制御装置へ送信してから指定時間内に受信していないことに応答して、エラー通知を提示するエラー提示部を含む、請求項8に記載の印刷システム。
【請求項12】
印刷制御装置により印刷ジョブを処理する画像形成装置を制御する印刷制御方法であって、前記印刷制御装置は、前記画像形成装置の使用により変動する要素の使用量に影響を与える印刷設定の設定内容を当該要素の要素情報に応じて判断させるための要素制御条件をユーザ識別情報と対応付けて格納する条件格納部を備えており、
前記画像形成装置から前記印刷ジョブに含まれるユーザ識別情報と前記要素情報とを取得するステップと、
取得した前記ユーザ識別情報に基づき前記条件格納部から前記要素制御条件を読み出し、前記要素情報と読み出した前記要素制御条件とから、前記要素の前記印刷設定の設定内容を決定するステップと、
決定された前記設定内容を前記画像形成装置へ送信し、前記印刷ジョブに含まれる前記印刷設定の設定内容を更新させるステップとを含む、印刷制御方法。
【請求項13】
前記印刷制御装置は、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記要素の1つである紙の上限枚数と使用枚数とを格納する紙情報格納部をさらに備えていて、
前記方法は、前記上限枚数と前記使用枚数とから紙使用割合を算出し、前記紙使用割合が閾値を超えるか否かを判断するステップと、前記閾値を超える場合に、前記決定するステップで決定された設定内容を、紙の使用が少なくなるように変更するステップとをさらに含む、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項14】
前記設定内容の変更前に、変更する旨のメッセージを前記画像形成装置へ送信し、当該画像形成装置の表示部に表示させるステップを含む、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項15】
前記条件格納部は、室内が消灯されたか否かにより印刷不能にさせるか否かを判断させるための照明制御条件をさらに格納していて、
前記取得するステップでは、室内電源を管理する電源管理装置から、照明装置への通電情報を取得する、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項16】
前記条件格納部は、時間帯に応じて前記画像形成装置が使用可能であるか否かを判断させるための時間帯制御条件をさらに格納していて、
前記取得するステップでは、前記印刷制御装置が備える時計機能または時計機能を備える外部装置から時刻情報を取得する、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項17】
前記印刷ジョブに前記設定内容を更新しないことを表す指定された情報が含まれるか否かを判断し、前記情報が含まれる場合に、前記決定するステップにおいて前記印刷ジョブに含まれる印刷設定の設定内容を変更しないように指示するステップをさらに含む、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項18】
ユーザ識別情報と前記要素制御条件の変更内容とを受け付け、前記条件格納部に格納されている前記ユーザ識別情報が対応付けられた前記要素制御条件を、前記変更内容を基に変更するステップをさらに含む、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項19】
ユーザ識別情報の入力を受け付け、予め登録されたユーザ識別情報と一致するか否かを判断してユーザ認証を行うステップを含む、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項20】
前記画像形成装置において、前記印刷ジョブを受け付けてから所定時間が経過した後に当該印刷ジョブを削除するステップをさらに含む、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項21】
前記画像形成装置において、前記印刷制御装置により決定された前記設定内容を、前記ユーザ識別情報と前記要素情報とを前記印刷制御装置へ送信してから指定時間内に受信していないことに応答して、エラー通知を提示するステップをさらに含む、請求項12に記載の印刷制御方法。
【請求項22】
請求項12〜21のいずれか1項に記載の印刷制御方法を実行するためのコンピュータにより読み取り可能なプログラム。
【請求項23】
請求項22に記載のプログラムが記録された記録媒体。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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