印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラム
【課題】配布資料を印刷する際に、配布先のユーザの望む体裁の印刷物をより手間を掛けずに容易に取得することを可能ならしめる、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムを提供する。
【解決手段】印刷ジョブの発行元であるユーザごとの印刷設定情報が履歴情報として記憶されており、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報が、当該履歴情報に基づいて設定される。
【解決手段】印刷ジョブの発行元であるユーザごとの印刷設定情報が履歴情報として記憶されており、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報が、当該履歴情報に基づいて設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムに関する。本発明は、特に、配布資料としての印刷が指定された印刷ジョブを処理可能な印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議等で使用する配布資料を印刷する場合、印刷物の体裁を規定する印刷設定情報は、配布資料を配布する側のユーザの好みで設定されることが殆どである。
【0003】
一方、配布資料を受け取る側のユーザは、自分が印刷時に通常設定している印刷設定情報と異なる印刷設定情報が設定されて印刷されている場合には、例えば文字が小さすぎて読みにくかったり、例えば両面印刷でないためにファイリングをする際にかさばってしまったりするなどの問題が発生していた。
【0004】
この場合、配布する側のユーザが、受け取る側のユーザの望む体裁に印刷しようとすれば、受け取る側のユーザがどのような体裁で印刷して欲しいかを聞いて回り、各ユーザの好みの印刷設定情報を設定して、複数種類の体裁の印刷物を別々に作製して配布する必要がある。これにより、受け取る側のユーザの望む体裁での印刷は可能になるであろうが、実現するにはかなりの手間がかかってしまう。
【0005】
かかる問題を解決する方法として、下記特許文献1に記載の方法が提案されている。この方法は、印刷が指示されたら、配布資料の配布先のユーザに、好みに応じて印刷設定情報の変更指示を促すメールを送信し、変更指示の結果に応じて印刷を実行するという方法である。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法においても、配布資料の配布先のユーザに好みの印刷物の体裁について照会し、配布先のユーザからの指示を受け付ける処理が必要であり、依然として手間がかかるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−362005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、配布資料を印刷する際に、配布先のユーザの望む体裁の印刷物をより手間を掛けずに容易に取得することを可能ならしめる、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
(1)印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断する判断手段と、配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶する記憶手段と、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定する印刷設定手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置。
【0011】
(2)前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする上記(1)に記載の印刷制御装置。
【0012】
(3)配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の印刷制御装置。
【0013】
(4)前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする上記(3)に記載の印刷制御装置。
【0014】
(5)印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断するステップ(a)と、配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶手段に記憶させるステップ(b)と、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定するステップ(c)と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【0015】
(6)前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする上記(5)に記載の印刷制御方法。
【0016】
(7)配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の印刷制御方法。
【0017】
(8)前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする上記(7)に記載の印刷制御方法。
【0018】
(9)印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断する手順(a)と、配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶手段に記憶させる手順(b)と、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定する手順(c)と、を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【0019】
(10)前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする上記(9)に記載の印刷制御プログラム。
【0020】
(11)配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の印刷制御プログラム。
【0021】
(12)前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする上記(11)に記載の印刷制御プログラム。
【0022】
(13)上記(9)〜(12)のいずれか1項に記載の印刷制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、印刷ジョブの発行元であるユーザごとの印刷設定情報が履歴情報として記憶されており、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報が、当該履歴情報に基づいて設定される。
【0024】
したがって本発明によれば、配布する側のユーザは、受け取る側のユーザの望む印刷物の体裁を全く意識する必要がない。これにより、配布資料を印刷する際に、配布先のユーザの望む体裁の印刷物をより手間を掛けずに容易に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるPCの構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバの構成を示す図である。
【図4】図1に示される画像形成装置のプリントコントローラの構成を示すブロック図である。
【図5】プリントコントローラのハードディスクに格納されている印刷データ解析部およびデータベースを示す図である。
【図6】印刷データを解析し印刷設定情報を履歴情報としてデータベースに蓄積する様子を示す図である。
【図7】図1に示される画像形成装置のプリンタの構成を示すブロック図である。
【図8】PCにおける印刷データの送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】印刷設定画面の一例を示す図である。
【図10】プリントコントローラにおける印刷データの受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】ジョブを複製する様子を示す図である。
【図12】データベースの履歴情報に基づいて配布先のユーザの好みの体裁が設定されているジョブの印刷部数をインクリメントする様子を示す図である。
【図13】各ジョブをラスタライズ処理して印刷する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。
【0028】
本実施形態にかかる画像形成システムは、印刷物の体裁を規定する印刷設定情報(印刷条件)の設定および印刷の指示を行うための印刷設定装置としてのPC(パーソナルコンピュータ)1と、PC1により設定された印刷設定情報にしたがって印刷処理を行う画像形成装置4とを備え、これらはネットワーク5により相互に通信可能に接続されている。なお、PC1と画像形成装置4とは、ネットワーク5を介することなく直接機器間で接続(ローカル接続)されていてもよい。
【0029】
画像形成装置4は、互いにローカル接続された印刷制御装置としてのプリントコントローラ2と印刷装置としてのプリンタ3とから成る。このローカル接続には、USB、IEEE1394等のシリアルインタフェース、SCSI、IEEE1284等のパラレルインタフェース、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11、HomeRF、IrDA等の無線通信インタフェース等の各種ローカル接続インタフェースが用いられる。ただし、プリントコントローラ2とプリンタ3とは、ネットワーク5により接続されてもよい。
【0030】
図2は、図1に示されるPC1の構成を示すブロック図である。
【0031】
PC1は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、ディスプレイ15、入力装置16およびネットワークインタフェース17を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0032】
CPU11は、プログラムにしたがって、上記各部の制御や各種の演算処理を行う。ROM12は、各種プログラムや各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。ハードディスク14は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを格納する。
【0033】
ハードディスク14には、文書ファイルを作成するための文書作成アプリケーションと、文書ファイルをプリントコントローラ2が解釈可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された印刷データに変換するためのプリンタドライバとがインストールされている。
【0034】
図3は、プリンタドライバの構成を示す図である。
【0035】
プリンタドライバは、印刷設定情報の設定を行うためにユーザに提供される印刷設定画面をディスプレイ15に表示させるための印刷設定画面表示部と、文書ファイルに基づいて印刷データを作成するための印刷データ作成部とを有している。本実施形態では、プリンタドライバは、印刷物の配布先のユーザ名のリストをプリントコントローラ2から取得するためのユーザ名リスト受信部を有している。
【0036】
ディスプレイ15は、LCD、CRTディスプレイ等であり、各種の情報の表示に使用される。入力装置16は、マウス等のポインティングデバイスやキーボードを含み、各種情報の入力に使用される。
【0037】
ネットワークインタフェース17は、ネットワーク5を介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0038】
図4は、図1に示される画像形成装置4のプリントコントローラ2の構成を示すブロック図である。
【0039】
プリントコントローラ2は、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、ディスプレイ25、入力装置26、プリンタインタフェース27、およびネットワークインタフェース28を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス29を介して相互に接続されている。なお、プリントコントローラ2の上記各部のうち、PC1の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0040】
図5は、プリントコントローラ2のハードディスク24に格納されている印刷データ解析部およびデータベースを示す図である。ハードディスク24には、PC1から印刷ジョブとして送られてくる印刷データを解析するための印刷データ解析部に対応するプログラムと、印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として保存するためのデータベースと、PC1からの印刷データを変換してビットマップ形式の印刷画像データを生成(ラスタライズ処理)するための印刷画像データ生成部に対応するプログラムとが格納されている。
【0041】
プリンタインタフェース27は、ローカル接続されたプリンタ3と通信するためのインタフェースである。
【0042】
図6は、印刷データを解析し印刷設定情報を履歴情報としてデータベースに蓄積する様子を示す図である。
【0043】
印刷データ解析部は、印刷ジョブの発行元であるユーザの名称(ユーザ名)を検出し、データベースから当該ユーザの履歴情報(ユーザ情報)を抽出し、抽出したユーザ情報に対して、送られてきた印刷ジョブで設定されている印刷設定情報を追加して反映させる。
【0044】
例えば図6の例では、送られてきた3つの印刷ジョブの発行元のユーザ名は、それぞれ「佐藤」、「鈴木」、「田中」である。印刷設定情報の項目(設定項目)として、ここでは「Nup」、「Duplex」、「Binding」が挙げられている。「Nup」は、Nページ分のデータを1ページの出力データに配置する機能である。「Duplex」は、両面印刷機能であり、両面印刷を指示する場合には「On」で示す。「Binding」は印刷物を綴じる機能であり、綴じ位置を「Left」、「Right」、「Top」で示す。図6の「追加情報を反映したデータベースの内容」の欄において、「=」の後の数字は使用頻度(使用回数)を示しており、最新の印刷ジョブにより更新された使用頻度の横には(+1)と記述されている。また、設定項目ごとに各ユーザにとって最も使用頻度の多い値(設定値)が、太字で示されている。例えばユーザ名が「佐藤」の場合、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い設定値は、Nup=4、Duplex=On、Binding=Leftである。本実施形態では、データベースに反映させた結果の各設定項目の値(設定値)のうち、最も多い設定値が、そのユーザの好みの印刷物の体裁を規定する印刷設定情報として使用される。これにより、各ユーザが最も好む体裁の印刷物を得る確率が高くなる。
【0045】
図7は、図1に示される画像形成装置4のプリンタ3の構成を示すブロック図である。プリンタ3は、CPU31、ROM32、RAM33、操作パネル部34、印刷部35、およびコントローラインターフェース36を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス37を介して相互に接続されている。なお、プリンタ3の上記各部のうち、PC1の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0046】
ROM32には、プリントコントローラ2から受信した印刷画像データに基づいて行われる印刷処理のプログラムが格納されている。
【0047】
操作パネル部34は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備えており、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。
【0048】
印刷部35は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、プリントコントローラ2から受信した印刷画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0049】
コントローラインターフェース36は、ローカル接続されたプリントコントローラ2と通信するためのインタフェースである。
【0050】
なお、PC1、プリントコントローラ2、およびプリンタ3は、それぞれ上述した構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上述した構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0051】
次に、本実施形態の画像形成システムの動作について説明する。
【0052】
図8および図9を参照して、PC1における印刷データの送信処理について説明する。なお、図8のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、PC1のハードディスク14等の記憶部にプログラムとして記憶されており、CPU11によって実行される。
【0053】
まず、PC1において所定の文書ファイルに基く印刷を実行するために、プリンタドライバが起動されると、PC1は、印刷に関する設定を行うための印刷設定画面をディスプレイ15に表示してユーザに提供する(S101)。
【0054】
図9は、印刷設定画面の一例を示す図である。
【0055】
図9に示す印刷設定画面500は、配布資料としての印刷に関する設定を行うための印刷設定画面である。この印刷設定画面500は、「配布資料としての印刷」の指定を行うためのチェックボックス501と、「配布するユーザの選択」として、プリントコントローラ2から取得した配布先のユーザ名のリストを、ユーザが選択可能となるように表示するユーザ名リスト表示領域502とを有している。ここで、ユーザ名リスト表示領域502から複数のユーザ名を選択することが可能である。
【0056】
続いて、チェックボックス501にチェックが入れられているか否かが判断される(S102)。チェックボックス501にチェックが入れられていない場合(Off)には(S102:NO)、ステップS104に進む。
【0057】
チェックボックス501にチェックが入れられている場合(On)には(S102:YES)、ユーザ名リスト表示領域502に表示されているユーザ名の選択が受け付けられた後に(S103)、ステップS104に進む。なお、ステップS103では、複数のユーザ名の選択が受付けられ得る。
【0058】
ステップS104では、印刷設定画面500のOKボタン503が押下されたか否かが判断される。OKボタン503が押下されていないと判断された場合には(S104:NO)、ステップS102に戻り、OKボタン503が押下されたと判断された場合には(S104:YES)、ステップS105に進む。なお、キャンセルボタン504が押下された場合には、チェックボックス501のチェックが解除される。
【0059】
ステップS105では、図示しない別の印刷設定画面において、ユーザからの印刷指示を受け付ける。なお、印刷指示を受け付ける前に、ユーザの操作に基づいて、印刷設定情報の各項目(「Nup」、「Duplex」、「Binding」など)の値が設定される。
【0060】
そして、文書ファイルを変換することにより印刷データが作成される(S106)。ここで、印刷データには、「配布資料としての印刷」が指定されているか否か(ONかOFFか)という情報と、ONの場合には印刷設定画面500において選択された配布先のユーザを一意に表す名称(ユーザ名)または識別情報(ID)とが付加される。
【0061】
続いて、作成された印刷データが画像形成装置4のプリントコントローラ2に印刷ジョブとして送信される(S107)。
【0062】
次に、図10〜図13を参照して、プリントコントローラ2における印刷データの受信処理について説明する。なお、図10のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プリントコントローラ2のハードディスク24等の記憶部にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0063】
まず、PC1から印刷データが受信され(S201)、受信した印刷データに「配布資料としての印刷」が指定されているか否かが判断される(S202)。
【0064】
受信した印刷データに「配布資料としての印刷」が指定されていない場合(S202:NO)、ステップS210に進む。
【0065】
ステップS210では、配布資料としての印刷が指定されていない印刷データが解析される。ここで、印刷データ解析部は、受信した印刷データからユーザ名を検出し、データベースから当該ユーザの履歴情報(ユーザ情報)を抽出して、そのユーザ情報に、受信した印刷データの印刷設定情報を追加して反映させる。なお、データベースに当該ユーザのユーザ情報がない場合には、新たなユーザ情報が生成される。
【0066】
続いて、受信した印刷データの印刷設定情報が追加的に反映されたユーザ情報がデータベースに蓄積される(S211)。すなわち、配布資料としての印刷が指定されていない印刷データに設定されている印刷設定情報が、当該印刷データの発行元であるユーザごとに履歴情報(ユーザ情報)としてデータベースに保存される。
【0067】
続いて、受信した印刷データをラスタライズ処理することにより、印刷画像データが生成され(S212)、生成された印刷画像データがプリンタ3に送信される(S213)。そして、プリンタ3は、受信した印刷画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0068】
一方、受信した印刷データに「配布資料としての印刷」が指定されている場合(S202:YES)、ステップS203に進む。
【0069】
ステップS203では、図11に示すように、プリントコントローラ2は、設定可能な体裁(印刷設定情報)の数のジョブを複製し、複製した各ジョブに対して、印刷設定情報をそれぞれ変えて設定する(S203)。ここで、各ジョブの印刷部数は、初期値として0に設定される。このように、受信した印刷データに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されるため、各ジョブについて順次処理することにより、配布先のユーザごとの印刷物をより簡単に得ることが可能となる。
【0070】
続いて、プリントコントローラ2は、受信した印刷データにおいて設定されている配布先のユーザ名を抽出し、データベースにユーザごとの履歴情報(ユーザ情報)として保存されている該当するユーザの好みの体裁(印刷設定情報)を調べる。そして、図12に示すように、プリントコントローラ2は、配布先のユーザの好みの体裁(印刷設定情報)が設定されているジョブの印刷部数を1ずつインクリメントする(S204)。これにより、各ジョブにおける印刷部数は同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数となり、効率的な配布資料としての印刷が可能となる。
【0071】
続いて、プリントコントローラ2は、印刷部数が1以上の各ジョブに対して、ヘッダページを1枚追加し、そのヘッダページに、配布先のユーザ名と印刷部数とを記述する(S205)。これにより、印刷後に配布資料を配布することが確実かつ容易となる。
【0072】
続いて、印刷部数が「0」のジョブが削除される(S206)。
【0073】
続いて、図13に示すように、削除されずに残ったジョブの1つをラスタライズ処理することにより、印刷画像データが生成され(S207)、生成された印刷画像データがプリンタ3に送信される(S208)。なお、図13の例における印刷部数は、図12の例とは別ケースの例のものである。そして、プリンタ3は、受信した印刷画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0074】
ステップS209では、未処理のジョブが残っているか否かが判断される(S209)。未処理のジョブが残っている場合(S209:YES)、ステップS207に戻り、未処理のジョブが残っていない場合(S209:NO)、図10の処理は終了する。
【0075】
上述したように本実施形態では、印刷データの発行元であるユーザごとの印刷設定情報が履歴情報として記憶されており、配布資料としての印刷が指定されている印刷データについての配布先のユーザに対する印刷設定情報が、当該履歴情報に基づいて設定される。
【0076】
したがって本実施形態によれば、配布する側のユーザは、受け取る側のユーザの望む印刷物の体裁を全く意識する必要がない。これにより、配布資料を印刷する際に、配布先のユーザの望む体裁の印刷物をより手間を掛けずに容易に取得することができる。
【0077】
本発明は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0078】
例えば、上記実施形態では、ステップS203において設定可能な体裁(印刷設定情報)の数のすべてのジョブが複製され、後で不要なジョブが削除されるように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、最初に、或るユーザの好みの体裁(印刷設定情報)が設定されたジョブが複製され、続いて別のユーザの好みの体裁(印刷設定情報)が前記ユーザのものと異なっていた場合に、当該別のユーザの好みの体裁(印刷設定情報)が設定されたジョブが順次複製されるようにして、複製されるジョブを徐々に増やしていってもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、印刷設定情報の項目(設定項目)として、「Nup」、「Duplex」、「Binding」が挙げられているが、本発明はこれに限定されるものではない。また、印刷設定情報は、全ての設定項目を網羅したものである必要は必ずしもなく、任意の限られた項目であってもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、画像形成装置4がプリントコントローラ2とプリンタ3に分けられ、互いにローカル接続された構成の場合について述べたが、プリントコントローラ2はプリンタ3の中に内包されていてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、印刷装置としてプリンタが使用されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばMFP(Multi−Function Peripheral)、複写機等の他の印刷装置も使用され得る。
【0082】
本実施形態の画像形成システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえばフレキシブルディスクやCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送されて記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 PC、
2 プリントコントローラ、
3 プリンタ、
4 画像形成装置、
5 ネットワーク、
11,21,31 CPU、
12,22,32 ROM、
13,23,33 RAM、
14,24 ハードディスク、
15,25 ディスプレイ、
16、26 入力装置、
17,28 ネットワークインタフェース、
18,29,37 バス、
27 プリンタインタフェース、
34 操作パネル部、
35 印刷部、
36 コントローラインターフェース、
500 印刷設定画面、
501 チェックボックス、
502 ユーザ名リスト表示領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムに関する。本発明は、特に、配布資料としての印刷が指定された印刷ジョブを処理可能な印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議等で使用する配布資料を印刷する場合、印刷物の体裁を規定する印刷設定情報は、配布資料を配布する側のユーザの好みで設定されることが殆どである。
【0003】
一方、配布資料を受け取る側のユーザは、自分が印刷時に通常設定している印刷設定情報と異なる印刷設定情報が設定されて印刷されている場合には、例えば文字が小さすぎて読みにくかったり、例えば両面印刷でないためにファイリングをする際にかさばってしまったりするなどの問題が発生していた。
【0004】
この場合、配布する側のユーザが、受け取る側のユーザの望む体裁に印刷しようとすれば、受け取る側のユーザがどのような体裁で印刷して欲しいかを聞いて回り、各ユーザの好みの印刷設定情報を設定して、複数種類の体裁の印刷物を別々に作製して配布する必要がある。これにより、受け取る側のユーザの望む体裁での印刷は可能になるであろうが、実現するにはかなりの手間がかかってしまう。
【0005】
かかる問題を解決する方法として、下記特許文献1に記載の方法が提案されている。この方法は、印刷が指示されたら、配布資料の配布先のユーザに、好みに応じて印刷設定情報の変更指示を促すメールを送信し、変更指示の結果に応じて印刷を実行するという方法である。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法においても、配布資料の配布先のユーザに好みの印刷物の体裁について照会し、配布先のユーザからの指示を受け付ける処理が必要であり、依然として手間がかかるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−362005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、配布資料を印刷する際に、配布先のユーザの望む体裁の印刷物をより手間を掛けずに容易に取得することを可能ならしめる、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
(1)印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断する判断手段と、配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶する記憶手段と、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定する印刷設定手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置。
【0011】
(2)前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする上記(1)に記載の印刷制御装置。
【0012】
(3)配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の印刷制御装置。
【0013】
(4)前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする上記(3)に記載の印刷制御装置。
【0014】
(5)印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断するステップ(a)と、配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶手段に記憶させるステップ(b)と、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定するステップ(c)と、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【0015】
(6)前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする上記(5)に記載の印刷制御方法。
【0016】
(7)配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする上記(5)または(6)に記載の印刷制御方法。
【0017】
(8)前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする上記(7)に記載の印刷制御方法。
【0018】
(9)印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断する手順(a)と、配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶手段に記憶させる手順(b)と、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定する手順(c)と、を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【0019】
(10)前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする上記(9)に記載の印刷制御プログラム。
【0020】
(11)配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の印刷制御プログラム。
【0021】
(12)前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする上記(11)に記載の印刷制御プログラム。
【0022】
(13)上記(9)〜(12)のいずれか1項に記載の印刷制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、印刷ジョブの発行元であるユーザごとの印刷設定情報が履歴情報として記憶されており、配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報が、当該履歴情報に基づいて設定される。
【0024】
したがって本発明によれば、配布する側のユーザは、受け取る側のユーザの望む印刷物の体裁を全く意識する必要がない。これにより、配布資料を印刷する際に、配布先のユーザの望む体裁の印刷物をより手間を掛けずに容易に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるPCの構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバの構成を示す図である。
【図4】図1に示される画像形成装置のプリントコントローラの構成を示すブロック図である。
【図5】プリントコントローラのハードディスクに格納されている印刷データ解析部およびデータベースを示す図である。
【図6】印刷データを解析し印刷設定情報を履歴情報としてデータベースに蓄積する様子を示す図である。
【図7】図1に示される画像形成装置のプリンタの構成を示すブロック図である。
【図8】PCにおける印刷データの送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】印刷設定画面の一例を示す図である。
【図10】プリントコントローラにおける印刷データの受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】ジョブを複製する様子を示す図である。
【図12】データベースの履歴情報に基づいて配布先のユーザの好みの体裁が設定されているジョブの印刷部数をインクリメントする様子を示す図である。
【図13】各ジョブをラスタライズ処理して印刷する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態にかかる画像形成システムの全体構成を示すブロック図である。
【0028】
本実施形態にかかる画像形成システムは、印刷物の体裁を規定する印刷設定情報(印刷条件)の設定および印刷の指示を行うための印刷設定装置としてのPC(パーソナルコンピュータ)1と、PC1により設定された印刷設定情報にしたがって印刷処理を行う画像形成装置4とを備え、これらはネットワーク5により相互に通信可能に接続されている。なお、PC1と画像形成装置4とは、ネットワーク5を介することなく直接機器間で接続(ローカル接続)されていてもよい。
【0029】
画像形成装置4は、互いにローカル接続された印刷制御装置としてのプリントコントローラ2と印刷装置としてのプリンタ3とから成る。このローカル接続には、USB、IEEE1394等のシリアルインタフェース、SCSI、IEEE1284等のパラレルインタフェース、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11、HomeRF、IrDA等の無線通信インタフェース等の各種ローカル接続インタフェースが用いられる。ただし、プリントコントローラ2とプリンタ3とは、ネットワーク5により接続されてもよい。
【0030】
図2は、図1に示されるPC1の構成を示すブロック図である。
【0031】
PC1は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、ディスプレイ15、入力装置16およびネットワークインタフェース17を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。
【0032】
CPU11は、プログラムにしたがって、上記各部の制御や各種の演算処理を行う。ROM12は、各種プログラムや各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。ハードディスク14は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを格納する。
【0033】
ハードディスク14には、文書ファイルを作成するための文書作成アプリケーションと、文書ファイルをプリントコントローラ2が解釈可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された印刷データに変換するためのプリンタドライバとがインストールされている。
【0034】
図3は、プリンタドライバの構成を示す図である。
【0035】
プリンタドライバは、印刷設定情報の設定を行うためにユーザに提供される印刷設定画面をディスプレイ15に表示させるための印刷設定画面表示部と、文書ファイルに基づいて印刷データを作成するための印刷データ作成部とを有している。本実施形態では、プリンタドライバは、印刷物の配布先のユーザ名のリストをプリントコントローラ2から取得するためのユーザ名リスト受信部を有している。
【0036】
ディスプレイ15は、LCD、CRTディスプレイ等であり、各種の情報の表示に使用される。入力装置16は、マウス等のポインティングデバイスやキーボードを含み、各種情報の入力に使用される。
【0037】
ネットワークインタフェース17は、ネットワーク5を介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0038】
図4は、図1に示される画像形成装置4のプリントコントローラ2の構成を示すブロック図である。
【0039】
プリントコントローラ2は、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、ディスプレイ25、入力装置26、プリンタインタフェース27、およびネットワークインタフェース28を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス29を介して相互に接続されている。なお、プリントコントローラ2の上記各部のうち、PC1の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0040】
図5は、プリントコントローラ2のハードディスク24に格納されている印刷データ解析部およびデータベースを示す図である。ハードディスク24には、PC1から印刷ジョブとして送られてくる印刷データを解析するための印刷データ解析部に対応するプログラムと、印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として保存するためのデータベースと、PC1からの印刷データを変換してビットマップ形式の印刷画像データを生成(ラスタライズ処理)するための印刷画像データ生成部に対応するプログラムとが格納されている。
【0041】
プリンタインタフェース27は、ローカル接続されたプリンタ3と通信するためのインタフェースである。
【0042】
図6は、印刷データを解析し印刷設定情報を履歴情報としてデータベースに蓄積する様子を示す図である。
【0043】
印刷データ解析部は、印刷ジョブの発行元であるユーザの名称(ユーザ名)を検出し、データベースから当該ユーザの履歴情報(ユーザ情報)を抽出し、抽出したユーザ情報に対して、送られてきた印刷ジョブで設定されている印刷設定情報を追加して反映させる。
【0044】
例えば図6の例では、送られてきた3つの印刷ジョブの発行元のユーザ名は、それぞれ「佐藤」、「鈴木」、「田中」である。印刷設定情報の項目(設定項目)として、ここでは「Nup」、「Duplex」、「Binding」が挙げられている。「Nup」は、Nページ分のデータを1ページの出力データに配置する機能である。「Duplex」は、両面印刷機能であり、両面印刷を指示する場合には「On」で示す。「Binding」は印刷物を綴じる機能であり、綴じ位置を「Left」、「Right」、「Top」で示す。図6の「追加情報を反映したデータベースの内容」の欄において、「=」の後の数字は使用頻度(使用回数)を示しており、最新の印刷ジョブにより更新された使用頻度の横には(+1)と記述されている。また、設定項目ごとに各ユーザにとって最も使用頻度の多い値(設定値)が、太字で示されている。例えばユーザ名が「佐藤」の場合、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い設定値は、Nup=4、Duplex=On、Binding=Leftである。本実施形態では、データベースに反映させた結果の各設定項目の値(設定値)のうち、最も多い設定値が、そのユーザの好みの印刷物の体裁を規定する印刷設定情報として使用される。これにより、各ユーザが最も好む体裁の印刷物を得る確率が高くなる。
【0045】
図7は、図1に示される画像形成装置4のプリンタ3の構成を示すブロック図である。プリンタ3は、CPU31、ROM32、RAM33、操作パネル部34、印刷部35、およびコントローラインターフェース36を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス37を介して相互に接続されている。なお、プリンタ3の上記各部のうち、PC1の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0046】
ROM32には、プリントコントローラ2から受信した印刷画像データに基づいて行われる印刷処理のプログラムが格納されている。
【0047】
操作パネル部34は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備えており、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。
【0048】
印刷部35は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、プリントコントローラ2から受信した印刷画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0049】
コントローラインターフェース36は、ローカル接続されたプリントコントローラ2と通信するためのインタフェースである。
【0050】
なお、PC1、プリントコントローラ2、およびプリンタ3は、それぞれ上述した構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上述した構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0051】
次に、本実施形態の画像形成システムの動作について説明する。
【0052】
図8および図9を参照して、PC1における印刷データの送信処理について説明する。なお、図8のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、PC1のハードディスク14等の記憶部にプログラムとして記憶されており、CPU11によって実行される。
【0053】
まず、PC1において所定の文書ファイルに基く印刷を実行するために、プリンタドライバが起動されると、PC1は、印刷に関する設定を行うための印刷設定画面をディスプレイ15に表示してユーザに提供する(S101)。
【0054】
図9は、印刷設定画面の一例を示す図である。
【0055】
図9に示す印刷設定画面500は、配布資料としての印刷に関する設定を行うための印刷設定画面である。この印刷設定画面500は、「配布資料としての印刷」の指定を行うためのチェックボックス501と、「配布するユーザの選択」として、プリントコントローラ2から取得した配布先のユーザ名のリストを、ユーザが選択可能となるように表示するユーザ名リスト表示領域502とを有している。ここで、ユーザ名リスト表示領域502から複数のユーザ名を選択することが可能である。
【0056】
続いて、チェックボックス501にチェックが入れられているか否かが判断される(S102)。チェックボックス501にチェックが入れられていない場合(Off)には(S102:NO)、ステップS104に進む。
【0057】
チェックボックス501にチェックが入れられている場合(On)には(S102:YES)、ユーザ名リスト表示領域502に表示されているユーザ名の選択が受け付けられた後に(S103)、ステップS104に進む。なお、ステップS103では、複数のユーザ名の選択が受付けられ得る。
【0058】
ステップS104では、印刷設定画面500のOKボタン503が押下されたか否かが判断される。OKボタン503が押下されていないと判断された場合には(S104:NO)、ステップS102に戻り、OKボタン503が押下されたと判断された場合には(S104:YES)、ステップS105に進む。なお、キャンセルボタン504が押下された場合には、チェックボックス501のチェックが解除される。
【0059】
ステップS105では、図示しない別の印刷設定画面において、ユーザからの印刷指示を受け付ける。なお、印刷指示を受け付ける前に、ユーザの操作に基づいて、印刷設定情報の各項目(「Nup」、「Duplex」、「Binding」など)の値が設定される。
【0060】
そして、文書ファイルを変換することにより印刷データが作成される(S106)。ここで、印刷データには、「配布資料としての印刷」が指定されているか否か(ONかOFFか)という情報と、ONの場合には印刷設定画面500において選択された配布先のユーザを一意に表す名称(ユーザ名)または識別情報(ID)とが付加される。
【0061】
続いて、作成された印刷データが画像形成装置4のプリントコントローラ2に印刷ジョブとして送信される(S107)。
【0062】
次に、図10〜図13を参照して、プリントコントローラ2における印刷データの受信処理について説明する。なお、図10のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、プリントコントローラ2のハードディスク24等の記憶部にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0063】
まず、PC1から印刷データが受信され(S201)、受信した印刷データに「配布資料としての印刷」が指定されているか否かが判断される(S202)。
【0064】
受信した印刷データに「配布資料としての印刷」が指定されていない場合(S202:NO)、ステップS210に進む。
【0065】
ステップS210では、配布資料としての印刷が指定されていない印刷データが解析される。ここで、印刷データ解析部は、受信した印刷データからユーザ名を検出し、データベースから当該ユーザの履歴情報(ユーザ情報)を抽出して、そのユーザ情報に、受信した印刷データの印刷設定情報を追加して反映させる。なお、データベースに当該ユーザのユーザ情報がない場合には、新たなユーザ情報が生成される。
【0066】
続いて、受信した印刷データの印刷設定情報が追加的に反映されたユーザ情報がデータベースに蓄積される(S211)。すなわち、配布資料としての印刷が指定されていない印刷データに設定されている印刷設定情報が、当該印刷データの発行元であるユーザごとに履歴情報(ユーザ情報)としてデータベースに保存される。
【0067】
続いて、受信した印刷データをラスタライズ処理することにより、印刷画像データが生成され(S212)、生成された印刷画像データがプリンタ3に送信される(S213)。そして、プリンタ3は、受信した印刷画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0068】
一方、受信した印刷データに「配布資料としての印刷」が指定されている場合(S202:YES)、ステップS203に進む。
【0069】
ステップS203では、図11に示すように、プリントコントローラ2は、設定可能な体裁(印刷設定情報)の数のジョブを複製し、複製した各ジョブに対して、印刷設定情報をそれぞれ変えて設定する(S203)。ここで、各ジョブの印刷部数は、初期値として0に設定される。このように、受信した印刷データに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されるため、各ジョブについて順次処理することにより、配布先のユーザごとの印刷物をより簡単に得ることが可能となる。
【0070】
続いて、プリントコントローラ2は、受信した印刷データにおいて設定されている配布先のユーザ名を抽出し、データベースにユーザごとの履歴情報(ユーザ情報)として保存されている該当するユーザの好みの体裁(印刷設定情報)を調べる。そして、図12に示すように、プリントコントローラ2は、配布先のユーザの好みの体裁(印刷設定情報)が設定されているジョブの印刷部数を1ずつインクリメントする(S204)。これにより、各ジョブにおける印刷部数は同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数となり、効率的な配布資料としての印刷が可能となる。
【0071】
続いて、プリントコントローラ2は、印刷部数が1以上の各ジョブに対して、ヘッダページを1枚追加し、そのヘッダページに、配布先のユーザ名と印刷部数とを記述する(S205)。これにより、印刷後に配布資料を配布することが確実かつ容易となる。
【0072】
続いて、印刷部数が「0」のジョブが削除される(S206)。
【0073】
続いて、図13に示すように、削除されずに残ったジョブの1つをラスタライズ処理することにより、印刷画像データが生成され(S207)、生成された印刷画像データがプリンタ3に送信される(S208)。なお、図13の例における印刷部数は、図12の例とは別ケースの例のものである。そして、プリンタ3は、受信した印刷画像データに基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷する。
【0074】
ステップS209では、未処理のジョブが残っているか否かが判断される(S209)。未処理のジョブが残っている場合(S209:YES)、ステップS207に戻り、未処理のジョブが残っていない場合(S209:NO)、図10の処理は終了する。
【0075】
上述したように本実施形態では、印刷データの発行元であるユーザごとの印刷設定情報が履歴情報として記憶されており、配布資料としての印刷が指定されている印刷データについての配布先のユーザに対する印刷設定情報が、当該履歴情報に基づいて設定される。
【0076】
したがって本実施形態によれば、配布する側のユーザは、受け取る側のユーザの望む印刷物の体裁を全く意識する必要がない。これにより、配布資料を印刷する際に、配布先のユーザの望む体裁の印刷物をより手間を掛けずに容易に取得することができる。
【0077】
本発明は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0078】
例えば、上記実施形態では、ステップS203において設定可能な体裁(印刷設定情報)の数のすべてのジョブが複製され、後で不要なジョブが削除されるように構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、最初に、或るユーザの好みの体裁(印刷設定情報)が設定されたジョブが複製され、続いて別のユーザの好みの体裁(印刷設定情報)が前記ユーザのものと異なっていた場合に、当該別のユーザの好みの体裁(印刷設定情報)が設定されたジョブが順次複製されるようにして、複製されるジョブを徐々に増やしていってもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、印刷設定情報の項目(設定項目)として、「Nup」、「Duplex」、「Binding」が挙げられているが、本発明はこれに限定されるものではない。また、印刷設定情報は、全ての設定項目を網羅したものである必要は必ずしもなく、任意の限られた項目であってもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、画像形成装置4がプリントコントローラ2とプリンタ3に分けられ、互いにローカル接続された構成の場合について述べたが、プリントコントローラ2はプリンタ3の中に内包されていてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、印刷装置としてプリンタが使用されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばMFP(Multi−Function Peripheral)、複写機等の他の印刷装置も使用され得る。
【0082】
本実施形態の画像形成システムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえばフレキシブルディスクやCD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送されて記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 PC、
2 プリントコントローラ、
3 プリンタ、
4 画像形成装置、
5 ネットワーク、
11,21,31 CPU、
12,22,32 ROM、
13,23,33 RAM、
14,24 ハードディスク、
15,25 ディスプレイ、
16、26 入力装置、
17,28 ネットワークインタフェース、
18,29,37 バス、
27 プリンタインタフェース、
34 操作パネル部、
35 印刷部、
36 コントローラインターフェース、
500 印刷設定画面、
501 チェックボックス、
502 ユーザ名リスト表示領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断する判断手段と、
配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶する記憶手段と、
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定する印刷設定手段と、
を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断するステップ(a)と、
配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶手段に記憶させるステップ(b)と、
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定するステップ(c)と、
を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項6】
前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする請求項5に記載の印刷制御方法。
【請求項7】
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする請求項5または6に記載の印刷制御方法。
【請求項8】
前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする請求項7に記載の印刷制御方法。
【請求項9】
印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断する手順(a)と、
配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶手段に記憶させる手順(b)と、
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定する手順(c)と、
を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項10】
前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする請求項9に記載の印刷制御プログラム。
【請求項11】
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする請求項9または10に記載の印刷制御プログラム。
【請求項12】
前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする請求項11に記載の印刷制御プログラム。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の印刷制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断する判断手段と、
配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶する記憶手段と、
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定する印刷設定手段と、
を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断するステップ(a)と、
配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶手段に記憶させるステップ(b)と、
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定するステップ(c)と、
を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項6】
前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする請求項5に記載の印刷制御方法。
【請求項7】
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする請求項5または6に記載の印刷制御方法。
【請求項8】
前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする請求項7に記載の印刷制御方法。
【請求項9】
印刷ジョブに配布資料としての印刷が指定されているか否かを判断する手順(a)と、
配布資料としての印刷が指定されていない印刷ジョブに設定されている印刷設定情報を、当該印刷ジョブの発行元であるユーザごとに履歴情報として記憶手段に記憶させる手順(b)と、
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報を、前記記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいて設定する手順(c)と、
を有する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項10】
前記配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブについての配布先のユーザに対する印刷設定情報は、前記履歴情報に基づいて、設定項目ごとに当該ユーザにとって最も使用頻度の多い値に設定されることを特徴とする請求項9に記載の印刷制御プログラム。
【請求項11】
配布資料としての印刷が指定されている印刷ジョブに、複数の配布先のユーザが指定されている場合、前記印刷ジョブに基づいて複数のジョブが複製され、各ジョブについて印刷設定情報が設定されることを特徴とする請求項9または10に記載の印刷制御プログラム。
【請求項12】
前記ジョブの数は、設定される印刷設定情報の種類の数であり、各ジョブにおける印刷部数は、同じ印刷設定情報が適用されるユーザの人数分の部数であることを特徴とする請求項11に記載の印刷制御プログラム。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項に記載の印刷制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−48753(P2011−48753A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198338(P2009−198338)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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