印刷制御装置、印刷制御方法、及びコンピュータプログラム
【課題】 サーバで管理されている印刷装置で印刷を行うに際し、ユーザが意図する印刷装置での印刷を容易に行えるようにする。
【解決手段】 要求元のユーザがアクセスしたことがあり、且つ、当該ユーザが指定した場所と同じ場所にあるプリンタ107のうち、当該ユーザに対応する印刷設定で印刷できるプリンタ107を印刷先として決定する。
【解決手段】 要求元のユーザがアクセスしたことがあり、且つ、当該ユーザが指定した場所と同じ場所にあるプリンタ107のうち、当該ユーザに対応する印刷設定で印刷できるプリンタ107を印刷先として決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、印刷制御方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、サーバで管理されている印刷装置で印刷を行うために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
内部統制・セキュリティ強化や、PCの管理コストの削減のため、オフィス環境でもクライアントPCにアプリケーションをインストールしない、シンクライアント化が加速している。それに伴い、印刷業務においても、クライアントPCがプリントドライバやプリンタオブジェクトを保持せず、プリントサーバが全てのプリンタを管理し、印刷ジョブを管理する印刷システムが主流になってきている。
このようにプリントサーバで全てのプリンタを管理する場合、管理するプリンタの台数が大幅に増加することになる。そのため、印刷を行うユーザは、大量のプリンタの中から印刷するプリンタを選択する必要がある。したがって、ユーザは、適切なプリンタを選択するために、プリンタドライバやプリンタの能力等の情報を事前に知っておく必要があった。特に、場所が特定されないモバイルの端末をクライアント端末として使用する環境等では、クライアント端末で得られるプリンタの情報が少ない場合がある。このような場合、実際に印刷が開始できるようになるまでに時間がかかることがある。そこで、プリントサーバが印刷条件に適したプリンタを自動選択するシステムが提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−58306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、プリントサーバが印刷条件だけからプリンタを自動選択してしまうので、自動選択されたプリンタが、ユーザの知っているプリンタとは限らず、意図しない場所に印刷物が出力される虞がある。したがって、ユーザの利便性や、印刷物のセキュリティが確保されないことがある。また、ユーザは、自動選択されたプリンタから、自分の近くにあるプリンタに印刷物を出力するプリンタを変更するためには、そのプリンタを大量のプリンタの中から特定し、プリンタドライバの設定等を行う必要があった。このため、ユーザの近くにあるプリンタに印刷物を出力させることが容易ではない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、サーバで管理されている印刷装置で印刷を行うに際し、ユーザが意図する印刷装置での印刷を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷制御装置は、印刷装置における印刷に対するユーザの要求を受け付ける受け付け手段と、前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴と、前記要求を行ったユーザによって登録された印刷設定を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、且つ、当該ユーザによって登録された印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、印刷の要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、且つ、当該ユーザによって登録された印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定するようにした。したがって、ユーザが知らない印刷装置で印刷が行われてしまうことを自動的に抑制することができる。よって、ユーザが意図する印刷装置での印刷を容易に行えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】印刷制御システムの構成を示す図である。
【図2】プリントサーバの機能的な構成を示す図である。
【図3】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】プリンタのハードウェア構成を示す図である。
【図5】RAMのメモリマップを示す図である。
【図6】プリンタ管理部が管理する情報を示す図である。
【図7】ログイン情報とリクエスト情報を示す図である。
【図8】リクエスト情報受信時のプリンタ管理処理を示すフローチャートである。
【図9】ログイン情報受信時のプリンタ管理処理を示すフローチャートである。
【図10】エラー発生時のプリンタ管理処理を示すフローチャートである。
【図11】印刷完了時のプリンタ管理処理を示すフローチャートである。
【図12】アクセス回数に従う印刷先の決定を促すメッセージを示す図である。
【図13】Webブラウザ上のユーザインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、印刷制御システムの構成の一例を示す図である。
図1では、ネットワークの一例であるWAN101を介して、アプリケーションサーバ102、プリントサーバ103、及びデータベースシステム104と、プリンタ107、及びクライアントPC108とが相互に接続されている。
アプリケーションサーバ102は、WAN101を介して、大容量記憶装置105に文書データを保存したり、文書データを印刷可能な印刷ジョブに変換して大容量記憶装置105に保存したり、保存された文書データをクライアントPC108へ送信したりする。また、アプリケーションサーバ102は、クライアントPC108からの印刷指示や、印刷ジョブの操作を受け付けて、プリントサーバ103へ指示をする。尚、本実施形態では、アプリケーションサーバ102は、クライアントPC108のWebブラウザで動作するアプリケーションを提供する「Webアプリケーションサーバ」を想定している。
プリントサーバ103は、プリンタ107の監視や管理、印刷ジョブの制御や監視、プリンタ107への印刷ジョブの転送等の処理を行う。また、プリントサーバ103は、WAN101を介してデータベースシステム104やアプリケーションサーバ102と通信を行い、クライアントPC108が使用するプリンタ107、印刷設定情報、及び印刷ジョブを管理する。
【0009】
データベースシステム104は、大容量記憶装置105を管理するサーバコンピュータである。大容量記憶装置105には、アプリケーションサーバ102が作成した文書データ、印刷ジョブ、印刷ジョブ情報、及びプリンタ情報等が記憶されている。他のサーバ(アプリケーションサーバ102やプリントサーバ103等)は、これらの情報にアクセス(データの取得・更新・追加・削除)するために、データベースシステム104に要求を出す。データベースシステム104は、それらの要求を受け付けて実行する。尚、アプリケーションサーバ102は、印刷ジョブ(PDLデータ)を生成するためのプリンタドライバを備えているものとする。
プリンタ107は、LAN106に接続された画像形成装置である。プリンタ107は、LAN106やWAN101等を介して、アプリケーションサーバ102やプリントサーバ103と通信を行う。プリンタ107としては、電子写真方式を採用したレーザビームプリンタや、インクジェット方式を採用したインクジェットプリンタや、熱転写方式を利用したプリンタ等あらゆる方式の印刷装置を採用することができる。また、本実施形態では、印刷制御システムに含まれる装置間の通信はイーサネット(登録商標)ケーブル等を利用した有線通信でもよいし、電波や光等を利用した無線通信でもよい。
クライアントPC108は、情報処理を行うためのPCである。各クライアントPC108は、LAN106に接続されており、WAN101を介して各種のサーバコンピュータと通信することができる。
本実施形態では、プリンタ107及びクライアントPC108は、それぞれ複数台あることを想定しており、また、LAN106、プリンタ107、及びクライアントPC108と同様の構成が複数存在することを想定している。
【0010】
図2は、プリントサーバ103の機能的な構成の一例を示す図である。
リクエスト管理部201は、ユーザから、クライアントPC108のWebブラウザや、プリンタ107を介して、印刷要求、印刷設定情報の登録、印刷先要求、及びログイン情報を受け付ける。ここで、印刷要求とは、ユーザからプリントサーバ103への印刷指示である。また、印刷設定情報の登録とは、ユーザが所望する印刷設定情報の登録をプリントサーバ103へ要求することである。また、印刷先要求とは、ユーザが登録した印刷設定情報に対する実際の印刷先の決定をプリントサーバ103へ要求することである。また、ログイン情報とは、クライアントPC108のWebブラウザや、プリンタ107からプリントサーバ103へ通知されるユーザのログイン情報である。プリンタ107からプリントサーバ103へのログイン情報は、図4に示す操作部406を介して通知される。また、Webブラウザからのログイン情報は、プリンタ107に接続されたカードリーダや、クライアントPC108に表示されるWebブラウザ上のリモートユーザインターフェースを用いたりすることによって通知される。印刷設定情報の登録や、ログイン情報の詳細に関しては、図6、図7等を用いて後述する。尚、ここでは、クライアントPC108のWebブラウザや、プリンタ107から印刷指示を行うようにする場合を例に挙げて説明するが、例えば、アプリケーションサーバ102のユーザインターフェースから印刷指示を行うようにしてもよい。
【0011】
リクエスト管理部201が印刷要求を受け付けると、ジョブ制御部202は、データベースアクセス部206を介してデータベースシステム104から、印刷ジョブ情報、印刷ジョブを取得する。ジョブ制御部202は、印刷ジョブを受け付けると、デバイス制御部204にプリンタ107の状況を問い合わせる。プリンタ107が正常の場合には、ジョブ送信部203は、プリンタ107へ印刷ジョブを送信する。尚、本実施形態では、印刷ジョブはアプリケーションサーバ102で作成され、データベースシステム104に保存されることを想定している。その他の印刷ジョブの作成手段としては、例えば、データベースシステム104に保存されている文書データをプリントサーバ103が取得し、プリントサーバ103が有するプリンタドライバにより印刷ジョブを作成することも考えられる。
リクエスト管理部201が印刷設定情報の登録やログイン情報を受け付けると、プリンタ管理部205は、データベースアクセス部206を通してデータベースシステム104の情報を更新する。
リクエスト管理部201が印刷先要求を受け付けると、プリンタ管理部205は、ログイン情報と、ユーザごとに設定された印刷設定情報と、プリンタへのアクセスの履歴であるアクセス情報と、プリンタ情報とに基づいて、印刷先を決定する。印刷先を決定する方法の詳細は図8を用いて後述する。
【0012】
図3は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。アプリケーションサーバ102、プリントサーバ103、データベースシステム104、クライアントPC108は、この情報処理装置と同様、或いは同等の構成をとる。尚、本実施形態では、アプリケーションサーバ102、プリントサーバ103、及びデータベースシステム104を個別に設けた場合を例に挙げて示している。しかしながら、これらを1つの情報処理装置に纏めるようにしてもよい。
CPU301は、情報処理装置の制御装置であり、ハードディスク(HD)307に格納されているコンピュータプログラム(例えば、アプリケーションプログラム、プリントドライバプログラム、OS、後述のフローチャートの印刷制御プログラム)を実行する。また、CPU301は、RAM303にプログラムの実行に必要な情報やファイル等を一時的に格納する制御を行う。また、CPU301は、ディスプレイ306の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。本実施形態では、印刷設定情報や印刷指示は、クライアントPC108のディスプレイ306に表示されるWebブラウザより行うものとする。ROM302は、基本I/Oプログラム等のプログラム、文書処理の際に使用されるフォントデータ、テンプレート用データ等の各種データを記憶する。RAM303は、CPU301の主メモリやワークエリア等として機能する。インターフェース(NIC)304は、外部装置とデータのやり取りを行うためのインターフェースである。キーボード305は、ユーザが情報処理装置に命令等の入力指示をするためのものである。ディスプレイ306は、キーボード305から入力されたコマンド等を表示するものである。ハードディスク(HD)307は、大容量メモリとして機能し、プログラム(アプリケーションプログラム、プリントドライバプログラム、OS等)を格納している。フレキシブルディスク(FD)307は可搬型の記憶媒体である。図3に示す各ブロックは、システムバス309を介して相互に接続されている。
【0013】
図4は、プリンタ107のハードウェア構成の一例を示す図である。
CPU401は、例えば、制御プログラム等に基づいてシステムバス409に接続される印刷部405(プリンタエンジン)に出力情報としての画像信号を出力する。ROM402は、CPU401の制御プログラム等を記憶する。また、ハードディスク(HD)407等の外部メモリがない場合、ROM402は、ホストコンピュータで利用される情報等を記憶する。RAM403は、CPU401の主メモリ、ワークエリア等として機能する。尚、RAM403は出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。インターフェース(NIC)404は、外部装置とのデータのやり取りを行うためのインターフェースである。本実施形態では、CPU401は、ユーザが操作する情報をインターフェース(NIC)404を介してプリントサーバ103に通知する。印刷部405は、CPU401より出力された画像信号の処理を行う。操作部406は、例えば、ユーザが、プリンタ107にログインしたり、印刷ジョブの閲覧やジョブ操作を行ったりするための入力を行うためのものである。ハードディスク(HD)407は、出力情報を生成される際に使用されるフォントデータや、CPU401の制御情報等を格納する。外部インターフェース408には、ICカードリーダ等が接続される。
【0014】
図5は、図3に示したRAM303のメモリマップの一例を示す図である。具体的に図5(a)は、FD308から印刷制御プログラムがRAM303にロードされ実行可能となった状態のメモリマップの一例を示す図である。尚、既に印刷制御プログラムがインストールされているHD307からRAM303に印刷制御プログラムをロードしてもよい。また、印刷制御プログラムを記憶する媒体は、CD-ROM、CD-R、PCカード、DVD、ICメモリカード等であってもよい。また、印刷制御プログラムをROM302に記憶しておき、これをメモリマップの一部となすように構成し、CPU401で印刷制御プログラムを直接実行してもよい。また、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアをもってハードウェア装置の代替として構成することもできる。
基本I/Oプログラム501は、情報処理装置の電源がオンされると、HD307からOS502をRAM303に読み出して、OS502の動作を開始させるIPL(イニシャルプログラムローディング)機能等を有しているプログラムが入っている領域である。印刷制御プログラム503は、後述するフローチャートに示される処理を実行するプログラムであり、RAM303に確保される領域に記憶される。また、関連データ504は、印刷制御プログラム503の実行のために必要なデータである。ワークエリア505は、CPU301が印刷制御プログラム503を実行する領域である。
図5(b)は、FD308のメモリマップの一例を示す図であり、FD308のデータ内容を示している。FD308のメモリマップには、データの情報量を示すボリューム情報506の他、ディレクトリ情報507、印刷制御プログラム508、関連データ509がある。印刷制御プログラム508は、後述するフローチャートに示される処理を実行するプログラムである。
【0015】
図6は、プリンタ管理部205が管理する情報の一例を示す図である。具体的に図6(a)は、ユーザ情報、印刷設定情報、及びアクセス情報の一例を示し、図6(b)は、プリンタ情報の一例を示す。プリンタ管理部205は、リクエスト管理部201が受け付けた印刷設定情報やログイン情報を、データベースアクセス部206を介してデータベースシステム104に登録する。また、プリンタ管理部205が管理するプリンタ107の情報もデータベースシステム104に登録されている。
ユーザ情報600には、リクエストを行ったユーザ名603が登録されている。プリンタ管理部205は、このユーザ名603を利用して、リクエスト管理部201から受け取った情報がどのユーザの情報かを特定する。このユーザ情報600毎(ユーザ毎)に、印刷設定情報601及びアクセス情報602が相互に関連付けられてデータベースシステム104に保持されている。
印刷設定情報601は、ユーザがクライアントPC108に表示されるWebブラウザを介して登録する情報であり、印刷設定604と使用場所605とを含む。印刷設定604は、ユーザが使用する印刷設定の組み合わせであり、使用場所605毎に複数の設定を登録することが可能である。例えば、両面印刷とカラー印刷の設定が登録された場合、ユーザは印刷の度に設定する必要がなくなり操作性が向上する。設定可能な属性としては、片面/両面印刷、カラー/モノクロ印刷、NUP印刷、製本印刷等がある。使用場所605は、印刷設定604を利用する場所を示す情報である。
【0016】
アクセス情報602は、ユーザが使用したプリンタ107の使用履歴に関する情報であり、プリンタ管理部205によって更新される。また、プリンタ管理部205は、アクセス情報602を利用して、ユーザが登録した印刷設定情報601に対する出力先のプリンタを決定する。出力先のプリンタを決定する方法の詳細は図8を用いて後述する。
プリンタ名606は、プリンタ管理部205が管理するプリンタ107の一意の名称である。プリンタ管理部205は、プリンタ名606を利用してプリンタ107を特定する。尚、プリンタ名はプリンタを特定するための識別情報として使用される。最終アクセス日時607は、プリンタ名606のプリンタ107にユーザがアクセスした日時であり、プリンタ管理部205により更新される。ここでいうアクセスとは、ユーザが、プリンタ107の操作部406を介してプリンタ107にログインしたり、カードリーダのような外部インターフェース408を使用したりしたことを指す。アクセス回数608は、ユーザが、プリンタ名606のプリンタ107にログイン等をした回数を示し、プリンタ管理部205により更新される。
【0017】
プリンタ情報609は、プリンタ管理部205が管理しているプリンタ107に関する情報である。プリンタ情報609は、設置場所610、プリンタ名611、印刷能力612、及びステータス613を含む。
設置場所610は、プリンタ107が物理的に存在する場所を示す情報である。プリンタ名611は、プリンタ107を特定するための情報である。プリンタ管理部205は、プリンタ名611から、アクセス情報602のプリンタ名606等を特定し、最終アクセス日時607やアクセス回数608の情報を取得する。印刷能力612は、プリンタ107の能力を示す情報である。ステータス613は、プリンタ107の状態を示し、デバイス制御部204によって更新される。
【0018】
図7は、ログイン情報とリクエスト情報の一例を示す図である。具体的に図7(a)は、プリンタ107等から受け取るログイン情報700の一例を示す図である。プリンタ107は、ユーザがプリンタ107の操作部406や外部インターフェース408を使用してプリンタ107にログインした場合に、インターフェース404を介してプリントサーバ103へログイン情報700を通知する。前述した、Webブラウザ上のリモートユーザインターフェースへのログイン時にもWebブラウザを介してプリントサーバ103にログイン情報700が通知される。
プリンタ名701は、プリンタ107の名称である。ユーザ名702は、プリンタ107にログインしたユーザの名称である。プリンタ管理部205は、リクエスト管理部201からプリンタ名701、ユーザ名702を受け取ると、データベースシステム104から、プリンタ名701、ユーザ名702に対応する情報を取得する。
図7(b)は、リクエスト管理部201が、クライアントPC108から受け付けるリクエスト情報706の一例を示す図である。ユーザのキーボード305等の操作に応じて、クライアントPC108からプリントサーバ103へリクエスト情報706が通知される。
リクエストID703は、ユーザの操作に対応したIDである。具体的に、印刷指示、印刷先要求、印刷設定情報の登録等のリクエストには、それぞれ一意のリクエストID703が割り当てられている。リクエストID703は、クライアントPC108からプリントサーバ103に発行される。ユーザ名704は、リクエストを指示したユーザの名称である。場所情報705は、ユーザによってリクエストが発行される時に指定される情報であり、ユーザの操作するクライアントPC108の設置場所を示す。プリンタ管理部205は、リクエスト情報706の場所情報705と、プリンタ情報609の設置場所610とを比較する。そして、プリンタ管理部205は、場所情報705に合致する設置場所610を選択し、選択した設置場所610に対応する印刷能力612やステータス613の情報を得る。
【0019】
次に、プリントサーバ103のプリンタ管理処理を図8〜図11のフローチャートを用いて説明する。尚、これらのフローチャートに係るプリントサーバ103のプログラムは、例えば、コンピュータのHD307に記憶されており、RAM303に読み出されCPU301によって実行される。
図8は、リクエスト管理部201が、クライアントPC108からリクエスト情報706を受信した場合のプリンタ管理処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS801において、リクエスト管理部201は、クライアントPC108のWebブラウザ等から、印刷要求、印刷設定情報の登録、印刷先要求、ログイン情報等のリクエスト情報706を受け付ける。このように本実施形態では、例えば、ステップS801の処理により、受け付け手段の一例が実現される。
次に、ステップS802において、リクエスト管理部201は、ステップS801で受け付けたリクエスト情報706に含まれているリクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDであるか否かを判断する。この判断の結果、リクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDであると判断された場合、プリンタ管理部205は、リクエスト情報706から、ユーザ名704と場所情報705を取得する。
【0020】
次に、ステップS804において、プリンタ管理部205は、データベースシステム104からステップS803で取得したユーザ名704に合致するユーザ名603を特定する。そして、プリンタ管理部205は、特定したユーザ名603に関連付けられた印刷設定情報601とアクセス情報602を取得する。このように本実施形態では、例えば、ステップS804の処理により、取得手段の一例が実現される。
次に、ステップS805において、プリンタ管理部205は、ステップS804で取得したアクセス情報602内のプリンタ名606の設置場所610を、プリンタ情報609から取得する。そして、プリンタ管理部205は、取得した設置場所610の中に、ステップS803で取得した場所情報705に合致するものがあるか否かを判断する。ステップS805の処理を行うことで、ユーザが、クライアントPCの設置場所に配置されているプリンタを過去に使ったことがあるか否かが特定される。この判断の結果、取得した設置場所610の中に、場所情報705に合致するものがあった場合にはステップS806に進み、合致するものがなかった場合にはステップS807に進む。例えば、場所情報705が拠点B居室Cである場合、アクセス情報602に記載されているMFP100の設置場所が拠点B居室Cであるため、合致するプリンタがあると判断される。尚、拠点B居室CにはMFP099も設置されているが、MFP099はアクセス情報602に含まれないため、MFP099は対象外となる。
【0021】
ステップS806に進むと、プリンタ管理部205は、ステップS805で合致した設置場所610に配置されているプリンタの印刷能力612と、ユーザによって設定された印刷設定情報601に含まれる印刷設定604とを比較する。ここで、ステップS805で合致した設置場所610に複数のプリンタがある場合、プリンタ管理部205は、次の処理を行う。すなわち、プリンタ管理部205は、最終アクセス日時607の新しいプリンタを優先して選択し、選択したプリンタの印刷能力612と印刷設定604とを比較する。これにより最近使用したプリンタがユーザに勧められるため、ユーザはプリンタの場所を容易に特定できる。そして、ステップS808に進む。一方、ステップS807に進むと、プリンタ管理部205は、ステップS803で取得した場所情報705と、ユーザによって設定された印刷設定情報601に含まれる印刷設定604とに合致するプリンタをプリンタ情報609から検索する。そして、ステップS808に進む。例えば、場所情報705が拠点A居室Zである場合、拠点A居室ZにはSFP098が設置されているが、SFP098はアクセス情報602に含まれない。そのため、S805においてプリンタ管理部は、Noと判断する。その後、ステップS807において拠点A居室Zには過去にアクセスされていないがSFP098がある。ここで、印刷設定情報に「拠点A居室Z:モノクロ 片面」が含まれている場合、プリンタ管理部205は、ステップS807においてSFP098を特定する。
ステップS808に進むと、プリンタ管理部205は、該当するプリンタがあるか否かを判断する。尚、ステップS806からステップS808に進み、プリンタ管理部205は、印刷設定604を満足する印刷能力612がある場合に、該当するプリンタがあると判断する。この判断の結果、該当するプリンタがある場合にはステップS809に進み、プリンタ管理部205は、そのプリンタを印刷可能なプリンタと判断し、ユーザの印刷設定604の出力先(印刷の実行先)として決定する。以上のように本実施形態では、例えば、ステップS805の処理を行うことにより特定手段の一例が実現され、ステップS806、S808、S809の処理を行うことにより決定手段の一例が実現される。
【0022】
次に、ステップS811において、リクエスト管理部201は、ステップS809で決定した出力先を、ステップS801で受け付けたリクエスト情報706の送信元であるクライアントPC108へ通知する。一方、ステップS808において、該当するプリンタがない場合には、ステップS810に進む。ステップS810に進むと、リクエスト管理部201は、印刷可能なプリンタがない旨の警告内容を、ステップS801で受け付けたリクエスト情報706の送信元であるクライアントPC108へ通知する。
このように、印刷を実行するユーザの場所情報705と、以前に使用したプリンタの履歴(アクセス情報602)とを用いて、印刷設定604に合致する印刷先を自動的に決定する。これにより、ユーザが印刷物の出力場所が変化しても、通常通りの印刷を行うことができる。また、アクセス情報に基づいて出力先が決められるため、ユーザが全く知らない出力先にて印刷される可能性を低減できる。
【0023】
図9は、リクエスト管理部201が、プリンタ107からログイン情報700を受信した場合のプリンタ管理処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS901において、リクエスト管理部201は、プリンタ107から、ユーザがプリンタ107にログインした際に得られるログイン情報700を受け付ける。前述したように、プリンタ107は、ユーザが操作部406や外部インターフェース408を使用してプリンタ107にログインした場合に、インターフェース404を介してプリントサーバ103へログイン情報700の通知を行う。このように本実施形態では、例えば、ステップS901の処理により、受け付け手段の一例が実現される。
次に、ステップS902において、プリンタ管理部205は、ログイン情報700のユーザ名702を用いてデータベースシステム104にユーザ情報600が存在するか否かを判断する。この判断の結果、ログイン情報700のユーザ名702に対応するユーザ情報600がある場合にはステップS903に進む。一方、ログイン情報700のユーザ名702に対応するユーザ情報600がない場合には図9のフローチャートによる処理を終了する。
【0024】
ステップS903に進むと、プリンタ管理部205は、ログイン情報700のユーザ名702に対応するユーザ情報600に関連付けられた印刷設定情報601及びアクセス情報602を取得する。このように本実施形態では、例えば、ステップS903の処理により、取得手段の一例が実現される。次に、ステップS904において、プリンタ管理部205は、ログイン情報700のプリンタ名701に対応するプリンタ情報609をデータベースシステム104から取得する。次に、ステップS905において、プリンタ管理部205は、次の処理を行う。すなわち、プリンタ管理部205は、ステップS903で取得した印刷設定情報601の使用場所605と、ステップS904で取得したプリンタ情報609の設置場所610とを比較する。そして、プリンタ管理部205は、プリンタ情報609の設置場所610と同じ設置場所が設定されている印刷設定情報を特定する。その後、プリンタ情報609の印刷能力と特定された印刷設定情報とが比較される。次に、ステップS906において、プリンタ管理部205は、ステップS905の比較の結果、ログイン情報を送信したプリンタの印刷能力が、印刷設定604を満足するか否かを判断する。この判断の結果、印刷設定604を満足する印刷能力612を有するプリンタがあり、印刷可能と判断した場合には、ステップS912へ進む。一方、ログイン情報を送信したプリンタが印刷設定604を満足しない場合、ステップS907へ進む。
【0025】
ステップS912に進むと、プリンタ管理部205は、ログイン情報を送信したプリンタを印刷設定604の出力先として設定する。そして、後述するステップS913に進む。
一方、ステップS907に進むと、プリンタ管理部205は、ステップS904で取得したプリンタ情報609の設置場所610と同じ設置場所の他のプリンタをプリンタ情報609より検索する。この検索の結果、プリンタ情報609の設置場所610と同じ設置場所に他のプリンタがある場合にはステップS908に進み、ない場合には後述するステップS914に進む。ステップS908に進むと、プリンタ管理部205は、ステップS907で見つかったプリンタのプリンタ名611がアクセス情報602のプリンタ名606にあるか否かを検索する。この検索の結果、ステップS907で見つかったプリンタのプリンタ名611がアクセス情報602のプリンタ名606にある場合にはステップS909に進み、ない場合にはステップS910に進む。尚、ステップS909〜S911、S914は、図8のステップS806〜S808、S810と同じ処理が実行されるため、詳細な説明は省略する。
ステップS911の判断の結果、該当するプリンタがある場合には、ステップS912に進み、プリンタ管理部205は、印刷設定604の出力先として、該当するプリンタを設定する。そして、後述するステップS913に進む。以上のように本実施形態では、例えば、ステップS904、S907の処理により、特定手段の一例が実現され、ステップS907〜S909、S911、S912の処理により決定手段の一例が実現される。
ステップS913に進むと、プリンタ管理部205は、ログインしたユーザに対応する印刷設定604に対応する出力先が未決定のものがあるか否かを判断する。この判断の結果、出力先が未決定の印刷設定604がある場合にはステップS905に戻る。一方、出力先が未決定の印刷設定604がない場合には、ステップS915に進み、プリンタ管理部205は、ログイン情報700内のユーザ名704に対応するアクセス情報602の最終アクセス日時607及びアクセス回数608を更新する。
このように、ユーザがプリンタ107にログインしている場合は、そのプリンタ107を、印刷設定情報の印刷先に決定することにより、ユーザの意図する印刷結果をユーザの意図する出力先で得ることができる。
【0026】
図10は、プリンタ管理部205が管理しているプリンタ107でエラーが発生している場合のプリンタ管理処理の一例を説明するフローチャートである。尚、前述したように、プリンタ107でエラーが発生した場合、デバイス制御部204がプリンタ情報609のステータス613を更新する。
まず、ステップS1001において、図8の説明で述べたように、リクエスト管理部201は、クライアントPC108よりリクエスト情報706を受け付ける。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1001の処理により、受け付け手段の一例が実現される。次に、ステップS1002において、リクエスト管理部201は、ステップS1001で受け付けたリクエスト情報706に含まれているリクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDであるか否かを判断する。
この判断の結果、リクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDであると判断された場合にはステップS1003に進む。一方、リクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDでない場合には、図10に示すフローチャートによる処理を終了する。ステップS1003において、プリンタ管理部205は、印刷先決定処理を行う。印刷先決定処理は、図8で説明したステップS803〜S811の処理と同等であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。そして、ステップS1004において、プリンタ管理部205は、ステップS1003の印刷先決定処理で決定されたプリンタのステータス613を取得する。そして、プリンタ管理部205は、取得したステータス613に基づいて、出力先として決定したプリンタにエラーが発生しているか否かを判断する。この判断の結果、出力先として決定したプリンタにエラーが発生している場合にはステップS1005へ進み、エラーが発生していない場合には図10のフローチャートによる処理を終了する。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1004の処理により、判定手段の一例が実現される。
【0027】
ステップS1005に進むと、プリンタ管理部205は、アクセス情報602の最終アクセス日時607を取得し、所定の期間内にアクセスのあったプリンタを全て選択する。ここで、所定の期間の指定は、ユーザが印刷先要求時に指定してもよいし、プリントサーバ103に前もって設定されてもよい。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1005の処理により、第2の取得手段の一例が実現される。次に、ステップS1006において、リクエスト管理部201は、クライアントPC108に対し、ステップS1005で選択されたプリンタのリスト(全てのプリンタ)を通知する。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1005の処理により、報知手段の一例が実現される。
そして、プリンタのリスト(全てのプリンタ)を通知した後、プリンタ管理部205は、そのリストの中からユーザにより選択されたプリンタの情報を取得し、そのプリンタを新たな出力先として決定する。
このように、プリンタでエラーが発生した場合は、以前にアクセスしたプリンタのリストをユーザに通知することにより、ユーザは既知のプリンタの中から印刷先の変更を容易に行うことができる。
【0028】
図11は、印刷が完了した場合のプリンタ管理処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1101において、プリンタ管理部205は、ジョブ制御部202から印刷が完了した通知を受け取ると、印刷が完了したプリンタのプリンタ名に対応するアクセス回数608を取得する。次に、ステップS1102において、プリンタ管理部205は、ステップS1101で取得したアクセス回数608よりも回数の多いプリンタがアクセス情報602内に存在するか否かを判断する。この判断の結果、ステップS1101で取得したアクセス回数608よりも回数の多いプリンタが存在する場合にはステップS1103に進み、存在しない場合には図11のフローチャートによる処理を終了する。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1101、S1102の処理により、第3の取得手段の一例が実現される。
ステップS1103に進むと、リクエスト管理部201は、ユーザに対し、アクセス回数の多いプリンタが存在する旨を通知し、印刷先の決定をアクセス回数に従って行うかどうかを通知する。図12は、印刷先の決定をアクセス回数に従って行うかどうかを通知するメッセージの一例を示す図である。次に、ステップS1104において、リクエスト管理部201は、印刷先の決定に係るユーザの選択を受信し、受信した情報に基づいて、アクセス回数に従って印刷先を決定するか否かを判断する。この判断の結果、アクセス回数に従って印刷先を決定する場合にはステップS1105に進み、決定しない場合には図11のフローチャートによる処理を終了する。ステップS1105に進むと、プリンタ管理部205は、該当する印刷設定604の出力先を、印刷が完了したプリンタから、アクセス回数608の多いプリンタに変更する。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1005の処理により、変更手段の一例が実現される。
このように、印刷終了後、アクセス回数の多いプリンタを印刷先に決定するか否かをユーザに選択させる。このようにすることにより、ユーザが一時的に他のプリンタで印刷を行った場合に、印刷先のプリンタを通常使用するプリンタに再設定する手間を省くことができる。尚、ここでは、アクセス回数の多いプリンタを印刷先に決定するか否かをユーザに選択させるようにしたが、アクセス回数の多いプリンタを印刷先として強制的(自動的)に決定するようにしてもよい。
【0029】
図13は、ユーザが操作するWebブラウザ上のユーザインターフェースの一例を示す図である。ユーザは、図13に示すユーザインターフェース1300、1308、1309を操作することにより、プリントサーバ103へ印刷設定情報の登録や、印刷先要求のリクエスト情報706を発行するための操作を行う。
図13(a)において、ボタン1301は、印刷設定情報の登録を行うためのものであり、ユーザがボタン1301を押下することにより、図13(b)に示す印刷設定ウインドウ1308が開く。印刷設定ウインドウ1308でユーザが選択した印刷設定がプリントサーバ103へ通知され、印刷設定604として登録される。ボタン1302は、印刷先要求を行うためのものであり、ユーザがボタン1302を押下することにより、リクエスト情報706がプリントサーバ103へ通知され、前述したプリンタ管理処理によって、印刷設定に対応する出力先が決定される。領域1303には、ユーザが操作するクライアントPC108の設置場所を示す場所情報705が表示されている。この場所情報705は、印刷先要求時にリクエスト情報706の場所情報705としてプリントサーバ103へ通知される。ボタン1304は、場所情報705を変更するためのものであり、ユーザがボタン1304を押下することにより、図13(c)に示す場所変更設定ウインドウ1309が開く。場所変更設定ウインドウ1309でユーザが選択した場所情報に、場所情報705が更新される。領域1305には、プリントサーバ103に登録されている印刷設定604が表示される。領域1306には、前述したプリンタ管理処理によって決定された出力先が印刷設定毎に表示される。領域1307には、アクセス情報602の最終アクセス日時607が表示される。
【0030】
以上のように本実施形態では、クライアントPC108からの印刷要求の場合には、次のようにして印刷先を決定する。すなわち、要求元のユーザがアクセスしたことがあり、且つ、当該ユーザが印刷要求時に指定した場所と同じ場所にあるプリンタ107のうち、当該ユーザに対応する印刷設定で印刷できるプリンタ107を印刷先として決定する。このとき、ユーザがアクセスした回数が多いプリンタ107が優先的に印刷先となるようにする。また、プリンタ107からの印刷要求の場合には、次のようにして印刷先を決定する。すなわち、まず、そのプリンタ107で、要求元のユーザに対応する印刷設定による印刷ができる場合には、そのプリンタ107を印刷先とする。一方、そのプリンタ107で、要求元のユーザが登録した印刷設定による印刷ができない場合には、次のようにして印刷先を決定する。すなわち、要求元のユーザがアクセスしたことがあり、且つ、当該ユーザが印刷設定に対して指定した場所と同じ場所にあるプリンタ107のうち、当該ユーザに対する印刷設定で印刷できるプリンタ107を印刷先として決定する。このときも、ユーザがアクセスした回数が多いプリンタ107が優先的に印刷先となるようにする。したがって、ユーザの印刷環境が変化しても、ユーザの印刷環境を容易に設定でき、意図する印刷結果を意図する出力先で得ることができる。
また、本実施形態では、印刷先として決定したプリンタ107のステータス(状態)がエラーであり、印刷することができない場合には、所定期間内にユーザがアクセスしたプリンタ107のリストをユーザに報知し、出力先の再選択を促すようにした。したがって、ユーザが、エラーのあったプリンタ107に何度も行かなければならない事態を低減することができる。
また、本実施形態では、ユーザが設定した印刷設定に基づく印刷が終了した後、その印刷設定に対応する出力先を、その印刷を行ったプリンタ107よりもアクセス回数が多いプリンタ107に変更するかどうかをユーザに選択させるようにした。したがって、ユーザによる出力先の再設定の負担を軽減することができる。
【0031】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、印刷制御方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、サーバで管理されている印刷装置で印刷を行うために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
内部統制・セキュリティ強化や、PCの管理コストの削減のため、オフィス環境でもクライアントPCにアプリケーションをインストールしない、シンクライアント化が加速している。それに伴い、印刷業務においても、クライアントPCがプリントドライバやプリンタオブジェクトを保持せず、プリントサーバが全てのプリンタを管理し、印刷ジョブを管理する印刷システムが主流になってきている。
このようにプリントサーバで全てのプリンタを管理する場合、管理するプリンタの台数が大幅に増加することになる。そのため、印刷を行うユーザは、大量のプリンタの中から印刷するプリンタを選択する必要がある。したがって、ユーザは、適切なプリンタを選択するために、プリンタドライバやプリンタの能力等の情報を事前に知っておく必要があった。特に、場所が特定されないモバイルの端末をクライアント端末として使用する環境等では、クライアント端末で得られるプリンタの情報が少ない場合がある。このような場合、実際に印刷が開始できるようになるまでに時間がかかることがある。そこで、プリントサーバが印刷条件に適したプリンタを自動選択するシステムが提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−58306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、プリントサーバが印刷条件だけからプリンタを自動選択してしまうので、自動選択されたプリンタが、ユーザの知っているプリンタとは限らず、意図しない場所に印刷物が出力される虞がある。したがって、ユーザの利便性や、印刷物のセキュリティが確保されないことがある。また、ユーザは、自動選択されたプリンタから、自分の近くにあるプリンタに印刷物を出力するプリンタを変更するためには、そのプリンタを大量のプリンタの中から特定し、プリンタドライバの設定等を行う必要があった。このため、ユーザの近くにあるプリンタに印刷物を出力させることが容易ではない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、サーバで管理されている印刷装置で印刷を行うに際し、ユーザが意図する印刷装置での印刷を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷制御装置は、印刷装置における印刷に対するユーザの要求を受け付ける受け付け手段と、前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴と、前記要求を行ったユーザによって登録された印刷設定を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、且つ、当該ユーザによって登録された印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定する決定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、印刷の要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、且つ、当該ユーザによって登録された印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定するようにした。したがって、ユーザが知らない印刷装置で印刷が行われてしまうことを自動的に抑制することができる。よって、ユーザが意図する印刷装置での印刷を容易に行えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】印刷制御システムの構成を示す図である。
【図2】プリントサーバの機能的な構成を示す図である。
【図3】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】プリンタのハードウェア構成を示す図である。
【図5】RAMのメモリマップを示す図である。
【図6】プリンタ管理部が管理する情報を示す図である。
【図7】ログイン情報とリクエスト情報を示す図である。
【図8】リクエスト情報受信時のプリンタ管理処理を示すフローチャートである。
【図9】ログイン情報受信時のプリンタ管理処理を示すフローチャートである。
【図10】エラー発生時のプリンタ管理処理を示すフローチャートである。
【図11】印刷完了時のプリンタ管理処理を示すフローチャートである。
【図12】アクセス回数に従う印刷先の決定を促すメッセージを示す図である。
【図13】Webブラウザ上のユーザインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、印刷制御システムの構成の一例を示す図である。
図1では、ネットワークの一例であるWAN101を介して、アプリケーションサーバ102、プリントサーバ103、及びデータベースシステム104と、プリンタ107、及びクライアントPC108とが相互に接続されている。
アプリケーションサーバ102は、WAN101を介して、大容量記憶装置105に文書データを保存したり、文書データを印刷可能な印刷ジョブに変換して大容量記憶装置105に保存したり、保存された文書データをクライアントPC108へ送信したりする。また、アプリケーションサーバ102は、クライアントPC108からの印刷指示や、印刷ジョブの操作を受け付けて、プリントサーバ103へ指示をする。尚、本実施形態では、アプリケーションサーバ102は、クライアントPC108のWebブラウザで動作するアプリケーションを提供する「Webアプリケーションサーバ」を想定している。
プリントサーバ103は、プリンタ107の監視や管理、印刷ジョブの制御や監視、プリンタ107への印刷ジョブの転送等の処理を行う。また、プリントサーバ103は、WAN101を介してデータベースシステム104やアプリケーションサーバ102と通信を行い、クライアントPC108が使用するプリンタ107、印刷設定情報、及び印刷ジョブを管理する。
【0009】
データベースシステム104は、大容量記憶装置105を管理するサーバコンピュータである。大容量記憶装置105には、アプリケーションサーバ102が作成した文書データ、印刷ジョブ、印刷ジョブ情報、及びプリンタ情報等が記憶されている。他のサーバ(アプリケーションサーバ102やプリントサーバ103等)は、これらの情報にアクセス(データの取得・更新・追加・削除)するために、データベースシステム104に要求を出す。データベースシステム104は、それらの要求を受け付けて実行する。尚、アプリケーションサーバ102は、印刷ジョブ(PDLデータ)を生成するためのプリンタドライバを備えているものとする。
プリンタ107は、LAN106に接続された画像形成装置である。プリンタ107は、LAN106やWAN101等を介して、アプリケーションサーバ102やプリントサーバ103と通信を行う。プリンタ107としては、電子写真方式を採用したレーザビームプリンタや、インクジェット方式を採用したインクジェットプリンタや、熱転写方式を利用したプリンタ等あらゆる方式の印刷装置を採用することができる。また、本実施形態では、印刷制御システムに含まれる装置間の通信はイーサネット(登録商標)ケーブル等を利用した有線通信でもよいし、電波や光等を利用した無線通信でもよい。
クライアントPC108は、情報処理を行うためのPCである。各クライアントPC108は、LAN106に接続されており、WAN101を介して各種のサーバコンピュータと通信することができる。
本実施形態では、プリンタ107及びクライアントPC108は、それぞれ複数台あることを想定しており、また、LAN106、プリンタ107、及びクライアントPC108と同様の構成が複数存在することを想定している。
【0010】
図2は、プリントサーバ103の機能的な構成の一例を示す図である。
リクエスト管理部201は、ユーザから、クライアントPC108のWebブラウザや、プリンタ107を介して、印刷要求、印刷設定情報の登録、印刷先要求、及びログイン情報を受け付ける。ここで、印刷要求とは、ユーザからプリントサーバ103への印刷指示である。また、印刷設定情報の登録とは、ユーザが所望する印刷設定情報の登録をプリントサーバ103へ要求することである。また、印刷先要求とは、ユーザが登録した印刷設定情報に対する実際の印刷先の決定をプリントサーバ103へ要求することである。また、ログイン情報とは、クライアントPC108のWebブラウザや、プリンタ107からプリントサーバ103へ通知されるユーザのログイン情報である。プリンタ107からプリントサーバ103へのログイン情報は、図4に示す操作部406を介して通知される。また、Webブラウザからのログイン情報は、プリンタ107に接続されたカードリーダや、クライアントPC108に表示されるWebブラウザ上のリモートユーザインターフェースを用いたりすることによって通知される。印刷設定情報の登録や、ログイン情報の詳細に関しては、図6、図7等を用いて後述する。尚、ここでは、クライアントPC108のWebブラウザや、プリンタ107から印刷指示を行うようにする場合を例に挙げて説明するが、例えば、アプリケーションサーバ102のユーザインターフェースから印刷指示を行うようにしてもよい。
【0011】
リクエスト管理部201が印刷要求を受け付けると、ジョブ制御部202は、データベースアクセス部206を介してデータベースシステム104から、印刷ジョブ情報、印刷ジョブを取得する。ジョブ制御部202は、印刷ジョブを受け付けると、デバイス制御部204にプリンタ107の状況を問い合わせる。プリンタ107が正常の場合には、ジョブ送信部203は、プリンタ107へ印刷ジョブを送信する。尚、本実施形態では、印刷ジョブはアプリケーションサーバ102で作成され、データベースシステム104に保存されることを想定している。その他の印刷ジョブの作成手段としては、例えば、データベースシステム104に保存されている文書データをプリントサーバ103が取得し、プリントサーバ103が有するプリンタドライバにより印刷ジョブを作成することも考えられる。
リクエスト管理部201が印刷設定情報の登録やログイン情報を受け付けると、プリンタ管理部205は、データベースアクセス部206を通してデータベースシステム104の情報を更新する。
リクエスト管理部201が印刷先要求を受け付けると、プリンタ管理部205は、ログイン情報と、ユーザごとに設定された印刷設定情報と、プリンタへのアクセスの履歴であるアクセス情報と、プリンタ情報とに基づいて、印刷先を決定する。印刷先を決定する方法の詳細は図8を用いて後述する。
【0012】
図3は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。アプリケーションサーバ102、プリントサーバ103、データベースシステム104、クライアントPC108は、この情報処理装置と同様、或いは同等の構成をとる。尚、本実施形態では、アプリケーションサーバ102、プリントサーバ103、及びデータベースシステム104を個別に設けた場合を例に挙げて示している。しかしながら、これらを1つの情報処理装置に纏めるようにしてもよい。
CPU301は、情報処理装置の制御装置であり、ハードディスク(HD)307に格納されているコンピュータプログラム(例えば、アプリケーションプログラム、プリントドライバプログラム、OS、後述のフローチャートの印刷制御プログラム)を実行する。また、CPU301は、RAM303にプログラムの実行に必要な情報やファイル等を一時的に格納する制御を行う。また、CPU301は、ディスプレイ306の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。本実施形態では、印刷設定情報や印刷指示は、クライアントPC108のディスプレイ306に表示されるWebブラウザより行うものとする。ROM302は、基本I/Oプログラム等のプログラム、文書処理の際に使用されるフォントデータ、テンプレート用データ等の各種データを記憶する。RAM303は、CPU301の主メモリやワークエリア等として機能する。インターフェース(NIC)304は、外部装置とデータのやり取りを行うためのインターフェースである。キーボード305は、ユーザが情報処理装置に命令等の入力指示をするためのものである。ディスプレイ306は、キーボード305から入力されたコマンド等を表示するものである。ハードディスク(HD)307は、大容量メモリとして機能し、プログラム(アプリケーションプログラム、プリントドライバプログラム、OS等)を格納している。フレキシブルディスク(FD)307は可搬型の記憶媒体である。図3に示す各ブロックは、システムバス309を介して相互に接続されている。
【0013】
図4は、プリンタ107のハードウェア構成の一例を示す図である。
CPU401は、例えば、制御プログラム等に基づいてシステムバス409に接続される印刷部405(プリンタエンジン)に出力情報としての画像信号を出力する。ROM402は、CPU401の制御プログラム等を記憶する。また、ハードディスク(HD)407等の外部メモリがない場合、ROM402は、ホストコンピュータで利用される情報等を記憶する。RAM403は、CPU401の主メモリ、ワークエリア等として機能する。尚、RAM403は出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。インターフェース(NIC)404は、外部装置とのデータのやり取りを行うためのインターフェースである。本実施形態では、CPU401は、ユーザが操作する情報をインターフェース(NIC)404を介してプリントサーバ103に通知する。印刷部405は、CPU401より出力された画像信号の処理を行う。操作部406は、例えば、ユーザが、プリンタ107にログインしたり、印刷ジョブの閲覧やジョブ操作を行ったりするための入力を行うためのものである。ハードディスク(HD)407は、出力情報を生成される際に使用されるフォントデータや、CPU401の制御情報等を格納する。外部インターフェース408には、ICカードリーダ等が接続される。
【0014】
図5は、図3に示したRAM303のメモリマップの一例を示す図である。具体的に図5(a)は、FD308から印刷制御プログラムがRAM303にロードされ実行可能となった状態のメモリマップの一例を示す図である。尚、既に印刷制御プログラムがインストールされているHD307からRAM303に印刷制御プログラムをロードしてもよい。また、印刷制御プログラムを記憶する媒体は、CD-ROM、CD-R、PCカード、DVD、ICメモリカード等であってもよい。また、印刷制御プログラムをROM302に記憶しておき、これをメモリマップの一部となすように構成し、CPU401で印刷制御プログラムを直接実行してもよい。また、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアをもってハードウェア装置の代替として構成することもできる。
基本I/Oプログラム501は、情報処理装置の電源がオンされると、HD307からOS502をRAM303に読み出して、OS502の動作を開始させるIPL(イニシャルプログラムローディング)機能等を有しているプログラムが入っている領域である。印刷制御プログラム503は、後述するフローチャートに示される処理を実行するプログラムであり、RAM303に確保される領域に記憶される。また、関連データ504は、印刷制御プログラム503の実行のために必要なデータである。ワークエリア505は、CPU301が印刷制御プログラム503を実行する領域である。
図5(b)は、FD308のメモリマップの一例を示す図であり、FD308のデータ内容を示している。FD308のメモリマップには、データの情報量を示すボリューム情報506の他、ディレクトリ情報507、印刷制御プログラム508、関連データ509がある。印刷制御プログラム508は、後述するフローチャートに示される処理を実行するプログラムである。
【0015】
図6は、プリンタ管理部205が管理する情報の一例を示す図である。具体的に図6(a)は、ユーザ情報、印刷設定情報、及びアクセス情報の一例を示し、図6(b)は、プリンタ情報の一例を示す。プリンタ管理部205は、リクエスト管理部201が受け付けた印刷設定情報やログイン情報を、データベースアクセス部206を介してデータベースシステム104に登録する。また、プリンタ管理部205が管理するプリンタ107の情報もデータベースシステム104に登録されている。
ユーザ情報600には、リクエストを行ったユーザ名603が登録されている。プリンタ管理部205は、このユーザ名603を利用して、リクエスト管理部201から受け取った情報がどのユーザの情報かを特定する。このユーザ情報600毎(ユーザ毎)に、印刷設定情報601及びアクセス情報602が相互に関連付けられてデータベースシステム104に保持されている。
印刷設定情報601は、ユーザがクライアントPC108に表示されるWebブラウザを介して登録する情報であり、印刷設定604と使用場所605とを含む。印刷設定604は、ユーザが使用する印刷設定の組み合わせであり、使用場所605毎に複数の設定を登録することが可能である。例えば、両面印刷とカラー印刷の設定が登録された場合、ユーザは印刷の度に設定する必要がなくなり操作性が向上する。設定可能な属性としては、片面/両面印刷、カラー/モノクロ印刷、NUP印刷、製本印刷等がある。使用場所605は、印刷設定604を利用する場所を示す情報である。
【0016】
アクセス情報602は、ユーザが使用したプリンタ107の使用履歴に関する情報であり、プリンタ管理部205によって更新される。また、プリンタ管理部205は、アクセス情報602を利用して、ユーザが登録した印刷設定情報601に対する出力先のプリンタを決定する。出力先のプリンタを決定する方法の詳細は図8を用いて後述する。
プリンタ名606は、プリンタ管理部205が管理するプリンタ107の一意の名称である。プリンタ管理部205は、プリンタ名606を利用してプリンタ107を特定する。尚、プリンタ名はプリンタを特定するための識別情報として使用される。最終アクセス日時607は、プリンタ名606のプリンタ107にユーザがアクセスした日時であり、プリンタ管理部205により更新される。ここでいうアクセスとは、ユーザが、プリンタ107の操作部406を介してプリンタ107にログインしたり、カードリーダのような外部インターフェース408を使用したりしたことを指す。アクセス回数608は、ユーザが、プリンタ名606のプリンタ107にログイン等をした回数を示し、プリンタ管理部205により更新される。
【0017】
プリンタ情報609は、プリンタ管理部205が管理しているプリンタ107に関する情報である。プリンタ情報609は、設置場所610、プリンタ名611、印刷能力612、及びステータス613を含む。
設置場所610は、プリンタ107が物理的に存在する場所を示す情報である。プリンタ名611は、プリンタ107を特定するための情報である。プリンタ管理部205は、プリンタ名611から、アクセス情報602のプリンタ名606等を特定し、最終アクセス日時607やアクセス回数608の情報を取得する。印刷能力612は、プリンタ107の能力を示す情報である。ステータス613は、プリンタ107の状態を示し、デバイス制御部204によって更新される。
【0018】
図7は、ログイン情報とリクエスト情報の一例を示す図である。具体的に図7(a)は、プリンタ107等から受け取るログイン情報700の一例を示す図である。プリンタ107は、ユーザがプリンタ107の操作部406や外部インターフェース408を使用してプリンタ107にログインした場合に、インターフェース404を介してプリントサーバ103へログイン情報700を通知する。前述した、Webブラウザ上のリモートユーザインターフェースへのログイン時にもWebブラウザを介してプリントサーバ103にログイン情報700が通知される。
プリンタ名701は、プリンタ107の名称である。ユーザ名702は、プリンタ107にログインしたユーザの名称である。プリンタ管理部205は、リクエスト管理部201からプリンタ名701、ユーザ名702を受け取ると、データベースシステム104から、プリンタ名701、ユーザ名702に対応する情報を取得する。
図7(b)は、リクエスト管理部201が、クライアントPC108から受け付けるリクエスト情報706の一例を示す図である。ユーザのキーボード305等の操作に応じて、クライアントPC108からプリントサーバ103へリクエスト情報706が通知される。
リクエストID703は、ユーザの操作に対応したIDである。具体的に、印刷指示、印刷先要求、印刷設定情報の登録等のリクエストには、それぞれ一意のリクエストID703が割り当てられている。リクエストID703は、クライアントPC108からプリントサーバ103に発行される。ユーザ名704は、リクエストを指示したユーザの名称である。場所情報705は、ユーザによってリクエストが発行される時に指定される情報であり、ユーザの操作するクライアントPC108の設置場所を示す。プリンタ管理部205は、リクエスト情報706の場所情報705と、プリンタ情報609の設置場所610とを比較する。そして、プリンタ管理部205は、場所情報705に合致する設置場所610を選択し、選択した設置場所610に対応する印刷能力612やステータス613の情報を得る。
【0019】
次に、プリントサーバ103のプリンタ管理処理を図8〜図11のフローチャートを用いて説明する。尚、これらのフローチャートに係るプリントサーバ103のプログラムは、例えば、コンピュータのHD307に記憶されており、RAM303に読み出されCPU301によって実行される。
図8は、リクエスト管理部201が、クライアントPC108からリクエスト情報706を受信した場合のプリンタ管理処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS801において、リクエスト管理部201は、クライアントPC108のWebブラウザ等から、印刷要求、印刷設定情報の登録、印刷先要求、ログイン情報等のリクエスト情報706を受け付ける。このように本実施形態では、例えば、ステップS801の処理により、受け付け手段の一例が実現される。
次に、ステップS802において、リクエスト管理部201は、ステップS801で受け付けたリクエスト情報706に含まれているリクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDであるか否かを判断する。この判断の結果、リクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDであると判断された場合、プリンタ管理部205は、リクエスト情報706から、ユーザ名704と場所情報705を取得する。
【0020】
次に、ステップS804において、プリンタ管理部205は、データベースシステム104からステップS803で取得したユーザ名704に合致するユーザ名603を特定する。そして、プリンタ管理部205は、特定したユーザ名603に関連付けられた印刷設定情報601とアクセス情報602を取得する。このように本実施形態では、例えば、ステップS804の処理により、取得手段の一例が実現される。
次に、ステップS805において、プリンタ管理部205は、ステップS804で取得したアクセス情報602内のプリンタ名606の設置場所610を、プリンタ情報609から取得する。そして、プリンタ管理部205は、取得した設置場所610の中に、ステップS803で取得した場所情報705に合致するものがあるか否かを判断する。ステップS805の処理を行うことで、ユーザが、クライアントPCの設置場所に配置されているプリンタを過去に使ったことがあるか否かが特定される。この判断の結果、取得した設置場所610の中に、場所情報705に合致するものがあった場合にはステップS806に進み、合致するものがなかった場合にはステップS807に進む。例えば、場所情報705が拠点B居室Cである場合、アクセス情報602に記載されているMFP100の設置場所が拠点B居室Cであるため、合致するプリンタがあると判断される。尚、拠点B居室CにはMFP099も設置されているが、MFP099はアクセス情報602に含まれないため、MFP099は対象外となる。
【0021】
ステップS806に進むと、プリンタ管理部205は、ステップS805で合致した設置場所610に配置されているプリンタの印刷能力612と、ユーザによって設定された印刷設定情報601に含まれる印刷設定604とを比較する。ここで、ステップS805で合致した設置場所610に複数のプリンタがある場合、プリンタ管理部205は、次の処理を行う。すなわち、プリンタ管理部205は、最終アクセス日時607の新しいプリンタを優先して選択し、選択したプリンタの印刷能力612と印刷設定604とを比較する。これにより最近使用したプリンタがユーザに勧められるため、ユーザはプリンタの場所を容易に特定できる。そして、ステップS808に進む。一方、ステップS807に進むと、プリンタ管理部205は、ステップS803で取得した場所情報705と、ユーザによって設定された印刷設定情報601に含まれる印刷設定604とに合致するプリンタをプリンタ情報609から検索する。そして、ステップS808に進む。例えば、場所情報705が拠点A居室Zである場合、拠点A居室ZにはSFP098が設置されているが、SFP098はアクセス情報602に含まれない。そのため、S805においてプリンタ管理部は、Noと判断する。その後、ステップS807において拠点A居室Zには過去にアクセスされていないがSFP098がある。ここで、印刷設定情報に「拠点A居室Z:モノクロ 片面」が含まれている場合、プリンタ管理部205は、ステップS807においてSFP098を特定する。
ステップS808に進むと、プリンタ管理部205は、該当するプリンタがあるか否かを判断する。尚、ステップS806からステップS808に進み、プリンタ管理部205は、印刷設定604を満足する印刷能力612がある場合に、該当するプリンタがあると判断する。この判断の結果、該当するプリンタがある場合にはステップS809に進み、プリンタ管理部205は、そのプリンタを印刷可能なプリンタと判断し、ユーザの印刷設定604の出力先(印刷の実行先)として決定する。以上のように本実施形態では、例えば、ステップS805の処理を行うことにより特定手段の一例が実現され、ステップS806、S808、S809の処理を行うことにより決定手段の一例が実現される。
【0022】
次に、ステップS811において、リクエスト管理部201は、ステップS809で決定した出力先を、ステップS801で受け付けたリクエスト情報706の送信元であるクライアントPC108へ通知する。一方、ステップS808において、該当するプリンタがない場合には、ステップS810に進む。ステップS810に進むと、リクエスト管理部201は、印刷可能なプリンタがない旨の警告内容を、ステップS801で受け付けたリクエスト情報706の送信元であるクライアントPC108へ通知する。
このように、印刷を実行するユーザの場所情報705と、以前に使用したプリンタの履歴(アクセス情報602)とを用いて、印刷設定604に合致する印刷先を自動的に決定する。これにより、ユーザが印刷物の出力場所が変化しても、通常通りの印刷を行うことができる。また、アクセス情報に基づいて出力先が決められるため、ユーザが全く知らない出力先にて印刷される可能性を低減できる。
【0023】
図9は、リクエスト管理部201が、プリンタ107からログイン情報700を受信した場合のプリンタ管理処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS901において、リクエスト管理部201は、プリンタ107から、ユーザがプリンタ107にログインした際に得られるログイン情報700を受け付ける。前述したように、プリンタ107は、ユーザが操作部406や外部インターフェース408を使用してプリンタ107にログインした場合に、インターフェース404を介してプリントサーバ103へログイン情報700の通知を行う。このように本実施形態では、例えば、ステップS901の処理により、受け付け手段の一例が実現される。
次に、ステップS902において、プリンタ管理部205は、ログイン情報700のユーザ名702を用いてデータベースシステム104にユーザ情報600が存在するか否かを判断する。この判断の結果、ログイン情報700のユーザ名702に対応するユーザ情報600がある場合にはステップS903に進む。一方、ログイン情報700のユーザ名702に対応するユーザ情報600がない場合には図9のフローチャートによる処理を終了する。
【0024】
ステップS903に進むと、プリンタ管理部205は、ログイン情報700のユーザ名702に対応するユーザ情報600に関連付けられた印刷設定情報601及びアクセス情報602を取得する。このように本実施形態では、例えば、ステップS903の処理により、取得手段の一例が実現される。次に、ステップS904において、プリンタ管理部205は、ログイン情報700のプリンタ名701に対応するプリンタ情報609をデータベースシステム104から取得する。次に、ステップS905において、プリンタ管理部205は、次の処理を行う。すなわち、プリンタ管理部205は、ステップS903で取得した印刷設定情報601の使用場所605と、ステップS904で取得したプリンタ情報609の設置場所610とを比較する。そして、プリンタ管理部205は、プリンタ情報609の設置場所610と同じ設置場所が設定されている印刷設定情報を特定する。その後、プリンタ情報609の印刷能力と特定された印刷設定情報とが比較される。次に、ステップS906において、プリンタ管理部205は、ステップS905の比較の結果、ログイン情報を送信したプリンタの印刷能力が、印刷設定604を満足するか否かを判断する。この判断の結果、印刷設定604を満足する印刷能力612を有するプリンタがあり、印刷可能と判断した場合には、ステップS912へ進む。一方、ログイン情報を送信したプリンタが印刷設定604を満足しない場合、ステップS907へ進む。
【0025】
ステップS912に進むと、プリンタ管理部205は、ログイン情報を送信したプリンタを印刷設定604の出力先として設定する。そして、後述するステップS913に進む。
一方、ステップS907に進むと、プリンタ管理部205は、ステップS904で取得したプリンタ情報609の設置場所610と同じ設置場所の他のプリンタをプリンタ情報609より検索する。この検索の結果、プリンタ情報609の設置場所610と同じ設置場所に他のプリンタがある場合にはステップS908に進み、ない場合には後述するステップS914に進む。ステップS908に進むと、プリンタ管理部205は、ステップS907で見つかったプリンタのプリンタ名611がアクセス情報602のプリンタ名606にあるか否かを検索する。この検索の結果、ステップS907で見つかったプリンタのプリンタ名611がアクセス情報602のプリンタ名606にある場合にはステップS909に進み、ない場合にはステップS910に進む。尚、ステップS909〜S911、S914は、図8のステップS806〜S808、S810と同じ処理が実行されるため、詳細な説明は省略する。
ステップS911の判断の結果、該当するプリンタがある場合には、ステップS912に進み、プリンタ管理部205は、印刷設定604の出力先として、該当するプリンタを設定する。そして、後述するステップS913に進む。以上のように本実施形態では、例えば、ステップS904、S907の処理により、特定手段の一例が実現され、ステップS907〜S909、S911、S912の処理により決定手段の一例が実現される。
ステップS913に進むと、プリンタ管理部205は、ログインしたユーザに対応する印刷設定604に対応する出力先が未決定のものがあるか否かを判断する。この判断の結果、出力先が未決定の印刷設定604がある場合にはステップS905に戻る。一方、出力先が未決定の印刷設定604がない場合には、ステップS915に進み、プリンタ管理部205は、ログイン情報700内のユーザ名704に対応するアクセス情報602の最終アクセス日時607及びアクセス回数608を更新する。
このように、ユーザがプリンタ107にログインしている場合は、そのプリンタ107を、印刷設定情報の印刷先に決定することにより、ユーザの意図する印刷結果をユーザの意図する出力先で得ることができる。
【0026】
図10は、プリンタ管理部205が管理しているプリンタ107でエラーが発生している場合のプリンタ管理処理の一例を説明するフローチャートである。尚、前述したように、プリンタ107でエラーが発生した場合、デバイス制御部204がプリンタ情報609のステータス613を更新する。
まず、ステップS1001において、図8の説明で述べたように、リクエスト管理部201は、クライアントPC108よりリクエスト情報706を受け付ける。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1001の処理により、受け付け手段の一例が実現される。次に、ステップS1002において、リクエスト管理部201は、ステップS1001で受け付けたリクエスト情報706に含まれているリクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDであるか否かを判断する。
この判断の結果、リクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDであると判断された場合にはステップS1003に進む。一方、リクエストID703が、印刷先要求に割り当てられたIDでない場合には、図10に示すフローチャートによる処理を終了する。ステップS1003において、プリンタ管理部205は、印刷先決定処理を行う。印刷先決定処理は、図8で説明したステップS803〜S811の処理と同等であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。そして、ステップS1004において、プリンタ管理部205は、ステップS1003の印刷先決定処理で決定されたプリンタのステータス613を取得する。そして、プリンタ管理部205は、取得したステータス613に基づいて、出力先として決定したプリンタにエラーが発生しているか否かを判断する。この判断の結果、出力先として決定したプリンタにエラーが発生している場合にはステップS1005へ進み、エラーが発生していない場合には図10のフローチャートによる処理を終了する。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1004の処理により、判定手段の一例が実現される。
【0027】
ステップS1005に進むと、プリンタ管理部205は、アクセス情報602の最終アクセス日時607を取得し、所定の期間内にアクセスのあったプリンタを全て選択する。ここで、所定の期間の指定は、ユーザが印刷先要求時に指定してもよいし、プリントサーバ103に前もって設定されてもよい。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1005の処理により、第2の取得手段の一例が実現される。次に、ステップS1006において、リクエスト管理部201は、クライアントPC108に対し、ステップS1005で選択されたプリンタのリスト(全てのプリンタ)を通知する。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1005の処理により、報知手段の一例が実現される。
そして、プリンタのリスト(全てのプリンタ)を通知した後、プリンタ管理部205は、そのリストの中からユーザにより選択されたプリンタの情報を取得し、そのプリンタを新たな出力先として決定する。
このように、プリンタでエラーが発生した場合は、以前にアクセスしたプリンタのリストをユーザに通知することにより、ユーザは既知のプリンタの中から印刷先の変更を容易に行うことができる。
【0028】
図11は、印刷が完了した場合のプリンタ管理処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1101において、プリンタ管理部205は、ジョブ制御部202から印刷が完了した通知を受け取ると、印刷が完了したプリンタのプリンタ名に対応するアクセス回数608を取得する。次に、ステップS1102において、プリンタ管理部205は、ステップS1101で取得したアクセス回数608よりも回数の多いプリンタがアクセス情報602内に存在するか否かを判断する。この判断の結果、ステップS1101で取得したアクセス回数608よりも回数の多いプリンタが存在する場合にはステップS1103に進み、存在しない場合には図11のフローチャートによる処理を終了する。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1101、S1102の処理により、第3の取得手段の一例が実現される。
ステップS1103に進むと、リクエスト管理部201は、ユーザに対し、アクセス回数の多いプリンタが存在する旨を通知し、印刷先の決定をアクセス回数に従って行うかどうかを通知する。図12は、印刷先の決定をアクセス回数に従って行うかどうかを通知するメッセージの一例を示す図である。次に、ステップS1104において、リクエスト管理部201は、印刷先の決定に係るユーザの選択を受信し、受信した情報に基づいて、アクセス回数に従って印刷先を決定するか否かを判断する。この判断の結果、アクセス回数に従って印刷先を決定する場合にはステップS1105に進み、決定しない場合には図11のフローチャートによる処理を終了する。ステップS1105に進むと、プリンタ管理部205は、該当する印刷設定604の出力先を、印刷が完了したプリンタから、アクセス回数608の多いプリンタに変更する。このように、本実施形態では、例えば、ステップS1005の処理により、変更手段の一例が実現される。
このように、印刷終了後、アクセス回数の多いプリンタを印刷先に決定するか否かをユーザに選択させる。このようにすることにより、ユーザが一時的に他のプリンタで印刷を行った場合に、印刷先のプリンタを通常使用するプリンタに再設定する手間を省くことができる。尚、ここでは、アクセス回数の多いプリンタを印刷先に決定するか否かをユーザに選択させるようにしたが、アクセス回数の多いプリンタを印刷先として強制的(自動的)に決定するようにしてもよい。
【0029】
図13は、ユーザが操作するWebブラウザ上のユーザインターフェースの一例を示す図である。ユーザは、図13に示すユーザインターフェース1300、1308、1309を操作することにより、プリントサーバ103へ印刷設定情報の登録や、印刷先要求のリクエスト情報706を発行するための操作を行う。
図13(a)において、ボタン1301は、印刷設定情報の登録を行うためのものであり、ユーザがボタン1301を押下することにより、図13(b)に示す印刷設定ウインドウ1308が開く。印刷設定ウインドウ1308でユーザが選択した印刷設定がプリントサーバ103へ通知され、印刷設定604として登録される。ボタン1302は、印刷先要求を行うためのものであり、ユーザがボタン1302を押下することにより、リクエスト情報706がプリントサーバ103へ通知され、前述したプリンタ管理処理によって、印刷設定に対応する出力先が決定される。領域1303には、ユーザが操作するクライアントPC108の設置場所を示す場所情報705が表示されている。この場所情報705は、印刷先要求時にリクエスト情報706の場所情報705としてプリントサーバ103へ通知される。ボタン1304は、場所情報705を変更するためのものであり、ユーザがボタン1304を押下することにより、図13(c)に示す場所変更設定ウインドウ1309が開く。場所変更設定ウインドウ1309でユーザが選択した場所情報に、場所情報705が更新される。領域1305には、プリントサーバ103に登録されている印刷設定604が表示される。領域1306には、前述したプリンタ管理処理によって決定された出力先が印刷設定毎に表示される。領域1307には、アクセス情報602の最終アクセス日時607が表示される。
【0030】
以上のように本実施形態では、クライアントPC108からの印刷要求の場合には、次のようにして印刷先を決定する。すなわち、要求元のユーザがアクセスしたことがあり、且つ、当該ユーザが印刷要求時に指定した場所と同じ場所にあるプリンタ107のうち、当該ユーザに対応する印刷設定で印刷できるプリンタ107を印刷先として決定する。このとき、ユーザがアクセスした回数が多いプリンタ107が優先的に印刷先となるようにする。また、プリンタ107からの印刷要求の場合には、次のようにして印刷先を決定する。すなわち、まず、そのプリンタ107で、要求元のユーザに対応する印刷設定による印刷ができる場合には、そのプリンタ107を印刷先とする。一方、そのプリンタ107で、要求元のユーザが登録した印刷設定による印刷ができない場合には、次のようにして印刷先を決定する。すなわち、要求元のユーザがアクセスしたことがあり、且つ、当該ユーザが印刷設定に対して指定した場所と同じ場所にあるプリンタ107のうち、当該ユーザに対する印刷設定で印刷できるプリンタ107を印刷先として決定する。このときも、ユーザがアクセスした回数が多いプリンタ107が優先的に印刷先となるようにする。したがって、ユーザの印刷環境が変化しても、ユーザの印刷環境を容易に設定でき、意図する印刷結果を意図する出力先で得ることができる。
また、本実施形態では、印刷先として決定したプリンタ107のステータス(状態)がエラーであり、印刷することができない場合には、所定期間内にユーザがアクセスしたプリンタ107のリストをユーザに報知し、出力先の再選択を促すようにした。したがって、ユーザが、エラーのあったプリンタ107に何度も行かなければならない事態を低減することができる。
また、本実施形態では、ユーザが設定した印刷設定に基づく印刷が終了した後、その印刷設定に対応する出力先を、その印刷を行ったプリンタ107よりもアクセス回数が多いプリンタ107に変更するかどうかをユーザに選択させるようにした。したがって、ユーザによる出力先の再設定の負担を軽減することができる。
【0031】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置における印刷に対するユーザの要求を受け付ける受け付け手段と、
前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴と、前記要求を行ったユーザによって登録された印刷設定を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、且つ、当該ユーザによって登録された印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定する決定手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
ユーザによって指定された場所に設置されている印刷装置を特定する特定手段を更に有し、
前記決定手段は、前記取得手段により取得された情報と、前記特定手段により特定された印刷装置とに基づいて、前記要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、当該ユーザの要求に対応する場所に設置されており、且つ当該ユーザによって登録された印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記決定手段により決定された印刷装置が印刷できる状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記決定された印刷装置が印刷できる状態でないと判定されると、前記要求を行ったユーザが所定の期間内に使用した印刷装置に関する情報を、前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴に基づいて取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された印刷装置に関する情報を、前記要求を行ったユーザに報知する報知手段と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記印刷設定と、当該印刷設定で印刷を行った印刷装置に関する情報とを互いに関連付けて記憶する記憶手段と、
前記ユーザの要求に基づいて印刷を行った印刷装置よりも、当該ユーザが多く使用している印刷装置に関する情報を、前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴に基づいて取得する第3の取得手段と、
前記印刷を行った際の印刷設定に関連付けられている印刷装置に関する情報を、前記第3の取得手段により取得された印刷装置に関する情報に変更する変更手段と、を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
印刷装置から前記印刷装置の識別情報を含むログイン情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたログイン情報に含まれる識別情報により特定された印刷装置の設置場所にて使用すべき印刷設定情報を特定する特定手段と、
前記ログイン情報を送信した印刷装置が前記特定手段によって特定された印刷設定情報を使って印刷できる場合、前記ログイン情報を送信した印刷装置を出力先として決定する決定手段を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項6】
印刷装置における印刷に対するユーザの要求を受け付ける受け付けステップと、
前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴と、前記要求を行ったユーザによって登録された印刷設定を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された情報に基づいて、前記要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、且つ、当該ユーザに対応する印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定する決定ステップと、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項7】
印刷装置から前記印刷装置の識別情報を含むログイン情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたログイン情報に含まれる識別情報により特定された印刷装置の設置場所にて使用すべき印刷設定情報を特定する特定ステップと、
前記ログイン情報を送信した印刷装置が前記特定ステップによって特定された印刷設定情報を使って印刷できる場合、前記ログイン情報を送信した印刷装置を出力先として決定する決定ステップを有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項8】
請求項1〜5の何れか1項に記載の印刷制御装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
印刷装置における印刷に対するユーザの要求を受け付ける受け付け手段と、
前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴と、前記要求を行ったユーザによって登録された印刷設定を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、前記要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、且つ、当該ユーザによって登録された印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定する決定手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
ユーザによって指定された場所に設置されている印刷装置を特定する特定手段を更に有し、
前記決定手段は、前記取得手段により取得された情報と、前記特定手段により特定された印刷装置とに基づいて、前記要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、当該ユーザの要求に対応する場所に設置されており、且つ当該ユーザによって登録された印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記決定手段により決定された印刷装置が印刷できる状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記決定された印刷装置が印刷できる状態でないと判定されると、前記要求を行ったユーザが所定の期間内に使用した印刷装置に関する情報を、前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴に基づいて取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された印刷装置に関する情報を、前記要求を行ったユーザに報知する報知手段と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記印刷設定と、当該印刷設定で印刷を行った印刷装置に関する情報とを互いに関連付けて記憶する記憶手段と、
前記ユーザの要求に基づいて印刷を行った印刷装置よりも、当該ユーザが多く使用している印刷装置に関する情報を、前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴に基づいて取得する第3の取得手段と、
前記印刷を行った際の印刷設定に関連付けられている印刷装置に関する情報を、前記第3の取得手段により取得された印刷装置に関する情報に変更する変更手段と、を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
印刷装置から前記印刷装置の識別情報を含むログイン情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたログイン情報に含まれる識別情報により特定された印刷装置の設置場所にて使用すべき印刷設定情報を特定する特定手段と、
前記ログイン情報を送信した印刷装置が前記特定手段によって特定された印刷設定情報を使って印刷できる場合、前記ログイン情報を送信した印刷装置を出力先として決定する決定手段を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項6】
印刷装置における印刷に対するユーザの要求を受け付ける受け付けステップと、
前記要求を行ったユーザの印刷装置の使用履歴と、前記要求を行ったユーザによって登録された印刷設定を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された情報に基づいて、前記要求を行ったユーザによって使用されたことがあり、且つ、当該ユーザに対応する印刷設定で印刷を行える印刷装置を、前記要求に基づく印刷の実行先として決定する決定ステップと、を有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項7】
印刷装置から前記印刷装置の識別情報を含むログイン情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたログイン情報に含まれる識別情報により特定された印刷装置の設置場所にて使用すべき印刷設定情報を特定する特定ステップと、
前記ログイン情報を送信した印刷装置が前記特定ステップによって特定された印刷設定情報を使って印刷できる場合、前記ログイン情報を送信した印刷装置を出力先として決定する決定ステップを有することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項8】
請求項1〜5の何れか1項に記載の印刷制御装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−65368(P2011−65368A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214744(P2009−214744)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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