説明

印刷制御装置

【課題】印刷中に生じる要因に対して柔軟に対応できる印刷制御装置を提供する。
【解決手段】印刷制御装置2は、印刷データPDに基づいて印刷の印刷終了予測時間PETを算出する予測時間算出部31と、印刷終了予測時間PETに印刷データPDの印刷が継続しているか否かを判定する継続判定部33と、継続判定部33によって印刷が継続されていると判定されると、印刷を継続する継続モードまたは印刷を停止して印刷動作を変更する変更モードの何れかを実行可能なモード実行部35とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷終了予測時間を算出する印刷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷に要する予想時間を算出する予想時間算出部と、外部から指定時間を受け付ける指定時間受付部と、予想時間が指定時間の範囲内か否かを判定する時間判断部と、パラメータの値を変更するパルメータ変更部とを備えた印刷制御装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の印刷制御装置では、予想時間算出部によって算出された予想時間と、指定時間受付部が受け付けた指定時間とを時間判定部が判定する。そして、予想時間が指定時間よりも長い場合、予想時間が指定時間内となるように、パラメータ変更部がパラメータを変更する。これにより、ユーザは、特許文献1の技術によって、希望する指定時間内に印刷を終了させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−213254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の印刷制御装置では、印刷用紙のジャム(紙詰まり)等の印刷中に生じる要因によって印刷の継続が困難な場合に、対処できないといった課題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、印刷中に生じる要因に対して柔軟に対応できる印刷制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る印刷制御装置の第1の特徴は、印刷データに基づいて印刷の印刷終了予測時間を算出する予測時間算出手段と、前記印刷終了予測時間に前記印刷データの印刷が継続しているか否かを判定する継続判定手段と、前記継続判定手段によって印刷が継続されていると判定されると、印刷を継続する継続モードまたは印刷を停止して印刷動作を変更する変更モードの何れかを実行可能なモード実行手段とを備える。
【0008】
また、本発明に係る印刷制御装置の第2の特徴は、前記印刷終了予測時間に印刷が終了しなかった場合、前記印刷終了予測時間から印刷終了までに必要な超過時間を算出する超過時間算出手段を更に備え、前記モード実行手段は、前記超過時間が閾値時間未満と判定すると、前記継続モードを実行する。
【0009】
また、本発明に係る印刷制御装置の第3の特徴は、前記モード実行手段により実行される前記変更モードは、前記印刷データを外部の記憶手段に出力する出力モード、または、前記印刷データを内部の記憶手段に保存する保存モードを含む。
【0010】
また、本発明に係る印刷制御装置の第4の特徴は、前記出力モードまたは前記保存モードにおいて、前記印刷データを暗号化する暗号化手段を更に備える。
【0011】
また、本発明に係る印刷制御装置の第5の特徴は、前記出力モードまたは前記保存モードでは、前記印刷データの停止個所のデータとともに出力または保存される。
【発明の効果】
【0012】
第1の特徴は、印刷を継続する継続モードまたは印刷を停止して印刷動作を変更する変更モードを実行可能なモード変更部を有する。これにより、第1の特徴は、印刷を継続可能な場合は印刷を継続することができ、ジャム等によって印刷の継続が困難な場合は、印刷を停止して、印刷動作を変更できる。この結果、第1の特徴は、印刷中に生じる要因に対して柔軟に対応できる。
【0013】
第2の特徴によれば、超過時間が閾値時間未満の場合、モード実行手段は印刷を継続する。これにより、第2の特徴は、超過時間が短い場合には、印刷を継続して完了させることができる。
【0014】
第3の特徴によれば、変更モードが出力モードと保存モードとを含むので、第3の特徴が設けられている印刷装置の環境等に柔軟に対応できる。
【0015】
第4の特徴によれば、暗号化手段によって印刷データを暗号化した後、出力するので、印刷データのセキュリティーを向上できる。
【0016】
第5の特徴によれば、停止個所とともに印刷データを出力または保存することによって、停止個所から印刷を再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態による印刷システムの全体構成図である。
【図2】第1実施形態の印刷制御装置によって実行される印刷処理のフローチャートである。
【図3】モード選択画面を説明する図である。
【図4】第2実施形態によるモード選択画面を説明する図である。
【図5】第2実施形態による他のモード選択画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明による印刷制御装置が設けられた第1実施形態の印刷システムについて説明する。図1は、第1実施形態による印刷システムの全体構成図である。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態による印刷システム1は、印刷制御装置2が設けられた印刷装置3と、外部端未4と、他の印刷装置5と、ネットワーク部6とを備えている。
【0020】
印刷装置3は、印刷制御装置2と、印刷部11と、センサ部12と、タイマ13と、通信処理部14と、操作パネル15と、メモリポート16とを備えている。
【0021】
印刷制御装置2は、印刷装置3の制御全般を司るものである。印刷制御装置2は、演算処理部21と、記憶部22と、バス23と、入出力インターフェース24とを備えている。
【0022】
演算処理部21は、記憶部22に記憶された印刷処理プログラムPP等の種々のプログラムを処理するものである。演算処理部21は、CPU(Central Processing Unit)を有する。演算処理部21は、記憶部22の印刷処理プログラムPPを読み込むことによって、予測時間算出部31と、印刷実行部32と、継続判定部33と、超過時間算出部34と、モード実行部35と、暗号化部36とを有する。
【0023】
予測時間算出部31は、外部端未4や外部記憶媒体90等から入力された印刷データPDから印刷終了予測時間PETの算出に必要な時間算出データを抽出する。そして、予測時間算出部31は、抽出したデータから印刷が終了する時間である印刷終了予測時間PETを算出する。
【0024】
印刷実行部32は、印刷部11を制御して、印刷を実行する。
【0025】
継続判定部33は、該当する印刷データPDの印刷が、印刷終了予測時間PETに継続しているか否かを判定する。
【0026】
超過時間算出部34は、印刷終了予測時間PETに終了しなかった印刷データPDが印刷終了までに更に必要な時間(以下、超過時間VT)を算出するものである。
【0027】
モード実行部35は、継続判定部33により印刷終了予測時間PETに印刷が継続していると判定されると、印刷を継続する継続モードまたは印刷を停止して印刷動作を変更する変更モードの何れかを実行する。具体的には、モード実行部35は、印刷終了予測時間PETに印刷が継続していると、超過時間VTが記憶部22に記憶された閾値時間ThT以上か否かを判定する。尚、閾値時間ThTは、数秒〜数分程度の短い時間である。そして、モード実行部35は、超過時間VTが閾値時間ThT未満と判定すると、処理中の印刷を継続する。モード実行部35は、超過時間VTが閾値時間ThT以上と判定すると、ユーザの選択によって継続モードまたは変更モードを実行する。ここで、変更モードは、印刷データPDを削除する削除モードと、印刷データPDを外部端未4や外部記憶媒体90に出力する出力モードと、印刷データPDを記憶部22に保存する保存モードとを含む。
【0028】
暗号化部36は、変更モードにおいて、印刷が停止された印刷データPDを出力(出力モード)または保存(保存モード)する場合に、印刷データPDを暗号化するものである。
【0029】
記憶部22は、種々のデータ及びプログラムを記憶するものである。記憶部22は、各情報が一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)、基本プログラム、印刷処理プログラムPP、閾値時間ThT等が記憶されるROM(Read Only Memory)、印刷データPD等が記憶されるCF(Compact Flash)カード等を有する。
【0030】
バス23は、演算処理部21と、記憶部22と、入出力インターフェース24とをデータを送受信可能に接続する。
【0031】
入出力インターフェース24は、印刷制御装置2の外部の印刷部11、センサ部12、タイマ13、通信処理部14、操作パネル15及びメモリポート16と内部のバス23とをデータを送受信可能に接続する。
【0032】
印刷部11は、印刷用紙に画像を形成する画像形成部や、印刷用紙を搬送する搬送を有する。
【0033】
センサ部12は、印刷部11で搬送される印刷用紙を検出して検出信号を印刷制御装置2へと出力する。
【0034】
タイマ13は、現在の時刻TRを印刷制御装置2へと出力する。
【0035】
通信処理部14は、ネットワーク部6を介して、外部端未4や他の印刷装置5とデータの送受信をするためのものである。
【0036】
操作パネル15は、種々の情報を表示するとともに、ユーザが種々の情報及び指示を入力するためのものである。操作パネル15は、タッチパネル及びキーボード等からなる入力部25と、液晶表示装置からなる表示部26とを備えている。
【0037】
メモリポート16は、取り外し可能な外部メモリ(例えば、USBメモリ)90を装着するためのものである。印刷制御装置2は、メモリポート16を介して、外部記憶媒体90とデータの入出力を実行する。
【0038】
外部端未4は、ユーザが外部から印刷データPDを印刷装置3へと入力するものである。外部端未4は、パーソナルコンピュータ等からなる。外部端未4は、表示部41と、プリンタドライバ42と、記憶部43と、入力部44とを有する。表示部41は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置からなる。プリンタドライバ42は、印刷対象の文書データまたは画像データを印刷装置3に対応する印刷データPDに変換して、印刷装置3へと出力する。記憶部43は、RAM、ROM、HDD(Hard Disk Drive)等を有する。入力部44は、キーボートやマウス等を有する。
【0039】
他の印刷装置5は、上述した印刷装置3と同様の構成のため説明を省略する。
【0040】
ネットワーク部6は、印刷装置3、5及び外部端未4を、信号を送受信可能に互いに接続するものである。ネットワーク部6は、LAN(Local Area Network)等からなる。
【0041】
(第1実施形態の動作)
次に、上述した印刷制御装置2による印刷処理について説明する。図2は、第1実施形態の印刷制御装置によって実行される印刷処理のフローチャートである。図3は、モード選択画面を説明する図である。尚、印刷処理動作は、印刷データPDが外部端未4等から印刷制御装置2に入力されると開始される処理である。
【0042】
図2に示すように、印刷処理が開始されると、演算処理部21の予測時間算出部31が、記憶部22に記憶された印刷データPDから時間算出データを抽出する(S1)。ここで、時間算出データは、印刷データPDに含まれる用紙サイズ、解像度、印刷濃度、印刷枚数等のデータである。
【0043】
次に、予測時間算出部31は、タイマ13から入力される現在の時刻TRと上述した時間算出データとから印刷終了予測時間PETを算出する(S2)。
【0044】
次に、予測時間算出部31は、ネットワーク部6を介して、印刷終了予測時間PETを外部端未4に通知する(S3)。そして、外部端未4は、印刷終了予測時間PETを表示部41に表示する。これにより、ユーザは、印刷が終了する時間を知ることができる。
【0045】
次に、演算処理部21の印刷実行部32は、印刷部11を制御して、画像の印刷を開始する(S4)。これにより、印刷用紙が印刷部11によって搬送されつつ、画像が印刷用紙に印刷される。
【0046】
次に、演算処理部21の継続判定部33は、印刷が終了したか否かを判定する(S5)。
【0047】
継続判定部33は、印刷が終了したと判定すると(S5:Yes)、印刷処理を終了する。
【0048】
一方、継続判定部33は、印刷が終了していないと判定すると(S5:No)、印刷終了予測時間PETになったか否かを判定する(S6)。
【0049】
継続判定部33は、印刷終了予測時間PETになっていないと判定すると(S6:No)、ステップS5に戻る。
【0050】
この後、継続判定部33は、印刷が終了したと判定するか(S5:Yes)、印刷終了予測時間PETになったと判定するまで(S6:Yes)、ステップS5、S6を繰り返す。
【0051】
そして、継続判定部33は、印刷が終了する前に、印刷終了予測時間PETになったと判定すると(S6:Yes)、演算処理部21の超過時間算出部34が、未処理の印刷データPDから超過時間VTを算出する(S7)。ここで、超過時間算出部34は、センサ部12から検出信号に基づいて印刷用紙のジャム(紙詰まり)が検出されている場合、超過時間VTを閾値時間ThTよりも大きい時間に設定する。
【0052】
次に、演算処理部21のモード実行部35は、超過時間VTが記憶部22に記憶されている閾値時間ThT以上か否かを判定する(S8)。モード実行部35は、超過時間VTが閾値時間ThT未満であると判定すると(S8:No)、印刷を継続する。これは、超過時間VTが短い場合、印刷を継続した方が好ましいためである。そして、モード実行部35は、印刷が終了したと判定すると(S9:Yes)、印刷処理を終了する。
【0053】
一方、モード実行部35は、超過時間VTが閾値時間ThT以上であると判定すると(S8:Yes)、図3に示す遅れ要因及びモード選択画面を、外部端未4の表示部41または操作パネル15の表示部26に表示する(S10)。ここで、遅れ要因とは、印刷が印刷終了予測時間PETを超えて遅れている理由のことであり、例えば、ジャムや他のユーザの割り込み印刷等を上げることができる。
【0054】
モード選択とは、印刷を継続する継続モード、または、印刷を停止して印刷動作を変更する変更モードの何れかをユーザが選択することである。更に、変更モードを選択した場合、ユーザは、印刷データPDを削除する削除モードと、印刷データPDを出力する出力モードと、印刷データPDを記憶部22に保存する保存モードの何れかを選択する。
【0055】
ユーザは、遅れ要因等を考慮しつつ、図3に示すモード選択画面によって所望のモードを選択する。図3では、チェックマーク(レ)から明らかなように、ユーザは変更モードの削除モードを選択したことになる。
【0056】
次に、ユーザがモード選択画面の「OK」ボタンを操作すると、モード実行部35は、ユーザによってモード選択が完了したと判定して(S11:Yes)、印刷が継続しているか否かを判定する(S12)。
【0057】
次に、ユーザがモード選択をしている間に印刷が終了した場合、モード実行部35は、印刷が終了したと判定して(S12:No)、ユーザが選択したモードを実行することなく、印刷処理を終了する。
【0058】
一方、モード実行部35は、印刷が終了していないと判定すると(S12:Yes)、ユーザによって選択されたモードを実行する(S13)。
【0059】
具体的には、ユーザが継続モードを選択した場合、モード実行部35は印刷が終了するまで印刷を継続する。
【0060】
ユーザが削除モードを選択した場合、モード実行部35は、印刷部11を制御して印刷を停止する。その後、モード実行部35は、未処理の印刷データPDを含む記憶部22に記憶されている印刷中の印刷データPDを削除する。
【0061】
ユーザが出力モードを選択した場合、モード実行部35は、印刷部11を制御して印刷を停止する。そして、モード実行部35は、暗号化部36によって印刷データPDを暗号化する。ここで、暗号化された印刷データPDは、印刷を停止した停止個所のデータを含む。モード実行部35は、暗号化された印刷データPDを外部記憶媒体90や外部端未4の記憶部33へと出力するとともに、記憶部22の印刷データPDを削除する。この後、ユーザが印刷を再開する場合には、暗号化する際に使用したパスワードによって暗号化された印刷データPDを復号化することにより、印刷が停止個所から再開される。尚、ユーザが外部端未4から印刷再開の指示を送信する場合、印刷制御装置2が外部端未4を特定することによって、パスワードの入力を省略してもよい。更に、ユーザが出力先として、他の印刷装置5を選択した場合、モード実行部35は印刷装置5により印刷を継続可能な形式の印刷データPDとして出力してもよい。
【0062】
ユーザが保存モードを選択した場合、モード実行部35は、印刷部11を制御して印刷を停止する。そして、モード実行部35は、暗号化部36によって停止個所のデータを含む印刷データPDを暗号化する。モード実行部35は、暗号化された印刷データPDを記憶部22に保存する。
【0063】
この後、モード実行部35は、選択されたモードを実行すると、印刷処理を終了する。
【0064】
(第1実施形態の効果)
上述したように、第1実施形態による印刷制御装置2は、印刷終了予測時間PET内に印刷が終了しない場合に、印刷動作を変更できるモード実行部35を有する。ここで、モード実行部35は、印刷を継続する継続モードと、印刷を停止して印刷動作を変更する変更モードとを実行できる。これにより、印刷制御装置2は、印刷用紙のジャム等の要因によって印刷を継続不可能な場合でも、柔軟に対応できる。
【0065】
また、印刷制御装置2は、印刷終了予測時間PETに印刷が終了していない場合でも、超過時間VTが閾値時間ThT内の場合、印刷を継続する。即ち、印刷制御装置2は、超過時間VTが短い場合、印刷を継続するので、ユーザは労力を消費することなく、印刷を完了させることができる。
【0066】
また、印刷制御装置2では、変更モードを実行する際に、モード実行部35が、削除モード、出力モード、及び、保存モードの何れかを実行可能に構成されている。これにより、印刷制御装置2は、ユーザの希望や印刷装置3の環境に柔軟に対応できる。例えば、ユーザは、削除モードを選択することによって、印刷データPDのセキュリティーを優先することができる。一方、ユーザは、出力モードを選択することによって、印刷データPDを外部に出力して、セキュリティーを確保しつつ、容易に印刷を再開できる。更に、ユーザは、保存モードを選択することによって、印刷データPDを再度送信することなく、容易に印刷を再開できる。
【0067】
また、印刷制御装置2では、暗号化部36によって、印刷データPDを暗号化した後、出力または保存している。これにより、印刷制御装置2は、印刷データPDのセキュリティーを向上させることができる。
【0068】
また、印刷制御装置2では、モード実行部35が、出力モード及び保存モードにおいて、印刷を停止した停止個所のデータとともに、印刷データPDを出力または保存する。これにより、ユーザは、印刷を再開する際に、容易に停止個所から再開することができる。
【0069】
<第2実施形態>
次に、上述した実施形態のモード実行部を変更した第2実施形態について説明する。図4及び図5は、第2実施形態によるモード選択画面を説明する図である。図である。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0070】
第2実施形態では、モード実行部35が、遅れ要因に基づいてモードを実行する。具体的には、モード実行部35が、センサ部12から信号により遅れ要因をジャムと判定すると、図4に示すモード選択画面を外部端未4の表示部41に表示する。ここで、遅れ要因がジャムの場合、印刷の継続が困難であるから、図4に示すように継続モードを薄く表示(または、非表示に)して、継続モードを選択不可能に設定する。これにより、ユーザは、変更モードの何れかを選択するので、モード実行部35はその変更モードの何れかを実行することになる。尚、遅れ要因がジャム以外であっても、印刷の継続が困難な場合はモード実行部35が同様に制御することが好ましい。
【0071】
また、モード実行部35が、遅れ要因を割り込み印刷であると判定すると、図5に示すモード選択画面を表示する。ここで、モード実行部35は、印刷終了までの残り時間をカウンタ表示する(図5中では30秒)。これにより、ユーザは、遅れ要因及びその要因による遅れ時間に基づいて、モードを選択する。そして、モード実行部35は、選択されたモードを実行する。
【0072】
(第2実施形態の効果)
上述したように、第2実施形態のモード実行部35は、遅れ要因に基づいて、モード選択画面の表示を変更している。これにより、ユーザは、遅れ要因に基づいて、モードを選択できるので、ユーザは、容易に適したモードを選択できる。
【0073】
尚、第2実施形態では、ユーザにモードを選択可能に構成したが、ジャム等の遅れ要因の場合、モード実行部35が、遅れ要因に基づいて、何れかのモードを強制的に実行するように構成してもよい。
【0074】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。以下、上記実施形態を一部変更した変更形態について説明する。
【0075】
上述した各実施形態の構成の機能、接続関係等は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 印刷システム
2 印刷制御装置
3 印刷装置
4 外部端未
5 印刷装置
6 ネットワーク部
11 印刷部
12 センサ部
13 タイマ
14 通信処理部
15 操作パネル
16 メモリポート
21 演算処理部
22 記憶部
23 バス
24 入出力インターフェース
26 表示部
31 予測時間算出部
32 印刷実行部
33 継続判定部
33 記憶部
34 超過時間算出部
35 モード実行部
36 暗号化部
41 表示部
42 プリンタドライバ
43 記憶部
44 入力部
90 外部記憶媒体
PD 印刷データ
PET 印刷終了予測時間
PP 印刷処理プログラム
ThT 閾値時間
TR 時刻
VT 超過時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データに基づいて印刷の印刷終了予測時間を算出する予測時間算出手段と、
前記印刷終了予測時間に前記印刷データの印刷が継続しているか否かを判定する継続判定手段と、
前記継続判定手段によって印刷が継続されていると判定されると、印刷を継続する継続モードまたは印刷を停止して印刷動作を変更する変更モードの何れかを実行可能なモード実行手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記印刷終了予測時間に印刷が終了しなかった場合、前記印刷終了予測時間から印刷終了までに必要な超過時間を算出する超過時間算出手段を更に備え、
前記モード実行手段は、前記超過時間が閾値時間未満と判定すると、前記継続モードを実行することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記モード実行手段により実行される前記変更モードは、
前記印刷データを外部の記憶手段に出力する出力モード、または、
前記印刷データを内部の記憶手段に保存する保存モードを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記出力モードまたは前記保存モードにおいて、前記印刷データを暗号化する暗号化手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記出力モードまたは前記保存モードでは、前記印刷データの停止個所のデータとともに出力または保存されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の印刷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−143554(P2011−143554A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4022(P2010−4022)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】