印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置
【課題】磁気インク読取装置による磁気インクの情報の読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体を容易に識別し、信頼性の高い印刷媒体処理を行い、印刷媒体処理の効率性を高めてさらなる高速化を可能にする。
【解決手段】本発明の印刷媒体処理装置の制御方法は、搬送路P1に沿って搬送された小切手Sに印刷された磁気インク文字を読み取るMICR13と、小切手Sが排出される複数の排出路を備えた排出トレイ60と、を備えた印刷媒体処理システム50の制御方法であって、MICR13によって磁気インク文字を読み取る磁気インク読取工程(ステップS2)と、ステップS2が正常に行われたか否かを判断する判断工程(ステップS4)と、ステップS4によりステップS2が正常に行われたと判断した場合に、搬送路切換板64によって用紙搬送路P1と連続する排出路を切り換える切り換え工程(ステップS9)を有する。
【解決手段】本発明の印刷媒体処理装置の制御方法は、搬送路P1に沿って搬送された小切手Sに印刷された磁気インク文字を読み取るMICR13と、小切手Sが排出される複数の排出路を備えた排出トレイ60と、を備えた印刷媒体処理システム50の制御方法であって、MICR13によって磁気インク文字を読み取る磁気インク読取工程(ステップS2)と、ステップS2が正常に行われたか否かを判断する判断工程(ステップS4)と、ステップS4によりステップS2が正常に行われたと判断した場合に、搬送路切換板64によって用紙搬送路P1と連続する排出路を切り換える切り換え工程(ステップS9)を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に記載された磁気インクの情報の読み取り及び印刷等の複数の機能を備えた印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール紙等の連続紙上に印字を行い、レシート、入場券、その他の発行券等を発行する連続紙プリンタや、小切手、パーソナルチェック用紙等の単票紙を搬送路に沿って搬送しながら印刷を行うスリッププリンタが広く用いられている。また、これらのプリンタの中には、連続紙への印刷機能と単票紙の印刷機能を兼ね備えるとともに、単票紙に印刷された磁気インク文字や画像を読み取ることが可能な複合機型のプリンタもある。
【0003】
一般に、磁気インクの情報(磁気インク文字)の読み取りはMICR(Magnetic Ink Character Reader)によって行われ、画像の読み取りはイメージスキャナ等の画像読み取り装置によって行われている。これらの読み取り装置は搬送路に面して設けられ、各読み取り装置の読み取り位置にスリップ紙等が搬送されたときに読み取り処理が行われるように構成されている。また、搬送路の最下流には印刷ヘッドが設けられ、各読み取り処理が行われた後に、印刷処理が行われるように構成されている。
【0004】
このような複合機型のプリンタに、磁気インク文字が記載された小切手の処理を行わせると、まず搬送路の最上流に設けられたイメージスキャナによって小切手に印刷された画像が読み取られ、次にMICRによって小切手に印刷された磁気インク文字が読み取られた後に印刷ヘッドによって印刷が行われる。
【0005】
また、MICRによる磁気インク文字の読み取り結果に応じて、小切手の有効あるいは無効を判断する機能を持たせ、無効の場合には印刷処理を行わず排出処理を行わせるように構成された複合機型のプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−87496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した複合機型のプリンタが有する小切手の有効あるいは無効を判断する機能は、小切手に印刷された磁気インク文字がMICRによって正常に読み取られることを前提とした機能であり、正常に読み取られた磁気文字データが小切手の情報として有効であるか無効であるかを判断している。すなわち、特許文献1に記載された複合機型のプリンタはMICRヘッドによる磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった場合の処理が想定されていない。
【0008】
例えば、折り曲げられた小切手や、磁気インク文字が印刷された領域が汚れている小切手等の場合には、MICRが磁気インク文字自体を読み取れないことがある。このような場合には小切手の有効あるいは無効を判断することもできず、搬送された全ての小切手に対して印刷処理を行い、正確な小切手処理を行うことができなかった。
【0009】
また、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった小切手と読み取りが正常に行われた小切手の識別をするためには、プリンタに接続されたホストコンピュータのログを参照して、読み取り結果をチェックしなければならない。そのため、プリンタによる小切手処理以外にユーザによるログの参照作業が必要なため、一連の小切手処理が煩雑となっている状況にある。
【0010】
そこで本発明は、磁気インク読取装置による磁気インクの情報の読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体を容易に識別し、信頼性の高い印刷媒体処理を行うとともに、印刷媒体処理の効率性を高めてさらなる高速化を可能にする印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決することのできる本発明に係る印刷媒体処理装置の制御方法は、印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置と、前記印刷媒体が排出される複数の排出路と、を備えた印刷媒体処理装置の制御方法であって、前記磁気インク文字読取装置によって前記磁気インク文字を読み取る磁気インク読取工程と、前記磁気インク読取工程が正常に行われたか否かを判断する判断工程と、前記判断工程の判断結果に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える切り換え工程と、を有することを特徴としている。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係る印刷媒体処理装置は、印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置と、前記印刷媒体が排出される複数の排出路と、を備えた印刷媒体処理装置であって、前記磁気インク文字読取装置による前記磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断する制御部と、前記制御部の判断結果に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える排出路切換制御部と、を有することを特徴としている。
【0012】
上記構成の印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置によれば、磁気インクの情報の読み取りが正常に行われたか否かを判断するので、判断した後の動作を、読み取りが正常に行われた場合と正常に行われなかった場合によって分けることができる。すなわち、読み取りが正常に行われた印刷媒体が排出される排出路と、読み取りが正常に行われなかった印刷媒体が排出される排出路とを分けることができるので、読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体とを仕分けして容易に識別することが可能である。
【0013】
また、上記構成の印刷媒体処理装置の制御方法において、前記印刷媒体処理装置は、前記搬送路と連続する排出路を切り換える排出路切換板を有し、前記切り換え工程は、前記判断工程の判断結果に応じて前記排出路切換板の向きを変更することで、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることが好ましい。
また、上記構成の印刷媒体処理装置において、前記搬送路と連続する排出路を切り換える排出路切換板を有し、前記排出路切換制御部は、前記制御部の判断結果に応じて前記排出路切換板の向きを変更することで、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、排出路切換板の向きを変更することで搬送路と連続する排出路が切り換えられるため、読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体とを容易に仕分けすることができる。
【0015】
また、上記構成の印刷媒体処理装置の制御方法において、前記切り換え工程は、前記判断工程で前記磁気インク読取工程が正常に行われたと判断した場合に、前記磁気インク読取工程で読み取られた情報に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることが好ましい。
また、上記構成の印刷媒体処理装置において、前記排出路は3つ以上設けられており、前記排出路切換制御部は、前記制御部が前記磁気インク文字の読み取りが正常に行われたと判断した場合に、前記磁気インク文字読取装置によって読み取られた情報に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、磁気インク文字の読み取りが正常に行われた印刷媒体を、読み取りが正常に行われなかった印刷媒体と区別して仕分けるだけでなく、読み取られた磁気インク文字の情報に応じてさらに排出路を分けて排出させることが可能である。したがって、搬送された印刷媒体を少なくとも3つ以上の排出路に分けて排出させることができる。
【0017】
また、上記構成の印刷媒体処理装置において、前記磁気インク文字読取装置による読取位置から前記排出路までの長さは、前記印刷媒体の搬送方向の長さより長いことが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、磁気インク読取装置による読み取り工程が終了した後、印刷媒体の搬送方向の先端が排出路に到達する前に排出路の切り換えを行うことができるため、読み取り工程による読み取りの正否を判断してから、印刷媒体が排出されるべき排出路を決定することができる。すなわち、印刷媒体処理の信頼性が向上する。
【0019】
また、上記構成の印刷媒体処理装置の制御方法において、前記印刷媒体の画像を読み取る画像読取装置が前記搬送路に面して設けられ、前記切り換え工程は、前記判断工程の判断結果及び前記画像読取装置による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断した判断結果に応じて、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることが好ましい。
また、上記構成の印刷媒体処理装置において、前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体の画像を読み取る画像読取装置を有し、前記制御部は、前記画像読取装置による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断するように設定され、前記排出路切換制御部は、前記制御部による磁気インク文字の読み取りの判断結果及び画像の読み取りの判断結果に応じて、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、磁気インク文字の読み取りの判断結果と画像の読み取りの判断結果にそれぞれ対応した印刷媒体の仕分けを行うことができる。例えば、磁気インク文字の読み取りのみが正常である印刷媒体と、画像の読み取りのみが正常である印刷媒体とを分けることができ、再読み取り処理を行う場合などに、前回異常であった読み取り処理のみを行わせることができるため、印刷媒体処理を高速化できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置によれば、磁気インク読取装置による磁気インクの情報の読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体をユーザが容易に識別できるため、煩雑な仕分け作業などを行わずに効率性及び信頼性の高い印刷媒体処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置の実施形態の例について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、印刷媒体処理装置として、ホストコンピュータと、ホストコンピュータと通信可能に接続された複合処理装置とによって構成される印刷媒体処理システムを例に挙げ、その構造及び制御動作について具体的に説明する。
【0023】
本実施形態における複合処理装置の内部構造について図1〜図4を用いて説明する。図1は本発明に係る一実施形態の複合処理装置を示す斜視図であり、図2は図1に示した複合処理装置の上面図であり、図3は図1に示した複合処理装置における用紙搬送路を示す模式図であり、図4は図1に示した複合処理装置の内部構造を示す上面から見た模式図である。
【0024】
本実施形態の複合処理装置1は、図1〜図4に示すように、給紙部であるASF(Auto Sheet Feeder:オートシートフィーダ)3に装填される小切手Sを筐体1aに形成された用紙搬送路P1に沿って搬送しながら、小切手S上の両面画像の読み取り、小切手S上の磁気インク文字の読み取り、及び小切手Sへの裏書き印刷を実行可能に構成されている。また、複合処理装置1は、カード挿入口20から挿入されるカードCを筐体1aに形成された用紙搬送路P2に沿って搬送しながら、カードC上の両面画像の読み取りを実行可能に構成されている。
【0025】
また、この複合処理装置1は、筐体1aにおいて用紙搬送路P1に囲まれた中央部に設けられたロール紙カバー30の下部にロール紙を収納するロール紙収納部30a(図4参照)が設けられている。ロール紙収納部30aに収納されたロール紙は、キャリッジ14によって印刷可能である。印刷されたロール紙は、ロール紙排出口31から複合処理装置1の外部に排出される。
【0026】
さらに、複合処理装置1は、図2に示すように用紙搬送路P1の下流側直線部分の上方に開口したバリデーション挿入口40からバリデーション紙を挿入可能に構成されており、このバリデーション紙に対しても印刷を実行可能に構成されている。
【0027】
すなわち、本実施形態の複合処理装置1は、画像読取機能及び磁気インク文字読取機能を備え、小切手S、ロール紙及びバリデーション紙への印刷が可能な複合型多機能プリンタである。
【0028】
(ホストコンピュータ及び複合処理装置の内部構造)
まず、複合処理装置1の具体的な構造について説明する。
図3に示すように、小切手Sを搬送する用紙搬送路P1は、略U字型形状を有しており、またカードCを搬送する用紙搬送路P2は、剛性を有するカードCを搬送可能なように直線形状を有している。
【0029】
用紙搬送路P1と用紙搬送路P2は、用紙搬送路P1のU字形状の底の部分に相当する部位で共通となっている。以下の説明では、この共通の部位を中間搬送路Mと呼ぶこととする。この中間搬送路Mには、各種読取装置が設けられている。図2に示すように、この用紙搬送路P1のうち中間搬送路Mの上方は、筐体1aの一部を構成する搬送路カバー1bによって覆われている。この搬送路カバー1bは、中間搬送路Mに沿って配置される各種読取装置を外部から覆い隠すことにより保護している。
【0030】
用紙搬送路P1は、図3に示すように、外側ガイド2aと内側ガイド2bとの間に画成された搬送部2cによって構成されており、この搬送部2cに沿って小切手Sは搬送される。図2及び図4に示すように用紙搬送路P1の上流側には、複数の小切手Sを装填可能なASF3が設けられている。小切手Sは、図4の矢印Aの方向からASF3を介して用紙搬送路P1に挿入され、ASF3に装填された複数の小切手Sは、一枚ずつ分離されて用紙搬送路P1内に送り出される。
【0031】
用紙搬送路P1には、小切手Sの搬送を行う搬送手段として、中間搬送路Mの上流側に用紙搬送ローラ6と、中間搬送路M中に中間搬送ローラ16と、中間搬送路Mの下流側に第2搬送ローラ7と、紙出口の手前に排出ローラ8が設けられている。用紙搬送ローラ6は、駆動ローラ6aと、用紙搬送路P1を介して駆動ローラ6aに対向配置された押し付けローラ6bとを有している。また、第2搬送ローラ7は、駆動ローラ7aと、用紙搬送路P1を介して駆動ローラ7aに対向配置された押し付けローラ7bとを有している。
また、中間搬送ローラ16は、図4に示すように、用紙搬送路P1の下方に配置された下部押えローラ16aと、下部押えローラ16aの上方に配置された上部押えローラ16bと、中間搬送路Mを介して上部押えローラ16a及び下部押えローラ16bと対向配置された駆動ローラ17とを有している。
【0032】
ASF3から用紙搬送路P1内に送り出された小切手Sは、図4に示すように、用紙搬送ローラ6、中間搬送ローラ16、ならびに第2搬送ローラ7によって中間搬送路M内を搬送され、排出ローラ8により矢印Bの方向へ排出口4から排出される。ここで、中間搬送ローラ16に関しては、小切手Sの幅(高さ)が所定長さより短ければ、下部押えローラ16bと駆動ローラ17が小切手Sの搬送に寄与し、一方小切手Sの幅が所定長さ以上であれば上部押えローラ16aと下部押えローラ16bの双方と駆動ローラ17によって小切手Sは搬送される。
【0033】
一方、用紙搬送路P2は、図3及び図4に示すように、中間搬送路Mと、その両端に連通するカード挿入口20およびカード逆転路21とから構成されている。
【0034】
上部押えローラ16aは、用紙搬送路P2の基準高さL2よりも上方に取り付けられており、中間搬送路M内に搬送されたカードCは、この上部押えローラ16aと駆動ローラ17によって中間搬送路M内を搬送される。
【0035】
カード逆転路21は、図3に示すように中間搬送路Mの左側延長線に沿って形成された直線ガイド21a、21bによって形成されている。このカード逆転路21の端部21c近傍には、正逆転搬送ローラ22が設けられている。この正逆転搬送ローラ22は、中間搬送路Mから搬送されたカードCを所定長さカード逆転路21の端部21cから張り出させるように搬送し、そして端部21cから張り出したカードCを再度中間搬送路Mに搬送する。
【0036】
このように、本実施形態における複合処理装置1は、小切手SをU字型の用紙搬送路P1に搬送し、カードCを、直線状の用紙搬送路P2に搬送するように構成されている。
【0037】
次に、中間搬送路Mに配置された各種読取装置について小切手読取処理を例に挙げて説明する。まず、中間搬送路Mに配置された各種読取装置によって実際に読み取られる印刷媒体の一つである小切手Sの構成について説明する。
図5は、本実施形態における複合処理装置1の印刷媒体の一つである小切手Sの構成を示した図であり、(a)は小切手Sの表面図、(b)は小切手Sの裏面印刷の一例を示した図、(c)は小切手Sの裏面印刷の他の例を示した図である。
【0038】
小切手Sは長方形をしており、その表面の下端縁に沿って磁気インク文字が印刷された磁気インク文字記録領域71が形成されており、ここには小切手Sの口座番号などの情報が記載されている。また、小切手Sの表面には、支払い先、日付、金額等の表書き事項が印刷された表書き領域72が形成されている。これに対して、小切手Sの裏面74における上側の隅には、買い物客の認証番号、日付、使用金額等といった、小切手を受け取る店舗側等にとって必要な裏書き事項が印刷された裏書き領域73が形成されている。さらに小切手Sの裏面74における下側の隅には、磁気インク文字の読み取り、画像の読み取りが正常に行われた場合に所定の印刷事項を印刷する裏面印刷領域75が形成されている。なお、各印刷領域73,75の位置は一例であり、他の位置に印刷しても良い。
【0039】
中間搬送路Mには、画像読み取りを行う用紙の画像読取装置11および第2の画像読取装置12がそれぞれ中間搬送路Mの両側に搬送方向にずれた状態で設置されている。用紙の画像読取装置11および第2の画像読取装置12は、それぞれCIS(Contact Image Sensor)タイプのスキャナである。
【0040】
用紙の画像読取装置11および第2の画像読取装置12は、中間搬送路Mを搬送される小切手SまたはカードCの一面に光を照射し、小切手SまたはカードC上で反射した光を複数の受光素子(光電変換素子)を介して受光し、受光した光を電気信号に変換して1ライン分の画像を取得する。本実施形態では、用紙の画像読取装置11は小切手Sの裏面画像を、第2の画像読取装置12は小切手Sの表面画像を、1ラインずつ順次読み取ることにより、小切手Sの二次元画像を取得する。
【0041】
駆動ローラ17の下方には、磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置(以下、MICR(Magnetic Ink Character Reader)という。)13が設置されている。MICR13は、小切手Sの表面に印刷された磁気インク文字を読みとるためのセンサである。このMICR13は、中間搬送路Mを介してMICR13に対向配置された押付レバーによって小切手SがMICR13の表面に押し付けられた状態で読み取りを実行する。本実施形態では、小切手Sの口座番号などの情報が磁気インク文字で印刷された磁気インク文字記録領域71を読み取るように構成されている。
【0042】
また、第2搬送ローラ7と排出ローラ8との間であって、用紙搬送路P1に沿った直線領域には、キャリッジ14が用紙搬送路P1の直線部分に沿って移動可能に配置されている。キャリッジ14には、インクを吐出する複数のインクノズルを有する印刷ヘッド19が設けられており、ホストコンピュータ110からの指示に応じて印刷ヘッド19の複数のインクノズルからインクを吐出することにより、小切手Sへの裏書、バリデーション紙への印刷、またはロール紙への印刷を実行する。
【0043】
次に、用紙搬送路P1に設けられた用紙検出器について説明する。
用紙搬送路P1には、ASF検出器(給紙部検出器)9と、TOF(Top Of Form)検出器10と、バリデーション検出器26と、排出検出器28の4つの用紙検出器が設けられている。これらの検出器9,10,26,28は、たとえば光学式の用紙検出器であり、それぞれ検出器前面における用紙の有無を検出可能に構成されている。
【0044】
ASF検出器9は、ASF3の排出口近傍に設けられており、ASF3から送り出される小切手Sを検出する。TOF検出器10は、ASF3と画像読取装置11の中間部位に設けられており、画像読取装置11に送り込まれる小切手Sを検出する。
【0045】
バリデーション検出器26は、第2搬送ローラ7の下流側の直線部位に設けられており、バリデーション挿入口40から挿入されるバリデーション紙の挿入の有無を検出可能に構成されている。排出検出器28は、排出口4近傍に設けられており、排出口4から排出される小切手Sを検出する。
【0046】
また、用紙搬送路P2には、カードCを検出するカード検出器25が設けられている。カード検出器25は、カード挿入口20近傍に設けられており、カード挿入口20から挿入されるカードCを検出する。
【0047】
次に、複合処理装置1の用紙搬送路P1に接続された排出トレイについて図6を参照して説明する。図6は、用紙搬送路P1に接続された排出トレイと、画像読取装置11,12、MICR13及びキャリッジ14、との位置関係を示した模式図である。
【0048】
排出トレイ60は、複合処理装置1の用紙搬送路P1の搬送路終端部27近傍に着脱自在に取り付けられている。本実施形態の排出トレイ60は、用紙搬送路P1に面して設けられた各種読取装置による読み取り処理、及び下流側に設けられた印刷ヘッド19による印刷処理が行われ、排出ローラユニット(図示省略)によって排出された小切手Sを収容するように構成されている。また、排出トレイ60は、搬送路終端部27から垂直に立てた姿勢で送り出された小切手Sを垂直に立てた姿勢のまま収容する。
【0049】
排出トレイ60は主として、内側ガイド板61、中間ガイド板62及び外側ガイド板63によって外形形状が構成されており、内側ガイド板61と中間ガイド板62とによって第1排出路Xが形成され、中間ガイド板62と外側ガイド板63とによって第2排出路Yが形成されている。中間ガイド板62の搬送路終端部27側には、第1排出路Xの入り口あるいは第2排出路Yの入り口を開放または閉鎖するための排出路切換板64が回動可能に設けられ、搬送路切換板64の先端部は搬送路終端部27にほぼ位置するように構成されている。
【0050】
本実施形態における排出路切換板64は、小切手Sに印刷された磁気インク文字や小切手Sの画像の各種読取装置による読み取り処理が正常に行われたか否かによって、その向きが変更されることで、用紙搬送路P1と連続する排出路を切り換える役割を有している。
【0051】
キャリッジ14は、用紙搬送路P1の搬送方向の直線部位と平行に設けられたガイド軸30に沿って移動可能範囲L3内で移動し、印刷ヘッド19の複数のインクノズルからインクを吐出することにより、小切手Sの裏面に印刷を行う。なお、図6では、キャリッジ14が印刷開始位置19aにある状態を示しているが、キャリッジ14の待機位置(ホームポジション)は別の位置に設定されている。また、小切手Sに対して印刷を行う際には、キャリッジ14が印刷開始位置19aに位置したまま小切手Sを所定の搬送速度で搬送する場合と、小切手Sが用紙搬送路P1の搬送方向の直線部位に位置した状態でキャリッジ14が所定の移動速度で移動する場合がある。本実施形態では、キャリッジ14が印刷開始位置19aに位置したままの状態で印刷を行う場合について説明する。
【0052】
本実施形態では、小切手Sの搬送方向の長さをL1とし、画像読取装置11,12よりも下流側に配置されたMICR13の読取開始位置13bから第1排出路Xの入り口または第2排出路Yの入り口まで(排出路切換板64の先端部まで)の搬送長さをL2とすると、L1<L2となるように構成されている。
【0053】
このように構成することによって、MICR13による読み取りが終了した後、小切手Sの搬送方向の先端が第1排出路Xの入り口または第2排出路Yの入り口に到達する前に排出路切換板64の向きを変更して用紙搬送路P1と連続する排出路を切り換えることができるため、MICR13による読み取りの正否を判断してから、小切手Sが排出されるべき排出路を決定することができる。このため、小切手処理の信頼性が高い印刷媒体処理システム50を提供することができる。
【0054】
次に、本実施形態の印刷媒体処理システムにおける小切手Sへの印刷媒体処理について説明する。図7は、本実施形態の印刷媒体処理システム50の制御ブロック図である。
【0055】
印刷媒体処理システム50は、ホストコンピュータ110と、ホストコンピュータ110と通信可能に接続された複合処理装置1とによって構成されている。ホストコンピュータ110は、制御中枢である制御部111を備え、印刷媒体処理システム50の全体動作を制御する。本実施形態において、制御部111は複合処理装置1から送信された磁気インク文字データ及び画像データを解析し、MICR13及び画像読取装置11,12による読み取りが正常に行われたか否かを判断する。そして、判断結果に応じたコマンドを生成し、複合処理装置1へコマンドを送信する。
【0056】
本実施形態の複合処理装置1は、主として、CPU101、RAM102、フラッシュROM103、排出路切換制御部99、磁気インク文字読取制御部104、印刷制御部105、搬送制御部106、用紙検出器制御部107、画像読取制御部108及び通信インタフェース109とを備えており、これらはバス100を介して互いにデータ通信可能に接続されている。
【0057】
CPU101は、複合処理装置1の制御中枢であり、ホストコンピュータ110からのコマンドに応じてフラッシュROM103内に記憶されたファームウェアを実行することにより、複合処理装置1の全体動作を制御する。
【0058】
RAM102は、複合処理装置1の一時記憶領域として設けられた揮発性メモリであり、CPU101の演算におけるデータバッファ,ホストコンピュータ110から送信される各種コマンドが一時保存される受信バッファ、画像読取装置11,12に読み取られる画像データやMICR13によって読み取られた磁気インク文字データを一時保存する画像データバッファ、印刷データが保存される印刷バッファとして機能する。
【0059】
フラッシュROM103は、複合処理装置1のデータ記憶領域として設けられたデータ書換可能な不揮発性メモリであり、主としてCPU101が動作するためのファームウェアと複合処理装置1に関する各種設定値が保存されている。先述の通り、CPU101は、このフラッシュROM103内に保存されたファームウェアを、同フラッシュROM103内に保存された各種設定値を参照しながら実行することにより複合処理装置1の制御を行う。
【0060】
排出路切換制御部99は、ホストコンピュータ110の制御部111が、MICR13及び画像読取装置11,12による小切手Sの画像領域72,73の読み取りが正常に行われたか否かを判断し、その判断結果に応じて生成され複合処理装置1に送信されたコマンドに従って、排出路切換板64を動作させるように構成されている。複合処理装置1に送信されたコマンドに従って、閉鎖する排出路の入り口側に排出路切換板64を回動させることによって、小切手Sを排出されるべき排出路に誘導することができる。
【0061】
磁気インク文字読取制御部104は、MICR13の駆動制御を行うドライバである。具体的には、CPU101からの指示に応じてMICR13に出力される読取用サンプリングパルスの生成、MICR13によって読み取られた磁気インク文字のデジタル信号をRAM102に転送する。これにより、RAM102には、小切手Sに印刷された磁気インク文字データが生成される。生成された磁気インク文字データはホストコンピュータ110へ順次送信され、制御部111が正常に読み取られたデータであるか否かを判断する。
【0062】
印刷制御部105は、キャリッジ14及び印刷ヘッド19の駆動制御を行うドライバである。この印刷制御部105は、具体的には、印刷データに応じてキャリッジ14を駆動しながら印刷ヘッド19を駆動して、印刷ヘッド19から小切手S,ロール紙またはバリデーション紙に対してインクを吐出させて該当する印刷媒体上に画像を形成する。本実施形態においては、ホストコンピュータ110の制御部111が、MICR13及び画像読取装置11,12による小切手Sの画像領域72,73の読み取りが正常に行われたか否かを判断し、判断結果に応じて生成され複合処理装置1に送信されたコマンドに従って印刷動作を行うように構成されている。
【0063】
搬送制御部106は、小切手S,カードC,ロール紙及びバリデーション紙の搬送を制御するドライバである。搬送制御部106は、小切手Sの場合、ステッピングモータ(図示省略)を駆動してASF3及び各種搬送ローラ6,7,8,16を回転させ小切手Sを用紙搬送路P1に沿って搬送する。また、カードCの場合には、同じくステッピングモータを駆動して中間搬送ローラ16や正逆転搬送ローラ22を駆動し、カードCを用紙搬送路P2に沿って搬送する。
【0064】
用紙検出器制御部107は、ASF検出器9,TOF検出器10,バリデーション検出器26,排出検出器28、カード検出器25を駆動する検出器ドライバである。この用紙検出器107は、具体的には、各用紙検出器9,10,25,26,28に出力される用紙検出用サンプリングパルスの生成等を行う。
【0065】
画像読取制御部108は、画像読取装置11及び画像読取装置12の読取制御を行う画像読取用ドライバである。この画像読取制御部108は、各画像読取装置11,12に読取用のトリガー信号を出力するとともに、各画像読取装置11,12中の各受光素子によって生成された電気信号をAD変換するとともに、1ラインずつバッファして、このバッファされた1ライン分のデジタル信号をRAM102に転送する。これにより、RAM102には、小切手SやカードCの二次元画像データが生成される。生成された画像データはホストコンピュータ110へ送信され、制御部111が正常に読み取られた画像データか否かを判断される。
【0066】
通信インタフェース109は、ホストコンピュータ110との通信を行う通信制御部であり、USBインタフェース,シリアルインタフェース等により構成されている。ホストコンピュータ110から送信された各種コマンドは、この通信インタフェース109を介してRAM102に転送され、またCPU101により生成されたステータス信号(複合処理装置1の状態を示す信号)や、磁気インク文字データ、画像データはこの通信インタフェース109を介してホストコンピュータ110に送信される。
【0067】
以下、図6及び図8を参照しながら、本実施形態の印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置により行われる印刷媒体処理の第一の形態について説明する。図8は、印刷媒体処理システム50における小切手Sへの印刷媒体処理の第一の形態を示すフローチャートである。
【0068】
小切手Sが、MICR13の読取開始位置13bまで搬送されると(ステップS1:Yes)、磁気インク文字読取制御部104がMICR13を駆動させ小切手Sの磁気インク文字記録領域71に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク読み取り工程を行う(ステップS2)。読み取られた情報をデジタル信号に順次変換し、変換された磁気インク文字データを通信インタフェース109を介してホストコンピュータ110に送信する(ステップS3)。
【0069】
ホストコンピュータ110の制御部111は、受信した磁気インク文字データが、口座番号等の情報に相当する文字データとして認識できるか否かを判断して、MICR13による磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断する判断工程を行う(ステップS4)。正常に行われたと判断すると排出路Xに小切手Sを排出させるために排出路Yを閉鎖する「排出路(Y)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS5)、複合処理装置1へ送信する(ステップS7)。
【0070】
排出路切換板制御部99は、受信したコマンドが「排出路(Y)閉鎖コマンド」であるか否かを判断し(ステップS8)、「排出路(Y)閉鎖コマンド」であると判断すると閉鎖する排出路Yの入り口側に排出路切換板64を回動させることによって、排出路Yを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS9)。これにより、排出路Xが用紙搬送路P1と連続して小切手Sが実際に排出される排出路として切り換えられる。なお、このとき既に排出路Yが閉鎖されている場合には、排出路切換板64を動作させる必要はない。
【0071】
排出路Yが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行う(ステップS10)。次に、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ60へ搬送させることによって小切手Sの搬送方向の先端が排出路切換板64に当接して排出方向が変更され、磁気インク文字の読み取りが正常に行われた小切手Sだけが排出される排出路Xへ小切手Sが排出される(ステップS11)。
【0072】
一方、ステップS4でMICR13による読み取りが正常に行われなかったと判断すると(ステップS4:No)、排出路Yに小切手Sを排出させるために排出路Xを閉鎖する「排出路(X)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS6)、複合処理装置1へ送信する(ステップS7)。なお、MICR13による読み取り自体が行えずにステップS2あるいはステップS3でデータが生成されない場合も、ステップS6による「排出路(X)閉鎖コマンド」の生成が行われる。
【0073】
また、ステップS8で受信したコマンドが排出路(Y)閉鎖コマンドでない(排出路(X)閉鎖コマンドである)と判断すると(ステップS8:No)、閉鎖する排出路Xの入り口側に排出路切換板64を回動させることによって、排出路Xを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS12)。これにより、排出路Yが用紙搬送路P1と連続して小切手Sが実際に排出される排出路として切り換えられる。なお、このとき既に排出路Xが閉鎖されている場合には、排出路切換板64を動作させる必要はない。
【0074】
排出路Xが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行う(ステップS13)。次に、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ60へ搬送させることによって、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった小切手Sだけが排出される排出路Yへ真っ直ぐ小切手Sが排出される(ステップS14)。
【0075】
このように、印刷媒体処理の第一の形態によれば、制御部111が磁気インクの読み取りが正常に行われたか否かを判断している。そして、読み取りが正常に行われた場合には読み取りが正常に行われた小切手Sだけが排出される排出路Xへ排出し、正常に行われなかったときには正常に行われなかった小切手Sだけが排出される排出路Yへ排出するように構成されている。したがって、自動的に磁気インクの読み取りが正常に行われた小切手Sと正常に行われなかった小切手Sとが仕分けされるので、ユーザが小切手Sの識別作業を行う必要がなく、信頼性の高い小切手処理を行うとともに一連の小切手処理の高速化を図ることが可能である。
【0076】
次に、図9から図11を参照しながら、印刷媒体処理の第二の形態について説明する。図9は、排出路を3つ備えた排出トレイが接続された搬送路P1を示した模式図であり、図10及び図11は、印刷媒体処理システム50における小切手Sへの印刷媒体処理の第二の形態を示すフローチャートである。なお、図10において丸で囲った1の箇所は、図11において同様の丸で囲った1の箇所に処理が続いていることを示している。
【0077】
第二の形態においては排出路が3つ以上設けられた排出トレイ80を採用した場合の印刷媒体処理について説明する。図9に示すように、排出トレイ80は主として、内側ガイド板81、第一中間ガイド板82、第二中間ガイド板83及び外側ガイド板84によって外形形状が構成されており、内側ガイド板81と第一中間ガイド板82とによって排出路xが、第一中間ガイド板82と第二中間ガイド板83とによって排出路yが、第二中間ガイド板83と外側ガイド板84とによって排出路zが形成されている。第一中間ガイド板82及び第二中間ガイド板83の搬送路終端部27側には、排出路xまたは排出路yの入り口を閉鎖するための排出路切換板85及び排出路yまたは排出路zの入り口を閉鎖するための排出路切換板87が回動可能に設けられている。
【0078】
図10に示すように、小切手Sが画像読取装置11,12の読取開始位置まで搬送されると(ステップS21:Yes)、画像読取制御部108が画像読取装置11,12を駆動させ小切手Sの裏面画像、表面画像を読み取る(ステップS22)。読み取られた情報をデジタル信号に順次変換し、変換された画像データを通信インタフェース109を介してホストコンピュータ110に送信する(ステップS23)。
【0079】
次に、小切手Sが、MICR13の読取開始位置13bまで搬送されると(ステップS24:Yes)、磁気インク文字読取制御部104がMICR13を駆動させ小切手Sの磁気インク文字記録領域81に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク読み取り工程を行う(ステップS25)。読み取られた情報をデジタル信号に順次変換し、変換された磁気インク文字データを通信インタフェース109を介してホストコンピュータ110に送信する(ステップS26)。
【0080】
ホストコンピュータ110の制御部111は、受信した磁気インク文字データを、口座番号等の情報に相当する文字データとして認識できるか否かを判断して、MICR13による磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断する判断工程を行い(ステップS27)、正常に行われたと判断すると(ステップS27:Yes)、画像読取装置11,12による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断する(ステップS28)。なお、ステップS28における判断は、画像読取装置11,12により画像データが取得できたか否かで判断すればよいが、受信した画像データを制御部111が予め有する小切手Sの認証番号、支払い先及び日付等の情報と対比して、画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断してもよい。
【0081】
制御部111は、画像読取装置11,12による画像の読み取りが正常に行われたと判断すると(ステップS28:Yes)、排出路xに小切手Sを排出させるために排出路y,zを閉鎖する「排出路(y)(z)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS29)、複合処理装置1へ送信する(ステップS30)。一方、画像読取装置11,12による画像の読み取りが正常に行われなかったと判断すると(ステップS28:No)、排出路yに小切手Sを排出させるために排出路x,zを閉鎖する「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS31)、複合処理装置1へ送信する(ステップS30)。また、MICR13による読み取りが正常に行われなかったと判断すると(ステップS27:No)排出路zに小切手Sを排出させるために排出路x,yを閉鎖する「排出路(x)(y)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS32)、複合処理装置1へ送信する(ステップS30)。
【0082】
なお、磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断するステップS27と、画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断するステップS28とは、処理の順序を逆に置換しても構わない。また、MICR13による読み取り自体が行えずにステップS25あるいはステップS26でデータが生成されない場合や、画像読取装置11,12による画像の読み取り自体が行えずにステップS22あるいはステップS23でデータが生成されない場合も、ステップS31あるいはステップS32の処理が行われる。
【0083】
図11に示すように、排出路切換制御部99は、受信したコマンドが「排出路(y)(z)閉鎖コマンド」であるか否かを判断し(ステップS31)、「排出路(y)(z)閉鎖コマンド」であると判断すると閉鎖する排出路y,zのそれぞれの入り口側に排出路切換板85,87を回動させることによって、排出路y、zを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS32)。排出路y,zが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行う(ステップS33)。次に、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ80へ搬送させることによって小切手Sの搬送方向の先端が排出路切換板85に当接して排出方向が変更され、磁気インク文字の読み取りと画像の読み取りが共に正常に行われた小切手Sだけが排出される排出路xへ小切手Sが排出される(ステップS34)。
【0084】
一方、ステップS30で受信したコマンドが排出路y,z閉鎖コマンドでない(「排出路x、z閉鎖コマンド」あるいは「排出路x,y閉鎖コマンド」である)と判断すると(ステップS31:No)、受信したコマンドが「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」であるか否かを判断し(ステップS35)、「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」であると判断すると、閉鎖する排出路x,zのそれぞれの入り口側に排出路切換板85,87を回動させることによって、排出路x,zを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS36)。排出路x、zが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行い(ステップS37)、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ80へ搬送させ、画像の読み取りが正常に行われなかった小切手Sだけが排出される排出路yへ小切手Sが真っ直ぐ排出される(ステップS38)。
【0085】
また、ステップS35で、「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」でない(「排出路x,y閉鎖コマンド」である)と判断すると(ステップS35:No)、閉鎖する排出路x,yのそれぞれの入り口側に排出路切換板85,87を回動させることによって、排出路x,yを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS39)。排出路x,yが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行い(ステップS40)、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ80へ搬送させることによって小切手Sの搬送方向の先端が排出路切換板87に当接して排出方向が変更され、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった小切手Sだけが排出される排出路zへ小切手Sが排出される(ステップS41)。
【0086】
このように、印刷媒体処理の第二の形態によれば、小切手Sの裏面及び表面の画像の読み取りと磁気インク文字記録領域71に印刷された磁気インク文字の読み取りとが共に正常に行われた場合の小切手Sと、磁気インク文字の読み取りは正常に行われたが画像の読み取りが正常に行われなかった小切手Sと、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった小切手Sと、がそれぞれ異なる排出路x,y,zに排出されるため、容易に3種類の小切手を識別することができ、より信頼性の高い小切手処理を行うことが可能である。
【0087】
次に、図12を参照しながら、印刷媒体処理の第三の形態について説明する。図12は、印刷媒体処理システム50における小切手Sへの印刷媒体処理の第三の形態の一部を示すフローチャートである。第三の形態は、読み取り工程により読み取った磁気インク文字データの情報に応じて排出路を切り換える処理であって、第二の形態の一部だけを変更した処理となっているため、重複する処理に関する説明は省略する。
【0088】
ステップS27で、MICR13による磁気インク文字の読み取りが正常に行われたと判断すると(ステップS27:Yes)、読み取った磁気インク文字データの分類判断を行う(ステップS51)。ここで磁気インク文字データの分類判断とは、例えば磁気インク文字データから得られた口座番号によって、自社銀行の口座番号(分類A)なのか他社銀行の口座番号なのか(分類B)を判断したり、口座の種類等によって分類された情報を判断することなどが挙げられる。
【0089】
ステップS51で分類Aであると判断すると、排出路xに自社銀行の小切手Sを排出させるために排出路y、zを閉鎖する「排出路(y)(z)閉鎖コマンド」を生成する(ステップS29)。一方、ステップS51で分類Bであると判断すると、排出路yに他社銀行の小切手Sを排出させるために排出路x、zを閉鎖する「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」を生成する(ステップS31)。
【0090】
このように、印刷媒体処理の第三の形態によれば、磁気インク文字の読み取りの成否、画像の読み取りの成否によって排出路を分けるだけでなく、読み取られた磁気インク文字データの内容に応じて排出路を分けることが可能である。さらに排出路を多く設ければ、読み取られた磁気インク文字データの内容を3つ以上の分類に分けることによって、様々な種類の小切手Sに分類して排出させることが可能である。
【0091】
なお、ホストコンピュータ110において、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった場合や画像の読み取りが正常に行われなかった場合に再度小切手Sの処理を行わせる設定がなされている場合に、再読み取りの際に印刷される文字が最初の印刷文字と重なってしまうことが考えられる。そのため、2回目以降の読み取りの際には、裏面印刷領域75の中で印刷する位置を変更すると良い。
【0092】
また、上記実施形態においては、印刷媒体処理装置の一実施形態として、ホストコンピュータ110と、ホストコンピュータ110と通信可能に接続された複合処理装置1とによって構成される印刷媒体処理システム50として説明したが、例えば、磁気インク文字読取が正常に行われたか否かを判断する機能を複合処理装置1の磁気インク文字読取制御部104に持たせ、画像読み取りが正常に行われたか否かを判断する機能を画像読取制御部108に持たせるように構成すれば、複合処理装置1単体でも本発明に係る印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置において使用される複合処理装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示した複合処理装置の上面図である。
【図3】図1に示した複合処理装置における用紙搬送路を示す模式図である。
【図4】図1に示した複合処理装置の内部構造を示す上面から見た模式図である。
【図5】図1に示した複合処理装置の印刷媒体の一つである小切手Sの構成を示した図である。
【図6】第一の形態の排出トレイとMICRとの位置関係を示した模式図である。
【図7】本発明に係る印刷媒体処理装置の制御ブロック図である。
【図8】図7に示した印刷媒体処理装置における小切手Sへの印刷媒体処理の第一の形態を示すフローチャートである。
【図9】第二及び第三の形態の排出トレイとMICRとの位置関係を示した模式図である。
【図10】図7に示した印刷媒体処理装置における小切手Sへの印刷媒体処理の第二の形態の一部を示すフローチャートである。
【図11】図7に示した印刷媒体処理装置における小切手Sへの印刷媒体処理の第二の形態の一部を示すフローチャートである。
【図12】図7に示した印刷媒体処理装置における小切手Sへの印刷媒体処理の第三の形態の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
1:複合処理装置、11,12:画像読取装置、13:MICR、14:キャリッジ、19:印刷ヘッド、50:印刷媒体処理システム、71:MICR記録領域、72:表書き領域、73:裏書き領域、74:小切手の裏面、60,80:排出トレイ、99:排出路切換板制御部、104:磁気インク文字読取制御部、105:印刷制御部、108:画像読取制御部、110:ホストコンピュータ、S:小切手、P1,P2:用紙搬送路
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に記載された磁気インクの情報の読み取り及び印刷等の複数の機能を備えた印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロール紙等の連続紙上に印字を行い、レシート、入場券、その他の発行券等を発行する連続紙プリンタや、小切手、パーソナルチェック用紙等の単票紙を搬送路に沿って搬送しながら印刷を行うスリッププリンタが広く用いられている。また、これらのプリンタの中には、連続紙への印刷機能と単票紙の印刷機能を兼ね備えるとともに、単票紙に印刷された磁気インク文字や画像を読み取ることが可能な複合機型のプリンタもある。
【0003】
一般に、磁気インクの情報(磁気インク文字)の読み取りはMICR(Magnetic Ink Character Reader)によって行われ、画像の読み取りはイメージスキャナ等の画像読み取り装置によって行われている。これらの読み取り装置は搬送路に面して設けられ、各読み取り装置の読み取り位置にスリップ紙等が搬送されたときに読み取り処理が行われるように構成されている。また、搬送路の最下流には印刷ヘッドが設けられ、各読み取り処理が行われた後に、印刷処理が行われるように構成されている。
【0004】
このような複合機型のプリンタに、磁気インク文字が記載された小切手の処理を行わせると、まず搬送路の最上流に設けられたイメージスキャナによって小切手に印刷された画像が読み取られ、次にMICRによって小切手に印刷された磁気インク文字が読み取られた後に印刷ヘッドによって印刷が行われる。
【0005】
また、MICRによる磁気インク文字の読み取り結果に応じて、小切手の有効あるいは無効を判断する機能を持たせ、無効の場合には印刷処理を行わず排出処理を行わせるように構成された複合機型のプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−87496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した複合機型のプリンタが有する小切手の有効あるいは無効を判断する機能は、小切手に印刷された磁気インク文字がMICRによって正常に読み取られることを前提とした機能であり、正常に読み取られた磁気文字データが小切手の情報として有効であるか無効であるかを判断している。すなわち、特許文献1に記載された複合機型のプリンタはMICRヘッドによる磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった場合の処理が想定されていない。
【0008】
例えば、折り曲げられた小切手や、磁気インク文字が印刷された領域が汚れている小切手等の場合には、MICRが磁気インク文字自体を読み取れないことがある。このような場合には小切手の有効あるいは無効を判断することもできず、搬送された全ての小切手に対して印刷処理を行い、正確な小切手処理を行うことができなかった。
【0009】
また、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった小切手と読み取りが正常に行われた小切手の識別をするためには、プリンタに接続されたホストコンピュータのログを参照して、読み取り結果をチェックしなければならない。そのため、プリンタによる小切手処理以外にユーザによるログの参照作業が必要なため、一連の小切手処理が煩雑となっている状況にある。
【0010】
そこで本発明は、磁気インク読取装置による磁気インクの情報の読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体を容易に識別し、信頼性の高い印刷媒体処理を行うとともに、印刷媒体処理の効率性を高めてさらなる高速化を可能にする印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決することのできる本発明に係る印刷媒体処理装置の制御方法は、印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置と、前記印刷媒体が排出される複数の排出路と、を備えた印刷媒体処理装置の制御方法であって、前記磁気インク文字読取装置によって前記磁気インク文字を読み取る磁気インク読取工程と、前記磁気インク読取工程が正常に行われたか否かを判断する判断工程と、前記判断工程の判断結果に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える切り換え工程と、を有することを特徴としている。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係る印刷媒体処理装置は、印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置と、前記印刷媒体が排出される複数の排出路と、を備えた印刷媒体処理装置であって、前記磁気インク文字読取装置による前記磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断する制御部と、前記制御部の判断結果に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える排出路切換制御部と、を有することを特徴としている。
【0012】
上記構成の印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置によれば、磁気インクの情報の読み取りが正常に行われたか否かを判断するので、判断した後の動作を、読み取りが正常に行われた場合と正常に行われなかった場合によって分けることができる。すなわち、読み取りが正常に行われた印刷媒体が排出される排出路と、読み取りが正常に行われなかった印刷媒体が排出される排出路とを分けることができるので、読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体とを仕分けして容易に識別することが可能である。
【0013】
また、上記構成の印刷媒体処理装置の制御方法において、前記印刷媒体処理装置は、前記搬送路と連続する排出路を切り換える排出路切換板を有し、前記切り換え工程は、前記判断工程の判断結果に応じて前記排出路切換板の向きを変更することで、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることが好ましい。
また、上記構成の印刷媒体処理装置において、前記搬送路と連続する排出路を切り換える排出路切換板を有し、前記排出路切換制御部は、前記制御部の判断結果に応じて前記排出路切換板の向きを変更することで、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、排出路切換板の向きを変更することで搬送路と連続する排出路が切り換えられるため、読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体とを容易に仕分けすることができる。
【0015】
また、上記構成の印刷媒体処理装置の制御方法において、前記切り換え工程は、前記判断工程で前記磁気インク読取工程が正常に行われたと判断した場合に、前記磁気インク読取工程で読み取られた情報に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることが好ましい。
また、上記構成の印刷媒体処理装置において、前記排出路は3つ以上設けられており、前記排出路切換制御部は、前記制御部が前記磁気インク文字の読み取りが正常に行われたと判断した場合に、前記磁気インク文字読取装置によって読み取られた情報に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、磁気インク文字の読み取りが正常に行われた印刷媒体を、読み取りが正常に行われなかった印刷媒体と区別して仕分けるだけでなく、読み取られた磁気インク文字の情報に応じてさらに排出路を分けて排出させることが可能である。したがって、搬送された印刷媒体を少なくとも3つ以上の排出路に分けて排出させることができる。
【0017】
また、上記構成の印刷媒体処理装置において、前記磁気インク文字読取装置による読取位置から前記排出路までの長さは、前記印刷媒体の搬送方向の長さより長いことが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、磁気インク読取装置による読み取り工程が終了した後、印刷媒体の搬送方向の先端が排出路に到達する前に排出路の切り換えを行うことができるため、読み取り工程による読み取りの正否を判断してから、印刷媒体が排出されるべき排出路を決定することができる。すなわち、印刷媒体処理の信頼性が向上する。
【0019】
また、上記構成の印刷媒体処理装置の制御方法において、前記印刷媒体の画像を読み取る画像読取装置が前記搬送路に面して設けられ、前記切り換え工程は、前記判断工程の判断結果及び前記画像読取装置による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断した判断結果に応じて、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることが好ましい。
また、上記構成の印刷媒体処理装置において、前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体の画像を読み取る画像読取装置を有し、前記制御部は、前記画像読取装置による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断するように設定され、前記排出路切換制御部は、前記制御部による磁気インク文字の読み取りの判断結果及び画像の読み取りの判断結果に応じて、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることが好ましい。
【0020】
このような構成によれば、磁気インク文字の読み取りの判断結果と画像の読み取りの判断結果にそれぞれ対応した印刷媒体の仕分けを行うことができる。例えば、磁気インク文字の読み取りのみが正常である印刷媒体と、画像の読み取りのみが正常である印刷媒体とを分けることができ、再読み取り処理を行う場合などに、前回異常であった読み取り処理のみを行わせることができるため、印刷媒体処理を高速化できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置によれば、磁気インク読取装置による磁気インクの情報の読み取りが正常に行われた印刷媒体と読み取りが正常に行われなかった印刷媒体をユーザが容易に識別できるため、煩雑な仕分け作業などを行わずに効率性及び信頼性の高い印刷媒体処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置の実施形態の例について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、印刷媒体処理装置として、ホストコンピュータと、ホストコンピュータと通信可能に接続された複合処理装置とによって構成される印刷媒体処理システムを例に挙げ、その構造及び制御動作について具体的に説明する。
【0023】
本実施形態における複合処理装置の内部構造について図1〜図4を用いて説明する。図1は本発明に係る一実施形態の複合処理装置を示す斜視図であり、図2は図1に示した複合処理装置の上面図であり、図3は図1に示した複合処理装置における用紙搬送路を示す模式図であり、図4は図1に示した複合処理装置の内部構造を示す上面から見た模式図である。
【0024】
本実施形態の複合処理装置1は、図1〜図4に示すように、給紙部であるASF(Auto Sheet Feeder:オートシートフィーダ)3に装填される小切手Sを筐体1aに形成された用紙搬送路P1に沿って搬送しながら、小切手S上の両面画像の読み取り、小切手S上の磁気インク文字の読み取り、及び小切手Sへの裏書き印刷を実行可能に構成されている。また、複合処理装置1は、カード挿入口20から挿入されるカードCを筐体1aに形成された用紙搬送路P2に沿って搬送しながら、カードC上の両面画像の読み取りを実行可能に構成されている。
【0025】
また、この複合処理装置1は、筐体1aにおいて用紙搬送路P1に囲まれた中央部に設けられたロール紙カバー30の下部にロール紙を収納するロール紙収納部30a(図4参照)が設けられている。ロール紙収納部30aに収納されたロール紙は、キャリッジ14によって印刷可能である。印刷されたロール紙は、ロール紙排出口31から複合処理装置1の外部に排出される。
【0026】
さらに、複合処理装置1は、図2に示すように用紙搬送路P1の下流側直線部分の上方に開口したバリデーション挿入口40からバリデーション紙を挿入可能に構成されており、このバリデーション紙に対しても印刷を実行可能に構成されている。
【0027】
すなわち、本実施形態の複合処理装置1は、画像読取機能及び磁気インク文字読取機能を備え、小切手S、ロール紙及びバリデーション紙への印刷が可能な複合型多機能プリンタである。
【0028】
(ホストコンピュータ及び複合処理装置の内部構造)
まず、複合処理装置1の具体的な構造について説明する。
図3に示すように、小切手Sを搬送する用紙搬送路P1は、略U字型形状を有しており、またカードCを搬送する用紙搬送路P2は、剛性を有するカードCを搬送可能なように直線形状を有している。
【0029】
用紙搬送路P1と用紙搬送路P2は、用紙搬送路P1のU字形状の底の部分に相当する部位で共通となっている。以下の説明では、この共通の部位を中間搬送路Mと呼ぶこととする。この中間搬送路Mには、各種読取装置が設けられている。図2に示すように、この用紙搬送路P1のうち中間搬送路Mの上方は、筐体1aの一部を構成する搬送路カバー1bによって覆われている。この搬送路カバー1bは、中間搬送路Mに沿って配置される各種読取装置を外部から覆い隠すことにより保護している。
【0030】
用紙搬送路P1は、図3に示すように、外側ガイド2aと内側ガイド2bとの間に画成された搬送部2cによって構成されており、この搬送部2cに沿って小切手Sは搬送される。図2及び図4に示すように用紙搬送路P1の上流側には、複数の小切手Sを装填可能なASF3が設けられている。小切手Sは、図4の矢印Aの方向からASF3を介して用紙搬送路P1に挿入され、ASF3に装填された複数の小切手Sは、一枚ずつ分離されて用紙搬送路P1内に送り出される。
【0031】
用紙搬送路P1には、小切手Sの搬送を行う搬送手段として、中間搬送路Mの上流側に用紙搬送ローラ6と、中間搬送路M中に中間搬送ローラ16と、中間搬送路Mの下流側に第2搬送ローラ7と、紙出口の手前に排出ローラ8が設けられている。用紙搬送ローラ6は、駆動ローラ6aと、用紙搬送路P1を介して駆動ローラ6aに対向配置された押し付けローラ6bとを有している。また、第2搬送ローラ7は、駆動ローラ7aと、用紙搬送路P1を介して駆動ローラ7aに対向配置された押し付けローラ7bとを有している。
また、中間搬送ローラ16は、図4に示すように、用紙搬送路P1の下方に配置された下部押えローラ16aと、下部押えローラ16aの上方に配置された上部押えローラ16bと、中間搬送路Mを介して上部押えローラ16a及び下部押えローラ16bと対向配置された駆動ローラ17とを有している。
【0032】
ASF3から用紙搬送路P1内に送り出された小切手Sは、図4に示すように、用紙搬送ローラ6、中間搬送ローラ16、ならびに第2搬送ローラ7によって中間搬送路M内を搬送され、排出ローラ8により矢印Bの方向へ排出口4から排出される。ここで、中間搬送ローラ16に関しては、小切手Sの幅(高さ)が所定長さより短ければ、下部押えローラ16bと駆動ローラ17が小切手Sの搬送に寄与し、一方小切手Sの幅が所定長さ以上であれば上部押えローラ16aと下部押えローラ16bの双方と駆動ローラ17によって小切手Sは搬送される。
【0033】
一方、用紙搬送路P2は、図3及び図4に示すように、中間搬送路Mと、その両端に連通するカード挿入口20およびカード逆転路21とから構成されている。
【0034】
上部押えローラ16aは、用紙搬送路P2の基準高さL2よりも上方に取り付けられており、中間搬送路M内に搬送されたカードCは、この上部押えローラ16aと駆動ローラ17によって中間搬送路M内を搬送される。
【0035】
カード逆転路21は、図3に示すように中間搬送路Mの左側延長線に沿って形成された直線ガイド21a、21bによって形成されている。このカード逆転路21の端部21c近傍には、正逆転搬送ローラ22が設けられている。この正逆転搬送ローラ22は、中間搬送路Mから搬送されたカードCを所定長さカード逆転路21の端部21cから張り出させるように搬送し、そして端部21cから張り出したカードCを再度中間搬送路Mに搬送する。
【0036】
このように、本実施形態における複合処理装置1は、小切手SをU字型の用紙搬送路P1に搬送し、カードCを、直線状の用紙搬送路P2に搬送するように構成されている。
【0037】
次に、中間搬送路Mに配置された各種読取装置について小切手読取処理を例に挙げて説明する。まず、中間搬送路Mに配置された各種読取装置によって実際に読み取られる印刷媒体の一つである小切手Sの構成について説明する。
図5は、本実施形態における複合処理装置1の印刷媒体の一つである小切手Sの構成を示した図であり、(a)は小切手Sの表面図、(b)は小切手Sの裏面印刷の一例を示した図、(c)は小切手Sの裏面印刷の他の例を示した図である。
【0038】
小切手Sは長方形をしており、その表面の下端縁に沿って磁気インク文字が印刷された磁気インク文字記録領域71が形成されており、ここには小切手Sの口座番号などの情報が記載されている。また、小切手Sの表面には、支払い先、日付、金額等の表書き事項が印刷された表書き領域72が形成されている。これに対して、小切手Sの裏面74における上側の隅には、買い物客の認証番号、日付、使用金額等といった、小切手を受け取る店舗側等にとって必要な裏書き事項が印刷された裏書き領域73が形成されている。さらに小切手Sの裏面74における下側の隅には、磁気インク文字の読み取り、画像の読み取りが正常に行われた場合に所定の印刷事項を印刷する裏面印刷領域75が形成されている。なお、各印刷領域73,75の位置は一例であり、他の位置に印刷しても良い。
【0039】
中間搬送路Mには、画像読み取りを行う用紙の画像読取装置11および第2の画像読取装置12がそれぞれ中間搬送路Mの両側に搬送方向にずれた状態で設置されている。用紙の画像読取装置11および第2の画像読取装置12は、それぞれCIS(Contact Image Sensor)タイプのスキャナである。
【0040】
用紙の画像読取装置11および第2の画像読取装置12は、中間搬送路Mを搬送される小切手SまたはカードCの一面に光を照射し、小切手SまたはカードC上で反射した光を複数の受光素子(光電変換素子)を介して受光し、受光した光を電気信号に変換して1ライン分の画像を取得する。本実施形態では、用紙の画像読取装置11は小切手Sの裏面画像を、第2の画像読取装置12は小切手Sの表面画像を、1ラインずつ順次読み取ることにより、小切手Sの二次元画像を取得する。
【0041】
駆動ローラ17の下方には、磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置(以下、MICR(Magnetic Ink Character Reader)という。)13が設置されている。MICR13は、小切手Sの表面に印刷された磁気インク文字を読みとるためのセンサである。このMICR13は、中間搬送路Mを介してMICR13に対向配置された押付レバーによって小切手SがMICR13の表面に押し付けられた状態で読み取りを実行する。本実施形態では、小切手Sの口座番号などの情報が磁気インク文字で印刷された磁気インク文字記録領域71を読み取るように構成されている。
【0042】
また、第2搬送ローラ7と排出ローラ8との間であって、用紙搬送路P1に沿った直線領域には、キャリッジ14が用紙搬送路P1の直線部分に沿って移動可能に配置されている。キャリッジ14には、インクを吐出する複数のインクノズルを有する印刷ヘッド19が設けられており、ホストコンピュータ110からの指示に応じて印刷ヘッド19の複数のインクノズルからインクを吐出することにより、小切手Sへの裏書、バリデーション紙への印刷、またはロール紙への印刷を実行する。
【0043】
次に、用紙搬送路P1に設けられた用紙検出器について説明する。
用紙搬送路P1には、ASF検出器(給紙部検出器)9と、TOF(Top Of Form)検出器10と、バリデーション検出器26と、排出検出器28の4つの用紙検出器が設けられている。これらの検出器9,10,26,28は、たとえば光学式の用紙検出器であり、それぞれ検出器前面における用紙の有無を検出可能に構成されている。
【0044】
ASF検出器9は、ASF3の排出口近傍に設けられており、ASF3から送り出される小切手Sを検出する。TOF検出器10は、ASF3と画像読取装置11の中間部位に設けられており、画像読取装置11に送り込まれる小切手Sを検出する。
【0045】
バリデーション検出器26は、第2搬送ローラ7の下流側の直線部位に設けられており、バリデーション挿入口40から挿入されるバリデーション紙の挿入の有無を検出可能に構成されている。排出検出器28は、排出口4近傍に設けられており、排出口4から排出される小切手Sを検出する。
【0046】
また、用紙搬送路P2には、カードCを検出するカード検出器25が設けられている。カード検出器25は、カード挿入口20近傍に設けられており、カード挿入口20から挿入されるカードCを検出する。
【0047】
次に、複合処理装置1の用紙搬送路P1に接続された排出トレイについて図6を参照して説明する。図6は、用紙搬送路P1に接続された排出トレイと、画像読取装置11,12、MICR13及びキャリッジ14、との位置関係を示した模式図である。
【0048】
排出トレイ60は、複合処理装置1の用紙搬送路P1の搬送路終端部27近傍に着脱自在に取り付けられている。本実施形態の排出トレイ60は、用紙搬送路P1に面して設けられた各種読取装置による読み取り処理、及び下流側に設けられた印刷ヘッド19による印刷処理が行われ、排出ローラユニット(図示省略)によって排出された小切手Sを収容するように構成されている。また、排出トレイ60は、搬送路終端部27から垂直に立てた姿勢で送り出された小切手Sを垂直に立てた姿勢のまま収容する。
【0049】
排出トレイ60は主として、内側ガイド板61、中間ガイド板62及び外側ガイド板63によって外形形状が構成されており、内側ガイド板61と中間ガイド板62とによって第1排出路Xが形成され、中間ガイド板62と外側ガイド板63とによって第2排出路Yが形成されている。中間ガイド板62の搬送路終端部27側には、第1排出路Xの入り口あるいは第2排出路Yの入り口を開放または閉鎖するための排出路切換板64が回動可能に設けられ、搬送路切換板64の先端部は搬送路終端部27にほぼ位置するように構成されている。
【0050】
本実施形態における排出路切換板64は、小切手Sに印刷された磁気インク文字や小切手Sの画像の各種読取装置による読み取り処理が正常に行われたか否かによって、その向きが変更されることで、用紙搬送路P1と連続する排出路を切り換える役割を有している。
【0051】
キャリッジ14は、用紙搬送路P1の搬送方向の直線部位と平行に設けられたガイド軸30に沿って移動可能範囲L3内で移動し、印刷ヘッド19の複数のインクノズルからインクを吐出することにより、小切手Sの裏面に印刷を行う。なお、図6では、キャリッジ14が印刷開始位置19aにある状態を示しているが、キャリッジ14の待機位置(ホームポジション)は別の位置に設定されている。また、小切手Sに対して印刷を行う際には、キャリッジ14が印刷開始位置19aに位置したまま小切手Sを所定の搬送速度で搬送する場合と、小切手Sが用紙搬送路P1の搬送方向の直線部位に位置した状態でキャリッジ14が所定の移動速度で移動する場合がある。本実施形態では、キャリッジ14が印刷開始位置19aに位置したままの状態で印刷を行う場合について説明する。
【0052】
本実施形態では、小切手Sの搬送方向の長さをL1とし、画像読取装置11,12よりも下流側に配置されたMICR13の読取開始位置13bから第1排出路Xの入り口または第2排出路Yの入り口まで(排出路切換板64の先端部まで)の搬送長さをL2とすると、L1<L2となるように構成されている。
【0053】
このように構成することによって、MICR13による読み取りが終了した後、小切手Sの搬送方向の先端が第1排出路Xの入り口または第2排出路Yの入り口に到達する前に排出路切換板64の向きを変更して用紙搬送路P1と連続する排出路を切り換えることができるため、MICR13による読み取りの正否を判断してから、小切手Sが排出されるべき排出路を決定することができる。このため、小切手処理の信頼性が高い印刷媒体処理システム50を提供することができる。
【0054】
次に、本実施形態の印刷媒体処理システムにおける小切手Sへの印刷媒体処理について説明する。図7は、本実施形態の印刷媒体処理システム50の制御ブロック図である。
【0055】
印刷媒体処理システム50は、ホストコンピュータ110と、ホストコンピュータ110と通信可能に接続された複合処理装置1とによって構成されている。ホストコンピュータ110は、制御中枢である制御部111を備え、印刷媒体処理システム50の全体動作を制御する。本実施形態において、制御部111は複合処理装置1から送信された磁気インク文字データ及び画像データを解析し、MICR13及び画像読取装置11,12による読み取りが正常に行われたか否かを判断する。そして、判断結果に応じたコマンドを生成し、複合処理装置1へコマンドを送信する。
【0056】
本実施形態の複合処理装置1は、主として、CPU101、RAM102、フラッシュROM103、排出路切換制御部99、磁気インク文字読取制御部104、印刷制御部105、搬送制御部106、用紙検出器制御部107、画像読取制御部108及び通信インタフェース109とを備えており、これらはバス100を介して互いにデータ通信可能に接続されている。
【0057】
CPU101は、複合処理装置1の制御中枢であり、ホストコンピュータ110からのコマンドに応じてフラッシュROM103内に記憶されたファームウェアを実行することにより、複合処理装置1の全体動作を制御する。
【0058】
RAM102は、複合処理装置1の一時記憶領域として設けられた揮発性メモリであり、CPU101の演算におけるデータバッファ,ホストコンピュータ110から送信される各種コマンドが一時保存される受信バッファ、画像読取装置11,12に読み取られる画像データやMICR13によって読み取られた磁気インク文字データを一時保存する画像データバッファ、印刷データが保存される印刷バッファとして機能する。
【0059】
フラッシュROM103は、複合処理装置1のデータ記憶領域として設けられたデータ書換可能な不揮発性メモリであり、主としてCPU101が動作するためのファームウェアと複合処理装置1に関する各種設定値が保存されている。先述の通り、CPU101は、このフラッシュROM103内に保存されたファームウェアを、同フラッシュROM103内に保存された各種設定値を参照しながら実行することにより複合処理装置1の制御を行う。
【0060】
排出路切換制御部99は、ホストコンピュータ110の制御部111が、MICR13及び画像読取装置11,12による小切手Sの画像領域72,73の読み取りが正常に行われたか否かを判断し、その判断結果に応じて生成され複合処理装置1に送信されたコマンドに従って、排出路切換板64を動作させるように構成されている。複合処理装置1に送信されたコマンドに従って、閉鎖する排出路の入り口側に排出路切換板64を回動させることによって、小切手Sを排出されるべき排出路に誘導することができる。
【0061】
磁気インク文字読取制御部104は、MICR13の駆動制御を行うドライバである。具体的には、CPU101からの指示に応じてMICR13に出力される読取用サンプリングパルスの生成、MICR13によって読み取られた磁気インク文字のデジタル信号をRAM102に転送する。これにより、RAM102には、小切手Sに印刷された磁気インク文字データが生成される。生成された磁気インク文字データはホストコンピュータ110へ順次送信され、制御部111が正常に読み取られたデータであるか否かを判断する。
【0062】
印刷制御部105は、キャリッジ14及び印刷ヘッド19の駆動制御を行うドライバである。この印刷制御部105は、具体的には、印刷データに応じてキャリッジ14を駆動しながら印刷ヘッド19を駆動して、印刷ヘッド19から小切手S,ロール紙またはバリデーション紙に対してインクを吐出させて該当する印刷媒体上に画像を形成する。本実施形態においては、ホストコンピュータ110の制御部111が、MICR13及び画像読取装置11,12による小切手Sの画像領域72,73の読み取りが正常に行われたか否かを判断し、判断結果に応じて生成され複合処理装置1に送信されたコマンドに従って印刷動作を行うように構成されている。
【0063】
搬送制御部106は、小切手S,カードC,ロール紙及びバリデーション紙の搬送を制御するドライバである。搬送制御部106は、小切手Sの場合、ステッピングモータ(図示省略)を駆動してASF3及び各種搬送ローラ6,7,8,16を回転させ小切手Sを用紙搬送路P1に沿って搬送する。また、カードCの場合には、同じくステッピングモータを駆動して中間搬送ローラ16や正逆転搬送ローラ22を駆動し、カードCを用紙搬送路P2に沿って搬送する。
【0064】
用紙検出器制御部107は、ASF検出器9,TOF検出器10,バリデーション検出器26,排出検出器28、カード検出器25を駆動する検出器ドライバである。この用紙検出器107は、具体的には、各用紙検出器9,10,25,26,28に出力される用紙検出用サンプリングパルスの生成等を行う。
【0065】
画像読取制御部108は、画像読取装置11及び画像読取装置12の読取制御を行う画像読取用ドライバである。この画像読取制御部108は、各画像読取装置11,12に読取用のトリガー信号を出力するとともに、各画像読取装置11,12中の各受光素子によって生成された電気信号をAD変換するとともに、1ラインずつバッファして、このバッファされた1ライン分のデジタル信号をRAM102に転送する。これにより、RAM102には、小切手SやカードCの二次元画像データが生成される。生成された画像データはホストコンピュータ110へ送信され、制御部111が正常に読み取られた画像データか否かを判断される。
【0066】
通信インタフェース109は、ホストコンピュータ110との通信を行う通信制御部であり、USBインタフェース,シリアルインタフェース等により構成されている。ホストコンピュータ110から送信された各種コマンドは、この通信インタフェース109を介してRAM102に転送され、またCPU101により生成されたステータス信号(複合処理装置1の状態を示す信号)や、磁気インク文字データ、画像データはこの通信インタフェース109を介してホストコンピュータ110に送信される。
【0067】
以下、図6及び図8を参照しながら、本実施形態の印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置により行われる印刷媒体処理の第一の形態について説明する。図8は、印刷媒体処理システム50における小切手Sへの印刷媒体処理の第一の形態を示すフローチャートである。
【0068】
小切手Sが、MICR13の読取開始位置13bまで搬送されると(ステップS1:Yes)、磁気インク文字読取制御部104がMICR13を駆動させ小切手Sの磁気インク文字記録領域71に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク読み取り工程を行う(ステップS2)。読み取られた情報をデジタル信号に順次変換し、変換された磁気インク文字データを通信インタフェース109を介してホストコンピュータ110に送信する(ステップS3)。
【0069】
ホストコンピュータ110の制御部111は、受信した磁気インク文字データが、口座番号等の情報に相当する文字データとして認識できるか否かを判断して、MICR13による磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断する判断工程を行う(ステップS4)。正常に行われたと判断すると排出路Xに小切手Sを排出させるために排出路Yを閉鎖する「排出路(Y)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS5)、複合処理装置1へ送信する(ステップS7)。
【0070】
排出路切換板制御部99は、受信したコマンドが「排出路(Y)閉鎖コマンド」であるか否かを判断し(ステップS8)、「排出路(Y)閉鎖コマンド」であると判断すると閉鎖する排出路Yの入り口側に排出路切換板64を回動させることによって、排出路Yを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS9)。これにより、排出路Xが用紙搬送路P1と連続して小切手Sが実際に排出される排出路として切り換えられる。なお、このとき既に排出路Yが閉鎖されている場合には、排出路切換板64を動作させる必要はない。
【0071】
排出路Yが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行う(ステップS10)。次に、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ60へ搬送させることによって小切手Sの搬送方向の先端が排出路切換板64に当接して排出方向が変更され、磁気インク文字の読み取りが正常に行われた小切手Sだけが排出される排出路Xへ小切手Sが排出される(ステップS11)。
【0072】
一方、ステップS4でMICR13による読み取りが正常に行われなかったと判断すると(ステップS4:No)、排出路Yに小切手Sを排出させるために排出路Xを閉鎖する「排出路(X)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS6)、複合処理装置1へ送信する(ステップS7)。なお、MICR13による読み取り自体が行えずにステップS2あるいはステップS3でデータが生成されない場合も、ステップS6による「排出路(X)閉鎖コマンド」の生成が行われる。
【0073】
また、ステップS8で受信したコマンドが排出路(Y)閉鎖コマンドでない(排出路(X)閉鎖コマンドである)と判断すると(ステップS8:No)、閉鎖する排出路Xの入り口側に排出路切換板64を回動させることによって、排出路Xを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS12)。これにより、排出路Yが用紙搬送路P1と連続して小切手Sが実際に排出される排出路として切り換えられる。なお、このとき既に排出路Xが閉鎖されている場合には、排出路切換板64を動作させる必要はない。
【0074】
排出路Xが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行う(ステップS13)。次に、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ60へ搬送させることによって、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった小切手Sだけが排出される排出路Yへ真っ直ぐ小切手Sが排出される(ステップS14)。
【0075】
このように、印刷媒体処理の第一の形態によれば、制御部111が磁気インクの読み取りが正常に行われたか否かを判断している。そして、読み取りが正常に行われた場合には読み取りが正常に行われた小切手Sだけが排出される排出路Xへ排出し、正常に行われなかったときには正常に行われなかった小切手Sだけが排出される排出路Yへ排出するように構成されている。したがって、自動的に磁気インクの読み取りが正常に行われた小切手Sと正常に行われなかった小切手Sとが仕分けされるので、ユーザが小切手Sの識別作業を行う必要がなく、信頼性の高い小切手処理を行うとともに一連の小切手処理の高速化を図ることが可能である。
【0076】
次に、図9から図11を参照しながら、印刷媒体処理の第二の形態について説明する。図9は、排出路を3つ備えた排出トレイが接続された搬送路P1を示した模式図であり、図10及び図11は、印刷媒体処理システム50における小切手Sへの印刷媒体処理の第二の形態を示すフローチャートである。なお、図10において丸で囲った1の箇所は、図11において同様の丸で囲った1の箇所に処理が続いていることを示している。
【0077】
第二の形態においては排出路が3つ以上設けられた排出トレイ80を採用した場合の印刷媒体処理について説明する。図9に示すように、排出トレイ80は主として、内側ガイド板81、第一中間ガイド板82、第二中間ガイド板83及び外側ガイド板84によって外形形状が構成されており、内側ガイド板81と第一中間ガイド板82とによって排出路xが、第一中間ガイド板82と第二中間ガイド板83とによって排出路yが、第二中間ガイド板83と外側ガイド板84とによって排出路zが形成されている。第一中間ガイド板82及び第二中間ガイド板83の搬送路終端部27側には、排出路xまたは排出路yの入り口を閉鎖するための排出路切換板85及び排出路yまたは排出路zの入り口を閉鎖するための排出路切換板87が回動可能に設けられている。
【0078】
図10に示すように、小切手Sが画像読取装置11,12の読取開始位置まで搬送されると(ステップS21:Yes)、画像読取制御部108が画像読取装置11,12を駆動させ小切手Sの裏面画像、表面画像を読み取る(ステップS22)。読み取られた情報をデジタル信号に順次変換し、変換された画像データを通信インタフェース109を介してホストコンピュータ110に送信する(ステップS23)。
【0079】
次に、小切手Sが、MICR13の読取開始位置13bまで搬送されると(ステップS24:Yes)、磁気インク文字読取制御部104がMICR13を駆動させ小切手Sの磁気インク文字記録領域81に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク読み取り工程を行う(ステップS25)。読み取られた情報をデジタル信号に順次変換し、変換された磁気インク文字データを通信インタフェース109を介してホストコンピュータ110に送信する(ステップS26)。
【0080】
ホストコンピュータ110の制御部111は、受信した磁気インク文字データを、口座番号等の情報に相当する文字データとして認識できるか否かを判断して、MICR13による磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断する判断工程を行い(ステップS27)、正常に行われたと判断すると(ステップS27:Yes)、画像読取装置11,12による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断する(ステップS28)。なお、ステップS28における判断は、画像読取装置11,12により画像データが取得できたか否かで判断すればよいが、受信した画像データを制御部111が予め有する小切手Sの認証番号、支払い先及び日付等の情報と対比して、画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断してもよい。
【0081】
制御部111は、画像読取装置11,12による画像の読み取りが正常に行われたと判断すると(ステップS28:Yes)、排出路xに小切手Sを排出させるために排出路y,zを閉鎖する「排出路(y)(z)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS29)、複合処理装置1へ送信する(ステップS30)。一方、画像読取装置11,12による画像の読み取りが正常に行われなかったと判断すると(ステップS28:No)、排出路yに小切手Sを排出させるために排出路x,zを閉鎖する「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS31)、複合処理装置1へ送信する(ステップS30)。また、MICR13による読み取りが正常に行われなかったと判断すると(ステップS27:No)排出路zに小切手Sを排出させるために排出路x,yを閉鎖する「排出路(x)(y)閉鎖コマンド」を生成し(ステップS32)、複合処理装置1へ送信する(ステップS30)。
【0082】
なお、磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断するステップS27と、画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断するステップS28とは、処理の順序を逆に置換しても構わない。また、MICR13による読み取り自体が行えずにステップS25あるいはステップS26でデータが生成されない場合や、画像読取装置11,12による画像の読み取り自体が行えずにステップS22あるいはステップS23でデータが生成されない場合も、ステップS31あるいはステップS32の処理が行われる。
【0083】
図11に示すように、排出路切換制御部99は、受信したコマンドが「排出路(y)(z)閉鎖コマンド」であるか否かを判断し(ステップS31)、「排出路(y)(z)閉鎖コマンド」であると判断すると閉鎖する排出路y,zのそれぞれの入り口側に排出路切換板85,87を回動させることによって、排出路y、zを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS32)。排出路y,zが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行う(ステップS33)。次に、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ80へ搬送させることによって小切手Sの搬送方向の先端が排出路切換板85に当接して排出方向が変更され、磁気インク文字の読み取りと画像の読み取りが共に正常に行われた小切手Sだけが排出される排出路xへ小切手Sが排出される(ステップS34)。
【0084】
一方、ステップS30で受信したコマンドが排出路y,z閉鎖コマンドでない(「排出路x、z閉鎖コマンド」あるいは「排出路x,y閉鎖コマンド」である)と判断すると(ステップS31:No)、受信したコマンドが「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」であるか否かを判断し(ステップS35)、「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」であると判断すると、閉鎖する排出路x,zのそれぞれの入り口側に排出路切換板85,87を回動させることによって、排出路x,zを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS36)。排出路x、zが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行い(ステップS37)、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ80へ搬送させ、画像の読み取りが正常に行われなかった小切手Sだけが排出される排出路yへ小切手Sが真っ直ぐ排出される(ステップS38)。
【0085】
また、ステップS35で、「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」でない(「排出路x,y閉鎖コマンド」である)と判断すると(ステップS35:No)、閉鎖する排出路x,yのそれぞれの入り口側に排出路切換板85,87を回動させることによって、排出路x,yを閉鎖する切り換え工程を行う(ステップS39)。排出路x,yが閉鎖されると、印刷制御部105が、図5(b)に示すように裏面印刷領域75に日付や通し番号等の通常の印刷を行う印刷工程を行い(ステップS40)、搬送制御部106が小切手Sを排出トレイ80へ搬送させることによって小切手Sの搬送方向の先端が排出路切換板87に当接して排出方向が変更され、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった小切手Sだけが排出される排出路zへ小切手Sが排出される(ステップS41)。
【0086】
このように、印刷媒体処理の第二の形態によれば、小切手Sの裏面及び表面の画像の読み取りと磁気インク文字記録領域71に印刷された磁気インク文字の読み取りとが共に正常に行われた場合の小切手Sと、磁気インク文字の読み取りは正常に行われたが画像の読み取りが正常に行われなかった小切手Sと、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった小切手Sと、がそれぞれ異なる排出路x,y,zに排出されるため、容易に3種類の小切手を識別することができ、より信頼性の高い小切手処理を行うことが可能である。
【0087】
次に、図12を参照しながら、印刷媒体処理の第三の形態について説明する。図12は、印刷媒体処理システム50における小切手Sへの印刷媒体処理の第三の形態の一部を示すフローチャートである。第三の形態は、読み取り工程により読み取った磁気インク文字データの情報に応じて排出路を切り換える処理であって、第二の形態の一部だけを変更した処理となっているため、重複する処理に関する説明は省略する。
【0088】
ステップS27で、MICR13による磁気インク文字の読み取りが正常に行われたと判断すると(ステップS27:Yes)、読み取った磁気インク文字データの分類判断を行う(ステップS51)。ここで磁気インク文字データの分類判断とは、例えば磁気インク文字データから得られた口座番号によって、自社銀行の口座番号(分類A)なのか他社銀行の口座番号なのか(分類B)を判断したり、口座の種類等によって分類された情報を判断することなどが挙げられる。
【0089】
ステップS51で分類Aであると判断すると、排出路xに自社銀行の小切手Sを排出させるために排出路y、zを閉鎖する「排出路(y)(z)閉鎖コマンド」を生成する(ステップS29)。一方、ステップS51で分類Bであると判断すると、排出路yに他社銀行の小切手Sを排出させるために排出路x、zを閉鎖する「排出路(x)(z)閉鎖コマンド」を生成する(ステップS31)。
【0090】
このように、印刷媒体処理の第三の形態によれば、磁気インク文字の読み取りの成否、画像の読み取りの成否によって排出路を分けるだけでなく、読み取られた磁気インク文字データの内容に応じて排出路を分けることが可能である。さらに排出路を多く設ければ、読み取られた磁気インク文字データの内容を3つ以上の分類に分けることによって、様々な種類の小切手Sに分類して排出させることが可能である。
【0091】
なお、ホストコンピュータ110において、磁気インク文字の読み取りが正常に行われなかった場合や画像の読み取りが正常に行われなかった場合に再度小切手Sの処理を行わせる設定がなされている場合に、再読み取りの際に印刷される文字が最初の印刷文字と重なってしまうことが考えられる。そのため、2回目以降の読み取りの際には、裏面印刷領域75の中で印刷する位置を変更すると良い。
【0092】
また、上記実施形態においては、印刷媒体処理装置の一実施形態として、ホストコンピュータ110と、ホストコンピュータ110と通信可能に接続された複合処理装置1とによって構成される印刷媒体処理システム50として説明したが、例えば、磁気インク文字読取が正常に行われたか否かを判断する機能を複合処理装置1の磁気インク文字読取制御部104に持たせ、画像読み取りが正常に行われたか否かを判断する機能を画像読取制御部108に持たせるように構成すれば、複合処理装置1単体でも本発明に係る印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明に係る印刷媒体処理装置の制御方法及び印刷媒体処理装置において使用される複合処理装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示した複合処理装置の上面図である。
【図3】図1に示した複合処理装置における用紙搬送路を示す模式図である。
【図4】図1に示した複合処理装置の内部構造を示す上面から見た模式図である。
【図5】図1に示した複合処理装置の印刷媒体の一つである小切手Sの構成を示した図である。
【図6】第一の形態の排出トレイとMICRとの位置関係を示した模式図である。
【図7】本発明に係る印刷媒体処理装置の制御ブロック図である。
【図8】図7に示した印刷媒体処理装置における小切手Sへの印刷媒体処理の第一の形態を示すフローチャートである。
【図9】第二及び第三の形態の排出トレイとMICRとの位置関係を示した模式図である。
【図10】図7に示した印刷媒体処理装置における小切手Sへの印刷媒体処理の第二の形態の一部を示すフローチャートである。
【図11】図7に示した印刷媒体処理装置における小切手Sへの印刷媒体処理の第二の形態の一部を示すフローチャートである。
【図12】図7に示した印刷媒体処理装置における小切手Sへの印刷媒体処理の第三の形態の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0094】
1:複合処理装置、11,12:画像読取装置、13:MICR、14:キャリッジ、19:印刷ヘッド、50:印刷媒体処理システム、71:MICR記録領域、72:表書き領域、73:裏書き領域、74:小切手の裏面、60,80:排出トレイ、99:排出路切換板制御部、104:磁気インク文字読取制御部、105:印刷制御部、108:画像読取制御部、110:ホストコンピュータ、S:小切手、P1,P2:用紙搬送路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置と、
前記印刷媒体が排出される複数の排出路と、を備えた印刷媒体処理装置の制御方法であって、
前記磁気インク文字読取装置によって前記磁気インク文字を読み取る磁気インク読取工程と、
前記磁気インク読取工程が正常に行われたか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程の判断結果に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える切り換え工程と、を有することを特徴とする印刷媒体処理装置の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷媒体処理装置の制御方法であって、
前記印刷媒体処理装置は、前記搬送路と連続する排出路を切り換える排出路切換板を有し、
前記切り換え工程は、前記判断工程の判断結果に応じて前記排出路切換板の向きを変更することで、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることを特徴とする印刷媒体処理装置の制御方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷媒体処理装置の制御方法であって、
前記切り換え工程は、前記判断工程で前記磁気インク読取工程が正常に行われたと判断した場合に、前記磁気インク読取工程で読み取られた情報に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることを特徴とする印刷媒体処理装置の制御方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の印刷媒体処理装置の制御方法であって、
前記印刷媒体の画像を読み取る画像読取装置が前記搬送路に面して設けられ、
前記切り換え工程は、前記判断工程の判断結果及び前記画像読取装置による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断した判断結果に応じて、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることを特徴とする印刷媒体処理装置の制御方法。
【請求項5】
印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置と、
前記印刷媒体が排出される複数の排出路と、を備えた印刷媒体処理装置であって、
前記磁気インク文字読取装置による前記磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断する制御部と、
前記制御部の判断結果に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える排出路切換制御部と、を有することを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷媒体処理装置であって、
前記搬送路と連続する排出路を切り換える排出路切換板を有し、
前記排出路切換制御部は、前記制御部の判断結果に応じて前記排出路切換板の向きを変更することで、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の印刷媒体処理装置であって、
前記排出路は3つ以上設けられており、
前記排出路切換制御部は、前記制御部が前記磁気インク文字の読み取りが正常に行われたと判断した場合に、前記磁気インク文字読取装置によって読み取られた情報に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項8】
請求項5から7の何れか一項に記載の印刷媒体処理装置であって、
前記磁気インク文字読取装置による読取位置から前記排出路までの長さは、前記印刷媒体の搬送方向の長さより長いことを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項9】
請求項5から8の何れか一項に記載の印刷媒体処理装置であって、
前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体の画像を読み取る画像読取装置を有し、
前記制御部は、前記画像読取装置による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断するように設定され、
前記排出路切換制御部は、前記制御部による磁気インク文字の読み取りの判断結果及び画像の読み取りの判断結果に応じて、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項1】
印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置と、
前記印刷媒体が排出される複数の排出路と、を備えた印刷媒体処理装置の制御方法であって、
前記磁気インク文字読取装置によって前記磁気インク文字を読み取る磁気インク読取工程と、
前記磁気インク読取工程が正常に行われたか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程の判断結果に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える切り換え工程と、を有することを特徴とする印刷媒体処理装置の制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷媒体処理装置の制御方法であって、
前記印刷媒体処理装置は、前記搬送路と連続する排出路を切り換える排出路切換板を有し、
前記切り換え工程は、前記判断工程の判断結果に応じて前記排出路切換板の向きを変更することで、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることを特徴とする印刷媒体処理装置の制御方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷媒体処理装置の制御方法であって、
前記切り換え工程は、前記判断工程で前記磁気インク読取工程が正常に行われたと判断した場合に、前記磁気インク読取工程で読み取られた情報に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることを特徴とする印刷媒体処理装置の制御方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の印刷媒体処理装置の制御方法であって、
前記印刷媒体の画像を読み取る画像読取装置が前記搬送路に面して設けられ、
前記切り換え工程は、前記判断工程の判断結果及び前記画像読取装置による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断した判断結果に応じて、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える工程であることを特徴とする印刷媒体処理装置の制御方法。
【請求項5】
印刷媒体を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体に印刷された磁気インク文字を読み取る磁気インク文字読取装置と、
前記印刷媒体が排出される複数の排出路と、を備えた印刷媒体処理装置であって、
前記磁気インク文字読取装置による前記磁気インク文字の読み取りが正常に行われたか否かを判断する制御部と、
前記制御部の判断結果に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換える排出路切換制御部と、を有することを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷媒体処理装置であって、
前記搬送路と連続する排出路を切り換える排出路切換板を有し、
前記排出路切換制御部は、前記制御部の判断結果に応じて前記排出路切換板の向きを変更することで、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の印刷媒体処理装置であって、
前記排出路は3つ以上設けられており、
前記排出路切換制御部は、前記制御部が前記磁気インク文字の読み取りが正常に行われたと判断した場合に、前記磁気インク文字読取装置によって読み取られた情報に応じて前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項8】
請求項5から7の何れか一項に記載の印刷媒体処理装置であって、
前記磁気インク文字読取装置による読取位置から前記排出路までの長さは、前記印刷媒体の搬送方向の長さより長いことを特徴とする印刷媒体処理装置。
【請求項9】
請求項5から8の何れか一項に記載の印刷媒体処理装置であって、
前記搬送路に面して設けられ前記印刷媒体の画像を読み取る画像読取装置を有し、
前記制御部は、前記画像読取装置による画像の読み取りが正常に行われたか否かを判断するように設定され、
前記排出路切換制御部は、前記制御部による磁気インク文字の読み取りの判断結果及び画像の読み取りの判断結果に応じて、前記搬送路と連続する前記排出路を切り換えることを特徴とする印刷媒体処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−137035(P2007−137035A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337764(P2005−337764)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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