印刷機
【課題】証券におけるセキュリティー要素の周知の印刷方法と装置を改良すること。
【解決手段】印刷機はインプレッション・シリンダ6に被印刷物1を運搬するための移送システム5と、ドクター・ブレード55、56をそれぞれ備えた円筒型あるいは平坦な形状の第一及び第二スクリーン7、8にして、インプレッション・シリンダ6と協働し、インク用いてスクリーン印刷することにより被印刷物1を印刷するように意図された第一及び第二スクリーン7、8と、印刷実施後に被印刷物1をインプレッション・シリンダ6から運び去るための出荷システム9とを具備する。第二スクリーン8が、第一スクリーン7によって付着させられた第一の印刷像と同じ区域に第二の印刷像を付着させ、及び該印刷機が、第二スクリーン8によるインクの付着の前に、第一スクリーン7によって付着させられたインクを乾燥させるために乾燥システムを更に具備する。
【解決手段】印刷機はインプレッション・シリンダ6に被印刷物1を運搬するための移送システム5と、ドクター・ブレード55、56をそれぞれ備えた円筒型あるいは平坦な形状の第一及び第二スクリーン7、8にして、インプレッション・シリンダ6と協働し、インク用いてスクリーン印刷することにより被印刷物1を印刷するように意図された第一及び第二スクリーン7、8と、印刷実施後に被印刷物1をインプレッション・シリンダ6から運び去るための出荷システム9とを具備する。第二スクリーン8が、第一スクリーン7によって付着させられた第一の印刷像と同じ区域に第二の印刷像を付着させ、及び該印刷機が、第二スクリーン8によるインクの付着の前に、第一スクリーン7によって付着させられたインクを乾燥させるために乾燥システムを更に具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート供給式あるいはウェブ供給式印刷機と、印刷方法と証券のためのセキュリティ要素とに関する。
【背景技術】
【0002】
証券、具体的には銀行紙幣の分野において、偽造からの保護などセキュリティ要素のためのニーズが増大している。この数年間において、コンピュータと、スキャナとコピー機は、相当な技術的改良を経てきており、また現在は高性能装置をほどよい価格で購入することができる。この装置の性能は極めて良くなってきたので、銀行紙幣と、小切手と、クレジットカードと、パスポートあるいは身分証明書と他の類似文書など証券のためであって自身をもより良くする、新しいセキュリティ要素を開発し、その結果偽造からこれらの文書を保護し、また現在のコンピュータと、スキャナと、コピー機により模倣されることができないようにすることが必要になってきた。
【0003】
偽造に対処するための周知のセキュリティ要素は、例えば、特定条件下例えば紫外線下、あるいは光にかざされた時のみに目に見える色付きの線及び/又は模様の重畳の組合せから形成される。このセキュリティ要素の利点は、それらが保護される状態にある文書に印刷しあるいは配置することが容易であり、また簡単な装置を使用して、肉眼を使用してさえ照合できるが、現在のプリンタと、スキャナと、コピー機とを使用しては複製できないことである。
【0004】
本出願に引用することにより組み込まれる特許文献1の事例により、証券のための例えば銀行紙幣用のセキュリティ要素を説明している。このセキュリティ要素は、二つの並列領域であって、各領域はそれ自体の幾何学的デザインを具備していて、前記領域は異なる色濃度を有している少なくとも二つの並列領域を有している背景により形成される。セキュリティ要素はさらに色濃度の最も低い領域に対応する模様を具備し、前記二つの領域間の色濃度の差を補正するように選択された色において前記領域に重畳して印刷される。したがって、セキュリティ要素は、肉眼には均一で無定形に見えるが、前記要素がコピー印刷されるなら模様は明瞭に目に見えるようになる。
【0005】
本出願に引用することにより組み込まれる特許文献2は、被印刷物上に潜在画像を印刷するための別の方法を説明している。その特許によると、レリーフにした線の印刷はレリーフの無い線の印刷と組み合わされる。したがって、コピー機あるいは他の写真製版方法を用いて複製できない潜在カラー画像が創生される。
【0006】
本出願に引用することにより組み込まれる特許文献3と特許文献4は、肉眼には容易に見えないが、対照的に要素がコピー機あるいはスキャニングにより複製されるとき疑いなく明らかになるセキュリティ要素を示す。
別の特殊な技法は、被印刷物、例えば紙が、光にかざされるときのみ目に見える線あるいは模様で示される透かし模様を用いる。この技法の別の展開は、被印刷物に窓の創生により形成される擬似透かし模様に関連し、またこの技法は具体的にはそれ自体は通常は透明でないがその一部の前記窓は透明になっている紙の被印刷物を用いて使用されるようになっている。
【0007】
本出願に引用することにより組み込まれる特許文献5の内容は、コピー機による不正なコピーから保護された身分証明書を説明している。その特許において、アイデアは追加層の物理、特に光特性と金属の薄膜により提供される保護効果とを組み合わせ、その効果の組合せが証明書を複製されないようにするセキュリティ要素を創生することである。透明な被覆層の下に、特殊な光特性を有している最上層の上に金属の層がある。第一の実施態様において、金属層は局所的に脱金属化され、したがって特殊な光特性を備える層を露呈している、すなわち脱金属化された領域において特殊な光特性を備える層を目に見えるようにしている。層間の対照的な差異は、脱金属化により形成されるマークを肉眼で認識することを容易にする。ある特殊な実施態様において、特殊な光特性を備える層は、例えば黒色である暗色を有する。金属領域と高い吸収作用を備える層(黒色層)との直接反射の組合せは、対照的な差異を検出されないようにし、その結果脱金属化により形成される情報はこのセキュリティ要素のコピーの際に完全に消失する。
【0008】
別の実施態様において、特殊な光特性を備える層は、コピー機の光で照射されたとき可視スペクトル内の波長においてなんら光を放出せず、そのことはその領域も複製されないことを意味する、蛍光あるいはリン光物質を含む。
【0009】
最先端の周知の他の技法によると、被印刷物に直接マークしたり前記被印刷物に被覆された層にマークしたりし、またそれ故にコピー機あるいはスキャナを使用して複製することが不可能なセキュリティ要素を創生するどちらの使用手段も、レーザから成る。
【0010】
他のセキュリティ要素は、金属パッチ(“フォイル"として知られる)あるいはホログラムまた同様なモアレ及び他の類似の模様の形態であって、これらの全ては、一方では現在の装置によりコピーすることが不可能ではないが極めて困難になっているが、他方では適切な手段を使用してあるいは肉眼により視覚的に照合することが極めて容易になっている、光学的に可変なデバイス(“OVDs”(登録商標))を使用する。
【0011】
証券等の被印刷物に特殊な模様あるいは幾何学的形状を印刷するために光学的に可変なインクなど特殊なインクを使用することも周知の慣習である。最先端なそれ自体周知のこれらのインクは、様々な光効果を備えまたそれらが目で見られる角度によって色を変える色素を含む。事例によると、刊行物の特許文献6と、特許文献7と、特許文献8は、このインクを開示し、またそれらの内容はこのインクの原理と組成を記載するために、本出願に引用することにより取り込まれる。
【0012】
このインクが使用されるとき、追加の磁性層を含んでいる様々な光効果を備える色素は、磁場の適用により配向でき、したがって特殊な効果を創生していることが分ってきた。この特殊な技法は、刊行物の特許文献9と、特許文献10と、特許文献11と、特許文献12とに記載され、また本出願に引用することにより取り込まれる。
【0013】
しかしながら、光学的に可変なインクを用いて印刷するとき直面する問題の一つは、このインクは証券(例えば銀行紙幣)の価値を印刷するために使用されることが多いことであり、この価値は銀行紙幣の長さにほぼ匹敵して示されている。さらに、証券が、幅に平行な軸移動(左−右)よりもむしろ前記証券の長さに平行な軸の周囲を回転する(上下移動)とき目に見えて、最初の移動がユーザにはより分かり易くなっている、光効果を創生するための探索が今なおある。
【0014】
通常、マトリックス形式に配置された証券の印刷像を有するシートは、前記印刷像の横方向に移動し、その結果従来の印刷機の固定磁石の統合は目に見える効果を創生するように印刷像の幅に平行な移動を伴う(前述の左−右移動)。所望する方向(前述の上下移動)に効果を創生することは、もし特殊な効果が所望する方向(前述の上下移動)において達成される状態にあるならばシートの移動の方向の変化を伴う。したがって、従来の機械は大幅に変更される必要があり、またこれは殆ど経済的利益がなくまた印刷に要する時間を増大する。
【特許文献1】米国特許第6,050,606号明細書
【特許文献2】米国特許第5,443,579号明細書
【特許文献3】米国特許第5,853,197号明細書
【特許文献4】米国特許第5,487,567号明細書
【特許文献5】米国特許第6,082,778号明細書
【特許文献6】米国特許出願第2002/0160194A1号明細書
【特許文献7】米国特許出願第2002/0182383A1号明細書
【特許文献8】欧州特許第1239307号明細書
【特許文献9】米国特許第6,103,361号明細書
【特許文献10】米国特許第5,630,877号明細書
【特許文献11】国際出願第03/000801号パンフレット
【特許文献12】米国特許第5,364,689号明細書
【発明の開示】
【0015】
従って、本発明の一つの目的は、周知の印刷方法とデバイスとを改良することである。
本発明の別の目的は、印刷のセキュリティを増大する印刷機とこの印刷機により用いられる操作方法とを提案することである。
具体的には、本発明の目的は、従来機に簡単な方法で組み込むことができる、特に証券のための印刷システムを提案することである。
本発明の別の目的は、証券のための特殊な印刷方法を利用可能にすることである。
本発明のさらなる目的は、改良されたセキュリティ要素を提案することである。
本発明は、請求項の特徴により定義される。
本発明は、いくつかのその実施態様の記載と添付図の参照とからよりよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
従来のシート供給印刷機は、最初に図1を参照して説明される。この周知の機械は米国特許第6,109,172号明細書に詳述され、またその内容は、スクリーン印刷機の操作原理に関するために本出願に引用することにより組み込まれる。本機械は印刷用のシートが入っているマガジン1と、供給シリンダ4に向けて経路3に沿ってシートを連続的に移送するための供給デバイス2と、インプレッション・シリンダ6に一連のシートを運搬するための移送シリンダ5と、ドクター・ブレードを備えインプレッション・シリンダ6と協働している二つのスクリーン・シリンダ7と8と、いったんシートが印刷されると出口マガジン10へシートを輸送するチェーン・グリッパー・システム9とを具備する。
【0017】
本機械は、ドクター・ブレード55、56を備えるスクリーン・シリンダ7と、8とを具備するので、一連のシートに二色でスクリーン印刷ができる。インプレッション・シリンダ6の上で、シートはまず初めに、シートが第一の色でスクリーン印刷される第一スクリーン・シリンダ7の上部を通過し、次にシートは第二の色でスクリーン印刷される第二スクリーン・シリンダ8の上部を通過する。この第二の印刷は、第一スクリーン・シリンダ7により印刷された印刷物と異なる領域あるいは同一の領域でなされる。後者の場合においては、第一スクリーン・シリンダ7により付着されたインクを乾燥するためのシステム、例えば紫外線ランプあるいはいくつかの他の等価システムを追加する必要がある。
【0018】
図2は、図1の形態において、すなわち供給シリンダと、二つのスクリーン・シリンダ7と8と、出荷システム9例えばグリッパー・チェーンと、乾燥システム例えば紫外線ランプとにより取り囲まれた本発明に記載のインプレッション・シリンダ6を断面において示す。
【0019】
本発明によると、インプレッション・シリンダ6は、被印刷物シート上の印刷像に対応する配分において配置される複数の磁石12と、13と、14とを具備し、各組の磁石は、インプレッション・シリンダ6内にあって前記シリンダ6上のシートを保持するためのグリッパが位置決めされる切れ目15と、16と、17とにより隔てられている。これらの磁石は、いずれかの適切な手段、具体的には接合と、ネジ締めあるいはいくつかの等価手段によりシリンダに固定される。
【0020】
本発明の第一の改良型によると、磁気要素59(例えば磁石)は、インプレッション・シリンダ6内に直接に位置決めされるのではなくて出荷シリンダ57内に位置決めされる。
【0021】
本発明の第二の改良型によると、磁気要素60(例えば磁石)は、被印刷物の移動方向において出荷シリンダと紫外線ランプ10との間にある中間シリンダ58内に配置される。
【0022】
別の改良型によると、磁石は、インプレッション・シリンダ6内及び/又は出荷シリンダ57内及び/又は中間シリンダ58内を問わず位置決めされる。
【0023】
二つの改良型の利点は、インプレッション・シリンダ6の凸凹表面により被印刷物に凸部あるいは凹部を作り出す危険を冒さずに当初のインプレッション・シリンダを維持することを可能にすることである。
【0024】
図3Aと3Bは、二つの改良型の磁石を備えるインプレッション・シリンダの二つの部分図を概略的に描く。第一の改良型において(図3A)、インプレッション・シリンダ6は少なくとも一つの切れ目18を具備し、切れ目の中に印刷中の被印刷物1を保持しているグリッパー・システム19が設置される。
【0025】
シリンダはさらに第二の切れ目20を具備し、切れ目の中に被印刷物上の印刷像の配分に対応する配分で磁石21と、22が位置決めされる(表されていない)。磁石21と、22は、例えばアルミニウムあるいはステンレス鋼から成る非磁性材料のシート24により覆われる。この改良型において、磁石21と、22は、永久磁石である。
【0026】
図3Bの改良型において、同一の要素は図3Aにおいてと同一の方法で参照され、また相違は磁石によって使用される手段にある。この改良型において、使用手段はコイル25と、26とから成る。
【0027】
インプレッション・シリンダ6の場合において図3Aと3Bを参照して提示された原理は、当然に同一の方法で、前述の図示された、その場合は磁気要素を支持する出荷シリンダ57及び/又は中間シリンダ58である、本発明の改良型に適用される。
【0028】
本発明に使用される原理は、図4において概略的に示される。この図は、光学的に可変なインクの印刷像が付着された被印刷物27例えば紙のシートを表す。インプレッション・シリンダ6は、図示されるように、本図に描かれた磁力線29と、30とを創生する永久磁石28を具備する。そのうえに、光学的に可変なインクは、様々な光効果の磁性色素を含むので、磁力線29と、30はこれらの色素を本図4に示された方向に配向する。中心領域31において、色素は垂直方向に配向されるが、側部領域32と33とにおいて色素は、より水平な形態を示し、それは図示される。したがって、印刷像が目で見られる角度によって、印刷像の外見上の色は変化し、また配向の変化は印刷像に続く色の変化を伴う印刷像をダイナミックに生ずる。
【0029】
本発明に記載のシステムの利点の一つは、シートが磁石に対して静止するので、光効果が創生される状態にある方向に対するシートの移動の通常の方向と関連する前述の問題が回避されることである。現状では、一連のシートの移動の方向を変更すること無しにこの効果を創生し、あるいは同一シート上にすら、光学的に可変なインクを使用して一連のシートの移動の方向あるいは一連の印刷像を印刷するための必要性になんらの影響を及ぼさず様々な方向(相互に垂直であってもなくてもよい)に光効果を備えるセキュリティ要素を創生することが可能である。
【0030】
図4Aと4Bは、本発明に記載の印刷機を用いて達成できる第一の光効果を示す。図4Aにおいて、様々な光効果を備える磁性色素を含んでいるインク中の印刷像40は数字“100”を形成する。達成される効果を正確に表すように、この印刷像40の上半分は白っぽくまた下半分は黒っぽい。
【0031】
図4A中の印刷像41は、印刷像40と同一の印刷像を表すが、印刷像が目で見られる角度を変更するように軸Xの周囲の回転を受けている。この状態から、現状は下半分が白っぽくまた上半分が黒っぽい。
【0032】
この効果を達成するために、色素は図4Bに表される断面A−Aのように、すなわち左手側42において約45°また右手側43において約135°に磁石によって配向される。
【0033】
したがって、軸Xの周囲を両方向に回転することにより、印刷像の二つの部分に所定の色変化が達成されまたスキャナあるいはコピー機など従来の手段を使用してコピーすることが不可能である動的な光効果を生ずる。
【0034】
本発明を用いて創生できる第二の光効果は、図5Aと5Bを参照して記載される。印刷像44は数字“100”を形成しまたその上部に明るい領域を具備する。印刷像を軸Xの周囲に回転させるに従って、明るい領域はそのとき印刷像内部を移動し、印刷像45と46とに示されるように印刷像の中央部(印刷像45)の中へまた自身の下部(印刷像46)の中へ移動する。
【0035】
この光効果は、図5Aの断面B−Bに対応する、図5Bにおいて表されるように色素を配向することにより達成される。表現されるように(左から右へ)、色素は最初に事実上垂直(領域47)に配向され、次に徐々に水平な配向(領域48)に達し、次に最終的に事実上垂直な配向(領域49)に戻る。
【0036】
したがって、軸Xの周囲の二方向の回転により、印刷像内部の白っぽい領域の移動の視覚効果は達成され、またこれはコピーあるいはスキャニングにより複製することが不可能である動的な光効果を生ずる。
【0037】
第三の光効果は、図6Aと6Bに表される。この効果は、同一の光学的に可変なインクを使用して創生される二つの重畳された印刷像により達成される。印刷像が直角に見られるとき(印刷像50)、印刷像は明るくまた背景は光沢がない。印刷像がどこであれいずれかの方向に回転されるならば、そのとき明るい領域と光沢のない領域の逆転がある(印刷像51)。さらに、配向が横方向に変更されるならば(印刷像52)、色の変化もまた達成される。
【0038】
これらの光効果は、図6Bの断面C−Cにおいて表される印刷像により達成され、印刷像の中に第一方向に配向された色素を備える第一層53と第二方向に配向された色素を備える第二層54であって、その二つの方向は異なっている層がある。これらの層は連続的に被印刷物に付着され、また第一層53は、前記第一層内の色素の配向を維持するように第二層が付着される前に乾燥される必要がある。
【0039】
本発明は記載された実施態様に限定されないが、改良型は請求の範囲の保護に沿って行うことができる。例えば、スクリーンはシリンダにより支持されてもよいし(図1と2の印刷機のように)あるいは平坦であってもよい。
様々な型のインクも、それらが磁気的に配向可能な色素を含むならば利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、スクリーン印刷機の概略図を示す。
【図2】図2は、本発明に記載のインプレッション・シリンダの一つの実施態様を示す。
【図3A】図3Aは、図2の実施態様の一つの改良型を示す。
【図3B】図3Bは、図2の実施態様の一つの改良型を示す。
【図4】図4は、本発明により達成された効果の動作図を示す。
【図4A】図4Aは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第一形態を概略的に示す。
【図4B】図4Bは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第一形態を概略的に示す。
【図5A】図5Aは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第二形態を概略的に示す。
【図5B】図5Bは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第二形態を概略的に示す。
【図6A】図6Aは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第三形態を概略的に示す。
【図6B】図6Bは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第三形態を概略的に示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート供給式あるいはウェブ供給式印刷機と、印刷方法と証券のためのセキュリティ要素とに関する。
【背景技術】
【0002】
証券、具体的には銀行紙幣の分野において、偽造からの保護などセキュリティ要素のためのニーズが増大している。この数年間において、コンピュータと、スキャナとコピー機は、相当な技術的改良を経てきており、また現在は高性能装置をほどよい価格で購入することができる。この装置の性能は極めて良くなってきたので、銀行紙幣と、小切手と、クレジットカードと、パスポートあるいは身分証明書と他の類似文書など証券のためであって自身をもより良くする、新しいセキュリティ要素を開発し、その結果偽造からこれらの文書を保護し、また現在のコンピュータと、スキャナと、コピー機により模倣されることができないようにすることが必要になってきた。
【0003】
偽造に対処するための周知のセキュリティ要素は、例えば、特定条件下例えば紫外線下、あるいは光にかざされた時のみに目に見える色付きの線及び/又は模様の重畳の組合せから形成される。このセキュリティ要素の利点は、それらが保護される状態にある文書に印刷しあるいは配置することが容易であり、また簡単な装置を使用して、肉眼を使用してさえ照合できるが、現在のプリンタと、スキャナと、コピー機とを使用しては複製できないことである。
【0004】
本出願に引用することにより組み込まれる特許文献1の事例により、証券のための例えば銀行紙幣用のセキュリティ要素を説明している。このセキュリティ要素は、二つの並列領域であって、各領域はそれ自体の幾何学的デザインを具備していて、前記領域は異なる色濃度を有している少なくとも二つの並列領域を有している背景により形成される。セキュリティ要素はさらに色濃度の最も低い領域に対応する模様を具備し、前記二つの領域間の色濃度の差を補正するように選択された色において前記領域に重畳して印刷される。したがって、セキュリティ要素は、肉眼には均一で無定形に見えるが、前記要素がコピー印刷されるなら模様は明瞭に目に見えるようになる。
【0005】
本出願に引用することにより組み込まれる特許文献2は、被印刷物上に潜在画像を印刷するための別の方法を説明している。その特許によると、レリーフにした線の印刷はレリーフの無い線の印刷と組み合わされる。したがって、コピー機あるいは他の写真製版方法を用いて複製できない潜在カラー画像が創生される。
【0006】
本出願に引用することにより組み込まれる特許文献3と特許文献4は、肉眼には容易に見えないが、対照的に要素がコピー機あるいはスキャニングにより複製されるとき疑いなく明らかになるセキュリティ要素を示す。
別の特殊な技法は、被印刷物、例えば紙が、光にかざされるときのみ目に見える線あるいは模様で示される透かし模様を用いる。この技法の別の展開は、被印刷物に窓の創生により形成される擬似透かし模様に関連し、またこの技法は具体的にはそれ自体は通常は透明でないがその一部の前記窓は透明になっている紙の被印刷物を用いて使用されるようになっている。
【0007】
本出願に引用することにより組み込まれる特許文献5の内容は、コピー機による不正なコピーから保護された身分証明書を説明している。その特許において、アイデアは追加層の物理、特に光特性と金属の薄膜により提供される保護効果とを組み合わせ、その効果の組合せが証明書を複製されないようにするセキュリティ要素を創生することである。透明な被覆層の下に、特殊な光特性を有している最上層の上に金属の層がある。第一の実施態様において、金属層は局所的に脱金属化され、したがって特殊な光特性を備える層を露呈している、すなわち脱金属化された領域において特殊な光特性を備える層を目に見えるようにしている。層間の対照的な差異は、脱金属化により形成されるマークを肉眼で認識することを容易にする。ある特殊な実施態様において、特殊な光特性を備える層は、例えば黒色である暗色を有する。金属領域と高い吸収作用を備える層(黒色層)との直接反射の組合せは、対照的な差異を検出されないようにし、その結果脱金属化により形成される情報はこのセキュリティ要素のコピーの際に完全に消失する。
【0008】
別の実施態様において、特殊な光特性を備える層は、コピー機の光で照射されたとき可視スペクトル内の波長においてなんら光を放出せず、そのことはその領域も複製されないことを意味する、蛍光あるいはリン光物質を含む。
【0009】
最先端の周知の他の技法によると、被印刷物に直接マークしたり前記被印刷物に被覆された層にマークしたりし、またそれ故にコピー機あるいはスキャナを使用して複製することが不可能なセキュリティ要素を創生するどちらの使用手段も、レーザから成る。
【0010】
他のセキュリティ要素は、金属パッチ(“フォイル"として知られる)あるいはホログラムまた同様なモアレ及び他の類似の模様の形態であって、これらの全ては、一方では現在の装置によりコピーすることが不可能ではないが極めて困難になっているが、他方では適切な手段を使用してあるいは肉眼により視覚的に照合することが極めて容易になっている、光学的に可変なデバイス(“OVDs”(登録商標))を使用する。
【0011】
証券等の被印刷物に特殊な模様あるいは幾何学的形状を印刷するために光学的に可変なインクなど特殊なインクを使用することも周知の慣習である。最先端なそれ自体周知のこれらのインクは、様々な光効果を備えまたそれらが目で見られる角度によって色を変える色素を含む。事例によると、刊行物の特許文献6と、特許文献7と、特許文献8は、このインクを開示し、またそれらの内容はこのインクの原理と組成を記載するために、本出願に引用することにより取り込まれる。
【0012】
このインクが使用されるとき、追加の磁性層を含んでいる様々な光効果を備える色素は、磁場の適用により配向でき、したがって特殊な効果を創生していることが分ってきた。この特殊な技法は、刊行物の特許文献9と、特許文献10と、特許文献11と、特許文献12とに記載され、また本出願に引用することにより取り込まれる。
【0013】
しかしながら、光学的に可変なインクを用いて印刷するとき直面する問題の一つは、このインクは証券(例えば銀行紙幣)の価値を印刷するために使用されることが多いことであり、この価値は銀行紙幣の長さにほぼ匹敵して示されている。さらに、証券が、幅に平行な軸移動(左−右)よりもむしろ前記証券の長さに平行な軸の周囲を回転する(上下移動)とき目に見えて、最初の移動がユーザにはより分かり易くなっている、光効果を創生するための探索が今なおある。
【0014】
通常、マトリックス形式に配置された証券の印刷像を有するシートは、前記印刷像の横方向に移動し、その結果従来の印刷機の固定磁石の統合は目に見える効果を創生するように印刷像の幅に平行な移動を伴う(前述の左−右移動)。所望する方向(前述の上下移動)に効果を創生することは、もし特殊な効果が所望する方向(前述の上下移動)において達成される状態にあるならばシートの移動の方向の変化を伴う。したがって、従来の機械は大幅に変更される必要があり、またこれは殆ど経済的利益がなくまた印刷に要する時間を増大する。
【特許文献1】米国特許第6,050,606号明細書
【特許文献2】米国特許第5,443,579号明細書
【特許文献3】米国特許第5,853,197号明細書
【特許文献4】米国特許第5,487,567号明細書
【特許文献5】米国特許第6,082,778号明細書
【特許文献6】米国特許出願第2002/0160194A1号明細書
【特許文献7】米国特許出願第2002/0182383A1号明細書
【特許文献8】欧州特許第1239307号明細書
【特許文献9】米国特許第6,103,361号明細書
【特許文献10】米国特許第5,630,877号明細書
【特許文献11】国際出願第03/000801号パンフレット
【特許文献12】米国特許第5,364,689号明細書
【発明の開示】
【0015】
従って、本発明の一つの目的は、周知の印刷方法とデバイスとを改良することである。
本発明の別の目的は、印刷のセキュリティを増大する印刷機とこの印刷機により用いられる操作方法とを提案することである。
具体的には、本発明の目的は、従来機に簡単な方法で組み込むことができる、特に証券のための印刷システムを提案することである。
本発明の別の目的は、証券のための特殊な印刷方法を利用可能にすることである。
本発明のさらなる目的は、改良されたセキュリティ要素を提案することである。
本発明は、請求項の特徴により定義される。
本発明は、いくつかのその実施態様の記載と添付図の参照とからよりよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
従来のシート供給印刷機は、最初に図1を参照して説明される。この周知の機械は米国特許第6,109,172号明細書に詳述され、またその内容は、スクリーン印刷機の操作原理に関するために本出願に引用することにより組み込まれる。本機械は印刷用のシートが入っているマガジン1と、供給シリンダ4に向けて経路3に沿ってシートを連続的に移送するための供給デバイス2と、インプレッション・シリンダ6に一連のシートを運搬するための移送シリンダ5と、ドクター・ブレードを備えインプレッション・シリンダ6と協働している二つのスクリーン・シリンダ7と8と、いったんシートが印刷されると出口マガジン10へシートを輸送するチェーン・グリッパー・システム9とを具備する。
【0017】
本機械は、ドクター・ブレード55、56を備えるスクリーン・シリンダ7と、8とを具備するので、一連のシートに二色でスクリーン印刷ができる。インプレッション・シリンダ6の上で、シートはまず初めに、シートが第一の色でスクリーン印刷される第一スクリーン・シリンダ7の上部を通過し、次にシートは第二の色でスクリーン印刷される第二スクリーン・シリンダ8の上部を通過する。この第二の印刷は、第一スクリーン・シリンダ7により印刷された印刷物と異なる領域あるいは同一の領域でなされる。後者の場合においては、第一スクリーン・シリンダ7により付着されたインクを乾燥するためのシステム、例えば紫外線ランプあるいはいくつかの他の等価システムを追加する必要がある。
【0018】
図2は、図1の形態において、すなわち供給シリンダと、二つのスクリーン・シリンダ7と8と、出荷システム9例えばグリッパー・チェーンと、乾燥システム例えば紫外線ランプとにより取り囲まれた本発明に記載のインプレッション・シリンダ6を断面において示す。
【0019】
本発明によると、インプレッション・シリンダ6は、被印刷物シート上の印刷像に対応する配分において配置される複数の磁石12と、13と、14とを具備し、各組の磁石は、インプレッション・シリンダ6内にあって前記シリンダ6上のシートを保持するためのグリッパが位置決めされる切れ目15と、16と、17とにより隔てられている。これらの磁石は、いずれかの適切な手段、具体的には接合と、ネジ締めあるいはいくつかの等価手段によりシリンダに固定される。
【0020】
本発明の第一の改良型によると、磁気要素59(例えば磁石)は、インプレッション・シリンダ6内に直接に位置決めされるのではなくて出荷シリンダ57内に位置決めされる。
【0021】
本発明の第二の改良型によると、磁気要素60(例えば磁石)は、被印刷物の移動方向において出荷シリンダと紫外線ランプ10との間にある中間シリンダ58内に配置される。
【0022】
別の改良型によると、磁石は、インプレッション・シリンダ6内及び/又は出荷シリンダ57内及び/又は中間シリンダ58内を問わず位置決めされる。
【0023】
二つの改良型の利点は、インプレッション・シリンダ6の凸凹表面により被印刷物に凸部あるいは凹部を作り出す危険を冒さずに当初のインプレッション・シリンダを維持することを可能にすることである。
【0024】
図3Aと3Bは、二つの改良型の磁石を備えるインプレッション・シリンダの二つの部分図を概略的に描く。第一の改良型において(図3A)、インプレッション・シリンダ6は少なくとも一つの切れ目18を具備し、切れ目の中に印刷中の被印刷物1を保持しているグリッパー・システム19が設置される。
【0025】
シリンダはさらに第二の切れ目20を具備し、切れ目の中に被印刷物上の印刷像の配分に対応する配分で磁石21と、22が位置決めされる(表されていない)。磁石21と、22は、例えばアルミニウムあるいはステンレス鋼から成る非磁性材料のシート24により覆われる。この改良型において、磁石21と、22は、永久磁石である。
【0026】
図3Bの改良型において、同一の要素は図3Aにおいてと同一の方法で参照され、また相違は磁石によって使用される手段にある。この改良型において、使用手段はコイル25と、26とから成る。
【0027】
インプレッション・シリンダ6の場合において図3Aと3Bを参照して提示された原理は、当然に同一の方法で、前述の図示された、その場合は磁気要素を支持する出荷シリンダ57及び/又は中間シリンダ58である、本発明の改良型に適用される。
【0028】
本発明に使用される原理は、図4において概略的に示される。この図は、光学的に可変なインクの印刷像が付着された被印刷物27例えば紙のシートを表す。インプレッション・シリンダ6は、図示されるように、本図に描かれた磁力線29と、30とを創生する永久磁石28を具備する。そのうえに、光学的に可変なインクは、様々な光効果の磁性色素を含むので、磁力線29と、30はこれらの色素を本図4に示された方向に配向する。中心領域31において、色素は垂直方向に配向されるが、側部領域32と33とにおいて色素は、より水平な形態を示し、それは図示される。したがって、印刷像が目で見られる角度によって、印刷像の外見上の色は変化し、また配向の変化は印刷像に続く色の変化を伴う印刷像をダイナミックに生ずる。
【0029】
本発明に記載のシステムの利点の一つは、シートが磁石に対して静止するので、光効果が創生される状態にある方向に対するシートの移動の通常の方向と関連する前述の問題が回避されることである。現状では、一連のシートの移動の方向を変更すること無しにこの効果を創生し、あるいは同一シート上にすら、光学的に可変なインクを使用して一連のシートの移動の方向あるいは一連の印刷像を印刷するための必要性になんらの影響を及ぼさず様々な方向(相互に垂直であってもなくてもよい)に光効果を備えるセキュリティ要素を創生することが可能である。
【0030】
図4Aと4Bは、本発明に記載の印刷機を用いて達成できる第一の光効果を示す。図4Aにおいて、様々な光効果を備える磁性色素を含んでいるインク中の印刷像40は数字“100”を形成する。達成される効果を正確に表すように、この印刷像40の上半分は白っぽくまた下半分は黒っぽい。
【0031】
図4A中の印刷像41は、印刷像40と同一の印刷像を表すが、印刷像が目で見られる角度を変更するように軸Xの周囲の回転を受けている。この状態から、現状は下半分が白っぽくまた上半分が黒っぽい。
【0032】
この効果を達成するために、色素は図4Bに表される断面A−Aのように、すなわち左手側42において約45°また右手側43において約135°に磁石によって配向される。
【0033】
したがって、軸Xの周囲を両方向に回転することにより、印刷像の二つの部分に所定の色変化が達成されまたスキャナあるいはコピー機など従来の手段を使用してコピーすることが不可能である動的な光効果を生ずる。
【0034】
本発明を用いて創生できる第二の光効果は、図5Aと5Bを参照して記載される。印刷像44は数字“100”を形成しまたその上部に明るい領域を具備する。印刷像を軸Xの周囲に回転させるに従って、明るい領域はそのとき印刷像内部を移動し、印刷像45と46とに示されるように印刷像の中央部(印刷像45)の中へまた自身の下部(印刷像46)の中へ移動する。
【0035】
この光効果は、図5Aの断面B−Bに対応する、図5Bにおいて表されるように色素を配向することにより達成される。表現されるように(左から右へ)、色素は最初に事実上垂直(領域47)に配向され、次に徐々に水平な配向(領域48)に達し、次に最終的に事実上垂直な配向(領域49)に戻る。
【0036】
したがって、軸Xの周囲の二方向の回転により、印刷像内部の白っぽい領域の移動の視覚効果は達成され、またこれはコピーあるいはスキャニングにより複製することが不可能である動的な光効果を生ずる。
【0037】
第三の光効果は、図6Aと6Bに表される。この効果は、同一の光学的に可変なインクを使用して創生される二つの重畳された印刷像により達成される。印刷像が直角に見られるとき(印刷像50)、印刷像は明るくまた背景は光沢がない。印刷像がどこであれいずれかの方向に回転されるならば、そのとき明るい領域と光沢のない領域の逆転がある(印刷像51)。さらに、配向が横方向に変更されるならば(印刷像52)、色の変化もまた達成される。
【0038】
これらの光効果は、図6Bの断面C−Cにおいて表される印刷像により達成され、印刷像の中に第一方向に配向された色素を備える第一層53と第二方向に配向された色素を備える第二層54であって、その二つの方向は異なっている層がある。これらの層は連続的に被印刷物に付着され、また第一層53は、前記第一層内の色素の配向を維持するように第二層が付着される前に乾燥される必要がある。
【0039】
本発明は記載された実施態様に限定されないが、改良型は請求の範囲の保護に沿って行うことができる。例えば、スクリーンはシリンダにより支持されてもよいし(図1と2の印刷機のように)あるいは平坦であってもよい。
様々な型のインクも、それらが磁気的に配向可能な色素を含むならば利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、スクリーン印刷機の概略図を示す。
【図2】図2は、本発明に記載のインプレッション・シリンダの一つの実施態様を示す。
【図3A】図3Aは、図2の実施態様の一つの改良型を示す。
【図3B】図3Bは、図2の実施態様の一つの改良型を示す。
【図4】図4は、本発明により達成された効果の動作図を示す。
【図4A】図4Aは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第一形態を概略的に示す。
【図4B】図4Bは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第一形態を概略的に示す。
【図5A】図5Aは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第二形態を概略的に示す。
【図5B】図5Bは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第二形態を概略的に示す。
【図6A】図6Aは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第三形態を概略的に示す。
【図6B】図6Bは、さまざまな光効果の磁性色素の配向の、第三形態を概略的に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートあるいは連続的なウェブの形態の被印刷物(1)にして、少なくとも一つの印刷像を受け取るように意図された被印刷物(1)を印刷する印刷機であって、
インプレッション・シリンダ(6)に前記被印刷物(1)を運搬するための少なくとも一つの移送システム(5)と、
ドクター・ブレード(55、56)をそれぞれ備えた円筒型あるいは平坦な形状の第一スクリーン(7)及び第二スクリーン(8)にして、前記インプレッション・シリンダ(6)と協働し、インク用いてスクリーン印刷することにより前記被印刷物(1)を印刷するように意図された第一スクリーン(7)及び第二スクリーン(8)と、
印刷実施後に前記被印刷物(1)を前記インプレッション・シリンダ(6)から運び去るための出荷システム(9)と、を具備している印刷機において、
前記第二スクリーン(8)が、前記第一スクリーン(7)によって付着させられた第一の印刷像と同じ区域に第二の印刷像を付着させること、及び該印刷機が、前記第二スクリーン(8)によるインクの付着の前に、前記第一スクリーン(7)によって付着させられたインクを乾燥させるために乾燥システムを更に具備することを特徴とする、印刷機。
【請求項2】
前記乾燥システムは紫外線ランプを具備する、請求項1に記載の印刷機。
【請求項3】
前記インクは、磁場によって配向され得る色素を含んでおり、前記インプレッション・シリンダ(6)は、前記インクに含まれる前記色素を前記インクの乾燥前に配向するために、該インプレッション・シリンダ(6)の印刷表面に少なくとも一つの磁気要素(12,13,14)を具備している、請求項1又は2に記載の印刷機。
【請求項4】
前記インクは磁場によって配向され得る色素を含んでおり、前記出荷システム(9)はシリンダ(57,58)を具備しており、前記シリンダ(57,58)は、前記インクに含まれる前記色素を前記インクの乾燥前に配向するために、少なくとも一つの磁気要素(59,60)を該シリンダ(57,58)の表面に有している、請求項1又は2に記載の印刷機。
【請求項5】
マトリックスの形式で配置された複数の印刷像を前記被印刷物(1)上に付着させるように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷機。
【請求項6】
シートあるいはウェブの形態の被印刷物(1)をスクリーン印刷するための印刷方法であって、第一印刷像及び第二印刷像を光学的に可変なインクを使って前記被印刷物(1)上に形成する印刷方法であり、以下の段階すなわち、
(a)前記第一印刷像を前記被印刷物(1)上に形成する段階と、
(b)前記第一印刷像を乾燥する段階と、
(c)前記第二印刷像を前記第一印刷像上に形成する段階と、
(d)前記第二印刷像を乾燥する段階と、を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
前記第一印刷像の乾燥が紫外線の照射を用いて実行される、請求項6に記載の印刷方法。
【請求項8】
前記光学的に可変なインクは、磁界によって配向され得る色素を含んでおり、前記第一印刷像及び第二印刷像はそれらを乾燥する前に前記色素を配向するために前記磁界にさらされる、請求項6又は7に記載の印刷方法。
【請求項9】
前記第一印刷像の前記インクに含まれる前記色素は、前記第二印刷像の前記インクに含まれる色素の方向とは異なる方向に配向される、請求項8に記載の印刷方法。
【請求項10】
前記色素を配向するのに必要な磁界が、少なくとも一つの磁気要素をシリンダ表面に有するシリンダによって生み出される、請求項8又は9に記載の印刷方法。
【請求項11】
前記第一印刷像及び第二印刷像が、マトリックス形式で配置された複数の個別の印刷像を具備している、請求項6〜10のいずれか一項に記載の印刷方法。
【請求項1】
シートあるいは連続的なウェブの形態の被印刷物(1)にして、少なくとも一つの印刷像を受け取るように意図された被印刷物(1)を印刷する印刷機であって、
インプレッション・シリンダ(6)に前記被印刷物(1)を運搬するための少なくとも一つの移送システム(5)と、
ドクター・ブレード(55、56)をそれぞれ備えた円筒型あるいは平坦な形状の第一スクリーン(7)及び第二スクリーン(8)にして、前記インプレッション・シリンダ(6)と協働し、インク用いてスクリーン印刷することにより前記被印刷物(1)を印刷するように意図された第一スクリーン(7)及び第二スクリーン(8)と、
印刷実施後に前記被印刷物(1)を前記インプレッション・シリンダ(6)から運び去るための出荷システム(9)と、を具備している印刷機において、
前記第二スクリーン(8)が、前記第一スクリーン(7)によって付着させられた第一の印刷像と同じ区域に第二の印刷像を付着させること、及び該印刷機が、前記第二スクリーン(8)によるインクの付着の前に、前記第一スクリーン(7)によって付着させられたインクを乾燥させるために乾燥システムを更に具備することを特徴とする、印刷機。
【請求項2】
前記乾燥システムは紫外線ランプを具備する、請求項1に記載の印刷機。
【請求項3】
前記インクは、磁場によって配向され得る色素を含んでおり、前記インプレッション・シリンダ(6)は、前記インクに含まれる前記色素を前記インクの乾燥前に配向するために、該インプレッション・シリンダ(6)の印刷表面に少なくとも一つの磁気要素(12,13,14)を具備している、請求項1又は2に記載の印刷機。
【請求項4】
前記インクは磁場によって配向され得る色素を含んでおり、前記出荷システム(9)はシリンダ(57,58)を具備しており、前記シリンダ(57,58)は、前記インクに含まれる前記色素を前記インクの乾燥前に配向するために、少なくとも一つの磁気要素(59,60)を該シリンダ(57,58)の表面に有している、請求項1又は2に記載の印刷機。
【請求項5】
マトリックスの形式で配置された複数の印刷像を前記被印刷物(1)上に付着させるように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷機。
【請求項6】
シートあるいはウェブの形態の被印刷物(1)をスクリーン印刷するための印刷方法であって、第一印刷像及び第二印刷像を光学的に可変なインクを使って前記被印刷物(1)上に形成する印刷方法であり、以下の段階すなわち、
(a)前記第一印刷像を前記被印刷物(1)上に形成する段階と、
(b)前記第一印刷像を乾燥する段階と、
(c)前記第二印刷像を前記第一印刷像上に形成する段階と、
(d)前記第二印刷像を乾燥する段階と、を含むことを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
前記第一印刷像の乾燥が紫外線の照射を用いて実行される、請求項6に記載の印刷方法。
【請求項8】
前記光学的に可変なインクは、磁界によって配向され得る色素を含んでおり、前記第一印刷像及び第二印刷像はそれらを乾燥する前に前記色素を配向するために前記磁界にさらされる、請求項6又は7に記載の印刷方法。
【請求項9】
前記第一印刷像の前記インクに含まれる前記色素は、前記第二印刷像の前記インクに含まれる色素の方向とは異なる方向に配向される、請求項8に記載の印刷方法。
【請求項10】
前記色素を配向するのに必要な磁界が、少なくとも一つの磁気要素をシリンダ表面に有するシリンダによって生み出される、請求項8又は9に記載の印刷方法。
【請求項11】
前記第一印刷像及び第二印刷像が、マトリックス形式で配置された複数の個別の印刷像を具備している、請求項6〜10のいずれか一項に記載の印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図4B】
【図5B】
【図6B】
【図4A】
【図5A】
【図6A】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図4B】
【図5B】
【図6B】
【図4A】
【図5A】
【図6A】
【公開番号】特開2008−213486(P2008−213486A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100721(P2008−100721)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【分割の表示】特願2006−516586(P2006−516586)の分割
【原出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(591031371)カーベーアー−ジオリ ソシエテ アノニム (54)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【分割の表示】特願2006−516586(P2006−516586)の分割
【原出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(591031371)カーベーアー−ジオリ ソシエテ アノニム (54)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]