説明

印刷物検査装置および印刷物検査プログラム

【課題】複数バージョンの印刷物の出力において、手間をかけずに印刷物の出力不良の有無を検査する印刷物検査装置および印刷物検査プログラムを提供する。
【解決手段】複数バージョンの印刷物を表した印刷データを取得するデータ取得部と、上記印刷データに従って上記複数バージョンの印刷物を印刷媒体を用いて出力する出力装置によって出力される各印刷物における印刷媒体の量を、該印刷データを解析することで予測する媒体量予測部と、上記出力装置が出力した上記複数バージョンの印刷物それぞれにおける印刷媒体の量を計測する計測装置から計測値を取得する計測値取得部と、上記媒体量予測部で予測された印刷媒体の量と、上記計測値取得部で取得された計測値(が表す印刷媒体の量)とを比較することで、上記出力装置による各印刷物の出力が正常か否かを判定する判定部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数バージョンの印刷物の出力が正常か否かを検査するための印刷物検査装置および印刷物検査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷物の作成にあたり、データベースなどに保存された情報を取り出し、取り出した情報と、所定の文章や絵や写真などを組みあわせて印刷用データを作成する技術が、コンピュータ技術の発展とともに急速に進んでいる。この技術は、ダイレクトメイルや年賀状のように、送り先の住所や名前といった、一部の印刷内容に関しては個々の印刷物で印刷内容が異なり、それ以外の印刷内容に関しては複数の印刷物で印刷内容が共通するような印刷物の作成の際に頻繁に用いられている。このように、一部の印刷内容だけが個々の印刷物で異なるような印刷物の印刷はバリアブル印刷と呼ばれており、現在では、データベース等から、上述した互いに異なる印刷内容を与える情報を読み出して、共通部分となる画像データや文字データと組み合わせるソフトウェアとして、様々なバリアブルアプリケーションソフトウェアが知られている。
【0003】
バリアブル印刷では、個々の印刷物で印刷内容が異なる印刷物が、大量に作成されることが多く、印刷作業の後で、必要部数の印刷物が得られたか(すなわち印刷落ちがないか、ダブリがないか)を、個々の印刷物について人間がいちいち検査するのは、非常に手間がかかる。そこで、最近では、個々の印刷物に、それぞれの印刷物の印刷内容を識別するための識別マークを印刷作業時につけておき、印刷後に読取装置がその識別マークの読取を行うことで、必要部数の印刷物が得られたかを検査する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−301813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
出力装置によって用紙上に画像が出力される際には、複数の用紙が静電気等によって互
いに貼り付いて束になった状態で出力が行われてしまうことがある。このように用紙が束になって一枚の用紙として扱われてしまうことは一般に重送と呼ばれている。重送が起きると、束になった用紙のうち一番上の用紙にのみ画像が出力されて残りの用紙は白紙状態となるため、印刷物が不必要にかさばってしまうという印刷物の不良の問題が生じる。特許文献1記載の方法では、重送が起きると、用紙が束になった状態のままで上述の識別マークの出力と読取が行われることになりやすく、印刷物の不良が発生してもそのことを検知するのが困難である。
【0005】
また、印刷物の厚みが所定値を超えたかどうかを検出することで重送の検知を行う方式も考えられるが、バリアブル印刷では、上述した、印刷内容が互いに異なる部分の記載量が個々の印刷物で異なることが多いので、バリアブル印刷では、印刷物の厚みが所定値を超えたからといって必ずしも重送が発生したとは限らない。このため、バリアブル印刷が行われる場合には、従来の検査方式では人間が手間をかけて検査するしかなく、検査効率が悪い。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、複数バージョンの印刷物の出力において、手間をかけずに
印刷物の出力不良の有無を検査する印刷物検査装置および印刷物検査プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の印刷物検査装置は、
複数バージョンの印刷物を表した印刷データを取得するデータ取得部と、
上記印刷データに従って上記複数バージョンの印刷物を印刷媒体を用いて出力する出力装置によって出力される各印刷物における印刷媒体の量を、該印刷データを解析することで予測する媒体量予測部と、
上記出力装置が出力した上記複数バージョンの印刷物それぞれにおける印刷媒体の量を計測する計測装置から計測値を取得する計測値取得部と、
上記媒体量予測部で予測された印刷媒体の量と、上記計測値取得部で取得された計測値(が表す印刷媒体の量)とを比較することで、上記出力装置による各印刷物の出力が正常か否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、上記の「印刷媒体の量」は、例えば、印刷媒体の枚数、厚み、重さといった、印刷媒体の物理的な量を表している。
【0009】
本発明の印刷物検査装置では、印刷媒体の量の予測値を得ることができ、この予測値と、実際に出力された印刷媒体の量の計測値とを比較することで、印刷物の出力が正常か否かを検査することができる。このため、人間が手間をかけて検査する必要がなく簡単に印刷物の出力不良が把握される。
【0010】
また、本発明の印刷物検査装置において、「上記印刷データが、上記複数バージョンの印刷物を構成する画像に、該複数バージョン間で共通に用いられて配置されるマスタ要素と、該画像に、該複数バージョンそれぞれで個別に用いられて配置されるバリアブル要素とを別々に表したものであり、上記データ取得部で取得された印刷データが表したマスタ要素とバリアブル要素とを組みあわせて上記複数バージョンの印刷物を構成する画像を作成する画像作成部を備えた」という形態は好ましい形態である。
【0011】
上述した複数バージョンの印刷物を構成する画像が、複数バージョン間で共通に用いられて配置されるマスタ要素と、複数バージョンそれぞれで個別に用いられて配置されるバリアブル要素とを有する場合とは、上記の印刷物がバリアブル印刷物の場合であり、バリアブル印刷は、部分的に共通する要素のある複数バージョンの印刷物を作成するための印刷方式としては、もっとも簡単で便利な印刷方式である。しかし、このバリアブル印刷においては、大量の印刷物の出力が行われることが多く、手間をかけずに印刷物の出力不良の有無を検査することがとりわけ必要となる。
【0012】
上記の好ましい形態によれば、バリアブル印刷において本発明を適用することで、手間をかけずにバリアブル印刷物の出力不良の有無が検査され、上述のバリアブル印刷の利点を生かすことができる。
【0013】
上記目的を達成するための本発明の印刷物検査プログラムは、
コンピュータシステムに組み込まれ、そのコンピュータシステム上に、
複数バージョンの印刷物を表した印刷データを取得するデータ取得部と、
上記印刷データに従って上記複数バージョンの印刷物を印刷媒体を用いて出力する出力装置によって出力される各印刷物における印刷媒体の量を、該印刷データを解析することで予測する媒体量予測部と、
上記出力装置が出力した上記複数バージョンの印刷物それぞれにおける印刷媒体の量を計測する計測装置から計測値を取得する計測値取得部と、
上記媒体量予測部で予測された印刷媒体の量と、上記計測値取得部で取得された計測値(が表す印刷媒体の量)とを比較することで、上記出力装置による各印刷物の出力が正常か否かを判定する判定部とを構築することを特徴とする。
【0014】
この本発明の印刷物検査プログラムをコンピュータシステム内で実行することによって、本発明の印刷物検査装置を容易に実現することができる。
【0015】
なお、本発明にいう印刷物検査プログラムについては、ここではその基本形態のみを示すにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいう印刷物検査プログラムには、上記の基本形態のみでなく、前述した印刷物検査装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
【0016】
さらに、本発明の印刷物検査プログラムがコンピュータシステム上に構築する判定部などといった要素は、1つの要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよく、1つの要素が複数のプログラム部品によって構築されるものであってもよく、複数の要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよい。また、これらの要素は、そのような作用を自分自身で実行するものとして構築されていてもよく、あるいは、コンピュータシステムに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行するものとして構築されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数バージョンの印刷物の出力において、手間をかけずに印刷物の出力不良の有無を検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態が適用されるバリアブル印刷システムの構成図である。
【0020】
このバリアブル印刷システムは、パーソナルコンピュータ100、および出力装置2170を有しており、このバリアブル印刷システムでは、パーソナルコンピュータ100によって、バリアブル印刷を実行するための実行データが作成され、作成された実行データに基いて出力装置2170により用紙上への出力が行われる。この出力装置2170は、両面出力と片面出力が切換可能な出力装置であり、いずれの出力方式が採用されるかは、ユーザによる、パーソナルコンピュータ100上での出力装置2170の出力設定によって決定される。また、このバリアブル印刷システムは、後加工機2171も備えており、出力が行われた用紙は、後加工機2171により、必要に応じて折りたたみ処理や綴じる処理等といった、後加工処理が施されてバリアブル印刷物が完成する。ここでいうバリアブル印刷とは、宛先などのように互いに異なる印刷内容と、年賀状のあいさつ文や広告の内容のように互いに共通の印刷内容とを組み合わせて複数の印刷物を作成する印刷形態を指し、互いに異なる印刷内容は、レコードと呼ばれる。以下では、このバリアブル印刷システムで行われるバリアブル印刷の一例として、送り先となる郵便番号、住所、氏名が記載され、さらにメッセージ文と画像が組みあわされて記載されている、冊子状のダイレクトメイル210を、所定の複数の送り先それぞれについて一部ずつ作成する場合について説明する。このダイレクトメイル210には、送り先についての情報である、郵便番号、住所、氏名と、個々の送り先に応じた画像とメッセージ文(以下、それぞれ個別画像、個別メッセージ文と呼ぶ)が記載されており、これら送り先の情報、個別画像、個別メッセージ文を除けば、どの送り先に送られるダイレクトメイル210にも共通のメッセージ文と画像(以下、それぞれ共通画像、共通メッセージ文と呼ぶ)が記載されている。従って、この例では、郵便番号、住所、氏名、個別画像、個別メッセージ文が、レコードに相当する。
【0021】
ダイレクトメイル210に記載される、郵便番号、住所、氏名についての情報は、パーソナルコンピュータ100にあらかじめ入力されている1つのエクセルファイル220中に、一覧となって記載されている。このエクセルファイル220の中から、郵便番号、住所、氏名の情報を表したデータがバリアブルアプリケーション10aにより取り出されて、この情報が、パーソナルコンピュータ100にあらかじめ入力されている個別画像210c、個別メッセージ文210dとともに、いずれの送り先についても共通の記載事項である共通画像210aおよび共通メッセージ文210bと組みあわされて、上述した実行データが作成される。この実行データは、レコードの内容がレコードごとに区分されて記載された、PPML(Personalized Print Markup Language)形式のデータであり、このPPML形式の実行データ(以下、PPMLデータと略す)には、各レコードの印刷位置、色、フォント等も規定されている。このPPMLデータに基づいて、個々の印刷物ごとに印刷内容を表した印刷用のラスターデータが、RIP(Raster Image Processor)10によって生成され、このラスターデータに基づき出力装置2170において出力が行われる。出力装置2170により画像が出力された複数枚の用紙210’は、後加工機2171により中央の点線2170aのところで、束にしてステープラー綴じや折りたたみ処理が施されて、冊子状になったダイレクトメイル210が完成する。ここで、個別画像の数やサイズ、個別メッセージ文の長さは、個々の送り先に応じて一般には異なっており、このため、出来上がったダイレクトメイル210の厚みと重さは、個々の送り先に応じてまちまちである。
【0022】
完成したダイレクトメイル210は、ダイレクトメイル210に記載された送り先が、封筒2100の透明部分2100aを通して外部から判読できる様態で封筒2100に入れられ、この状態でそれぞれの送り先に配達される。
【0023】
なお、上記の説明では、出力装置2170と後加工機2171とで、出力機能と後加工機能との機能分担が行われているが、上記のバリアブル印刷システムにおいて、出力装置2170と後加工機2171に代えて、1台で出力機能と後加工機能との両方を備えた装置を用いても、同様のバリアブル印刷が実行される。また、ここでは、実行データのフォーマットとしてPPML形式が採用されているが、本発明は、PPML形式以外のフォーマットも採用可能である。
【0024】
このバリアブル印刷システムのパーソナルコンピュータ100は、上述したPPMLデータを解析して、ダイレクトメイル210の厚みと重さを予測することができる。また、このバリアブル印刷システムには、出来上がったダイレクトメイル210について、厚みと重さを測定する計測装置2172が備えられており、計測装置2172の各測定値は、パーソナルコンピュータ100に入力されて、上述した、厚みと重さの各予測値と照合される。
【0025】
一般に、バリアブル印刷が行われる際には、出力装置や後処理装置の誤動作等が原因で、作成された印刷物において、ページの落丁や、ページの重複や、白紙状態のページの存在といった、印刷不良が起きることがある。特に、出力装置によって用紙上に画像が出力される際には、複数の用紙が静電気等によって互いに貼り付いて束になった状態で出力が行われてしまうことがあり、このように用紙が束になって一枚の用紙として扱われてしまうことは一般に重送と呼ばれている。重送が起きると、束になった用紙のうち一番上の用紙にのみ画像が出力されて残りの用紙は白紙状態となるため、印刷物が不必要にかさばってしまうという問題が生じる。
【0026】
図1のバリアブル印刷システムでは、出来上がったダイレクトメイル210についての、上述した測定値がそれぞれ予測値と照合されることで、印刷不良のダイレクトメイルが作成されていないかをチェックすることができる。このバリアブル印刷システムにおいて、パーソナルコンピュータ100が、本発明の印刷物検査装置の一実施形態として動作する。以下では、このパーソナルコンピュータ100について説明する。
【0027】
図2は、本発明の印刷物検査装置の一実施形態として動作するパーソナルコンピュータの外観斜視図、図3は、そのハードウェア構成図である。
【0028】
このパーソナルコンピュータ100は、後述するCPU、RAMメモリ、ハードディスク等を内蔵した本体部110、本体部110からの指示により表示画面121に画面表示を行なう画像表示装置120、このパーソナルコンピュータ100内にユーザの指示や文字情報を入力するためのキーボード130、表示画面121上の任意の位置を指定することによりその位置に応じた指示を入力するマウス140を備えている。
【0029】
本体部110は、さらにフレキシブルディスク(以下FDと略す)が装填されるFD装填口111、CD−ROMが装填されるCD−ROM装填口112を有しており、その内部には、装填されたFDやCD−ROMをドライブする、後述するFDドライブ、CD−ROMドライブも内蔵されている。
【0030】
本体部110の内部には、図3に示すように、各種プログラムを実行するCPU211、ハードディスク装置213に格納されたプログラムが読み出されCPU211での実行のために展開される主メモリ212、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置213、FD2140が装填され、その装填されたFD2140にアクセスするFDドライブ214、CD−ROM2150が装填され、その装填されたCD−ROM2150にアクセスするCD−ROMドライブ215が内蔵されている。これらの各種要素と、さらに、図2にも示す画像表示装置120、キーボード130、マウス140は、バス1200を介して相互に接続されている。また、パーソナルコンピュータ100の外部には、上述したように、出力を行うための出力装置2170が備えられており、パーソナルコンピュータ100から出力データを送るために、パーソナルコンピュータ100には入出力インタフェース216が内蔵されている。この入出力インタフェース216も、パーソナルコンピュータ100内部のハードウェアを構成する上述の各種要素と、バス1200を介して相互に接続されている。
【0031】
次に本発明の印刷物検査プログラムの一実施形態について説明する。
【0032】
本発明の印刷物検査プログラムの一実施形態が、例えばCD−ROM2150に記憶されている場合には、このCD−ROM2150がCD−ROM装填口112から本体110内に装填されると、そのCD−ROM2150に記憶された印刷物検査プログラムがCD−ROMドライブ215によりこのパーソナルコンピュータ100のハードディスク装置213内にインストールされる。そして、このハードディスク装置213内にインストールされた印刷物検査プログラムが起動されると、このパーソナルコンピュータ100は、本発明の印刷物検査装置の一実施形態として動作する。
【0033】
図4は、本発明の印刷物検査プログラムの一実施形態を示す図である。
【0034】
ここでは、この印刷物検査プログラム900は、CD−ROM2150に記憶されている。なお、本発明にいう印刷物検査プログラム900が記憶される記憶媒体としては、図4に示すCD−ROM2150のみならず、図3に示すハードディスク装置213やFD2140、図3および図4には不図示のDVDやMO等といった種々の記憶媒体が採用されうる。
【0035】
この印刷物検査プログラム900は、図2および図3に示すパーソナルコンピュータ100内で実行され、上述したように、そのパーソナルコンピュータ100を本発明の一実施形態として動作させるものであり、RIP生成部20、解析部21、計算部22、照合部23、印刷情報取得部24、計測情報取得部25、および表示制御部26を有している。
【0036】
この印刷物検査プログラム900の各要素の詳細な内容については、後で、パーソナルコンピュータ100内の各部の作用と一緒に説明する。
【0037】
図5は、図2および図3に示すパーソナルコンピュータを本発明の印刷物検査装置の一実施形態として動作させるためにこのパーソナルコンピュータ上に構築される要素と、それらの要素による作用の概略を表す図である。
【0038】
図4に示す印刷物検査プログラム900が図2および図3に示すパーソナルコンピュータ100にインストールされると、RIP10、解析部11、計算部12、照合部13、印刷情報取得部14、計測情報取得部15、および表示制御部16の各要素がパーソナルコンピュータ100上に構築され、このパーソナルコンピュータ100が本発明の印刷物検査装置の一実施形態として動作する。RIP10、記憶部11、抽出部12、表示制御部13、および印刷制御部14は、図4に示す印刷物検査プログラム900における、RIP生成部20、解析部21、計算部22、照合部23、印刷情報取得部24、計測情報取得部25、および表示制御部26それぞれによってパーソナルコンピュータ100上に構築されるものである。従って図4の各要素は図5の各要素に対応するが、この図5の各要素は、図2および図3に示すパーソナルコンピュータ100のハードウェアとそのパーソナルコンピュータ100で実行されるOSやアプリケーションプログラムとの組合せで構成されているのに対し、図4に示す印刷物検査プログラム900の各要素はそれらのうちのアプリケーションプログラムのみにより構成されている点が異なる。なお、図1に示すバリアブルアプリケーション10aについては、上述した、印刷物検査プログラム900によるインストールとは別に、あらかじめ、バリアブルアプリケーションインストール用の記録媒体を用いてインストールされる。
【0039】
以下では、図5に示す各要素と、各要素による作用の概略について説明する。
【0040】
バリアブルアプリケーション10aによりPPMLデータが作成されると、作成されたPPMLデータは、解析部11に入力される。ここで、このPPMLデータは、各送り先について共通する印刷内容(マスタ要素)を表すデータと、各送り先に応じて一般には異なっている印刷内容(バリアブル要素)をレコードごとに区分して表したデータとで構成されている。解析部11は、マスタ要素のデータを解析して、図1のダイレクトメイル210の仕上がりページサイズ(ダイレクトメイルの各ページ中で画像や文字が印字される印字領域のサイズ)を求め、さらに、各レコードのデータを解析して各レコードのページ数を求めて、ページサイズおよび各レコードのページ数についてのデータを計算部12に出力する。解析部11による解析が行われた後のPPMLデータは、RIP10により、個々の印刷物ごとに印刷内容を表した印刷用のラスターデータに変換されて、出力装置2170に送られる。そして、図1において上述したように、それぞれの送り先についてダイレクトメイル210が作成される。計測装置2172は、作成されたダイレクトメイル210の厚みと重さについて計測を行い、その計測値のデータ(計測情報)は、計測情報取得部15によって取得されて、照合部13に入力される。印刷情報取得部14は、ダイレクトメイル210作成の際の、両面出力/片面出力の選択、用紙片面に出力されるページ数といった出力方式についての情報や、用紙の坪量、用紙の厚み、用紙サイズといった用紙についての情報を取得し、取得された情報(印刷情報)は計算部12に入力される。計算部12は、解析部11によって求められた、仕上がりページサイズおよび各レコードのページ数のデータと、印刷情報取得部14によって取得された印刷情報とから、各送り先のダイレクトメイル210について、厚みと重さの予測値を、それぞれ計算によって求める。これら厚みと重さについての予測値は照合部13に入力され、この照合部13において、計測装置2172によって得られた計測値と照合される。照合部16は、予測値と計測値とが大きく外れているか否かを各送り先ごとに判定し、判定結果を表示制御部16に出力する。表示制御部16には、エクセルファイル220から、各送り先について、郵便番号、住所、氏名の情報を読み込み、上記の判定結果を、各送り先についての、郵便番号、住所、氏名の情報と対応付けて、画像表示装置120に表示させる。
【0041】
ここで、PPMLデータを取得するときの解析部11が、本発明にいうデータ取得部の一例に相当し、計算部12と、印刷情報取得部14と、PPMLデータを解析するときの解析部11とを合わせたものが、本発明にいう媒体量予測部の一例に相当し、計測情報取得部15が、本発明にいう計測値取得部の一例に相当する。また、照合部13が、本発明にいう判定部の一例に相当し、RIP10が、本発明にいう画像作成部の一例に相当する。
【0042】
ここで、エクセルファイル220の内容と、PPMLデータについて説明する。
【0043】
図6は、図5のエクセルファイルの内容を表した図、図7は、PPMLデータの構造を表した図である。
【0044】
図6に示すように、エクセルファイル220には、それぞれの送り先について、会員番号、郵便番号、住所、苗字、名前、および電話番号の情報が一覧となって記載されており、記憶部11に記憶されているエクセルデータは、これらの情報を表したデータである。この一覧のうち、点線で囲まれた、郵便番号、住所、苗字、名前の情報が、図1に示すように、ダイレクトメイル210上に記載される内容である。
【0045】
図5のコンピュータ100においては、各レコードの識別子として、上記の送り先についての情報のうち、図6の一点鎖線で囲まれた会員番号が用いられている。例えば、図6の点線内の一番上に位置する、郵便番号「330−0845」、住所「埼玉県…」、苗字「相川」、名前「奈々」となっている送り先の人物については、会員番号が「00101」であるので、この一番上の、郵便番号「330−0845」、住所「埼玉県…」、苗字「相川」、名前「奈々」のレコードは、「00101」のレコードとして認識される。具体的には、各レコードの識別子は、PPMLデータ中において、各レコードを表すデータの先頭において定義されている。
【0046】
図7に示すように、PPMLデータの先頭には、図1の共通画像210aや共通メッセージ文210bやレイアウトの情報といった、いずれの送り先についても共通の事項を表したマスタ要素のデータが記載されている。また、このマスタ要素のデータ中には、仕上がりページサイズ(ダイレクトメイルの各ページ中で画像や文字が印字される印字領域のサイズ)についての情報も記載されており、仕上がりページサイズは、図7に示す〈PAGE_DESIGN TrimBox=”0 0 11・・・97”/〉という文中の、2つの引用符「”」「”」の間に記載された数値の連なりによって表されている。
【0047】
また、マスタ要素のデータの下には、各レコードの内容を表すデータがレコードごとに区分され記載されている。上述したレコードの識別子は、例えば、会員番号が「00101」のレコードについては、図7の一番上に示す、「〈DOCUMENT_SET Label = ”00101”〉」のように、「〈DOCUMENT_SET Label =」の後の、2つの引用符「”」「”」の間の数字として定義される。また、この図に示すように、「〈DOCUMENT_SET Label = ”00101”〉」という文の後には、「00101」のレコードを表したデータが続いており、「〈/DOCUMENT_SET〉」という文によって、この「00101」のレコードを表したデータの記載が終了する。この「00101」のレコードの各ページのデータは、ページごとに、区分されて記載されており、それぞれのページのデータは、〈PAGE Label=・・・〉という文と、〈/PAGE〉という文で挟まれた領域に記載されている。図では、点線で囲ったデータブロックによって、この「00101」のレコードのページのデータが、各ページごとに区分されて記載されている様子が示されている。ここで、例えば、これらデータブロックの先頭の〈PAGE Label=”1”〉のような2つの引用符「”」「”」の間の数字は、各ページのデータに付けられた名称であり、この図では、「00101」のレコードの10ページ分のデータについて、各ページのデータの名称として、それぞれ1から10までの通し番号が用いられている。
【0048】
以上説明した「00101」のレコードと同様のデータ構成で、他のレコードも記載されている。ただし、上述したように、各レコードごとにページ数は一般に異なるので、上記のデータブロックの数は、レコードごとに異なるものとなっている。
【0049】
なお、ここでは、レコードの識別子として、会員番号が採用されているが、レコードの識別子は、会員番号以外の、例えば、「名前」や「電話番号」であってもよく、また、エクセルファイル中に記載されている順番(例えば、10番目)をそのまま識別子として用いてもよい。このように、どの情報を識別子として採用するかは、ユーザによるバリアブルアプリケーション10aの設定によって決定される。ただし、識別子としては、レコードを互いに識別する上で識別力のあるものが好ましく、ここで識別子として用いられている会員番号は、送り先ごとに異なるものであるとして説明を行う。
【0050】
次に、ダイレクトメイルの厚みおよび重さについてチェックが行われる際の、図5の各部の動作について詳しく説明する。
【0051】
図8は、ダイレクトメイルの厚みおよび重さについてチェックが行われる際の、図5の各部の動作を表したフローチャ−トである。
【0052】
ダイレクトメイルの厚みおよび重さについてチェックが行われる際には、図5の印刷情報取得部14が、図1のダイレクトメイル210作成の際の、出力方式(両面出力あるいは片面出力、用紙片面に出力されるページ数)の設定情報や、用紙の坪量、用紙の厚み、用紙サイズの用紙情報といった印刷情報を取得する(ステップS1)。ここで、ダイレクトメイル210の作成に先立ち、出力方式の指定と出力に用いられる用紙の種類の指定のために、ユーザにより出力装置2170の出力設定が行われており、上記の印刷情報の取得は、印刷情報取得部14が、この出力設定から、ユーザにより指定された出力方式の情報を取得し、さらに、あらかじめ印刷情報取得部14に記憶されている、色々な種類の用紙についての、坪量、用紙の厚み、用紙サイズを表したテーブルを参照して、上記の出力設定で指定された種類の用紙について、坪量、用紙の厚み、用紙サイズの情報を取得することによって行われる。取得された印刷情報は、図5の計算部12に入力される。
【0053】
バリアブルアプリケーション10aによりPPMLデータが作成されると、図5の解析部11が、図7のPPMLデータ中のマスタ要素を表すデータを解析して、図7に示す〈PAGE_DESIGN TrimBox=”0 0 11・・・97”/〉の記載から、仕上がりページサイズを求める。さらに、解析部11は、各レコードのデータを解析して、図7に示したような、〈PAGE Label=・・・〉という文と、〈/PAGE〉という文で挟まれた、各ページのデータを表す領域がいくつ存在するかを各レコードごとにカウントして各レコードのページ数を求める(ステップS2)。求められた仕上がりページサイズおよび各レコードのページ数は、図5の計算部12に入力される。
【0054】
計算部12は、印刷情報取得部11から入力された印刷情報と、解析部12から入力された仕上がりページサイズおよび各レコードのページ数の情報とに基づき、ダイレクトメイルの厚みと重さの予測値を、送り先それぞれについて、以下の手順で計算する(ステップS3)。
【0055】
まず、計算部12は、ダイレクトメイルの作成に必要とされる用紙枚数の予測値を計算する。例えば、図1の用紙210’のように用紙片面に2ページ分出力することが設定されており、さらに両面出力が設定されている状況では、用紙枚数の予測値は、下記の式で計算される。
用紙枚数の予測値=(レコードのページ数+3)/4の小数点以下を切り捨てた整数値
例えば、レコードのページ数が10ページならば、用紙枚数は、上式により、13/4=3.25の小数点以下を切り捨てて3枚と求まる。ここで、上式において、4で割っているのは、用紙片面に2ページ分出力する設定であって、さらに両面出力が設定されているため、用紙1枚につき4ページ出力できるためである。また、レコードのページ数に3を加えているのは、レコードのページ数が4で割り切れない場合に存在する、両面の全ての領域にページが出力されない最後の用紙1枚分をカウントするためである。
【0056】
また、片面出力で用紙片面に2ページ分出力する設定や、両面出力で用紙片面に1ページ分出力する設定では、用紙枚数の予測値は、下記の式で計算される。
用紙枚数の予測値=(レコードのページ数+1)/2の小数点以下を切り捨てた整数値
なお、片面出力で用紙片面に1ページ分出力する設定では、用紙枚数の予測値は、レコードのページ数と同じになる。
【0057】
ダイレクトメイルの作成に必要とされる用紙枚数の予測値が得られると、次に、計算部12は、ダイレクトメイルの厚みと重さの予測値を、用紙枚数の予測値を用いて下記の式で計算する。
厚みの予測値=(用紙の厚み)×(用紙枚数の予測値)
重さの予測値=(坪量)×(用紙サイズ)×(用紙枚数の予測値)
ここで、図1の後加工機2171によるステープラー綴じの際のステープラーの針の重みは微小であるため、重さの予測値の計算においては無視されている。計算部12の計算によって得られた、各送り先についてのダイレクトメイルの、厚みと重さの予測値は、照合部13に入力される。
【0058】
一方、解析部11によるPPMLデータの解析が行われた後には、このPPMLデータに基づきラスターデータが作成されて、出力装置2170および後加工機2171により、それぞれの送り先について、図1に示すように冊子状になったダイレクトメイル210が完成しており、さらに、計測装置2172により、完成したダイレクトメイル210の厚みと重さについての計測が行われている。計測情報取得部15は、この計測装置2172による、各送り先のダイレクトメイル210についての計測作業の進行に対し、リアルタイムでダイレクトメイル210の厚みと重さについての計測値のデータ(計測情報)を取得する(ステップS4)。取得された計測情報は、照合部13に入力される。
【0059】
照合部13は、送り先それぞれについて、計測情報中に記載されている、ダイレクトメイル210の厚みと重さについての計測値を、計算部22によって計算された、ダイレクトメイルの厚みと重さの予測値と照合し、それぞれの計測値について、計測値と予測値とのずれが所定量以下であるかどうかを調べる。さらに、照合部13は、ダイレクトメイルの重さの予測値を、あらかじめ照合部13内に記憶されている郵便物料金表に記載された数値と照合することで、ダイレクトメイルの郵送料を算定する(ステップS5)。この郵便物料金表は、郵便物の重さに応じた郵便料金を記載したものであり、郵便局で配布されているものと同じものである。
【0060】
なお、ダイレクトメイルは、郵便物の大きさのカテゴリーでは、定形外に属することが多く、また、厚みが極端に大きいことは稀であるので、ここでは、ダイレクトメイルの重さの予測値に基づいてダイレクトメイルの郵送料を、普通郵便の料金で算定する場合を例として説明する。しかし、分厚いダイレクトメイルが作成されるような状況では、コンピュータ100は、上記の照合部13に代えて、ダイレクトメイルの厚みの予測値に基づき、普通郵便のカテゴリーに入るか、郵便小包のカテゴリーに入るかも判定できる照合部を採用することで、郵便小包で送る場合までも含めて郵送料の算定を行うこともできる。また、小さな冊子のダイレクトメイルを作成する状況では、コンピュータ100は、上記の照合部13に代えて、印刷情報取得部14から、用紙サイズのデータと、用紙片面に出力するページ数のデータとを取得し、それらのデータに基づき郵便物の大きさ(広さ)を求めて、ダイレクトメイルの大きさが定形外か定形かを判別する照合部を採用することで、定形外か定形かに応じてダイレクトメイルの郵送料を算定することもできる。
【0061】
照合部13によって得られた照合結果と郵送料の値は、図5の表示制御部16に送られる。また、表示制御部16は、図5および図6に示すエクセルファイル220から、各送り先について、郵便番号、住所、氏名のデータを取得しており、それらのデータと、上記の照合結果と郵送料の値とを対応付けて、画像表示装置120に表示させる(ステップS6)。なお、この対応付けには、識別子となる会員番号の数字が用いられる。
【0062】
図9は、図8の画像表示装置に表示される、照合結果と郵送料を表した照合結果表示ウィンドウである。
【0063】
図9に示すように、表示欄304には、送り先となる、郵便番号、住所、氏名の右側に、郵送料と照合結果とが表示される。ここで、照合結果は、ダイレクトメイルの厚みと重さの計測値のうち、いずれかの計測値が、対応する予測値から所定量よりも大きくずれている場合には、印刷不良として「×」が記載され、どの計測値についても予測値からのずれが所定量以下であれば印刷良好として「○」が記載される。
【0064】
表示欄304の下には、「印刷不良のものだけ表示」ボタン305と、「全て表示」ボタン306が備えられている。ユーザは、「印刷不良のものだけ表示」ボタン305を、図2および図3に示すマウス140を用いてクリックすることで、印刷不良の送り先についてのみ郵送料と照合結果を表示させることもできるし、また、「全て表示」ボタン306をクリックすることで、全ての送り先について郵送料と照合結果を表示させることもできる。この図では、「全て表示」ボタン306をクリックされたときの状態が示されている。
【0065】
このように、郵送料と照合結果の表示により、ユーザは、印刷不良となったダイレクトメイルがどの送り先に送られるものなのかを把握することができ、また、同時に、各送り先についての郵送料も把握することができる。
【0066】
なお、以上の説明では、図9の表示欄304には、ダイレクトメイルに記載される、郵便番号、住所、氏名の全ての情報が表示されているが、本発明では、表示される内容は、ユーザが印刷不良となった印刷物を特定できるのに十分な情報量を有するものであればよく、例えば、印刷物に記載されるレコードの情報の一部が表示されるものであってもよい。
【0067】
また、以上の説明では、図5の計測装置2172は、ダイレクトメイルの厚みと重さを計測し、ダイレクトメイルの厚みと重さについて予測値と計測値の比較が行われたが、本発明は、本発明にいう印刷媒体の量として、印刷物の厚みと重さに加えて印刷物の用紙枚数についての計測値も取得し、この計測値を、例えば上述した方式で求められた用紙枚数の予測値と比較することで、出力が正常か否かを判定するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態が適用されるバリアブル印刷システムの構成図である。
【図2】本発明の印刷物検査装置の一実施形態として動作するパーソナルコンピュータの外観斜視図である。
【図3】本発明の印刷物検査装置の一実施形態として動作するパーソナルコンピュータのハードウェア構成図である。
【図4】本発明の印刷物検査プログラムの一実施形態を示す図である。
【図5】図2および図3に示すパーソナルコンピュータを本発明の印刷物検査装置の一実施形態として動作させるためにこのパーソナルコンピュータ上に構築される要素と、それらの要素による作用の概略を表す図である。
【図6】図5のエクセルファイルの内容を表した図である。
【図7】PPMLデータの構造を表した図である。
【図8】ダイレクトメイルの厚みおよび重さについてチェックが行われる際の、図5の各部の動作を表したフローチャ−トである。
【図9】図8の画像表示装置に表示される、照合結果と郵送料を表した照合結果表示ウィンドウである。
【符号の説明】
【0069】
10 RIP
10a バリアブルアプリケーション
11 解析部
12 計算部
13 照合部
14 印刷情報取得部
15 計測情報取得部
16 表示制御部
20 RIP生成部
21 解析部
22 計算部
23 照合部
24 印刷情報取得部
25 計測情報取得部
26 表示制御部
100 パーソナルコンピュータ
110 本体部
111 FD装填口
112 CD−ROM装填口
120 画像表示装置
121 表示画面
130 キーボード
140 マウス
1200 バス
210 ダイレクトメイル
210’ 用紙
210a 共通画像
210b 共通メッセージ文
210c 個別画像
210d 個別メッセージ文
220 エクセルファイル
2100 封筒
2100a 透明部分
2170a 点線
211 CPU
212 主メモリ
213 ハードディスク装置
214 FDドライブ
2140 FD
215 CD−ROMドライブ
2150 CD−ROM
216 入出力インタフェース
2170 出力装置
2171 後処理装置
2172 計測装置
300 照合結果表示ウィンドウ
304 表示欄
305 「印刷不良のものだけ表示」ボタン
306 「全て表示」ボタン
900 印刷物検査プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数バージョンの印刷物を表した印刷データを取得するデータ取得部と、
前記印刷データに従って前記複数バージョンの印刷物を印刷媒体を用いて出力する出力装置によって出力される各印刷物における印刷媒体の量を、該印刷データを解析することで予測する媒体量予測部と、
前記出力装置が出力した前記複数バージョンの印刷物それぞれにおける印刷媒体の量を計測する計測装置から計測値を取得する計測値取得部と、
前記媒体量予測部で予測された印刷媒体の量と、前記計測値取得部で取得された計測値(が表す印刷媒体の量)とを比較することで、前記出力装置による各印刷物の出力が正常か否かを判定する判定部とを備えたことを特徴とする印刷物検査装置。
【請求項2】
前記印刷データが、前記複数バージョンの印刷物を構成する画像に、該複数バージョン間で共通に用いられて配置されるマスタ要素と、該画像に、該複数バージョンそれぞれで個別に用いられて配置されるバリアブル要素とを別々に表したものであり、
前記データ取得部で取得された印刷データが表したマスタ要素とバリアブル要素とを組みあわせて前記複数バージョンの印刷物を構成する画像を作成する画像作成部を備えたことを特徴とする請求項1記載の印刷物検査装置。
【請求項3】
コンピュータシステムに組み込まれ、そのコンピュータシステム上に、
複数バージョンの印刷物を表した印刷データを取得するデータ取得部と、
前記印刷データに従って前記複数バージョンの印刷物を印刷媒体を用いて出力する出力装置によって出力される各印刷物における印刷媒体の量を、該印刷データを解析することで予測する媒体量予測部と、
前記出力装置が出力した前記複数バージョンの印刷物それぞれにおける印刷媒体の量を計測する計測装置から計測値を取得する計測値取得部と、
前記媒体量予測部で予測された印刷媒体の量と、前記計測値取得部で取得された計測値(が表す印刷媒体の量)とを比較することで、前記出力装置による各印刷物の出力が正常か否かを判定する判定部とを構築することを特徴とする印刷物検査プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−250881(P2008−250881A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94291(P2007−94291)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】