説明

印刷装置、データ変換装置、及び印刷方法

【課題】個人情報の流出を従来以上に防止すると共に、試し刷りの目的を十分に達成する
こと。
【解決手段】供給されるデータを処理して印刷用のデータを生成する制御部11を有する
PC2とプリンタ3から構成される印刷装置1において、制御部11は、文字情報を認識
すると文字情報が表示する文字列の代わりに、画数を基準として抽出された文字列であっ
て、文字列とは対応関係が一定とはならない新文字列を試し刷り用のデータとして生成す
るようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置、データ変換装置、及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置、特に大型の印刷装置を使用してカラー画像を含んだ印刷を行なう場合
、色合いや文字品質などの印刷品質を確認するために、試しに印刷をする、または、それ
らの印刷の品質が安定するまでに数十枚ほどを試しに印刷をすること(以下、これらの行
為を「試し刷り」という)が行われている。この試し刷りの際、その印刷しようとするも
のに個人情報が記載されていても、そのまま印刷を行なっているため、その個人情報が多
数の人にさらされる危険性があった。
【0003】
このような危険性をなくす技術として特許文献1記載の技術が存在する。特許文献1記
載の技術では、テキスト中に個人情報や機密情報と推測される箇所をテキストの文字列の
中から抽出し、これらが分からないように伏字処理を行なう。この伏字処理を行なう際に
は、抽出された固有表現を構成する文字列と属性が対応する単語を選択する。また、同一
の固有表現は必ず同一の伏字表現となるような対応関係を保持する。その結果、特許文献
1記載の技術においては、変換前の文字列の構文構造や意味情報などの必要な情報が伏字
処理部分に付与されることになるため、伏字処理部分に2次加工処理を行なう場合であっ
ても変換前の文書との整合性を保つことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−331329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の言語処理装置で、上述したような色合いおよび/また
は文字品質などの印刷品質を見るための試し刷りをする際には次のような問題が発生する
。すなわち、試し刷りでは、複雑な文字や簡単な文字などいろいろな種類の文字が必要と
なるが、特許文献1記載の言語処理装置では、このような要望に応えることができない。
また、元の表現と伏字との対応関係が一定であるため、伏字から元の文字を推測できる可
能性が生ずる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、個人情報の流出を従来以上に
防止すると共に、試し刷りの目的を十分に達成することができる印刷装置、データ変換装
置、及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の印刷装置は、供給されるデータを処理して印刷用のデータを生成する
制御部を有する印刷装置において、制御部は、文字情報を認識すると文字情報が表示する
文字列の代わりに、画数を基準として抽出された文字列であって、文字列とは対応関係が
一定とはならない新文字列を試し刷り用のデータとして生成することを特徴とする。
【0008】
このような印刷装置は、個人情報の流出を従来以上に防止すると共に、試し刷りの目的
を十分に達成することができる。
【0009】
また、新文字列は、その文字数がNで画数の種類数がMの場合、N<Mのときの新文字
列は全て異なる画数からなる文字列とすることが好ましい。
【0010】
このような印刷装置は、全て異なる画数からなる文字列に置換されるため、文字品質の
確認がしやすくなる。
【0011】
また、新文字列は、画数の種類数がMの場合、画数の小さいものから並べた場合の順序
がM/2、(M+2)/2または(M+1)/2のいずれかが最初に印刷される文字で、
次に印刷される字は、最も小さい画数または最も大きい画数の字となる文字列であること
が好ましい。
【0012】
このような印刷装置は、上述した効果に加え、記憶部に記憶されている文字のうち中間
値となる画数、最小値となる画数、最大値となる画数をそれぞれ認識された順番に割り当
てることで、画数の異なる文字がまんべんなく採用されるようなり、置換された文字列に
おいて文字品質などの印刷品質を確かめることが可能となる。
【0013】
また、制御部は、供給されるデータに含まれる文字情報を認識する文字認識部と、文字
認識部によって認識された文字の順番に従って選択される文字の画数が決められている置
換文字画数決定テーブルと、画数から置換する文字を選択すると共に、文字認識部により
認識された文字すべてを置換する文字置換部と、を備えていることが好ましい。
【0014】
このような印刷装置は、上述した効果に加え、文字認識部で認識された文字情報と、置
換文字画数決定テーブルを参照して得た画数により、認識された文字をすべて置換するこ
とができる。
【0015】
また、置換する文字が画数毎に所定のメモリアドレス領域内に格納されている記憶部を
有し、文字置換部は、置換文字画数決定テーブルを参照して決定された画数に対応する上
記記憶部のメモリアドレス領域内に記憶されている文字の中からランダムに選択して置換
する文字を決定することが好ましい。
【0016】
このような印刷装置は、上述した効果に加え、ランダムに置換する文字を決定するため
、同一の画数であっても毎回選択される文字も異なり、置換する文字の変換処理の規則が
見破られにくくなる。また、同一画数の文字同士であっても文字品質の差がある場合も存
在するため、同一の文字が毎回選択されないようにすることができる。
【0017】
本発明の一側面のデータ変換装置は、出力情報の仮出力を行なうことができるデータ変
換装置であって、出力情報に含まれる文字を認識する文字認識部と、文字認識部によって
認識された文字の順番に従って選択される文字の画数が決められる置換文字画数決定テー
ブルと、画数から置換する文字を選択すると共に、文字認識部により認識された文字すべ
てを置換する文字置換部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
このようなデータ変換装置は、個人情報の流出を従来以上に防止すると共に、試し刷り
の目的を十分に達成することができる。
【0019】
本発明の一側面の印刷方法は、供給されるデータを処理して印刷用のデータを生成する
印刷方法であって、供給されるデータに含まれる文字情報を認識するステップと、文字情
報が表示する文字列の代わりに、画数を基準として抽出された文字列であって、文字列と
は対応関係が一定とはならない新文字列を試し刷り用のデータとして生成するステップと
、を有することを特徴とする。
【0020】
このような印刷方法は、個人情報の流出を従来以上に防止すると共に、試し刷りの目的
を十分に達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る印刷装置、データ変換装置および印刷方法について添
付図面を参照しながら説明する。なお、データ変換装置および印刷方法は、印刷装置の構
成についての詳細な説明および印刷装置の動作の説明と併せて行なうこととする。また、
以下でいう本発明の第1実施形態に係る印刷装置1は、PC2と、プリンタ3との組み合
わせを指すものとするが、以下の説明において述べる機能を全て備えるプリンタであれば
、当該プリンタを印刷装置1としても良い。すなわち、後述する制御部11をプリンタ3
内に備えるものとしてもよい。また、各図において対応する構成要素には同一の符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態としてのPC2及びプリンタ3の構成例を示すブロック
図である。また、図1には、試し刷りを実行するためのPC2の制御部11の機能的構成
も示している。なお、これらの機能は、制御部11が、HDD12に格納されているプリ
ンタドライバプログラム14などをRAM(図示せず)に読み出して実行することにより
実現可能となる。まず、PC2の構成を説明し、その後にプリンタ3の構成を説明するこ
ととする。
【0023】
(PC2の構成)
PC2は、ユーザが指定したオブジェクトなどのRGB各色階調値によって表現された
画像データや文字情報のデータを、プリンタ3で印刷可能な各色ドットの形成有無によっ
て表現された印刷用のデータとして生成すると共に、当該印刷用のデータをプリンタ3に
供給する装置である。また、PC2は、制御部11とHDD12とを主要な構成要素とし
ている。なお、PC2は、キーボードやポインティングデバイスなどからなる操作部15
とドットマトリクスディスプレイなどからなる表示部16とを介して操作される。
【0024】
制御部11は、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Un
it)、及びI/O(いずれも図示せず)などで構成されている。また、制御部11は、例
えばHDD12に保持されている後述するプログラムをRAMに読み出して実行すること
により、ユーザが指定したオブジェクトをプリンタ3に印刷させることができる。
【0025】
記憶部としてのHDD12には、オペレーティングシステム(図示せず)、後述するプ
リンタドライバプログラム14などの各種のコンピュータプログラムが記録されている。
【0026】
プリンタドライバプログラム14は、操作部15からの印刷実行命令に従って、プリン
タ3を制御し、印刷処理を実行させるアプリケーションプログラムである。また、プリン
タドライバプログラム14は、試し刷り用の印刷データを生成すると共に、プリンタ3に
当該印刷データを印刷させることができるプログラムである。なお、これらの機能は、プ
リンタドライバプログラム14をRAMに読み出して実行することにより実現可能となる
。すなわち、請求項の文字認識部、文字置換部、置換文字画数決定テーブルはこのプリン
タドライバプログラム14によって実現される。
【0027】
また、プリンタドライバプログラム14は、文字認識モジュール14aと、文字置換モ
ジュール14bと、置換文字画数決定テーブル14cと、ジョブ生成部14dと、スプー
ルキュー14eと、印刷制御部14fと、を主要な構成要素としている。
【0028】
また、プリンタドライバプログラム14には、図示しないがその他にもRGB(Red,G
reen,Blue)表色系の画像データの解像度を、プリンタ3の印刷解像度に応じて適宜変換
する解像度変換モジュール、RGB表色系によって表現されている画像データを、色変換
テーブルを参照して、CMYK(Cyan,Magenta,Yellow,Black)表色系の画像データに
変換する処理を行なう色変換モジュール、CMYK表色系によって表された画像データを
、ディザマトリクスおよび記録率テーブルを参照して、2値または多値のドットの組み合
わせからなるビットマップデータに変換するハーフトーンモジュール、ハーフトーン処理
後のビットマップデータから、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副
走査送り量を示すデータとを含む印刷データを生成する印刷情報生成モジュールなど、印
刷データを生成するために必要な機能を備えたモジュールも備えている。
【0029】
文字認識モジュール14aは、ユーザから指定された画像データやテキストデータが供
給されると当該データに含まれる文字を抽出するモジュールである。また、文字認識モジ
ュール14aは、認識した文字について認識順に選択番号を生成すると共に、HDD12
もしくはRAMに記憶するモジュールである。なお、文字認識モジュール14aは、供給
されるデータから文字を抽出できるプログラムであればよく、たとえば特開2003−1
08924号で開示される文字認識技術などを採用してもよい。なお、入力されるデータ
が画像データではなく、テキストデータである場合には、特開2003−108924号
で開示される文字認識技術などを使用する必要はなく、そのままの文字データを取得すれ
ばよい。
【0030】
文字置換モジュール14bは、文字認識モジュール14aで認識された文字すべてをそ
れぞれ所定の文字に置換する処理を行なうモジュールである。文字置換モジュール14b
は、認識した文字すべてをそれぞれ所定の文字に置換するために置換文字画数決定テーブ
ル14cを参照する。なお、文字置換モジュール14bが置換文字画数決定テーブル14
cを参照して、置換文字を決定する詳細な処理については、後述する置換文字画数決定テ
ーブル14cの説明と共にする。
【0031】
置換文字画数決定テーブル14cは、画像データやテキストデータから抽出された文字
を他の文字へ置換する際に参照されるテーブルであり、文字認識モジュール14aで認識
された文字の順番に従って対応する画数が格納されているテーブルである。なお、置換文
字画数決定テーブル14cに記憶されている文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、アルフ
ァベット、記号、数字などが含まれる広い概念であり、それらを画数により分類してHD
D12に記憶されている。なお、上記以外の外国の文字(たとえばアラビア文字など)が
含まれていてもよい。
【0032】
ジョブ生成部14dは、ユーザによって指定される任意のオブジェクトを印刷するため
の印刷ジョブ、試し刷り実行命令に従って試し刷り用の印刷データを印刷するための印刷
ジョブなどを生成することができる。スプールキュー14eは、ジョブ生成部14dによ
り生成されたジョブを一時的に格納するバッファを構成する。
【0033】
印刷制御部14fは、スプールキュー14eに格納されているジョブを順次取り出して
実行する。すなわち印刷制御部14fは、ジョブを構成しているコマンドをプリンタ3に
送信することによってプリンタ3を制御し、ジョブに設定されているオブジェクトや試し
刷り用印刷データをプリンタ3において印刷させる。
【0034】
(プリンタ3の構成)
次にプリンタ3の構成について説明する。プリンタ3は、PC2から供給されたデータ
に基づく画像や文字を、給紙される用紙に印刷することができる、いわゆるダイレクトプ
リントに対応したカラーインクジェットプリンタである。また、プリンタ3は、プリンタ
制御部21、印字部22、及び送紙部23を主要な構成要素としている。
【0035】
プリンタ制御部21は、RAM、ROM(Read Only Memory)、CPU、及びI/O
(いずれも図示せず)などで構成されている。プリンタ制御部21は、PC2からの指示
に応じて、各部を制御し、印刷処理などを実行させることができる。
【0036】
印字部22は、印字ヘッド22a、印字ヘッド22aを用紙の搬送方向に対して垂直な
方向に移動させる駆動機構及びモータ(共に図示せず)などで構成されており、プリンタ
制御部21の制御に従って、印字オブジェクトの画像をインクジェット方式で用紙に形成
する。
【0037】
送紙部23は、用紙を搬送するためのローラ23a、モータ(図示せず)、用紙を裁断
するためのカッター23bなどで構成されており、プリンタ制御部21の制御に従って、
用紙を搬送する。
【0038】
(置換文字画数決定テーブルの構成)
図2は、図1に示す印刷装置1中の置換文字画数決定テーブル14cの例を表す概念図
である。図2に示すように、置換文字画数決定テーブル14cには文字認識モジュール1
4aで認識された順番を示す「選択順番」と、その「選択順番」に対応付けられた「画数
」が格納されている。たとえば、選択順番が「1番目」の項目には画数が「15画」の文
字が対応付けられており、選択順番が「2番目」の項目には、画数が「30画」の文字が
対応付けられており、選択順番が「3番目」の項目には、画数が「1画」の文字が対応付
けられており、選択順番が4番目以降も同じように画数がそれぞれ対応づけられているこ
とを示している。
【0039】
このように、置換文字画数決定テーブル14cは、選択順番が確定すると、文字の画数
を決定できるデータ構造となっている。なお、選択順番と画数の関係は、図3に示すよう
に、たとえば印刷装置1に記憶されている文字の画数が1画〜30画までそれぞれ存在す
るとした場合、最大画数は「30画」であるため、選択順番の1番目には、その中間値で
ある「15画」が割り当てられている。また、2番目には一番画数が多い「30画」が割
り当てられ、3番目には一番画数が少ない「1画」を割り当てられている。以下、中間値
(図2では15画)と最大値(図2では30画)との中間にあたる値(図2では22画)
を選択順番の4番目に割り当て、続いて中間値(15画)と最小値(1画)との中間にあ
たる値(図2では8画)となるように割り当てられている。なお、選択順番が6番目以降
は、画数が交互に増減するようにかつ従前に置換されたものの中間に位置する画数のもの
が割り当てられている。
【0040】
この関係を一般化すると次のようになる。画数の種類数(パターン)をMとすると、画
数の小さい順に並べた場合の順番は、1〜Mの順番にそれぞれの文字の画数が対応づけら
れることになる。そして、図3の場合のように、原文字列の最初の文字に対応する選択順
番の「1」に対応づけられている画数(つまり新文字列の最初の文字を決定するための画
数)は、[M/2]番目となる15番目に該当する15画が選択される。なお、新文字列の
最初の文字を決定するための画数は[M/2]番目のものではなく、[(M+2)/2]番目
のものとしてもよい。この例では、[(30+2)÷2=16]で16番目に該当する16
画としてもよい。また、Mが奇数となる場合には(たとえばM=33やM=55など)、
[(M+1)/2]番目の値がちょうど中間値となり好ましい。また、新文字列の2番目に
該当する文字を最大画数のものとし、3番目に該当する文字を最小画数のものとしたが、
両者を入れ替えるようにしてもよい。
【0041】
(置換文字選択決定処理)
続いて、置換文字画数決定テーブル14cを参照して決定された画数から置換文字を選
択して決定する処理について説明する。文字置換モジュール14bは、置換文字画数決定
テーブル14cで決定された画数に基づいて、HDD12のメモリマップを参照して置換
文字を選択して決定する。
【0042】
図4は、図1に示す印刷装置1中のHDD12に格納されている置換文字のメモリマッ
プを概念的に示した図である。図4に示すように、画数毎にメモリアドレス領域が割り振
られている。たとえば、1画の文字が格納されているメモリアドレスは0x000000
00から0x00010000までであり、2画の文字が格納されているメモリアドレス
は0x00010001から0x00020000までであり、3画の文字が格納されて
いるメモリアドレスは0x00020001から0x00030000」までであり、4
画目以降の文字も同様に規定されている。
【0043】
このメモリアドレス領域内に文字が格納されており、文字置換モジュール14bは、乱
数などを用いて、置換文字画数決定テーブル14cを参照して得られた画数に該当するメ
モリアドレスから文字を選択して置換文字として決定することができる。また、文字認識
モジュール14bで認識された文字数(N)が画数の種類数(M)より少ないときは(N
<M)、置換文字画数決定テーブル14cを参照して、新文字列が全て異なる画数からな
る文字列となるようにしている。なお、置換文字画数決定テーブル14cは、図2に示す
ように選択順番が30番までの場合を例示したが、文字置換モジュール14bは、認識さ
れた文字数が30文字以上の場合は、再び置換文字画数決定テーブル14cの選択順番1
に戻って、画数を決定することとしてもよい。
【0044】
(文字置換モジュールの動作)
図5は、図1に示す印刷装置1中の文字置換モジュール14bが置換する文字を選択し
て決定する流れを示すフローチャートである。
【0045】
START:文字置換モジュール14bは、置換文字画数決定テーブル14cを参照し
て画数が決定すると、置換文字を設定する処理を開始し、ステップS1の処理へ移行する

【0046】
ステップS1:文字置換モジュール14bは、HDD12のメモリマップを参照して、
該当するメモリアドレス領域を決定し、ステップS2の処理へ移行する。
【0047】
ステップS2:文字置換モジュール14bは、該当するメモリアドレス領域内で乱数を
生成し、ステップS3の処理へ移行する。
【0048】
ステップS3:文字置換モジュール14bは、該当するメモリアドレス領域内で乱数を
生成した結果のメモリアドレスに文字が格納されているか否かを判定する。文字置換モジ
ュール14bは、文字がある場合には(ステップS3でYES)、ステップS4の処理へ
移行する。一方、文字置換モジュール14bは、文字がない場合(ステップS3でNO)
には、ステップS2の処理へ戻り、再び乱数を生成する。
【0049】
ステップS4:文字置換モジュール14bは、ステップS3で選択した画数の文字を置
換文字としてRAMに読み込む(設定する)。
【0050】
このような置換文字画数決定テーブル14cおよび文字置換モジュール14bを備えた
印刷装置1とすると、HDD12に記憶されている文字のうち中間値の画数、最大値とな
る画数、最小値となる画数をそれぞれ順番に割り当て、それ以降も画数の大小が交互に増
減するように割り当てることで、画数の異なる文字がまんべんなく採用されるようなり、
置換された新文字列において文字品質などの印刷品質を確かめることが可能となる。
【0051】
また、文字置換モジュール14bは乱数により置換する文字を決定するため、同一の画
数であっても毎回選択される文字も異なり、置換する文字の変換処理の規則が見破られに
くくなる。また、同一画数の文字同士であっても文字品質の差がある場合も存在するため
、同一の文字が毎回選択されないようにしている。また、画数により格納されている文字
の個数が異なり、未使用領域のアドレス空間が存在した場合でも、文字が見つかるまで探
索処理を行なうため(ステップS2,S3)、必ず置換文字を選択して決定することがで
きる。
【0052】
(試し刷り処理)
続いて、印刷装置1としてのPC2およびプリンタ3が協働して実行する試し刷り処理
について説明する。図6は、図1に示す印刷装置1が実行する試し刷り処理の実行に先立
って表示部16に表示されるダイアログボックス30の表示例を示す図である。
【0053】
図6に示すダイアログボックス30は、プリンタドライバプログラム14のジョブ生成
部14dにより表示されるものであって、ユーザが試し刷りの実行を要求したときに表示
される。このダイアログボックス30は、選択部31と数量設定ボタン32とOKボタン
33から構成されている。
【0054】
選択部31は、試し刷りを選択するときに操作される。数量設定ボタン32は、試し刷
りを行なう枚数を設定するボタンである。OKボタン33は、各選択部での選択内容を確
定して、試し刷りを実行させるときに操作される。図6の例では、印刷データの試し刷り
を実行することが選択されている。この設定によれば、試し刷り用の印刷データが100
部印刷される。
【0055】
図7は、図1に示す印刷装置1が実行する試し刷り処理の流れを示すフローチャートで
ある。以下、各ステップについて説明する。
【0056】
START:制御部11は、印刷データが入力されると処理を開始し、ステップS11
の処理へ移行する。
【0057】
ステップS11:制御部11は、試し刷り処理であるか否かを判定する。具体的には、
図6の例に示すようなダイアログボックス30を表示部16に表示させ、ユーザが操作部
15を操作して試し刷りを選択すると、操作部15に試し刷り実効命令が供給される。試
し刷り実効命令が供給された制御部11は、プリンタドライバプログラム14をRAMに
読み出して、ステップS12の処理へ移行する。
【0058】
ステップS12:制御部11は、対象となるデータに含まれるすべての文字を抽出する
処理を文字認識モジュール14aで行い、ステップS13の処理へ移行する。
【0059】
ステップS13:制御部11は、文字認識モジュール14aで認識されたすべての文字
および認識された順番をそれぞれRAMに記憶することにより文字数をカウントして、ス
テップS14の処理へ移行する。
【0060】
ステップS14:制御部11は、認識された文字をすべて所定の文字へと置換するため
に、ステップS12で認識された文字の順番に従って文字の画数を選択すると共に、その
画数に対応した文字を抽出し置換文字として決定し、ステップS15の処理へ移行する。
【0061】
ステップS15:制御部11は、供給されたデータから抽出した文字列である原文字列
に対応する置換文字からなる新文字列の中のすべての文字が決定されると、試し刷り用の
印刷データを生成するためにその決定された置換文字をRAMから読み込んで、ステップ
S16の処理へ移行する。
【0062】
ステップS16:制御部11は、原文字列を新文字列に変換して、試し刷り用の印刷デ
ータを生成する。なお、ジョブ生成部14dは、試し刷り実行ジョブを生成すると共に、
スプールキュー14eを介して印刷制御部14fに送り、ステップS17の処理へ移行す
る。
【0063】
ステップS17:印刷制御部14fが試し刷り実行ジョブを取り込むと、試し刷り実行
ジョブが実行可能な状態となり、印刷制御部14fは、試し刷り用の印刷データの印刷を
開始する。なお、ステップS11でNOと判定された場合には印刷制御部14fは、通常
の印刷実行ジョブに基づいて印刷処理を開始する。そして、PC2からプリンタ3に印刷
データが送信される。すると、プリンタ3のプリンタ制御部21は、印刷データを取得し
て印刷を開始する。具体的には、送紙部23の各ローラ23aによって用紙が搬送されな
がら、印字部22によって、印刷データとしての画像がインクジェット方式で用紙上の所
定の位置に印字される。
【0064】
このような印刷装置1および印刷方法は、供給されるデータに含まれるすべての文字に
ついて置換を行なうため、個人情報がそのデータ内に含まれるか否かの判定を逐一しなく
ても、個人情報の流出を防止することができる。また、すべての文字について置換を行な
っており、かつ多くの種類の画数の文字を印刷しているため、実際に印刷されるべき文字
の文字品質について、置換された文字で確実に確かめることが可能となる。
【0065】
また、このような印刷装置1をデータ変換装置として捉えた場合、供給されるデータに
含まれるすべての文字について置換を行なうため、個人情報がそのデータ内に含まれるか
否かの判定を逐一しなくても、個人情報の流出を防止することができる。また、すべての
文字について置換を行なっており、かつ多くの種類の画数の文字を印刷しているため、実
際に出力されるべき文字の文字品質について、置換された文字で確実に確かめることが可
能となる。
【0066】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態に係る印刷装置41について図8を参照して説明する。
図8は、本発明の第2実施形態としての印刷装置41の構成例を示すブロック図である。
また、以下でいう本発明の第2実施形態に係る印刷装置41は、PC2Aと、プリンタ3
との組み合わせを指すものとするが、以下の説明において述べる機能を全て備えるプリン
タであれば、当該プリンタを印刷装置41としても良い。また、図1に示す印刷装置1と
対応する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0067】
図8に示すように印刷装置41は、上述したプリンタドライバプログラム14の構成に
加えて、文字属性情報取得置換モジュール14gと、フォントテーブル14hと、文字色
テーブル14iとを備えたプリンタドライバプログラム14Aを備えている。なお、これ
らの機能は、プリンタドライバプログラム14AをRAMに読み出して実行することによ
り実現可能となる。すなわち、請求項の文字認識部、文字置換部、置換文字画数決定テー
ブル、文字属性情報取得部は、このプリンタドライバプログラム14Aによって実現され
る。
【0068】
文字属性情報取得置換モジュール14gは、印刷データに含まれる文字の属性情報を取
得して置換する文字の属性情報とするモジュールである。なお、ここで文字の属性情報と
は、文字のフォントタイプや文字の色などを含んでいる。その他にも、文字の大きさなど
が含まれていてもよい。なお、文字属性情報取得置換モジュール14gは、文字のフォン
トや色を識別するモジュールであればよく、たとえば、特開2006-53920号公報
に開示されている技術などを採用してもよい。
【0069】
フォントテーブル14hには、様々な文字のフォントタイプが格納されている。文字の
フォントタイプとしては、たとえば明朝体、ゴシック体などが挙げられる。文字色テーブ
ル14iには、様々な文字の表示色が格納されている。文字色としてはRGB表色系など
が挙げられる。
【0070】
(印刷装置41の試し刷り処理)
続いて、印刷装置41としてのPC2Aおよびプリンタ3が協働して実行する試し刷り
処理について説明する。図9は、図8に示す印刷装置41が実行する試し刷り処理に先立
って表示部16に表示されるダイアログボックス50の表示例を示す図である。
【0071】
図9に示すダイアログボックス50は、プリンタドライバプログラム14Aのジョブ生
成部14dにより表示されるものであって、ユーザが試し刷りの実行を要求したときに表
示される。このダイアログボックス50は、選択部51、数量設定ボタン52、文字フォ
ントタイプ選択ボタン54、文字色選択ボタン55、OKボタン56とから構成されてい
る。なお、選択部51は、図6の選択部31と、数量設定ボタン52は、図6の数量選択
ボタン32と、OKボタン56は、図6のOKボタン33と同一の機能であるため、説明
を省略する。
【0072】
文字フォントタイプ選択ボタン54は、試し刷り用の印刷データの文字フォントを指定
できるボタンである。文字フォントタイプ選択ボタン54では、印刷データと同じフォン
トタイプを選択することができる一方、その他のフォントタイプを指定することもできる
。文字色選択ボタン55は、試し刷り用の印刷データの文字色選択ボタンである。文字色
選択ボタン55も、文字フォントタイプ選択ボタン54と同様に、印刷データと同じ文字
色を選択することができる一方、その他の文字色を指定することもできる。図9の例では
、供給されたデータについて試し刷りを実行することが選択されている。この設定によれ
ば、もとの印刷データに含まれる文字ついて同一の文字フォントおよび文字色が指定され
た試し刷り用の印刷データが100部印刷される。
【0073】
図10は、図8に示す印刷装置41が実行する試し刷り処理の流れを示すフローチャー
トである。以下、各ステップについて説明する。
【0074】
START:制御部11は、印刷用のデータが入力されると処理を開始し、ステップS
21の処理へ移行する。
【0075】
ステップS21:制御部11は、試し刷り処理であるか否かを判定する。具体的には、
図9の例に示すようなダイアログボックス50Aを表示部16に表示させ、ユーザが操作
部15を操作して試し刷りの設定を行なった上で選択すると、操作部15から試し刷り実
効命令が制御部11に供給される。試し刷り実効命令が供給された制御部11は、プリン
タドライバプログラム14AをRAMに読み出して、ステップS22の処理へ移行する。
【0076】
ステップS22:制御部11は、対象となる印刷データに含まれるすべての文字を抽出
する処理を文字認識モジュール14aにより行なって、ステップS23の処理へ移行する

【0077】
ステップS23およびステップS24:制御部11は、抽出した文字のフォントタイプ
情報および文字色情報を取得する処理を文字属性情報取得置換モジュール14gによって
行なう。なお、制御部11は、文字認識モジュール14aおよび文字属性情報取得置換モ
ジュール14gで取得したすべての文字、認識された順番、文字属性情報をRAMに記憶
し、ステップS25へ処理を移行する。
【0078】
ステップS25:制御部11は、認識された文字をすべて所定の文字へと置換するため
に、置換文字画数決定テーブル14cを参照してステップS22で認識された文字の順番
に従って文字の画数を選択すると共に、その画数に対応した文字を抽出して置換文字を決
定し、ステップS26の処理へ移行する。
【0079】
ステップS26:制御部11は、印刷データから抽出した文字の置換文字がすべて決定
されると、RAMに記憶されている文字属性情報に基づいて試し刷り用の印刷データを生
成すると共に、文字変換を行い、ステップS27の処理へ移行する。
【0080】
ステップS27:試し刷り用印刷データが生成されると、ジョブ生成部14dは、試し
刷り実行ジョブを生成する共に、スプールキュー14eを介して印刷制御部14fに送る
。そして、印刷制御部14fが試し刷り実行ジョブを取り込むと、試し刷り実行ジョブが
実行可能な状態となる。なお、ステップS21でNOと判定された場合には印刷制御部1
4fは、通常の印刷実行ジョブに基づいて印刷処理を開始する。試し刷り実行ジョブが実
行可能な状態になると、印刷制御部14fは、印刷データの印刷を開始する。すると、P
C2Aからプリンタ3に印刷データが送信される。そして、プリンタ3のプリンタ制御部
21は、印刷データを取得して印刷を開始する。具体的には、送紙部23の各ローラ23
aによって用紙が搬送されながら、印字部22によって、試し刷り用の印刷データとして
の画像がインクジェット方式で用紙上の所定の位置に印字される。
【0081】
このような印刷装置41および印刷方法は、上述した印刷装置1の奏する効果に加えて
、置換文字に対して、文字認識モジュール14aにより認識された文字の属性情報を付与
することで、置換しない場合の文字品質に近似させることが可能となる。
【0082】
また、このような印刷装置41をデータ変換装置として捉えた場合、上述した印刷装置
1の奏する効果に加えて、置換文字に対して、文字認識モジュール14aにより認識され
た文字の属性情報を付与することで、置換しない場合の文字品質に近似させることが可能
となる。
【0083】
(その他の変形例)
以上、印刷装置1、41を本発明の実施形態例として説明したが、本発明は、これに限
定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能で
ある。たとえば、文字認識する対象をテキストデータのみとする、または画像データ中の
文字のみとしてもよい。また、上述の実施の形態では、原文字列の文字数がNで、画数の
種類(パターン数)をMとし、N≦Mのときには、新文字列の全てが異なる画数の文字と
なるようにした。すなわち、画数の種類(パターン数)を30とし、原文字数が30字以
内のときは、全て異なる画数からなる新文字列としたが、N≦Mのときに一部に同じ画数
の文字が混ざるようにしてもよい。たとえば「15画」、「15画」、「30画」、「3
0画」という順番に選択されるように2つずつ同じ画数の文字が選択されるように並べた
り、最初の数文字分は15画のものを続けて印刷し、その後「30画」、「30画」の文
字が印刷されるようにしてもよい。
【0084】
また、図7に示す試し刷り処理のフローのうち、ステップS13、S14を省略したフ
ロー(処理方法)を採用してもよい。すなわち、予め画数の異なる文字列または文字をH
DD12に記憶させて用意しておき、読み込んだ文字1づつに対応して、その用意されて
いる文字を置換文字として印刷されるようにしてもよい。このとき、用意される文字列や
文字は、図2に示すように選択順と対応するように記憶されていてもよく、またHDD1
2に記憶されている全ての文字を画数順に並べたものとして記憶されていてもよい。なお
、後者の場合、ランダムに抽出するようにすれば画数はある程度ばらつかせることができ
る。
【0085】
また、上述した処理を実行するのに必要なプリンタドライバプログラム14、14Aは
、PC2,2Aに組み込まれて、PC2,2Aとともにユーザに提供されたり、記録媒体
やネットワークを介して提供したりすることができる。なお、記録媒体やネットワークを
介して提供される場合、ユーザのPC2,2Aで、プリンタドライバプログラム14、1
4Aは、ユーザのPC2,2Aにある所定のOSやアプリケーションプログラムと協働し
て動作できるようにしなければならない。
【0086】
また、上述の実施の形態において、試し刷り処理を行なうにあたって、図6、9に示す
ようにダイアログボックス30、50を表示させてから、試し刷り処理を行なうこととし
たが、これらのダイアログボックス30、50を表示しないで、印刷処理が要求されたら
、試し刷り処理をすぐに実行するようにしてもよい。
【0087】
また、上述した実施の形態において、文字置換モジュール14bは、置換文字画数決定
テーブル14cを参照して置換する文字を決定することとしていたが、その他にも、文字
認識モジュール14aで認識された文字の順番をランダムに入れ替えて、印刷されるよう
にしてもよい。このような方法を採用すると、文字品質の確認が容易になる。また、置換
するための文字データをHDD12に予め記憶させておかなくてもよい。なお、認識され
た文字の順番をランダムに入れ替える方法を採用する場合には、少ない文字数であると個
人情報の推測がされやすくなるため、認識された文字数が所定数以上(たとえば1000
字以上)の場合に限定したほうが好ましい。
【0088】
また、上述した実施の形態において、置換文字画数決定テーブル14cは選択順番が3
0番目までの静的なテーブルとして例示したが、その他にも、40番目まで、50番目ま
で適用できるように変更したものを採用してもよいし、文字認識モジュール14aで文字
数をカウントした数までを網羅する動的な置換文字画数決定テーブル14cとしてもよい
。この場合、プリンタドライバプログラム14には、置換文字画数決定テーブル作成モジ
ュール(不図示)を格納する必要がある。この置換文字画数決定テーブル作成モジュール
により文字認識モジュール14aで認識された文字をカウントした値に基づいて、置換文
字画数決定テーブルを動的に生成させるようにしてもよい。なお、その際の選択順番毎に
割り当てる画数は、図2および図3に示した割り当て方法を実現するアルゴリズムを採用
してもよいし、その他の割り当て方法を実現するアルゴリズムを採用してもよい。
【0089】
また、上述の実施の形態におけるプリンタ3は、プリンタ機能以外の機能(スキャナ機
能、コピー機能等)を備える構成のような、複合的な機器の一部であっても良い。さらに
、プリンタとしては、インクジェット方式以外の方式(レーザ方式、ドットインパクト方
式など)に対しても、本発明を適用することは勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1実施形態としての印刷装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す印刷装置中の置換文字画数決定テーブルの例を表す概念図である。
【図3】図1に示す印刷装置中の置換文字画数決定テーブルの選択順番と画数との分布イメージ図である。
【図4】図1に示す印刷装置中のHDDに格納されている置換文字のメモリマップを概念的に示した図である。
【図5】図1に示す印刷装置中の文字置換モジュールが置換する文字を決定する流れを示すフローチャートである。
【図6】図1に示す印刷装置が実行する試し刷り処理の実行に先立って表示部に表示されるダイアログボックスの表示例を示す図である。
【図7】図1に示す印刷装置が実行する試し刷り処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態としての印刷装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8に示す印刷装置が実行する試し刷り処理の実行に先立って表示部に表示されるダイアログボックスの表示例を示す図である。
【図10】図8に示す印刷装置が実行する試し刷り処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1,41・・・印刷装置、2,2A・・・PC、3・・・プリンタ、11・・・制御部(
文字認識部、文字置換部、置換文字画数決定テーブル、文字属性情報取得部の一部)、1
2・・・HDD(記憶部)、14,14A・・・プリンタドライバプログラム(文字認識
部、文字置換部、置換文字画数決定テーブル、文字属性情報取得部の一部)、14a・・
・文字認識モジュール(文字認識部の一部)、14b・・・文字置換モジュール(文字置
換部の一部)、14c・・・置換文字画数決定テーブル(置換文字画数決定テーブルの一
部)、14d・・・ジョブ生成部、14e・・・スプールキュー、14f・・・印刷制御
部、14g・・・文字属性情報取得置換モジュール(文字属性情報取得部の一部)、14
h・・・フォントテーブル、14i・・・文字色テーブル、21・・・制御部、22・・
・印字部、22a・・・印字ヘッド、23・・・送紙部、23a・・・ローラ、23b・
・・カッター、30,50・・・ダイアログボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給されるデータを処理して印刷用のデータを生成する制御部を有する印刷装置におい
て、
上記制御部は、文字情報を認識すると文字情報が表示する文字列の代わりに、画数を基
準として抽出された文字列であって、上記文字列とは対応関係が一定とはならない新文字
列を試し刷り用のデータとして生成することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記新文字列は、その文字数がNで画数の種類数がMの場合、N<Mのときの前記新文
字列は全て異なる画数からなる文字列とすることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷装置において
前記新文字列は、画数の種類数がMの場合、画数の小さいものから並べた場合の順序が
M/2、(M+2)/2または(M+1)/2のいずれかが最初に印刷される文字で、次
に印刷される字は、最も小さい画数または最も大きい画数の字となる文字列であることを
特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1,2,または3に記載の印刷装置において、
前記制御部は、
上記供給されるデータに含まれる文字情報を認識する文字認識部と、
上記文字認識部によって認識された文字の順番に従って選択される文字の画数が決めら
れている置換文字画数決定テーブルと、
上記画数から置換する文字を選択すると共に、上記文字認識部により認識された文字す
べてを置換する文字置換部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷装置において、
前記置換する文字が画数毎に所定のメモリアドレス領域内に格納されている記憶部を有
し、
前記文字置換部は、
前記置換文字画数決定テーブルを参照して決定された画数に対応する上記記憶部のメモ
リアドレス領域内に記憶されている文字の中からランダムに選択して前記置換する文字を
決定することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
出力情報の仮出力を行なうことができるデータ変換装置であって、
上記出力情報に含まれる文字を認識する文字認識部と、
上記文字認識部によって認識された文字の順番に従って選択される文字の画数が決めら
れる置換文字画数決定テーブルと、
上記画数から置換する文字を選択すると共に、上記文字認識部により認識された文字す
べてを置換する文字置換部と、
を備えることを特徴とするデータ変換装置。
【請求項7】
供給されるデータを処理して印刷用のデータを生成する印刷方法であって、
供給されるデータに含まれる文字情報を認識するステップと、
文字情報が表示する文字列の代わりに、画数を基準として抽出された文字列であって、
上記文字列とは対応関係が一定とはならない新文字列を試し刷り用のデータとして生成す
るステップと、
を有することを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−146051(P2010−146051A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319288(P2008−319288)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】