説明

印刷装置、印刷制御方法及びプログラム

【課題】 印刷処理を効率よく制御する印刷装置を提供する。
【解決手段】 印刷ジョブが印刷キューへスプールされてから印刷が開始されるまでユーザが待機可能な時間である待機基準時間を含む印刷ジョブをホスト装置3から受信し、印刷ジョブを先着順に印刷キューへスプールし、印刷ジョブについて印刷を実行する印刷装置であって、印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出する印刷待機時間算出部102と、待機基準時間及び印刷待機時間の大きさを比較及び判定する待機基準時間超過判定部103と、待機基準時間超過判定部103による比較及び判定の結果、印刷待機時間が待機基準時間よりも大きい場合、ホスト装置に対して、結果に関する第1の通知を行い、第1の通知以降における印刷ジョブの処理について印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促す印刷状況通知部112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷装置、印刷制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置は、印刷要求によって生成された印刷ジョブのデータ(以下において、「印刷ジョブデータ」という。)をキューというデータ構造で格納し、入出力等の処理を行う。キューとは、入出力機構の実装に用いられるメカニズムで、先に入力したデータが先に出力されるという特徴を持つデータ構造の一種である。このように、「最初に入った物が最初に出てくる」というデータの入出力方式はFIFO(First In First Out)と呼ばれる。
【0003】
そのため、受け付けている印刷ジョブデータが多い場合には、最後に受け付けた印刷ジョブデータの印刷を実行するまで多くの時間が必要となることが予想される。また、エラー発生等により、印刷装置の処理が停滞している場合には、エラーが解消され、印刷装置の印刷処理機能が回復し、印刷ジョブデータの印刷が再開されるまで、印刷キューに格納された全ての印刷ジョブデータに印刷の遅延が生じる。
【0004】
印刷の実行までの時間が長くなるにつれて、印刷完了まで待てずに、他の印刷装置で印刷を行う者や、印刷要求を行ったことさえ忘れる者が増加すると考えられる。そのような者は、一定時間後に印刷ジョブデータの印刷が実行されても、その印刷物を取りに行くのが遅れたり、あるいは取りに行かなかったりすることも大いに考えられる。
【0005】
印刷物が印刷装置の排紙トレイ上で放置されてしまうのは、印刷物の機密性等を考慮した場合、セキュリティ上好ましくないことは明らかである。さらに、他の印刷装置で印刷をすることで、不必要な同一の印刷物が複数生じてしまい、印刷時間や印刷用紙の無駄につながる。
【0006】
そこで、ホスト装置等から受信した複数の印刷ジョブデータを一旦スプールして逐次印刷する際の印刷順序を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。この発明では、スプールされている印刷ジョブに対して優先順位の高い印刷ジョブを割り込ませることで、印刷処理待ちの優先順位を印刷の進行に応じて変化させる。
【0007】
しかし、ホスト装置等から受信した印刷ジョブデータを一旦スプールして逐次印刷する処理において、印刷ジョブデータのデータ量によって優先順位を決定して割り込み判断を行う割り込み処理の実行は、印刷ジョブの緊急性等を考慮した場合、データ量は大きいが印刷迅速性を必要とする印刷ジョブにとっては不適切になるケースも考えられる。
【特許文献1】特開平5−162415
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ホスト装置等から受信した印刷ジョブデータを印刷キューに一旦スプールして逐次印刷する処理において、大きな印刷ジョブデータが印刷装置を占有して小さな印刷ジョブデータが長時間待たされることを解消し、全体としての印刷ジョブデータの待ち時間を調整することが問題となる。
【0009】
上記問題点を鑑み、本発明は、印刷処理を効率よく制御する印刷装置、印刷制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一様態は、印刷ジョブが印刷キューへスプールされてから印刷が開始されるまでユーザが待機可能な時間である待機基準時間を含む印刷ジョブをホスト装置から受信し、印刷ジョブを先着順に印刷キューへスプールし、印刷ジョブについて印刷を実行する印刷装置に関する。即ち、一様態に係る印刷装置は、(イ)印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出する印刷待機時間算出部と、(ロ)待機基準時間及び印刷待機時間の大きさを比較及び判定する待機基準時間超過判定部と、(ハ)待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、印刷待機時間が待機基準時間よりも大きい場合、印刷ジョブを送信したホスト装置に対して、結果に関する第1の通知を行い、第1の通知以降における印刷ジョブの処理について印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促す印刷状況通知部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の別の様態は、印刷ジョブが印刷キューへスプールされてから印刷が開始されるまでユーザが待機可能な時間である待機基準時間を含む印刷ジョブをホスト装置から受信し、印刷ジョブを先着順に印刷キューへスプールし、印刷ジョブについて印刷を実行し、印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出する印刷待機時間算出部と、待機基準時間及び印刷待機時間の大きさを比較及び判定する待機基準時間超過判定部と、待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、印刷待機時間が待機基準時間よりも大きい場合、印刷ジョブを送信したホスト装置に対して、結果に関する第1の通知を行い、第1の通知以降における印刷ジョブの処理について印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促す印刷状況通知部とを備える印刷装置の制御方法に関する。即ち、別の様態に係る印刷方法は、(イ)印刷待機時間算出部が、印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出するステップと、(ロ)待機基準時間超過判定部が、待機基準時間及び印刷待機時間の大きさを比較及び判定するステップと、(ハ)印刷状況通知部が、待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、印刷待機時間が待機基準時間よりも大きい場合、印刷ジョブを送信したホスト装置に対して、結果に関する第1の通知を行い、第1の通知以降における印刷ジョブの処理について印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促すステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の更に別の様態は、印刷ジョブが印刷キューへスプールされてから印刷が開始されるまでユーザが待機可能な時間である待機基準時間を含む印刷ジョブをホスト装置から受信し、印刷ジョブを先着順に印刷キューへスプールし、印刷ジョブについて印刷を実行し、印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出する印刷待機時間算出部と、待機基準時間及び印刷待機時間の大きさを比較及び判定する待機基準時間超過判定部と、待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、印刷待機時間が待機基準時間よりも大きい場合、印刷ジョブを送信したホスト装置に対して、結果に関する第1の通知を行い、第1の通知以降における印刷ジョブの処理について印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促す印刷状況通知部とを備える印刷装置を制御するプログラムに関する。即ち、更に別の様態に係るプログラムは、(イ)印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出させる命令と、(ロ)待機基準時間及び印刷待機時間の大きさを比較及び判定させる命令と、(ハ)待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、印刷待機時間が待機基準時間よりも大きい場合、印刷ジョブを送信したホスト装置に対して、結果に関する第1の通知を行わせ、第1の通知以降における印刷ジョブの処理について印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促させる命令とを印刷装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、印刷処理を効率よく制御する印刷装置、印刷制御方法及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、装置やシステムの構成等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な構成は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの構成の異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0015】
また、以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0016】

(印刷装置の構成)
本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置は、図1に示すように、印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷開始までユーザが待機可能な時間である待機基準時間を処理する待機基準時間処理部101と、印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出する印刷待機時間算出部102と、待機基準時間及び印刷待機時間を比較する待機基準時間超過判定部103とを備え、外部に接続されたホスト装置が行った印刷要求に対する印刷ジョブを処理して印刷を実行する印刷ジョブ処理部111と、印刷ジョブを先着順にスプールする印刷キューを格納する印刷ジョブ格納部2とを有し、印刷ジョブ処理部111は印刷ジョブを実行して印刷を実施する。
【0017】
待機基準時間処理部101は、印刷ジョブに付加された情報である「待機基準時間」を識別し、印刷ジョブが印刷ジョブ格納部2に格納された後に、設定、変更及び削除等の処理を行う。ここで、「待機基準時間」とは、ユーザによる印刷要求の後、送信された印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷が開始されるまでの時間に対して、ユーザが待機可能な時間である。「待機基準時間」は、ユーザが、印刷装置100の外部に接続されたホスト装置3が備えるプリンタドライバ31を通して、印刷ジョブに付加されて、印刷装置100に送信される。また、「待機基準時間」には、プリンタドライバ31が保持している初期設定値を利用することも、印刷ジョブを送信する毎にユーザが設定する値を利用することも可能である。さらに、待機基準時間処理部101は、印刷キューにスプールされた印刷ジョブを編集することで、印刷ジョブに付加された「待機基準時間」を変更することができる。
【0018】
印刷待機時間算出部102は、「印刷待機時間」を算出する。ここで、「印刷待機時間」とは、ユーザによる印刷要求に対して送信された第1の印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷の開始までの時間である。「印刷待機時間」は、印刷キューに既にスプールされている、例えば第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ及び第4の印刷ジョブのような全ての印刷ジョブが印刷を完了するまでの時間の算出することで求められる。すなわち、第1の印刷ジョブに対する「印刷待機時間」とは、第2〜4の印刷ジョブそれぞれの「印刷待機時間」の合計であるということができる。印刷キューに既にスプールされ、印刷の実行を待機している第2〜4の印刷ジョブそれぞれの「印刷待機時間」は、第2〜4の印刷ジョブそれぞれにおけるデータ量、印刷枚数、印刷部数、両面及び段組等の印刷方式、カラーモード及び印刷用紙の種類等の印刷情報によって決定する。
【0019】
待機基準時間超過判定部103は、初期値として設定されたあるいは待機基準時間処理部101が設定した待機基準時間と印刷待機時間算出部102が算出した印刷待機時間とを比較し、大きい方の時間を判定する。
【0020】
印刷待機処理部10は、待機基準時間処理部101、印刷待機時間算出部102及び待機基準時間超過判定部103によって構成され、印刷ジョブに付加された待機基準時間及び印刷ジョブに対する印刷待機時間等を、印刷処理部11及び印刷ジョブ格納部2間において送受信等を行う。
【0021】
印刷ジョブ処理部111は、外部に接続されたホスト装置3からの指示に基づいて印刷ジョブを実行し、印刷の実施、印刷実施状況の監視及び印刷ジョブの破棄等を行う。印刷ジョブ処理部111は、印刷キューにスプールされた順番に印刷ジョブを実行し、印刷を実施する。また、印刷ジョブ処理部111は、印刷ジョブ格納部2に格納された印刷ジョブを定期的あるいは随時監視して、印刷が完了した印刷ジョブを特定したり、印刷ジョブ格納部2に格納されている印刷ジョブの数をカウントしたり、ホスト装置3から特定の印刷ジョブに対する印刷の強制実行及び破棄等の要求を受け付け実行する。
【0022】
印刷状況通知部112は、印刷装置100に係る印刷に関する情報を外部に接続されたホスト装置3に通知する。ここで、「印刷に関する情報」とは、印刷ジョブ処理部111が処理した特定の印刷ジョブに対する印刷完了の情報、印刷ジョブ格納部2に格納された印刷ジョブの数に関する情報、ホスト装置3の要求により印刷ジョブ処理部111が処理した特定の印刷ジョブに対する破棄の情報等を含む。また、各情報は、後述する印刷エラー検出部113が検出する印刷装置100に発生した印刷障害等を含む。また、印刷状況通知部112は、待機基準時間超過判定部103が特定の印刷ジョブに対して待機基準時間及び印刷待機時間を比較及び判定した結果、印刷待機時間が待機基準時間を超過した際に、その旨をプリンタドライバ31を通してホスト装置3に通知し、対応する特定の印刷ジョブについて印刷の継続あるいは印刷ジョブの破棄等における、通知後の処理の指示をユーザに促す。さらに、印刷状況通知部112は、後述する印刷エラー検出部113が、印刷装置100に発生した印刷障害に関するエラーを検出した際に、その旨をプリンタドライバ31を通してホスト装置3に通知し、特定の印刷ジョブについて印刷の継続あるいは印刷ジョブの破棄等における、通知後の処理の指示をユーザに促す。
【0023】
印刷エラー検出部113は、印刷装置100の印刷処理において検査して、発生した印刷障害を検知、検出する。例えば、印刷用紙切れ、トナー切れ、用紙詰まり、印刷装置部品故障等によって、一時的に印刷処理ができなくなった現象を印刷障害、印刷エラーとして検出し、印刷状況通知部112は、詳細を印刷指示を行ったホスト装置3にプリンタドライバ31を通して警告(警告情報を発信)する。ホスト装置3に表示された警告は、エラーが解消されるまで表示を継続しても良く、また一定時間経過後、自動的に表示を消去しても良い。
【0024】
印刷処理部11は、印刷ジョブ処理部111、印刷状況通知部112及び印刷エラー検出部113によって構成され、主に印刷ジョブの制御を行い、その結果生じた情報をホスト装置3等に通知する。
【0025】
制御部1は、印刷装置100が行う印刷処理等を制御する。制御部1は、中央演算処理装置(CPU)の一部として構成すればよい。印刷待機処理部10及び印刷処理部11等はそれぞれ専用のハードウェアで構成しても良く、通常のコンピュータシステムのCPUを用いて、ソフトウェアで実質的に等価な機能を有していても構わない。制御部1は、印刷ジョブ格納部2あるいは図示しない通信部、入力装置、出力部及びプログラム記憶装置等が接続されている。制御部1が備える待機基準時間超過判定部103、印刷ジョブ処理部111及び印刷エラー検出部113等の各機能は、図示しないプログラム記憶装置等に格納されたプログラムを、印刷装置100が備えるCPUが実行することで、所望の機能を実現することができる。
【0026】
印刷ジョブ格納部2は、印刷ジョブを格納する「コンピュータ読取可能な記録媒体」である。具体的には印刷ジョブが印刷キューにスプールされ、複数の印刷ジョブがスプールされた印刷キューが印刷ジョブ格納部2に格納される。
【0027】
ここで、「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるような媒体などを意味する。具体的には、フレキシブルディスク、CD−ROM,MOディスクなどが「コンピュータ読取り可能な記録媒体」に含まれる。例えば、印刷装置装置の本体は、フレキシブルディスク装置(フレキシブルディスクドライブ)および光ディスク装置(光ディスクドライブ)を内蔵若しくは外部接続するように構成できる。
【0028】
また、所定のドライブ装置を接続することにより、例えばROMや、磁気テープ装置を用いることもできる。さらに、インターネット等の情報処理ネットワークを介して、印刷ジョブを印刷ジョブ格納部2に格納することが可能である。
【0029】
ホスト装置3は、ネットワークを介して印刷装置100の外部に接続され、ホスト装置3内で生成した印刷ジョブを印刷装置100に対して送信することで印刷要求を行う。印刷キューにスプールされる複数の印刷ジョブは、ホスト装置3から送信される印刷要求に対するものでも良く、ホスト装置3以外のホスト装置等から送信される印刷要求に対するものでも良い。ホスト装置3には、パソコン等が採用可能である。ホスト装置3は、ハードウェア資源であるモジュール(論理回路)として図示しない中央演算処理装置(CPU)を論理的に備えている。CPUには、図示しないデータ記憶装置、入力装置、出力装置、主記憶装置及びプログラム記憶装置等が接続されている。
【0030】
プリンタドライバ31は、図示しないプログラム記憶装置等に格納され、ホスト装置3が備えるCPUにおいて実行されるプログラムである。ホスト装置3で生成した印刷ジョブは、プリンタドライバ31を通して印刷装置100に送信される。また、プリンタドライバ31は、印刷装置100が備える印刷状況通知部112等から送信される情報を受信し、ホスト装置3の画面上に表示し、ホスト装置3を操作するユーザに対して、次の操作を指示するよう促す。
【0031】
図1に示す印刷装置100は、一般的に例えば図2に示すラインヘッド型インクジェットプリンタに適用可能である。
【0032】
(ラインヘッド型インクジェットプリンタの概要)
次に、図2は本発明の実施の形態におけるラインヘッド型インクジェットプリンタの概略図の一例である。図2に示すように、ラインヘッド型インクジェットプリンタ100は、給紙部12、搬送部20、ヘッドユニット部50及び排紙部40等を備えて構成されている。
【0033】
給紙部12は、ラインヘッド型インクジェットプリンタ100の内部下方に、複数の印刷用紙301を積層して収容する給紙トレイ13が設けられている。この給紙トレイ13の一端部上側には、画像を記録しようとする印刷用紙301を一枚ずつ給紙トレイ13から取り出す取出装置14が設けられている。なお、印刷用紙301としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、及び各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなるカットシート状のものであってもよい。
【0034】
搬送部20は、給紙部12の上方に配設され印刷用紙301を搬送する。この搬送部20には、搬送ベルト21と、張設ローラ22と、押圧ローラ23と、搬送ローラ24、搬送経路25とを備えている。
【0035】
搬送ベルト21は、印刷用紙301を平面状に支持して水平方向に搬送する環状のベルトであり、複数の張設ローラ22により移動自在に張設されている。
【0036】
押圧ローラ23は、搬送ベルト21と印刷用紙301とが接触を開始する位置に、印刷用紙301を平面状に搬送させるために搬送ベルト21に押圧するローラとして回転自在に設けられている。
【0037】
搬送経路25は、給紙トレイ13から供給された印刷用紙301を搬送ベルト21へ搬送し、印刷用紙301が搬送ベルト21の周面に沿って搬送された後、搬送ベルトから排紙部40に排出させる経路である。搬送ローラ24は、この搬送経路25の所定位置に、搬送方向Xに印刷用紙301を搬送するための複数対のローラとして設けられている。
【0038】
ヘッドユニット部50は、搬送ベルト21の上部近傍に、搬送方向Xに沿って順に、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを印刷用紙301に吐出する複数のノズル吐出口(図示略)がインライン配列されたインク色毎のラインヘッド型のヘッドユニット51、52、53、54を設けている。各ヘッドユニット51、52、53、54は、印刷用紙301の幅方向の略全幅にわたり固定的に配された吐出面と搬送ベルト21の周面とが対向するように配置されている。
【0039】
各ヘッドユニット51、52、53、54からのインク滴の吐出によって画像が形成された印刷用紙301は、排紙部40へ順次排出される。
【0040】
排紙部40は、ラインヘッド型インクジェットプリンタ100の側部に設けられた排紙トレイ41を備え、画像が形成された印刷用紙301が順次排出される。
【0041】
(印刷装置による印刷制御処理)
次に、本発明の実施の形態の印刷装置100を用いた印刷ジョブの待機処理方法について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
(イ)ステップS101において、ユーザの指示により図1に示すホスト装置3はプリンタドライバ31を通して印刷要求を実施して、印刷要求に対応し、ホスト装置3で生成した第1の印刷ジョブを印刷装置100に送信する。このとき、初期設定で設定されている待機基準時間の値か、あるいは図1に示すプリンタドライバ31を通して変更及び設定した待機基準時間の値が、印刷ジョブに付加される。ここでは、印刷ジョブに付加される待機基準時間をtとする。
【0043】
(ロ)ステップS102において、図1に示す印刷待機時間算出部102は、印刷装置100の印刷状況及び、印刷キューに既にスプールされている第2〜4の印刷ジョブの印刷時間をそれぞれ算出、合算して、第1の印刷ジョブが印刷キューにスプールされてから印刷処理が実行されるまでの時間を算出する。例えば、第1の印刷ジョブが印刷キューにスプールされた際に印刷中の印刷ジョブが、印刷を完了するまでの残り時間をt、第2の印刷ジョブが必要とする印刷処理時間をt、第3の印刷ジョブが必要とする印刷処理時間をt及び第4の印刷ジョブが必要とする印刷処理時間をtとすると、第1の印刷ジョブが印刷を開始するまでの印刷待機時間tは、t=t+t+t+tとなる。
【0044】
(ハ)ステップS103において、図1に示す待機基準時間超過判定部103は、印刷待機時間t及び待機基準時間tの値を比較する。
【0045】
(ニ)ステップS104において、t<t、すなわち、待機基準時間の値が印刷待機時間の値よりも大きい場合、あるいは図1に示す印刷エラー検出部113が印刷装置100における印刷障害の発生を発見しなかった場合、ステップS105において、第1の印刷ジョブは、印刷ジョブ格納部2に格納されている印刷キューに一旦スプールされ、印刷処理が実行されるまで待機する。第1の印刷ジョブは、印刷キューに既にスプールされている、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ及び第4の印刷ジョブの最後尾にスプールされる。印刷装置100は、印刷ジョブ格納部2が格納した順に逐次スプールした印刷ジョブを処理して印刷を実行する。すなわち、印刷キューには、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ、第4の印刷ジョブ及び第1の印刷ジョブの順に蓄積され、先頭の印刷ジョブである第2の印刷ジョブから順次印刷処理が実行される。
【0046】
(ホ)ステップS106において、第1の印刷ジョブにおける印刷処理の実行まで待機している間、印刷待機時間算出部102は任意に印刷待機時間の算出を行い、待機基準時間超過判定部103は、印刷待機時間算出部102が随時算出した印刷待機時間及び第1の印刷ジョブに設定されている待機基準時間の比較を行う。待機基準時間超過判定部103による比較によって、t<t、すなわち、待機基準時間の値が印刷待機時間の値よりも大きい場合、あるいは図1に示す印刷エラー検出部113が印刷装置100における印刷障害の発生を発見しなかった場合、第1の印刷ジョブの待機を継続し、待機基準時間内に印刷キューにスプールされている、第2の印刷ジョブ、第3の印刷ジョブ及び第4の印刷ジョブの全ての印刷ジョブに対して印刷処理が実行された後に、ステップS107において、図1に示す印刷ジョブ処理部111は第1の印刷ジョブの印刷処理を実行する。
【0047】
(ヘ)ステップS108において、印刷状況通知部112は、プリンタドライバ31を通してホスト装置3へ、第1の印刷ジョブに関する印刷処理実行完了の通知を表示し、印刷要求を行ったユーザへ印刷済み用紙を引き取るよう促し、本発明の実施の形態に係る印刷装置100が実施する印刷処理を終了する。
【0048】
(ト)ステップS104において、t>t、すなわち、印刷待機時間の値が待機基準時間の値よりも大きい場合、あるいは図1に示す印刷エラー検出部113が印刷装置100における印刷障害の発生を発見した場合、ステップS109において、印刷状況通知部112は、プリンタドライバ31を通してホスト装置3へ、第1の印刷ジョブに設定付加された待機基準時間が印刷待機時間を超過した状況を第1の通知として通知する。印刷状況通知部112は、待機基準時間が印刷待機時間を超過したメッセージをホスト装置3に表示することで、印刷要求を行ったユーザに対して、第1の通知以降の第1の印刷ジョブの処理について印刷継続あるいは印刷中止のいずれかの選択を促す。
【0049】
(チ)ステップS110において、印刷要求を行ったユーザにより第1の通知に対して、第1の印刷ジョブの印刷処理を中止する選択が、ホスト装置3からプリンタドライバ31を通して行われた場合は、ステップS111において、図1に示す印刷ジョブ処理部111は、印刷ジョブ格納部2に格納された印刷キューにスプールされている第1の印刷ジョブを削除する。ステップS110において、印刷要求を行ったユーザにより第1の通知に対して、第1の印刷ジョブの印刷処理についての待機の継続が選択された場合は、ステップS112において、図1に示す待機基準時間処理部101は、プリンタドライバ31を通して待機基準時間の入力画面をホスト装置3に表示することで、印刷要求を行ったユーザに対して、第1の印刷ジョブの処理について待機基準時間の再入力を促し、ステップS105に移行する。
【0050】
(リ)ステップS107において、図1に示す待機基準時間超過判定部103による比較によって、t>t、すなわち、印刷待機時間の値が待機基準時間の値よりも大きい場合、あるいは図1に示す印刷エラー検出部113が印刷装置100における印刷障害の発生を発見した場合、ステップS113において、印刷状況通知部112は、プリンタドライバ31を通してホスト装置3へ、第1の印刷ジョブに設定付加された待機基準時間が印刷待機時間を超過した状況を第3の通知として通知する。印刷状況通知部112は、待機基準時間が印刷待機時間を超過したメッセージをホスト装置3に表示することで、印刷要求を行ったユーザに対して、第3の通知以降の第1の印刷ジョブの処理について印刷継続あるいは印刷中止のいずれかの選択を促す。
【0051】
(ヌ)ステップS114において、印刷要求を行ったユーザにより第3の通知に対して、第1の印刷ジョブの印刷処理を中止する選択が、ホスト装置3からプリンタドライバ31を通して行われた場合は、ステップS115において、図1に示す印刷ジョブ処理部111は、印刷ジョブ格納部2に格納された印刷キューにスプールされている第1の印刷ジョブを削除する。ステップS114において、印刷要求を行ったユーザにより第3の通知に対して、第1の印刷ジョブの印刷処理についての待機の継続が選択された場合は、ステップS116において、図1に示す待機基準時間処理部101は、プリンタドライバ31を通して待機基準時間の入力画面をホスト装置3に表示することで、印刷要求を行ったユーザに対して、第1の印刷ジョブの処理について待機基準時間の再入力を促し、ステップS106に移行する。
【0052】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る印刷装置によれば、外部のホスト装置からの印刷要求を受信後、一定時間を超過した際に、印刷要求に対応する印刷が実行されるまで待機するか、あるいは印刷要求を破棄するかを印刷要求元に選択させることが可能である。印刷要求を破棄したホスト装置は、印刷ジャムが発生していない別の印刷装置に対して印刷要求を実施することで、効率的及び効果的に印刷を実行することが可能となる。さらに、印刷装置は、印刷完了後に、所定の通知を行うことで、印刷済み文書の放置を回避することが可能となり、印刷済み文書の機密性を向上することが可能となる。
【0053】
さらに、印刷装置が実施する印刷処理において印刷障害が発生した際、本発明の実施の形態に係る印刷装置は、印刷障害の内容及び状況等を印刷要求元のホスト装置へ通知した上で、印刷障害が回復して印刷要求に対する印刷が実行されるまで待機するか、あるいは印刷要求を破棄するかを選択させることが可能である。印刷要求を破棄したホスト装置は、印刷障害が発生していない別の印刷装置に対して印刷要求を実施することで、効率的及び効果的に印刷を実行することが可能となる。
【0054】
また、図3に示した一連の手順、即ち;ホスト装置3が実施した印刷要求を印刷ジョブとして受信させる命令;待機基準時間を設定させる命令;印刷待機時間を算出させる命令;待機基準時間と印刷待機時間を比較させる命令;印刷待機時間が待機基準時間を超過した際にホスト装置3へ通知させる命令;印刷処理を待機するか印刷ジョブを破棄するかを選択させる命令;待機基準時間を再入力させる命令;印刷装置100が印刷処理の中で発生している印刷障害を検査及び検出させる命令;印刷処理を実行し、印刷を実施させる命令;印刷の完了通知をホスト装置3に通知させる命令;等は、図3と等価なアルゴリズムのプログラムにより、図1に示した印刷装置を制御して実行できる。
【0055】
このプログラムは、本発明の印刷装置を構成するコンピュータシステムの図示しないプログラム記憶装置に記憶させればよい。また、このプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に保存し、この記録媒体を印刷装置のプログラム記憶装置に読み込ませることにより、本発明の実施の形態の一連の手順を実行することができる。ここで、「コンピュータ読取可能な記録媒体」とは、既に述べた通りである。
【0056】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0057】
例えば、本発明の実施の形態においては、印刷ジョブ格納部2を印刷装置100の内部に配置した。しかし、障害発生時における交換作業の効率性向上のために、印刷装置100の外部に接続させても良い。また、印刷ジョブ格納部2には、印刷ジョブ以外に図3に示した一連の手順と等価なアルゴリズムのプログラムを格納させても良い。
【0058】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る印刷装置の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る印刷装置が印刷処理を実行する際における印刷制御処理のフローチャート図である。
【符号の説明】
【0060】
1…制御部
2…印刷ジョブ格納部
3…ホスト装置
10…印刷待機処理部
11…印刷処理部
12…給紙部
13…給紙トレイ
14…取出装置
20…搬送部
21…搬送ベルト
22…張設ローラ
23…押圧ローラ
24…搬送ローラ
25…搬送経路
31…プリンタドライバ
40…排紙部
41…排紙トレイ
50…ヘッドユニット部
51…ヘッドユニット
100…印刷装置
101…待機基準時間処理部
102…印刷待機時間算出部
103…待機基準時間超過判定部
111…印刷ジョブ処理部
112…印刷状況通知部
113…印刷エラー検出部
301…印刷用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブが印刷キューへスプールされてから印刷が開始されるまでユーザが待機可能な時間である待機基準時間を含む前記印刷ジョブをホスト装置から受信し、前記印刷ジョブを先着順に前記印刷キューへスプールし、前記印刷ジョブについて前記印刷を実行する印刷装置であって、
前記印刷ジョブが前記印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出する印刷待機時間算出部と、
前記待機基準時間及び前記印刷待機時間の大きさを比較及び判定する待機基準時間超過判定部と、
前記待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、前記印刷待機時間が前記待機基準時間よりも大きい場合、前記印刷ジョブを送信した前記ホスト装置に対して、前記結果に関する第1の通知を行い、前記第1の通知以降における前記印刷ジョブの処理について前記印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促す印刷状況通知部
とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷待機中に発生した印刷障害を検出する印刷エラー検出部を更に備え、
前記印刷状況通知部は、前記ホスト装置に対して前記印刷障害に関する第2の通知を行い、前記第2の通知以降における前記印刷ジョブの処理について前記印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促すことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブが印刷キューへスプールされた後に待機基準時間を識別及び編集する待機基準時間処理部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
印刷ジョブが印刷キューへスプールされてから印刷が開始されるまでユーザが待機可能な時間である待機基準時間を含む前記印刷ジョブをホスト装置から受信し、前記印刷ジョブを先着順に前記印刷キューへスプールし、前記印刷ジョブについて前記印刷を実行し、前記印刷ジョブが前記印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出する印刷待機時間算出部と、前記待機基準時間及び前記印刷待機時間の大きさを比較及び判定する待機基準時間超過判定部と、前記待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、前記印刷待機時間が前記待機基準時間よりも大きい場合、前記印刷ジョブを送信した前記ホスト装置に対して、前記結果に関する第1の通知を行い、前記第1の通知以降における前記印刷ジョブの処理について前記印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促す印刷状況通知部とを備える印刷装置の制御方法であって、
印刷待機時間算出部が、前記印刷ジョブが前記印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出するステップと、
待機基準時間超過判定部が、前記待機基準時間及び前記印刷待機時間の大きさを比較及び判定するステップと、
印刷状況通知部が、前記待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、前記印刷待機時間が前記待機基準時間よりも大きい場合、前記印刷ジョブを送信した前記ホスト装置に対して、前記結果に関する第1の通知を行い、前記第1の通知以降における前記印刷ジョブの処理について前記印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促すステップ
とを含むことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項5】
印刷ジョブが印刷キューへスプールされてから印刷が開始されるまでユーザが待機可能な時間である待機基準時間を含む前記印刷ジョブをホスト装置から受信し、前記印刷ジョブを先着順に前記印刷キューへスプールし、前記印刷ジョブについて前記印刷を実行し、前記印刷ジョブが前記印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出する印刷待機時間算出部と、前記待機基準時間及び前記印刷待機時間の大きさを比較及び判定する待機基準時間超過判定部と、前記待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、前記印刷待機時間が前記待機基準時間よりも大きい場合、前記印刷ジョブを送信した前記ホスト装置に対して、前記結果に関する第1の通知を行い、前記第1の通知以降における前記印刷ジョブの処理について前記印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促す印刷状況通知部とを備える印刷装置を制御するプログラムであって、
前記印刷ジョブが前記印刷キューにスプールされてから印刷開始までの時間である印刷待機時間を算出させる命令と、
前記待機基準時間及び前記印刷待機時間の大きさを比較及び判定させる命令と、
前記待機基準時間超過判定部による比較及び判定の結果、前記印刷待機時間が前記待機基準時間よりも大きい場合、前記印刷ジョブを送信した前記ホスト装置に対して、前記結果に関する第1の通知を行わせ、前記第1の通知以降における前記印刷ジョブの処理について前記印刷の待機を継続するか又は印刷ジョブを廃棄するかの選択を促させる命令
とを印刷装置に実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−17912(P2010−17912A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179332(P2008−179332)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】