印刷装置、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラム
【課題】環境対応印刷を行った場合に、印刷結果の印刷物が環境対応印刷によるものであることをユーザーに正確に知らせることができる印刷装置、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムを提供すること。
【解決手段】複合機は、複合機の操作パネル40または外部コンピューター2に対して指定された内容に基づいて環境負荷の低減に寄与する設定を行う印刷設定部100と、適用された設定に従う印刷が環境対応印刷であるエコ印刷に該当するか否かを判定するエコ印刷判定部110と、判定の結果、エコ印刷に該当する場合に、画像にロゴ画像を付与するロゴ画像付与部120と、ロゴ画像が付与された画像を印刷エンジン30に印刷させる印刷制御部130と、を備える。
【解決手段】複合機は、複合機の操作パネル40または外部コンピューター2に対して指定された内容に基づいて環境負荷の低減に寄与する設定を行う印刷設定部100と、適用された設定に従う印刷が環境対応印刷であるエコ印刷に該当するか否かを判定するエコ印刷判定部110と、判定の結果、エコ印刷に該当する場合に、画像にロゴ画像を付与するロゴ画像付与部120と、ロゴ画像が付与された画像を印刷エンジン30に印刷させる印刷制御部130と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境に配慮した環境対応印刷を行う印刷装置、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンターや複合機等の印刷装置には、地球環境に与える負荷を低減するため、環境に配慮した環境対応印刷(以下、「エコ印刷」ともいう)の機能が求められている。環境対応印刷の例としては、印刷時や待機時の消費電力を抑制した省エネルギー印刷、大豆を原料として製造されたインク等の環境負荷の低い記録材を用いた印刷、再生紙の使用や割付印刷等、印刷媒体による環境負荷を抑制した印刷等が知られている。
【0003】
また、上述した環境対応印刷によって環境への負荷を低減させる効果をよりいっそう発揮するためには、環境対応印刷の機能をより多くのユーザーに利用してもらう必要がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、環境対応消耗品に設けられたICタグからデータを読み出し、読み出したデータから判断して、環境対応消耗品を用いた印刷の場合にはロゴマークを印刷するようにしたプリンターが記載されている。これにより、印刷結果の印刷物が環境対応消耗品を用いた印刷によるものであることをユーザーに知らせるようにし、ひいてはユーザーの環境対策への意識を向上させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−283719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、環境対応印刷ではない場合に、ロゴマークを誤って印刷する可能性があった。例えば、トナーカートリッジ等の環境対応消耗品の使用後にユーザーが新たな記録材を再充填することによって環境対応消耗品を再使用した場合、再充填された記録材が環境対応の記録材ではなく、通常の記録材であっても、ロゴマークが印刷される。このため、印刷結果の印刷物を見たユーザーに対して、環境対応印刷による印刷結果でないにも関わらずに、環境対応印刷による印刷結果であると誤認させてしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]画像を印刷する印刷装置であって、環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷する印刷部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【0009】
この構成によれば、環境負荷の低減に関して指定された設定内容に従う印刷が所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当する場合、環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像の付与された画像が印刷される。この付与画像が印刷されていることによって、ユーザーは、印刷結果が環境対応印刷によるものであることを知ることができる。また、設定内容から判定した結果に応じて付与画像が付与されるため、所定の環境性能を満たしていない場合に付与画像を誤って印刷することがなく、印刷結果を見たユーザーに対して、環境対応印刷によるものであるか否かを誤認させることがない。したがって、印刷結果を見たユーザーに対して、環境対応印刷による印刷結果であることを正確に知らせることができる。また、これにより、ユーザーの環境対策への意識を向上させることができる。
【0010】
[適用例2]上記印刷装置において、前記判定部は、前記設定内容に対応付けられた前記環境性能に基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【0011】
この構成によれば、設定内容に対応付けられた環境性能に基づいて環境対応印刷の判定が行われるので、判定を簡易な処理で行うことができる。
【0012】
[適用例3]上記印刷装置において、前記判定部は、前記環境性能の組み合わせに基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【0013】
この構成によれば、環境性能の組み合わせが考慮された判定により、環境対応印刷に該当するか否かがより適切に判定される。
【0014】
[適用例4]上記印刷装置において、前記判定部は、前記環境性能に関する評価値を算出し、前記評価値に基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【0015】
この構成によれば、評価値に基づいて環境対応印刷に該当するか否かが判定されるので、環境対応印刷に該当するか否かを適切に判断することができる。
【0016】
[適用例5]上記印刷装置において、前記所定の環境性能を満たすとする閾値は、変更可能であることを特徴とする印刷装置。
【0017】
この構成によれば、用途等に応じて環境対応印刷の判定基準を適宜変更することができる。
【0018】
[適用例6]上記印刷装置において、前記設定部の設定は、異なる種類の前記環境負荷の低減に寄与する前記環境性能の種類に基づいて行われ、前記付与部は、前記設定された設定内容に従う印刷が寄与する環境性能の種類に応じて異なる前記付与画像を付与することを特徴とする印刷装置。
【0019】
この構成によれば、設定内容に応じて異なる付与画像が付与されるので、自身が行った設定に応じて付与画像が変わることをユーザーに認識させることによって、環境対策への意識をよりいっそう向上させることができる。なお、異なる付与画像を付与する手法としては、付与画像の数、大きさ、色、模様等を設定に応じて変えることが望ましい。
【0020】
[適用例7]上記印刷装置において、前記付与部は、前記環境負荷の低減に寄与する寄与度に応じて異なる前記付与画像を付与することを特徴とする印刷装置。
【0021】
この構成によれば、設定された設定内容に従う印刷が寄与する環境性能の種類に応じて、異なる付与画像が印刷される。これにより、ユーザーは、自身が行った設定が環境に対してどのように寄与したかを印刷結果から知ることができ、ユーザーの環境対策への意識をよりいっそう向上させることができる。
【0022】
[適用例8]上記印刷装置において、環境負荷の低減に寄与する設定内容を指定する操作を受け付ける操作部と、印刷ジョブおよび前記印刷ジョブの設定を指定する印刷設定データを受信する受信部と、を備え、前記設定部は、前記印刷ジョブの印刷については、前記操作部に指定される設定内容よりも前記受信部が受信した印刷設定データに指定される設定内容を優先して適用することを特徴とする印刷装置。
【0023】
この構成によれば、印刷装置の操作部に対して指定された設定内容よりも印刷ジョブの印刷設定データにより指定される設定内容が優先的に適用される。印刷ジョブの設定が確実に印刷に反映されるため、印刷ジョブの印刷を指示したユーザーが意図していた設定による印刷結果を得ることができる。また、印刷された付与画像により、ユーザーは、自身が指定した設定内容に従う印刷が環境対応印刷に該当するかを印刷結果から知ることができる。
【0024】
[適用例9]上記印刷装置において、環境負荷の低減に寄与する設定を指定する操作を受け付ける操作部と、印刷ジョブおよび前記印刷ジョブの設定を指定する印刷設定データを受信する受信部と、を備え、前記設定部は、前記受信部が受信した印刷設定データに指定される設定内容よりも前記操作部に指定される設定内容を優先して適用することを特徴とする印刷装置。
【0025】
この構成によれば、印刷ジョブの印刷設定データに指定された設定内容よりも印刷装置の操作部に対して指定された設定内容が優先的に適用されるので、操作部へのユーザー操作によって指定された設定内容が印刷に確実に反映される。これは、例えば、印刷装置の管理者等が、操作部から印刷装置の利用を許可する設定を制限した場合等に有用であり、制限に従う設定内容の印刷が環境対応印刷に該当するかを印刷結果から知ることができるようになる。
【0026】
[適用例10]画像の印刷を制御する印刷制御装置であって、環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させる印刷制御部と、を備えることを特徴とする印刷制御装置。
【0027】
この構成によれば、印刷制御装置の制御によって、設定内容に応じて付与画像の付与された画像が印刷されるので、ユーザーは、印刷結果が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷によるものであることを正確に知ることができる。
【0028】
[適用例11]画像の印刷を制御する印刷制御方法であって、環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行うステップと、設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定するステップと、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与するステップと、前記設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させるステップと、を含むことを特徴とする印刷制御方法。
【0029】
[適用例12]画像の印刷を制御するための印刷制御プログラムであって、コンピューターを、環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させる印刷制御部、として機能させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【0030】
これらの印刷制御方法および印刷制御プログラムによれば、設定内容に応じて付与画像の付与された画像が印刷されるので、ユーザーは、印刷結果が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷によるものであることを正確に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示した図である。
【図2】複合機の機能ブロック図である。
【図3】複合機側で設定される設定項目の一例を示した図である。
【図4】外部コンピューター側で設定される設定項目の一例を示した図である。
【図5】評価値の算出方法の説明図である。
【図6】複合機の動作手順を示したフローチャートである。
【図7】ロゴ画像が付与された印刷結果の一例を示した図である。
【図8】ロゴ画像の一例を示した拡大図である。
【図9】ロゴ画像の一例を示した拡大図である。
【図10】第2実施形態に係る評価値の算出方法の説明図である。
【図11】ロゴ画像の一例を示した拡大図である。
【図12】第3実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示した図である。図1に示すように、画像処理システム1は、外部コンピューター2と、複合機3とを含んでおり、外部コンピューター2と複合機3とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0034】
外部コンピューター2は、例えば、汎用のパーソナルコンピューターであり、複合機3を外部から制御するためのドライバーソフトウェア10がインストールされている。ドライバーソフトウェア10は、キーボードやマウス等の入力装置(入力部)4へのユーザー操作に従って印刷設定が指定されて、指定された印刷設定の設定情報、印刷対象となる画像のデータ、印刷指示等を含む印刷ジョブを複合機3に送信する。なお、外部コンピューター2側における印刷設定の詳細については後述する。
【0035】
複合機3は、印刷装置の一例であり、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、USBメモリー印刷機能等の複数の機能を有したマルチファンクションプリンターである。この複合機3は、スキャナー20と、印刷エンジン(印刷部)30と、操作パネル(操作部)40と、コントローラー50と、を備えている。
【0036】
スキャナー20は、原稿台にセットされた原稿を読み取って、原稿のイメージデータを生成するためのハードウェア部であり、撮像素子を搭載したキャリッジやキャリッジを原稿台に沿って走査させる走査機構等を有する。
【0037】
スキャナー20が原稿を読み取ることによって生成されたスキャンデータはコントローラー50に受け渡される。なお、スキャナー20としては、複数枚の原稿がセットされた場合に、この原稿を1枚ずつ原稿台に自動的に送出する自動原稿送出装置(ADF:Auto Document Feeder)を設けた構成としてもよい。
【0038】
印刷エンジン30は、例えば、外部コンピューター2から受信した印刷ジョブに含まれる画像データや、スキャンデータや、USBメモリー等の可搬性記憶媒体から読み出された画像データ等の画像を、印刷用紙等の印刷媒体に印刷するハードウェア部である。本実施形態の印刷エンジン30は、電子写真方式の画像形成によって印刷を行うものであり、帯電ユニット、露光ユニット、感光体、現像ユニット、転写ユニット、定着ユニット、トナーカートリッジ、これらの構成の動作を制御する制御部等の構成を有している。感光体は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸に対して回転可能なドラムである。感光体は帯電ユニットにより帯電されて、その後、露光ユニットによる潜像の形成、現像ユニットによるトナーを用いた潜像の現像がなされる。現像されたトナー像は、転写ユニットによって用紙等の印刷媒体に転写される。定着ユニットは、ローラー表面がゴム等の弾性体で覆われた定着ローラー、定着ローラーを回転させる駆動モーター、定着ローラーを加熱するヒーター等を備えており、加熱された定着ローラーが、転写されたトナー像を印刷媒体に定着させることによって印刷媒体に画像が形成される。
【0039】
操作パネル40は、複合機3の前に立つユーザーが複合機3を操作するために複合機3の外面に設けられたパネルであり、タッチパネルを有している。ユーザーは、タッチパネルに表示される画面に従って操作することにより、複合機3に対して様々な指示を入力することや、複合機3の様々な設定を変更することが可能である。なお、操作パネル40としては、タッチパネルではなく、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルおよび各種の操作ボタンを備えた構成としてもよい。
【0040】
コントローラー50は、複合機3の各部の動作を制御する制御装置であり、CPU51と、ROM52と、RAM53と、EEPROM54と、USBI/F55と、ネットワークI/F(受信部)56と、スキャナーI/F57と、エンジンI/F58と、パネルI/F59と、を備えている。また、これらの各構成は内部バスを介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0041】
CPU51は、コントローラー50の主制御装置であり、RAM53を作業領域等として用いて、ROM52に格納された各種のプログラムを実行することにより、複合機3の各構成を制御する。このCPU51は、例えば、印刷対象の画像データ等を印刷エンジン30が処理可能な形式に変換して、印刷指示とともに印刷エンジン30に受け渡す等の印刷エンジン30を制御する処理、操作パネル40を制御する処理、スキャナー20を制御する処理、USBメモリー5から画像データを読み出す処理等、複合機3における様々な処理を行う。CPU51がこれらの処理を行うことにより、複合機3のプリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、USBメモリー印刷機能等の各種の機能が実現される。
【0042】
また、ROM52またはEEPROM54には、後述するロゴ画像の画像データが予め記憶されている。
【0043】
USBI/F55は、USB機器とコントローラー50とのインターフェイス部分であり、可搬性の記憶媒体であるUSBメモリー5が着脱可能に装着されるスロット部やUSB機器とのデータ通信を司るUSBコントローラー等を有している。
【0044】
ネットワークI/F56は、ネットワークに接続するインターフェイス部分であり、接続先との通信を制御する処理を行う。複合機3は、ネットワークI/F56を介してネットワークに接続することにより、外部コンピューター2と通信可能に接続されている。
【0045】
パネルI/F59は、操作パネル40に対するインターフェイス部分であり、CPU51の制御により操作パネル40にタッチパネルの表示信号を出力する処理や、操作パネル40から操作信号の入力を受ける処理等を行う。
【0046】
スキャナーI/F57は、コントローラー50とスキャナー20とのインターフェイス部分であり、CPU51の制御によりスキャナー20に読取指示を出す処理や、スキャナー20が読み取ったイメージのスキャンデータを受け取る処理等を行う。
【0047】
エンジンI/F58は、コントローラー50と印刷エンジン30とのインターフェイス部分であり、印刷エンジン30で印刷を実行する際に、RAM53に格納されている印刷対象の画像データを読み出し、画像データに所定の処理を施すことにより、画像データを印刷エンジン30が処理可能な形式のデータとして印刷エンジン30に出力する処理を行う。なお、このエンジンI/F58には、データを一時的に格納するメモリー、解凍部、スクリーン処理部等が備えられ、RAM53から読み出した画像データに対して、圧縮されたデータの解凍、ドットのデータへ変換するスクリーン処理等を行う。これらの機能を有するエンジンI/F58は、具体的には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されている。
【0048】
ここで、本実施形態の複合機3は、例えば、印刷時や待機時の消費電力を抑制する省エネルギー印刷、環境負荷の低い環境トナーを用いた印刷やトナーセーブ等の記録材による環境負荷を抑制した印刷、再生紙の使用や割付印刷等の印刷媒体による環境負荷を抑制した印刷等、環境問題に関して環境に与える影響(環境負荷)の低減に寄与する印刷設定に基づく印刷が可能に構成されている。また、本複合機3は、節電制御方法、印刷方法、印刷に使用するトナーや用紙の種類等の印刷設定に関する複数の項目について、ユーザーは、操作パネル40あるいは外部コンピューター2から任意に設定可能であり、設定された各項目の内容に応じて環境負荷の低減に寄与するエコ印刷が行われる。
【0049】
さらに、本実施形態の複合機3は、エコ印刷を行う場合、印刷対象の画像を印刷する用紙に対して、所定のロゴマークの画像を印刷する。このロゴマークは、印刷結果の印刷物を見たユーザーに対して、その印刷物がエコ印刷によって印刷された印刷結果である旨を知らせるためのものである。ロゴマークとしては、例えば、これを見た者に対して地球環境を想起させるマーク、環境保護を推進する団体等で定められた所定のマーク等が用いられる。
【0050】
次に、上述したエコ印刷の機能を実現する複合機3の構成について説明する。図2は、複合機3のコントローラー50の機能ブロック図である。図2に示すように、コントローラー50は、印刷設定部(設定部)100と、エコ印刷判定部(判定部)110と、ロゴ画像付与部(付与部)120と、印刷制御部130と、を有している。
【0051】
印刷設定部100は、ユーザーからの指定に基づいて、印刷に適用する設定内容を決定する処理を行う。また、本実施形態の複合機3では、複合機3側と、外部コンピューター2側の双方から環境負荷の低減に寄与する印刷設定に関する設定を指定可能に構成されている。次に、複合機3側で指定される設定、外部コンピューター2側で指定される設定について説明する。
【0052】
まず、複合機3側で指定される設定の項目について説明する。図3に、複合機3側で設定される設定項目の一例を示す。図3に示すように、複合機3側の設定項目には、トナーセーブ、カラーモノクロ変換、両面印刷、割付印刷、省エネルギー印刷、電子写真プロセスにおける定着温度、環境トナーの使用の有無、用紙種類等の項目が含まれている。なお、環境負荷の低減に寄与する設定項目としてはこれらに限られるものではなく、例えば、起動時に印刷可能となるまでの時間を短縮させるスタートアップ印刷、電力使用量が逼迫する時間帯を避けて印刷する印刷時間シフト、ジョブを纏めて夜間に印刷する夜間一括印刷、スリープモード、スリープモードに移行するまでのスリープ突入時間等の項目を含めるようにしてもよい。また、省エネルギー印刷の設定についても、省エネルギー化のためのより細目にわたる設定項目、例えば、コントローラー50の動作クロックの低下、印刷エンジン30による印刷速度の低減、印刷時における各種インターフェイスへの電源供給の遮断、操作パネル40やインジケーターの輝度制御等の項目を含めるようにしてもよい。
【0053】
上述した複合機3側の各設定項目については、ユーザーが、複合機3の操作パネル40を操作することにより、所望の設定内容が指定される。例えば、トナーセーブの場合、OFF/弱/中/強の複数のレベルのうちから、ユーザーは任意のレベルの設定内容を指定可能である。指定された設定内容は装置設定データD1として、EEPROM54等の不揮発性メモリーの予め決められたメモリー領域に格納される。
【0054】
次に、外部コンピューター2側で指定される設定内容について説明する。図4に、外部コンピューター2側の設定項目の一例を示す。図示するように、外部コンピューター2側の環境負荷の低減に寄与する設定項目には、トナーセーブ、カラーモノクロ変換、両面印刷、割付印刷等の設定項目が含まれている。これらの項目については、ユーザーが、外部コンピューター2に接続されたマウスやキーボード等の入力装置4を操作することにより、所望の設定内容が指定される。指定された設定内容は、印刷設定データD2として印刷ジョブとともに外部コンピューター2から複合機3に送信される。
【0055】
印刷設定部100は、例えば、複合機3のコピー機能やUSBメモリー印刷機能等、操作パネル40へのユーザー操作に基づいて行う印刷においては、印刷設定部100は、上述した複合機3側の設定内容と外部コンピューター2側の設定内容とのうち複合機3側の設定内容を適用する。
【0056】
一方、外部コンピューター2から受信した印刷ジョブの印刷については、印刷設定部100は、複合機3側の設定項目よりも外部コンピューター2側の設定項目を優先して適用する。なお、上述したように、外部コンピューター2側の設定項目にある、トナーセーブ、カラーモノクロ変換、両面印刷、割付印刷の各設定項目は、複合機3側の設定項目と重複している。そこで、印刷設定部100は、これらの重複する項目については、外部コンピューター2側で指定された設定内容を優先的に適用し、重複しない項目については複合機3側の設定内容を適用する。これにより、外部コンピューター2に対して印刷を指示したユーザーの意図する設定が、印刷に反映されることとなる。
【0057】
エコ印刷判定部110は、印刷設定部100によって決定された設定内容に従う印刷が、エコ印刷に該当するか否かの判定を行う。本実施形態においては、エコ印刷に該当するか否かの判定は、設定内容から、省エネルギー、トナーや用紙の省資源等に関して総合的な環境性能を表す指標として評価値を算出し、評価値に基づいて行われる。例えば、図5に示すように、各設定項目の内容ごとに環境への寄与度が考慮された個別の評価値が予め定められており、エコ印刷判定部110は、設定項目ごとに設定内容に該当する評価値を個別評価値eとして求めてから、各設定項目の個別評価値eを合計することにより評価値Eを算出する。この評価値Eの値を所定の閾値と比較することにより、印刷設定部100に設定された設定内容による印刷が、所定の環境性能を満たしたエコ印刷に該当するか否かを判定する。もっとも、判定方法としてはこれに限られることなく、複数の設定項目についての設定内容の組み合わせごとにエコ印刷に該当するか否かを予め環境性能として定めておき、設定内容の組み合わせに応じて判定するようにしてもよい。
【0058】
ロゴ画像付与部120は、適用する設定内容がエコ印刷に該当する場合に、印刷ジョブ等で元々の印刷対象となっていた画像に対して、所定のロゴ画像(付与画像)を付与する処理を行う。また、詳細は後述するが、ロゴ画像付与部120は、評価値Eの値に応じて、ロゴ画像の大きさ等を変化させることによって異なるロゴ画像を付与するようにしてもよい。
【0059】
印刷制御部130は、印刷設定部100により決定された設定内容に従って印刷エンジン30、操作パネル40、スキャナー20、各種インターフェイス等の動作を制御することにより、印刷を制御する。例えば、定着温度が「低」に設定されていた場合、印刷エンジン30の制御部に対して、定着ユニットの温度を下げさせる旨の指示を出すことにより、印刷エンジン30の消費電力を抑制する制御を行う。
【0060】
また、プリンター機能やコピー機能による印刷を行う場合、印刷制御部130は、印刷設定部100により決定された印刷設定に従う印刷を印刷エンジン30に実行させる。このため、印刷制御部130は、印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像データやスキャンデータから、割付印刷や両面印刷等の設定内容に対応する画像データを生成して、生成した画像データをエンジンI/F58を介して印刷エンジン30が処理可能な形式で印刷エンジン30に受け渡す。なお、ロゴ画像付与部120により、印刷対象の画像にロゴ画像が付与されていた場合、印刷制御部130は、ロゴ画像が付与された画像のデータを印刷エンジン30に受け渡す。
【0061】
以上に述べたように、本実施形態の複合機3は、印刷の設定がエコ印刷に該当する場合に、印刷対象の画像に対してロゴ画像を付与して印刷するものである。次に、複合機3の動作についてフローチャートに従って詳細に説明する。
【0062】
例えば、外部コンピューター2から複合機3に印刷ジョブが入力されることにより、プリンター機能の印刷指示があった場合や、操作パネル40からの操作により、コピー機能やUSBメモリー印刷機能による印刷指示が入力された場合等に、図6の処理が開始される。図6の処理が開始されると、印刷設定部100は、入力された印刷指示が、外部コンピューター2からの印刷指示であったか否かを判断する(ステップS10)。
【0063】
外部コンピューター2からの印刷指示であった場合(ステップS10:Yes)、印刷設定部100は、外部コンピューター2から受信した印刷ジョブに含まれる印刷設定データD2を取得し(ステップS11)、EEPROM54から複合機3の操作パネル40に対して指定された装置設定データD1を取得する(ステップS12)。次に、印刷設定データD2の設定項目と、装置設定データD1の設定項目との重複する項目については、印刷設定データD2の設定項目を優先的に適用することにより、受信した印刷ジョブの印刷に適用する設定内容を決定する(ステップS13)。
【0064】
一方、ステップS10の判断において、外部コンピューター2からの印刷指示でなかった場合(ステップS10:No)、すなわち、コピー機能の印刷やUSBメモリー印刷等、複合機3の操作パネル40からの印刷指示であった場合、ステップS14に処理が進む。この場合、印刷設定部100は、EEPROM54から装置設定データD1を取得し(ステップS14)、装置設定データD1の設定内容を適用することにより、操作パネル40へのユーザー操作によって行う印刷の設定内容を決定する(ステップS15)。
【0065】
印刷の設定内容が決定されると、エコ印刷判定部110は、決定された設定内容から評価値Eを算出し(ステップS16)、評価値Eの値に基づいて、決定された設定内容による印刷がエコ印刷に該当するか否かを判断する(ステップS17)。評価値Eが所定の閾値以上の場合、エコ印刷に該当すると判断されて(ステップS17:Yes)、ロゴ画像付与部120は、印刷対象の画像に対してロゴ画像を付与する(ステップS18)。次に、印刷制御部130は、ロゴ画像が付与された画像のデータを印刷エンジン30に受け渡すことにより、ロゴ画像が付与された画像を印刷させる(ステップS19)。
【0066】
図7に、ロゴ画像が付与された画像の印刷結果の一例を示す。図7に示すように、印刷結果の印刷用紙Sには、印刷ジョブ等の元々の印刷対象であった画像Pと、ロゴ画像Lとが印刷されている。なお、図7の例では、印刷対象の画像Pに対して右上方向に離れた、用紙Sの周辺部分にロゴ画像Lが配置されているが、ロゴ画像Lの位置としてはこれに限られない。例えば、画像Pに対して上側中央付近のヘッダー位置や、下側中央付近のフッター位置でもよいし、画像Pに重なり合う位置にあってもよい。
【0067】
また、ロゴ画像付与部120が付与するロゴ画像Lの数は、印刷設定の内容から定まる評価値Eに応じて変化する。すなわち、ロゴ画像付与部120は、評価値Eが小さい場合、図8(a)に例として示すように付与するロゴ画像Lの数を少なくし、評価値Eが大きくなるほど、図8(b)に例として示すように付与するロゴ画像Lの数を多くする。もっとも、ロゴ画像Lを変化させる方法としては、これに限られることなく、設定の内容から定まる評価値Eに応じてロゴ画像Lの大きさを変化させてもよい。すなわち、評価値Eが小さい場合、図9(a)に例として示すようにロゴ画像Lを小さくし、評価値Eが大きくなるほど、図9(b)に例として示すようにロゴ画像Lを大きくする。もっとも、評価値Eに応じてロゴ画像Lの濃度や、ロゴ画像Lを構成する線の太さを変えるようにしてもよい。
【0068】
一方、ステップS17の判断において、評価値Eが所定の閾値未満の場合は、エコ印刷に該当しないと判断されて(ステップS17:No)、印刷対象の画像のデータを印刷エンジン30に受け渡すことにより、ロゴ画像Lを付与することなく、印刷対象の画像Pを印刷させる(ステップS20)。
【0069】
以上に説明した本実施形態の複合機3によれば、以下の効果を得ることができる。
【0070】
(1)複合機3の操作パネル40または外部コンピューター2から指定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たしたエコ印刷に該当する場合、ロゴ画像Lが付与された画像Pが印刷される。印刷結果の印刷物を見たユーザーは、印刷されたロゴ画像Lから、当該印刷結果がエコ印刷によるものであることを知ることができ、これにより、ユーザーの環境対策への意識を向上させることができる。
【0071】
また、エコ印刷の利用を推進することができる。例えば、ユーザーは、ロゴ画像Lが印刷された印刷物を第3者に配布等することにより、エコ印刷を積極的に利用していることをアピールできる。また、複合機3の管理者が、エコ印刷の利用実態を調査しようとする場合であれば、印刷結果の印刷物からエコ印刷の利用実態を容易に知ることができ、複合機やプリンターにおけるエコ印刷の利用を管理し易くなる。これらの動機が働くため、エコ印刷がより積極的に利用されるようになる。
【0072】
(2)複合機3または外部コンピューター2に対して指定された設定内容からエコ印刷に該当する印刷であるか否かを判断して、エコ印刷に該当する場合にロゴ画像Lを印刷するようにしているので、エコ印刷でない場合に、ロゴ画像Lを誤って印刷することがない。したがって、印刷結果の印刷物を見たユーザーに対して、エコ印刷によるものではないにも関わらずにエコ印刷による印刷物であると誤認させることがなく、エコ印刷による印刷物であることを正確に知らせることができる。
【0073】
(3)複数の設定項目から算出される評価値Eに応じてエコ印刷に該当するか否かが判定されるので、複数の設定項目があっても、それらの設定項目の設定内容に従う印刷が、エコ印刷に該当するか否かを適切に判断して、エコ印刷の場合にロゴ画像Lを付与することができる。
【0074】
(4)設定内容から算出される評価値Eに応じて、印刷されるロゴ画像Lの数や大きさ等が変わるようにしたので、ユーザーは、印刷結果のロゴ画像Lの数等から、環境に寄与した度合いを知ることができる。これにより、ユーザーの環境対策への意識をよりいっそう向上させ、エコ印刷の利用を促進することができる。
【0075】
(5)外部コンピューター2から受信した印刷ジョブの印刷では、装置設定データD1の項目と印刷設定データD2の設定項目とに重複する項目については、印刷設定データD2の設定内容を優先的に適用し、重複しない項目については装置設定データD1の設定内容を印刷に適用するようにした。これにより、外部コンピューター2から受信した印刷ジョブの印刷においては、外部コンピューター2に対して指定された印刷設定が確実に反映される。したがって、外部コンピューター2に対して印刷指示の操作を行ったユーザーが意図した設定による印刷結果を得ることができ、ユーザーは、印刷結果から、自身が意図した設定による印刷がエコ印刷に該当していたか否かを知ることができる。
【0076】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、印刷に適用する設定内容から総合的な環境性能を表す指標として1つの評価値Eを求めて、この評価値Eに応じてロゴ画像Lを付与するようにしたが、設定内容から異なる種類の前記環境負荷の低減に寄与する複数種類の環境性能に基づいてロゴ画像Lを付与するようにしてもよい。複数種類の環境性能としては、例えば、消費電力に関する環境性能、トナー消費量の低減や環境トナーの使用等のトナーに関する環境性能、用紙の使用枚数の低減もしくは再生紙の使用等の用紙に関する環境性能等がある。第2実施形態では、これらの複数種類の環境性能のそれぞれについて別々に算出した評価値に応じて複数種類のロゴ画像Lを付与する。なお、以下では、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付与し、詳細な説明を省略することとする。
【0077】
例えば、割付印刷の場合、この設定を有効にすることによって、使用する用紙の枚数が低減するとともに、使用するトナー量も低減する。一方、電子写真プロセスの定着温度を低く設定した場合は、消費電力の低減に寄与することになる。このように、設定項目ごとに、環境負荷の低減に寄与する環境性能の種類は異なる。そこで、エコ印刷判定部110は、印刷に適用する設定内容から、消費電力に関する環境性能、トナーに関する環境性能、用紙に関する環境性能のそれぞれについて評価値を算出する。具体的には、各設定項目の設定内容について、各環境性能に対する個別評価値eをそれぞれ予め定めておく。エコ印刷判定部110は、図10に示すように、印刷に適用する設定内容から、消費電力に関する環境性能の個別評価値e1、トナーに関する環境性能の個別評価値e2、用紙に関する環境性能の個別評価値e3を求め、複数の設定項目について各個別評価値e1、e2、e3を合計することにより、環境性能の種類に対応する評価値E1、E2、E3を算出する。ロゴ画像付与部120は、各評価値E1、E2、E3に応じて環境性能の種類ごとにロゴ画像Lの付与を行う。
【0078】
図11に、第2実施形態における印刷結果の一例を示す。図11の印刷結果には、ロゴ画像L1と、ロゴ画像L2と、ロゴ画像L3とが印刷されている。ロゴ画像L1は、消費電力に関する評価値E1に応じて付与されたものであり、消費電力に関する環境性能がエコ印刷に該当することを示している。ロゴ画像L2は、トナーに関する評価値E2に応じて付与されたものであり、トナーに関する環境性能がエコ印刷に該当することを示している。ロゴ画像L3は、用紙に関する評価値E3に応じて付与されたものであり、用紙に関する環境性能がエコ印刷に該当することを示している。したがって、ユーザーは、この印刷結果から、消費電力に関するエコ印刷、トナーに関するエコ印刷、用紙に関するエコ印刷が行われたことを知ることができる。なお、図11の例では、各ロゴ画像L1〜L3が1つずつ付与されたときの例を示しているが、第1実施形態と同様に、評価値に応じて各ロゴ画像の数、大きさ、濃度、色等を変えるようにしてもよい。
【0079】
以上に説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、ユーザーは、印刷結果から、環境負荷の低減にどのように寄与したエコ印刷が行われたかを知ることができるようになる。これにより、ユーザーの環境対策への意識をさらに向上させることができる。
【0080】
(第3実施形態)
第1実施形態では、複合機3の内部の処理によってロゴ画像Lを付与するようにしたが、外部コンピューター側の処理によって、ロゴ画像Lを付与するようにしてもよい。第3実施形態では、外部コンピューター側の処理によって、ロゴ画像Lを付与する場合について説明する。
【0081】
図12は、第3実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示した図である。図12に示すように、画像処理システム6は、外部コンピューター7と、複合機8とを備え、外部コンピューター7と複合機8とはネットワーク等を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0082】
外部コンピューター7は、印刷制御装置の一例であり、例えば、ドライバーソフトウェアがインストールされた汎用のパーソナルコンピューターである。この外部コンピューター7は、CPU70と、ROM71と、RAM72と、ハードディスクドライブ73と、読取装置74と、ネットワークI/F(設定データ受信部)75と、入力I/F76と、を備えている。外部コンピューター7のこれらの構成は、バス77に接続されており、バス77を介してデータ通信可能になっている。
【0083】
ハードディスクドライブ73には、ドライバープログラム(印刷制御プログラム)DPが予め格納されている。なお、ドライバープログラムDPは、印刷媒体Mに記録された形態で外部コンピューター7に供給され、ハードディスクドライブ73には、読取装置74によって印刷媒体Mから読み出されたプログラムが格納される。なお、印刷媒体Mの例としては、CD−ROM、DVD−ROMなどの光ディスクの他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、USBメモリー、メモリーカードなどを挙げることができる。もっとも、ドライバープログラムDPが外部コンピューター7に供給される形態としてはこれに限られることなく、例えば、電気通信回線や光通信回線を介して所定のサーバーから供給されるようにしてもよい。
【0084】
ネットワークI/F75は、ネットワークに接続するインターフェイス部分であり、ネットワークを介して複合機8との通信が行われる。このネットワークI/F75は、複合機8から装置設定データD1を受信する処理等を行う。
【0085】
入力I/F76は、マウスやキーボード等の入力装置4が接続されるインターフェイス部分である。
【0086】
また、外部コンピューター7のCPU70が、ハードディスクドライブ73に格納されたドライバープログラムDPを読み出して実行することによりドライバーソフトウェアがインストールされる。これにより、外部コンピューター7は、複合機8がもつプリンター機能のホスト装置となって複合機8に印刷ジョブを送信する印刷制御装置となり、外部コンピューター7のCPU70は、印刷設定部200と、エコ印刷判定部210と、ロゴ画像付与部220と、印刷ジョブ生成部(印刷制御部)230、として機能する。
【0087】
印刷設定部200は、複合機8から装置設定データD1を取得し、入力装置4により指定された設定内容と、装置設定データD1の設定内容とから、印刷に適用する設定内容を決定する処理を行う。なお、本実施形態では、装置設定データD1の項目と入力装置4により指定された印刷設定の設定項目とに重複する項目については、入力装置4により指定された印刷設定が優先的に適用される。また、エコ印刷判定部210が行う処理およびロゴ画像付与部220が行う処理については、第1実施形態におけるエコ印刷判定部110が行う処理およびロゴ画像付与部120と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0088】
印刷ジョブ生成部230は、ロゴ画像が付与された画像から、複合機8が処理可能なデータ形式の印刷データを生成し、この印刷データ、印刷設定部200が決定した設定内容の印刷設定データ、印刷指示を含む印刷ジョブを複合機8に送信する。これにより、外部コンピューター7は、ロゴ画像Lが付与された画像Pを複合機8に印刷させる。
【0089】
以上に説明した第3実施形態によれば、外部コンピューター7側の処理によって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、装置設定データD1の設定と入力装置4により指定された印刷設定とに重複する項目については、入力装置4により指定された印刷設定が優先的に適用されるので、ユーザーが、入力装置4を用いて外部コンピューター7に指定した印刷設定は、複合機8による印刷に確実に反映されることになる。したがって、外部コンピューター7に対して印刷指示の操作を行ったユーザーが意図した設定の印刷結果を得ることができ、ユーザーは、自身が意図した設定による印刷がエコ印刷に該当していたか否かを、印刷結果から知ることができるようになる。
【0090】
以上、本発明に係る第1ないし第3実施形態について説明したが、本発明はこれらの形態に限られることなく、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。以下、変形例について説明する。
【0091】
(変形例1)
上記第1ないし第3実施形態では、エコ印刷による印刷物であることがユーザーに分かるように、所定の図柄で表されるロゴ画像Lを付与画像として印刷対象の画像とともに印刷するようにしたが、付与画像としてはこれに限られない。例えば、エコ印刷による印刷物である旨の文字列や、環境性能を表す評価値E自体の画像を付与画像として付与してもよい。
【0092】
(変形例2)
上記第1実施形態では、コントローラー50内部の処理によって画像Pにロゴ画像Lを付与するようにしたが、コントローラー50と印刷エンジン30とが協働してロゴ画像Lを付与するようにしてもよい。例えば、コントローラー50のロゴ画像付与部120は、画像Pに加えて、ロゴ画像Lを所定の位置に画像形成する旨の指示を印刷エンジン30に出し、この指示を受けた印刷エンジン30の制御部が、印刷エンジン30内部の処理によって画像Pにロゴ画像Lを付与して印刷するようにしてもよい。
【0093】
(変形例3)
上記第3実施形態では、外部コンピューター7側の処理によって画像Pにロゴ画像Lを付与するようにしたが、外部コンピューター7と複合機8とが協働してロゴ画像Lを付与する処理を行うようにしてもよい。例えば、外部コンピューター7のロゴ画像付与部220は、画像Pのデータ、およびロゴ画像Lを所定の位置に画像形成する旨の指示を複合機8に出し、この指示を受けた複合機8が、その内部の処理によって画像Pにロゴ画像Lを付与して印刷するようにしてもよい。
【0094】
また、例えば、コピー機能等によって、複合機8側で読み込まれたスキャンデータの印刷については、複合機8が外部コンピューター7に対して、コピーの設定内容のデータを送信して、外部コンピューター7側においてエコ印刷に該当するかを判定するようにしてもよい。この場合、外部コンピューター7は、受信した設定データからエコ印刷に該当するかを判定して、該当する場合にロゴ画像Lを付与する許可を複合機8に出すことにより、ロゴ画像Lを付与した画像Pの印刷を複合機8に実行させる。また、外部コンピューター7は、ロゴ画像Lを付与する許可とともに、ロゴ画像Lのデータを複合機8に送信し、複合機8はこのデータを用いてロゴ画像Lを付与するようにしてもよい。
【0095】
(変形例4)
上記第1ないし第3実施形態では、外部コンピューター2側の設定項目と複合機3側の設定項目とに重複した設定項目については、外部コンピューター2側で指定された設定内容を優先的に適用するようにしたが、複合機3側で設定された内容を優先的に適用するようにしてもよい。例えば、画像処理システムの管理者が、複合機3の操作パネルへの操作により、このシステムを利用するユーザーに対して利用を許可する印刷設定に制限を設ける場合、外部コンピューター2側の設定項目よりも複合機3側の設定項目を優先して適用することが望ましい。これにより、制限された印刷設定の設定内容に応じてロゴ画像Lが印刷されるため、制限に従う設定内容による印刷が環境対応印刷に該当するかを印刷結果から知ることができるようになる。
【0096】
(変形例5)
上記第1ないし第3実施形態では、所定の環境性能を満たしたエコ印刷に該当するか否かの閾値が予め設定されているようにしたが、所定の環境性能を満たす、とする閾値は、変更設定が可能である構成としてもよい。これにより、所定の組織、企業、団体、業界等が設定する環境負荷の低減目標に合わせたカスタマイズができるようになる。
【0097】
(変形例6)
上記第1ないし第3実施形態では、印刷装置の一例として複合機について説明したが、印刷装置としてはプリンターやファクシミリ装置であってもよい。また、上記第1ないし第3実施形態では、電子写真方式の印刷を行うものについて説明したが、印刷方式としてはこれに限られることなく、インクジェット方式や熱転写方式等の他の印刷方式を用いた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…画像処理システム、2…外部コンピューター、3…印刷装置としての複合機、4…入力部としての入力装置、7…印刷制御装置としての外部コンピューター、20…スキャナー、30…印刷部としての印刷エンジン、40…操作部としての操作パネル、50…コントローラー、56…受信部としてのネットワークI/F、75…設定データ受信部としてのネットワークI/F、100…設定部としての印刷設定部、110…判定部としてのエコ印刷判定部、120…付与部としてのロゴ画像付与部、130…印刷制御部、230…印刷制御部としての印刷ジョブ生成部、L…付与画像としてのロゴ画像、DP…印刷制御プログラムとしてのドライバープログラム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境に配慮した環境対応印刷を行う印刷装置、印刷制御装置、印刷制御方法、および印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンターや複合機等の印刷装置には、地球環境に与える負荷を低減するため、環境に配慮した環境対応印刷(以下、「エコ印刷」ともいう)の機能が求められている。環境対応印刷の例としては、印刷時や待機時の消費電力を抑制した省エネルギー印刷、大豆を原料として製造されたインク等の環境負荷の低い記録材を用いた印刷、再生紙の使用や割付印刷等、印刷媒体による環境負荷を抑制した印刷等が知られている。
【0003】
また、上述した環境対応印刷によって環境への負荷を低減させる効果をよりいっそう発揮するためには、環境対応印刷の機能をより多くのユーザーに利用してもらう必要がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、環境対応消耗品に設けられたICタグからデータを読み出し、読み出したデータから判断して、環境対応消耗品を用いた印刷の場合にはロゴマークを印刷するようにしたプリンターが記載されている。これにより、印刷結果の印刷物が環境対応消耗品を用いた印刷によるものであることをユーザーに知らせるようにし、ひいてはユーザーの環境対策への意識を向上させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−283719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、環境対応印刷ではない場合に、ロゴマークを誤って印刷する可能性があった。例えば、トナーカートリッジ等の環境対応消耗品の使用後にユーザーが新たな記録材を再充填することによって環境対応消耗品を再使用した場合、再充填された記録材が環境対応の記録材ではなく、通常の記録材であっても、ロゴマークが印刷される。このため、印刷結果の印刷物を見たユーザーに対して、環境対応印刷による印刷結果でないにも関わらずに、環境対応印刷による印刷結果であると誤認させてしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]画像を印刷する印刷装置であって、環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷する印刷部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【0009】
この構成によれば、環境負荷の低減に関して指定された設定内容に従う印刷が所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当する場合、環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像の付与された画像が印刷される。この付与画像が印刷されていることによって、ユーザーは、印刷結果が環境対応印刷によるものであることを知ることができる。また、設定内容から判定した結果に応じて付与画像が付与されるため、所定の環境性能を満たしていない場合に付与画像を誤って印刷することがなく、印刷結果を見たユーザーに対して、環境対応印刷によるものであるか否かを誤認させることがない。したがって、印刷結果を見たユーザーに対して、環境対応印刷による印刷結果であることを正確に知らせることができる。また、これにより、ユーザーの環境対策への意識を向上させることができる。
【0010】
[適用例2]上記印刷装置において、前記判定部は、前記設定内容に対応付けられた前記環境性能に基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【0011】
この構成によれば、設定内容に対応付けられた環境性能に基づいて環境対応印刷の判定が行われるので、判定を簡易な処理で行うことができる。
【0012】
[適用例3]上記印刷装置において、前記判定部は、前記環境性能の組み合わせに基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【0013】
この構成によれば、環境性能の組み合わせが考慮された判定により、環境対応印刷に該当するか否かがより適切に判定される。
【0014】
[適用例4]上記印刷装置において、前記判定部は、前記環境性能に関する評価値を算出し、前記評価値に基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【0015】
この構成によれば、評価値に基づいて環境対応印刷に該当するか否かが判定されるので、環境対応印刷に該当するか否かを適切に判断することができる。
【0016】
[適用例5]上記印刷装置において、前記所定の環境性能を満たすとする閾値は、変更可能であることを特徴とする印刷装置。
【0017】
この構成によれば、用途等に応じて環境対応印刷の判定基準を適宜変更することができる。
【0018】
[適用例6]上記印刷装置において、前記設定部の設定は、異なる種類の前記環境負荷の低減に寄与する前記環境性能の種類に基づいて行われ、前記付与部は、前記設定された設定内容に従う印刷が寄与する環境性能の種類に応じて異なる前記付与画像を付与することを特徴とする印刷装置。
【0019】
この構成によれば、設定内容に応じて異なる付与画像が付与されるので、自身が行った設定に応じて付与画像が変わることをユーザーに認識させることによって、環境対策への意識をよりいっそう向上させることができる。なお、異なる付与画像を付与する手法としては、付与画像の数、大きさ、色、模様等を設定に応じて変えることが望ましい。
【0020】
[適用例7]上記印刷装置において、前記付与部は、前記環境負荷の低減に寄与する寄与度に応じて異なる前記付与画像を付与することを特徴とする印刷装置。
【0021】
この構成によれば、設定された設定内容に従う印刷が寄与する環境性能の種類に応じて、異なる付与画像が印刷される。これにより、ユーザーは、自身が行った設定が環境に対してどのように寄与したかを印刷結果から知ることができ、ユーザーの環境対策への意識をよりいっそう向上させることができる。
【0022】
[適用例8]上記印刷装置において、環境負荷の低減に寄与する設定内容を指定する操作を受け付ける操作部と、印刷ジョブおよび前記印刷ジョブの設定を指定する印刷設定データを受信する受信部と、を備え、前記設定部は、前記印刷ジョブの印刷については、前記操作部に指定される設定内容よりも前記受信部が受信した印刷設定データに指定される設定内容を優先して適用することを特徴とする印刷装置。
【0023】
この構成によれば、印刷装置の操作部に対して指定された設定内容よりも印刷ジョブの印刷設定データにより指定される設定内容が優先的に適用される。印刷ジョブの設定が確実に印刷に反映されるため、印刷ジョブの印刷を指示したユーザーが意図していた設定による印刷結果を得ることができる。また、印刷された付与画像により、ユーザーは、自身が指定した設定内容に従う印刷が環境対応印刷に該当するかを印刷結果から知ることができる。
【0024】
[適用例9]上記印刷装置において、環境負荷の低減に寄与する設定を指定する操作を受け付ける操作部と、印刷ジョブおよび前記印刷ジョブの設定を指定する印刷設定データを受信する受信部と、を備え、前記設定部は、前記受信部が受信した印刷設定データに指定される設定内容よりも前記操作部に指定される設定内容を優先して適用することを特徴とする印刷装置。
【0025】
この構成によれば、印刷ジョブの印刷設定データに指定された設定内容よりも印刷装置の操作部に対して指定された設定内容が優先的に適用されるので、操作部へのユーザー操作によって指定された設定内容が印刷に確実に反映される。これは、例えば、印刷装置の管理者等が、操作部から印刷装置の利用を許可する設定を制限した場合等に有用であり、制限に従う設定内容の印刷が環境対応印刷に該当するかを印刷結果から知ることができるようになる。
【0026】
[適用例10]画像の印刷を制御する印刷制御装置であって、環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させる印刷制御部と、を備えることを特徴とする印刷制御装置。
【0027】
この構成によれば、印刷制御装置の制御によって、設定内容に応じて付与画像の付与された画像が印刷されるので、ユーザーは、印刷結果が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷によるものであることを正確に知ることができる。
【0028】
[適用例11]画像の印刷を制御する印刷制御方法であって、環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行うステップと、設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定するステップと、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与するステップと、前記設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させるステップと、を含むことを特徴とする印刷制御方法。
【0029】
[適用例12]画像の印刷を制御するための印刷制御プログラムであって、コンピューターを、環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させる印刷制御部、として機能させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【0030】
これらの印刷制御方法および印刷制御プログラムによれば、設定内容に応じて付与画像の付与された画像が印刷されるので、ユーザーは、印刷結果が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷によるものであることを正確に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示した図である。
【図2】複合機の機能ブロック図である。
【図3】複合機側で設定される設定項目の一例を示した図である。
【図4】外部コンピューター側で設定される設定項目の一例を示した図である。
【図5】評価値の算出方法の説明図である。
【図6】複合機の動作手順を示したフローチャートである。
【図7】ロゴ画像が付与された印刷結果の一例を示した図である。
【図8】ロゴ画像の一例を示した拡大図である。
【図9】ロゴ画像の一例を示した拡大図である。
【図10】第2実施形態に係る評価値の算出方法の説明図である。
【図11】ロゴ画像の一例を示した拡大図である。
【図12】第3実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示した図である。図1に示すように、画像処理システム1は、外部コンピューター2と、複合機3とを含んでおり、外部コンピューター2と複合機3とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0034】
外部コンピューター2は、例えば、汎用のパーソナルコンピューターであり、複合機3を外部から制御するためのドライバーソフトウェア10がインストールされている。ドライバーソフトウェア10は、キーボードやマウス等の入力装置(入力部)4へのユーザー操作に従って印刷設定が指定されて、指定された印刷設定の設定情報、印刷対象となる画像のデータ、印刷指示等を含む印刷ジョブを複合機3に送信する。なお、外部コンピューター2側における印刷設定の詳細については後述する。
【0035】
複合機3は、印刷装置の一例であり、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、USBメモリー印刷機能等の複数の機能を有したマルチファンクションプリンターである。この複合機3は、スキャナー20と、印刷エンジン(印刷部)30と、操作パネル(操作部)40と、コントローラー50と、を備えている。
【0036】
スキャナー20は、原稿台にセットされた原稿を読み取って、原稿のイメージデータを生成するためのハードウェア部であり、撮像素子を搭載したキャリッジやキャリッジを原稿台に沿って走査させる走査機構等を有する。
【0037】
スキャナー20が原稿を読み取ることによって生成されたスキャンデータはコントローラー50に受け渡される。なお、スキャナー20としては、複数枚の原稿がセットされた場合に、この原稿を1枚ずつ原稿台に自動的に送出する自動原稿送出装置(ADF:Auto Document Feeder)を設けた構成としてもよい。
【0038】
印刷エンジン30は、例えば、外部コンピューター2から受信した印刷ジョブに含まれる画像データや、スキャンデータや、USBメモリー等の可搬性記憶媒体から読み出された画像データ等の画像を、印刷用紙等の印刷媒体に印刷するハードウェア部である。本実施形態の印刷エンジン30は、電子写真方式の画像形成によって印刷を行うものであり、帯電ユニット、露光ユニット、感光体、現像ユニット、転写ユニット、定着ユニット、トナーカートリッジ、これらの構成の動作を制御する制御部等の構成を有している。感光体は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸に対して回転可能なドラムである。感光体は帯電ユニットにより帯電されて、その後、露光ユニットによる潜像の形成、現像ユニットによるトナーを用いた潜像の現像がなされる。現像されたトナー像は、転写ユニットによって用紙等の印刷媒体に転写される。定着ユニットは、ローラー表面がゴム等の弾性体で覆われた定着ローラー、定着ローラーを回転させる駆動モーター、定着ローラーを加熱するヒーター等を備えており、加熱された定着ローラーが、転写されたトナー像を印刷媒体に定着させることによって印刷媒体に画像が形成される。
【0039】
操作パネル40は、複合機3の前に立つユーザーが複合機3を操作するために複合機3の外面に設けられたパネルであり、タッチパネルを有している。ユーザーは、タッチパネルに表示される画面に従って操作することにより、複合機3に対して様々な指示を入力することや、複合機3の様々な設定を変更することが可能である。なお、操作パネル40としては、タッチパネルではなく、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルおよび各種の操作ボタンを備えた構成としてもよい。
【0040】
コントローラー50は、複合機3の各部の動作を制御する制御装置であり、CPU51と、ROM52と、RAM53と、EEPROM54と、USBI/F55と、ネットワークI/F(受信部)56と、スキャナーI/F57と、エンジンI/F58と、パネルI/F59と、を備えている。また、これらの各構成は内部バスを介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0041】
CPU51は、コントローラー50の主制御装置であり、RAM53を作業領域等として用いて、ROM52に格納された各種のプログラムを実行することにより、複合機3の各構成を制御する。このCPU51は、例えば、印刷対象の画像データ等を印刷エンジン30が処理可能な形式に変換して、印刷指示とともに印刷エンジン30に受け渡す等の印刷エンジン30を制御する処理、操作パネル40を制御する処理、スキャナー20を制御する処理、USBメモリー5から画像データを読み出す処理等、複合機3における様々な処理を行う。CPU51がこれらの処理を行うことにより、複合機3のプリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、USBメモリー印刷機能等の各種の機能が実現される。
【0042】
また、ROM52またはEEPROM54には、後述するロゴ画像の画像データが予め記憶されている。
【0043】
USBI/F55は、USB機器とコントローラー50とのインターフェイス部分であり、可搬性の記憶媒体であるUSBメモリー5が着脱可能に装着されるスロット部やUSB機器とのデータ通信を司るUSBコントローラー等を有している。
【0044】
ネットワークI/F56は、ネットワークに接続するインターフェイス部分であり、接続先との通信を制御する処理を行う。複合機3は、ネットワークI/F56を介してネットワークに接続することにより、外部コンピューター2と通信可能に接続されている。
【0045】
パネルI/F59は、操作パネル40に対するインターフェイス部分であり、CPU51の制御により操作パネル40にタッチパネルの表示信号を出力する処理や、操作パネル40から操作信号の入力を受ける処理等を行う。
【0046】
スキャナーI/F57は、コントローラー50とスキャナー20とのインターフェイス部分であり、CPU51の制御によりスキャナー20に読取指示を出す処理や、スキャナー20が読み取ったイメージのスキャンデータを受け取る処理等を行う。
【0047】
エンジンI/F58は、コントローラー50と印刷エンジン30とのインターフェイス部分であり、印刷エンジン30で印刷を実行する際に、RAM53に格納されている印刷対象の画像データを読み出し、画像データに所定の処理を施すことにより、画像データを印刷エンジン30が処理可能な形式のデータとして印刷エンジン30に出力する処理を行う。なお、このエンジンI/F58には、データを一時的に格納するメモリー、解凍部、スクリーン処理部等が備えられ、RAM53から読み出した画像データに対して、圧縮されたデータの解凍、ドットのデータへ変換するスクリーン処理等を行う。これらの機能を有するエンジンI/F58は、具体的には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成されている。
【0048】
ここで、本実施形態の複合機3は、例えば、印刷時や待機時の消費電力を抑制する省エネルギー印刷、環境負荷の低い環境トナーを用いた印刷やトナーセーブ等の記録材による環境負荷を抑制した印刷、再生紙の使用や割付印刷等の印刷媒体による環境負荷を抑制した印刷等、環境問題に関して環境に与える影響(環境負荷)の低減に寄与する印刷設定に基づく印刷が可能に構成されている。また、本複合機3は、節電制御方法、印刷方法、印刷に使用するトナーや用紙の種類等の印刷設定に関する複数の項目について、ユーザーは、操作パネル40あるいは外部コンピューター2から任意に設定可能であり、設定された各項目の内容に応じて環境負荷の低減に寄与するエコ印刷が行われる。
【0049】
さらに、本実施形態の複合機3は、エコ印刷を行う場合、印刷対象の画像を印刷する用紙に対して、所定のロゴマークの画像を印刷する。このロゴマークは、印刷結果の印刷物を見たユーザーに対して、その印刷物がエコ印刷によって印刷された印刷結果である旨を知らせるためのものである。ロゴマークとしては、例えば、これを見た者に対して地球環境を想起させるマーク、環境保護を推進する団体等で定められた所定のマーク等が用いられる。
【0050】
次に、上述したエコ印刷の機能を実現する複合機3の構成について説明する。図2は、複合機3のコントローラー50の機能ブロック図である。図2に示すように、コントローラー50は、印刷設定部(設定部)100と、エコ印刷判定部(判定部)110と、ロゴ画像付与部(付与部)120と、印刷制御部130と、を有している。
【0051】
印刷設定部100は、ユーザーからの指定に基づいて、印刷に適用する設定内容を決定する処理を行う。また、本実施形態の複合機3では、複合機3側と、外部コンピューター2側の双方から環境負荷の低減に寄与する印刷設定に関する設定を指定可能に構成されている。次に、複合機3側で指定される設定、外部コンピューター2側で指定される設定について説明する。
【0052】
まず、複合機3側で指定される設定の項目について説明する。図3に、複合機3側で設定される設定項目の一例を示す。図3に示すように、複合機3側の設定項目には、トナーセーブ、カラーモノクロ変換、両面印刷、割付印刷、省エネルギー印刷、電子写真プロセスにおける定着温度、環境トナーの使用の有無、用紙種類等の項目が含まれている。なお、環境負荷の低減に寄与する設定項目としてはこれらに限られるものではなく、例えば、起動時に印刷可能となるまでの時間を短縮させるスタートアップ印刷、電力使用量が逼迫する時間帯を避けて印刷する印刷時間シフト、ジョブを纏めて夜間に印刷する夜間一括印刷、スリープモード、スリープモードに移行するまでのスリープ突入時間等の項目を含めるようにしてもよい。また、省エネルギー印刷の設定についても、省エネルギー化のためのより細目にわたる設定項目、例えば、コントローラー50の動作クロックの低下、印刷エンジン30による印刷速度の低減、印刷時における各種インターフェイスへの電源供給の遮断、操作パネル40やインジケーターの輝度制御等の項目を含めるようにしてもよい。
【0053】
上述した複合機3側の各設定項目については、ユーザーが、複合機3の操作パネル40を操作することにより、所望の設定内容が指定される。例えば、トナーセーブの場合、OFF/弱/中/強の複数のレベルのうちから、ユーザーは任意のレベルの設定内容を指定可能である。指定された設定内容は装置設定データD1として、EEPROM54等の不揮発性メモリーの予め決められたメモリー領域に格納される。
【0054】
次に、外部コンピューター2側で指定される設定内容について説明する。図4に、外部コンピューター2側の設定項目の一例を示す。図示するように、外部コンピューター2側の環境負荷の低減に寄与する設定項目には、トナーセーブ、カラーモノクロ変換、両面印刷、割付印刷等の設定項目が含まれている。これらの項目については、ユーザーが、外部コンピューター2に接続されたマウスやキーボード等の入力装置4を操作することにより、所望の設定内容が指定される。指定された設定内容は、印刷設定データD2として印刷ジョブとともに外部コンピューター2から複合機3に送信される。
【0055】
印刷設定部100は、例えば、複合機3のコピー機能やUSBメモリー印刷機能等、操作パネル40へのユーザー操作に基づいて行う印刷においては、印刷設定部100は、上述した複合機3側の設定内容と外部コンピューター2側の設定内容とのうち複合機3側の設定内容を適用する。
【0056】
一方、外部コンピューター2から受信した印刷ジョブの印刷については、印刷設定部100は、複合機3側の設定項目よりも外部コンピューター2側の設定項目を優先して適用する。なお、上述したように、外部コンピューター2側の設定項目にある、トナーセーブ、カラーモノクロ変換、両面印刷、割付印刷の各設定項目は、複合機3側の設定項目と重複している。そこで、印刷設定部100は、これらの重複する項目については、外部コンピューター2側で指定された設定内容を優先的に適用し、重複しない項目については複合機3側の設定内容を適用する。これにより、外部コンピューター2に対して印刷を指示したユーザーの意図する設定が、印刷に反映されることとなる。
【0057】
エコ印刷判定部110は、印刷設定部100によって決定された設定内容に従う印刷が、エコ印刷に該当するか否かの判定を行う。本実施形態においては、エコ印刷に該当するか否かの判定は、設定内容から、省エネルギー、トナーや用紙の省資源等に関して総合的な環境性能を表す指標として評価値を算出し、評価値に基づいて行われる。例えば、図5に示すように、各設定項目の内容ごとに環境への寄与度が考慮された個別の評価値が予め定められており、エコ印刷判定部110は、設定項目ごとに設定内容に該当する評価値を個別評価値eとして求めてから、各設定項目の個別評価値eを合計することにより評価値Eを算出する。この評価値Eの値を所定の閾値と比較することにより、印刷設定部100に設定された設定内容による印刷が、所定の環境性能を満たしたエコ印刷に該当するか否かを判定する。もっとも、判定方法としてはこれに限られることなく、複数の設定項目についての設定内容の組み合わせごとにエコ印刷に該当するか否かを予め環境性能として定めておき、設定内容の組み合わせに応じて判定するようにしてもよい。
【0058】
ロゴ画像付与部120は、適用する設定内容がエコ印刷に該当する場合に、印刷ジョブ等で元々の印刷対象となっていた画像に対して、所定のロゴ画像(付与画像)を付与する処理を行う。また、詳細は後述するが、ロゴ画像付与部120は、評価値Eの値に応じて、ロゴ画像の大きさ等を変化させることによって異なるロゴ画像を付与するようにしてもよい。
【0059】
印刷制御部130は、印刷設定部100により決定された設定内容に従って印刷エンジン30、操作パネル40、スキャナー20、各種インターフェイス等の動作を制御することにより、印刷を制御する。例えば、定着温度が「低」に設定されていた場合、印刷エンジン30の制御部に対して、定着ユニットの温度を下げさせる旨の指示を出すことにより、印刷エンジン30の消費電力を抑制する制御を行う。
【0060】
また、プリンター機能やコピー機能による印刷を行う場合、印刷制御部130は、印刷設定部100により決定された印刷設定に従う印刷を印刷エンジン30に実行させる。このため、印刷制御部130は、印刷ジョブに含まれる印刷対象の画像データやスキャンデータから、割付印刷や両面印刷等の設定内容に対応する画像データを生成して、生成した画像データをエンジンI/F58を介して印刷エンジン30が処理可能な形式で印刷エンジン30に受け渡す。なお、ロゴ画像付与部120により、印刷対象の画像にロゴ画像が付与されていた場合、印刷制御部130は、ロゴ画像が付与された画像のデータを印刷エンジン30に受け渡す。
【0061】
以上に述べたように、本実施形態の複合機3は、印刷の設定がエコ印刷に該当する場合に、印刷対象の画像に対してロゴ画像を付与して印刷するものである。次に、複合機3の動作についてフローチャートに従って詳細に説明する。
【0062】
例えば、外部コンピューター2から複合機3に印刷ジョブが入力されることにより、プリンター機能の印刷指示があった場合や、操作パネル40からの操作により、コピー機能やUSBメモリー印刷機能による印刷指示が入力された場合等に、図6の処理が開始される。図6の処理が開始されると、印刷設定部100は、入力された印刷指示が、外部コンピューター2からの印刷指示であったか否かを判断する(ステップS10)。
【0063】
外部コンピューター2からの印刷指示であった場合(ステップS10:Yes)、印刷設定部100は、外部コンピューター2から受信した印刷ジョブに含まれる印刷設定データD2を取得し(ステップS11)、EEPROM54から複合機3の操作パネル40に対して指定された装置設定データD1を取得する(ステップS12)。次に、印刷設定データD2の設定項目と、装置設定データD1の設定項目との重複する項目については、印刷設定データD2の設定項目を優先的に適用することにより、受信した印刷ジョブの印刷に適用する設定内容を決定する(ステップS13)。
【0064】
一方、ステップS10の判断において、外部コンピューター2からの印刷指示でなかった場合(ステップS10:No)、すなわち、コピー機能の印刷やUSBメモリー印刷等、複合機3の操作パネル40からの印刷指示であった場合、ステップS14に処理が進む。この場合、印刷設定部100は、EEPROM54から装置設定データD1を取得し(ステップS14)、装置設定データD1の設定内容を適用することにより、操作パネル40へのユーザー操作によって行う印刷の設定内容を決定する(ステップS15)。
【0065】
印刷の設定内容が決定されると、エコ印刷判定部110は、決定された設定内容から評価値Eを算出し(ステップS16)、評価値Eの値に基づいて、決定された設定内容による印刷がエコ印刷に該当するか否かを判断する(ステップS17)。評価値Eが所定の閾値以上の場合、エコ印刷に該当すると判断されて(ステップS17:Yes)、ロゴ画像付与部120は、印刷対象の画像に対してロゴ画像を付与する(ステップS18)。次に、印刷制御部130は、ロゴ画像が付与された画像のデータを印刷エンジン30に受け渡すことにより、ロゴ画像が付与された画像を印刷させる(ステップS19)。
【0066】
図7に、ロゴ画像が付与された画像の印刷結果の一例を示す。図7に示すように、印刷結果の印刷用紙Sには、印刷ジョブ等の元々の印刷対象であった画像Pと、ロゴ画像Lとが印刷されている。なお、図7の例では、印刷対象の画像Pに対して右上方向に離れた、用紙Sの周辺部分にロゴ画像Lが配置されているが、ロゴ画像Lの位置としてはこれに限られない。例えば、画像Pに対して上側中央付近のヘッダー位置や、下側中央付近のフッター位置でもよいし、画像Pに重なり合う位置にあってもよい。
【0067】
また、ロゴ画像付与部120が付与するロゴ画像Lの数は、印刷設定の内容から定まる評価値Eに応じて変化する。すなわち、ロゴ画像付与部120は、評価値Eが小さい場合、図8(a)に例として示すように付与するロゴ画像Lの数を少なくし、評価値Eが大きくなるほど、図8(b)に例として示すように付与するロゴ画像Lの数を多くする。もっとも、ロゴ画像Lを変化させる方法としては、これに限られることなく、設定の内容から定まる評価値Eに応じてロゴ画像Lの大きさを変化させてもよい。すなわち、評価値Eが小さい場合、図9(a)に例として示すようにロゴ画像Lを小さくし、評価値Eが大きくなるほど、図9(b)に例として示すようにロゴ画像Lを大きくする。もっとも、評価値Eに応じてロゴ画像Lの濃度や、ロゴ画像Lを構成する線の太さを変えるようにしてもよい。
【0068】
一方、ステップS17の判断において、評価値Eが所定の閾値未満の場合は、エコ印刷に該当しないと判断されて(ステップS17:No)、印刷対象の画像のデータを印刷エンジン30に受け渡すことにより、ロゴ画像Lを付与することなく、印刷対象の画像Pを印刷させる(ステップS20)。
【0069】
以上に説明した本実施形態の複合機3によれば、以下の効果を得ることができる。
【0070】
(1)複合機3の操作パネル40または外部コンピューター2から指定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たしたエコ印刷に該当する場合、ロゴ画像Lが付与された画像Pが印刷される。印刷結果の印刷物を見たユーザーは、印刷されたロゴ画像Lから、当該印刷結果がエコ印刷によるものであることを知ることができ、これにより、ユーザーの環境対策への意識を向上させることができる。
【0071】
また、エコ印刷の利用を推進することができる。例えば、ユーザーは、ロゴ画像Lが印刷された印刷物を第3者に配布等することにより、エコ印刷を積極的に利用していることをアピールできる。また、複合機3の管理者が、エコ印刷の利用実態を調査しようとする場合であれば、印刷結果の印刷物からエコ印刷の利用実態を容易に知ることができ、複合機やプリンターにおけるエコ印刷の利用を管理し易くなる。これらの動機が働くため、エコ印刷がより積極的に利用されるようになる。
【0072】
(2)複合機3または外部コンピューター2に対して指定された設定内容からエコ印刷に該当する印刷であるか否かを判断して、エコ印刷に該当する場合にロゴ画像Lを印刷するようにしているので、エコ印刷でない場合に、ロゴ画像Lを誤って印刷することがない。したがって、印刷結果の印刷物を見たユーザーに対して、エコ印刷によるものではないにも関わらずにエコ印刷による印刷物であると誤認させることがなく、エコ印刷による印刷物であることを正確に知らせることができる。
【0073】
(3)複数の設定項目から算出される評価値Eに応じてエコ印刷に該当するか否かが判定されるので、複数の設定項目があっても、それらの設定項目の設定内容に従う印刷が、エコ印刷に該当するか否かを適切に判断して、エコ印刷の場合にロゴ画像Lを付与することができる。
【0074】
(4)設定内容から算出される評価値Eに応じて、印刷されるロゴ画像Lの数や大きさ等が変わるようにしたので、ユーザーは、印刷結果のロゴ画像Lの数等から、環境に寄与した度合いを知ることができる。これにより、ユーザーの環境対策への意識をよりいっそう向上させ、エコ印刷の利用を促進することができる。
【0075】
(5)外部コンピューター2から受信した印刷ジョブの印刷では、装置設定データD1の項目と印刷設定データD2の設定項目とに重複する項目については、印刷設定データD2の設定内容を優先的に適用し、重複しない項目については装置設定データD1の設定内容を印刷に適用するようにした。これにより、外部コンピューター2から受信した印刷ジョブの印刷においては、外部コンピューター2に対して指定された印刷設定が確実に反映される。したがって、外部コンピューター2に対して印刷指示の操作を行ったユーザーが意図した設定による印刷結果を得ることができ、ユーザーは、印刷結果から、自身が意図した設定による印刷がエコ印刷に該当していたか否かを知ることができる。
【0076】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、印刷に適用する設定内容から総合的な環境性能を表す指標として1つの評価値Eを求めて、この評価値Eに応じてロゴ画像Lを付与するようにしたが、設定内容から異なる種類の前記環境負荷の低減に寄与する複数種類の環境性能に基づいてロゴ画像Lを付与するようにしてもよい。複数種類の環境性能としては、例えば、消費電力に関する環境性能、トナー消費量の低減や環境トナーの使用等のトナーに関する環境性能、用紙の使用枚数の低減もしくは再生紙の使用等の用紙に関する環境性能等がある。第2実施形態では、これらの複数種類の環境性能のそれぞれについて別々に算出した評価値に応じて複数種類のロゴ画像Lを付与する。なお、以下では、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付与し、詳細な説明を省略することとする。
【0077】
例えば、割付印刷の場合、この設定を有効にすることによって、使用する用紙の枚数が低減するとともに、使用するトナー量も低減する。一方、電子写真プロセスの定着温度を低く設定した場合は、消費電力の低減に寄与することになる。このように、設定項目ごとに、環境負荷の低減に寄与する環境性能の種類は異なる。そこで、エコ印刷判定部110は、印刷に適用する設定内容から、消費電力に関する環境性能、トナーに関する環境性能、用紙に関する環境性能のそれぞれについて評価値を算出する。具体的には、各設定項目の設定内容について、各環境性能に対する個別評価値eをそれぞれ予め定めておく。エコ印刷判定部110は、図10に示すように、印刷に適用する設定内容から、消費電力に関する環境性能の個別評価値e1、トナーに関する環境性能の個別評価値e2、用紙に関する環境性能の個別評価値e3を求め、複数の設定項目について各個別評価値e1、e2、e3を合計することにより、環境性能の種類に対応する評価値E1、E2、E3を算出する。ロゴ画像付与部120は、各評価値E1、E2、E3に応じて環境性能の種類ごとにロゴ画像Lの付与を行う。
【0078】
図11に、第2実施形態における印刷結果の一例を示す。図11の印刷結果には、ロゴ画像L1と、ロゴ画像L2と、ロゴ画像L3とが印刷されている。ロゴ画像L1は、消費電力に関する評価値E1に応じて付与されたものであり、消費電力に関する環境性能がエコ印刷に該当することを示している。ロゴ画像L2は、トナーに関する評価値E2に応じて付与されたものであり、トナーに関する環境性能がエコ印刷に該当することを示している。ロゴ画像L3は、用紙に関する評価値E3に応じて付与されたものであり、用紙に関する環境性能がエコ印刷に該当することを示している。したがって、ユーザーは、この印刷結果から、消費電力に関するエコ印刷、トナーに関するエコ印刷、用紙に関するエコ印刷が行われたことを知ることができる。なお、図11の例では、各ロゴ画像L1〜L3が1つずつ付与されたときの例を示しているが、第1実施形態と同様に、評価値に応じて各ロゴ画像の数、大きさ、濃度、色等を変えるようにしてもよい。
【0079】
以上に説明した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加えて、ユーザーは、印刷結果から、環境負荷の低減にどのように寄与したエコ印刷が行われたかを知ることができるようになる。これにより、ユーザーの環境対策への意識をさらに向上させることができる。
【0080】
(第3実施形態)
第1実施形態では、複合機3の内部の処理によってロゴ画像Lを付与するようにしたが、外部コンピューター側の処理によって、ロゴ画像Lを付与するようにしてもよい。第3実施形態では、外部コンピューター側の処理によって、ロゴ画像Lを付与する場合について説明する。
【0081】
図12は、第3実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示した図である。図12に示すように、画像処理システム6は、外部コンピューター7と、複合機8とを備え、外部コンピューター7と複合機8とはネットワーク等を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0082】
外部コンピューター7は、印刷制御装置の一例であり、例えば、ドライバーソフトウェアがインストールされた汎用のパーソナルコンピューターである。この外部コンピューター7は、CPU70と、ROM71と、RAM72と、ハードディスクドライブ73と、読取装置74と、ネットワークI/F(設定データ受信部)75と、入力I/F76と、を備えている。外部コンピューター7のこれらの構成は、バス77に接続されており、バス77を介してデータ通信可能になっている。
【0083】
ハードディスクドライブ73には、ドライバープログラム(印刷制御プログラム)DPが予め格納されている。なお、ドライバープログラムDPは、印刷媒体Mに記録された形態で外部コンピューター7に供給され、ハードディスクドライブ73には、読取装置74によって印刷媒体Mから読み出されたプログラムが格納される。なお、印刷媒体Mの例としては、CD−ROM、DVD−ROMなどの光ディスクの他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、USBメモリー、メモリーカードなどを挙げることができる。もっとも、ドライバープログラムDPが外部コンピューター7に供給される形態としてはこれに限られることなく、例えば、電気通信回線や光通信回線を介して所定のサーバーから供給されるようにしてもよい。
【0084】
ネットワークI/F75は、ネットワークに接続するインターフェイス部分であり、ネットワークを介して複合機8との通信が行われる。このネットワークI/F75は、複合機8から装置設定データD1を受信する処理等を行う。
【0085】
入力I/F76は、マウスやキーボード等の入力装置4が接続されるインターフェイス部分である。
【0086】
また、外部コンピューター7のCPU70が、ハードディスクドライブ73に格納されたドライバープログラムDPを読み出して実行することによりドライバーソフトウェアがインストールされる。これにより、外部コンピューター7は、複合機8がもつプリンター機能のホスト装置となって複合機8に印刷ジョブを送信する印刷制御装置となり、外部コンピューター7のCPU70は、印刷設定部200と、エコ印刷判定部210と、ロゴ画像付与部220と、印刷ジョブ生成部(印刷制御部)230、として機能する。
【0087】
印刷設定部200は、複合機8から装置設定データD1を取得し、入力装置4により指定された設定内容と、装置設定データD1の設定内容とから、印刷に適用する設定内容を決定する処理を行う。なお、本実施形態では、装置設定データD1の項目と入力装置4により指定された印刷設定の設定項目とに重複する項目については、入力装置4により指定された印刷設定が優先的に適用される。また、エコ印刷判定部210が行う処理およびロゴ画像付与部220が行う処理については、第1実施形態におけるエコ印刷判定部110が行う処理およびロゴ画像付与部120と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0088】
印刷ジョブ生成部230は、ロゴ画像が付与された画像から、複合機8が処理可能なデータ形式の印刷データを生成し、この印刷データ、印刷設定部200が決定した設定内容の印刷設定データ、印刷指示を含む印刷ジョブを複合機8に送信する。これにより、外部コンピューター7は、ロゴ画像Lが付与された画像Pを複合機8に印刷させる。
【0089】
以上に説明した第3実施形態によれば、外部コンピューター7側の処理によって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、装置設定データD1の設定と入力装置4により指定された印刷設定とに重複する項目については、入力装置4により指定された印刷設定が優先的に適用されるので、ユーザーが、入力装置4を用いて外部コンピューター7に指定した印刷設定は、複合機8による印刷に確実に反映されることになる。したがって、外部コンピューター7に対して印刷指示の操作を行ったユーザーが意図した設定の印刷結果を得ることができ、ユーザーは、自身が意図した設定による印刷がエコ印刷に該当していたか否かを、印刷結果から知ることができるようになる。
【0090】
以上、本発明に係る第1ないし第3実施形態について説明したが、本発明はこれらの形態に限られることなく、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。以下、変形例について説明する。
【0091】
(変形例1)
上記第1ないし第3実施形態では、エコ印刷による印刷物であることがユーザーに分かるように、所定の図柄で表されるロゴ画像Lを付与画像として印刷対象の画像とともに印刷するようにしたが、付与画像としてはこれに限られない。例えば、エコ印刷による印刷物である旨の文字列や、環境性能を表す評価値E自体の画像を付与画像として付与してもよい。
【0092】
(変形例2)
上記第1実施形態では、コントローラー50内部の処理によって画像Pにロゴ画像Lを付与するようにしたが、コントローラー50と印刷エンジン30とが協働してロゴ画像Lを付与するようにしてもよい。例えば、コントローラー50のロゴ画像付与部120は、画像Pに加えて、ロゴ画像Lを所定の位置に画像形成する旨の指示を印刷エンジン30に出し、この指示を受けた印刷エンジン30の制御部が、印刷エンジン30内部の処理によって画像Pにロゴ画像Lを付与して印刷するようにしてもよい。
【0093】
(変形例3)
上記第3実施形態では、外部コンピューター7側の処理によって画像Pにロゴ画像Lを付与するようにしたが、外部コンピューター7と複合機8とが協働してロゴ画像Lを付与する処理を行うようにしてもよい。例えば、外部コンピューター7のロゴ画像付与部220は、画像Pのデータ、およびロゴ画像Lを所定の位置に画像形成する旨の指示を複合機8に出し、この指示を受けた複合機8が、その内部の処理によって画像Pにロゴ画像Lを付与して印刷するようにしてもよい。
【0094】
また、例えば、コピー機能等によって、複合機8側で読み込まれたスキャンデータの印刷については、複合機8が外部コンピューター7に対して、コピーの設定内容のデータを送信して、外部コンピューター7側においてエコ印刷に該当するかを判定するようにしてもよい。この場合、外部コンピューター7は、受信した設定データからエコ印刷に該当するかを判定して、該当する場合にロゴ画像Lを付与する許可を複合機8に出すことにより、ロゴ画像Lを付与した画像Pの印刷を複合機8に実行させる。また、外部コンピューター7は、ロゴ画像Lを付与する許可とともに、ロゴ画像Lのデータを複合機8に送信し、複合機8はこのデータを用いてロゴ画像Lを付与するようにしてもよい。
【0095】
(変形例4)
上記第1ないし第3実施形態では、外部コンピューター2側の設定項目と複合機3側の設定項目とに重複した設定項目については、外部コンピューター2側で指定された設定内容を優先的に適用するようにしたが、複合機3側で設定された内容を優先的に適用するようにしてもよい。例えば、画像処理システムの管理者が、複合機3の操作パネルへの操作により、このシステムを利用するユーザーに対して利用を許可する印刷設定に制限を設ける場合、外部コンピューター2側の設定項目よりも複合機3側の設定項目を優先して適用することが望ましい。これにより、制限された印刷設定の設定内容に応じてロゴ画像Lが印刷されるため、制限に従う設定内容による印刷が環境対応印刷に該当するかを印刷結果から知ることができるようになる。
【0096】
(変形例5)
上記第1ないし第3実施形態では、所定の環境性能を満たしたエコ印刷に該当するか否かの閾値が予め設定されているようにしたが、所定の環境性能を満たす、とする閾値は、変更設定が可能である構成としてもよい。これにより、所定の組織、企業、団体、業界等が設定する環境負荷の低減目標に合わせたカスタマイズができるようになる。
【0097】
(変形例6)
上記第1ないし第3実施形態では、印刷装置の一例として複合機について説明したが、印刷装置としてはプリンターやファクシミリ装置であってもよい。また、上記第1ないし第3実施形態では、電子写真方式の印刷を行うものについて説明したが、印刷方式としてはこれに限られることなく、インクジェット方式や熱転写方式等の他の印刷方式を用いた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…画像処理システム、2…外部コンピューター、3…印刷装置としての複合機、4…入力部としての入力装置、7…印刷制御装置としての外部コンピューター、20…スキャナー、30…印刷部としての印刷エンジン、40…操作部としての操作パネル、50…コントローラー、56…受信部としてのネットワークI/F、75…設定データ受信部としてのネットワークI/F、100…設定部としての印刷設定部、110…判定部としてのエコ印刷判定部、120…付与部としてのロゴ画像付与部、130…印刷制御部、230…印刷制御部としての印刷ジョブ生成部、L…付与画像としてのロゴ画像、DP…印刷制御プログラムとしてのドライバープログラム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を印刷する印刷装置であって、
環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、
前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、
前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、
前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷する印刷部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記判定部は、前記設定内容に対応付けられた前記環境性能に基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷装置において、
前記判定部は、前記環境性能の組み合わせに基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1ないし3に記載の印刷装置において、
前記判定部は、前記環境性能に関する評価値を算出し、前記評価値に基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記所定の環境性能を満たすとする閾値は、変更可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記設定部の設定は、異なる種類の前記環境負荷の低減に寄与する前記環境性能の種類に基づいて行われ、
前記付与部は、前記設定された設定内容に従う印刷が寄与する環境性能の種類に応じて異なる前記付与画像を付与することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記付与部は、前記環境負荷の低減に寄与する寄与度に応じて異なる前記付与画像を付与することを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の印刷装置において、
環境負荷の低減に寄与する設定内容を指定する操作を受け付ける操作部と、
印刷ジョブおよび前記印刷ジョブの設定を指定する印刷設定データを受信する受信部と、を備え、
前記設定部は、
前記印刷ジョブの印刷については、前記操作部に指定される設定内容よりも前記受信部が受信した印刷設定データに指定される設定内容を優先して適用することを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の印刷装置において、
環境負荷の低減に寄与する設定を指定する操作を受け付ける操作部と、
印刷ジョブおよび前記印刷ジョブの設定を指定する印刷設定データを受信する受信部と、を備え、
前記設定部は、
前記受信部が受信した印刷設定データに指定される設定内容よりも前記操作部に指定される設定内容を優先して適用することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
画像の印刷を制御する印刷制御装置であって、
環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、
前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、
前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、
前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させる印刷制御部と、を備えることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項11】
画像の印刷を制御する印刷制御方法であって、
環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行うステップと、
設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定するステップと、
前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与するステップと、
前記設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させるステップと、を含むことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項12】
画像の印刷を制御するための印刷制御プログラムであって、
コンピューターを、
環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、
前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、
前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、
前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させる印刷制御部、として機能させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項1】
画像を印刷する印刷装置であって、
環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、
前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、
前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、
前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷する印刷部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置において、
前記判定部は、前記設定内容に対応付けられた前記環境性能に基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷装置において、
前記判定部は、前記環境性能の組み合わせに基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1ないし3に記載の印刷装置において、
前記判定部は、前記環境性能に関する評価値を算出し、前記評価値に基づいて、前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当するか否かを判定することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記所定の環境性能を満たすとする閾値は、変更可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記設定部の設定は、異なる種類の前記環境負荷の低減に寄与する前記環境性能の種類に基づいて行われ、
前記付与部は、前記設定された設定内容に従う印刷が寄与する環境性能の種類に応じて異なる前記付与画像を付与することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の印刷装置において、
前記付与部は、前記環境負荷の低減に寄与する寄与度に応じて異なる前記付与画像を付与することを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の印刷装置において、
環境負荷の低減に寄与する設定内容を指定する操作を受け付ける操作部と、
印刷ジョブおよび前記印刷ジョブの設定を指定する印刷設定データを受信する受信部と、を備え、
前記設定部は、
前記印刷ジョブの印刷については、前記操作部に指定される設定内容よりも前記受信部が受信した印刷設定データに指定される設定内容を優先して適用することを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の印刷装置において、
環境負荷の低減に寄与する設定を指定する操作を受け付ける操作部と、
印刷ジョブおよび前記印刷ジョブの設定を指定する印刷設定データを受信する受信部と、を備え、
前記設定部は、
前記受信部が受信した印刷設定データに指定される設定内容よりも前記操作部に指定される設定内容を優先して適用することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
画像の印刷を制御する印刷制御装置であって、
環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、
前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、
前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、
前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させる印刷制御部と、を備えることを特徴とする印刷制御装置。
【請求項11】
画像の印刷を制御する印刷制御方法であって、
環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行うステップと、
設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定するステップと、
前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与するステップと、
前記設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させるステップと、を含むことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項12】
画像の印刷を制御するための印刷制御プログラムであって、
コンピューターを、
環境負荷の低減に寄与する設定内容が指定され、前記指定された設定内容に基づく設定を行う設定部と、
前記設定部に設定された設定内容に従う印刷が、所定の環境性能を満たした環境対応印刷に該当するか否かを判定する判定部と、
前記設定された設定内容に従う印刷が前記環境対応印刷に該当する場合に、前記環境対応印刷によって印刷された旨を示す付与画像を前記画像に付与する付与部と、
前記設定部に設定された設定内容に従って、前記付与画像が付与された前記画像を印刷させる印刷制御部、として機能させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−73035(P2013−73035A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212180(P2011−212180)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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