説明

印刷装置、印刷方法及びプログラム

【課題】 モノクロ印刷移行処理又はカラー印刷移行処理を適切に実行する印刷装置を提供する。
【解決手段】 印刷装置100は、印刷モードとして白黒モード、フルカラーモード又は自動カラー選択モードのいずれかを選択するとともに、自動カラー選択モードを選択した場合において、印刷ジョブにカラー画像データが含まれる場合はそのカラー画像データの印刷処理に先立ってカラー印刷移行処理を実行し、印刷ジョブにカラー画像データが含まれない場合はカラー印刷移行処理を実行しないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷するページがモノクロ画像データの場合はモノクロ印刷モードで印刷し、カラー画像データの場合はカラー印刷モードで印刷する印刷装置が知られている。また、印刷装置の印刷方式としては電子写真方式、インクジェット方式等の印刷方式が知られている。
例えば電子写真方式の印刷装置においては、モノクロ印刷モードにおいては単色(例えばブラック)のトナー像をシートに転写した後にシートを加圧及び加熱することでシート上にトナー像を定着させる。一方、カラー印刷モードにおいては複数色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色)のトナー像をシート上に定着させる。そして、カラー印刷モードは複数色のトナー像を重ねてシート上に定着させるため、モノクロ印刷モードよりもシートの搬送速度を低くして熱量を十分にシートに伝える必要がある。
このように、印刷装置においては、モノクロ印刷モードとカラー印刷モードとで、シートの搬送速度を異ならせるものがある。そして、このような印刷装置において、モノクロ画像データとカラー画像データとが混在する印刷ジョブを実行する場合に以下のような問題がある。それは、モノクロ画像データとカラー画像データとが混在する場合、印刷処理中に印刷モードを変更する必要があり、印刷モードを変更するための動作に時間がかかることから印刷効率が低下するという問題である。
この問題を解決するために、モノクロ画像データとカラー画像データが混在する印刷ジョブを実行する場合に、印刷速度の異なるいずれの印刷モードを選択するのが印刷効率に良いかを判断し、印刷モードを選択する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−63450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法には以下のような問題がある。
特許文献1の印刷装置は、複数ページの画像データを含む印刷ジョブについて、予め全ページの画像データがカラー画像データなのかモノクロ画像データなのかを考慮して、印刷モードを選択する。しかし、全ページの画像データがカラー画像データなのかモノクロ画像データなのかを判断してからでないと印刷処理を開始させることができないという問題がある。
そこで、予め全ページの画像データがカラー画像データなのかモノクロ画像データなのかを判断することなく印刷モードを選択して、印刷処理を迅速に開始させる方法が考えられる。そして、この方法の場合、カラー印刷モードを選択した場合は、印刷装置をカラー印刷が可能な状態とするためにカラー印刷移行処理を実行することとなる。このカラー印刷移行処理は、モノクロ印刷モードを選択した場合に印刷装置をモノクロ印刷が可能な状態とするためのモノクロ印刷移行処理よりも長い時間がかかるのが一般的である。
ところが、カラー印刷モードを選択したとしても、印刷ジョブにカラー画像データを含むかどうかは事前には判断できない。従って、場合によっては、カラー印刷モードを選択してもカラー画像データを印刷処理することなく印刷ジョブを終了することもありえる。
この場合、カラー画像データを含まない印刷ジョブに対して、カラー印刷移行処理を実行することとなり、そのカラー印刷移行処理が結果的に無駄な処理になってしまう。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、複数の印刷モードのいずれが選択されたかに応じて、印刷装置をモノクロ印刷が可能な状態へ移行させるモノクロ印刷移行処理又は印刷装置をカラー印刷が可能な状態へ移行させるカラー印刷移行処理を、印刷処理を開始する前に適切に実行することができる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の印刷装置は、印刷データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された印刷データに基づいて複数のシートに印刷処理する印刷手段と、前記印刷手段をモノクロ印刷処理が実行可能な第1動作状態又はカラー印刷処理が実行可能な第2動作状態に設定する設定手段と、前記モノクロ印刷処理においてシートを特定速度にて搬送させるとともに前記カラー印刷処理においてシートを前記特定速度より低速度にて搬送させる第1印刷モード又は前記モノクロ印刷処理及び前記カラー印刷処理のいずれにおいてもシートを前記特定速度より低速度にて搬送させる第2印刷モードのいずれかの印刷モードを選択する選択手段と、前記選択手段が選択した印刷モードにて印刷処理を実行するよう前記印刷手段を制御する制御手段とを有し、前記設定手段は、前記第1印刷モードが選択された場合と前記第2印刷モードが選択された場合のいずれにおいても、前記印刷処理を開始するにあたって前記印刷手段を前記第1動作状態に設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、モノクロ印刷処理においてシートを特定速度にて搬送させるとともにカラー印刷処理においてシートを特定速度より低速度にて搬送させる第1印刷モード又はモノクロ印刷処理及びカラー印刷処理のいずれにおいてもシートを特定速度より低速度にて搬送させる第2印刷モードのいずれかの印刷モードを選択するとともに、いずれの印刷モードが選択された場合でも、印刷処理を開始するにあたって印刷手段をモノクロ印刷処理が実行可能な状態に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】印刷装置100の制御構成を示すブロック図である。
【図2】印刷装置100のハードウェア構成を示す図である。
【図3】印刷装置100の制御構成を示すブロック図である。
【図4】操作部204に表示されるコピー設定画面を説明する図である。
【図5】印刷装置100による印刷処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】印刷モード切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】Aはフルカラーモードにおけるシート搬送速度と印刷処理時間の関係を示す図である。Bはフルカラーモードと対比するための比較例を示す図である。
【図8】Aは自動カラー選択モードにおけるシート搬送速度と印刷処理時間の関係を示す図である。Bはフルカラーモードにおけるシート搬送速度と印刷処理時間の関係を示す図である。
【図9】Aは自動カラー選択モードにおけるシート搬送速度と印刷処理時間の関係を示す図である。Bはフルカラーモードにおけるシート搬送速度と印刷処理時間の関係を示す図である。
【図10】印刷モード切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】Aはフルカラーモードにおけるシート搬送速度と印刷処理時間の関係を示す図である。Bは白黒モードにおけるシート搬送速度と印刷処理時間の関係を示す図である。Cは自動カラー選択モードにおけるシート搬送速度と印刷処理時間の関係を示す図である。
【図12】外部装置上で動作するプリンタドライバの設定画面を示す図である。
【図13】プリンタドライバの設定画面においてプロパティボタンを押下したときに表示される画面を示す図である。
【図14】プリンタドライバの設定画面において仕上げタブが選択されたときに表示される画面を示す図である。
【図15】プリンタドライバの設定画面において印刷品質タブが選択されたときに表示される画面を示す図である。
【図16】外部装置が印刷装置に送信する印刷ジョブのデータ構造を示す図である。
【図17】印刷装置100における印刷モードの選択処理を示すフローチャートである。
【図18】プリンタドライバの設定画面において印刷品質タブが選択されたときに表示される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0009】
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に対応する印刷装置100の制御構成を示すブロック図である。
【0010】
図1において201はスキャナ部であり、複数枚の原稿(紙等のシートに画像が印刷されたもの)を光学的に読み取って画像データを生成するとともに、読み取られた画像データに対して画像処理(例えば、シェーディング補正処理)を実行する。なお、第1実施形態におけるスキャナ部201は、原稿をカラー画像データとして読み取ることができるものであるとする。具体的には、スキャナ部201は、原稿をRGB3色の画像データとして読み取ることができるものとする。後述するCPU205は、スキャナ部201が読み取ったRGB3色の画像データを、CMYKの4色の画像データに変換することで、プリンタ部203を用いたカラー画像のプリントが可能となる。そして、スキャナ部201は、画像処理が実行された複数ページの画像データを1つの印刷ジョブとしてハードディスク(HDD)209へ記憶させる。202は外部I/Fであり、印刷装置100にネットワークを介して接続された外部装置から複数ページの画像データを含む印刷ジョブを受信する。そして、外部I/F202は、受信した印刷ジョブをハードディスク209へ記憶させる。203はプリンタ部であり、ハードディスク209に記憶された印刷ジョブに基づいて、複数のシートSに印刷処理を実行する。なお、印刷ジョブは複数ページの画像データから構成されているので、複数の画像データが複数のシートの各々に印刷処理される。204は操作部であり、印刷装置105の操作者による各種の指示を受け付け、受け付けた指示をメモリコントローラ部206へ伝えることで印刷装置105に各種の設定を行うものである。
【0011】
CPU205は、ROM207から読み込んだプログラムをRAM208へ書き込み、RAM208を用いてプログラムを実行することで印刷装置100の全体を制御する。なお、ROM207には、外部I/F202が外部装置から印刷ジョブとして受信したPDL(Page Description language:ページ記述言語)コードデータを解釈するためのプログラムが記憶されている。さらに、ROM207には、PDLコードデータを解釈した後にプリント部203にて印刷可能なデータを生成するためのプログラムが記憶されている。メモリコントローラ部206は、ROM207、RAM208、及びハードディスク209に対する、各部からのアクセスを制御する。
【0012】
圧縮伸長部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、ハードディスク209に記憶されている画像データに圧縮処理を実行することができる。また、圧縮伸長部210は、各種圧縮方式により圧縮処理された画像データを伸長する伸長処理を実行することができる。
【0013】
次に、印刷装置100のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。
印刷装置100、大きく分けてスキャナ部201およびプリンタ部203から構成される。スキャナ部201は、原稿給送ユニット250に積載されたシート束をその積載順に従って先頭(最上部)から順次1枚ずつプラテンガラス211上に給送する。そして原稿給送ユニット250は、スキャナユニット220による読み取り動作が終了した後、排出トレイ219に排出する。スキャナユニット210は、プラテンガラス211上に原稿シートが搬送されると、ランプ212を点灯して光学ユニット213の移動を開始させ、シート状の原稿を下方から照射しながら走査する。原稿からの反射光が複数のミラー214、215、216およびレンズ217を通ってCCDイメージセンサ(以下、CCD)218に導かれ、走査された原稿上の画像はCCD218によって画像データとして読み取られる。CCD218で読み取られた画像データは、所定の画像処理が施された後、ハードディスク209に記憶される。
印刷装置100は、複数色(Yellow、Cyan、Magenta、Black)のトナー像をシート上に転写させた後にシート上のトナー像をシートに熱定着させることで印刷処理を行うものである。そして、印刷装置100は、複数色の各色のトナー像を中間転写ベルト3上に1次転写するための複数の印刷部(印刷部2Y、印刷部2M、印刷部2C、印刷部2Bk)を有する。
【0014】
また、印刷装置100は、印刷部2Y、2M、2C、2Bkにそれぞれ担持されたトナー像を重ねて1次転写するための中間転写ベルト3を有する。更に、印刷装置100は、中間転写ベルト3上に重ね合わせて1次転写されたトナー像を2次転写位置N2にてシートSに2次転写するための2次転写ローラ4を有する。
なお、印刷部2Y、2M、2C、2Bkの各々には、感光ドラム11Y、11M、11C、11Bkが備えられており、各感光ドラム11に対しては帯電部25Y、25M、25C、25Bkが備えられる。また、印刷部2Y、2M、2C、2Bkの各々には、帯電ローラ25により一様の電位に帯電された感光ドラム11に静電潜像を形成すべく画像信号に応じたレーザビームを照射して露光するレーザ走査部12Y、12M、12C、12Bkが備えられている。更に、印刷部2Y、2M、2C、2Bkの各々には、感光ドラム11上に形成された静電潜像をトナーにより現像するための現像部26Y、26M、26C、26Kもそれぞれ備えられている。
【0015】
一方、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット311、カセット312、カセット313、カセット314、手差しトレイ315の何れかからシートSを給紙し、搬送路331を経由して転写部325まで搬送する。ここで、手差しトレイ315には、シートSが載置されたことを検知するシート検知センサ315aが設けられている。2次転写ローラ4は中間転写ベルト3上に付着しているトナー像(現像剤像)をシートS上に転写する。トナー像が転写されたシートSは定着部327に搬送され、定着部327にて加熱される。それによりシートS上のトナー像は、シートSに定着される。トナー像が定着したシートSは、搬送路335、334を経由して装置外の排出トレイ(不図示)に排出される。排出トレイにシートSを搬送するにあたってシートSを反転させてから搬送する場合、CPU205はシートSを搬送路336、338まで導くようプリンタ部203を制御する。そしてその後に、シートSを逆方向に搬送し、搬送路337、334を経由して印刷装置100の外部にシートSを排紙する。
【0016】
次に、図3を参照しつつ、第1の実施の形態におけるフルカラー印刷装置の制御構成について説明する。
【0017】
印刷装置100が備えるプリンタ部203は、メモリコントローラ部206を介してCPU205と相互に通信可能となっている。プリンタ部203のCPU2003は、メモリコントローラ部206から画像データと印刷処理を実行するためのコマンドを受信し、受信した画像データを解析してビットデータに変換するとともに、受信したコマンドの解析を行う。
【0018】
プリンタ部203は、CPU2003により制御される各種制御部を備えている。各種制御部としては、シートSを搬送するために印刷100が備える各種ローラの制御をするためのシート搬送制御部2004、感光ドラム11を所定電位に帯電するために帯電ローラ25に印加する電圧を制御するための帯電制御部2005がある。また、CPU203がメモリコントローラ部206から受信した画像データに基づいて感光ドラム11の表面を露光するレーザの走査を制御するためのレーザ走査制御部206を有する。更に、プリンタ部203は、感光ドラム11の表面に形成された静電潜像を現像すべく現像器26を制御するための現像制御部207を有する。更に、プリンタ部203は、中間転写ベルト3上に形成されたトナー像をシートSに転写するよう転写ローラ4に印加する転写電圧を制御するための転写制御部208を有する。また、プリンタ部203は、トナー像が2次転写されたシートS上にトナー像を定着させるよう定着部327を構成するローラ対の回転及びローラ対の少なくとも一方が有するヒータへの投入電力を制御するための定着制御部209を有する。また、プリンタ部203は、印刷部2へシートSを給紙するようカセット311、カセット312、カセット313、カセット314が備えるローラの駆動を制御するための給紙装置制御部210を備えている。
【0019】
ここで、印刷部2が実行する印刷処理について説明する。
本実施形態においては、印刷部2が実行する印刷処理として3つの印刷処理モードがあるので、以下、各印刷モードについて説明する。
【0020】
(1)白黒モード
この印刷モードは、モノクロ画像データを印刷処理するのに適した印刷モードであり、シートを200mm/秒の搬送速度にて搬送させて印刷処理するモードである。CPU205は、印刷モードとして高速モノクロ印刷モードを選択すると、プリンタ部203に対してモノクロ印刷移行処理を実行させるコマンドを送信する。ここで、モノクロ印刷移行処理とは、複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)のうち印刷部2Bkを動作状態へ移行させる処理をいう。具体的にCPU205は、帯電ローラ25Bkに電圧を印加させるためのコマンド、現像器26Bkの現像ローラ(不図示)に電圧を印加させるためのコマンド、転写ローラ4に電圧を印加させるためのコマンドをプリンタ部203のCPU2003に送信する。CPU205からコマンドを受信したCPU2003は、帯電制御部2005を介して帯電ローラ25Bkへの電圧の印加を開始させる。また、CPU2003は、現像制御部207を介して現像ローラへの電圧の印加を開始させ、転写制御部208を介して転写ローラ4への電圧の印加を開始させる。CPU2003は、帯電ローラ25Bk、現像ローラ及び転写ローラ4への電圧の印加により印刷部2Bkが動作状態に移行したと判断すると、その旨をCPU205へ通知する。
【0021】
そして、CPU205は、印刷部2Bkが動作状態に移行したことから、CPU2003へシートを200mm/秒の搬送速度にて搬送させるためのコマンドを送信し、印刷部2Bkを用いたモノクロ印刷処理を開始させる。CPU205からコマンドを受信したCPU2003は、印刷100が備える各種ローラの回転速度を制御してシートを200mm/秒の搬送速度にて搬送させる。
【0022】
(2)フルカラーモード
この印刷モードは、カラー画像データを印刷処理するのに適した印刷モードであり、シートを150mm/秒の搬送速度にて搬送させて印刷処理するモードである。CPU205は、印刷モードとしてカラー印刷モードを選択すると、プリンタ部203に対してカラー印刷移行処理を実行させるコマンドを送信する。
【0023】
ここで、カラー印刷移行処理とは、複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)の全てを動作状態へ移行させる処理をいう。具体的にCPU205は、帯電ローラ25Y、25M、25C及び25Bkに電圧を印加させるためのコマンド、現像器26Y、26M、26C及び26Bkの現像ローラ(不図示)に電圧を印加させるためのコマンドをCPU2003に送信する。また、CPU205は、転写ローラ4に電圧を印加させるためのコマンドをプリンタ部203のCPU2003に送信する。CPU205からコマンドを受信したCPU2003は、帯電制御部2005を介して帯電ローラ25Y、25M、25C及び25Bkへの電圧の印加を開始させる。また、CPU2003は、現像制御部207を介して現像器26Y、26M、26C及び26Bkが有する現像ローラへの電圧の印加を開始させる。さらに、CPU2003は、転写制御部208を介して転写ローラ4への電圧の印加を開始させる。CPU2003は、帯電ローラ25Y、25M、25C及び25Bk、現像ローラ、及び転写ローラ4への電圧の印加により印刷部2Y、2M、2C、2Bkが動作状態に移行したと判断すると、その旨をCPU205へ通知する。
【0024】
そして、CPU205は、印刷部2Y、2M、2C及び2Bkが動作状態に移行したことから、CPU2003へシートを150mm/秒の搬送速度にて搬送させるためのコマンドを送信し、印刷部2Y、2M、2C及び2Bkを用いたカラー印刷処理を開始させる。CPU205からコマンドを受信したCPU2003は、印刷100が備える各種ローラの回転速度を制御してシートを150mm/秒の搬送速度にて搬送させる。
なお、カラー印刷移行処理は、モノクロ印刷移行処理よりも処理を完了するまでの時間が長くかかる。それは、モノクロ印刷移行処理では印刷部2Bkのみを動作状態へ移行させているのに対し、カラー印刷移行処理では印刷部2Y、2M、2C及び2Bkの全てを動作状態に移行させるからである。
【0025】
(3)自動カラー選択モード
この印刷モードは、モノクロ画像データとカラー画像データが1つの印刷ジョブに混在する可能性がある場合に適した印刷モードであり、シートを150mm/秒の搬送速度にて搬送させて印刷処理するモードである。例えば、原稿給送ユニット250に積載されたシート束をスキャナ部201により画像データとして読み取り、その画像データに基づいてプリンタ部203で印刷処理する(いわゆるコピー処理)の場合に適している。
【0026】
CPU205は、印刷モードとして低速モノクロ印刷モードを選択すると、プリンタ部203に対してモノクロ印刷移行処理を実行させるコマンドを送信する。ここで、モノクロ印刷移行処理とは、複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)のうち印刷部2Bkを動作状態へ移行させる処理をいう。具体的にCPU205は、帯電ローラ25Bkに電圧を印加させるためのコマンド、現像器26Bkの現像ローラ(不図示)に電圧を印加させるためのコマンド、転写ローラ4に電圧を印加させるためのコマンドをプリンタ部203のCPU2003に送信する。CPU205からコマンドを受信したCPU2003は、帯電制御部2005を介して帯電ローラ25Bkへの電圧の印加を開始させる。また、CPU2003は、現像制御部207を介して現像ローラへの電圧の印加を開始させ、転写制御部208を介して転写ローラ4への電圧の印加を開始させる。CPU2003は、帯電ローラ25Bk、現像ローラ及び転写ローラ4への電圧の印加により印刷部2Bkが動作状態に移行したと判断すると、その旨をCPU205へ通知する。
そして、CPU205は、印刷部2Bkが動作状態に移行したことから、CPU2003へシートを150mm/秒の搬送速度にて搬送させるためのコマンドを送信し、印刷部2Bkを用いたモノクロ印刷処理を開始させる。CPU205からコマンドを受信したCPU2003は、印刷100が備える各種ローラの回転速度を制御してシートを150mm/秒の搬送速度にて搬送させる。
【0027】
次に、前述した3の印刷モードのうち、いずれの印刷モードを用いて印刷処理を実行するべきかを印刷装置100の操作者が選択することについて説明する。
【0028】
図4は、操作部204に表示されるコピー設定画面を説明する図であり、CPU205の表示制御により操作部204上に表示される。
【0029】
印刷装置100の操作者は、原稿給送ユニット250に印刷装置100にてコピーしたい原稿を載置するとともに、コピー設定画面3100を介してコピー動作の各種の設定を行う。そして、印刷装置100の操作者は、操作部204が有するスタートキー(不図示)を押下することで、コピー設定画面3100で設定したコピー動作にて原稿のコピー(印刷処理)を実行させる。
なお、図4におけるコピー設定画面3100は、原稿が片面で、シートの片面に印刷処理させる場合を示す。
【0030】
図4において、3101は現在のカラーモードを表しており、押下することによりプルダウンメニューがあらわれ、3102は自動カラー選択モード、3103はフルカラーモード、3104は白黒モードのいずれかのカラーモードが選択できる。
自動カラー選択モード3102は、原稿のカラーモードを自動判別するモードであり、CPU205は、スキャナ部201から入力された画像データがカラー画像データであるかモノクロ(白黒)画像データであるかをページ毎に判定する。
【0031】
3105は両面設定ボタンであり、入力原稿が片面か両面か、出力結果が片面か両面かをそれぞれ選択可能である。
3106は用紙選択状態表示部で、印刷ジョブで使用するシートの選択方法を表している。コピー設定画面3100で“自動用紙”となっているのは入力原稿の用紙サイズに応じて出力用紙を自動選択(AutoPaperSelect)することを表している。なお、入力原稿サイズが確定した時点で、CPU205によりカセット311〜315のうちいずれを用いるかが確定する。そして、CPU205は、用紙選択状態表示部3106の表示を確定した用紙サイズに変化させる。3107は用紙選択ボタンで、印刷ジョブで使用するシートを手動選択もしくは自動選択する場合に押下する。
【0032】
なお、図4に示した画面表示状態で、図示しないスタートキーを押下することにより、設定されている条件でコピー動作を開始する。
【0033】
次に、印刷装置100による印刷処理について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
なお、図5のフローチャートにおける各工程は、CPU205がROM207に格納されたプログラムをRAM208へ読み出して実行することにより実行される工程である。
【0034】
(フルカラーモードにおける動作)
図4に示したコピー設定画面3100にてコピー動作のための各種の設定をした状態で、印刷装置100の操作者が操作部204のスタートキー(不図示)を押下することにより図5のフローは開始される。
【0035】
ここでは、印刷モードとして、フルカラーモードが選択された場合に実行される動作について説明する。
【0036】
ステップS501でCPU205は、印刷装置100の操作者が選択した印刷モードがフルカラーモードであるか否かを判別し、フルカラーモードであるのでステップS502へ進む。
ステップS502で、CPU205は、カラー印刷移行処理を実行する。カラー印刷移行処理は前述したとおり、複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)の全てを動作状態へ移行させる処理をいう。
ステップS503で、CPU205は、次に印刷すべきページがカラー画像データであるかどうかを判定し、カラー画像データであればステップS504へ進み、モノクロ画像データであればステップS506へ進む。
ステップS504で、CPU205は、カラー印刷移行処理を実行済みか否かを判定し、既に実行済みであるのでステップS506へ進む。
ステップS506で、CPU205は、スキャナ部201から入力された画像データに基づいた印刷処理を実行する。なお、印刷装置100は、ステップS506においては、シートを150mm/秒の速度にて搬送させつつ印刷処理を実行する。
ステップS507でCPU205は、ステップS506で印刷処理したページが印刷ジョブの最終ページか否かを判定し、最終ページであればステップS514へ進み、そうでなければステップS503へ戻る。
なお、フルカラーモードにおいては、ステップS503でカラー画像データかどうかを判定してはいるものの、モノクロ画像データが入力された場合であっても印刷処理は150mm/秒という搬送速度にてシートを搬送させる。このようにしているのは、印刷処理中に印刷装置100内のシートを外部に排出させる等の印刷モード切替処理に時間を要するのを避けるためである。
【0037】
ステップS514で、CPU205は、印刷ジョブの最終ページの印刷処理が実行された後に印刷終了処理を実行する。印刷終了処理とは、複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)の全てを停止状態へ移行させるための処理である。
具体的にCPU205は、帯電ローラ25Y、25M、25C及び25Bkへの電圧供給を停止させるためのコマンド、現像器26Y、26M、26C及び26Bkの現像ローラ(不図示)への電圧供給を停止させるためのコマンドをCPU2003に送信する。また、CPU205は、転写ローラ4への電圧供給を停止させるためのコマンドをプリンタ部203のCPU2003に送信する。CPU205からコマンドを受信したCPU2003は、帯電制御部2005を介して帯電ローラ25Y、25M、25C及び25Bkへの電圧供給を停止させる。また、CPU2003は、現像制御部207を介して現像器26Y、26M、26C及び26Bkが有する現像ローラへの電圧供給を停止させる。さらに、CPU2003は、転写制御部208を介して転写ローラ4への電圧供給を停止させる。CPU2003は、帯電ローラ25Y、25M、25C及び25Bk、現像ローラ、及び転写ローラ4への電圧供給の停止により印刷部2Y、2M、2C、2Bkが停止状態に移行したと判断すると、その旨をCPU205へ通知する。
【0038】
ここで、フルカラーモードにおいて、5ページの画像データを含む印刷処理を実行したときのシート搬送速度と印刷処理時間の関係を図7Aを用いて説明する。なお、図7Bは、本実施形態のフルカラーモードと対比するための比較例を示すものである。
【0039】
図7A及び図7Bは、5ページの印刷ジョブのうち、1〜2ページ目がカラー画像データであり、3〜5ページ目がモノクロ画像データである場合を示す。図7Bでは、カラー画像データからモノクロ画像データへ切り替わる2ページ目から3ページ目の間において、印刷モード切替処理を実行している。一方で、図7Aでは、カラー画像データからモノクロ画像データへ切り替わる2ページ目から3ページ目の間において、印刷モード切替処理を実行しないので、シートの搬送速度を替えることながい。図7Aと図7Bを比較すると明らかなように、図7Bの場合の方が、印刷モード切替処理に時間を要することから、印刷処理が終了するまでの時間が余計にかかる。
【0040】
(白黒モードにおける動作)
図4に示したコピー設定画面3100にてコピー動作のための各種の設定をした状態で、印刷装置100の操作者が操作部204のスタートキー(不図示)を押下することにより図5のフローは開始される。
【0041】
ここでは、印刷モードとして、白黒モードが選択された場合に実行される動作について説明する。
【0042】
ステップS501でCPU205は、印刷装置100の操作者が選択した印刷モードがフルカラーモードであるか否かを判別し、白黒モードであるのでステップS508へ進む。
ステップS508で、CPU205は、モノクロ印刷移行処理を実行する。モノクロ印刷移行処理は前述したとおり、印刷部2Bkを動作状態へ移行させる処理をいう。
ステップS509で、CPU205は、印刷モードが自動カラー選択モードであるかどうかを判定し、白黒モードであるのでステップS510へ進む。
ステップS510で、CPU205は、印刷ジョブの次ページがカラー画像データであるかどうかを判定し、カラー画像データであればステップS513へ進み、そうでなければステップS511へ進む。
ステップS511で、CPU205は、スキャナ部201から入力された画像データに基づいた印刷処理を実行する。なお、印刷装置100は、ステップS511においては、シートを200mm/秒の速度にて搬送させつつ印刷処理を実行する。
ステップS512でCPU205は、ステップS511で印刷処理したページが印刷ジョブの最終ページか否かを判定し、最終ページであればステップS514へ進み、そうでなければステップS510へ戻る。なお、ステップS514における動作は前述したとおりである。
ステップS513で、CPU205は、印刷モード切替処理を実行する。具体的には図6に示すステップを実行する。
【0043】
図6のステップS601おいて、CPU205は、印刷装置100内のシートが排出されたかどうかを判定し、排出されていればステップS602へ進み、そうでなければステップS601を繰り返す。CPU205が印刷装置100からシートが排出されたか否かを判断しているのは、印刷処理中のシートの搬送速度を変更すると印刷処理に不具合が生じる可能性があるからである。
ステップS602でCPU205は、シートの搬送速度を200mm/秒から150mm/秒に切り替えるようCPU2003にコマンドを送信する。CPU2003は、CPU205からコマンドを受けたことに応じて、シート搬送制御部2004によりシート搬送速度を切り替える。
【0044】
次に、ステップS513を終了した後に実行するステップについて説明する。
ステップS503で、CPU205は次ページがカラー画像データであるかどうかを判定し、カラー画像データであるのでステップS504へ進む。
ステップS504で、CPU205は、カラー印刷移行処理を実行済みかどうかを判定し、未実行であるのでステップS505へ進む。
ステップS505で、CPU205は、カラー印刷移行処理を実行する。カラー印刷移行処理は前述したとおり、複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)の全てを動作状態へ移行させる処理をいう。なお、ステップS505におけるカラー印刷移行処理は、ステップS502におけるカラー印刷移行処理と異なり、印刷部2Bk以外の他の印刷部(印刷部2Y、2M、2C)を動作状態へ移行させれば良い。それは、印刷部2Bkについては、ステップS508において動作状態への移行が完了しているからである。ただし、印刷部2の動作状態をより安定化させるため、ステップS505においても複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)の全てを動作状態へ移行させる処理を実行しても良い。
ステップS506で、CPU205は、スキャナ部201から入力された画像データに基づいた印刷処理を実行する。なお、印刷装置100は、ステップS506においては、シートを150mm/秒の速度にて搬送させつつ印刷処理を実行する。
ステップS507でCPU205は、ステップS506で印刷処理したページが印刷ジョブの最終ページか否かを判定し、最終ページであればステップS514へ進み、そうでなければステップS503へ戻る。なお、ステップS514における動作は前述したとおりである。
【0045】
このように、白黒モードにおいては、印刷ジョブにカラー画像データが含まれなければ各ページをステップS511にて印刷処理することとなる。一方で、印刷ジョブにカラー画像データが含まれる場合は、印刷モード切替処理を実行した上で、引き続くページをステップS506にて印刷処理することとなる。なお、一旦印刷モード切替処理を実行した後は、例えモノクロ画像データのページがその後に出現した場合でも印刷処理はステップS506にて実行されることとなる。なお、白黒モードにおいては、スキャナ部201から入力される画像データを強制的にモノクロ画像データへ変換するようにしても良い。この場合、印刷ジョブの全ページがモノクロ画像データとなるので、ステップS513を実行することによるスループット(単位時間辺りの印刷処理ページ数)を低下させることなく高速な印刷処理が可能となる。
【0046】
(自動カラー選択モードにおける動作)
図4に示したコピー設定画面3100にてコピー動作のための各種の設定をした状態で、印刷装置100の操作者が操作部204のスタートキー(不図示)を押下することにより図5のフローは開始される。
【0047】
ここでは、印刷モードとして、自動カラー選択モードが選択された場合に実行される動作について説明する。
【0048】
ステップS501でCPU205は、印刷装置100の操作者が選択した印刷モードがフルカラーモードであるか否かを判別し、自動カラー選択モードであるのでステップS508へ進む。
ステップS508で、CPU205は、モノクロ印刷移行処理を実行する。モノクロ印刷移行処理は前述したとおり、印刷部2Bkを動作状態へ移行させる処理をいう。
ステップS509で、CPU205は、印刷モードが自動カラー選択モードであるかどうかを判定し、自動カラー選択モードであるのでステップS503へ進む。
ステップS503で、CPU205は次ページがカラー画像データであるかどうかを判定し、カラー画像データであればステップS504へ進み、モノクロ画像データであればステップS506へ進む。
ステップS504で、CPU205は、カラー印刷移行処理を実行済みかどうかを判定し、未実行であるのでステップS505へ進む。
ステップS505で、CPU205は、カラー印刷移行処理を実行する。カラー印刷移行処理は前述したとおり、複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)の全てを動作状態へ移行させる処理をいう。なお、ステップS505におけるカラー印刷移行処理は、ステップS502におけるカラー印刷移行処理と異なり、印刷部2Bk以外の他の印刷部(印刷部2Y、2M、2C)を動作状態へ移行させれば良い。それは、印刷部2Bkについては、ステップS508において動作状態への移行が完了しているからである。ただし、印刷部2の動作状態をより安定化させるため、ステップS505においても複数の印刷部(印刷部2Y、2M、2C、2Bk)の全てを動作状態へ移行させる処理を実行しても良い。
ステップS506で、CPU205は、スキャナ部201から入力された画像データに基づいた印刷処理を実行する。なお、印刷装置100は、ステップS506においては、シートを150mm/秒の速度にて搬送させつつ印刷処理を実行する。
ステップS507でCPU205は、ステップS506で印刷処理したページが印刷ジョブの最終ページか否かを判定し、最終ページであればステップS514へ進み、そうでなければステップS503へ戻る。なお、ステップS514における動作は前述したとおりである。
【0049】
このように、自動カラー選択モードにおいては、印刷ジョブにカラー画像データが含まれなければステップS505におけるカラー印刷移行処理を実行することなく印刷処理を終了することとなる。従って、印刷ジョブにカラー画像データが含まれない場合には、カラー印刷移行処理を実行する時間だけ、印刷処理時間を削減することができる。
【0050】
ここで、印刷処理時間を削減できることについて、図8Aを用いて説明する。なお、図8Bは、本実施形態のフルカラーモードと対比するための比較例を示すものである。なお、図8A及び図8Bにおける印刷ジョブは、5ページのモノクロ画像データを含むジョブである。図8Aでは、モノクロ印刷移行処理(ステップS508における処理)を実行するものの、印刷ジョブにカラー画像データが含まれないことからカラー印刷移行処理(ステップS505における処理)を実行することなく印刷処理を終了する。これに対して、図8Bのように印刷ジョブの開始に先立ってカラー印刷移行処理(ステップS502における処理)を実行してしまうと、カラー印刷移行処理とモノクロ印刷移行処理に要する時間の差分だけ、印刷処理が終了するまでに時間が掛かってしまう。つまり、本実施形態における動作(図8A)であれば、印刷処理時間を削減することができる。
【0051】
また、本実施形態の自動カラー選択モードにおいては、モノクロ画像データに引き続きカラー画像データが入力された場合であっても、カラー印刷移行処理を実行するものの、シートの搬送速度を替えることがない。従って、ステップS513のような切替処理をする必要がない。また、カラー画像データを含む印刷ジョブを実行する場合であっても、フルカラーモードにて印刷処理した場合に比べて印刷処理時間が遅くなることがない。
【0052】
ここで、フルカラーモードにて印刷処理した場合に比べて印刷処理時間が遅くなることがないことについて、図9A及び図9Bを用いて説明する。図9Aは、自動カラー選択モードにて5ページの印刷ジョブ(1〜2ページがモノクロ画像データで、3〜5ページがカラー画像データ)を印刷処理した場合の動作を示す。また、図9Bは、フルカラーモードにて図9Aと同じ印刷ジョブを実行した場合の動作を示す。図9Bでは、カラー印刷移行処理を印刷処理の開始前に実行しているのに対し、図9Aではカラー画像データ(3ページ目)の印刷処理に先立ってカラー印刷移行処理を実行している。ここで、図9Aにおけるカラー印刷移行処理は既にモノクロ印刷移行処理を印刷処理の開始前に行っていることから、印刷部2Bk以外の他の印刷部を動作状態に移行させる処理となる。従って、図9Bにおけるカラー印刷移行処理時間は、図9Aにおけるモノクロ印刷移行処理時間にカラー印刷移行処理時間を加算した時間と略同一となる。従って、5ページの印刷ジョブを印刷処理するのに要する時間は、図9Aと図9Bとで略同一となる。
【0053】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、複数の印刷モードのいずれが選択されたかに応じて、印刷装置をモノクロ印刷が可能な状態へ移行させるモノクロ印刷移行処理又は印刷装置をカラー印刷が可能な状態へ移行させるカラー印刷移行処理を、印刷処理を開始する前に適切に実行する印刷装置及び印刷方法を提供することができる。
【0054】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0055】
第2実施形態は第1実施形態に変形例である。
第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、コピー設定画面3100にて原稿が片面で、シートの両面に印刷処理させると設定されている点である。
【0056】
なお、以下の説明においては、第1実施形態と異なる点についてのみ説明することとし、他の点については第1実施形態と同様であるものとする。
【0057】
第2実施形態における印刷装置100によるコピー動作は、ステップS513を除いて、図5のフローチャートと同様である。
ステップS513については、印刷モード切替処理の具体的動作が第1実施形態と異なるので、図10を用いて説明する。
【0058】
図10のステップS1001で、CPU205は、印刷装置100の内部に滞留紙(シート)があるか否かを判定し、滞留紙があればステップS1002へ進み、そうでなければステップS1003へ進む。
ステップS1002で、CPU205は、印刷装置100内に片面に滞留している片面が印刷処理済みのシートの未印刷面に対して、印刷処理を実行する。なお、この印刷処理においては、シートを200mm/秒の速度にて搬送させる。
ステップS1003で、CPU205は、シートの搬送速度を200mm/秒から150mm/秒に切り替えるようCPU2003にコマンドを送信する。CPU2003は、CPU205からコマンドを受けたことに応じて、シート搬送制御部2004によりシート搬送速度を切り替える。
【0059】
ここで、10ページの画像データ(1〜6ページがモノクロ画像データで、7〜10ページがカラー画像データ)を含む印刷ジョブを実行したときのシート搬送速度と印刷処理時間の関係を図11A、図11B及び図11Cを用いて説明する。
【0060】
図11Aは、印刷装置100の操作者が、印刷モードとしてフルカラーモードを選択した場合の印刷処理を示すものである。
【0061】
CPU205は、スキャナ部201が10枚の原稿を読み取って生成した10ページの画像データを、1つの印刷ジョブとしてプリンタ部203へ入力する。図11Aは、印刷モードとしてフルカラーモードが選択された場合を示すので、印刷処理を開始する前にカラー印刷移行処理を実行する。
その後、CPU205は、カセット311から3枚のシートSを給紙させ、各々に1、3、5ページ目の画像データの印刷処理を実行させる。また、CPU205は、1、3、5ページ目が印刷処理されたシートSを、再給紙搬送路332へ搬送させる。なお、再給紙搬送路332から搬送されるシートSは、印刷処理された面を下向きにして転写ローラ4へ搬送される。ここで、印刷装置100が1、3、5ページ目の画像データの印刷処理を実行しているのは、印刷装置内に3枚のシートを保持することができるからである。
【0062】
次に、CPU205は、1ページ目が印刷処理されたシートSを転写ローラ4へ搬送させ、2ページ目の画像データの印刷処理を実行させる。その後にCPU205は、1ページ目と2ページ目の画像データの双方が印刷処理されたシートSを搬送路334を介して装置外へ排出させる。引き続き、CPU205は、カセット311から給紙したシートSへの7ページ目の画像データの印刷処理を実行させる。その後、CPU205は、3ページ目が印刷処理されたシートSを転写ローラ4へ搬送させ、4ページ目の画像データの印刷処理を実行させる。次に、CPU205は、カセット311から給紙したシートSへの9ページ目の画像データの印刷処理を実行させる。引き続き、5、7及び9ページ目が印刷処理されたシートSを再給紙搬送路332から連続して転写部325へ搬送させる。そして、CPU205は、それらのシートSに6、8及び10ページ目の画像データの印刷処理を実行させる。
なお、図11Aにおいて点線で囲われた部分は、シートとシートの間に間隔を空けていることを示している。
【0063】
図11Bは、印刷装置100の操作者が、印刷モードとして白黒モードを選択した場合の印刷処理を示すものである。
図11Aにおいては、2ページ目を印刷処理した後に7ページ目を印刷処理するものであった。ところが、白黒モードにおいては、1、3、5、2ページを200mm/秒にて印刷処理しているので、7ページ目のカラー画像データを印刷処理するためにはシートの搬送速度を低下させる必要がある。また、白黒モードにおいては印刷ジョブの開始前にモノクロ印刷移行処理しか実行していないため、カラー印刷移行処理を実行する必要もある。
そこで、図11BにおいてCPU205は、7ページ目のカラー画像データを印刷処理する前に印刷済みのシートの未印刷面に対して、2、4、6ページ目のモノクロ画像データを印刷処理してシートを装置外へ排出させる(ステップS1002)。その後、シート搬送速度を200mm/秒から150mm/秒へと切り替えるとともに、カラー印刷移行処理を実行する。その後、CPU205は、7、9ページ目のカラー画像データをシートに印刷処理するとともに、7、9ページ目が印刷処理されたシートを再給紙搬送路332から給紙させる。その後、7ページ目の画像データが印刷処理されたシートのみ印刷面に8ページ目のカラー画像データを印刷処理する。さらに、9ページ目の画像データが印刷処理されたシートのみ印刷面に10ページ目のカラー画像データを印刷処理する。
なお、図11Aと図11Bを比較すると、1〜6ページ目の印刷処理時間は白黒モードを実行した場合が早いものの、カラー印刷移行処理及びシート搬送速度の変更を実行するために、10ページ全てを印刷処理する時間は白黒モードの方が長くなる。
【0064】
図11Cは、印刷装置100の操作者が、印刷モードとして自動カラー選択モードを選択した場合の印刷処理を示すものである。
図11Cは、図11Aと各ページの印刷順序、シートの搬送速度等は同じである。しかし、図11Aではカラー印刷移行処理を印刷処理の開始前に実行しているのに対し、図11Cではカラー印刷移行処理をカラー画像データを印刷処理するのに先立って実行している点が異なる。
【0065】
以上説明したように、第2実施形態によれば、複数の印刷モードのいずれが選択されたかに応じて、印刷装置をモノクロ印刷が可能な状態へ移行させるモノクロ印刷移行処理又は印刷装置をカラー印刷が可能な状態へ移行させるカラー印刷移行処理を、印刷処理を開始する前に適切に実行する印刷装置及び印刷方法を提供することができる。更に、第2実施形態によれば、印刷処理として両面印刷処理を実行する場合においても、モノクロ印刷移行処理又はカラー印刷移行処理を適切に実行することができる。
【0066】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0067】
第1実施形態及び第2実施形態において、印刷ジョブは、スキャナ部201が原稿を読み取ることにより入力される複数の画像データを含むものであった。それに対して第3実施形態において、印刷ジョブは、外部I/F202を介して接続される外部装置から受信するものである。
【0068】
図12は、コンピュータ端末である外部装置で動作するプリンタドライバの設定画面を示す図である。そして、外部装置は、文書作成アプリケーション等のアプリケーションソフトウェアにて文書を作成している際に、プリンタドライバを起動させることで図12の設定画面を外部装置の表示画面上に表示させる。ここで、プリンタドライバとは、印刷装置100を制御するためのデバイスドライバであり、外部装置上で動作するソフトウェアである。そして、外部装置は、プリンタドライバを動作させることで印刷装置100へ送信する印刷ジョブを生成する。
図12の設定画面において、外部装置を操作する操作者(作業者)は、プリンタ名選択ボックス1201を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、外部装置が印刷ジョブを送信する送信先として、印刷装置100が選択される。図12において外部装置は、印刷装置100を選択している。また、外部装置を操作する操作者は、印刷範囲選択ボックス1202をポインティングデバイス等を用いて操作する。これにより、アプリケーションが生成する文書のうち所望の範囲が印刷装置100にて印刷すべき範囲として決定する。プリンタドライバは、操作者が「すべて」を選択した場合には、アプリケーションが生成した文書の全てのページを印刷対象とする。また、プリンタドライバは、操作者が「現在のページ」を選択した場合には、アプリケーションが生成した複数ページの文書のうち現在外部装置の画面上に表示されているページを印刷対象とする。また、プリンタドライバは、作業者が「ページ指定」を選択した場合には、アプリケーションが生成した複数ページの文書のうちエディットボックス1203に入力されているページを印刷対象とする。また、プリンタドライバは、操作者が印刷部数設定ボックス1204に入力した部数を印刷対象の部数にする。
そして、外部装置の作業者は、プリンタドライバを介した印刷装置100へ送信する印刷ジョブの設定が終了したならばOKボタン1206を押下することにより、印刷ジョブの生成を開始させる。なお、外部装置の操作者は、印刷ジョブの生成を中止する場合には、キャンセルボタン1207を押下する。
【0069】
図13は、図12のプリンタドライバのプロパティ設定画面においてプロパティボタン1205を押下したときに表示される画面を示す図である。
外部装置を操作する操作者は、原稿サイズ選択ボックス1301を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、プリンタドライバは、外部装置上で起動中のアプリケーションデータにおける各ページのサイズを選択する。なお、通常はアプリケーションデータが生成する文書には原稿サイズが指定されているので、この原稿サイズが自動的に選択される。また、プリンタドライバは、作業者が出力用紙サイズ選択ボックス1302について「原稿サイズと同じ」を選択した場合には、印刷装置100にて印刷処理(出力処理)に用いるシートのサイズとしてA4サイズを選択する。なお、操作者は出力用紙サイズとして、「原稿サイズと同じ」を選択する以外にも「A3サイズ」、「B5サイズ」等の所望のシートサイズを選択することができる。ただし、この場合は、原稿サイズと異なるサイズが選択されるので、プリンタドライバは、倍率を変更しつつ印刷ジョブを生成する。また、プリンタドライバは、作業者が部数選択ボックス1303について所望の印刷部数を入力したことに応じて入力された部数を印刷ジョブに設定する。また、プリンタドライバは、作業者が印刷方向指定ボックス1304にて選択した印刷方向を入力する。
そして、操作者がOKボタン1305を選択したことにより原稿サイズ選択ボックス1301、出力用紙サイズ選択ボックス1302、部数選択ボックス1303、印刷方向指定ボックス1304に入力されている値を確定する。一方、操作者がキャンセルボタン1306を選択したことにより、予め定められている初期設定に戻す。
【0070】
図14は、図13プリンタドライバのプロパティ設定画面において仕上げタブ1308が選択されたときに表示される画面を示す図である。
外部装置を操作する操作者は、印刷方法選択ボックス1401を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、プリンタドライバは、アプリケーションデータから生成する印刷ジョブを印刷装置100にて印刷処理させるときの印刷方法を選択する。なお、印刷方法としては、シートの片面のみに印刷処理をする「片面印刷」、シートの両面に印刷処理をする「両面印刷」等がある。
そして、操作者がOKボタン1402を選択したことにより印刷方法選択ボックス1401に入力されている値を確定する。一方、操作者がキャンセルボタン1403を選択したことにより印刷方法選択ボックス1401に入力されている値を確定せずに予め定められている初期設定に戻す。
【0071】
図15は、図13のプリンタドライバのプロパティ設定画面において印刷品質タブ1309が選択されたときに表示される画面を示す図である。
外部装置を操作する操作者は、カラーモード選択ボックス1501を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、プリンタドライバは、アプリケーションデータから生成する印刷ジョブを印刷装置100にて印刷処理させるときの印刷モードを選択する。なお、印刷モードとしては、白黒モード(モノクロモード)、カラー/モノクロ自動切替モードがある。
なお、操作者がカラー/モノクロ自動切替モードを選択した場合は、チェックボックス1502を選択可能となる。ここで、チェックボックス1502にチェックを入れると、第1実施形態における自動カラー選択モードを選択する指示となる。一方、チェックボックス1502のチェックを入れないと、印刷ジョブの先頭ページがカラー画像データであるかモノクロ画像データであるかに応じて印刷モードを選択する指示となる。具体的には、印刷ジョブの先頭ページがカラー画像データである場合は印刷モードとして第1実施形態におけるフルカラーモードを選択する指示となる。一方、印刷ジョブの先頭ページがモノクロ画像データである場合は印刷モードとして第1実施形態における白黒モードを選択する指示となる。
【0072】
以上の図13、図14、図15のプリンタドライバのプロパティ設定画面における設定が終了すると(OKボタン1305、OKボタン1402、OKボタン1503が押下されると)、図12のプリンタドライバの設定画面に戻る。
【0073】
そして、図12のプリンタドライバの設定画面におけるOKボタン1206が押下されると、外部装置は、プロパティ設定画面において設定された設定内容と、アプリケーションデータとを合成して1つの印刷ジョブを生成する。さらに、外部装置は、印刷ジョブを印刷装置100へ送信する。
【0074】
なお、印刷ジョブのデータ構造の具体例を図16に示す。
図16は、外部装置が印刷装置100に送信する印刷ジョブのデータ構造を示す図である。
図16において1601は印刷ジョブIDであり、外部装置が印刷装置100に印刷ジョブを送信する場合に、印刷ジョブを特定できるよう印刷ジョブに付与される固有のIDである。また、1602は出力方法指定情報であり、印刷方法選択ボックス1401にて選択された印刷方法を特定する情報である。また、1603は給紙部指定情報であり、給紙部選択ボックス(不図示)にて選択された給紙部を特定する情報である。また、1604はシート属性情報であり、出力用紙サイズ選択ボックス1302にて選択された出力用紙サイズを特定するシートサイズ情報を含む情報である。また、1605は印刷部数指定情報であり、印刷部数設定ボックス1204又は印刷部数選択ボックス1303(各々同じ値が入力される)にて入力された印刷部数を特定する情報である。また、1606はカラーモードであり、カラーモード選択ボックス1501にて選択されたカラーモードを示す情報である。また、1607はチェックボックス情報であり、チェックボックス1502のチェックボックスがチェックされているか否かを示す情報である。また、1608は、印刷ジョブ名であり、アプリケーションにて管理する際のファイル名を示すテキストデータが印刷ジョブ名として付与されている。そして、1609は、ドキュメントデータであり、外部装置上で動作するアプリケーションにて生成されたドキュメント(文書)のデータである。
【0075】
次に、図17を用いて印刷装置100における印刷モードの選択処理について説明する。
図17は、CPU205が実行する処理であり、印刷装置100が外部装置I/F202を介して外部装置から印刷ジョブを受信した場合に実行される処理である。
ステップS1701でCPU205は、印刷ジョブにて指定されているカラーモードが白黒モードであるか否かを判別し、白黒モードであればステップS1704へ進み、そうでなければステップS1702に進む。
ステップS1704でCPU205は、印刷モードとして、白黒モードを選択してフローを終了する。
ステップS1702でCPU205は、印刷ジョブのチェックボックス情報1607を参照する。そしてCPU205は、プリンタドライバにてチェックボックス1502がチェックされていたかどうかを判定し、チェックされていればステップS1703へ進み、そうでなければステップS1705へ進む。
ステップS1703でCPU205は、印刷モードとして、自動カラー選択モードを選択する。
ステップS1705でCPU205は、印刷ジョブのドキュメントデータ1609を参照し、印刷ジョブの先頭ページの画像データがカラー画像データであるかモノクロ画像データであるかを判別する。CPU205は、印刷ジョブの先頭ページの画像データがカラー画像データであればステップS1706へ進み、そうでなければステップS1704へ進む。
ステップS1706でCPU205は、印刷モードとして、フルカラーモードを選択する。
そして、CPU205は、図17のフローにて印刷モードを選択した後に、第1実施形態の図5のフローを実行する。図5のフローにおける具体的動作については、第1実施例と同様であるので説明を省略する。
【0076】
以上説明したように、本発明の第1〜第3の実施形態によれば、複数の印刷モードのいずれが選択されたかに応じて、印刷装置をモノクロ印刷が可能な状態へ移行させるモノクロ印刷移行処理又は印刷装置をカラー印刷が可能な状態へ移行させるカラー印刷移行処理を、印刷処理を開始する前に適切に実行することができる印刷装置及び印刷方法を提供することができる。更に、第3実施形態によれば、印刷ジョブとして、外部装置から印刷ジョブが入力された場合であっても、モノクロ印刷移行処理又はカラー印刷移行処理を適切に実行することができる。
【0077】
<第4実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態において、印刷ジョブは、スキャナ部201が原稿を読み取ることにより入力される複数の画像データを含むものであった。それに対して第4実施形態において、印刷ジョブは、外部I/F202を介して接続される外部装置から受信するものである。
【0078】
なお、第3実施形態においても、印刷ジョブは、外部I/F202を介して接続される外部装置から受信するものであった。第4実施形態は、第3実施形態におけるカラーモードの選択の仕方が異なる。以下では、第3実施形態と異なる点のみについて説明することとし、他の点については第3実施形態と同様であるものとする。
【0079】
図18は、図13のプリンタドライバのプロパティ設定画面において印刷品質タブ1309が選択されたときに表示される画面を示す図である。
【0080】
外部装置を操作する操作者は、カラーモード選択ボックス1801を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、プリンタドライバは、アプリケーションデータから生成する印刷ジョブを印刷装置100にて印刷処理させるときの印刷モードを選択する。なお、印刷モードとしては、白黒モード、フルカラーモード、自動カラー選択モードがある。この3つのモードにおける印刷装置100の動作は、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0081】
図13、図14、図15のプリンタドライバのプロパティ設定画面における設定が終了すると(OKボタン1305、OKボタン1402、OKボタン1802が押下されると)、図12のプリンタドライバの設定画面に戻る。
【0082】
そして、図12のプリンタドライバの設定画面におけるOKボタン1206が押下されると、外部装置は、プロパティ設定画面において設定された設定内容と、アプリケーションデータとを合成して1つの印刷ジョブを生成する。さらに、外部装置は、印刷ジョブを印刷装置100へ送信する。印刷ジョブのデータ構造は、第3実施形態の図16で説明したものと同様である。
【0083】
なお、第3実施形態においてはチェックボックス情報1607が存在したが、第4実施形態ではこの情報は存在しない。また、カラーモード1606には、図18にて選択した白黒モード、フルカラーモード又は自動カラー選択モードのいずれかを特定する情報が付加されるものとする。
【0084】
印刷装置100のCPU205は、外部I/F202を介して印刷ジョブを受信すると、カラーモード1606を解析し、印刷ジョブにて指定されているカラーモードを判別する。
そして、CPU205は、判別されたカラーモードに応じて、図5で説明したフローを実行する。
【0085】
<第5実施形態>
第1実施形態においては、白黒モードであってもカラー画像データが入力される場合があり、カラー画像データが入力された場合は、印刷モード切替処理(ステップS513)を実行するものであった。これに対して第5実施形態は、白黒モードにおいてはカラー画像データが入力されることが無いようにするものである。
【0086】
具体的には、第1実施形態におけるスキャナ部201は原稿をカラー画像データとして読み取ることができるものであった。第5実施形態においては、スキャナ部201の機能としては第1実施形態と同様とするが、印刷モードとして白黒モードが選択された場合には、スキャナ部201の動作を異ならせることとする。
【0087】
具体的には、印刷モードとして白黒モードが選択された場合に、スキャナ部201が原稿をRGB3色のカラー画像データとして読み取るのではなく、単色(例えばGのみ)の画像データとして読み取るものとする。このようにすることでCPU205は、図5におけるステップS510で常にYESの判定をする。従って、白黒モードにおいては、印刷モード切替処理(ステップS513)を実行することなく常にシート搬送速度を200mm/秒として印刷ジョブの全ページについて印刷処理を実行する。
【0088】
なお、スキャナ部201が原稿をRGB3色のカラー画像データとして読み取るのではなく、単色(例えばGのみ)の画像データとして読み取る方法以外であっても良い。例えば、スキャナ部201がRGB3色のカラー画像データとして読み取ったものを、CPU205等が単色の画像データに変換することで、実質的にカラー画像データが入力されることが無いようにしても良い。
【0089】
<他の実施形態>
なお、上記の実施形態においては、自動カラー選択モードを選択した場合の印刷処理におけるシート搬送速度を、フルカラーモードと同様の150mm/秒としたが他の速度であっても良い。具体的には、白黒モードにおけるシート搬送速度(200mm/秒)より遅い任意の速度であっても良い。ただし、カラー画像データを印刷処理するためにはある程度搬送速度を遅くする必要があるので、カラー画像データを印刷処理するのに十分遅い速度とするのが望ましい。例えば、自動カラー選択モードにおけるシート搬送速度を、フルカラーモードにおけるシート搬送速度と略同一にするのが好ましい。
また、上記の実施形態においては、シート搬送速度は150mm/秒又は200mm/秒のいずれかとしたが印刷処理に支障の無い速度であれば他の速度であっても良い。
【0090】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給することによっても達成される。この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行すること前述した実施形態の機能を実現する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0091】
2 印刷部
100 印刷装置
201 スキャナ部
202 外部I/F
203 プリンタ部
204 プリンタ部
205 CPU
206 メモリコントローラ部
2003 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された印刷データに基づいて複数のシートに印刷処理する印刷手段と、
前記印刷手段をモノクロ印刷処理が実行可能な第1動作状態又はカラー印刷処理が実行可能な第2動作状態に設定する設定手段と、
前記モノクロ印刷処理においてシートを特定速度にて搬送させるとともに前記カラー印刷処理においてシートを前記特定速度より低速度にて搬送させる第1印刷モード又は前記モノクロ印刷処理及び前記カラー印刷処理のいずれにおいてもシートを前記特定速度より低速度にて搬送させる第2印刷モードのいずれかの印刷モードを選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した印刷モードにて印刷処理を実行するよう前記印刷手段を制御する制御手段とを有し、
前記設定手段は、前記第1印刷モードが選択された場合と前記第2印刷モードが選択された場合のいずれにおいても、前記印刷処理を開始するにあたって前記印刷手段を前記第1動作状態に設定することを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−164649(P2011−164649A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101462(P2011−101462)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【分割の表示】特願2006−132383(P2006−132383)の分割
【原出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】