印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム
【課題】実際の印刷画像を見ながら、ユーザの所望とする検品レベルに対応する検品の閾値を、ユーザが容易に調整可能にすること。
【解決手段】
検品システム10では、検品部500が、プリンタ部300により印刷媒体に印刷された第1画像データに含まれる複数のページ画像と、前記印刷媒体から読み取った第2画像データに含まれる複数のページ画像とを比較し、設定される閾値に応じてページ毎にNG領域を判定し、操作部200が、検品部500でNGページに対応する第2画像データのページ画像を該ページ画像におけるNG領域が識別可能となるように表示する。さらに、前記NG領域が表示された後に操作部200上で閾値が変更された場合、変更後の閾値に応じてページ内のNG領域を再判定し、NG領域が含まれると再度判定された場合、該ページに対応する第2画像データのページ画像を、該ページ画像におけるNG領域が識別可能となるように表示する。
【解決手段】
検品システム10では、検品部500が、プリンタ部300により印刷媒体に印刷された第1画像データに含まれる複数のページ画像と、前記印刷媒体から読み取った第2画像データに含まれる複数のページ画像とを比較し、設定される閾値に応じてページ毎にNG領域を判定し、操作部200が、検品部500でNGページに対応する第2画像データのページ画像を該ページ画像におけるNG領域が識別可能となるように表示する。さらに、前記NG領域が表示された後に操作部200上で閾値が変更された場合、変更後の閾値に応じてページ内のNG領域を再判定し、NG領域が含まれると再度判定された場合、該ページに対応する第2画像データのページ画像を、該ページ画像におけるNG領域が識別可能となるように表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の検品が可能な印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷装置には、設定された閾値に応じた印刷物の検品を行い、印刷不良が生じている場合、再印刷(リカバリ印刷)を行うものがある(従来技術1)。
また、特許文献1には、出力される印刷物の色再現性をユーザが確認できるように、ユーザが印刷条件を変更するたびに、印刷条件によるシミュレーションで色再現不良となった画像を、クライアントPCへ送信する技術が提案されている(従来技術2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−254106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術1では、印刷物の検品を行うための閾値を、印刷目的に対応する所望の検品レベルに調整する必要がある。このため、ユーザが閾値をどの程度のレベルに設定してよいか判断するのは、非常に困難であった。さらに、印刷物の検品を行うための閾値が、白黒/カラー印刷等の印刷の種類毎に設けられる場合もあり、閾値の調整がさらに複雑になる場合もある。なお、閾値に適切なレベルが設定されていないと、必要以上に印刷不良として処理され十分な品質の印刷物が破棄されたり、印刷不良として破棄すべき品質の印刷物が印刷良好として処理されてしまう可能性があった。
【0005】
また、従来技術2(特許文献1)では、ユーザが印刷条件を変更し、シミュレーションで再現不良領域から再現領域になったとしても、実際に印刷した場合、実際の印刷物は不良画像になってしまう可能性があった。例えば、トナー等の印刷剤が印刷媒体に付着せず、かすれ等が発生したり、逆に、印刷剤が印刷媒体に過剰に付着し、滲み等が発生したりするなど、実際の印刷物が不良画像になる可能性があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、実際の印刷画像を見ながら、ユーザの所望とする検品レベルに対応する検品の閾値を、ユーザが容易に調整することができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のページ画像を含む第1画像データに基づいて複数の印刷媒体に印刷処理を行う印刷手段と、前記印刷手段により印刷処理された複数の印刷媒体の印刷面を読み取り複数のページ画像を含む第2画像データを生成する読取手段と、前記印刷手段により印刷処理された印刷媒体に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定するための閾値を設定する設定手段と、前記第1画像データに含まれる複数のページ画像と前記第2画像データに含まれる複数のページ画像とを比較し、前記設定手段により設定される閾値に応じてページ毎に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段により印刷不良領域が含まれると判定されたページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における前記印刷不良領域が識別可能となるように表示する表示手段とを有し、前記判定手段は、前記表示手段により前記印刷不良領域が表示された後に前記設定手段により設定された閾値が変更された場合、該変更された閾値に応じて前記ページに印刷不良領域が含まれるかどうかを再判定し、前記表示手段は、前記判定手段により前記ページに印刷不良領域が含まれると再度判定された場合は該ページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における印刷不良領域が識別可能となるように表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実際の印刷画像を見ながら、ユーザの所望とする検品レベル(印刷不良領域の判定レベル)に対応する検品の閾値(印刷不良領域の判定の閾値)を、ユーザが容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷装置を適用可能な検品システムの構成を示す図である。
【図2】検品システム10の概略制御構成の一例を示す図である。
【図3】検品部500の画像読取部540で印刷された用紙を読取る1ラインの領域を示したイメージ図である。
【図4】印刷物読取データとリファレンスデータとの一致率と検品の閾値を説明するための図である。
【図5】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図6】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図7】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図8】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図9】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図10】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図11】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図12】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図13】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図14】本実施例の検品システムにおける閾値調整処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本実施例の検品システムにおける閾値調整処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】検品判定結果一覧画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す印刷装置を適用可能な検品システムの構成を示す図である。
図1において、10は、本発明の印刷装置としての検品システムである。検品システム10は、画像読取部100、操作部200、プリンタ部(印刷部)300、コントローラ部400、検品部500、スタッカ部600、排紙部(フィニッシャ)700、インサータ部800を備える。
【0011】
画像読取部100の原稿搬送装置110は、原稿トレイ111上にセットされた原稿を先頭ページから順に1枚ずつ搬送し、湾曲したパスを介して原稿台ガラス114の上へと搬送する。
【0012】
以下、画像読取部100での原稿読み取り方法を示す。
画像読取部100で片面原稿を読取る方法としては、二種類の方法がある。まず一つ目の方法は、原稿台ガラス114上の読取位置R1へ原稿の後端を搬送し停止させ、スキャナユニット121を図の左から右へ移動させることにより、原稿の読取りを行う原稿固定読取モードがある。二つ目の方法は、原稿を一定の読取り速度で読取位置R1へ搬送し、スキャナユニット121を読取位置R1で固定したまま原稿の読取りを行う原稿搬送読取モードがある。前述した片面原稿を読取る二種類の方法は、読取った原稿を排紙トレイ112に排出する。
【0013】
画像読取部100で両面原稿を読取る方法としては、スキャナユニット121で表面を読取り、原稿搬送装置110内に配置した光学ユニット113を使用して裏面を読取る方法がある。光学ユニット113内には図示しないイメージセンサ及び光源等が配置されている。
【0014】
レンズ122を介してイメージセンサ123により読取られた原稿の画像は、画像処理されてコントローラ部400内の記憶装置430に格納されるとともに、コントローラ部400を介してプリンタ部300の露光制御部301に送られる。なお、両面原稿の場合に光学ユニット113で読取られた画像も同様に、画像処理されて記憶装置430に格納されるとともに、コントローラ部400を介してプリンタ部300の露光制御部301に送られる。
【0015】
露光制御部301は、画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光が感光ドラム302に照射されると、感光ドラム302上には静電潜像が形成される。感光ドラム302上の静電潜像は、現像器303により現像される。そして、感光ドラム302上の現像剤は、カセット311、312、手差し給紙部313のいずれかから給送されたシートに転写部306で転写される。
【0016】
現像剤が転写されたシートは定着部304に導かれると、現像剤の定着処理が行われる。プリンタ部300は、定着部304を通過したシートを、図示しないフラッパにより、一旦、パス307からパス310に導き、シートの後端がパス307を抜けた後、シートをスイッチバックさせてパス308から排出ローラ305に導く。これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ305によりプリンタ部300から排出することが可能である。これを反転排紙という。このように、フェイスダウンで排出することにより、原稿搬送装置110を用いて複数枚の原稿を読取った画像をプリントする場合など、先頭ページから正しいページ順で印刷を行うことが可能である。なお、手差し給紙部313からOHPシートなどの硬いシートに印刷を行う場合、プリンタ部300は、パス307に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)のままで排出ローラ305から排出する。また、シートの両面に印刷を行う場合、プリンタ部300は、シートを定着部304からパス307、パス310に導き、シートの後端がパス307を抜けた直後にシートをスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス309に導く。両面搬送パス309に導かれたシートに対し、再度、転写部306で静電潜像が転写され、定着部304で定着処理が施される。このように、転写部306から両面搬送パス309を経由して再び転写部306に戻る一巡のパスの中に、A4、B5等のハーフサイズ用紙が5枚入った状態でも搬送可能なように、パス長、ローラ配置、駆動系の分割がなされている。なお、これらの処理による排出ページ順は、奇数ページが下向きになるように排出されるので、両面コピー時のページ順を合わせることができる。排出ローラ305から排出された印刷出力物は検品部500に送り込まれる。
【0017】
検品部500では、まず画像読取部540でプリンタ部300で印刷処理された印刷出力物の印刷面から画像データを読取る。画像読取部540で読取った画像データ(印刷物読取データ)は、検品制御部510に送られページ毎に検品処理が行われる。画像データを読取られた印刷出力物は、スタッカ部600に送り込まれ、検品制御部510による検品結果に応じて、そのまま排紙部700に送り込まれるか、OKトレイ601若しくはNGトレイ602へ送り込まれる。
【0018】
OKトレイ601に送り込まれた印刷出力物は、ジョブが全て終わった後に排紙部700へ排紙されるか、部数毎に排紙されるかをユーザが操作部200で選択できる。
スタッカ部600から排紙部700に送り込まれた印刷出力物は、ユーザが操作部200で設定した裁断処理、綴じ処理、穴あけ処理、フォールディング処理等の処理を行った後に排紙される。
インサータ部800にセットされた原稿用紙は、検品部500へ送りこまれ、前述した紙パス通りに排紙トレイに排紙される。
【0019】
図2は、検品システム10の概略制御構成の一例を示す図である。
画像読取部100は、原稿を読取り電子化し、コントローラ制御部410へデータを送信する。操作部200では、ユーザが検品レベル(印刷不良領域の判定レベル)を決定する閾値の選択を行うことができる。また、操作部200では、後述する検査レベル確認モードの設定を行うことができる。プリンタ部300は、画像読取部100で読取ったデータや記憶装置430に格納されるデータ、又は、外部I/F440で受信したデータを印刷する。
【0020】
コントローラ部400は、コントローラ制御部410、画像処理部420、記憶装置430、外部I/F440を有する。コントローラ制御部410は、画像読取部100、操作部200、プリンタ部300、検品部500、画像処理部420、記憶装置430、外部I/F440と接続され、各種データの制御を行う。
【0021】
画像処理部420は、画像読取部100で読取ったデータや外部I/F440で受信したデータをプリンタ部300へ送信するために画像処理し、コントローラ制御部410へ送信する。また、画像処理部420は、画像読取部100で読取ったデータや外部I/F440から受信した画像データを画像処理し、リファレンスデータ(第1画像データ)として記憶装置430に格納する。このリファレンスデータは、複数ページのジョブの場合、複数のページ画像で構成されている。
【0022】
記憶装置430は、画像読取部100で読取ったデータや外部I/Fで受信したデータ、また検品システム10で使用した設定(検品の閾値(印刷不良領域の判定の閾値)、検査レベル確認モードの設定)等を格納する。なお、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、それぞれの閾値が格納される。外部I/F440は、USBケーブルや、公衆回線、ネットワーク等を介してパーソナルコンピュータ(PC)や画像送信装置と接続され、画像データ等を送受信可能である。
【0023】
検品部500は、検品制御部510、画像処理部520、比較判定部530、画像読取部540、及び記憶装置550を有する。検品制御部510は、画像処理部520、比較判定部530、画像読取部540、記憶装置550、及びコントローラ制御部410と接続される。
【0024】
検品制御部510は、コントローラ制御部410から、リファレンスデータや、検品の閾値、及び、検査レベル確認モードの設定等を受信し、記憶装置550に格納する。なお、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、それぞれの閾値が格納される。画像読取部540は、プリンタ部300で印刷処理された用紙(印刷物)を読取り、読取りデータ(印刷物読取データ)を検品制御部510へ送信する。画像処理部520は、画像読取部540で読取られた印刷物読取データを、上述のリファレンスデータと比較できるように画像処理を行う。
【0025】
比較判定部530では、画像読取部540で読取られた印刷物読取データ(第2画像データ)とリファレンスデータ(第1画像データ)とを比較し、一致率(詳細は図4に示す)を算出する。このとき、検品制御部510では、画像読取部540で読取った印刷媒体のページ番号をカウントし、そのページ番号に応じて記憶装置430からリファレンスデータを取得し、比較判定部530に送る。なお、比較判定部530は、コントローラ制御部410から受信して記憶装置550に格納された検品の閾値と、上述の一致率とを比較して、検品結果がOK(印刷良)であるかNG(印刷不良)であるかを決定する。なお、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、コントローラ制御部410と検品制御部510とが通信し、印刷の種類に対応した閾値が用いられるように制御されている。
【0026】
記憶装置550は、コントローラ制御部410から受信したリファレンスデータ、検品の閾値、及び、検査レベル確認モードの設定、画像読取部540で読取った画像データ(印刷物読取データ)を記憶する。また、記憶装置550は、比較判定部530で算出された一致率、及び、検品結果等も格納する。
【0027】
図3は、検品部500の画像読取部540で印刷された用紙(印刷物)を読取る1ラインの領域を示したイメージ図である。
図3に示すように、画像読取部540は、印刷物の用紙幅の全領域を読み取るセンサである。
図4は、画像読取部540で読取られたデータ(印刷物読取データ)とリファレンスデータとの一致率と検品の閾値を説明するための図である。
印刷物読取データとリファレンスデータとの一致率は、後述する領域毎に算出される。比較判定部530は、領域毎に、印刷物読取データとリファレンスデータとを比較して印字位置及び印字領域の差異を算出し、該領域毎の差異から領域毎の一致率を算出する。なお、上述の領域は、リファレンスデータ(又は印刷物読取データ)上の特定の文字サイズに応じて比較判定部530が決定した領域等であっても、リファレンスデータ(又は印刷物読取データ)をi×j(i,jは所定の整数)に分割した領域等であってもよい。
【0028】
図4(a)では、一致率100の印字品位の領域の印刷物読取データを示している。図4(a)のように、ある領域の印刷物読取データの印字位置及び印字領域が、期待する印字位置及び印字領域(同一領域におけるリファレンスデータの印字位置及び印字領域)と一致する場合(差異0%)、この領域の一致率は「100」となる。
【0029】
図4(b)では、一致率90の品位の領域の印刷物読取データを示している。図4(b)のように、ある領域にて印刷物読取データの左部が10%欠けていると、期待する印刷領域(同一領域におけるリファレンスデータの印字領域)よりも10%少なくなるため(差異10%)、この領域の一致率は「90」となる。
【0030】
図4(c)も、一致率90の品位の領域の印刷物読取データを示している。図4(c)のように、ある領域にて印刷物読取データに12%の潰れがあると、期待する印字領域(同一枠範囲におけるリファレンスデータの印字領域)よりも12%多くなるため(差異88%)、この領域の一致率は「88」となる。
【0031】
すなわち、ある領域において、印刷物読取データとリファレンスデータとを比較し、印字位置及び印字領域にx%の差異があると、その領域の一致率は「100−x」となる。そして、この一致率が、設定される検品の閾値を下回る場合、比較判定部530は、その領域をNG領域(印刷不良領域)と判定する。さらに、比較判定部530は、NG領域が1つでも存在するページを、NGページと判定する。なお、検品の閾値は、カラー印刷、白黒印刷等のように、印刷の種類毎に設けられていてもよし、印刷の種類に関係なく同一の閾値を用いる構成であってもよい。
【0032】
比較判定部530は、ページ内の全ての領域について一致率の算出が終わると、全ての領域の位置情報、全ての領域の一致率、NGとなった領域の位置情報、及び、そのページの検品結果を検品制御部510に送信する。なお、上記領域の位置情報は、例えば、領域の左上座標及び右下座標等のように、領域の位置を確認可能な情報であればどのような形式の情報であってもよい。
【0033】
検品制御部510は、上述の全ての領域の位置情報、全ての領域の一致率、NGとなった領域の位置情報、及び、そのページの検品結果を記憶装置550に記憶させる。さらに、検品制御部510は、ジョブ名、ページ番号、印刷物読取データ、ページ内の全ての領域の位置情報、ページ内の全ての領域の一致率、及び、NGとなった領域の位置情報を、コントローラ制御部410に送信する。コントローラ制御部410は、これらの情報を操作部200に送信する。操作部200は、ジョブ名、ページ番号、印刷物読取データ、ページ内の全ての領域の位置情報、ページ内の全ての領域の一致率、NGとなった領域の位置情報、及び、そのページの検品結果を用いて、図5に示すような画面を表示する。
【0034】
図5〜図13は、検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
図5は、検品結果プレビュー画面5000に対応する。この画面5000は、画像読取部100で読取った原稿データをプリンタ部300でプリントするコピージョブのように操作部200から指示されたジョブの場合、操作部200に表示される。なお、この画面5000は、外部I/F440で受信した印刷ジョブをプリンタ部300でプリントするプリントジョブのように外部I/F440を介してジョブを受信した場合、外部I/F440へジョブを送信したデバイスの表示部に表示される。例えば、PCのモニタに画面5000が表示される。以下、検品結果プレビュー画面5000が、操作部200の表示部に表示される場合について説明する。この場合、検品結果プレビュー画面5000は、操作部200の図示しないコントローラによる表示制御により操作部200の表示部に表示される。
【0035】
この検品結果プレビュー画面5000において、5001は検品結果のプレビューを表示するプレビュー領域である。このプレビュー領域5001には、印刷物読取データが表示され、さらに、印刷物読取データ上(第2画像データ上)に5005のように「NG」となった領域が枠囲み表示される。即ち、検品結果プレビュー画面5000では、NG領域が含まれると判定されたページに対応する第2画像データのページ画像を、該ページ画像におけるNG領域が識別可能となるように、NG領域を、該NG領域の枠画像とともに表示する。
【0036】
5002はプレビュー領域5001に表示されている印刷物のジョブ名とページ番号を表示する領域である。5003は現在の検品レベルである閾値を調整する閾値調整ボタンである。5004は現在の閾値を表示する領域である。なお、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、対応する閾値(当該ジョブで検品部500が実際に用いている閾値)が5004に表示され、5003で調整可能となる。5006はキャンセルボタン、5007はOKボタンである。
【0037】
図6は、図5に示す枠で囲まれたNG領域を含む部分の拡大図に対応する。
操作部200は、検品結果がNGの場合に検品部500から送信される情報や記憶装置430に記憶される閾値に基づき、画面5000を表示する。特に、5001及び5005の表示は、検品部500から送信される印刷物読取データ、及び、NGとなった領域の位置情報に基づいて表示される。また、5002の表示は、ジョブ名、ページ番号に基づいて表示される。
【0038】
ユーザが閾値調整ボタン5003で閾値を調整すると(Downボタンで閾値を下げる、又は、Upボタンで閾値を上げると)、操作部200は、調整された閾値を現在の閾値5004に表示する。さらに、操作部200は、調整された閾値(変更後の閾値)と、上述した各領域の一致率とを比較(再判定)して、一致率が調整された閾値を下回る領域を検品NGの領域として、プレビュー領域5001内の枠囲み5005を更新するように表示制御する。即ち、操作部200は、閾値が変更された場合、該変更された閾値を用いてその印刷物読取データのページ画像にNG領域が含まれるかどうかを再判定し、NG領域が含まれると再度判定された場合は、その印刷物読取データのページ画像を、該ページ画像におけるNG領域が識別可能となるように表示する。
【0039】
例えば、図5で示す現在の閾値「80」を、ユーザが閾値調整ボタン5003のDownボタンを押して閾値を「70」に下げると、プレビュー領域5001内が再表示され、図7の7001のようにNG領域の枠が小さくなる。
【0040】
図7は、閾値を「70」に調整した後の検品結果プレビュー画面の例に対応する。
図8は、図5でNG領域となっていた部分の閾値を「70」に調整した後の拡大図に対応する。
さらに、図7で示す現在の閾値「70」を、ユーザが閾値調整ボタン5003のDownボタンを押し、閾値を「60」に下げると、プレビュー領域5001内が再表示され、図9のようにNG領域の枠がなくなる。すなわち、検品結果NGであったページが検品OKへ変更される。
【0041】
図9は、閾値を「60」に調整した後の検品結果プレビュー画面の例に対応する。
図10は、図5でNG領域となっていた領域の閾値を「60」に調整した後の拡大図に対応する。
また、図5で示す現在の閾値「80」を、ユーザが閾値調整ボタン5003のUpボタンを押し、閾値を「90」に上げると、プレビュー領域5001内が再表示され、図11のようにNGになる領域が増え、枠の数が増える。
【0042】
図11は、閾値を「90」に調整した後の検品結果プレビュー画面の例に対応する。
図12は、図11でNG領域となっていた領域の閾値を「90」に調整した後の拡大図に対応する。
なお、本実施例では、操作部200内のプロセッサが、変更後の閾値と各領域の一致率とを比較し、検品NGの領域を特定する構成とする。しかし、変更後の閾値を検品部500に送信し、検品部500内で変更後の閾値と各領域の一致率とを比較し、検品NGの領域を特定し、該検品NGの領域の位置情報を操作部200に送信する構成としてもよい。
【0043】
ユーザがOKボタン5007を押下すると、閾値の変更が確定される。この際、図7及び図9に示すように、調整により閾値が下げられている場合には、操作部200は、図13(a)に示す画面を表示して、ユーザに、このページだけ閾値変更する(他のページには適用しない)か否かを指示させる。そして、ユーザからの指示を受け取ると、操作部200は、閾値の変更に関する情報として、変更後の閾値、及び、このページだけ閾値を変更するか否かの情報を検品制御部510に通知する。
【0044】
また、ユーザがOKボタン5007を押下した際、図11に示すように、調整により閾値が上げられている場合には、操作部200は、図13(b)に示す画面を表示して、ユーザに、検品済みのページ(変更前の閾値でNG領域の判定済みのページ)も変更後の閾値で判定するか否かを指示させる。そして、ユーザからの指示を受け取ると、操作部200は、閾値の変更に関する情報として、変更後の閾値、及び、検品済みのページも変更後の閾値で判定するか否かの情報を検品制御部510に通知する。
【0045】
また、ユーザがOKボタン5007を押下した際に閾値が変更されていない場合、及び、ユーザがキャンセルボタン5006を押下した場合、操作部200は、閾値の変更に関する情報として、閾値の変更がないことを示す情報を、検品制御部510に通知する。
【0046】
以下、図14、図15を参照して、本発明の検品システムにおける閾値調整処理について説明する。
図14、図15は、本実施例の検品システムにおける閾値調整処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、検品制御部510内の不図示のプロセッサが検品制御部510内の不図示のROM等にコンピュータ読取り可能に記録されたプログラムに基づいて実行するものである。なお、本フローチャートに示す閾値は、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、ジョブに対応する印刷の種類に対応する閾値を示すものとする。
【0047】
比較判定部530で検品結果がNGとなった場合(S100)、検品制御部510は、印刷媒体(以下、用紙)の搬送処理を停止するように制御し(コントローラ制御部410を介してプリンタ部300に通知)、本フローチャートの処理を開始する。
【0048】
まず、S101では、検品制御部510は、検査レベル確認モードが設定されているか否かを判定する。検査レベル確認モードは、操作部200から設定され、検査レベル確認モードの設定の有無の情報が記憶装置550に格納される。
【0049】
上記S101にて、検査レベル確認モードが設定されていると判定した場合(S101でYes)、検品制御部510は、S102へ処理を移行させる。
S102では、検品制御部510は、検品結果がNGとなったページについての情報を、コントローラ制御部410を介して操作部200(ユーザインタフェース)に送信し、操作部200に検品結果NGの画像を表示させる。なお、検品結果がNGとなったページについての情報とは、そのジョブ名、ページ番号、印刷物読取データ、ページ内の全ての領域の位置情報、ページ内の全ての領域の一致率、及び、NGとなった領域の位置情報等である。
【0050】
操作部200では、図5に示したような検品結果プレビュー画面5000を表示し、検品結果NGのページのプレビューを表示する。この検品結果プレビュー画面5000でOKボタン5007又はキャンセルボタン5006が押下されると、操作部200は、上述した閾値の変更に関する情報をコントローラ制御部410を介して検品制御部510に通知する。
【0051】
そして、検品制御部510は、S103において、上記操作部200からの通知された閾値の変更に関する情報に基づいて、ユーザが閾値を下げた、閾値を上げた、又は、閾値の変更なし、のいずれであるか判定する。
【0052】
そして、上記S103で「閾値を下げた」と判定した場合、検品制御部510は、S104に処理を進める。
S104では、検品制御部510は、上記操作部200からの通知された閾値の変更に関する情報に基づいて、検品結果がNGからOKへ変更されたか否かを判定する。詳細には、検品制御部510は、変更後の閾値と、記憶装置550に記憶されるページ内の全ての領域一致率とを比較することにより、検品結果がNGからOKへ変更したか否かを判定する。
【0053】
上記S104にて、検品結果がNGからOKへ変更された(全ての領域一致率とを比較が変更後の閾値以上)と判定した場合(S104でYes)、検品制御部510は、S105に処理を進める。
【0054】
S105では、検品制御部510は、上記の閾値変更が「このページだけの閾値変更」であるか否かを判定する。そして、上記の閾値変更が「このページだけの閾値変更」であると判定した場合(S105でYes)、検品制御部510は、S106に処理を進める。
【0055】
S106では、検品制御部510は、記憶装置550内に記憶している閾値を更新することなく、次ページ以降も元の閾値で判定するように制御し、用紙の搬送処理を再開し、次ページの処理を行うように制御する。
【0056】
一方、上記S105において、上記の閾値変更がこのページだけの閾値変更でないと判定した場合(S105でNo)、検品制御部510は、S107に処理を進める。
S107では、検品制御部510は、操作部200より新たに受け取った変更後の閾値で記憶装置550内に記憶している閾値を更新する。さらに、検品制御部510は、次ページ以降の検品を変更後の閾値で判定するように制御し、用紙の搬送処理を再開し、次ページの処理を行うように制御する。
【0057】
また、検査レベル確認モードが設定されていない(S101でNo)、閾値の変更なし(S103)、又は、検品結果がNGからOKへ変更されなかった(S104でNo)と判定した場合、検品制御部510は、S108へ処理を移行させる。
【0058】
S108では、検品制御部510は、S100で検品結果NGとなったページに対応する印刷物(用紙)をNGトレイ602に格納するようにスタッカ部600を制御する。さらに、検品制御部510は、上記NGトレイ602に格納した印刷物を再度、コントローラ部400から印刷するリカバリ印刷を行うように、コントローラ部400に通知する。この通知を受けてコントローラ部400は、リカバリ印刷を行うように制御する。そして、リカバリ印刷がOKとなると、コントローラ部400は、次ページへ処理を進めるように制御する。
【0059】
また、上記S103において、ユーザが「閾値を上げた」と判定した場合、検品制御部510は、図15のS201に処理を進める。
図15のS201では、検品制御部510は、上記操作部200からの通知された閾値の変更に関する情報に基づいて、「検品済みのページも変更後の閾値で判定する」か否かを判定する。
【0060】
そして、上記S201において、検品済みのページは変更後の閾値で判定しない(次ページから変更後の閾値で判定を行う)と判定した場合(S201でNo)、検品制御部510は、S202に処理を進める。
【0061】
S202では、検品制御部510は、変更後の閾値で記憶装置550内に記憶している閾値を更新する。
次に、S203では、検品制御部510は、S100で検品結果NGとなったページに対応する印刷物をNGトレイ602に格納するようにスタッカ部600を制御する。また、検品制御部510は、上記NGトレイ602に格納した印刷物を再度、コントローラ部400から印刷するリカバリ印刷を行うように、コントローラ部400に通知する。この通知を受けてコントローラ部400は、S100で検品結果NGとなったページを含む印刷物のリカバリ印刷を行うようにプリンタ部300を制御する。そして、リカバリ印刷がOKとなると、コントローラ部400は、次ページへ処理を進めるように制御する。
【0062】
一方、上記S201において、「検品済みのページも変更後の閾値で判定する」と判定した場合(S201でYes)、検品制御部510は、S204に処理を進める。
S204では、検品制御部510は、変更後の閾値と記憶装置550に記憶された情報とを用いて、図16に示すような検品判定結果一覧を生成し、操作部200に表示させるように制御する。詳細には、検品制御部510は、変更前の閾値で検品済みのページを、変更後の閾値で再判定し、該前記再判定結果を一覧表示するために、図16に示すような検品判定結果一覧を生成する。そして、検品制御部510は、生成した検品判定結果一覧を、コントローラ制御部410を介して操作部200(ユーザインタフェース)に送信し、図16に示すような検品判定結果一覧を操作部200に表示させる。
【0063】
図16は、閾値変更前で検品判定した印刷媒体の一致率(各領域の一致率の最小値)と閾値変更後の検品判定結果の一覧表示を行う検品判定結果一覧画面を示す図である。
操作部200は、図16に示したような検品判定結果一覧画面16000を表示する。検品判定結果一覧画面16000には、変更前の閾値で検品判定した各ページの一致率(ページ内の一致率の最小値)と、前記変更前の閾値で検品判定した各ページに対する変更後の閾値での検品判定結果の一覧(検品判定結果一覧)16001を含む。なお、検品判定結果一覧16001には、S101で検品結果NGと判定された用紙の検品判定結果も含む。
【0064】
この検品判定結果一覧画面16000でキャンセルボタン16002が押下されると、操作部200は、キャンセルボタン16002が押下された旨の情報を検品制御部510に通知する。一方、この検品判定結果一覧画面16000でOKボタン16003が押下されると、操作部200は、OKボタン16003が押下された旨の情報を検品制御部510に通知する。
【0065】
そして、検品制御部510は、S205において、OKボタン16003が押下された旨の通知を受けたか否かを判定する。そして、OKボタン16003が押下されていない(キャンセルボタン16002が押下された)旨の通知を受けたと判定した場合(S205でNo)、検品制御部510は、S202に処理を進める。
【0066】
一方、上記S205において、OKボタン16003が押下された旨の通知を受けたと判定した場合(S205でYes)、検品制御部510は、S206に処理を進める。
S206では、検品制御部510は、変更後の閾値で記憶装置550内に記憶している閾値を更新する。
次に、S207において、検品制御部510は、変更前の閾値で検品判定した各ページ(S101で検品結果NGと判定されたページは含まない)が変更後の閾値での検品結果でも全てOK判定であるか否かを判定する。そして、変更後の閾値での検品結果でNG判定のページがあると判定した場合(S207でNo)、検品制御部510は、S208に処理を進める。
【0067】
S208では、検品制御部510は、S100で検品結果NGとなったページに対応する印刷物をNGトレイ602に格納するようにスタッカ部600を制御する。
次に、S209において、検品制御部510は、変更後の閾値での検品結果でNG判定のページに対応する印刷物を再度、コントローラ部400から印刷するリカバリ印刷を行うように、コントローラ部400に通知する。なお、ここでは、S100で検品NGとなった印刷物のリカバリ印刷もコントローラ部400に指示するものとする。この通知を受けてコントローラ部400は、リカバリ印刷を行うように制御する。図16に示した例では、2ページ目、3ページ目(S100でNGとされたページ)が、S209でリカバリ印刷されることなる。そして、リカバリ印刷が全てOKとなると、コントローラ部400は、次ページへ処理を進めるように制御する。
【0068】
一方、上記S207にて、変更前の閾値で検品判定した各ページが変更後の閾値での検品結果でも全てOK判定であると判定した場合(S207でYes)、検品制御部510は、S210に処理を進める。
【0069】
S210では、検品制御部510は、S100で検品結果NGとなったページに対応する印刷物をNGトレイ602に格納するようにスタッカ部600を制御する。さらに、検品制御部510は、上記NGトレイ602に格納した印刷物を再度、コントローラ部400から印刷するリカバリ印刷を行うように、コントローラ部400に通知する。この通知を受けてコントローラ部400は、リカバリ印刷を行うように制御する。そして、リカバリ印刷がOKとなると、コントローラ部400は、次ページへ処理を進めるように制御する。
【0070】
即ち、検品制御部510は、上記S204〜S210において、変更前の閾値で検品済みのページを変更後の閾値で再判定し、該再判定でNGと判定されたページを含む印刷媒体の再印刷を行う再判定処理を実行するように制御する。
【0071】
以上のように、本実施例の印刷装置は、プリンタ部による印刷物が不良となる場合でも、検品部によりその不良を検査し、さらに操作部の表示部に実際の印刷物での不良画像を表示し、この画像を見ながら、ユーザが検品の閾値を調整できる。このため、ユーザは、実際の検品により印刷不良と判定された部分の実際の印刷画像を操作部で確認しながら、ジョブに対応する閾値を容易に調整することができる。なお、多種多様な検品レベルを有する(例えば、閾値がカラー/白黒印刷のように印刷の種類毎に設けられる)印刷装置でも、ユーザは閾値の種類を意識することなく、対応する閾値のレベルを、ユーザの印刷目的に合致した所望のレベルに容易に調整できる。したがって、必要以上に印刷不良として処理され十分な品質の印刷物が破棄されたり、印刷不良として破棄すべき品質の印刷物が印刷良好として処理されてしまうといった事態の発生を抑えることができる。
【0072】
なお、上記実施例では、検品結果がNGの場合に、検品結果プレビュー画面を表示する構成について説明したが、検品結果がNGであるかOKであるかに関わらず、全ページについて、検品結果プレビュー画面を表示するように構成してもよい。
【0073】
また、上記実施例では、NG領域を枠で囲む形態(枠で明示する形態)で検品結果プレビュー画面を表示する構成について説明したが、NG領域を特定可能な形態であれば、枠で明示する形態でなくても、どのような形態であってもよい。例えば、NG領域を網掛け表示する形態であっても、NG領域の色を変更する形態のように、NG領域を色彩の変化により明示する形態であってもよい。なお、NG領域の色を変更する形態の場合、その色は、検品NGとなったページに使用されていない色としてもよいし、予め設定された特定の色であってもよい。さらに、NG領域となった色について、その色で表示される箇所がNG領域である旨の表示を検品結果プレビュー画面上で行ってもよい。
【0074】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例の変形例等を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0075】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0076】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0077】
10 検品システム(印刷装置)
100 画像読取部
200 操作部
300 プリンタ部
400 コントローラ部
410 コントローラ制御部
500 検品部
510 検品制御部
530 比較判定部
540 画像読取部
550 記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の検品が可能な印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷装置には、設定された閾値に応じた印刷物の検品を行い、印刷不良が生じている場合、再印刷(リカバリ印刷)を行うものがある(従来技術1)。
また、特許文献1には、出力される印刷物の色再現性をユーザが確認できるように、ユーザが印刷条件を変更するたびに、印刷条件によるシミュレーションで色再現不良となった画像を、クライアントPCへ送信する技術が提案されている(従来技術2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−254106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術1では、印刷物の検品を行うための閾値を、印刷目的に対応する所望の検品レベルに調整する必要がある。このため、ユーザが閾値をどの程度のレベルに設定してよいか判断するのは、非常に困難であった。さらに、印刷物の検品を行うための閾値が、白黒/カラー印刷等の印刷の種類毎に設けられる場合もあり、閾値の調整がさらに複雑になる場合もある。なお、閾値に適切なレベルが設定されていないと、必要以上に印刷不良として処理され十分な品質の印刷物が破棄されたり、印刷不良として破棄すべき品質の印刷物が印刷良好として処理されてしまう可能性があった。
【0005】
また、従来技術2(特許文献1)では、ユーザが印刷条件を変更し、シミュレーションで再現不良領域から再現領域になったとしても、実際に印刷した場合、実際の印刷物は不良画像になってしまう可能性があった。例えば、トナー等の印刷剤が印刷媒体に付着せず、かすれ等が発生したり、逆に、印刷剤が印刷媒体に過剰に付着し、滲み等が発生したりするなど、実際の印刷物が不良画像になる可能性があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、実際の印刷画像を見ながら、ユーザの所望とする検品レベルに対応する検品の閾値を、ユーザが容易に調整することができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のページ画像を含む第1画像データに基づいて複数の印刷媒体に印刷処理を行う印刷手段と、前記印刷手段により印刷処理された複数の印刷媒体の印刷面を読み取り複数のページ画像を含む第2画像データを生成する読取手段と、前記印刷手段により印刷処理された印刷媒体に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定するための閾値を設定する設定手段と、前記第1画像データに含まれる複数のページ画像と前記第2画像データに含まれる複数のページ画像とを比較し、前記設定手段により設定される閾値に応じてページ毎に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定する判定手段と、前記判定手段により印刷不良領域が含まれると判定されたページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における前記印刷不良領域が識別可能となるように表示する表示手段とを有し、前記判定手段は、前記表示手段により前記印刷不良領域が表示された後に前記設定手段により設定された閾値が変更された場合、該変更された閾値に応じて前記ページに印刷不良領域が含まれるかどうかを再判定し、前記表示手段は、前記判定手段により前記ページに印刷不良領域が含まれると再度判定された場合は該ページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における印刷不良領域が識別可能となるように表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実際の印刷画像を見ながら、ユーザの所望とする検品レベル(印刷不良領域の判定レベル)に対応する検品の閾値(印刷不良領域の判定の閾値)を、ユーザが容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷装置を適用可能な検品システムの構成を示す図である。
【図2】検品システム10の概略制御構成の一例を示す図である。
【図3】検品部500の画像読取部540で印刷された用紙を読取る1ラインの領域を示したイメージ図である。
【図4】印刷物読取データとリファレンスデータとの一致率と検品の閾値を説明するための図である。
【図5】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図6】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図7】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図8】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図9】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図10】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図11】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図12】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図13】検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
【図14】本実施例の検品システムにおける閾値調整処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本実施例の検品システムにおける閾値調整処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】検品判定結果一覧画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す印刷装置を適用可能な検品システムの構成を示す図である。
図1において、10は、本発明の印刷装置としての検品システムである。検品システム10は、画像読取部100、操作部200、プリンタ部(印刷部)300、コントローラ部400、検品部500、スタッカ部600、排紙部(フィニッシャ)700、インサータ部800を備える。
【0011】
画像読取部100の原稿搬送装置110は、原稿トレイ111上にセットされた原稿を先頭ページから順に1枚ずつ搬送し、湾曲したパスを介して原稿台ガラス114の上へと搬送する。
【0012】
以下、画像読取部100での原稿読み取り方法を示す。
画像読取部100で片面原稿を読取る方法としては、二種類の方法がある。まず一つ目の方法は、原稿台ガラス114上の読取位置R1へ原稿の後端を搬送し停止させ、スキャナユニット121を図の左から右へ移動させることにより、原稿の読取りを行う原稿固定読取モードがある。二つ目の方法は、原稿を一定の読取り速度で読取位置R1へ搬送し、スキャナユニット121を読取位置R1で固定したまま原稿の読取りを行う原稿搬送読取モードがある。前述した片面原稿を読取る二種類の方法は、読取った原稿を排紙トレイ112に排出する。
【0013】
画像読取部100で両面原稿を読取る方法としては、スキャナユニット121で表面を読取り、原稿搬送装置110内に配置した光学ユニット113を使用して裏面を読取る方法がある。光学ユニット113内には図示しないイメージセンサ及び光源等が配置されている。
【0014】
レンズ122を介してイメージセンサ123により読取られた原稿の画像は、画像処理されてコントローラ部400内の記憶装置430に格納されるとともに、コントローラ部400を介してプリンタ部300の露光制御部301に送られる。なお、両面原稿の場合に光学ユニット113で読取られた画像も同様に、画像処理されて記憶装置430に格納されるとともに、コントローラ部400を介してプリンタ部300の露光制御部301に送られる。
【0015】
露光制御部301は、画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光が感光ドラム302に照射されると、感光ドラム302上には静電潜像が形成される。感光ドラム302上の静電潜像は、現像器303により現像される。そして、感光ドラム302上の現像剤は、カセット311、312、手差し給紙部313のいずれかから給送されたシートに転写部306で転写される。
【0016】
現像剤が転写されたシートは定着部304に導かれると、現像剤の定着処理が行われる。プリンタ部300は、定着部304を通過したシートを、図示しないフラッパにより、一旦、パス307からパス310に導き、シートの後端がパス307を抜けた後、シートをスイッチバックさせてパス308から排出ローラ305に導く。これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ305によりプリンタ部300から排出することが可能である。これを反転排紙という。このように、フェイスダウンで排出することにより、原稿搬送装置110を用いて複数枚の原稿を読取った画像をプリントする場合など、先頭ページから正しいページ順で印刷を行うことが可能である。なお、手差し給紙部313からOHPシートなどの硬いシートに印刷を行う場合、プリンタ部300は、パス307に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)のままで排出ローラ305から排出する。また、シートの両面に印刷を行う場合、プリンタ部300は、シートを定着部304からパス307、パス310に導き、シートの後端がパス307を抜けた直後にシートをスイッチバックさせ、図示しないフラッパにより両面搬送パス309に導く。両面搬送パス309に導かれたシートに対し、再度、転写部306で静電潜像が転写され、定着部304で定着処理が施される。このように、転写部306から両面搬送パス309を経由して再び転写部306に戻る一巡のパスの中に、A4、B5等のハーフサイズ用紙が5枚入った状態でも搬送可能なように、パス長、ローラ配置、駆動系の分割がなされている。なお、これらの処理による排出ページ順は、奇数ページが下向きになるように排出されるので、両面コピー時のページ順を合わせることができる。排出ローラ305から排出された印刷出力物は検品部500に送り込まれる。
【0017】
検品部500では、まず画像読取部540でプリンタ部300で印刷処理された印刷出力物の印刷面から画像データを読取る。画像読取部540で読取った画像データ(印刷物読取データ)は、検品制御部510に送られページ毎に検品処理が行われる。画像データを読取られた印刷出力物は、スタッカ部600に送り込まれ、検品制御部510による検品結果に応じて、そのまま排紙部700に送り込まれるか、OKトレイ601若しくはNGトレイ602へ送り込まれる。
【0018】
OKトレイ601に送り込まれた印刷出力物は、ジョブが全て終わった後に排紙部700へ排紙されるか、部数毎に排紙されるかをユーザが操作部200で選択できる。
スタッカ部600から排紙部700に送り込まれた印刷出力物は、ユーザが操作部200で設定した裁断処理、綴じ処理、穴あけ処理、フォールディング処理等の処理を行った後に排紙される。
インサータ部800にセットされた原稿用紙は、検品部500へ送りこまれ、前述した紙パス通りに排紙トレイに排紙される。
【0019】
図2は、検品システム10の概略制御構成の一例を示す図である。
画像読取部100は、原稿を読取り電子化し、コントローラ制御部410へデータを送信する。操作部200では、ユーザが検品レベル(印刷不良領域の判定レベル)を決定する閾値の選択を行うことができる。また、操作部200では、後述する検査レベル確認モードの設定を行うことができる。プリンタ部300は、画像読取部100で読取ったデータや記憶装置430に格納されるデータ、又は、外部I/F440で受信したデータを印刷する。
【0020】
コントローラ部400は、コントローラ制御部410、画像処理部420、記憶装置430、外部I/F440を有する。コントローラ制御部410は、画像読取部100、操作部200、プリンタ部300、検品部500、画像処理部420、記憶装置430、外部I/F440と接続され、各種データの制御を行う。
【0021】
画像処理部420は、画像読取部100で読取ったデータや外部I/F440で受信したデータをプリンタ部300へ送信するために画像処理し、コントローラ制御部410へ送信する。また、画像処理部420は、画像読取部100で読取ったデータや外部I/F440から受信した画像データを画像処理し、リファレンスデータ(第1画像データ)として記憶装置430に格納する。このリファレンスデータは、複数ページのジョブの場合、複数のページ画像で構成されている。
【0022】
記憶装置430は、画像読取部100で読取ったデータや外部I/Fで受信したデータ、また検品システム10で使用した設定(検品の閾値(印刷不良領域の判定の閾値)、検査レベル確認モードの設定)等を格納する。なお、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、それぞれの閾値が格納される。外部I/F440は、USBケーブルや、公衆回線、ネットワーク等を介してパーソナルコンピュータ(PC)や画像送信装置と接続され、画像データ等を送受信可能である。
【0023】
検品部500は、検品制御部510、画像処理部520、比較判定部530、画像読取部540、及び記憶装置550を有する。検品制御部510は、画像処理部520、比較判定部530、画像読取部540、記憶装置550、及びコントローラ制御部410と接続される。
【0024】
検品制御部510は、コントローラ制御部410から、リファレンスデータや、検品の閾値、及び、検査レベル確認モードの設定等を受信し、記憶装置550に格納する。なお、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、それぞれの閾値が格納される。画像読取部540は、プリンタ部300で印刷処理された用紙(印刷物)を読取り、読取りデータ(印刷物読取データ)を検品制御部510へ送信する。画像処理部520は、画像読取部540で読取られた印刷物読取データを、上述のリファレンスデータと比較できるように画像処理を行う。
【0025】
比較判定部530では、画像読取部540で読取られた印刷物読取データ(第2画像データ)とリファレンスデータ(第1画像データ)とを比較し、一致率(詳細は図4に示す)を算出する。このとき、検品制御部510では、画像読取部540で読取った印刷媒体のページ番号をカウントし、そのページ番号に応じて記憶装置430からリファレンスデータを取得し、比較判定部530に送る。なお、比較判定部530は、コントローラ制御部410から受信して記憶装置550に格納された検品の閾値と、上述の一致率とを比較して、検品結果がOK(印刷良)であるかNG(印刷不良)であるかを決定する。なお、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、コントローラ制御部410と検品制御部510とが通信し、印刷の種類に対応した閾値が用いられるように制御されている。
【0026】
記憶装置550は、コントローラ制御部410から受信したリファレンスデータ、検品の閾値、及び、検査レベル確認モードの設定、画像読取部540で読取った画像データ(印刷物読取データ)を記憶する。また、記憶装置550は、比較判定部530で算出された一致率、及び、検品結果等も格納する。
【0027】
図3は、検品部500の画像読取部540で印刷された用紙(印刷物)を読取る1ラインの領域を示したイメージ図である。
図3に示すように、画像読取部540は、印刷物の用紙幅の全領域を読み取るセンサである。
図4は、画像読取部540で読取られたデータ(印刷物読取データ)とリファレンスデータとの一致率と検品の閾値を説明するための図である。
印刷物読取データとリファレンスデータとの一致率は、後述する領域毎に算出される。比較判定部530は、領域毎に、印刷物読取データとリファレンスデータとを比較して印字位置及び印字領域の差異を算出し、該領域毎の差異から領域毎の一致率を算出する。なお、上述の領域は、リファレンスデータ(又は印刷物読取データ)上の特定の文字サイズに応じて比較判定部530が決定した領域等であっても、リファレンスデータ(又は印刷物読取データ)をi×j(i,jは所定の整数)に分割した領域等であってもよい。
【0028】
図4(a)では、一致率100の印字品位の領域の印刷物読取データを示している。図4(a)のように、ある領域の印刷物読取データの印字位置及び印字領域が、期待する印字位置及び印字領域(同一領域におけるリファレンスデータの印字位置及び印字領域)と一致する場合(差異0%)、この領域の一致率は「100」となる。
【0029】
図4(b)では、一致率90の品位の領域の印刷物読取データを示している。図4(b)のように、ある領域にて印刷物読取データの左部が10%欠けていると、期待する印刷領域(同一領域におけるリファレンスデータの印字領域)よりも10%少なくなるため(差異10%)、この領域の一致率は「90」となる。
【0030】
図4(c)も、一致率90の品位の領域の印刷物読取データを示している。図4(c)のように、ある領域にて印刷物読取データに12%の潰れがあると、期待する印字領域(同一枠範囲におけるリファレンスデータの印字領域)よりも12%多くなるため(差異88%)、この領域の一致率は「88」となる。
【0031】
すなわち、ある領域において、印刷物読取データとリファレンスデータとを比較し、印字位置及び印字領域にx%の差異があると、その領域の一致率は「100−x」となる。そして、この一致率が、設定される検品の閾値を下回る場合、比較判定部530は、その領域をNG領域(印刷不良領域)と判定する。さらに、比較判定部530は、NG領域が1つでも存在するページを、NGページと判定する。なお、検品の閾値は、カラー印刷、白黒印刷等のように、印刷の種類毎に設けられていてもよし、印刷の種類に関係なく同一の閾値を用いる構成であってもよい。
【0032】
比較判定部530は、ページ内の全ての領域について一致率の算出が終わると、全ての領域の位置情報、全ての領域の一致率、NGとなった領域の位置情報、及び、そのページの検品結果を検品制御部510に送信する。なお、上記領域の位置情報は、例えば、領域の左上座標及び右下座標等のように、領域の位置を確認可能な情報であればどのような形式の情報であってもよい。
【0033】
検品制御部510は、上述の全ての領域の位置情報、全ての領域の一致率、NGとなった領域の位置情報、及び、そのページの検品結果を記憶装置550に記憶させる。さらに、検品制御部510は、ジョブ名、ページ番号、印刷物読取データ、ページ内の全ての領域の位置情報、ページ内の全ての領域の一致率、及び、NGとなった領域の位置情報を、コントローラ制御部410に送信する。コントローラ制御部410は、これらの情報を操作部200に送信する。操作部200は、ジョブ名、ページ番号、印刷物読取データ、ページ内の全ての領域の位置情報、ページ内の全ての領域の一致率、NGとなった領域の位置情報、及び、そのページの検品結果を用いて、図5に示すような画面を表示する。
【0034】
図5〜図13は、検品レベルを決定する閾値調整のイメージを示す図である。
図5は、検品結果プレビュー画面5000に対応する。この画面5000は、画像読取部100で読取った原稿データをプリンタ部300でプリントするコピージョブのように操作部200から指示されたジョブの場合、操作部200に表示される。なお、この画面5000は、外部I/F440で受信した印刷ジョブをプリンタ部300でプリントするプリントジョブのように外部I/F440を介してジョブを受信した場合、外部I/F440へジョブを送信したデバイスの表示部に表示される。例えば、PCのモニタに画面5000が表示される。以下、検品結果プレビュー画面5000が、操作部200の表示部に表示される場合について説明する。この場合、検品結果プレビュー画面5000は、操作部200の図示しないコントローラによる表示制御により操作部200の表示部に表示される。
【0035】
この検品結果プレビュー画面5000において、5001は検品結果のプレビューを表示するプレビュー領域である。このプレビュー領域5001には、印刷物読取データが表示され、さらに、印刷物読取データ上(第2画像データ上)に5005のように「NG」となった領域が枠囲み表示される。即ち、検品結果プレビュー画面5000では、NG領域が含まれると判定されたページに対応する第2画像データのページ画像を、該ページ画像におけるNG領域が識別可能となるように、NG領域を、該NG領域の枠画像とともに表示する。
【0036】
5002はプレビュー領域5001に表示されている印刷物のジョブ名とページ番号を表示する領域である。5003は現在の検品レベルである閾値を調整する閾値調整ボタンである。5004は現在の閾値を表示する領域である。なお、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、対応する閾値(当該ジョブで検品部500が実際に用いている閾値)が5004に表示され、5003で調整可能となる。5006はキャンセルボタン、5007はOKボタンである。
【0037】
図6は、図5に示す枠で囲まれたNG領域を含む部分の拡大図に対応する。
操作部200は、検品結果がNGの場合に検品部500から送信される情報や記憶装置430に記憶される閾値に基づき、画面5000を表示する。特に、5001及び5005の表示は、検品部500から送信される印刷物読取データ、及び、NGとなった領域の位置情報に基づいて表示される。また、5002の表示は、ジョブ名、ページ番号に基づいて表示される。
【0038】
ユーザが閾値調整ボタン5003で閾値を調整すると(Downボタンで閾値を下げる、又は、Upボタンで閾値を上げると)、操作部200は、調整された閾値を現在の閾値5004に表示する。さらに、操作部200は、調整された閾値(変更後の閾値)と、上述した各領域の一致率とを比較(再判定)して、一致率が調整された閾値を下回る領域を検品NGの領域として、プレビュー領域5001内の枠囲み5005を更新するように表示制御する。即ち、操作部200は、閾値が変更された場合、該変更された閾値を用いてその印刷物読取データのページ画像にNG領域が含まれるかどうかを再判定し、NG領域が含まれると再度判定された場合は、その印刷物読取データのページ画像を、該ページ画像におけるNG領域が識別可能となるように表示する。
【0039】
例えば、図5で示す現在の閾値「80」を、ユーザが閾値調整ボタン5003のDownボタンを押して閾値を「70」に下げると、プレビュー領域5001内が再表示され、図7の7001のようにNG領域の枠が小さくなる。
【0040】
図7は、閾値を「70」に調整した後の検品結果プレビュー画面の例に対応する。
図8は、図5でNG領域となっていた部分の閾値を「70」に調整した後の拡大図に対応する。
さらに、図7で示す現在の閾値「70」を、ユーザが閾値調整ボタン5003のDownボタンを押し、閾値を「60」に下げると、プレビュー領域5001内が再表示され、図9のようにNG領域の枠がなくなる。すなわち、検品結果NGであったページが検品OKへ変更される。
【0041】
図9は、閾値を「60」に調整した後の検品結果プレビュー画面の例に対応する。
図10は、図5でNG領域となっていた領域の閾値を「60」に調整した後の拡大図に対応する。
また、図5で示す現在の閾値「80」を、ユーザが閾値調整ボタン5003のUpボタンを押し、閾値を「90」に上げると、プレビュー領域5001内が再表示され、図11のようにNGになる領域が増え、枠の数が増える。
【0042】
図11は、閾値を「90」に調整した後の検品結果プレビュー画面の例に対応する。
図12は、図11でNG領域となっていた領域の閾値を「90」に調整した後の拡大図に対応する。
なお、本実施例では、操作部200内のプロセッサが、変更後の閾値と各領域の一致率とを比較し、検品NGの領域を特定する構成とする。しかし、変更後の閾値を検品部500に送信し、検品部500内で変更後の閾値と各領域の一致率とを比較し、検品NGの領域を特定し、該検品NGの領域の位置情報を操作部200に送信する構成としてもよい。
【0043】
ユーザがOKボタン5007を押下すると、閾値の変更が確定される。この際、図7及び図9に示すように、調整により閾値が下げられている場合には、操作部200は、図13(a)に示す画面を表示して、ユーザに、このページだけ閾値変更する(他のページには適用しない)か否かを指示させる。そして、ユーザからの指示を受け取ると、操作部200は、閾値の変更に関する情報として、変更後の閾値、及び、このページだけ閾値を変更するか否かの情報を検品制御部510に通知する。
【0044】
また、ユーザがOKボタン5007を押下した際、図11に示すように、調整により閾値が上げられている場合には、操作部200は、図13(b)に示す画面を表示して、ユーザに、検品済みのページ(変更前の閾値でNG領域の判定済みのページ)も変更後の閾値で判定するか否かを指示させる。そして、ユーザからの指示を受け取ると、操作部200は、閾値の変更に関する情報として、変更後の閾値、及び、検品済みのページも変更後の閾値で判定するか否かの情報を検品制御部510に通知する。
【0045】
また、ユーザがOKボタン5007を押下した際に閾値が変更されていない場合、及び、ユーザがキャンセルボタン5006を押下した場合、操作部200は、閾値の変更に関する情報として、閾値の変更がないことを示す情報を、検品制御部510に通知する。
【0046】
以下、図14、図15を参照して、本発明の検品システムにおける閾値調整処理について説明する。
図14、図15は、本実施例の検品システムにおける閾値調整処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、検品制御部510内の不図示のプロセッサが検品制御部510内の不図示のROM等にコンピュータ読取り可能に記録されたプログラムに基づいて実行するものである。なお、本フローチャートに示す閾値は、閾値が、カラー印刷、白黒印刷等のように印刷の種類毎に設けられている場合には、ジョブに対応する印刷の種類に対応する閾値を示すものとする。
【0047】
比較判定部530で検品結果がNGとなった場合(S100)、検品制御部510は、印刷媒体(以下、用紙)の搬送処理を停止するように制御し(コントローラ制御部410を介してプリンタ部300に通知)、本フローチャートの処理を開始する。
【0048】
まず、S101では、検品制御部510は、検査レベル確認モードが設定されているか否かを判定する。検査レベル確認モードは、操作部200から設定され、検査レベル確認モードの設定の有無の情報が記憶装置550に格納される。
【0049】
上記S101にて、検査レベル確認モードが設定されていると判定した場合(S101でYes)、検品制御部510は、S102へ処理を移行させる。
S102では、検品制御部510は、検品結果がNGとなったページについての情報を、コントローラ制御部410を介して操作部200(ユーザインタフェース)に送信し、操作部200に検品結果NGの画像を表示させる。なお、検品結果がNGとなったページについての情報とは、そのジョブ名、ページ番号、印刷物読取データ、ページ内の全ての領域の位置情報、ページ内の全ての領域の一致率、及び、NGとなった領域の位置情報等である。
【0050】
操作部200では、図5に示したような検品結果プレビュー画面5000を表示し、検品結果NGのページのプレビューを表示する。この検品結果プレビュー画面5000でOKボタン5007又はキャンセルボタン5006が押下されると、操作部200は、上述した閾値の変更に関する情報をコントローラ制御部410を介して検品制御部510に通知する。
【0051】
そして、検品制御部510は、S103において、上記操作部200からの通知された閾値の変更に関する情報に基づいて、ユーザが閾値を下げた、閾値を上げた、又は、閾値の変更なし、のいずれであるか判定する。
【0052】
そして、上記S103で「閾値を下げた」と判定した場合、検品制御部510は、S104に処理を進める。
S104では、検品制御部510は、上記操作部200からの通知された閾値の変更に関する情報に基づいて、検品結果がNGからOKへ変更されたか否かを判定する。詳細には、検品制御部510は、変更後の閾値と、記憶装置550に記憶されるページ内の全ての領域一致率とを比較することにより、検品結果がNGからOKへ変更したか否かを判定する。
【0053】
上記S104にて、検品結果がNGからOKへ変更された(全ての領域一致率とを比較が変更後の閾値以上)と判定した場合(S104でYes)、検品制御部510は、S105に処理を進める。
【0054】
S105では、検品制御部510は、上記の閾値変更が「このページだけの閾値変更」であるか否かを判定する。そして、上記の閾値変更が「このページだけの閾値変更」であると判定した場合(S105でYes)、検品制御部510は、S106に処理を進める。
【0055】
S106では、検品制御部510は、記憶装置550内に記憶している閾値を更新することなく、次ページ以降も元の閾値で判定するように制御し、用紙の搬送処理を再開し、次ページの処理を行うように制御する。
【0056】
一方、上記S105において、上記の閾値変更がこのページだけの閾値変更でないと判定した場合(S105でNo)、検品制御部510は、S107に処理を進める。
S107では、検品制御部510は、操作部200より新たに受け取った変更後の閾値で記憶装置550内に記憶している閾値を更新する。さらに、検品制御部510は、次ページ以降の検品を変更後の閾値で判定するように制御し、用紙の搬送処理を再開し、次ページの処理を行うように制御する。
【0057】
また、検査レベル確認モードが設定されていない(S101でNo)、閾値の変更なし(S103)、又は、検品結果がNGからOKへ変更されなかった(S104でNo)と判定した場合、検品制御部510は、S108へ処理を移行させる。
【0058】
S108では、検品制御部510は、S100で検品結果NGとなったページに対応する印刷物(用紙)をNGトレイ602に格納するようにスタッカ部600を制御する。さらに、検品制御部510は、上記NGトレイ602に格納した印刷物を再度、コントローラ部400から印刷するリカバリ印刷を行うように、コントローラ部400に通知する。この通知を受けてコントローラ部400は、リカバリ印刷を行うように制御する。そして、リカバリ印刷がOKとなると、コントローラ部400は、次ページへ処理を進めるように制御する。
【0059】
また、上記S103において、ユーザが「閾値を上げた」と判定した場合、検品制御部510は、図15のS201に処理を進める。
図15のS201では、検品制御部510は、上記操作部200からの通知された閾値の変更に関する情報に基づいて、「検品済みのページも変更後の閾値で判定する」か否かを判定する。
【0060】
そして、上記S201において、検品済みのページは変更後の閾値で判定しない(次ページから変更後の閾値で判定を行う)と判定した場合(S201でNo)、検品制御部510は、S202に処理を進める。
【0061】
S202では、検品制御部510は、変更後の閾値で記憶装置550内に記憶している閾値を更新する。
次に、S203では、検品制御部510は、S100で検品結果NGとなったページに対応する印刷物をNGトレイ602に格納するようにスタッカ部600を制御する。また、検品制御部510は、上記NGトレイ602に格納した印刷物を再度、コントローラ部400から印刷するリカバリ印刷を行うように、コントローラ部400に通知する。この通知を受けてコントローラ部400は、S100で検品結果NGとなったページを含む印刷物のリカバリ印刷を行うようにプリンタ部300を制御する。そして、リカバリ印刷がOKとなると、コントローラ部400は、次ページへ処理を進めるように制御する。
【0062】
一方、上記S201において、「検品済みのページも変更後の閾値で判定する」と判定した場合(S201でYes)、検品制御部510は、S204に処理を進める。
S204では、検品制御部510は、変更後の閾値と記憶装置550に記憶された情報とを用いて、図16に示すような検品判定結果一覧を生成し、操作部200に表示させるように制御する。詳細には、検品制御部510は、変更前の閾値で検品済みのページを、変更後の閾値で再判定し、該前記再判定結果を一覧表示するために、図16に示すような検品判定結果一覧を生成する。そして、検品制御部510は、生成した検品判定結果一覧を、コントローラ制御部410を介して操作部200(ユーザインタフェース)に送信し、図16に示すような検品判定結果一覧を操作部200に表示させる。
【0063】
図16は、閾値変更前で検品判定した印刷媒体の一致率(各領域の一致率の最小値)と閾値変更後の検品判定結果の一覧表示を行う検品判定結果一覧画面を示す図である。
操作部200は、図16に示したような検品判定結果一覧画面16000を表示する。検品判定結果一覧画面16000には、変更前の閾値で検品判定した各ページの一致率(ページ内の一致率の最小値)と、前記変更前の閾値で検品判定した各ページに対する変更後の閾値での検品判定結果の一覧(検品判定結果一覧)16001を含む。なお、検品判定結果一覧16001には、S101で検品結果NGと判定された用紙の検品判定結果も含む。
【0064】
この検品判定結果一覧画面16000でキャンセルボタン16002が押下されると、操作部200は、キャンセルボタン16002が押下された旨の情報を検品制御部510に通知する。一方、この検品判定結果一覧画面16000でOKボタン16003が押下されると、操作部200は、OKボタン16003が押下された旨の情報を検品制御部510に通知する。
【0065】
そして、検品制御部510は、S205において、OKボタン16003が押下された旨の通知を受けたか否かを判定する。そして、OKボタン16003が押下されていない(キャンセルボタン16002が押下された)旨の通知を受けたと判定した場合(S205でNo)、検品制御部510は、S202に処理を進める。
【0066】
一方、上記S205において、OKボタン16003が押下された旨の通知を受けたと判定した場合(S205でYes)、検品制御部510は、S206に処理を進める。
S206では、検品制御部510は、変更後の閾値で記憶装置550内に記憶している閾値を更新する。
次に、S207において、検品制御部510は、変更前の閾値で検品判定した各ページ(S101で検品結果NGと判定されたページは含まない)が変更後の閾値での検品結果でも全てOK判定であるか否かを判定する。そして、変更後の閾値での検品結果でNG判定のページがあると判定した場合(S207でNo)、検品制御部510は、S208に処理を進める。
【0067】
S208では、検品制御部510は、S100で検品結果NGとなったページに対応する印刷物をNGトレイ602に格納するようにスタッカ部600を制御する。
次に、S209において、検品制御部510は、変更後の閾値での検品結果でNG判定のページに対応する印刷物を再度、コントローラ部400から印刷するリカバリ印刷を行うように、コントローラ部400に通知する。なお、ここでは、S100で検品NGとなった印刷物のリカバリ印刷もコントローラ部400に指示するものとする。この通知を受けてコントローラ部400は、リカバリ印刷を行うように制御する。図16に示した例では、2ページ目、3ページ目(S100でNGとされたページ)が、S209でリカバリ印刷されることなる。そして、リカバリ印刷が全てOKとなると、コントローラ部400は、次ページへ処理を進めるように制御する。
【0068】
一方、上記S207にて、変更前の閾値で検品判定した各ページが変更後の閾値での検品結果でも全てOK判定であると判定した場合(S207でYes)、検品制御部510は、S210に処理を進める。
【0069】
S210では、検品制御部510は、S100で検品結果NGとなったページに対応する印刷物をNGトレイ602に格納するようにスタッカ部600を制御する。さらに、検品制御部510は、上記NGトレイ602に格納した印刷物を再度、コントローラ部400から印刷するリカバリ印刷を行うように、コントローラ部400に通知する。この通知を受けてコントローラ部400は、リカバリ印刷を行うように制御する。そして、リカバリ印刷がOKとなると、コントローラ部400は、次ページへ処理を進めるように制御する。
【0070】
即ち、検品制御部510は、上記S204〜S210において、変更前の閾値で検品済みのページを変更後の閾値で再判定し、該再判定でNGと判定されたページを含む印刷媒体の再印刷を行う再判定処理を実行するように制御する。
【0071】
以上のように、本実施例の印刷装置は、プリンタ部による印刷物が不良となる場合でも、検品部によりその不良を検査し、さらに操作部の表示部に実際の印刷物での不良画像を表示し、この画像を見ながら、ユーザが検品の閾値を調整できる。このため、ユーザは、実際の検品により印刷不良と判定された部分の実際の印刷画像を操作部で確認しながら、ジョブに対応する閾値を容易に調整することができる。なお、多種多様な検品レベルを有する(例えば、閾値がカラー/白黒印刷のように印刷の種類毎に設けられる)印刷装置でも、ユーザは閾値の種類を意識することなく、対応する閾値のレベルを、ユーザの印刷目的に合致した所望のレベルに容易に調整できる。したがって、必要以上に印刷不良として処理され十分な品質の印刷物が破棄されたり、印刷不良として破棄すべき品質の印刷物が印刷良好として処理されてしまうといった事態の発生を抑えることができる。
【0072】
なお、上記実施例では、検品結果がNGの場合に、検品結果プレビュー画面を表示する構成について説明したが、検品結果がNGであるかOKであるかに関わらず、全ページについて、検品結果プレビュー画面を表示するように構成してもよい。
【0073】
また、上記実施例では、NG領域を枠で囲む形態(枠で明示する形態)で検品結果プレビュー画面を表示する構成について説明したが、NG領域を特定可能な形態であれば、枠で明示する形態でなくても、どのような形態であってもよい。例えば、NG領域を網掛け表示する形態であっても、NG領域の色を変更する形態のように、NG領域を色彩の変化により明示する形態であってもよい。なお、NG領域の色を変更する形態の場合、その色は、検品NGとなったページに使用されていない色としてもよいし、予め設定された特定の色であってもよい。さらに、NG領域となった色について、その色で表示される箇所がNG領域である旨の表示を検品結果プレビュー画面上で行ってもよい。
【0074】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例の変形例等を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0075】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0076】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0077】
10 検品システム(印刷装置)
100 画像読取部
200 操作部
300 プリンタ部
400 コントローラ部
410 コントローラ制御部
500 検品部
510 検品制御部
530 比較判定部
540 画像読取部
550 記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページ画像を含む第1画像データに基づいて複数の印刷媒体に印刷処理を行う印刷手段と、
前記印刷手段により印刷処理された複数の印刷媒体の印刷面を読み取り複数のページ画像を含む第2画像データを生成する読取手段と、
前記印刷手段により印刷処理された印刷媒体に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定するための閾値を設定する設定手段と、
前記第1画像データに含まれる複数のページ画像と前記第2画像データに含まれる複数のページ画像とを比較し、前記設定手段により設定される閾値に応じてページ毎に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により印刷不良領域が含まれると判定されたページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における前記印刷不良領域が識別可能となるように表示する表示手段とを有し、
前記判定手段は、前記表示手段により前記印刷不良領域が表示された後に前記設定手段により設定された閾値が変更された場合、該変更された閾値に応じて前記ページに印刷不良領域が含まれるかどうかを再判定し、
前記表示手段は、前記判定手段により前記ページに印刷不良領域が含まれると再度判定された場合は該ページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における印刷不良領域が識別可能となるように表示することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記印刷不良領域が識別可能となるように、該印刷不良領域を、該印刷不良領域の枠画像とともに表示することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記印刷不良領域が識別可能となるように、該印刷不良領域の色彩を変化させて表示することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記変更された閾値が変更前の閾値より低い場合において、前記変更された閾値に応じて前記判定手段が前記ページに印刷不良領域が含まれると再判定した場合は前記ページに対応する前記第1画像データのページ画像に基づいた印刷媒体の再印刷を行い、一方、前記変更された閾値に応じて前記判定手段が前記ページに印刷不良領域が含まれないと再判定した場合は前記ページに対応する前記第1画像データのページ画像に基づいた印刷媒体の再印刷を行わないように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記変更された閾値が変更前の閾値より低い場合に、前記変更された閾値を他のページの印刷不良領域の判定にも用いるか否かを指示する指示手段を有し、
前記制御手段は、前記指示手段により、前記変更された閾値を他のページの印刷不良領域の判定にも用いることが指示された場合、次ページ以降の印刷不良領域の判定を変更された閾値を用いて行うように前記判定手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記変更された閾値が変更前の閾値より高い場合に、変更前の閾値で印刷不良領域の判定済みのページを前記変更された閾値で再判定し、該再判定で印刷不良領域が含まれると判定されたページに対応する前記第1画像データのページ画像に基づいた印刷媒体の再印刷を行うように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記変更前の閾値で印刷不良領域の判定済みのページを前記変更された閾値で再判定した結果を一覧表示する一覧表示手段を有することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記変更された閾値が変更前の閾値より低い場合に、前記変更された閾値を変更前の閾値で印刷不良領域の検品済みのページにも用いるか否かを指示する指示手段を有し、
前記制御手段は、前記指示手段により、前記変更された閾値を変更前の閾値で検品済みのページにも用いることが指示された場合に、前記再判定の処理を行うように制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記閾値は、前記印刷手段により実行される印刷処理に対応する閾値であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
印刷装置の制御方法であって、
印刷手段が、複数のページ画像を含む第1画像データに基づいて複数の印刷媒体に印刷処理を行う印刷ステップと、
読取手段が、前記印刷ステップで印刷処理された複数の印刷媒体の印刷面を読み取り複数のページ画像を含む第2画像データを生成する読取ステップと、
設定手段が、前記印刷ステップにより印刷処理された印刷媒体に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定するための閾値を設定する設定ステップと、
判定手段が、前記第1画像データに含まれる複数のページ画像と前記第2画像データに含まれる複数のページのページ画像とを比較し、前記設定ステップにより設定される閾値に応じてページ毎に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定する判定ステップと、
表示手段が、前記判定ステップで印刷不良領域が含まれると判定されたページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における前記印刷不良領域を識別可能となるように表示する表示ステップとを有し、
前記判定ステップは、前記表示ステップにより前記印刷不良領域が表示された後に前記設定ステップで設定された閾値が変更された場合、該変更された閾値に応じて前記ページに印刷不良領域が含まれるかどうかを再判定し、
前記表示ステップは、前記判定ステップにより前記ページに印刷不良領域が含まれると再度判定された場合は該ページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における印刷不良領域が識別可能となるように表示する
ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項11】
印刷装置に設けられたプロセッサに、請求項10に記載された印刷装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
複数のページ画像を含む第1画像データに基づいて複数の印刷媒体に印刷処理を行う印刷手段と、
前記印刷手段により印刷処理された複数の印刷媒体の印刷面を読み取り複数のページ画像を含む第2画像データを生成する読取手段と、
前記印刷手段により印刷処理された印刷媒体に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定するための閾値を設定する設定手段と、
前記第1画像データに含まれる複数のページ画像と前記第2画像データに含まれる複数のページ画像とを比較し、前記設定手段により設定される閾値に応じてページ毎に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により印刷不良領域が含まれると判定されたページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における前記印刷不良領域が識別可能となるように表示する表示手段とを有し、
前記判定手段は、前記表示手段により前記印刷不良領域が表示された後に前記設定手段により設定された閾値が変更された場合、該変更された閾値に応じて前記ページに印刷不良領域が含まれるかどうかを再判定し、
前記表示手段は、前記判定手段により前記ページに印刷不良領域が含まれると再度判定された場合は該ページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における印刷不良領域が識別可能となるように表示することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記印刷不良領域が識別可能となるように、該印刷不良領域を、該印刷不良領域の枠画像とともに表示することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記印刷不良領域が識別可能となるように、該印刷不良領域の色彩を変化させて表示することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記変更された閾値が変更前の閾値より低い場合において、前記変更された閾値に応じて前記判定手段が前記ページに印刷不良領域が含まれると再判定した場合は前記ページに対応する前記第1画像データのページ画像に基づいた印刷媒体の再印刷を行い、一方、前記変更された閾値に応じて前記判定手段が前記ページに印刷不良領域が含まれないと再判定した場合は前記ページに対応する前記第1画像データのページ画像に基づいた印刷媒体の再印刷を行わないように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記変更された閾値が変更前の閾値より低い場合に、前記変更された閾値を他のページの印刷不良領域の判定にも用いるか否かを指示する指示手段を有し、
前記制御手段は、前記指示手段により、前記変更された閾値を他のページの印刷不良領域の判定にも用いることが指示された場合、次ページ以降の印刷不良領域の判定を変更された閾値を用いて行うように前記判定手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記変更された閾値が変更前の閾値より高い場合に、変更前の閾値で印刷不良領域の判定済みのページを前記変更された閾値で再判定し、該再判定で印刷不良領域が含まれると判定されたページに対応する前記第1画像データのページ画像に基づいた印刷媒体の再印刷を行うように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記変更前の閾値で印刷不良領域の判定済みのページを前記変更された閾値で再判定した結果を一覧表示する一覧表示手段を有することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記変更された閾値が変更前の閾値より低い場合に、前記変更された閾値を変更前の閾値で印刷不良領域の検品済みのページにも用いるか否かを指示する指示手段を有し、
前記制御手段は、前記指示手段により、前記変更された閾値を変更前の閾値で検品済みのページにも用いることが指示された場合に、前記再判定の処理を行うように制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記閾値は、前記印刷手段により実行される印刷処理に対応する閾値であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項10】
印刷装置の制御方法であって、
印刷手段が、複数のページ画像を含む第1画像データに基づいて複数の印刷媒体に印刷処理を行う印刷ステップと、
読取手段が、前記印刷ステップで印刷処理された複数の印刷媒体の印刷面を読み取り複数のページ画像を含む第2画像データを生成する読取ステップと、
設定手段が、前記印刷ステップにより印刷処理された印刷媒体に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定するための閾値を設定する設定ステップと、
判定手段が、前記第1画像データに含まれる複数のページ画像と前記第2画像データに含まれる複数のページのページ画像とを比較し、前記設定ステップにより設定される閾値に応じてページ毎に印刷不良領域が含まれるかどうかを判定する判定ステップと、
表示手段が、前記判定ステップで印刷不良領域が含まれると判定されたページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における前記印刷不良領域を識別可能となるように表示する表示ステップとを有し、
前記判定ステップは、前記表示ステップにより前記印刷不良領域が表示された後に前記設定ステップで設定された閾値が変更された場合、該変更された閾値に応じて前記ページに印刷不良領域が含まれるかどうかを再判定し、
前記表示ステップは、前記判定ステップにより前記ページに印刷不良領域が含まれると再度判定された場合は該ページに対応する前記第2画像データのページ画像を、該ページ画像における印刷不良領域が識別可能となるように表示する
ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項11】
印刷装置に設けられたプロセッサに、請求項10に記載された印刷装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−25064(P2012−25064A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−166863(P2010−166863)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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