説明

印刷装置およびシート状媒体処理装置

【課題】紙ジャム時に搬送ローラー対の挟み込み状態を解除して小切手の除去作業を容易にすること。
【解決手段】小切手処理装置は、略U字状の小切手搬送路4に沿って配置される搬送ローラー対12〜14および印刷ヘッド10を備える。搬送ローラー対12の従動ローラー12Bは、リンク部材によってキャリッジ11に連結され、リンク部材によって動きを規制されながら、駆動ローラー12Aを押圧する挟み込み位置Q1と、駆動ローラー12Aから離れた退避位置Q2を経由する経路に沿って案内される。従動ローラー12Bは、印刷ヘッド10が印刷位置P1に移動すると、これに連動して挟み込み位置Q1に移動し、印刷ヘッド10がホームポジションP2に移動すると、これに連動して退避位置Q2に移動する。紙ジャム時には印刷ヘッド10をホームポジションP2に復帰させ、小切手の挟み込みを解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙などのシート状媒体を搬送する搬送機構を備える印刷装置およびシート状
媒体処理装置に関し、特に、印刷ヘッドをキャリッジに搭載して印刷位置と待機位置に移
動させる印刷機構、および、搬送ローラー対でシート状媒体を挟み込んで搬送する搬送機
構を有する印刷装置およびシート状媒体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行などの金融機関においては、持ち込まれた小切手、手形などの小切手類(有価証券
類)を小切手処理装置に掛けて、それらの表面画像および磁気インク文字を読み取る処理
を行うと共に、必要に応じて小切手に決済済み情報などを印刷する処理を行っている。こ
の種の小切手処理装置(シート状媒体処理装置)において、紙などのシート状媒体からな
る小切手を細い縦溝によって規定される搬送路に挿入し、縦溝の深さよりも幅の広い小切
手などの場合はその上端が搬送路の上端開口から上に出ている状態で、搬送路に沿って小
切手を搬送する構成を採用したものがある。特許文献1には、このような搬送路を備える
小切手処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献1の小切手処理装置では、小切手の搬送路が略U字状に延びており、搬送路の
上流側の部分に沿って、磁気ヘッドおよびコンタクトイメージスキャナーが配置されてい
る。また、搬送路の下流側の部分に沿って印刷機構が配置されている。この小切手処理装
置では、小切手の搬送路に沿って複数組の搬送ローラー対が配置されており、この搬送ロ
ーラー対の間にシート状媒体を挟み込んで搬送する。各搬送ローラー対は、搬送モーター
の回転が伝達される搬送ローラー(駆動ローラー)と、搬送ローラーに押し付けられて連
れ回りする押えローラー(従動ローラー)の2つのローラーによって構成されている。
【0004】
ここで、上記のような小切手処理装置における小切手(シート状媒体)の搬送機構では
、通常、対向する2つのローラーが常に挟み込み状態となるように各搬送ローラー対を構
成している。このため、搬送路において紙ジャムが発生した場合、搬送路に詰まった小切
手を搬送ローラー対の間から引っ張り出すのが困難であり、無理に引っ張ると小切手が破
けてしまうおそれがあった。小切手が搬送路内で破けると、その除去が更に困難になり、
また、破けた際に発生した紙粉が装置内の各種機構に付着して不具合が発生するという問
題点もあった。
【0005】
このように、従来は、搬送ローラー対を常に挟み込み状態となるように構成しているた
め、紙ジャムを解消するためには、搬送ローラー対を設置した部分の外装カバーを開けて
搬送ローラーを動かして挟み込み状態を解除し、更に、必要に応じて紙ジャム位置の装置
カバーを開けるなどして詰まったシート状媒体へのアクセスを可能にしてシート状媒体を
取り出す必要がある。しかしながら、外装カバーを開閉するためには、外装カバーの開閉
動線を確保しなければならない。よって、装置構成が複雑になり、装置の設置場所も制限
されてしまう。また、外装カバーを開けて手で挟み込みを解除する作業は手間がかかり、
ユーザーの負担が大きい。更に、作業時に不注意によって他の内部機構に接触するおそれ
があり、接触によって他の内部機構に汚れや他の不具合を発生させるなどのおそれもある

【0006】
特許文献2には、紙などの印刷媒体(シート状媒体)を搬送しながら印刷するインクジ
ェット式の印刷装置において、紙ジャム発生時に紙ジャム解消のための作業を容易に行え
るようにした構成が開示されている。この印刷装置では、搬送ローラーの回転軸の一端に
歯車が設けられ、この歯車を、モーターの出力軸に連結された別の歯車と噛み合わせるこ
とにより、搬送ローラーを回転させる構成となっている。そして、印刷ヘッドを搭載して
いるキャリッジの動作に基づいて搬送ローラー側の歯車をその回転軸線方向にスライドさ
せることにより、搬送ローラーの歯車とモーター側の歯車の噛み合いを解除することがで
きる。これにより、紙ジャム時に搬送を停止させて搬送ローラーの空転を可能にし、紙ジ
ャム解消のための復帰作業の実施を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−023758号公報
【特許文献2】特開平10−265089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2では、紙ジャム発生時に、キャリッジの動作に基づいてシート状媒体搬送機
構の駆動力伝達用の歯車を移動させることができる。しかしながら、特許文献2の構成は
、搬送ローラーそのものを移動させてシート状媒体をリリースできるものではなく、単に
駆動力が伝達されないようにするのみである。従って、これを特許文献1の小切手処理装
置に適用しても、外装カバーを開けて手作業で挟み込みを解除しないとシート状媒体の取
り出しが困難である点では従来の構成と同様である。
【0009】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、紙ジャム時に、ユーザーが外装カバーを開け
て手作業を行うことなく搬送ローラー対による紙の挟み込みを解除でき、搬送路に詰まっ
たシート状媒体の除去作業を容易に行うことが可能な印刷装置およびシート状媒体処理装
置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の印刷装置は、
シート状媒体を挟み込んで搬送するための駆動ローラーおよび従動ローラーを備える搬
送ローラー対と、
当該搬送ローラー対を経由する搬送路に沿って配置された印刷ヘッドとを有し、
当該印刷ヘッドは、
前記搬送路を通過する前記シート状媒体に対する印刷動作を行う印刷位置、および、前
記シート状媒体に対する印刷動作を行わない待機位置に移動し、
前記従動ローラーは、
前記印刷ヘッドが前記印刷位置に移動すると、前記駆動ローラーに押し付けられた挟み
込み位置に移動し、
前記印刷ヘッドが前記待機位置に移動すると、前記駆動ローラーから離れた退避位置に
移動することを特徴としている。
【0011】
本発明では、このように、印刷ヘッドを待機位置に移動させる動作に基づいて従動ロー
ラーを挟み込み解除方向に移動させ、搬送ローラー対によるシート状媒体の挟み込み状態
を解除することができる。従って、シート状媒体を容易に搬送路から除去することができ
、そのために外装カバーを開けて搬送ローラー対などの内部機構を手で動かす必要もない
。よって、紙ジャムからの復帰作業が容易である。また、印刷ヘッドを利用した解除機構
の動作によって挟み込み状態を解除できるため、手作業で挟み込みを解除する必要がなく
、復帰作業時の不注意によって新たな不具合が発生するおそれもない。更に、搬送ローラ
ー対を配置した部分の外装カバーを開閉する必要がないため、装置構成の複雑化を抑制で
き、設置環境が制限されることもない。加えて、シート状媒体が破れた場合に発生する紙
粉に起因する不具合の発生を抑制できる。
【0012】
本発明において、前記印刷ヘッドを搭載するキャリッジおよび当該キャリッジを移動可
能に支持するキャリッジガイド軸と、前記挟み込み位置および前記退避位置を経由する移
動経路に沿って前記従動ローラーをガイドするガイド手段と、前記キャリッジと前記従動
ローラーとを連結する連結手段と、前記従動ローラーを前記挟み込み位置側もしくは前記
退避位置側に付勢する付勢手段とを有する構成を採用することができる。このようにする
と、連結手段により、印刷ヘッドと従動ローラーを連動させて動かすことができる。また
、付勢手段によって従動ローラーの挟み込み位置もしくは退避位置への位置決めを確実に
して、挟み込みおよび挟み込み解除を確実に行うことができる。
【0013】
この場合に、前記連結手段としてリンク部材を用い、当該リンク部材の一端に前記キャ
リッジを回転自在に連結するための第1連結部を設けると共に、他端に前記従動ローラー
をスライド可能に連結するための第2連結部を設け、当該第2連結部を、前記第1連結部
に対して接近および離れる方向にスライド可能な状態に前記従動ローラーが連結される構
成とし、前記付勢手段として、前記第2連結部において前記従動ローラーをそのスライド
可能方向に付勢するように取り付けられたばね部材を用いることができる。このようにす
ると、従動ローラーの移動経路とキャリッジとの位置関係の変動に対応して、第2連結部
におけるスライド範囲内、および、ガイド部材によるガイド経路内で従動ローラーを動か
すことができる。よって、これらの位置関係および付勢方向を適切に設定することにより
、印刷ヘッドの印刷位置において従動ローラーを挟み込み位置に移動させ、確実にシート
状媒体を搬送することができる。また、印刷ヘッドの待機位置において従動ローラーを退
避位置に移動させ、確実に挟み込み状態を解除することができる。
【0014】
ここで、前記挟み込み位置および前記退避位置の一方の位置に前記従動ローラーが移動
したとき、当該一方の位置から他方の位置側への前記従動ローラーの戻りを規制するロッ
ク状態を形成するためのロック機構を有し、当該ロック機構は、前記一方の位置から前記
他方の位置とは反対側に更に前記従動ローラーを移動させることによってロックが解除さ
れるように構成することもできる。このようにすると、挟み込み位置あるいは退避位置に
おいて従動ローラーをロックすることができるため、印刷動作の際に安定してシート状媒
体を搬送することができる。あるいは、シート状媒体の除去作業の際に従動ローラーを確
実に退避させることができる。更に、挟み込み位置あるいは退避位置に至る移動経路に沿
って従動ローラーを更に移動させるだけでロックを解除できるため、ロック解除が簡単で
ある。
【0015】
本発明において、前記搬送路に前記シート状媒体が詰まった紙ジャム状態の発生を検知
するための紙ジャム検知手段を有し、当該紙ジャム検知手段によって前記紙ジャム状態の
発生が検知された場合に、前記印刷ヘッドを前記待機位置に移動させた後に装置全体をエ
ラーによる停止状態とする停止制御を行うことが望ましい。このようにすると、紙ジャム
発生時には搬送ローラー対が挟み込み解除状態となってから装置が停止するため、詰まっ
たシート状媒体を容易に除去することができる。
【0016】
また、本発明において、前記従動ローラーは、前記搬送路に対して前記印刷ヘッドと同
一の側に配置されていることが望ましい。このようにすると、印刷ヘッドと従動ローラー
とを搬送路を横断して連結する必要がないため、簡素な構成を実現できる。
【0017】
ここで、前記搬送路の少なくとも一部が、U字状の経路に沿って前記シート状媒体を搬
送するU字状搬送路となっており、当該U字状搬送路における複数の搬送位置に配置され
た複数の前記搬送ローラー対を備える場合には、前記印刷ヘッドおよび各搬送ローラー対
における前記従動ローラーが、いずれも、前記U字状搬送路によって囲まれる領域に配置
されていることが望ましい。このようにすると、搬送路によって囲まれたスペースに従動
ローラーと印刷ヘッドを連動させるための機構を集約して配置できるため、コンパクトな
構成を実現できる。
【0018】
また、本発明において、前記印刷ヘッドおよび前記搬送ローラー対を収納する外装ケー
スに、前記搬送路を規定する溝が形成されており、前記シート状媒体は、少なくともその
一端が前記溝に挿入された状態で搬送される構成を適用することが望ましい。このような
構成では、挟み込みを解除することにより、溝に挿入された状態となっているシート状媒
体を極めて容易に取り出すことができる。従って、溝を規定している外装ケースを取り外
す必要がなく、紙ジャムからの復帰作業が極めて容易である。
【0019】
次に、本発明は、上記の印刷装置と、前記シート状媒体に記録された記録情報を読み取
るための読取手段とを有し、当該読取手段は、前記搬送路に沿って配置されていることを
特徴としている。また、この場合に、前記読取手段として、磁気インク文字を読み取るた
めの磁気ヘッドおよびイメージスキャナーの少なくともいずれかを用いることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、印刷ヘッドを待機位置に移動させる動作に基づいて従動ローラーを挟
み込み解除方向に移動させ、搬送ローラー対によるシート状媒体の挟み込み状態を解除す
ることができる。従って、シート状媒体を容易に搬送路から除去することができ、そのた
めに装置カバーを開けて搬送ローラー対などの内部機構を手で動かす必要もない。よって
、紙ジャムからの復帰作業が容易である。また、印刷ヘッドを利用した挟み込み解放機構
の動作によって挟み込み状態を解除できるため、手作業で挟み込みを解除する必要がなく
、復帰作業時の不注意によって新たな不具合が発生するおそれもない。更に、搬送ローラ
ー対を配置した部分の外装カバーを開閉する必要がないため、装置構成の複雑化を抑制で
き、設置環境が制限されることもない。加えて、シート状媒体が破れた場合に発生する紙
粉に起因する不具合の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態の小切手処理装置の平面構成を示す説明図である。
【図2】小切手搬送機構および印刷機構の平面構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した小切手処理装置の実施の形態を説明する。
【0023】
(全体構成)
図1は小切手処理装置の平面構成を示す説明図である。小切手処理装置1(印刷装置/
シート状媒体処理装置)は、装置上部を覆う上部ケース2(外装ケース)を備えており、
上部ケース2の上面に、小切手3を搬送するための小切手搬送路4が形成されている。小
切手搬送路4は、上から見た場合に略U字状に湾曲して延びている細幅の垂直溝によって
規定されている。小切手搬送路4の小切手搬送方向の上流端は、やや広幅の垂直溝からな
る小切手供給部5に繋がっている。一方、小切手搬送路4の下流端は小切手収納部6に繋
がっている。小切手収納部6は、小切手搬送路4の下流端に繋がっている細幅の垂直溝か
らなる第1分岐通路4aおよび第2分岐通路4bと、これらの下流端に繋がっている第1
収納ポケット6aおよび第2収納ポケット6bを備えている。
【0024】
小切手3(シート状媒体)は、その表面3aの下端部分に磁気インク文字列が印刷され
ている。また、表面3aには、所定の模様の背景に、金額、振出人、番号、サインなどが
記載されており、裏面3bには裏書き欄などが設けられている。小切手3は、上下方向を
揃え、表面3aがU形状の小切手搬送路4の外側を向くように、小切手供給部5に挿入さ
れる。小切手供給部5には、ここに積層状態で挿入された小切手3を小切手搬送路4に1
枚ずつ送り出すための送り出しモーターを備える小切手送り出し機構が配置されている。
【0025】
小切手搬送路4の湾曲部分よりも上流側には、図1において点線で示すように、小切手
3の表面画像を読み取るための表面側コンタクトイメージスキャナー7、その裏面画像を
読み取るための裏面側コンタクトイメージスキャナー8、その磁気インク文字を読み取る
ための磁気ヘッド9がこの順に配置されている。また、小切手搬送路4の湾曲部分よりも
下流側には、小切手3の表面に「電子決済済み」などの印刷を行うためのインクジェット
式の印刷ヘッド10およびキャリッジ11を備える印刷機構が配置されている。
【0026】
小切手供給部5から送り出された小切手3は、小切手搬送路4に沿って搬送されながら
、その表面画像および裏面画像が読み取られ、しかる後に、その表面3aに印刷されてい
る磁気インク文字列が読み取られる。これらの情報が正常に読み取られた小切手3は、「
電子決済済み」などの印刷が行われた後に、第1収納ポケット6aに振り分けられてそこ
に収納される。一方、読取不能、読取異常などが発生した小切手3については、そのよう
な印刷が行われることなく、第2収納ポケット6bに振り分けられてそこに収納される。
【0027】
(小切手搬送機構および印刷機構)
図2は、小切手搬送機構および印刷機構の平面構成を示す説明図である。小切手供給部
5から1枚ずつ送り出された小切手3を小切手搬送路4に沿って搬送する小切手搬送機構
は、小切手搬送路4の湾曲部分の前後に配置された3組の搬送ローラー対12〜14と、
搬送ローラー対12〜14を回転させるための駆動源である搬送モーター15(図1参照
)を備えている。搬送ローラー対12は、小切手搬送路4を挟んで対向配置された駆動ロ
ーラー12Aと従動ローラー12Bによって構成されている。駆動ローラー12Aには搬
送モーター15の出力回転が無端ベルト等を介して伝達される。小切手搬送時には従動ロ
ーラー12Bが駆動ローラー12A側に押し付けられて連れ回りするため、ローラー間に
挟まれた小切手3が回転方向に搬送される。搬送ローラー対13、14についても同様に
、搬送モーター15の出力回転に基づいて回転駆動される駆動ローラー13A、14Aと
、従動ローラー13B、14Bとを小切手搬送路4を挟んで対向配置させ、これらの間に
小切手3を挟み込んで搬送する構成となっている。なお、搬送ローラー対の設置箇所やそ
の数については、小切手搬送路4の形状や寸法、小切手搬送路4に沿って設けられた各種
機構の配置等に応じて適宜変更することができる。
【0028】
搬送ローラー対12は、小切手搬送路4の湾曲部分の下流側に配置され、印刷ヘッド1
0の直前の搬送位置において小切手3を搬送する。一方、搬送ローラー対13、14は、
小切手搬送路4の湾曲部分の上流側に配置されている。搬送ローラー対13は、表面側コ
ンタクトイメージスキャナー7の直前の搬送位置において小切手3を搬送する。また、搬
送ローラー対14は、磁気ヘッド9の直前の搬送位置において小切手3を搬送する。ここ
で、小切手搬送路4における搬送ローラー対12の上流側の位置には紙ジャム検出器16
(紙ジャム検知手段:図1参照)が配置されている。この紙ジャム検出器16は、小切手
搬送路4における小切手3の有無を検出するものであり、紙ジャム検出器16によって所
定時間以上に亘って継続して小切手3が検出された場合には、小切手搬送路4に小切手3
が詰まったと判断される。
【0029】
印刷機構は、上述した印刷ヘッド10およびこれを搭載するキャリッジ11を備えると
共に、キャリッジ11を小切手搬送路4に沿った移動方向(図2に示すA方向)に移動可
能に支持する図示しないキャリッジガイド軸、および、キャリッジ11の駆動源である図
示しないキャリッジモーターなどを備えている。印刷ヘッド10およびキャリッジ11は
、略U字状の小切手搬送路4に囲まれた内周側の領域に配置されている。
【0030】
印刷ヘッド10は、小切手3への印刷を行うときには、図2に示す印刷位置P1に移動
している。一方、小切手3への印刷を行わないときには、印刷位置P1よりも上流側に設
定され、より搬送ローラー対14に近いホームポジションP2(待機位置)に移動してい
る。印刷ヘッド10は、そのヘッド面を小切手搬送路4に向けて配置されており、印刷時
には、印刷位置P1に停止した状態で、小切手3の搬送動作に連動してインクの吐出動作
を行う。一方、印刷ヘッド10がホームポジションP2に移動すると、図示しないキャッ
プ部材によって印刷ヘッド10のヘッド面をキャッピングすることができる。従って、キ
ャッピングによってノズル内のインクの増粘を抑制した状態で、次の印刷動作に備えて印
刷ヘッド10を待機させることができる。
【0031】
(小切手の挟み込み解除)
図2に示すように、各搬送ローラー対を構成する従動ローラー12B〜14Bは、印刷
ヘッド10が設けられている小切手搬送路4の内周側に配置されている。一方、駆動ロー
ラー12A〜14Aについては、小切手搬送路4を挟み、小切手搬送路4の湾曲状部分の
外周側に配置されている。ここで、小切手搬送路4およびこれに沿って配置された各種の
機構の下側には、これらの機構を支持するためのベースプレート17が配置されている。
ベースプレート17における従動ローラー12Bの取り付け位置には、従動ローラー12
Bを湾曲状の移動経路に沿ってガイドするための湾曲状のガイド溝12C(ガイド手段)
が形成されている。従動ローラー12Bは、その回転軸12Dがガイド溝12Cにスライ
ド可能に取り付けられている。同様に、ベースプレート17における従動ローラー13B
、14Bの取り付け位置には湾曲状のガイド溝13C、14C(ガイド手段)が形成され
ている。そして、従動ローラー13B、14Bの回転軸13D、14Dは、このガイド溝
13C、14Cにスライド可能に取り付けられている。
【0032】
ガイド溝12C〜14Cは、各溝の一端がそれぞれ駆動ローラー12A〜14A側に延
びており、この一端側まで回転軸12D〜14Dをスライドさせると、駆動ローラー12
A〜14Aに従動ローラー12B〜14Bが押し付けられた状態が形成される。つまり、
このとき、搬送ローラー対12〜14は、小切手3を挟み込んで搬送可能な挟み込み位置
Q1に移動している。一方、ガイド溝12C〜14Cの他端は、駆動ローラー12A〜1
4Aおよびキャリッジ11から遠ざかる方向に延びている。このため、ガイド溝12C〜
14Cの他端まで回転軸12D〜14Dをスライドさせると、駆動ローラー12A〜14
Aから従動ローラー12B〜14Bが離れて、搬送ローラー対12〜14に挟まれている
小切手3の挟み込み状態が解除される。つまり、このとき、従動ローラー12B〜14B
は、挟み込み状態を解除するための退避位置Q2に移動している。このように、ガイド溝
12C〜14Cは、挟み込み位置Q1および退避位置Q2を経由する移動経路に沿って従
動ローラー12B〜14Bを案内するように構成されている。
【0033】
図2に示すように、従動ローラー12B〜14Bは、リンク部材18〜20(連結手段
)を介してキャリッジ11に連結されている。そして、印刷ヘッド10をホームポジショ
ンP2および印刷位置P1に移動させると、このときのキャリッジ11の移動に連動して
、従動ローラー12B〜14Bが上述した退避位置Q2および挟み込み位置Q1に移動す
る構成となっている。リンク部材18〜20による従動ローラー12B〜14Bとキャリ
ッジ11との連結機構およびその動作は同様であるため、以下に、リンク部材18の構成
およびこれを介した従動ローラー12Bの動作について説明する。
【0034】
リンク部材18は、その一端がキャリッジ11に回転自在に連結され、他端が自由端と
なっている。この自由端に従動ローラー12Bがスライド可能に連結されている。このた
め、従動ローラー12Bは、リンク部材18によってその動きを規制されつつ、ガイド溝
12C内を移動することになる。より詳しく述べると、キャリッジ11の側面には回転支
持部11aが設けられ、リンク部材18の一端には、回転支持部11aとの連結によって
ピン接点を形成するための連結部18A(第1連結部)が形成されている。一方、リンク
部材18の他端には、リンク部材18の軸線方向に延びるスライド溝18B(第2連結部
)が形成されており、このスライド溝18B内に回転軸12Dがスライド可能に取り付け
られている。
【0035】
スライド溝18B内には、回転軸12Dのスライド方向に伸縮可能なばね部材21(付
勢部材)が配置されている。ばね部材21は、スライド溝18B内においてリンク部材1
8の自由端側に延びている一端が回転軸12Dに連結され、他端がスライド溝18B内の
キャリッジ11側の端部位置に連結されている。このため、回転軸12Dは、リンク部材
18の軸線方向に延びるスライド溝18B内においてばね部材21によってスライド方向
に付勢されており、その付勢方向は、ばね部材21の伸縮状態に応じて、キャリッジ11
側もしくは自由端側を向く方向となるように構成されている。
【0036】
このような構成で、印刷ヘッド10を印刷位置P1側に移動させると、キャリッジ11
はガイド溝12Cから遠ざかる方向に移動する。このとき、リンク部材18がキャリッジ
11と共に全体として印刷位置P1側に移動するため、回転軸12Dは、スライド溝18
B内をリンク部材18の自由端側(図2に示すB1方向)に向かって移動する。また、こ
のとき、リンク部材18およびばね部材21によって動きを規制されながら、ガイド溝1
2C内を駆動ローラー12A側(図2に示すC1方向)に移動する。すなわち、このとき
には、回転軸12Dはリンク部材18の自由端側にスライドしてばね部材21が延びるた
め、回転軸12Dには、ガイド溝12Cに沿って駆動ローラー12A側に向かう付勢力(
ばね部材21の収縮を許容する移動方向への付勢力)が働き、従動ローラー12Bが挟み
込み位置Q1側に付勢された状態となる。そして、印刷ヘッド10が印刷位置P1に到達
したときには、図2において実線で示すように、従動ローラー12Bが挟み込み位置Q1
に到達した状態となる。
【0037】
一方、印刷ヘッド10をホームポジションP2に移動させると、キャリッジ11はガイ
ド溝12Cに接近する方向に移動する。このとき、リンク部材18が一端をキャリッジ1
1に連結された状態で全体としてガイド溝12C側に移動するため、回転軸12Dは、ス
ライド溝18B内を回転支持部11a側(図2に示すB2方向)に移動すると共に、リン
ク部材18およびばね部材21によって動きを規制されながら、ガイド溝12C内を駆動
ローラー12Aから遠ざかる側(図2に示すC2方向)に移動する。すなわち、このとき
には、スライド溝18B内で回転軸12Dの移動に伴ってばね部材21が圧縮され、回転
軸12Dがリンク部材18の自由端側に付勢されるようになる。そして、回転軸12Dに
対して、ガイド溝12Cに沿って駆動ローラー12Aから遠ざかる側に向かう付勢力(ば
ね部材21の伸長を許容する移動方向への付勢力)が働くこととなり、従動ローラー12
Bが退避位置Q2側に付勢された状態となる。そして、印刷ヘッド10がホームポジショ
ンP2に到達したときには、図2において破線で示すように、従動ローラー12Bが退避
位置Q2に到達した状態となる。
【0038】
このように、従動ローラー12Bは、リンク部材18によってキャリッジ11に連結さ
れており、印刷ヘッド10を印刷位置P1に移動させる動作に連動して挟み込み位置Q1
に移動する。また、従動ローラー12Bは、印刷ヘッド10をホームポジションP2に移
動させる動作に連動して退避位置Q2に移動する。従動ローラー13B、14Bおよびリ
ンク部材19、20については詳細な説明を省略するが、その構成および動作は従動ロー
ラー12Bおよびリンク部材18と同様であり、従動ローラー12Bと同様に、印刷ヘッ
ド10をホームポジションP2に移動させる動作に連動して退避位置Q2に移動する。
【0039】
小切手処理装置1の制御部は、紙ジャム検出器16の検出出力に基づいて紙ジャムが発
生したと判断したときには、自動制御のみでは復帰できないエラー状態であるとして動作
停止する前に、印刷ヘッド10をホームポジションP2に移動させる動作を行う。そして
、その後に、小切手処理装置1の動作を停止させる停止制御を行う。このようにすると、
印刷ヘッド10のホームポジションP2への移動に伴って従動ローラー12B、13B、
14Bがそれぞれ駆動ローラー12A、13A、14Aから離れ、搬送ローラー対12〜
14がいずれも挟み込み解除状態となる。そして、この状態で小切手処理装置1を動作停
止させるため、小切手搬送路4内に詰まった小切手3は、ローラー間に強く挟まれた状態
ではなく、離れたローラー間において挟み込み力がかからないリリース状態となっている
。従って、この小切手3の上端を持って小切手搬送路4を規定する垂直溝から取り出す作
業を極めて容易に行うことができ、紙ジャムからの復帰作業を極めて容易に行うことがで
きる。
【0040】
以上のように、本実施形態では、印刷ヘッド10およびこれを搭載したキャリッジ11
をホームポジションP2に移動させる動作に基づいて従動ローラー12B〜14Bを挟み
込み解除方向に移動させ、搬送ローラー対12〜14による小切手3の挟み込み状態を解
除することができる。従って、小切手3を容易に小切手搬送路4から除去することができ
、そのために上部ケース2などの装置ケースを開けて内部機構を手で動かす必要もない。
よって、紙ジャムからの復帰作業が容易である。また、キャリッジ11の動作制御によっ
て挟み込み状態を解除できるため、手作業で挟み込みを解除する必要がなく、復帰作業時
の不注意によって新たな不具合が発生するおそれもない。更に、上部ケース2の搬送ロー
ラー対12〜14を配置した部分を開閉する必要がないため、装置構成の複雑化を抑制で
き、設置環境が制限されることもない。加えて、小切手3が破れた場合に発生する紙粉に
起因する不具合の発生を抑制することもできる。
【0041】
また、本実施形態では、小切手搬送路4の略U字状の部分に沿って印刷ヘッド10およ
び搬送ローラー対12〜14が配置されており、印刷ヘッド10および従動ローラー12
B〜14Bをいずれも小切手搬送路4によって囲まれる内周側の領域に配置している。こ
のようにすると、小切手搬送路4を規定する垂直溝に対して、印刷ヘッド10および従動
ローラー12B〜14Bが同じ側に配置されることになるため、小切手搬送路4を迂回し
てキャリッジ11と従動ローラー12B〜14Bとを連結する必要がない。従って、キャ
リッジ11と従動ローラー12B〜14Bとを連結するための構成を簡素にすることがで
きる。また、小切手搬送路4によって囲まれたスペースに従動ローラー12B〜14Bと
印刷ヘッド10およびキャリッジ11とを連動させるための機構を集約して配置できるた
め、コンパクトな構成を実現できる。
【0042】
(改変例)
(1)上記実施形態では、従動ローラー12B〜14Bを付勢して挟み込み位置Q1側も
しくは退避位置Q2側に移動させるためのばね部材21を、リンク部材18〜20に形成
したスライド溝内に取り付けていたが、ガイド溝12C〜14C内あるいはベースプレー
ト17にばね部材21の一端を固定し、他端を従動ローラー12B〜14Bに連結するこ
とにより、挟み込み位置Q1側もしくは退避位置Q2側に回転軸12D〜14Dを付勢す
る構成とすることもできる。例えば、回転軸12Dを駆動ローラー12Aから遠ざかる側
(退避位置Q2側)に常時付勢するようにばね部材(付勢部材)を設置する。このように
すると、印刷ヘッド10を印刷位置P1に移動させたときには、リンク部材18がガイド
溝12Cから離れるため、リンク部材18によってばね部材の付勢力に逆らって従動ロー
ラー12Bを挟み込み位置Q1に移動させることができる。また、リンク部材18がガイ
ド溝12Cに接近するときには、ばね部材の付勢力により、従動ローラー12Bを退避位
置Q2に移動する。従って、上記実施形態と同様の作用効果を実現できる。なお、同様の
動作を実現できる他の付勢部材の設置形態を採用してもよい。
【0043】
(2)上記実施形態では、回転軸12Dはガイド溝12C内を移動自在であり、リンク部
材18およびばね部材21のみが従動ローラー12Bの動きを規制していたが、ガイド溝
12Cあるいはその周辺に、従動ローラー12Bを挟み込み位置Q1および退避位置Q2
においてロックするためのロック機構を設けることもできる。例えば、従動ローラー12
Bが退避位置Q2側から挟み込み位置Q1に移動した場合に、挟み込み位置Q1に到達し
た従動ローラー12Bをその位置で係止して退避位置Q2側への戻りを規制するようなワ
ンウェイ式のロック機構を設けることができる。また、同様に、退避位置Q2において挟
み込み位置Q1への戻りが規制され、逆の動きは許容するようなワンウェイ式のロック機
構を設けることができる。このようなロック機構を設けることにより、振動などによって
従動ローラー12Bが不都合な方向に不用意に動くことがなくなるため、印刷動作の際に
安定して小切手3を搬送することができる。あるいは、小切手3の除去作業の際に従動ロ
ーラー12Bを確実に退避位置に保持させることができる。
【0044】
また、この場合に、挟み込み位置Q1にロックされた従動ローラー12Bを、退避位置
Q2とは逆向きにわずかに移動させることによってロック解除がなされるようにロック機
構を構成しておくことが望ましい。そして、退避位置Q2におけるロック機構も同様の動
作によってロック解除できるようにしておくことが望ましい。このようにすると、印刷ヘ
ッド10の動作に基づいて簡単にロック解除を行うことができる。
【0045】
(3)上記実施形態では、キャリッジ11と従動ローラー12B〜14Bを連結する連結
手段としてリンク部材18〜20を用い、従動ローラー12B〜14Bの移動経路を規制
するガイド手段としてガイド溝12C〜14Cを用いて印刷ヘッド10およびキャリッジ
11の動作に基づく挟み込み解除を実現したが、キャリッジ11の平行移動を従動ローラ
ー12B〜14Bの挟み込み位置Q1から退避位置Q2への移動に変換できる他の構成の
伝動機構やガイド機構を用いて、本発明の挟み込み解除を実現しても良い。また、ガイド
溝12C〜14Cとは構成が異なる他のガイド手段を用いて、上記のような移動経路に沿
って従動ローラー12B〜14Bを移動させるように構成してもよい。
【0046】
(4)上記実施形態は、表面側コンタクトイメージスキャナー7、裏面側コンタクトイメ
ージスキャナー8、磁気ヘッド9を備える小切手処理装置1であったが、本発明は、印刷
ヘッド10およびキャリッジ11を備える印刷機構、および、搬送ローラー対を用いたシ
ート状媒体の搬送機構を備える任意の印刷装置、あるいは、このような印刷装置に他の機
構を付加した各種のシート状媒体処理装置に適用できる。
【符号の説明】
【0047】
1…小切手処理装置(印刷装置/シート状媒体処理装置)、2…上部ケース(外装ケース
)、3…小切手(シート状媒体)、3a…表面、3b…裏面、4…小切手搬送路、4a…
第1分岐通路、4b…第2分岐通路、5…小切手供給部、6…小切手収納部、6a…第1
収納ポケット、6b…第2収納ポケット、7…表面側コンタクトイメージスキャナー、8
…裏面側コンタクトイメージスキャナー、9…磁気ヘッド、10…印刷ヘッド、11…キ
ャリッジ、11a…回転支持部、12〜14…搬送ローラー対、12A〜14A…駆動ロ
ーラー、12B〜14B…従動ローラー、12C〜14C…ガイド溝(ガイド手段)、1
2D〜14D…回転軸、15…搬送モーター、16…紙ジャム検出器(紙ジャム検知手段
)、17…ベースプレート、18〜20…リンク部材(連結手段)、18A…連結部(第
1連結部)、18B…スライド溝(第2連結部)、21…ばね部材(付勢部材)、P1…
印刷位置、P2…ホームポジション(待機位置)、Q1…挟み込み位置、Q2…退避位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状媒体を挟み込んで搬送するための駆動ローラーおよび従動ローラーを備える搬
送ローラー対と、
当該搬送ローラー対を経由する搬送路に沿って配置された印刷ヘッドとを有し、
当該印刷ヘッドは、
前記搬送路を通過する前記シート状媒体に対する印刷動作を行う印刷位置、および、前
記シート状媒体に対する印刷動作を行わない待機位置に移動し、
前記従動ローラーは、
前記印刷ヘッドが前記印刷位置に移動すると、前記駆動ローラーに押し付けられた挟み
込み位置に移動し、
前記印刷ヘッドが前記待機位置に移動すると、前記駆動ローラーから離れた退避位置に
移動することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記印刷ヘッドを搭載するキャリッジおよび当該キャリッジを移動可能に支持するキャ
リッジガイド軸と、
前記挟み込み位置および前記退避位置を経由する移動経路に沿って前記従動ローラーを
ガイドするガイド手段と、
前記キャリッジと前記従動ローラーとを連結する連結手段と、
前記従動ローラーを前記挟み込み位置側もしくは前記退避位置側に付勢する付勢手段と
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記連結手段はリンク部材であり、
当該リンク部材の一端に前記キャリッジを回転自在に連結するための第1連結部が設け
られると共に、他端に前記従動ローラーをスライド可能に連結するための第2連結部が設
けられ、
当該第2連結部は、前記第1連結部に対して接近および離れる方向にスライド可能な状
態に前記従動ローラーが連結される構成であり、
前記付勢手段は、前記第2連結部において前記従動ローラーをそのスライド可能方向に
付勢するように取り付けられたばね部材であることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記挟み込み位置および前記退避位置の一方の位置に前記従動ローラーが移動したとき
、当該一方の位置から他方の位置側への前記従動ローラーの戻りを規制するロック状態を
形成するためのロック機構を有し、
当該ロック機構は、
前記一方の位置から前記他方の位置とは反対側に更に前記従動ローラーを移動させるこ
とによってロックが解除されるように構成されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの項において、
前記搬送路に前記シート状媒体が詰まった紙ジャム状態の発生を検知するための紙ジャ
ム検知手段を有し、
当該紙ジャム検知手段によって前記紙ジャム状態の発生が検知された場合には、前記印
刷ヘッドを前記待機位置に移動させた後に装置全体をエラーによる停止状態とする停止制
御を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの項において、
前記従動ローラーは、前記搬送路に対して前記印刷ヘッドと同一の側に配置されている
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記搬送路の少なくとも一部が、U字状の経路に沿って前記シート状媒体を搬送するU
字状搬送路となっており、
当該U字状搬送路における複数の搬送位置に配置された複数の前記搬送ローラー対を備
え、
前記印刷ヘッドおよび各搬送ローラー対における前記従動ローラーが、いずれも、前記
U字状搬送路によって囲まれる領域に配置されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれかの項において、
前記印刷ヘッドおよび前記搬送ローラー対を収納する外装ケースに、前記搬送路を規定
する溝が形成されており、
前記シート状媒体は、少なくともその一端が前記溝に挿入された状態で搬送されること
を特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項8に記載の印刷装置と、
前記シート状媒体に記録された記録情報を読み取るための読取手段とを有し、
当該読取手段は、前記搬送路に沿って配置されていることを特徴とするシート状媒体処
理装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記読取手段は、磁気インク文字を読み取るための磁気ヘッドおよびイメージスキャナ
ーの少なくともいずれかであることを特徴とするシート状媒体処理装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−86509(P2012−86509A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237157(P2010−237157)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】