説明

印刷装置および印刷装置の換気方法

【課題】駆動系のモータを用いて換気ファンを回転させる印刷装置を提供する。
【解決手段】 制御基板と、制御基板から供給される駆動信号に応じて回転するモータと、モータの回転に対応して回転することで、印刷のための記録媒体を搬送路上に搬送するプラテンローラと、モータの回転に対応して回転する換気のためのファンをもつ印刷装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インクリボン等を用いて記録媒体上に印刷を行う印刷装置および印刷装置の換気方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、印刷装置は用途が複雑化・多様化してきており、様々な形態の印刷処理が可能になってきている。このような印刷装置では、特に印字処理の際に制御基板や電源部の発熱が生じるため、基板の動作を安定させるためにも、適切な放熱を効率的に行わなければならないという必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2618825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置においては、特に、記録媒体上に印刷を行う際に、駆動回路等を搭載した制御基板等が発熱するため、適切な換気処理を行う必要がある。しかしながら、専用のモータや駆動回路を用意すると、コスト高になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決する一実施形態は、
制御基板と、
前記制御基板から供給される駆動信号に応じて回転するモータと、
前記モータの回転に対応して回転することで、印刷のための記録媒体を搬送路上に搬送するプラテンローラと、
前記モータの回転に対応して回転する換気のためのファンと、
を具備することを特徴とする印刷装置である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置における外観の一例を示す外観図。
【図2】同印刷装置の内部の一例を示す説明図。
【図3】同印刷装置における機械的構成の一例を示す説明図。
【図4】同印刷装置における電気的構成の一例を示すブロック図。
【図5】同印刷装置におけるプラテンローラとファンの構成の一例を示す説明図。
【図6】同印刷装置におけるプラテンローラとファンの構成の他の一例を示す説明図。
【図7】同印刷装置におけるプラテンローラとファンの構成の他の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る印刷装置1を図1乃至図4を用いて、以下に詳細に説明する。本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、図1において、プリンタエンジンを格納する制御ボックス6と、この制御ボックス6とヒンジにより回動可能に接続されているカバー7と、さらに、カバー7の正面に設けられ、印刷された記録媒体を排出する排出口3と、制御ボックス6の正面に設けられた操作部4と、操作情報や操作メニュを表示する液晶画面等を用いた表示部5を有している。
【0008】
本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、さらに図2および図3において、カバー7を開くと、用紙ロールAを回転可能に保持する用紙保持部57と、インクリボンロールBを保持してインクリボンRを供給するリボン供給軸55と、リボン供給軸55から供給されるインクリボンRを巻き取って保持するリボン巻取軸56と、一対のサイドフェンス58a,58bを有している。さらに、印刷装置1は、図2および図3に示すように、用紙保持部57に保持される用紙ロールAから供給される用紙Dを搬送する搬送ローラ10および搬送路12と、搬送路12に設けられ用紙Dを搬送するピンチローラ50と、搬送路12に設けられ用紙Dを検出する用紙検出センサ17と、リボン供給軸55からインクリボンRが供給される搬送路19と、保持側板22と、インクリボンRおよび用紙Dを搬送するプラテンローラ13と、用紙Dに印刷を行うサーマルヘッド28を有しており、印刷した用紙Dは、排出口3から排出される。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る印刷装置1は、さらに図4の電気的構成の一例を示すブロック図を参照すると、全体の動作を制御する制御部31と、それぞれが制御部31に接続され、操作情報や設定情報、動作プログラム等が格納されているFROM32(Floating Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)33と、表示部の働きを制御する表示制御回路34と、表示制御回路34に制御される液晶画面等の表示部5と、外部に設けられたユーザ等が扱うホストコンピュータH等と通信を行う通信部16と、上述した操作部4と、上述した搬送ローラ10、プラテンローラ13、ピンチローラ50、そして換気のためのファン61a、61b、61c等を駆動するステッピングモータ36と、ステッピングモータ36を制御するモータ制御回路35と、上述したリボン巻取軸56を駆動するリボンモータ38と、リボンモータ38を制御するモータ制御回路37と、上述したサーマルヘッド28を制御するヘッド制御回路39を有している。
【0010】
このような構成をもつ印刷装置1は、制御部31の制御下において、操作部4またはホストコンピュータHからの操作に従って、一例として、記録媒体である用紙Dにサーマルヘッド28により印刷して、搬送ローラ10、プラテンローラ13、ピンチローラ50等により用紙Dを搬送して排出口3へと排出する。
【0011】
次に、ステッピングモータ36と、換気のためのファン61a、61b、61c等の関係を、図5乃至図7に基づいて、以下に詳細に説明する。図5乃至図7は、印刷装置におけるプラテンローラとファンの構成の一例を示す説明図である。
【0012】
図5において、少なくとも、図4で示した制御部31、FROM32、RAM33、モータ制御回路35、モータ制御回路37等を搭載した制御基板67が、筐体内の制御系内部に設けられている。一方、印刷のための記録媒体を搬送路29に上に搬送させるためのプラテンローラ13が用紙収納印刷および搬送部において設けられている。また、換気のための換気口68が筐体に設けられる。
【0013】
ここで、ラインフィールドモータであるステッピングモータ36は、制御基板67から駆動信号が供給されている。また、ステッピングモータ36の動力は、ギア65を介して、プラテンローラ13に同軸なギア64を介して換気のためのファン61aに同軸のギア63に伝達され、ファン61aを回転させる。
【0014】
また、図6においては、プラテンローラ13とファン61bが同軸となる。すなわち、ラインフィールドモータであるステッピングモータ36は、制御基板67から駆動信号が供給されている。また、ステッピングモータ36の動力は、ギア65およびギア66を介して、換気のためのファン61bおよびプラテンローラ13に同軸なギア63を介してファン61bに伝達されてファン61bを回転させる。
【0015】
また、図7においては、ステッピングモータ36とファン61cが同軸となる。すなわち、ラインフィールドモータであるステッピングモータ36は、制御基板67から駆動信号が供給されている。また、ステッピングモータ36の動力は、ステッピングモータ36と同軸のファン61cを直接回転させ、ギア65およびギア63を介して、プラテンローラ13を回転させる。
【0016】
このように、本発明の一実施形態である印刷装置においては、搬送系であるプラテンローラ13等を回転させるためのステッピングモータ36を用いて、電源部や制御回路等を搭載しており発熱が危惧される制御基板67が設置される制御系内部において、特に記録媒体等を搬送するために、ステッピングモータ36を回転させることにより同時にファン61a、61b、61cをも回転させることができる。これにより、印刷時であって搬送系を駆動させる際に特に回路基板等からの発熱が危惧されるタイミングにおいて、ファン61a、61b、61cにより換気を行うことができるので、専用のモータを用意することなく、適切な換気処理を低コストで実現することができる。
【0017】
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、さらにこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0018】
1…印刷装置、4…操作部、5…表示部、31…制御部、28…サーマルヘッド、16…通信部、H…ホストコンピュータ、36…ラインフィールドモータ、61…ファン、63、64、65、66…ギア、67…制御基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御基板と、
前記制御基板から供給される駆動信号に応じて回転するモータと、
前記モータの回転に対応して回転することで、印刷のための記録媒体を搬送路上に搬送するプラテンローラと、
前記モータの回転に対応して回転する換気のためのファンと、
を具備することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記ファンは、前記モータとギアを介することで回転することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記ファンは、前記モータと同軸接続されることで回転することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
前記ファンは、前記プラテンローラと同軸に設けられることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項5】
前記ファンは、前記印刷装置の筐体の中であって前記制御基板が設けられる領域内の雰囲気を換気することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷のための記録媒体を搬送路上に搬送するプラテンローラを回転させるためのモータの動力を用いて、換気のためのファンを回転させることで、筐体内の換気を行うことを特徴とする印刷装置の換気方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−162023(P2012−162023A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25089(P2011−25089)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】