説明

印刷装置および画像表示方法並びにプログラム

【課題】写真の検索性をより向上させる。
【解決手段】写真の印刷がなされたとき、印刷がなされた写真の撮影日のうち最も新しい日を示す最新撮影日をフラッシュメモリーのデータベースに登録しておき、メモリーカードが挿入されたときに、メモリーカード内の複数の写真のうち撮影日がデータベースに登録されている最新撮影日以降の写真を表示リストに登録して(S340〜370)、登録した写真をLCDの写真選択画面に表示させる。これにより、メモリーカードMC内の写真のうち最新撮影日以降に撮影された写真をLCD25に表示することができるから、写真の検索性をより向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能な記憶媒体に記憶された複数の写真画像のうち選択を受け付けた写真画像を印刷する印刷装置および印刷装置における画像表示方法並びに印刷装置における画像表示方法をコンピューターに実現させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の印刷装置としては、デジタルカメラなどで撮影された写真が記憶されたメモリーカードを着脱可能に構成され、メモリーカードが挿入されたときにカード内の写真のユーザーによる選択を受け付けて、受け付けた写真を印刷する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、メモリーカード毎にカード識別IDを作成し、印刷時に選択された写真や各種印刷設定などを印刷に関する履歴情報としてカード識別IDと対応付けて記憶しておき、メモリーカードが挿入されたときにその識別IDから対応する履歴情報を読み出して、挿入されたメモリーカードに対して過去にどのような印刷が行なわれたのかを表示するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−142615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した装置においては、選択された写真などの履歴情報についてはスムーズに読み出すことができるものの、前回の印刷時から新たに撮影された写真の検索については考慮されていない。近年、メモリーカードなどの記憶媒体の大容量化に伴って、デジタルカメラなどでは大量の写真が撮影されて記憶されるようになっており、前回の印刷時から新たに大量の写真が撮影された場合などにおいては、目的とする写真を検索するのに多大な時間が掛かることがある。
【0005】
本発明の印刷装置および画像表示方法並びにプログラムは、写真の検索性をより向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷装置および画像表示方法並びにプログラムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の印刷装置は、
着脱可能な記憶媒体に記憶された複数の写真画像のうち選択を受け付けた写真画像を印刷する印刷装置であって、
データを記憶する記憶手段と、
画面を表示する表示手段と、
前記写真画像の印刷がなされたとき、該印刷がなされた写真画像の撮影日のうち最も新しい日を示す最新撮影日か該印刷がなされた日を示す最新印刷日かの少なくとも一方を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶媒体が装着されたとき、該記憶媒体内の前記複数の写真画像のうち撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新撮影日以降の写真画像または撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新印刷日以降の写真画像を表示対象として、該表示対象の写真画像を前記選択の受け付けが可能に前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の印刷装置では、写真画像の印刷がなされたとき、印刷がなされた写真画像の撮影日のうち最も新しい日を示す最新撮影日か印刷がなされた日を示す最新印刷日かの少なくとも一方を記憶手段に記憶させる。そして、記憶媒体が装着されたとき、記憶媒体内の複数の写真画像のうち撮影日が記憶手段に記憶されている最新撮影日以降の写真画像または撮影日が記憶手段に記憶されている最新印刷日以降の写真画像を表示対象として、表示対象の写真画像を選択の受け付けが可能に表示手段に表示させる。これにより、最新撮影日以降に撮影された写真か最新印刷日以降に撮影された写真を表示手段に表示することができるから、写真の検索性をより向上させることができる。
【0009】
こうした本発明の印刷装置において、撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新撮影日以降の写真画像を表示対象とする場合であっても、該最新撮影日に連続する撮影日の写真画像については前記表示対象から除外する手段であるものとすることもできる。ここで、最新撮影日に連続する撮影日の写真は、最新撮影日の写真と一連のものである可能性が高く、最新撮影日の写真を印刷する際に既に印刷要否を判断していると考えることができる。このため、そのような写真を表示対象から除外することで、より適切に表示対象を絞ることができ、写真の検索性をさらに向上させることができる。この態様の本発明の印刷装置において、前記記憶制御手段は、前記最新印刷日と前記最新撮影日とをいずれも前記記憶手段に記憶させる手段であり、前記表示制御手段は、前記最新撮影日に連続する撮影日の写真画像であっても、撮影日が前記最新印刷日以降の写真画像については除外することなく前記表示対象とする手段であるものとすることもできる。ここで、撮影日が最新印刷日以降の写真は、最新撮影日に連続していても最新撮影日の写真と一連のものである可能性は低く、未だ印刷要否を判断していないものといえる。そのような写真を除外することなく表示対象とすることにより、表示対象を絞った際に生じる不都合を抑制することができる。
【0010】
また、本発明の印刷装置において、前記記憶制御手段は、前記記憶媒体を識別するための識別情報に対応付けて前記最新印刷日か前記最新撮影日かの少なくともいずれか一方を前記記憶手段に記憶させる手段であり、前記表示制御手段は、前記記憶媒体が装着されたときに、該装着された記憶媒体の識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記最新印刷日または前記最新撮影日を用いる手段であるものとすることもできる。こうすれば、記憶媒体毎の印刷の履歴に応じて写真の検索性を適切に向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明の印刷装置において、前記記憶制御手段は、前記写真画像の印刷がなされたときに装着されている前記記憶媒体内の写真画像の撮影日のうち未印刷の写真画像の撮影日も含めて該記憶媒体内で最も新しい撮影日を示す媒体内最新日を前記最新印刷日に代えて前記記憶手段に記憶させる手段であり、前記表示制御手段は、前記最新印刷日に代えて前記媒体内最新日を用いる手段であるものとすることもできる。こうすれば、印刷装置に日時を計時する機能を付加することなく、写真の検索性を向上させることができる。
【0012】
本発明の画像表示方法は、
データを記憶する記憶手段と、画面を表示する表示手段とを備え、着脱可能な記憶媒体に記憶された複数の写真画像のうち選択を受け付けた写真画像を印刷する印刷装置における画像表示方法であって、
(a)前記写真画像の印刷がなされたとき、該印刷がなされた写真画像の撮影日のうち最も新しい日を示す最新撮影日か該印刷がなされた日を示す最新印刷日かの少なくとも一方を前記記憶手段に記憶させるステップと、
(b)前記記憶媒体が装着されたとき、該記憶媒体内の前記複数の写真画像のうち撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新撮影日以降の写真画像または撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新印刷日以降の写真画像を表示対象として、該表示対象の写真画像を前記選択の受け付けが可能に前記表示手段に表示させるステップと
を含むことを要旨とする。
【0013】
この本発明の画像表示方法では、写真画像の印刷がなされたとき、印刷がなされた写真画像の撮影日のうち最も新しい日を示す最新撮影日か印刷がなされた日を示す最新印刷日かの少なくとも一方を記憶手段に記憶させる。そして、記憶媒体が装着されたとき、記憶媒体内の複数の写真画像のうち撮影日が記憶手段に記憶されている最新撮影日以降の写真画像または撮影日が記憶手段に記憶されている最新印刷日以降の写真画像を表示対象として、表示対象の写真画像を選択の受け付けが可能に表示手段に表示させる。これにより、最新撮影日以降に撮影された写真か最新印刷日以降に撮影された写真を表示手段に表示することができるから、写真の検索性をより向上させることができる。なお、上述した印刷装置のいずれかの機能を実現するステップを追加してもよい。
【0014】
本発明のプログラムは、上述した画像表示方法をコンピューターに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピューターから別のコンピューターへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムをコンピューターに実行させれば、上述した画像表示方法と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】プリンター20の外観を示す外観斜視図。
【図2】プリンター20の構成の概略を示す構成図。
【図3】印刷モード時処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図4】印刷履歴情報の登録処理の一例を示すフローチャート
【図5】データベースに登録された印刷履歴情報の一例を示す説明図。
【図6】写真選択画面の表示処理の一例を示すフローチャート。
【図7】最新撮影日と最新印刷日と表示対象となる撮影日との一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるプリンター20の外観を示す外観斜視図であり、図2は、プリンター20の構成の概略を示す構成図である。
【0017】
本実施形態のプリンター20は、印刷機構40(図2参照)を内蔵し、L判サイズやハガキサイズの用紙Sに印刷を行なうフォトプリンターとして構成されている。このプリンター20は、図1に示すように、本体21を持ち運ぶために上面に設けられた取っ手22と、本体21の背面にセットされた用紙Sを自動給紙するオートシートフィーダー23と、印刷機構40により印刷された用紙Sを受ける排紙トレイ24と、上下方向にスライド可能であって画像を表示したり印刷時の設定を確認したりするための液晶ディスプレイ(LCD)25と、電源をオンオフするための電源ボタン26とを備える。また、本体21の前面には、赤外線通信ポート28(受光部)が設けられており、この赤外線通信ポート28に発光部30aを向けてリモートコントロール装置30を操作することにより、プリンター20を遠隔操作できるようになっている。なお、リモートコントロール装置30は、プリンター20を遠隔操作するためのボタン類として、電源をオンオフするための電源ボタン31と、印刷中に押されると印刷を中止し写真を選択するための画面で押されると印刷枚数や写真の選択を解除するストップ/設定クリアボタン32と、各種モードを選択可能なトップ画面を表示するためのトップ画面ボタン33と、印刷枚数を設定するための印刷枚数設定ボタン34と、項目や設定値を選択するための上下左右ボタン35と、項目を決定したり次の画面に進むためのOKボタン36と、一つ前の画面に戻る戻るボタン37と、印刷を開始する印刷ボタン38と、設定画面を表示する設定ボタン39などを備える。なお、トップ画面で選択可能なモードとしては、メモリーカードMC内の写真画像を選択して印刷を行なう印刷モードやメモリーカードMC内の写真画像を順次表示して鑑賞するスライドショーモードなどがある。
【0018】
印刷機構40は、図2に示すように、左右方向(主走査方向)にループ状に架け渡されたキャリッジベルト43により駆動されガイド42に沿って左右に往復するキャリッジ41と、キャリッジ41にシアン・マゼンタ・イエロー・ブラック等の各色のインクを供給するインクカートリッジ44と、各インクカートリッジ44から供給された各インクに圧力をかけてノズルから用紙Sに向けてインクを吐出する印刷ヘッド45と、主走査方向に直交する副走査方向に用紙Sを搬送する搬送ローラー46とを備える。印刷機構40は、その下方にインクカートリッジ44が取り付けられており、インクカートリッジ44がキャリッジ41上に搭載されていない、いわゆるオフキャリッジタイプとして構成されている。印刷ヘッド45は、本実施形態では、圧電素子に電圧をかけることによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する方式を採用した。なお、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
【0019】
また、本実施形態のプリンター20は、その制御系としては、図2に示すように、プリンター全体の制御を司るメインコントローラー50と、印刷機構40を制御するプリンターASIC48と、赤外線通信ポート28を介して入力した赤外線信号を操作信号として処理する赤外線通信コントローラー60と、LCD25を表示制御するLCDコントローラー62と、メモリーカードスロット64に挿入されたメモリーカードMCに対するデータの書き込みや読み出しを制御するメモリーカードコントローラー66とを備え、これらはバス59を介して互いに電気的に接続されている。なお、メモリーカードスロット64は、図1中の電源ボタン26が設けられた側面と反対側の側面に設けられており、メモリーカードMCの脱着が可能となっている。
【0020】
メモリーカードコントローラー66は、メモリーカードスロット64にメモリーカードMCが挿入された状態でメモリーカードMCに記憶されている画像ファイルを読み出してメインコントローラー50に出力したり、必要に応じてデータをメモリーカードMCに記録したりする。本実施形態では、メモリーカードMCは、FAT(以下、FATとする)に従って、画像ファイルが記憶されるものとした。このFATは、データ管理単位であるクラスターに関する情報やディレクトリーの項目数,ファイルシステム形式の情報などのデータの読み書きに必要な各種情報が記憶されるブートセクター領域やファイルの格納状況を示す情報が記憶されるFAT領域,記憶されたファイルのファイル名や格納位置などの情報が記憶されるディレクトリーエントリー領域,ファイルが格納されるデータ領域などから構成されている。なお、ブートセクター領域の各種情報には、デジタルカメラの機種やメモリーカードMCのメモリー容量,フォーマットの方式などに応じて定められた固有の情報が含まれている。また、データ領域には、デジタルカメラなどで撮影された写真の画像ファイルが、写真の画像データに付随して、画素数や撮影日時,露出,絞り値,シャッター速度などを含むExif付属情報と合わせて格納されるものとする。
【0021】
メインコントローラー50は、CPU51を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムや各種データ、各種テーブルなどを記憶するROM52と、一時的にデータを記憶するRAM53と、電気的に書き換え可能で電源を切ってもデータは保持されるフラッシュメモリー54と、日時の計時処理を行なうタイマー55と、電源ボタン26からの操作信号を入力するインターフェース(I/F)56とを備える。このメインコントローラー50は、メモリーカードスロット64に挿入されたメモリーカードMCから画像ファイル内の写真画像のデータやExif情報,ファイルシステム内の各種情報などを入力したり、赤外線通信コントローラー60からの操作信号や印刷機構40の各部からの検出信号などを入力したりする。また、メインコントローラー50は、メモリーカードMCに編集画像などを保存したり、プリンターASIC48への指令信号やLCDコントローラー62への制御信号を出力したりする。また、本実施形態のメインコントローラー50は、メモリーカードMCが挿入されたときに、メモリーカードコントローラー66を介してFATのブートセクター領域の各種情報を読み出すものとした。上述したように、ブートセクター領域の各種情報の中には、デジタルカメラの機種やメモリーカードMCのメモリー容量,フォーマットの方式などに応じて定まる固有の情報があるため、挿入されたメモリーカードMCの識別情報が既にフラッシュメモリー54に登録されているか否かをそれらの固有の情報に基づいてを判断し、未登録であればそれらの固有の情報に対応させた識別情報を設定してフラッシュメモリー54に登録するものとした。
【0022】
次に、こうして構成された本実施形態のプリンター20の動作、特に、印刷モード時にメモリーカードMC内の写真をLCD25の写真選択画面に選択可能に表示してユーザーによる写真の選択を受け付けて印刷する際の動作について説明する。図3は、印刷モード時処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、メモリーカードMCが挿入されて印刷モードが選択されたときに実行される。
【0023】
このルーチンが実行されると、メインコントローラー50のCPU51は、メモリーカードMC内に記憶されている写真(画像データ)を選択可能に表示する写真選択画面(図示省略)をLCD25に表示する写真選択画面の表示処理を行なって(ステップS100)、リモートコントロール装置30の上下左右ボタン35やOKボタン36のユーザーの操作により写真選択画面の中から印刷する写真の選択を受け付ける(ステップS110)。なお、写真選択画面では、複数枚の写真の選択や各種印刷設定を受付可能であるものとした。次に、印刷指示がなされたか否かを判定する(ステップS120)。この判定は、写真選択を受け付けてから、印刷ボタン38が押されたか否かに基づいて行なわれる。印刷指示がなされると、選択を受け付けた写真から生成した印刷データに基づいて印刷処理が実行されるようプリンターASIC48に印刷指令を出力し(ステップS130)、フラッシュメモリー54に格納されたデータベースに印刷の履歴情報を登録する印刷履歴情報の登録処理を実行して(ステップS140)、本処理を終了する。以下、写真選択画面の表示処理と印刷履歴情報の登録処理との詳細について説明する。なお、説明の都合上、先に印刷履歴情報の登録処理について説明し、その後に写真選択画面の表示処理について説明する。図4は、印刷履歴情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0024】
印刷履歴情報の登録処理では、メインコントローラー50のCPU51は、まず、メモリーカードの識別情報や上述した印刷モード時処理ルーチンにより印刷処理が行なわれる日である印刷日などのデータを入力する(ステップS200)。ここで、メモリーカードMCの識別情報は、上述したように、ブートセクターの各種管理情報に対応付けて登録された識別情報をフラッシュメモリー54から入力するものとした。また、印刷日は、タイマー55により計時された現在の日時から取得した日付を入力するものとした。こうしてデータを入力すると、フラッシュメモリー54に格納されたデータベースを検索し(ステップS210)、データベース内に今回挿入されたメモリーカードMCの識別情報と同じ識別情報のデータが登録されているか否かを判定する(ステップS220)。データベース内に同じ識別情報のデータが登録されていないときには、今回の印刷日を最新印刷日としてメモリーカードMCの識別情報と対応付けてデータベースに新規登録して(ステップS230)、次の処理に進む。一方、データベース内に同じ識別情報のデータが既に登録されているときには、その同じ識別情報の最新印刷日を今回の印刷日に更新登録して(ステップS240)、次の処理に進む。
【0025】
そして、次の処理では、処理対象の印刷済み写真の撮影日を入力する(ステップS250)。ここでは、印刷済み写真を印刷順に従って順次処理対象とし、処理対象とした印刷済み写真のExif情報から撮影日を入力するものとした。撮影日を入力すると、入力した撮影日がデータベース内に同じ識別情報で登録されている最新撮影日よりも新しいか否かを判定して(ステップS260)、入力した撮影日が最新撮影日よりも新しいときには、データベース内に同じ識別情報で登録されている最新撮影日を処理対象の写真の撮影日に更新登録して(ステップS270)、次の処理に進む。なお、上述したステップS230の処理で新規登録した場合にはデータベース内に登録されている最新撮影日は存在しないが、入力した撮影日がデータベース内の最新撮影日よりも新しいと判定して処理対象の写真の撮影日を最新撮影日に登録するものとする。一方、入力した撮影日が最新撮影日よりも新しくないときには、更新登録することなく、次の処理に進む。そして、すべての印刷済み写真の処理が完了したか否かを判定し(ステップS280)、処理が完了していなければステップS250に戻り処理を繰り返し、完了していれば本処理を終了する。なお、図5に、データベースに登録された印刷履歴情報の一例を示す。図示するように、データベースには、メモリーカードMCを識別する識別情報に対応付けて、最新印刷日と、印刷済み写真の最新撮影日とが印刷履歴として登録されている。なお、写真の撮影後に印刷が行なわれることから、最新印刷日は、最新撮影日と同日か最新撮影日以降の新しい日付となる。また、最新印刷日は、次回にメモリーカードMCが挿入された時点からみると、前回に印刷処理がなされた前回印刷日を示すものとなる。なお、識別情報としては、数字の組合せに限られず、数字や文字,記号などの如何なる組合せを用いてもよい。
【0026】
続いて、ユーザーが印刷する写真を選択する画面である写真選択画面の表示処理について説明する。図6は、写真選択画面の表示処理の一例を示すフローチャートである。この写真選択画面の表示処理では、メインコントローラー50のCPU51は、まず、メモリーカードMCの識別情報を入力する(ステップS300)。ここで、メモリーカードMCの識別情報は、上述したようにして登録された識別情報をフラッシュメモリー54から入力するものとした。次に、フラッシュメモリー54に格納されたデータベースを検索して(ステップS310)、データベース内にメモリーカードMCの識別情報と同じ識別情報のデータが登録されているか否かを判定する(ステップS320)。この処理は、今回挿入されたメモリーカードMCに対応付けられた印刷履歴情報が登録されているか否かを判定するものである。なお、今回挿入されたメモリーカードMCが以前に挿入されて印刷処理がなされたものであれば、上述した印刷履歴情報の登録処理によりデータベース内にその履歴が登録されるため、肯定的な判定をすることになる。データベース内に同じ識別情報のデータが登録されていないときには、すべての写真を表示リストに本登録して(ステップS330)、表示リストに本登録した写真がLCD25の写真選択画面に表示されるようLCDコントローラー62に表示指令を出力して(ステップS450)、本処理を終了する。
【0027】
一方、データベース内に同じ識別情報のデータが登録されているときには、処理対象の写真の撮影日を入力する(ステップS340)。ここでは、メモリーカードMC内のすべての写真をファイル順に従って順次処理対象とし、処理対象とした写真のExif情報から撮影日を入力するものとした。撮影日を入力すると、データベース内に同じ識別情報で登録されている最新撮影日よりも入力した撮影日が新しいか否かを判定する(ステップS350)。入力した撮影日が最新撮影日よりも新しいときには処理対象の写真を表示リストに仮登録し(ステップS360)、メモリーカードMC内のすべての写真の処理が完了したか否かを判定して(ステップS370)、処理が完了していなければステップS340に戻り処理を繰り返す。一方、入力した撮影日が最新撮影日よりも新しくないときには、そのままステップS370に進んですべての写真の処理が完了したか否かを判定し、処理が完了していなければステップS340に戻り処理を繰り返す。
【0028】
こうして全ての写真の処理が完了すると、仮登録した写真を連続する撮影日毎にグループ化する(ステップS380)。このグループ化は、仮登録した写真のうち連続する撮影日の写真をまとめて1つのグループとするものであり、連続した撮影日がなければ1日単位の撮影日毎にグループ化する。こうしてグループ化した撮影日のうち、撮影日が最新撮影日に連続するグループがあるか否かを判定する(ステップS390)。なお、この最新撮影日もデータベース内に同じ識別情報で登録されているものを用いる。撮影日が最新撮影日に連続するグループがないときには、全グループの写真を表示リストに本登録して(ステップS400)、続くステップS450の処理で、表示リストに本登録した写真を写真選択画面に表示させて、本処理を終了する。これにより、メモリーカードMC内の写真のうち最新撮影日以降に撮影された写真をLCD25の写真選択画面に表示することができるから、写真の検索性をより向上させることができる。また、メモリーカードMCの識別情報に対応付けて登録した最新撮影日を用いるから、メモリーカードMCの印刷の履歴に応じて写真の検索性を適切に向上させることができる。
【0029】
一方、最新撮影日に連続するグループがあるときには、該当するグループ(最新撮影日に連続するグループ)以外のグループの写真を表示リストに本登録して(ステップS410)、該当するグループ内に撮影日が最新印刷日以降の写真があるか否かを判定する(ステップS420)。なお、この最新印刷日もデータベース内に同じ識別情報で登録されているものを用いる。そして、該当するグループ内に撮影日が最新印刷日以降の写真がないときには、該当するグループ内のすべての写真を登録から除外して(ステップS430)、続くステップS450の処理で、表示リストに本登録した写真を写真選択画面に表示させて本処理を終了する。一方、該当するグループ内に撮影日が最新印刷日以降の写真があるときには、該当するグループ内の写真うち撮影日が最新印刷日以降の写真のみを本登録して(ステップS440)、続くステップS450の処理で、表示リストに本登録した写真を写真選択画面に表示させて本処理を終了する。即ち、最新撮影日に連続する撮影日の写真(グループ)については、撮影日が最新印刷日以降の写真については表示リストに登録して写真選択画面に表示するが、それ以外の写真については表示リストから除外して写真選択画面に表示しないのである。
【0030】
ここで、図7は、最新撮影日と最新印刷日と表示対象となる撮影日との関係の一例を示す説明図である。図7では、黒丸が写真が撮影された日を表し、Dと数字との組合せが日付を示す。例えば、日付D3と日付D4とは連続する日付を示す。また、図7(a),(b)は、図7(a)が最新撮影日D3と最新印刷日D10とが異なる日付であるのに対し、図7(b)が最新撮影日D3と最新印刷日D3とが同じ日付である点で相違する。なお、いずれの場合であっても、今回印刷日D16において、撮影日D8,D9,D14の写真は表示される。ここで、最新撮影日D3に連続する撮影日D4や撮影日D5のグループの写真は、例えば、日付D3から日付D5に掛けて旅行に出かけたときに撮影されたなどの一連の写真と考えることができる。そして、前回の印刷時である最新印刷日D10においてユーザーはそれらの一連の写真の中から印刷の必要の有無を判断して撮影日D3の写真を印刷したと考えると、次に再びそれらの一連の写真の中から撮影日D4,D5の写真を選択する可能性は低いと予想することができる。そこで、最新撮影日D3に日付が連続し且つ最新印刷日D10以降の写真ではない撮影日D4,D5の写真は、上述したステップS430の処理で表示リストから除外して非表示とするのである。これにより、図7(a)に示すように、最新撮影日D3と一連の写真と考えられる撮影日D4,D5の写真を表示リストから除外して、より適切に写真の表示対象を絞ることができるから、さらに写真の検索性を向上させることができる。一方、最新撮影日D3に連続する撮影日D4や撮影日D5のグループであっても、グループ内に最新印刷日が含まれると、日付D3から日付D5に掛けて旅行などに出かけたときに撮影されたものとはいえず、一連の写真とは考えにくいものとなる。このため、撮影日D3の写真を既に印刷していても、撮影日D3とは異なる場面で撮影された可能性の高い撮影日D4,D5の写真は選択される可能性が高いものと予想することができる。そこで、撮影日D4,D5のように最新撮影日D3と連続していても最新印刷日D3以降のものについては、上述したステップS440の処理で表示リストに本登録して表示するのである。これにより、図7(b)に示すように、最新撮影日D3に連続する撮影日D4,D5の写真であっても最新印刷日D3以降のものは表示するから、写真の表示対象を絞った際に生じる不都合を抑制することができる。最新撮影日と最新印刷日との2つの日付を用いて、表示対象の写真(グループ)を絞るのはこうした理由による。
【0031】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のフラッシュメモリー54が本発明の「記憶手段」に相当し、液晶ディスプレイ(LCD)25が「表示手段」に相当し、図3のステップS140の処理(図4の印刷履歴情報の登録処理)を実行するメインコントローラー50が「記憶制御手段」に相当し、図3のステップS100の処理(図6の写真選択画面の表示処理)を実行するメインコントローラー50とLCDコントローラー60とが「表示制御手段」に相当する。なお、本実施形態では、プリンター20の動作を説明することにより、本発明の画像表示方法の一例も明らかにしている。
【0032】
以上説明した本実施形態のプリンター20によれば、写真の印刷がなされたとき、印刷がなされた写真の撮影日のうち最も新しい日を示す最新撮影日をフラッシュメモリー54のデータベースに登録しておき、メモリーカードMCが挿入されたときに、メモリーカードMC内の複数の写真のうち撮影日が最新撮影日以降の写真を表示リストに登録して、登録した写真をLCD25の写真選択画面に表示させる。これにより、メモリーカードMC内の写真のうち最新撮影日以降に撮影された写真をLCD25に表示することができるから、写真の検索性をより向上させることができる。
【0033】
また、最新撮影日に連続する撮影日の写真を表示リストから除外するから、写真の検索性をさらに向上させることができる。さらに、写真の印刷がなされたときに印刷がなされた日を示す最新印刷日をフラッシュメモリー54のデータベースに登録しておき、最新撮影日に連続する撮影日の写真であっても最新印刷日以降のものは表示するから、写真の表示対象を絞った際に生じる不都合を抑制することができる。そして、メモリーカードMCの識別情報に対応付けて最新撮影日や最新印刷日を登録するから、メモリーカードMCの印刷の履歴に応じて写真の検索性を適切に向上させることができる。
【0034】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0035】
上述した実施形態では、印刷履歴情報の登録処理において最新印刷日と最新撮影日とを共にデータベースに登録するものとしたが、これに限られず、最新撮影日のみを登録するものとしてもよい。その場合、図6の写真選択画面の表示処理においては、ステップS420,S440の処理を省略して、ステップS410の処理の後にステップS430の処理を実行するものなどとすればよい。即ち最新撮影日に連続する撮影日の写真(グループ)はすべて表示リストから除外するものとしてもよい。
【0036】
上述した実施形態では、印刷履歴情報の登録処理において最新撮影日をデータベースに登録しておき写真選択画面の表示処理において撮影日が最新撮影日以降の写真を表示リストに登録(仮登録)するものとしたが、これに限られず、印刷履歴情報の登録処理において最新印刷日をデータベースに登録しておき写真選択画面の表示処理において撮影日が最新印刷日以降の写真を表示リストに登録するものなどとしてもよい。
【0037】
上述した実施形態では、最新撮影日に日付が連続する撮影日の写真については表示リストから除外するものとしたが、これに限られず、除外しないものとしてもよい。
【0038】
上述した実施形態では、メモリーカードMCの識別情報としてFATのブートセクター領域の各種管理情報に基づいて定めたものを用いるものとしたが、これに限られず、ブートセクター領域の各種管理情報のうちいずれかの情報をそのまま定めた識別情報やいくつかの情報を組み合わせて定めた識別情報を用いてもよいし、メモリーカードMC内のブートセクター領域以外の他の如何なる情報に基づいて定めた識別情報を用いてもよい。また、記憶媒体としてメモリーカードスロット64にメモリーカードMCが挿入されるものとしたが、これに限られず、図示しないUSBポートに接続される外付けHDDやUSBフラッシュメモリーなどとしてもよい。さらに、ファイルシステムとしては、FATに限られず、NTFSなどの他のファイルシステムで画像ファイルが記憶されるものなどとしてもよい。
【0039】
上述した実施形態では、メモリーカードMCの識別情報に対応付けて最新印刷日や最新撮影日をデータベースに登録するものしたが、これに限られず、メモリーカードMCの識別情報に対応付けることなく単に最新印刷日や最新撮影日をデータベースに登録するものとしてもよい。その場合、登録後に挿入されるメモリーカードMCがいずれのメモリーカードMCであっても、登録された最新印刷日や最新撮影日に基づいて表示対象の写真を選択して表示するものとすればよい。
【0040】
上述した実施形態では、プリンター20が備えるタイマー55の計時に基づいて最新印刷日を取得するものとしたが、これに限られず、メモリーカードMC内に記憶されている写真のうち印刷されたか否かを問わず最も新しい撮影日であるカード内最新日を最新印刷日の代わりに取得して用いるものとしてもよい。この場合、プリンター20がタイマー55を備えないものとしてもよい。こうすれば、プリンター20に日時を計時する機能を付加することなく、写真の検索性を向上させることができる。
【0041】
上述した実施形態では、本発明を液晶ディスプレイ25付きのプリンター20に適用して説明したが、これに限られず、プラズマディスプレイや有機ELディスプレイ付きのプリンターなどに適用するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
20 プリンター、21 本体、22 取っ手、23 オートシートフィーダー、24 排紙トレイ、25 液晶ディスプレイ(LCD)、26 電源ボタン、28 赤外線通信ポート、30 リモートコントロール装置、30a 発光部、31 電源ボタン、32 ストップ/設定クリアボタン、33 トップメニューボタン、34 印刷枚数設定ボタン、35 上下左右ボタン、36 OKボタン、37 戻るボタン、38 印刷ボタン、39 設定ボタン、40 印刷機構、41 キャリッジ、42 ガイド、43 キャリッジベルト、44 インクカートリッジ、45 印刷ヘッド、46 搬送ローラー、48 プリンターASIC、50 メインコントローラー、51 CPU、52 ROM、53 RAM、54 フラッシュメモリー、55 インターフェース(I/F)、56 タイマー、59 バス、60 赤外線通信コントローラー、62 LCDコントローラー、64 メモリーカードスロット、66 メモリーカードコントローラー、MC メモリーカード、S 用紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能な記憶媒体に記憶された複数の写真画像のうち選択を受け付けた写真画像を印刷する印刷装置であって、
データを記憶する記憶手段と、
画面を表示する表示手段と、
前記写真画像の印刷がなされたとき、該印刷がなされた写真画像の撮影日のうち最も新しい日を示す最新撮影日か該印刷がなされた日を示す最新印刷日かの少なくとも一方を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶媒体が装着されたとき、該記憶媒体内の前記複数の写真画像のうち撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新撮影日以降の写真画像または撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新印刷日以降の写真画像を表示対象として、該表示対象の写真画像を前記選択の受け付けが可能に前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備える印刷装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新撮影日以降の写真画像を表示対象とする場合であっても、該最新撮影日に連続する撮影日の写真画像については前記表示対象から除外する手段である請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の印刷装置であって、
前記記憶制御手段は、前記最新印刷日と前記最新撮影日とをいずれも前記記憶手段に記憶させる手段であり、
前記表示制御手段は、前記最新撮影日に連続する撮影日の写真画像であっても、撮影日が前記最新印刷日以降の写真画像については除外することなく前記表示対象とする手段である
印刷装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の印刷装置であって、
前記記憶制御手段は、前記記憶媒体を識別するための識別情報に対応付けて前記最新印刷日か前記最新撮影日かの少なくともいずれか一方を前記記憶手段に記憶させる手段であり、
前記表示制御手段は、前記記憶媒体が装着されたときに、該装着された記憶媒体の識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記最新印刷日または前記最新撮影日を用いる手段である
印刷装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか1項に記載の印刷装置であって、
前記記憶制御手段は、前記写真画像の印刷がなされたときに装着されている前記記憶媒体内の写真画像の撮影日のうち未印刷の写真画像の撮影日も含めて該記憶媒体内で最も新しい撮影日を示す媒体内最新日を前記最新印刷日に代えて前記記憶手段に記憶させる手段であり、
前記表示制御手段は、前記最新印刷日に代えて前記媒体内最新日を用いる手段である
印刷装置。
【請求項6】
データを記憶する記憶手段と、画面を表示する表示手段とを備え、着脱可能な記憶媒体に記憶された複数の写真画像のうち選択を受け付けた写真画像を印刷する印刷装置における画像表示方法であって、
(a)前記写真画像の印刷がなされたとき、該印刷がなされた写真画像の撮影日のうち最も新しい日を示す最新撮影日か該印刷がなされた日を示す最新印刷日かの少なくとも一方を前記記憶手段に記憶させるステップと、
(b)前記記憶媒体が装着されたとき、該記憶媒体内の前記複数の写真画像のうち撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新撮影日以降の写真画像または撮影日が前記記憶手段に記憶されている前記最新印刷日以降の写真画像を表示対象として、該表示対象の写真画像を前記選択の受け付けが可能に前記表示手段に表示させるステップと
を含む印刷装置における画像表示方法。
【請求項7】
請求項6記載の画像表示方法の各ステップをコンピューターに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−196867(P2012−196867A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62284(P2011−62284)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】