説明

印刷装置及びその制御方法、印刷システム

【課題】濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、その印刷不可処理の開始タイミングを印刷のスループットを低下させないように制御できる印刷装置及びその制御方法、印刷システムを得ること。
【解決手段】制御部102は、一定時間内に、計算機120から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合にブザー105を用いてユーザーに対して印刷不可処理に移行する旨の報知を行い、その後の一定時間内に、印刷データの入力または操作入力が無い場合にエンジン部103に指示を出して印刷不可処理を起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷データ供給装置に接続される印刷装置及びその制御方法、印刷システムに関し、特に通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理が行われる印刷装置及びその制御方法、前記印刷不可処理が行われる印刷装置を含む印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理の一例としては、端的には、電子写真方式の印刷装置等においてフルカラー画像を印刷する場合に、色合いや階調性を好ましい一定の状態に維持することを目的として行われているキャリブレーションと呼ばれる処理を挙げることができる。
【0003】
このキャリブレーションは、印刷装置における部品の経年変化、トナーの使用量、印刷枚数、さらには、温度、湿度等の印刷装置が置かれた環境の変化もしくは相違等、様々な要因によって変化する印刷特性を補正するために利用される補正テーブルを常に最適な状態に保つための処理作業であり、その頻度は、通常、印刷を開始してからの経過時間や印刷した用紙の枚数といった指標を元に印刷装置側で予め定義された周期で実施するようになっている。
【0004】
電子写真方式の印刷装置で行われるキャリブレーションでは、感光ドラム上もしくは中間転写体上にトナーによって形成したパッチ像の濃度を光学センサによって読取り、これに基づいて補正テーブルを変更、更新するという処理が行われる。この処理では、通常の印刷処理においても使用することが必須な感光ドラムもしくは中間転写体等のユニットを一定時間占有してしまうので、その間は通常の印刷処理を行うことができなくなってしまう。
【0005】
つまり、従来のフルカラー画像も印刷することができる印刷装置では、キャリブレーションが印刷装置側の都合を優先した一定の周期で実行されるので、通常の印刷処理ができなくなることによる無駄な待ち時間が発生し、スループットが低下する状況にあった。
【0006】
そこで、この問題を解決するため、例えば(特許文献1)では、印刷する画像の種類に応じて適切なタイミングでキャリブレーションを実行することにより、印刷品位を一定以上のものに維持しつつキャリブレーションの実行が印刷のスループットに及ぼす影響を可能な限り低減できる技術が提案されている。
【0007】
具体的には、例えば、印刷データがモノクロ印刷のデータである時は、そのモノクロ印刷を実行し印刷終了後にキャリブレーションを実行する、或いは、キャリブレーションの実行を回避して何回かのモノクロ印刷を行った後にキャリブレーションを実行するように構成されている。また、キャリブレーションを実行するか否かを所定の時間幅をもって判断できるように構成されている。
【特許文献1】特開2000−324279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記(特許文献1)に記載の技術では、「キャリブレーション」のスケジュールは、印刷装置側だけで調節設定されるものであり、ユーザーには知らされないので、ユーザーが印刷をしようとしたときに「キャリブレーションモード」に入ってしまうことが起こり、印刷に時間が掛かってしまう。
【0009】
また、特にオフィスで利用されることが多い電子写真方式の印刷装置は、近年では印刷データ供給装置である計算機と1対1の関係で接続して使用することよりも、ネットワーク等を介して計算機に接続して使用することが多く、また、そのネットワーク等上には一台だけではなく複数の印刷装置が接続されていることが一般的になってきているが、このようなケースにおいては、ユーザーが「キャリブレーションモード」に入る印刷装置を予め解るようにするなど、上記(特許文献1)には示されていない新たな観点からの対策を講じてキャリブレーションの実行が印刷のスループットに及ぼす影響を低減する必要がある。
【0010】
加えて、印刷データ供給装置である計算機が接続されるネットワーク上に「キャリブレーション」を必要とする印刷装置の複数台が存在する印刷システムでは、計算機側でも、「キャリブレーション」中の印刷装置に印刷データを送信しないようにするには、各印刷装置の動作状態が解るようにする必要がある。
【0011】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、印刷データを送信する印刷データ供給装置に接続される印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、その印刷不可処理の開始タイミングを印刷のスループットを低下させないように制御できる印刷装置及びその制御方法を得ることを目的とする。
【0012】
また、この発明は、印刷データを送信する印刷データ供給装置と複数の印刷装置とがネットワークを介して接続される印刷システムにおいて、前記複数の印刷装置がそれぞれ濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、印刷データ供給装置側で各印刷装置の動作状態を把握することができる印刷システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するため、この発明にかかる印刷装置は、印刷データを送信する印刷データ供給装置に接続される1以上の印刷装置のうち少なくとも1つの印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、第1の一定時間内に、印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に前記ユーザーに対して前記印刷不可処理に移行する旨の報知を行い、その後の第2の一定時間内に、前記印刷データの入力または前記操作入力が無い場合に前記印刷不可処理を起動する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、印刷不可処理に移行する条件が揃っても、予めその旨をユーザーに報知してその後の一定時間内待ってから印刷不可処理が開始される。つまり、その報知の後の一定時間内に印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力操作を行うことで、印刷不可処理への移行を中止することができる。したがって、ユーザーが印刷をしようとしたときに「印刷不可処理の実行モード」に入ってしまう事態を回避できるので、印刷に時間が掛かってしまう事態を減らすことができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、印刷データを送信する印刷データ供給装置に接続される1以上の印刷装置のうち少なくとも1つの印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、その印刷不可処理を必要とする印刷装置では、当該印刷不可処理の開始タイミングを印刷のスループットを低下させないように制御できるので、無駄な印刷待ち時間の発生を低減できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に図面を参照して、この発明にかかる印刷装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図である。なお、この実施の形態1及び以降に示す各実施の形態では、通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする印刷装置として、ここでは、濃度レベル補正のためのキャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置を例に挙げて説明する。
【0018】
図1に示すように、この実施の形態1による印刷装置100は、印刷データ供給装置である計算機120が制御する通信媒体125に、他の複数の印刷装置130,131と共に並列に接続されている。この実施の形態1による印刷装置100は、キャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置である。他の複数の印刷装置130,131は、同様にキャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置であってもよく、キャリブレーションを必要としない印刷装置であってもよい。他の複数の印刷装置130,131は、キャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置である場合には、印刷装置100と同様に、この実施の形態1による構成を採ることになる。
【0019】
印刷装置100は、入出力部101と、制御部102と、エンジン部103と、タイマー104と、ブザー105と、操作部106とを備えている。なお、この実施の形態1では、入出力部101の入力部が印刷データを取り込む場合について説明する。
【0020】
すなわち、入出力部101の入力部は、制御部102の制御下に、計算機120が通信媒体125に送出する自印刷装置宛ての印刷データをその通信媒体125から取り込み、制御部102に転送する。
【0021】
制御部102は、プログラムメモリ(ROM)102aに格納された各種の制御プログラム(図2参照)に従って各部を制御し、その過程での処理経過等をワーキングメモリ(RAM)102bに記憶し、この実施の形態1による印刷制御処理を実現する(図3参照)。なお、ワーキングメモリ(RAM)102bには、キャリブレーション結果を書き込む補正テーブルが記憶されている。
【0022】
エンジン部103は、電子写真方式の印刷処理を実現するために、熱定着器、感光体、帯電器、露光源、偏向装置、現像器、除電器等を有し、制御部102の指示に従って動作する。操作部106は、操作キーと装置の状態表示やユーザーが各種の動作指示等を入力するのに用いる表示部とを備えている。ブザー105は、制御部102の指示に従って鳴動音を発し、ユーザーにキャリブレーションモードへの移行を通知する。
【0023】
タイマー104は、制御部102によって設定されたタイマー時間TIME1,TIME2が経過すると、その旨を制御部102に通知する。ここで、タイマー時間TIME1は、印刷データの入力が無くなってから、または、ユーザーによる操作部106からの入力が無くなってからブザー105を鳴動駆動するまでの時間である。また、タイマー時間TIME2は、ブザー105を鳴動駆動してからキャリブレーションモードに移行するまでの時間である。これらのタイマー時間を計算機120が管理する場合は、計算機120は印刷データに含める。また、ユーザーは、操作部106からタイマー時間TIME1,TIME2を設定入力することができる。
【0024】
制御部102は、入出力部101の入力部から受け取った印刷データにタイマー時間TIME1,TIME2が含まれている場合、或いは、操作部106からタイマー時間TIME1,TIME2が入力された場合は、それらをタイマー104に設定する。
【0025】
図2は、図1に示す制御部が実施する処理内容を説明する図である。制御部102が実施する処理内容は、図2に示すように、大きく、2つの並行に処理される通常処理タスク201とキャリブレーション制御タスク202とに分けられる。制御部102に入出力部101の入力部から入力された印刷データや操作部106からの入力情報は、キャリブレーション制御タスク202を経由して通常処理タスク201に渡される。
【0026】
通常処理タスク201は、キャリブレーションモードを有していない印刷装置と同じ即時印刷可能なモードでの処理を行う。具体的には、通常処理タスク201では、通常の印刷データの受け取り、必要な画処理の実行、及び、エンジン部103への出力、エンジン部103を制御しての画像形成、及び、記録紙への記録、排紙制御といった一連の通常印刷処理を全て実行する。この通常処理タスク201の動作は、一般的な印刷装置と同様である。そのため、以下の説明では、この通常の印刷処理に関する詳細説明は省略する。
【0027】
すなわち、キャリブレーション制御タスク202は、この実施の形態に特有の処理であり、キャリブレーション実行の制御に関する処理を行う。この実施の形態1では、このキャリブレーション制御タスク202の制御によってキャリブレーションモードへの移行制御を行っている(図3)。
【0028】
次に、図3を参照して、実施の形態1による印刷装置100の動作である制御部102が実施するキャリブレーション制御タスクの処理内容について説明する。なお、図3は、図2に示すキャリブレーション制御タスクの処理プログラムの一例を示すフローチャートである。
【0029】
図3において、制御部102は、上記のように計算機120またはユーザーが設定したタイマー時間TIME1をタイマー104に設定して計時動作をスタートさせ(ステップ301)、タイマー104からタイムアウトの通知が来るのを監視し(ステップ305)、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ305:No)、入出力部101の入力部が計算機120から印刷データを受信するか否か、または、ユーザーが操作入力するか否かを調べる(ステップ302)。
【0030】
その結果、印刷データの入力または操作入力があった場合(ステップ302:Yes)には、制御部102は、タイマー104をリセットし、改めてタイマー104にタイマー時間TIME1を設定して計時動作を再スタートさせ(ステップ303)、入出力部101の入力部が受信した印刷データまたは操作入力による情報を通常処理タスク201に渡し(ステップ304)、ステップ302に戻る。
【0031】
一方、印刷データの入力または操作入力が無い状態(ステップ302:No)がタイマー時間TIME1内継続し(ステップ305:No)、タイマー104からタイムアウトの通知があると(ステップ305:Yes)、制御部102は、ブザー105を起動して鳴動音を発生させ、ユーザーにキャリブレーションモードに入ることを予告する(ステップ306)。
【0032】
そして、制御部102は、タイマー104をリセットし、上記のように計算機120またはユーザーが設定したタイマー時間TIME2を設定し、次の計時動作をスタートさせ(ステップ307)、タイマー104からタイムアウトの通知が来るのを監視し(ステップ309)、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ309:No)、印刷データの入力またはユーザーの操作入力があるか否かを調べる(ステップ308)。
【0033】
その結果、印刷データの入力またはユーザーの操作入力があった場合(ステップ308:Yes)、制御部102は、タイマー104をリセットし、改めてタイマー104にタイマー時間TIME1を設定して計時動作を再スタートさせ(ステップ303)、入出力部101の入力部が受信した印刷データまたは操作部106からの入力情報を通常処理タスク201に渡し(ステップ304)、ステップ302に戻る。
【0034】
一方、印刷データの入力またはユーザーの操作入力が無い状態(ステップ308:No)がタイマー時間TIME2内継続し(ステップ309:No)、タイマー104からタイムアウトの通知があると(ステップ309:Yes)、制御部102は、キャリブレーションモードに移行する(ステップ310)。
【0035】
このキャリブレーションモード(ステップ310)では、制御部102は、キャリブレーション制御タスク202に従ってエンジン部103に起動指示を出し、キャリブレーションを起動する。なお、キャリブレーションが起動されている間は、通常印刷はできない。
【0036】
制御部102は、キャリブレーションモード(ステップ310)の実行中、エンジン部103からのキャリブレーション終了通知有無を監視している(ステップ311)。そして、制御部102は、エンジン部103からキャリブレーション終了通知を受信すると(ステップ311:Yes)、エンジン部103に停止指示を出してキャリブレーション動作を停止させ(ステップ312)、ステップ303に進む。
【0037】
キャリブレーション動作の停止に伴ってキャリブレーションモードを終了し、印刷動作という通常処理が再開される。すなわち、キャリブレーション制御タスク202から通常処理タスク201へと移行することになる。
【0038】
なお、ブザー105の鳴動音を用いてキャリブレーションモードに入ることを予告したが、その他例えば、操作部106が備えているLEDや液晶等の表示部による表示によってキャリブレーションモードを予告することもできる。この場合には、ステップ306の処理で表示部の表示変更を行い、キャリブレーションモードに移行する旨の表示を行うように制御して報知することになる。
【0039】
以上説明したように、実施の形態1によれば、一定時間内、印刷データ供給装置である計算機から印刷データの入力が無かった場合に、或いは、ユーザーが操作部を操作しなかった場合に、ブザーや表示によって、ユーザーに印刷処理を実行できなくする印刷不可処理の一例である「濃度レベル補正のための補正テーブルに対するキャリブレーション」を実行することを予告し、さらに、一定時間内に印刷データの入力またはユーザーが操作部を操作しなかった場合に、初めてキャリブレーションを実行するようにした。
【0040】
したがって、ユーザーは、キャリブレーションモードに移行されては困る状況下では、キャリブレーションモード予告がされた直後に、操作部を操作することで、キャリブレーションモードに移行するのを阻止することができるので、ユーザーが印刷しようとしたときにキャリブレーションモードに入ってしまい、印刷に時間が掛かってしまう事態を減らすことができる。
【0041】
また、図1に示す他の印刷装置も実施の形態1による印刷装置と同様の構成とすることができるので、印刷システムにおける各印刷装置において、ユーザーが印刷しようとしたときにキャリブレーションモードに入ってしまい、印刷に時間が掛かってしまう事態を減らすことができる。
【0042】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2による印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図である。なお、図4では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
【0043】
図4に示すように、実施の形態2による印刷装置400は、図1(実施の形態1)に示した構成において、制御部102に代えて制御部401が設けられ、また表示部402が設けられている。この実施の形態2による印刷装置400は、キャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置である。他の複数の印刷装置430,431は、同様にキャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置であってもよく、キャリブレーションを必要としない印刷装置であってもよい。他の複数の印刷装置430,431は、キャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置である場合には、印刷装置400と同様に、この実施の形態2による構成を採ることになる。
【0044】
この実施の形態2においても、入出力部101の入力部から制御部401に入力された印刷データは、図2に示したキャリブレーション制御タスク202を経由して通常処理タスク201に渡される。この場合に制御部401では、符号を代えたプログラムメモリ(ROM)401aに、図2に示したキャリブレーション制御タスク202として、例えば図5に示すような処理プログラムが格納されている。
【0045】
表示部402には、制御部401がキャリブレーションモードにあるか、通常処理モードにあるかが表示される。この表示部402は、装置の状態を表示するものとして操作部106に設けられているものであるが、実施の形態2での処理動作の理解を容易にするために、取り出して示したものである。ブザー105は、示してないが、実施の形態1と同様に用いることができる。
【0046】
また、符号を代えた計算機420は、この実施の形態2では、通常の印刷データ送信動作に加えて、印刷装置400への送信動作を休止しているときに印刷装置400からキャリブレーションモードに移行する予告信号が送られてくると、その休止期間に印刷データを送信すべきか否かを判断し、必要に応じて印刷データを送信する動作を行うようになっている。
【0047】
次に、図5を参照して、実施の形態2による印刷装置400の動作である制御部401が実施するキャリブレーション制御タスクの処理内容について説明する。なお、図5は、図4に示す制御部が実施するキャリブレーション制御タスクの処理プログラムの一例を示すフローチャートである。ここで、タイマー時間TIME1は、印刷データの入力または操作入力が無くなってから計算機420に予告信号を送信するまでの時間である。また、タイマー時間TIME2は、計算機420に予告信号を送信してからキャリブレーションモードに移行するまでの時間である。これらのタイマー時間を計算機420が管理する場合は、計算機420は、制御データに含める。また、ユーザーは、操作部106からこれらのタイマー時間を設定入力することができる。
【0048】
図5において、制御部401は、上記のように計算機420またはユーザーが設定したタイマー時間TIME1をタイマー104に設定して計時動作をスタートさせ(ステップ501)、タイマー104からタイムアウトの通知が来るのを監視し(ステップ505)、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ505:No)、入出力部101の入力部が計算機420から印刷データを受信するか否か、または、ユーザーが操作部106を操作するか否かを調べる(ステップ502)。
【0049】
その結果、印刷データの入力または操作入力があった場合(ステップ502:Yes)には、制御部401は、タイマー104をリセットし、改めてタイマー104にタイマー時間TIME1を設定して計時動作を再スタートさせ(ステップ503)、入出力部101の入力部が受信した印刷データまたは操作部106からの入力情報を通常処理タスク201に渡し(ステップ504)、ステップ502に戻る。
【0050】
一方、印刷データの入力または操作入力が無い状態(ステップ502:No)がタイマー時間TIME1内継続し(ステップ505:No)、タイマー104からタイムアウトの通知があると(ステップ505:Yes)、制御部401は、キャリブレーションモードへの移行を予告する信号を生成し、入出力部101の出力部から計算機420に送信させ、計算機420にキャリブレーションモードに入ることを予告する(ステップ506)。なお、この場合に、実施の形態1と同様に、ブザー105を起動して鳴動音を発生させ、ユーザーにもキャリブレーションモードに入ることを予告するようにしてもよい。
【0051】
そして、制御部401は、タイマー104をリセットし、上記のように計算機420またはユーザーが設定したタイマー時間TIME2を設定し、次の計時動作をスタートさせ(ステップ507)、タイマー104からタイムアウトの通知が来るのを監視し(ステップ509)、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ509:No)、印刷データが入力するか否かを調べる(ステップ508)。なお、上記のように、ユーザーにも予告する場合は、このステップ508では、操作入力の有無も調べる。
【0052】
その結果、印刷データの入力または操作入力があった場合(ステップ508:Yes)、制御部401は、タイマー104をリセットし、改めてタイマー104にタイマー時間TIME1を設定して計時動作を再スタートさせ(ステップ503)、入出力部101の入力部が受信した印刷データまたは操作入力の情報を通常処理タスク201に渡し(ステップ504)、ステップ502に戻る。
【0053】
一方、印刷データの入力または操作入力が無い状態(ステップ508:No)がタイマー時間TIME2内継続し(ステップ509:No)、タイマー104からタイムアウトの通知があると(ステップ509:Yes)、制御部401は、キャリブレーションモード(ステップ510、S511)に移行する。
【0054】
キャリブレーションモードでは、制御部401は、キャリブレーション制御タスク202に従ってエンジン部103に起動指示を出し、キャリブレーションを起動する(ステップ510。並行して、表示部402の表示をキャリブレーションモード用に切り替える(ステップ511)。なお、キャリブレーションが起動されている間は、通常印刷はできない。
【0055】
制御部401は、キャリブレーションモード(ステップ510、S511)の実行中において、エンジン部103からのキャリブレーション終了通知有無を監視している(ステップ512)。そして、制御部401は、キャリブレーションモード(ステップ510)の実行中にエンジン部103からキャリブレーション終了通知を受信すると(ステップ512:Yes)、エンジン部103に停止指示を出してキャリブレーション動作を停止させ(ステップ513)、表示部402の表示を通常処理モード用に切り替え(ステップ514)、ステップ503に進む。
【0056】
キャリブレーション動作の停止及び表示が通常処理モード用表示の戻ったことで、キャリブレーションモードを終了し、印刷動作という通常処理が再開される。実施の形態1と同様に、キャリブレーション制御タスク202から通常処理タスク201へと移行することになる。
【0057】
以上説明したように、実施の形態2によれば、一定時間内に、計算機から印刷データの入力が無かった場合に、或いは、ユーザーが操作部から操作入力をしなかった場合に、計算機にキャリブレーションモードに入ることを予告し、さらに、一定時間内印刷データの入力、或いは、操作入力が無かった場合に、初めてキャリブレーションを実行し、表示をキャリブレーションモード用に切り替えるようにした。
【0058】
したがって、印刷データ供給装置である計算機では、キャリブレーションモードに移行されては困る状況下では、キャリブレーションモード予告がされた直後に、直ちに印刷データの送信を行うことで、キャリブレーションモードに移行するのを阻止することができる。つまり、通常の印刷処理を中断することなく継続することが可能となり、ユーザーが印刷しようとしたときにキャリブレーションモードに入ってしまい、印刷に時間が掛かってしまう事態を減らすことができる。また、計算機への予告と並行してユーザーにも報知することができるので、より確実にユーザーの注意を喚起することができる。
【0059】
また、図4に示す他の印刷装置も実施の形態2による印刷装置と同様の構成とすることができるので、印刷データ供給装置である計算機は、印刷システムにおける各印刷装置においてキャリブレーションモードに移行されては困る状況下では、キャリブレーションモードに移行するのを阻止することができる。
【0060】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3による印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図である。なお、図6では、図4(実施の形態2)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
【0061】
図6に示すように、この実施の形態3による印刷装置600を含む印刷システムは、通信媒体としてのネットワーク(例えばイーサネット(登録商標))625を介して、印刷データ供給装置である計算機620と、この実施の形態3による印刷装置600及びその他の印刷装置630,631とが相互にパケット通信を行うシステムである。
【0062】
なお、この実施の形態3による印刷装置600は、キャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置である。他の複数の印刷装置630,631は、同様にキャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置であってもよく、キャリブレーションを必要としない印刷装置であってもよい。他の複数の印刷装置630,631は、キャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置である場合には、印刷装置600と同様にこの実施の形態3による構成を採ることになる。
【0063】
この実施の形態3による印刷装置600は、図4(実施の形態2)に示した構成において、制御部401に代えて制御部601が設けられ、入出力部101に代えてネットワークインタフェース(ネットワークI/F)602が設けられている。
【0064】
ネットワークI/F602は、計算機620がネットワーク625上に送出する自印刷装置600宛てのパケット(印刷データ)を取り込み、それを制御部601に伝達するとともに、計算機620がネットワーク625に接続される全印刷装置宛てに送出するパケット(印刷データ)の総量であるネットワーク625上のトラフィック量、すなわち、単位時間当たりのフレーム数を制御部601の制御下に計測する。制御部601は、その計測値を読み出すことができる。
【0065】
この実施の形態3においても、制御部601にネットワークI/F602から入力されたパケット(印刷データ)は、図2に示したキャリブレーション制御タスク202を経由して通常処理タスク201に渡される。この場合に制御部601では、符号を代えたプログラムメモリ(ROM)601aに、図2に示したキャリブレーション制御タスク202として、例えば図7に示すような処理プログラムが格納されている。
【0066】
次に、図7を参照して、実施の形態3による印刷装置600の動作である制御部601が実施するキャリブレーション制御タスクの処理内容について説明する。なお、図7は、図6に示す制御部が実施するキャリブレーション制御タスクの処理プログラムの一例を示すフローチャートである。ここで、図7に示すタイマー時間TIME3は、印刷データの入力または操作入力が無くなってからフレーム数の取得・判定に至るまでの時間である。このタイマー時間TIMEを計算機620が管理する場合は、計算機620は、制御データに含める。また、ユーザーは、操作部106からタイマー時間TIMEを設定入力することができる。
【0067】
図7において、制御部601は、インタフェースI/F602のカウンタを初期化し(ステップ700)、上記のように計算機620またはユーザーが設定したタイマー時間TIME3をタイマー104に設定して計時動作をスタートさせ、並行して、フレーム数のカウントを開始させ(ステップ701)、タイマー104からタイムアウトの通知が来るのを監視し(ステップ703)、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ703:No)、インタフェースI/F602が計算機620から印刷データを受信するか否か、またはユーザーが操作部106を操作するか否かを調べる(ステップ702)。
【0068】
その結果、印刷データの入力または操作入力があった場合(ステップ702:Yes)には、制御部601は、ネットワークI/F602が受信した印刷データ、または、操作入力による入力情報を通常処理タスク201に渡し(ステップ711)、ステップ700に戻る。
【0069】
一方、印刷データの入力または操作入力が無い状態(ステップ702:No)がタイマー時間TIME3内継続し(ステップ703:No)、タイマー104からタイムアウトの通知があると(ステップ703:Yes)、制御部601は、インタフェースI/F602のカウンタ値(フレーム数)を読み取り(ステップ704)、読み取ったフレーム数とキャリブレーションモードへの移行許否を判断するしきい値Tとの大小関係を調べる(ステップ705)。
【0070】
その結果、フレーム数≧Tである場合(ステップ705:No)は、キャリブレーションモードへは移行せず、通常処理タスク(ステップ711)を経由してステップ700に戻るが、フレーム数<Tである場合(ステップ705:Yes)は、キャリブレーションモード(ステップ706,S707)に移行する。
【0071】
キャリブレーションモードでは、制御部601は、キャリブレーション制御タスク202に従ってエンジン部103に起動指示を出し、キャリブレーションを起動する(ステップ706)。並行して、表示部402の表示をキャリブレーションモード用に切り替える(ステップ707)。なお、キャリブレーションが起動されている間は、通常印刷はできない。
【0072】
制御部601は、キャリブレーションモード(ステップ706,707)に移行すると、エンジン部103からキャリブレーション終了通知が入力するのを待機し(ステップ708)、エンジン部103からキャリブレーション終了通知の入力があった場合(ステップ708:Yes)、制御部601は、エンジン部103に停止指示を出してキャリブレーション動作を停止させ(ステップ709)、並行して、表示部402の表示を通常処理モード用に切り替え(ステップ710)、通常処理タスク(ステップ711)を経由してステップ700に戻る。
【0073】
以上説明したように、実施の形態3によれば、ネットワーク上のトラフィック量、すなわち、単位時間当たりのフレーム数を計測し、一定時間内に、計算機から印刷データの入力が無かった場合に、或いは、ユーザーが操作部から操作入力をしなかった場合においてトラフィック量が一定値を下回った場合に、キャリブレーションモードに移行するようにした。
【0074】
したがって、印刷データ供給装置からの自印刷装置宛の印刷データ入力やユーザーによる操作が一定時間無い状態が継続しても、ネットワーク上のデータ転送が活発であるときは、キャリブレーションモードになることを抑止することができるので、印刷データ供給装置からの印刷データ入力の可能性が高いときには、不用意にキャリブレーションモードとなってしまうことを防止できる。
【0075】
そして、図6に示す他の印刷装置も実施の形態3による印刷装置と同様の構成とすることができるので、ネットワークに接続される各印刷装置において、印刷データ供給装置からの自印刷装置宛の印刷データ入力やユーザーによる操作が一定時間無い状態が継続しても、トラフィックの状況から印刷データ供給装置からの印刷データ入力の可能性が高いときには不用意にキャリブレーションモードとなってしまうことを防止できるので、印刷開始までの時間を短縮することが可能となる。
【0076】
さらに、全ての印刷装置が一斉に印刷実行不可の状態である「キャリブレーションモード」に陥ることを抑止できるので、ユーザーに無駄な待ち時間を生じさせるのを防ぐことができる。
【0077】
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4による印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図である。なお、図8では、図6(実施の形態3)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
【0078】
図8に示すように、この実施の形態4による印刷装置800を含む印刷システムは、通信媒体としてのネットワーク(例えばイーサネット(登録商標))625を介して、印刷データ供給装置である計算機820と、印刷装置800及びその他の印刷装置830,831とが相互にパケット通信を行うシステムである。この実施の形態4では、他の複数の印刷装置830,831は、印刷装置800と同様にキャリブレーションを必要とする電子写真方式の印刷装置であり、それぞれ、印刷装置800と同様にこの実施の形態4による構成を有している。また、この実施の形態4では、印刷装置間で印刷データの送受信が行われる。
【0079】
この実施の形態4による印刷装置800は、図6(実施の形態3)に示した構成において制御部601に代えて制御部801が設けられている。この実施の形態4においても、制御部801にネットワークI/F602から入力されたパケット(印刷データ)は、図2に示したキャリブレーション制御タスク202を経由して通常処理タスク201に渡される。
【0080】
図9は、図8に示す制御部が実施するキャリブレーション制御タスクの構成と動作順序を説明するフローチャートである。図9に示すように、制御部801が実施するキャリブレーション制御タスクでは、通常処理モード時の処理(ステップ901)とキャリブレーションモード時の処理(ステップ902)とがこの順に繰り返し行われる。この場合に制御部801では、符号を代えたプログラムメモリ(ROM)801aに、図2に示したキャリブレーション制御タスク202として、例えば図10〜図12に示すような処理プログラムが格納されている。
【0081】
なお、図10は、図9に示す通常処理モード時の処理プログラムの一例を示すフローチャートである。図11は、図9に示すキャリブレーション時の処理プログラムの一例を示すフローチャートである。図12は、図10と図11に示す印刷データ入力時の処理プログラムの一例を示すフローチャートである。
【0082】
以下、図10〜図12を参照して実施の形態4による印刷装置800の動作である制御部801が実施するキャリブレーション制御タスクの処理内容について説明する。
【0083】
まず、図10を参照して、図9に示す通常処理モード時の処理(ステップ901)について説明する。ここで、図10に示すタイマー時間TIME4は、印刷データの入力または操作入力が無くなってから他の印刷装置に対して実行するフレーム問い合わせ処理に移行するまでの時間である。また、図10に示すタイマー時間TIME5は、フレーム問い合わせ処理において他の印刷装置からの応答フレームの受信を待機する最大許容時間である。これらのタイマー時間を計算機820が管理する場合には、計算機820は制御データに含める。また、ユーザーは操作部106からこれらのタイマー時間を設定入力することができる。タイマー時間TIME4,TIME5は、同じ値でもよく、異なる値でもよい。
【0084】
図10において、当該印刷装置800が「通常処理モード(処理中モード)」または「データ入力待ちモード」である場合に、制御部801は、上記のように計算機820またはユーザーが設定したタイマー時間TIME4をタイマー104に設定して計時動作をスタートさせ(ステップ1001)、タイマー104からタイムアウトの通知が来るのを監視し(ステップ1009)、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ1009:No)、インタフェースI/F602が印刷データを受信するか否か、または、ユーザーが操作部106を操作するか否か(ステップ1002)と、他の印刷装置から「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」を受信するか否か(ステップ1005)とを並行して調べる。
【0085】
その結果、印刷データの入力または操作入力があった場合(ステップ1002:Yes)には、「キャリブレーションモード」への移行条件が不成立であるので、制御部801は、タイマー104をリセットして再度タイマー時間TIME4をセットし計時動作を再スタートさせる(ステップ1003)。そして、印刷データ入力時の処理(ステップ1004)を実行してステップ1002に戻る。印刷データ入力時の処理(ステップ1004)では、図12に示すように、ネットワークI/F602が受信した印刷データを通常処理タスク201に渡す他に、各種の処理が行われる。また、操作入力があった場合は、その入力情報を通常処理タスク201に渡す。通常処理タスク201では対応する処理が行われる。
【0086】
また、他の印刷装置から「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」を受信した場合(ステップ1005:Yes)は、制御部801は、現在通常処理タスク201が「印刷処理中モード」であるか否かを調べる(ステップ1006)。
【0087】
その結果、通常処理タスク201が「印刷処理中モード」の場合(ステップ1006:Yes)には、制御部801は、現在、「キャリブレーションモード」ではなく、「印刷処理中モード」であることを示す「応答フレーム」を作成し、ネットワークI/F602から「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」の送信元に対して送信させ(ステップ1007)、ステップ1002に戻る。
【0088】
また、通常処理タスク201が「印刷処理中モード」でない場合(ステップ1006:No)には、制御部801は、「データ入力待ちモード」であることを示す「応答フレーム」を作成し、ネットワークI/F602から「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」の送信元に対して送信させ(ステップ1008)、ステップ1002に戻る。
【0089】
一方、印刷データの入力または操作入力が無い状態(ステップ1002:No)と、「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」受信が無い状態(ステップ1005:No)とがタイマー時間TIME4内継続し(ステップ1009:No)、タイマー104からタイムアウトの通知があると(ステップ1009:Yes)、制御部801は、「キャリブレーションモード」に移行するのではなく、「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」を生成し、ネットワークI/F602からネットワークに接続されている例えば全ての印刷装置宛にブロードキャスト送信させる(ステップ1010)。
【0090】
そして、制御部801は、タイマー104にタイマー時間TIME5を設定して計時動作をスタートさせ(ステップ1011)、タイマー104からタイムアウトの通知が来るのを監視し(ステップ1014)、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ1014:No)、「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」に対する「応答フレーム」の受信があるか否かを調べる(ステップ1012)。
【0091】
タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前(ステップ1014:No)に応答フレームを受信すると(ステップ1012:Yes)、制御部801は、受信した「応答フレーム」の内容が「印刷処理中モード」または「データフレーム入力待ちモード」であるか否かを調べる(ステップ1013)。
【0092】
その結果、受信した「応答フレーム」の内容が「印刷処理中モード」または「データ入力待ちモード」である場合(ステップ1013:Yes)は、ネットワーク625に接続された他の印刷装置のうち少なくとも1台は、即座に印刷処理が可能な状態にあることが判明したので、当該印刷装置800の制御部801では、次のキャリブレーションモード時の処理(図11)に移行すべく、本通常処理モード時の処理を終了する。
【0093】
一方、「応答フレーム」を受信しない状態(ステップ1012:No)がタイマー時間TIME5内継続し(ステップ1014:No)、タイマー104からタイムアウトの通知があると(ステップ1014:Yes)、ステップ1001に戻り、本通常処理モード時の処理をやり直す。
【0094】
また、「応答フレーム」は受信した(ステップ1012:Yes)が、その内容が「印刷処理中モード」または「データ入力待ちモード」でなく(ステップ1013:No)、タイマー時間TIME5を経過し、タイマー104からタイムアウトの通知があると(ステップ1014:Yes)、同様に、ステップ1001に戻り、本通常処理モード時の処理をやり直す。
【0095】
なお、「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」を他の印刷装置に送信する方法は、ブロードキャスト送信である必要はなく、その他、例えばそれぞれの印刷装置に個別に送信して動作状態を問い合わせるようにしてもよい。
【0096】
このように、本通常処理モード時の処理(ステップ901)では、当該印刷装置800が所定時間の間、印刷データ受信、或いは、操作入力の無い状態にある場合に、直ぐにキャリブレーションモードに移行するのではなく、ネットワーク625に接続された他の印刷装置(830,831等)の動作状態(「印刷処理中モード」「データフレーム入力待ちモード」「キャリブレーションモード」)を調べ、「印刷処理中モード」または「データ入力待ちモード」にある印刷装置、つまり即座に印刷処理が実行可能な印刷装置がネットワーク625上に存在する場合にのみ、本通常処理モード時の処理を終了し、即座に印刷処理が実行可能な印刷装置がネットワーク625上に存在しない場合は、本通常処理モード時の処理を続行するように制御する。
【0097】
つまり、ある1つの印刷装置において、印刷データ受信、或いは、操作入力の無い状態が継続してキャリブレーションモードに入るとしても、ネットワーク625に接続されている他の印刷装置の動作状態を確認してから移行する措置を採るので、ネットワーク625に接続されている全印刷装置がキャリブレーションモードになってしまう事態を抑止することができ、急いで印刷する必要が発生しても、迅速に対応することができるようになる。
【0098】
次に、図11を参照して、図9に示すキャリブレーションモード時の処理(ステップ902)について説明する。図11に示すキャリブレーションモード時の処理は、上記したように、ネットワーク625に接続されている全印刷装置のうち、少なくとも1台の印刷装置は、即座に印刷処理が実行可能な状態にある状況下で実行される。
【0099】
図11において、制御部801は、エンジン部103に指示を出してキャリブレーションを起動する(S1101)。並行して、制御部801は、表示部402に指示を出して表示をキャリブレーションモード用に切り替える(ステップ1102)。なお、キャリブレーションが実行されている間は印刷できない。
【0100】
そして、制御部801は、エンジン部103からキャリブレーション終了通知を受信するか否か(ステップ1103)と、他の印刷装置から「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」を受信するか否か(ステップ1107)とを並行して調べる。
【0101】
その結果、エンジン部103からキャリブレーション終了通知を受信した場合(ステップ1103:Yes)には、制御部801は、エンジン部103に指示を出してキャリブレーション動作を停止させる(ステップ1104)と共に、表示部402に指示を出して表示を通常処理モード用に戻し(ステップ1105)、印刷データ入力時の処理を実行し(ステップ1106)、本キャリブレーションモード時の処理を終了する。その後は、通常処理タスク201による印刷動作が再開され、図10に示す通常処理モード時の処理に戻る。
【0102】
なお、印刷データ入力時の処理(ステップ1106)では、通常処理タスク201の下で、図12に示すよう各種の処理が行われる。これについては後述する。
【0103】
そして、未だエンジン部103からキャリブレーション終了通知が無く、他の印刷装置から「起動フレーム」の受信も無く(ステップ1105:No)、他の印刷装置から「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」を受信しない場合(ステップ1107:No)は、ステップ1103に戻る。
【0104】
一方、未だエンジン部103からキャリブレーション終了通知は無い(ステップ1103:No)が、他の印刷装置から「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」を受信した場合(ステップ1107:Yes)は、制御部801は、「キャリブレーションモード」であることを示す「応答フレーム」を生成し、それを受信した「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」の送信元に対しネットワークI/F602から送信させ(ステップ1108)、ステップ1103に戻る。
【0105】
次に、図12を参照して、図10と図11に示す印刷データ入力時の処理について説明する。なお、図12に示す「ADDRESS」は、制御部801が現在「データ入力待ちモード」である印刷装置のネットワークアドレスを記憶しておくためのテーブルである。
【0106】
図12において、制御部801は、ネットワークI/F602が受信した印刷データを通常処理タスク201に渡すとともに(ステップ1201)、「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」を生成し、それをネットワークI/F602から例えばブロードキャスト送信或いはマルチキャスト送信させる(ステップ1202)。
【0107】
そして、制御部801は、タイマー104にタイマー時間TIME6を設定して計時動作をスタートさせ(ステップ1203)、また「ADDRESS」に「自印刷措置のネットワークアドレス」を代入して初期化し(ステップ1204)、タイマー104からタイムアウトの通知が来るのを監視し(ステップ1208)、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ1208:No)応答フレームの受信があるか否かを調べる(ステップ1205)。
【0108】
制御部801は、タイマー104からタイムアウトの通知が来る以前に(ステップ1208:No)応答フレームを受信すると(ステップ1205:Yes)、その内容が「データ入力待ちモード」であるか否か(ステップ1206)を調べる。
【0109】
受信した「応答フレーム」の内容が「データ入力待ちモード」である場合(ステップ1206:Yes)は、制御部801は、その受信した「応答フレーム」の送信元のアドレスを「ADDRESS」に格納して、ステップ1208に進む。
【0110】
一方、受信した「応答フレーム」の内容が「データ入力待ちモード」で無い場合(ステップ1206:No)は、制御部801は、直接ステップ1208に進む。
【0111】
制御部801は、タイマー104からタイムアウトの通知が来ると(ステップ1208:Yes)、「ADDRESS」に記載の各々の印刷装置に対して印刷データを分散して送信し、分散印刷処理を実行する(ステップ1209)。なお、分散印刷処理の実行に関しては、公知であり、本発明の課題とは直接関係が無いので、その説明を省略する。
【0112】
このように、本印刷データ入力時の処理(ステップ1004、S1106)では、ネットワーク625から印刷データが入力する場合には、自印刷装置にて印刷処理を行うとともに、ネットワーク625上で「データ入力待ちモード」にある他の印刷装置に対し印刷データを適当に分散させて渡すことによって印刷処理を行わせることができる。したがって、例えば、印刷データが大量にあっても、ネットワーク625に接続されている多くの印刷装置を用いて、この大量印刷データを分散して処理することができるようになる。
【0113】
ネットワーク625上の各印刷装置が以上のように動作するので、ネットワーク625上では、印刷が行われないと、少なくとも一台はキャリブレーションモードにならないがキャリブレーションモードの印刷装置が増えていく。そして、印刷が行われると、キャリブレーションモードの印刷装置の数が減っていくように制御されることになる。
【0114】
なお、印刷データ供給装置である計算機820においても、同様に、印刷データを送信しようとするときに、「キャリブレーションモード問い合わせフレーム」をブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信すれば、即座に印刷実行可能な印刷装置を知ることができる。したがって、計算機820では、即座に印刷実行可能な印刷装置を自動的に選択して印刷データを送信することができるようになる。
【0115】
以上説明したように、実施の形態4によれば、一定時間内、印刷データの入力が無い場合に、または、ユーザーによる操作入力が無い場合に、他の印刷装置に対して「キャリブレーションモード」であるか否かを問い合わせるフレームをネットワーク上にブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信し、該問い合わせフレームに対する応答フレームの内容から、ネットワーク上に「キャリブレーションモード」ではない、すなわち、「通常処理モード」である印刷装置(即座に印刷実行可能な印刷装置)が一台以上存在することが分かった場合にのみ、自印刷装置では「キャリブレーションモード」を起動し、表示をキャリブレーションモード用に切り替えて、キャリブレーションモードに移行することにした。
【0116】
したがって、ネットワーク上の全印刷装置が「キャリブレーションモード」になってしまうのを抑止して、ネットワーク上には、「通常処理モード」である印刷装置が必ず1台以上存在するように制御することができるので、ユーザーや印刷データ供給装置による印刷が長時間できないという事態の発生を有効に回避することができる。この場合、印刷データ供給装置では、即座に印刷実行可能な印刷装置を選択して、何時でも直ぐに印刷を実行することができる。
【0117】
したがって、印刷データが大量にあっても、ネットワークに接続されている多くの印刷装置を用いて、この大量印刷データを分散して処理することができ、全体としての印刷効率の向上が図れるという優れた効果が得られる。
【0118】
なお、実施の形態1,2では、データ供給装置である計算機と複数の印刷装置とを接続する形態として通信媒体としているが、これは通信路を物理的に形成する手段を意味している。つまり、実施の形態1,2では、自印刷装置内で行われる制御であるので、データ供給装置である計算機と複数の印刷装置とを接続する形態は、実施の形態3,4とは異なり、不問であり、データバスでもよく、ネットワークなどでもよい。
【0119】
また、実施の形態3,4では、ネットワークの形態として、イーサネット(登録商標)のようなバス型ネットワークを示したが、その他、例えばリング状ネットワークでもよい。要するに、実施の形態3,4が適用される印刷システムは、印刷データ供給装置と各印刷装置とが所定の制御手順でパケットデータの交換を行うシステムであり、そこでのネットワーク形態は不問である。
【産業上の利用可能性】
【0120】
以上のように、この発明にかかる印刷装置及び制御方法、印刷システムは、濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、その印刷不可処理の開始タイミングを印刷のスループットを低下させないように制御するのに有用である。
【0121】
また、この発明にかかる印刷システムは、濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする印刷装置が複数存在する場合に、印刷データ供給装置が「即座に印刷実行可能な印刷装置」に対して確実に印刷データを送信できるようにするのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施の形態1による印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図
【図2】図1に示す制御部が実施する処理内容を説明する図
【図3】図2に示すキャリブレーション制御タスクの処理プログラムの一例を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2による印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図
【図5】図4に示す制御部が実施するキャリブレーション制御タスクの処理プログラムの一例を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態3による印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図
【図7】図6に示す制御部が実施するキャリブレーション制御タスクの処理プログラムの一例を示すフローチャート
【図8】この発明の実施の形態4による印刷装置を含む印刷システムの構成を示すブロック図
【図9】図8に示す制御部が実施するキャリブレーション制御タスクの構成と動作順序を説明するフローチャート
【図10】図9に示す通常処理モード時の処理プログラムの一例を示すフローチャート
【図11】図9に示すキャリブレーション時の処理プログラムの一例を示すフローチャート
【図12】図10と図11に示す印刷データ入力時の処理プログラムの一例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0123】
100,400,600,800 印刷装置
101 入出力部
102,401,601,801 制御部
102a,401a,601a,801a プログラムメモリ(ROM)
102b ワーキングメモリ(RAM)
103 エンジン部
104 タイマー
105 ブザー
106 操作部
120,420,620,820 計算機(印刷データ供給装置)
125 通信媒体
130,131,630,631,830,831 他の印刷装置
201 通常処理タスク
202 キャリブレーション制御タスク
402 表示部
602 ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)
625 ネットワーク(イーサネット(登録商標))

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データを送信する印刷データ供給装置に接続される1以上の印刷装置のうち少なくとも1つの印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、
第1の一定時間内に前記印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、ユーザーに対して前記印刷不可処理に移行する旨の報知を行い、その後の第2の一定時間内に前記印刷データの入力または前記操作入力が無い場合に、前記印刷不可処理を起動する制御手段を備えていることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
印刷データを送信する印刷データ供給装置に接続される1以上の印刷装置のうち少なくとも1つの印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、
第1の一定時間内に前記印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、前記印刷データ供給装置に対して前記印刷不可処理に移行する旨を通知する予告送信を行い、その後の第2の一定時間内に前記印刷データの入力または前記操作入力が無い場合に、前記印刷不可処理を起動する制御手段を備えていることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記予告送信を行う際に、ユーザーに対して前記印刷不可処理に移行する旨の報知を行うことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
印刷データを送信する印刷データ供給装置にネットワークを介して接続される1以上の印刷装置のうち少なくとも1つの印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、
前記ネットワークのトラフィック量を計測する計測手段と、
一定時間内に前記印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、当該一定時間内における前記トラフィック総量が前記印刷不可処理への移行許否を判断する閾値を超えないときに前記印刷不可処理を起動する制御手段とを備えていることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
印刷データを送信する印刷データ供給装置にネットワークを介して接続される複数の印刷装置がそれぞれ濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、
前記印刷装置は、
一定時間内に前記ネットワークから印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、他の印刷装置に対して動作状態を問い合わせる送信を行い、受信した応答の内容から通常の印刷処理を実行できる動作状態にある印刷装置が存在する場合に、前記印刷不可処理を起動する制御手段と、
他の印刷装置から前記動作状態を問い合わせる送信を受信したとき、自印刷装置の動作状態を調べ、前記通常の印刷処理を実行できる動作状態にあるか、前記印刷不可処理の実行中であるかを前記応答の内容として送信する応答手段と
を備えていることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
印刷データを送信する印刷データ供給装置に接続される1以上の印刷装置のうち少なくとも1つの印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、制御工程として、
第1の一定時間内に前記印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合にユーザーに対して前記印刷不可処理に移行する旨の報知を行う工程と、
その後の第2の一定時間内に前記印刷データの入力または前記操作入力が無い場合に、前記印刷不可処理を起動する工程とを含むことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項7】
印刷データを送信する印刷データ供給装置に通信媒体を介して接続される1以上の印刷装置のうち少なくとも1つの印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、制御工程として、
第1の一定時間内に前記印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、前記印刷データ供給装置に対して前記印刷不可処理に移行する旨を通知する予告送信を行う工程と、
その後の第2の一定時間内に前記印刷データの入力または前記操作入力が無い場合に、前記印刷不可処理を起動する工程と
を含むことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項8】
前記制御工程は、前記予告送信を行う際に、ユーザーに対して前記印刷不可処理に移行する旨の報知を行う工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項9】
印刷データを送信する印刷データ供給装置にネットワークを介して接続される1以上の印刷装置のうち少なくとも1つの印刷装置が濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、制御工程として、
前記ネットワークのトラフィック量を計測する工程と、
一定時間内に印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合において当該一定時間内における前記トラフィック総量が前記印刷不可処理への移行許否を判断する閾値を超えないときに前記印刷不可処理を起動する工程とを含むことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項10】
印刷データを送信する印刷データ供給装置にネットワークを介して接続される複数の印刷装置がそれぞれ濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする場合に、
前記印刷装置は、
一定時間内に前記ネットワークから印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、他の印刷装置に対して動作状態を問い合わせる送信を行い、受信した応答の内容から通常の印刷処理を実行できる動作状態にある印刷装置が存在する場合に前記印刷不可処理を起動する制御工程と、
他の印刷装置から前記動作状態を問い合わせる送信を受信したとき、自印刷装置の動作状態を調べ、前記通常の印刷処理を実行できる動作状態にあるか、前記印刷不可処理の実行中であるかを前記応答の内容として送信する応答工程とを含むことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項11】
印刷データを送信する印刷データ供給装置と、濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする少なくとも1つの印刷装置を含む1以上の印刷装置とが接続される印刷システムにおいて、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、
第1の一定時間内に前記印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、ユーザーに対して前記印刷不可処理に移行する旨の報知を行い、その後の第2の一定時間内に前記印刷データの入力または前記操作入力が無い場合に、前記印刷不可処理を起動する手段を備えていることを特徴とする印刷システム。
【請求項12】
印刷データを送信する印刷データ供給装置と、濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする少なくとも1つの印刷装置を含む1以上の印刷装置とが接続される印刷システムにおいて、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、
第1の一定時間内に前記印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、前記印刷データ供給装置に対して前記印刷不可処理に移行する旨を通知する予告送信を行い、その後の第2の一定時間内に前記印刷データの入力または前記操作入力が無い場合に、前記印刷不可処理を起動する手段を備え、
前記印刷データ供給装置は、印刷データの送信を休止している期間内に前記予告送信を受信したとき、必要に応じて当該予告送信を行った印刷装置以外の印刷装置宛てに印刷データの送信を行う手段を備えていることを特徴とする印刷システム。
【請求項13】
前記印刷装置は、前記予告送信を行う際に、ユーザーに対して前記印刷不可処理に移行する旨の報知を行うことを特徴とする請求項12に記載の印刷システム。
【請求項14】
印刷データを送信する印刷データ供給装置と、濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする少なくとも1つの印刷装置を含む1以上の印刷装置とがネットワークを介して接続される印刷システムにおいて、
前記印刷不可処理を必要とする印刷装置は、
前記ネットワークのトラフィック量を計測する計測手段と、
一定時間内に前記印刷データ供給装置から印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、当該一定時間内における前記トラフィック総量が前記印刷不可処理への移行許否を判断する閾値を超えないときに前記印刷不可処理を起動する制御手段とを備えていることを特徴とする印刷システム。
【請求項15】
印刷データを送信する印刷データ供給装置と、それぞれ濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする複数の印刷装置とがネットワークを介して接続される印刷システムにおいて、
前記印刷装置は、
一定時間内に前記ネットワークから印刷データの入力またはユーザーによる操作入力が無い場合に、他の印刷装置に対して動作状態を問い合わせる送信を行い、受信した応答の内容から通常の印刷処理を実行できる動作状態にある印刷装置が存在する場合に、前記印刷不可処理を起動する制御手段と、
他の印刷装置から前記動作状態を問い合わせる送信を受信したとき、自印刷装置の動作状態を調べ、前記通常の印刷処理を実行できる動作状態にあるか、前記印刷不可処理の実行中であるかを前記応答の内容として送信する応答手段とを備えていることを特徴とする印刷システム。
【請求項16】
印刷データを送信する印刷データ供給装置と、濃度レベル補正のためのキャリブレーションのような通常の印刷処理を実行できなくする印刷不可処理を必要とする複数の印刷装置とがネットワークを介して接続される印刷システムにおいて、
前記印刷データ供給装置は、
各印刷装置に対して動作状態を問い合わせる送信を行い、受信した応答の内容から通常の印刷処理を実行できる動作状態にある印刷装置を選択して印刷データの送信を行う手段を備え、
前記複数の印刷装置は、それぞれ、
前記印刷データ供給装置から前記動作状態を問い合わせる送信を受信したとき、自印刷装置の動作状態を調べ、前記通常の印刷処理を実行できる動作状態にあるか、前記印刷不可処理の実行中であるかを前記応答の内容として送信する手段を備えていることを特徴とする印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−210148(P2007−210148A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−30809(P2006−30809)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】