印刷装置
【課題】MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮して、MICRライン(MICRフォント)の位置を、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に自動調整できる印刷装置を提供する。
【解決手段】MICRライン読取装置が読取可能なMICRラインの印刷位置を決定する印刷装置であって、所定の用紙に印字されたMICRラインをMICRライン読取装置が読取可能な基準位置情報を記憶した記憶手段と、所定の入力装置を介して入力された印刷用データを印刷するときの印刷時MICRラインの印刷位置と、記憶手段に記憶している基準位置情報とを比較する比較手段と、比較手段による比較の結果に応じた印刷時MICRラインの印刷位置を決定する決定手段と、を備える。
【解決手段】MICRライン読取装置が読取可能なMICRラインの印刷位置を決定する印刷装置であって、所定の用紙に印字されたMICRラインをMICRライン読取装置が読取可能な基準位置情報を記憶した記憶手段と、所定の入力装置を介して入力された印刷用データを印刷するときの印刷時MICRラインの印刷位置と、記憶手段に記憶している基準位置情報とを比較する比較手段と、比較手段による比較の結果に応じた印刷時MICRラインの印刷位置を決定する決定手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊な磁性体トナーを用いて特殊なフォントを印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば手形や小切手などの金券に対して、特殊なフォントを、特殊な磁性体トナーを用いて印刷するMICR(Magnetic Ink Character Recognition)印刷を行う印刷装置がある。MICR印刷では、例えば小切手などに対し、印刷時間情報、ID、口座番号などの情報が、特殊なフォントであるMICRフォントで印字される。この印字では、特殊な磁性体トナーであるMICRトナーが使用される。MICRフォントとMICRトナーにより印字される文字列は、MICRラインと呼ばれる。小切手におけるMICRラインの印字例を図13に示す。図13に示すようなMICRラインは、MICR Reader/Sorter(MICRライン読取装置)で自動認識され、チェック上のアカウント情報をHost側に通知する。MICRライン読取装置で正しく認識される必要があるため、品質基準は、American Bankers Association, APACSとANSIのCommitteesに記載されている。小切手として成立する条件は以下の3点である。
1.トナー :磁性体トナー(=MICRトナー)
2.フォント:特殊なフォント(=MICRフォント)
3.紙 :小切手用紙
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
MICRラインから、印刷時間情報、ID、口座番号などの情報を、MICRライン読取装置で正確に読み取れることが要求されている。そのため、MICRラインは、所定の位置(全ての小切手に共通の位置)に印刷される必要がある。MICRラインの位置が少しでもずれていると正確な読み取りが行われず、読み取りエラーが発生し、小切手として使えなくなる。
【0004】
その一方で、印刷装置においては、同じ機種であっても、各個体(機体)で印刷に係る値(パラメータ)が異なり、個体差があるのが一般的である。この個体差は、例えば、印刷装置を構成するハードウェア自体(転写ベルトなど)の差に起因する。レジスト位置をずらす原因の全てが該当する。よって、MICRラインの印刷位置は、印刷装置によってずれが生じてしまう。
【0005】
しかし、今までのMICR印刷が可能な印刷装置では、MICRラインのみ印刷位置を変えて印刷することはできても、「印刷装置毎のずれを考慮して、MICRライン読取装置で正確に読み取れる位置にMICRライン(MICRフォント)を印刷することができない」という問題があった。そのため、現状においては、ユーザが、MICRラインの印刷位置の補正作業を手作業で行う必要があった。この補正作業の例として、ユーザは、定規などを用いて手作業でMICRラインの位置ずれを測定し、測定した位置ずれを考慮して、印刷装置の操作パネルから印刷位置を調整(PCLコマンド)する必要があった。このような手作業による補正作業は、ユーザにとっては大変面倒であった。また、手作業による位置ずれの測定のため、測定間違いが起こると、何度も位置を調整することになり、手間が掛かった。
【0006】
なお、特許文献1には、読み取りエラーが発生するようなMICRラインの印字過程で生じた用紙状態に起因する「桁間ピッチの不良」を自動調整する目的で、下記の処理内容(1)〜(4)が開示されている。
(1)MICRラインを用紙に印字した後に、後処理装置が用紙から印字済みのMICR文字を読み取って読取エラーを検出する。
(2)上記(1)の後処理時において、この読取エラーの分布状態を解析する。
(3)局部的に読取エラーが集中している集中箇所が存在していれば、MICRラインの印字過程で生じた用紙状態に起因する桁間ピッチの不良に伴う読取エラーであると判別する。
(4)上記(3)の集中箇所に対応して、設定されている桁間ピッチ設定メモリの桁間ピッチを自動調整する。
【0007】
上記特許文献1の処理内容は、本発明とは確かに、MICRラインを自動調整する点では似ている点がある。しかし、上述した「印刷装置毎のずれを考慮して、MICRライン読取装置で正確に読み取れる位置にMICRライン(MICRフォント)を印刷することができない」という問題は解消できていない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮して、MICRライン(MICRフォント)の位置を、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に自動調整できる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明の印刷装置は、MICR(Magnetic Ink Character Recognition)ライン読取装置が読取可能なMICRラインの印刷位置を決定する印刷装置であって、所定の用紙に印字されたMICRラインをMICRライン読取装置が読取可能な基準位置情報を記憶した記憶手段と、所定の入力装置を介して入力された印刷用データを印刷するときの印刷時MICRラインの印刷位置と、記憶手段に記憶している基準位置情報とを比較する比較手段と、比較手段による比較の結果に応じた印刷時MICRラインの印刷位置を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の印刷装置において、比較手段は、基準位置情報と印刷時MICRラインの印刷位置との印刷位置の誤差に関する情報を算出することを特徴とする。
【0011】
本発明の印刷装置において、決定手段は、比較手段により算出された誤差に基づき、印刷時MICRラインの印刷開始位置を決定することを特徴とする。
【0012】
本発明の印刷装置において、比較手段で算出された誤差に関する情報を、他の印刷装置に設定可能に表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮し、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に、MICRライン(MICRフォント)の印刷位置を自動で調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態としての印刷装置における、MICRラインの印刷位置の決定動作の概要について説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態としての印刷装置に対してMICRジョブを投入するMICR専用システムを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態としての印刷装置の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態としての印刷装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態としての印刷装置における、準備段階の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態としての印刷装置における、MICR補正テスト印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態としての印刷装置における、テスト印刷の結果に基づいた位置調整値の算出の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態としての印刷装置における、位置調整値に基づいたMICR印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態としての印刷装置で使用される、MICR補正用シートの別の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態としての印刷装置における、テスト印刷の結果に基づいた位置調整値の算出の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態としての印刷装置における、テスト印刷の結果に基づいた位置調整値の算出の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態としての印刷装置における、位置調整値に基づいたMICR印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】小切手におけるMICRラインの印字例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。本実施形態の印刷装置は、MICRライン位置を決める処理に際して、下記の処理(1)〜(4)を行うことを特徴とする。
(1)MICR補正用シートに、印刷位置調整用MICRラインをテスト印刷する。
(2)上記(1)のテスト印刷の結果をスキャンすることにより、印刷位置調整用MICRラインがテスト印刷された位置と、予め印刷装置で持っているテンプレート画像(MICRラインの基準位置。MICRラインの理想的な印刷位置)を比較する。
(3)上記(2)の比較結果から、印刷装置毎に持つずれを算出する。
(4)次以降のMICR印刷は、MICR印刷のジョブデータ内に指定されているMICRラインの印刷位置に、上記(3)で求めたずれを加味し、最終的なMICRラインの印刷位置を決める。
【0016】
以上の処理により、本実施形態の印刷装置によれば、MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮し、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に、MICRライン(MICRフォント)の印刷位置を自動で調整することが可能となる。以下、上記本実施形態の特徴について、図面を用いて詳細に解説する。
【0017】
まず、図1を用いて、本実施形態の印刷装置における、MICRラインの印刷位置の決定動作の概要について説明する。
【0018】
ユーザ(例えばMICRシステムバイヤーや協業者)は、印刷装置(画像形成装置)の給紙トレイに、図1(a)に示すMICR補正用シートをセットする。MICR補正用シートは、右上、右下、左上、左下の4箇所に補正用目印が予め印刷されたものである。
【0019】
ユーザは、印刷装置にMICR補正テスト印刷ジョブ(本番の印刷ではなく、テストのMICR印刷)を投入する。印刷装置は、セットされたMICR補正用シートに対してMICR印刷を行う。これにより、図1(b)に示すように、補正用目印に囲まれた領域内に印刷位置調整用MICRラインが印刷されたMICR補正用シートが排紙される。
【0020】
ユーザは、印刷位置調整用MICRラインが印刷されたMICR補正用シートを印刷装置のスキャナ部に載せ、スキャンを行う。
【0021】
印刷装置は、スキャンした画像において、補正用目印の位置と、印刷位置調整用MICRラインとの位置を検知し、補正用目印の位置から印刷位置調整用MICRラインの位置までの距離yを算出する。ここで算出されるyは、例えば図1(c)に示す距離となる。
【0022】
印刷装置は、補正用目印の位置から理想的なMICRラインの位置までの距離a(基準位置情報の一例)を予め保持している。ここで保持されているaは、例えば図1(d)に示す距離である。印刷装置は、算出したyと、予め保持しているaとの差分を算出し、それを位置調整値Z(=a−y)として保持する。
【0023】
その後、ユーザにより印刷装置にMICRジョブ(テスト印刷ではなく、本番のMICR印刷)が投入されると、印刷装置は、ジョブデータで指定されたMICRラインの位置MY(例えば図1(e)参照)に、保持しておいた位置調整値Zを加味し、補正済みMICRラインの位置Y(例えば図1(f)参照)を算出する。補正済みMICRラインの位置Yは、例えば、MY+Zで算出される。
【0024】
以上のようにして、本実施形態によれば、印刷装置毎の個体差によるMICRラインの位置ずれを簡単に補正できる。
【0025】
MICR印刷を行うには、例えば図2に示すように、通常のプリンタのドライバではなく、MICR専用のシステム(入力装置の一例)が必要となる。図2の例では、このMICR専用システムに対して、MICR印刷に対応した画像形成装置(本実施形態の印刷装置)が複数接続されている。MICR専用システムから、各画像形成装置に対して、MICRジョブが投入(指示)される。その際、上述したように、ジョブデータにおいてMICRラインの位置(例えば図1(e)に示すMY)が指定される。
【0026】
図3は、本実施形態の印刷装置の基本構成図である。図3について以下に説明する。
【0027】
データ読取装置2は、テスト印刷された(印刷位置調整用MICRラインが印刷された)MICR補正用シートを読み取る装置(スキャナ部)である。これにより、補正用目印及び印刷位置調整用MICRラインの位置を読み取る。
【0028】
データ受信部3は、例えば図2に示すMICR専用システムから、ジョブデータ(ジョブの詳細を含むデータ。印刷用データの一例)を受信する装置である。通常の印刷ジョブについても、このデータ受信部3で受信される。
【0029】
出力制御部4は、後述する図4の機能ブロック図に示すソフトウェアで制御された動きを実施する装置である。通常の印刷ジョブについても、この出力制御部4で実施される。
【0030】
UI(User Interface)装置5(表示手段の一例)は、例えば操作パネルであり、ユーザからの設定指示などを受け付けたり、所定の情報をユーザに対して表示したりするための装置である。
【0031】
制御部6は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、印刷装置全体の制御を行うための装置である。
【0032】
メモリ7は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、画像データを展開、格納したり、制御部6が各種制御を行うときの作業領域として使用されたりする。
【0033】
記憶装置8は、後述する図4の機能ブロック図に示す記憶領域(例えばROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等)であり、固定的なデータ(制御プログラムも含む)が予め格納される。
【0034】
図4は、本実施形態の印刷装置の機能ブロック図である。図4について以下に説明する。なお、図4に示す「ソフトウェア」の各部は、図3に示す制御部6及びメモリ7によって実現され、図4に示す「記憶領域」は、図3に示す記憶装置8によって実現される。
【0035】
ジョブ制御部11は、ジョブデータで指定されたMICRジョブ(MICR印刷)を制御する部分である。通常の印刷ジョブも、このジョブ制御部11で制御される。
【0036】
MICR補正処理12(決定手段の一例)は、MICRラインの位置の補正処理を行う部分である。
【0037】
MICR印刷処理13は、MICRジョブを制御し、実際にMICR印刷を行う部分である。
【0038】
データ解析部10は、図3に示すデータ受信部3で受信されたジョブデータから、ユーザにより設定されたジョブの詳細を解析する部分である。ジョブの詳細としてジョブデータに含まれる内容としては、印刷の種類(MICR印刷か又は通常の印刷か)、印刷する画像(MICR印刷の場合はMICRラインの内容。例えば印刷時間情報、ID、口座番号など)、MICR印刷の場合におけるMICRラインの印刷位置等が挙げられる。
【0039】
データ読取部20(比較手段の一例)は、図3に示すデータ読取装置2で読み取られたMICR補正用シート(テスト印刷により印刷位置調整用MICRラインが印刷されたもの)の画像情報から、補正用目印の位置と、印刷位置調整用MICRラインの位置とを検知する。また、データ読取部20は、検知した補正用目印の位置から印刷位置調整用MICRラインの位置までの距離y(例えば図1(c)参照)を算出する。また、データ読取部20は、算出した距離yと、予め保持している距離a(補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離。例えば図1(d)参照)との差分を算出し、その算出した値を、後述するMICR位置調整値33として、記憶領域30に保存する。
【0040】
記憶領域30(記憶手段の一例)は、MICRフォント31、理想的MICRライン32、位置調整値33等の情報を保存する。MICRフォント31は、MICR印刷で印字に使用されるフォントである。理想的MICRライン32(基準位置情報の一例)は、例えば図1(d)のaに示すように、補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離である。理想的MICRライン32のその他の例として、用紙面の最下端から理想的なMICRラインまでの距離であってもよい。位置調整値33(誤差に関する情報の一例)は、印刷装置毎の個体差を考慮して、ジョブデータで指定されたMICRラインの位置を補正するための値である(例えば図1で説明したZ)。この位置調整値33は、データ読取部20で算出される値であり、例えば、予め記憶領域30に理想的MICRライン32として保持される「補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離」と、データ読取部20で算出される「補正用目印から印刷位置調整用MICRラインまでの距離」との差分となる。
【0041】
次に、本実施形態の印刷装置におけるMICR印刷の動作について説明する。この動作は、下記の4つのフェーズに分かれる。
(1)印刷装置における各種準備
(2)MICR補正テスト印刷の実施
(3)テスト印刷の結果に基づいた位置調整値の算出
(4)位置調整値に基づいたMICR印刷の実施
以下、(1)〜(4)のフェーズについてそれぞれフローチャートを用いて説明する。
【0042】
まず、(1)のフェーズについて図5を用いて説明する。ユーザ(例えば、MICRシステムバイヤー又は協業者)は、図2に示すように、MICR専用システムに対して、MICR印刷に対応した本実施形態の印刷装置を接続し、通信可能な状態にする。
【0043】
ユーザは、印刷装置において、MICR補正用シート(例えば図1(a)に示すもの)と、MICR印刷を行う用紙(例えば小切手用紙)とを給紙トレイにセットする(S1)。このとき、MICR補正用シートが最初に給紙されるようにセットする。
【0044】
次に、ユーザは、印刷装置において、MICR印刷に使用するためのMICRトナーをセットする(S2)。
【0045】
次に、ユーザは、印刷装置において、MICR印刷に使用するためのMICRフォントをインストールする(S3)。インストールされたMICRフォントは、図4に示すようにMICRフォント31として記憶領域30に保存される。なお、MICRフォント31は、印刷装置の生産時に予めインストールされたものであってもよい。
【0046】
次に、ユーザは、印刷装置において、理想的MICRライン32(補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離)を設定する(S4)。設定された理想的MICRライン32は、記憶領域30に保存される。なお、理想的MICRライン32は、印刷装置の生産時に予め設定されたものであってもよい。
【0047】
次に、(2)のフェーズについて図6を用いて説明する。ユーザは、MICR専用システムにおいて、MICR補正テスト印刷ジョブを印刷装置に投入するよう指示する。MICR補正テスト印刷ジョブとは、MICR印刷の一例であり、図1で説明したように、MICR補正用シートに対して印刷位置調整用MICRラインの印刷を行うジョブである。MICR専用システムは、ユーザからの指示を受けると、接続された印刷装置に対し、MICR補正テスト印刷ジョブの実行指示及びそのジョブデータを送信する。
【0048】
印刷装置は、MICR専用システムから、MICR補正テスト印刷ジョブの実行指示及びジョブデータを受信すると(S11)、給紙トレイにセットされたMICR補正用シートの給紙を行う(S12)。
【0049】
印刷装置は、所定の印刷実行位置までMICR補正用シートを搬送した後、MICR補正用シートに対し、図1(b)に示すように印刷位置調整用MICRラインを印刷する(S13)。
【0050】
印刷装置は、印刷位置調整用MICRラインを印刷したMICR補正用シートを、印刷装置外へ排紙する(S14)。
【0051】
次に、(3)のフェーズについて図7を用いて説明する。ユーザは、図6におけるテスト印刷により印刷位置調整用MICRラインが印刷されて排紙されたMICR補正用シートを、印刷装置の所定の読取位置に載置し、スキャンを指示する。
【0052】
印刷装置は、データ読取装置2により、MICR補正用シートのスキャンを行う(S21)。
【0053】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、スキャンした画像において、印刷位置調整用MICRラインの位置a1と、補正用目印の位置a2とを検知する(S22)。
【0054】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、検知した印刷位置調整用MICRラインの位置a1と補正用目印の位置a2との差分から、補正用目印から印刷位置調整用MICRラインまでの距離yを算出する(S23)。このyは、例えば図1(c)に示す距離となる。
【0055】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、予め記憶領域30に保持されている距離a(補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離。理想的MICRライン32)と、先に算出した距離yとの差分から、位置調整値Zを算出する(S24)。
【0056】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、算出した位置調整値Z(位置調整値33)を記憶領域30に保存する(S25)。
【0057】
次に、(4)のフェーズについて図8を用いて説明する。ユーザは、MICR専用システムにおいて、MICRジョブを印刷装置に投入するよう指示する。MICRジョブとは、MICR印刷の一例であり、例えば小切手用紙などに対して本番のMICR印刷を行うジョブである。MICR専用システムは、ユーザからの指示を受けると、接続された印刷装置に対し、MICRジョブの実行指示及びそのジョブデータを送信する。
【0058】
印刷装置は、MICR専用システムから、MICRジョブの実行指示及びジョブデータを受信すると(S31)、データ解析部10により、ジョブデータから、MICRラインの位置MYを解釈する(S32)。このMICRラインの位置MYは、ユーザによりMICRラインを実際に印刷する位置として指定されたものであり、例えば図1(e)に示す距離である。
【0059】
次に、印刷装置は、MICR補正処理12により、ジョブデータから解釈したMICRラインの位置MYと、図7で算出した位置調整値Zとから、補正済みMICRライン位置Yを算出する(S33)。この補正済みMICRライン位置Yは、MY+Zにより算出され、例えば図1(f)に示す距離である。
【0060】
次に、印刷装置は、MICR補正処理12により、MICRラインを実際に印刷する位置を補正済みMICRライン位置Yとして、PDLにMICR印刷を指示する(S34)。その後、MICR印刷処理13により、小切手用紙において、補正済みMICRライン位置YにMICRラインが印刷される。従来のMICR印刷では、上記MICRラインの位置MYがPDLに通知されていたが、本実施形態のMICR印刷では、上記MICRラインの位置MYではなく、補正済みMICRライン位置YがPDLに通知される。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮し、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に、MICRライン(MICRフォント)の印刷位置を自動で調整することが可能となる。
【0062】
なお、上記実施形態の説明では、基準位置情報の一例である理想的MICRライン32を、補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離aとして説明したが、これに限定されず、理想的なMICRラインの位置が特定できる情報であればよい。
【0063】
また、上記実施形態の説明では、MICR補正用シートのテスト印刷と、そのテンスと印刷のスキャンとを行うことにより、印刷位置調整用MICRラインを読み取り、それを基に位置調整値を算出する例としたが、これらは必須ではない。例えば、本実施形態の印刷装置は、記憶領域30が、基準位置情報として理想的MICRライン32を予め記憶しておき、データ読取部20が、ジョブデータに指定されたMICRラインの位置MYと、理想的MICRライン32とを比較し、MICR補正処理12が、その比較結果に応じて、補正済みMICRライン位置Yを決定するといった構成であってもよい。
【0064】
以下、これまでに説明してきた実施形態(実施形態1とする)とは別の実施形態について、2つの例(実施形態2、3とする)を説明する。
【0065】
まず、図9、図10を用いて、実施形態2について説明する。本実施形態では、図1(a)に示すMICR補正用シートの代わりに、図9(a)に示すMICR補正用シートを用いる。図9(a)に示すMICR補正用シートは、予め、理想的MICRライン位置の基準線(以下、基準線という)が印刷されている(補正用目印は印刷されなくてもよい)。
【0066】
本実施形態では、図9(a)に示すMICR補正用シートを用いて、実施形態1で説明した図5、図6の動作が行われる(動作は同様であるので詳細な説明は省略)。図6においてテスト印刷された結果は、図9(b)に示すようになる。ユーザは、図9(b)に示すように、印刷位置調整用MICRラインが印刷されて排紙されたMICR補正用シートを、印刷装置の所定の読取位置に載置し、スキャンを指示する。以降の動作を図10に示す。
【0067】
印刷装置は、データ読取装置2により、MICR補正用シートのスキャンを行う(S41)。
【0068】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、スキャンした画像において、印刷位置調整用MICRラインの位置a1と、基準線の位置a3とを検知する(S42)。
【0069】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、検知した基準線の位置a3と印刷位置調整用MICRラインの位置a1との差分から、基準線から印刷位置調整用MICRラインまでの距離Zを算出する(S43)。このZは、例えば図9(b)に示す距離となる。そして、この距離Zが位置調整値となる。
【0070】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、算出した位置調整値Z(位置調整値33)を記憶領域30に保存する(S44)。以降は、実施形態1で説明した図8において、この位置調整値Zを用いて補正済みMICRライン位置Yが算出され、それを基に本番のMICR印刷が行われる。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、MICR補正用シートに、理想的MICRライン位置の基準線を予め印刷しておくようにするので、記憶領域30に理想的MICRライン32を予め保持しておく必要が無くなる。
【0072】
次に、図11、図12を用いて、実施形態3について説明する。本実施形態では、算出された位置調整値Zを、操作パネル等のUI装置5に表示するようにし、その表示を見たユーザが位置調整値Zを所望の値に変更できるようにする。
【0073】
図11のS51〜S54は、実施形態1で説明した図7のS21〜S24と同様である(詳細な説明は省略する)。図11では、最後のS55が、図7のS25と異なる。すなわち、印刷装置は、データ読取部20により算出された位置調整値ZをUI装置5に表示させる(S55)。これにより、ユーザは位置調整値Zを確認できる。
【0074】
図12のS61〜S64は、実施形態1で説明した図8のS31〜S34と同様である(詳細な説明は省略する)。図12では、最初にS60が追加されている点が、図7と異なる。すなわち、印刷装置は、UI装置5にて、位置調整値Zの設定(変更)操作を受け付ける(S60)。これにより、ユーザは、UI装置5にて、位置調整値Zを確認した後で、位置調整値Zを所望の値に変更できる。以降は、ユーザにより変更された位置調整値Zを用いて補正済みMICRライン位置Yが算出され、それを基に本番のMICR印刷が行われる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが、算出された位置調整値Zを確認でき、さらに、その位置調整値Zを所望の値に変更できる。
【0076】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0077】
例えば、上述した各実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0078】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0079】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0080】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0081】
また、上記各実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
2 データ読取装置
3 データ受信部
4 出力制御部
5 UI装置
6 制御部
7 メモリ
8 記憶装置
10 データ解析部
11 ジョブ制御部
12 MICR補正処理
13 MICR印刷処理
20 データ読取部
30 記憶領域
31 MICRフォント
32 理想的MICRライン
33 MICRライン位置調整値
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2004−090226号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊な磁性体トナーを用いて特殊なフォントを印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば手形や小切手などの金券に対して、特殊なフォントを、特殊な磁性体トナーを用いて印刷するMICR(Magnetic Ink Character Recognition)印刷を行う印刷装置がある。MICR印刷では、例えば小切手などに対し、印刷時間情報、ID、口座番号などの情報が、特殊なフォントであるMICRフォントで印字される。この印字では、特殊な磁性体トナーであるMICRトナーが使用される。MICRフォントとMICRトナーにより印字される文字列は、MICRラインと呼ばれる。小切手におけるMICRラインの印字例を図13に示す。図13に示すようなMICRラインは、MICR Reader/Sorter(MICRライン読取装置)で自動認識され、チェック上のアカウント情報をHost側に通知する。MICRライン読取装置で正しく認識される必要があるため、品質基準は、American Bankers Association, APACSとANSIのCommitteesに記載されている。小切手として成立する条件は以下の3点である。
1.トナー :磁性体トナー(=MICRトナー)
2.フォント:特殊なフォント(=MICRフォント)
3.紙 :小切手用紙
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
MICRラインから、印刷時間情報、ID、口座番号などの情報を、MICRライン読取装置で正確に読み取れることが要求されている。そのため、MICRラインは、所定の位置(全ての小切手に共通の位置)に印刷される必要がある。MICRラインの位置が少しでもずれていると正確な読み取りが行われず、読み取りエラーが発生し、小切手として使えなくなる。
【0004】
その一方で、印刷装置においては、同じ機種であっても、各個体(機体)で印刷に係る値(パラメータ)が異なり、個体差があるのが一般的である。この個体差は、例えば、印刷装置を構成するハードウェア自体(転写ベルトなど)の差に起因する。レジスト位置をずらす原因の全てが該当する。よって、MICRラインの印刷位置は、印刷装置によってずれが生じてしまう。
【0005】
しかし、今までのMICR印刷が可能な印刷装置では、MICRラインのみ印刷位置を変えて印刷することはできても、「印刷装置毎のずれを考慮して、MICRライン読取装置で正確に読み取れる位置にMICRライン(MICRフォント)を印刷することができない」という問題があった。そのため、現状においては、ユーザが、MICRラインの印刷位置の補正作業を手作業で行う必要があった。この補正作業の例として、ユーザは、定規などを用いて手作業でMICRラインの位置ずれを測定し、測定した位置ずれを考慮して、印刷装置の操作パネルから印刷位置を調整(PCLコマンド)する必要があった。このような手作業による補正作業は、ユーザにとっては大変面倒であった。また、手作業による位置ずれの測定のため、測定間違いが起こると、何度も位置を調整することになり、手間が掛かった。
【0006】
なお、特許文献1には、読み取りエラーが発生するようなMICRラインの印字過程で生じた用紙状態に起因する「桁間ピッチの不良」を自動調整する目的で、下記の処理内容(1)〜(4)が開示されている。
(1)MICRラインを用紙に印字した後に、後処理装置が用紙から印字済みのMICR文字を読み取って読取エラーを検出する。
(2)上記(1)の後処理時において、この読取エラーの分布状態を解析する。
(3)局部的に読取エラーが集中している集中箇所が存在していれば、MICRラインの印字過程で生じた用紙状態に起因する桁間ピッチの不良に伴う読取エラーであると判別する。
(4)上記(3)の集中箇所に対応して、設定されている桁間ピッチ設定メモリの桁間ピッチを自動調整する。
【0007】
上記特許文献1の処理内容は、本発明とは確かに、MICRラインを自動調整する点では似ている点がある。しかし、上述した「印刷装置毎のずれを考慮して、MICRライン読取装置で正確に読み取れる位置にMICRライン(MICRフォント)を印刷することができない」という問題は解消できていない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮して、MICRライン(MICRフォント)の位置を、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に自動調整できる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明の印刷装置は、MICR(Magnetic Ink Character Recognition)ライン読取装置が読取可能なMICRラインの印刷位置を決定する印刷装置であって、所定の用紙に印字されたMICRラインをMICRライン読取装置が読取可能な基準位置情報を記憶した記憶手段と、所定の入力装置を介して入力された印刷用データを印刷するときの印刷時MICRラインの印刷位置と、記憶手段に記憶している基準位置情報とを比較する比較手段と、比較手段による比較の結果に応じた印刷時MICRラインの印刷位置を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の印刷装置において、比較手段は、基準位置情報と印刷時MICRラインの印刷位置との印刷位置の誤差に関する情報を算出することを特徴とする。
【0011】
本発明の印刷装置において、決定手段は、比較手段により算出された誤差に基づき、印刷時MICRラインの印刷開始位置を決定することを特徴とする。
【0012】
本発明の印刷装置において、比較手段で算出された誤差に関する情報を、他の印刷装置に設定可能に表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮し、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に、MICRライン(MICRフォント)の印刷位置を自動で調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態としての印刷装置における、MICRラインの印刷位置の決定動作の概要について説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態としての印刷装置に対してMICRジョブを投入するMICR専用システムを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態としての印刷装置の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態としての印刷装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態としての印刷装置における、準備段階の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態としての印刷装置における、MICR補正テスト印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態としての印刷装置における、テスト印刷の結果に基づいた位置調整値の算出の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態としての印刷装置における、位置調整値に基づいたMICR印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態としての印刷装置で使用される、MICR補正用シートの別の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態としての印刷装置における、テスト印刷の結果に基づいた位置調整値の算出の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態としての印刷装置における、テスト印刷の結果に基づいた位置調整値の算出の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態としての印刷装置における、位置調整値に基づいたMICR印刷の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】小切手におけるMICRラインの印字例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。本実施形態の印刷装置は、MICRライン位置を決める処理に際して、下記の処理(1)〜(4)を行うことを特徴とする。
(1)MICR補正用シートに、印刷位置調整用MICRラインをテスト印刷する。
(2)上記(1)のテスト印刷の結果をスキャンすることにより、印刷位置調整用MICRラインがテスト印刷された位置と、予め印刷装置で持っているテンプレート画像(MICRラインの基準位置。MICRラインの理想的な印刷位置)を比較する。
(3)上記(2)の比較結果から、印刷装置毎に持つずれを算出する。
(4)次以降のMICR印刷は、MICR印刷のジョブデータ内に指定されているMICRラインの印刷位置に、上記(3)で求めたずれを加味し、最終的なMICRラインの印刷位置を決める。
【0016】
以上の処理により、本実施形態の印刷装置によれば、MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮し、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に、MICRライン(MICRフォント)の印刷位置を自動で調整することが可能となる。以下、上記本実施形態の特徴について、図面を用いて詳細に解説する。
【0017】
まず、図1を用いて、本実施形態の印刷装置における、MICRラインの印刷位置の決定動作の概要について説明する。
【0018】
ユーザ(例えばMICRシステムバイヤーや協業者)は、印刷装置(画像形成装置)の給紙トレイに、図1(a)に示すMICR補正用シートをセットする。MICR補正用シートは、右上、右下、左上、左下の4箇所に補正用目印が予め印刷されたものである。
【0019】
ユーザは、印刷装置にMICR補正テスト印刷ジョブ(本番の印刷ではなく、テストのMICR印刷)を投入する。印刷装置は、セットされたMICR補正用シートに対してMICR印刷を行う。これにより、図1(b)に示すように、補正用目印に囲まれた領域内に印刷位置調整用MICRラインが印刷されたMICR補正用シートが排紙される。
【0020】
ユーザは、印刷位置調整用MICRラインが印刷されたMICR補正用シートを印刷装置のスキャナ部に載せ、スキャンを行う。
【0021】
印刷装置は、スキャンした画像において、補正用目印の位置と、印刷位置調整用MICRラインとの位置を検知し、補正用目印の位置から印刷位置調整用MICRラインの位置までの距離yを算出する。ここで算出されるyは、例えば図1(c)に示す距離となる。
【0022】
印刷装置は、補正用目印の位置から理想的なMICRラインの位置までの距離a(基準位置情報の一例)を予め保持している。ここで保持されているaは、例えば図1(d)に示す距離である。印刷装置は、算出したyと、予め保持しているaとの差分を算出し、それを位置調整値Z(=a−y)として保持する。
【0023】
その後、ユーザにより印刷装置にMICRジョブ(テスト印刷ではなく、本番のMICR印刷)が投入されると、印刷装置は、ジョブデータで指定されたMICRラインの位置MY(例えば図1(e)参照)に、保持しておいた位置調整値Zを加味し、補正済みMICRラインの位置Y(例えば図1(f)参照)を算出する。補正済みMICRラインの位置Yは、例えば、MY+Zで算出される。
【0024】
以上のようにして、本実施形態によれば、印刷装置毎の個体差によるMICRラインの位置ずれを簡単に補正できる。
【0025】
MICR印刷を行うには、例えば図2に示すように、通常のプリンタのドライバではなく、MICR専用のシステム(入力装置の一例)が必要となる。図2の例では、このMICR専用システムに対して、MICR印刷に対応した画像形成装置(本実施形態の印刷装置)が複数接続されている。MICR専用システムから、各画像形成装置に対して、MICRジョブが投入(指示)される。その際、上述したように、ジョブデータにおいてMICRラインの位置(例えば図1(e)に示すMY)が指定される。
【0026】
図3は、本実施形態の印刷装置の基本構成図である。図3について以下に説明する。
【0027】
データ読取装置2は、テスト印刷された(印刷位置調整用MICRラインが印刷された)MICR補正用シートを読み取る装置(スキャナ部)である。これにより、補正用目印及び印刷位置調整用MICRラインの位置を読み取る。
【0028】
データ受信部3は、例えば図2に示すMICR専用システムから、ジョブデータ(ジョブの詳細を含むデータ。印刷用データの一例)を受信する装置である。通常の印刷ジョブについても、このデータ受信部3で受信される。
【0029】
出力制御部4は、後述する図4の機能ブロック図に示すソフトウェアで制御された動きを実施する装置である。通常の印刷ジョブについても、この出力制御部4で実施される。
【0030】
UI(User Interface)装置5(表示手段の一例)は、例えば操作パネルであり、ユーザからの設定指示などを受け付けたり、所定の情報をユーザに対して表示したりするための装置である。
【0031】
制御部6は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、印刷装置全体の制御を行うための装置である。
【0032】
メモリ7は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、画像データを展開、格納したり、制御部6が各種制御を行うときの作業領域として使用されたりする。
【0033】
記憶装置8は、後述する図4の機能ブロック図に示す記憶領域(例えばROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等)であり、固定的なデータ(制御プログラムも含む)が予め格納される。
【0034】
図4は、本実施形態の印刷装置の機能ブロック図である。図4について以下に説明する。なお、図4に示す「ソフトウェア」の各部は、図3に示す制御部6及びメモリ7によって実現され、図4に示す「記憶領域」は、図3に示す記憶装置8によって実現される。
【0035】
ジョブ制御部11は、ジョブデータで指定されたMICRジョブ(MICR印刷)を制御する部分である。通常の印刷ジョブも、このジョブ制御部11で制御される。
【0036】
MICR補正処理12(決定手段の一例)は、MICRラインの位置の補正処理を行う部分である。
【0037】
MICR印刷処理13は、MICRジョブを制御し、実際にMICR印刷を行う部分である。
【0038】
データ解析部10は、図3に示すデータ受信部3で受信されたジョブデータから、ユーザにより設定されたジョブの詳細を解析する部分である。ジョブの詳細としてジョブデータに含まれる内容としては、印刷の種類(MICR印刷か又は通常の印刷か)、印刷する画像(MICR印刷の場合はMICRラインの内容。例えば印刷時間情報、ID、口座番号など)、MICR印刷の場合におけるMICRラインの印刷位置等が挙げられる。
【0039】
データ読取部20(比較手段の一例)は、図3に示すデータ読取装置2で読み取られたMICR補正用シート(テスト印刷により印刷位置調整用MICRラインが印刷されたもの)の画像情報から、補正用目印の位置と、印刷位置調整用MICRラインの位置とを検知する。また、データ読取部20は、検知した補正用目印の位置から印刷位置調整用MICRラインの位置までの距離y(例えば図1(c)参照)を算出する。また、データ読取部20は、算出した距離yと、予め保持している距離a(補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離。例えば図1(d)参照)との差分を算出し、その算出した値を、後述するMICR位置調整値33として、記憶領域30に保存する。
【0040】
記憶領域30(記憶手段の一例)は、MICRフォント31、理想的MICRライン32、位置調整値33等の情報を保存する。MICRフォント31は、MICR印刷で印字に使用されるフォントである。理想的MICRライン32(基準位置情報の一例)は、例えば図1(d)のaに示すように、補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離である。理想的MICRライン32のその他の例として、用紙面の最下端から理想的なMICRラインまでの距離であってもよい。位置調整値33(誤差に関する情報の一例)は、印刷装置毎の個体差を考慮して、ジョブデータで指定されたMICRラインの位置を補正するための値である(例えば図1で説明したZ)。この位置調整値33は、データ読取部20で算出される値であり、例えば、予め記憶領域30に理想的MICRライン32として保持される「補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離」と、データ読取部20で算出される「補正用目印から印刷位置調整用MICRラインまでの距離」との差分となる。
【0041】
次に、本実施形態の印刷装置におけるMICR印刷の動作について説明する。この動作は、下記の4つのフェーズに分かれる。
(1)印刷装置における各種準備
(2)MICR補正テスト印刷の実施
(3)テスト印刷の結果に基づいた位置調整値の算出
(4)位置調整値に基づいたMICR印刷の実施
以下、(1)〜(4)のフェーズについてそれぞれフローチャートを用いて説明する。
【0042】
まず、(1)のフェーズについて図5を用いて説明する。ユーザ(例えば、MICRシステムバイヤー又は協業者)は、図2に示すように、MICR専用システムに対して、MICR印刷に対応した本実施形態の印刷装置を接続し、通信可能な状態にする。
【0043】
ユーザは、印刷装置において、MICR補正用シート(例えば図1(a)に示すもの)と、MICR印刷を行う用紙(例えば小切手用紙)とを給紙トレイにセットする(S1)。このとき、MICR補正用シートが最初に給紙されるようにセットする。
【0044】
次に、ユーザは、印刷装置において、MICR印刷に使用するためのMICRトナーをセットする(S2)。
【0045】
次に、ユーザは、印刷装置において、MICR印刷に使用するためのMICRフォントをインストールする(S3)。インストールされたMICRフォントは、図4に示すようにMICRフォント31として記憶領域30に保存される。なお、MICRフォント31は、印刷装置の生産時に予めインストールされたものであってもよい。
【0046】
次に、ユーザは、印刷装置において、理想的MICRライン32(補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離)を設定する(S4)。設定された理想的MICRライン32は、記憶領域30に保存される。なお、理想的MICRライン32は、印刷装置の生産時に予め設定されたものであってもよい。
【0047】
次に、(2)のフェーズについて図6を用いて説明する。ユーザは、MICR専用システムにおいて、MICR補正テスト印刷ジョブを印刷装置に投入するよう指示する。MICR補正テスト印刷ジョブとは、MICR印刷の一例であり、図1で説明したように、MICR補正用シートに対して印刷位置調整用MICRラインの印刷を行うジョブである。MICR専用システムは、ユーザからの指示を受けると、接続された印刷装置に対し、MICR補正テスト印刷ジョブの実行指示及びそのジョブデータを送信する。
【0048】
印刷装置は、MICR専用システムから、MICR補正テスト印刷ジョブの実行指示及びジョブデータを受信すると(S11)、給紙トレイにセットされたMICR補正用シートの給紙を行う(S12)。
【0049】
印刷装置は、所定の印刷実行位置までMICR補正用シートを搬送した後、MICR補正用シートに対し、図1(b)に示すように印刷位置調整用MICRラインを印刷する(S13)。
【0050】
印刷装置は、印刷位置調整用MICRラインを印刷したMICR補正用シートを、印刷装置外へ排紙する(S14)。
【0051】
次に、(3)のフェーズについて図7を用いて説明する。ユーザは、図6におけるテスト印刷により印刷位置調整用MICRラインが印刷されて排紙されたMICR補正用シートを、印刷装置の所定の読取位置に載置し、スキャンを指示する。
【0052】
印刷装置は、データ読取装置2により、MICR補正用シートのスキャンを行う(S21)。
【0053】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、スキャンした画像において、印刷位置調整用MICRラインの位置a1と、補正用目印の位置a2とを検知する(S22)。
【0054】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、検知した印刷位置調整用MICRラインの位置a1と補正用目印の位置a2との差分から、補正用目印から印刷位置調整用MICRラインまでの距離yを算出する(S23)。このyは、例えば図1(c)に示す距離となる。
【0055】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、予め記憶領域30に保持されている距離a(補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離。理想的MICRライン32)と、先に算出した距離yとの差分から、位置調整値Zを算出する(S24)。
【0056】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、算出した位置調整値Z(位置調整値33)を記憶領域30に保存する(S25)。
【0057】
次に、(4)のフェーズについて図8を用いて説明する。ユーザは、MICR専用システムにおいて、MICRジョブを印刷装置に投入するよう指示する。MICRジョブとは、MICR印刷の一例であり、例えば小切手用紙などに対して本番のMICR印刷を行うジョブである。MICR専用システムは、ユーザからの指示を受けると、接続された印刷装置に対し、MICRジョブの実行指示及びそのジョブデータを送信する。
【0058】
印刷装置は、MICR専用システムから、MICRジョブの実行指示及びジョブデータを受信すると(S31)、データ解析部10により、ジョブデータから、MICRラインの位置MYを解釈する(S32)。このMICRラインの位置MYは、ユーザによりMICRラインを実際に印刷する位置として指定されたものであり、例えば図1(e)に示す距離である。
【0059】
次に、印刷装置は、MICR補正処理12により、ジョブデータから解釈したMICRラインの位置MYと、図7で算出した位置調整値Zとから、補正済みMICRライン位置Yを算出する(S33)。この補正済みMICRライン位置Yは、MY+Zにより算出され、例えば図1(f)に示す距離である。
【0060】
次に、印刷装置は、MICR補正処理12により、MICRラインを実際に印刷する位置を補正済みMICRライン位置Yとして、PDLにMICR印刷を指示する(S34)。その後、MICR印刷処理13により、小切手用紙において、補正済みMICRライン位置YにMICRラインが印刷される。従来のMICR印刷では、上記MICRラインの位置MYがPDLに通知されていたが、本実施形態のMICR印刷では、上記MICRラインの位置MYではなく、補正済みMICRライン位置YがPDLに通知される。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、MICR印刷が可能な印刷装置において、印刷装置毎のずれを考慮し、MICRライン読取装置で磁気を正確に読み取れる位置に、MICRライン(MICRフォント)の印刷位置を自動で調整することが可能となる。
【0062】
なお、上記実施形態の説明では、基準位置情報の一例である理想的MICRライン32を、補正用目印から理想的なMICRラインまでの距離aとして説明したが、これに限定されず、理想的なMICRラインの位置が特定できる情報であればよい。
【0063】
また、上記実施形態の説明では、MICR補正用シートのテスト印刷と、そのテンスと印刷のスキャンとを行うことにより、印刷位置調整用MICRラインを読み取り、それを基に位置調整値を算出する例としたが、これらは必須ではない。例えば、本実施形態の印刷装置は、記憶領域30が、基準位置情報として理想的MICRライン32を予め記憶しておき、データ読取部20が、ジョブデータに指定されたMICRラインの位置MYと、理想的MICRライン32とを比較し、MICR補正処理12が、その比較結果に応じて、補正済みMICRライン位置Yを決定するといった構成であってもよい。
【0064】
以下、これまでに説明してきた実施形態(実施形態1とする)とは別の実施形態について、2つの例(実施形態2、3とする)を説明する。
【0065】
まず、図9、図10を用いて、実施形態2について説明する。本実施形態では、図1(a)に示すMICR補正用シートの代わりに、図9(a)に示すMICR補正用シートを用いる。図9(a)に示すMICR補正用シートは、予め、理想的MICRライン位置の基準線(以下、基準線という)が印刷されている(補正用目印は印刷されなくてもよい)。
【0066】
本実施形態では、図9(a)に示すMICR補正用シートを用いて、実施形態1で説明した図5、図6の動作が行われる(動作は同様であるので詳細な説明は省略)。図6においてテスト印刷された結果は、図9(b)に示すようになる。ユーザは、図9(b)に示すように、印刷位置調整用MICRラインが印刷されて排紙されたMICR補正用シートを、印刷装置の所定の読取位置に載置し、スキャンを指示する。以降の動作を図10に示す。
【0067】
印刷装置は、データ読取装置2により、MICR補正用シートのスキャンを行う(S41)。
【0068】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、スキャンした画像において、印刷位置調整用MICRラインの位置a1と、基準線の位置a3とを検知する(S42)。
【0069】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、検知した基準線の位置a3と印刷位置調整用MICRラインの位置a1との差分から、基準線から印刷位置調整用MICRラインまでの距離Zを算出する(S43)。このZは、例えば図9(b)に示す距離となる。そして、この距離Zが位置調整値となる。
【0070】
次に、印刷装置は、データ読取部20により、算出した位置調整値Z(位置調整値33)を記憶領域30に保存する(S44)。以降は、実施形態1で説明した図8において、この位置調整値Zを用いて補正済みMICRライン位置Yが算出され、それを基に本番のMICR印刷が行われる。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、MICR補正用シートに、理想的MICRライン位置の基準線を予め印刷しておくようにするので、記憶領域30に理想的MICRライン32を予め保持しておく必要が無くなる。
【0072】
次に、図11、図12を用いて、実施形態3について説明する。本実施形態では、算出された位置調整値Zを、操作パネル等のUI装置5に表示するようにし、その表示を見たユーザが位置調整値Zを所望の値に変更できるようにする。
【0073】
図11のS51〜S54は、実施形態1で説明した図7のS21〜S24と同様である(詳細な説明は省略する)。図11では、最後のS55が、図7のS25と異なる。すなわち、印刷装置は、データ読取部20により算出された位置調整値ZをUI装置5に表示させる(S55)。これにより、ユーザは位置調整値Zを確認できる。
【0074】
図12のS61〜S64は、実施形態1で説明した図8のS31〜S34と同様である(詳細な説明は省略する)。図12では、最初にS60が追加されている点が、図7と異なる。すなわち、印刷装置は、UI装置5にて、位置調整値Zの設定(変更)操作を受け付ける(S60)。これにより、ユーザは、UI装置5にて、位置調整値Zを確認した後で、位置調整値Zを所望の値に変更できる。以降は、ユーザにより変更された位置調整値Zを用いて補正済みMICRライン位置Yが算出され、それを基に本番のMICR印刷が行われる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが、算出された位置調整値Zを確認でき、さらに、その位置調整値Zを所望の値に変更できる。
【0076】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0077】
例えば、上述した各実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0078】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0079】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0080】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0081】
また、上記各実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
2 データ読取装置
3 データ受信部
4 出力制御部
5 UI装置
6 制御部
7 メモリ
8 記憶装置
10 データ解析部
11 ジョブ制御部
12 MICR補正処理
13 MICR印刷処理
20 データ読取部
30 記憶領域
31 MICRフォント
32 理想的MICRライン
33 MICRライン位置調整値
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開2004−090226号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MICR(Magnetic Ink Character Recognition)ライン読取装置が読取可能なMICRラインの印刷位置を決定する印刷装置であって、
所定の用紙に印字されたMICRラインを前記MICRライン読取装置が読取可能な基準位置情報を記憶した記憶手段と、
所定の入力装置を介して入力された印刷用データを印刷するときの印刷時MICRラインの印刷位置と、前記記憶手段に記憶している基準位置情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果に応じた前記印刷時MICRラインの印刷位置を決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記比較手段は、
前記基準位置情報と前記印刷時MICRラインの印刷位置との印刷位置の誤差に関する情報を算出することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記決定手段は、
前記比較手段により算出された誤差に基づき、前記印刷時MICRラインの印刷開始位置を決定することを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記比較手段で算出された前記誤差に関する情報を、他の印刷装置に設定可能に表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項1】
MICR(Magnetic Ink Character Recognition)ライン読取装置が読取可能なMICRラインの印刷位置を決定する印刷装置であって、
所定の用紙に印字されたMICRラインを前記MICRライン読取装置が読取可能な基準位置情報を記憶した記憶手段と、
所定の入力装置を介して入力された印刷用データを印刷するときの印刷時MICRラインの印刷位置と、前記記憶手段に記憶している基準位置情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果に応じた前記印刷時MICRラインの印刷位置を決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記比較手段は、
前記基準位置情報と前記印刷時MICRラインの印刷位置との印刷位置の誤差に関する情報を算出することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記決定手段は、
前記比較手段により算出された誤差に基づき、前記印刷時MICRラインの印刷開始位置を決定することを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記比較手段で算出された前記誤差に関する情報を、他の印刷装置に設定可能に表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−51342(P2012−51342A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197889(P2010−197889)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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