説明

印刷装置

【課題】本発明は電子写真方式を使用した印刷装置に関し、特に用紙の腰の強弱や表面性に関係無く、先端余白位置を高精度に制御することができる印刷装置を提供するものである。
【解決手段】像担持体上に形成された画像と一致するタイミングで記録媒体を画像形成部に搬入する印刷装置であって、上記記録媒体の搬送を一旦停止させる待機ロールの用紙搬送方向下流側に設けられた第1の用紙先端検知手段と、上記記録媒体を搬送するローラを回動させる回転駆動手段と、上記記録媒体の先端が上記待機ロールに当接し、上記記録媒体の搬送が停止している状態で、上記回転駆動手段を駆動し、上記記録媒体が上記第1の用紙先端検知手段によって検知されたタイミングに従って上記回転駆動手段の駆動制御を行なう制御手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を使用した印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を使用した印刷装置として、例えば感光体ドラムを一様に帯電させて初期化し、この感光体ドラムに光書込みによって静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像化し、そのトナー像を間接的に用紙等の記録媒体に転写し、熱定着処理を行って印刷出力するプリンタ装置が知られている。
【0003】
この種の印刷装置では、例えばトナー像を一旦転写ベルト等の中間転写媒体に転写し(一次転写し)、その後用紙等の記録媒体に転写して(二次転写して)、記録媒体に画像形成を行う方式が採用されている。図8は上記方式の印刷装置における二次転写部近傍の構成を示す図である。
【0004】
二次転写部90は中間転写ベルト91と二次転写ローラ92で構成され、二次転写部90の用紙搬送方向上流側には待機搬送ローラ対93が配設されている。また、待機搬送ローラ対93の用紙搬送方向上流側には待機センサ94が配設され、待機搬送ローラ対93に向かって搬送される用紙の先端を検知する。
【0005】
待機搬送ローラ対93は、待機クラッチ95を介して不図示のモータから駆動力を得ており、上記待機センサ94が用紙の先端を検出した後、所定時間後、待機搬送ローラ対95を駆動し、用紙を二次転写部90に搬送する。この際、用紙の斜行を矯正し、待機クラッチ95を駆動して用紙を二次転写部90に搬送する。
【0006】
図9はこの時のタイムチャートを示す。先ず、同図に示すaのタイミングでモータを駆動し(オンし)、不図示の感光体ドラムや搬送ローラ等を駆動する。その後、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの印字ヘッドから同図のb〜eのタイミングで順次印刷データに基づく露光を行い、中間ベルト91にトナー像の一次転写を行う。
【0007】
その後、所定のタイミング(同図に示すfのタイミング)で不図示の給紙クラッチを駆動し、用紙を機内に搬入する。そして、例えば同図に示すgのタイミングで待機センサ94が用紙の先端を検出し、待機クラッチ95をhのタイミングで駆動し、二次転写部90にiのタイミングで用紙を再給紙する。この際、上記のように用紙の斜行を矯正し、用紙を二次転写部90に搬送する。
【0008】
尚、特許文献1に係る発明は、シート先端を係止して一時的に待機させるレジストローラを設け、更にこのローラから距離を隔てた下流側に先端検出センサと、シートの後端通過を検出する後端検出センサを設け、レジストローラの起動からシート後端が後端検出センサを通過するまでの時間に基づいてシート長を演算し、この演算結果をシート先端が先端検出センサに到達するまでの標準時間と比較してシート先端の位置ズレによる検出誤差の補正を行うものである。
【0009】
特許文献2に係る発明は、用紙に画像を形成する画像形成部と、屈曲部を有する搬送経路が設けられた画像形成装置において、上記屈曲部の用紙搬送方向上流側、及び用紙搬送方向下流側にそれぞれ用紙を検知する第1センサ及び第2センサを設け、該第1センサと第2センサ間を用紙が通過する通過時間を検知し、検知された通過時間に基づき用紙の剛性の強さを判定する判定手段を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−107781号公報
【特許文献2】特開2006−267193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の印刷装置では、待機搬送ローラ対93によって再給紙する際、用紙の斜行を矯正するが、用紙の剛性や表面性により、待機搬送ローラ対93で一旦停止したときの用紙の先端位置がばらつく。特に、印刷速度が、例えば50ppmを超えるような高速印刷を行う場合には、その程度は顕著になり、再給紙して二次転写部90で印刷画像と用紙の位置を合わせる際、ばらつきが生じ、その誤差が許容範囲を超える場合もある。
【0012】
また、特許文献1及び2に係る発明は、2つのセンサを使用するが、特許文献1に係る発明は位置ズレによる検出誤差を補正する発明であり、特許文献2に係る発明は用紙の剛性を判定する発明である。
【0013】
そこで、本件発明は高速の印刷装置であっても、用紙の腰の強弱や表面性に関係無く、先端余白位置を高精度に制御し、印字品質の優れた印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は第1の発明によれば、像担持体上に形成された画像と一致するタイミングで記録媒体を画像形成部に搬入する印刷装置において、前記記録媒体の搬送を一旦停止させる待機ロールの用紙搬送方向下流側に設けられた第1の用紙先端検知手段と、前記記録媒体を搬送するローラを回動させる回転駆動手段と、前記記録媒体の先端が前記待機ロールに当接し、前記記録媒体の搬送が停止している状態で、前記回転駆動手段を駆動し、前記記録媒体が前記第1の用紙先端検知手段によって検知されたタイミングに従って前記回転駆動手段の駆動制御を行なう制御手段とを有する印刷装置を提供することによって達成できる。
【0015】
また、上記課題は第2の発明によれば、前記待機ロールの用紙搬送方向上流側には、第2の用紙先端検知手段が設けられ、該第2の用紙先端検知手段は前記待機ロールでの前記記録媒体の待機量の設定に使用される印刷装置を提供することによって達成できる。
【0016】
また、上記課題は第3の発明によれば、前記制御手段は、前記第1の用紙先端検知手段から検知信号を受信した後、前記回転駆動手段の駆動を停止し、転写部に送られる画像データに一致するタイミングで再度前記回転駆動手段の駆動を再開する印刷装置を提供することによって達成できる。
【0017】
また、上記課題は第4の発明によれば、前記回転駆動手段は、モータである印刷装置を提供することによって達成できる。
【0018】
また、上記課題は第5の発明によれば、前記像担持体は感光体、又は転写ベルトである印刷装置を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、待機ローラの用紙搬送方向下流側に設けられたセンサによって、該センサまで用紙搬送時間を計算し、該計算結果に基づいて予め設定した時間との比較を行い、用紙の斜行等による搬送時間の遅れ等を調整し、正確に二次転写位置に用紙を導き、転写処理を行うことができる。したがって、用紙に高品質の画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の印刷装置の構成を説明する断面図である。
【図2】待機搬送ローラ対及び二次転写ローラ近傍の構成図である。
【図3】印刷装置の回路ブロック図である。
【図4】本実施形態の処理を説明するフローチャートである。
【図5】本実施形態の処理を説明するタイムチャートである。
【図6】本実施形態の印刷装置の変形例を説明する図である。
【図7】本実施形態の印刷装置の他の変形例を説明する図である。
【図8】従来の待機搬送ローラ対及び二次転写ローラ近傍の構成図である。
【図9】従来の処理を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るフルカラーの画像形成装置(以下、単にプリンタ装置という)の構成を説明する断面図である。
【0022】
同図に示すプリンタ装置1は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部2、転写ベルトユニット3、トナー供給部4、給紙部5、ベルト式定着ユニット6、及び両面印刷用搬送ユニット7で構成されている。
【0023】
上記画像形成部2は、転写ベルトユニット3の転写ベルト8の下部走行部表面8aに接して同図の右から左へ4個の現像装置9(9m、9c、9y、9k)を多段式に並設した構成からなる。この画像形成部2は、図1に示す印刷実行時位置から、それより下方の保守位置に、昇降可能にプリンタ装置1の本体フレームに保持されている。
【0024】
上記4個の現像装置9のうち下流側(図の右側)の3個の現像装置9m、9c、及び9yは、それぞれ減法混色の三原色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成し、現像装置9kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
【0025】
上記の各現像装置9は、画像を現像するトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下ブラック(K)のトナー用の現像装置9kを例にしてその構成を説明する。
【0026】
現像装置9は、最上部に感光体ドラム10を備えている。この感光体ドラム10は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム10の周面近傍を取り巻いて、クリーナ11、帯電ローラ12、光書込ヘッド13、及び現像器14の現像ローラ15が配置されている。
【0027】
現像器14は、外部を覆う筐体16、内部に設けられた隔壁17、現像ローラ15、第1の攪拌搬送スクリュー18、及び第2の攪拌搬送スクリュー19を備えている。第1及び第2の攪拌搬送スクリュー18及び19は、特には図示しないが、スクリュー軸と、このスクリュー軸と一体に構成されて回転するフィンから成る。
【0028】
この現像器14には、トナー供給部4の詳しくは後述するリザーブタンクから、同図にはM、C、Y、Kで示すようにマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のいずれかのトナーが供給される。
【0029】
転写ベルトユニット3は、本体装置のほぼ中央で図の左右方向に扁平なループ状になって延在する無端状の上述した転写ベルト8と、この転写ベルト8を掛け渡されて転写ベルト8を図の矢印pで示す反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ21と従動ローラ22を備えている。
【0030】
上記の転写ベルト8は、下方を循環移動するベルト表面に、ユニットと一体に組み込まれて転写ベルト8を介して感光体ドラム10に圧接する一次転写ローラ20によりトナー像を直接転写(一次転写)されて、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく用紙への二次転写部23まで搬送する。
【0031】
この転写ベルトユニット3には、駆動ローラ21に掛け渡されている表面に当接するクリーニングブレードを備えたベルトクリーナ24が配置されている。ベルトクリーナ24の下方には廃トナー回収容器25が着脱自在に配置されている。
【0032】
ベルトクリーナ24は、クリーニングブレードが転写ベルト8の表面に当接して廃トナーを擦り取って除去し、その廃トナーを搬送スクリューにより下方の廃トナー回収容器25に送り込んでいる。
【0033】
トナー供給部4は、転写ベルト8の上部走行部の上方に配置されている4個のリザーブタンク26(26m、26c、26y、26k)と、これらのリザーブタンク26の上にそれぞれ着脱自在に配置されたトナー補充用のトナーカートリッジ27(27m、27c、27y、27k)で構成される。
【0034】
4個のトナーカートリッジ27m、27c、27y、27kは、それぞれマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナーを収容し、4個のリザーブタンク26(26m、26c、26y、26k)は、それぞれ上に装着されているトナーカートリッジ27からトナーを補充される。
【0035】
これら4個のリザーブタンク26は、図1では転写ベルトユニット3の向う側に隠れて見えないが、それぞれトナー供給路により対応する現像装置9の現像器14と連結されている。
【0036】
このトナー供給部4は、特には図示しないが、図1に示す印刷実行時位置から、それより上方の保守位置に、昇降可能にプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0037】
このトナー供給部4の左方には、ベルトクリーナ24の左方から駆動ローラ21の上方にかけて2つの電装部30が配設されている。電装部30には、詳しくは後述する複数の電子部品からなる制御装置が搭載された回路基盤を備えている。
【0038】
給紙部5は、上下2段に配置された2個の給紙カセット29(29a、29b)を備えている。2個の給紙カセット29の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ31、給送ローラ32、捌きローラ33、待機搬送ローラ対34が配置されている。
【0039】
待機搬送ローラ対34の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、転写ベルト8を介して従動ローラ22に圧接する二次転写ローラ35が配設されて、前述した用紙への二次転写部23を形成している。
【0040】
この二次転写部の下流(図では上方)側にはベルト式熱定着ユニット6が配置されている。ベルト式熱定着ユニット6の更に下流側には、定着後の用紙をベルト式熱定着ユニット6から搬出する搬出ローラ対36、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー37に排紙する排紙ローラ対38が配設されている。
【0041】
両面印刷用搬送ユニット7は、外面(図の右方外側面)がプリンタ装置1の内部を側面から外部に開放又は遮蔽する開閉部材を兼ねている。
【0042】
この両面印刷用搬送ユニット7は、排紙ローラ対38の直前から図の右横方向に分岐する開始返送路39a、それから下方に曲がる中間返送路39b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路39cから成る返送路39を備えている。
【0043】
また、返送路39の途中には、5組の返送ローラ対41(41a、41b、41c、41d、41e)が配置されている。上記終端返送路41eの出口は、給紙部5の下方の給紙カセット29bに対応する待機搬送ローラ対34への搬送路に合流している。
【0044】
図2は上記構成のプリンタ装置1において、上記待機搬送ローラ対34及び二次転写ローラ35周辺の構成を詳しく説明する図である。同図に示すように、待機搬送ローラ対34の用紙搬送方向上流には用紙の先端を検知するセンサ40aが配設され、待機搬送ローラ対34の用紙搬送方向下流には、同様に用紙の先端を検知するセンサ40bが配設されている。
【0045】
また、待機搬送ローラ対34の駆動は待機モータ68によって行われ、二次転写ローラ35には転写ベルト8が当接し、二次転写部23を構成している。
【0046】
図3は、上記構成のプリンタ装置1の内部回路を説明するブロック図である。同図に示すようにプリンタ装置1は、CPU(central processing unit)55を中心にして、このCPU55に、それぞれデータバスを介してインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)56及びヘッドコントローラ(HEAD_CONT)57が接続されている。HEAD_CONT57にはプリンタ印字部58が接続されている。
【0047】
また、CPU55には、ROM(read only memory)59、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)61、本体操作部の操作パネル62、各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部63が接続されている。このセンサ部63には上記センサ40a、40bが用紙先端を検出した際の検出信号も入力する。
【0048】
ROM59には、システムプログラムが記憶され、CPU55は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
【0049】
すなわち、各部において、先ず、I/F_CONT56は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ65に展開する。フレームメモリ65は、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)毎に記憶エリアが設定されており、各色のデータが対応するエリアに展開される。
【0050】
フレームメモリ65に展開されたデータはHEAD_CONT57に出力され、HEAD_CONT57からプリンタ印字部58に出力される。また、EEPROM61には後述する時間T1〜T3の情報が記憶されている。
【0051】
プリンタ印字部58は、図1で示した感光体ドラム10、一次転写ローラ20等を含む不図示の回転駆動系、帯電ローラ12、光書込ヘッド13等の被駆動部を有する画像形成部、転写ベルトユニット3の上下移動や転写ベルト8の回転を駆動する不図示の駆動部を備えている。
【0052】
更に、プリンタ印字部58は、ベルト式定着ユニット6のベルト駆動を行うベルト駆動部66や、待機ローラを駆動する待機モータ駆動部67を備えている。この待機モータ駆動部67は前述の待機モータ68を駆動する。
【0053】
更に、プリンタ印字部58は、用紙取出ローラ22〜排紙ローラ対31等の回転駆動される各部からなる搬送機構、発熱駆動及び回転駆動されるベルト式定着ユニット6などのプロセス負荷への駆動出力を制御する。
【0054】
そして、HEAD_CONT57から出力されたブラック(K)、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色のデータは、プリンタ印字部58からそれぞれ対応する図1に示した光書込ヘッド13に供給される。
【0055】
以上の構成において、以下に本実施形態の印刷装置の処理動作を説明する。
図4は本例の処理動作を説明するフローチャートであり、図5は本例の処理動作を説明するタイムチャートである。
【0056】
先ず、不図示のメインモータを駆動し(オンし)、感光体ドラム10や現像ローラ15等の駆動を開始し、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの印字ヘッドに印刷データを送信し、転写ベルト8に露光を行い、転写ベルト8にトナー像の一次転写を行う。その後、不図示の給紙クラッチを駆動し、用紙を機内に給紙する。機内に給紙された用紙は、用紙搬送経路を通って前述のセンサ40aに達する。
【0057】
センサ40aは、用紙搬送経路を通って上昇する上記用紙の先端を図5(a)〜(c)に示すjにタイミング検出する。この検出により、センサ40aから用紙先端検出信号が前述のセンサ部63を介してCPU55に送信され、CPU55の制御によって、用紙の先端が待機搬送ローラ対34に当接する、予め設定された時間経過後用紙の搬送を停止する。
【0058】
次に、この状態から同図(a)〜(c)に示すkのタイミングで待機モータ68を駆動し、用紙を二次転写部23に再給紙する。この用紙の再給紙によって図4に示すフローチャートの処理が開始する。
【0059】
先ず、再給紙された用紙はセンサ40bに達する。センサ40bは用紙の先端が到達した時間Tを記憶し(ステップ(以下、Sで示す)1)、この時間Tが予め設定した時間T3より短いか判断する(S2)。
【0060】
時間T3は前述のように予め設定された時間T1〜T3の中で最も短い時間であり、この場合図5(c)に示すタイムチャートのタイミングが対応し、待機モータ68の駆動を直ちに停止する(S3、同図(c)に示すlのタイミング)。この場合、例えば待機搬送ローラ対34から再給紙される際、用紙の先端が少し突出し、用紙先端がセンサ40bに短時間で達した場合である。
【0061】
したがって、その後同図(c)に示す時刻Txのタイミングで待機モータ68を再駆動する(S4)。このように構成することによって、用紙先端がセンサ40bに短時間で達した場合でも、待機モータ68の最初の駆動を対応するタイミングで停止することによって、正確な位置に二次転写を行うことができる。
【0062】
次に、センサ40bが検出した時間Tが予め設定した時間T3より長い場合(S2がNO)、更にセンサ40bによって検出した時間TがT2≦T<T1であるか判断する(S5)。時間T1は予め設定された時間T1〜T3の中で最も長い時間であり、時間T2は次に長い時間である。ここで、センサ40bによって検出した時間TがT2≦T<T1である場合(S5がYES)、待機モータ68の駆動を停止し(S6、同図(b)に示すmのタイミング)、その後同図(b)に示す時刻Txのタイミングで待機モータ68を再駆動する(S7)。
【0063】
このように構成することによって、例えば待機搬送ローラ対34から再給紙される際、用紙のスリップ等により、用紙先端がセンサ40bに到達するまで長時間かかったとしても、対応する時間だけ待機モータ68の最初の駆動を長時間行うことによって、正確な位置に二次転写を行うことができる。
【0064】
一方、センサ40bによって検出した時間Tが、T2≦T<T1ではない場合(S5がNO)、更にセンサ40bが検出した時間TがT3≦T<T2であるか判断する(S8)。ここで、センサ40bによって検出した時間TがT3≦T<T2である場合(S8がYES)、待機モータ68の駆動を停止し(S9、同図(a)に示すnのタイミング)、その後同図(a)に示す時刻Txのタイミングで待機モータ68を再駆動する(S10)。このように構成することによって、例えば待機搬送ローラ対34から再給紙される際、用紙先端がセンサ40bに到達するまでの時間は通常の範囲内であり、対応する時間だけ待機モータ68の最初の駆動を行うことによって、正確な位置に二次転写を行うことができる。
【0065】
尚、センサ40bによって検出した時間TがT3を超えるような場合(S8がNO)、この時間T1は前述のように予め設定された時間T1〜T3の中で最も長い時間であり、用紙ジャムが発生したものと判断し、例えば印刷装置の駆動を停止し(S11)、エラー表示を行う。
【0066】
以上のように本実施形態によれば、待機搬送ローラ対34に停止した用紙を再給紙する際、割込制御部34からセンサ40bに到達する時間Tを計測し、予め設定した時間T1〜T3との比較を順次行うことによって、待機搬送ローラ対34における用紙の斜行等の搬送時間の遅れ等を把握し、待機搬送ローラ対34の駆動時間を調整し、用紙への二次転写位置を正確に設定することができる。したがって、用紙に高品質の画像形成を行うことができる。
【0067】
尚、図6は本実施形態の印刷装置の変形例を示す図であり、転写ベルトを使用しない印刷装置の構成例を示す図である。同図において、給紙カセット70から給紙ローラ71によって搬出された用紙はセンサ73によって用紙の先端が検出され、前述のように待機搬送ローラ対74で一旦停止する。その後、待機モータ72を駆動し、用紙を像担持体である感光体ドラム76と転写器77で構成される転写部に搬送する。この時、前述と同様センサ75によって時間Tの検出が行われ、予め設定された時間T1〜T3との比較処理を行うことによって、用紙の斜行等に基づく印字位置の調整が行われ、正確な印字位置にトナー像の転写処理を行うことができる。その後、トナー像が転写された用紙には熱定着器78による熱定着処理が施される。
【0068】
一方、図7は本実施形態の印刷装置の他の変形例を示す図であり、転写ベルトに代えて用紙の搬送ベルトを使用する構成である。すなわち、給紙カセット80から給紙ローラ81によって搬出された用紙は上記と同様、センサ83によって先端が検出され、待機搬送ローラ対84で一旦停止する。その後、待機モータ82を駆動し、用紙を搬送ベルト86上に送り、不図示の感光体ドラムからマゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字ヘッド87M、87C、87Y、87Kによる露光を行う。この時、前述と同様センサ85によって時間Tの検出が行われ、予め設定された時間T1〜T3との比較処理を行うことによって、用紙の斜行等に基づく用紙への印字位置の調整が行われる。尚、用紙への露光後、熱定着器88による熱定着処理が施される。
【符号の説明】
【0069】
1 プリンタ装置
2 画像形成部
3 転写ベルトユニット
4 トナー供給部
5 給紙部
6 ベルト式定着ユニット
7 両面印刷用搬送ユニット
8 転写ベルト
8a 下部走行部表面
9(9m、9c、9y、9k) 現像装置
10 感光体ドラム
11 クリーナ
12 帯電ローラ
13 光書込ヘッド
14 現像器
15 現像ローラ
16 筐体
17 隔壁
15 現像ローラ
18 第1の攪拌搬送スクリュー
19 第2の攪拌搬送スクリュー
20 一次転写ローラ
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
23 二次転写部
24 ベルトクリーナ
25 廃トナー回収容器
26(26m、26c、26y、26k) リザーブタンク
27(27m、27c、27y、27k) トナーカートリッジ
29(29a、29b) 給紙カセット
30 電装部
31 用紙取出ローラ
32 給送ローラ
33 捌きローラ
34 待機搬送ローラ対
35 二次転写ローラ
36 搬出ローラ対
37 排紙トレー
38 排紙ローラ対
39 返送路
39a 開始返送路
39b 中間返送路
39c 終端返送路
41(41a、41b、41c、41d、41e) 返送ローラ対
42 トナー搬送路
43 トナー補給機構
44 カートリッジモータ
45 フィンスクリュウ
46 リザーブタンクモータ
47 トナー
48 フィンスクリュウ
49 現像器モータ
50 開口部
51 トナー濃度センサ
52 被検知部
53 検知部
54 検知装置
55 CPU(central processing unit)
56 インターフェイスコントローラ(I/F_CONT)
57 プリンタコントローラ(PR_CONT)
58 プリンタ印字部
59 ROM(read only memory)
61 EEPROM(electrically erasable programmable ROM)
62 操作パネル
63 センサ部
65 フレームメモリ
66 ベルト駆動部
67 待機モータ駆動部
70 給紙カセット
71 給紙ローラ
72 待機モータ
73 センサ
74 待機搬送ローラ対
75 センサ
76 感光体ドラム
77 転写器
78 熱定着器
80 給紙カセット
81 給紙ローラ
82 待機モータ
83 センサ
84 待機搬送ローラ対
85 センサ
86 搬送ベルト
87M、87C、87Y、87K 印字ヘッド
88 熱定着器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上に形成された画像と一致するタイミングで記録媒体を画像形成部に搬入する印刷装置において、
前記記録媒体の搬送を一旦停止させる待機ロールの用紙搬送方向下流側に設けられた第1の用紙先端検知手段と、
前記記録媒体を搬送するローラを回動させる回転駆動手段と、
前記記録媒体の先端が前記待機ロールに当接し、前記記録媒体の搬送が停止している状態で、前記回転駆動手段を駆動し、前記記録媒体が前記第1の用紙先端検知手段によって検知されたタイミングに従って前記回転駆動手段の駆動制御を行なう制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記待機ロールの用紙搬送方向上流側には、第2の用紙先端検知手段が設けられ、該第2の用紙先端検知手段は前記待機ロールでの前記記録媒体の待機量の設定に使用されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の用紙先端検知手段から検知信号を受信した後、前記回転駆動手段の駆動を停止し、転写部に送られる画像データに一致するタイミングで再度前記回転駆動手段の駆動を再開することを特徴とする請求項1、又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記回転駆動手段は、モータであることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記像担持体は感光体、又は転写ベルトであることを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−88628(P2012−88628A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236858(P2010−236858)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】