説明

印刷装置

【課題】副走査方向の移動機構に過度の負担を与えることなく、プーリの偏芯の影響を低減することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、インクヘッドと、主走査モータと、副走査モータ7と、副走査プーリ54と、CPUとを備える。インクヘッドは複数のノズルを備える。副走査方向における複数のノズルの各々の間隔は、所定距離Dnとなっている。主走査モータは、インクヘッドを主走査方向に移動させる。副走査プーリ54は、副走査モータ7の動力で回転軸55を中心として回転することで、プラテン5を副走査方向に移動させる。CPUは、インターレース方式でインクヘッド等を駆動することで、副走査方向の距離が所定距離Dnである単位領域内の画像をN回のパスで形成する。N回のパスを実行する間の副走査プーリ54の回転角度は、80度以上100度以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プーリを用いて媒体を移動させながら印刷を行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転軸を回転中心として回転するプーリを用いて、記録媒体をインクヘッドに対して副走査方向に相対移動させながら、記録媒体に対する印刷を実行する印刷装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の印刷装置では、記録媒体が載置されるプラテンにベルトが接続されている。ベルトはプーリに架設されている。プーリがモータの動力で回転することでベルトが回転し、プラテンが副走査方向に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−226768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転軸がプーリの中心に正確に位置していれば、印刷装置は移動を精度良く行うことができる。しかし、実際には、回転軸とプーリの中心軸とを完全に一致させることは困難であり、プーリの回転軸は偏芯している場合が多い。プーリの回転軸が偏芯していると、移動距離には誤差が生じる。偏芯による移動距離の誤差は、プーリの回転角度に応じて360度周期で増減し、プーリが180度回転した場合に誤差が最大となり得る。例えば、媒体の1送りピッチをプーリの整数回転に対応させることで、偏芯による影響を低減させることも想定される。しかし、この方法では、媒体を1送りピッチだけ移動させる毎にプーリを整数回転させなければならないため、印刷速度が大幅に低下する。さらに、モータを高速で回転させる必要があるため、効率が低下し、モータが脱調する可能性も増加する。従って、従来の技術では、副走査方向の移動機構に過度の負担を与えることなく、プーリの偏芯の影響を低減することは困難であった。
【0005】
本発明は、副走査方向の移動機構に過度の負担を与えることなく、プーリの偏芯の影響を低減することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る印刷装置は、副走査方向における複数のノズルの各々の間隔が所定距離となるように、前記複数のノズルが並べて配置されたインクヘッドと、前記インクヘッドを記録媒体に対して主走査方向に相対移動させる主走査手段と、回転駆動する副走査モータと、前記副走査モータの動力で回転軸を中心として回転することで、前記記録媒体を前記インクヘッドに対して副走査方向に相対移動させる副走査プーリと、前記インクヘッドを主走査方向に1回移動させる動作を1回のパスとし、1回のパスで形成され得る複数のドット列の間に次のパスでドット列を形成する動作を繰り返すインターレース方式で、前記インクヘッド、前記主走査手段、および前記副走査モータを駆動することで、副走査方向の距離が前記所定距離である単位領域内の画像をN回のパスで形成する制御手段とを備え、N回のパスを実行する間の前記副走査プーリの回転角度が80度以上100度以下であることを特徴とする。
【0007】
副走査プーリの偏芯によって生じる誤差は、副走査プーリの回転角度が180度である場合に最大となり得る。副走査プーリの回転角度を小さくする程、誤差は小さくなる。しかし、回転角度を小さくするためには副走査プーリを大きくする必要がある。副走査プーリが大きくなる程、装置は巨大化し、部材のコストも増加する。さらに、大きい副走査プーリを回転させるために大きな動力が必要となる。本発明に係る印刷装置は、100度以下の回転角度で単位領域内の印刷を完成させることができる。従って、複数の単位領域の各々を、偏芯による誤差を低減しつつ印刷することができる。さらに、印刷装置は、単位領域内の印刷を完成させる間の回転角度(以下、「単位回転角度」という。)を80度以上とすることで、副走査プーリの巨大化によって生じる影響を低減することができる。よって、本発明に係る印刷装置は、他の機構に過度の負担を与えることなく、副走査プーリの偏芯の影響を低減することができる。
【0008】
前記印刷装置は、前記副走査モータの出力軸に固定され、前記出力軸を中心として回転するモータプーリと、径が前記副走査プーリの径よりも大きく形成されると共に、中心軸が前記副走査プーリの前記回転軸と一致した状態で前記副走査プーリに固定され、前記モータプーリと連結される減速プーリとをさらに備えてもよい。印刷装置は、減速プーリを用いることで、モータプーリと副走査プーリの間の減速比を適切な値に調整できる。よって、印刷装置は円滑に副走査方向の移動を行うことができる。
【0009】
前記副走査モータは、解像度が600dpiの場合の1ステップの駆動分解能が1.8度、解像度が1200dpiの場合の1ステップの駆動分解能が0.9度のステップモータであってもよい。前記モータプーリの直径が10〜15mmであってもよい。前記減速プーリの直径が90〜150mmであってもよい。この場合、単位領域内の印刷を完成させる間の回転角度を80度以上100度以下とすることで、副走査プーリの大きさおよび偏芯による誤差が特に最適な値となる。
【0010】
前記印刷装置は、板材を屈曲させて形成される部材であり、前記副走査プーリを固定した前記回転軸を回転可能に支持する支持機構をさらに備えてもよい。前記支持機構は、前記支持機構の全体を支持する基部と、前記回転軸の長さよりも短い間隔で前記基部から平行に延びる一対の腕部と、前記一対の腕部の各々の対向する位置に形成され、支持された前記回転軸が挿通される一対の挿通孔と、前記一対の挿通孔の各々から前記腕部の先端側へ延び、前記腕部の先端側から前記挿通孔へ前記回転軸を案内する一対の案内溝と、前記一対の案内溝の各々の先端部を閉塞する閉塞部と、前記一対の腕部の少なくとも一方を、他方の前記腕部から離間する方向に屈曲することで形成され、前記一対の案内溝の先端部同士の距離を前記回転軸の長さ以上に拡張する屈曲部とを備えてもよい。
【0011】
案内溝の先端部同士の距離は、回転軸の長さ以上に拡張されている。よって、作業者は、副走査プーリが既に固定された回転軸を、腕部の先端側から案内溝を通じて挿通孔まで容易に移動させることができる。その後、作業者が回転軸を挿通孔に装着すれば、回転軸は支持機構に支持される。案内溝の先端部は閉塞されているため、開放されている場合に比べて腕部の強度は高い。従って、作業者は、予め副走査プーリが固定された回転軸を、強固且つ容易に支持機構に支持させることができる。副走査プーリを支持位置に移動させてから回転軸を挿入する従来の方法とは異なり、回転軸を副走査プーリの中心に正確に位置させることができるため、偏芯による誤差の影響をさらに低下させることができる。単位回転角度を小さくするために、大きな副走査プーリを使用する必要が生じても、作業者は容易に副走査プーリを支持機構に支持させることができる。案内溝の先端部を閉塞部で閉塞して強度を保つことで、重量の大きな副走査プーリであっても強固に支持される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】印刷装置1の平面図である。
【図2】インクヘッド11を底面側から見た斜視図である。
【図3】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】副走査機構50の平面図である。
【図5】副走査機構50の右側面図である。
【図6】減速プーリ51、副走査プーリ54、および回転軸55の縦断面図である。
【図7】回転軸55の偏芯によって生じるプラテン5の移動距離の誤差を説明するための説明図である。
【図8】単位領域を印刷する間の副走査プーリ54の回転角度が162.56度である場合の誤差の増減を示すグラフである。
【図9】単位領域を印刷する間の副走査プーリ54の回転角度が92.89度である場合の誤差の増減を示すグラフである。
【図10】支持機構75の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0014】
図1を参照して、印刷装置1の概要について説明する。印刷装置1は公知の布帛用インクジェットプリンタであり、インクヘッド11とプラテン5とを相対的に走査させることで、プラテン5に載置された布帛(記録媒体)に印刷を行うことができる。印刷装置1はベース2を備える。ベース2は、印刷装置1の底面に配置される平面板状の部材であり、印刷装置1の全体を支持する。印刷装置1の正面右側には操作パネル6が設けられている。ユーザは、操作パネル6を操作することで各種指示を印刷装置1に入力する。
【0015】
ベース2の略中央には、前後方向に延びる副走査ガイドレール4が設けられている。副走査ガイドレール4は、プラテン5を前後方向(副走査方向)に移動可能に支持している。プラテン5は、略長方形状の板状部材である。プラテン5の上面には、例えばTシャツ等の布帛からなら記録媒体が平行に載置される。印刷装置1は、プラテン5を副走査方向に移動させる副走査機構50(図4および図5参照)を備える。副走査機構50の詳細については後述する。
【0016】
プラテン5の上方には主走査ガイドレール16が設けられている。主走査ガイドレール16は、8つのインクヘッド11(図1では4つのインクヘッド11のみを図示)を搭載したキャリッジ10を左右方向に案内する。主走査ガイドレール16の左端近傍には主走査モータ17(図3参照)が、右端近傍には主走査プーリ(図示略)が設けられている。主走査モータ17と主走査プーリとの間には、主走査ベルト(図示略)が架設されている。主走査ベルトはキャリッジ10に固定されている。主走査モータ17が駆動すると、主走査ベルトに固定されたキャリッジ10は、主走査ガイドレール16に沿って左右方向(主走査方向)に移動する。
【0017】
印刷装置1本体の右端部には、8つのインクカートリッジ31を収容するインクカートリッジ収容部30が設けられている。8つのインクカートリッジ31の各々は、適度な柔軟性を有するチューブ32によって、キャリッジ10に搭載された8つのインクヘッド11の各々に連結されている。印刷装置1では、キャリッジ10の8つのインクヘッド11のうちの4つは白(W)インクを吐出するために設けられている。残りの4つのインクヘッド11は、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インクのそれぞれを吐出するために設けられている。
【0018】
図2を参照して、インクヘッド11について説明する。8つのインクヘッド11の構造は同じであるため、1つのインクヘッド11について説明を行う。インクヘッド11には、インクを吐出するための吐出チャンネル(図示略)が128個ずつ設けられている。各吐出チャンネルには、各々別個に駆動される圧電素子(図示略)が設けられている。図2に示すように、インクヘッド11の底面には、各吐出チャンネルに対応して微細なノズル39が形成されている。インクの液滴は、各吐出チャンネルからノズル39を通過して下向きに吐出される。128個のノズル39は、各ノズル39の間隔が所定距離Dnとなるように、前後方向(副走査方向)に並べて配置されている。
【0019】
図3を参照して、印刷装置1の電気的構成について説明する。印刷装置1は、印刷装置1の制御を司るCPU40を備える。CPU40が本発明の「制御手段」として機能する。CPU40には、ROM41、RAM42、ヘッド駆動部43、モータ駆動部44、操作処理部45、およびUSBインタフェース46が、バス48を介して接続されている。
【0020】
ROM41には、印刷装置1の動作を制御するための制御プログラム、初期値等が記憶されている。RAM42には、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)49から受信した印刷データ等の各種データが一時的に記憶される。ヘッド駆動部43は、8つのインクヘッド11に接続しており、複数の圧電素子を駆動することでインクの吐出を制御する。モータ駆動部44は、主走査モータ17および副走査モータ7を駆動する。操作処理部45は、操作パネル6に対する操作入力を処理する。USBインタフェース46は、印刷装置1をPC49等の外部機器に接続する。
【0021】
印刷装置1における印刷方式について説明する。印刷装置1は、インターレース方式で印刷を実行することができる。インターレース方式では、ノズル39の間隔Dnが副走査方向のドットピッチの2倍以上であるインクヘッド11が用いられる。ノズル39の間隔Dnが副走査方向のドットピッチよりも大きければ、1回の主走査方向の動作(パス)によって形成される複数のドット列(ラスタライン)の間には隙間が生じる。インターレース方式では、1回のパスで形成され得る複数のドット列の間に次のパスでドット列が形成される。以上の動作が繰り返されることで、副走査方向の距離がDnである領域(以下、「単位領域」という。)の画像が、N(N≧2)回のパスで形成される。つまり、単位領域の各々に対してN回重ね打ちすることで、各単位領域の印刷を完了する。その結果、高解像度の画像が形成される。本実施形態の印刷装置1は、単位領域の画像を4回のパスで形成する。
【0022】
図4から図6を参照して、副走査機構50について説明する。副走査機構50は、プラテン5を副走査方向に移動させる機構である。図4および図5に示すように、副走査機構50は、副走査モータ7、減速プーリ51、副走査プーリ54、およびベルトプーリ59を主に備える。
【0023】
副走査モータ7は、印刷装置1(図1参照)の後部中央に配置されている。本実施形態の副走査モータ7は、1ステップの駆動分解能が1.8度のステップモータである。つまり、CPU40が副走査モータ7に1ステップの回転を指示すると、副走査モータ7は1.8度回転する。なお、本実施形態の印刷装置1の解像度は600dpiであり、この場合には、駆動分解能が1.8度のステップモータを用いるのが望ましい。一方、解像度が1200dpiであれば、駆動分解能が0.9度のステップモータを用いるのが望ましい。図5に示すように、副走査モータ7の出力軸8は鉛直上方に延びている。出力軸8の上端にはモータプーリ9が固定されている。モータプーリ9は出力軸8を中心として回転する。
【0024】
図4および図5に示すように、減速プーリ51および副走査プーリ54は、副走査モータ7の後方、且つ副走査モータ7の上方に設けられている。減速プーリ51の径は、副走査プーリ54の径よりも大きく形成されている。
【0025】
図6に示すように、減速プーリ51には、上下方向に貫通する2つの螺子孔63が形成されている。また、副走査プーリ54の底面の2箇所には2つの螺子穴64が形成されており、各螺子穴64は副走査プーリ54の上下方向の中心部近傍まで延びる。減速プーリ51および副走査プーリ54は、それぞれ別個に形成される。作業者は、減速プーリ51の2つの螺子孔63の位置と、副走査プーリ54の2つの螺子穴64の位置とを合わせて、減速プーリ51の底面側から螺子65を挿入する。その結果、減速プーリ51と副走査プーリ54とは、各々の中心軸が一致した状態で固定される。減速プーリ51の径と副走査プーリ54の径とは異なるため、減速プーリ51と副走査プーリ54とを精密に一体形成するのは製造上困難である。本実施形態では、減速プーリ51および副走査プーリ54をあらかじめ別個に形成した後、両者を螺子65によって固定する。従って、作業者は、精密な減速プーリ51および副走査プーリ54を容易に製造することができる。なお、減速プーリ51の螺子孔63には螺子山を形成しなくてもよい。
【0026】
減速プーリ51の中心には、軸孔67が上下方向に貫通している。副走査プーリ54の中心には、軸孔68が上下方向に貫通している。減速プーリ51の軸孔67の径と、副走査プーリ54の軸孔68の径は、同一である。本実施形態では、回転軸55は、軸孔67および軸孔68に圧入されて固定される。従って、回転軸55は、圧入されない場合に比べて、減速プーリ51および副走査プーリ54の中心に正確且つ強固に固定される。従って、印刷装置1は、回転軸55が偏芯して印刷品質が低下することを抑制することができる。なお、回転軸55は、後述する支持機構75(図10参照)によって回転可能に支持される。
【0027】
図4に示すように、減速プーリ51には、上下方向に貫通する4つの肉抜き孔70が形成されている。詳細は後述するが、本実施形態の減速プーリ51および副走査プーリ54の径は、印刷中の回転角度を小さくしつつプラテンの移動距離を確保するために、従来よりも大きく設計されている。その結果、回転軸55の偏芯による影響を抑制することができる。一方で、減速プーリ51および副走査プーリ54の少なくともいずれかが大きくなると、減速プーリ51および副走査プーリ54を回転させる副走査モータ7の負荷は、従来よりも増大する可能性がある。副走査モータ7の負荷が増大すると、印刷速度の低下、脱調、消費電力の増加等の不具合が生じる可能性がある。本実施形態では、減速プーリ51に肉抜き孔70を形成して減速プーリ51の重量を減少させることで、副走査モータ7の負荷が増大することを防止できる。
【0028】
4つの肉抜き孔70は、減速プーリ51の回転軸55を中心として回転対称となるように放射状に設けられている。よって、減速プーリ51の重心は中心からずれることはなく、回転軸55等の負担が増大することはない。なお、肉抜き孔は、減速プーリ51および副走査プーリ54の少なくとも一方に設けることができる。
【0029】
図4および図5に示すように、モータプーリ9と減速プーリ51との間にはモータベルト52が架設されている。従って、副走査モータ7が回転すると、副走査モータ7の動力がモータベルト52によって減速プーリ51に伝わり、減速プーリ51および副走査プーリ54が回転する。ベルトプーリ59は、印刷装置1(図1参照)の前側中央(副走査プーリ54の前方)に配置されている。ベルトプーリ59の軸60は、回転可能な状態で支持される。副走査プーリ54とベルトプーリ59の間には副走査ベルト57が架設されている。副走査プーリ54が回転すると、副走査ベルト57が回転する。プラテン5は、プラテン取付部61によって副走査ベルト57に取り付けられている。従って、副走査ベルト57が回転すると、プラテン5は、副走査ガイドレール4(図1参照)に沿って副走査方向(前後方向)に移動する。以上のように、副走査モータ7の動力は、モータプーリ9、モータベルト52、減速プーリ51および副走査プーリ54、副走査ベルト57の順に伝達され、プラテン5が移動する。
【0030】
減速プーリ51の径と副走査プーリ54の径を適切な値に設定して減速比を調整することで、印刷装置1は円滑にプラテン5を副走査方向に移動させることができる。具体的には、副走査モータ7の駆動分解能に合わせて減速比を調整することで、プラテン5の副走査方向の移動距離を調整することができる。副走査プーリ54の径が減速プーリ51の径よりも小さいため、印刷装置1は、減速プーリ51を用いない場合に比べて細かくプラテン5の移動距離を制御することができる。
【0031】
なお、図示しないが、モータプーリ9、減速プーリ51、副走査プーリ54、およびベルトプーリ59の各々の外周には、複数の歯部が等間隔で形成されている。各プーリの歯部のピッチは同一である。また、モータベルト52および副走査ベルト57の内側には、プーリの歯部に噛み合う凹凸が周方向に連続して形成されている。
【0032】
図7を参照して、回転軸55の偏芯によって生じるプラテン5の移動距離の誤差について説明する。回転軸55が副走査プーリ54の中心99に正確に固定されていれば、副走査プーリ54は、回転しても位置がぶれることはない。従って、副走査ベルト57の位置もぶれない。本実施形態では、回転軸55が圧入によって固定されるため、回転軸55が副走査プーリ54の中心99からずれる可能性は低下する。しかし、圧入によって回転軸55を固定しても、回転軸55は副走査プーリ54の中心99から僅かにずれる(偏芯する)場合はある。回転軸55が偏芯している状態で副走査プーリ54が回転すると、副走査プーリ54の中心99は、円を描くように回転軸55の回りを回る。その結果、副走査プーリ54の位置がぶれる。
【0033】
詳細には、図7の上下方向(プラテン5の移動方向)における副走査プーリ54の中心99の変位をZとする。図7の上方をZの正方向、図7の下方をZの負の方法とし、偏芯していない場合の中心99の位置をZ=0とする。副走査プーリ54の回転角度をXとする。図7において、中心99が最も左側に位置した場合の回転角度をXの原点(X=0)とする。回転軸55の偏芯量をHとする。この場合、副走査プーリ54の中心99の変位は、「Z=HsinX」で表される。
【0034】
前述したように、本実施形態の印刷装置1は、単位領域の画像を4回のパスで形成する。具体的に、図7に示す状態(中心99が最も上側に位置した状態)から印刷動作を開始し、180/4度回転する毎に1〜4回目のパスを実行する場合を例示する。この場合、4回目のパスの実行が完了した時点(1つの単位領域の印刷が完了した時点)では、副走査プーリ54の中心99は最も下側に位置している。ここで、印刷装置1のCPU40(図3参照)は、単位領域の印刷を開始してから終了するまでの間に副走査プーリ54を180度回転させることで、副走査プーリ54の外周の半分の距離だけプラテン5を移動させることを意図している。しかし、実際には、副走査プーリ54自体が偏芯の影響で図7の下方へ2Hの距離だけ移動する。つまり、偏芯の影響で、距離2Hの誤差が生じる。
【0035】
以上のように、回転軸55が偏芯していると、プラテン5の移動距離には誤差が生じる。プラテン5の移動距離に誤差が生じると、2つのドット列の間に隙間が生じてスジが発生する不具合に繋がる。単位領域の印刷を完了する間(本実施形態では、4回のパスを実行する間)の誤差を小さくすることができれば、全ての印刷範囲の印刷品質を向上させることができる。移動距離の誤差は、副走査プーリ54の回転角度Xが180度の場合に最大値Nmax=2Hとなり得る。従って、単位領域の印刷を完了する間の回転角度Xを180度よりも小さくする程、移動距離の誤差は小さくなり、印刷品質は向上する。
【0036】
図8および図9を参照して、プラテン5の移動距離の誤差について、より具体的な説明を行う。図8および図9の破線は、副走査プーリ54の中心99の変位Zを示す。前述したように、変位Zは「Z=HsinX」(Hは偏芯量、Xは副走査プーリ54の回転角度)となる。変位Zは、単位領域を印刷する間(4パスの動作を実行する間)の回転角度の影響を受けない。
【0037】
図8および図9の実線は、単位領域の印刷(4パスの動作)の開始時点における副走査プーリ54の回転角度(横軸)と、単位領域の印刷中に生じるプラテン5の移動距離の誤差(縦軸)との関係を示す。つまり、図8および図9の実線は、N番目〜N+3番目(Nは整数)の4つのパスにおける「最大の変位―最小の変位」である。図8の例と図9の例とでは、4パスの動作における副走査プーリ54の回転角度Xのみが異なり、その他の条件(偏芯量H、副走査プーリ54等)は全て同じである。図8は、4パスの動作における副走査プーリ54の回転角度Xが162.56度である場合の例である。具体的には、1回目から4回目までの副走査方向の移動距離をd1〜d4で表すと、「d1+d2+d3+d4=162.56」となる。この場合、移動距離の誤差は0.5H〜1.7Hとなる。図9は、4パスの動作における副走査プーリ54の回転角度Xが92.89度である場合の例であり、回転角度Xは図8の場合よりも小さい。具体的には、1回目から4回目までの副走査方向の移動量をe1〜e4で表すと、「d1+e2+e3+e4=92.89」となる。この場合、移動距離の誤差は0.3H〜1.2Hとなる。以上のように、単位領域を印刷する間の回転角度Xを小さくする程、プラテン5の移動距離の誤差は小さくなり、印刷品質は向上する。
【0038】
プラテン5の副走査方向の移動距離は、ノズル39の間隔Dn等によって定まるため、自由に変更することができない。プラテン5の移動距離を変更することなく、副走査プーリ54の回転角度を小さくするためには、副走査プーリ54の径を大きくすればよい。しかし、副走査プーリ54の径を大きくしすぎると、副走査モータ7にかかる負荷が増大する。また、印刷装置1も巨大化し、コストも増加する。つまり、移動距離の誤差を小さくして印刷品質を向上させるためには、単位領域を印刷する間の副走査プーリ54の回転角度Xを180度よりもできるだけ小さくするとよい。一方で、副走査モータ7にかかる負荷等を考慮すると、回転角度Xを小さくしすぎるのは好ましくない。従って、単位領域を印刷する間の副走査プーリ54の回転角度Xは、80度以上100度以下とすることが望ましい。より好ましくは、回転角度Xを85度以上95度とするとよい。
【0039】
上記実施形態では、例えば、副走査プーリの周長は84mm程度である。また、一例として、モータプーリ9の直径は14mm、副走査プーリ54の直径は28mm、減速プーリ51の直径は139mm程度である。なお、各プーリの直径等を変更することも可能である。例えば、モータプーリ9の直径を10〜15mmの範囲で設定し、減速プーリ51の直径を90〜150mmの範囲で設定してもよい。この場合、副走査プーリ54の大きさおよび偏芯による誤差が特に最適な値となる。
【0040】
図10を参照して、支持機構75について説明する。従来、作業者は、副走査プーリ54を支持位置に配置してから、減速プーリ51の軸孔67および副走査プーリ54の軸孔68に回転軸55を挿入し、回転軸55を固定していた。しかし、この従来の方法では、回転軸55を軸孔67,68に圧入することが困難であり、回転軸55が偏芯しやすい。さらに、偏芯の影響を低下させるために副走査プーリ54の径を大きくすると、副走査プーリ54の重量は増加するため、回転軸55を強固に支持する必要がある。図10に示す支持機構75によると、作業者は、減速プーリ51および副走査プーリ54に回転軸55を予め固定した後に、回転軸55を強固且つ容易に印刷装置1に装着することができる。
【0041】
支持機構75は、金属の板材を屈曲させて形成される。本実施形態の支持機構75は上下対称であるため、以下では主に上半分の構造について説明し、下半分の構造の説明は簡略化する。支持機構75は基部76を備える。基部76は、上下方向に延びる板状の部位であり、支持機構75の全体を支持する。基部76の上端部および下端部からは、一対の腕部77が平行に図10の左方に延びる。一対の腕部77の間隔は、回転軸55の長さよりも短い。
【0042】
腕部77の中心よりもやや先端側(図10の左側)には、回転軸55を挿通して支持する円形の挿通孔81が形成されている。上部の腕部77の挿通孔81と、下部の腕部77の挿通孔81とは対向する。腕部77は、後端側(図10の右側)端部から中心部へかけて徐々に幅が狭くなるように形成されており、中心部から先端側端部までの幅は一定となっている。つまり、腕部77は、基部76に接続している後端側の方が、回転軸55を支持する先端側よりも幅広に形成されている。従って、腕部77は、省スペースで回転軸55を支持しつつ、基部76によって強固に支持される。
【0043】
腕部77には、挿通孔81から腕部77の先端側へ延びる案内溝80が形成されている。案内溝80の先端部には閉塞部79が設けられている。閉塞部79は、案内溝80の先端の開口を閉塞することで、腕部77の強度および安定性を向上させている。さらに、腕部77は、先端部に屈曲部78を備える。屈曲部78は、案内溝80を有する腕部77の先端部を屈曲させることで形成されている。上部の屈曲部78は上方へ屈曲されており、下部の屈曲部78は下方へ屈曲されている。従って、上下一対の屈曲部78は、互いに離間する方向に屈曲している。その結果、上部の案内溝80の先端部(上部の閉塞部79)と、下部の案内溝80の先端部(下部の閉塞部79)との間の上下方向の距離は、回転軸55の長さよりも長くなっている。
【0044】
支持機構75に回転軸55を支持させる手順について説明する。作業者は、減速プーリ51と副走査プーリ54とを螺子65(図6参照)によって固定し、軸孔67,68(図6参照)に回転軸55を圧入しておく。次いで、作業者は、案内溝80を通じて回転軸55を挿通孔81まで移動させる。仮に、支持機構75が屈曲部78を備えていなければ、一対の腕部77の距離は回転軸55の長さよりも短いため、回転軸55は閉塞部79に引っ掛かる。従って、回転軸55を案内溝80に挿入するのは困難である。しかし、支持機構75は屈曲部78を備えるため、上下の閉塞部79の距離は回転軸55の長さよりも長くなっている。よって、作業者は、回転軸55を容易に案内溝80に挿入することができる。つまり、支持機構75は、閉塞部79によって腕部77の強度を保持しつつ、回転軸55を案内溝80に挿入することを容易にしている。
【0045】
作業者は、回転軸55を挿通孔81まで移動させた状態で、回転軸55の上下の各々に、環状の抜け止め部82の軸孔85を通す。抜け止め部82は、軸受け部83とフランジ84とを備える。軸受け部83は、フランジ84よりも内側(副走査プーリ54に近い側)に位置する。軸受け部83の外径は、挿通孔81の径よりも僅かに小さく形成されている。よって、軸受け部83は挿通孔81に嵌まる。フランジ84の外径は、挿通孔81の径よりも大きく形成されている。よって、軸受け部83が挿通孔81に嵌まり、且つフランジ84が腕部77の板面に接触することで、抜け止め部82が位置決めされる。
【0046】
回転軸55は、フランジ84よりも外側(上方または下方)に突出する。回転軸55のうち、フランジ84から突出する部分には、周方向に溝部56が形成されている。作業者は、抜け止め部82を回転軸55に装着した状態で、開環状の止め輪87を回転軸55の溝部56に嵌める。その結果、回転軸55は回転可能な状態で支持機構75に支持される。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の印刷装置1では、N(N≧2)回のパスで単位領域を印刷する間の副走査プーリ54の回転角度が、80度以上100度以下である。副走査プーリ54の偏芯によって生じるプラテン5の移動距離の誤差は、副走査プーリ54の回転角度が180度である場合に最大となり得る。副走査プーリ54の回転角度を小さくする程、誤差は小さくなる。しかし、回転角度を小さくするためには副走査プーリ54の径を大きくする必要がある。副走査プーリ54が大きくなる程、印刷装置1は巨大化し、部材のコストも増加する。さらに、大きい副走査プーリ54を回転させるために、大きな動力が必要となる。本実施形態の印刷装置1では、単位領域内の印刷を完成させる間の副走査プーリ54の回転角度が100度以下である。従って、複数の単位領域の各々を、偏芯による誤差を低減しつつ印刷することができる。さらに、印刷装置1は、単位領域を印刷する間の副走査プーリ54の回転角度を80度以上とすることで、副走査プーリ54の巨大化によって生じる影響を低減することができる。よって、印刷装置1は、他の機構に過度の負担を与えることなく、副走査プーリ54の偏芯の影響を低減することができる。
【0048】
印刷装置1は、減速プーリ51を備える。副走査モータ7の回転は、減速プーリ51を介して副走査プーリ54に伝わる。減速プーリ51を設けることで、モータプーリ9と副走査プーリ54の間の減速比を適切な値に調整できる。従って、印刷装置1は、プラテン5を円滑に副走査方向に移動させることができる。
【0049】
副走査モータ7は、解像度が600dpiの場合の駆動分解能が1.8度、解像度が1200dpiの場合の駆動分解能が0.9度である。モータプーリ9の直径が10〜15mmであり、減速プーリ51の直径が90〜150である。この場合、副走査プーリ54の大きさおよび偏芯による誤差が特に適した値となる。
【0050】
印刷装置1は支持機構75を備える。支持機構75では、案内溝80の先端部同士の距離(一対の閉塞部79の距離)は、回転軸55の長さ以上に拡張されている。よって、作業者は、副走査プーリ54が既に固定された回転軸55を、腕部77の先端側から案内溝80を通じて挿通孔81まで容易に移動させることができる。その後、作業者が回転軸55を挿通孔81に装着すれば、回転軸55は支持機構75に支持される。案内溝80の先端部は閉塞されているため、開放されている場合に比べて腕部77の強度は高い。従って、作業者は、予め副走査プーリ54が固定された回転軸55を、強固且つ容易に支持機構75に支持させることができる。副走査プーリ54を支持位置に移動させてから回転軸55を挿入する従来の方法とは異なり、回転軸55を副走査プーリ54の中心に正確に位置させることができるため、偏芯による誤差の影響をさらに低下させることができる。従来よりも大きな副走査プーリ54を使用する必要が生じても、作業者は容易に副走査プーリ54を装着することができる。案内溝80の先端部を閉塞部79で閉塞して強度を保つことで、重量の大きな副走査プーリであっても強固に支持される。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。まず、本発明では、単位領域の印刷を行う間の副走査プーリ54の回転角度が80度以上100度以下となればよいため、この範囲内で、各プーリの径、副走査モータ7の駆動分解能、ノズル39の間隔Dn等を適宜変更できるのは言うまでもない。例えば、ノズル39の間隔Dnを上記実施形態の間隔よりも狭くした場合、単位領域も狭くなるため、プラテン5の移動距離も小さくなる。この場合、副走査プーリ54の回転角度が適切な値となるように、各プーリの径等を適宜調整すればよい。
【0052】
上記実施形態では、副走査モータ7の動力は、モータベルト52を介して減速プーリ51に伝えられる。しかし、モータベルト52を架設せずに、副走査モータ7のモータプーリ9の歯と減速プーリ51の歯とを直接噛み合わせて連結してもよい。同様に、プラテン5を移動させる機構については、ラックアンドピニオン機構、溝カム等を副走査ベルト57の代わりに用いてもよい。また、上記実施形態の印刷装置1は、記録媒体が載置されるプラテン5を副走査方向に移動させる。しかし、プラテン5を固定した状態で、インクヘッド11を副走査方向に移動させる印刷装置にも、本発明は適用できる。つまり、記録媒体とインクヘッド11とを相対的に移動させる印刷装置であれば、本発明は適用できる。
【0053】
上記実施形態では、減速プーリ51を用いることで、モータプーリ9と副走査プーリ54の間の減速比を調整している。しかし、減速プーリ51を用いずに、モータプーリ9と副走査プーリ54を直接連結してもよい。また、副走査モータ7の出力軸8に副走査プーリ54を直接固定することも可能である。
【0054】
支持機構75の細部の構成も変更できる。例えば、上記実施形態の支持機構75の形状は上下対称であるが、支持機構75は上下対称である必要は無い。具体的には、屈曲部78は、上部の腕部77と下部の腕部77の少なくともいずれかに設けられればよい。2つの腕部77の一方にのみ屈曲部78を設けた場合でも、上下の閉塞部79の距離を回転軸55の長さよりも長くすることは可能である。抜け止め部82等の構成も適宜変更できる。
【符号の説明】
【0055】
1 印刷装置
5 プラテン
7 副走査モータ
8 出力軸
9 モータプーリ
11 インクヘッド
17 主走査モータ
39 ノズル
40 CPU
50 副走査機構
51 減速プーリ
52 モータベルト
54 副走査プーリ
55 回転軸
57 副走査ベルト
59 ベルトプーリ
75 支持機構
76 基部
77 腕部
78 屈曲部
79 閉塞部
80 案内溝
81 挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
副走査方向における複数のノズルの各々の間隔が所定距離となるように、前記複数のノズルが並べて配置されたインクヘッドと、
前記インクヘッドを記録媒体に対して主走査方向に相対移動させる主走査手段と、
回転駆動する副走査モータと、
前記副走査モータの動力で回転軸を中心として回転することで、前記記録媒体を前記インクヘッドに対して副走査方向に相対移動させる副走査プーリと、
前記インクヘッドを主走査方向に1回移動させる動作を1回のパスとし、1回のパスで形成され得る複数のドット列の間に次のパスでドット列を形成する動作を繰り返すインターレース方式で、前記インクヘッド、前記主走査手段、および前記副走査モータを駆動することで、副走査方向の距離が前記所定距離である単位領域内の画像をN回のパスで形成する制御手段とを備え、
N回のパスを実行する間の前記副走査プーリの回転角度が80度以上100度以下であることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記副走査モータの出力軸に固定され、前記出力軸を中心として回転するモータプーリと、
径が前記副走査プーリの径よりも大きく形成されると共に、中心軸が前記副走査プーリの前記回転軸と一致した状態で前記副走査プーリに固定され、前記モータプーリと連結される減速プーリと
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記副走査モータは、解像度が600dpiの場合の1ステップの駆動分解能が1.8度、解像度が1200dpiの場合の1ステップの駆動分解能が0.9度のステップモータであり、
前記モータプーリの直径が10〜15mmであり、
前記減速プーリの直径が90〜150mmであることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
板材を屈曲させて形成される部材であり、前記副走査プーリを固定した前記回転軸を回転可能に支持する支持機構をさらに備え、
前記支持機構は、
前記支持機構の全体を支持する基部と、
前記回転軸の長さよりも短い間隔で前記基部から平行に延びる一対の腕部と、
前記一対の腕部の各々の対向する位置に形成され、支持された前記回転軸が挿通される一対の挿通孔と、
前記一対の挿通孔の各々から前記腕部の先端側へ延び、前記腕部の先端側から前記挿通孔へ前記回転軸を案内する一対の案内溝と、
前記一対の案内溝の各々の先端部を閉塞する閉塞部と、
前記一対の腕部の少なくとも一方を、他方の前記腕部から離間する方向に屈曲することで形成され、前記一対の案内溝の先端部同士の距離を前記回転軸の長さ以上に拡張する屈曲部と
を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−1026(P2013−1026A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136104(P2011−136104)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】