説明

印刷装置

【課題】電源喪失・回復の前後において、未印字部分が生じるのを防止しつつ、かつ無駄な重複印字も防止する。
【解決手段】印字ラベル作成装置は、テープ送りローラ駆動軸108と、サーマルヘッド123とを有し、印字の形成中に所定の電源障害が発生したかどうかを判定し、電源障害が発生した場合に、電源喪失より前に印字中断処理を実行し、印字中断処理が成功した場合には印字データのうちデータ中途部分からデータ終了部分まで印字を行うようにサーマルヘッド123及びテープ送りローラ駆動軸108を連携して制御するとともに、印字中断処理が失敗した場合にはデータ開始部分から前記データ終了部分までの印字を行うようにサーマルヘッド123及びテープ送りローラ駆動軸108を連携して制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印字媒体に対し所望の印刷を実行可能な印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばバッテリによる内部電源により動作する印刷装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。この従来技術では、被印字媒体(印字用テープ)を搬送するためのテープ送りモータと、このテープ送りモータの駆動力により搬送される被印字媒体に対し、所望の印字を形成する印字手段(印字機構)と、印字手段による印字の形成中に、電池の電圧が所定値以下になったことを検出する電圧検出手段と、を有している。そして、電源喪失につながる電源障害(=バッテリウィーク)の発生が電圧検出手段によって検出された場合は、印字手段が、予め定められた特定の区切りまで印字形成を行った後に、動作停止する。このように、電池の消耗時において特定の区切りまで印字を続行してから印字動作を停止することにより、被印字媒体を無駄にすることなく、それまでに印字した内容を有効活用できるように図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−205527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には、以下の課題が存在する。すなわち、上記のような電源障害の発生の際、状況によっては電源喪失が急激に進行するため、必ずしも上記特定の区切りまで印字を続行できるとは限らない。例えば電源喪失前に上記特定の区切りまで印字が続行できたときには、その後電源が回復したときに上記特定の区切り以降について印字を再開すれば足りるが、電源喪失前に上記特定の区切りまで印字が続行できなかったときには、その後電源が回復したときに上記特定の区切り以降についてのみ印字を再開してしまうと、一部の未印字部分を含む不適当な印刷物ができてしまう。これを回避するために、電源回復したとき電源喪失時と同様の印字動作を最初から行うようにすると、上記のように上記特定の区切りまで印字を続行できていた場合には、その部分までが重複印字となってしまい、被印字媒体が無駄に浪費されるとともに、動作時間が長くなる。
【0005】
本発明の目的は、電源喪失・回復の前後において、未印字部分が生じるのを防止しつつ、かつ無駄な重複印字も防止できる、印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願第1発明は、外部電源又は内部電源の電力により動作する印刷装置であって、被印字媒体を所定の速度で搬送するための搬送手段と、前記搬送手段により搬送される被印字媒体に対し、データ開始部分からデータ終了部分までにわたる所望の印字内容を形成するための印字データに基づく、所望の印字を形成する印字手段と、前記印字手段による前記所望の印字の形成中に、前記外部電源又は前記内部電源において電源喪失を招く所定の電源障害が発生したかどうかを判定する障害発生判定手段と、前記判定手段により前記電源障害が発生したと判定された場合に、前記電源喪失より前に、前記印字データにおける所定のデータ中途部分までの印字を実行する印字中断処理を実行可能な中断処理手段と、前記中断処理手段による前記印字中断処理が成功したか失敗したかを判定する中断成否判定手段と、前記電源喪失後の電源回復時において、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が成功したと判定されていた場合には前記印字データのうち前記データ中途部分から前記データ終了部分まで印字を行うように前記印字手段及び前記搬送手段を連携して制御するとともに、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が失敗したと判定されていた場合には前記データ開始部分から前記データ終了部分までの印字を行うように前記印字手段及び前記搬送手段を連携して制御する、連携制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願第1発明の印刷装置においては、搬送手段及び印字手段が設けられており、これらは外部電源又は内部電源の電力により動作する。搬送手段が、被印字媒体を搬送すると、その搬送される被印字媒体に対し、印字手段が印字データに基づく所望の印字を形成する。
【0008】
ここで、このような印字手段の印字形成中に、電池の消耗やケーブルやアダプタの外れ等の何らかの理由により、電源喪失につながる電源障害が発生する場合がある。本願第1発明においては、これに対応して、障害発生判定手段と中断処理手段とを設けている。印字形成中に上述の電源障害が発生したかどうかが上記障害発生判定手段で判定され、電源障害が発生したと判定された場合には、中断処理手段が所定の印字中断処理を実行し、電源喪失となる前に、印字データにおける所定のデータ中途部分までの印字が実行される。
【0009】
ここで、その後、電源障害が解消し電源が復旧したとき、上記のように印字中断処理が実行されデータ中途部分までの印字が実行されている場合には、被印字媒体においては当該データ中途部分までの印字は既に済んだ状態である。すなわち、データ開始部分からデータ中途部分までの印字を再度実行する必要はなく(むしろその部分の印字を再度実行すると重複印字となって無駄な動作となる)、印字データのうちのそれ以降の部分であるデータ中途部分からデータ終了部分までの印字を行えば足りることとなる。本願第1発明においてはこれに対応して、中断成否判定手段と連携制御手段とを設けている。中断成否判定手段は、上記印字中断処理が成功したか失敗したかを判定する。そして、印字中断処理が成功したと判定された場合には、連携制御手段が印字手段及び搬送手段を制御して、印字データのうち上記データ中途部分から上記データ終了部分までの印字が行われ、印字中断処理が失敗したと判定された場合に、印字データの全部、すなわちデータ開始部分からデータ終了部分までの印字が行われ、未印字部分が生じるのが防止される。
【0010】
以上のようにして、本願第1発明においては、電源喪失後に電源が回復したときに、その前後で、未印字部分が生じるのを防止しつつ、かつ重複した印字が無駄に行われるのも防止することができる。この結果、被印字媒体の無駄な消費や動作時間の増大を防止することができる。
【0011】
第2発明は、上記第1発明において、前記印字手段は、前記搬送手段の搬送方向と直交する方向に配列され、前記被印字媒体を前記搬送方向に印刷解像度に分割してなる各印刷ライン上に少なくとも各ドットを形成する、複数の発熱素子を備えたサーマルヘッドであり、かつ、前記搬送手段による搬送の開始後、前記印字データを1つの前記印刷ライン単位に分割したライン印刷データごとに通電態様を切り替えつつ、前記印字データに対応した前記複数の発熱素子の通電制御を行う通電制御手段を設け、前記中断処理手段は、前記所定の速度で前記被印字媒体の搬送が行われている状態から減速して停止するまで、前記搬送手段の搬送速度を下降制御する減速制御手段と、前記減速制御手段による前記搬送手段の制御に対応して、前記所定のデータ中途部分までの印字が完了するまでの間の、前記通電制御手段における前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を伸長化制御する伸長化制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本願第2発明においては、印字手段としてサーマルヘッドが用いられる。このサーマルヘッドは、搬送方向と直交する方向に配列された複数の発熱素子を備えている。それら複数の発熱素子は、被印字媒体の各印刷ライン上にドットを形成することにより、印字形成を行う。具体的には、搬送手段により被印字媒体が搬送され発熱素子の位置を被印字媒体の印刷ラインが順次通過していくのに対応して、通電制御手段の制御により、発熱素子の通電態様がライン印刷データごとに順次切り替えられる。これにより、サーマルヘッドは、搬送手段による被印字媒体の搬送速度に合わせた印刷周期で、印字形成を行うことができる。
【0013】
そして、本願第2発明では、電源喪失に対応した中断処理として、被印字媒体の減速そして停止と、その間の上記発熱素子の通電制御とが行われる。すなわち、減速制御手段により、所定の速度で被印字媒体の搬送が行われている状態から搬送速度が減速されていき、最終的には被印字媒体は停止する。そして、伸長化制御手段により、上記の搬送挙動に合わせた上記発熱素子の通電切り替え、すなわち通電タイミングの間隔の伸長が実行される。これにより、印字データのうち、中断処理が実行開始された部分から所定の中途部分までの間に、印字データに対応した形状の所望の文字や図像を形成することができる。
【0014】
第3発明は、上記第2発明において、前記伸長化制御手段は、前記減速制御手段の制御時における前記搬送手段の搬送特性に対し、前記サーマルヘッドにより前記被印字媒体に形成される実印刷図像の形状が前記印字データの図像イメージの形状と実質的に同一又は相似形状となるようにそれぞれ定められた所定の伸長時切り替え特性に基づき、前記ライン印刷データごとの通電切り替えを行うことを特徴とする。
【0015】
上述したように、電源喪失に対応した中断処理において、所定の速度で被印字媒体の搬送が行われている状態から搬送速度が減速されていき、最終的には被印字媒体は停止する。この搬送停止時において、例えば搬送手段がモータの動力により搬送ローラを駆動する構成である場合に、モータの回転子の慣性によりモータはすぐには回転停止せず、停止するまでの間にモータが所定量回転する。これにつれて搬送ローラもわずかに動いた後に停止することになる。このような場合には、そのままでは、定常的な所定速度による搬送状態から減速され停止するまでの間に、搬送挙動と印字動作との不整合により印刷の乱れ(実印刷図像の歪み、つぶれ、変形等)が生じる。これを解消するために、本願第3発明では、上記伸長化制御手段が、上記のように搬送停止時の搬送挙動に合わせた上記発熱素子の通電切り替え、すなわち通電タイミングの間隔の伸長を実行する。すなわち、例えば、上記のような搬送ローラの減速特性を考慮に入れ、そのような挙動が生じても結果として意図する形状の所望の印刷図像が印刷物に形成されるような、発熱素子の通電切り替えパターンを予め算出し設定しておく。そして搬送停止時には、その設定された通電切り替えパターンに沿って発電素子の通電が切り替えられ、印字形成が行われる。これにより、電源喪失の前に所定のデータ中途部分までの印字を完了させるまでの間、搬送手段の搬送ローラやモータの停止遅れを考慮して、印字データに対応した形状の所望の文字や図像を確実に形成することができる。
【0016】
第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記印字データを記憶可能な不揮発性の記憶手段を有し、前記連携制御手段は、前記電源喪失後の電源回復時において、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が成功したと判定されていた場合には前記記憶手段から取得された前記印字データの前記データ中途部分から前記データ終了部分までを取得するとともに、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が失敗したと判定されていた場合には前記記憶手段から取得された前記印字データの前記データ開始部分から前記データ終了部分までを取得する、第1データ取得手段を備えることを特徴とする。
【0017】
本願第4発明においては、不揮発性の記憶手段に印字データを記憶させておき、電源回復時において、印字中断処理が成功していた場合には、記憶手段からの印字データのデータ中途部分から前記データ終了部分までを取得する。これにより、電源喪失及び電源回復の前後で重複した印字が行われるのを防止することができる。
【0018】
第5発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記連携制御手段は、前記電源喪失後の電源回復時において、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が成功したと判定されていた場合には、前記印刷装置に情報送受信可能に接続された操作端末に対し前記印字データの前記データ中途部分から前記データ終了部分までの送信を要求するとともに、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が失敗したと判定されていた場合には前記操作端末に対し前記印字データの前記データ開始部分から前記データ終了部分までの送信を要求する、データ要求手段と、前記データ要求手段の要求により前記操作端末から送信された、前記印字データの前記データ中途部分から前記データ終了部分まで、若しくは、前記データ開始部分から前記データ終了部分まで、を取得する、第2データ取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本願第5発明においては、印刷装置は操作端末に対し情報送受信可能に接続されている。電源回復時において、印字中断処理が成功していた場合には、データ要求手段が、操作端末に対し印字データのデータ中途部分から前記データ終了部分までの送信を要求し、それらの部分が第2データ取得手段によって操作端末から取得される。これにより、電源喪失及び電源回復の前後で重複した印字が行われるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電源喪失・回復の前後において、未印字部分が生じるのを防止しつつ、かつ無駄な重複印字も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態の印字ラベル作成装置の外観を表す正面図である。
【図2】印字ラベル作成装置の外観を表す底面図である。
【図3】印字ラベル作成装置を給電器に装着する状態を表す斜視図である。
【図4】カートリッジの内部構造を模式的に表す平面図である。
【図5】印字ラベル作成装置の制御系を表す機能ブロック図である。
【図6】CPUの制御手順を表すフローチャートである。
【図7】印刷周期およびモータ回転速度の時間的変化を表す図である。
【図8】搬送再開前後の印刷図像の形成状態を表す図である。
【図9】ステップS175の詳細手順を表すフローチャートである。
【図10】印刷周期とモータ回転速度とを合致させるための制御手法を表す図である。
【図11】実施形態において印字中断処理が成功して印字及び搬送が停止したときの状態を表す図、実施形態において電源復帰後に中断位置から印字が再開され印字ラベルが作成される挙動を表す図、実施形態において印字中断処理が失敗して印字及び搬送が停止したときの状態を表す図、未印字部分が生じる比較例を表す図、実施形態において電源復帰後に最初から印字が再開され新たに印字ラベルが作成される挙動を表す図、である。
【図12】ラベル作成装置が操作端末により操作される変形例において、CPUによって実行される制御手順を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
<印字ラベル作成装置の外観構成>
まず、本実施形態の印刷装置である印字ラベル作成装置3の外観構成について図1〜図3により説明する。
【0024】
図1に示すように、印字ラベル作成装置3の上面部4には、文書データからなるテキストを作成するための文字入力キー5、テキストの印字を指令する印字キー6、漢字変換及びスペースを入力するスペースキー7、及び改行指令や各種処理の実行、選択を指令するリターンキー8、文字等のキャラクタを複数行に渡って表示する液晶ディスプレイ10上でカーソルを上下、左右に移動させるカーソルキー11等を含む操作部12が設けられている。
【0025】
印字ラベル作成装置3の左側面部13には、印字されたテープが排出されるテープ排出口14が形成されている。
【0026】
印字ラベル作成装置3の右側面部17には、電源アダプタ303が取り付けられるアダプタ挿入口18と、パーソナルコンピュータ等からなる操作端末300(後述の図5参照)と接続するためのUSBケーブル301(後述の図5参照)が取り付けられるコネクタ19と、が設けられている。
【0027】
図2に示すように、印字ラベル作成装置3の前側側面部21には、長手方向(図1及び図2中の左右方向)の中央位置で、かつ厚さ方向(図2中の上下方向)の中央位置に負極側の充電用受電端子23が設けられ、この充電用受電端子23の厚さ方向(図2中、上下方向)外側で長手方向(図2中、左右方向)中心線に対して対称な位置に正極側の各充電用受電端子24が設けられている。 なお、ボス42については後述する。
【0028】
なお、図示を省略するが、印字ラベル作成装置3の適宜の箇所には、例えばリチウムイオンバッテリ電源またはニッケル水素バッテリ電源等の充電可能な各種のバッテリ電源BT(後述の図5参照)を収納可能なバッテリ収納部が設けられている。
【0029】
<給電器の構成>
次に、給電器2の概略構成について説明する。図3に示すように、給電器2は、上面部が開口した下ケース51と、下ケース51の上面部に嵌め込まれて平面視略細長四角形の嵌合部53に印字ラベル作成装置3が装着される上ケース52と、下ケース51に収容される給電回路部(図示せず)とから構成されている。
【0030】
上記給電器2に対し、印字ラベル作成装置3を挿入することによって、印字ラベル作成装置3の上記前側側面部21が、給電器2の嵌合部53の底面部56上に載置される。また、印字ラベル作成装置3の前側側面部21に設けられる各充電用受電端子23,24(図2参照)は、給電器2の底面部56に突出する各充電用給電端子71,72に当接される。
【0031】
このとき、印字ラベル作成装置3の前側側面部21に設けられた上記ボス42によって検出スイッチ77が押下されることで、上記給電回路部が駆動される。すなわち、印字ラベル作成装置3の前側側面部21に設けられる奥側のボス42は、給電器2の底面部56の突起部76に穿設される貫通孔78に挿入され、検出スイッチ77がONになり、上記給電回路部が駆動される。これにより、各充電用給電端子71,72、各充電用受電端子23,24、及び各充電用受電端子23,24が接続される充電回路201(後述の図5参照)を介して、印字ラベル作成装置3の上記バッテリ収納部に収納されたバッテリ電源BTが充電される。
【0032】
<カートリッジの構成>
印字ラベル作成装置3内に設けられる、上記テープを供給可能なカートリッジについて、図4を用いて説明する。図4に示すように、印字ラベル作成装置3の内部には、カートリッジ158を着脱可能なカートリッジホルダ159が設けられている。
【0033】
カートリッジ158は、筐体158Aと、この筐体158A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記基材テープ101と略同じ幅であり、本実施形態の被印刷物を構成する透明なカバーフィルム103(被印刷物)が巻回された第2ロール104(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ158のテープ排出部の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ127とを有する。
【0034】
テープ送りローラ127は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済みラベル用テープ109としつつ、図4中矢印Aで示す方向にテープ送りを行う。
【0035】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており、詳細な図示を省略するが、内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、適宜の粘着剤からなる貼り合わせ用粘着層、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム、適宜の粘着剤からなる貼り付け用粘着層、剥離紙の順序で積層され構成されている。
【0036】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103の裏面に、インクリボン105がサーマルヘッド123(印字手段)に押圧されて当接させられる。
【0037】
このとき、上記のカートリッジ158の構成に対応して、カートリッジホルダ159には、上記使用済みのインクリボン105を巻き取るためのリボン巻き取り軸107と、印字済みラベル用テープ109を搬送するためのテープ送りローラ127を駆動するためのテープ送りローラ駆動軸108(搬送手段)とが設けられている。またカートリッジホルダ159には、カバーフィルム103に対し、印字データ(詳細は後述)に対応した所望の印字を行うサーマルヘッド123が、カートリッジ158の装着時にその開口部(図示せず)に位置するように設けられている。
【0038】
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ127は、それぞれカートリッジ158外に設けた例えばパルスモータである駆動モータ211(後述の図5参照)の駆動力が、図示しないギヤ機構を介し上記リボン巻取りローラ駆動軸107及び上記テープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって、連動して回転駆動される。
【0039】
上記構成において、カートリッジ158が上記カートリッジホルダ159に装着され、プラテンローラ126及び圧着ローラ128を備えたロールホルダがリリース位置から印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が、上記サーマルヘッド123と、このサーマルヘッド123に対向して設けた上記プラテンローラ126との間に狭持される。これとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103が、テープ送りローラ127と、テープ送りローラ127に対向して設けた上記圧着ローラ128との間に狭持される。そして、上記駆動モータ211の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ127が図4中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ128及びプラテンローラ126はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ127、圧着ローラ128、及びプラテンローラ126が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ127へ供給される。
【0040】
一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、サーマルヘッド制御回路217(後述の図5参照)によりサーマルヘッド123に設けられた複数の発熱素子123a(図4参照)が通電され、発熱する。このとき、カバーフィルム103の裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)には、リボン巻取りローラ106により駆動されるインクリボン105が、上記サーマルヘッド123に押圧されて当接させられる。この結果、カバーフィルム103の裏面に、所望の印字内容の上記印字データに対応した印字が形成される。そして、上記基材テープ101と上記印字が終了したカバーフィルム103とが、上記テープ送りローラ127及び圧着ローラ128の押圧により上記貼り合わせ用粘着層により接着されて一体化され、印字済みラベル用テープ109となってカートリッジ158外へと排出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0041】
カートリッジ158外へ排出された印字済みラベル用テープ109の搬送経路の下流側には、固定刃140と可動刃141を備えた切断機構420(カッタ)が設けられている。そして、ソレノイド駆動回路221(後述の図5参照)でソレノイド222(後述の図5参照)が通電されることにより可動刃141が動作し、上記カバーフィルム103及び基材テープ101からなる印字済みラベル用テープ109が切断され、印字ラベルL(後述の図11参照)が生成される。
【0042】
なお、以上説明した印字ラベル作成装置3の動作は、上記給電器2にラベル作成装置3が載置されることで商用電源から電力供給を受けて充電された上記バッテリ電源BT(後述)からの電力により、行われる。あるいは、上記の印字ラベル作成装置3の動作は、外部電源(図示せず)に接続された電源アダプタ303がアダプタ挿入口18(後述)に取り付けられた状態で、当該外部電源から電源アダプタ303を介して電力供給を受けることで、行うこともできる。
【0043】
<制御系>
次に、図5を用いて、印字ラベル作成装置3の制御系について説明する。
【0044】
図5において、印字ラベル作成装置3は、所定の演算を行う演算部を構成するCPU212を有している。
【0045】
CPU212は、RAM213の一時記憶機能を利用しつつROM214に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによって印字ラベル作成装置3全体の制御を行う。
【0046】
またCPU212は、給電器2に対し上記充電用受電端子23,24を介し接続され、印字ラベル作成装置3の電源のオン・オフ処理を行う電源回路215と、バッテリ電源BT(内部電源)の充電処理を行う充電回路201と、上記プラテンローラ126を駆動する上記駆動モータ211の駆動制御を行うモータ駆動回路216と、上記サーマルヘッド123の上記発熱素子の通電制御を行うサーマルヘッド制御回路217(通電制御手段)とに接続されている。
【0047】
このとき、CPU212には、バッテリ電源BTの出力電圧値を検出するためのA/D入力回路219が設けられている。このA/D入力回路219に、上記電源回路215と、上記バッテリ電源BTとが接続されている。また、電源アダプタ303が上記アダプタ挿入口18に取り付けられた場合には、電源回路215に上記電源アダプタ303が接続される。
【0048】
さらに、CPU212には、上記液晶ディスプレイ10と、通信用インターフェース302と、上記操作部12と、EEPROM304(記憶手段)と、ROM214と、RAM213と、ソレノイド駆動回路221、とが接続されている。
【0049】
ROM214には、ラベル作成処理の手順(後述の図6、図9、図12等に示す各手順)を実行するための制御プログラムが記憶されている。RAM213は、電源障害の発生を判定するための所定のしきい値(詳細は後述)等が記憶されている。EEPROM304には、後述の障害発生フラグFaの値が記憶される。ソレノイド駆動回路221は、これの通電によってソレノイド222を駆動させ、可動刃141が動作し、上記印字済みラベル用テープ109を切断する。
【0050】
通信用インターフェース302は、例えばUSB等から構成され、操作端末300との間でUSBケーブル301を介して情報通信(例えばシリアル通信等)を行う。これにより、前述のような操作部12における操作者の適宜の操作のみならず、操作端末300での操作者の適宜の操作によっても、ラベル作成装置3を操作し印字ラベルLの作成を行わせることができる(詳細は後述)
【0051】
<サーマルヘッドの通電制御>
ここで、サーマルヘッド制御回路217によるサーマルヘッド123の通電制御について詳細に説明する。サーマルヘッド123は、搬送方向と直交する方向に配列された上記複数の発熱素子123aを備えている。それら複数の発熱素子123aは、カバーフィルム103の各印刷ライン上に上記印字データに対応したドットを形成することにより、印字を行う。具体的には、上記CPU212が、上記操作部12を介した操作者の操作により取得された例えば文字列情報から、発熱素子123aでドットを形成するための上記印字データを生成する。すなわち、CPU212は入力された文字列と上記ROM214内のCG−ROM(図示せず)等に予め格納されていたドットパターンとに基づいて、印刷対象とする印字データ(ドット単位のデータで構成されたイメージデータ)を生成し、更にその印字データを、サーマルヘッド123に列設された上記発熱素子123aで印刷される1ライン単位に分割する。例えば、印刷解像度が360dpiに設定されている場合には1インチ当たり360ラインに分割したライン印刷データが生成される。そして、上記サーマルヘッド制御回路217が、CPU212からの上記ライン印刷データに基づき、サーマルヘッド123に駆動信号を供給し、サーマルヘッド123の駆動態様を制御する。すなわち、サーマルヘッド制御回路217は、発熱素子123a毎に対応付けられたデータレジスタに上記ライン印刷データを書き込んだ後、ストローブ信号に基づいて、各発熱素子123aの通電の時間と周期を制御することで、サーマルヘッド123全体の発熱態様を制御する。
【0052】
ここで、サーマルヘッド123への通電により、カバーフィルム103の各印刷ライン上にドットが形成される過程について詳述する。ここで印刷ラインとは、一列の発熱素子123aに一印刷周期の通電がなされることによりカバーフィルム103の幅方向に一列のドットが形成されるラインであり、カバーフィルム103の搬送方向の単位長さを解像度により分割した間隔ごとにある。また、一印刷周期とは、カバーフィルム103の幅方向に一列のドットを形成するために必要な時間であり、印刷開始時のサーマルヘッド123の熱容量不足を補うための“予備加熱1”の時間と、対応する発熱素子123aの温度を熱転写が可能となる(即ち、インクリボン105のインク層を溶融させることが可能な)所定温度(以下、インク溶融必要温度といい、例えば90°である)へと上昇させるための“予備加熱2”の時間と、対応する発熱素子123aの温度をインク溶融必要温度で一定に保つための“本加熱”の時間と、通電をしない冷却時間と、からなる。なお、一印刷周期の長さは解像度とテープ103等の搬送速度により変わる。例えば、360dpi、40mm/sでの印刷時の一印刷周期は、360dpiでの印刷ライン間(約0.07mm)を40mm/sで通過するのに必要な時間(約1.8ms)である。
【0053】
したがって、カバーフィルム103の幅方向に1列のドットを形成するに当たり、サーマルヘッド123にはCPU212が生成した1印刷ライン分のライン印刷データが転送され、転送された1印刷ライン分のライン印刷データに基づいて、対応する発熱素子123aが通電される。1印刷ライン分のライン印刷データとは、一列の発熱素子123aに一印刷周期の通電がなされることによりカバーフィルム103の幅方向に一列のドットが形成されるための印刷データである。よって1印刷ライン分のライン印刷データに基づいて通電された発熱素子123aはインク層のインクを溶融させるのに必要なインク溶融必要温度(例えば90°)まで発熱する。その結果、インクリボン105のインク層の内、サーマルヘッド123と接触する箇所のインクがサーマルヘッド123の加熱により溶融する。そして、溶融されたインク層のインクがカバーフィルム103に接着され、その後、インクリボン105をカバーフィルム103から離間させることにより、接着されたインクのみが1印刷ライン分のドットとしてカバーフィルム103へと転写される。そして、カバーフィルム103及びインクリボン105を予め定められた所定の搬送速度で搬送しつつ、上記熱転写の処理を1印刷ラインずつ繰り返し実行する。サーマルヘッド123に配列された多数の発熱素子123aはその都度、CPU212から転送される各印刷ライン分の印刷データに基づいて選択的かつ間欠的に通電される。その結果、カバーフィルム103には、上述した、上記操作部12を介した操作者の操作に対応した、操作者が所望するドット画像(テキスト文字など)が印字Rとして形成される。
【0054】
上記のようにして、本実施形態では、カバーフィルム103が搬送され発熱素子123aの位置をカバーフィルム103の印刷ラインが順次通過していくのに対応して、発熱素子123aの通電態様がライン印刷データごとに順次切り替えられる。これにより、サーマルヘッド123は、テープ103等の搬送速度に合わせた印刷周期で、印字を行うことができる。
【0055】
<制御手順>
上記構成において、本実施形態の特徴は、前述のようにして上記バッテリ電源BTからの電力を用いて印字ラベル作成装置3が動作中にバッテリ電源BTが消耗しその電圧がきわめて低くなったり、あるいは、電源アダプタ303挿入口18に電源アダプタ303を取り付けて動作中に何らかの事情で電源アダプタ303が外れたり等の、電源障害発生時における処理にある。以下、本実施形態の特徴である上記処理を含むCPU212の処理手順について、図6を用いて説明する。
【0056】
図6において、まず、ステップS101で、CPU212は、上記電源障害の発生を表す障害発生フラグFa=1の値が、上記EEPROM304に記憶され保持されているかどうかを、判定する。Fa=1となっていればステップS101の判定が満たされ、後述のステップS110に移る。Fa=1となっていなければステップS101の判定が満たされず、ステップS105に移る。ステップS105では、CPU212は、上記フラグFaと、後述する中断処理の成否を表す中断処理成功フラグFsとを、ともに0とする。その後、ステップS110に移る。
【0057】
ステップS110では、CPU212は、上記操作部12の適宜の操作により、操作者より印字ラベルLの作成指示があったか否かを判定する。操作者が、操作部12を操作し、印字ラベルLに形成したい所望の文字や図像を編集入力した後、適宜のキーやボタンでラベル作成指示を行うまでは判定が満たされず(S110:NO)ループ待機する。操作者が上記ラベル作成指示を行ったら判定が満たされ(S110:YES)、ステップS115に移る。
【0058】
ステップS115では、CPU212は、上記障害発生フラグFaが1であるか否かを判定する。前述のように最初はFa=0であるから判定が満たされず、ステップS120に移る。
【0059】
ステップS120では、CPU212は、上記ステップS110での印字ラベル作成指示の前における、上記操作者の編集入力に対応した印字データを生成する。その後、ステップS125に移る。
【0060】
ステップS125では、CPU212は、モータ駆動回路216に制御信号を出力し、駆動モータ211によりテープ送りローラ駆動軸108及びリボン巻取りローラ駆動軸107を駆動開始する。これにより、カバーフィルム103、基材テープ101、及び印字済みラベル用テープ109(以下適宜、単にカバーフィルム103等」という)が搬送開始される。その後、ステップS130に移る。
【0061】
ステップS130では、CPU212は、搬送されるカバーフィルム103等が、上記印字データに対応した印字開始位置まで搬送されたか否か(印字開始位置にサーマルヘッド123が正対する搬送方向位置になるまでカバーフィルム103等が搬送されたか否か)、を判定する。この判定は、例えばステッピングモータからなる駆動モータ211のパルス数をカウントする等、公知の適宜の手法により行えば足りる。カバーフィルム103等が上記印字開始位置まで搬送されたらステップ130の判定が満たされ(S130:YES)、ステップS135に移る。
【0062】
ステップS135では、CPU212は、ステップS120で生成された上記印字データに基づきサーマルヘッド123の発熱素子123aに対し通電を行い、印字を開始する。これにより、カバーフィルム103に、上記通電された発熱素子123aによりインクリボン105のインクが転写され、対応する印字が形成される。その後ステップS140に移る。
【0063】
ステップS140では、CPU212は、何らかの理由により電源障害が発生しているか否かを判定する。具体的には、A/D入力回路219で検出されるバッテリ電源BTの出力電圧や電源回路215からの出力電圧が、予め定めた所定のしきい値以下となったかどうかを判定する。このしきい値は、例えば、バッテリ電源BTのバッテリウィークや上記電源アダプタ303の外れ等を検出できるように、十分低い値に設定される。なお、このステップS140が、各請求項記載の障害発生判定手段として機能する。上記出力電圧がしきい値よりも高ければ判定が満たされず(S140:NO)、ステップS145に移る。
【0064】
ステップS145では、CPU212は、搬送されるカバーフィルム103等が、上記印字データに対応した印字終了位置まで搬送されたかどうか(印字終了位置に印字ヘッド123が正対する搬送方向位置になるまでカバーフィルム103等が搬送されたかどうか)、を判定する。この判定も上記同様の公知の手法により行えば足りる。カバーフィルム103等が上記印字終了位置に搬送されるまではステップS145の判定が満たされず(S145:NO)、ステップS140に戻る。このようにしてステップS140及びステップS145を繰り返している間に、カバーフィルム103等が上記印字終了位置に搬送されるとステップS145の判定が満たされ(S145:YES)、ステップS150に移る。
【0065】
ステップS150では、CPU212は、サーマルヘッド制御回路217に制御信号を出力し、サーマルヘッド123のすべての発熱素子を通電停止状態として印字を終了させる。その後、上記ステップS155に移る。
【0066】
ステップS155では、CPU212は、搬送されるカバーフィルム103等が、上記印字データに基づき印字領域よりラベル後端側に設定される切断位置まで搬送されたかどうか(上記切断位置に上記可動刃141が正対する搬送方向位置になるまで、印字済みラベル用テープ109が搬送されたかどうか)、を判定する。この判定も、前述と同様の公知の手法により行えば足りる。カバーフィルム103等が切断位置まで搬送されたらステップS155の判定が満たされ(S155:YES)、ステップS160に移る。
【0067】
ステップS160では、CPU212は、モータ駆動回路216に制御信号を出力し、駆動モータ211によるテープ送りローラ駆動軸108及びリボン巻取りローラ駆動軸107の駆動を停止する。これにより、カバーフィルム103、基材テープ101、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。
【0068】
その後、ステップS165で、CPU212は、ソレノイド駆動回路221に制御信号を出力する。これにより、ソレノイド222が駆動されて上記切断機構420により印字済みラベル用テープ109の切断が行われ、印字ラベルLが生成される。
【0069】
一方、上記ステップS140において、A/D入力回路219で検出される上記出力電圧が上記しきい値以下となった場合にはステップS170の判定が満たされ(S170:YES)、上記のバッテリ電源BTのバッテリウィークや上記電源アダプタ303の外れ等の電源障害が発生したとみなされてステップS170に移る。
【0070】
ステップS170では、CPU212は、上記障害発生フラグFaを1とする。その後、ステップS175に移る。
【0071】
ステップS175では、CPU212は、所定の印字中断処理を実行する。すなわち、前述のようにしてステップS30で印字データに基づき印字が開始されるとき、当該印字データには、操作者が印字ラベルLに形成したい上記所望の文字等に対応する、データ開始部分からデータ終了部分までの所定長さのデータが含まれている。この印字中断処理は、電源障害の発生の後に予想される電源喪失に備え、上記所定長さのデータに基づく印字及び搬送を、上記印字データにおける所定の中途部分まで行った後に停止する処理である。以下、その詳細を、図7〜図9により説明する。
【0072】
<印字と搬送のずれが生じる原理>
上記のように、電源喪失に備えて印字及び搬送を印字データの途中で終了するとき、前述のようにテープ送りローラ27は駆動モータ211の駆動力により駆動されて回転し、テープ103等に接触して摩擦により回転を伝達して搬送を行っている。その際、上記印字及び搬送の一時停止の際、駆動モータ211の回転子の慣性により駆動モータ211はすぐには回転停止せず、停止するまでの間に駆動モータ211が所定量回転する。これにつれてテープ送りローラ27もわずかに動いた後に停止することになる(図7(a)及び図7(b)参照)。
【0073】
ここで、前述したように、本実施形態では、カバーフィルム103が搬送され発熱素子23aの位置をカバーフィルム103の印刷ラインが順次通過していくのに対応して、発熱素子23aの通電態様がライン印刷データごとに順次切り替えられる。これにより、サーマルヘッド23は、テープ103等の搬送速度に合わせた印刷周期で、印字が行われる。このため、搬送停止時に上述のような挙動が生じる場合には、そのままでは、搬送停止時に、所定の搬送速度からテープ送りローラ27が減速されて停止するまでの間に、搬送挙動と印字動作との時間的な不整合により印字の乱れ(実印字図像の歪み、つぶれ、変形等)が生じる(図8(a)及び図8(b)参照)。
【0074】
<印字乱れの解消のための手法>
そこで、上記搬送停止時の印字の乱れを解消するために、上記印字中断処理では、上記のように搬送停止時に複雑な態様となる挙動に合わせて、上記発熱素子23aの通電切り替えが実行される。すなわち、例えば、上記駆動モータ211の回転子の慣性に基づく上記挙動を考慮に入れ、そのような挙動が生じても搬送停止時に結果として意図する形状の所望の印字図像(印字R等)が印字ラベルLに形成されるような、発熱素子23aの通電切り替えパターンを予め算出し設定しておく。そして、上記搬送停止時において、テープ送りローラ127が上記所定の搬送速度で定常的に回転している状態から減速されて停止するまでの間、その設定された通電切り替えパターンに沿って発電素子の通電が切り替えられ、印字が行われる。
【0075】
上記のような内容を実行する、ステップS175の中断処理の詳細を図9に示す。図9において、ステップS176で、CPU212は、モータ駆動回路216に制御信号を出力して駆動モータ211を駆動制御することにより、予め定められた所定の搬送減速パターンにより、搬送速度を減速する(図10(b)参照)。具体的には、駆動モータ211の回転が、テープ103等を上記所定の搬送速度で搬送していている状態から減速されるように、回転速度が下降する。また同時にCPU212は、サーマルヘッド制御回路217に制御信号を出力して予め定められた所定の印刷周期伸長パターン(伸長時切り替え特性)により、印刷周期を伸長する(図10(a)参照)。具体的には、上記駆動モータ211の減速制御に対応して、サーマルヘッド123の発熱素子123aに対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を長くする伸長化制御が実行される。なお、このステップS176が各請求項記載の減速制御手段及び伸張化制御手段として機能する。
【0076】
その後、ステップS177で、CPU212は、モータ駆動回路216に制御信号を出力して駆動モータ211を駆動制御することで、テープ103等の搬送を停止する。また同時にCPU212は、サーマルヘッド制御回路217に制御信号を出力して、発熱素子23aの通電を停止して印刷を停止する。なお、このときに上記印字データは、上記EEPROM304に記憶される。その後、このルーチンを終了する。これにより、上記印字データにおける所定の中途部分まで上記印字乱れが生じることなく印字が形成され、印字及び搬送が停止する(図11(a)参照)
【0077】
以上のようなステップS175の印字中断処理が終了したら、ステップS180に移る。なお、上記ステップS175が、各請求項記載の中断処理手段として機能する。
【0078】
ステップS180では、CPU212は、上記中断処理が成功したか否かを判定する。すなわち、前述のようにしてステップS140で電源障害が発生したと判定されたとき、バッテリ電源BTのバッテリウィークであれば当該バッテリ電源BTの残容量によって上記中断処理を実行可能であるが、電源アダプタ303が外れたような場合には一瞬にして電源が喪失されるため、上記中断処理を実行できない可能性がある。このステップS180は、上記いずれであるかを見分けるためのステップである。上記電源障害がバッテリウィーク等であり中断処理が成功した場合にはステップS180の判定が満たされ(S180:YES)、ステップS190に移る。なお、このステップS180が、各請求項記載の中断成否判定手段として機能する。
【0079】
ステップS190では、CPU212は、上記中断処理成功フラグFsを1とする。なお、このFs=1の値は、上記EEPROM304に記憶され、保持される。その後、ステップS195に移る。
【0080】
ステップS195では、CPU212は、液晶ディスプレイ10に表示制御信号を出力し、例えば「中断処理を行いました」等の適宜のメッセージを表示させる。その後、ステップS200で電源がOFFされた後、このフローを終了する。なお、上記電源障害が電源アダプタ303が外れたものであった等で中断処理が失敗しステップS180の判定が満たされなかった場合には、ステップS185でそのまま電源がOFFされ、このフローを終了する。
【0081】
一方、上記のようにして電源障害が生じてこのフローを終了した後、電源が回復した場合、上記ステップS170でFa=1となっていることから、ステップS101、ステップS110を経てステップS115の判定が満たされ(S115:YES)、ステップS205に移る。
【0082】
ステップS205では、CPU212は、上記中断処理成功フラグFsが1であるか否かを判定する。前述のように上記電源障害がバッテリウィーク等であり中断処理が成功していた場合には、上記ステップS190でFs=1となっていることから、この電源回復時においてステップS205の判定が満たされ(S205:YES)、ステップS215に移る。
【0083】
ステップS215では、CPU212は、前述のステップS120で生成され上記EEPROMに記憶されていた上記印字データ(元データ)を読み出す。その後、ステップS220に移る。
【0084】
ステップS220では、CPU212は、上記ステップS215で読み出した印字データ(上記データ開始部分から上記データ終了部分までの所定長さのデータが含まれる)から、上記印字中断処理において実行された所定の中途部分までのデータを除く、中断位置以降のデータを生成する。その後、後述のステップS225に移る。なお、上記ステップS215及びステップS220が、各請求項記載の第1データ取得手段として機能する。
【0085】
一方、上記ステップS205において、前述のように上記電源障害が電源アダプタ303の外れにより生じており中断処理が失敗していた場合には、上記Fs=0のままであり、この電源回復時においてステップS205の判定が満たされず(S205:NO)、そのままステップS225に移る。
【0086】
ステップS225では、CPU212は、上記フラグFa,Fsをともに0に初期化し、前述したステップS125に移る。
【0087】
これにより、ステップS125で、前述のようにして、カバーフィルム103等の搬送が開始される。そして、ステップS130及びステップS135では、上記電源障害がバッテリウィーク等であり中断処理が成功していた場合には、その中断処理において搬送及び印字が停止していた状態から、上記中断位置以降のデータによって印字形成が再開される。これにより、その後のステップS145〜ステップS165において、上記印字データにおけるデータ終了部分までの印字Rが形成されることで印字ラベルLが完成する(図11(b)参照)。また、上記電源障害が電源アダプタ303が外れる等により生じており中断処理が失敗していた場合(図11(c)参照)には、ステップS130及びステップS135では、中断処理に関係なく、上記印字データの全部、すなわちデータ開始部分からデータ終了部分までを用いて印字形成が再開される。これにより、その後のステップS145〜ステップS165において、上記印字データのすべてに対応した印字Rが形成され、新たに印字ラベルLが完成する(図11(e)参照)。これにより、上記のように上記中断位置以降のデータによって印字形成を再開した場合に生じうる。図11(d)に示すような未印字部分が生じるのを防止することができる。
【0088】
以上の各手順において、上記ステップS215、ステップS220、ステップS125、ステップS130、ステップS135、ステップS145、ステップS150、ステップS160が、各請求項記載の連携制御手段として機能する。
【0089】
以上説明したように、本実施形態の印字ラベル作成装置3においては、印字形成中に電源障害が発生したかどうかが図6のステップS140で判定され、電源障害が発生したと判定された場合には、ステップS175で所定の印字中断処理が実行され、電源喪失となる前に、印字データにおける所定のデータ中途部分までの印字が実行される。
【0090】
ここで、上記電源障害が解消し電源が復旧したとき、上記のように印字中断処理が実行されデータ中途部分までの印字が実行されている場合には、カバーフィルム103に対し当該データ中途部分までの印字は既に済んだ状態である(図11(a)参照)。すなわち、データ開始部分からデータ中途部分までの印字を再度実行する必要はなく(むしろその部分の印字を再度実行すると重複印字となって無駄な動作となる)、印字データのうちのそれ以降の部分であるデータ中途部分からデータ終了部分までの印字を行えば足りることとなる。
【0091】
そこで、本実施形態では、ステップS180で、上記印字中断処理が成功したか失敗したかが判定される。そして、印字中断処理が成功していた場合には、EEPROM304に記憶されていた印字データのうち上記データ中途部分から上記データ終了部分までの印字が行われ(図11(b)参照)、印字中断処理が失敗した場合には、印字データの全部、すなわちデータ開始部分からデータ終了部分までの印字が行われ、未印字部分が生じるのが防止される(図11(e)参照)。
【0092】
以上の結果、本実施形態によれば、電源喪失後に電源が回復したときに、その前後で、未印字部分が生じるのを防止しつつ、かつ重複した印字が無駄に行われるのも防止することができる。この結果、カバーフィルム103等の無駄な消費や動作時間の増大を防止することができる。
【0093】
なお、以上においては、主として、印字ラベル作成装置3は、操作者による操作部12の操作によってラベル作成動作を行った場合を例にとって説明したが、これに限られない。前述したように、印字ラベル作成装置3は、通信用インターフェース302を介し接続された操作端末300からの操作によってラベル作成を行うこともできる。その場合、前述の操作者による文字・図像の編集入力は操作端末300によって行われ、対応する上記印字データやラベル作成指示が操作端末300より送信され、ラベル作成装置3のCPU212で取得される。以下、そのような変形例を図12により説明する。図12は、そのような変形例においてCPU212が実行する手順を示す、上記図6に対応する図である。
【0094】
図12に示すフローでは、図6におけるステップS120に代えてステップS120′が設けられ、またステップS210に代えてステップS211とステップS212が設けられ、さらにステップS215及びステップS220に代えてステップS216及びステップS221が設けられる。
【0095】
図12において、上記図6と同様のステップS101、ステップS105の後、ステップS110では、CPU212は、上記操作端末300より上記印字ラベルLの作成指示があったか否かを判定する。その後、ステップS115を経て、新たに設けたステップS120′では、CPU212は、操作端末300より、上記操作者の編集入力に対応した印字データを取得する。その後のステップS125〜ステップS165は上記図6と同様の処理であり、説明を省略する。
【0096】
一方、電源障害の発生時には、上記同様、ステップS140の判定が満たされずに、ステップS170を経て、ステップS175で上記同様の中断処理が行われる。その詳細手順では、上記図9のステップS176において、前述と同様の、駆動モータ211の減速制御、及び、これに対応した伸長化制御が実行される。そして、その後のステップS177では、印刷と搬送とが停止される。但し、本変形例では、このときの上記印字データは、上記EEPROM304ではなく、通信用I/F302を介して操作端末300に送信され、操作端末300内の適宜のメモリに記憶される。ステップS175より以降の、ステップS180、ステップS185、ステップS190、ステップS195、ステップS200は上記図6と同様の処理であり、説明を省略する。
【0097】
上記のようにして電源障害発生時に中断処理が行われた後、電源が復帰したときには、上記図6と同様、ステップS105、ステップS110を経てステップS115の判定が満たされず(S115:NO)、ステップS205に移る。 ステップS205では、上記同様、CPU212は、上記中断処理成功フラグFsが1であるか否かを判定する。前述のように上記電源障害がバッテリウィーク等であり中断処理が成功していた場合には、上記ステップS190でFs=1となっていることから、この電源回復時においてステップS205の判定が満たされ(S205:YES)、新たに設けたステップS216に移る。
【0098】
ステップS216では、CPU212は、上記通信用I/F302を介し、操作端末300に対し、上記印字データ(上記データ開始部分から上記データ終了部分までの所定長さのデータが含まれる)から、上記印字中断処理において実行された所定の中途部分までのデータを除く、中断位置以降のデータの送信を要求する。そして、ステップS221で、CPU212は、上記ステップS216での要求に対応して操作端末300から送信された上記中断位置以降のデータを受信する。
【0099】
一方、上記ステップS205において、前述のように上記電源障害が電源アダプタ303の外れにより生じており中断処理が失敗していた場合には判定が満たされず(S205:NO)、新たに設けたステップS211に移る。
【0100】
ステップS211では、CPU212は、上記通信用I/F302を介し、操作端末300に対し、上記印字データ(上記データ開始部分から上記データ終了部分までの所定長さのデータが含まれる)の送信を要求する。そして、新たに設けたステップS212で、CPU212は、上記ステップS211での要求に対応して操作端末300から送信された上記印字データを受信する。なお、上記ステップS211及びステップS216が、書く請求項記載のデータ要求手段として機能し、上記ステップS212及びステップS221が、各請求項記載の第2データ取得手段として機能する。
【0101】
ステップS221又はステップS212の処理が終了したら、上記同様のステップS225を経て、上記ステップS125に戻る。
【0102】
これにより、上記実施形態と同様、上記電源障害がバッテリウィーク等であり中断処理が成功していた場合には、上記ステップS125〜ステップS165において、データ終了部分までの印字Rが追加して形成されることで印字ラベルLが完成する(図11(b)参照)。また、上記電源障害が電源アダプタ303が外れる等により生じており中断処理が失敗していた場合には、同様に、上記ステップS125〜ステップS165において、上記印字データのすべてに対応した印字Rが形成された印字ラベルLが完成する(図11(e)参照)。これにより、前述と同様、未印字部分が生じるのを防止することができる。
【0103】
なお、以上において、印字の終了した印字済みラベル用テープ109をカッタで切断して印字ラベルLを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタで切断しなくても、テープが排出されてきた後にラベル台紙(対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして印字ラベルLを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0104】
また、以上においては、基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。
【0105】
なお、図5中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0106】
なお、上記図6、図9、図12に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0107】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0108】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0109】
3 印字ラベル作成装置(印刷装置)
108 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
123 サーマルヘッド(印字手段)
103 カバーフィルム(被印字媒体)
304 EEPROM(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源又は内部電源の電力により動作する印刷装置であって、
被印字媒体を所定の速度で搬送するための搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される被印字媒体に対し、データ開始部分からデータ終了部分までにわたる所望の印字内容を形成するための印字データに基づく、所望の印字を形成する印字手段と、
前記印字手段による前記所望の印字の形成中に、前記外部電源又は前記内部電源において電源喪失を招く所定の電源障害が発生したかどうかを判定する障害発生判定手段と、
前記判定手段により前記電源障害が発生したと判定された場合に、前記電源喪失より前に、前記印字データにおける所定のデータ中途部分までの印字を実行する印字中断処理を実行可能な中断処理手段と、
前記中断処理手段による前記印字中断処理が成功したか失敗したかを判定する中断成否判定手段と、
前記電源喪失後の電源回復時において、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が成功したと判定されていた場合には前記印字データのうち前記データ中途部分から前記データ終了部分まで印字を行うように前記印字手段及び前記搬送手段を連携して制御するとともに、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が失敗したと判定されていた場合には前記データ開始部分から前記データ終了部分までの印字を行うように前記印字手段及び前記搬送手段を連携して制御する、連携制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の印刷装置において、
前記印字手段は、
前記搬送手段の搬送方向と直交する方向に配列され、前記被印字媒体を前記搬送方向に印刷解像度に分割してなる各印刷ライン上に少なくとも各ドットを形成する、複数の発熱素子を備えたサーマルヘッドであり、
かつ、
前記搬送手段による搬送の開始後、前記印字データを1つの前記印刷ライン単位に分割したライン印刷データごとに通電態様を切り替えつつ、前記印字データに対応した前記複数の発熱素子の通電制御を行う通電制御手段を設け、
前記中断処理手段は、
前記所定の速度で前記被印字媒体の搬送が行われている状態から減速して停止するまで、前記搬送手段の搬送速度を下降制御する減速制御手段と、
前記減速制御手段による前記搬送手段の制御に対応して、前記所定のデータ中途部分までの印字が完了するまでの間の、前記通電制御手段における前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を伸長化制御する伸長化制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の印刷装置において、
前記伸長化制御手段は、
前記減速制御手段の制御時における前記搬送手段の搬送特性に対し、前記サーマルヘッドにより前記被印字媒体に形成される実印刷図像の形状が前記印字データの図像イメージの形状と実質的に同一又は相似形状となるようにそれぞれ定められた所定の伸長時切り替え特性に基づき、前記ライン印刷データごとの通電切り替えを行う
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記印字データを記憶可能な不揮発性の記憶手段を有し、
前記連携制御手段は、
前記電源喪失後の電源回復時において、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が成功したと判定されていた場合には前記記憶手段から取得された前記印字データの前記データ中途部分から前記データ終了部分までを取得するとともに、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が失敗したと判定されていた場合には前記記憶手段から取得された前記印字データの前記データ開始部分から前記データ終了部分までを取得する、第1データ取得手段を備える
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記連携制御手段は、
前記電源喪失後の電源回復時において、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が成功したと判定されていた場合には、前記印刷装置に情報送受信可能に接続された操作端末に対し前記印字データの前記データ中途部分から前記データ終了部分までの送信を要求するとともに、前記中断成否判定手段により前記印字中断処理が失敗したと判定されていた場合には前記操作端末に対し前記印字データの前記データ開始部分から前記データ終了部分までの送信を要求する、データ要求手段と、
前記データ要求手段の要求により前記操作端末から送信された、前記印字データの前記データ中途部分から前記データ終了部分まで、若しくは、前記データ開始部分から前記データ終了部分まで、を取得する、第2データ取得手段と、
を備えることを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−71397(P2013−71397A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213875(P2011−213875)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】