説明

印画位置決め機構及びプリンタ

【課題】プリンタに対する印画ヘッドの支持及び固定方法を簡略化し、信頼性の向上とコストダウンとの両立を図る。
【解決手段】支持軸19と、支持軸19によって支持されたプラテン11と、プラテン11と対向し、プラテン11に接近又は離反するように移動するサーマルヘッド10とを備え、サーマルヘッド10をプラテン11に接近させた際に、サーマルヘッド10とプラテン11との位置関係を調整する印画位置決め機構であって、支持軸19は、支持軸19の軸方向と垂直な平面内で移動可能であり、サーマルヘッド10は、サーマルヘッド10と連動し、プラテン11に対するサーマルヘッド10の接近時に支持軸19のボールベアリング24の外周と当接する調心部材25を備え、調心部材25を当接させることで、支持軸19を所定の位置に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印画ヘッドをプラテンに接近させた際に、印画ヘッドとプラテンとの位置関係を調整する印画位置決め機構、及びこの印画位置決め機構を用いたプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリンタ(例えばサーマルプリンタ)においては、高品位な印画画像を得るために、プラテンに対して印画ヘッド(サーマルヘッド)が規定の圧力で圧接するようにしている。ここで、サーマルヘッドの圧接は、一般的には、プラテンに対して接離(ヘッドダウン及びヘッドアップ)可能なサーマルヘッドを複数のバネを使用して均一に押し付けるようにしており、それにより、印画と搬送とが安定して行えるようになっている。そのため、プラテンに対してサーマルヘッドを平行にセットすることが、サーマルプリンタの印画品質を維持する第1条件となる。
【0003】
しかしながら、サーマルプリンタの設置状態や、経年変化によるサーマルヘッドのゆがみ、反り等がプラテンに影響し、サーマルヘッドの押付け力がプラテンの各所でバラつくことによって次第に濃度ムラやカスレが発生し、サーマルプリンタの印画品質を低下させる結果となっていた。
そこで、こうしたサーマルヘッドの押付け力のバラつきを補正するため、プラテンの固定位置にサーマルヘッドを追従させ、プラテンとサーマルヘッドとの平行状態を維持することができるように、サーマルヘッドに対して調心機構を付与した種々の技術が提案されている。
【0004】
このようなサーマルヘッドの調心に関する技術として、例えば、サーマルヘッドの両側を支持するヘツド支持部材をコ字型の板状に形成するとともに、起立したコ字型の両側の基部に、ヘツド支持部材を介してサーマルヘッドをプラテンに接触又は離反させるように回動自在に支持する支軸の挿通孔を形成し、各挿通孔を長孔とした技術が知られている。そして、この各挿通孔は、プラテンに対するサーマルヘツドの押圧方向に延びるようにそれぞれ形成されており、ヘツド支持部材が自由にプラテン側に移動可能であることから、サ−マルヘツドの自動調心が容易に達成できるようになっている。(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2−113955号公報
【0005】
また、サーマルヘッドの支持軸に対して支点軸受部を可動中心とし、プラテンの軸方向及びプラテンに対して近接又は離反する方向の2次元方向にのみならず、この2次元方向に垂直な方向にも移動させることができるようにした3次元調心機構が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献2】特開2002−234204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述の特許文献1及び特許文献2の技術はいずれも、サーマルヘッドに調心機構を付与したものであって、プラテンに対するサーマルヘッドの調心機構を各方向に設置すればするほど、サーマルヘッドがフリーな状態になることは明白である。そのため、印画動作前におけるサーマルヘッドの正確なセッティングや、印画動作中におけるサーマルヘッドの固定及びその維持がかえって困難となってしまうという問題がある。
【0007】
また、たとえサーマルヘッドの正確なセッティング等ができたとしても、それは、精密さを要するサーマルヘッドのアッセンブリに負担をかけ、サーマルヘッドの故障率を増大させるだけでなく、その機構の複雑さゆえに、サーマルプリンタが高額なものとなってしまう。
このように、いずれの先行技術も、サーマルヘッドに調心機構を付与してプラテンへの押付け力を均一化し、印画品質の向上を目指すものではあるが、信頼性とコスト面に問題のあるものであった。
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、プラテンと印画ヘッドとの平行状態が維持されるように、自動調心されるようにした機構において、プリンタに対する印画ヘッドの支持及び固定方法を簡略化し、信頼性の向上とコストダウンとの両立を図ることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
本発明の1つである請求項1に記載の発明は、支持軸と、前記支持軸によって支持されたプラテンと、前記プラテンと対向し、前記プラテンに接近又は離反するように移動する印画ヘッドとを備え、前記印画ヘッドを前記プラテンに接近させた際に、前記印画ヘッドと前記プラテンとの位置関係を調整する印画位置決め機構であって、前記支持軸は、前記支持軸の軸方向と垂直な平面内で移動可能であり、前記印画ヘッドは、前記印画ヘッドと連動し、前記プラテンに対する前記印画ヘッドの接近時に前記支持軸の外周と当接する調心部材を備え、前記支持軸の外周に前記調心部材を当接させることで、前記支持軸を所定の位置に移動させるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
(作用)
上記発明においては、プラテンに対する印画ヘッドの接近(ヘッドダウン)に伴って、プリンタのシャーシにフリーな状態で取り付けられたプラテンが印画ヘッドによって押し付けられ、プラテンの支持軸が所定の位置に移動して、プラテンが自動調心されるようになっている。すなわち、上記発明では、印画ヘッドではなく、プラテンの移動が主体となって自動調心されるようになっている。
【0011】
なお、以下の実施形態では、支持軸として支持軸19、プラテンとしてプラテン11、印画ヘッドとしてサーマルヘッド10、プラテンに接近又は離反するように印画ヘッドを支持するヘッド支持部材としてヘッド支持部材17、調心部材として調心部材25がそれぞれ設けられている。
【発明の効果】
【0012】
上記発明によれば、プリンタのシャーシにフリーな状態で取り付けられたプラテンが移動して自動調心され、印画位置が決定されるので、印画ヘッドの支持及び固定方法を簡略化することができる。したがって、信頼性とコスト的メリットとの両方を兼ね備えた印画位置決め機構及びプリンタとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、本発明における印画位置決め機構は、プリンタに実装されており、このプリンタは、印画ヘッドとしてサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタである。
図1は、本実施形態のプリンタ1を示す外観斜視図である。プリンタ1は、筐体部2と、筐体部2の前面に取り付けられたドア部3とを備える。また、筐体部2の前面側には、電源スイッチ4が設けられている。さらにまた、ドア部3には、ドアパネル5が取り付けられており、その前面に各種スイッチを有する操作パネル6と、各種メッセージを表示するための液晶パネル7とが設けられている。またドア部3の下端部には、排紙口8を有する排紙トレイ9が取り付けられている。なお、筐体部2の後面側には、外部接続用の複数のコネクタからなるコネクタ接続部(図示せず)が配設されている。
【0014】
図2は、プリンタ1の内部を示す側面図である。プリンタ1の内部において、ドア部3によって覆い隠される筐体部2の前部には、サーマルヘッド10と対向して、プラテン11が回動自在に配置されている。また、プラテン11の近傍には、ロール紙30を走行駆動するためのグリップローラ12及びピンチローラ13が配設されている。
【0015】
さらにまた、筐体部2の左右内側面の上段位置及び中段位置には、巻取りスプール用係合部14及び供給スプール用係合部15がそれぞれ回動自在に配設されている。そして、インクリボン16の巻取りスプールを巻取りスプール用係合部14に係合し、供給スプールを供給スプール用係合部15に係合させると、インクリボン16の巻取りスプール及び供給スプールがプラテン11と平行にかつ回転自在に保持され、インクリボン16がプラテン11上を通過するように配置される。そのため、ドア部3が閉じられたときは、インクリボン16は、プラテン11とサーマルヘッド10間に配置される。
【0016】
ここで、サーマルヘッド10には、複数の発熱抵抗体がライン状に、ロール紙30の幅方向(ライン方向)に配列されている。そして、この発熱抵抗体に通電した際の熱エネルギーを利用して、インクリボン16に塗布した固体インクをロール紙30上に転写させて印画を行うようになっている。
【0017】
この点に関してさらに詳述すると、インクリボン16は、印画する画像データに応じて回動する巻取りスプール用係合部14によって供給スプールから引き出され、プラテン11とサーマルヘッド10との間を通り、巻取りスプールに巻き取られる。一方、ロール紙30は、筐体部2内のペーパーホルダ31に装着され、そこから引き出されるようになっており、引き出されたロール紙30は、プラテン11とサーマルヘッド10間に配置されるとともに、グリップローラ12及びピンチローラ13によって搬送される。
【0018】
そして、非印画時は、サーマルヘッド10が上昇しており、サーマルヘッド10がプラテン11から少し離れて位置しているが、印画指令が入力されると、上昇していたサーマルヘッド10が下降してプラテン11を押圧し、サーマルヘッド10の発熱抵抗体の配列部分とプラテン11との間にインクリボン16及びロール紙30を挟み込む。すなわち、サーマルヘッド10の発熱抵抗体は、プラテン11上で、インクリボン16を介してロール紙30と圧接する。
【0019】
この状態において画像データが入力されると、グリップローラ12の回転駆動により、ロール紙30が順次搬送される。また、巻取りスプール用係合部14の回転駆動により、ロール紙30と同じ速さでインクリボン16が順次巻き取られる。同時に、サーマルヘッド10に配列された発熱抵抗体が駆動制御信号によって選択的に通電駆動され、発熱抵抗体からインクリボン16に熱エネルギーが付与される。すると、サーマルヘッド10の発熱抵抗体の発熱量に応じてインクリボン16上の固体インクがロール紙30上に転写され、印画が行われる。そして、印画後のロール紙30は、カッターによって印画部分が切断され、排出口8から排紙される。
【0020】
図1及び図2に示すプリンタ1は、このようにしてロール紙30に印画を行うので、高品位な印画画像を得るためには、プラテン11に対してサーマルヘッド10が規定の圧力で圧接すること、すなわち、プラテン11に対してサーマルヘッド10が所定の位置に平行にセットされ、サーマルヘッド10の押付け力がプラテン11の各所で均一になっていることが必要になる。
そこで、本実施形態のプリンタ1には、サーマルヘッド10の調心機能として、印画位置決め機構を設けている。
【0021】
図3は、本実施形態の印画位置決め機構(図1に示す本実施形態のプリンタ1における印画位置決め機構)を示す斜視図である。図3に示す印画位置決め機構において、サーマルヘッド10は、多数のフィンからなる放熱板を有するヘッド支持部材17に完全に固定された構造となっている。そして、このヘッド支持部材17は、その全体が両サイドのシャーシ18に軸支持されており、その軸となるヘッド支持軸(図示せず)を中心に、プラテン11と接近又は離反する方向に回動することで、サーマルヘッド10のヘッドダウン又はヘッドアップが行われる。
【0022】
そのため、サーマルヘッド10は、回動するヘッド支持部材17によって支持され、ヘッド支持部材17の回動によってプラテン11と接近又は離反する方向に移動するだけのシンプルな構造となっている。したがって、本実施形態の印画位置決め機構におけるサーマルヘッド10は、先行技術のように、3次元方向に自由に移動するものではないから、サーマルヘッド10の信頼性が向上するとともに、コスト的メリットを兼ね備えたものとなる。なお、後述するように、ヘッド支持部材17には、調心部材25が一体的に形成されている。
【0023】
一方、プラテン11は、両端の支持軸19に嵌入されたボールベアリング21(本発明における第2当接環に相当するもの)によって回動自在に支持されており、このボールベアリング21がシャーシ18の両側の軸穴20に保持される構成となっている。すなわち、プラテン11の支持軸19は、ボールベアリング21を介して軸穴20に保持されているので、プラテン11の回転によって支持軸19と軸穴20とが摺擦し、搬送力に影響を与えたり、両者が磨耗するようなことはない。
【0024】
また、後述するように、軸穴20が大きく形成されているので、プラテン11は、支持軸19の軸方向と垂直な平面(シャーシ18面)内で移動可能であり、バネ22を有するヘッドアップレバー23(本発明における押圧部材に相当するもの)によってサーマルヘッド10に向けて付勢されている。そして、調心部材25の当接によってプラテン11が移動することで、調心が行われる。
【0025】
図4は、本実施形態の印画位置決め機構におけるプラテン11の保持部分を示す部分側面図である。図4に示すように、シャーシ18に形成された軸穴20は、プラテン11の支持軸19に嵌入されたボールベアリング21の外輪外径よりも所定寸法だけ大きく形成されており、挿通した支持軸19が軸穴20内を変位できるようになっている。すなわち、プラテン11は、大きな軸穴20に保持されていて、この軸穴20内における変位可能範囲のどこかの位置で、サーマルヘッド10と当接するようになっている。なお、支持軸19が軸方向に動かないように、軸穴20の外側には、一対の外れ防止部材27が取り付けられている。
【0026】
図5は、本実施形態の印画位置決め機構におけるサーマルヘッド10のヘッドアップ時の状態を示す部分斜視図であり、図6は、その部分側面図である。また、図7は、本実施形態の印画位置決め機構におけるサーマルヘッド10のヘッドダウン時の状態を示す部分斜視図であり、図8は、その部分側面図である。
図5に示すように、プラテン11の下側には、プラテン11の支持軸19に嵌入されたボールベアリング21の外周に接し、バネ22によって付勢されたヘッドアップレバー23が取り付けられている。
【0027】
このヘッドアップレバー23は、支持軸19、つまりはプラテン11に対し、サーマルヘッド10を圧接する方向への付勢力を伝える部材であり、図5に示すように、支点28を有するヘッドアップレバー23の一端をバネ22で引張し、他端を支持軸19のボールベアリング21に接触させる構成となっている。そのため、ヘッドアップレバー23は、プラテン11の搬送力に影響を与えることなくプラテン11をサーマルヘッド10に向けて付勢し、その付勢力は、バネ22の設定によって決定されることとなる。
【0028】
また、ヘッドアップレバー23におけるボールベアリング21と接触する部分には、傾斜部26が形成されている。この傾斜部26は、ロール紙30(図2参照)の搬送経路の上流方向から下流方向に向かって上り傾斜となるように設定されていて、本実施形態では、図6に示すように、水平面に対する傾斜角θが10度となっている。そして、この傾斜部26により、ボールベアリング21が斜め上方に持ち上げられ、ボールベアリング21の外周面が軸穴20の内周面に当接して止まる。
【0029】
このように、サーマルヘッド10のヘッドアップ時の状態では、ヘッドアップレバー23の傾斜部26がボールベアリング21を持ち上げているので、逆に、支持軸19は、軸穴20の斜め下方(サーマルヘッド10のヘッドダウン時における調心部材25の移動方向)に変位できることとなる。
【0030】
さらにまた、ヘッドアップレバー23の傾斜部26は、調心部材25に対してボールベアリング24(本発明における第1当接環に相当するもの)を当接させるような経路を導くとともに、サーマルヘッド10がヘッドダウンして調心が完了した後、印画中にインクリボン16(図2参照)が強いテンションによって引っ張られたとしても、支持軸19がそれに負けてロール紙30の搬送方向にずれることがないようにしている。
【0031】
ここで、調心部材25は、側面視が略L字状のものであり、ヘッド支持部材17と一体的に形成され、ヘッド支持部材17の両端部に配置されている。そして、図7に示すように、サーマルヘッド10のヘッドダウン(ヘッド支持部材17の回動)によってサーマルヘッド10と連動して下降し、調心部材25のL字状の内側の2点がボールベアリング24の外周と当接するようになっている。そのため、調心部材25とボールベアリング24との当接によってサーマルヘッド10のライン方向の基準とプラテン11の軸方向とが一致することとなり、プラテン11におけるライン方向の位置規制が行われる。
【0032】
すなわち、ヘッド支持部材17がプラテン11に接近する方向に回動し、ヘッドダウンされると、支持軸19のボールベアリング24がヘッド支持部材17に固定されている調心部材25によって押し付けられる。すると、図8に示すように、プラテン11の支持軸19が軸穴20内でフリーな状態で保持されていることから、ヘッドアップレバー23が押し下げられ、支持軸19が調心部材25によって定まる所定の位置に移動する。
【0033】
そして、この際に、調心部材25は、ボールベアリング24との当接部が図8に示すような傾斜面となっているので、調心部材25の押付け方向と、それに垂直なライン方向の位置とが、サーマルヘッド10のそれと平行に規制されるようになる。したがって、プラテン11は、サーマルヘッド10の微妙なゆがみ、反り等に対して3次元的に追従し、位置決めされることとなる。また、サーマルヘッド10のプラテン11への押付け力が均一化される。なお、調心部材25は、ボールベアリング24と当接するので、プラテン11の回転によって支持軸19と調心部材25とが摺擦するようなことはない。
【0034】
このように、本実施形態のプリンタ1における印画位置決め機構は、上述した先行技術のように、サーマルヘッド10に調心機構を設けるものではなく、サーマルヘッド10に圧接するプラテン11に調心機構を設けたものとなっている。そのため、プラテン11の支持軸19が所定の範囲内で変位できるようになっており、押付け対象となるサーマルヘッド10の微妙なゆがみや反りに対して3次元的に追従することができる。また、プラテン11の支持軸19を支持する軸穴20は、穴径や穴位置の精度を落とすことができるので、製造性に優れ、受入管理が容易なものとなる。
【0035】
一方、押付けられるサーマルヘッド10の方は、ヘッド支持部材17に確実に固定すれば良く、可動部の少ないシンプルな構造となるので、サーマルヘッド10の信頼性や耐久性を向上させることができる。したがって、信頼性とコスト的メリットの両方を兼ね備えたものとなる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、例えば以下のような種々の変形等が可能である。
(1)本実施形態では、サーマルヘッド10をヘッド支持部材17によって支持し、ヘッド支持部材17が回動してサーマルヘッド10とプラテン11とが接近又は離反するようにした。しかし、これに限ることなく、サーマルヘッド10自体が回動するようにしても良い。
【0037】
(2)本実施形態では、調心部材25を側面視でL字状とし、L字状の内側の2点をボールベアリング24の外周に当接させたが、調心部材25の形状は、これに限られない。すなわち、ボールベアリング24(支持軸19)の外周に調心部材25を当接させることで、支持軸19を所定の位置に移動させるように構成することができれば、他の形状であっても良い。
【0038】
(3)本実施形態では、支持軸19がボールベアリング21及びボールベアリング24を有しており、調心部材25は、ボールベアリング24の外周と当接するようにした。また、バネ22を有するヘッドアップレバー23は、ボールベアリング21の外周と当接するようにした。しかし、これに限らず、ヘッドアップレバー23や調心部材25を支持軸19に直接当接するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態のプリンタを示す外観斜視図である。
【図2】プリンタの内部を示す側面図である。
【図3】本実施形態の印画位置決め機構を示す斜視図である。
【図4】印画位置決め機構におけるプラテンの保持部分を示す部分側面図である。
【図5】印画位置決め機構におけるサーマルヘッドのヘッドアップ時の状態を示す部分斜視図である。
【図6】印画位置決め機構におけるサーマルヘッドのヘッドアップ時の状態を示す部分側面図である。
【図7】印画位置決め機構におけるサーマルヘッドのヘッドダウン時の状態を示す部分斜視図である。
【図8】印画位置決め機構におけるサーマルヘッドのヘッドダウン時の状態を示す部分側面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 サーマルヘッド(印画ヘッド)
11 プラテン
17 ヘッド支持部材
19 支持軸
20 軸穴
21 ボールベアリング(第2当接環)
23 ヘッドアップレバー(押圧部材)
24 ボールベアリング(第1当接環)
25 調心部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持軸と、
前記支持軸によって支持されたプラテンと、
前記プラテンと対向し、前記プラテンに接近又は離反するように移動する印画ヘッドと
を備え、
前記印画ヘッドを前記プラテンに接近させた際に、前記印画ヘッドと前記プラテンとの位置関係を調整する印画位置決め機構であって、
前記支持軸は、前記支持軸の軸方向と垂直な平面内で移動可能であり、
前記印画ヘッドは、前記印画ヘッドと連動し、前記プラテンに対する前記印画ヘッドの接近時に前記支持軸の外周と当接する調心部材を備え、
前記支持軸の外周に前記調心部材を当接させることで、前記支持軸を所定の位置に移動させるように構成されている
ことを特徴とする印画位置決め機構。
【請求項2】
請求項1に記載の印画位置決め機構において、
前記印画ヘッドは、ヘッド支持部材に支持されており、前記ヘッド支持部材が回動して前記印画ヘッドと前記プラテンとが接近又は離反する
ことを特徴とする印画位置決め機構。
【請求項3】
請求項1に記載の印画位置決め機構において、
前記調心部材は、側面視がL字状であり、L字状の内側の2点が前記支持軸の外周に当接する
ことを特徴とする印画位置決め機構。
【請求項4】
請求項3に記載の印画位置決め機構において、
前記調心部材は、前記支持軸との当接部が傾斜面となっている
ことを特徴とする印画位置決め機構。
【請求項5】
請求項1に記載の印画位置決め機構において、
前記支持軸は、前記支持軸に回転可能に取り付けられた第1当接環を有しており、前記調心部材は、前記第1当接環の外周と当接する
ことを特徴とする印画位置決め機構。
【請求項6】
請求項1に記載の印画位置決め機構において、
前記支持軸の外周と当接し、前記支持軸が前記印画ヘッドに接近するように押圧する押圧部材を備える
ことを特徴とする印画位置決め機構。
【請求項7】
請求項6に記載の印画位置決め機構において、
前記押圧部材は、前記支持軸との当接部が傾斜面となっている
ことを特徴とする印画位置決め機構。
【請求項8】
請求項6に記載の印画位置決め機構において、
前記支持軸は、前記支持軸に回転可能に取り付けられた第2当接環を有しており、前記押圧部材は、前記第2当接環の外周と当接する
ことを特徴とする印画位置決め機構。
【請求項9】
支持軸によって支持されたプラテンと、
前記プラテン上に搬送された被記録媒体を押圧して印画を行う印画ヘッドと
を備え、
印画の際に、前記印画ヘッドと前記プラテンとの位置関係を調整する印画位置決め機構を有するプリンタであって、
前記印画位置決め機構は、
前記支持軸が前記支持軸の軸方向と垂直な平面内で移動可能であり、
前記印画ヘッドに、前記印画ヘッドと連動し、印画の際に前記支持軸の外周と当接する調心部材を備え、
前記支持軸の外周に前記調心部材を当接させることで、前記支持軸を所定の位置に移動させるようにした
ことを特徴とするプリンタ。
【請求項10】
請求項9に記載のプリンタにおいて、
前記支持軸の外周と当接し、前記支持軸が前記印画ヘッドに接近するように押圧する押圧部材を備え、
前記押圧部材は、前記支持軸との当接部が被記録媒体の搬送方向の上流側から下流側に向かって上りの傾斜面となっている
ことを特徴とするプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−297682(P2006−297682A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120436(P2005−120436)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】