説明

原付玩具自動車磁気ガード装置

【課題】 原付玩具自動車セットにおいて、子供達が走行遊戯を止め原付玩具自動車を立体車道の金属レールから取上げると、台車の底面に設けた永久磁石の磁束は全部漏洩磁束となり、周囲の空間に放出されることになるので、前記原付玩具自動車を持ち歩いてICカードやパソコン等に接触させた場合、この集積回路に磁気的障害を与えることも考えられるので、これを防止するようにした原付玩具自動車磁気ガード装置を提供するものである。
【解決手段】 プラスチック材でなる原付玩具自動車1の台車2の底面に設けた永久磁石3の前後に、プラスチック材でなり先端にピン4を有する止め具5を設け、このピン4に磁性体でなる薄板の帯状で、コの字状に形成した磁気ガード板6の両先端6Aを、嵌合自在にし差し込んで回転可能にし、前記永久磁石3の一側面には小磁石7を設けるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、子供達が原付玩具自動車セットによる走行遊戯を止め、原付玩具自動車を所定の場所に収納せず持ち歩いて、ICカードやパソコン等に接触させた場合に、起ることもある磁気的障害を防止しようとするもので、この原付玩具自動車の底面に設けた永久磁石の表面に、磁性体でなる薄板の磁気ガード板を移動させて設置可能にして、空間への漏洩磁束を無くしようとする原付玩具自動車磁気ガード装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の原付玩具自動車セットは、台車の底面に永久磁石を設け、これを走行させる立体車道に設けた金属レールとの間で、常に吸引力を働かせながら金属レールに沿って、走行させるように構成されているので、走行遊戯を止め原付玩具自動車を金属レールから取上げると、永久磁石の磁束は全部漏洩磁束となり、周囲の空間に放出することになるので、これがICカードやパソコン等に、磁気的障害を与えることもあると考えられる。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の原付玩具自動車セットによると、子供達が走行遊戯を止め原付玩具自動車を立体車道の金属レールから取上げ、所定の収納場所に収納しないで持ち歩き、ICカードやパソコン等に接触させた場合、永久磁石の磁束が周囲の空間に漏洩磁束として放出されているので、これらの集積回路に磁気的障害を与えることも考えられる。ただし、現在一般品として市販されている、小型の原付玩具自動車に設ける程度の永久磁石では、磁気的障害が発生することはなく、大型の原付玩具自動車等で特に強い永久磁石を使用する場合にのみ、考慮をしておけばよいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の欠点を解決することを目的とするもので、プラスチック材でなる原付玩具自動車の台車の底面に設けた永久磁石の前後に、プラスチック材でなり先端にピンを有する止め具を設け、このピンに磁性体でなる薄板の帯状で、コの字状に形成した磁気ガード板の両先端を、嵌合自在にし差し込んで回転可能にし、前記永久磁石の一側面には小磁石を設けて構成するようにしたものである。
【発明の効果】
【0005】
上記のように、本発明の原付玩具自動車磁気ガード装置によれば、子供達が走行遊戯を止め、原付玩具自動車を立体車道の金属レールから取上げると、台車の底面に設けた永久磁石の磁束は全部漏洩磁束となり、周囲の空間に放出されているので、これがICカードやパソコン等の集積回路に磁気的障害を与える原因となることもあるため、ここで小磁石に吸着固定された磁気ガード板を、手で回転させて永久磁石の表面に密着させると、前記の漏洩磁束は、永久磁石のN極から磁気ガード板を通り両先端からS極に戻る循環回路となり(永久磁石3は表面をN極、裏面をS極となるよう着磁した場合、以下同じ)、漏洩磁束は磁気ガード板に集中して通過することになるため、周囲の空間に漏れる磁束はなくなり、前記原付玩具自動車をICカードやパソコン等に接触させた場合にも、これらに磁気的障害を及ぼすことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この実施形態について図面とともに説明します。
図1はこの発明の実施形態を示す台車の底面に設ける磁気ガード装置の組立斜視図、図2は磁気ガード板の詳細斜視図、図3は電源スイッチ取付け位置を示す原付玩具自動車のカバーの斜視図、図4は台車底面の全体を覆う台車カバーの斜視図である。
【0007】
プラスチック材でなる原付玩具自動車1の台車2の底面に設けた、永久磁石3の走行方向の前後の2カ所に、プラスチック材でなり先端にピン4を有する止め具5を設け、このピン4に磁性体でなる薄板の帯状で、コの字状に形成した磁気ガード板6の両先端6Aを、嵌合自在にして差し込んで回転可能にし、永久磁石3の表面に磁気ガード板6の平たい面が密着するように形成する。また前記永久磁石3の一側面には小磁石7を設け、磁気ガード板6を永久磁石3の表面から手で回転させて引き離し不使用に(走行遊戯を始めようとするとき)する場合には、これに吸着固定できるように形成する。それに前記原付玩具自動車1のカバーの上面または側面に、モータ用の電源スイッチ8を設けて、走行姿勢のままで操作できるように構成する。
【0008】
上記磁気ガード板6は、磁性体でなり薄板でコの字状の箱形または平板のままとし、原付玩具自動車1に装着せず別の保管場所に保管しておいて、走行遊戯を止め原付玩具自動車1を、立体車道の金属レールから取上げたら、これを永久磁石3の表面に被せて漏洩磁束をなくするようにしてもよい。
【0009】
上記磁気ガード板6および小磁石7等は省略して、走行遊戯を止めたら電源スイッチ8を切り、原付玩具自動車1を分割した立体車道の金属レールに吸引させたままで保管したり、また収納箱内に磁性体の薄板の平板を設け、この上に乗せ吸着させて保管するようにして保管場所を指定し、原付玩具自動車1を持ち歩きしないように構成してもよい。
【0010】
また、磁気ガード板6および小磁石7等は省略して、図4のようにプラスチック材でなる台車カバー9の一表面に、磁性体でなる薄板の磁性板10を設け、これを走行遊戯を止めたら、台車2の全体を覆うようにはめ込むことで、空間に漏洩する磁束をなくするように構成してもよい。
【0011】
この原付玩具自動車1は、垂直車道を登る走行等を行わせるので、可能な限り総重量を軽くする必要があるため、磁気ガード板6を常時装着するよう構成する場合は、この磁気ガード板6はできるだけ軽くするように、全体を被う構造とせず薄板で細い帯状のものとするのがよい。
【0012】
実施形態2。
図5は、この発明の実施形態2を示す、原付玩具自動車磁気ガード装置の斜視図、図6は磁気ガード板の縁折部を設ける状況を示す取付け寸法図である。
プラスチック材でなる原付玩具自動車1の台車2の底面に設けた、永久磁石3の表面に非磁性体材でなる方形の保護板12を設け、この永久磁石3を磁性体でなる薄板で箱状にした磁気ガード板6に内蔵して、台車2の底面中央部に設けてなるように構成する。ただし、車輪14の接地面と永久磁石3の表面との間隔Xより、永久磁石3の表面から縁折部11の端への間隔Yは大きくするようにする。ただし、磁気ガード板6の形状は薄板の箱状でなく薄板の平板そのままとしてもよい。
【0013】
実施形態2によると、磁気ガード板6を箱状とし縁折部11を設けて、永久磁石3を内蔵するようにしたことで、永久磁石3のN極とS極の空間距離が短くなり、N極から出た磁束は大きく空間を旋回することなく、小さく旋回して最短距離を通って縁折部11に入りS極に至る循環回路となるので、周囲の空間に漏洩する磁束の範囲は非常に狭くなる。また保護板12を設けたことで永久磁石3がICカードやパソコン等に直接接触することはなく、磁束は最短距離に集中するので、保護板12の厚さ幅を越えて空間を通過する磁束は少なくなり、これらに磁気的障害を与える問題はなくなると考えられる。
それに、実施形態1の磁気ガード板6は走行遊戯を止めた場合、手で移動させる手間を要するが、実施形態2では固定装置として常時装着しているので、その都度移動させる手間も省けるし、この操作を忘れたことによる磁気的障害を起こすこともない。
【0014】
次にこの磁気ガード板6の使用法について説明します。
子供達が原付玩具自動車1の走行遊戯を止める場合は、走行中の原付玩具自動車1の電源スイッチ8を切り、立体車道の金属レールから取上げて、台車2の底面の磁気ガード板6を、小磁石7の吸着固定から手で引き離して回転させ、永久磁石3の表面に密着させれば、磁束は永久磁石3のN極からこの磁気ガード板6に集中して通過し、両先端6AからS極に戻って循環を続けることになるので、周囲の空間への漏洩磁束はなくなる。このためICカードやパソコン等に接触させても、磁気的障害を及ぼすことはなくなる。
反対に原付玩具自動車1の遊戯を始めようとする場合は、磁気ガード板6を手で永久磁石3の表面から引離して、側面の小磁石7に吸引させて固着すればよい。この状態では磁気ガード板6の両先端6Aは磁気的に同極性となっているので、主磁束が通過することはなく、原付玩具自動車1の走行時に永久磁石3の動作が影響されることはない。
また、実施形態2の場合は、磁気ガード板6は常時装着方式のため、使用のための特別な操作は必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】は、この発明の実施の形態を示す、原付玩具自動車の台車底面の磁気ガード装置の組立斜視図である。
【図2】は、この発明の原付玩具自動車の磁気ガード板の詳細斜視図である。
【図3】は、この発明の電源スイッチの取付け状況を示す、原付玩具自動車のカバーの斜視図である。
【図4】は、この発明の台車底面の全体を覆う台車カバーの斜視図である。
【図5】は、この発明の実施形態2を示す磁気ガード装置の斜視図である。
【図6】は、この発明の実施形態2を示す磁気ガード板の縁折部を設ける状況を示す取付け寸法図である。
【符号の説明】
【0016】
1 原付玩具自動車 2 台車 3 永久磁石
4 ピン 5 止め具 6 磁気ガード板
6A 両先端 7 小磁石 8 電源スイッチ
9 台車カバー 10 磁性板 11 縁折部
12 保護板 13 車輪穴 14 車輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材でなる原付玩具自動車の台車の底面に設けた永久磁石の前後に、プラスチック材でなり先端にピンを有する止め具を設け、このピンに磁性体でなる薄板の帯状で、コの字状に形成した磁気ガード板の両先端を、嵌合自在にし差し込んで回転可能にし、前記永久磁石の一側面には小磁石を設けて構成することを、特徴とする原付玩具自動車磁気ガード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−247866(P2009−247866A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120729(P2008−120729)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(591078099)
【Fターム(参考)】