説明

原動機付き車両のシート調整方法

原動機付き車両・シートの調整方法において、シートデータメモリ内に車両ユーザに割り当てられた理想のシートポジションデータが記録される。認証装置を用いて夫々の車両ユーザは認証される。該当ユーザに理想のシートポジションデータが割り当てられる。割り当てられた画像データコンピュータを有した立体的な光学系を用いて、実際のシートポジションが検出される。シート調整は、実際のシートポジションが理想のシートポジションに少なくともほぼ対応するように、実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車やオートバイ等の原動機付き車両(自動車両)のシートの調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代的な原動機付き車両において、特に上級・ラグジュアリークラスの乗用車の場合、後の再構成のために夫々選択されたシート調整をシートデータコンピュータに記憶させ、例えば個々の選択スイッチを用いて常に元通りに調整することがシートメモリという名称で知られている。このために、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載された調整方法が指摘される。
【0003】
先だって公開されていない特許文献5は、乗用車の使用期間の間、必然的に生じる車両シートの幾何学的変化に関わっている。当該変化は例えばシートクッションの沈下として及び/又はシート枠の経時的変形として表面化する。自動的に呼び出され調整されるシート調整は、使用期間がのびるにつれて、本来は一度検出され記憶されたシート調整とますます僅かしか一致しなくなる。このために、車両シートが占有された場合、車両乗客や車両シートの3D表面輪郭の幾何学的データが検出され、車両シートの著し過ぎる人員に関した位置データを削減する。
【0004】
【特許文献1】GB2072881A
【特許文献2】DE3615210A1
【特許文献3】DE3615216A1
【特許文献4】DE19522897A1
【特許文献5】DE10246318.2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、簡単な作用態様で高い機能信頼性を有するシート調整を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この課題は、請求項1に挙げられた特徴構成によって解決される。
本発明は、幾つかの観点において、公知のシート調整法若しくは先に出願されたシート調整法と区別される。
【0007】
一方で、車両ユーザに割り当てられた理想的なシートポジションデータが存在する。例えば人間工学的な視点であるが、理想的にはドライバーに典型的な特異性に合わせられ得る。それは人間工学的であり、ハンドルを曲げた腕で操作するという走行安全性の必要条件に対応する。それにも拘らず、伸ばした腕でのハンドルの操作を普通で心地よいと多数のドライバーは感じる。理想的なシートポジションデータは、車両ユーザによって望まれる場合に個々の癖を考慮する。
【0008】
加えて、夫々の車両ユーザが認識され、実際のシートポジションデータがその理想的なデータに合わせられる。これは、その都度現実にドライバーに理想のシートポジションが提供されるという利点を有する。ドライバーが現実にシートクッション若しくは可動性のバックサポートを利用するときにも、又はドライバーが厚い冬用の衣服をまとって変化したシートポジションをとる場合、これは相応しい調整変更によって、例えばシート面の沈下及び/又はシート全体若しくはシート肘掛の戻しによってバランスがとられる。
【0009】
それで、車両シートの常に等しい予備調整は硬直的に行われない。むしろ実際のシートポジションの一時的な個々の変化が考慮され、シート調整データの変化によってバランスがとられる。
【0010】
先だって公開されていない特許文献5でのように、割り当てられた画像データコンピュータを備えた立体光学系を用いて、実際のシートポジションが検出される。これを補足して、シートユーザが認識され、その個々に応じた理想的なシートポジションデータが予定データとしてシートコンポーネントの調整値としてでなく利用される。むしろこの調整値は、実際のシートポジションが理想的なシートポジションと一致するように選択される。
【0011】
シートユーザは、前回座ったように座る。これとは違って、同じユーザ用のシートのシートメモリの場合には、前回調整したように調整される。
車両ユーザがそこに座って対応して認識される場合、同乗者若しくは運転助手のシートを対応して調整するために理想的なシートポジションデータをまた用いることが簡単に可能である。
【0012】
本発明に係る方法の有利な形態は従属請求項2及び3に与えられている。
請求項2によれば、車両ユーザは割り当てられた画像データコンピュータを有した立体光学系を用いて認識される。その際、画像データコンピュータと結び付いた上記光学系は複数機能を有する。これは例えば車両の運転開始の際に及び/又は運転中に、車両ユーザを認識するのに利用される。加えて、実際のシートポジションを検出し、場合によっては必要でシート調整パラメータの変更によって実施されるシートポジション変更を光学コントロールによって制御する。
【0013】
先だって公開されていない特許文献5に記載されているように、理想的なシートポジションが前もって検出・算出され得る。このために、確かに車両ユーザが実際、車両においてこのポジションにつくことが想定される。「彼の」その際の当面ポジションが実際に理想的なポジションであるか否かの不安をドライバーから取り除くために、理想的なシートポジション値の検出が、車両の使用から完全に分離して、例えば適切な測定装置において行われ得る。そして単に、その際にもたらされるポジション値が車両に伝えられ、ユーザにとって重要な識別特徴と結び付けられなければならない。
【0014】
本発明に係るシート調整方法は、非常に合理的で割安に使用可能な小型のCCDビデオカメラ若しくはデジタルカメラ及び画像データコンピュータに基づいて、安上がりに実現可能で、自走車両に組み込まれ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートデータメモリ内に車両ユーザに割り当てられた理想的なシートポジションデータが記録され、更に認識装置を用いて夫々の車両ユーザが認識されて当該ユーザにその理想的なシートポジションデータが割り当てられ、実際のシートポジションが割り当てられた画像データコンピュータを有した立体光学系を用いて検出され、当該実際のシートポジションが理想的なシートポジションに少なくとも近似して合致するようにシート調整が行われる、原動機付き車両のシート調整方法。
【請求項2】
車両ユーザが割り当てられた画像データコンピュータを有した立体光学系を用いて認識されることを特徴とする請求項1に記載の調整方法。
【請求項3】
理想的なシートポジションが予め検出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の調整方法。

【公表番号】特表2007−530334(P2007−530334A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504289(P2007−504289)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002516
【国際公開番号】WO2005/092665
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(391009671)バイエリッシェ モートーレン ウエルケ アクチエンゲゼルシャフト (194)
【氏名又は名称原語表記】BAYERISCHE MOTOREN WERKE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】