説明

原子炉圧力容器における溶接部の検査装置

【課題】3次元的に形状変化する複雑かつ狭隘部にある溶接部に、容易にアクセスでき、的確に探傷検査することができる原子炉圧力容器における溶接部の検査装置を提供する。
【解決手段】原子炉圧力容器1の底部からその内部に配置される制御棒駆動機構ハウジング8の溶接部3及びその近傍を探傷する原子炉圧力容器における溶接部の検査装置であって、超音波を発射する探触子6と、前記探触子6の超音波発信面を原子炉圧力容器外表面に対して直接接触あるいは一定距離で保持するための探触子保持部60と、前記制御棒駆動機構ハウジングの中心軸と平行に前記探触子保持部を前記容器側に押し付ける押付機構部50と、前記探触子保持部及び前記押付機構部を制御棒駆動機構ハウジングの中心軸回りに旋回させる旋回駆動部40とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉圧力容器と原子炉内構造物の取付け溶接部等の検査装置に係り、例えば、沸騰水型原子炉底部に配置する制御棒駆動機構ハウジングと原子炉圧力容器との取付け溶接部のひびを検出可能とする原子炉圧力容器における溶接部の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉の圧力容器においては、その健全性を確認する必要があるが、特に、原子炉内の溶接部等か検査対象箇所になっている。定期検査の際に目視点検が実施され、その目視点検の結果で検査が必要とされると、部材表面及び内部の状況検査(ひびの寸法測定)が行われる。この検査方法としては、よく知られている手法として超音波探傷試験や渦流探傷試験が用いられる。
【0003】
また、検査対象箇所は、狭隘部に位置していることが多いので、その検査作業の効率を向上させるために、原子炉の圧力容器の下鏡部に吸着して走行する走査用台車で、下鏡部を探傷検査するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平6−11595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
原子炉圧力容器には、制御棒駆動機構ハウジングや中性子計測ハウジングおよびシュラウドサポート等が設置されている。原子炉内に配置される制御棒駆動機構ハウジングは、原子炉の出力制御を行うための制御棒を駆動する機構を収納している筒であり、原子炉圧力容器底部を貫通して溶接により原子炉圧力容器に取付けられている。
【0006】
また、中性子計測ハウジングは、原子炉の核分裂により生成される中性子を監視するモニタを収納している筒であり、原子炉圧力容器底部を貫通して溶接により原子炉圧力容器内面の肉盛座に取付けられている。
【0007】
更に、シュラウドサポートは、炉内構造物を支持する目的で取付けられており、原子炉圧力容器内面に溶接により取付けられている。当該溶接部は耐圧境界である原子炉圧力容器に取付けられているか、溶接部そのものが耐圧境界である。なお、原子炉圧力容器の底部内面は溶接によるクラッド処理が施されており、前記溶接部および肉盛座はこのクラッディング部に取付けられている。
【0008】
前述した原子炉圧力容器の溶接部は、それぞれの機器が近接した箇所に存在しており、その間隔が狭く、形状も複雑であるため、原子炉圧力容器内面へのアクセス可能範囲が限られている。このため、目視点検で何らかの指示が確認された場合には、溶接部材表面及び内部の状況検査を行うため、センサを複雑・狭隘な部位に押付け、あるいは接近させて検査を行うようにしているのが現状である。
【0009】
このため、当該検査対象箇所が、複雑形状で狭隘であることから、装置や探触子のアクセスが難しく取扱いに熟練が必要とされてきた。また、対象とする溶接部材は、3次元的に形状変化するため、特に、超音波探傷試験を適用する場合には、その曲率や表面状態等に注意して検査を実施する必要がある。さらに、該溶接部はその寸法が大きく、超音波の伝播特性が悪い材料で構成されているため、原子炉圧力容器内表面側からの深い領域の超音波探傷試験が難しい場合がある。
【0010】
本発明は、上述の事柄に基づいてなされたもので、3次元的に形状変化する複雑かつ狭隘部にある溶接部に、容易にアクセスでき、的確に探傷検査することができる原子炉圧力容器における溶接部の検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、原子炉圧力容器の底部からその内部に配置される制御棒駆動機構ハウジングの溶接部及びその近傍を探傷する原子炉圧力容器における溶接部の検査装置であって、超音波を発射する探触子と、前記探触子の超音波発信面を原子炉圧力容器外表面に対して直接接触あるいは一定距離で保持するための探触子保持部と、前記制御棒駆動機構ハウジングの中心軸と平行に前記探触子保持部を前記容器側に押し付ける押付機構部と、前記探触子保持部及び前記押付機構部を制御棒駆動機構ハウジングの中心軸回りに旋回させる旋回駆動部とを備えたものである。
【0012】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記探触子、前記探触子保持部、前記押付機構部及び前記旋回駆動部を、前記制御棒駆動機構ハウジングに沿って昇降する昇降機能を更に備えたものである。
【0013】
更に、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記探触子の超音波発信面が矩形であれば、長手方向の寸法、円を含む楕円であれば、長径の寸法を35mmから120mmの範囲内に設定したことを特徴とするものである。
【0014】
また、第4の発明は、第3の発明において、前記探触子の超音波は、前記原子炉圧力容器とその内側の検査対象箇所に、超音波の焦点もしくは焦点のエコー強度に対して−6デシベル以内の音場を形成したことを特徴とするものである。
【0015】
更に、第5の発明は、第1または第2の発明において、前記探触子は、原子炉圧力容器と原子炉内構造物の取付け溶接部、肉盛座部および原子炉圧力容器内面クラッディング部の検査が可能であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、3次元的に形状変化する複雑かつ狭隘部にある溶接部に、容易にアクセスでき、的確に探傷検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の原子炉圧力容器における溶接部の検査装置の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1及び図2は、本発明の原子炉圧力容器における溶接部の検査装置の一実施の形態を示すもので、図1は、原子炉圧力容器に取付けた制御棒駆動機構スタブチューブの溶接部の検査に適用した例を示す正面図、図2は図1のII−II矢視から見た平面図である。図1において、まず、本発明の原子炉圧力容器における溶接部の検査装置の一実施の形態を適用する原子炉圧力容器に取付けた制御棒駆動機構スタブチューブ、及びその溶接部の構成を説明する。
【0018】
圧力容器1内側には、制御棒駆動機構スタブチューブ2が溶接部3によって固定されている。この制御棒駆動機構スタブチューブ2には、制御棒駆動機構ハウジング8が挿入され固定されている。原子炉圧力容器1に取付けた制御棒駆動機構スタブチューブ2の溶接部3を検査するため、原子炉圧力容器1の外面側に超音波探触子6を設置し、超音波探触子6から超音波を原子炉圧力容器1の内面側に入射する。
【0019】
入射した超音波は、制御棒駆動機構スタブチューブ2の溶接部3の内部あるいは内面クラッディング部200に到達し、ひびが存在する場合には、その位置からの超音波の反射が観測される。超音波の反射源位置を特定することで、溶接部3内のひび深さを評価することができる。
【0020】
超音波探触子6は、狭隘部へのアクセス性、及び原子炉圧力容器1の厚さ等を考慮して以下のような寸法に設定可能である。この点について、詳述すると、原子炉圧力容器1は150mm程度またはそれ以上の厚さを有しており、溶接部3の端面までを含めると200mm程度の厚さとなる。溶接部3内のひびを超音波で検出するためには、前記範囲である150mmから200mm程度の領域に超音波を入射する必要があるとともに、ひび等傷の反射源から十分な強度を有する信号を得るために、当該領域に対して、超音波を適切に集束させて探傷を実施する必要がある。
【0021】
そこで、原子炉圧力容器1の外面から探傷を行う際における超音波の適切な焦点領域の選定根拠を、図3を用いて説明する。
図3において、横軸は超音波探触子の振動子部分の寸法を、縦軸はセンサからの距離、即ち探傷を行う厚さ方向の距離を示している。センサ寸法については、センサが作り出す超音波の焦点設定可能領域は、センサが正方形を含む矩形の場合は長辺の寸法、円を含む楕円であれば長軸の寸法に依存することが知られているため、長辺または長軸の寸法で記載している。図3中の実線は、最大音圧特性を、点線は最大音圧より前方に−6dB移行したときの音圧特性を、1点鎖線は、最大音圧より後方に−6dB移行したときの音圧特性を示している。
【0022】
原子炉圧力容器1の外面に探触子6を設置し、150mmから200mmの検査対象領域まで有効な焦点領域(最大音圧高さから−6dB以内)を到達させるためには、図3より、センサ寸法は、35mmから120mmの範囲内に設定することができ、特に、狭隘部を検査対象とする場合には、最小35mmに設定すれば良いことが分かる。好ましくは、45mmの寸法が良い。
【0023】
次に、上述のように寸法設定した探触子6を用いた検査装置の一実施の形態を、図1及び図2に戻り説明する。
本発明の検査装置の一実施の形態は、溶接部3が、制御棒駆動機構スタブチューブ2の廻り360°に存在するため、全領域にわたる検査を行うために、装置も360°アクセスする機能を有している。また、探触子6の位置あるいは超音波探傷位置を明らかにするために、装置本体の取付け位置を確定し得る機能を有している。さらに、原子炉圧力容器1の下面は球面形状であり、超音波探触子6のアクセス面については原子炉中心から外側に向かうにつれて傾斜が大きくなることから超音波探触子6の姿勢を形状に合わせて追従できる機能を有している。
【0024】
上記の機能を実現するために、本発明の検査装置の一実施の形態は、アクセス装置本体を制御棒駆動機構ハウジング8の周囲に取付け固定する形態になっており、装置全体を制御棒駆動機構ハウジング8に沿って上下させる昇降駆動部30と、探触子6を制御棒駆動機構ハウジング8回りに360°回転させる旋回駆動部40と、原子炉圧力容器1と装置全体の高さ方向の距離を調整する高さ調整部(押し付け機構部)50と、超音波探触子6を原子炉圧力容器1に倣わせる倣い機構部21を有する探触子保持部60とから構成されている。
【0025】
なお、装置取付けについては、本実施例に示すように制御棒駆動機構ハウジング8の周囲に固定する方法の他、基準となる制御棒駆動機構ハウジング8との距離を超音波またはレーザ距離計等で測定しながら一定に保って装置の位置を確定する方法でもよい。
【0026】
探触子保持部60の機能として、探触子6を原子炉圧力容器1の壁面に押し付けると、ジンバルのような倣い機構21に取付けられたピン22を中心に超音波探触子6が回転し、原子炉圧力容器1の傾斜に合わせて任意に角度を変化させることが可能となり、安定な探触子追従性を確保できる。
【0027】
なお、探傷を行う際に、探触子6は、直接原子炉圧力容器1の外表面に接触させる方法の他、原子炉圧力容器距離を一定に保つよう探触子6の音波発信面側にスペーサ等を設けてもよい。
【0028】
探触子保持部60は、高さ調整部50に取付けられている。高さ調整部50は、旋回駆動部40上に取付けられている。高さ調整部50は、旋回駆動部40に固定した固定枠18と、この固定枠18に案内され、上端が探触子保持部60に連結したガイド20と、固定枠18と探触子保持部60との間に設けたバネ19とで構成されており、探触子6を原子炉圧力容器1に接触させた後、装置全体をさらに上昇させた場合にも、バネ19の縮みにより、探触子6を原子炉圧力容器1に接触させることができるようになっている。
【0029】
旋回駆動部40は、ベース14の上面側に、昇降駆動部30は、ベース14の下面側に配設されている。昇降駆動部30は、ベース14の下面側に設けた固定台13と、この固定台13に設けた昇降用車輪12と、固定台13に設けた昇降用モータ10と、この昇降用モータ10の回転力を昇降用車輪12に伝達するギア11とを備え、昇降用モータ10の駆動により、昇降用車輪12が回転し、装置全体を制御棒駆動機構ハウジング8に沿って上下動させることができる。
【0030】
旋回駆動部40は、ベース14の上面側に設けた旋回テーブル17と、ベース14の上面側に取付けた旋回用モータ15と、旋回用モータ15の回転力を旋回テーブル17に伝達するギア16とを備え、旋回用モータ15の回転により、旋回テーブル17が制御棒駆動機構ハウジング8周りに旋回する。旋回テーブル17の回転により、超音波探触子6を制御棒駆動機構ハウジング8の軸線回りに360°回転させることができる。センサによる旋回テーブル17の回転角度検出または回転角度から換算した制御棒駆動機構ハウジング回りの装置駆動距離検出によって、探触子6の位置あるいは超音波探傷位置を特定することができる。
【0031】
旋回駆動部40のベース14には、アーム23を介して位置決めパッド24が、設置されている。位置決めパッド24は、図2に示すように装置本体が取付けられている制御棒駆動機構ハウジング8と隣接した制御棒駆動機構ハウジング9の側面にあわせることで、装置全体の回転方向の位置決めを行うことができる。
【0032】
なお、前記アーム23と位置決めパッド24を用いた機械的な位置決め方法に替えて、超音波あるいはレーザ距離計などを用いて隣接する1本以上の制御棒駆動機構ハウジング8との距離を測定することで、装置の現在位置を算出し、探触子あるいは超音波探傷位置を特定する方法としても良い。
【0033】
次に、上述した本発明の検査装置の一実施の形態による制御棒駆動機構スタブチューブの溶接部の検査に適用した場合の動作を、図4、図5、図6を用いて説明する。
図4は、本発明の検査装置の一実施の形態のアクセスの初期状態として、制御棒駆動機構ハウジング8の原子炉圧力容器1の谷側に設置した状況を示している。まず、探触子6を装置に取り付け(図6のステップ600)、探触子6の焦点位置設定を行った後(図6のステップ601)、検査装置を制御棒駆動機構ハウジング8に取り付ける(図6のステップ602)。
【0034】
次に、昇降駆動部30により、探触子6を原子炉圧力容器1に押付け(図6のステップ603)、高さ調整部50のバネ19が最も縮んだ状態にする(図6のステップ604)。探触子6の適切な押付の確認は、超音波による原子炉圧力容器1の内表面からの底面反射波の取得可否により判断する。
【0035】
次に、探傷が必要な位置へ旋回駆動部40を用いて探触子6を制御棒駆動機構ハウジング8の周囲を旋回させ(図6のステップ605)、探傷を行う(図6のステップ606)。図5は検査装置を最も山側にアクセスした状況を示している。この際、バネ19が伸びることにより、常に探触子6を原子炉圧力容器1の方向へ押付し、倣い機構21による探触子6の姿勢変化により、探触子6の原子炉圧力容器外面への追従性を確保することが可能である。
【0036】
探傷終了(図6のステップ607)後は、昇降駆動部30により、探触子6を原子炉圧力容器1の下方に移動させ(図6のステップ608)、装置を制御棒駆動機構ハウジング8から取り外し(図6のステップ609)、作業が終了する(図6のステップ610)。
【0037】
上述した動作制御により、探触子6を制御棒駆動機構ハウジング8回りの任意の部位にアクセスが可能となり、さらに、探触子6を安定に追従させる探触子保持部60と装置の位置決め機構24により、精度の高い検査を行うことが可能である。
【0038】
なお、上述の実施の形態においては、本発明の検査装置を、制御棒駆動機構スタブチューブ2の溶接部3の検査に適用した例について説明したが、図7に示す中性子計測ハウジング4の溶接部5やシュラウドサポート100の溶接部101や内面クラッディング部200を原子炉圧力容器1の外面から超音波探傷試験により検査する場合においても、対応可能である。
【0039】
また、上述の実施の形態においては、探触子6を原子炉圧力容器1の壁面形状に安定に追従させるために、バネ19を用いたが、この代わりにシリンダ機構を用いることも可能である。
【0040】
上述した本発明の実施の形態によれば、装置の正確な位置決めを行った上で、超音波探触子6を原子炉圧力容器1の壁面形状に安定に追従させた状態で検査を実施できるので、3次元的に形状変化する複雑かつ狭隘部にある溶接部に、容易にアクセスでき、的確に探傷検査することができる。また、原子炉内構造物溶接部内のひび寸法測定を水中遠隔操作で複雑・狭隘な部位ヘアクセスすることなく、簡便に実施することが可能となる。また、超音波の特性上、材料による減衰および形状の面で検査が難しかった溶接部の深い領域についても、従来とは逆に原子炉圧力容器外面からアクセスすることにより、簡易に超音波探傷を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の検査装置の一実施の形態を原子炉圧力容器に取付けた制御棒駆動機構スタブチューブの溶接部の検査に適用した例を示す正面図である。
【図2】。
【0042】
図1のII−II矢視から見た平面図である。
【図3】本発明の検査装置の一実施の形態に用いる探傷子の大きさと超音波の適切な焦点領域との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の検査装置の一実施の形態を原子炉圧力容器に取付けた制御棒駆動機構スタブチューブの溶接部の検査動作説明図である。
【図5】本発明の検査装置の一実施の形態を原子炉圧力容器に取付けた制御棒駆動機構スタブチューブの溶接部の検査動作説明図である。
【図6】本発明の検査装置の一実施の形態の検査動作を説明するフローチャート図である。
【図7】本発明の検査装置の一実施の形態が適用可能な原子炉圧力容器の他の溶接部の構成例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 原子炉圧力容器
2 制御棒駆動機構スタブチューブ
3 溶接部
4 中性子計測ハウジング
5 溶接部
6 超音波探触子
8 制御棒駆動機構ハウジング
9 制御棒駆動機構ハウジング
21 倣い機構
23 アーム
24 位置決めパッド
30 昇降駆動部
40 旋回駆動部
50 高さ調整部(押し付け機構部)
60 探触子保持部
100 シュラウドサポート
200 内面クラッディング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉圧力容器の底部からその内部に配置される制御棒駆動機構ハウジングの溶接部及びその近傍を探傷する原子炉圧力容器における溶接部の検査装置であって、
超音波を発射する探触子と、前記探触子の超音波発信面を原子炉圧力容器外表面に対して直接接触あるいは一定距離で保持するための探触子保持部と、前記制御棒駆動機構ハウジングの中心軸と平行に前記探触子保持部を前記容器側に押し付ける押付機構部と、前記探触子保持部及び前記押付機構部を制御棒駆動機構ハウジングの中心軸回りに旋回させる旋回駆動部とを備えたことを特徴とする原子炉圧力容器における溶接部の検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の検査装置において、前記探触子、前記探触子保持部、前記押付機構部及び前記旋回駆動部を、前記制御棒駆動機構ハウジングに沿って昇降する昇降機能を更に備えたことを特徴とする原子炉圧力容器における溶接部の検査装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検査装置において、前記探触子の超音波発信面が矩形であれば、長手方向の寸法、円を含む楕円であれば、長径の寸法を35mmから120mmの範囲内に設定したことを特徴とする原子炉圧力容器における溶接部の検査装置。
【請求項4】
請求項3記載の検査装置において、前記探触子の超音波は、前記原子炉圧力容器とその内側の検査対象箇所に、超音波の焦点もしくは焦点のエコー強度に対して−6デシベル以内の音場を形成したことを特徴とする原子炉圧力容器における溶接部の検査装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の検査装置において、前記探触子は、原子炉圧力容器と原子炉内構造物の取付け溶接部、肉盛座部および原子炉圧力容器内面クラッディング部の検査が可能であることを特徴とする原子炉圧力容器における溶接部の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−47539(P2009−47539A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213610(P2007−213610)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】