説明

原着染色のグラデーション・カラー繊維およびその製造方法

本発明は、原着染色のグラデーション・カラー繊維およびその製造方法に関するもので、その繊維が少なくとも一つの組成部分に原着染色を施し、下記の少なくとも一つの紡糸条件の制御を経由し、これにより、グラデーション・カラーの繊維およびその織物を得るが、(1)少なくとも一つの計量器の計量着色剤含有量を絶えずに変更すること、(2)少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量を絶えずに変更すること、(3)他の如何なる延伸方式,仮撚方式により繊維の細度を変更すること。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の所属する技術分野〕
本発明は、グラデーション・カラー繊維およびその製造方法に関するもので、特に原着染色の染色方式を運用して熱可塑性繊維の中に染め、少なくとも一つの紡糸条件の制御を経由することにより、グラデーション・カラー繊維およびその製造方法を得るために用いられることを、指す。
【0002】
〔従来の技術〕
繊維と織物の顔色が一層生き生きして更に変化に富み、以前に印染め又は浴染めの染色を運用してグラデーション・カラー効果を達成する場合がある。然しながら、印染め及び浴染めの染色方式が沢山の廃汚水を生成して環境保護問題を招く。
【0003】
その中でも、中国の特許CN2564602Yには、1種類のグラデーション染色装置を掲示し、該特許技術は、吹き染め方式の着色方法を運用してグラデーション・カラー繊維の目的を達成することを掲示する。但し、その生産速度が比較的遅くなり、且つ染色堅牢度が比較的悪くなる。
【0004】
更にフランスの特許RF2682130には、他の技術を提議してグラデーション・カラー繊維の目的を達成することを掲示するが、該技術は、予め被染物を支柱の上に固定し、支柱を浴染め槽に次第に入れるときに、違う高さの織物染色時間が異なることにより、グラデーション・カラー効果を達成するために用いられる。然しながら、該方法は、浴染めの染色方式に依頼し、大量の廃汚水を生成でき、環境に対し、重大な破壊となる。
【0005】
同様にカナダの特許CA2242211の中には、浴染めの染色液の遂次的な排出をも経由することにより、異なる高さの織物染色時間を制御し、グラデーション・カラー効果を達成することを、掲示する。然しながら、該方法も浴染めの染色方式を使用し、大量の廃汚水をも生成できる。
【0006】
従って、どのように快速生産および大量汚水の非排出の状況下でグラデーション・カラー繊維の造り出しを達成するのは、将来グラデーション・カラー繊維およびその製造方法の重要な課題となる。
【0007】
〔発明の内容〕
故に前述の欠点を解決して欠点の存在を避けるために、本発明の目的は、繊維を生産するときに、少なくとも一つの組成部分に原着染色を施し、少なくとも一つの紡糸条件の制御を経由することにより、グラデーション・カラーの繊維およびその織物を得、快速生産および大量汚水の非排出の状況下で、グラデーション・カラー繊維の造り出しを達成するものである。
【0008】
前述の目的を達成するために、本発明は、原着染色のグラデーション・カラー繊維およびその製造方法を提供するもので、熱可塑性繊維が、一つ以上の組成部分を含有し、且つ少なくとも一つの組成部分に原着染色を施し、繊維における着色剤の色濃度を変更するグラデーション・カラー繊維を経由することを特徴とする。本発明は、原着染色の染色方式を運用して熱可塑性繊維の中に染めることが出来、下記の少なくとも一つの紡糸条件の制御を経由することにより、グラデーション・カラーの繊維を得、且つ該繊維を使用して織物を製成する。
【0009】
(1)単一の組成分の繊維および二つ以上の組成分の複合繊維に対し、該繊維を生産するときに、少なくとも一つの溶融押出機により原着染色を施し、且つ少なくとも一つの着色剤計量器の計量着色剤含有量を継続的に変更することにより、少なくとも一種の着色剤の含有量を変更し、そして顔色の変化を有するグラデーション・カラー繊維を得る。
【0010】
(2)単一の組成分の繊維および二つ以上の組成分の複合繊維に対し、該繊維を生産するときに、少なくとも一つの溶融押出機により原着染色を施し、且つ繊維の延伸または繊維の仮撚のときに、延伸倍率を継続的に変更することにより、色濃度の変化を有するグラデーション・カラー繊維を得る。
【0011】
(3)単一の組成分の繊維および二つ以上の組成分の複合繊維に対し、該繊維を生産するときに、少なくとも一つの溶融押出機により原着染色を施し、且つ少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量の制御を経由して継続的に変更することにより、グラデーション・カラー繊維を得る。
【0012】
その中でも、該熱可塑性繊維の如何なる組成分は、熱可塑性樹脂から形成される。熱可塑性樹脂の重合体は、ポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体及び前述重合体の混合物の中から選ばれる一つである。
【0013】
熱可塑性繊維が少なくとも一種の染料,顔料により原着染色を行うときに、如何なる一種の着色剤の含有量が変化すると、繊維の顔色も変化でき、少なくとも一種の着色剤の含有量の継続的な変更を経由すれば、グラデーション・カラー繊維を得ることが出来る。その着色剤含有量の変更を制御する方法は、下記の通りである。
【0014】
(1)少なくとも一つの計量器の計量着色剤含有量を継続的かつ周期的に変更すること。
【0015】
(2)少なくとも一つの溶融押出機により原着染色を施し、少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量を継続的かつ周期的に変更して経由すれば、着色剤の含有量を継続的かつ周期的に変更すること。
【0016】
或いは(3)以上の2種類の方式を組み合わせて運用すること。
【0017】
或いは熱可塑性繊維が少なくとも一種の染料,顔料により原着染色を行うときに、繊維の細度(又はデニール数)が変化すると、繊維の顔色も変化でき、繊維細度の継続的な変更を経由すれば、グラデーション・カラー繊維を得ることが出来る。その繊維細度の変更を制御する方法は、下記の通りである。
【0018】
(1)溶融押出機の総アウトプット量を継続的かつ周期的に変更して経由すること(少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量を絶えずに変更すること)。
【0019】
(2)他の如何なる延伸方式,仮撚方式により延伸倍率を継続的かつ周期的に変更する。
【0020】
或いは(3)以上の2種類の方式を組み合わせて運用すること。
【0021】
以上の叙述を総合し、熱可塑性繊維が少なくとも一つの組成部分に原着染色を施して更に下記の少なくとも一つの紡糸条件の制御を経由すると、グラデーション・カラー繊維およびその織物を得ることが出来る。
【0022】
(1)少なくとも一つの計量器の計量着色剤含有量を継続的かつ周期的に変更すること。
【0023】
(2)少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量を継続的かつ周期的に変更すること(総アウトプット量が変わらずに維持し或いは絶えずに変化できること)。
【0024】
(3)他の如何なる延伸方式,仮撚方式により、繊維の細度を継続的かつ周期的に変更する。
【0025】
然しながら、異なる方式により得られたグラデーション・カラーの効果も多少異なり、最大の差異は、或る方式が色濃度のグラデーション変化のみを有し、そして色相が著しい変化を有しなくなり、或いは変化が無いが、或る方式が著しい色相のグラデーション変化を有するものである。以下に、3種類の方式について詳細に説明する。
【0026】
(1)少なくとも一つの計量器の計量着色剤含有量の継続的な変更:一つの計量器のみを使用して着色剤の含有量を計量するときに、該計量器の計量着色剤含有量を絶えずに変更するように制御すれば、色濃度の変化を有するグラデーション・カラー繊維のみを得ることが出来る。二つ以上の計量器を使用して着色剤の含有量を計量するときに、少なくとも一つの計量器の計量着色剤含有量を絶えずに変更するように制御すれば、著しい色相変化のグラデーション・カラー繊維を得ることが出来る。
【0027】
(2)少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量の継続的な変更:熱可塑性繊維について、その中でも一つの組成部分のみに少なくとも一種の染料,顔料により原着染色を行うときに、且つ該原着染色の組成部分を有する溶融押出機のアウトプット量が大きいほど、顔色が薄くなり、アウトプット量の継続的な変更を経由すれば、色濃度のグラデーション変化を有するグラデーション・カラー繊維を得ることが出来る。
【0028】
複合熱可塑性繊維の中には、少なくとも二つの組成部分にそれぞれ同じ着色剤(着色剤が少なくとも一種の染料,顔料を含む)により、但し少なくとも一種の染料,顔料の濃度が異なって原着染色を行うときに、色濃度の高い組成部分の溶融押出機のアウトプット量が大きいほど、顔色が濃くなり、逆に顔色が薄くなり、然しながら、このような方式について、色濃度がグラデーション変化を有するが、但し濃薄変化範囲が比較的小さくなる。
【0029】
複合熱可塑性繊維の中には、少なくとも二つの組成部分にそれぞれ異なる着色剤の組成(少なくとも一種の染料,顔料の異なる組成を指す)により原着染色を行うときに、その中でも原着染色の組成部分を有する一つの溶融押出機のアウトプット量の比例が大きいほど、繊維の色相が該組成の原着染色の色相に近接し、逆に顔色がいっそう他の組成の原着染色の色相に近接し、各組成部分の比例が絶えずに変化すると、繊維の現れる色相が絶えずに変化でき、原着染色を有する少なくとも一つの組成部分のアウトプット量の継続的な変更を経由すれば、色相変化を有するグラデーション・カラー複合繊維を得ることが出来る。
【0030】
(3)他の如何なる延伸方式,仮撚方式により変更される繊維の細度:熱可塑性繊維の中には、少なくとも一つの組成部分に少なくとも一種の染料,顔料により原着染色を行い且つ繊維延伸または繊維仮撚にあるときに、延伸の倍率が小さいほど、繊維の細度(繊維のデニール数を指す)が一層大きくなり、このときに、その繊維の色濃度が一層高くなり、繊維延伸または繊維仮撚のときに、延伸の倍率が大きいほど、繊維の細度(繊維のデニール数を指す)が一層小さくなり、このときに、その繊維の色濃度が一層低くなる。延伸倍率の継続的な変更を経由することにより、色濃度のグラデーション変化を有するグラデーション・カラー繊維を得ることが出来る。
【0031】
如何なる組成部分に原着染色の染色方式を有するときに、該組成部分の総着色剤含有量が該組成部分に占める重量パーセント範囲は、0.01%〜10%である。
【0032】
本発明の利点は、本発明の掲示する原着染色のグラデーション・カラー繊維が、少なくとも一つの計量器の計量着色剤含有量の制御を経由して継続的かつ周期的に変更し、或いは少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量を継続的かつ周期的に変更し、或いは他の如何なる延伸方式,仮撚方式にて繊維の細度を継続的かつ周期的に変更することにより、グラデーション・カラーの顔色変化性を得るものであるが、従って本発明の述べる原着染色のグラデーション・カラー複合繊維が如何なる熱可塑性化学繊維の応用に適用し、繊維を生産するときに、少なくとも一つの組成部分に原着染色を施し、少なくとも一つの紡糸条件の制御を経由することにより、グラデーション・カラー繊維およびその織物を得、快速生産および大量汚水の非排出の状況下で、グラデーション・カラー繊維の造り出しを達成する。
【0033】
〔実施の方式〕
本発明の詳細な内容および技術の説明について、現在では実施例により更に説明するが、但し理解すべきなのは、該等実施例がただ例示・説明用のみで、そして本発明の実施制限と解釈すべきではない。
【0034】
本発明は、着色剤の含有量または紡糸のアウトプット量を継続的に変更し或いは他の如何なる延伸方式,仮撚方式により繊維の細度を変更する原着染色繊維を、利用するが、その特徴が、少なくとも一つの溶融押出機により、少なくとも一種の染料,顔料にて、原着染色を行い、更に下記の少なくとも一種の方式により、グラデーション・カラー繊維を得ることである。
【0035】
(一)少なくとも一つの原着染色の着色剤含有量が、少なくとも一つの計量器の計量着色剤含有量を変更することにより、線形関係にて次第に変更し(図1に示すように、横軸が紡糸時間で、縦軸が該計量器の計量着色剤含有量である。)、或いは非線形関係にて次第に変更する(図2に示すように、横軸が紡糸時間で、縦軸が該計量器の計量着色剤含有量である。)。その実施効果が実施例1の通りである。
【0036】
(二)繊維延伸または繊維仮撚のときに、延伸倍率を絶えずに変更し、このときに繊維の細度が延伸倍率の変更により次第に変化でき、そして色濃度変化を有するグラデーション・カラー繊維を得る。その繊維細度が線形関係に基づいて次第に変更し(図3に示すように、横軸が紡糸時間で、縦軸が繊維細度である。)、或いは非線形関係に基づいて次第に変更できる(図4に示すように、横軸が紡糸時間で、縦軸が繊維細度である。)。
【0037】
(三)単一の組成分の紡糸時に、その溶融押出機のアウトプット量が、線形関係により次第に変更し(図5に示すように、横軸が紡糸時間で、縦軸がアウトプット量である。)、或いは非線形関係により次第に変更する(図6に示すように、横軸が紡糸時間で、縦軸がアウトプット量である。)。
【0038】
(四)複合紡糸のときに、その中でも、少なくとも一つの組成部分にける溶融押出機のアウトプット量が、線形関係により次第に変更し(図5に示すように)、或いは非線形関係により次第に変更する(図6に示すように)。例えば実施例2,3,4,5,6がある。
【0039】
(五)前記の少なくとも2種の変更方式を組み合わせて運用する。
【0040】
これにより、少なくとも一つの計量器の計量着色剤含有量の制御を経由して継続的に変更し、或いは少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量を継続的に変更し、或いは他の如何なる延伸方式,仮撚方式にて繊維の細度,その原着染色繊維を変更することにより、グラデーション・カラーの繊維を得ることができる。
【0041】
その中でも、如何なる組成部分に原着染色の染色方式を施すときに、該組成部分の総着色剤含有量が該組成部分に占める重量パーセント範囲は、0.01%〜10%である。且つ本発明の原着染色のグラデーション・カラー繊維は、如何なる紡糸方式を使用して生産でき、例えば短繊維(spun),溶融噴出紡糸,単本数長繊維(filament),多本数長繊維,絨毯糸(BCF)などを制限無く含む。更に如何なる延伸,仮撚方式をも経由して加工できる。
【0042】
更に、本発明の述べる原着染色のグラデーション・カラー繊維は、熱可塑性樹脂の重合体で、各組成部分が、それぞれポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体,及び前述の混合物から形成できる。且つ各組成部分は、何れも異なる需要に基づいて例えば熱安定剤,防火剤,抗菌剤などの助剤を加えることが出来る。
【0043】
如何なる複合方式は、何れも本発明の掲示するグラデーション・カラー複合繊維に適用でき、例えば並列複合方式(side by side),芯鞘複合方式(sheath core),海島状複合方式(sea-island),異形芯鞘複合方式,一部分芯部を外へ突出する芯鞘複合方式などがある。
【0044】
現在に実施例により本発明の効果を説明するが、その中でも、実施例の中における各項目の色相(L,a,b),色強度の比較は、指定紡糸時間に糸様を取得し且つ白色ボール紙に巻き付かれた後に、Datacolorスペクトロメーター型番SF600により、D65光源に、光波の波長400〜700nmにて測定される。L値が色モデルCIEの輝度を、a値がグリーンからレッドの色相要素を、b値がブルーからイエローへの色相要素を指す。
(実施例1)
実施例1は、単一の組成分の原着染色のグラデーション・カラー・ポリエステル繊維である。繊維成分が0.3%重量パーセントの半透明ポリエステル樹脂(semi-dull PET)を含有し且つ2セットの着色剤計量器により原着染色を施す。
【0045】
計量器Aが紡糸を開始するときに、計量の重量パーセントが繊維0.4%を占める色素指数Solvent Blue 45は、その着色剤の計量が、480秒間内に繊維0.56%を占める計量の重量パーセントの色素指数Solvent Blue 45まで次第に拡大するが、計量器Bが紡糸を開始するときに、計量の重量パーセントが繊維0.6%を占めるカーボンブラックは、その着色剤の計量が、480秒間内に繊維0.36%を占める計量の重量パーセントのカーボンブラックまで次第に減少する。
【0046】
紡糸条件:285℃溶融温度、紡糸速度3200メートル/分間、部分配向ヤーン(POY)。繊維のデニール数が3.3デニール/毎本糸であるポリエステル繊維。
【0047】
下記の表が開始紡糸と紡糸25600メートル(480秒間)のときにおける糸様の色相(L,a,b)と色強度との比較で、着色剤の計量の継続的な変更を経由することにより、顔色変化を有するグラデーション・カラー繊維を得る。
【0048】
【表1】

【0049】
(実施例2)
実施例2は、全延伸の原着染色のグラデーション・カラー複合ポリエステル繊維である。組成部分Aがポリエステル樹脂で、且つその組成部分Aの0.6%を占める重量パーセントの色素指数Pigment Red 214を含有するように原着染色を施し、組成部分Bがポリエステル樹脂で、且つ原着染色を施さない。
【0050】
組成部分Aが紡糸を開始するときに、溶融押出機Aのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量60%を占め、そのアウトプット量の比例が、90秒間内に複合繊維の総アウトプット量70%を占めるアウトプット量の比例まで次第に拡大するが、組成部分Bが紡糸を開始するときに、溶融押出機Bのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量40%を占め、そのアウトプット量が、90秒間内に複合繊維の総アウトプット量30%を占めるアウトプット量の比例まで次第に減少する。
【0051】
紡糸条件:285℃溶融温度、紡糸速度4500メートル/分間、2.9倍の延伸。紡糸開始時の複合繊維デニール数が3デニール/毎本糸である複合ポリエステル繊維。
【0052】
下記の表が開始紡糸と紡糸6750メートル(90秒間)のときにおける糸様の色相(L,a,b)と色強度との比較で、アウトプット量の比例の継続的な変更を経由することにより、濃薄変化を有するグラデーション・カラー複合繊維を得ることが出来る。
【0053】
【表2】

【0054】
(実施例3)
実施例3は、原着染色のグラデーション・カラー複合ポリエステル繊維である。組成部分Aがポリエステル樹脂で、且つその組成部分Aの1.7%を占める重量パーセントの二酸化チタンを含有するように原着染色を施し、組成部分Bがポリエステル樹脂で、且つその組成部分Bの0.8%を占める重量パーセントの色素指数Solvent Red 135を含有するように原着染色を施すが、組成部分Aが紡糸を開始するときに、溶融押出機Aのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量30%を占め、そのアウトプット量の比例が、120秒間内に複合繊維の総アウトプット量50%を占めるアウトプット量の比例まで次第に拡大するが、組成部分Bが紡糸を開始するときに、溶融押出機Bのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量70%を占め、そのアウトプット量の比例が、120秒間内に複合繊維の総アウトプット量50%を占めるアウトプット量の比例まで次第に減少する。
【0055】
紡糸条件:285℃溶融温度、紡糸速度3200メートル/分間、部分配向ヤーン(POY)。紡糸開始時の複合繊維デニール数が4.5デニール/毎本糸である複合ポリエステル繊維。
【0056】
下記の表が開始紡糸と紡糸3200メートル(60秒間)、6400メートル(120秒間)のときにおける糸様の色相(L,a,b)と色強度との比較で、アウトプット量の比例の継続的な変更を経由することにより、色相変化を有するグラデーション・カラー複合繊維を得る。
【0057】
【表3】

【0058】
(実施例4)
実施例4は、原着染色のグラデーション・カラー複合ポリエステル繊維である。組成部分Aがポリエステル樹脂で、且つその組成部分Aの0.48%を占める重量パーセントの色素指数Pigment Blue 15:3と、その組成部分Aの0.3%を占める重量パーセントの二酸化チタンとを、含有するように原着染色を施し、組成部分Bがポリエステル樹脂で、且つその組成部分Bの0.96%を占める重量パーセントのカーボンブラックを含有するように原着染色を施すが、組成部分Aが紡糸を開始するときに、溶融押出機Aのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量50%を占め、そのアウトプット量の比例が、180秒間内に複合繊維の総アウトプット量80%を占めるアウトプット量の比例まで次第に拡大するが、組成部分Bが紡糸を開始するときに、溶融押出機Bのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量50%を占め、そのアウトプット量の比例が、180秒間内に複合繊維の総アウトプット量20%を占めるアウトプット量の比例まで次第に減少する。
【0059】
紡糸条件:285℃溶融温度、紡糸速度3200メートル/分間、部分配向ヤーン(POY)。紡糸開始時の複合繊維デニール数が5デニール/毎本糸である複合ポリエステル繊維。
【0060】
下記の表が開始紡糸と紡糸3200メートル(60秒間),紡糸6400メートル(120秒間),紡糸9600メートル(180秒間)のときにおける糸様の色相(L,a,b)と色強度との比較で、アウトプット量の比例の継続的な変更を経由することにより、色相変化を有するグラデーション・カラー複合繊維を得る。
【0061】
【表4】

【0062】
(実施例5)
実施例5は、原着染色のグラデーション・カラー複合ポリエステル繊維である。組成部分Aがポリエステル樹脂で、且つその組成部分Aの0.51%を占める重量パーセントの色素指数Pigment Red 214と、その組成部分Aの0.3%を占める重量パーセントの二酸化チタンとを、含有するように原着染色を施し、組成部分Bがポリエステル樹脂で、且つその組成部分Bの0.17%を占める重量パーセントの色素指数Disperse Violet 57と、その組成部分Bの0.3%を占める重量パーセントの二酸化チタンとを、含有するように原着染色を施すが、組成部分Aが紡糸を開始するときに、溶融押出機Aのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量50%を占め、そのアウトプット量の比例が、180秒間内に複合繊維の総アウトプット量80%を占めるアウトプット量の比例まで次第に拡大するが、組成部分Bが紡糸を開始するときに、溶融押出機Bのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量50%を占め、そのアウトプット量の比例が、180秒間内に複合繊維の総アウトプット量20%を占めるアウトプット量の比例まで次第に減少する。
【0063】
紡糸条件:285℃溶融温度、紡糸速度3200メートル/分間、部分配向ヤーン(POY)。紡糸開始時の複合繊維デニール数が4.5デニール/毎本糸である複合ポリエステル繊維。
【0064】
下記の表が開始紡糸と紡糸3200メートル(60秒間),紡糸6400メートル(120秒間),紡糸9600メートル(180秒間)のときにおける糸様の色相(L,a,b)と色強度との比較で、アウトプット量の比例の継続的な変更を経由することにより、色相変化を有するグラデーション・カラー複合繊維を得る。
【0065】
【表5】

【0066】
(実施例6)
実施例6は、原着染色のグラデーション・カラー複合ポリアミド繊維(又はナイロン繊維を言う)である。組成部分Aがポリアミド樹脂で、且つその組成部分Aの0.5%を占める重量パーセントの色素指数Pigment Blue 15:3を含有するように原着染色を施し、組成部分Bがポリアミド樹脂で、且つその組成部分Bの0.5%を占める重量パーセントの色素指数Pigment Green 7を含有するように原着染色を施すが、組成部分Aが紡糸を開始するときに、溶融押出機Aのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量50%を占め、そのアウトプット量の比例が、180秒間内に複合繊維の総アウトプット量80%を占めるアウトプット量の比例まで次第に拡大するが、組成部分Bが紡糸を開始するときに、溶融押出機Bのアウトプット量の比例が複合繊維の総アウトプット量50%を占め、そのアウトプット量の比例が、180秒間内に複合繊維の総アウトプット量20%を占めるアウトプット量の比例まで次第に減少する。
【0067】
紡糸条件:280℃溶融温度、紡糸速度4300メートル/分間、2.5倍の延伸。紡糸開始時の複合繊維デニール数が4.5デニール/毎本糸である複合ポリアミド繊維。
【0068】
下記の表が開始紡糸と紡糸4300メートル(60秒間),紡糸8600メートル(120秒間),紡糸12900メートル(180秒間)のときにおける糸様の色相(L,a,b)と色強度との比較で、アウトプット量の比例の継続的な変更を経由することにより、色相変化を有するグラデーション・カラー複合繊維を得る。
【0069】
【表6】

【0070】
但し、以上の叙述は、ただ本発明のより好ましい実施例のみで、当然これにより本発明の実施範囲を限定してはいけなくて、即ち本発明の特許請求の範囲および発明の説明内容に基づいて作成された簡単な等価の変更と潤色が、大体何れも依然として本発明の特許の含む範囲内に属すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】計量器の計量着色剤含有量と紡糸時間との線形関係の模式図である。
【図2】計量器の計量着色剤含有量と紡糸時間との非線形関係の模式図である。
【図3】繊維の細度と紡糸時間との線形関係の模式図である。
【図4】繊維の細度と紡糸時間との非線形関係の模式図である。
【図5】溶融押出機のアウトプット量と紡糸時間との線形関係の模式図である。
【図6】溶融押出機のアウトプット量と紡糸時間との非線形関係の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性繊維は、一つ以上の組成部分を含有し、且つ少なくとも一つの組成部分に原着染色を施し、繊維における着色剤の色濃度を継続的かつ周期的に変更するグラデーション・カラー繊維を経由することを特徴とする、原着染色のグラデーション・カラー繊維。
【請求項2】
該熱可塑性繊維の各組成部分の重合体は、ポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体及び前述重合体の混合物の中から選ばれる一つであることを特徴とする、請求項1に記載の原着染色のグラデーション・カラー繊維。
【請求項3】
請求項1に記載の原着染色のグラデーション・カラー繊維から製成されることを特徴とする、織物。
【請求項4】
単一の組成分の熱可塑性繊維および二つ以上の組成分の複合熱可塑性繊維に対し、該熱可塑性繊維を生産するときに、一つの着色剤計量器により原着染色を施し、同時に該着色剤計量器の計量着色剤含有量を継続的かつ周期的に変更し、着色剤の量を変更することにより、顔色の変化を有するグラデーション・カラー繊維を得ることを特徴とする、原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項5】
該熱可塑性繊維の各組成部分の重合体は、ポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体及び前述重合体の混合物の中から選ばれる一つであることを特徴とする、請求項4に記載の原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項6】
単一の組成分の熱可塑性繊維および二つ以上の組成分の複合熱可塑性繊維に対し、該熱可塑性繊維を生産するときに、少なくとも二つの着色剤計量器により原着染色を施し、同時に少なくとも一つの着色剤計量器の計量着色剤含有量を継続的かつ周期的に変更することにより、着色剤の量を変更し、そして顔色の変化を有するグラデーション・カラー繊維を得ることを特徴とする、原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項7】
該熱可塑性繊維の各組成部分の重合体は、ポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体及び前述重合体の混合物の中から選ばれる一つであることを特徴とする、請求項6に記載の原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項8】
単一の組成分の熱可塑性繊維および二つ以上の組成分の複合熱可塑性繊維に対し、該熱可塑性繊維を生産するときに、少なくとも一つの溶融押出機により原着染色を施し、且つ繊維の延伸または繊維の仮撚のときに、延伸倍率を継続的かつ周期的に変更することにより、色濃度の変化を有するグラデーション・カラー繊維を得ることを特徴とする、原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項9】
該熱可塑性繊維の各組成部分の重合体は、ポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体及び前述重合体の混合物の中から選ばれる一つであることを特徴とする、請求項8に記載の原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項10】
単一の組成分の熱可塑性繊維および二つ以上の組成分の複合熱可塑性繊維に対し、該熱可塑性繊維を生産するときに、一つの溶融押出機により原着染色を施し、且つ該溶融押出機のアウトプット量の制御を経由して継続的かつ周期的に変更することにより、グラデーション・カラー繊維を得ることを特徴とする、原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項11】
該熱可塑性繊維の各組成部分の重合体は、ポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体及び前述重合体の混合物の中から選ばれる一つであることを特徴とする、請求項10に記載の原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項12】
単一の組成分の熱可塑性繊維および二つ以上の組成分の複合熱可塑性繊維に対し、該熱可塑性繊維を生産するときに、少なくとも二つの溶融押出機により、同じ着色剤にて、但し少なくとも一種の染料,顔料の濃度が異なり、それぞれ原着染色を施し、且つ少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量の制御を経由して継続的かつ周期的に変更することにより、グラデーション・カラー繊維を得ることを特徴とする、原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項13】
該熱可塑性繊維の各組成部分の重合体は、ポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体及び前述重合体の混合物の中から選ばれる一つであることを特徴とする、請求項12に記載の原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項14】
単一の組成分の熱可塑性繊維および二つ以上の組成分の複合熱可塑性繊維に対し、該熱可塑性繊維を生産するときに、少なくとも二つの溶融押出機により、異なる着色剤の組成にて、それぞれ原着染色を施し、且つ少なくとも一つの溶融押出機のアウトプット量の制御を経由して継続的かつ周期的に変更することにより、グラデーション・カラー繊維を得ることを特徴とする、原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。
【請求項15】
該熱可塑性繊維の各組成部分の重合体は、ポリエステル樹脂,ポリエステル共重合体,ポリアミド樹脂,ポリアミド共重合体,ポリプロピレン樹脂,ポリプロピレン共重合体,ポリエチレン樹脂,ポリエチレン共重合体及び前述重合体の混合物の中から選ばれる一つであることを特徴とする、請求項14に記載の原着染色のグラデーション・カラー繊維の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−529534(P2011−529534A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520301(P2011−520301)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001402
【国際公開番号】WO2010/012128
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511027482)
【氏名又は名称原語表記】CHEN,Yiyung
【住所又は居所原語表記】No.5,Alley 1,Lane 147,Ching Hua St.,Wen Shan Dist.,Taipei,Taiwan
【Fターム(参考)】