説明

双方向HFCサービス配信のためのシンDOCSIS帯域内管理

MPEG多重化信号によるビデオオンデマンド、双方向サービス、及び他のサービスデータの伝送、及び条件付きアクセスEMMキーデータを含む管理及び制御データの、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットによるMPEG多重化信号の帯域内送信のための回路、及び実行される処理が開示される。MPEG多重化信号内のセッションキーによって暗号化された制御ワードを含むECMメッセージを送信し、プライベートセットトップボックスユーザキーによって暗号化されたセッションキーを含むEMMメッセージを送信することにより条件付きアクセスデータを送信する処理が開示される。EMMメッセージは、それを要求すると共に暗号化されたサービスを発注したセットトップボックスだけにDOCSIS PIDを有するMPEGパケットの帯域内で送信される。IPパケットにカプセル化されたMPEG伝送ストリームの経路を指定するルーティング/スイッチング能力を備えるヘッドエンドが同様に開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルテレビの光同軸ハイブリット伝送(Hybrid Fiber Coaxial:HFC)ケーブルシステムを介したビデオオンデマンドのような広帯域サービス配信の管理のための帯域内管理チャンネルにおけるDOCSIS(ドクシス)の使用、及びその結果生じるデジタルテレビ伝送の受信のためのセットトップアダプタの簡略化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビデオオンデマンド(VOD)のようなビデオサービスは、従来技術において、HFCシステムを介して配信された。その全体が参照によってここに組み込まれる論文“Michael Adams, "Open Cable Architecture" (2000 Cisco Press) ISBN 1-57870-135-X”は、デジタルケーブルテレビの従来技術の状態を説明する。第4章、49頁から84頁は、ビデオ、オーディオ、データ、及びシステム情報の圧縮のためのデジタルテレビ技術と、ベースバンド伝送メカニズム及び広帯域伝送メカニズムとを説明する。第5章は、ケーブルシステムに対するデジタルテレビサービスの追加、及び管理のための帯域外データ通信を説明する。第6章は、デジタルテレビのための従来のデジタルセットトップコンバータについて説明する。第8章、及び第10章は、オンデマンドの映画及び音楽、オンデマンドのポスト放送、通信教育、及び他のサービスのような双方向のオンデマンドサービスを説明する。第9章、及び第11章は、双方向のオンデマンドケーブルシステムにおける事例研究を説明する。
【0003】
双方向サービスは、それらの全てが、あらかじめISP、及びダイヤルアップ、ISDN、DirecPC等を介したインターネットに対する接続によって提供された、ホームショッピング、ホームバンキング、電子メール、ウェブアクセス、ゲーム、株価表示器のような新しい種類のサービスを提供する拡張を、ケーブルシステムに対して提供する。
【0004】
HFCを通じて双方向サービスを配信することを試みるいくつかの従来技術は、現地試験において実施された。双方共、クライアントのセットトップデコーダとヘッドエンドのサーバとの間のソフトウェアダウンロード、及び管理及び制御データの伝送のために、帯域外チャンネルを使用した。タイムワーナーフルサービスネットワーク(Full Service Network:FSN)は、伝統的なアナログCATVサービスと同様の双方向性テレビゲーム、ホームショッピング、長距離アクセス、音声及びテレビ電話、及び個人的通信サービスとウェブブラウジングに加えて、VOD、オンデマンドのスポーツ、オンデマンドのニュースを配信するために1993年2月に開始された。8つのメディアサーバが、SCSI−2のインタフェース経由でディスク保管室と接続された。ディスク保管室は、約500の映画のために十分な記憶装置を提供した。順方向経路に関して、メディアサーバは、“SONET OC3”接続経由でATMスイッチに接続された。計48個のOC3接続は、SONET及びATMのオーバヘッドが減じられた後で、5,184[Mbps]の使用可能なペイロード帯域幅を提供した。ATMスイッチは、64−QAM変調器のバンクと接続された。152組のDS3リンクは、ATMスイッチから近隣まで、オーバヘッドを差し引いて5,600[Mbps]のペイロード容量を提供した。QAM変調器出力は、6[MHz]の間隔を開けられた順方向デジタルチャンネルを備える500[MHz]から735[MHz]の周波数範囲内に調整される。6[MHz]アナログCATVチャンネルは、50[MHz]から500[MHz]までの周波数帯域を占有した。50[MHz]から735[MHz]まで合成されたRF信号は、約10マイル離れた場所で信号を取り出すシングルモード光ファイバを駆動するレーザを変調するために使用された。その離れた場所で、光信号は光学ノードにおいてRFに戻されると共に、約500人の加入者を通過させる同軸ケーブルネットワークに給電するために使用された。RF信号は、各家庭内の家庭用通信端末、もしくはデジタルセットトップコンバータ(set top converter:HCT)に供給された。HCTは、ビデオ及びオーディオ復元、及び大規模なグラフィックス能力を備える、強力なRISCベースのマルチメディア計算エンジンであった。HCTは、同様にCATVアナログ信号のためのアナログセットトップコンバータを備えた。ATMアドレス指定方法は、データがあらゆるHCTに対してアドレス指定されることを可能にした。
【0005】
上り方向信号の経路は、各チャンネルがATMオーバヘッドを差し引いて1.152[Mbps]のデータ速度を有している、900[MHz]から1[GHz]の周波数帯域において2.3[MHz]間隔の搬送波で各HCTによって伝送されるQPSK変調された信号であった。各上り方向信号のチャンネルは時分割多重されており、従って、複数のHCTは、あらゆる与えられたタイムスロットの間に1つのHCTだけが伝送することを可能にされたように、順方向チャンネル上の下り方向信号メッセージにおいて、ヘッドエンドによって与えられた帯域幅を有する同じチャンネルを共有することができた。初期設定により、各HCMは、46[Kbps]の固定ビットレート(CBR)ATM接続へのアクセスを備えた。上り方向信号のRFは、光学ノードにおいて光信号に変換されると共に、個別の光ファイバーが上り方向信号及び下り方向信号を伝送するために使用される。ヘッドエンドにおいて、光信号はRFに戻されると共に、その後、ATMセルストリームをATMフォーマットのT1リンクに変換するQPSK復調器のバンクに提供される。復調器の出力は、トラフィックの集約、及びトラフィックのDS1レートからDS3レートへの変換を行い、メディアサーバに対するデータを通過させるATMスイッチに対してATMフォーマットDS3ストリームを出力するATMデマルチプレクサーによって合成される。ATMアドレス指定方法は、あらゆるHCTがあらゆるサーバに対して送信することを可能とする。
【0006】
接続マネージャは、メディアサーバ上で動作する処理の分散型のセットであった。与えられたサービスの質を有する接続を求めるアプリケーション要求に対応して、接続マネージャは、経路を決定し、接続識別子を割り当てると共に、リンク帯域幅を予約する。接続識別子は、申請者により信頼されている帯域外チャンネルによってメディアサーバ及びHCTに渡される。オンデマンドサービスは、サーバからHCTに対する各メディアストリーム(media stream)に関して固定ビットレートATM接続を確立するために接続マネージャを使用する。この固定ビットレートストリームは、接続のサービスの品質を保証するのに必要とされ、従って、セルの消失レートは、高品質のMPEG圧縮されたビデオストリームを伝送するのに必要とされる所定の効果尺度より小さい。各アプリケーションリクエストに関する接続の使用は、それが分散型アプリケーション環境に関して発見されたとしても過度のオーバーヘッドによってシステムを急速に過負荷にすると共に、従って、接続は、オンデマンドサービスのためだけに予約され、IPネットワークトラフィックなどの他の全ての通信セッションは、コネクションレス型ネットワークに移管された。
【0007】
各HCTは、起動時に、各順方向アプリケーションチャンネルにおける固定の8[Mbps]接続のための高速IPアドレス、各順方向アプリケーションチャンネルにおける固定の0.714[Mbps]接続を使用するネットワークのための低速IPアドレス、及び1[Mbps]容量を有する順方向QPSKチャンネルを使用する制御IPという3つのIPアドレスを与えられた。高速IPネットワークは、HCTからのファイル転送要求によって開始されるアプリケーションダウンロードのために使用された。アプリケーションプログラムは、圧縮された。低速IPネットワークは、クライアントと分散型アプリケーションのサーバ部分との間の一般的な通信のために使用された。アプリケーションが実行中である間、HCTは、この低速IPネットワーク上で送信及び受信をすることができた。
【0008】
低速IPネットワークは、HCTにおけるクライアントアプリケーションが、低速IPネットワークを介して、ヘッドエンドのサーバ内の処理を実行させる遠隔手続き呼出し(remote procedure call)を呼び出すことを可能にする通信を伝達することによって分散型コンピューティングモデルを利用可能にした。これは、分散型アプリケーションの開発を簡略化した。HCTは、かなりの資源を備えて処理の大部分を実行したと共に、HCTがヘッドエンドサーバからのいかなる援助もないプレゼンテーション階層機能に責任を負ったので、HCTは、シッククライアントであると考えられた。サーバが、HCTに送信するためのテキストストリングのようなデータオブジェクトを単に主として検索していたので、サーバとクライアントHCTとの間のはるかに少ない通信がこのモデルによって必要とされると共に、シッククライアントHCTは、その場合に、活発なオブジェクトオーバレイとしてそれを提示するために、全ての処理を実行するであろう。これは、サーバがHCTクライアントによるディスプレイのための活発なオーバレイを送信するであろうそのシンクライアントHCTとのはるかに少ない通信を必要とした。シッククライアントのために、サーバは、各々のための個別の文脈を維持しなくても多くのクライアント例に対応するように設計されているであろう。従って、シンクライアントは、低速IPネットワーク上の通信に関するネットワーク上の過剰需要のために、このネットワークにおいて妨害された。
【0009】
タイムワーナーフルサービスネットワーク(以下、FSNとする)によって提供された双方向サービスは、ナビゲーション、ゲーム、ホームショッピング、及びビデオオンデマンドを備えた。ナビゲーションサービスは、アナログチューニング、顧客が時間対チャンネルのマス目を通じてスクロールすることを可能にする双方向プログラムガイド、パレンタル制御、加入者の好み及び構成を備えた。
【0010】
双方向サービスを実行するためのFSNアプリケーションは、双方向サービスの各エリアにおいてかなり大きいネットワーク資源を必要とした。例えばスクリーン上の対話に応じて見るチャンネルを選択するような、ユーザがHCT遠隔制御を通じて要求した双方向サービスは何でも実行するのに必要とされるアプリケーションを取り込むために、ソフトウェアはHCTにダウンロードされる。全てのFSNアプリケーションは、サービス要求の品質の変更を伴うヘッドエンドとの相互通信を必要とする。例えば、ナビゲーション、及びホームショッピングは、ほとんどの場合最善努力式(best efforts)を使用するが、しかしストリーミングビデオ、またはストリーミングオーディオは、それを実行するのに、要求されると共に保証されたサービスの品質が必要とされた。
【0011】
制御IPネットワークは、各順方向制御チャンネル(帯域外)上の1[Mbps]ATM接続に割り当てられると共に、近傍のHCT全てに対する全般統制信号伝達(general control signaling)のために使用された。従って、注目すべきは、システムのコスト及び複雑さに対して、複数の帯域外の順方向制御チャンネルが、制御IPネットワーク上の管理及び制御トラフィックのオーバーヘッドのために使用されたことである。
【0012】
コネクションレス型ネットワークを使用する分散型アプリケーションには、複数の短いバーストの使用のために、コネクションレス型オーバヘッド信号伝達トラフィック(connectionless overhead signaling traffic)の必要性があることが理解されたと共に、この信号伝達を実行するために、IPネットワークプロトコルが有益な方法を提供することが理解された。この従来技術システムのためのプロトコルスタックは、図1において示される。双方向サービスの分散型アプリケーション環境に対応するコネクションレス型の通信プロトコルは図の左にあると共に、オンデンマンドストリーミングビデオ及びオーディオサービスに対応するコネクション型プロトコルは図の右にある。FSNにおいて、双方向サービスが集中的であったと共に、IPネットワークによって最もよく支援されたので、双方向サービスがオンデマンドサービスと異なる通信モデルを必要とするのに対して、オンデマンドビデオ、及び他のストリーミングメディアは、ATMによって提供されたデータのように、コネクション型ネットワークによって提供された最もよいデータの連続ストリームを必要としたことが理解された。
【0013】
FSNのHCTは、100[MIPs]容量を有する高価で非常に有能な機械であったが、シッククライアントであることの要求は、言わばそれらを屈服させた。ライブビデオ及びソフトウェアにおけるグラフィックスのリアルタイム構成は、恐るべき負荷をCPUに課した。1秒当たり60個のフィールドにおいて、CPUは、フィールドが表示される前にグラフィックスを描画するのにほんの16[ミリセカンド]を備えていたと共に、フィールドは遅延することができない。オーディオ、及びビデオ復元がハードウェアで行われたとしても、FSNアプリケーションに対応するために、HCTの更に速い140[MIPs]バージョンがすぐに必要とされた。
【0014】
FSNネットワークの別の欠点は、TDMAスキームを配置されたヘッドエンドに起因する上り方向信号の帯域幅の大規模な浪費であることが発見されたことである。これは、それが固定ビットレート割り当てを各HCTに使用したと共に、その割り当てが大抵浪費されたからである。その結果、更に多くのHCTが与えられた帯域外リターンチャンネルを共有することを可能にする予約プロトコルを備えるために、“DAVIC out−of−band(OOB)プロトコル”が開発された。帯域外リターンチャンネルの共有は、しかしながら、HCTによって上り方向信号の伝送を調整するために、共有されたメディアによって使用されるプロトコルと類似した個別のメディアアクセス制御(media access control:MAC)プロトコルを必要とした。OOBリターンチャンネルのために大部分の多くの場合使用されるMACプロトコルは、イーサネット(登録商標)衝突検知プロトコル(Ethernet(登録商標) Collision Sense protocol)と類似している。帯域外チャンネルは、それによって各HCTの費用が更に増加する、MACプロトコルを実行する少なくとも個別のチューナ、及びソフトウェアを必要とした。
【0015】
FSNの直系の子孫は、1995年にスタートしたペガサスシステム(Pegasus system)であった。その時の成功への主な障害物は、これ以降、その異なる種類全てにおいてセットトップボックスとして参照されると共に、デジタルデータを伝送する搬送波に周波数を合わせ、復調し、デコードし、復号化し、復元したと共に、復元したデータを適当なテレビ信号へ符号化した双方向セットトップ受信機/デコーダのコストであった。ペガサスオーランド(Pegasus Orlando)の配置は、4000個のセットトップボックスだけを備え、従ってそのコストは管理できたが、しかし、全国的な配置の双方向のオンデマンドサービスは、セットトップボックス(STB)のコストに関して完全に異なる話であり、従って、STBのコストはペガサスの設計の重要な要因になった。ペガサスは、STBのコストを減少させる試みにおいてトロイの木馬戦略(Trojan Horse strategy)を採用した。そのアイデアは、放送処理のために必要とされる回路に関する小さなコスト増分で双方向の特徴支援をSTBに備えることであったが、しかし、これらの回路及びアプリケーションは、双方向サービスがケーブルオペレータによって開発されて、配信される時だけに見えてくる。
【0016】
ペガサスネットワークは、双方向サービスを利用可能にするために、STBをヘッドエンドに接続するためのリアルタイムの双方向ネットワークを使用する。この双方向ネットワークは、標準のネットワークプロトコル、及び装置に基づいていたが、しかし低いサービス通過率に対して設計された。全ての同じ双方向サービスは、FSNとして、しかしはるかに低いコストで提供された。コストの低下は、以下によって可能にされた。
(1)双方向アプリケーションをダウンロードするのに必要とされる処理のネットワークトラフィックを減少させるために、可能であるところはどこでもデータカルーセルを使用すること。
(2)DAVICのOOBプロトコル定義が、更に多くの集中的なトラフィックソースによって帯域外リターンチャンネルの共有を支援するために使用された(これがFSNと比較して配信ハブ当たりのQPSK復調器の数を15分の1に減少させた)。
(3)オペレーティングシステム、及びナビゲーションソフトウェアは、常にペガサスのSTBに常駐しており、それによって、ソフトウェアダウンロードによって消費されるネットワーク資源を非常に減少させるが、しかしSTBのコストを増大させる。
(4)双方向サービスに加えてデジタル放送の両方を配信するMPEG−2伝送の使用。
【0017】
ペガサス2は、交換ネットワークを介して双方向マルチメディアを配信するためにMPEG−2伝送を使用する第1のネットワークであった。MPEG−2伝送は、ATM及びIPのような他の伝送プロトコルより更に効率的であると共に、MPEG−2伝送は、同期化、統計的多重化、及び条件付きアクセス機能に関する支援を備えている。MPEG−2伝送は、放送及びオンデマンドサービスの両方に関して統合された伝送の解決法を提供すると共に、低いオーバーヘッドの利点を提供し、それはビデオオンデマンドのような1方向サービスのために設計される。明らかに、帯域外チャンネルは、所望のビデオプログラムを示す上り方向信号の通信のために使用された。MPEG−2伝送の別の利点は、放送とオンデマンドサービスの両方においてSTBが有能であることであり、MPEG−2は、プライベートデータセクションマッピング(private data section mapping)を使用して、ビデオ及びオーディオだけでなくデータのカプセル化を利用可能にする。ペガサスは、デジタル放送及びオンデマンドサービスの統合された配信に関して、MPEG−2が理想の解決法であることを我々に示した。シッククライアントSTBに関して、高コストではあるが、VODを含む双方向でかつオンデマンドの両方のサービスを提供するために、“ATM−to−the−home”交換ネットワークを使用したFSNとこれを比較する。FSNは、その交換、及びトランスポートプロトコルニーズの両方のために、ATMを使用した。ATMは、一定方向のトラフィックに関して非常に非能率的である。オンデマンドサービスによって生成された非対称的トラフィックパターンのために上り方向信号の帯域幅を浪費するということが理解されたと共に、それは、VOD、及び他のオンデマンドサービスの非対称的トラフィックではなく、双方向動作のために設計されたATM装置の容量を浪費した。ATMのオーバヘッドは、約12[%]である(主として全てのセルにおける5バイトのATMヘッダに起因する)。FSNにおいて、システムを更に高価にすると共に、何百万ものSTBを有する全国的な配置に関してシステムを調整することを困難にさせるATM適応回路及びソフトウェアを提供するために、ヘッドエンド及び全てのSTBにおいて追加コストがあった。デジタル放送技術が、MPEG−2伝送プロトコルに全て基づいており、従って、FSNにおける全てのデジタル放送サービスがヘッドエンドにおけるATMに適応しなければならなかった、もしくは全てのSTBがATM及びMPEG−2伝送プロトコルの両方に対応しなければならなかったので、この余分の回路が必要であった。
【0018】
FSNは、MPEG−2のストリームをATM構造基盤を介して配信した。図4は、これを実行するために使用される通信プロトコルスタックを示す。基本の周波数分割多重(FDM)階層は、広帯域のスペクトルを多くのチャンネルに分割した。NTSCチャンネルはアナログ放送を伝送し、QAMチャンネルはデジタル放送、双方向のオンデマンドサービスのようなデジタルサービスを伝送し、QPSKチャンネルは信号伝達トラフィック及び制御トラフィックを伝送した。MPEGオーディオ及びMPEGビデオを伝送するためのQAMチャンネルに関して、適応階層が、誤り訂正機能及びフレーミング機能を提供するために必要とされた。この階層は、ATMセルをフレーム構造に圧縮し、従ってSTBは、QAMビットパイプ(QAM bit pipe)における個々のセルを認識することができた。AAL−5適応階層は、MPEGデータの大きなブロックがATM交換ネットワークを通じた配信のためのATMセルに分割されることを可能にする機能性を提供した。STBにおいて、AAL−5は、ビデオ及びオーディオにデコードするためのMPEGパケットを再構築するために使用された。
【0019】
FSNにおいて、TCP/IPデータは、AAL−5を用いてATMセルに分割されたIPデータブロックを備えていたと共に、IPデータブロックは、AAL−5を使用するSTBにおいて再構築された。STBは、全てのATMセルのヘッダにおいて伝送されたバーチャルチャンネル識別子(Virtual Channel Identifier:VCI)によって、オーディオ、ビデオと、データとを区別した。これは、STB(HFC)が、混乱なくQAMチャンネルを介して、オーディオ、ビデオ、及びデータストリームを同時に受信することを可能にした。
【0020】
顧客が、正しく同期されたオーディオを有する滑らかで高品質のビデオを見ることを保証するために、FSNにおいて、ATMセル及びATM構造基盤によるSTBに対するMPEGデータの配信が管理されなければならなかった。これを実行するために、MPEGデータは、ディスク記憶装置システムに格納されると共に、大きなブロックで取ってこられた。MPEGデータは、その場合に、STBが、ビデオ品質を低下させるオーバーランセル(overrun cells)及びドロップセル(drop cells)を受け取らないことを保証するために、AAL−5を用いて、固定速度で伝送されたATMセルに分割された。STBは、それらのVCIに基づいてATMセルをフィルタ処理したと共に、選ばれたビデオフローに関するセルだけを選択し、そしてAAL−5を使用して選ばれたATMセルからMPEGパケットを再構築した。MPEGデコーダは、その場合に、MPEGパケットからオリジナルのビデオ信号を復元した。ビデオ信号は、非常に時間に依存的であると共に、MPEGデータの配信は、MPEGのデコードと厳密に同じ速度でなければならなかった。アナログビデオの配信において、水平及び垂直の同期パルスは、テレビディスプレイに同期したが、しかしATMネットワークには、セルを配信するためにそれらは切り替えられると共に、それらは複数の非同期物理リンクを使用するので、そのようなメカニズムはない。この問題は、サーバにおけるマスタクロックからATMタイムスタンプを送ることによってFSNにおいて解決された。サーバクロックは、MPEGデータがサーバの中から再生されると共に、正しい速度でネットワーク上を伝送されることを保証するために、ディスクの読み取り及びATMカードの書き込みが正しい時間に発生することを保証した。STBにおいて、サーバクロックからのタイムスタンプは、頻繁に受信される。STBは、正確な、電圧制御型水晶発振器(VCXO)によって駆動するそれ自身のクロックを備えている。それらのタイムスタンプは、STBクロックをサーバクロックと同期した状態に保つために、VCXOの周波数を調整するために使用された。STBにおけるMPEGデコーダのためにMPEGデータを保持するMPEGバッファは、オーバフロー及びアンダフローを防止するために、注意深く管理されなければならなかった。
【0021】
FSNと対照的なペガサス−2システムは、現存するデジタル放送ネットワークに対して、リアルタイムの双方向の信号伝達に対応した追加のオンデマンドサービスを加えた。サーバからSTBまでMPEG−2伝送を使用すると共に、FSNのATM構造基盤を除去することによって、著しい伝送コストの減少が達成された。MPEG−2伝送は、IP伝送またはATM伝送より更に効率的であると共に、MPEG−2伝送は、同期化、統計的多重化、及び条件付きアクセス機能に関する支援を備えている。
【0022】
しかしながら、MPEG−2伝送の使用は、同様にMPEG−2伝送ストリームの使用に特有である問題を引き起こした。MPEG−2伝送は、オンデマンドサービスにおけるストリーミングビデオ及びストリーミングオーディオに加えて提供されたブロードバンドインターネットアクセスのような、高速データのために必要とされる高速データ伝送のために設計されていなかった。しかしながら、この問題は、MPEG−2伝送ストリームのプライベートデータセクションに高速データを割り当てることによって解決された。ペガサスに関する別の思いがけない幸運は、DSM−CCデータカルーセル仕様が、MPEG−2伝送パケットに大きなデータカルーセルパケットを割り当てるための効率的なセグメンテーション機能を含んだことであった。
【0023】
MPEG−2は、それが全く、接続管理プロトコル(connection management protocols)、またはコネクションレス経路指定メカニズム(connectionless routing mechanisms)を含まないので、同様に広域ネットワークプロトコルとして設計されなかった。従って、MPEG−2を交換ネットワークに適応させることは、ペガサスの設計者にはやりがいのあることであった。図3において示されたように、MPEG−2伝送スイッチを実現するために、この問題は、複雑なQAM交換マトリクスの設計によって、ペガサスの従来技術において克服された。各メディアサービスは、最高5個の256−QAMチャンネルを満たすであろう、MPEG−2固有(プロトコル変換が必要とされない)のDVB非同期シリアルインタフェースによってQAM変調器の列と接続された。各セットトップグループは、6〜8個のQAMチャンネルを含んだオンデマンドチャンネルのバンクを共有した。もしメディアサーバが機能しなかった場合、顧客はサービスを失うであろうが、しかしサービスを再発注できると共に、QAM交換マトリクスによって別のメディアサーバに接続される。
【0024】
QAM交換マトリクスは、交換マトリクスの次元が、バンクにおけるオンデマンドチャンネルの数であるMよって決定され、メディアサーバ当たりのQAM変調器の数であるNを乗算され、オンデマンドチャンネル(6〜8)におけるストリームの数を乗算されたので、限られた交換だけを提供した。
【0025】
ペガサスのMPEG−2伝送メカニズムに関する別の問題は、それが交換ネットワークではなく、放送のために設計されたので、固定遅延ネットワークを仮定することである。
【0026】
図2は、ペガサスシステムにおけるチャンネルの種類の図である。ペガサス2システムが、ちょうどFSNのような帯域外チャンネルを使用する点に注意すること。
【0027】
“Digicable”は、終端間接続衛星(end-to-end satellite)、及びケーブルシステム配信ネットワーク(cable system distribution networks)に対して、“ゼネラルインストルメンツ(General Instrument)”社によって供給された別の従来技術システムである。それは、全ての帯域内チャンネルと関係付けられた共通のシステム情報を配信するために、同様に帯域外データチャンネルを使用した。これらの従来技術システムにおける帯域外トラフィックは、個々のSTBに対してアドレス指定されると共に、要求されたサービスに関する条件付きアクセス保証許可命令(conditional access secure authorization instructions)を伝送する権利管理メッセージ(Entitlement Management Messages:EMM)と、要求されたサービスに関する情報によってSTBナビゲーションアプリケーションを利用可能にするサービス情報と、様々な時間に様々なチャンネルにおいて何があるかを表示するためのプログラムガイド情報と、STBにテキストメッセージを表示させる、オーディオメッセージを再生させる、または強制的にアラートチャンネルに同調させる緊急警報システム(Emergency Alert System)メッセージとを含んでいる。
【非特許文献1】Michael Adams, "Open Cable Architecture" (2000 Cisco Press) ISBN 1-57870-135-X
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
少なくとも2つの主要な問題が、FSN、及びペガサスの従来技術に存在する。セットトップに対するソフトウェアダウンロードには、いくらかの利点があるが、しかし同様にそれには、いくらかの深刻な欠点がある。STBに対するソフトウェアダウンロードの主要な利点は、STBが、全ての必要とされたアプリケーションを格納するための十分なメモリを備える必要がないので、それがSTBのハードウェア、及びソフトウェアを簡略化することである。メモリは高価であり、従って、この利点は、各STBを、製造するのにあまり多くの費用がかかる状態にしない。双方向のオンデマンドサービスの全国的な配置のために、何百万ものSTBが造られる必要があるので、これは有効な利点である。ソフトウェアダウンロードの別の主要な利点は、新しいサービスのための新しいアプリケーションがヘッドエンドに加えられ得ると共に、HFCを通してあらゆるSTBに広められ得ることであり、それによってSTBを古くさせない。更に、アプリケーションバグは、全てのSTBを旧式の状態にせずに、任意に修繕されると共に更新され得る。
【0029】
深刻な欠点は、ソフトウェアダウンロードが、毎回、ユーザがチャンネルを変更するか、もしくは他のサービスを呼び出すためのボタンを押して、どのアプリケーションソフトウェアをダウンロードするかをサーバに通知する、STBからサーバに対する上り方向信号のネットワークトラフィックの量を非常に増加させることである。何千ものSTB、及び限られた帯域幅でこの上り方向信号のトラフィックを伝送する帯域外チャンネルに関して、多くの問題が引き起こされる。それらの間には、利用可能な帯域幅に関する競合と遅延があると共に、個別のメディアアクセス制御プロトコル(media access control protocol)、及び管理トラフィックを伝送するためにちょうどOOBチャンネルに合わせられた個別のチューナのやっかいな問題と費用がある。
【0030】
ソフトウェアダウンロードの別の深刻な欠点は、アプリケーションソフトウェアをダウンロードするのに時間がかかることである。小さなアプリケーションは、高速のチャンネルを通してコンマ数秒でダウンロードされ得るが、しかし大きなアプリケーションをダウンロードすることは、遅延を導入すると共に、多量のネットワーク容量を消費する。同様に、もしダウンロードサーバ、またはダウンロードチャンネルが利用不可能である場合、顧客は、サービスの損失を見ることになる。ナビゲーターアプリケーションをSTBに常駐させることは、この問題を減少させるが、しかしSTBを更に高価にする。
【0031】
いくらかのメカニズムが、従来技術においてソフトウェアダウンロードのために使用された。その最初のものは、プログラムガイドデータのようなソフトウェアアプリケーション及びデータが、QAMチャンネルを介して、ファイルのセットとして連続して伝送されるデータカルーセルである。STBは、その場合に、単にストリームから必要なアプリケーション及びデータファイルを選択する。これは、正しいファイルを待つ際の遅延を引き起こすと共に、STBによるファイルに関する必要性が軽いとき、ネットワークの下り方向信号の帯域幅を不必要に消費する。MPEG−2伝送ストリームのプライベートデータ部分は、アプリケーション、またはデータを個別のプログラム基本ストリーム(program elementary stream:PES)に配置することによって、同様にアプリケーション、及びデータダウンロードのために使用され得る。STBがMPEG−2プログラムを選択するとき、STBは、PESに従い、データを復元する読み込みアプリケーション(loader application)をアクティブにする。アプリケーションプログラムが受信されるので、読み込みプログラム(loader program)は、それらをメモリに配置すると共に、それらを開始する。また、サーバとSTBとの間で2地点間接続サービスを提供する帯域外チャンネルが同様に使用され得るが、しかしこれは、STBが個別のチューナ、及びまさにOOBチャンネルのためのMACプロトコルを備えることを必要とし、それによってSTBを更に高価にする。更に、OOB下り方向信号のチャンネルは、もし全ての双方向のオンデマンドサービスに関するアプリケーションをダウンロードするために使用される場合、ソフトウェアダウンロードトラフィックによって容易に過負荷の状態になり得る。
【0032】
FSN、ペガサス、及び“Digicable”の全ての従来技術システムに関する別の主要な問題は、システム情報を通信するための帯域外チャンネルの使用であった。以前に言及されたように、上り方向信号、及び下り方向信号の管理トラフィックに関するOOBの使用は、OOBチャンネルが、デジタル及びアナログサービスを伝送するチャンネルから、HFC上で周波数分割多重されるので、STBが個別の受信機、及び送信機を備えることを必要とする。複数のSTBによって共有された上り方向信号のOOBの使用は、もしSTBがヘッドエンドからのポーリングを待たずに自発的に伝送することになる場合、同様に、各STBがMACプロトコルを備えることを必要とする。
【0033】
いくらかの従来技術のケーブルシステムは、システムメッセージの帯域内配信を6[MHz]チャンネルの一部として使用したが、しかし一般通念は、帯域内配信がいくつかの深刻な問題を備えているということである。第1に、STBチューナがどんなチャンネルにも調整され得ると共に、一度に、1個のチャンネルにだけ調整され得るので、配信を保証するために、帯域内管理メッセージは、各6[MHz]チャンネル上で同時放送されなければならない。全てのチャンネル上で同時放送することは、かなりの量のシステムの帯域幅を消費すると共に、全てのチャンネルに対するメッセージ挿入装置を必要とし、それによってヘッドエンドを更に複雑で高価にする。更に、NTSCアナログチャンネルは、デジタル情報を垂直帰線消去期間において伝送する非常に限られた能力(約9,600ビット/秒)を備えている。更に、戻り経路(リターンパス)がない1方向システムにおいて、システムメッセージは、繰り返して伝送される巡回待ち行列として放送される。大きなシステムにおいて、これは、多量のシステムメッセージのために、待ち行列によるかなりの遅延を引き起こす。デジタルチャンネルは、データ容量におけるかなりの増加を提供するが、しかしSTBがアナログチャンネル、またはデジタルチャンネルに周波数を合わせられるかどうかに関係なく、システムメッセージは配信されなければならず、従って増加したデジタルチャンネルのペイロードを利用することは不可能である。この問題は、アナログチャンネル、及びデジタルチャンネルのための個別のチューナをSTBに備えることによってのみ解決され得るが、しかしこれは、STBのコストを増大させる。
【0034】
ダイレクト放送衛星(Direct Broadcast Satellite:DBS)システムは、OOBチャンネルを備えておらず、全てのチャンネルは、デジタルであると共に、6〜12個のサービスのサブチャンネルを伝送する。管理及び制御メッセージは、1秒間に数百キロビットの速度で、各デジタルチャンネル上のデータカルーセルとして、帯域内で同時放送され、それによって約1[%]のオーバーヘッドを消費する。これは、DBSシステムにリアルタイムの上り方向信号がないからである。従って、チューナがシステム上のあらゆるチャンネルに周波数を合わせられる可能性があると共に、あらゆる特別なアプリケーションソフトウェア、またはM&Cデータの他の一部を必要とする可能性があるので、全てのM&Cデータは、全てのチャンネル上の回転するデータカルーセルを基準として連続して伝送されなければならない。各DBS受信機に対する電話回線接続があるが、しかしそれは、ただペイパービューデータを更新すると共に、DBS受信機がまだ顧客が元々あったと言うところにあり、隣人の家に動かされなかったことを確認するためのコールバック目的のためだけに使用される。DBSシステムにリアルタイムの上り方向信号がないので、ヘッドエンドは、システムにおける様々なチューナがどのチャンネルに周波数を合わせられるかを知らない。そういうわけで、M&Cデータは、全てのチャンネル上で放送されなければならない。しかしながら、DBS受信機は1つのチューナであると共に、M&Cデータは帯域内で伝送され、従ってそれらは、高い確率で最も近い従来技術を表す。DBS受信機は、しかしながら、上り方向信号のデータを送信するために、個別のモデム、及びソフトウェアをまだ必要とする。
【0035】
DBSシステムにおける全てのチャンネル上でM&Cデータを放送する必要性が、ケーブルシステムオペレータがOOBを高く評価する理由である。OOBチャンネルは、全てのチャンネル上で管理及び制御メッセージを一斉に同時放送して多量の帯域幅を浪費する必要性を排除する。しかしながら、OOBチャンネルは、STBにおいて、それを複雑にすると共に更に高価にする個別のチューナを必要とする。
【0036】
初期のOOBチャンネルは限られた帯域幅内にあったが、しかし現在利用可能な更に高い速度のシリコンチップによって、システムメッセージは、OOBチャンネル容量の10[%]だけを占有する。しかしながら、各STBは、デジタル及びアナログ順方向チャンネルのためのチューナに加えて、OOBチューナ及び上り方向信号のMACプロトコルをまだ必要とし、従ってSTBは必要以上に更に高価である。残りの90[%]は、電子メール、拡大されたプログラムガイド、ネットワークゲーム等のような拡張サービスのために割り当てられる。
【0037】
従来技術において利用可能な上り方向信号のOOBチャンネルのオプションは、(デジタルオーディオビデオ審議官(Digital Audio Video Councilor :DAVIC)によって開発された)“DVS−178”、“DVS−167”、及びDOCSISケーブルモデムである。DOCSISケーブルモデムの標準は、データ伝送のための帯域内メカニズムとして設計されたが、しかしもし追加のチューナがSTBに加えられ、チューナの内の1つがDOCSISチャンネルに専念する場合、DOCSISデータ伝送プロトコルは、帯域外チャンネルにおける“DVS−178”、“DVS−167”の全ての機能を実行するように作られ得る。これは、STBにおける少なくとも2台のチューナ(その内の1つはDOCSISケーブルモデムにある)の使用をまだ必要とすると共に、それは、OOBの管理メッセージを送信及び受信するDOCSISプロトコルを実行するために、DOCSISケーブルモデムの回路及びソフトウェアの全てを必要とする。
【0038】
OOBチャンネルは、それらが今日発展したので、あらゆるデータ通信ネットワークと同様に、アドレス管理、メッセージ経路指定、ネットワーク管理等のためのプロトコルを必要とする。OOBチャンネルは、再度わざわざ一からやり直すことを回避するために、TCP/IPプロトコルを使用することができる。TCP/IPは、接続を確立するためのオーバーヘッドなしでメッセージが各STBに個別に送信されることを可能にするコネクションレス型サービスを各STBに提供すると共に、それは何千ものSTBがあるかもしれないので非常に重要である。TCP/IPを備えるルータ、及び装置は、容易に利用可能で安いと共に、上り方向信号の帯域幅を効率的に使用するために、リターンチャンネルのトラフィックを統合する能力を提供する。
【0039】
しかしながら、OOBは、STBにおいて個別のチューナをまだ必要とすると共に、これらのプロトコルを実行するために回路、及びソフトウェアを必要とし、それによってSTBを複雑にする。
【0040】
ソニー(登録商標)は、異なる非DOCSISのMPEG−2多重化信号により配信される双方向のVODサービスを有する双方向性のOOBチャンネルのためにDOCSISを使用する、双方向ビデオ配信システム(interactive video delivery system)を開発すると共に、ケーブルビジョン(Cable Vision)経由で展開したと考えられている。このシステムは、各STBにおいて、1つはビデオのためのもので、もう一つはSTB内のDOCSISモデムにある2台のチューナをまだ必要とし、帯域外チャンネルを使用しなければならない欠点にまだ苦しむ。DOCSISモデムは、ペガサスのSTB内のQPSKのOOB送受信機回路を単に代替する。条件付きアクセスは、従来の方法において実行されると考えられている。
【0041】
システム管理データのデータカルーセルの同時放送、条件付きアクセスキー、アプリケーションプログラム、プログラムガイドデータ等は、OOBチャンネル上であっても浪費的である。消費された下り方向信号のOOB帯域幅の大部分は、その時動作中でOOBチャンネルに周波数を合わせられるSTBが、データカルーセルにある大部分の情報を必要としないので、浪費される。
【0042】
従来技術において、EMMメッセージが、MPEG伝送ストリームのプライベートデータPIDの状態で送信されたので、帯域内の条件付きアクセスデータの送信は、新しくない。フランスの“Canal+社”と呼ばれる会社、及びその競争相手の“Nagravision社”と“NDS社”は、衛星ダイレクト放送システム(satellite direct broadcast systems)、及び他のシステムに暗号化サービスを提供する。“Canal+社”は、ケーブル、衛星、及びデジタル地上波放送のネットワーク上のセットトップボックスに対する、デジタルの双方向テレビソフトウェアソリューションのプロバイダである。“Canal+社”のオープンデジタル双方向テレビシステムは、商標“Media Highway”の名前で市場に出されている。このシステムは、消費者がDVD、DVHSのようなデジタル装置及び家庭用コンピュータを彼らのセットトップボックスに接続することを可能にすると共に、株式取引所情報のようなデータの連続的な放送を加入者に提供するプッシュ技術(push technology)と同様に、衛星、ケーブル、地上波放送、及びモデムのネットワークによる高速インターネットアクセスを可能にすることによって、消費者が彼らのテレビをマルチメディア家庭用娯楽センタ(multimedia home entertainment centers)に切り替えることを可能にする。“Media Highway”は、カルーセルとオンラインという2つの双方向性の種類を提供する。カルーセルの双方向性は、電子プログラムガイドデータを含むそのようなデータが、その場合にそれと局所的に対話し得る顧客に周期的に放送されることを意味した。通常、戻り経路がないときに、これは実行される。このカルーセルタイプの双方向性において、条件付きアクセスキーは、時間の前に帯域内で送信されると共に、必要とされるときに使用するのために、セットトップボックスに格納される。すなわち、そのSTBを有する顧客が申し込んだ全てのサービスのための全ての作業のキー、及びそのセットトップボックスのためのセッションキーは、時間より先にセットトップボックスに送信されると共に、そこに格納される。プログラムの暗号化されたデータは、データカルーセルとして周期的に放送される。そのユーザが暗号化されたプログラムを見ることを望むとき、適切なキーが記憶装置から読み取られると共に、ビデオプログラム、またはサービスデータを復号化するために使用される。双方向性のもう一方の形式は、オンラインである。オンラインの双方向性は、STBが、例えばサービスを要求するリモートサーバに対する上り方向信号メッセージを送信すること、もしくは、STBに記憶して実行する双方向ネットワークゲームのためのソフトウェアアプリケーションのダウンロードを要求することを可能にする、ある種の戻り経路があることを意味する。STBのためのソフトウェアの更新、及び補修は、ダウンロードされて、STB内のフラッシュメモリに格納され得ると共に、ソフトウェアアプリケーションは、常駐のアプリケーションとして、フラッシュメモリにダウンロードされ得るか、もしくは必要とされるときにSTBのRAMにダウンロードされ得る。
【0043】
“Media Highway”システムは、伝送レベルでダウンロードされるべきソフトウェアを認証するために、専用のアプリケーションプログラム認証システム(proprietary application program authentication system)を提供することによって、安全性を提供する。“Media Highway”システムは、同様に、STBに挿入されたスマートカード(または、保証されたプロセッサの他の実装)を通じて、個々のプログラムに対するユーザアクセスを制御する条件付きアクセスシステムを提供する。ダウンロードされたアプリケーションプログラムは認証され、従って認証処理を通過しない海賊版のアプリケーションは実行することができない。これの全ては、互換性を備えるためにSTBの製造業者がそのSTBを製造しなければならない、唯一の機器階層インタフェース(Device Layer Interface:DLI)を備える“Media Highway”ミドルウェアバーチャルマシンを各STBに組み込むことによって実施される。もしDLIに対するポートにSTBが造られる場合、そのカードリーダ、モデム、LED表示装置、クロック、及び読み込みソフトウェア(loader software)は、“Media Highway”バーチャルマシンによって機能すると共に、上述の顕著な特徴が使用されることを可能にすることになる。もし、製造業者が、ソフトウェアを開発するために“Canal+社”によって提供されたアプリケーション開発ツールを使用する場合、それはバーチャルマシンと互換性があるであろう。
【0044】
“Canal+社”の条件付きアクセスシステムは、商標“MediaGuard”の名前で市場に出されている。このシステムの下で、ヘッドエンドにおける購読許可システムは、権利管理メッセージ(Entitlement Management Messages:EMM)内のセッションキーの形式のアクセス権を、暗号化されたサービスを発注した顧客のSTBに挿入されたスマートカードに配信する。そこには2つの暗号化ユニットがある。第1の暗号化ユニットは、おそらく、サービスを発注したSTBのプライベートユーザキー(private user key)によって、STBに送信されるべきEMMを暗号化する。もう一方の暗号化ユニットは、デジタル放送センタに配置されていると共に、権利制御メッセージ(Entitlement Control Messages:ECM)内のサービスキーを暗号化する。サービスキーは、サービスのデータを含むパケットのペイロードを暗号化するために使用されるキーである。ECMは、MPEG多重化信号の放送MPEG伝送ストリームに挿入される。これらのECMは、復元されると共に、その中の暗号化されたサービスキーは、EMMメッセージ内のセッションキーを用いて復号化される。高い確率でプライベートデータPIDを有するMPEGパケットにおいて、EMMは、同様にMPEG多重化信号で送信される。STBにおいて、暗号化されたECMメッセージ、及びEMMメッセージは、スマートカード内の保証されたプロセッサに送信されると共に、プライベートユーザキーは、EMMメッセージを復号化すると共に、セッションキーを復元するために使用される。セッションキーは、その場合に、ECMメッセージを復号化すると共に、制御ワード、またはサービスデータを伝送するMPEGパケットのペイロードを復号化するために復号化エンジンに送信されるサービスキーを復元するために使用される。
【0045】
ECM、及びEMMは、もし上り方向信号の戻り経路がある場合、対象とされた基盤上の従来技術の“MediaGuard”におけるSTBに送信されると考えられていると共に、ECMは、もし記憶装置にあるサービスの認可を有する全てのSTBに対して時間より前に帯域内で送信された対象とされるEMMメッセージを有する戻り経路がない場合、データカルーセルとして送信されると考えられている。これは、ユーザが、彼が会員登録したサービスを発注すると共に、サービスキー、または制御ワードを復元するためにセッションキーを使用するとき、STBがメモリからセッションキーを呼び出すことを可能にする。ECMは、戻り経路があるときでさえも、データカルーセルとして送信されると更に考えられている。
【0046】
この“Canal+社”の従来技術システムにおいて、インパルスペイパービュー(impulse pay per view)は、スマートカードから決済情報を収集するために、スマートカード財布(smart card wallet)内のトークン(優先権信号)、及びあるデータ経路、通常は電話回線経由のコールバック手順(callback procedure)の使用を必要とする。これは、コールバック手順を実行すると共に、集められたデータを処理するのに特別な通信サーバを必要とする。コールバックは、リアルタイムに発生しないので、従ってコールバックが実行されるまで、イベントの成功はすぐには知られない。一方、M&Cデータと条件付きアクセスデータを送信すると共に受信するために、DOCSIS帯域内M&C下り方向信号のチャンネル(DOCSIS in-band M&C downstream channel)、及び連動したDOOSIS上り方向信号のチャンネルを使用することは、ヘッドエンドからのコールバックを実行する特別な通信サーバを必要としないと共に、加入者の数に基づくイベントの成功の即座の決定を可能にする。
【0047】
“Canal+社”の機能の高度なペイパービューモードは、インパルスペイパービュー機能と同じであるが、しかし同様に、コールバックのために使用される通信サーバの内の1つがSTBから直接的に上り方向信号のリアルタイム命令、例えばタッチトーン電話(touch tone telephone)、“Minitel”のような双方向ビデオテキストサービス、を受信するリアルタイムオンラインPPVモードも備えるか、もしくはSTB内のOOBチャンネルに関する必要な回路、及びMACプロトコルと共に、上り方向信号のデータを送信するためのOOBチャンネルを必要とする。
【0048】
従って、方法及び装置に関して、アプリケーションソフトウェアダウンロードの使用を可能にすると共に、帯域幅を浪費しないように、それらが対象とされた特定のSTBに対するリアルタイムの伝送によって実行され得る方法で、データカルーセル、及び条件付きアクセス機能を簡略化すると共に更に効率的に提供する、デジタル放送、及び双方向のオンデマンドサービスを受信するために必要とされるセットトップデコーダボックスのコストを減少させることを主として含む全てのこれらの問題を解決する必要性が発生した。
【課題を解決するための手段】
【0049】
本発明の、特筆すべき教示によれば、双方向デジタルケーブルシステムにおけるセットトップボックスの費用及び複雑さは、従来技術システムの帯域外チャンネルを排除すると共に、1つのチューナを備えるSTBを可能にすることによって縮小し得る。これは、暗号化されたサービスデータが伝送される同じRFチャンネルの帯域内において、管理及び制御データ(これ以降、M&Cデータとする)を伝送することによって実行される。これは、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにM&Cデータをカプセル化すると共に、圧縮されたオーディオ、ビデオ、及び配信されたサービス(これ以降サービスと言われる、デジタル放送、双方向のオンデマンドサービス)のデータを配信するために使用されるMPEG−2伝送ストリームにこれらのパケットを加えることによって実行される。RFにおけるHFC上の純粋なDOCSIS上り方向信号は、上り方向信号のM&Cデータのために使用される。これは、従来技術のSTBにおけるOOBチューナを排除すると共に、DBS受信機における上り方向信号の電話回線モデム及び関連するソフトウェアを排除する。ここでの教示に従って変更された1つのDOCSISケーブルモデムは、サービスを選局し、それについてMPEGパケットを復元し得ると共に、条件付きアクセスデータを有するM&Cの下り方向信号データを含むMPEGパケットを選局すると共に復元し得て、そしてHFCのRFスペクトラムにおける純粋なDOCSIS上り方向信号のチャンネル上でリアルタイムにM&C上り方向信号データを送信する。
【0050】
従来技術の状態は、その内の2つが下り方向信号の伝送のためのもので、3番目のものが上り方向信号の伝送のためのものである、データの通信に関する3つのデータ経路があることである。第1の下り方向信号のデータ経路は、提供された様々なサービスのMPEGパケットを伝送する無線周波数RFチャンネルである。第2の下り方向信号のデータ経路は、M&Cデータの下り方向信号の伝送のためのものであると共に、それはHFCシステムにおける第1のチャンネルが提供する個別の周波数上のRFのOOBチャンネルであり得るか、または、それは、DBS衛星システムに適用されるような対象とされた“Canal+”システムのEMM伝送の場合には、プライベートデータPIDの状態での帯域内のOOBチャンネルであり得るか、または、“DirecTV”または“Dish Network”のようなDBS衛星システムにおけるシステムの全てのチャンネルが同時にオン状態にあるデータカルーセルのような、全てのM&Cデータの同報通信としての帯域内のOOBチャンネルであり得る。第3のデータ経路は、DBSシステムの断続的に使用された電話回線であり得る上り方向信号の戻り経路である(電話回線は無期限に使用続けることができないので、リアルタイムであり得ない)か、または“Canal+”の双方向オンラインモードの場合には、もしSTBが上り方向信号のRF送信機及び上り方向信号のチャンネル回路を備えている場合はRFチャンネルであり、あるいは常にオンである電話回線上の上り方向信号のDSLチャンネルのどちらででもあり得る、その間ずっとオンである個別の上り方向信号のチャンネルである。
【0051】
これらの従来技術システムの内のいずれもが、DOCSISケーブルモデムによって伝送される純粋なDOCSISチャンネルを使用する常にオン状態である上り方向信号のチャンネル、及びDOCSISケーブルモデムによって同様に復元されるDOCSIS PIDを使用する下り方向信号のM&Cチャンネルによって、STBにおける変更されたDOCSISケーブルモデムの形式での1つのチューナの利用を可能にしない。1つのチューナの態様は、下り方向信号のM&Cチャンネルがサービスデータと同じRFキャリアにあると共に、DOCSIS PIDを備えるMPEGパケットとして伝送されることを必要とし、そして、それはDOCSISケーブルモデムの送信機及び上り方向信号のチャンネル回路によって伝送される上り方向信号を必要とする。全てのHFCシステムは、STBが、第2のチューナを備えると共に、高い確率でOOBチャンネルに対するアクセスを扱うためにMACプロトコルを備えることを必要とする、個別のOOBチャンネルを使用する。M&CデータがDBSシステムのように帯域内で伝送される従来技術のシステムにおいて、(もし常にオン状態であるリアルタイムの上り方向信号のM&Cデータ伝送が存在する場合)DSLラインとインターフェイスするため、または上り方向信号のM&Cデータを個別のRFチャンネルで伝送するための個別の上り方向信号の回路か、もしくは上り方向信号を一般電話サービス(Plain Old Telephone Service:POTS)ライン(その場合、リアルタイムの常にオン状態である上り方向信号のM&Cデータ伝送が存在しないであろう)で伝送するための個別のモデムが必要とされる。
【0052】
下り方向信号のデータがDOCSISチャンネル上で送信されるので、いくつかの実施例において、ブロードバンドインターネットアクセス、“voices−over−IP”、ケーブル上のDSL、ヘッドエンドで記録されたデジタルビデオテープレコーダデータ、テレビ会議データ、またはあらゆる他のDOCSISデータ(クレームにおいて“DOCSISサービスデータ”として参照される)のような、他のDOCSISサービスのデータは、同様にDOCSISチャンネルを介して送信されることができる。対象とされた条件付きアクセスEMMメッセージは、同様に、それらを必要とするSTBだけに対して、及びSTBが純粋なDOCSIS上り方向信号上の上り方向信号の通信によって発注したサービスを復号化するのに、STBがそれらを必要とする時にだけ、下り方向信号として送信されることができる。DOCSISの上り方向信号及び下り方向信号のM&Cチャンネルの使用は、(下り方向信号の帯域幅、及びSTB内のメモリスペースを浪費する)DBSシステムにおいて使用されるような、EMMメッセージデータ記憶アヘッドプロトコル(EMM message data store ahead protocol)の必要性を排除する。それは、同様に、コールバックプロトコルを実行するため、または“Canal+社”の“MediaGuard”の従来技術において教えられたように、高度なペイパービューに関するリアルタイムオンライン双方向モードを実行するためのヘッドエンドにおける個別のコミュニケーションサーバの必要性を排除する。これは、ヘッドエンドにおけるDOCSIS CMTSが、下り方向信号のM&Cの伝送と、DOCSIS上り方向信号上の上り方向信号M&Cデータのリアルタイムの受信との両方を扱うことができるからである。個別のサーバが上り方向信号のために必要とされないと共に、DOCSISプロトコルがSTBによる上り方向信号のDOCSISチャンネルに対する複数のアクセスを処理するので、特別な、または専用の上り方向信号のメディアアクセスプロトコル(upstream media access protocol)が上り方向信号のチャンネルのために必要とされない。すなわち、DOCSIS CMTSの正常な通信機能が、CMTSで受信された上り方向信号のM&Cメッセージに応答して下り方向信号のM&Cデータ及び対象とされた条件付きアクセスデータを送信するために使用され得るので、“Canal+社”のヘッドエンドによって必要とされる個別の通信サーバは排除され得る。これらの上り方向信号のM&Cリクエストは、特別なサービスの要求ダウンロード、それらを復号化するための条件付きアクセスデータ、プログラムガイドデータ、アプリケーションデータ、及び他のM&Cデータを要求する。ケーブルモデムの提供のため、及びSTBに対するソフトウェアダウンロードの認証のための正常なDOCSISメカニズムが同様に使用されると共に、それによって、これらの必要な機能を実行するための専用のメカニズムを開発するか、または使用する必要性を除去することができる。
【0053】
このアプリケーション、または添付されたクレームにおけるMPEG−2、またはMPEGに対する参照は、双方向サービス、デジタルビデオ放送、またはビデオオンデマンドサービスのビデオ、オーディオ、及び他のデータを送信するのに適当なあらゆるデータ圧縮スキームを参照するものとして理解されるべきである。双方向サービスは、セットトップボックスと接続されたコンピュータによるブロードバンドインターネットアクセスを含む、セットトップボックスからヘッドエンドに対する上り方向信号の通信を必要とするもの全てであり得る。本発明は、これまでのところでは、双方向サービスの配信においてオーバーヘッドを最小限にするために、MPEG伝送ストリーム上のDOCSIS PIDを介してM&Cデータを帯域内で送信することであるが、もしDOCSISが、将来MPEGを介したIP以外の何かに発展する場合、発展するものの全ては、M&Cデータが、帯域内で送信され得ると共に、何らかの方法でオンデマンドの双方向サービスデータから隔離される限り、発明を実行することを満足させることになる。
【0054】
IPを介して、及びDOCSIS伝送プロトコルを介して双方向のビデオオンデマンド(VOD)サービスのビデオを送信するといういくらかの提案があった。本発明は、それらのアプローチのどちらを実行することでもない。それは、ペガサスの従来技術において行われたように、MPEG伝送ストリームを介してビデオ及び他の双方向サービスを送信することであるが、しかしM&Cデータを、DOCSIS PIDの状態でMPEG伝送ストリームの帯域内に配置することである。M&Cデータは、暗号化されたサービスデータが配信されているいくつかの実施例において、EMMの条件付きアクセスキーデータを含み得る。1つ以上のサブチャンネルを有することができると共に、DOCSIS“1.0”、“1.1”、または“2.0”であり得る正常なDOCSISの上り方向信号が使用される。M&Cデータだけが、好ましい実施例において、DOCSISの上り方向信号によって送信される。しかしながら、代替実施例において、他のDOCSISサービスデータは、ブロードバンドインターネットアクセス、“voices−over−IP”、“セキュリティカメラvideo−over−IPデータ”等のように、DOCSIS上り方向信号を共有し得る。
【0055】
このDOCSIS帯域内M&Cチャンネルの使用は、帯域外チャンネル上のOOBデータを単に送信すると共に受信するための、各STBにおける従来技術専用の送受信機回路の排除によってSTBのかなりの簡素化を可能にする。同様に、それは、もし上り方向信号のOOBチャンネルが共有された場合、従来技術において必要とされたメディアアクセス制御プロトコルを排除する。本発明と互換性があるSTBは、1台のチューナ、及び各伝送ストリームにおけるMPEGパケットを逆多重化すると共に、管理及び制御における使用のため、もしくは、ビデオ、オーディオ、及び/またはサービスのデータを抽出するために、それらをSTBにおける正しい回路に経路を指定して送信することができる、DOCSISモデムからの回路だけを必要とする。すなわち、STBにおけるDOCSISモデムは、MPEG−2の多重化信号に周波数を合わせ、MPEG−2パケットを伝送するDOCSIS PIDをフィルタ処理して抽出して処理し、そして所望のサービスのPIDを有するMPEG−2パケットをフィルタ処理して抽出すると共に、それらを、キー抽出、サービスデータの復号化、NTSC信号生成、ソフトウェアのローディング、プログラムガイドデータの表示等に適したSTB回路に対して送信する。STBにおけるDOCSISモデム回路は、同様に、帯域内のDOCSIS M&Cチャンネルに対応するように、従来のDOCSIS上り方向信号を伝送するために使用される。
【0056】
従来技術のFSNは、上り方向信号のOOB帯域幅を浪費したOOBチャンネル上のタイムスロットを割り当てた。このレッスンは、DAVIC OOB予約プロトコル(DAVIC OOB reservation protocol)に帰着した。しかしながら、DOCSISプロトコルは、順方向チャンネル及び逆方向チャンネルにおける更に高いデータ転送率に対応すると共に、DOCSIS“2.0”の出現によって、はるかに高いデータ転送率が利用可能にされる。更に、DOCSIS PIDの状態で実行されたDOCSISプロトコルは、MAC機能を処理するので、共有された上り方向信号のOOBを管理するための個別のMACプロトコルは本発明に必要ではない。
【0057】
正常なDOCSISメディアアクセス制御プロトコルは、上り方向信号及び下り方向信号のDOCSISメッセージによって実行される。これらは、測定要求(ranging requests)、測定応答メッセージ(ranging response messages)、MAP及びUCDメッセージを含む。全ては、MPEG−2多重化信号のDOCSIS PIDによる下り方向信号で伝送される。MAPの中に確認される測定競合ウィンドウ(ranging contention window)の間に送信される測定バースト(ranging bursts)のような、バースト上り方向信号DOCSISメッセージ、帯域幅要求、及びM&Cデータを含むメッセージは、MAPメッセージを通じてCMTによって制御されるように、競合ウィンドウの間、もしくは割り当てられた上り方向信号のミニスロットの間、STBにおける変更されたDOCSISケーブルモデムによって伝送される。測定競合ウィンドウは、下り方向信号のMAPメッセージにおいて確認された、上り方向信号のミニスロットの連続的なグループである。上り方向信号のM&Cデータ、及び他のDOCSISデータを伝送する上り方向信号のデータバーストは、MAPメッセージにおいて割り当てられた帯域幅要求競合ウィンドウの間に上り方向信号のDOCSISチャンネル上で伝送されたM&C帯域幅要求メッセージに応えて送信される、MAPメッセージにおいて割り当てられたミニスロットの間に伝送される。上り方向信号のDOCSISチャンネル上の帯域幅が予定されると共に、十分に利用されるので、特別なSTBに関して、もしそれらが上り方向信号のトラフィックを有していなかったとしても、特定の上り方向信号のタイムスロットが予約されたFSNの従来技術にあったような上り方向信号のOOB帯域幅の浪費がない。
【0058】
好ましい実施例は、更に速い動作のためにナビゲーション及びオペレーティングシステムソフトウェアをSTBに常駐する状態に維持するが、DOCSIS M&Cチャンネルの下り方向信号及び上り方向信号の更に高いデータ容量は、いくつかの実施例において、オペレーティングシステムソフトウェア、及びナビゲーションソフトウェアが、ペガサスの従来技術における場合のように、STBに常駐する状態に維持するように強要される代わりに、DOCSIS PIDを介してヘッドエンドからダウンロードされることを可能にする。ペガサスの従来技術システムは、ソフトウェアダウンロードを絶えず要求する4000個のSTBによって引き起こされた上り方向信号のボトルネックを排除するために、ナビゲーション及びOSソフトウェアを常駐する状態に維持せざるを得なかった。ペガサスのアプローチは、リモート制御上のボタンが押されるたびに、4000個のペガサスSTBに対する絶え間ないこれらのアプリケーションのダウンロードによって消費されるネットワーク資源を減少させた。OOBのソフトウェアアプリケーションダウンロードはペガサスにおいては阻止されると共に、MPEG−2プライベートデータカルーセルがこれらの目的のために使用された。
【0059】
同様に、MPEG−2伝送ストリームにおけるDOCSIS PIDの状態でのM&Cデータの伝送は、双方向サービス、及びVODを管理することに関連付けられたオーバーヘッドを最小限にする。DOCSISが本質的にMPEGに関するIPであるので、これは、良く理解されたIPプロトコル、そして双方向サービスの管理に対するアドレス能力(addressibility)、及びSTBに接続されたパーソナルコンピュータのような全ての補助装置の利益をもたらす。IP階層の機能性は、特定のSTBからの上り方向信号のメッセージにおいて、アプリケーションソフトウェアダウンロード、プログラムガイドデータ、条件付きアクセスデータ等が要求され得ると共に、帯域幅を浪費するデータカルーセルを使用せずに、それを要求したSTBだけに下り方向信号が伝送され得るように、下り方向信号のトラフィックに対してアドレス指定能力を加えるために使用される。
【0060】
MPEG−2伝送ストリーム上にDOCSIS PIDを有するDOCSIS帯域内管理及び制御チャンネルを実装するために、DOCSISデータ伝送プロトコルを使用することに著しい利点がある。MPEG−2伝送ストリーム、またはMPEG−2多重化信号は、帯域内の全てのサービス配信チャンネルを伝送すると共に、全てのOOB管理チャンネルを置き換えるために使用され得る。これは、OOBチャンネル、またはDSLリンク、またはPOTS電話回線によって通信するためのペガサス、FSN、“Digicable”、及び“Canal+”のような従来技術のシステムにおいて、以前は必要とされた全てのSTB回路の排除を可能にする。更に、MPEG−2伝送の使用の全てのオーバヘッド減少効率は、ATM伝送メカニズムにオーバヘッドを搭載することなく、この発明によって経験される。MPEG−2伝送ストリームの中のDOCSIS PIDの状態でM&Cデータを配信するために、全てのそのプロトコルメッセージを有するDOCSISチャンネルを使用することは、サービスデータを配信するために使用される伝送メカニズムのオーバーヘッドを非常に減少させる。これは、伝送メカニズムが変更されたMPEG−2伝送ストリームであり、FSNの従来技術と同様にATMセルに分割されたMPEG−2伝送ストリームではないからである。タイムワーナーFSNのATM伝送プロトコル上のMPEGが、単にATM伝送プロトコルを使用するのに、主として全てのATMセルにおける5バイトのヘッダが原因で、12[%]のオーバヘッドに苦しめられたということを思い出す必要がある。従って、タイムワーナーフルサービスネットワークのような、ATM構造基盤を介してMPEGフレームを送信しようとすることの深刻なオーバヘッドの負担は、ここで説明された発明において回避される。
【0061】
何百万もの複雑なSTBを全国的に配置するためのコストは、ケーブルオペレータにとって非常に高いと共に、HFCを通じた双方向のVODサービスの全国的マーケットへの浸透を減速することになるので、セットトップデコーダ(STB)の簡略化は、非常に有効である。
【0062】
STBで使用されるDOCSISケーブルモデムは、STBのマイクロプロセッサからフィルタ命令を受信し、DOCSIS PIDを有するMPEG伝送ストリーム内のMPEGパケットを選択し、以前は従来技術において順方向のOOBチャンネルによって送信された下り方向信号のM&Cデータを復元すると共に、それをSTBにおける適切な回路に送信するように変更された。例えば、DOCSIS PIDの状態であるEMMの条件付きアクセスメッセージは、抽出され、EMMメッセージであると承認され、そして特別なSTBに対してアドレス指定されたEMMメッセージだけが保持されるSTBマイクロプロセッサに送信され、そしてその中に含まれる暗号化されたセッションキーは、STBのプライベートユーザキーを用いて復号化される。DOCSISケーブルモデムは、同様に、受信されたMPEG−2多重化信号から、選択されたサービスのPIDを有するMPEGパケットを抽出すると共に、それらのパケットを条件付きアクセスの復号化及び復元回路に供給するように変更される。復元されたデータは、次に、グラフィックスレンダリング、及びNTSC、PAL、またはSECAM、または他のフォーマットの信号生成のためのプロセッサに供給される。DOCSISモデムは、同様に、上り方向信号のM&Cデータを受信すると共に、それを従来のDOCSISの上り方向信号のチャンネルによって送信するように変更される。
【0063】
“Canal+”、及びDBSの従来技術とは対照的に、本発明の好ましい実施例は、リアルタイムで常にオン状態の上り方向信号DOCSISチャンネルによって、要求されるM&Cデータだけ(対象とされた条件付きアクセスEMMキーデータを含む)をそれを要求したSTBだけに送信するための対象とされた非カルーセルアプローチを使用する。これらの機能に関する必要性、またはDOCSISプロトコルに関する必要性のどちらも排除するDOCSISの常にオン状態である上り方向信号チャンネル及び下り方向信号チャンネルが、適切にこれらの機能を実行する既に知られているメカニズムを備えているので、個別の専用の通信プロトコルが、コールバック、保証されたソフトウェアダウンロード、またはヘッドエンドからの他のSTB管理の提供のために必要とされるとは限らない。ECMメッセージは、関連するサービスのPIDを有する伝送ストリームに送信される。
【0064】
手短かに言えば、本発明をDBS、Canal+、FSN、及びペガサスの従来技術と比較すると、本発明は、常時オン状態である従来のDOCSISチャンネル上の上り方向信号メッセージを、セットトップボックスから受信することと、デジタルサービスデータを同様に配信する下り方向信号のMPEG−2多重化信号内のDOCSIS PIDの状態であるDOCSISチャンネルによって、必要とされたM&Cデータだけを、それを必要とするSTBだけに帯域内で伝送することであり、これらの上り方向信号メッセージは、特にSTBがどのようなM&Cデータを必要とするかを定義する。これは、IPパケット、あるいは特別なSTBに対してアドレス指定され得るか、または同報通信され得る他の種類のパケットまたはセル(以下、単にIPパケットと言われる)を使用することによって実行される。予約したDOCSIS PIDを有するMPEG−2パケットにカプセル化されるMACフレームに、これらのIPパケットはカプセル化される。これらのMPEGパケットは、圧縮されたビデオ、オーディオ、及び配信されたサービスのデータを伝送するMPEG伝送ストリーム多重化信号に多重化される。簡単にするために、本発明についてのアイデアのこの要約は、シンDOCSISを参照するか、または、ここにおいて他の場合には、双方向性のDOCSIS M&Cチャンネルを参照することになる。
【0065】
シンDOCSISチャンネルによるアプリケーションソフトウェアダウンロードは、STBを簡略化することに加えて、同様にヘッドエンドからバグが修正されること、ヘッドエンドからアップグレード品が読み込まれること、及びヘッドエンドから新しい特徴が追加されること、そしてそれによって古くならないSTBを提供することを可能にする。OOB下り方向チャンネルをアプリケーションダウンロードで制圧すること、及びOOB上り方向チャンネルの帯域幅を、アプリケーションダウンロードに関する非常に多くの同時の要求で制圧することによる従来技術における問題は、DOCSIS“2.0”の上り方向信号のM&Cチャンネルは同期コード分割多重されたバーストを可能にするという事実によって克服される。これは、DOCSISの上り方向信号チャンネルのトラフィック容量を非常に増加させると共に、多くのSTBが、DOCSIS上り方向信号の帯域幅割り当てプロトコルを使用して、同時にDOCSIS上り方向信号を使用することを可能にする。このプロトコルは、上り方向信号の帯域幅要求に関する競合に基づいているが、しかし、一度要求が承諾されれば、だれが伝送できるか、及び何時伝送できるかを、ヘッドエンドが制御するので、衝突は発生しないことになる。
【0066】
DOCSIS M&Cチャンネルを使用することの別の利点は、条件付きアクセスの実装にある。現在の条件付きアクセスは、各STBが、各STB内に、コストをSTBに追加するスマートカード、または他の埋め込まれたセキュリティ回路を有することを必要とする。従来の条件付きアクセスシステムにおいて、保証されたマイクロプロセッサ(スマートカード上にある場合もある)は、OOBチャンネルにより購入情報を送信すると共に、アクセスを認可する暗号化されたセッションキーを含む権利管理メッセージ(Entitlement Management Messages:EMM)は、HFCの場合にはOOBチャンネルにより保証されたマイクロプロセッサに送り返され、もしくはDBSシステム上のCanal+技術の場合にはプライベートデータPIDの状態で保証されたマイクロプロセッサに送り返される。このアプローチは、STBが、OOBチャンネルに関する個別の受信機を備えること、またはプライベートデータPIDの状態のEMMメッセージを抽出し、それらを経路を指定して送信すると共に、STBのプライベートユーザキーを用いてそれらを復号化するための特別なソフトウェアを備えることを必要とした。配信されたサービスを伝送する暗号化されたMPEG−2多重化信号は、STBにおいて、PIDに基づいてストリームを個別のストリームに分割すると共に、選択されたサービスまたはプログラムに関するビデオ、オーディオ、及びデータのパケット化基本ストリーム(packetized elementary streams:PES)を選択する、MPEG−2伝送デマルチプレクサに対して経路を指定して送信される。従来技術の条件付きアクセスシステムのMPEG−2伝送ストリームにおける権利制御メッセージ(Entitlement Control Messages:ECM)は、暗号化キーを伝送する暗号化されたメッセージであった。伝送デマルチプレクサは、所望の保護されたプログラムに適用されるECMを選択したと共に、それらを保証されたマイクロプロセッサに送信した。ECMは、復号化されたEMMセッションキーを使用する保証されたマイクロプロセッサによって復号化されると共に、その結果生じる、作業キー(working keys)と呼ばれるペイロード復号化キーは、ペイロード復号化エンジンに送信された。ペイロード復号化エンジンは、選択される暗号化されたプログラムのPIDを有するMPEGパケット内のPESのペイロードセクションを復号化するために、これらの作業キーを使用する。
【0067】
DOCSIS M&Cチャンネルを使用することの有意の利点の要約は、以下のようになる。
(1)アプリケーションプログラムがDOCSIS PIDによって必要とされるので、ヘッドエンドから各STBに対して保証されたアプリケーションソフトウェアをダウンロードし、それによってSTBを簡略化すると共に、そのメモリ要求を減少し、それに対してバグ証明書、及び簡単にアップグレード可能で、柔軟な、そして将来の証明書を提供する。
(2)正確なアプリケーションプログラム及び他のM&Cデータを示す上り方向信号メッセージを送信するために、各STBによって、常にオン状態の従来のDOCSISの上り方向信号チャンネルを使用し、従って、それは必要なアプリケーションソフトウェアだけを必要とすると共に、DOCSIS PIDにより、M&Cデータが、それを要求したSTBだけにダウンロードされ、それによってデータカルーセルに対する本質的な帯域幅の浪費を抑制する。
(3)OOBチャンネルに関するチューナ及びMACプロトコルを排除すると共に、DSL、またはPOTS電話回線に対してインタフェースするために必要とされるあらゆる回路を排除することによって、STBを簡略化する。
(4)デジタルサービスを配信する際にオーバーヘッドを減少させる。
(5)上り方向信号のM&Cチャンネルにより浪費された帯域幅を除去する。
(6)ヘッドエンドからSTBに対して、現存する装置を廃止する必要性がない、アップグレード、バグ修正、及び新しい特徴の追加を実行する。
(7)条件付きアクセス処理を簡略化すると共に、ヘッドエンドにおいて、条件付きアクセスに専念するコールバックサーバを排除する。
(8)ヘッドエンドからSTBを管理するために、現存するケーブルモデム終端システムを使用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
本発明を理解するために、ケーブル技術におけるDOCSISデータに関するいくらかのバックグラウンドは有益である。DOCSISは、ヘッドエンドから複数のケーブルモデムに対するHFCシステムを介したデータ伝送に関する標準を定義する、ケーブルシステムオペレータの協会であるケーブル研究所によって開発された一連の仕様である。DOCSISは、データ、そしてデジタル処理で圧縮された形式のビデオ、及びオーディオを、ヘッドエンドとDOCSISチャンネルを受信することができる複数のケーブルモデムまたはセットトップボックスとの間でハイブリッドファイバ同軸ケーブルCATVシステム介して双方向で送信するために、特に、物理的メディア従属階層(physical media dependent layer)、伝送収束階層(transmission convergence layer)、及びメディアアクセス制御階層(media access control layer)(メディアに対するアクセス制御、及びケーブルモデムの管理を遂行するためのメッセージングプロトコル)の要求を定義する標準のセットである。
【0069】
DOCSIS仕様には、全てが参照によってここに組み込まれると共に、全てがこれによって従来技術として引用される、DOCSIS“1.0”、DOCSIS“1.1”、及びDOCSIS“2.0”という3つのバージョンがある。差異は、許可されたバースト変調タイプ、シンボルレート等である。例えば、DOCSIS“2.0”においては、同期コード分割多重されたバーストが許可され、一方DOCSIS“1.0”、及び“1.1”においては、そうではない。
【0070】
DOCSISは、本質的にMPEGパケットにカプセル化されたインターネットプロトコルデータグラム(Internet Protocol datagrams)の配信であり、従って、それは、完全にMPEG−2伝送ストリームの中に適合する。すなわち、DOCSISデータを伝送するMPEGパケットは、双方向のオンデマンドサービス、またはデジタル放送の圧縮されたビデオ、及びオーディオ、そして補足のデータを伝送すると共に、それらの各々がそれ自身のプログラム識別子、またはPIDを有しているMPEG−2伝送ストリームに挿入され得る。これは、MPEG−2伝送ストリームに影響を及ぼさずに実行され得る。これは、全てのDOCSIS MPEGパケットが、それらをDOCSISパケットであると識別するプログラム識別子、またはPIDを有しているからである。これは、ケーブルモデムまたはSTBが、受信端において、DOCSIS MPEGパケットを、双方向サービス、またはオンデマンドサービス、またはデジタル放送プログラムのPIDを有する同じ伝送ストリームにおけるMPEGパケットから分離することを可能にする。サービスの各種類に関するMPEGパケットの様々なストリームは、更なる処理のためのケーブルモデム、またはSTBにおける適切な回路に経路を指定して送信され得る。
【0071】
DOCSISは、元来、(インターネットまたはIPパケットのあらゆる他の送信元に接続されたサーバを有する)ヘッドエンドから何百または何千ものケーブルモデムに対して、HFCシステムを介して透過的にIPデータパケットを伝送することを可能にするように設計されていた。これによって、ユーザは、電話回線を使用する彼らのISPに対する遅いダイヤルアップ接続を通じてインターネットに接続する代わりに、彼らのCATVシステムを通じてインターネットに接続することが可能となるであろう。インターネットプロトコル(IP)は、パケット交換インターネット、及びデータグラムのコネクションレス型配信のための他のネットワークにおいて使用されるプロトコルである。コネクションレスとは、専用配線または専用回路が、全体のメッセージ、またはデータグラムを配信するために使用されないと共に、各々が独立して扱われるパケットにメッセージが分割されることを意味する。
【0072】
しかしながら、DOCSISチャンネルを介して伝送されたIPパケットは、どこからでも発生することができると共に、要求されたアプリケーションのソフトウェアアプリケーションダウンロード、要求されたプログラムガイドデータ、データカルーセル、ネットワーク管理及び制御データ、ヘッドエンドがSTBを管理することを可能にするSNMP管理データ、DOCSISメディアアクセス制御プロトコルに含まれるDOCSISの測定(DOCSIS ranging)及びネットワーク管理を実施するためのメッセージ等をカプセル化するために使用され得る。
【0073】
DOCSISケーブルモデム終端システム(Cable Modem Termination Systems:CMTS)は、TCP/IPプロトコルによってIPパケットを受信すると共に、MPEGパケットがDOCSISデータであると識別するために“0x1FFE”にセットされたヘッダPIDを有するMPEGパケットに、それらをカプセル化する。MPEGパケットは、次に、“IEEE 802.14”仕様において定義されたように、いくつかの実施例において、ATMプロトコルデータ単位(ATM protocol data units:APDU)に分解される。しかしながら、他の実施例において、MPEGパケットは、APDUに分解されないと共に、直接リードソロモン符号化ブロックに分割される。これらのAPDUは、各ブロックに関する誤り検出ビット及び誤り訂正ビットを備える、順方向誤り訂正符号化のためのリードソロモン(RS)符号化ブロックに分割される。次に、RSブロックはインタリーブされて、インタリーブされたシンボルに分解されると共に、HFCを利用する伝送のための信号点配置における信号点(constellation points)にトレリス(Trellis)符号化されるかもしれないし、またはされないかもしれない。
【0074】
図5は、従来技術におけるHFCを介した双方向のVODサービス配信システムでは帯域外を伝送される管理及び制御データ(M&Cデータ)を伝送するために、DOCSIS帯域内チャンネルを使用するビデオオンデマンド及び双方向サービスに加えて、HFCシステム上のデジタルビデオ放送プログラムを伝送する、まさにデジタルサービスヘッドエンドの下り方向信号専用の装置のブロック図である。少なくとも上り方向信号の管理及び制御データを伝送する上り方向信号のDOCSISチャンネルは、双方向のVODサービスを実施するために必要とされるが、過度の複雑性なく本発明の基礎的なアイデアを強調するために、アナログNTSC伝送回路と、上り方向信号のDOCSISチャンネル及びMPEG−2伝送ストリーム受信回路は、図5には示されない。1つ以上のサーバ10は、ケーブルモデム終端システム(Cable Modem Termination System:CMTS)20から、配線11によって、双方向サービスに関する要求を受信する。好ましい実施例において、CMTS20は、HFCを利用する純粋なDOCSISの上り方向信号のチャンネル33上の上り方向信号のDOCSIS通信を処理するために、業界標準のDOCSIS通信プロトコル処理を実行するサーバである。セットトップボックスは、双方向サービス及びビデオオンデマンド伝送に関する命令と、インターネットを介してIPパケットにより配信される他のサービスに関する要求を、ユーザから受信する。いくつかのSTB、特にウェブブラウザ及び電子メールクライアントを実行するパーソナルコンピュータに対するLAN接続を有するSTBにおいて、ユーザは、赤外線接続または無線周波数接続によりSTBに接続された彼らのPCまたはワイヤレスキーボードによって、電子メールを要求すると共に、ウェブを見て回り、ダウンロード及びウェブページを要求することができる。他の従来のDOCSISメッセージと同様に、測定バースト(ranging bursts)、上り方向信号の帯域幅要求等のようなそれらのリクエストは、管理及び制御パケット(M&C上り方向信号データ)に変換されると共に、STB内のDOCSISと互換性があるケーブルモデム(cable modem:CM)送信機によって、ヘッドエンドにおける、もしくはインターネット上の適切なサーバに対してアドレス指定されたIPパケットにカプセル化される。IPパケットは、STBのCM送信機によって、サービスにおけるMACアドレスにアドレス指定されたMACフレームにカプセル化されると共に、MACフレームは、STBのDOCSISケーブルモデム送信機によって上り方向信号のDOCSISチャンネル33上で伝送される、順方向誤り訂正化(forward error corrected:FEC)シンボルに分解されたMPEGパケットにカプセル化される。
【0075】
ヘッドエンドにおいて、物理的メディア従属階層(physical media dependent layer)30は、上り方向信号のMPEGパケットをDOCSIS上り方向信号から復元すると共に、それらをデータ経路29経由で伝送収束サブ階層処理(transmission convergence sublayer process)21に対して送信する。そこでMACフレームは、MPEGパケットから復元されると共に、IPパケットを復元し、測定(ranging)や上り方向信号の帯域幅要求等に関する他の従来のDOCSIS処理を実行する他のDOCSIS階層に経路を指定して送信される。双方向サービスに関する要求を伝送するIPパケットが、サーバ10に経路を指定して送信されると共に、インターネットアクセス、またはIPパケットによって配信される他のサービスに関する要求を伝送するIPパケットが、データ経路13経由でサーバ26に経路を指定して送信されるように、IPパケットは、次に、適切なサーバに経路を指定して送信される。
【0076】
サーバ10は、顧客により要求されたVOD及び/または双方向サービスを、配線12にMPEG伝送ストリームとして出力することによって、前記要求に応答する。1つ以上のサーバ14は、規則正しく予定される、またはそれに近いビデオオンデマンドデジタル放送プログラムを、配線16に別のMPEG−2伝送ストリームとして出力する。配線18は、サーバ10、サーバ14、またはサーバ26と同一であるかもしれないし、または同一ではないかもしれない管理及び制御データサーバ19によって検索されたか、または生成された管理及び制御データを伝送する。配線18上のM&Cデータは、以前は従来技術における下り方向信号のOOBチャンネルによって送信されたデータである。M&Cデータは、それをIPパケットにカプセル化するDOCSIS通信プロトコル処理20のセットに供給され、その場合に、それは特別なSTB通信に対してアドレス指定されたMACフレームか、または同報通信としてアドレス指定されたMACフレームにカプセル化される。MACフレームは、伝送収束階層(transmission convergence layer)21において、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化されると共に、データ経路22経由で伝送マルチプレクサ24に送信される。インターネットアクセスのような他のサービスを提供するサーバ26によって供給されるような他のデータは、同様にDOCSIS通信プロトコル20に供給されることができる。そこで、前記の他のサービスのデータは、もしまだIPパケットにカプセル化されていない場合、データを要求した処理のIPアドレスにアドレス指定されたIPパケットにカプセル化される。これらのIPパケットは、他のサービスデータを要求した装置及び処理を有するSTBか、または他のサービスデータを要求した装置及び処理に接続されたSTBに対してアドレス指定されたMACフレームにカプセル化される。これらのMACフレームは、その場合に、好ましい実施例において、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化されるが、しかし代替実施例において、CMTS20は、管理及び制御データをDOCSIS PIDに加えると共に、他のサービスの高速データをプライベートデータPIDを有するMPEGパケットに加えるようにだけプログラムされることができる。例えば、図示されないが、しかし可能性があるのは“video−over−IP”のIPパケットを出力するビデオサーバである。DOCSIS通信プロトコル20に供給されると共に、DOCSIS PID、またはプライベートデータPIDを有するMPEGパケットにカプセル化されるMACフレームに、これらは、同様にカプセル化されるであろう。
【0077】
ここで使用された用語であるMPEGパケットは、MPEG−2伝送ストリームを含む188バイトの固定長のパケットを意味する。各々は、PIDフィールド及びペイロードセクションを含む4バイトのヘッダを備えている。DOCSIS MACフレームは、ペイロードセクションに入れられ得ると共に、PIDフィールドは、それが真であるとき、ペイロードセクションがDOCSISデータを含むことを示す所定値を有している。配線22上のMPEGパケットは、DOCSIS PIDを有している。
【0078】
配線18上の管理及び制御データは、STBに対するダウンロードのための要求されたアプリケーションソフトウェア、要求されたプログラムガイドデータ、EMMメッセージのような条件付きアクセスキーデータ、イベント提供データ、緊急アラートサービスデータ、及び双方向のVODサービスを管理及び制御するためのメッセージ、対象とされた広告等を含むことができる。DOCSISチャンネル33上の上り方向信号の管理及び制御データは、以下の、双方向、及び/またはVODサービスに関する要求、従来のDOCSISメッセージ、双方向サービスと関係する管理及び制御メッセージ、特定のアプリケーションソフトウェアダウンロードに関する要求、指定されたプログラムガイドデータに関する要求、ペイパービューイベントに関する購買要求、ゲーム用の上り方向信号データ、特定の条件付きアクセスキーデータに関する要求、特定のSTBに対する対象とされる広告データの伝送において、広告主による使用に関して視聴者の習慣を監視するSTB内のエージェントプログラムのエージェントデータ等を有することができる。
【0079】
伝送マルチプレクサ24は、MPEG多重化信号を作成するために、配線22上のMPEGパケットを配線12、及び配線16上のMPEG伝送ストリームと結合する。伝送マルチプレクサ24は、同様に、各伝送ストリームのテーブル内のデータを整理すると共に、配線28上のいくつかのMPEG−2伝送ストリームで構成される結合されたMPEG−2多重化信号を生成するために、それ自身を多重化する。結合されたMPEG−2多重化信号は、プログラム関連付けテーブル(Program Association Table:PAT)と共にその上にインタリーブされた、配線12、配線16、及び配線22からのMPEGパケットを備えている。PATテーブルは、PID0を有するMPEGパケットにより伝送されると共に、どのMPEG−2伝送ストリームが多重化信号内にあるかを定義する役目を果たす。各MPEG−2伝送ストリームは、その中にプログラムマップPIDを有するMPEGパケットを備えている。プログラムマップPIDを有するこれらのパケットは、受信時に選択され得ると共に、プログラムマップテーブル、またはPMTは、これらのパケットのペイロード部分から抽出され得る。PMTテーブルは、プログラム、またはサービスの一部であると共に、そこからPMTが抽出されるMPEG−2伝送ストリームに含まれるMPEGパケットのタイミング及び条件付きアクセスのデータに加えて、各プログラム、サービスまたは他のフローのデータを含むパケットのPIDを識別するデータを含む。伝送マルチプレクサ24は、配線12、及び配線16上で伝送ストリームを識別するために、プログラム関連付けテーブルにデータを書く。しかしながら、配線22上のデータは、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにあり、従って、PATテーブルにおける入力は必要ではない。これは、DOCSIS PIDが予約したPIDであると共に、PMTまたはPATのいずれにも入力を持たないからである。各MPEG−2多重化信号のプログラム関連付けテーブルに書かれたデータは、デジタルビデオ放送、ビデオオンデマンド、またはインターネットアクセスサービスのどの双方向サービスがMPEG多重化信号の各伝送ストリームにあるかを識別する。
【0080】
受信端において、特別なプログラム、またはフローが望まれる場合、プログラム、またはフローに関するPMTに記載されたPIDの内のいずれかを有するMPEGパケットは、復号化のために条件付きアクセス回路に対して送信されると共に、復元のためにMPEGビデオデコーダに対して送信されるストリーム及びそれらのぺーロードデータから抽出され得る。STBにおいて、DOCSIS PIDの状態のM&Cデータ、またはインターネットアクセスデータ、及びSTBに対してアドレス指定されるMACフレームが抽出されると共に、STBにおける適切な回路、もしくはデータを必要とするSTBに接続されたコンピュータ、または他の顧客の構内装置における適切な回路に経路を指定して送信される。
【0081】
伝送マルチプレクサ24は、いくつかの伝送ストリームの中から、MPEG−2システム階層処理のためのシステム階層処理における従来の方法で、プログラムの収集物を含む単一の伝送ストリームを生成する。MPEG−2システム階層は、プログラムの収集物を含む単一の伝送ストリームから単一のプログラムを抽出するための、またはプログラムの収集物を含む単一の伝送ストリームからプログラムのサブセットを抽出するための機能性を提供するか、もしくは、いくつかの伝送ストリームからプログラムの収集物を含む単一の伝送ストリームを生成する。前者の機能は、各STBにおける伝送ストリームデマルチプレクサによって実行される。あらゆるMPEG−2システム階層の従来の機能は、MPEG符号化されたビデオ、オーディオ、プライベートデータ、時間同期化情報、そしてサービス及び制御情報を、単一のMPEG−2伝送ストリームに結合することである。時間同期化情報は、ビデオ、オーディオ、及びプログラムのデータ部分を同期化させるために使用されるタイムスタンプである。プライベートデータは、OOBチャンネルにより通常送られたM&Cデータ、またはあらゆる他のデータを含む、あらゆるユーザ定義されたデータであり得る。
【0082】
配線28上のMPEG−2伝送ストリームパケットは、物理的メディア従属階層(physical media dependent layer:PMD)30に供給される。PMD階層は、MPEGパケットを、参照によってここに組み込まれる“ITU−T J.83−B”の仕様に従った伝送のための、順方向誤り訂正保護されたシンボルに符号化する。一般に、MPEGパケットは、リードソロモンブロックに分割されると共に、誤り検出ビット及び誤り訂正ビットと共に符号化される。その次に、これらのブロックは、インタリーブされると共に、インタリーブされたストリームは、それぞれ通常3ビットから成るセグメントに分割されると共に、第4の冗長ビットを加えるために、トレリス(Trellis)符号化される。その次に、これらの4ビットは、直交振幅変調及びHFC32による伝送のためのシンボルの、実数要素を定義する2ビットと虚数要素を定義する2ビットに分割される。
【0083】
全てのMPEGパケットは、4バイトヘッダ、及びあらゆる種類のデータを含むことができるペイロードセクションを備えている。全てのMPEGパケットのヘッダは、ペイロードセクションのデータがどのサービスに属するものかを定義するプログラム識別子、またはPIDを含む。例えば、映画に関する圧縮されたビデオデータを含むパケットは、特別なPIDを備えることになると共に、映画のサウンドトラックのオーディオデータを含むパケットは、異なるPIDを備えることになる。他のMPEG−2伝送ストリームデータ構造と共に結合されたパケットは、プログラムのための1つのMPEG−2伝送ストリームを備えることになる。全てのMPEG−2伝送ストリームは、その中に、ヘッダにプログラムマップPIDを有するMPEGパケットを備えている。これらのパケット内のデータは、どのPIDがMPEG−2伝送ストリーム(以下、単に伝送ストリームとする)における各プログラムの一部であるかを定義する前述のプログラムマップテーブル(PMT)を定義する。このPMTテーブル内のデータは、STBにおいて、所望のプログラムのビデオ、及びオーディオ(及び、場合により表示されたグラフィックスのような補足的データ等)を含む正規の伝送ストリームから単にパケットをフィルタ処理して抽出するために使用される。
【0084】
条件付きアクセスを実行するために、所望のプログラムのPIDを有するパケットは、STBにおいて逆多重化され得ると共に、DOCSIS PIDの状態のプライベートな条件付きアクセスデータは、伝送ストリームから逆多重化され、ユーザがプログラムを鑑賞する権限を有することを証明するため、及びスクランブルを解除するのに必要なキーを提供するために条件付きアクセス回路に供給される。もしアクセスが許可される場合、選択されたプログラムのMPEGパケットは、STB内の条件付きアクセス回路によって、スクランブルが解除される。スクランブルが解除されたMPEGパケットは、その次に、復元、及びその中のデータからのアナログNTSCテレビ信号の生成のためのMPEGデコーダ回路に供給される。
【0085】
図6は、図5におけるブロック20、ブロック21、及びブロック30を含むHFCに対するRFインタフェース上のDOCSIS通信のプロトコルスタックの更に詳細な図である。DOCSISは、ヘッドエンドとケーブルモデムとの間をインターネットプロトコル(IP)パケットが透過的に伝送されることを可能するために使用されるこれらのプロトコル(最も高い階層のプロトコル33を除いて)を必要とする。DOCSISシステムは、従って、顧客の構内装置エンドにおいてケーブルモデム(cable modem:CM)またはSTBと接続された、もしくは、ヘッドエンドにおいてケーブルモデム終端システム(Cable Modem Termination System:CMTS)と接続されたIPパケットソース及びあらゆる顧客の構内装置に対する伝送メカニズムとして透過的である。
【0086】
CMと、CMTSの両方は、DIXリンクレイヤフレーミング(DIX link-layer framing)に関してIPをサポートしなければならないと共に、SNAPフレーミング(SNAP framing)に関してIPをサポートすることができるIPホストの働きをする。CMTSは、透過ブリッジの働きをすることができるか、もしくは、ルーティング及びIP交換のようなネットワーク階層の転送を使用することができる。スペクトル管理機能、及びソフトウェアのダウンロードのような、特定の管理機能は、同様に、IP次第である。SNMPブロック34は、ヘッドエンドがSTBからネットワーク管理データを推測すると共に、ヘッドエンドから遠隔操作でそれらの動作の特定のSNMPの態様を制御するために、ネットワーク管理データ及び命令をSTBに送信することを可能にする、ネットワーク管理プロトコルを表す。
【0087】
UDP階層36は、データグラムを組み立てると共に、IP階層38は、送信元アドレス及び送信先アドレスを含むIPヘッダ情報を追加する。これは、特定のIPパケットが、特定のSTB、及びそれらのSTBの中の特定のポートに対してアドレス指定されることを可能にする。IP階層は、その次に、データグラムを、IPパケットのペイロード部分にカプセル化する。
【0088】
アドレス決定プロトコル階層(Address Resolution Protocol layer)40は、IPアドレスを解明すると共に、それらを物理アドレスに対応付ける。今日のIPネットワークは、良く理解されていると共に、ネットワークと接続された装置を管理するのに必要とされる全ての仕掛け、及び手段を含み、従って、DOCSIS PIDの状態の帯域内でのM&Cデータの伝送は、帯域内のM&Cチャンネルによって双方向サービスを管理するのに、再度わざわざ一からやり直す必要性を回避するために、この事実を利用する。
【0089】
リンク階層制御/DIX階層(Link layer control/DIX layer:LLC)42は、パケットの内容を、単一の仮想回路上で複数のプロトコル(IP、及びMPEG)を多重化するときに必要とされるIPデータグラム(IP datagram)として識別する、“IEEE 802.2”によって指定されたヘッダ情報を加える。この階層は、同様に、全てのIPパケットが送信先に到達するように保険をかけるために、IP階層に信頼性の機能を提供する。
【0090】
リンク保証階層(link security layer)44は、IPパケットの暗号化のような従来のDOCSIS機能を実行する。
【0091】
MAC階層46は、メディアの物理的特性から独立している物理的メディアへのアクセスを管理するDOCSISプロトコルの一部分を実行するが、しかしノードの間のデータ交換のために、サブネットワークの位相的な特徴を考慮する。MACの手続きは、共有されたメディア使用するために、フレーミング処理、測定処理、誤り制御処理、及び権利の獲得処理を有する。MAC階層は、LLC階層42にサービスを提供するために、物理階層30のサービスを使用する。
【0092】
伝送収束階層は、以前はOOBチャンネルを介して送信されたM&Cデータを含むDOCSIS MACフレームを取得するために、データリンク階層とPMD層30との間のインタフェースを提供すると共に、このデータを、ヘッダにDOCSIS PIDを有する伝送ストリームのMPEG−2パケットにカプセル化する。デジタルビデオデータ、またはあらゆる他のデジタルサービスデータのような他の種類のデータは、この階層において、同様にMPEGパケットにカプセル化されると共に、プライベートデータとして送信され得る。
【0093】
PMD、または物理的メディア従属階層(physical media dependent layer)30は、MPEGパケットを取得すると共に、それらをシンボルに分割し、そして順方向誤り訂正機能を実行し、そして上述したようにシンボルを送信する。
【0094】
図7は、CMTSエンド及びCMエンドの両方における、上り方向信号及び下り方向信号のM&C帯域内チャンネル、及びサービス配信に関するプロトコルスタックを示す更に詳細なブロック図である。左側のプロトコルスタックは、CMTSにおけるものであり、一方右側のプロトコルスタックは、CMにおけるものである。この図は、どのようにM&Cデータ、及び双方向サービス、及びビデオオンデマンドデータが、混合されたMPEG−2伝送ストリーム、またはMPEG−2多重化信号(1つの伝送ストリームより多い)に結合されると共に、物理的メディア従属(physical media dependent:PMD)階層に送信され、HFCを介して伝送されるかを示す。M&Cデータの双方向性のストリームは、配線48上のデータのストリームである。配線48は、上り方向信号と下り方向信号の両方のM&Cデータを伝送すると共に、下り方向信号のM&Cデータを生成し、かつ上り方向信号のM&Cデータを使用するヘッドエンドのサーバと接続される。配線48上のM&Cデータは、特定のSTBに対してアドレス指定される要求されたアプリケーションソフトウェアダウンロード、特定のSTBに対してアドレス指定される要求されたプログラムガイドデータ、STBからの指定されたプログラムガイドデータに関する要求、STBからの特定のアプリケーションソフトウェアに関する要求、STBからの条件付きアクセスキーに関する要求、特定のSTBに対してアドレス指定された条件付きアクセスキー、STBからのペイパービューイベント購入情報、特定のSTBに対するイベント提供データ、ソフトウェアアップグレード及びバグ修正等を含むことができる。
【0095】
PHY階層50は、サーバがデータ経路48によってデータを転送するために使用するどんな物理インタフェース及びメディアでも使用して、DOCSISプロトコルサービスをこれらのサーバと結びつける。
【0096】
データリンク階層52は、配線48と接続されたサーバに現れるCMに対して、データ経路を介してPHY階層から来る、加工していないデータの伝送が、伝送エラーのない状態であることを可能にするサービスを実行する。それは、データをフレームに分割し、順次にフレームを送信し、そしてDOCSISの上り方向信号によってCMから戻る肯定応答フレームを処理することによって、これを実行する。データリンク階層52は、特別なビットパターンを各フレームの初め、及び/または終わりに付加することによるようなフレーム境界を、生成すると共に認識するサービスを提供する。この階層は、同様に、失われたフレーム、もしくは損傷したフレーム、及びフロー制御の問題を扱うサービスを提供する。
【0097】
IP階層54は、データリンク階層から受信されたM&Cデータフレームを、IPパケットにカプセル化すると共に、特定のSTBに対して下り方向信号のM&Cデータをアドレス指定するために、ヘッダ内のIPアドレス指定情報を提供する。それから、IPパケットは、802.2/DIX/LLC階層56に送られる。
【0098】
LLC階層56は、伝送のためにデータリンク階層フレームを組み立てる。リンク保証階層(Link security layer)58は、暗号化のような保証サービスを提供する。
【0099】
MAC階層は、同期化、及びUCDメッセージにおけるタイムスタンプを送信する処理、測定バーストのプリアンブルに関してこれら時間、周波数、位相、及び電力オフセットの測定を実行する受信機ハードウェア回路から時間、周波数、位相、及び電力オフセットを取得するための測定要求メッセージを送信する処理、測定バーストを送信したSTBケーブルモデムに対して、時間、位相、周波数、及び電力オフセット調整を含む測定の応答メッセージを送信する処理、競合期間の間に帯域幅要求メッセージを受信する処理、帯域幅を要求したSTBケーブルモデム間にDOCSISの上り方向信号のミニスロットを割り当てるMAPメッセージを送信する処理、DOCSISの上り方向信号における1つ以上の論理チャンネルのチャンネル特性を定義するUCDメッセージを送信する処理等のようなDOCSIS MAC階層プロトコルを実行する。MAPメッセージは、STBケーブルモデムがそれらの測定要求を送信することができる、競合領域である初期放送局点検間隔(initial station maintenance intervals)を定義する情報要素を含む。MAPメッセージは、同様に、上り方向信号の帯域幅を必要とするSTBが許可を要求する上り方向信号のメッセージを送信することができる要求競合領域(request contention areas)を定義する。MAPメッセージは、同様に、STBケーブルモデムに割り当てられたSIDに関して特定のSTBに対する許可内容を定義する情報要素を含む。これらの許可内容は、その間にSTBが、そのケーブルモデムを使用して上り方向信号のM&Cデータ、または他のメッセージを送信することができる転送機会である。MAC階層60は、下り方向信号のMACフレームを生成すると共に、上り方向信号のMACフレームを受信し、かつそれらを処理する。DOCSIS MACプロトコルは、良く理解されていると共に、それらのそれ以上の討論はここで必要とされない。
【0100】
下り方向信号のMACフレームは、MACフレームをMPEG−2パケットにカプセル化する伝送収束階層62に出力される。
【0101】
M&Cデータを備えるMPEG−2パケットは、配線64によって、伝送ストリームマルチプレクサ(transport stream multiplexer)66に出力される。ビデオオンデマンド、双方向サービス、ブロードバンドインターネットアクセス、“voice−over−IP”のための圧縮されたビデオ、オーディオ、及び他のデータを含む伝送ストリーム内のMPEG−2パケットは、これらのサービスを提供するサーバからの配線68によって到着する。伝送ストリームマルチプレクサは、全てのこれらのMPEG−2パケットを、いくつかの伝送ストリームから成るMPEG多重化信号に結合すると共に、PAT及びPMTテーブルを含むMPEG−2パケットを生成する。結合された多重化信号は、配線70によって物理的メディア従属階層72に出力される。一般的に、PMD階層72は、配線70上のデータに関して順方向誤り訂正処理を実行する。DOCSIS PIDの下り方向信号のチャンネルの特性、及び特別なPMD階層の特性に応じて、その処理は変化し得ると共に、インタリーブの深さ、リードソロモンブロックサイズ、トレリス符号化のオンまたはオフのような順方向誤り訂正処理のいくつかの特性は、1つの実施例から次の実施例に変化し得るか、もしくはプログラム可能である。DOCSIS“2.0”の下り方向信号の場合、PMD階層72は、MPEG多重化信号をプログラム可能なブロックサイズのリードソロモン符号化ブロックに分解して、誤り訂正データと共にそれらを符号化し、もしインタリーブがオンにされている場合は、それらをインタリーブすると共に、もしスクランブル化がオンにされている場合は、それらにスクランブルをかける。そして、ビットのストリームをシンボルに分解し、もしトレリス符号化がオンにされている場合は、それらをトレリス符号化し、更にそれらをHFC74上のRF信号にQAM変調する。
【0102】
STBにおいて、DOCSISと互換性があるケーブルモデムチューナは、MPEG多重化信号に周波数を合わせると共にこれを検波し、そして信号処理のために復元されたビットストリームをPMD階層76に供給する。PMD階層76は、それに対してPMD階層72によって行われた逆の処理を実行することによって、多重化信号のMPEG−2パケットストリームを復元する。
【0103】
復元されたMPEG−2パケットストリームは、配線78によって伝送デマルチプレクサ80に出力される。デマルチプレクサ80は、STB内のプログラムされたマイクロプロセッサ(図示せず)から配線82によってフィルタ命令を受信する。STB内のマイクロプロセッサは、ユーザがどのチャンネルに周波数を合わせることを望むか、どのペイパービューイベントをユーザが発注したいか、どのプログラムガイドデータをユーザが見たいか、その双方向サービスにユーザが加入したいか、どのブデオオンデマンド映画をユーザが視聴したいか等に関するユーザ入力を受信するナビゲーションプログラムを実行する(好まれた実施例においてはSTBに常駐している)。このデータは、配線84上の上り方向信号のM&Cメッセージデータ、及び配線82上のフィルタ命令に変換される。フィルタ命令は、PIDによってMPEG−2多重化信号からどのMPEG−2パケットを抽出するかを伝送デマルチプレクサ80に通知する。
【0104】
マイクロプロセッサは、PMTテーブルの調査からこれらのPIDを得る。これらのフィルタ命令を取得するために、伝送ストリームデマルチプレクサ80は、まずPID0を有するパケットをフィルタ処理して抽出する。これらのパケットは、どの伝送ストリームが多重化信号内にあるかを定義するMPEG−2プログラム関連付けテーブルを含む。次に、伝送デマルチプレクサは、要求されたサービスを伝送する伝送ストリームを選択すると共に、プログラムマップPIDを含むパケットを抽出する。これらのパケットは、どのPIDがそれぞれ供給されたサービスと結合しているかを定義するプログラムマップテーブル(PMT)を取得するために処理される。要求されたサービスのPIDを有するパケットは、MPEG多重化信号から抽出されると共に、配線90によって復号化のための条件付きアクセス回路(図示せず)に対して供給され、それから、NTSC信号を生成するMPEGビデオ及びオーディオデコーダに対して供給される。
【0105】
DOCSIS PIDを有するMPEG−2パケットは、抽出されると共に、配線86によって伝送収束階層86に対して供給される。そこで、MPEG−2パケットにカプセル化されたMACフレームが復元される。MACフレームは、MACフレームが処理されるMACプロトコル処理92に渡され、CMTSからのあらゆる下り方向信号のメッセージは、従来のDOCSISの形式で復元されて実行され、そしてMACフレームから復元されたデータがリンク保証階層94に渡される。
【0106】
リンク保証階層94は、MAC階層から受信されたデータを復号化すると共に、復号化されたデータをLLC階層96に渡す。LLC階層は、IPパケットを復元するために、CMTS側のデータリンク階層52によって組み立てられたフレームを分解し、そしてIPパケットをIP階層98に渡す。IP階層は、IPアドレスを物理アドレスに変換することによって、IPパケットを経路を指定して送信すると共に、M&Cデータを、配線84によって、条件付きアクセス回路、マイクロプロセッサ等のような適切なSTB制御回路(図示せず)に送信する。様々なSTB回路に送られたM&Cデータの種類に関する更に多くのことが、簡略化されたSTBの記述に関連して説明されることになる。M&Cデータは、STBマイクロプロセッサに経路を指定して送信されるPMTテーブルデータを含む。マイクロプロセッサは、各発注されたサービスのデータを含むMPEG−2パケットが、どのPIDを含むことになるかを決定するために、双方向サービス、ビデオオンデマンド、ユーザが発注した他のサービスに関して保持されたデータをPMTテーブル内のPIDデータと比較する。これらのPIDは、伝送デマルチプレクサ80に対する配線82上のフィルタ命令を生成するために使用され、従って、それは、発注されたサービスを含むMPEGパケットを抽出し得る。
【0107】
(サービスに関する要求、特別なアプリケーションプログラムのダウンロード、または特別なプログラムガイドデータ、または特別なサービスのための復号化キーに関する要求のような)上り方向信号のM&Cデータは、STB制御回路から、データ経路84を介してIP階層98に送信されると共に、M&Cデータを扱うヘッドエンドのサーバに対してアドレス指定されたIPパケットにカプセル化される。その次に、IPパケットは階層96、階層94、階層92、階層88に伝えられると共に、順方向誤り訂正のため、及び従来のDOCSISのQAM変調されたRF信号としてHFC上で上り方向信号を伝送するための、上り方向信号ケーブル物理的メディア従属階層(upstream cable physical media dependent layer)118に対して、配線116上のMPEG−2パケットとして渡される。
【0108】
ヘッドエンドにおいて、上り方向信号ケーブル物理的メディア従属階層120は、QAM信号を受信して検波すると共に、その中のMPEGパケットを復元し、そして配線122によってそれらを伝送収束階層62に対して渡す。TC階層62は、配線122上のMPEGパケット内のMACフレームを復元すると共に、MACフレームが処理されるMACプロトコル階層60にMACフレームを渡す。例えば、上り方向信号の測定バーストは、タイミングオフセット、位相、及び周波数オフセット、及び電力オフセットに関して生成された測定値を備えている。各STBケーブルモデムに関する結果は、測定応答メッセージと呼ばれる下り方向信号のMACメッセージに入れられる。このメッセージは、STBに送信されると共に、DOCSISモデム送信機回路によって、その中でDOCSISの上り方向信号と同期化状態になるように調整するために使用される。上り方向信号のM&Cデータは、MAC階層60によって、リンク保証階層58、及びLLC階層56を通じてIP階層54に対して渡される。なお、それらの全ては、データに関して従来のDOCSIS処理を実行する。IP階層54は、上り方向信号のM&Cデータを、データ経路48上の伝送のためのデータリンク階層52、及びPHY階層50を通じて、上り方向信号のM&Cデータを扱うサーバに対して経路指定して送信する。
【0109】
STBの考察に戻ると、STBに接続されたパーソナルコンピュータ、または他の装置に対して経路を指定して送信されることが必要な、ブロードバンドインターネットアクセス、“voice−over−IP”等のような典型的なDOCSISサービスのためのデータを含むあらゆる下り方向信号のIPパケットは、ローカルエリアネットワークインタフェース100に対して、経路を指定して送信される。これは、これらのIPパケットをLLC階層プロトコル102に渡すIP階層98によって実行される。LLC階層プロトコル102は、従来のDOCSIS処理を実行すると共に、その結果生じるフレームをMAC階層プロトコル104に渡す。MAC階層プロトコル104は、MACフレームを生成すると共に、ローカルエリアネットワーク100にアクセスするために必要とされるプロトコルを実行する。その結果生じるMACフレームは、説明された実施例における802.3の10Base−Tイーサネット(登録商標)インタフェースであるLAN物理階層インタフェース106に供給される。そこで、MACフレームは、イーサネット(登録商標)フレームにカプセル化されると共に、MACアドレスはLANでの物理アドレスに変換され、そしてPC108、“voice−over−IP”電話110、セキュリティカメラ112、(video−over−IPサービスのための)デジタルビデオレコーダ114等のようなLANと接続された適切な装置に送信される。これらの装置からの上り方向信号のデータは、もしあれば、階層106、階層104そして階層102のプロトコルを介して逆の経路を利用すると共に、IP階層98によって、上り方向信号のデータが属する特別なサービスを扱っているヘッドエンドにおけるどんなサーバに対してもアドレス指定される。そこから、上り方向信号のサービスデータは、それがヘッドエンドにおけるPHY階層プロトコル50に達するまで、同じ経路を利用すると共に上り方向信号のM&Cデータと同じ処理を有する。そこで、それは、各パケットが関係する特別なサービスを扱っているヘッドエンドにおけるどんなサーバに対しても経路を指定して送信される。
【0110】
「DOCSIS帯域内M&Cチャンネルによる使用のための1つのチューナを備える簡単なセットトップボックス」
図8を参照すると、STB及び供給されたサービスを管理するためのDOCSIS帯域内管理及び制御チャンネルに加えて、双方向のVODデータ、及び他のサービスを受信するための1つのチューナを備える簡単なセットトップボックスの構成図が示される。HFC74は、ここで確認された付加機能を実行するために変更された従来のDOCSISケーブルモデム124の一部であるチューナ126と接続される。チューナは、MPEG多重化信号の搬送波周波数に周波数を合わせる。いくつかの実施例において、その周波数は固定され得る。他の実施例において、チューナは、周波数に敏感であると共に、DOCSIS PIDの状態の下り方向信号のメッセージを経由してヘッドエンドがSTBに周波数を合わせるように通知するどんな周波数にも周波数を合わせる。このメッセージは、配線130によって、チューニング命令をチューナ126に送信するマイクロプロセッサ128に対して経路を指定して送信される。チューナは、多重化信号を検波すると共に、MPEG−2多重化信号の帯域外の不必要なRF信号をフィルタ処理して除外する。あらゆるDOCSISと互換性があるケーブルモデムチューナが使用され得る。一般的に、チューナは、その利得がマイクロプロセッサによって制御される自動利得制御(AGC)増幅器を備えているであろう。AGC増幅器は、下り方向信号のMPEG多重化信号が存在する帯域の外側のRF信号をフィルタ処理して除外する、広い通過帯域を備える帯域通過フィルタを駆動するであろう。バンドパスフィルタは、フィルタ処理されたMPEG多重化信号を、その信号を中間周波数(IF)信号までミックスダウンするように、それをマイクロプロセッサ128によって制御された周波数を有する、周波数に敏感な局部発振器信号と混合するミキサに供給する。IF信号は、その次に、IF信号の帯域幅に等しいようにセットされる通過帯域帯域幅を有する狭通過帯域フィルタにおいてフィルタ処理される。最終的に、アナログデジタル変換器は、サンプルのストリームを出力するように、ナイキスト基準を満たすために、十分に速い速度で信号をサンプリングする。いくつかの実施例において、サンプルのこのストリームは、狭帯域干渉波(narrow band interference)によって損なわれた可能性があるサンプルを除去するために、既知の狭帯域切除回路によって処理される。
【0111】
フィルタ処理されたサンプルは、受信された信号点配置における信号点からMPEG−2パケットを復元するように機能するQAM復調器132に出力される。受信された信号点配置における信号点からからMPEG−2パケットを復元し得るあらゆる従来のDOCSISモデムQAM復調器回路で十分であろう。いくつかの実施例において、QAM復調器は、スペクトラム拡散がオンされているか、またはオフされているかを示す下り方向信号のチャンネルのUCDメッセージパラメータに基づいてターンオンまたはターンオフされるプログラム可能な逆拡散器(despreader)を備えるであろう。逆拡散器は、スペクトラム拡散された下り方向信号のバーストを逆拡散するように機能する。いくつかの実施例において、QAM復調器は、同様に、UCDメッセージが下り方向信号のDOCSIS PIDチャンネルのコードホッピングが有効状態にあることを示すときに、下り方向信号のチャンネルでコードホッピングを追跡するためのプログラム可能なコードホッパを備える。しかしながら、好ましい実施例において、スペクトラム拡散された下り方向信号のバーストは、下り方向信号のDOCSISチャンネル上では許されず、従ってQAM復調器は、スペクトラム拡散されないデジタル化されたQAM信号を検波するのに必要とされる回路を単に備える。一般的に、この回路は、ヘッドエンドにおける下り方向信号のPMD階層によって実行された順方向誤り訂正処理を元に戻すのに必要とされる回路を備える。一般的に、これはサンプルバッファ、復元された下り方向信号のシンボルクロックに局部発振器シンボルクロックを同期させる下り方向信号のシンボルクロック復元回路、プログラム可能なビタビ復号器が受信された信号点配置における各信号点のデータビットを検出するイコライザフィルタ、リードソロモン(RS)ブロックを再構成し、それをデインタリーブすると共に、各ブロックの誤り検出ビット及び誤り訂正ビットを用いてそれらをエラー訂正する回路、及び復号化されたRSブロックからMPEG−2パケットを再構成する伝送制御階層インタフェースを備える。
【0112】
多重化信号のMPEG−2パケットは、配線134によって伝送ストリームデマルチプレクサ136に対して出力される。このデマルチプレクサは、マイクロプロセッサ128から、デジタルビデオ放送、双方向サービス、ビデオオンデマンド、及びユーザが発注した他のサービスの圧縮データを伝送するプログラム基本ストリーム(PES)のPIDを示す、配線138上のフィルタ命令を受信する。マイクロプロセッサ128は、ユーザがどんなサービスを発注したかを、ユーザが遠隔操作によって入力したナビゲーション命令、及びIR/RF受信機インタフェース142によって受信された赤外線またはRF命令140を監視する効力によって知る。これらのコマンドは、それらを、データ経路144上の上り方向信号のM&C要求データ、及びデータ経路138上のフィルタコマンドに変換するマイクロプロセッサ128に対して送信される。上り方向信号のM&Cデータは、DOCSISケーブルモデム送信機146によって、従来のDOCSIS上り方向信号148上の上り方向信号で伝送される。伝送ストリームデマルチプレクサ136は、発注されたサービスを含むMPEG−2パケットをフィルタ処理して抽出すると共に、それらを条件付きアクセス回路150へ送信することによりフィルタ命令に応答する。同様にデマルチプレクサ136は、PATテーブルを含むPID0を有するMPEGパケットをフィルタ処理して抽出すると共に、受信されたMPEG−2多重化信号にどの伝送ストリームがあるかを決定する際にマイクロプロセッサ128によって使用するために、それらをメモリ152に記憶する。マイクロプロセッサ128は、その次に、要求されたサービスのデータを伝送するMPEG−2パケットを含む伝送ストリームに関するPMDテーブルのPIDを決定するために、PATテーブルを処理する。マイクロプロセッサは、次に、伝送ストリームデマルチプレクサ136に対して、それにPMTテーブルを含むMPEG−2パケットを抽出すると共にメモリ152にそれらを読み込むように要求するフィルタ命令を送信する。一度これが実行されれば、マイクロプロセッサは、要求されたサービスに関して格納されたデータをPMTテーブル内のPIDと比較すると共に、要求されたサービスがどのPIDにあるかを決定する。その次に、適切なフィルタ命令が生成されると共に、条件付きアクセス復号化回路150に経路を指定して送信するのに、伝送ストリームデマルチプレクサ136に発注されたサービスのパケットを抽出させるために、適切なフィルタ命令は伝送ストリームデマルチプレクサ136に対して送信される。
【0113】
図8のSTBは、参照によってここに組み込まれた“Open Cable Architecture”ブックで説明された条件付きアクセスの従来技術方法を使用することができる。代りに、STBは、DOCSISキー交換プロトコル(DOCSIS key exchange protocol)を使用することができるか、または、それは、以下で説明される少ない帯域幅の集中的な(less-bandwidth-intensive)、アスクアンドレシーブ(ask-and-receive)条件付きアクセス方法を使用することができる。このアスクアンドレシーブプロトコル(ask-and-receive protocol)において、従来技術のデータカルーセルは除去されると共に、特別なサービスのための特別なSTBによって必要とされるキーだけが要求され、そしてEMMメッセージ、及びECMメッセージとしてDOCSIS PIDの状態で帯域内において送信される。従来技術に関するアスクアンドレシーブプロトコルの差異は、全てのサービスのための全てのEMM、及びECMを含むOOBチャンネルにデータカルーセルがないことである。必要とされるキーだけが送信されると共に、それらはOOBチャンネルでは送信されない。アスクアンドレシーブプロトコルに関する更に多くの詳細は、以下の条件付きアクセスプロトコル(Conditional Access Protocol)の下で説明される。
【0114】
マイクロプロセッサ128によって生成されたフィルタ命令は、ペイパービューイベント、VOD等のような暗号化されたサービスのあらゆるパケットのペイロードデータを復号化するために必要とされる権利管理メッセージ(EMM)及び権利制御メッセージ(ECM)に復号化キーを含むMPEG−2パケットを、伝送ストリームデマルチプレクサ136にフィルタ処理して抽出させる。もし条件付きアクセスの従来技術方法が代替実施例で使用される場合、条件付きアクセス回路150は、それらが安全性において違反する場合には除去されると共に、取って代わられ得るように、双方共がスマートカードに搭載される保証されたマイクロプロセッサ、及びペイロード復号化エンジンである。他の実施例において、条件付きアクセス回路は、STBにおける専用配線である。従来技術方法において、フィルタ命令は、EMMメッセージが、MPEG−2多重化信号におけるDOCSIS PIDからフィルタ処理して抽出されるようにすると共に、セッションキーを復元するためにそれらを復号化する保証されたマイクロプロセッサ150に送信されるようにする。フィルタ命令は、同様に、ECMメッセージが、MPEG−2多重化信号におけるDOCSIS PIDからフィルタ処理して抽出されるようにすると共に、作業キーを復元するためにセッションキーを使用する復号化のための保証されたマイクロプロセッサ150に送信されるようにする。作業キーは、その場合に、暗号化されたサービスのデータを含むMPEG−2パケットと共に、ペイロード復号化エンジンに送信される。暗号化されたペイロードセクションは、作業キーを用いて復号化されると共に、その結果生じるデータは、復元のためにMPEGデコーダ154に送信される。復元されたデータは、システムが運営される国、及びSTBが接続されるテレビ/VCR158の種類に適当なアナログテレビ信号を生成するために、NTSC/PAL/SECAMエンコーダに送信される。アナログテレビ信号は、チャンネル3、またはチャンネル4の周波数を有するRFキャリアにテレビ信号を変調するために、再変調回路160に供給される。いくつかの実施例において、同様に、エンコーダ156は、RCAジャックインタフェース上のコンポジットビデオ及びオーディオ信号、または同様にRCAジャックインタフェース上のコンポーネント出力信号、またはS−VideoジャックにおけるS−Video信号、またはAC−3信号、または上述の他のフォーマット出力のサブセットの全て、もしくはいくつかを出力する。
【0115】
マイクロプロセッサ128は、ユーザ命令に応答するために、メモリ152に格納された常駐のナビゲーションプログラム、及びオペレーティングシステムを実行する。マイクロプロセッサは、各リクエストを処理するのに必要とされるアプリケーションソフトウェアだけをダウンロードするための上り方向信号の要求を生成すると共に、発注されたサービスのデータを含むパケットを復号化するのに必要とされる条件付きアクセスキーだけをダウンロードするための上り方向信号の要求を生成する。もしユーザがプログラムガイドデータを要求した場合、マイクロプロセッサ128は、全体のプログラムガイドではなく所望のプログラムガイドデータだけを要求するための上り方向信号のM&Cリクエストを生成するようにプログラムされる。いくつかの実施例において、マイクロプロセッサは、同様に、現在の時間、またはユーザの規定するどこかの時間の頃に、どのような他のプログラムが近隣のチャンネル上で利用可能であるかを、そのユーザが理解し得るように、ユーザの要求が受信されたチャンネルに対する近隣のチャンネルに関するプログラムガイドデータを同様にダウンロードするための、上り方向信号の要求を生成することができる。同様にマイクロプロセッサ128は、同様に、ユーザが発注したサービスを実行するアプリケーションソフトウェアを伝送するMPEGパケットを受信するように機能し、パケットをコンピュータプログラムに翻訳し、メモリ152にコンピュータプログラムを読み込み、そして入力されるサービスのMPEG−2パケットを処理するように時間通りにそれを開始する、メモリ152に常駐する読み込み処理(loader process)を実行する。ヘッドエンドは、サービスデータそのものが下り方向信号で送信される時間より先に、サービスに関するアプリケーションソフトウエアを読み込むと共に開始するための十分な読み込み時間を与えるように、発注されたサービスに関するアプリケーションソフトウェアのDOCSIS PIDの状態での送信に責任を負う。
【0116】
メモリ152は、図7においてケーブルモデム側に示されるようなDOCSISプロトコルを実装するマイクロプロセッサ128による実行のためのプログラムを格納する。下り方向信号のPMD階層の機能性は、DOCSIS送信機回路146において実行される。同様にメモリ152は、以下で説明される読み込みプログラム(loader program)と同様に、ユーザインターフェースの実装、ナビゲート、オペレーティングシステムの実装、ユーザ命令の受信及びサービスに関する上り方向信号の生成、キー及びアプリケーションプログラムのダウンロードのようなSTBを制御するためのプログラムを格納する。
【0117】
いくつかの実施例において、マイクロプロセッサ128は、ユーザが視聴するか、または利用するプログラム及びサービスの集計の実行を維持するエージェントプログラムを実行するようにプログラムされると共に、このデータを定期的に上り方向信号のM&Cデータとして送信するか、またはそれを要求するヘッドエンドを待って送信する。これは、ヘッドエンド回路が、ビューアの味付け及び優先傾向に従って選択された広告メッセージを生成すると共に、対象とされる適切なSTBに下り方向信号によって送信することを可能にする。
【0118】
図9は、NTSC/PAL/SECAMエンコーダ156が、適切なフォーマットのアナログテレビ信号を生成すると共に、プログラムガイドデータ、ナビゲーション情報、及び他の必要とされるどんなグラフィックス情報でも表示するために、表示された画像にグラフィックスをオーバレイ表示するマルチメディアグラフィックスプロセッサである、1つのチューナを備えるSTBの代替実施例を示す。そのようなグラフィックスプロセッサは、現在のDBS及びケーブルシステムのSTBで使用される。
【0119】
図10は、“TIVO”タイプのデジタルビデオ録画能力を有する、1つのチューナを備えるSTBの代替実施例を表す。この実施例において、メモリ152は、上述のプログラムに加えて、ハードディスクコントローラIEEE1394インタフェース164を使用するハードディスク162を制御するためにマイクロプロセッサ128が実行するデジタルビデオ録画プログラムを格納する。この実施例は、“TIVO”、及び他の既知のデジタルビデオテープレコーダの他の全ての機能と同様に、ユーザが、あるショーを録音するためのシーズンパスを得るために要求を入力すること、タイトル、または他の基準によってショーに関するプログラムガイドデータを検索すること、プログラムガイドをブラウズすると共に、記録するためにプログラムを選択すること、記録するための時間とチャンネルを手動で入力すること、ユーザの優先傾向を自動的に学習するか、もしくはユーザに、親指で上げ下げするボタンの押下を通して、デジタルビデオテープレコーダに対して彼女の優先傾向を教えさせ、ユーザが興味深いものを発見するかもしれないショーを自動的に記録すること、記録されたプログラムの再生と、正常な及びマルチスピードの早い早送りと高速巻き戻し、スローモーション、凍結フレームのストップアクション、生放送のテレビのポーズ、そして生放送のテレビを見られると共に巻き戻し可能に記録することを可能にする。他の特徴は、ビューアマガジン等の次のアトラクションの、ショーケースプレビュー(showcases previews)を含む。データは、以下の、プログラムガイドデータまたはVODメニューを要求する上り方向信号のM&Cメッセージを生成する処理と、放送プログラムまたはVODプログラムを記録するためのユーザ命令を受信する処理、またはをシーズンパス機能によって、または“TIVO”優先傾向選択機能によって特定のプログラムを記録するために自動的に生成された要求を受信する処理と、その要求をVODプログラム及びその条件付きアクセスキーのダウンロードを要求する上り方向信号のM&Cメッセージに変換するか、または記録されるべき放送の指定された時間に、条件付きアクセスキーのダウンロードを要求するM&Cの上り方向信号のメッセージを生成するか、または伝送デマルチプレクサに対して、要求されたVODプログラムまたは記録されるべきデジタルビデオ放送のMPEG−2パケットを抽出するようにそれに指示するフィルタ命令を生成する処理と、それらのMPEG−2パケットをメモリに受信する処理、及び、それらがプログラムに関する条件付きアクセスキーを含むDOCSIS PIDの状態で送信されたMPEG−2パケットと共に記憶されるハードディスク162に、それらをハードディスクインタフェース164を通じて転送する処理とを実行することにより、マイクロプロセッサによって記録される。例えば、タイトル、評価、チャンネルに沿った俳優及びプロット要約、及び記録された情報の時間と日付を含むプログラムガイド補助データは、プログラムデータと共に、同様に記憶されることができる。プログラムは、マイクロプロセッサ128が以下の、ハードディスク162上に記録されたプログラムのリストを表示するための要求をユーザから受信する処理と、指定されたプログラムを再生するためのユーザの要求を受信する処理と、ハードディスクインタフェース164に対してプログラムのMPEG−2パケットの取得を要求する命令を送信する処理と、ハードディスク162からパケットデータを検索すると共に、データ経路166によってメモリ152に記憶する処理と、条件付きアクセスキーを含むMPEG−2パケットを検索すると共に、それらをメモリ152に記憶する処理と、条件付きアクセスキーを含むパケットを、作業キーの記述、及び復元のために、条件付きアクセス復号化回路150に送信する処理と、プログラムのMPEG−2パケットを、復号化のために、条件付きアクセス復号化回路150に送信する処理と、復号化されたデータを、復元のために、MPEGデコーダ154に送信する処理と、ビデオ、オーディオ、及び関連するグラフィックスに関する復元されたデータを、表示のためのあらゆる種類のアナログテレビ信号の生成のために、エンコーダ156に送信する処理とを実行することにより、デジタルビデオテープレコーダによって後で再生される。マルチスピードの早送りまたは巻き戻し、ポーズ、スローモーション等のような特殊効果は、全て、これらの機能が“TIVO”もしくは同様のデジタルビデオテープレコーダにおいて実施されるのと同じ方法で実施される。日付まで記録を削除するか、または変更する、もしくは記録の品質を変更することのような他の機能は、それらが“TIVO”、または他の従来技術のデジタルビデオテープレコーダにおいて実行されるのと同じ方法で実行される。
【0120】
図10の実施例は、同様に、あらゆる送信元からのアナログ、もしくはデジタルビデオが、STBのデジタルビデオテープレコーダ上で記録されると共に再生されることを可能にするビデオ録画機能を備えている。配線170によってあらゆる送信元から到着するデジタルビデオは、MPEGエンコーダ168において、圧縮されると共に、MPEG−2パケットにカプセル化される。これらのパケットは、パケットが準備できたという割り込みをそれが受信するときに割込みサービスルーチンを実行するか、またはデータ経路176によってメモリに準備をしたあらゆるパケットをアップロードするために定期的にMPEGエンコーダのポーリングを行うマイクロプロセッサ128によってメモリ152に読み込まれる。配線174によって到着するアナログビデオは、アナログデジタル変換器172においてデジタル化されると共に、圧縮し、そしてMPEG−2パケットにカプセル化するために、MPEGエンコーダ168に読み込まれる。これらのパケットは、同じメカニズムによって、メモリ152に同様に読み込まれる。マイクロプロセッサ128は、その場合に、外部のビデオを含むMPEG−2パケットがハードディスクに記録されるようにする適切な命令を、ハードディスクインタフェース164に送信する。再生は、以前に説明された同じメカニズムにより実行される。
【0121】
図11は、JVT圧縮データ、またはMPEG圧縮データを受信することができる、1つのチューナを備えるSTBに関する別の実施例の構成図である。JVT圧縮標準は、高精細テレビ信号(high definition television signals)を圧縮するために使用される。入力されるJVTパケットは、伝送デマルチプレクサ136によって抽出されると共に、条件付きアクセス復号化回路150に送信される。復号化は、従来技術における方法か、またはここで説明された方法のいずれかの方法によりそこで発生する。次に、復号化されたパケットは、それらが復元されるJVTデコーダ180に送信される。その結果生じるデータは、次に、再変調回路160に対して配線184によって出力されるアナログのノンインタレーススキャンの高精細テレビ信号を生成する8−VSBエンコーダ182に送信される。エンコーダ182は、エンコーダ156の場合と同様に、高精細テレビに適当なコンポーネント出力信号、及び他のフォーマットの出力信号を同様に生成することができる。この実施例は、同様に、図9、図10、図11、または図12の実施例を特徴付ける構成要素のあらゆる組み合わせの追加のような代替実施例を有することができる。
【0122】
「条件付きアクセスプロトコル」
条件付きアクセス回路150によって使用され得る様々な条件付きアクセスメカニズムが要約されることになる。MPEG−2多重化信号におけるサービスのプログラム基本ストリームは、ランダムに生成されて定期的に修正されるサービスキーとも呼ばれる制御ワードを使用してスクランブルがかけられる。制御ワードは、セッションキーを用いて暗号化されると共に、いくつかの実施例において、DOCSIS PIDの状態でECMメッセージを介してSTBに送信されるが、しかし、大部分の実施例においては、それらが関係するサービスのPIDを用いて送信される。サービスのためのサービスキーを暗号化するために使用されるセッションキーは、ヘッドエンドにおいて、サービスを要求したSTBのプライベートユーザキーを使用して暗号化される。プライベートユーザキーは、決してDOCSIS PIDを介して送信されない。暗号化されたセッションキーは、好ましい実施例において必要に応じて対象とされる基盤上のDOCSIS PIDによってサービスを要求したSTBに対してアドレス指定されたEMMとして送信される。STBは、セッションキーを復号化するために、STBの回路におけるハードウェアに組み込まれることができるか、またはスマートカードに格納される、そのプライベートユーザキーを使用する。セッションキーは、その場合に、制御ワードを復号化するために使用されると共に、制御ワードは、サービスデータを含むMPEGパケットを復号化するために使用される。
【0123】
図12は、どのようにユーザが発注したサービスに関するPID情報、及びサービスを復号化するのに必要とされる暗号化された条件付きアクセスキーを含むEMMメッセージ、及びECMメッセージが、MPEG−2多重化信号において発見されるかを示す図である。図14Aから図14Cは、どのように図13の一般化された処理が、特別なサービスに関する条件付きアクセスデータを要求したSTBだけに対する対象とされた条件付きアクセスデータの帯域内送信に適用されるかを示すフローチャートである。図14Aから図14Cまでの処理は、DOCSIS CMTSにおいて実行される。図15Aから図15Cの処理は、STBが、あるサービスを発注するか、もしくは指定されたプログラムを見るためのユーザ命令を受信するとき、MPEG多重化信号からEMMメッセージ、及びECMメッセージを復元するために、STBにおいて実行される。図12、図14、図15、及び図16の処理は、同時に論じられることになると共に、図14の処理と図16の処理との差異が論じられることになる。
【0124】
図16Aから図16Cで表された好ましい実施例の概観として、ECMサービスキーは、最も良い安全性と頻繁に交換されることになると共に、全てのSTBに対して、帯域内で、サービスのデータを伝送するMPEGパケットを含むMPEG多重化信号のデータカルーセルとして同報通信されることになる。これが機能する方法は、以下のとおりである。発注され得る各サービスに関するサービスキー、または作業キーは、各STBのセッションキーによって暗号化されると共に、複数の暗号化された作業キーは、ECMメッセージにカプセル化されたデータカルーセルとして送信される。また、ECMメッセージは同報通信IPパケットにカプセル化され、同報通信IPパケットは同報通信MACフレームにカプセル化され、同報通信MACフレームは各特別なサービスキーが関係するサービスのPIDを有するMPEGパケットにカプセル化される。特別なサービスに関するサービスキーを含むMPEGパケットは、いくつかの実施例における対応するサービスのECMキーに関するPlD、またはそれによりECMキーが送信されるMPEG伝送ストリームのDOCSIS PID、またはプライベートデータPIDを備えている。セッションキーは、各STBに関して定期的に、または要求毎を基準として生成される。各STBのセッションキーは、そのSTBのプライベートユーザキーによって暗号化される。この好ましい実施例において、STBがサービスを使用することを希望するとき、それは、使用されるべきサービスに関するサービスキーを含むECMメッセージのPIDを決定するために、図12におけるPATテーブル188、及びPMTテーブル192を調べる。次に、STBは、伝送ストリームからECMメッセージPIDを有するMPEGパケットを抽出するフィルタ命令を生成する。
【0125】
図14Aから図14Cのフローチャートにおけるステップ228は、純粋なDOCSISの上り方向信号によって、ユーザによって要求された1つ以上のサービスを要求すると共に、これらのサービスに関する条件付きアクセスキーの下り方向信号による伝送を要求するM&Cデータパケット、及びプログラムガイドデータのように必要とされるあらゆる他のM&Cデータ、サービスを実行するためのアプリケーションソフトウェア等を、1つ以上のSTBから受信するCMTSの処理を表す。
【0126】
ステップ230は、各暗号化されたサービス、もしくは、少なくとも、1つ以上のSTBによって発注された暗号化されたサービスに関するセッションキーを生成するか、または検索する処理を表す。各暗号化されたサービスは、多くの場合、STBがその特別なサービスを復号化するためにアクセス権を有している情報を含むセッションキーを備えている。セッションキーは、各STBに特有ではないが、しかし特別なサービスに特有であり、そして定期的に変更されることができる。
【0127】
システム上で利用可能な各サービスのペイロードデータを暗号化するために使用されるサービスキー、または作業キー(同様に制御ワードとしても知られている)は、あらゆる特別な伝送ストリームによって伝送される全てのサービスの暗号化されたビデオまたは他のデータの属性として伝送される。各サービスの制御ワードは、サービスのセッションキーを用いて暗号化される。
【0128】
ステップ232は、ヘッドエンドにおいて実行された、STBによって発注されたサービスに関する各制御ワードをそのサービスに関するセッションキーを使用して暗号化すると共に、暗号化されたサービスキーをECMメッセージに追加する処理を表す。
【0129】
ステップ234において、暗号化された制御ワードのECMメッセージは、全てのSTBがこれらのIPパケットを受信することができるように、マルチキャストアドレスを有するIPパケットに暗号化される。
【0130】
ステップ236において、ステップ234において生成されたIPパケット、または同様のパケットは、全てのSTBがそれを受信するように、マルチキャストアドレスを有するMACフレームにカプセル化される。MACフレームは、MPEGパケットにカプセル化される。特別なサービスと関係があるECMメッセージを有するIPパケットを伝送するMACフレームは、MPEGパケットが特別なサービスのECMメッセージを含むことを示すPIDを有するMPEGパケットにカプセル化されることになる。これらのMPEGパケットは、各ECMメッセージが関係するサービスのデータを伝送するMPEGパケットを含む伝送ストリームにおける帯域内で送信されることになる。
【0131】
ステップ238において、STBが発注した各サービスに関するセッションキーは、サービスを要求したSTBのプライベートユーザキーによって、ヘッドエンドにおいて暗号化される。暗号化されたセッションキーは、次に、EMMメッセージにカプセル化される。STBのプライベートユーザキーは、CMTSとSTBとの両方に知られているが、しかし安全性の理由のために、決してリンクを介して伝送されない。ユーザキーは、STBにおける不揮発性メモリに格納され、通常は、セッションキーの復号化を実行すると共に、セッションキーを発注されたサービスに関する制御ワードを復元するために使用する保証されたマイクロプロセッサを含む、STBに挿入されるスマートカードに格納される。
【0132】
ステップ240において、EMMメッセージは、EMMメッセージ内のセッションキーが関係する特別なサービスを要求したSTBのIPアドレスにアドレス指定されたIPパケットにカプセル化される。もしSTBがIPアドレスを有していない場合、IPパケットは、同報通信の送り先アドレスを備えることになる。
【0133】
ステップ242において、要求されたサービスに関するEMMメッセージを含む各IPパケットは、サービスを要求したSTBのMACアドレスにアドレス指定されたMACフレームにカプセル化される。次に、MACフレームは、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化される。STBは、それが特別なサービスに関する条件付きアクセスデータを要求したということを知っているので、それは、DOCSIS PIDの状態で受信されたEMMメッセージがどのサービスに関係があるかを知ることになる。EMMメッセージは、同様に、セッションキーがどのサービスを関係するEMMメッセージに暗号化したかを示すデータを含んでおり、従って、もしSTBが複数のサービスを発注すると共に、複数のEMMメッセージを受信する場合、それは、各EMMメッセージがどのサービスに関係があるかを知ることになる。代替実施例において、EMMメッセージを含むMPEGパケットは、要求された特別なサービスと関連付けられたPIDを与えられると共に、そのPIDは、その場合に、伝送ストリームに関するCATテーブルに入力される。そのような実施例において、EMMメッセージを含むMPEGパケットそれ自身のPIDは、EMMメッセージ内の暗号化されたセッションキーがどのサービスに関係があるかを示す。CATテーブル内に示されるPIDを有するEMMメッセージは、図12において、符号214で示される。
【0134】
ステップ244において、特別なサービスと関係があるEMMメッセージ、及びECMメッセージを伝送するMPEGパケットは、EMMメッセージ、及びECMメッセージが関係するサービスを伝送するMPEG多重化信号の1つ以上のMPEG伝送ストリームに結合される。DOCSIS PIDを有すると共に、他のM&Cデータを含む他のMPEGパケットは、同様にMPEG伝送ストリームに結合される。
【0135】
ステップ246において、PATテーブル、及びPMTテーブルにおけるデータは、STBが、それぞれ要求されたサービスのための暗号化されたビデオ、オーディオ、補足的データ、PCRタイミングデータ、及びECMの条件付きアクセスキーデータに関するPIDを発見することを可能にするように調整される。EMMメッセージ、及び他のM&CデータのMPEGパケットは、予約したDOCSIS PIDを備えることになると共に、従って、それらのためのPATテーブル、及びPMTテーブルに対する入力は実行されない。しかし、EMMメッセージが、それが特別なサービスに関するEMMメッセージであることを示すPIDの状態で送信されると共に、他のM&Cデータだけが、DOCSIS PIDの状態で送信される実施例において、ステップ246は、STBが、各サービスに関して関係があるEMMメッセージを発見することを可能にするために、CATテーブルにおける入力を実行する。
【0136】
我々は、図15Aから図15Cまでのフローチャート、及び図12の構成図において示されたように、ここで、要求されたサービスに関するデータパケット、及び条件付きアクセスデータを復元するためにSTB内で起こる処理を参照する。ステップ248は、ユーザからサービスを発注する要求を受信する、STBのマイクロプロセッサにおける処理を表す。これは、特別なデジタル放送に周波数を合わせて表示する、双方向サービスを利用する、ビデオオンデマンドプログラムを要求する、“voice-over-IP”の通話を開始するかまたは通話に応答する、ビデオ通話(video call)を開始するかまたは通話に応答する、ウェブページを要求するかまたは他のサービスを利用する要求の形を取り得る。マイクロプロセッサは、その場合に、適切なアプリケーションソフトウェア、プログラムガイドデータ、及び条件付きアクセスキー(もしあれば)、そして要求されたサービスを利用者に提供するSTBで必要とされる他のM&Cデータのダウンロードを要求するM&Cメッセージを生成すると共に、純粋なDOCSISの上り方向信号によって送信する。
【0137】
要求されたサービスのデータを受信すると共に、もしそれが暗号化されている場合には復号化するために、STBは、MPEG多重化信号から適切なパケットを抽出しなければならない。MPEG多重化信号において、図12におけるパケット186が典型的であるPID0を有するMPEG−2パケットは、プログラムアロケーションテーブル188(PAT)を定義するデータを含む。PATテーブルは、どの伝送ストリームが多重化信号内にあると共に、どのプログラム/サービスが、各伝送ストリーム上にあるかを定義する。ステップ250は、各STBにおけるMPEG伝送ストリームデマルチプレクサ136にPID0のパケットを抽出させると共に、それらをメモリ152を介してマイクロプロセッサ128に送信させる適切なフィルタ命令を生成する、STBにおけるマイクロプロセッサ128の処理を表す。いくつかの代替実施例において、これは、自動的に起こると共に、マイクロプロセッサは、PID0パケットが抽出されるようにするフィルタ命令を生成する必要がない。
【0138】
ステップ250は、同様に、PATテーブル188を復元するためにこれらのPID0パケットを処理するマイクロプロセッサの処理を表す。ステップ252は、どの伝送ストリームが多重化信号内にあるか、及びどの伝送ストリームが要求されたサービスのパケットを含むかを決定するためにPATテーブルデータを使用している。伝送ストリームは、プログラム基本ストリーム(PES)の集合から構成される。例えば、1つのプログラムのビデオは1つのPESになると共に、同じプログラムのオーディオは別のPESになる。PATテーブルは、所望のプログラムまたはサービスから、MPEG−2パケットのPlDに対する割り当てを可能にするデータを含む。MPEG−2パケットは、所望のプログラム、またはサービスに関する様々なビデオ、オーディオ、ECM及びPCR(タイミング)データを有するパケットのPIDを定義するプログラムマップテーブル(PMT)データを含む。ステップ252は、同様に、プログラムマップテーブルデータ(PMT)を運ぶ要求されたサービスを伝送する伝送ストリームにおけるパケットのPID番号を決定するために、PATを読み取る処理を表す。
【0139】
示された例において、ユーザは、PATテーブルのブロック190にデータを有するプログラム3を発注した。ブロック190におけるデータは、PIDMを、プログラム3を含む伝送ストリームに関するプログラムマップテーブル(program map table:PMT)192を定義するデータを含むMPEGパケットとして識別する。ステップ254は、STBが、MPEG伝送ストリームデマルチプレクサに対してPMTテーブルを含むパケットを抽出するように通知する、図8から図11における配線138上のフィルタ命令を生成する処理を表す。ステップ254に表されたように、これらのパケットは、抽出されると共に、これらのパケットからPMTテーブルを定義するデータを抽出してPMTテーブルを復元するマイクロプロセッサ128に送信される。
【0140】
ステップ256に表されたように、マイクロプロセッサは、次に、要求されたサービス(プログラム3)に対する入力に関してPMTテーブルを検索する。この入力は、ブロック194におけるプログラム3の個々のPESの全てのパケットに対してPIDを与える。矢印196、矢印198、矢印200、矢印202、及び矢印204は、一緒に取得された、プログラム3に関するPESの収集物を有する伝送ストリーム内のビデオ、オーディオ、ECM、及びPCRパケットのPIDを識別するPMTテーブルブロック194におけるPIDポインタを表す。ビデオパケット204、及びビデオパケット206は、プログラムの圧縮されると共に暗号化されたビデオデータを含む。オーディオパケット208は、プログラム3の圧縮されると共に場合によっては暗号化されたオーディオデータを含む。PCRパケット212は、プログラム3のオーディオとビデオとを同期させるために使用されるタイムスタンプデータを含む。ECMパケット210は、セッションキーによって暗号化された制御ワードまたはサービスキーを伝送する。制御ワードは、ビデオ(場合によってはオーディオ)のパケットのペイロードセクションを復号化するのに必要とされる。
【0141】
いくつかの実施例において、EMMメッセージは、DOCSIS PIDの状態で、もしくはプライベートデータとして送信される。代替実施例において、EMMメッセージは、伝送ストリームの一部分として帯域内で送信されると共に、条件付きアクセステーブル(CAT)216は、EMMメッセージを指し示すために、MPEG−2多重化信号に含まれる。CATテーブルのデータは、PID1を有するMPEGパケットの中に含まれる(図示せず)。PID1は、予約したMPEG PIDである。このテーブルは、各プログラム、またはサービスに関して、EMMメッセージを含むパケットのPID番号をリストアップする。好ましい実施例において、暗号化されたセッションキーを有するEMMメッセージは、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットによって、それらを要求したSTBだけに要求に応じて送信されると共に、CATテーブルは使用されない。
【0142】
図12の例においては、CATテーブルが使用されると共に、CATテーブルブロック218は、プログラム3に関する暗号化されたセッションキーを有するEMMメッセージを含むパケット214のPIDに対する参照を含む。
【0143】
ステップ256は、適切なフィルタ命令を生成する処理を表す。すなわち、ステップ256において、マイクロプロセッサ128は、TSデマルチプレクサ136に、伝送ストリームから、条件付きアクセスデータを含む、要求されたサービスの全てのパケットをフィルタ処理して抽出させるフィルタ命令を生成するために、PMTブロック194内の情報(及び、いくつかの実施例においてはCATテーブル内のデータ)を使用する。
【0144】
ステップ258は、ステップ256において抽出されたMPEGパケットからサービスデータを復元する処理を表す。特に、MPEGパケットにおけるMACフレームは、暗号化されたビデオ、オーディオ、補足のデータ、PCRデータ、及びECMメッセージデータを含んでいる。MPEGフレームから復元されたMACフレームにおけるMACアドレスは、ステップ258において、このSTBに向けられなかったMACフレームを廃棄するために使用される。同様にステップ258は、同様に、MACフレームにカプセル化されたIPパケット(または他のパケット、もしくは今後は全てIPパケットと見なされるセルタイプ)を復元すると共に、IPパケット(アドレス指定可能な他のパケットが同様に使用され得る)のペイロード内のデータを、STBにおける更なる処理のための適切な回路に経路を指定して送信するために、IPパケット内のアドレスを使用する処理を表す。暗号化されたECMメッセージは、サービスキーを復元するために、セッションキーを使用してECMメッセージを復号化すると共に、サービスキーを条件付きアクセス復号化エンジンに送信することになる処理に経路を指定して送信される。暗号化されたビデオパケット(及び、場合によってはオーディオパケット)は、ビデオペイロードを復号化するためにサービスキーを使用する復号化のための条件付きアクセス復号化エンジンに経路を指定して送信される。
【0145】
ステップ260は、要求されたサービスに関するEMMメッセージを復元する処理を表す。いくつかの実施例において、これは、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットを抽出するための適切なフィルタ命令を生成することによって実行される。抽出されたDOCSIS PIDのMPEGパケット内のMACフレームが復元されると共に、このSTBに送信されなかった全てのMACフレームが拒絶される。CATテーブルを使用する実施例において、これは、PID1を有するMPEGパケットを抽出させるフィルタ命令を生成することによって実行される。その中のMACフレームが復元されると共に、その中のIPパケットは、CATテーブルが復元されるCATテーブル復元処理に経路を指定して送信される。CATテーブルは、要求されたサービス識別子を用いて検索されると共に、EMMメッセージを含むMPEGパケットのPlDが発見される。次に、マイクロプロセッサは、EMMメッセージを含むこれらのMPEGパケットを抽出させるフィルタ命令を生成する。これらのパケットにおけるMACフレームが復元される。
【0146】
ステップ262は、ステップ260において復元されたEMMメッセージを伝送するMACフレームからIPパケットを復元する処理を表す。これらのIPパケットにおけるIPポートアドレスは、EMMメッセージの経路を指定するために使用される。EMMメッセージを伝送するIPパケットは、EMMメッセージ復号化処理のポートに対してアドレス指定される。ステップ262は、同様に、他のM&Cデータを伝送するDOCSIS PIDを有するMPEGパケットを復元する処理を表す。その中のMACフレームが復元されると共に、カプセル化されたIPフレームが復元される。これらのIPパケット内のM&Cデータは、次に、更なる処理のために、IPパケットのポート識別子において識別された処理に経路を指定して送信される。
【0147】
ステップ264において、セッションキーを含む暗号化されたEMMメッセージは、STBのプライベートユーザキーを用いて復号化される。一般的に、スマートカード上の保証されたマイクロプロセッサは、セッションキーを復元するために、EMMメッセージを復号化するのにSTBのプライベートユーザキーを使用し、次に、サービスキー、または制御ワードを復元するために、ECMメッセージを復号化するのにセッションキーを使用するように、使用されることになる。代替実施例において、多目的のマイクロプロセッサ128がこれらの機能を実行するために使用され得る。
【0148】
ステップ266において、マイクロプロセッサは、セッションキーを使用してECMメッセージ内のサービスキー、または制御ワードを復号化する別の処理に、復元されたセッションキーを送信する。
【0149】
ステップ268において、制御ワード、またはサービスキーは、暗号化されたビデオパケットデータ(及び/または、あらゆる他の暗号化されたサービスデータ)を同様に受信した条件付きアクセス復号化エンジン150に送信される。そこで、サービスキーは、プログラムまたはサービスのビデオもしくは他の暗号化されたデータのパケットのペイロードを復号化するために使用される。
【0150】
ステップ270において、DOCSIS PIDを含むMPEGパケットによりSTBに送信された他の管理及び制御データは、プログラムガイドデータを表示する、アプリケーションソフトウェアを読み込む、STBを管理する等のSTBの機能を制御するために、STBの他の回路において使用される。
【0151】
ECMを復号化するためのセッションキーを含むEMMは、1つのSTBの秘密のユーザキーによってそれぞれ暗号化されて、複数のEMMメッセージに入れられる。各STBは、いくつかの実施例において、全てのEMMを受信すると共に、STBのプライベートユーザキーを使用して、そのプライベートユーザキーによって暗号化されたものを復号化する。他の実施例において、EMMは、そのプライベートユーザキーがそれを暗号化するために使用されたSTBだけに送信される。
【0152】
「好ましい条件付きアクセス方法」
好ましい実施例において、サービスキーを有するECMは頻繁に変更されると共に、暗号化されたビデオの属性として、MPEG−2伝送ストリームの一部により送信される。セッションキーを有するEMMは、しかしながらSTBからの要求に対してだけに送信されると共に、DOCSIS PIDによってそれを要求したSTBだけに送信される。本発明のこの好ましい実施例において、我々は、EMMメッセージを、それらを要求したSTBだけに、要求された通りにDOCSIS PIDの状態で帯域内において送信すると共に、我々は、CATテーブルを排除する。
【0153】
図8から図11における条件付きアクセス回路は、これらの代替実施例の内のどれでも実行し得る。EMMメッセージを復号化するために使用されるユーザキーは、所望のプログラムまたはサービスを含むパケットと同様に、伝送ストリームからECMメッセージ及びEMMメッセージを抽出すると共に、全てのこれらのパケットを条件付きアクセス回路に送信するために、伝送ストリームデマルチプレクサを制御するフィルタ命令によって、図8から図11におけるマイクロプロセッサ128によって維持され得るか、もしくは、それは条件付きアクセス回路に保持され得る。
【0154】
図13を参照すると、管理及び制御データに関する上り方向信号の要求を受信すると共に、要求された管理及び制御データをDOCSIS PIDの状態で下り方向信号により送信することによって応答する、一般的な処理のフローチャートが示される。ステップ222は、特定のSTBに対して下り方向信号で送信されるデジタル放送、双方向サービスまたはビデオオンデマンドの要求を支援して、純粋なDOCSISチャンネルにより、管理及び制御データの1つ以上のアイテムを要求する1つ以上の上り方向信号の要求を受信する処理を表す。それらのアイテムは、アプリケーションソフトウェア、プログラムガイドデータ等であり得る。ステップ224は、要求された管理及び制御データを生成するか、または取得し、データを要求したSTBに対してそれをアドレス指定すると共に、要求された管理及び制御データ、及び全てのSTBに対して放送されるべき他のあらゆる管理及び制御データを、DOCSIS PIDを有する1つ以上のMPEG−2パケットにパケット化する処理を表す。一般的に、取得されたデータ、または生成されたデータは、IPパケット、またはデータを要求したSTBに対してアドレス指定され得る他の種類のパケットにカプセル化されることになり、次にIPパケットはMACフレームにカプセル化されることになり、そしてMACフレームはMPEG−2パケットにカプセル化されることになる。ステップ226は、単一のMPEG−2伝送ストリームまたは伝送ストリームの多重化信号を形成するために、管理及び制御データを伝送すると共に、DOCSIS PIDを有するMPEG−2パケットと、デジタルビデオ放送、双方向サービス、またはビデオオンデマンドのデータを伝送する1つ以上のMPEG伝送ストリームのMPEG−2パケットとを結合する処理を表す。
【0155】
「DOCSIS M&Cチャンネル帯域幅考察事項、及び負荷バランシング」
下り方向信号上のユーザの数が高いレベルに達するとき、M&C下り方向信号チャンネルがオーバーロードされた状態になるという可能性がある。DOCSIS PIDによるM&Cチャンネルと共にMPEG−2伝送ストリームとして実装される、下り方向信号から別の下り方向信号にトラフィックを移行させるあらゆる従来の負荷バランシングスキームは、本発明の負荷バランシングの特徴を実行するのに十分であろう。DOCSIS PIDにおける密集を緩和するために、M&Cトラフィックを生成しているプログラム、またはサービスは、異なる下り方向信号チャンネル周波数上の同じ多重化信号内、または別の多重化信号内の別のMPEG伝送ストリーム(請求項において、“別のMPEG多重化信号ストリーム”として参照される)に対して移行される。そのようなケースにおいて、移行されたプログラムと関係があると共に、既に下り方向信号の下り方向信号キューにあって、そこから来るあらゆるM&Cメッセージは、失われることになる。これらのM&Cメッセージ、及び別のMPEG伝送ストリームに移行されたプログラムまたはサービスと関係があるあらゆる他のM&Cメッセージは、再送信されることになるか、または新しいM&Cメッセージの場合には、別のMPEG伝送ストリームに含まれるDOCSIS PIDを有するMPEGパケットにおいて送信される。これは、オリジナルの伝送ストリームにおいてDOCSIS PID上の密集を軽減する。失われたM&Cメッセージの場合は、上位IP信頼性階層(upper IP reliability layers)は、これらのM&Cメッセージを新しいDOCSIS PIDの下り方向信号で再送信することを、扱わなければならないことになる。ヘッドエンドは、同様に、要求されたサービスまたは放送を取得するためにどの新しい下り方向信号に周波数を合わせるべきかをSTBに通知するメッセージを、移行されたサービスを要求したSTB、または移行されたデジタル放送に対して周波数を合わせられるSTBに送信しなければならないことになる。
【0156】
プログラムのこの移行、または負荷バランシングに関するサービスは、多くの異なる方法の内のどれによっても誘発され得る。CMTSは、どのSTBがサービスを発注したかを知っている。一実施例において、CMTSは、プログラム及びサービスの所定のしきい値が発注されたとき、MPEG伝送ストリームによって配信されるサービスの数及び種類に基づいて、その伝送ストリームのDOCSIS PIDの状態のM&Cデータが多すぎると容易に推測する。このトリガーポイント(trigger point)は、発注されたサービスの種類に同様に基づいていることができると共に、ソフトウェアダウンロード、プログラムガイドデータのような更に大きな量のM&Cトラフィックを有するサービスが発注されたとき、更に低くすることができる。高いM&Cトラフィックを有するプログラムまたはサービスの更に低い数が、更に低い量のM&Cトラフィックを有する他のプログラムまたはサービスに関する負荷移行(load shifting)の原因となるように、様々な種類のプログラムまたはサービスの異なる数に対して負荷バランシング移行(load balancing shifts)を起動するための異なるしきい値を有するルックアップテーブルが使用されるであろう。
【0157】
DOCSIS PIDの状態の負荷を監視する別の方法は、STBに、それらが上り方向信号の要求を生成するときに、ハードウェアタイマまたはソフトウェアタイマを起動させると共に、その要求が受理されて、そのサービスが配信されるときに、タイマを止めさせることである。経過時間は、CMTSに対する上り方向信号のメッセージに自発的に格納されて送信されるか、もしくは、CMTSがその種類のデータに関してSTBのポーリングを実行するときに送信される。CMTSは、経過時間がある所定のしきい値を越えるとき、DOCSIS M&C下り方向信号チャンネル上の負荷があまりにも高いと推測する。
【0158】
「ヘッドエンドのIP交換/ルーティング」
対象とされた特定のSTBに対して、双方向サービス、及びビデオオンデマンド、または他のデジタルサービスデータを配信するために、MPEG伝送プロトコルを使用することの欠点の内の1つは、MPEGは、それが全く接続管理、及び全くコネクションレスルーティングメカニズムを含まないので、スイッチ環境のための広域ネットワークプロトコルではないということである。この問題は、図16のヘッドエンド構造によって解決される。ビデオオンデマンドサーバ235は、配線237上のIPパケットにカプセル化されたMPEGパケットに、VOD映画のMPEG伝送ストリームを出力する。双方向サービスサーバ259は、配線261上のIPパケットにカプセル化されたMPEGパケットに、双方向サービスデータのMPEG伝送ストリームを出力する。これらのIPパケットは、STBにおける装置または処理に対してアドレス指定されるか、もしくはバスまたはLANによってサービスを発注したSTBと接続される。インターネット上の、及び/またはヘッドエンドにおいてブロック263によって表された1つ以上のサーバは、配線265上のIPパケットにおける電子メールまたはウェブページ等のようなサービスを提供する。これらのIPパケットは、ヘッドエンドの任意のアグリゲータ(optional aggregator)267に集中すると共に、IPパケットをそれらの様々な送信先に対して経路を指定して送信するルータ及びスイッチを備えるヘッドエンドにおけるIP交換ネットワーク269(IP空間:IP cloud)に供給される。代替実施例においては、アグリゲータ267が除去されると共に、IP空間269は、どこにでも配置されるルータ及びスイッチのあらゆる収集物であると共に、サーバ235、サーバ259、及びサーバ263は、IP空間ネットワーク269において、それらのIPパケットを直接スイッチまたはルータに供給する。CMTS271は、配線273上のIP空間269に対するIPパケット(DOCSISデータパケット)にカプセル化された、下り方向信号のDOCSIS MPEGパケットを供給する。これらの下り方向信号のDOCSISデータパケットは、M&Cデータを含む。これらのDOCSISデータパケットは、下り方向信号のメディアが配線275、配線277、及び配線279でそれぞれ表される3つのHFCシステムにおける、様々なSTB内の、あるいは様々なSTBに配置された様々な装置及び処理に対してアドレス指定される。
【0159】
これらの3つのHFCシステムの各々の上り方向信号のメディアは、CMTS271に接続される配線281によって集合的に表される。3つのHFCシステムに接続された様々な装置からの上り方向信号のIPパケットは、配線281で表される3つの上り方向信号によって、DOCSISデータシンボルとして到着する。CMTSは、前記シンボルに符号化されたMPEGパケットを復元すると共に、MPEGパケットにカプセル化されたMACフレームを復元するために、従来のDOCSISの上り方向信号の処理を実行する。CMTSは、同様に、MACフレームにカプセル化されたIPパケットを復元するために従来の処理を実行する。これらのIPパケットは、配線291によってルータ285に送信される。上り方向信号のIPパケットは、その場合に、配線287によって集合的に表される様々なデータ経路を介して、それらがアドレス指定されるサーバ235、サーバ259、及びサーバ263を含む様々なサーバに、経路を指定して送信される。
【0160】
3つのHFCネットワークの内の1つにおける装置に対してアドレス指定される、サーバ235、サーバ259、及びサーバ263からのIPパケットは、IP空間ルータ(IP cloud router)によって、3つのHFCシステムの各々に間接的に接続された出力データ経路を備えるIPスイッチ/ルータ293(それは、IPスイッチネットワークまたはIP空間ネットワーク269の一部分と考えられる)に経路を指定して送信される。そこで、HFC#1上の装置及び処理に対してアドレス指定されたIPパケットは、配線295によって、以下に説明されると共にブロック297により示される、更なる処理及びHFC#1上での下り方向信号の伝送のための回路に出力される。HFC#2上の装置及び処理に対してアドレス指定されたIPパケットは、配線298によって、ブロック300により示される、更なる処理及びHFC#2上での下り方向信号の伝送のための回路に、経路を指定して送信される。HFC#3上の装置及び処理にアドレス指定されたIPパケットは、配線302によって、ブロック304によって示される、更なる処理及びHFC#3上での下り方向信号の伝送のための回路に、経路を指定して送信される。ブロック304の中の回路は、ブロック300、及びブロック297の中に含まれるのと同じ種類の回路である。この回路は、IPストリッパー(IP stripper)、及びデジッター(dejitter)、及びリタイミング回路(re-timing circuit)306を備えている。この回路306は、IPヘッダを除去すると共に、MPEG伝送ストリームパケットをIPパケットにカプセル化することによって引き起こされたあらゆるジッタを取り除く。この回路は、同様に、ビデオ対オーディオデータのMPEGパケットのIPパケット化処理(IP packetization process)によって引き起こされた異なる遅延を除去するようにタイムスタンプ(timestamp)を調整することによって、プログラムのビデオ、及びオーディオが同期状態を維持するように、MPEG伝送ストリームの時刻修正を行う(retime)。
【0161】
IPストリッパーは、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットに関する出力308(デジッター及びリタイミング処理を省略することができる)、及びVOD、双方向サービス、及び他のサービスに関するMPEGパケットが出力される出力310を備えている。MPEGマルチプレクサ312は、配線308及び配線310上のMPEGパケットを、配線314上のMPEG多重化信号に組み立てる。直交振幅変調器316は、多重化信号におけるMPEGパケットをシンボルに分割すると共に、各シンボルのいくつかのビットを1つのRFキャリアを振幅変調するために使用すると共に、各シンボルの残りの他のビットをもう一方のキャリアを振幅変調するために使用して、同じ周波数を有するが、しかし位相が90度異なる2つの無線周波数キャリアを直交振幅変調する。いくつかの実施例において、当該技術において良く知られているように、ヒルベルト変換を使用するキャリアのない変調が同様に使用される。
【0162】
図16の構造は、基本的に、MPEGパケットを適切なアドレスを有するIPパケットにカプセル化し、IPアドレスの経路を指定すると共に、次にIPヘッダを取り除き、オリジナルのMPEGパケットをHFCシステム上で伝送することによって、交換広域ネットワークにおける使用に十分に適していない、ペガサスの従来技術において発見されたMPEG伝送メカニズムの問題を解決する。
【0163】
「利点の要約」
要するに、双方向のVOD、及びデジタル放送サービスを配信するMPEG−2多重化信号の中でDOCSIS M&Cチャンネルを使用することの利点は、以下である。
(1)DOCSISは、実施するのに、既に設計されると共に作られた現存するハードウェア、及び、ソフトウェアによる証明された技術である。
(2)シンDOCSISチャンネルは、OOBチャンネルなしでネットワーク管理を可能にすると共に、STBがあまり複合的ではなく、更に費用がかからないことを可能にし、そしてそれらがヘッドエンドから管理されることを可能にする。
(3)権限のない視聴またはアクセスから、下り方向信号のMPEG−2多重化信号プログラムを保護するためだけに、1方向のキー伝送下り方向信号のためのシンDOCSISチャンネルによる条件付きアクセスデータの要求に応じた(on-demand)ダウンロードによって加入者管理を可能にする。(代りに、DOCSISキー交換プロトコルが、下り方向信号及び上り方向信号の両方のDOCSISチャンネルに安全性を提供すると共に、権限のない視聴またはアクセスから、下り方向信号のMPEG−2多重化信号プログラムを保護するために使用され得る)。
(4)必要とされるアプリケーションだけの、それを必要とするSTBだけに対する保証されたソフトウェアアプリケーションダウンロード−これは、STBを簡略化すると共に、それらを製造するのにあまり多くの費用がかかる状態にせず、そして、それは、ヘッドエンドからのバグ修正、及びアップグレードを可能にすると共に、STBが古くならないことを可能にする。
(5)シンDOCSISチャンネルの双方向性の性質は、双方向のオンデマンドサービスが実行されることを可能にすると共に、DOCSISキー交換プロトコルが、双方向サービス、もしくはVODサービスの要求の送信元を認証するので、それらは、更に安全な方法で実行され得る。
(6)シンDOCSISチャンネルは、ペイパービューイベントに関するSTBからの要求の収集を可能にすることによるイベントの提供、及びMPEG−2多重化信号で送信されたペイパービューイベントのMPEGパケットを復号化するための条件付きアクセスキーの送信を可能にする。
(7)必要とされるプログラムガイドデータだけの、それを要求したSTBだけに対する要求に応じた配信が、シンDOCSISチャンネルを介して実行され得ると共に、それによって、OOBチャンネルか、または帯域内チャンネルのいずれかにおけるデータカルーセルの帯域幅の浪費を妨げる。
(8)シンDOCSISチャンネルは、同様に、MPEG−2多重化信号において緊急アラートシステムデータが送信されることを可能にする。
【0164】
本発明がここに開示された好ましい実施例、及び代替実施例に関して発表されたが、当業者は、発明の精神及び範囲からはずれない、ここに開示された教示に対する可能な代替実施例及び他の変更を認識することになる。全てのそのような代替実施例、及び他の変更は、これに関して添付された特許請求の範囲内に含まれることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】ATM構造基盤上で伝送されるMPEG圧縮されたオーディオ、及びビデオを示す従来技術のタイムワーナフルサービスネットワークのプロトコルスタックの図である。
【図2】OOBの使用を示す従来技術のペガサス2のチャンネルの種類の図である。
【図3】MPEG−2がパケット交換ネットワークにおいて機能するように設計されていなかったという事実を克服するために使用された、従来技術のペガサス2のQAM交換マトリクスの図である。
【図4】TDMA及びQPSKを利用するOOB制御チャンネルと、双方向のオンデマンドサービスのデータの配信のためのMPEGパケットを有するATMセルを伝送するQAM変調されたチャンネルとを示す、従来技術のタイムワーナフルサービスネットワークの通信プロトコルスタックの別の図である。
【図5】従来技術におけるHFCを介した双方向のビデオオンデマンドサービス配信システムでは帯域外を伝送される管理及び制御データ(M&Cデータ)を伝送するために、DOCSIS帯域内チャンネルを使用するビデオオンデマンド、及び双方向サービスに加えて、HFCシステム上のデジタルビデオ放送プログラムを伝送する、まさにデジタルサービスヘッドエンドの下り方向信号専用の装置のブロック図である。
【図6】ヘッドエンドにおいてどのようにCMTSからSTBを管理するための追加の機能性が実行され得るかを示す、図5におけるブロック20、ブロック21、及びブロック30を含むHFCに対するRFインタフェース上のDOCSISの通信プロトコルスタックの更に詳細な図である。
【図7】どのように、OOBまたは管理及び制御データと、双方向サービス及びビデオオンデマンドのデータとが、混合されたMPEG−2伝送ストリームに結合されると共に、物理的メディア従属階層に送信され、HFCを介して伝送されるかを示す、CMTSエンド及びCMエンドの両方における上り方向信号及び下り方向信号に関するプロトコルスタックを示す更に詳細なブロック図である。
【図8】STB、及び供給されたサービスを管理するために、DOCSIS帯域内管理及び制御チャンネルに加えて、双方向のVODデータ、及び他のサービスを受信するための1つのチューナを有する簡単なセットトップボックスのブロック図である。
【図9】NTSC/PAL/SECAMエンコーダ156が、適切なフォーマットのアナログテレビ信号を生成すると共に、プログラムガイドデータ、ナビゲーション情報、及び他の必要とされるどんなグラフィックス情報でも表示するために、表示された画像にグラフィックスをオーバレイ表示するマルチメディアグラフィックスプロセッサである、1つのチューナを備えるSTBの代替実施例を示す図である。
【図10】“TIVO”タイプのデジタルビデオ録画能力を有する、1つのチューナを備えるSTBの代替実施例を表す図である。
【図11】JVT圧縮データ、またはMPEG圧縮データを受信することができる、1つのチューナを有するSTBに関する別の実施例のブロック図である。
【図12】どのようにEMMメッセージ、及びECMメッセージがMPEG多重化信号から抽出されるかを示す図である。
【図13】管理及び制御データに関する上り方向信号の要求を受信すると共に、DOCSIS PIDの状態で要求された管理及び制御データの下り方向信号を送信することによって応答する処理のフローチャートである。
【図14A】DOCSIS PIDによってサービスを発注したSTBだけに対象とされたEMMメッセージを送信するためにヘッドエンドにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図14B】DOCSIS PIDによってサービスを発注したSTBだけに対象とされたEMMメッセージを送信するためにヘッドエンドにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図14C】DOCSIS PIDによってサービスを発注したSTBだけに対象とされたEMMメッセージを送信するためにヘッドエンドにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図15A】ECMメッセージ、及びEMMメッセージを復元すると共に、要求されたサービスのペイロードデータを復号化するためにSTBにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図15B】ECMメッセージ、及びEMMメッセージを復元すると共に、要求されたサービスのペイロードデータを復号化するためにSTBにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図15C】ECMメッセージ、及びEMMメッセージを復元すると共に、要求されたサービスのペイロードデータを復号化するためにSTBにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図16】ヘッドエンド構造を示す図である。
【符号の説明】
【0166】
10:VOD及び双方向サービスサーバ
14:デジタルビデオ放送サーバ
19:双方向VOD及びデジタルビデオ放送M&Cデータサーバ
20:CMTS上のDOCSIS通信プロトコル
21:TC階層
24:伝送マルチプレクサ
26:インターネットアクセスサーバ及び他のサービス
30:物理的メディア従属階層
32:STB及びケーブルモデムに対してHFC上で伝送されたシンボル
33:上り方向信号DOCSIS
48:配線(データ経路)
50:PHY階層
52:データリンク階層
56:802.2/DIX
58:リンク保証
60:ケーブルMAC
62:TC階層
66:伝送マルチプレクサ
72:ケーブルPMD
76:ケーブルPMD
80:伝送デマルチプレクサ
88:TC階層
92:ケーブルMAC
94:リンク保証
96:802.2/DIX
102:802.2/DIX LLC
104:802.3/DIX MAC
106:802.3 10BASE−T
108:PCまたはMAC
110:VOICE−OVER−IP電話
112:セキュリティカメラ
114:DVR
118:上り方向信号ケーブルPMD
120:上り方向信号のケーブルPMD
125:スマートカードまたは不揮発性メモリ
126:チューナ
128:CPU
131:QAM変調器
131:QAM変調器
136:伝送ストリームデマルチプレクサ
140:ユーザ命令
142:IR/RF受信機インタフェースまたはLOLAインタフェース
146:DOCSIS CM XMTR
150:条件付きアクセス、復号化
152:メモリ
154:MPEGデコーダ
156:NTSC/PALまたはSECAMエンコーダ
158:アナログテレビ/VCR
160:再変調回路
162:ハードディスク
164:1394ハードディスクインタフェース、ファイアワイヤ
168:MPEGデコーダ
172:A/D
180:JVTデコーダ
182:8−USBエンコーダ
190:プログラム3
235:VODサーバ1
259:双方向サービスサーバ2
263:インターネットアクセスサーバ3
267:アグリゲータ(オプション)
269:IP空間ネットワーク
271:CMTS
285:ルータ
293:IPスイッチ/ルータ
297:IPストリップ及びMPEGマルチプレクサ及び変調器
300:IPストリップ及びMPEGマルチプレクサ及び変調器
306:IPストリッパー及びデジッター及びリタイマ
312:MPEGマルチプレクサ
316:QAM変調器
351:STBディスプレイ、ドライバ、ポインティングデバイス、及びキーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送、デジタル双方向サービス、及びデジタルビデオオンデマンドサービスを提供するケーブルテレビシステムのセットトップボックスに対する管理及び制御データの伝送方法であって、
1)従来のDOCSIS上り方向信号によって、下り方向信号の管理及び制御(M&C)データを要求する上り方向信号の管理及び制御メッセージを受信する処理と、
2)要求されたM&Cデータを生成するか、及び/または取得することによって、下り方向信号のM&Cパケットを生成し、前記M&Cデータを要求したセットトップボックス(STB)に対して前記M&Cデータをアドレス指定し、アドレス指定された下り方向信号のM&Cデータを、それぞれがDOCSIS PIDを有する1つ以上のMPEGパケットにパケット化する処理と、
3)下り方向信号のM&Cパケットを、MPEG伝送ストリーム、または複数のMPEG伝送ストリームを含むMPEG多重化信号に結合する処理と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記処理“1)”が、ブロードバンドインターネットアクセスデータ、または他のデジタルサービスのデータに関する上り方向信号の要求を受信する処理を更に有し、
前記処理“2)”が、
要求されたブロードバンドインターネットアクセスデータ、または要求された他のデジタルサービスのデータをインターネットプロトコルパケット(IPパケット)として取得する処理と、
前記ブロードバンドインターネットアクセスデータのIPパケットを、データを要求したSTBに対してアドレス指定されたメディアアクセスコントロール(MAC)フレームにカプセル化する処理と、
前記MACフレームを、DOCSIS PIDを有するMPEG−2パケットにカプセル化し、DOCSIS PIDを有する前記MPEG−2パケットを、前記MPEG伝送ストリーム、またはMPEG多重化信号に結合する処理とを更に有し、
前記処理“2)”が、前記M&Cデータパケットを、前記M&Cデータを要求したか、または前記M&Cデータを必要とする処理を実行するセットトップボックス内のポートに対してアドレス指定されたIPパケットにカプセル化し、前記IPパケットを、前記M&Cデータを要求したか、または前記M&Cデータを必要とするセットトップボックスに対してアドレス指定されたMACフレームにカプセル化する処理を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理“2)”が、
要求された管理及び制御データのみを、取得するか、及び/または生成する処理と、
要求された管理及び制御データを、前記管理及び制御データを要求したSTBに対して、または前記IPパケット内の同報通信アドレスを使用して、前記管理及び制御データを要求した全てのSTBを含むSTBに対してアドレス指定されたインターネットプロトコルパケット(IPパケット)にパケット化する処理と
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
MPEG伝送ストリームによって双方向サービス下り方向信号を伝送するデジタルデータ提供ネットワークにおける管理及び制御データ下り方向信号の帯域内伝送方法であって、
(1)1人以上の加入者に提供されるべき1つ以上のサービス、または1人以上の加入者により要求される1つ以上のサービスに関係があると共に、1つ以上のセットトップ受信機/デコーダ回路(以下セットトップボックスとする)に送信されるべき管理及び制御データ(M&Cデータ)を生成するか、及び/または検索する処理と、
(2)前記管理及び制御データを、DOCSISプログラム識別子(PID)を有するMPEGパケットにパケット化する処理と、
(3)双方向サービス、ビデオオンデマンド、デジタルビデオ放送、及び/またはデジタルデータによって提供された他の種類のサービスを有することができる1つ以上のサービスのデータを、MPEGパケットにパケット化し、各前記サービスの前記MPEGパケットに1つ以上の固有のPIDを与える処理と、
(4)前記DOCSIS PIDを有する前記MPEGパケットを、前記1つ以上のサービスのMPEGパケットと共に、MPEG伝送ストリーム、または1つのMPEG伝送ストリームよりも多いMPEG多重化信号に結合し、データ配信ネットワークにより前記伝送ストリーム、または多重化信号の下り方向信号を複数の加入者設備に伝送する処理と
を有することを特徴とする方法。
【請求項5】
1人以上の加入者の1つ以上のセットトップボックスから、プログラムガイドデータ、ソフトウェアアプリケーションプログラム、条件付きアクセスキーデータ、またはあらゆる他の管理及び制御データに関する上り方向信号の要求を受信する処理と、
前記処理“(1)”を実行することにより、前記受信した上り方向信号の要求に応答する管理及び制御データを生成するか、及び/または検索することによって、そのことに応答する処理と、
前記管理及び制御データを、前記パケットにカプセル化されたM&Cデータを要求した特定のセットトップボックスに対してそれぞれアドレス指定されたパケットにパケット化する処理と
を更に有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上のセットトップボックスから上り方向信号の要求を受信する処理が、前記上り方向信号の要求を、DOCSIS通信プロトコルにおいて前記DOCSIS PIDを有する前記MPEGパケットから構成されるDOCSISの下り方向信号に関連付けられるDOCSISの上り方向信号上のデータとして受信する処理から構成される
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記上り方向信号の要求を受信する処理が、通常のDOCSISプロトコルを使用して実行される
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各セットトップボックスにおける前記通常のDOCSISプロトコルが、少なくとも、
(1)前記DOCSIS PIDによって伝送されたDOCSIS下り方向信号を追跡し、上り方向信号の初期放送局点検間隔を特定するMAPメッセージに関する下り方向信号のDOCSISメッセージを検索し、前記DOCSIS上り方向信号の特性を定義する下り方向信号のUCDメッセージを受信する処理と、
(2)前記上り方向信号の初期放送局点検間隔の間、DOCSISの測定及びトレーニングを実行する処理と、
(3)前記測定バーストを伝送した前記セットトップボックスに対してアドレス指定された測定応答メッセージを受信し、前記測定応答メッセージ内のオフセットデータに従って、前記セットトップボックスの上り方向信号のDOCSIS送信機内の伝送パラメータを調整する処理と、
(4)次の定期的な放送局点検間隔において、測定及びトレーニングの一周期を実行する誘因を含む下り方向信号のDOCSIS PIDによって伝送されるメッセージを待って定期的な放送局点検バーストを送信すると共に、それに対する応答である測定応答メッセージを受信し、その中のオフセットデータを前記セットトップボックスの上り方向信号のDOCSIS伝送パラメータを更新するために使用する処理と、
(5)測定及びトレーニングが成功した後で、帯域幅要求競合期間の間に上り方向信号のメッセージを送信し、前記帯域幅要求が首尾よく受信されると共に上り方向信号の帯域幅が与えられたか否かを判断するために、受信された下り方向信号のMAPメッセージを読み取り、もし上り方向信号の帯域幅が与えられない場合、次の帯域幅要求競合期間に要求を再伝送する処理と、
(6)もし上り方向信号の帯域幅が与えられた場合、前記上り方向信号のDOCSISチャンネルを定義した前記UCDメッセージ内で定義されたように、上り方向信号のチャンネルパラメータを使用する前記セットトップボックスに割当てられた上り方向信号のミニスロットの間、各セットトップボックスから上り方向信号の管理及び制御メッセージを伝送する処理と
を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(1)ケーブルテレビシステムのヘッドエンドにおけるケーブルモデム終端システムから1つ以上の前記セットトップボックスを遠隔管理するのに必要とされる、あらゆる管理データを生成する処理と、
(2)前記管理データを、管理データが送信される必要のある特別なセットトップボックスに対してアドレス指定されたパケットにパケット化すると共に、前記パケットを、DOCSISプログラム識別子(PID)を有するMPEGパケットにパケット化する処理と、
(3)DOCSIS PIDを有すると共に、管理データを含む前記MPEGパケットを、DOCSIS PIDを有すると共に、M&Cデータを伝送する他のMPEGパケットと一緒に、前記MPEG伝送ストリーム、またはMPEG多重化信号に結合する処理と
を更に有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
デジタル放送、デジタル双方向サービス、及びデジタルビデオオンデマンドサービスを提供するケーブルテレビシステムにおける管理及び制御データ、またはセットトップボックス内の他のデータの送信及び受信方法であって、
ケーブルテレビシステム伝送媒体に接続されたセットトップ受信機/デコーダ(以下STBとする)において、ユーザが前記STBに接続されたテレビ、または他の周辺装置によって利用したいデジタル放送、双方向サービス、ビデオオンデマンドサービス、及び/または他のサービスの種類を示す1つ以上のユーザ命令を受信する処理と、
要求されたサービスの利用を支援するか、もしくは可能にするM&Cデータの下り方向信号の伝送を要求する管理及び制御(M&C)データの上り方向信号を、純粋なDOCSISチャンネルによって伝送する処理と、
前記ユーザ命令を受信した前記STBにおいて、下り方向信号のMPEG伝送ストリーム、またはMPEG多重化信号からMPEGパケットを復元し、そこからDOCSISプログラム識別子(PID)を有するMPEGパケットを抽出し、前記STBに対してアドレス指定され、かつ前記ユーザに要求された前記サービスに関係がある条件付きアクセスデータを含むM&Cデータを伝送すると共に、DOCSIS PIDを有する前記MPEGパケットを、前記STBを制御するようにプログラムされたマイクロプロセッサに対して経路を指定して送信し、前記要求されたサービスのデータを伝送する前記MPEG多重化信号からMPEGパケットを抽出し、暗号化されたMPEGパケットを条件付きアクセス回路に経路を指定して送信すると共に、もしそれらが暗号化されない場合、暗号化されないMPEGパケットをデコーダに経路を指定して送信する処理と、
前記要求されたサービスのデータを含む前記暗号化されたMPEGパケットのペイロードを復号化するために前記条件付きアクセス回路により必要とされる1つ以上の作業キーを取得するために、前記条件付きアクセスデータを復号化する処理と、
前記条件付きアクセス回路において、前記暗号化されたMPEGパケットのペイロードセクションを復号化するために、前記作業キーを使用し、1つ以上の要求されたサービスの非圧縮データを生成するために、復号化されたペイロードデータを復元する処理と、
もし要求されたサービスの内のいずれもが暗号化されない場合、1つ以上の要求されたサービスの非圧縮データを獲得するために、非暗号化MPEGパケットを復元する処理と、
要求されたサービスの前記非圧縮データを、適切なテレビ信号か、または他の信号、すなわち前記STBに接続されたテレビ、または他の周辺装置のための適切なフォーマットのデータ、またはパケットに符号化するためにエンコーダを使用する処理と
を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
セットトップボックスに対する管理及び制御データ、及び条件付きアクセスデータの送信方法であって、
(1)ケーブルモデム終端システムにおいて、少なくともセットトップ受信機/デコーダ(以下セットトップボックスとする)が発注したサービスを示す、上り方向信号のDOCSISメッセージを受信する処理と、
(2)前記サービスのデータを検索すると共に、それを、前記サービスを発注した前記セットトップボックスのメディアアクセスコントロール(MAC)アドレスにアドレス指定されたメディアアクセスコントロール(MAC)フレームにカプセル化し、前記MACフレームを、MPEGパケット内のサービスデータがそれに関係することを示すPIDを有する前記MPEGパケットにカプセル化する処理と、
(3)前記サービスをユーザに提供するために、前記セットトップボックスが必要とする全ての管理及び制御データ及びセッションキーを含む、前記セットトップボックスが必要とする管理及び制御データを検索するか、または生成する処理と、
(4)前記セッションキーを用いて、前記サービスに関する制御ワードを暗号化する処理と、
(5)前記セットトップボックスのプライベートユーザキーを用いて、前記セッションキーを暗号化し、前記暗号化されたセッションキーを、EMMメッセージにカプセル化し、前記EMMメッセージを、IPパケットにカプセル化し、前記IPパケットを、前記セットトップボックスの前記MACアドレスにアドレス指定されたMACフレームにカプセル化し、前記MACフレームを、MPEG伝送ストリームの予約されたDOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化する処理と、
(6)前記処理“(3)”において検索または生成された全ての他の管理及び制御データを、IPパケットにカプセル化し、前記IPパケットを、前記セットトップボックスに対してアドレス指定されたMACフレームにカプセル化し、前記MACフレームを、前記予約されたDOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化する処理と、
(7)前記サービスのデータ、及び前記管理及び制御データを含む全ての前記MPEGパケットを、1つ以上のMPEG伝送ストリームに組み立てると共に、前記1つ以上のMPEG伝送ストリームを、前記セットトップボックスに伝送する処理と
を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記処理“(3)”が、前記セットトップボックスによって必要とされる1つ以上のソフトウェアアプリケーションを含む管理及び制御データを検索し、DOCSISの保証ソフトウェアダウンロードプロトコルを用いて、前記ソフトウェアアプリケーションを認証し、前記ソフトウェアアプリケーションを、読み込みと実行のために、前記セットトップボックスに送信する処理を有する
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
セットトップ受信機/デコーダ(セットトップボックス)における暗号化されたサービスデータの受信方法であって、
(1)セットトップボックスにおいてサービスを発注する命令を受信し、前記サービスを発注する1つ以上の上り方向信号のDOCSISメッセージを伝送するためにDOCSISと互換性があるケーブルモデムの送信機セクションを使用し、前記セットトップボックスにより必要とされるあらゆる条件付きアクセスデータを含むあらゆる他の管理及び制御データを表示する処理と、
(2)前記DOCSISと互換性があるケーブルモデムの受信機セクションを使用して、下り方向信号のMPEG多重化信号を受信し、PID0を有するMPEGパケットを抽出し、前記抽出されたパケット内のデータからプログラムアロケーションテーブルを組み立てる処理と、
(3)どのMPEG伝送ストリームが前記MPEG多重化信号内にあるか、及びどの伝送ストリームが前記要求されたサービスのデータを伝送するかを決定すると共に、前記セットトップボックスにより発注されたサービスにおけるMPEGパケットのPIDを定義する前記伝送ストリームのプログラムマップテーブルのデータを伝送する、前記伝送ストリーム内のMPEGパケットのPIDを決定するために、前記プログラムアロケーションテーブル内のデータを使用する処理と、
(4)前記DOCSISと互換性があるケーブルモデムの受信機セクションを使用して、前記プログラムマップテーブルのPIDを有するMPEGパケットを抽出すると共に、前記抽出されたパケット内のデータからプログラムマップテーブルを組み立てる処理と、
(5)PCRタイミングデータ及びあらゆる必要な条件付きアクセスECMメッセージを含む前記サービスのデータを含む前記MPEG多重化信号内のMPEGパケットのPID番号を決定するために前記プログラムマップテーブル内のデータを使用すると共に、前記セットトップボックスにより発注された前記サービスのPIDを有する前記MPEGパケットを前記MPEG多重化信号から抽出するためのフィルタ命令を生成する処理と、
(6)管理及び制御データ、及び条件付きアクセスEMMメッセージを含むと共に、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットを前記MPEG多重化信号から抽出する処理と、
(7)前記処理“(5)”及び前記処理“(6)”において抽出された前記MPEGパケット内のMACフレームが復元されると共に、前記サービスを発注した前記セットトップボックスに対してアドレス指定されないあらゆるMACフレームが廃棄される処理と、
(8)前記サービスデータ、管理及び制御データ、EMMメッセージ、及びECMメッセージを伝送するIPパケットが、前記処理“(7)”において廃棄されなかった前記MACフレームから抽出され、前記セットトップボックス内の適切な回路構成に経路を指定して送信されるか、またはバスあるいはローカルエリアネットワーク接続によって前記セットトップボックスに接続される処理と、
(9)前記セットトップボックス内か、または前記セットトップボックスに挿入されたスマートカードか、または他のモジュールか、または回路カード内の不揮発性メモリを有する保証されたマイクロプロセッサ回路に経路を指定して送信されたEMMメッセージを含むIPパケットから、前記セットトップボックスが発注した前記サービスに関する暗号化されたセッションキーを抽出する処理と、前記セッションキーを復元するために、前記不揮発性メモリに記憶された前記セットトップボックスに関するプライベートユーザキーを使用して前記EMMメッセージを復号化する処理と、
(10)前記セットトップボックスにより発注された各前記サービスに関する制御ワードを復元するために、前記保証されたマイクロプロセッサに経路を指定して送信された前記ECMメッセージを復号化するための前記セッションキーを使用する処理と、
(11)前記セットトップボックスにより発注された前記サービスに関する前記サービスデータを含むパケットのペイロードデータを復号化するために、前記制御ワードを使用し、あらゆる圧縮データを復元すると共に、前記復号化されると共に復元されたデータから、適切なビデオ信号、もしくは他のフォーマット信号を生成する処理と
を有することを特徴とする方法。
【請求項14】
前記処理“(11)”が、サービスの前記復号化され、復元されたデータを、前記サービスを要求した前記STBに接続された装置に対して送信する処理を有する
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
条件付きアクセスデータの帯域内送信方法であって、
(1)1つ以上のセットトップ受信機/デコーダ(以下セットトップボックスまたはSTBとする)から、DOCSISの上り方向信号チャンネルによって、1つ以上の要求されたサービスを支援して条件付きアクセスキーデータの下り方向信号の伝送を要求する上り方向信号の管理及び制御(M&C)メッセージを受信する処理と、
(2)STBにより命令された、少なくともそれぞれ暗号化されたサービスに関するセッションキーを、検索するか、または生成する処理と、
(3)STBにより発注された各サービスに関する制御ワードを、前記サービスに関するセッションキーを用いて暗号化し、前記暗号化された制御データをECMメッセージにカプセル化する処理と、
(4)全てのSTBがIPパケットを受信することができるマルチキャストアドレスを有する前記IPパケットに、前記ECMメッセージをカプセル化する処理と
(5)前記処理“(4)”において生成された各前記IPパケットを、マルチキャストアドレスを有するメディアアクセスコントロールフレーム(MACフレームフレーム)にカプセル化する処理と、
(6)前記処理“(5)”において生成された各前記MACフレームを、各MPEGパケットに関して、それが特別なサービスに関するECMメッセージを含むことを示すPIDを有する1つ以上の前記MPEGパケットにカプセル化する処理と、
(7)ヘッドエンドにおいて、STBが前記STBのプライベートユーザキーを用いて発注したサービスに関する各前記セッションキーを暗号化し、前記暗号化されたセッションキーをEMMメッセージにカプセル化する処理と、
(8)各前記EMMメッセージを、カプセル化されたEMMメッセージが関係する前記サービスを発注したSTBに対してアドレス指定されたIPパケットにカプセル化するか、または、もしSTBがIPアドレスを有していない場合、各前記EMMメッセージを、マルチキャストアドレスを有するIPパケットにカプセル化する処理と、
(9)特別なサービスと関係があるEMMメッセージを含む、前記処理“(8)”において生成された各IPパケットを、前記サービスを発注したSTBのMACアドレスにアドレス指定されたMACフレームにカプセル化し、各前記MACフレームを、所定のPIDを有するMPEGパケットにカプセル化し、他の管理及び制御データを、IPパケットにカプセル化し、IPパケットを、前記管理及び制御データを必要とするSTBのMACアドレスにアドレス指定されたMACフレームにカプセル化し、前記MACフレームを、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化する処理と、
(10)前記処理“(9)”において生成された前記MPEGパケットを、MPEG伝送ストリーム、または伝送ストリームの多重化信号に加える処理と、
(11)もし前記サービスに関する前記EMMメッセージが、前記DOCSIS PIDを有するMPEGパケットで送信されず、しかしMPEGパケットが特別なサービスに関するEMMメッセージを含むことを示すPIDを有するMPEGパケットで送信される場合、各前記サービスのデータ、各前記サービスに関するPCRタイミングデータ、各前記サービスに関するECMパケット、及び各サービスに関するEMMメッセージのPIDを指し示すための条件付きアクセステーブル内の調整データを含むMPEGパケットのPIDを反映するために、プログラムアロケーションテーブル内、及び1つ以上のサービスのデータを伝送する前記MPEG伝送ストリームまたは伝送ストリームの多重化信号の1つ以上のプログラムマップテーブル内のデータを調整する処理と
を有することを特徴とする方法。
【請求項16】
前記処理(9)が、
EMMメッセージを含む各前記IPパケットを、前記EMMメッセージが関係するサービスを発注したSTBのMACアドレスにアドレス指定されたMACフレームにカプセル化する処理と、
前記MACフレームを、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化する処理と
を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記処理(9)が、
EMMメッセージを含む各前記IPパケットを、前記EMMメッセージが関係するサービスを発注したSTBのMACアドレスにアドレス指定されたMACフレームにカプセル化する処理と、
前記MPEGパケットが、前記サービスに関するEMMメッセージに割り当てられたPIDを有する特別なサービスに関係するEMMメッセージを含むことを示すPIDを有するMPEGパケットに、各前記MACフレームをカプセル化する処理と
を有することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
MPEG多重化信号のDOCSIS PIDによる管理及び制御データの伝送のため、及び前記MPEG多重化信号によるサービスデータの伝送のためのヘッドエンド装置であって、
双方向及び/またはビデオオンデマンドサービスに関する要求を受信し、要求されたサービスを含むと共に、どのサービスからのデータをどのパケットが含むかを定義する1つ以上のPIDを有するMPEGパケットのMPEG伝送ストリームを供給することによってそれに応答するようにプログラムされた双方向サービスサーバと、
前記双方向サービスを支援して管理及び制御データを供給するようにプログラムされたサーバと、
前記管理及び制御データを受信し、DOCSIS PIDを有すると共にその中にカプセル化された前記管理及び制御データを有するMPEGパケットを生成するためにDOSCIS処理を実行するようにプログラムされたケーブルモデム終端システムと、
伝送多重化処理を実行すると共に、要求されたサービスを含む前記MPEGパケット及び前記DOCSIS PIDを有する前記MPEGパケットを受信するようにプログラムされ、そして前記MPEGパケットを、MPEG多重化信号を有する1つ以上のMPEG伝送ストリームに結合するためのコンピュータとを有し、
前記ケーブルモデム終端システムが、DOCSIS物理的メディア従属階層処理を実行し、前記1つ以上のMPEG伝送ストリーム受信し、ハイブリッドファイバ同軸ケーブルシステムによる下り方向信号の伝送のためのシンボルを生成するために、それについてDOCSIS処理を実行するようにプログラムされる
ことを特徴とするヘッドエンド装置。
【請求項19】
規則正しく予定されるデジタルビデオ放送のデータを含むMPEGパケットのMPEG伝送ストリームを出力するようにプログラムされるデジタルビデオ放送サーバを更に有し、
伝送多重化処理を実行する前記コンピュータが、前記デジタルビデオ放送サーバから前記MPEG伝送ストリームを受信すると共に、前記双方向サービスサーバにより出力される前記MPEG伝送ストリームを有する前記伝送ストリーム、及び前記DOCSIS PIDを有する前記MPEGパケットを、MPEG多重化信号に組み込むようにプログラムされる
ことを特徴とする請求項18に記載のヘッドエンド装置。
【請求項20】
規則正しく予定されるデジタルビデオ放送のデータを含むMPEGパケットのMPEG伝送ストリームを出力するようにプログラムされるデジタルビデオ放送サーバと、
前記ケーブルモデム終端システムを用いて他のサービスのデータを双方向で通信するようにプログラムされる1つ以上の他のサービスプロバイダサーバとを更に有し、
前記ケーブルモデム終端システムが、
前記他のサービスの下り方向信号のデータを、前記サービスデータを要求した装置及び/または処理に対してアドレス指定された1つ以上のIPパケットにカプセル化し、
前記IPパケットを、前記他のサービスデータを要求した前記装置及び/または処理を含んでいるか、または前記他のサービスデータを要求した前記装置及び/または処理に接続された1つ以上のセットトップボックスのMACアドレスにアドレス指定された1つ以上のMACフレームにカプセル化し、
前記MACフレームを、DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化するようにプログラムされると共に、
伝送多重化処理を実行する前記コンピュータが、前記デジタルビデオ放送サーバから前記MPEG伝送ストリームを受信すると共に、前記双方向サービスサーバにより出力される前記MPEG伝送ストリームを有する前記伝送ストリーム、及び前記DOCSIS PIDを有する前記MPEGパケットを、MPEG多重化信号に組み込むようにプログラムされる
ことを特徴とする請求項18に記載のヘッドエンド装置。
【請求項21】
前記ケーブルモデム終端システムが、あらゆる送信元からIPパケットを受信すると共に、前記IPパケットを、ハイブリッドファイバ同軸ケーブルシステムによってそれに接続された1つ以上のセットトップボックス、及び/または装置に透過的に配信するために、従来のDOCSIS処理を伝送メカニズムとして使用するようにプログラムされる
ことを特徴とする請求項18に記載のヘッドエンド装置。
【請求項22】
前記ケーブルモデム終端システムが、前記DOCSISと互換性があるケーブルモデム回路に、純粋なDOCSISの上り方向信号チャンネルを確立するために、測定及びトレーニングを実行させるように、前記ハイブリッドファイバ同軸ケーブルシステムに接続された各セットトップボックス内のDOCSISと互換性があるケーブルモデム回路によってメッセージを交換するために、通常のDOCSIS処理を含む従来のDOCSIS処理を実行するようにプログラムされ、
前記通常のDOCSIS処理が、
DOCSIS PIDを有するMPEGパケット内の下り方向信号のMAPメッセージの伝送によって帯域幅要求競合期間を確立する処理と、
前記帯域幅要求競合期間の間、前記セットトップボックスから上り方向信号の帯域幅要求メッセージを受信する処理と、
上り方向信号の伝送のための特定のセットトップボックスに対して上り方向信号のミニスロットを与えるように前記帯域幅要求メッセージを処理する処理と、
その間に特定のセットトップボックスが伝送することのできる特定の上り方向信号のミニスロットを指定する前記DOCSIS PIDを有するMPEGパケット内の下り方向信号のMAPメッセージを送信する処理とを有し、
前記DOCSIS処理が、
純粋なDOCSISの上り方向信号チャンネルによって前記セットトップボックスから伝送された上り方向信号のDOCSISメッセージを受信する処理と、
その中にカプセル化されたメディアアクセスコントロールフレーム、及び前記メディアアクセスコントロールフレームにカプセル化されたIPパケットを復元するように前記DOCSISメッセージを処理する処理と、
前記IPパケットにおいて指定されたIPアドレスを有する装置または処理に、前記IPパケットを経路を指定して送信する処理とを有する
ことを特徴とする請求項18に記載のヘッドエンド装置。
【請求項23】
管理及び制御データを供給するようにプログラムされた前記サーバが、IPパケット内の前記データを供給し、
前記ケーブルモデム終端システムが、その中に管理及び制御データを有する前記IPパケットを受信すると共に、前記IPパケットを、前記管理及び制御データを必要とするセットトップボックスのみのMACアドレスにアドレス指定されたDOCSISメディアアクセスコントロールフレーム(MACフレーム)にカプセル化し、前記MACフレームを、前記DOCSIS PIDを有するMPEGパケットにカプセル化するようにプログラムされる
ことを特徴とする請求項18に記載のヘッドエンド装置。
【請求項24】
規則正しく予定されるデジタルビデオ放送のデータを含むMPEGパケットのMPEG伝送ストリームを出力するようにプログラムされるデジタルビデオ放送サーバと、
前記ケーブルモデム終端システムを用いて他のサービスのデータを双方向で通信するようにプログラムされる1つ以上の他のサービスプロバイダサーバとを更に有し、
前記ケーブルモデム終端システムが、
前記他のサービスの下り方向信号のデータを、前記サービスデータを要求した装置及び/または処理に対してアドレス指定された1つ以上のIPパケットにカプセル化し、
前記IPパケットを、前記他のサービスデータを要求した前記装置及び/または処理を含んでいるか、または前記他のサービスデータを要求した前記装置及び/または処理に接続された1つ以上のセットトップボックスのMACアドレスにアドレス指定された1つ以上のMACフレームにカプセル化し、
前記MACフレームを、プライベートデータPIDを有するMPEGパケットにカプセル化するようにプログラムされると共に、
伝送多重化処理を実行する前記コンピュータが、前記デジタルビデオ放送サーバから前記MPEG伝送ストリームを受信すると共に、前記双方向サービスサーバにより出力される前記MPEG伝送ストリームを有する前記伝送ストリーム、及び前記DOCSIS PIDを有する前記MPEGパケットを、MPEG多重化信号に組み込むようにプログラムされる
ことを特徴とする請求項18に記載のヘッドエンド装置。
【請求項25】
前記ケーブルモデム終端システムが、DOCSIS PID(M&Cチャンネル)の下り方向信号によって送信される管理及び制御データ(M&Cデータ)のトラフィックレベルをあらゆる方法で監視すると共に、プログラム及び/またはサービス、及び関連付けられた管理及び制御データを、前記MPEG多重化信号内のいくらか別のMPEG伝送ストリームに移行するために、あらゆる従来の負荷バランシングスキームを使用し、前記関連付けられた管理及び制御データを、DOCSIS PIDを有する他のMPEG伝送ストリーム上のMPEGパケット内に加えるように更にプログラムされる
ことを特徴とする請求項18に記載のヘッドエンド装置。
【請求項26】
前記ケーブルモデム終端システムが、前記セットトップボックスにより発注された特別な種類のサービス及び/またはプログラムの数に関する記録を維持することによって、前記M&Cチャンネル上の負荷を監視すると共に、サービス及び/またはプログラムの数が所定のしきい値を満足するか、または所定のしきい値を超えるとき、前記M&Cチャンネル上の負荷が高すぎると推定するようにプログラムされる
ことを特徴とする請求項25に記載のヘッドエンド装置。
【請求項27】
前記ケーブルモデム終端システムが、発注されたサービス及び/またはプログラムの数と種類に関する記録を維持すると共に、プログラムの異なる種類の様々な数、及び発注されたサービスに対して、いつ負荷バランシングの移行をスタートするべきであるかに関する異なるしきい値を有するルックアップテーブルを参照することによって、前記M&Cチャンネル上の負荷を監視するようにプログラムされる
ことを特徴とする請求項25に記載のヘッドエンド装置。
【請求項28】
前記ケーブルモデム終端システムが、上り方向信号のプログラム及び/またはサービスに関する要求が受け付けられる前に前記セットトップボックスが待機しなければならない時間量を示す応答時間待ち時間を有する前記セットトップボックスからメッセージを受信すると共に、待ち時間が長すぎる場合に、別のMPEG伝送ストリームに対する負荷バランシングの移行、またはプログラム及び/またはサービスは開始するべきであるとの決定を行うことによって、前記M&Cチャンネル上の負荷を監視するようにプログラムされる
ことを特徴とする請求項25に記載のヘッドエンド装置。
【請求項29】
ヘッドエンドからセットトップ受信機/デコーダ(セットトップボックス)にデータを伝達する複数のデータ配信チャンネルに結合される特定のセットトップ受信機/デコーダ(セットトップボックス)に対して、ビデオオンデマンド、及び/または双方向サービスデータ、及び/または他のサービスデータ、及び管理及び制御データを有するMPEGパケットを伝送するためのヘッドエンド装置であって、
サービスに関する要求を受信すると共に、全てのIPパケットが前記セットトップボックス内の装置または処理、あるいは前記セットトップボックスに接続された装置または処理に対してアドレス指定される、前記要求されたサービスのデータを伝送する前記IPパケット、または前記IPパケットにカプセル化される伝送ストリーム内のMPEGパケットを出力することによって応答するようにプログラムされる1つ以上のサーバと、
前記1つ以上のサーバ及び他の送信元から前記IPパケットを受信するために接続された1つ以上のルータ、及び/またはスイッチから構成されると共に、各前記IPパケットを、前記IPパケット内のアドレス指定情報に従って、前記ルータ及び/またはスイッチの1つ以上の異なる出力に経路を指定して送信するようにプログラムされるIP交換ネットワークと、
前記複数のデータ配信チャンネルのそれぞれからDOCSISの上り方向信号を受信するために接続されると共に、サービスに関する要求を含む管理及び制御メッセージを抽出し、前記要求を含む前記管理及び制御データを、前記管理及び制御データと要求を必要とするサーバに送るためのルータに対して経路を指定して送信するようにプログラムされるケーブルモデム終端システムと、
前記複数のデータ配信チャンネルの内の1つに接続された前記IP交換ネットワークの各出力において、前記出力を前記データ配信チャンネルに結合する回路とを有し、
前記回路が、
前記出力に現れる前記IPパケットから、IPパケットヘッダを除去し、DOCSIS PIDを有するカプセル化されたMPEGパケットを第1の出力に経路を指定して送信し、IPパケット内の前記MPEGパケットのカプセル化により引き起こされたジッタが、オリジナルのMPEG伝送ストリームを復元するために除去され、前記MPEG伝送ストリーム内のタイムスタンプデータが、オーディオデータをビデオデータと同期させるように調整されると共に、ジッタが除去されリタイミングされたMPEGパケットを第2の出力に出力するように機能する前記デジッター、及び前記リタイミング処理に、前記1つ以上のサービスにより提供されたサービスデータのPIDを有するカプセル化されたMPEGパケットを経路を指定して送信するように機能するIPストリッパー、デジッター、リタイミング回路と、
前記第1及び第2の出力に現れるMPEGパケットを、MPEG伝送ストリーム、または複数のMPEG伝送ストリームから構成されるMPEG多重化信号に結合するために、前記第1及び第2の出力に接続されたMPEGマルチプレクサと、
前記MPEG伝送ストリーム、またはMPEG多重化信号を受信するために接続されると共に、それから直交振幅変調された無線周波数信号を生成するように機能する直交振幅変調器とを有し、
前記ケーブルモデム終端システムが、同様に、管理及び制御データを必要とするセットトップボックス内の装置及び/または処理、あるいは管理及び制御データを必要とするセットトップボックスに接続された装置及び/または処理にアドレス指定されるIPパケットに対してカプセル化されるMPEGパケットにカプセル化されると共に、管理及び制御データを含むメッセージを有する下り方向信号のDOCSISメッセージを生成し、前記IP交換ネットワークに対して出力するようにプログラムされる
ことを特徴とするヘッドエンド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−525051(P2007−525051A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508874(P2006−508874)
【出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/005886
【国際公開番号】WO2004/084445
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(501474601)テラヨン コミュニケーションズ システムズ, インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】