反射器を製造する方法と、このような反射器を含む液晶ディスプレイデバイス
本発明は、反射形又は透過反射形液晶ディスプレイ(400)に対する拡散反射器(450)を製造するための方法に係る。この反射器はフォトエンボス工程を用いて構造化された表面(452)を含む。ここでは、光拡散性モノマー(102)を含む混合物の層(100)が設けられるが、光拡散性モノマーは、この層内を、選択的に加えられた照射の影響下で移動される。こうして、層レリーフが形成されるが、これは、好ましくは、更に、上昇された温度にて現像される。この層は、好ましくは、架橋結合ステップを用いて固定及び安定化されるが、このステップは、好ましくは、熱的に誘発された及び/又は光学的に誘起された重合化を含む。最終ステップにおいて、ポリマーにてレリーフ加工された表面に、反射材(154)が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶ディスプレイデバイスに用いるための反射光学要素を製造するための方法に係る。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)は、コンピュータメモリ、テレビジョンセット、携帯デバイスなどにおいてますます使用されるようになっている。LCDは、低い電力消費、信頼性、及び低い価格のために標準のディスプレイデバイスとなっている。
【0003】
LCDの動作は、液晶(LC)材の活性層内での光の変調に基づく。電場を変化させることで、この活性層のこの光の変調が変化され、このLC層を通過する光の特性が修正される。一般には、この活性層は、通過する光の偏光の状態を修正する。
【0004】
この活性層は、LCDの見る側の正面基板と背面基板との間にサンドイッチ状に挟まれる。このLCDの、この正面基板と背面基板との間の部分は、通常、セルと呼ばれる。こうして、このセルは、液晶材の活性層と、オプションとして1つ又は複数のセル内光学コンポーネント(in-cell optical components)と、そして、カラーLCDにおいては、更に、カラーフィルタと、を含む。
【0005】
あるLCDは、例えば、ツイストネマティック(TN)効果に依存する。これら正面及び背面基板の外側表面上には偏光子が設けられ、これら偏光子は互いに垂直に配向する自身の偏光軸を有する。線形に偏光された光がこのセルに入り、このツイストネマティック液晶材の復屈折によって、この線形に偏光された光の偏光の状態が加えられている電場に依存して変化させる。とりわけ、光の偏光ベクトルが回転される。
【0006】
この正面偏光子を通過する光の量は、この活性層によって発揮される偏光の変化に依存する。このセルから出る光の強度は、このセル上にある電圧差を加え、これによってこうして加えられた電場を変化させることで、変化させることができる。
【0007】
LCDは、通常は、2つのモード、すなわち、透過モードと反射モードの、一方又は両方にて動作することができる。透過形LCDにおいては、背面基板に隣接するバックライトから発せられる光が変調される。透過形LCDは、通常は、良好なコントラスト比を有するが、しかし、室外環境において用いられるときは、このディスプレイは実用的に読めなくなる。
【0008】
反射形LCDにおいてはこの活性層は、ディスプレイに当る周囲光を変調する。この反射形LCDは、好ましくはセル内に配置される反射器に依存する。この反射器は、変調された周囲光を見る人に向かって反射し戻す。こうして、この反射モードにおいては、周囲光は、通常は、この活性層を二度通過する。反射器は、通常は、背面基板に隣接する又はこの上の、ミラーの形態にて提供される。
【0009】
モバイルデバイスは、同時に透過モードと反射モードにて動作する、いわゆる透過反射形(transflective)LCDを組み込むこともある。これは、このディスプレイは、光が明る状態でも、室外にあって光が暗い状態でも、両方において、使用できるという長所を有する。後者においては、このディスプレイを見るためにバックライトからの光が用いられる。
【0010】
この目的に対して、透過反射形LCDにおいては、部分ミラー(partial mirror)を含む反射器が用いられる。つまり、この反射層には、このセルの透過部分に対する開口が設けられ、これら開口を通じてバックライトからの光は通過することができる。ある透過反射形LCDにおいては、この反射器は、このセルの透過部分と反射部分に対して異なるセルの厚さを確立するある構造化された層を含んでも良い。反射材は、この構造化された層の上面の、通常は、この上面の、この層のセルの反射部分に対応する部分の上に設けられる。
【0011】
好ましくは、反射形又は透過反射形LCDにおいては、この反射器は、更に、これに入射する光を拡散させる。この反射器の上にある与えられた入射角にて落ちる光は、ある範囲の反射角から構成されるあるビューイングコーン(viewing cone)内に再分配される。見る人がこのビューイングコーン内にあるときは、光は彼に向かって反射され、このため彼は、このディスプレイを読むことができる。このビューイングコーンが比較的広いときは、見る人は、このディスプレイを、大きな範囲の視域角を通じて観察することができる。このビューイングコーンが狭いときは、画像は明るくなるが、しかし、ある限られた視域内でしか観察することができなくなる。最適化されたビューイングコーンは、従って、視域角度と、ディスプレイの輝度との間のトレードオフであり、この最適化された値は、用途に依存する。
【0012】
拡散反射器は、この反射形LCDのビューイング特性が改善されるという長所を有する。
【0013】
従来は、拡散反射器は、完全に真空工程のもとで製造される。このミラーは、表面レリーフ(surface relief)を設けられたポリマー膜にてコーティングされた基板上に塗布される。このレリーフは、このポリマー膜をあるパターン化されたマスクを通じて照射し、その後、このポリマー膜のこれら照射された部分を、真空下において遂行されるリソグラフィック工程を用いてエッチングすることで形成される。この表面レリーフは、良く制御されていなければならないが、しかし、反射された光の再分配を最適化するためには、不規則な形状にされなければならない。最終的なステップにおいて、反射材が、この構造化された表面上に、例えば、金属蒸気の堆積を用いて設けられる。
【0014】
この知られている工程は、これは、これがリソグラフィック工程の使用を伴い、完全に真空状態において遂行されなければならないために、比較的複雑で、高価である、という短所を有する。
【発明の開示】
【0015】
従って、本発明の1つの目的は、反射形又は透過反射形LCDにおける反射器のための、比較的単純で安価な製造方法を提供することである。
【0016】
この目的が独立クレーム1に明記されるような本発明による製造方法を介して達成された。更なる有利な実施形態が従属クレーム2−17に明記されている。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、比較的容易に製造することができる改善された拡散形反射器を有する液晶ディスプレイを提供することである。
【0018】
この目的が独立クレーム18に明記されているような本発明による液晶ディスプレイを介して達成された。更なる有利な実施形態が従属クレーム19、20及び21に明記されている。
【0019】
本発明によると、この反射器の表面はフォトエンボス工程(photo-embossing process)を用いて構造化される。この工程は混合物内の光拡散性モノマーの光にて誘起される拡散に依存する。この光拡散性モノマーは、適当な照射、例えば、紫外(UV)光、を加えることで、この層内に拡散することができる。
【0020】
パターン化された照射(patterned irradiation)を用いることで、この光にて誘起される拡散効果は、この層を構造化するために使用することができる。このパターン化された照射は、この層内に明るいエリアと暗いエリアとを定義する。この光にて拡散可能なモノマーは、ある照射されたエリアに向かって拡散する。結果として、材料の、これら暗いエリアから明るいこれらエリアに向かっての移動が起こる。この層の厚さは、これら明るいエリアにおいては増加し、これら暗いエリアにおいては減少する。この工程は、この文献においては、フォトエンボシング(photo-embossing)とも呼ばれる。
【0021】
これら露光された(明るい)エリアに対しては、光にて拡散可能なモノマーは、このエリア内に拡散し、ここでは局所容積が増加する。好ましくは、この光拡散性モノマーには、重合化の後、架橋結合されたポリマー網(cross-linked polymer network)を形成する少なくとも1つの重合可能な基(polymerizable group)を含むモノマーが用いられる。このケースにおいては、このモノマーの、少なくともこれら露光されたエリア内の部分は、重合し、架橋結合する。これによって、こうして移動された材料が、固定され、このために逆拡散が防止される。
【0022】
結果として低減された層容積を有する、これら露光されない(暗いエリア)も、その後、残っているモノマーを光にてイニシエートすることで、又は、好ましくはこのモノマーの熱重合反応を介して架橋結合させても良い。この架橋結合ステップにおいて、この層全体が永久的に固定され、安定化される。この目的に対しては、この混合物は、熱イニシエータ(thermal initiator)を含むことが望ましい。
【0023】
こうして、要求される表面構造を有するあるポリマー層が、追加の溶剤フラッシュ(solvent flush)又は他の現像方法(development methods)を必要とすることなく、簡単に得られる。この表面レリーフ(surface relief)は、リソグラフィー及び/又は真空を用いることなく形成することができ、このため、製造の複雑さが低減し、コストが低くなる。
【0024】
本発明によると、異なる拡散特性を有する2つ又はそれ以上のモノマーの混合物を選択しても良い。この混合物内のこれら材料の1つは、この光拡散性モノマーと比較して、低い拡散係数を有することが望ましい。
【0025】
最も好ましくは、この混合物は、この光拡散性モノマーに加えて、更に、ポリマーを含む。この材料系にポリマーを組み入れることの利点は、露光の前に、基本的に、固体の、粘着しない膜が形成され、これが、マスクと接触しても、マスクを変形させたり、汚染させることのないことである。こうして、この混合物は、処理がより容易である。更に、乾燥した膜は、まだ湿っている膜よりも、埃の取り込みに対して強い。
【0026】
このケースにおいては、この混合物内のこのポリマーは本質的に移動しないために、この表面レリーフは、とりわけ高くしても良い。こうすることで、逆拡散の悪影響が最小限に抑えられる。
【0027】
最終的な製造ステップにおいて、このフォトエンボス加工され、架橋結合された層の上に、反射材が堆積される。反射形LCDにおいては、この反射材は、本質的に、この構造化された表面の全エリア上に設けられる。反射透過形LCDにおいては、この反射材は、この構造化された層の表面のある所定の部分の上にのみに設けられ、開口が残され、バックライトからの光はここを通過することができる。
【0028】
好ましくは、この照射された混合物内のこの構造は、加熱ステップの際に、優勢的に現像される。これは、この層構造がより良好に現像されることを可能にし、このフォトエンボス工程(photo-embossing process)に対する改善された制御を与える。この表面レリーフを全て照射によって現像しようとすると、変形を続けるこの表面が光を絶えず変化するやり方にて屈折させるために、この表面レリーフの形成の際に光の経路が変化する恐れがある。
【0029】
従って、この照射ステップの際には、この混合物層内には、潜像(latent image)のみが形成されることが望ましい。この目的に対しては、この照射温度においては、比較的低い移動度(mobility)を有するモノマーが選択されるべきであり、この照射温度は、例えば、室温とされる。結果として、この表面レリーフは、照射の際には、比較的低温にとどまる。
【0030】
この潜像はその後の加熱ステップの際に現像され、実際の拡散はこの際に優勢的に起こる。こうして、この混合物内のポリマーの特性と、モノマーの濃度は、好ましくは、この光拡散性モノマーの拡散移動度(diffusional mobility)が、室温においては比較的低く、上昇された温度においては比較的高くなるように選択される。好ましくは、更に、このポリマーのガラス転移温度(glass transition temperature)は、この照射が遂行される温度とこの上昇された温度との間とされ、これによって照射の際のモノマーの移動度がさらに低減される。
【0031】
温度を上昇させることで、このモノマーは、拡散が可能となる。好ましくは、この照射された混合物は、少なくとも摂氏60度に、より好ましくは、約摂氏80度に加熱される。例えば、このポリマーのガラス転移温度は、少なくとも摂氏40度とされる。
【0032】
この架橋結合ステップが熱架橋結合を含むケースにおいては、表面レリーフの現像と、とりわけこれら照射されなかったエリアの熱架橋結合とが同時に起こるように、この混合物は、好ましくは、熱イニシエータ(thermal initiator)を含み、そして、好ましくは、約摂氏130度に加熱される。本発明者らは、このケースにおいては、この表面レリーフの高さが悪影響を受けることはないことを確認した。拡散と重合反応速度(polymerization kinetics)との間のバランスは、拡散の方が優勢であるようである。
【0033】
この加熱ステップのおかげで、これら照射された(明るい)エリアとこれらマスクされた(暗い)エリアとの間の層の厚さの差は、さらに増加し、この表面レリーフは増強される。更に、この要求されるパターンは、最初に露光され、その後、現像され、このため、この表面構造に対するより良好な制御が得られる。
【0034】
一つの好ましい実施形態においては、この混合物は、この光拡散性モノマー及び/又はポリマーとして、アクリレート化合物(acrylate compounds)を含む。適当なアクリレート化合物には、例えば、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(pentaerythritoltertraacrylate)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylolpropanetriacrylate)、及びフェノキシエチルアクリレート(phenoxyethylacrylate)が含まれる。適当なポリマーには、例えば、ポリスチレン(polystyrene)、ポリ(ベンジルメタアクリレート)(poly(benzilmethacrylate))及びポリ(イソボロニルメタアクリレート)(poly(isobornylmethacrylate))が含まれる。
【0035】
好ましくは、このパターン化された照射は、この混合物層内に定義されるべきパターンに対応する透過部分と不透明部分とを有するあるパターン化されたマスクを用いて実行される。
【0036】
代替として、ホログラフィック露光にて、この混合物層の表面上で干渉する2つ又はそれ以上の照射光線を用いて、得ても良い。
【0037】
好ましくは、この第一のパターンに従っての照射した後に、この第一のパターンとは異なる第二のパターンに従っての照射を伴う、さらなる照射ステップが遂行される。こうして、より複雑な表面構造を形成することができるが、これら表面構造は、入射光を、反射されると同時により効率的に拡散し、及び/又はとりわけ透過反射形LCDにおいて用いるのに適する。
【0038】
この第二のパターンも、同様に、好ましくは、第二のパターン化されたマスク、又は、その後のホログラフィック露光、を用いて得られる。
【0039】
好ましくは、これらパターン化されたマスクの1つは、グレースケールマスク(greyscale mask)である。つまり、このマスクは、このマスクの透過率が透過から吸収まで、次第に又は階段的に変化するエリアを有するグレースケールパターンを含む。グレースケールパターンを用いることで、非対称の隆起(ridges)、例えば鋸歯構造を、簡単に形成することもできる。
【0040】
これら隆起構造は、LCDの基板に対してある角度をなす、第一と第二の傾斜する表面部分を含む。入射光は、これら傾斜面の1つから反射され、反射された光は、優勢的に、正面基板によって反射された望ましくない周囲光とは異なる方向に向けられる。こうして、反射された光の最高の強度が観測される視域角においては、この画像が、周囲光源のこの基板からの直接の反射によって妨害されることはなくなる。
【0041】
この反射器は、米国特許第6、285、426号明細書において開示されているそれと類似するように動作する。しかし、この特許における反射器は、通常は、背面基板の外側に設けられるのとは対照的に、本発明によると、この反射器は、このLCDのセルの内側に、上述のフォトエンボス工程を用いて製造することができる。この隆起構造は、この背面基板の内側表面の上面に形成されるが、この内側面はこの活性層と対面する。
【0042】
好ましくは、これら隆起構造のこの第一の傾斜する表面部分は、反射材にてカバーされ、この第二の傾斜する表面部分については、本質的に、反射材なしにとどめられる。こうして、部分ミラーを含む反射器が得られるが、これは、とりわけ、反射透過形液晶ディスプレイデバイス内で用いるために有利である。この反射器は、比較的高い量の入射光を反射するが、しかし、他方において、この第二の傾斜する表面部分は、バックライトからの光を通過させるための比較的大きな開口を規定する。
【0043】
この反射材は、このフォトエンボス加工された構造の上に、蒸発された金属粒子の堆積を介して提供しても良い。例えば、蒸発された銀(Ag)又はアルミニウム(Al)を堆積しても良い。
【0044】
1つの好ましい実施形態においては、反射透過形LCDデバイスにおいては、これら金属粒子は、基板表面に対する、あるかすめ角(grazing angle)、例えば、20又は30度にて、堆積される。このケースにおいては、この表面のある部分は、これら部分はこれら入射される金属粒子からこのフォトエンボス加工された構造の隆起形状によって遮蔽されるために、反射材のないままにとどまる。このケースにおいては、バックライトからの光を通過させるための開口が自動的に得られ、この反射材を堆積するステップの際に、マスクは要求されない。
【0045】
1つの代替実施形態においては、この反射材は、反射フレーク(reflective flakes)を含む溶液の形態にて提供される。これらフレークは、通常は、薄く、例えば、100nmであり、数ミクロンメートルのオーダの、例えば、10μmなる、他の寸法を有する。例えば、蒸発可能な有機溶剤(organic evaporable solvent)内に分散されたアルミニウムフレークを用いることもできる。このフレーク溶液は、このフォトエンボス加工された構造の上に、コスト効果の良いコーティング技法、例えば、ブレードコーティング(blade coating),押出しコーティング(extrusion coating)又はスピンコーティング(spin coating)を介して提供することもできる。この反射材料内に開口を必要とする透過反射形LCDに対しては、代替として、このフレーク溶液を塗布するために、プリント技法(printing technique)を用いても良い。このフレーク溶液を塗布した後に、この溶剤が蒸発され、これらフレークはこのフォトエンボス加工された表面に付着したまま残る。
【0046】
この代替実施形態は、これはこの反射材を塗布するために真空状態を要求しないために、有利である。更に、これらフレークは、通常は、不規則な配向の分布を有するように分散され、このため、反射器に入射する光の拡散が改善され、結果として、ビューイングコーン(viewing cone)がより広くなる。
【0047】
本発明が以下に添付の図面を参照しながら詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明によるフォトエンボス工程においては、表面レリーフが基板101上に設けられた層100内に、例えば、スピンコーティング(spin coating)又はブレードコーティング(blade coating)にて形成される。この層は、通常はウエットコーティング(wet coating)の形式にて提供され、これは、好ましくは、これを乾燥するために加熱される。
【0049】
この層100は、光拡散性モノマー102とポリマー104との混合物を含む。初期構成においては(図1A)、これらモノマーとポリマーは、両方とも、この乾燥された層を通じて均一に広げられている。
【0050】
一例として、この層は、以下のように準備しても良い。すなわち
40%のトリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylolpropane triacrylate)と、
20%のフェノキシエチルアクリレート(phenoxyethylacrylate)と、
38%のポリ(フェノキシエチルアクレート)(poly(phenoxyethylacrylate))と、
2%のフォトイニシエータ(photoinitiator)(Irgacure 651)と、
の混合物が調製される。
【0051】
この混合物が、次に、エチルメチルセロソルブ(ethylmethylcellosolve)内に溶解される。この得られた湿った材料(wet material)が、ウエットコーティングとしてガラス基板上に塗布されるが、このコーティング層の厚さは、例えば12μmとされる。このウエットコーティングは、ドクタブレード(doctor's blade)を介して塗布しても良く、代替として、例えば、500rpm又は1000rpmでのスピンコーティングを介して塗布しても良い。次に、このウエットコーティングが、例えば、摂氏60°にて、30分間だけ、乾燥される。
【0052】
上の例においては、これら光にて拡散可能なモノマーとしては、アクリレート化合物である、トリメチロールプロパントリアリクレートとフェノキシエチルアクリレートが用いられる。他の適当なモノマーには、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(pentaerythritoltertraacrylate)、トリメチロールプロパントリメタアクリレート(trimethylolpropane trimethacrylate)、ヘキサンジオールジアクリレート(hexanedioldiacrylate)、イソボロニルメタアクリレート(isobornylmethacrylate)が含まれる。
【0053】
このポリマーとしては、ポリ(フェノキシエチルアクレート)が用いられるが、代替として、例えば、ポリベンジルメタアクリレート(polybenzylmethacrylate)やポリスチレン(polystyrene)を用いても良い。
【0054】
次のステップにおいて(図1B)、(上の例では)光拡散性モノマー102の、光に誘起された拡散が、この層100を、パターン化されたマスク110を通じて照射することで得られる。このモノマー102は、適当な照射の、好ましくは、コリメートされた紫外(UV)光の、影響下で拡散する。このパターン化されたマスク110は、暗いエリア112と明るいエリア114とを含み、こうして加えられた照射は、実質的に明るいエリア114を通じてのみ透過する。このケースにおいては、モノマー102は、この層100の、マスク110の明るいエリア114と隣接する部分に拡散する。他方、ポリマー104は、本質的には移動せず、このため、このポリマー材の逆拡散(counter-diffusion)は実質的に起こらない。結果として、この層100内に表面レリーフが現像される。この表面レリーフがこの層内に、この層内のこのポリマー材を架橋結合(cross-linking)させるステップにて固定される。
【0055】
この適当な表面構造を形成するためには、”ネガティブマスク(negative mask)”が必要とされる。このネガティブマスクは、従来のリソグラフィー工程において同一の表面構造を形成するために必要とされる”ポジティブマスク(positive mask)”に対して、反転されたマスクである。この層の、従来の工程においては照射された部分は、ここでは、マスクされ、逆にマスクされた部分が照射される。
【0056】
照射は、好ましくは、365nm帯域通過フィルタとグレーフィルタとを備える水銀ランプ(Ushio;照射電力5.3Wcm−2)を用いて遂行される。この照射が約20分間だけ加えられた。
【0057】
代替として、パターン化された照射は、この混合層のホログラフィック露光(holographic exposure)を用いて遂行しても良い。このケースにおいては、2つ又はそれ以上の照射光線が、この層の表面上で干渉するようにされる。これは、例えば、従来のホログラフィックセットアップを用いて達成することができる。
【0058】
照射光線、例えば、アルゴンレーザからの351nm波長のUV光線が、偏光され、この偏光された光線が、例えば、ビームスプリッタ(beam splitter)によって、等しい強度の2つの光線に分割される。これら2つの光線は、この混合物層の、照射されるべき部分の方向に、これら光線がこの層の表面上で再び重なり合うように、向けられる。この結果としての照射パターンは、正弦干渉パターン(sinusoidal interference pattern)となる。このパターンの周期は、これら2つの光線間の角度を変化させることで、調節することができる。
【0059】
この表面レリーフは、加熱ステップを適用することで、強化しても良い。この加熱ステップはオプションであることに注意すべきであるが、しかし、より良く現像されたレリーフを得るためには適用することが望ましい。フォトエンボス工程に対する制御が改善される。この照射の際に、この混合物層内に潜像(latent image)が形成され、この像がその後、加熱ステップの際に現像される。この実際の拡散は、主として、マスクを通じての露光の後に、上昇された温度において起こる。こうすることで、この層レリーフ内に望ましくないアーティファクト(undesired artefacts)が形成されることが大幅に防止される。このようなアーティファクトは、変形を続ける表面が、光を、刻々と変化するやり方にて、屈折させることに起因する。
【0060】
この表面構造が形成された後、露光されなかったエリア内に残っているモノマーを重合させる、すなわち、架橋結合させる、ことが必要となる。これは、いわゆるフラッド露光(flood expose)にて行うことがで、この方法では、このサンプルは、マスクを用いることなく露光される。しかし、好ましくは、この重合すなわち架橋結合ステップは、熱による架橋結合(thermal cross-linking)を含み、層100が、80度に、約10分間だけ加熱され、この間にモノマーの拡散が起こり、その後、130度に、約5分間だけ加熱され、この間に露光されなかったエリア内における架橋結合が起こる。これは、この表面レリーフが良好に現像され、同時に、この加熱ステップの際に、この層が、養生(cured)され、熱架橋結合されるという長所を有する。この層の更なる現像又は養生は必要とされない。要求される表面レリーフ(図1C)を有するネットワークされたポリマー構造が得られる。この目的に対しては、好ましくは、この混合物に、80°Cにおいては安定であるが、しかし、130°Cにおいては、反応性粒子、例えば、架橋反応を起させる有機遊離基(organic free radicals)に急速に分解する、熱イニシエータ、例えば、有機過酸化物が添加される。
【0061】
反射形又は透過反射形LCDに対する拡散反射器を製造するための、適当なパターン化マスク210が図2Aに表示されている。このマスクは、qなる側辺長を有する長方形の明るいエリア214を有する。暗いエリア212によって、これら明るいエリア214が分離されるが、これら明るいエリアは、互いからピッチpだけ離してセットされる。例えば、このマスクがp=10μm及びq=10μmを有するようにし、この層をフォトエンボス加工すると、結果として、表面レリーフ200が得られるが、この走査顕微鏡(SEM)画像が図2Bに示されている。このレリーフ内のこれら隆起した形状は、約1μmなる高さを有する。
【0062】
図2Aに示されるマスクは、多くの適当なマスクの例の一つにすぎないことに注意する。代替として、類似のパターンを有するが、p及び/又はqが異なる値を有するマスクや、異なるやり方にパターン化されたマスクを用いても良い。これら明るいエリア及び/又は暗いエリアは、例えば、異なる形状を有しても良く、又は、互いに異なるやり方に配列しても良い。
【0063】
一つの好ましい実施形態においては、このマスクは、非対称な及び/又は非周期的な表面パターンを有し、このため、反射層が塗布された後に、光学妨害、例えば、干渉やモアレを示すことのない表面構造が形成される。このマスクは、例えば、対称性及び周期性を破る七角形のパターンを用いて構成しても良い。
【0064】
長所として、この層を、2つの異なるやり方にてパターン化されたマスクを通じて照射することで、比較的複雑な表面構造を形成することが可能となる。これは、とりわけ、第一の照射の構造が、露光の際に又は後に形成されるのではなく、第二の露光の後に、加熱ステップの際に、第二のマスク露光の構造の形成と同時的に形成されるという事実によって可能にされる。このような複雑な構造は、反射された光をより良く再分配するためには有利である。一例として、非対称な表面レリーフの上に対称な表面レリーフを重ねることも、又はこの逆にすることもできる。例えば、比較的細かいスーパー構造(superstructure)を、比較的大きなベース構造(base structure)の上面に重ねても良い。
【0065】
このケースにおいては、透過反射形LCDに対して、これらパターン化されたマスクの一方にて、このセルの反射部分と透過部分を定義しても良い。こうすることで、照射により、これら反射部分と透過部分に対して異なるセルの厚さ(セルギャップ)を確立する構造化された層が形成される。再度、他方のパターン化されたマスクを用いることで、少なくとも反射部分に対して、拡散ミラーに適するスーパー構造を形成しても良い。例えば、この後者のマスクは、図2Aのそれである。
【0066】
最終ステップ(図1D)において、反射材料のミラー145がこのフォトエンボス加工された表面レリーフの上面に設けられる。このためには、従来の方法を用いることができ、ここでは、蒸発された金属粒子、例えば、銀又はアルミニウムの膜が、この表面の上に堆積される。透過反射形LCDにおいては、リソグラフィック工程にてこうして堆積された膜を構造化することで、バックライトからの光を通過させるために要求される透過サブ画素のための開口が設けられる。この従来の工程は、しかしながら、比較的複雑で、高価である。
【0067】
以下では、図3を参照しながら、このレリーフ加工された表面上に反射材を設けるための代替の方法について議論する。この方法は、典型的には、数ミクロンメートルなる寸法を有する反射フレーク(reflective flakes)の溶液の使用を伴う。この溶液が、この表面上に、コーティング技法、例えば、スピンコーティング又はブレードコーティングを用いて、又は、構造化されたレリーフ層が要求されるとき、例えば、透過反射形LCDにおいてはプリント工程を用いて、提供される。この溶液が塗布された後に、この溶液は蒸発され、これら反射フレークによってこの表面上にミラーが形成される。
【0068】
ここで説明された反射フレークコーティング工程は、必ずしも、フォトエンボス加工された表面上で遂行される必要はないことに注意する。代替として、これらフレークは、反射器を製造するために、平坦な表面上に提供することも可能である。しかし、こうすると、ビューイングコーンが極端に小さくなる。更に、この表面は、別の方法を用いて構造化し、その後、反射フレークにてコーティングしても良い。
【0069】
適当なフレーク溶液は、例えば、ex Eckartから入手できる、市販の溶液”MetallureTM W-2002”である。この溶液は、約3から約45μmの間の、典型的には、約12μmなる、寸法を有する反射アルミニウムフレームを含む。これらフレークの厚さは、10から200nmの間である。用いられる有機溶液は、エタノールと、アセトンと、2−プロパノールの、18:1:1なる重量配分の、混合物である。この溶液内のアルミニウムフレークの量は、典型的には、2から40重量パーセントの間である。この溶液がこの構造化された表面上に良好に分散されることを確保するために、低濃度の界面活性剤が加えられる。
【0070】
図3Aには、反射フレーク320のミラーを設けられた、フォトエンボス加工された表面レリーフ300が図解されている。この表面上に入射する光322は、反射され、ビューイングコーン324内に再分配される。この反射された光の角度分布は、この表面が、このフォトエンボス加工された表面構造のために、拡散反射器として作用するために、広くなる。
【0071】
図3Bのグラフには、この反射された光の角度分布が図解されている。図3Aに示されるような拡散反射器のサンプルが、表面レリーフをフォトエンボス加工し、この表面レリーフにアルミニウムフレーク溶液をコーティングすることで、準備された。
【0072】
このサンプルが、コリメートされた光を用いて、この表面法線に対して−30度なるかすめ角(grazing angle)にて照射され、反射された光の強度が、0度(表面に対して垂直)から90度(表面に対して平行)までの角度分布に渡って、測定された。最大強度は、入射角と一致する反射角、従って、約30度の所で、起こる。しかしながら、この反射された光は、比較的広い角度分布を有することがわかる。15度から55度の間では、この反射された光の強度は、少なくとも最大強度の50%はある。この広いビューイングコーンのために、このディスプレイを比較的大きな範囲の視域角度に渡って用いることが可能となる。
【0073】
図4には本発明による反射形LCDの1つの実施形態が示されている。
【0074】
このLCDは、見る人の側の正面基板432と背面基板434との間にサンドイッチ状に挟まれたセル430を含む。このセル430は、液晶(LC)材の活性層を含む。
【0075】
これら基板432、434は、ガラス基板であり、このLCDの画素にアドレシングするための駆動手段を含む。この駆動手段は、通常は、縦方向の電極と横方向の電極とのマトリックス構造を含む(図示されていない)。ある単一の画素は、ある横方向の電極とある縦方向の電極とのある交点に対応する。ある画素上にある電圧差を加えることで、この活性層による光の変調が変更される。
【0076】
例えば、ツイストネマティック(TN)又はスーパツイスト(STN)液晶材の活性層を含むセルにおいては、ある電圧差を加えると、通常は、その画素の上に、これら基板432、434に対して垂直の方向を向いた、ある電場が発生する。このLC材料は、自身を、この電場の方向に再配列させる。ある電圧差において、この分子の縦軸は、実質的に、この加えられた電場の電力線(field line)と整合する。
【0077】
結果として、見る人は、異なる印加電場に対して、この活性層の有効光学復屈折がこれらLC分子の配向とともに変化するために、異なる画素グレースケール値を知覚することとなる。
【0078】
アクティブマトリックス(active matrix)タイプのLCDデバイスにおいては、この駆動手段は、更に、各画素に対する薄膜トランジスタ(thin film transistor,TFT)を含む。
【0079】
正面基板432には線形偏光子442が設けられる。このセル430は、更に、この正面基板432の、この活性層と対面する、内側表面上に、リターダ(retarder)444とカラーフィルタ446とを含む。このリターダ444は、例えば、この線形偏光子442との関連で円形偏光子を形成する四分の一波長リターダである。このカラーフィルタ446は、異なる原色と関連するカラーフィルタのアレイの1つであり、白色光を、これら異なる原色の光に分離する。これら異なるカラーフィルタは、このカラーLCDのある画素内のサブ画素を定義する。通常は、このカラーフィルタのアレイは、緑と、赤と青のカラーフィルタを含み、このためこのLCDの各カラー画素は、3つのサブ画素から成る。図面には、たった1つのサブ画素のみが、ある単一のカラーフィルタ446とともに示されている。
【0080】
この反射形LCDの動作は、セル内拡散反射器(in-cell diffusive reflector)450上に入射する周囲光(ambient light)の反射に依存する。こうして、このLCD上には落ちる周囲光は、偏光子442とリターダ444によって円形偏光され、この活性層を通過し、反射し戻され、再び、この活性層、リターダ444、及び偏光子442を通過する。この反射形LCDから出る光の量は、この活性層によるこの光の変調に依存するが、この変調は、今度は、この活性層に加えられた電場によって決定される。
【0081】
本発明によると、この拡散反射器450は、フォトエンボス工程を介して形成される。こうして、この反射器は、反射材の、例えば、アルミニウムの、ミラー454によってカバーされた、フォトエンボス加工された表面レリーフを有する層452を含む。もしこの表面レリーフの高さが、セルギャップ(この活性層の厚さ)に対して比較的大きなときは、あまり大きすぎるセルギャップ偏差はLCDの光学特性を劣化させる原因となるために、余分な平坦化層(図示されていない)にてカバーすることが必要となることもある。
【0082】
透過反射形LCDの第一の実施形態は、図5Aに示されているように、正面基板532の側では、類似する設計を使用する。こうして、この正面基板532には、線形偏光子542が設けられる。このセル530は、更に、この正面基板532の、この活性層に対面する内側表面上に、リターダ544とカラーフィルタ546とを含む。このリターダ544は、例えば、この線形偏光子542との関連で円形偏光子を形成する四分の一波長リターダである。
【0083】
しかし、背面基板534の側では、この拡散反射器550は、ここでは、このフォトエンボス加工された層552上に、部分ミラー554を、バックライト560からの光を通過させるための開口556とともに含む。この背面基板534上には、背面線形偏光子562が、バックライト560からの光を、この光がこのセル530に入る前に、線形偏光するために設けられる。
【0084】
この部分ミラー554は、従来の蒸発された金属の堆積工程にて形成しても良く、このときは、好ましくは、粒子流が、図にはθとして示されているかすめ角にてこの表面552の方向に向けられる。
【0085】
こうして、この反射層を塗布するための1つの好ましい方法は、この金属コーティングを、かすめ角度にて、蒸発(evaporating)させるか、又はスパッタリングすることである。加えて、運ばれるべき金属材料のソースとこの表面平面の平均の法線との間のラインは、60°から88°の間の大きな角度、好ましくは、70°から80°の間の角度を形成するようにされる。この膜の形成の際に、この表面レリーフのある部分は、金属粒子のソースから遮蔽され、この金属ミラーにてコーティングされることはない。このために、指向性(directionality)が得られるが、これは、このディスプレイ内の、このディスプレイを見る人の最も論理にかなった位置に対からみて、適当な位置に適用されたときは、周囲光の反射とバックライトの透過性との間のトレードオフにおける最大化を提供する。
【0086】
こうして、部分ミラー554が形成されるが、これは、リソグラフィーを用いて構造化することは必要とされない。層552内のこのレリーフの隆起した形状は、この表面のある部分を入射する金属粒子から遮蔽し、こうして、これら部分は、実質的に反射材なしのままにとどまる。この結果として、部分ミラー554が、この表面のこれら部分の位置の所に開口556とともに、形成される。
【0087】
図5Bは、実験の際に作成されたこのような部分ミラーのサンプルを示す。図2Bに示されているそれと類似するフォトエンボス加工された表面構造500が形成され、この上に、反射材が、かすめ角での、金属蒸気の堆積を介して提供された。この反射層を養生した後に、このサンプルが後方から照らされ、図5Bの画像が作られた。この表面上のこのレリーフは、この表面のある部分を、金属粒子流から遮蔽し、こうして、この表面上に開口556’が形成される。この図面から、バックライトからの光は、これら開口556’を通過することがわかる。
【0088】
図6Aには透過反射形LCDの第二の実施形態が示されている。ここでも、この実施形態は、正面基板632の側には、類似の構造を有する。こうして、この正面基板632には、線形偏光子642が設けられる。このセル630は、更に、この正面基板632の、この活性層に対面する内側表面上に、リターダ644とカラーフィルタ646とを含む。このリターダ644は、例えば、この線形偏光子642との関係で円形偏光子を形成する四分の一波長リターダである。
【0089】
この拡散反射器650は、鋸歯レリーフに構造化されたフォトエンボス加工された層652を有し、この層の上面にはより細かいスーパー構造が形成されている。この鋸歯パターンは、図7Aに示されているそれのような、あるパターン化されたグレースケールマスク(patterned grey scale mask)を用いてフォトエンボス加工されるが、このマスクのピッチは、例えば、10又は20μmとされる。このスーパー構造は、この鋸歯パターンの上面に、例えば、図2Aとの関連で先に説明されたそれのような、第二のパターン化されたマスクを用いてフォトエンボス加工される。
【0090】
図6Bには、この鋸歯レリーフの詳細が示されている。この鋸歯レリーフは、2つのスロープする平面、すなわち、比較的長いスロープ657と比較的短いスロープ658とを含む。この鋸歯構造は、例えば、10又は20μmなるピッチp2を有する。例えば、0.5又は1μmなるピッチp2を有する拡散スーパー構造が、この長いスロープ657の上に設けられる。
【0091】
この反射器650は、この長いスロープ657上に反射材を設けられ、この短いスロープ658上は、実質的に、反射材はないままにとどまる。このケースにおいては、これら短いスロープ658のこれら平面は、バックライトからの光を通過させるための開口656を形成する。部分ミラー654が形成されるが、ここでは、光の反射は、本質的に、この鋸歯構造のこれら長いスロープ657のこれら表面の所でのみ起こる。
【0092】
ある長いスロープ657の平面は、表面法線に対して、角度θ1をなす。このため、反射光が最大強度となる反射角度(図3A参照)は、この表面及びこの表面法線に対して、(90−θ1)度なる角度だけずれる。これは、最大強度の反射が、もはや、グレア(glare)によって、すなわち、周囲光源がこれらディスプレイの表面、例えば、正面平面やこれら基板平面に直接の反射することによって、妨害されなくなるために、有利である。好ましくは、θ1は、60から85度の間、最も好ましくは、約80度とされる。
【0093】
同時に、短いスロープ658の平面は、この表面法線に対して、角度θ2をなす。この角度は、バックライトからの光がそれを通じてこのディスプレイに入ることができる、開口656を形成するためには、零より大きくなければならない。しかしながら、θ2は、大きすぎると、この反射器650の有効反射面積を低減するために、あまり大きすぎてはならない。好ましくは、θ2は、15から45度の間とされ、最も好ましくは、約30度とされる。約80度なるθ1と組合せた場合は、ある表面レリーフの高さhは、約1.5μmとなるが、この値は、本発明者によって、本発明によるフォトエンボス製造工程を用いることで容易に達成できることが確認されている。
【0094】
反射材を、本質的に、この長いスロープ657上にのみ設けるためには、この反射材は、例えば、あるかすめ角にて、このケースにおいては、この表面法線に対する、θ2より大きな角度にて、蒸発させること提供される。これら短いスロープ658は、このときは、金属粒子流から効果的に遮蔽される。
【0095】
好ましくは、この反射材を設けるためには、反射フレーク溶液が用いられる。この溶液は、反射フレークが本質的にこれら長いスロープ657上にのみ残るように、あるパターン化されたやり方にて提供されるべきであるために、このフレーク溶液を提供するためには、プリント技法が好ましい。
【0096】
もう1つのコーティング工程においては、溶液内に分散されたアルミニウムフレークがドクタブレードコーティングナイフ(doctor blade coating knife)を介して塗布される。加えて、この構造化された層上に、アルミニウム分散溶液(aluminium dispersion)の5μmウエット膜が塗布される。この膜を形成した後に、溶剤の蒸発と、これら粒子の沈殿との同時的な工程が遂行される。蒸発の方が、沈殿に対して遅いときは、これらアルミニウムフレークは、これらスロープの異方的形状のために、優先的に、この層の、これら長いスロープ657上に落ち、この基板に対して大きな角度をなす部分、すなわち、この基板表面に対してぼぼ垂直方向を向くこれら短いスロープ658上には落ちない。こうして、光を透過させるための周期的な開口が自動的に残される。
【0097】
反射強度の角度分布は、図3Bに示されているそれと類似するが、しかし、(90−θ1)度なる角度だけシフトされる。こうして、もし、θ1=80度を有する鋸歯構造化されたサンプルが、−30度にて入射するコリメートされた光を用いて照射されたときは、最大反射強度の角度は、約20度となる。
【0098】
このフォトエンボス加工された層652には、鋸歯パターンが、この層を、図7Aに示されているそれのようなパターン化されたグレースケールマスク710を通じて照射することで設けられる。このマスクの透過率は、明るいエリア712における透過から、暗いエリア714における吸収まで、徐々に変化する。16μmなるマスクピッチを有するこのようなマスクが、実験において用いられた。この層の照射及び現像の後に、この結果としてのフォトエンボス加工された鋸歯表面700のSEM画像が作られた。この画像が図7Bに示されている。
【0099】
図7Cは、これら反射フレーク720を設けられたこの表面700を示す。この表面700上に入射する光722は、反射され、ビューイングコーン724内に再分配される。このビューイングコーン724の中心軸は、このケースにおいては表面法線に対して垂直である入射光線の方向に対して角度θ3=(90−θ1)度をなす。
【0100】
要約として、本発明は、反射形又は透過反射形液晶ディスプレイに対する拡散反射器を製造するための方法に係る。この反射器はフォトエンボス工程を用いて構造化された表面を含む。この方法によると、光拡散性モノマーを含む混合物の層が提供されるが、この光拡散性モノマーは、この層内を、選択的に加えられた照射の影響下で、移動される。こうして、層レリーフが形成されるが、これは、好ましくは、その後、上昇された温度にて現像される。この層は、好ましくは、架橋結合ステップを用いて固定及び安定化されるが、このステップは、好ましくは熱的に誘発された及び/又は光的に誘発された重合化を含む。最終ステップにおいて、こうして形成されたこのポリマーのレリーフ加工された表面に反射材が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1A】フォトエンボス加工された表面レリーフを有する反射器の製造の1つの実施形態を示す図である。
【図1B】フォトエンボス加工された表面レリーフを有する反射器の製造の1つの実施形態を示す図である。
【図1C】フォトエンボス加工された表面レリーフを有する反射器の製造の1つの実施形態を示す図である。
【図1D】フォトエンボス加工された表面レリーフを有する反射器の製造の1つの実施形態を示す図である。
【図2A】拡散反射器に対する表面構造と、このような表面構造をフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【図2B】拡散反射器に対する表面構造と、このような表面構造をフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【図3A】フォトエンボス加工された表面と反射フレークを含むミラーとを有する拡散反射器の図である。
【図3B】フォトエンボス加工された表面と反射フレークを含むミラーとを有する拡散反射器の図である。
【図4】拡散反射器を有する反射形LCDデバイスの1つの実施形態を示す図である。
【図5A】拡散反射器を有する透過反射形LCDデバイスの第一の実施形態を示す図である。
【図5B】拡散反射器を有する透過反射形LCDデバイスの第一の実施形態を示す図である。
【図6A】拡散反射器を有する透過反射形LCDデバイスの第二の実施形態と、後者の詳細を示す図である。
【図6B】拡散反射器を有する透過反射形LCDデバイスの第二の実施形態と、後者の詳細を示す図である。
【図7A】鋸歯表面レリーフを有する拡散反射器と、このような表面レリーフをフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【図7B】鋸歯表面レリーフを有する拡散反射器と、このような表面レリーフをフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【図7C】鋸歯表面レリーフを有する拡散反射器と、このような表面レリーフをフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶ディスプレイデバイスに用いるための反射光学要素を製造するための方法に係る。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)は、コンピュータメモリ、テレビジョンセット、携帯デバイスなどにおいてますます使用されるようになっている。LCDは、低い電力消費、信頼性、及び低い価格のために標準のディスプレイデバイスとなっている。
【0003】
LCDの動作は、液晶(LC)材の活性層内での光の変調に基づく。電場を変化させることで、この活性層のこの光の変調が変化され、このLC層を通過する光の特性が修正される。一般には、この活性層は、通過する光の偏光の状態を修正する。
【0004】
この活性層は、LCDの見る側の正面基板と背面基板との間にサンドイッチ状に挟まれる。このLCDの、この正面基板と背面基板との間の部分は、通常、セルと呼ばれる。こうして、このセルは、液晶材の活性層と、オプションとして1つ又は複数のセル内光学コンポーネント(in-cell optical components)と、そして、カラーLCDにおいては、更に、カラーフィルタと、を含む。
【0005】
あるLCDは、例えば、ツイストネマティック(TN)効果に依存する。これら正面及び背面基板の外側表面上には偏光子が設けられ、これら偏光子は互いに垂直に配向する自身の偏光軸を有する。線形に偏光された光がこのセルに入り、このツイストネマティック液晶材の復屈折によって、この線形に偏光された光の偏光の状態が加えられている電場に依存して変化させる。とりわけ、光の偏光ベクトルが回転される。
【0006】
この正面偏光子を通過する光の量は、この活性層によって発揮される偏光の変化に依存する。このセルから出る光の強度は、このセル上にある電圧差を加え、これによってこうして加えられた電場を変化させることで、変化させることができる。
【0007】
LCDは、通常は、2つのモード、すなわち、透過モードと反射モードの、一方又は両方にて動作することができる。透過形LCDにおいては、背面基板に隣接するバックライトから発せられる光が変調される。透過形LCDは、通常は、良好なコントラスト比を有するが、しかし、室外環境において用いられるときは、このディスプレイは実用的に読めなくなる。
【0008】
反射形LCDにおいてはこの活性層は、ディスプレイに当る周囲光を変調する。この反射形LCDは、好ましくはセル内に配置される反射器に依存する。この反射器は、変調された周囲光を見る人に向かって反射し戻す。こうして、この反射モードにおいては、周囲光は、通常は、この活性層を二度通過する。反射器は、通常は、背面基板に隣接する又はこの上の、ミラーの形態にて提供される。
【0009】
モバイルデバイスは、同時に透過モードと反射モードにて動作する、いわゆる透過反射形(transflective)LCDを組み込むこともある。これは、このディスプレイは、光が明る状態でも、室外にあって光が暗い状態でも、両方において、使用できるという長所を有する。後者においては、このディスプレイを見るためにバックライトからの光が用いられる。
【0010】
この目的に対して、透過反射形LCDにおいては、部分ミラー(partial mirror)を含む反射器が用いられる。つまり、この反射層には、このセルの透過部分に対する開口が設けられ、これら開口を通じてバックライトからの光は通過することができる。ある透過反射形LCDにおいては、この反射器は、このセルの透過部分と反射部分に対して異なるセルの厚さを確立するある構造化された層を含んでも良い。反射材は、この構造化された層の上面の、通常は、この上面の、この層のセルの反射部分に対応する部分の上に設けられる。
【0011】
好ましくは、反射形又は透過反射形LCDにおいては、この反射器は、更に、これに入射する光を拡散させる。この反射器の上にある与えられた入射角にて落ちる光は、ある範囲の反射角から構成されるあるビューイングコーン(viewing cone)内に再分配される。見る人がこのビューイングコーン内にあるときは、光は彼に向かって反射され、このため彼は、このディスプレイを読むことができる。このビューイングコーンが比較的広いときは、見る人は、このディスプレイを、大きな範囲の視域角を通じて観察することができる。このビューイングコーンが狭いときは、画像は明るくなるが、しかし、ある限られた視域内でしか観察することができなくなる。最適化されたビューイングコーンは、従って、視域角度と、ディスプレイの輝度との間のトレードオフであり、この最適化された値は、用途に依存する。
【0012】
拡散反射器は、この反射形LCDのビューイング特性が改善されるという長所を有する。
【0013】
従来は、拡散反射器は、完全に真空工程のもとで製造される。このミラーは、表面レリーフ(surface relief)を設けられたポリマー膜にてコーティングされた基板上に塗布される。このレリーフは、このポリマー膜をあるパターン化されたマスクを通じて照射し、その後、このポリマー膜のこれら照射された部分を、真空下において遂行されるリソグラフィック工程を用いてエッチングすることで形成される。この表面レリーフは、良く制御されていなければならないが、しかし、反射された光の再分配を最適化するためには、不規則な形状にされなければならない。最終的なステップにおいて、反射材が、この構造化された表面上に、例えば、金属蒸気の堆積を用いて設けられる。
【0014】
この知られている工程は、これは、これがリソグラフィック工程の使用を伴い、完全に真空状態において遂行されなければならないために、比較的複雑で、高価である、という短所を有する。
【発明の開示】
【0015】
従って、本発明の1つの目的は、反射形又は透過反射形LCDにおける反射器のための、比較的単純で安価な製造方法を提供することである。
【0016】
この目的が独立クレーム1に明記されるような本発明による製造方法を介して達成された。更なる有利な実施形態が従属クレーム2−17に明記されている。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、比較的容易に製造することができる改善された拡散形反射器を有する液晶ディスプレイを提供することである。
【0018】
この目的が独立クレーム18に明記されているような本発明による液晶ディスプレイを介して達成された。更なる有利な実施形態が従属クレーム19、20及び21に明記されている。
【0019】
本発明によると、この反射器の表面はフォトエンボス工程(photo-embossing process)を用いて構造化される。この工程は混合物内の光拡散性モノマーの光にて誘起される拡散に依存する。この光拡散性モノマーは、適当な照射、例えば、紫外(UV)光、を加えることで、この層内に拡散することができる。
【0020】
パターン化された照射(patterned irradiation)を用いることで、この光にて誘起される拡散効果は、この層を構造化するために使用することができる。このパターン化された照射は、この層内に明るいエリアと暗いエリアとを定義する。この光にて拡散可能なモノマーは、ある照射されたエリアに向かって拡散する。結果として、材料の、これら暗いエリアから明るいこれらエリアに向かっての移動が起こる。この層の厚さは、これら明るいエリアにおいては増加し、これら暗いエリアにおいては減少する。この工程は、この文献においては、フォトエンボシング(photo-embossing)とも呼ばれる。
【0021】
これら露光された(明るい)エリアに対しては、光にて拡散可能なモノマーは、このエリア内に拡散し、ここでは局所容積が増加する。好ましくは、この光拡散性モノマーには、重合化の後、架橋結合されたポリマー網(cross-linked polymer network)を形成する少なくとも1つの重合可能な基(polymerizable group)を含むモノマーが用いられる。このケースにおいては、このモノマーの、少なくともこれら露光されたエリア内の部分は、重合し、架橋結合する。これによって、こうして移動された材料が、固定され、このために逆拡散が防止される。
【0022】
結果として低減された層容積を有する、これら露光されない(暗いエリア)も、その後、残っているモノマーを光にてイニシエートすることで、又は、好ましくはこのモノマーの熱重合反応を介して架橋結合させても良い。この架橋結合ステップにおいて、この層全体が永久的に固定され、安定化される。この目的に対しては、この混合物は、熱イニシエータ(thermal initiator)を含むことが望ましい。
【0023】
こうして、要求される表面構造を有するあるポリマー層が、追加の溶剤フラッシュ(solvent flush)又は他の現像方法(development methods)を必要とすることなく、簡単に得られる。この表面レリーフ(surface relief)は、リソグラフィー及び/又は真空を用いることなく形成することができ、このため、製造の複雑さが低減し、コストが低くなる。
【0024】
本発明によると、異なる拡散特性を有する2つ又はそれ以上のモノマーの混合物を選択しても良い。この混合物内のこれら材料の1つは、この光拡散性モノマーと比較して、低い拡散係数を有することが望ましい。
【0025】
最も好ましくは、この混合物は、この光拡散性モノマーに加えて、更に、ポリマーを含む。この材料系にポリマーを組み入れることの利点は、露光の前に、基本的に、固体の、粘着しない膜が形成され、これが、マスクと接触しても、マスクを変形させたり、汚染させることのないことである。こうして、この混合物は、処理がより容易である。更に、乾燥した膜は、まだ湿っている膜よりも、埃の取り込みに対して強い。
【0026】
このケースにおいては、この混合物内のこのポリマーは本質的に移動しないために、この表面レリーフは、とりわけ高くしても良い。こうすることで、逆拡散の悪影響が最小限に抑えられる。
【0027】
最終的な製造ステップにおいて、このフォトエンボス加工され、架橋結合された層の上に、反射材が堆積される。反射形LCDにおいては、この反射材は、本質的に、この構造化された表面の全エリア上に設けられる。反射透過形LCDにおいては、この反射材は、この構造化された層の表面のある所定の部分の上にのみに設けられ、開口が残され、バックライトからの光はここを通過することができる。
【0028】
好ましくは、この照射された混合物内のこの構造は、加熱ステップの際に、優勢的に現像される。これは、この層構造がより良好に現像されることを可能にし、このフォトエンボス工程(photo-embossing process)に対する改善された制御を与える。この表面レリーフを全て照射によって現像しようとすると、変形を続けるこの表面が光を絶えず変化するやり方にて屈折させるために、この表面レリーフの形成の際に光の経路が変化する恐れがある。
【0029】
従って、この照射ステップの際には、この混合物層内には、潜像(latent image)のみが形成されることが望ましい。この目的に対しては、この照射温度においては、比較的低い移動度(mobility)を有するモノマーが選択されるべきであり、この照射温度は、例えば、室温とされる。結果として、この表面レリーフは、照射の際には、比較的低温にとどまる。
【0030】
この潜像はその後の加熱ステップの際に現像され、実際の拡散はこの際に優勢的に起こる。こうして、この混合物内のポリマーの特性と、モノマーの濃度は、好ましくは、この光拡散性モノマーの拡散移動度(diffusional mobility)が、室温においては比較的低く、上昇された温度においては比較的高くなるように選択される。好ましくは、更に、このポリマーのガラス転移温度(glass transition temperature)は、この照射が遂行される温度とこの上昇された温度との間とされ、これによって照射の際のモノマーの移動度がさらに低減される。
【0031】
温度を上昇させることで、このモノマーは、拡散が可能となる。好ましくは、この照射された混合物は、少なくとも摂氏60度に、より好ましくは、約摂氏80度に加熱される。例えば、このポリマーのガラス転移温度は、少なくとも摂氏40度とされる。
【0032】
この架橋結合ステップが熱架橋結合を含むケースにおいては、表面レリーフの現像と、とりわけこれら照射されなかったエリアの熱架橋結合とが同時に起こるように、この混合物は、好ましくは、熱イニシエータ(thermal initiator)を含み、そして、好ましくは、約摂氏130度に加熱される。本発明者らは、このケースにおいては、この表面レリーフの高さが悪影響を受けることはないことを確認した。拡散と重合反応速度(polymerization kinetics)との間のバランスは、拡散の方が優勢であるようである。
【0033】
この加熱ステップのおかげで、これら照射された(明るい)エリアとこれらマスクされた(暗い)エリアとの間の層の厚さの差は、さらに増加し、この表面レリーフは増強される。更に、この要求されるパターンは、最初に露光され、その後、現像され、このため、この表面構造に対するより良好な制御が得られる。
【0034】
一つの好ましい実施形態においては、この混合物は、この光拡散性モノマー及び/又はポリマーとして、アクリレート化合物(acrylate compounds)を含む。適当なアクリレート化合物には、例えば、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(pentaerythritoltertraacrylate)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylolpropanetriacrylate)、及びフェノキシエチルアクリレート(phenoxyethylacrylate)が含まれる。適当なポリマーには、例えば、ポリスチレン(polystyrene)、ポリ(ベンジルメタアクリレート)(poly(benzilmethacrylate))及びポリ(イソボロニルメタアクリレート)(poly(isobornylmethacrylate))が含まれる。
【0035】
好ましくは、このパターン化された照射は、この混合物層内に定義されるべきパターンに対応する透過部分と不透明部分とを有するあるパターン化されたマスクを用いて実行される。
【0036】
代替として、ホログラフィック露光にて、この混合物層の表面上で干渉する2つ又はそれ以上の照射光線を用いて、得ても良い。
【0037】
好ましくは、この第一のパターンに従っての照射した後に、この第一のパターンとは異なる第二のパターンに従っての照射を伴う、さらなる照射ステップが遂行される。こうして、より複雑な表面構造を形成することができるが、これら表面構造は、入射光を、反射されると同時により効率的に拡散し、及び/又はとりわけ透過反射形LCDにおいて用いるのに適する。
【0038】
この第二のパターンも、同様に、好ましくは、第二のパターン化されたマスク、又は、その後のホログラフィック露光、を用いて得られる。
【0039】
好ましくは、これらパターン化されたマスクの1つは、グレースケールマスク(greyscale mask)である。つまり、このマスクは、このマスクの透過率が透過から吸収まで、次第に又は階段的に変化するエリアを有するグレースケールパターンを含む。グレースケールパターンを用いることで、非対称の隆起(ridges)、例えば鋸歯構造を、簡単に形成することもできる。
【0040】
これら隆起構造は、LCDの基板に対してある角度をなす、第一と第二の傾斜する表面部分を含む。入射光は、これら傾斜面の1つから反射され、反射された光は、優勢的に、正面基板によって反射された望ましくない周囲光とは異なる方向に向けられる。こうして、反射された光の最高の強度が観測される視域角においては、この画像が、周囲光源のこの基板からの直接の反射によって妨害されることはなくなる。
【0041】
この反射器は、米国特許第6、285、426号明細書において開示されているそれと類似するように動作する。しかし、この特許における反射器は、通常は、背面基板の外側に設けられるのとは対照的に、本発明によると、この反射器は、このLCDのセルの内側に、上述のフォトエンボス工程を用いて製造することができる。この隆起構造は、この背面基板の内側表面の上面に形成されるが、この内側面はこの活性層と対面する。
【0042】
好ましくは、これら隆起構造のこの第一の傾斜する表面部分は、反射材にてカバーされ、この第二の傾斜する表面部分については、本質的に、反射材なしにとどめられる。こうして、部分ミラーを含む反射器が得られるが、これは、とりわけ、反射透過形液晶ディスプレイデバイス内で用いるために有利である。この反射器は、比較的高い量の入射光を反射するが、しかし、他方において、この第二の傾斜する表面部分は、バックライトからの光を通過させるための比較的大きな開口を規定する。
【0043】
この反射材は、このフォトエンボス加工された構造の上に、蒸発された金属粒子の堆積を介して提供しても良い。例えば、蒸発された銀(Ag)又はアルミニウム(Al)を堆積しても良い。
【0044】
1つの好ましい実施形態においては、反射透過形LCDデバイスにおいては、これら金属粒子は、基板表面に対する、あるかすめ角(grazing angle)、例えば、20又は30度にて、堆積される。このケースにおいては、この表面のある部分は、これら部分はこれら入射される金属粒子からこのフォトエンボス加工された構造の隆起形状によって遮蔽されるために、反射材のないままにとどまる。このケースにおいては、バックライトからの光を通過させるための開口が自動的に得られ、この反射材を堆積するステップの際に、マスクは要求されない。
【0045】
1つの代替実施形態においては、この反射材は、反射フレーク(reflective flakes)を含む溶液の形態にて提供される。これらフレークは、通常は、薄く、例えば、100nmであり、数ミクロンメートルのオーダの、例えば、10μmなる、他の寸法を有する。例えば、蒸発可能な有機溶剤(organic evaporable solvent)内に分散されたアルミニウムフレークを用いることもできる。このフレーク溶液は、このフォトエンボス加工された構造の上に、コスト効果の良いコーティング技法、例えば、ブレードコーティング(blade coating),押出しコーティング(extrusion coating)又はスピンコーティング(spin coating)を介して提供することもできる。この反射材料内に開口を必要とする透過反射形LCDに対しては、代替として、このフレーク溶液を塗布するために、プリント技法(printing technique)を用いても良い。このフレーク溶液を塗布した後に、この溶剤が蒸発され、これらフレークはこのフォトエンボス加工された表面に付着したまま残る。
【0046】
この代替実施形態は、これはこの反射材を塗布するために真空状態を要求しないために、有利である。更に、これらフレークは、通常は、不規則な配向の分布を有するように分散され、このため、反射器に入射する光の拡散が改善され、結果として、ビューイングコーン(viewing cone)がより広くなる。
【0047】
本発明が以下に添付の図面を参照しながら詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明によるフォトエンボス工程においては、表面レリーフが基板101上に設けられた層100内に、例えば、スピンコーティング(spin coating)又はブレードコーティング(blade coating)にて形成される。この層は、通常はウエットコーティング(wet coating)の形式にて提供され、これは、好ましくは、これを乾燥するために加熱される。
【0049】
この層100は、光拡散性モノマー102とポリマー104との混合物を含む。初期構成においては(図1A)、これらモノマーとポリマーは、両方とも、この乾燥された層を通じて均一に広げられている。
【0050】
一例として、この層は、以下のように準備しても良い。すなわち
40%のトリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylolpropane triacrylate)と、
20%のフェノキシエチルアクリレート(phenoxyethylacrylate)と、
38%のポリ(フェノキシエチルアクレート)(poly(phenoxyethylacrylate))と、
2%のフォトイニシエータ(photoinitiator)(Irgacure 651)と、
の混合物が調製される。
【0051】
この混合物が、次に、エチルメチルセロソルブ(ethylmethylcellosolve)内に溶解される。この得られた湿った材料(wet material)が、ウエットコーティングとしてガラス基板上に塗布されるが、このコーティング層の厚さは、例えば12μmとされる。このウエットコーティングは、ドクタブレード(doctor's blade)を介して塗布しても良く、代替として、例えば、500rpm又は1000rpmでのスピンコーティングを介して塗布しても良い。次に、このウエットコーティングが、例えば、摂氏60°にて、30分間だけ、乾燥される。
【0052】
上の例においては、これら光にて拡散可能なモノマーとしては、アクリレート化合物である、トリメチロールプロパントリアリクレートとフェノキシエチルアクリレートが用いられる。他の適当なモノマーには、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(pentaerythritoltertraacrylate)、トリメチロールプロパントリメタアクリレート(trimethylolpropane trimethacrylate)、ヘキサンジオールジアクリレート(hexanedioldiacrylate)、イソボロニルメタアクリレート(isobornylmethacrylate)が含まれる。
【0053】
このポリマーとしては、ポリ(フェノキシエチルアクレート)が用いられるが、代替として、例えば、ポリベンジルメタアクリレート(polybenzylmethacrylate)やポリスチレン(polystyrene)を用いても良い。
【0054】
次のステップにおいて(図1B)、(上の例では)光拡散性モノマー102の、光に誘起された拡散が、この層100を、パターン化されたマスク110を通じて照射することで得られる。このモノマー102は、適当な照射の、好ましくは、コリメートされた紫外(UV)光の、影響下で拡散する。このパターン化されたマスク110は、暗いエリア112と明るいエリア114とを含み、こうして加えられた照射は、実質的に明るいエリア114を通じてのみ透過する。このケースにおいては、モノマー102は、この層100の、マスク110の明るいエリア114と隣接する部分に拡散する。他方、ポリマー104は、本質的には移動せず、このため、このポリマー材の逆拡散(counter-diffusion)は実質的に起こらない。結果として、この層100内に表面レリーフが現像される。この表面レリーフがこの層内に、この層内のこのポリマー材を架橋結合(cross-linking)させるステップにて固定される。
【0055】
この適当な表面構造を形成するためには、”ネガティブマスク(negative mask)”が必要とされる。このネガティブマスクは、従来のリソグラフィー工程において同一の表面構造を形成するために必要とされる”ポジティブマスク(positive mask)”に対して、反転されたマスクである。この層の、従来の工程においては照射された部分は、ここでは、マスクされ、逆にマスクされた部分が照射される。
【0056】
照射は、好ましくは、365nm帯域通過フィルタとグレーフィルタとを備える水銀ランプ(Ushio;照射電力5.3Wcm−2)を用いて遂行される。この照射が約20分間だけ加えられた。
【0057】
代替として、パターン化された照射は、この混合層のホログラフィック露光(holographic exposure)を用いて遂行しても良い。このケースにおいては、2つ又はそれ以上の照射光線が、この層の表面上で干渉するようにされる。これは、例えば、従来のホログラフィックセットアップを用いて達成することができる。
【0058】
照射光線、例えば、アルゴンレーザからの351nm波長のUV光線が、偏光され、この偏光された光線が、例えば、ビームスプリッタ(beam splitter)によって、等しい強度の2つの光線に分割される。これら2つの光線は、この混合物層の、照射されるべき部分の方向に、これら光線がこの層の表面上で再び重なり合うように、向けられる。この結果としての照射パターンは、正弦干渉パターン(sinusoidal interference pattern)となる。このパターンの周期は、これら2つの光線間の角度を変化させることで、調節することができる。
【0059】
この表面レリーフは、加熱ステップを適用することで、強化しても良い。この加熱ステップはオプションであることに注意すべきであるが、しかし、より良く現像されたレリーフを得るためには適用することが望ましい。フォトエンボス工程に対する制御が改善される。この照射の際に、この混合物層内に潜像(latent image)が形成され、この像がその後、加熱ステップの際に現像される。この実際の拡散は、主として、マスクを通じての露光の後に、上昇された温度において起こる。こうすることで、この層レリーフ内に望ましくないアーティファクト(undesired artefacts)が形成されることが大幅に防止される。このようなアーティファクトは、変形を続ける表面が、光を、刻々と変化するやり方にて、屈折させることに起因する。
【0060】
この表面構造が形成された後、露光されなかったエリア内に残っているモノマーを重合させる、すなわち、架橋結合させる、ことが必要となる。これは、いわゆるフラッド露光(flood expose)にて行うことがで、この方法では、このサンプルは、マスクを用いることなく露光される。しかし、好ましくは、この重合すなわち架橋結合ステップは、熱による架橋結合(thermal cross-linking)を含み、層100が、80度に、約10分間だけ加熱され、この間にモノマーの拡散が起こり、その後、130度に、約5分間だけ加熱され、この間に露光されなかったエリア内における架橋結合が起こる。これは、この表面レリーフが良好に現像され、同時に、この加熱ステップの際に、この層が、養生(cured)され、熱架橋結合されるという長所を有する。この層の更なる現像又は養生は必要とされない。要求される表面レリーフ(図1C)を有するネットワークされたポリマー構造が得られる。この目的に対しては、好ましくは、この混合物に、80°Cにおいては安定であるが、しかし、130°Cにおいては、反応性粒子、例えば、架橋反応を起させる有機遊離基(organic free radicals)に急速に分解する、熱イニシエータ、例えば、有機過酸化物が添加される。
【0061】
反射形又は透過反射形LCDに対する拡散反射器を製造するための、適当なパターン化マスク210が図2Aに表示されている。このマスクは、qなる側辺長を有する長方形の明るいエリア214を有する。暗いエリア212によって、これら明るいエリア214が分離されるが、これら明るいエリアは、互いからピッチpだけ離してセットされる。例えば、このマスクがp=10μm及びq=10μmを有するようにし、この層をフォトエンボス加工すると、結果として、表面レリーフ200が得られるが、この走査顕微鏡(SEM)画像が図2Bに示されている。このレリーフ内のこれら隆起した形状は、約1μmなる高さを有する。
【0062】
図2Aに示されるマスクは、多くの適当なマスクの例の一つにすぎないことに注意する。代替として、類似のパターンを有するが、p及び/又はqが異なる値を有するマスクや、異なるやり方にパターン化されたマスクを用いても良い。これら明るいエリア及び/又は暗いエリアは、例えば、異なる形状を有しても良く、又は、互いに異なるやり方に配列しても良い。
【0063】
一つの好ましい実施形態においては、このマスクは、非対称な及び/又は非周期的な表面パターンを有し、このため、反射層が塗布された後に、光学妨害、例えば、干渉やモアレを示すことのない表面構造が形成される。このマスクは、例えば、対称性及び周期性を破る七角形のパターンを用いて構成しても良い。
【0064】
長所として、この層を、2つの異なるやり方にてパターン化されたマスクを通じて照射することで、比較的複雑な表面構造を形成することが可能となる。これは、とりわけ、第一の照射の構造が、露光の際に又は後に形成されるのではなく、第二の露光の後に、加熱ステップの際に、第二のマスク露光の構造の形成と同時的に形成されるという事実によって可能にされる。このような複雑な構造は、反射された光をより良く再分配するためには有利である。一例として、非対称な表面レリーフの上に対称な表面レリーフを重ねることも、又はこの逆にすることもできる。例えば、比較的細かいスーパー構造(superstructure)を、比較的大きなベース構造(base structure)の上面に重ねても良い。
【0065】
このケースにおいては、透過反射形LCDに対して、これらパターン化されたマスクの一方にて、このセルの反射部分と透過部分を定義しても良い。こうすることで、照射により、これら反射部分と透過部分に対して異なるセルの厚さ(セルギャップ)を確立する構造化された層が形成される。再度、他方のパターン化されたマスクを用いることで、少なくとも反射部分に対して、拡散ミラーに適するスーパー構造を形成しても良い。例えば、この後者のマスクは、図2Aのそれである。
【0066】
最終ステップ(図1D)において、反射材料のミラー145がこのフォトエンボス加工された表面レリーフの上面に設けられる。このためには、従来の方法を用いることができ、ここでは、蒸発された金属粒子、例えば、銀又はアルミニウムの膜が、この表面の上に堆積される。透過反射形LCDにおいては、リソグラフィック工程にてこうして堆積された膜を構造化することで、バックライトからの光を通過させるために要求される透過サブ画素のための開口が設けられる。この従来の工程は、しかしながら、比較的複雑で、高価である。
【0067】
以下では、図3を参照しながら、このレリーフ加工された表面上に反射材を設けるための代替の方法について議論する。この方法は、典型的には、数ミクロンメートルなる寸法を有する反射フレーク(reflective flakes)の溶液の使用を伴う。この溶液が、この表面上に、コーティング技法、例えば、スピンコーティング又はブレードコーティングを用いて、又は、構造化されたレリーフ層が要求されるとき、例えば、透過反射形LCDにおいてはプリント工程を用いて、提供される。この溶液が塗布された後に、この溶液は蒸発され、これら反射フレークによってこの表面上にミラーが形成される。
【0068】
ここで説明された反射フレークコーティング工程は、必ずしも、フォトエンボス加工された表面上で遂行される必要はないことに注意する。代替として、これらフレークは、反射器を製造するために、平坦な表面上に提供することも可能である。しかし、こうすると、ビューイングコーンが極端に小さくなる。更に、この表面は、別の方法を用いて構造化し、その後、反射フレークにてコーティングしても良い。
【0069】
適当なフレーク溶液は、例えば、ex Eckartから入手できる、市販の溶液”MetallureTM W-2002”である。この溶液は、約3から約45μmの間の、典型的には、約12μmなる、寸法を有する反射アルミニウムフレームを含む。これらフレークの厚さは、10から200nmの間である。用いられる有機溶液は、エタノールと、アセトンと、2−プロパノールの、18:1:1なる重量配分の、混合物である。この溶液内のアルミニウムフレークの量は、典型的には、2から40重量パーセントの間である。この溶液がこの構造化された表面上に良好に分散されることを確保するために、低濃度の界面活性剤が加えられる。
【0070】
図3Aには、反射フレーク320のミラーを設けられた、フォトエンボス加工された表面レリーフ300が図解されている。この表面上に入射する光322は、反射され、ビューイングコーン324内に再分配される。この反射された光の角度分布は、この表面が、このフォトエンボス加工された表面構造のために、拡散反射器として作用するために、広くなる。
【0071】
図3Bのグラフには、この反射された光の角度分布が図解されている。図3Aに示されるような拡散反射器のサンプルが、表面レリーフをフォトエンボス加工し、この表面レリーフにアルミニウムフレーク溶液をコーティングすることで、準備された。
【0072】
このサンプルが、コリメートされた光を用いて、この表面法線に対して−30度なるかすめ角(grazing angle)にて照射され、反射された光の強度が、0度(表面に対して垂直)から90度(表面に対して平行)までの角度分布に渡って、測定された。最大強度は、入射角と一致する反射角、従って、約30度の所で、起こる。しかしながら、この反射された光は、比較的広い角度分布を有することがわかる。15度から55度の間では、この反射された光の強度は、少なくとも最大強度の50%はある。この広いビューイングコーンのために、このディスプレイを比較的大きな範囲の視域角度に渡って用いることが可能となる。
【0073】
図4には本発明による反射形LCDの1つの実施形態が示されている。
【0074】
このLCDは、見る人の側の正面基板432と背面基板434との間にサンドイッチ状に挟まれたセル430を含む。このセル430は、液晶(LC)材の活性層を含む。
【0075】
これら基板432、434は、ガラス基板であり、このLCDの画素にアドレシングするための駆動手段を含む。この駆動手段は、通常は、縦方向の電極と横方向の電極とのマトリックス構造を含む(図示されていない)。ある単一の画素は、ある横方向の電極とある縦方向の電極とのある交点に対応する。ある画素上にある電圧差を加えることで、この活性層による光の変調が変更される。
【0076】
例えば、ツイストネマティック(TN)又はスーパツイスト(STN)液晶材の活性層を含むセルにおいては、ある電圧差を加えると、通常は、その画素の上に、これら基板432、434に対して垂直の方向を向いた、ある電場が発生する。このLC材料は、自身を、この電場の方向に再配列させる。ある電圧差において、この分子の縦軸は、実質的に、この加えられた電場の電力線(field line)と整合する。
【0077】
結果として、見る人は、異なる印加電場に対して、この活性層の有効光学復屈折がこれらLC分子の配向とともに変化するために、異なる画素グレースケール値を知覚することとなる。
【0078】
アクティブマトリックス(active matrix)タイプのLCDデバイスにおいては、この駆動手段は、更に、各画素に対する薄膜トランジスタ(thin film transistor,TFT)を含む。
【0079】
正面基板432には線形偏光子442が設けられる。このセル430は、更に、この正面基板432の、この活性層と対面する、内側表面上に、リターダ(retarder)444とカラーフィルタ446とを含む。このリターダ444は、例えば、この線形偏光子442との関連で円形偏光子を形成する四分の一波長リターダである。このカラーフィルタ446は、異なる原色と関連するカラーフィルタのアレイの1つであり、白色光を、これら異なる原色の光に分離する。これら異なるカラーフィルタは、このカラーLCDのある画素内のサブ画素を定義する。通常は、このカラーフィルタのアレイは、緑と、赤と青のカラーフィルタを含み、このためこのLCDの各カラー画素は、3つのサブ画素から成る。図面には、たった1つのサブ画素のみが、ある単一のカラーフィルタ446とともに示されている。
【0080】
この反射形LCDの動作は、セル内拡散反射器(in-cell diffusive reflector)450上に入射する周囲光(ambient light)の反射に依存する。こうして、このLCD上には落ちる周囲光は、偏光子442とリターダ444によって円形偏光され、この活性層を通過し、反射し戻され、再び、この活性層、リターダ444、及び偏光子442を通過する。この反射形LCDから出る光の量は、この活性層によるこの光の変調に依存するが、この変調は、今度は、この活性層に加えられた電場によって決定される。
【0081】
本発明によると、この拡散反射器450は、フォトエンボス工程を介して形成される。こうして、この反射器は、反射材の、例えば、アルミニウムの、ミラー454によってカバーされた、フォトエンボス加工された表面レリーフを有する層452を含む。もしこの表面レリーフの高さが、セルギャップ(この活性層の厚さ)に対して比較的大きなときは、あまり大きすぎるセルギャップ偏差はLCDの光学特性を劣化させる原因となるために、余分な平坦化層(図示されていない)にてカバーすることが必要となることもある。
【0082】
透過反射形LCDの第一の実施形態は、図5Aに示されているように、正面基板532の側では、類似する設計を使用する。こうして、この正面基板532には、線形偏光子542が設けられる。このセル530は、更に、この正面基板532の、この活性層に対面する内側表面上に、リターダ544とカラーフィルタ546とを含む。このリターダ544は、例えば、この線形偏光子542との関連で円形偏光子を形成する四分の一波長リターダである。
【0083】
しかし、背面基板534の側では、この拡散反射器550は、ここでは、このフォトエンボス加工された層552上に、部分ミラー554を、バックライト560からの光を通過させるための開口556とともに含む。この背面基板534上には、背面線形偏光子562が、バックライト560からの光を、この光がこのセル530に入る前に、線形偏光するために設けられる。
【0084】
この部分ミラー554は、従来の蒸発された金属の堆積工程にて形成しても良く、このときは、好ましくは、粒子流が、図にはθとして示されているかすめ角にてこの表面552の方向に向けられる。
【0085】
こうして、この反射層を塗布するための1つの好ましい方法は、この金属コーティングを、かすめ角度にて、蒸発(evaporating)させるか、又はスパッタリングすることである。加えて、運ばれるべき金属材料のソースとこの表面平面の平均の法線との間のラインは、60°から88°の間の大きな角度、好ましくは、70°から80°の間の角度を形成するようにされる。この膜の形成の際に、この表面レリーフのある部分は、金属粒子のソースから遮蔽され、この金属ミラーにてコーティングされることはない。このために、指向性(directionality)が得られるが、これは、このディスプレイ内の、このディスプレイを見る人の最も論理にかなった位置に対からみて、適当な位置に適用されたときは、周囲光の反射とバックライトの透過性との間のトレードオフにおける最大化を提供する。
【0086】
こうして、部分ミラー554が形成されるが、これは、リソグラフィーを用いて構造化することは必要とされない。層552内のこのレリーフの隆起した形状は、この表面のある部分を入射する金属粒子から遮蔽し、こうして、これら部分は、実質的に反射材なしのままにとどまる。この結果として、部分ミラー554が、この表面のこれら部分の位置の所に開口556とともに、形成される。
【0087】
図5Bは、実験の際に作成されたこのような部分ミラーのサンプルを示す。図2Bに示されているそれと類似するフォトエンボス加工された表面構造500が形成され、この上に、反射材が、かすめ角での、金属蒸気の堆積を介して提供された。この反射層を養生した後に、このサンプルが後方から照らされ、図5Bの画像が作られた。この表面上のこのレリーフは、この表面のある部分を、金属粒子流から遮蔽し、こうして、この表面上に開口556’が形成される。この図面から、バックライトからの光は、これら開口556’を通過することがわかる。
【0088】
図6Aには透過反射形LCDの第二の実施形態が示されている。ここでも、この実施形態は、正面基板632の側には、類似の構造を有する。こうして、この正面基板632には、線形偏光子642が設けられる。このセル630は、更に、この正面基板632の、この活性層に対面する内側表面上に、リターダ644とカラーフィルタ646とを含む。このリターダ644は、例えば、この線形偏光子642との関係で円形偏光子を形成する四分の一波長リターダである。
【0089】
この拡散反射器650は、鋸歯レリーフに構造化されたフォトエンボス加工された層652を有し、この層の上面にはより細かいスーパー構造が形成されている。この鋸歯パターンは、図7Aに示されているそれのような、あるパターン化されたグレースケールマスク(patterned grey scale mask)を用いてフォトエンボス加工されるが、このマスクのピッチは、例えば、10又は20μmとされる。このスーパー構造は、この鋸歯パターンの上面に、例えば、図2Aとの関連で先に説明されたそれのような、第二のパターン化されたマスクを用いてフォトエンボス加工される。
【0090】
図6Bには、この鋸歯レリーフの詳細が示されている。この鋸歯レリーフは、2つのスロープする平面、すなわち、比較的長いスロープ657と比較的短いスロープ658とを含む。この鋸歯構造は、例えば、10又は20μmなるピッチp2を有する。例えば、0.5又は1μmなるピッチp2を有する拡散スーパー構造が、この長いスロープ657の上に設けられる。
【0091】
この反射器650は、この長いスロープ657上に反射材を設けられ、この短いスロープ658上は、実質的に、反射材はないままにとどまる。このケースにおいては、これら短いスロープ658のこれら平面は、バックライトからの光を通過させるための開口656を形成する。部分ミラー654が形成されるが、ここでは、光の反射は、本質的に、この鋸歯構造のこれら長いスロープ657のこれら表面の所でのみ起こる。
【0092】
ある長いスロープ657の平面は、表面法線に対して、角度θ1をなす。このため、反射光が最大強度となる反射角度(図3A参照)は、この表面及びこの表面法線に対して、(90−θ1)度なる角度だけずれる。これは、最大強度の反射が、もはや、グレア(glare)によって、すなわち、周囲光源がこれらディスプレイの表面、例えば、正面平面やこれら基板平面に直接の反射することによって、妨害されなくなるために、有利である。好ましくは、θ1は、60から85度の間、最も好ましくは、約80度とされる。
【0093】
同時に、短いスロープ658の平面は、この表面法線に対して、角度θ2をなす。この角度は、バックライトからの光がそれを通じてこのディスプレイに入ることができる、開口656を形成するためには、零より大きくなければならない。しかしながら、θ2は、大きすぎると、この反射器650の有効反射面積を低減するために、あまり大きすぎてはならない。好ましくは、θ2は、15から45度の間とされ、最も好ましくは、約30度とされる。約80度なるθ1と組合せた場合は、ある表面レリーフの高さhは、約1.5μmとなるが、この値は、本発明者によって、本発明によるフォトエンボス製造工程を用いることで容易に達成できることが確認されている。
【0094】
反射材を、本質的に、この長いスロープ657上にのみ設けるためには、この反射材は、例えば、あるかすめ角にて、このケースにおいては、この表面法線に対する、θ2より大きな角度にて、蒸発させること提供される。これら短いスロープ658は、このときは、金属粒子流から効果的に遮蔽される。
【0095】
好ましくは、この反射材を設けるためには、反射フレーク溶液が用いられる。この溶液は、反射フレークが本質的にこれら長いスロープ657上にのみ残るように、あるパターン化されたやり方にて提供されるべきであるために、このフレーク溶液を提供するためには、プリント技法が好ましい。
【0096】
もう1つのコーティング工程においては、溶液内に分散されたアルミニウムフレークがドクタブレードコーティングナイフ(doctor blade coating knife)を介して塗布される。加えて、この構造化された層上に、アルミニウム分散溶液(aluminium dispersion)の5μmウエット膜が塗布される。この膜を形成した後に、溶剤の蒸発と、これら粒子の沈殿との同時的な工程が遂行される。蒸発の方が、沈殿に対して遅いときは、これらアルミニウムフレークは、これらスロープの異方的形状のために、優先的に、この層の、これら長いスロープ657上に落ち、この基板に対して大きな角度をなす部分、すなわち、この基板表面に対してぼぼ垂直方向を向くこれら短いスロープ658上には落ちない。こうして、光を透過させるための周期的な開口が自動的に残される。
【0097】
反射強度の角度分布は、図3Bに示されているそれと類似するが、しかし、(90−θ1)度なる角度だけシフトされる。こうして、もし、θ1=80度を有する鋸歯構造化されたサンプルが、−30度にて入射するコリメートされた光を用いて照射されたときは、最大反射強度の角度は、約20度となる。
【0098】
このフォトエンボス加工された層652には、鋸歯パターンが、この層を、図7Aに示されているそれのようなパターン化されたグレースケールマスク710を通じて照射することで設けられる。このマスクの透過率は、明るいエリア712における透過から、暗いエリア714における吸収まで、徐々に変化する。16μmなるマスクピッチを有するこのようなマスクが、実験において用いられた。この層の照射及び現像の後に、この結果としてのフォトエンボス加工された鋸歯表面700のSEM画像が作られた。この画像が図7Bに示されている。
【0099】
図7Cは、これら反射フレーク720を設けられたこの表面700を示す。この表面700上に入射する光722は、反射され、ビューイングコーン724内に再分配される。このビューイングコーン724の中心軸は、このケースにおいては表面法線に対して垂直である入射光線の方向に対して角度θ3=(90−θ1)度をなす。
【0100】
要約として、本発明は、反射形又は透過反射形液晶ディスプレイに対する拡散反射器を製造するための方法に係る。この反射器はフォトエンボス工程を用いて構造化された表面を含む。この方法によると、光拡散性モノマーを含む混合物の層が提供されるが、この光拡散性モノマーは、この層内を、選択的に加えられた照射の影響下で、移動される。こうして、層レリーフが形成されるが、これは、好ましくは、その後、上昇された温度にて現像される。この層は、好ましくは、架橋結合ステップを用いて固定及び安定化されるが、このステップは、好ましくは熱的に誘発された及び/又は光的に誘発された重合化を含む。最終ステップにおいて、こうして形成されたこのポリマーのレリーフ加工された表面に反射材が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1A】フォトエンボス加工された表面レリーフを有する反射器の製造の1つの実施形態を示す図である。
【図1B】フォトエンボス加工された表面レリーフを有する反射器の製造の1つの実施形態を示す図である。
【図1C】フォトエンボス加工された表面レリーフを有する反射器の製造の1つの実施形態を示す図である。
【図1D】フォトエンボス加工された表面レリーフを有する反射器の製造の1つの実施形態を示す図である。
【図2A】拡散反射器に対する表面構造と、このような表面構造をフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【図2B】拡散反射器に対する表面構造と、このような表面構造をフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【図3A】フォトエンボス加工された表面と反射フレークを含むミラーとを有する拡散反射器の図である。
【図3B】フォトエンボス加工された表面と反射フレークを含むミラーとを有する拡散反射器の図である。
【図4】拡散反射器を有する反射形LCDデバイスの1つの実施形態を示す図である。
【図5A】拡散反射器を有する透過反射形LCDデバイスの第一の実施形態を示す図である。
【図5B】拡散反射器を有する透過反射形LCDデバイスの第一の実施形態を示す図である。
【図6A】拡散反射器を有する透過反射形LCDデバイスの第二の実施形態と、後者の詳細を示す図である。
【図6B】拡散反射器を有する透過反射形LCDデバイスの第二の実施形態と、後者の詳細を示す図である。
【図7A】鋸歯表面レリーフを有する拡散反射器と、このような表面レリーフをフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【図7B】鋸歯表面レリーフを有する拡散反射器と、このような表面レリーフをフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【図7C】鋸歯表面レリーフを有する拡散反射器と、このような表面レリーフをフォトエンボス加工するために適するパターン化されたマスクを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射形又は透過反射形液晶ディスプレイデバイス用の反射器を製造する方法であって、
光拡散性モノマーを含む混合物を含む層を設けるステップと、
前記混合物を前記層内にフォトエンボス加工される構造を現像するための第一のパターンに従って選択的に照射するステップと、
前記混合物を架橋結合させるステップと、
前記フォトエンボス加工された層の少なくとも選択されたある表面部分に反射材を設けるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記混合物は、更に、ポリマーを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記光拡散性モノマーは、重合の後、架橋結合されたポリマー網を形成する少なくとも1つの重合可能な基を含むモノマーである請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記混合物は、更に、前記照射ステップの後に前記層の少なくとも照射されなかったあるエリア内に残されている光拡散性モノマーを熱的に架橋結合させるための熱イニシエータを含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
更に、前記フォトエンボス加工された構造をある上昇された温度にて強化するために、前記照射ステップの後に前記混合物を加熱するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記上昇された温度は、少なくとも摂氏60度である請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記上昇された温度は、約摂氏130度である請求項4及び6記載の方法。
【請求項8】
前記光拡散性モノマー及び/又は前記ポリマーは、アクリレート化合物である請求項1又は2記載の方法。
【請求項9】
前記混合物は、第一のパターン化されたマスクを通じて照射される請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記混合物は、ホログラフィック露光を用いて照射される請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、更に、前記層を第二のパターンに従って選択的に照射するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記混合物は、前記第一のパターン化されたマスクを通じて照射された後に、第二のパターン化されたマスクを通じて照射される請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第一のパターン化されたマスク又は前記第二のパターン化されたマスクは、グレースケールパターンを含む請求項9又は12記載の方法。
【請求項14】
前記第一のパターン化されたマスク又は前記第二のパターン化されたマスクは、非周期的な及び/又は非対称的なパターンを含む請求項9又は12記載の方法。
【請求項15】
前記反射材を提供するステップは、更に、蒸発された金属の粒子を前記層の前記選択された表面の部分の上に堆積させるステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記金属の粒子は、前記基板の外側表面に対するあるかすめ角にて堆積される請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記反射材を設けるステップは、更に、
反射フレークを含む溶液を提供するステップと、
前記溶液を蒸発させ、これによって、前記架橋結合された層の前記選択された表面部分の上にランダムに分散された前記反射フレークを残すステップと、
を含む請求項1記載の方法。
【請求項18】
反射形又は透過反射形LCDデバイスであって、
正面基板と背面基板との間のセルを含み、このセルは、液晶材の活性層と、前記活性層によって変調された周囲光を見る人に向けて反射させるための反射器とを含み、
前記反射器は、フォトエンボス工程を用いて表面レリーフが設けられたポリマー表面を有し、このポリマー表面の少なくも一部には反射材が設けられる反射形又は透過反射形LCDデバイス。
【請求項19】
前記表面レリーフは、第一と第二の傾斜する表面部分を含む隆起構造を備えている請求項18記載の反射形又は透過反射形LCDデバイス。
【請求項20】
前記反射材は前記第一の傾斜する表面部分上に設けられ、前記第二の傾斜する表面部分は本質的にバックライトからの光を通過させるための開口を規定する請求項19記載の反射形又は透過反射形LCDデバイス。
【請求項21】
前記表面レリーフは、実質的に、前記セルの反射部分と透過部分との間のセルギャップにおける差を定義し、前記反射材は実質的に、前記表面の、前記反射部分に対応する部分の上に設けられる請求項18記載の反射形又は透過反射形LCDデバイス。
【請求項1】
反射形又は透過反射形液晶ディスプレイデバイス用の反射器を製造する方法であって、
光拡散性モノマーを含む混合物を含む層を設けるステップと、
前記混合物を前記層内にフォトエンボス加工される構造を現像するための第一のパターンに従って選択的に照射するステップと、
前記混合物を架橋結合させるステップと、
前記フォトエンボス加工された層の少なくとも選択されたある表面部分に反射材を設けるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記混合物は、更に、ポリマーを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記光拡散性モノマーは、重合の後、架橋結合されたポリマー網を形成する少なくとも1つの重合可能な基を含むモノマーである請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記混合物は、更に、前記照射ステップの後に前記層の少なくとも照射されなかったあるエリア内に残されている光拡散性モノマーを熱的に架橋結合させるための熱イニシエータを含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
更に、前記フォトエンボス加工された構造をある上昇された温度にて強化するために、前記照射ステップの後に前記混合物を加熱するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記上昇された温度は、少なくとも摂氏60度である請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記上昇された温度は、約摂氏130度である請求項4及び6記載の方法。
【請求項8】
前記光拡散性モノマー及び/又は前記ポリマーは、アクリレート化合物である請求項1又は2記載の方法。
【請求項9】
前記混合物は、第一のパターン化されたマスクを通じて照射される請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記混合物は、ホログラフィック露光を用いて照射される請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、更に、前記層を第二のパターンに従って選択的に照射するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記混合物は、前記第一のパターン化されたマスクを通じて照射された後に、第二のパターン化されたマスクを通じて照射される請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第一のパターン化されたマスク又は前記第二のパターン化されたマスクは、グレースケールパターンを含む請求項9又は12記載の方法。
【請求項14】
前記第一のパターン化されたマスク又は前記第二のパターン化されたマスクは、非周期的な及び/又は非対称的なパターンを含む請求項9又は12記載の方法。
【請求項15】
前記反射材を提供するステップは、更に、蒸発された金属の粒子を前記層の前記選択された表面の部分の上に堆積させるステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記金属の粒子は、前記基板の外側表面に対するあるかすめ角にて堆積される請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記反射材を設けるステップは、更に、
反射フレークを含む溶液を提供するステップと、
前記溶液を蒸発させ、これによって、前記架橋結合された層の前記選択された表面部分の上にランダムに分散された前記反射フレークを残すステップと、
を含む請求項1記載の方法。
【請求項18】
反射形又は透過反射形LCDデバイスであって、
正面基板と背面基板との間のセルを含み、このセルは、液晶材の活性層と、前記活性層によって変調された周囲光を見る人に向けて反射させるための反射器とを含み、
前記反射器は、フォトエンボス工程を用いて表面レリーフが設けられたポリマー表面を有し、このポリマー表面の少なくも一部には反射材が設けられる反射形又は透過反射形LCDデバイス。
【請求項19】
前記表面レリーフは、第一と第二の傾斜する表面部分を含む隆起構造を備えている請求項18記載の反射形又は透過反射形LCDデバイス。
【請求項20】
前記反射材は前記第一の傾斜する表面部分上に設けられ、前記第二の傾斜する表面部分は本質的にバックライトからの光を通過させるための開口を規定する請求項19記載の反射形又は透過反射形LCDデバイス。
【請求項21】
前記表面レリーフは、実質的に、前記セルの反射部分と透過部分との間のセルギャップにおける差を定義し、前記反射材は実質的に、前記表面の、前記反射部分に対応する部分の上に設けられる請求項18記載の反射形又は透過反射形LCDデバイス。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【公表番号】特表2007−530988(P2007−530988A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520095(P2006−520095)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051231
【国際公開番号】WO2005/008321
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051231
【国際公開番号】WO2005/008321
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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