説明

反射構造体及び画像表示装置

高さの異なる部分(K1、K2)を有する下地面(Sf)を複数有する支持体と、この支持体に形成されx方向に起伏部ピッチ(Tx)で並ぶ複数の起伏部(18乃至128)と、複数の反射電極(Er1、・・・、Eg6)とを有する反射電極基板(1)であって、複数の下地面(Sf)がx方向に画素ピッチ(Sx)で並び、起伏部ピッチ(Tx)が画素ピッチ(Sx)の非整数倍である反射電極基板(1)。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対応する位置に凹部又は凸部を有する複数の第1の起伏面であって、第1の方向に第1の起伏面ピッチで並ぶ複数の第1の起伏面を有する第1の基体、及び上記第1の基体に形成された反射手段を有する反射構造体に関する。
本発明は、対応する位置に凹部又は凸部を有し複数の起伏面方向に並ぶ複数の起伏面を有する第2の基体、及び上記第2の基体に形成された反射手段を有する反射構造体にも関する。
本発明は、更に、斯かる反射構造体を有する画像表示装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などのモバイル機器は、画像を高精細で表示することが要求されており、これに伴い高精細画像の表示が可能なモバイル機器が急速に普及している。しかしながら、このようなモバイル機器の画面に表示された画像を見ると、画面を見ているユーザは、画面上に、いわゆる色付き(以下、単に「色付き」と呼ぶ)を認識する場合がある。このような色付きは、特にモバイル機器を屋外で使用した場合に顕著に表れる。色付きは、ユーザが画面上に表示された画像を見るときの妨害となるので、色付きを解消又は低減することが要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、色付きの解消又は低減が図られた反射構造体及びこの反射構造体が適用された画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成する本発明の反射構造体は、互いに対応する位置に凹部又は凸部を有する複数の第1の起伏面であって、第1の方向に第1の起伏面ピッチで並ぶ複数の第1の起伏面を有する第1の基体、及び上記第1の基体に形成された反射手段を有する反射構造体であって、上記第1の基体が、高さの異なる部分を有する第1の下地面を複数有する第1の支持体、及び上記第1の支持体に形成された複数の第1の起伏部であって、上記複数の第1の起伏面のうちの対応する第1の起伏面を有する複数の第1の起伏部、を有し、上記複数の第1の下地面が、上記第1の方向に第1の下地面ピッチで並び、上記第1の起伏面ピッチ及び第1の下地面ピッチのうちの大きい方のピッチが、小さい方のピッチの非整数倍である。このような構成によって、色付きを解消又は低減することができる。
【0005】
本発明の反射構造体では、上記複数の第1の起伏部が、上記第1の起伏面ピッチと同じ第1の起伏部ピッチで並んでいてもよい。
【0006】
本発明の反射構造体では、上記複数の第1の起伏部が繋がっていてもよい。
【0007】
本発明の反射構造体では、上記第1の下地面ピッチを第1の画素ピッチとすることができる。
【0008】
本発明の反射構造体では、上記反射手段が、上記第1の方向に上記第1の画素ピッチで並んでいてもよい。
【0009】
本発明の反射構造体では、上記第1の支持体が、上記第1の方向に上記第1の画素ピッチで並ぶ複数の第1の導電ライン、及び上記第1の方向に上記第1の画素ピッチで並ぶ複数の第1の駆動素子であって、上記複数の第1の導電ラインのうちの対応する第1の導電ラインから、上記複数の第1の反射板のうちの対応する第1の反射板にデータを供給するための複数の第1の駆動素子、を有することができる。このような構造により、起伏部の対応する凸部の高さをばらつかせることができる。
【0010】
本発明の反射構造体では、上記第1の基体が、互いに対応する位置に凹部又は凸部を有する複数の第2の起伏面であって、第2の方向に第2の起伏面ピッチで並ぶ複数の第2の起伏面を有することができる。
【0011】
本発明の反射構造体では、上記第1の支持体が、高さの異なる部分を有する第2の下地面を複数有し、上記第1の基体が、上記第1の支持体に形成された複数の第2の起伏部であって、上記複数の第2の起伏面のうちの対応する第2の起伏面を有する複数の第2の起伏部を有し、上記複数の第2の下地面が、上記第2の方向に第2の下地面ピッチで並び、上記第2の起伏面ピッチ及び第2の下地面ピッチのうちの大きい方のピッチが、小さい方のピッチの非整数倍とすることができる。
【0012】
本発明の反射構造体では、上記複数の第2の起伏部が、上記第2の起伏面ピッチと同じ第2の起伏部ピッチで並んでいてもよい。
【0013】
本発明の反射構造体では、上記複数の第2の起伏部が繋がっていてもよい。
【0014】
本発明の反射構造体では、上記第2の下地面ピッチを第2の画素ピッチとすることができる。
【0015】
本発明の反射構造体では、上記第1の支持体が、上記第2の方向に上記第2の画素ピッチで並ぶ複数の第2の導電ライン、及び上記第2の方向に上記第2の画素ピッチで並ぶ複数の第2の駆動素子であって、上記複数の第2の導電ラインのうちの対応する第2の導電ラインにより制御される複数の第2の駆動素子、を有することができる。
【0016】
本発明の反射構造体では、上記反射手段が、上記複数の第2の駆動素子に対応して備えられた複数の第2の反射板を有することができる。
【0017】
本発明の反射構造体では、上記第2の起伏面が、上記第1の起伏面の凸部又は凹部に対応する位置に凹部又は凸部を有することができる。
【0018】
本発明の反射構造体では、上記第1及び第2の方向が、それぞれ行方向及び列方向とすることができる。
【0019】
また、本発明の別の反射構造体では、対応する位置に凹部又は凸部を有し複数の起伏面方向に並ぶ複数の起伏面を有する第2の基体、及び上記第2の基体に形成された反射手段を有する反射構造体であって、上記第2の基体が、高さの異なる部分を有する下地面を複数有する第1の支持体、及び上記第1の支持体に形成された複数の起伏部であって、上記複数の起伏面のうちの対応する起伏面を有する複数の起伏部、を有し、上記複数の下地面が、上記複数の下地面方向のうちの第1の下地面方向に、最も小さい第1の下地面ピッチで並び、上記複数の下地面方向のうちの第2の下地面方向に、上記第1の下地面ピッチと同じ又は上記第1の下地面ピッチの次に小さい第2の下地面ピッチで並び、上記複数の起伏面が、上記複数の起伏面方向のうちの第1の起伏面方向に、最も小さい第1の起伏面ピッチで並び、上記複数の起伏面方向のうちの第2の起伏面方向に、上記第1の起伏面ピッチと同じ又は上記第1の起伏面ピッチの次に小さい第2の起伏面ピッチで並び、上記第1及び第2の起伏面方向のうちの少なくとも一方が、上記第1及び第2の下地面方向とは異なる方向とする。このような構成によって、色付きを解消又は低減することができる。
【0020】
本発明の別の反射構造体では、上記複数の第1の起伏部が繋がっていてもよい。
【0021】
本発明の別の反射構造体では、上記第1の下地面ピッチを第1の画素ピッチとすることができる。
【0022】
本発明の別の反射構造体では、上記反射手段が、上記第1の方向に上記第1の画素ピッチで並ぶ複数の第1の反射板を有することができる。
【0023】
本発明の別の反射構造体では、上記第1の支持体が、上記第1の方向に上記第1の画素ピッチで並ぶ複数の第1の導電ライン、及び上記第1の方向に上記第1の画素ピッチで並ぶ複数の第1の駆動素子であって、上記複数の第1の導電ラインのうちの対応する第1の導電ラインから、上記複数の第1の反射板のうちの対応する第1の反射板にデータを供給するための複数の第1の駆動素子、を有することができる。
【0024】
本発明の別の反射構造体では、上記第2の支持体が、上記第2の方向に上記第2の画素ピッチで並ぶ複数の第2の導電ライン、及び上記第2の方向に上記第2の画素ピッチで並ぶ複数の第2の駆動素子であって、上記複数の第2の導電ラインのうちの対応する第2の導電ラインにより制御される複数の第2の駆動素子、を有することができる。
【0025】
本発明の別の反射構造体では、上記反射手段が、上記複数の第2の駆動素子に対応して備えられた複数の第2の反射板を有することができる。
【0026】
尚、反射手段は、第1の方向に延在する反射ラインを有していてもよい。
【0027】
また、本発明の画像表示装置は、上記の反射構造体を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の反射構造体の第1実施例である、反射電極Eを有する反射電極基板1を示す斜視図である。この反射電極基板1は、例えば、液晶表示装置などの画像表示装置を構成する基板として用いることができる。
【0029】
この反射電極基板1は、行列状に配された多数の反射電極Eと、外部回路に接続するための端子部TGを有する。
【0030】
図2は、図1に示す領域Fの拡大平面図である。
【0031】
反射電極基板1は、表面に凹凸を有する有機膜8を備えている。この有機膜8の上に反射電極Er1等が形成されている。有機膜8が凹凸を有するので、それに応じて、反射電極も凹凸を有する。図2では、赤の画像を表示するための反射電極Er1、緑の画像を表示するための反射電極Eg1、青の画像を表示するための反射電極Eb1等が、x方向(行方向)及びy方向(列方向)にそれぞれ画素ピッチSx及びSyで順に並んでいる。ここで、有機膜8の凹凸パターンは、サブ画素領域とは独立して設計されていることに注意されたい。この実施例では、有機膜8の凹凸パターンをサブ画素領域とは独立して設計することによって、後述するように、有機膜8の凹凸パターンを容易に設計することが達成され、更に、観測者が反射電極基板1を見たときにほとんど色付きを認識しないようにすることも達成されている。以下、この反射電極基板1の製造方法について説明する。
【0032】
まず、反射電極基板1を製造するに当たって、ガラス基板上の各画素領域毎にTFTを形成する。
【0033】
図3は、各画素領域にTFTが形成された基板を示す平面図である。
【0034】
図3には、x及びy方向にそれぞれ画素ピッチSx及びSyで並ぶサブ画素領域Ar1、Ag1及びAb1等が一点鎖線で囲まれている。各サブ画素領域には、TFTが形成されている。斯かるTFTは、ガラス基板に、ゲート電極2、ゲートライン3、半導体層4、ソース電極5、ソースライン6、及びドレイン電極7等を形成することによって製造される。ゲートライン3はy方向に画素ピッチSyで並んでおり、ソースライン6は、x方向に画素ピッチSxで並んでいる。また、TFTは、x方向及びy方向にそれぞれ画素ピッチSx及びSyで並んでいる。
【0035】
図4は、図3のサブ画素領域Ar1のIV−IVラインに沿う断面図である。
【0036】
ガラス基板50上にはソースライン6が形成されているので、ソースライン6形成後の基板の表面は、z方向の位置が相対的に異なる部分K1及びK2を有する面(以下、「下地面」という)Sfを有する。図4には、ソースライン6によって形成される部分K1が示されているが、ゲートライン2及びTFTによってもz方向の位置が相対的に異なる部分が形成されることに注意されたい。また、本実施例では、矩形状起伏部81の下にCsラインは形成されていないが、Csラインが形成されているとすると、このCsラインによっても、高さが異なる部分が形成される。ここで、斯かる部分K1及びK2を有する下地面Sfを構成する要因となるTFT、ゲートライン3及びソースライン6等は、図3に示すように、x方向及びy方向にそれぞれ画素ピッチSx及びSyで並んでいることに注意されたい。このような理由で、図4に示す部分K1及びK2を有する下地面Sfは、サブ画素領域Ar1以外の他のサブ画素領域にも形成され、その結果、図4に示すような下地面Sfは、x方向及びy方向にそれぞれ画素ピッチSx及びSyで並んでいることにも注意されたい。
【0037】
図3に示すように、各サブ画素領域にTFTを形成した後、表面に凹凸を有する反射電極を形成する目的で、反射電極を形成する前に、凹凸の起伏面を有する有機膜を形成する(図5参照)。
【0038】
図5は、凹凸の起伏面を有する有機膜8が形成された基板の平面図である。
【0039】
有機膜8は、後に形成される反射電極をドレイン電極に接続するためのコンタクトホールCHを有している。更に、有機膜8は、凹凸を有する多数の起伏部を有している。図5には、これら多数の起伏部のうちの代表して12個の起伏部18乃至128が、実線で区分けされて示されている。この有機膜8は、例えば、単層膜として形成してもよく、又は多数の突起とその突起を覆う平坦化膜との組み合わせによって形成してもよい。
【0040】
図6は、図4に示す各起伏部18乃至128が有する凹部及び凸部のxy面内における分布パターンを示す図である。
【0041】
図6に示す白色の多角形は凸部を示し、白色の多角形に挟まれた太線は凹部を表している。凸部は起伏部内にランダム配置され、凹部は、凸部の間を縫うように広がっている。有機膜8の起伏部は、いずれの起伏部も、基本的には図6に示す凹凸分布を有しているが、起伏部内にコンタクトホールCHが必要な場合は、図6に示す凹凸パターンに、コンタクトホールCHが追加されることに注意されたい。例えば、x方向に並ぶ4つの起伏部38、68、98及び128は、コンタクトホールCHが不要であるので、図6に示す凹凸分布を有するが、一方、その他の8個の起伏部18、28、48、58、78、88、108、118は、コンタクトホールCHが必要であるので、図6に示す凹凸パターンに対してコンタクトホールCHが追加される。例えば、起伏部18の凹凸分布は、図7のように示される。図7では、図6と異なり、2つのサブ画素領域Ar1及びAg1内のドレイン電極に対応して、2つのコンタクトホールCHが追加されている。但し、コンタクトホールCHが追加されていることを除けば、xy面内において図6の凹凸分布と図7の凹凸分布は同じであることにも注意されたい。尚、起伏部の凹凸パターンは、上記の凹凸パターンに限られず、例えば、図6に示す凹凸パターンを反転させたようなパターンであってもよい。また、図6及び図7に示すように、起伏部は略矩形状であるが、別の形状(例えば、略六角形状)であってもよい。
【0042】
このような凹凸パターンを有する起伏部18乃至128は、図5に示すように行列状に並んでいる。これら起伏部18乃至128は、x方向には起伏部ピッチTxで並び、y方向には起伏部ピッチTyで並んでおり、その結果、x方向及びy方向に対して斜めのds方向には起伏部ピッチTsで並んでいる。起伏部ピッチTx及びTyはそれぞれ画素ピッチSx及びSyとは異なっている。また、起伏部ピッチTxは画素ピッチSxより大きく、起伏部ピッチTyは画素ピッチSyより小さい。ここで、起伏部ピッチTxは画素ピッチSxの整数倍とはならないように規定され、起伏部ピッチTyは、このピッチTyを整数倍しても画素ピッチSyとはならないように規定されていることに注意されたい。第1実施例では、Tx=(17/8)Sxに規定され、Ty=(17/23)Syに規定されているが、これに限定されないことに注意されたい。上記のように規定された起伏部を有する有機膜8を形成した後、図2に示すように反射電極Er1、Eg1、及びEb1等が形成される。反射電極Er1、Eg1、及びEb1等は起伏部を有する有機膜8に形成されるので、反射電極も、有機膜8の起伏部の凹凸パターンに対応した凹凸パターンを有する。
【0043】
上記のように、有機膜8の起伏部ピッチTx及びTyと、画素ピッチSx及びSyとの関係は、整数倍ではなく、非整数倍の関係である。起伏部ピッチと画素ピッチとの関係を非整数倍に規定することによって、反射電極基板1上に認識される色付きを効果的に低減することができる。以下、この理由について、有機膜が画素ピッチに対して整数倍のピッチで並ぶ起伏部を有する場合と比較しながら説明する。
【0044】
図8は、画素ピッチSx及びSyに対してそれぞれ整数倍の起伏部ピッチTx’及びTy’で並ぶ起伏部を有する有機膜80が形成された後の基板の平面図である。
【0045】
有機膜80は矩形状起伏部、第1の直線状起伏部、及び第2の直線状起伏部を有している。図8には、代表して、8つの矩形状起伏部81乃至88と、これら8つの矩形状起伏部81乃至88の間に連なり、x方向に延在する第1の直線状起伏部91及びy方向に延在する第2の直線状起伏部92とが示されている。矩形状起伏部81乃至88は、x方向に画素ピッチSxに対して2倍の起伏部ピッチTx’(=2Sx)で並び、y方向に画素ピッチSyと同じ起伏部ピッチTy’(=Sy)で並んでいる。従って、第1の直線状起伏部91及び第2の直線状起伏部92も、x方向に起伏部ピッチTx’(=2Sx)で並びy方向に起伏部ピッチTy’(=Sy)で並んでいる。尚、図8に示されていない領域にも、図8に示されている起伏部と同じ凹凸パターンを有する起伏部が広がっている。
【0046】
図9は、図8に示す有機膜80が有する矩形状起伏部81の拡大詳細図である。
【0047】
矩形状起伏部81は、2つのサブ画素領域のほぼ全体に渡って形成されている。矩形状起伏部81は、ランダムに配された多数の凸部81a、81b・・・81zと、これら多数の凸部81a、81b・・・81zの間を縫うように広がる凹部811を有している。図9では、凸部81a、81b・・・81zは白色の多角形で示されており、凹部811はハッチングで示されている。また、矩形状起伏部81は、2つのコンタクトホールCHを有している。その他の矩形状起伏部82乃至88も、図9に示す凹凸パターンと同じ凹凸パターンを有している。このように、矩形状起伏部は図9に示す凹凸パターンを有するが、図8では、図面の見易さの観点から、各矩形状起伏部には、一部の凸部しか示されていないことに注意されたい。
【0048】
また、図8に示す矩形状起伏部は、起伏部ピッチTx’及びTy’がそれぞれ画素ピッチSx及びSyの整数倍であるので、図5に示す矩形状起伏部とは異なり、全ての矩形状起伏部が対応する位置に2つのコンタクトホールCHを有している。
【0049】
また、x方向に延在する第1の直線状起伏部91は同一の凹凸パターンを有しており、y方向に延在する第2の直線状起伏部92も同一の凹凸パターンを有している。
【0050】
図10は、図8の矩形状起伏部81のサブ画素領域Ar1側に存在する6個の凸部81a乃至81fの概略断面図である。
【0051】
矩形状起伏部81は、高さの異なる部分K1及びK2を有する下地面Sf(図4参照)に形成されるので、矩形状起伏部81の凸部のz方向の位置は矩形状起伏部81内でばらつく。矩形状起伏部81の凸部は、部分K1に近づくほどz方向の位置が高くなり、部分K1から離れるほどz方向の位置が低くなる。従って、図10に示す6個の凸部81a乃至81fを比較すると、凸部81aから凸部81b及び81cに向かうにつれてz方向の位置は低くなっており、凸部81dから凸部81e及び81fに向かうにつれて、z方向の位置は高くなっている。尚、図10では、矩形状起伏部81は、高さが異なる部分K1及びK2を覆っているが、このような高さが異なる部分は、例えばゲートラインによっても形成されているので、矩形状起伏部81の凸部は、ゲートラインに近づくほどz方向の位置は高くなる。このように、矩形状起伏部81の凸部は、図8に示すxy面内のどの位置に形成されているかによって、z方向の位置がばらついていることに注意されたい。
【0052】
また、矩形状起伏部81乃至88は図9に示す共通の凹凸パターンを有するので、矩形状起伏部81乃至88をxy面内において重ね合わせると、重なり合う凸部が生じることに注意されたい。例えば、矩形状起伏部81の凸部81aは、別の矩形状起伏部83の凸部83aと重なり合う。以下では、このように重なり合う凸部を、対応する凸部と規定し、対応する凸部には同じアルファベットを付している。例えば、矩形状起伏部81の凸部81aと、矩形状起伏部83の凸部83aは、ともにアルファベット「a」が付されているので、対応する凸部である。また、矩形状起伏部81以外の矩形状起伏部も、図4に示す下地面Sfと同様の下地面に形成されるため、対応する凸部は、z方向の位置が同じとなる。このことが図11に示されている。
【0053】
図11は、図8に示す矩形状起伏部81内の2つの凸部81a及び81bと、それぞれに対応する矩形状起伏部83内の2つの凸部83a及び83bとを含む断面図である。
【0054】
矩形状起伏部81の凸部81aは、矩形状起伏部83の凸部83aに対応しているのでz方向の高さは一致する。同様に、矩形状起伏部81の凸部81bは、矩形状起伏部83の凸部83bに対応しているのでz方向の高さは一致する。従って、矩形状起伏部81内の凸部81aと81bとの高低差をΔHとすると、矩形状起伏部83内の凸部83aと83bとの高低差もΔHとすることができる。従って、矩形状起伏部83の凸部は、矩形状起伏部81の凸部とz方向に実質的に同じ高さ分布を有する。これに伴なって、矩形状起伏部83の凹部も、矩形状起伏部81の凹部とz方向に実質的に同じ高さ分布を有する。同様に、他の矩形状起伏部の凸部及び凹部も、それぞれ矩形状起伏部81の凸部及び凹部とz方向に実質的に同じ高さ分布を有する。
【0055】
このような同一の凹凸パターンの矩形状起伏部を有する有機膜80を形成した後、反射電極を形成する(図12参照)。
【0056】
図12は、反射電極Er1、Eg1及びEb1等が形成された基板の平面図である。尚、図12では、ソースライン等は図示省略されている。
【0057】
1つの矩形状起伏部には2つの反射電極が形成される。図12には8個の矩形状起伏部81乃至88が示されているので、16個の反射電極Er1、Eg1及びEb1等が示されている。反射電極Er1、Eg1及びEb1等は矩形状起伏部81乃至88の形状に倣うように形成され、この結果、反射電極Er1、Eg1及びEb1にも矩形状起伏部81乃至88の凹凸パターンに対応した凹凸パターンが設けられる。矩形状起伏部81乃至88は同じ凹凸パターンを有し、しかも1つの矩形状起伏部に2つの反射電極が形成されるので、反射電極の凹凸パターンは2種類現れる。図12では、x方向に、2種類の凹凸パターンを有する反射電極が交互に現れる。また、図12には、反射電極が有する一部の凸部のみについて図示されている。具体的には、
(A)図8に示す矩形状起伏部81乃至88の対応する8個の凸部81a乃至88aにより形成される反射電極の8個の凸部p(81a)乃至p(88a)、
(B)図8に示す矩形状起伏部81乃至88の対応する8個の凸部81h乃至88hにより形成される反射電極の8個の凸部p(81h)乃至p(88h)、及び
(C)図8に示す矩形状起伏部81乃至88の対応する8個の凸部81i乃至88iにより形成される反射電極の8個の凸部p(81i)乃至p(88i)、
が示されている。
【0058】
例えば、反射電極Er1には、2つの凸部p(81a)及びp(81h)のみが図示され、反射電極Eg1には、1つの凸部p(81i)のみが図示されている。ここで、反射電極の凸部を表す符号の( )内の文字は、その反射電極の凸部が、どの矩形状起伏部のどの凸部によって形成されているのかを表すために使用していることに注意されたい。例えば、反射電極の凸部が、矩形状起伏部81の凸部81aによって形成されている場合には符号「(81a)」が付され、矩形状起伏部83の凸部83aによって形成されている場合には符号「(83a)」が付される。その他の凸部についても同様である。
【0059】
図13は、図12に示す反射電極Er1の凸部p(81a)及び反射電極Eb1の凸部p(83a)を含む一部断面図である。
【0060】
反射電極Er1及びEb1の凸部p(81a)及びp(83a)は、それぞれ矩形状起伏部81及び83の凸部81a及び83aにより形成される。これら矩形状起伏部81及び83の凸部81a及び83aは、同じアルファベット「a」が付されているので対応した凸部であり、図11を参照しながら説明したように、z方向において同一の高さを有する。反射電極Er1及びEb1の膜厚は実質的に均一であり、従って、反射電極Eb1の凸部p(83a)は、反射電極Er1の凸部p(81a)とz方向に同一の高さを有する。図13には図示されていないが、その他の反射電極の凸部p(82a)、p(84a)、p(85a)、p(86a)、p(87a)及びp(88a)も、反射電極Er1の凸部p(81a)とz方向に同一の高さを有する。上記では、反射電極の凸部p(81a)乃至p(88a)について説明したが、他の反射電極の凸部も同様に説明される。図12では、8個の凸部p(81a)乃至p(88a)がz方向に同じ高さを有し、8個の凸部p(81h)乃至p(88h)がz方向に同一の高さを有し、更に、8個の凸部p(81i)乃至p(88i)がz方向に同一の高さを有する。
【0061】
上記のように、矩形状起伏部81乃至88を有する有機膜80(図8参照)に反射電極(図12参照)を形成することによって反射電極基板(以下、「従来基板」と呼ぶ)を製造する。次に、この従来基板に光を照射することによって従来基板に生じる色付きについて考察する。
【0062】
図14は、従来基板100に光を照射するときの説明図である。尚、図14に示す従来基板100には、外部回路に接続するための端子部が図示省略されていることに注意されたい。
【0063】
従来基板100の中心を通過してこの従来基板100に対して垂直に広がる仮想面SI内に、光源LS及び観測者HEを考える。光源LSから従来基板100に向けて光が照射される。従来基板100が有する各反射電極は多数の凸部を有するので、光源LSからの光は反射電極の多数の凸部で反射し、この反射光は互いに干渉しながら観測者HEに到達する。ここで、反射電極の凸部で反射した光の干渉をわかりやすく考察するために、光の干渉を、以下の3つの場合(1)、(2)及び(3)に分けて具体的に説明する。
(1)x方向に所定の間隔で並ぶ凸部で反射した光の干渉
この干渉を考えるために、図14の領域F内の反射電極について考える。
【0064】
図15は、図14に示す領域Fの拡大図である。
【0065】
図15には、図8に示す矩形状起伏部81乃至88の対応する8個の凸部81a乃至88aにより形成される反射電極の8個の凸部p(81a)乃至p(88a)が具体的に示されている。更に、これら8個の凸部p(81a)乃至p(88a)で反射し観測者HEに向かう8本の反射光L81a乃至L88aも示されている。反射電極の凸部p(81a)乃至p(88a)は、x方向に起伏部ピッチTx’(=2Sx)且つy方向に起伏部ピッチTy’(=Sy)で周期的に現れる。ここで、図15に示すような反射電極の凸部を従来基板100(図14参照)の全領域に渡って考え、x方向に起伏部ピッチTx’だけ離れて並ぶ2つの凸部で反射する光の干渉を、従来基板100の全領域に渡って考える。例えば、図15では、反射光L81aとL83aとの干渉、反射光L82aとL84aとの干渉、反射光L83aとL85aとの干渉、反射光L84aとL86aとの干渉、反射光L85aとL87aとの干渉、及び反射光L86aとL88aとの干渉を考える。このようなx方向に並ぶ2つの凸部で反射する光の干渉を、従来基板100の全領域に渡って考えると、この反射光の干渉によって、観測者HEは、以下のような色プロファイルを認識する。
【0066】
図16は、観測者HEが従来基板100上に認識する色プロファイルのシミュレーション結果である。
【0067】
観測者HEが認識する色プロファイルCxは、y方向に延在する帯状の色Cm-p乃至Cm+pがx方向に並んだ縦縞の模様を有する。この色Cm-p乃至Cm+pは、それぞれ、図14に示すy方向に延在する帯状の領域Ym-p乃至Ym+p内において観測者HEが認識する色である。例えば、色Cm及びCm+pは、それぞれ、領域Ym及びYm+p内で観測者HEが認識する色である。色Cmは実質的に白色であり、色Cmから等距離離れた色は、同じ色である。例えば、色Cm-xは色Cm+xと同じ色であり、色Cm-1は色Cm+1と同じ色である。さらに、色Cm以外の色は、色Cmから離れるにつれて、短波長側の色から長波長側の色が繰り返し現れるように変化する。
(2)y方向に所定の間隔で並ぶ凸部で反射した光の干渉
この干渉を考えるために、図14の領域F内の反射電極について再度考える。
【0068】
図17は、図14に示す領域Fの拡大図である。
【0069】
図17には、反射電極の8個の凸部p(81a)乃至p(88a)に加えて、図8に示す矩形状起伏部81乃至88の対応する8個の凸部81h乃至88hにより形成される反射電極の8個の凸部p(81h)乃至p(88h)も具体的に示されている。更に、8本の反射光L81a乃至L88aに加えて、8個の凸部p(81h)乃至p(88h)で反射し観測者HEに向かう8本の反射光L81h乃至L88hも示されている。反射電極の凸部p(81h)乃至p(88h)は、反射電極の凸部p(81a)乃至p(88a)と同様に、x方向に起伏部ピッチTx’(=2Sx)且つy方向に起伏部ピッチTy’(=Sy)で周期的に現れる。また、反射電極の凸部p(81h)乃至p(88h)は、それぞれ、反射電極の凸部p(81a)乃至p(88a)に対してy方向に距離Dyだけ離れている。ここで、図17に示すような反射電極の凸部を従来基板100(図14参照)の全領域に渡って考え、y方向に距離Dyだけ離れて並ぶ2つの凸部で反射する光の干渉を、従来基板100の全領域に渡って考える。例えば、図17では、反射光L81aとL81hとの干渉、反射光L82aとL82hとの干渉、反射光L83aとL83hとの干渉、...、反射光L87aとL87hとの干渉、及び反射光L88aとL88hとの干渉を考える。このようなy方向に距離Dyだけ離れて並ぶ2つの凸部で反射する光の干渉を、従来基板100の全領域に渡って考えると、この反射光の干渉によって、観測者HEは、以下のような色プロファイルを認識する。
【0070】
図18は、観測者HEが基板上に認識する色プロファイルのシミュレーション結果である。
【0071】
観測者HEは、x方向に延在する帯状の色Cm-q乃至Cm+qがy方向に並んだ横縞の模様を有する色プロファイルCyを認識する。この色Cm-q乃至Cm+qは、それぞれ、図14に示すx方向に延在する帯状の領域Xm-q乃至Xm+q内において観測者HEが認識する色である。例えば、色Cm及びCm+qは、それぞれ、領域Xm及びXm+q内で観測者HEが認識する色である。観測者HEが領域Xmで認識する色Cmは、図16に示す色Cmと同様に実質的に白色となる。色Cmから等距離離れた色は、同じ色である。例えば、色Cm-xは色Cm+xと同じ色であり、色Cm-1は色Cm+1と同じ色である。さらに、色Cm以外の色は、色Cmから離れるにつれて、短波長側の色から長波長側の色が繰り返し現れるように変化する。
(3)x方向及びy方向に対して斜め方向に所定の間隔で並ぶ凸部で反射した光の干渉
この干渉を考えるために、図14の領域F内の反射電極について再度考える。
【0072】
図19は、図14に示す領域Fの拡大図である。
【0073】
図19には、反射電極の8個の凸部p(81a)乃至p(88a)に加えて、図8に示す矩形状起伏部81乃至88の対応する8個の凸部81i乃至88iにより形成される反射電極の8個の凸部p(81i)乃至p(88i)も示されている。更に、8本の反射光L81a乃至L88aに加えて、8個の凸部p(81i)乃至p(88i)で反射し観測者HEに向かう8本の反射光L81i乃至L88iも示されている。反射電極の凸部p(81i)乃至p(88i)は、反射電極の凸部p(81a)乃至p(88a)と同様に、x方向に起伏部ピッチTx’(=2Sx)且つy方向に起伏部ピッチTy’(=Sy)で周期的に現れる。また、反射電極の凸部p(81i)乃至p(88i)は、それぞれ、反射電極の凸部p(81a)乃至p(88a)に対して、x方向及びy方向に対して斜めのdxy方向に距離Dxyだけ離れている。ここで、図19に示すような反射電極の凸部を従来基板100(図14参照)の全領域に渡って考え、dxy方向に距離Dxyだけ離れて並ぶ2つの凸部で反射する光の干渉を、従来基板100の全領域に渡って考える。例えば、図19では、反射光L81aとL81iとの干渉、反射光L82aとL82iとの干渉、反射光L83aとL83iとの干渉、...、反射光L87aとL87iとの干渉、及び反射光L88aとL88iとの干渉を考える。このようなdxy方向に距離Dxyだけ離れて並ぶ2つの凸部で反射する光の干渉を、従来基板100の全領域に渡って考えると、この反射光の干渉によって、観測者HEは、以下のような色プロファイルを認識する。
【0074】
図20は、観測者HEが基板上に認識する色プロファイルのシミュレーション結果である。
【0075】
観測者HEは、dxy方向に対して垂直のdxy’方向に延在する帯状の色Cm-r乃至Cm+rがdxy方向に並んだ斜め縞の模様を有する色プロファイルCxyを認識する。この色Cm-r乃至Cm+rは、それぞれ、図14に示すdxy’方向に延在する帯状の領域XYm-r乃至XYm+r内において観測者HEが認識する色である。例えば、色Cm及びCm+rは、それぞれ、領域XYm及びXYm+r内で観測者HEが認識する色である。観測者HEが領域XYmで認識する色Cmは、図16及び図18に示す色Cmと同様に実質的に白色となる。色Cmから等距離離れた色は同じ色である。例えば、色Cm-xは色Cm+xと同じ色であり、色Cm-1は色Cm+1と同じ色である。さらに、色Cm以外の色は、色Cmから離れるにつれて、短波長側の色から長波長側の色が繰り返し現れるように変化する。
【0076】
上記の説明では、色プロファイルCx、Cy、及びCxyは、別々に図示されているが、観測者HEは、実際には、色プロファイルCx、Cy及びCxyが重なった状態でこれら色プロファイルを認識する。そこで、色プロファイルCx、Cy及びCxyが重なった状態での色プロファイルについて考察する。
【0077】
図21は、色プロファイルCx、Cy及びCxyが重なった状態を示す図である。
【0078】
この図には、色プロファイルCx、Cy及びCxyのうち、同じ色である色Cm-x及びCm+xが斜線で示されている。各色プロファイルCx、Cy及びCxyは色Cm-x及びCm+xを有するので、各色プロファイルCx、Cy及びCxyの色Cm-x及びCm+xが重なると、その重なった部分では色Cm-x(Cm+x)が強調される。図21には、色プロファイルCx、Cy及びCxyのみが重なった状態が示されているが、図15、図17及び図19に示す凸部の組み合わせ以外の凸部の組み合わせでは、色プロファイルCx、Cy及びCxy以外の別の色プロファイルが考えられる。従って、凸部での反射光によって得られる色プロファイルを全て重ねると、従来基板100全体に渡って色Cm-x(Cm+x)が強調された部分が現れ、観測者HEはその強調された色Cm-x(Cm+x)を認識すると考えられる。その他の色(例えばCm+1及びCm-1)についても、観測者HEは、強調された色を認識すると考えられる。従って、観測者HEは、従来基板100を見たときに色付きを認識すると考えられる。
【0079】
尚、上記の説明では、反射電極の凸部で反射した光の干渉により生じる色プロファイルについて説明したが、反射電極の凹部で反射した光の干渉により生じる色プロファイルについても同様に説明できる。
【0080】
上記の考察から、観測者HEは、図16、図18及び図20に示すような縞模様を有する色プロファイルCx、Cy及びCxyの重なりによって、色付きを認識すると考えられる。従って、色付きを解消又は低減させる一つの方法として、図16、図18及び図20に示すような縞模様を有する色プロファイルが現れないようにすることが考えられる。そこで、次に、図16、図18及び図20に示すような縞模様を有する色プロファイルCx、Cy及びCxyが現れる理由を探るために、再度図14乃至図20を検討する。
【0081】
図16、図18及び図20に示す色プロファイルCx、Cy及びCxyは、それぞれ図15、図17、及び図19に示される反射光の干渉によって生じる。そこで、図15、図17及び図19での反射光の干渉について考えてみる。
【0082】
先ず、図15を参照する。図15では、x方向に起伏部ピッチTx’で並ぶ凸部で反射する反射光の干渉を考えるために、8本の反射光L81a乃至L88aが図示されている。ここで、8本の反射光L81a乃至L88aのうち、x方向に並ぶ4本の反射光L81a、L83a、L85a及びL87aについて考える。4本の反射光L81a、L83a、L85a及びL87aの光路長は異なり、反射光L81aとL83aとの光路差ΔLx1、反射光L83aとL85aとの光路差ΔLx2、反射光L85aとL87aとの光路差ΔLx3も異なる。この光路差ΔLx1、ΔLx2及びΔLx3の値は、この順で大きくなる。このように、x方向に並ぶ2つの凸部のペアにおいて反射する2本の反射光の光路差は、その反射光が反射する凸部のペアの位置によって異なる。これまでは、4本の反射光L81a、L83a、L85a及びL87aの光路差について説明したが、残りの4本の反射光L82a、L84a、L86a及びL88aの光路差も同様である。しかしながら、x方向に並ぶ凸部のペアにおける反射光の光路差は、この凸部のペアの位置がy方向(x方向に対し垂直)に移動しても、同じ光路差であることに注意されたい。例えば、図15では、凸部p(82a)及びp(84a)のペアは、凸部p(81a)及びp(83a)のペアに対して相対的にy方向に移動した位置に存在しているので、反射光L82a及びL84aの光路差(ΔLx1)は、反射光L81a及びL83aの光路差(ΔLx1)に等しい。同様に、反射光L84a及びL86aの光路差(ΔLx2)は反射光L83a及びL85aの光路差(ΔLx2)に等しく、反射光L86a及びL88aの光路差(ΔLx3)は反射光L85a及びL87aの光路差(ΔLx3)に等しい。従って、凸部のペアの位置がy方向にずれても、反射光の光路差が同一であることに注意されたい。以上のことから、y方向には、同じ光路差を生じさせる凸部のペアが並び、y方向とは異なる方向(例えばx方向)には、異なる光路差を生じさせる凸部のペアが並ぶことがわかる。干渉光が呈する色は光路差に依存するので、観測者HEは、光路差が同じであることに起因してy方向には同じ色を認識し、光路差が異なることに起因してy方向とは異なる方向(例えばx方向)には異なる色を認識し、その結果、図16に示す縦縞の色プロファイルCxを認識すると考えられる。尚、或る凸部のペアと別の凸部のペアがx方向に異なる位置に存在していても、従来基板100の領域Ym-p乃至Ym+p(図14参照)のうちの同一の領域に存在しているのであれば(図15において、例えば、凸部p(81a)及びp(83a)のペアと、凸部p(83a)及びp(85a)のペア)、或る凸部のペアで反射する反射光の光路差と別の凸部のペアで反射する反射光の光路差との違いはごく僅かであることに注意されたい。光路差の違いがごく僅かである場合(例えば、ΔLx1とΔLx2)、呈する色は似ているので、通常、観測者HEは色の違いを識別できず、実質的に同一の色と認識する。従って、観測者HEは、通常、各色Cm-p乃至Cm+pの幅Wc(図16参照)を、2つの凸部の間の距離2Sx(画素ピッチSxの2倍)よりも大きい幅として認識することに注意されたい。
【0083】
次に、図17を参照する。図17では、y方向に距離Dyだけ離れて並ぶ2つの凸部で反射する反射光の干渉を考えるために、8本の反射光L81a乃至L88aと8本の反射光L81h乃至L88hが図示されている。ここで、y方向に並ぶ4本の反射光L81h、L81a、L82h及びL82aについて考えると、反射光L81aとL81hとの光路差(ΔLy1)は、反射光L82aとL82hとの光路差(ΔLy2)とは異なる。このように、y方向に隣り合う凸部での反射光の光路差は、その反射光が反射する凸部の位置によって異なる。y方向に並ぶその他の反射光の光路差も、4本の反射光L81h、L81a、L82h及びL82aの光路差と同様に説明される。しかしながら、y方向に並ぶ凸部のペアにおける反射光の光路差は、この凸部のペアの位置がx方向(y方向に対し垂直)に移動しても、同じ光路差であることに注意されたい。例えば、図17では、凸部p(83a)及びp(83h)のペアは、凸部p(81a)及びp(81h)のペアに対して相対的にx方向に移動した位置に存在しているので、反射光L83aとL83hとの光路差(ΔLy1)は、反射光L81aとL81hとの光路差(ΔLy1)に等しい。同様に、反射光L85aとL85hとの光路差、及び反射光L87aとL87hとの光路差も、反射光L81aとL81hとの光路差に等しい。一方、凸部p(84a)及びp(84h)のペアは、凸部p(82a)及びp(82h)のペアに対して相対的にx方向に移動した位置に存在しているので、反射光L84a及びL84hの光路差(ΔLy2)は、反射光L82a及びL82hの光路差(ΔLy2)に等しい。同様に、反射光L86aとL86hとの光路差、及び反射光L88aとL88hとの光路差も、反射光L82aとL82hとの光路差に等しい。従って、凸部のペアの位置がx方向にずれても、反射光の光路差が同一であることに注意されたい。以上のことから、x方向には、同じ光路差を生じさせる凸部のペアが並び、x方向と異なる方向(例えばy方向)には、異なる光路差を生じさせる凸部のペアが並ぶことがわかる。干渉光が呈する色は光路差に依存するので、観測者HEは、光路差が同じであることに起因してx方向には同じ色を認識し、光路差が異なることに起因してx方向と異なる方向(例えばy方向)には異なる色を認識し、その結果、図18に示す横縞の色プロファイルCyを認識すると考えられる。尚、或る凸部のペアと別の凸部のペアがy方向に異なる位置に存在していても、従来基板100の領域Xm-q乃至Xm+q(図14参照)のうちの同一の領域に存在しているのであれば(図17において、例えば、凸部p(81a)及びp(81h)のペアと、凸部p(82a)及びp(82h)のペア)、或る凸部のペアで反射する反射光の光路差と別の凸部のペアで反射する反射光の光路差との違いはごく僅かであることに注意されたい。光路差の違いがごく僅かである場合(例えば、ΔLy1とΔLy2)、呈する色は似ているので、通常、観測者HEは色の違いを識別できず、実質的に同一の色と認識する。従って、観測者HEは、通常、各色Cm-q乃至Cm+qの幅Wc(図18参照)を、2つの凸部の間の距離Dyよりも大きい幅として認識することに注意されたい。
【0084】
次に、図19を参照する。図19では、dxy方向に距離Dxyで並ぶ凸部で反射する反射光の干渉を考えるために、8本の反射光L81a乃至L88aと8本の反射光L81i乃至L88iが図示されている。ここで、反射光L81a及びL81iと、反射光L83a及びL83iについて考える。反射光L81aとL81iとの光路差ΔLxy1及び反射光L83aとL83iとの光路差ΔLxy2は互いに異なる。しかしながら、dxy方向に並ぶ凸部のペアにおける反射光の光路差は、この凸部のペアの位置がdxy’方向(dxy方向に対し垂直)に移動しても、同じ光路差であることに注意されたい。例えば、図19では、凸部p(86a)及びp(86i)のペアは、凸部p(81a)及びp(81i)のペアに対して相対的にdxy’方向に移動した位置に存在しており、従って、反射光L86a及びL86iの光路差(ΔLxy1)は、反射光L81a及びL81iの光路差(ΔLxy1)に等しい。同様に、凸部p(88a)及びp(88i)のペアは、凸部p(83a)及びp(83i)のペアに対して相対的にdxy’方向に移動した位置に存在しており、従って、反射光L88a及びL88iの光路差(ΔLxy2)は、反射光L83a及びL83iの光路差(ΔLxy2)に等しい。従って、凸部のペアの位置がdxy’方向にずれても、反射光の光路差が同一であることに注意されたい。以上のことから、dxy’方向には、同じ光路差を生じさせる凸部のペアが並び、dxy’方向とは異なる方向(例えばdxy方向)には、異なる光路差を生じさせる凸部のペアが並ぶことがわかる。干渉光が呈する色は光路差に依存するので、観測者HEは、光路差が同じであることに起因してdxy’方向には同じ色を認識し、光路差が異なることに起因してdxy’方向とは異なる方向(例えばdxy方向)には異なる色を認識し、その結果、図20に示す斜め縞の色プロファイルCxyを認識すると考えられる。尚、或る凸部のペアと別の凸部のペアがdxy方向に異なる位置に存在していても、従来基板100の領域XYm-r乃至XYm+r(図14参照)のうちの同一の領域に存在しているのであれば(図19において、例えば、凸部p(82a)及びp(82i)のペアと、凸部p(83a)及びp(83i)のペア)、或る凸部のペアで反射する反射光の光路差と別の凸部のペアで反射する反射光の光路差との違いはごく僅かであることに注意されたい。光路差の違いがごく僅かである場合(例えば、ΔLxy1とΔLxy2)、呈する色は似ているので、通常、観測者HEは色の違いを識別できず、実質的に同一の色と認識する。従って、観測者HEは、通常、各色Cm-r乃至Cm+rの幅Wc(図20参照)を、2つの凸部の間の距離Dxyよりも大きい幅として認識することに注意されたい。
【0085】
上記の考察によれば、図16、図18及び図20に示すような縞模様を有する色プロファイルCx、Cy及びCxyが現れる原因は、従来基板100上の帯状領域に、所定方向に並ぶ2つの凸部のペアが繰り返し現れることが原因と考えられる。従って、このような凸部のペアが繰り返し現れないようにすれば、色付きを解消又は低減させることができると考えられる。この目的のため、例えば、反射電極毎に異なる凹凸パターンを設計し、全ての反射電極の凹凸パターンを異ならせることが考えられる。この方法では、反射電極の凹凸パターンが異なるので、所定方向に並ぶ2つの凸部のペアが繰り返し現れないようにすることができ、従って、図21に示すような色付きは生じないと考えられる。しかしながら、この方法では、反射電極毎に異なる凹凸パターンを設計する必要があるので、反射電極が多くなればなるほど、反射電極の凹凸パターンの設計が困難になる。例えばQVGAの携帯電話の場合、反射電極は240×3×320個備えられており、このような膨大な数の反射電極に対して異なる凹凸パターンを設計しなければならず、従って、この方法は、現実に利用できる方法ではない。
【0086】
そこで、本願発明者は、膨大な数の凹凸パターンを設計することなく、容易に色付きを解消又は低減できるようにするため、図5を参照しながら説明したやり方で有機膜8を形成している。以下に、図5に示す有機膜8を形成することによって色付きが解消又は低減できる理由を説明する。
【0087】
図5には、有機膜8の12個の起伏部18乃至128の対応する凸部18a乃至128aが示されている。図5に示す各起伏部は、図6に示す基本凹凸パターンを有するので、コンタクトホールCHの有無を除けば、各起伏部の凹凸パターンはxy面内では同一である。しかしながら、起伏部ピッチTxと画素ピッチSxとの関係、及び起伏部ピッチTyと画素ピッチSyとの関係は、いずれも非整数倍の関係にあるので、対応する凸部どうしであっても、サブ画素領域内における凸部の位置が異なっていることに注意されたい。例えば、サブ画素領域Ar1内の凸部28aは、サブ画素領域Ar1内の左隅に位置しているが、一方、サブ画素領域Ag3内の凸部88aは、サブ画素領域Ag3内の右隅に位置している。このように、対応する凸部であっても、サブ画素領域内における凸部の位置が異なり、この結果、図22に示すように、対応する凸部であってもz方向の高さがばらつく。
【0088】
図22は、図5の6個の起伏部28、38、58、68、88及び98の対応する6個の凸部28a、38a、58a、68a、88a及び98aをy方向から見た概略断面図である。
【0089】
6個の凸部28a、38a、58a、68a、88a及び98aは互いに対応する凸部であるが、図22に示すようにz方向の高さがばらつく。その結果、x方向に隣り合う2つの凸部の高低差もばらつく。例えば、凸部28aと58aとの高低差ΔH1は、凸部58aと88aとの高低差ΔH3よりも小さく、凸部38aと68aとの高低差ΔH2は、凸部68aと98aとの高低差ΔH4よりも小さい。図22には対応する凸部が6個しか示されていないが、この対応する凸部のz方向の高さのばらつきは、反射電極基板1(図1参照)全体に渡って生じている。これは、従来基板100では対応する凸部のz方向の高さが等しい(図11参照)ことと対照的である。第1実施例では、図22に示すように、対応する凸部28a、38a、58a、68a、88a及び98aであっても高さがばらつく点に着目している。対応する凸部であっても高さがばらつく有機膜8を形成した後、この有機膜8に反射電極(図2参照)を形成し、反射電極基板1が製造される。以下に、この反射電極基板1で反射した光の干渉について考察する。
【0090】
図23は、図1に示す領域Fの拡大図である。
【0091】
図23には、図22に示す起伏部の対応する6個の凸部28a、38a、58a、68a、88a及び98aにより形成された反射電極の6個の凸部p(28a)、p(38a)、p(58a)、p(68a)、p(88a)及びp(98a)が具体的に示されている。
【0092】
図24は、図23に示す6個の凸部p(28a)乃至p(98a)をy方向から見た概略断面図である。
【0093】
図22を参照しながら説明したように、矩形状起伏部の対応する凸部は高さがばらつくので、それに応じて、反射電極の凸部p(28a)乃至p(98a)もz方向の高さがばらつく。その結果、x方向に隣り合う2つの凸部の高低差もばらつく。例えば、凸部p(28a)とp(58a)との高低差ΔH1は、凸部p(58a)とp(88a)との高低差ΔH3よりも小さく、凸部p(38a)とp(68a)との高低差ΔH2は、凸部p(68a)とp(98a)との高低差ΔH4よりも小さい。このように、凸部のペアの位置がx方向にずれると、それに伴なって高低差もばらつく。ここで、この高低差のばらつきは凸部のペアの位置がy方向にずれても生じることに注意されたい。例えば、凸部p(28a)とp(58a)との高低差ΔH1は、凸部p(38a)とp(68a)との高低差ΔH2よりも小さく、凸部p(58a)とp(88a)との高低差ΔH3は、凸部p(68a)とp(98a)との高低差ΔH4よりも小さい。斯かる高低差のばらつきは基板全体に渡って生じ、このような高低差のばらつきによって反射光の光路差もばらつく。例えば、反射光L28aとL58aとの光路差ΔLx1は、反射光L38aとL68aとの光路差ΔLx2とは異なり、反射光L58aとL88aとの光路差ΔLx3は、反射光L68aとL98aとの光路差ΔLx4とは異なる。従って、図23では、図15とは異なり、同一の光路差を生じさせる凸部のペアがy方向に現れず、この結果、図16に示すような縦縞が現れないようにすることができる。図23の場合、観測者HEは基板上に以下のような色を認識する。
【0094】
図25は、観測者HEが反射電極基板1上に認識する色の概念図である。
【0095】
図25には、反射電極基板1の一部の領域F内に現れる色が拡大して示されている。この拡大図に示すように、領域F内には、起伏部ピッチTxとTyとによって規定されるサブ領域内に、反射光の光路差に応じて種々の色C1、C2、…、Czが格子状に現れる。ここで、図24を参照しながら説明したように、反射電極の凸部の高低差がばらつくことに起因して、反射光の光路差もばらつくことに注意されたい。この結果、領域Fには、種々の色が領域F内に分散されて現れる。従って、図25では、図16とは異なり、起伏部ピッチTxとTyとによって規定されるサブ領域毎に異なる色が現れ、所定方向に同一の色が現れない。このような狭いサブ領域毎に異なる色が分散している場合、観測者HEは色の違いを見分けることができず、領域F内の種々の色を混色して認識する。基板上の領域F以外の領域も、領域Fと同様に、サブ領域毎に種々の色が分散して現れ、観測者HEは、領域F以外の領域でも種々の色を混色して認識する。その結果、観測者HEは反射電極基板1全体に渡って色付きを認識しない、又は観測者HEが反射電極基板1全体に渡って認識する色付きが低減されると考えられる。
【0096】
図23乃至図25は、x方向に並ぶ2つの凸部が周期的に配列されることによって生じる反射光の干渉が説明されているが、その他の方向に並ぶ2つの凸部が周期的に配列されることによって生じる反射光の干渉も、図25に示すように各色が格子状に並び、その結果色付きが解消又は低減されると考えられる。従って、観測者HEの認識する色付きが基板全体に渡って解消又は低減すると考えられる。
【0097】
第1実施例では、起伏部ピッチTxは画素ピッチSxよりも大きいが、これとは反対に、画素ピッチSxが起伏部ピッチTxより大きくてもよい。この場合は、画素ピッチSxが起伏部ピッチTxの非整数倍となるように、起伏部ピッチTxを規定すれば、やはり色付きを解消又は低減することができる。また、第1実施例では、起伏部ピッチTyは画素ピッチSyよりも小さいが、起伏部ピッチTyは画素ピッチSyより大きくてもよい。この場合は、起伏部ピッチTyが画素ピッチSyの非整数倍となるように、起伏部ピッチTyを規定すれば、やはり色付きを解消又は低減することができる。
【0098】
また、第1実施例において、起伏部ピッチTxは画素ピッチSxの17/8倍に規定されているので、起伏部の対応する凸部は、x方向に関しては17Sx(画素ピッチSxの17倍)の周期で同じ高さとなる。このように、第1実施例では、x方向に関しては17Sx(画素ピッチSxの17倍)の周期で同じ高さの凸部が現れる。色付きをより効果的に低減する観点から考えると、同じ高さを有する凸部の間隔は或る程度の大きいことが望ましく、例えば約1mmあることが好ましい。Sxの値は例えば80μmとすることができるので、この場合、17Sx=1.36mmとなる。従って、第1実施例の場合は、x方向に関しては同じ高さの凸部が現れる周期は1.36mmであるので、色付きの低減には十分な効果がある。一方、起伏部ピッチTyは画素ピッチSxの19/24倍に規定されているので、対応する凸部は、y方向に関しては199Sy(画素ピッチSyの19倍)の周期で同じ高さとなる。このように、第1実施例では、y方向に関しては19Sy(画素ピッチSyの19倍)の周期で同じ高さの凸部が現れる。Syの値は例えば240μmとすることができるので、この場合、19Sy=4.56mmとなる。従って、第1実施例の場合は、y方向に関しては同じ高さの凸部が現れる周期は4.56mmであるので、色付きの低減には十分な効果がある。尚、色付きを十分に低減することができるのであれば、同じ高さの凸部が現れる周期は、1mmより短くてもよい。
【0099】
また、第1実施例では、サブ画素領域が並ぶx方向及びy方向に着目し、x方向及びy方向にそれぞれ起伏部ピッチTx及びTyで並ぶ起伏部を有する有機膜8を形成することによって、色付きを解消又は低減している。しかしながら、サブ画素領域は、x方向及びy方向以外の第3の方向(例えば、図5において、サブ画素領域Ar2とAb1とが並ぶ方向や、サブ画素領域Ar2とAb3とが並ぶ方向)にも並んでいるので、この第3の方向に着目し、第3の方向に所定の起伏部ピッチで並ぶ起伏部を有する有機膜を形成してもよい。しかしながら、より効果的に色付きを低減するには、x方向及びy方向にそれぞれ起伏部ピッチTx及びTyで並ぶ起伏部を有する有機膜8を形成する方が好ましい。
【0100】
また、第1実施例では、起伏部ピッチTxと画素ピッチSxとの関係、及び起伏部ピッチTyと画素ピッチSyとの関係は、いずれも非整数倍であるが、いずれか一方の関係のみを非整数倍としても、色付きの低減を図ることができる。以下に、起伏部ピッチTxと画素ピッチSxとの関係のみを非整数倍にした第2実施例について説明する。
【0101】
図26は、起伏部ピッチTxと画素ピッチSxとの関係のみを非整数倍にした第2実施例の反射電極基板の平面図である。
【0102】
反射電極基板は、矩形状起伏部18乃至88を有する有機膜8を有する。この有機膜8上に、反射電極Er1、Eg1及びEb1等が形成される。図26には、反射電極の6個の凸部p(18a)乃至p(68a)と、6個の凸部p(18c)乃至p(68c)が具体的に示されている。6個の凸部p(18a)乃至p(68a)は、6個の矩形状起伏部18乃至68の対応する6個の凸部18a乃至68aにより形成される。反射電極の残りの6個の凸部p(18c)乃至p(68c)は、6個の矩形状起伏部18乃至68の対応する6個の凸部18c乃至68cにより形成される。
【0103】
図27は、図26に示すx方向に並ぶ凸部p(18a)、p(38a)及びp(58a)をy方向から見た概略断面図である。
【0104】
起伏部ピッチTxと画素ピッチSxとの関係は、非整数倍であるので、凸部の高低差は、図24と同様に、2つの凸部のペアの位置がx方向にずれることによって異なる。例えば、凸部p(18a)とp(38a)との高低差ΔH1は、凸部p(38a)とp(58a)との高低差ΔH2よりも大きい。ところが、図26では、図23と異なり、起伏部ピッチTyが画素ピッチSyと一致しているので、2つの凸部のペアの位置がy方向にずれても、2つの凸部の高低差は同じであることに注意されたい。例えば、凸部p(28a)とp(48a)のペアは、凸部p(18a)とp(38a)のペアに対して相対的にy方向に移動した位置に存在しているので、凸部p(28a)とp(48a)との高低差も、ΔH1となる。このように、2つの凸部のペアの位置がy方向にずれても、凸部の高低差は同じであるので、x方向に起伏部ピッチTxで並ぶ凸部での反射光の干渉を考えると、この場合の干渉色は、図16に示すような縦縞を有すると考えられる(つまり、図25とは異なり、色をランダムに分散させることができない)。しかしながら、図26では、起伏部ピッチTxと画素ピッチSxとの関係が非整数倍であるので、y方向以外の方向に並ぶ2つの凸部の高低差をばらつかせることができる。このことを説明するために、y方向とは異なるdxy方向に並ぶ2つの凸部p(18a)及びp(18c)のペアと、凸部p(48a)及びp(48c)のペアを考える。
【0105】
図28は、図26に示す凸部p(18a)及びp(18c)のペアと、凸部p(48a)及びp(48c)のペアをdxy’方向から見た概略断面図である。
【0106】
dxy方向に並ぶ凸部p(18a)とp(18c)との高低差ΔH1は、dxy方向に並ぶ凸部p(48a)とp(48c)との高低差ΔH2よりも小さい。従って、dxy方向に並ぶ凸部での反射光の干渉を考えると、この場合は、図25に示すように各色をランダムに分散させることができる。従って、例えば、起伏部ピッチTxと画素ピッチSxとの関係のみを非整数倍にしても、従来と比較して、色付きの低減が可能である。
【0107】
尚、第1及び第2実施例では、サブ画素領域が周期的に並ぶ方向に対して、画素ピッチと起伏部ピッチとを非整数倍することによって、色付きを解消又は低減する方法が記載されているが、別の方法でも、色付きを解消又は低減することが可能である。以下に、この別の方法について説明する。
【0108】
図29は、第1及び第2実施例とは別の方法で色付きを解消又は低減することが可能な第3実施例の反射電極基板1の一部平面図である。
【0109】
サブ画素領域はxy面内を2次元的に並んでいるので、サブ画素領域はx方向及びy方向に並ぶだけでなく、例えば、d1方向乃至d7方向にも並び、その結果、サブ画素領域は多数の方向に並んでいる。第3実施例では、このような多数の方向のうち、2つの方向、即ち、サブ画素領域が最も短いピッチSxで並ぶx方向と、次に短いピッチSyで並ぶy方向とに着目している。起伏部18乃至128も、反射電極と同様に、多数の方向に並んでいるが、起伏部18乃至128についても、2つの方向、即ち、起伏部18乃至128が最も短いピッチTxで並ぶx’方向と、次に短いピッチTyで並ぶy’方向とに着目している。第3実施例では、起伏部18乃至128の着目した2つの方向(x’方向及びy’方向)が、サブ画素領域の着目した2つの方向(x方向及びy方向)に対して交差するように、有機膜8が形成されている。このように有機膜8を形成することによっても、起伏部18乃至128の対応する凸部の高さがばらつき、その結果、色付きを解消又は低減することが可能である。第3実施例では、起伏部ピッチTx及びTyがそれぞれ画素ピッチSx及びSyと一致していてたとしても、起伏部18乃至128の対応する凸部の高さがばらつく。従って、図29では、起伏部ピッチと画素ピッチとの関係が整数倍であるか非整数倍であるかを考慮しなくても、色付きを解消又は低減することができる。また、第3実施例のように、起伏部の並ぶ方向を画素の並ぶ方向に対して交差させることによって、モアレの低減を図ることも可能になる。
【0110】
尚、図29では、有機膜8は、2つの起伏部ピッチTx及びTyの各々が2つの画素ピッチSxとSyとの両方に対して交差するように形成されている。しかしながら、2つの起伏部ピッチTx及びTyのいずれか一方のみが2つの画素ピッチSxとSyとの両方に対して交差するように有機膜8が形成されていても、色付きを低減することが可能である。また、図29では、有機膜8の起伏部ピッチのうち、起伏部ピッチTx’が最も小さく、その次に起伏部ピッチTy’が小さい例が示されているが、起伏部ピッチTx’及びTy’は等しくてもよい。この場合であっても、互いに等しい2つの起伏部ピッチTx’及びTy’のいずれか一方又は両方が、2つの画素ピッチSxとSyとの両方に対して交差するように形成されていれば、色付きを低減することが可能である。また、図29では、画素ピッチはSxはSyより小さいが、SxはSyと等しくてもよい。この場合であっても、2つの起伏部ピッチTx及びTyのいずれか一方又は両方が、画素ピッチSxとSyとの両方に対して交差するように形成されていれば、色付きを低減することが可能である。
【0111】
また、第1乃至第3実施例の反射電極基板を画像表示装置に適用した場合、従来基板100を画像表示装置に適用した場合と比較して、基板で反射した光の利用効率を向上させることができる。以下、この理由について説明する。
【0112】
従来基板100では、有機膜80の凹凸パターンを設計する場合、隣接する2つのサブ画素領域毎に図9に示す矩形状起伏部の凹凸パターンを先ず設計し、次に、隣接する矩形状起伏部の間を埋めるように設けられる第1及び第2の直線状起伏部91及び92(図8参照)の凹凸パターンが設計される。このような設計に基づいて有機膜80を形成すると、第1及び第2の直線状起伏部91及び92の断面形状が、矩形状起伏部の断面形状とは異なる(図30参照)。
【0113】
図30は、従来基板100の第1及び第2の直線状起伏部91及び92(図8参照)の断面形状の概略を表すプロファイルと、従来基板100の矩形状起伏部の断面形状の概略を表すプロファイルである。
【0114】
図30には、第1及び第2の直線状起伏部91及び92(図8参照)の断面形状の概略を表すプロファイルが実線で示されており、矩形状起伏部の断面形状の概略を表すプロファイルが破線で示されている。矩形状起伏部のプロファイルは、破線で示されるように、同じような起伏が繰り返し現れるが、一方、第1及び第2の直線状起伏部のプロファイルは、緩やかな起伏と急峻な起伏とが混在して現れる。このような緩やかな起伏及び急峻な起伏は、従来基板100を画像表示装置に適用した場合に光の利用効率の低下の原因となる。
【0115】
これに対して、第1乃至第3の実施例の反射電極基板では、有機膜8の凹凸パターンを設計する場合、サブ画素領域とは無関係に図6に示す凹凸パターンを設計し、この設計した凹凸パターンを敷き詰めるように並べることによって有機膜8全体の凹凸パターンが設計される。従って、図30の実線で示される緩やかな起伏と急峻な起伏が生じないようにすることができ、その結果、反射電極基板1を画像表示装置に適用した場合、光の利用効率の向上が図られるという利点もある。
【0116】
また、第1乃至第3実施例の反射電極基板を画像表示装置に適用した場合、従来基板100を画像表示装置に適用した場合と比較して、コントラストを向上させることが可能である。この理由について以下に説明する。
【0117】
従来基板100を用いて画像表示装置を構成する場合、色付きが生じないように、従来基板100の表面には、光を拡散させる機能を有する拡散フィルムが設けられる。しかしながら、拡散フィルムはコントラストを低下させる原因となる。
【0118】
これに対して、第1乃至第3実施例の反射電極基板は、有機膜8の起伏部ピッチ又は起伏部の並ぶ方向を調整することによって、色付きが解消又は低減されている。従って、色付きが完全に解消されている場合は、反射電極基板1に拡散フィルムを備える必要がなく、コントラストの低下が防止される。一方、色付きが完全に解消されておらず色付きが僅かに認識できる場合は、色付きを完全に解消するには従来基板と同様に拡散フィルムが必要となる。しかしながら、第1乃至第3実施例の反射電極基板1は、拡散フィルムを備えなくても色付きは或る程度軽減しているので、第1乃至第3実施例の反射電極基板1に必要な拡散フィルムとして、従来基板100に必要な拡散フィルムよりも拡散性能が低いものを使用することができる。従って、画像表示装置に、第1乃至第3実施例の反射電極基板を用いることによって、従来基板を用いるよりも、コントラストの低下を抑えることができる。
【0119】
尚、第1乃至第3実施例では、有機膜8が有する起伏部は繋がっているが、これら起伏部は、例えば、各起伏部毎に分離されていてもよい。
【0120】
また、第1乃至第3実施例では、サブ画素はストライプ配列で配列されているが、本発明は、サブ画素がストライプ配列以外のやり方(例えば、デルタ配列)で配列されていてもよい。この場合であっても、起伏部ピッチと画素ピッチとの関係を非整数倍にする、又は起伏部の並ぶ方向をサブ画素(反射電極)の並ぶ方向に対して交差させることによって、色付きを解消又は低減することができる。
【0121】
また、第1乃至第3実施例では、1画素が3つのサブ画素で構成された例が示されているが、本発明は、1画素が、例えば4つのサブ画素で構成されていてもよい。この場合であっても、起伏部ピッチと画素ピッチとの関係を非整数倍にする、又は起伏部の並ぶ方向をサブ画素(反射電極)の並ぶ方向に対して交差させることによって、色付きを解消又は低減することができる。
【0122】
更に、第1乃至第3実施例では、カラーの画像表示させるために使用される反射電極基板が示されているが、本発明は、モノクロ画像を表示させるための反射電極基板にも適用できる。反射電極基板がモノクロ画像の表示用に構成されている場合、1画素に形成される反射電極は1つであるが、この場合であっても、起伏部ピッチと画素ピッチとの関係を非整数倍にする、又は起伏部の並ぶ方向を画素(反射電極)の並ぶ方向に対して交差させることによって、色付きを解消又は低減することができる。
【0123】
また、第1乃至第3実施例では、起伏部の凹凸パターンは、コンタクトホールCHの有無を除けば、どの起伏部も図6に示す凹凸パターンで表すことができる。従って、反射電極基板1の全体に渡って、個々の起伏部に対して異なる凹凸パターンを設計する必要は無く、起伏部の凹凸パターンの設計が容易になるという利点がある。
【0124】
更に、第1乃至第3実施例の反射電極基板1では、各サブ画素は光を反射する反射機能のみを有しており、光を透過する透過機能は有していないが、各サブ画素が、反射機能と透過機能との両方を備えている場合でも、本発明を適用することができる。
また、第1乃至第3実施例では、反射電極が各サブ画素領域毎に分離された例に本発明を適用しているが、例えばx方向に延在するライン状の反射電極を備えた例に本発明を適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0125】
光を反射させることによって画像を表示する画像表示装置に利用の可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】図1は、本発明の反射構造体の第1実施例である、反射電極Eを有する反射電極基板1を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す領域Fの拡大平面図である。
【図3】図3は、各画素領域にTFTが形成された基板を示す平面図である。
【図4】図4は、図3のサブ画素領域Ar1のIV−IVラインに沿う断面図である。
【図5】図5は、凹凸の起伏面を有する有機膜8が形成された基板の平面図である。
【図6】図6は、図4に示す各起伏部18乃至128が有する凹部及び凸部のxy面内における分布パターンを示す図である。
【図7】図7は、コンタクトホールCHを有する起伏部のxy面内における凹凸分布パターンの一例を示す図である。
【図8】図8は、画素ピッチSx及びSyに対してそれぞれ整数倍の起伏部ピッチTx’及びTy’で並ぶ起伏部を有する有機膜80が形成された後の基板の平面図である。
【図9】図9は、図8に示す有機膜80が有する矩形状起伏部81の拡大詳細図である。
【図10】図10は、図8の矩形状起伏部81のサブ画素領域Ar1側に存在する6個の凸部81a乃至81fの概略断面図である。
【図11】図11は、図8に示す矩形状起伏部81内の2つの凸部81a及び81bと、それぞれに対応する矩形状起伏部83内の2つの凸部83a及び83bとを含む断面図である。
【図12】図12は、反射電極Er1、Eg1及びEb1等が形成された基板の平面図である。
【図13】図13は、図12に示す反射電極Er1の凸部p(81a)及び反射電極Eb1の凸部p(83a)を含む一部断面図である。
【図14】図14は、従来基板100に光を照射するときの説明図である。
【図15】図15は、図14に示す領域Fの拡大図である。
【図16】図16は、観測者HEが従来基板100上に認識する色プロファイルのシミュレーション結果である。
【図17】図17は、図14に示す領域Fの拡大図である。
【図18】図18は、観測者HEが基板上に認識する色プロファイルのシミュレーション結果である。
【図19】図19は、図14に示す領域Fの拡大図である。
【図20】図20は、観測者HEが基板上に認識する色プロファイルのシミュレーション結果である。
【図21】図21は、色プロファイルCx、Cy及びCxyが重なった状態を示す図である。
【図22】図22は、図5の6個の起伏部28、38、58、68、88及び98の対応する6個の凸部28a、38a、58a、68a、88a及び98aをy方向から見た概略断面図である。
【図23】図23は、図1に示す領域Fの拡大図である。
【図24】図24は、図23に示す6個の凸部p(28a)乃至p(98a)をy方向から見た概略断面図である。
【図25】図25は、観測者HEが反射電極基板1上に認識する色の概念図である。
【図26】図26は、起伏部ピッチTxと画素ピッチSxとの関係のみを非整数倍にした第2実施例の反射電極基板の平面図である。
【図27】図27は、図26に示すx方向に並ぶ凸部p(18a)、p(38a)及びp(58a)をy方向から見た概略断面図である。
【図28】図28は、図26に示す凸部p(18a)及びp(18c)のペアと、凸部p(48a)及びp(48c)のペアをdxy’方向から見た概略断面図である。
【図29】図29は、第1及び第2実施例とは別の方法で色付きを解消又は低減することが可能な第3実施例の反射電極基板1の一部平面図である。
【図30】図30は、従来基板100の第1及び第2の直線状起伏部91及び92(図8参照)の断面形状の概略を表すプロファイルと、従来基板100の矩形状起伏部の断面形状の概略を表すプロファイルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体、および
前記基体上に形成された反射手段、
を有する反射構造体であって、
前記基体は、
高さの異なる部分を有する第1の下地面と、高さの異なる部分を有する第2の下地面と、が備えられた支持体、
前記支持体に形成された第1の起伏部であって、第1の凹部又は凸部を有する第1の起伏部、および
前記支持体に形成された第2の起伏部であって、前記第1の凹部又は凸部に対応する第2の凹部又は凸部を有する第2の起伏部、
を有し、
前記第1および第2の下地面が、第1の方向に第1の下地面ピッチで並び、
前記第1および第2の起伏部が、前記第1の方向に第1の起伏部ピッチで並び、
前記第1の下地面ピッチ及び前記第1の起伏部ピッチのうちの大きい方のピッチが、小さい方のピッチの非整数倍である、反射構造体。
【請求項2】
前記第1の起伏部が前記第2の起伏部に繋がっている、請求項1に記載の反射構造体。
【請求項3】
前記第1の下地面ピッチが第1の画素ピッチに等しい、請求項1又は2に記載の反射構造体。
【請求項4】
前記反射手段が第1の反射板および第2の反射板を有し、前記第1および第2の反射板が前記第1の方向に前記第1の画素ピッチで並ぶ、請求項3に記載の反射構造体。
【請求項5】
前記支持体が、
第1の導電ライン、
第2の導電ライン、
前記第1の導電ラインを通じて前記第1の反射板にデータを供給するための第1の駆動素子、および
前記第2の導電ラインを通じて前記第2の反射板にデータを供給するための第2の駆動素子、
を有し、
前記第1および第2の導電ラインは、前記第1の方向に前記第1の画素ピッチで並び、
前記第1および第2の駆動素子は、前記第1の方向に前記第1の画素ピッチで並ぶ、請求項4に記載の反射構造体。
【請求項6】
前記支持体が、高さの異なる部分を有する第3の下地面を有し、
前記基体が、前記支持体に形成された第3の起伏部であって、前記第1の凹部又は凸部に対応する第3の凹部又は凸部を有する第3の起伏部を有し、
前記第1および第3の下地面は、第2の方向に第2の下地面ピッチで並び、
前記第1および第3の起伏部は、前記第2の方向に第2の起伏部ピッチで並び、
前記第2の下地面ピッチ及び前記第2の起伏部ピッチのうちの大きい方のピッチが、小さい方のピッチの非整数倍である、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の反射構造体。
【請求項7】
前記第1の起伏部が前記第3の起伏部に繋がっている、請求項6に記載の反射構造体。
【請求項8】
前記第2の下地面ピッチが第2の画素ピッチに等しい、請求項6又は7に記載の反射構造体。
【請求項9】
前記支持体が、
第3の導電ライン、
第4の導電ライン、および
前記第3の導電ラインを通じて制御される第3の駆動素子、
を有し、
前記第1の駆動素子は、前記第4の導電ラインを通じて制御され、
前記第3および第4の導電ラインが、前記第2の方向に前記第2の画素ピッチで並び、
前記第1および第3の駆動素子が、前記第2の方向に前記第2の画素ピッチで並ぶ、請求項8に記載の反射構造体。
【請求項10】
前記反射手段が、前記第3の駆動素子に対応する第3の反射板を有し、前記第1および第3の反射板が前記第2の方向に前記第2の画素ピッチで並ぶ、請求項9に記載の反射構造体。
【請求項11】
前記第1および第2の方向が、それぞれ行方向及び列方向である、請求項6乃至10のうちのいずれか1項に記載の反射構造体。
【請求項12】
前記反射手段が、前記第1の方向に延在する反射ラインを有する、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の反射構造体。
【請求項13】
基体、および
前記基体上に形成された反射手段、
を有する反射構造体であって、
前記基体は、
高さの異なる部分を有する第1の下地面と、高さの異なる部分を有する第2の下地面と、高さの異なる部分を有する第3の下地面と、が備えられた支持体、
前記支持体に形成された第1の起伏部、
前記支持体に形成された第2の起伏部、および
前記支持体に形成された第3の起伏部、
を有し、
前記第1および第2の下地面が、第1の下地面方向に、複数の下地面ピッチのうちの第1の下地面ピッチで並び、前記第1の下地面ピッチは、前記複数の下地面ピッチのうちの最も小さいピッチであり、
前記第1および第3の下地面が、第2の下地面方向に、前記複数の下地面ピッチのうちの第2の下地面ピッチで並び、前記第2の下地面ピッチは、前記第1の下地面ピッチに等しい、又は前記第1の下地面ピッチの次に最も小さいピッチであり、
前記第1および第2の起伏部が、第1の起伏部方向に、複数の起伏部ピッチのうちの第1の起伏部ピッチで並び、前記第1の起伏部ピッチは、前記複数の起伏部ピッチのうちの最も小さいピッチであり、
前記第1および第3の起伏部が、第2の起伏部方向に、前記複数の起伏部ピッチのうちの第2の起伏部ピッチで並び、前記第2の起伏部ピッチは、前記第1の起伏部ピッチに等しい、又は前記第1の起伏部ピッチの次に最も小さいピッチであり、
前記第1及び第2の起伏部方向のうちの少なくとも一方が、前記第1及び第2の下地面方向とは異なる方向である、反射構造体。
【請求項14】
前記第1、第2、および第3の起伏部が繋がっている、請求項13に記載の反射構造体。
【請求項15】
前記第1の下地面ピッチが第1の画素ピッチに等しい請求項13又は14に記載の反射構造体。
【請求項16】
前記反射手段が、前記第1の下地面方向に前記第1の画素ピッチで並ぶ第1の反射板および第2の反射板を有する、請求項15に記載の反射構造体。
【請求項17】
前記支持体が、
第1の導電ライン、
第2の導電ライン、
前記第1の導電ラインから前記第1の反射板にデータを供給するための第1の駆動素子、および
前記第2の導電ラインから前記第2の反射板にデータを供給するための第2の駆動素子、
を有し、
前記第1および第2の導電ラインは、前記第1の下地面方向に前記第1の画素ピッチで並び、
前記第1および第2の駆動素子は、前記第1の下地面方向に前記第1の画素ピッチで並ぶ、請求項16に記載の反射構造体。
【請求項18】
前記支持体が、
第3の導電ライン、
第4の導電ライン、および
前記第3の駆動ラインを通じて制御される第3の駆動素子、
を有し、
前記第1の駆動素子は、前記第4の導電ラインを通じて制御され、
前記第3および第4の導電ラインは、前記第2の方向に前記第2の画素ピッチで並び、
前記第1および第3の駆動素子は、前記第2の方向に前記第2の画素ピッチで並ぶ、請求項17に記載の反射構造体。
【請求項19】
前記反射手段は、前記第3の駆動素子に対応する第3の反射板を有し、前記第1および第3の反射板が前記第2の方向に前記第2の画素ピッチで並ぶ、請求項18に記載の反射構造体。
【請求項20】
前記反射手段が、前記第1の下地面方向に延在する反射ラインを有する、請求項13〜15のうちのいずれか一項に記載の反射構造体。
【請求項21】
請求項1乃至20のうちのいずれか1項に記載の反射構造体を有する画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2007−523363(P2007−523363A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548450(P2006−548450)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052920
【国際公開番号】WO2005/069065
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】