説明

反射防止体、太陽電池、反射防止体の製造方法、及び太陽電池の製造方法

【課題】光の反射を抑制する機能の低下を抑えることのできる反射防止体、反射防止体を備える太陽電池、反射防止体の製造方法、及び太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池の反射防止体18は、空気中に露出されるとともに光の入射する面に複数の凸部が形成された凹凸構造体18aを有している。凹凸構造体18aは、透明な材料から形成されるとともに、凹凸構造体18aの凸部間に形成された凹部には、透明な埋め込み材18bが埋め込まれている。埋め込み材18bの屈折率は、凹凸構造体18aの屈折率と空気の屈折率とによって規定される範囲に含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、透明基板等の表面において光の反射を抑制する反射防止体、反射防止体を有する太陽電池、反射防止体を製造する方法、及び反射防止体を有する太陽電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、透明基板等の表面において光の反射を抑制する反射防止体が広く用いられている。例えば、フラットパネルディスプレイ(FPD)の表面に設けられた反射防止体は、外光や照明光の反射を抑制することで、FPD上に表示された画像の視認性を高めている。また、有機エレクトロルミネッセンス(EL)装置の基板上に設けられた反射防止体は、該有機EL装置から発せられた光の反射を抑制することで、その取り出し効率を高めている。そして、太陽電池の基板における外表面上に設けられた反射防止体は、外光の反射を抑制することで、その透過率を高めている。
【0003】
上記太陽電池等の反射防止体は、例えば特許文献1に記載のように、微細な凹凸の繰り返された構造である凹凸構造を有するとともに、該凹凸構造を外部環境に露出するように基板上に配されている。凹凸構造は、光の波長よりも小さい間隔のあいた凹凸を有し、そして、光の進行方向において反射防止体の直前に光の透過した物質、例えば空気と反射防止体を形成する物質との割合を徐々に変化させる。これにより、凹凸構造においては、凸部の頂部から凹部の底部までにかけて屈折率が緩やかに変化することになる。そのため、空気と反射防止体とによって形成された界面での光の反射が抑制されることになる。それゆえに、太陽電池に入射した光のうちで電力に変換される光の割合である光電変換効率が大きくなる、つまり、該太陽電池の性能が高められることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−219495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記凹凸構造が外部環境に露出していると、外部環境からの汚染物、例えば砂等が凹部に堆積したり、雨水や雹等の衝突によって凸部が欠けたりしやすい。こうした汚れの堆積や損傷は、光の進行方向において屈折率の急激な変化をもたらすため、凹凸構造による屈折率の変化を緩和する機能が低下することとなり、ひいては反射防止体による光の反射を抑制する機能も低下してしまうことになる。
【0006】
なお、こうした問題は太陽電池に設けられた反射防止体に限らず、凹凸構造を外部環境に露出するように上記FPDや有機EL装置等に配された反射防止膜において概ね共通するものである。
【0007】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光の反射を抑制する機能の低下を抑えることのできる反射防止体、反射防止体を備える太陽電池、反射防止体の製造方法、及び太陽電池の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、空気中に露出する面であって光の入射する面に前記光の波長よりも小さい間隔をあけて複数の凹部が形成された透明板状の基材を有する反射防止体であって、前記凹部には、前記基材の屈折率よりも小さく、かつ空気の屈折率よりも大きい屈折率を有した透明な埋め込み材が埋め込まれていることを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、空気中に露出する面であって光の入射する面に前記光の波長よりも小さい間隔をあけて複数の凹部が形成された透明板状の基材を有する反射防止体を製造する方法であって、前記基材の一面に複数の凹部を形成する工程と、前記基材の一面に埋め込み材を塗布して前記凹部を埋め込む工程とを備え、前記埋め込み材の屈折率が、前記基材の屈折率よりも小さく、かつ空気の屈折率よりも大きいことを要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、空気中に露出する面に設けられた凹部が埋め込み材によって埋め込まれているため、凹部間への汚染物の蓄積や凹部の損傷を抑制することができる。それゆえに、反射防止体の有する光の反射を抑制する機能の低下を抑えることができる。また、上記方法によれば、光の反射を抑制する機能の低下を抑えることの可能な反射防止体を製造することができる。
【0011】
なお、埋め込み材の屈折率が、空気の屈折率よりも大きく、かつ基材の屈折率よりも小さいため、空気と基材との間に他の材料である埋め込み材を介在させたとしても、これら材料間における屈折率の変化を緩和することができる。それゆえに、反射防止体による光の反射を抑制する効果を維持しつつ、こうした光の反射を抑制する効果の低下を抑えることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の反射防止体において、前記埋め込み材は、前記凹部の全体に埋め込まれるとともに、前記凹部が形成された前記基材の面を覆っていることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、凹部の全体及び凹部が形成された基材の面が埋め込み材によって覆われていることから、上述のような凹部への汚染物の堆積や凹部の損傷をより抑えられるようになる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の反射防止体において、前記埋め込み材の硬度は、前記基材の硬度よりも大きいことを要旨とする。
上記構成によれば、反射防止体の硬度をより高めることができるため、該反射防止体による光の反射を抑制する効果の低下をより抑えられるようになる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、光の受光面側に空気中に露出するように反射防止体の設けられた太陽電池であって、前記反射防止体が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射防止体であることを要旨とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、光の受光面側に空気中に露出するように反射防止体の設けられた太陽電池を製造する方法であって、前記反射防止体を請求項5〜7のいずれか一項に記載の反射防止体の製造方法によって製造することを要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、太陽電池に備えられた反射防止体の光を反射する機能の低下が抑えられることから、太陽電池における光電変換効率の低下を抑制することができる。また、上記方法によれば、光電変換効率の低下を抑制することの可能な太陽電池を製造することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の反射防止体の製造方法において、前記複数の凹部を埋め込む工程の前に、前記凹部の表面の親水性を高める処理を行うことを要旨とする。
【0019】
上記方法では、埋め込み材によって凹部を埋め込む前に、凹部の表面における親水性を高めるようにしていることから、埋め込み材が凹部内に充填されやすくなる。これにより、凹部に形成された埋め込み材内に空隙が生じることを抑制できる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の反射防止体の製造方法において、前記複数の凹部を形成する工程では、ナノインプリント法を用いて前記基材の一面に前記複数の凹部を形成することを要旨とする。
【0021】
上記方法によれば、複数の凹部をナノインプリント法によって形成するようにしているため、金型の転写のみによって複数の凹部を形成できる。それゆえに、リソグラフィ工程やエッチング工程等を経て上記凹部を形成する方法と比較して、反射防止体の製造をより簡易かつ安価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態における太陽電池の斜視構造を示す図。
【図2】同実施形態の太陽電池の断面構造を示す図。
【図3】(a)〜(e)同実施形態の太陽電池の有する反射防止体の製造工程を順に示す図。
【図4】反射防止体の備える凹凸構造部の斜視構造を示す図。
【図5】(a)〜(d)同実施形態の太陽電池の有する反射防止体の製造工程を順に示す図。
【図6】反射防止体の斜視構造を示す図。
【図7】反射防止体の外表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像。
【図8】反射防止体の透過率と光の波長との関係を示すグラフ。
【図9】変形例における太陽電池の斜視構造を示す図。
【図10】変形例における反射防止体の断面構造を示す図。
【図11】変形例における反射防止体の断面構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の反射防止体を太陽電池に設けられる反射防止体として具現化した一実施形態、及び、本発明の反射防止体の製造方法を太陽電池に設けられる反射防止体の製造方法として具現化した一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
[太陽電池の構造]
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態における太陽電池の構造について説明する。図1に示されるように、薄膜太陽電池10は、透明基板11、透明電極12、第1発電層13、中間層14、第2発電層15、バッファ層16、及び裏面電極17が、光の入射側から順に積層された構造である。
【0024】
このうち、透明基板11は、各種ガラスや透明樹脂等の絶縁性の材料から形成される。透明電極12、中間層14、及びバッファ層16はいずれも透明導電性酸化物の薄膜から形成される。導電性酸化物としては、例えばアルミニウム含有酸化亜鉛(AZO)、ガリウム含有酸化亜鉛(GZO)、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)等の透光性導電酸化膜(TCO)を用いることができる。透明電極12における裏面電極17側の面は、凹凸構造、いわゆるテクスチャ12aを有している。そのため、透明電極12よりも裏面電極17側に積層された各層は、透明電極12に形成されたテクスチャ12aの形状に倣うようなテクスチャを界面に有している。テクスチャ12aは、薄膜太陽電池10に入射した光を多重反射させることで、発電層に入射する光量を増加させる。
【0025】
第1発電層13は、アモルファスシリコンの薄膜で形成されるとともに、光の入射側から順にp型不純物の添加された第1p型半導体層13p、不純物の添加されていない第1i型半導体層13i、及びn型不純物の添加された第1n型半導体層13nの積層された構造である。第2発電層15は、微結晶シリコンの薄膜で形成されるとともに、第1発電層13と同様、光の入射側から順にp型不純物の添加された第2p型半導体層15p、不純物の添加されていない第2i型半導体層15i、及びn型不純物の添加された第2n型半導体層15nの積層された構造である。裏面電極17は、銀やアルミニウム等の導電性を有した光反射膜から形成されている。
【0026】
こうした薄膜太陽電池10では、第1発電層13と第2発電層15とが、入射した光を電力に変換する。しかも、第1発電層13と第2発電層15とは、光電変換する光の波長域が互いに異なることから、第1発電層13あるいは第2発電層15のみを有する太陽電池と比較して、光を電力に変換する効率が高くなる。
【0027】
また、薄膜太陽電池10は、透明基板11における透明電極12とは反対側の面であって、空気等の外部環境側、かつ光の入射側の面に、透明基板11と空気との境界での光の反射を抑制する反射防止体18を有している。反射防止体18は、複数の凹部を有する基材としての凹凸構造体18aと、該凹凸構造体18aの凹部に埋め込まれた埋め込み材18bとから形成されている。凹凸構造体18aは、上記透明基板11と略等しい屈折率を有する透明材料、例えばシリコン酸化物から形成されている。そして、埋め込み材18bは、空気の屈折率よりも大きく、かつ透明基板11の屈折率よりも小さい屈折率を有する材料、例えば空隙を有するシリコン酸化物から形成されている。
【0028】
なお、埋め込み材18bは、反射防止機能に鑑みれば、空気の屈折率と透明基板11の屈折率との中間の屈折率を有した材料から形成されることがより好ましい。反射防止体18の凹凸構造体18aは、薄膜太陽電池10に入射する光の進行方向において反射防止体18の直前に光の透過した物質である空気と反射防止体18を形成する物質との割合を徐々に変化させる。これにより、凹凸構造体18aにおいては、凸部の頂部から凹部の底部までにかけて屈折率が緩やかに変化することになる。そのため、空気と反射防止体18とによって形成された界面での光の反射が抑制される。
【0029】
凹凸構造体18aの外表面を構成する頂部18cは、図1のA−A線に沿った断面構造を示す図2によるように、埋め込み材18bによって覆われている。また、凹凸構造体18aの頂部18c間の距離である周期18pは、透明基板11の表面での反射を抑えたい光、例えば上記第1発電層13及び第2発電層15での発電に寄与する光の波長よりも短い。これにより、反射防止体18は、発電に寄与する波長の光の波長を他の波長の反射と比較してより抑えることができる。
[太陽電池の製造方法]
[反射防止体]
次に、本実施形態における太陽電池の製造方法、特に反射防止体の製造方法について図3〜図6を参照して説明する。なお以下では、透明基板上に上述の各種電極や発電層が形成された後に、該透明基板上に反射防止体が製造される方法について説明する。しかしながら、図3〜図6においては、上記各種電極や発電層等が図示の便宜上割愛されている。また、図3及び図5は、図1のA−A線に沿った各製造工程における断面構造を示す図であって、該断面構造を上記薄膜太陽電池10の製造工程順に示したものである。
【0030】
図3(a)に示されるように、透明基板21の一面であって、上記発電層等が形成されていない側の面に、バーコータやスプレー等によってゾルゲル液状の透明材料22が塗布される。透明基板21は、例えばソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ボレートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、石英ガラス等の各種ガラス基板によって形成することができる。また、同透明基板21は、ポリエチレンテレフタラート、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル等の各種樹脂によって形成することもできる。透明基板21の屈折率は、例えばソーダライムシリケートガラス製の透明基板21であれば約1.51であり、ポリエチレンテレフタラート製の透明基板21であれば約1.57である。なお、本実施形態における屈折率とは、550nmの光に対する屈折率のことである。
【0031】
上記透明材料22は、上記透明基板21上にシリコン酸化膜を形成する場合であれば、例えばメトキシトリエチルシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリエトキシシラン等のオルガノアルコキシシランと、エタノールと、水と、塩酸との混合物、あるいは、シルセスキオキサンである。なお、透明材料22が上記混合物であるとき、オルガノシロキサンに対するエタノール、水、塩酸のモル比は、例えば「1:4:2×10−3」とする。こうした混合物の透明材料22から形成されたシリコン酸化膜の屈折率は、約1.42である。
【0032】
また透明材料22は、上記透明基板21上に樹脂材料の膜を形成する場合であれば、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂等である。これら樹脂によって形成された膜の屈折率は、約1.5である。このように本実施形態では、透明基板21の屈折率と透明材料22の屈折率とが略等しいことから、透明基板21と透明材料22との間での光の反射を抑制しつつ、上記第1発電層13側に光を入射させることができる。
【0033】
透明基板21上に塗布した透明材料22を所定時間乾燥させた後、図3(b)に示されるように、透明材料22に例えばポリエチルペンテンフィルム等で形成された金型23を押し当てる。金型23は、先の図1及び図2に示した凹凸構造体18aを反転させた形状であって、頂部23aの周期23pが凹凸構造体18aの頂部18cの周期に等しい。同図3に示される金型23は、形状の転写される透明材料22に凹部を形成するいわゆる雄型を成しているものの、該金型23は、形状の転写時に透明材料22に凸部を形成するいわゆる雌型を成しているものであってもよい。金型23は、例えば1MPa以下、好ましくは0.1MP以上0.4MPa以下程度の圧力で透明材料22に押し付けられる。なお、先の工程における透明材料22の乾燥は、こうした圧力の範囲で透明材料22に金型23の押し付けが可能な範囲とされる。
【0034】
次いで、図3(c)に示されるように、金型23が押し付けられた状態で、透明材料22を加熱して乾燥させる。金型23が上記ポリエチルペンテンフィルムによって形成されている場合には、40℃以上50℃以下程度の温度で加熱することが好ましい。こうした温度にて透明材料22の乾燥を行うことにより、熱による金型23の変形を抑制できるため、透明材料22に対して金型23の形状を精度よく転写することができる。
【0035】
透明材料22を乾燥させた後、図3(d)に示すように、該透明材料22から金型23を外す。その後、図3(e)に示されるように、シリコン酸化膜を形成するための透明材料22が1000nm塗布されている場合には、120℃以上170℃以下で120分焼成することにより凹凸構造体24が形成される。なお、透明材料22を焼結して凹凸構造体24を完成させるときの温度は、透明基板21上に予め形成された各種電極や発電層の耐熱温度以下に設定されている。
【0036】
凹凸構造体24は、透明基板21から離れる方向に凸状をなした複数の凸部24aと、透明基板21に接するとともに、凸部24a同士を連結する連結部24bとから構成されている。凸部24aにおける頂部24cの周期24pは、上記金型23における頂部23aの周期23pと等しく、かつ、各発電層13,15にて光電変換に用いられる光の波長よりも短い周期である。また、凹凸構造体24を形成する凸部24aの突出量は、複数の凸部24aの頂部24cが含まれる平面と、凸部24a間に形成される複数の凹部24dの底部24eが含まれる平面との距離である。そして、この突出量24fは、連結部24bの厚さ24g、つまり、透明基板21の連結部24b側の面と凹部24dの底部24eが含まれる平面との距離よりも大きい。
【0037】
上述した凸部24aの突出量24fは、反射防止体による光の反射防止機能を決定する一因である。そのため、所定の反射防止機能を持たせるために凸部24aの突出量24fを所定量に規定した場合、連結部24bの厚さ24gを凸部24aの突出量24fよりも小さくするほど、凹凸構造体24、ひいては反射防止体を小さくすることができる。他方、連結部24bの厚さを凸部24aの突出量24fよりも大きくするほど、凹凸構造体24、ひいては反射防止体の機械的な強度を高めることができる。ちなみに、図4に示されるように、凸部24aの周期24pは、隣接する凸部24a間であればいずれにおいても略等しい長さである。
【0038】
なお、本実施形態においては、上記図3(a)〜図3(e)を参照して説明した工程が、複数の凸部を形成する工程を構成している。また、同工程が、いわゆるナノインプリント法を用いた凸部の形成工程である。
【0039】
そして、図5(a)に示されるように、凹凸構造体24の形成された透明基板21に、酸素含有環境中で紫外線25を15分照射する。すなわち、凹凸構造体24の表面における親水性を高める処理であるUVオゾン洗浄を凹凸構造体24に施す。これにより、凹凸構造体24に付着した有機系の汚染物が除去されるとともに、凹凸構造体24の表面に例えばヒドロキシル基等の親水基が付加される。
【0040】
その後、図5(b)に示されるように、凹凸構造体24に埋め込み材26を塗布することによって、凸部24a間に形成された凹部24dの全体を埋め込むとともに、凸部24aの頂部24cを埋め込み材によって覆う。埋め込み材26の塗布は、例えばスピンコータを用いて2000rpmの回転速度で1分行う。なお、埋め込み材26の塗布は、スピンコータに限らず、ロールコータやスリットコータを用いて行うようにしてもよい。
【0041】
埋め込み材26は、多孔質膜の形成材料であって、例えば、一般式Si(ORあるいはR(Si)(OR4−aで表されるアルコキシシラン類と、界面活性剤と、触媒金属元素と、ウレア結合、ウレタン結合、あるいはアミド結合を含有する有機化合物等との溶解したアルコール含有水溶液である。
【0042】
一般式Si(ORあるいはR(Si)(OR4−aで表されるアルコキシシラン類は、例えばテトラエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン等である。界面活性剤は、例えば炭素数8〜24の長鎖アルキル基と、アミノ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の親水基を有する化合物、及びポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物である。触媒金属元素は、2.5以上の電気陰性度を有する両性元素、1.6Å以上のイオン半径、及び130以上の原子量の少なくとも1つを満たす元素、例えばセシウム(Cs)等である。埋め込み材26によって形成された多孔質膜は、例えば1.2〜1.3程度の屈折率を有する。
【0043】
そして、図5(c)に示されるように、埋め込み材26の塗布された透明基板21を100℃で60分加熱することによって、埋め込み材26を焼成する。その後、図5(d)に示されるように、埋め込み材26の塗布された透明基板21に対して紫外線27の照射を120℃以上170℃以下で1分行う。これにより、埋め込み材26が多孔質化される。なお、埋め込み材26の焼成温度、及び紫外線27照射時の温度は、上記透明材料22の焼成時と同様、上記各種電極や発電層の耐熱温度以下に設定されている。
【0044】
このように、図3及び図5に示される工程を経ることによって、図6に示されるように、凹凸構造体24と埋め込み材26とから構成される反射防止体が、透明基板21上に形成される。
[発電層]
なお、先の図1に示される各種電極や発電層は、例えば以下の方法で形成される。まず、透明基板11における反射防止体18の形成面とは反対側の面に、導電性酸化物の薄膜が、透明電極12として形成される。透明電極12は、アルミニウムやガリウムを所定の割合で含有する酸化亜鉛のターゲットを不活性ガスでスパッタすることにより形成される。そして、透明電極12における透明基板11とは反対側の面に、0.1%の塩酸を用いたウェットエッチングによってテクスチャ12aが形成される。
【0045】
その後、アモルファスシリコンによって形成される第1発電層13が透明電極12上に形成される。第1発電層13は、例えばプラズマCVD法によって形成される。第1発電層13の形成に際しては、まず、p型不純物であるホウ素の添加されたアモルファスシリコン層である第1p型半導体層13pが、例えばモノシラン(SiH)ガス、水素(H)ガス、及びジボラン(B)ガスによって形成される。次いで、不純物の添加されていないアモルファスシリコン層である第1i型半導体層13iが、例えばモノシランガスによって第1p型半導体層13p上に形成される。そして、n型不純物であるリンの添加されたアモルファスシリコン層である第1n型半導体層13nが、例えばモノシランガス、水素ガス、及びホスフィン(PH)ガスによって形成される。
【0046】
次いで、中間層14を上記透明電極12と同様の方法で形成した後、微結晶シリコンによって形成される第2発電層15が形成される。第2発電層15を構成する第2p型半導体層15p、第2i型半導体層15i、及び第2n型半導体層15nは、例えば、上記第1発電層13を構成する同一の導電型である層と同一のガスを用いるとともに、アモルファスシリコンを形成するときよりも相対的に高い圧力下でのプラズマCVDによって形成する。そして、バッファ層16を上記透明電極12と同様の方法で形成した後、裏面電極17を銀あるいはアルミニウムのターゲットをスパッタ等の各種蒸着法によって形成する。
【0047】
本実施形態では、各種電極や発電層等を形成した後に、上記反射防止体18を形成するようにしている。このような方法によれば、反射防止体18の支持構造が、上記各種電極や発電層の積層体によって強固なものとなる。そのため、反射防止体18が上述のような凹凸構造を有していたとしても、反射防止体18の搬送時等に上記支持構造の受ける振動や衝撃は、同支持構造によって吸収され、反射防止体18に伝わり難くなる。それゆえに、反射防止体18が、その製造時、特に搬送時に損傷することを抑制できる。
[実施例]
透明基板上に凹凸構造体を形成し、該凹凸構造体の凹部を埋め込み材によって埋め込むことによって反射防止体を形成した。以下に、透明基板、凹凸構造体を形成する透明材料、及び埋め込み材の材料を記載する。
[透明基板]
・ガラス基板 50mm角 厚さ1.1mm
透明基板の屈折率は、分光エリプソメーターを用いて550nmの波長の光について測定したところ、1.51であった。なお、本実施例における屈折率とは、波長が550nmである光に対する屈折率のことである。
[透明材料]
・メチルトリエトキシシラン
・エタノール
・水
・塩酸
メチルトリエトキシシランに対するエタノール、水、塩酸のモル比が「1:4:2×10−3」となるように、上記材料を混合して透明材料を形成した。そして、透明基板上に、1000nmの厚さで塗布した。この厚さの透明材料の屈折率は、1.42であった。[埋め込み材]
・テトラエトキシシラン 0.48モル
・ジメチルエトキシシラン 0.0071モル
・非イオン性界面活性剤 0.1モル
上記材料をエタノール中に溶解した後、Cs(NO)/HO混合物を、Cs元素の濃度が100ppmとなるように添加した。その後、溶液中での尿素とSiとの元素非が0〜0.25モル濃度となるように尿素を添加した。
【0048】
上記透明基板上に形成された凹凸構造体に、上記埋め込み材を塗布した。なお、100nmの膜厚を有する埋め込み材の屈折率は、1.32であった。
[反射防止体の外表面の形状]
上記透明基板に上記透明材料を塗布した後、雌型の金型を押し当てて凹凸構造体を形成した。そして、凹凸構造体の凹部を埋め込むように上記埋め込み材を塗布して反射防止体を形成した。図7に示されるように、反射防止体における外表面、つまり、光の入射する側の面であって、空気に露出される側の面では、凹凸構造体の凹部の全体が、埋め込み材によって埋め込まれていた。加えて、凹凸構造体の凹部を形成しているパターンの上部にも埋め込み材が乗り上げているため、反射防止体の外表面には凹凸構造体の形状に由来するパターンが現れていた。
[反射防止体による反射抑制]
上記透明基板、膜厚100nmの埋め込み材のみの塗布された透明基板、凹凸構造体のみの形成された透明基板、及び反射防止体の形成された透明基板の透過率を測定した。透過率は、分光光度計で積分球を用いて測定した。図8に示されるように、光の波長が400nm〜800nm程度である可視光の領域では、透明基板の透過率は凡そ91%であった。埋め込み材のみの塗布された透明基板の透過率は、短波長側で94.5%であるとともに、長波長93%であり、波長が長くなるにしたがって透過率の低下が認められた。凹凸構造体のみの形成された透明基板の透過率は、短波長側で93%であるとともに、長波長側で94.5%であり、波長が長くなるにしたがって透過率の向上が認められた。反射防止体の透過率は凡そ93%であった。このように、屈折率の互いに異なる2つの材料によって形成された反射防止体によっても、透明基板と空気との間での屈折率の急激な変化を抑制する機能を有した凹凸構造体、及び埋め込み材の層と同程度の反射抑制効果を得られることが認められた。
[埋め込み材による機械的強度の向上]
鉛筆硬度試験(JIS K5600)によって下記試料の硬度を測定した。
・透明基板上に形成された凹凸構造体 鉛筆硬度 4B
・透明基板上に形成された埋め込み材の層 鉛筆硬度 4B
・透明基板上に形成された反射防止体 鉛筆硬度 3B
凹凸構造体を埋め込み材によって埋め込むことにより、機械的強度の指標である硬度が高められた。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)反射防止体18は、空気中に露出されるとともに光の入射する面に複数の凸部が形成された透明な凹凸構造体18a,24を有するとともに、凸部24a間に形成される凹部には、透明な埋め込み材18b,26が埋め込まれているようにした。これにより、凸部24a間への汚染物の蓄積や凸部24aの損傷を抑制することができる。それゆえに、反射防止体18の有する光の反射を抑制する機能の低下を抑えることができる。
【0050】
(2)また、薄膜太陽電池10は、こうした反射防止体18を有することから、反射防止体18における光を反射する機能の低下が抑えられることで、薄膜太陽電池10における光電変換効率の低下が抑えられるようになる。
【0051】
(3)埋め込み材18b,26の屈折率が、透明基板11,21の屈折率と空気の屈折率とによって規定される範囲に含まれるようにした。これにより、空気と透明基板との間に他の材料である埋め込み材18b,26を介在させたとしても、これら材料間における屈折率の変化を緩和することができる。それゆえに、反射防止体18による光の反射を抑制する効果を維持しつつ、こうした光の反射を抑制する効果の低下を抑えることができる。
【0052】
(4)埋め込み材26が、凹部24dの全体に埋め込まれるとともに、凸部24aの頂部24cを覆うようにした。そのため、上述のような凸部24a間への汚染物の堆積や凸部24aの損傷をより抑えられるようになる。
【0053】
(5)複数の凸部24a間に形成された凹部24dを埋め込む前に、凸部24aの表面をオゾン洗浄することによって、該表面の親水性を高める処理を行うようにした。これにより、埋め込み材26が凹部24d内に充填されやすくなるため、凹部24dに形成された埋め込み材26内や、凸部24aの表面と埋め込み材26との間に空隙が生じることを抑制できる。
【0054】
(6)複数の凸部24aを有する凹凸構造体24を形成する際には、ナノインプリント法を用いるようにした。そのため、金型23の転写のみによって複数の凸部24aを形成できる。それゆえに、リソグラフィ工程やエッチング工程等を経て上記凸部を形成する方法と比較して、反射防止体の製造をより簡易かつ安価に行うことができる。
[変形例]
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
【0055】
・実施例では、凹凸構造体と埋め込み材とを形成する材料として、同等の硬度を有する材料を用いるようにした。これに限らず、例えば凹凸構造体よりも高い硬度の埋め込み材を用いるようにすれば、反射防止体の硬度、ひいては機械的強度をより高めることができる。
【0056】
・薄膜太陽電池10は、互いに異なる材料によって形成された第1発電層13と第2発電層15とを有するものとした。これに限らず、図9に示されるように、発電層を1つ有する太陽電池であってもよい。つまり、透明基板31に、透明電極32、発電層33、バッファ層34、及び裏面電極35が、光の入射側から順に積層されるとともに、透明基板31の透明電極32とは反対型の面に、凹凸構造体36aと埋め込み材36bとによって構成される反射防止体36を備える薄膜太陽電池30であってもよい。なお、発電層33は、上記薄膜太陽電池10の第1発電層13及び第2発電層15と同様、p型半導体層33p、i型半導体層33i、及びn型半導体層33nから形成される。
【0057】
・透明電極12は、アルミニウム含有酸化亜鉛(AZO)、ガリウム含有酸化亜鉛(GZO)、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素含有酸化スズ(FTO)等以外の透光性導電酸化膜(TCO)によって形成するようにしてもよい。
【0058】
・裏面電極17は、銀やアルミニウム以外の反射膜によって形成するようにしてよい。
・反射防止体18は、凹凸構造体18aにおける凸部の頂部18cが、埋め込み材18bによって覆われている構造とした。これに限らず、図10に示されるように、透明基板41上に形成された凹凸構造体42における凸部42aの頂部42cが、埋め込み材43によって覆われていない構造であってもよい。言い換えれば、埋め込み材43が、凹部42dの途中まで埋め込まれているような構造であってもよい。
【0059】
・上記金型23の材料は、上記ポリエチレンペンテンフィルムに限らず、例えば他の樹脂材料や金属等であってもよい。要は、上述のような透明材料に対して凹凸形状を転写可能な材料から形成されていればよい。
【0060】
・金型23は、上述のように雌型であってもよい。この場合、図11に示されるように、透明基板51上に形成された凹凸構造体52は、透明基板51側に向かって凸状に形成された凹部52dを有している。なお、凹部52dの頂部52cは、埋め込み材53によって覆われている。
【0061】
・凹凸構造体24の突出量24fを連結部24gの厚さよりも大きくするようにしたが、凹凸構造体24の突出量24fは、連結部24gの厚さ以下であってもよい。
・反射防止体18有する凹凸構造体18aは、透明基板11と別の材料で形成するようにした。これに限らず、該凹凸構造体を透明基板に形成するようにしてもよい。そして、透明基板に形成された凹凸構造体の凹部を埋め込み材で埋め込むことによって反射防止体を形成するようにしてもよい。
【0062】
・反射防止体18を形成する際の各種処理における温度は、凹凸構造体18aの形成及び焼成や埋め込み材18bの焼成等が可能な範囲であれば適宜変更することができる。
・各種電極や発電層を形成した後に反射防止体18を形成するようにした。これに限らず、透明基板11上に反射防止体18を形成した後に各種電極や発電層を形成するようにしてもよい。これにより、電極や発電層の耐熱温度によることなく凹凸構造体18a,24を形成する透明材料22の焼成や、埋め込み材26の焼成を行うことができることから、より高温での焼成が可能になる。そのため、反射防止体18の硬度を高めることができる。
【0063】
・予め凹凸構造体24及び埋め込み材26からなる反射防止体18が形成された透明基板21に対して、各種電極や発電層を形成するのであれば、凹凸構造体24を形成するときの透明材料22の焼成は、400℃以上600℃以下の温度にて60分で行うことができる。このように、反射防止体18の形成後に上記電極等を形成する場合には、電極等の形成の後に反射防止体18を形成する場合と比較して、より高温にて凹凸構造体24を形成する透明材料22の焼成を行うことができる。そのため、凹凸構造体24の焼成に要する時間を短くするとともに、焼成された凹凸構造体24の硬度を高めることができる。
【0064】
・凹凸構造体24の形成された透明基板21上に各種電極や発電層を形成した後に、凹凸構造体24の凹部に埋め込み材26を埋め込むようにしてもよい。
・凹凸構造体24の形成された透明基板21と、各種電極や配線層が形成された他の透明基板とを貼りあわせた後に、凹凸構造体24の凹部に埋め込み材26を埋め込むようにしてもよい。また、凹凸構造体24の凹部に埋め込み材26が埋め込まれた透明基板21と、各種電極や配線層が形成された他の透明基板とを貼りあわせるようにしてもよい。なお、このように、凹凸構造体24の形成と、上記電極等の形成とを各別に行う場合にも、上述のように予め反射防止体18の形成された透明基板21に対して電極等を形成する場合と同様、凹凸構造体24を形成する際の焼成をより高温かつ短時間で行うことができる。
【0065】
・透明材料22の焼成と埋め込み材26の焼成とを各別に行うようにした。これに限らず、焼成前の凹凸構造体18aが埋め込み材26の塗布時にその形状を維持できるものであれば、これらの焼成を一括して行うことも可能である。このような方法によれば、透明材料22の焼成、あるいは埋め込み材26の焼成を割愛できるため、反射防止体18の製造に必要な工程数を減らすことができる。
【0066】
・薄膜太陽電池10を構成する各種電極や発電層の形成方法は、上述の方法に限らない。要は、透明電極12や裏面電極17、あるいは第1発電層13及び第2発電層15を構成する各種薄膜を形成可能な方法であればよい。
【0067】
・埋め込み材の形成材料は、凹凸構造体18a,24を形成する透明材料の屈折率よりも小さく、かつ空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する透明ものであればよい。
・上記凹凸構造体18a,24は、ナノインプリント法以外の方法、例えばマスクを用いたエッチング、マスクを用いないエッチングなどによって形成するようにしてもよい。
【0068】
・上記凹凸構造体24の親水性を高める処理は、上述のUVオゾン洗浄以外の方法で行ってもよい。
・本実施形態では、本発明の反射防止体を備える太陽電池を薄膜太陽電池として具現化した。これに限らず、太陽電池は、単結晶シリコンや多結晶シリコンを用いた結晶太陽電池、あるいは化合物半導体を用いた太陽電池等として具現化することも可能である。
【0069】
・本実施形態では、本発明の反射防止体を太陽電池の備える反射防止体として具現化した。これに限らず、例えば、フラットパネルディスプレイや、有機EL装置等の有する反射防止体として具現化することも可能である。
【符号の説明】
【0070】
10,30…薄膜太陽電池、11,21,31,41…透明基板、12,32…透明電極、12a…テクスチャ、13…第1発電層、13p…第1p型半導体層、13i…第1i型半導体層、13n…第1n型半導体層、14,34…中間層、15…第2発電層、15p…第2p型半導体層、15i…第2i型半導体層、15n…第2n型半導体層、16…バッファ層、17,35…裏面電極、18,36…反射防止体、18a,24,42,52,36a…凹凸構造体、18b,26,36b,43,53…埋め込み材、18c…頂部、18p,24p…周期、22…透明材料、23…金型、23a…頂部、24a,42a,52a…凸部24ab,42b,52b…連結部、24c…頂部、24d,42d,52d…凹部、24e…底部、24f…突出量、24g…厚さ、25,27…紫外線、33…発電層、33p…p型半導体層、33i…i型半導体層、33n…n型半導体層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に露出する面であって光の入射する面に前記光の波長よりも小さい間隔をあけて複数の凹部が形成された透明板状の基材を有する反射防止体であって、
前記凹部には、前記基材の屈折率よりも小さく、かつ空気の屈折率よりも大きい屈折率を有した透明な埋め込み材が埋め込まれている
ことを特徴とする反射防止体。
【請求項2】
前記埋め込み材は、前記凹部の全体に埋め込まれるとともに、前記凹部が形成された前記基材の面を覆っている
請求項1に記載の反射防止体。
【請求項3】
前記埋め込み材の硬度は、前記基材の硬度よりも大きい
請求項1又は2に記載の反射防止体。
【請求項4】
光の受光面側に空気中に露出するように反射防止体の設けられた太陽電池であって、
前記反射防止体が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射防止体である
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項5】
空気中に露出する面であって光の入射する面に前記光の波長よりも小さい間隔をあけて複数の凹部が形成された透明板状の基材を有する反射防止体を製造する方法であって、
前記基材の一面に複数の凹部を形成する工程と、
前記基材の一面に埋め込み材を塗布して前記凹部を埋め込む工程とを備え、
前記埋め込み材の屈折率が、前記基材の屈折率よりも小さく、かつ空気の屈折率よりも大きい
ことを特徴とする反射防止体の製造方法。
【請求項6】
前記複数の凹部を埋め込む工程の前に、
前記凹部の表面の親水性を高める処理を行う
請求項5に記載の反射防止体の製造方法。
【請求項7】
前記複数の凹部を形成する工程では、ナノインプリント法を用いて前記基材の一面に前記複数の凹部を形成する
請求項5又は6に記載の反射防止体の製造方法。
【請求項8】
光の受光面側に空気中に露出するように反射防止体の設けられた太陽電池を製造する方法であって、
前記反射防止体を請求項5〜7のいずれか一項に記載の反射防止体の製造方法によって製造する
ことを特徴とする太陽電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−182160(P2012−182160A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42009(P2011−42009)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】